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◆軍事組織関連
総記FAQ目次

 【Link】

Room of the relic of the past
 「兵学の部屋」「糧食の部屋」など.

岳飛の軍事・戦術研究所

軍事革命(RMA)(中村好寿著,中公新書,2001.8)

戦時中,戦場でほのぼのとした話し

補給戦――何が勝敗を決定するのか(マーチン・ファン・クレフェルト著,中公文庫,2006.5)


 【質問】
 世界には軍を持たない国が27あるそうですが,それがどこか教えて下さい.

 【回答】
アイスランド  アンティグア・バーブーダ  アンドラ  キリバス
グレナダ  コスタリカ   サモア  サンマリノ  セントヴィンセントグレナディーン
セントクリストファー・ネーヴィス  セントルシア  ソロモン  ツバル
ドミニカ  トンガ  ナウル  ハイチ  バチカン  パナマ  パラオ
マーシャル  ミクロネシア  モナコ  リヒテンシュタイン
の24カ国です.共通点は,全て小国ですね.

 なお,老婆心ながら,それらの国々は「軍事力を放棄した平和で素晴らしい国々」ではなく,
・国が貧しすぎて敢えて他国の安全保障に頼っていたり(キリバス,ソロモン,ツバル,トンガetc)
・地理的に色々ヤバすぎて独自の軍事力を持てなかったり(パナマとか)
・国の成り立ちが少々特殊だったり(モナコとか)
・「警察組織」が実質上「軍隊なみ」だったり(コスタリカとか)
・人口過少なので国防をNATOに委託していたり(アイスランドとか)
と,それぞれ理由があるのです.


 【珍説】
 軍事組織は戦闘・殺戮の効率的な遂行を至上の任務とする組織

新藤宗幸 in 『自衛隊をどうするか』(岩波新書,1992/1/21),p.57

 【事実】
 やれやれ,第2章の序盤からしてこれですか.
 認識が根本的に間違っています.

 軍事力の第一義は抑止力.これは基本です.

 江畑謙介の定義によれば, 

軍事力(それは広くは軍隊自身を含め,兵士だけではなく国民の指揮や継戦能力,すなわちどれだけ戦闘を続けられるかの能力も含まれる)の最大にして最も根本的な役割は抑止力である.
 〔略〕
 他の国(あるいは民族など)から,本来その国に属するはずの(と,その国が考える)権利を侵害されたり,生存,繁栄が阻害されるため,やむをえず軍事力を行使するのだが,本来ならそのような事態が生じないようにするのが軍事力の役目である.
 武道の強い人間に,喧嘩を売ろうとしないのと同じ理屈が,国家間,民族間などでも適用する.

『軍事力とは何か』(光文社,1994/12/20),p.24

 事実,確実に殺害するより,負傷させて無力化するための兵器も作られていますね.

 新藤君におかれましては失礼ながら,軍事に関する基本中の基本も理解しておられない人間が,国家安全保障問題を語らないほうがよろしいかと存じます.
 無知が安全保障を語ってもトンデモになるだけだよ.


 【質問】
 戦争を回避するために軍事力を整備する,という考え方が分かりません.

 【回答】
 抑止力という概念を学べば自ずと分かりますよ.

 かなり端折って言えば,100の価値ある領土を手に入れるのに,価値10の軍隊が必要だが,守備が100の軍隊を用意していた場合,110の軍隊を用意しなくてはならないので,戦争は起きない,という当たり前の話です.

ごんじぃ in mixi


 【質問】
 各国の防衛計画って結構広く知られたりしていますが,手の内がばれて問題になったりしないのでしょうか?
 我が戦力を隠して,(仮想)敵に我が軍を弱く見せておいた方が,敵の油断を誘えるので良いのではないでしょうか?
 我が方を弱く見せる
→敵は油断して攻めて来る
→しかし,実は精強無比な我が軍が敵を片っ端から返り討ちにする

こんな感じで.

 【回答】
 ばれても構わない情報なので公開しています.詳細が判らなければ,手の内を晒すことに繋がらないでしょう.
 計画への対抗策で敵対国に負担を強いる事で,優位を得たりする事も出来たりします.
 SDI計画等が良い例でしょう.アレは殆どブラフでしたが(笑).

 それに,無闇に情報を隠す事で敵対国が自国の軍備を過小評価し,結果として動乱を招きかねません.
 戦争の発生原因には,相手国の軍備の過小評価が例としてよく挙げられます.

 また,軍事計画を無闇に隠匿する行為は,信義で維持される国際関係を損なう行為と見られるでしょう.
 世界に緊張緩和と核軍縮を謳いながら自国だけ軍拡を行なったソ連が,露見した後に浴びた非難を見れば分かると思います.

 軍備とはあくまでも戦争を抑止する為の手段なのです.計画をちょっと公開するだけで戦争を抑止したり,侵略の意図を挫けるのなら安いもの.

ue ◆WomMV0C2P

 強く見せた方が抑止力効果が働く.
 仮に弱く見せれば,戦争以前の外交で,相手国との軍事プレゼンスを誇示しあう事が必要な場面が出てくる.であれば最初から強く見せた方が,軍備がもたらす効果をよく利用できる.

 例えば,軍事評論家・江畑謙介が戦艦大和を非難するのもそういう論理.
 戦争することを前提に軍事力を整備するわけだが,実際の殴り合いにならないと役に立たない兵器は,次善の策なんだ,と.
「性能を秘匿してアメリカ艦隊に大打撃を!」
「戦争が抑止できなかった時点で,軍事力としては失格です」
というわけ.

 なお,大規模な組織・予算・編成・練度の維持を必要とする軍隊で,敵国の情報収集の目を欺く事が出来るほど,実力を隠す事は事実上不可能.


 【質問】
 日露戦争でロシア海軍が消滅してから,日本海軍は(当面の脅威でないはずの)アメリカ海軍を仮想敵として軍備を増強したり,アメリカも現実味は薄くともレインボープランを立てたりしてますが,軍隊の常に仮想敵を求める体質は普通なんですか?
(まさか現代の仏軍は英や独との,韓国軍は日本との戦争をシュミレートしてたりして)

 【回答】
 仮想敵を求めるというか,実際に戦争が起こる可能性はともかく,地図を見れば相手は決まってくる.
 日本vsスイスの戦争といったようなものなど地政学上,まず起こり得ないが,その逆の存在もあるわけで.

 で,軍隊,そして安全保障というものは常に備えておくもの.
 仮に現時点で非現実的であっても,その状態が未来永劫続く訳じゃない.
 したがって,防衛計画立案の段階で,自国に脅威を及ぼす能力を持つ国を相手として想定するのは当然.
 しかし,全地球の国家それぞれを相手とした軍備など不可能だしその必要もないから,優先順位の高い順=利害の衝突や位置的に戦力の接触が起こりそうな順に,戦争状態に陥った場合の対応を想定する.
 これが仮想敵国.
 仮想敵を設定しないと,その国と戦争になった場合,こちらはどういう攻め方・守り方をすべきか検討できない.
 軍備の内容もそれに合わせて考えることになるしね.

 したがって,別にあなたが表現したような.
常に仮想敵を求める体質=次はこいつと戦争してみたい
と言う様な性質のものではありません.

 明日授業で当てられるのがわかってたら,億劫でも予習するなりアンチョコ作ったりするでしょ?
 学生なら恥掻くだけで済みますが,国家間では国が滅びます.

 現実問題として,流動化する国際社会で,仮想敵国がある時代が途切れる事が無いってのもある.
 日本だって,ソビエト崩壊したから北朝鮮や中国を敵国として想定したわけではなく,ソビエト崩壊以降の時代にあって,流動する国際社会の中で実際に敵として明確な存在になってしまったわけだし.

 で,そのプランを実際にどう活用するかは政治の役割.
 選択肢のはずのプランに,逆に政治や軍隊が振り回されることがあるのは,ご存じのとおり.

>(まさか現代の仏軍は英や独との,韓国軍は日本との戦争をシュミレートしてたりして)

 現在,フランスは英独と同盟国だし,韓国も日本とは米を介しての準同盟国ではある.
 しかし,英独はフランスの,日本は韓国の主権を軍事的に侵しうる能力と地理にあるのは事実.
 で,あるならば.具体的な戦争計画立案とまではいかなくとも,研究くらいは当然している.
 日本も同様.
 在韓国大使館にだって自衛官や情報官僚が駐在している.


 【質問】
 軍人は戦争には消極的って本当ですか?
 本当だとしたら,旧日本軍の暴走はなぜ起きたのですか?
 参謀本部は好戦的だったのですか?

 【回答】
 一般的に軍人さんは戦争をやりたがらない.
 だって戦争になったら死ぬのは自分や自分の部下だから.

 だが,軍人は軍人でも,参謀本部や軍務省(日本だったら陸軍省と海軍省)勤務の軍務官僚は戦争になっても現場に出ないので,そういった観点からの戦争嫌悪はあまり強く持たなくなる.
 その替わりに「軍人の存在意義を示したい」といったメンツや欲望,他の省庁との縄張り争い,予算争いといった利権が行動の原動力になっていく傾向が強く,現実を無視した行動に走るようになる.

 あと,当たり前だが軍隊は戦争が起きた時にしか役に立たない.
 本当は平時でも軍隊の存在自身が「抑止力」として国を守っているのだが,そういった形にならないものはなかなか評価されないので,軍隊という組織は平和な時代は常に
「国民や為政者に役立たずと言われて削減される恐怖」
に怯える事になる.
 これは
「自分たちが役立つ組織であることを示したい」
「自分たちを役立たず扱いして見下す連中に,目に物を見せてやりたい」
といった歪んだ感情を軍人に持たせることが多く,過剰に仮想敵国を意識した行動をとって無意味に国際関係を緊張させたり,ちょっとした武力衝突を「現場の判断」で全面衝突に拡大してしまう,「軍部の暴走」を招くことに なる.
 また,平時に
「役立たずと思われているんじゃないか」
という思いは,逆説的に有事には
「ここは自分たちの素晴らしさを示そう」
「頼られたからには頑張らねば」
という,「信頼に答える結果」を出したいという軍人の奮起を呼び,必要以上に軍隊が「頑張って」しまうことがある.
 これも,「国民の声に答えるために」という名目で軍隊が暴走する結果を招く.

 なお,戦前の日本は特殊例過ぎて参考にならない.
 参謀本部のみに限れば,支那事変の戦端を開く事には消極的だった.
 政府や海軍がイケイケだったり,現地軍が参謀本部の制止を振り切って南京まで侵攻したり,近衛や廣田がポカしてグダグダの果てに泥沼へと陥った.


 【質問】
 よく戦記物で,
「相手の不可解な行動→ある戦略に基づくものだった」
という時に「ま,まさか!」って,ずいぶんと的確に気がつく敵将の描写があったりするけど,それって本当にあるのかなぁ?
 考え得る作戦全てに防衛戦を張る気がするんだけど.

 【回答】
 まあ,どこの世界にも勘のいい奴はいるだろうけど.
 単に「読者のために,知将の作戦を解説するテリーマン」が必要なだけだろ,小説の場合.

 それに,考えうる作戦全てに対策を講じるのはリソースの問題から無理だろう.
 可能性の高いものから対策していく,なら分かるが.

 例えば攻めるにしても,定法的なものがあるので,守る方もそれに沿って重点的に対策を立てる訳.
 予想できるすべてに対して対策を立てるのは,人的余裕とか物的余裕などがよほど豊富でないと難しい.
 だからこそ,相手方の行動パターンや戦術なんかの収集が大事になる.
 そしてその裏を突く事も.
 うまく裏を突ければ「策士」,外せば「策士,策に溺れる」,という事になる.
 マジノ線突破とかノルマンディー上陸とかがいい例だと思う.

 いろんな状況に対しては一応練習するんだけどね,図上演習とかのシミュレーションで.
 ほれ,映画「史上最大の作戦」ってあったでしょ?
 あれでドイツの足の悪い将軍が,図上演習での奇策としてノルマンディー上陸を思いつく,というやつ.

 まあ,指揮官クラスならいろんな戦術戦略が頭に入ってると思われるので,自分の置かれた状況からハメられたと理解できる事もあるでしょ.
 ハメられた状況を逆手に取れるのが名指揮官なんだろう.


 【質問】
 軍事作戦において,補給の概念が大事になってくるのはいつごろから?

 【回答】
 M・V・クレヴェルトの「補給戦」(原書房,1980/11)に詳しいですが,弾薬や銃器の劇的な増加は第一次世界大戦の頃に起きました.燃料もそのころからです.
 逆にそれまでは,補給の殆どは馬匹の餌と糧食だったから,現地調達が可能であったと.

(軍事板)

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     /   ノ ヽ (  ノ⊂ ̄))) ̄⊃
     /|ヽ  (_ノ  ._ ̄  0'ヽ 0'
    / |ノ  .)    (_)  ヽ  i (   むしゃむしゃしていた。
 ∋ノ |  /――、__  ./(∩∩)  馬匹の餌なら何でもよかった。
      / /| ヽ__ノ   | / ./     今は反芻している。
    | ( | ( ’’’    | ( /
    |__ヽ.L_ヽ        Lヽ_ヽ
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 【質問】
 各国の安全保障機関で,警察か軍隊か区別がつきにくいところがありますよね.どうすれば区別できるんですか?

 【回答】
 軍隊と警察の違いですが,法規上交戦権を有するのが軍隊で,警察等は外形的(制服・公然武器携帯・指揮系統)には交戦団体の必要条件を満たしてはいるものの,所管する国家から交戦権を与えられていないので軍隊ではない,ということになります. 
 有事の際に軍管轄下に置かれる沿岸警備隊・国境警備隊等は準軍隊となります.
 よって,日本の旧保安隊やコスタリカの警備隊は非軍隊,中国の武装警察は軍隊となります.

 実際には,他国等が軍事力と見なすかはその国にとって脅威・障害となり得るか,市民が軍隊と見なすかは,外形的な印象やその人の思想信条で異なるかと思いますが,コスタリカの場合は準軍事組織(軍-警の中間)と見なすのが妥当かと思われます.

Costa Rica Map


 【質問】
 軍隊が治安維持を行う事は危険?

 【回答】
「軍隊が市民に銃を向けるな!」
「軍隊が治安維持を行う事は危険です!」
・・・というセリフは反戦運動などでよく目にすると思いますが,これってどうなんだろうな,と思う時があります.

 どういうことかというと,フランスやイタリアでは軍隊が平時から司法警察権・行政警察権を与えられ,一般警察と同様に通常警察業務(犯罪捜査や治安維持)に就いており,市民は普段から軍隊と身近に接しているからです.
 これは『国家憲兵』(フランス−ジャンダルムリ,イタリア−カラビニエリ)と呼ばれる制度です.
 ヨーロッパでは他にもオランダやスペインなど,幾つかの国で同様の「軍隊であり警察でもある組織」の制度があります.(国家憲兵 - Wikipedia)

 国家憲兵は国防省に所属し,警察権を行使する時は内務省の指揮を受けます.
 国家憲兵は軍隊内での憲兵の仕事と一般警察業務の他に,通常戦力として軍主力の補佐を行います.
 空挺部隊や特殊部隊,装甲部隊をも保有しており,戦時の際は予備戦力として,また平時からは国連平和維持活動等に従事し,また場合によっては国連と関係なく海外での軍事作戦に投入されることもあります.

 普通に考えれば国家憲兵は一般警察と仕事が被っている為,縄張り争いを生み,効率的とは言えません.
 元々は警察では対処が困難な状況の中で軍隊が治安維持を担当するうちに出来た制度(ジャンダルムリの起源はナポレオン時代の騎兵で,本来の業務は脱走兵の追跡.その後に警察力の弱い地方で治安維持任務も行うようになった)なので,治安が落ち着いたならば不要なものですが,歴史と伝統の名の元に今でも残されています.
 なにしろイタリアのカラビニエリは歴史的に国家警察よりも古く,カラビニエリの緊急電話番号は112でポリツィア(警察)は113.国民の認知度もその順で,イタリアンジョークの素材としてカラビニエリは欠かせない存在となっているくらい愛されています.
 カラビニエリを題材にしたバルゼッレッタ(笑い話)はカラビニエリ公式サイトにも載っており,本まで出ています.
 其処には「軍隊が治安を維持する」という悲壮感は何処にもありません.

 結局の所,軍隊が治安維持に出動して問題となるのは法的手続きの点であり,アメリカでも治安が悪化したら州軍が積極投入されています.
 ましてや上述のように平時から一般警察業務を行っている国もあるわけです.

 日本も嘗てはフランスを倣って同様の制度を制定し,その憲兵隊は国家憲兵としての機能を持っていました.
 元々「憲兵」とはジャンダルムリの訳語だったのです.
 憲兵は太平洋戦争が無ければ今も日本に存在していた事でしょう.

 とはいえ,戦前の時点から内務省の警察との棲み分けは考えられていて,朝鮮半島のような外地の派遣憲兵は一般警察業務が主で軍事警察業務が従,治安が十分確保されている内地(日本本土)ではその逆となっていました.
 現在の自衛隊では「警務隊」が憲兵隊に相当しますが,権限は自衛隊内に限られています.

 さて,こんな話を延々と続けた真の目的は・・・
 憲兵隊を題材にした小だまたけし先生の「平成コンプレックス」の続きが読みたいので,早く連載再開してくれないかなと願う所存です.

「週刊オブイェクト」,2007年05月27日

 そういうオチかい…….


 【珍説】
 ところで仮説なんだけど,
「未だに国家憲兵がある国は,ファシスト協力歴があるEU下流国が多い」(笑)

 大日本帝国も滅びちゃったしね.

Posted by 九郎政宗 at 2007年06月07日 12:23:54

 【事実】
 へぇ,じゃあ九郎君の言う「EU上流国」とはイギリスやドイツを指すわけ?
 あれ?,ドイツって元ファシストだよねぇ.

 すると他にEUの大国で国家憲兵制度を持っていないのはイギリスくらいだけど,それでいいんだね?

以上,「週刊オブイェクト」コメント欄,2007年05月27日より


 【質問】
 軍楽隊の起源についてお尋ねしたいのですが, 軍楽隊は,ヨーロッパ独自のものなのでしょうか?
 それともオスマン帝国の風習を 取り入れたものなのでしょうか?
 オスマン帝国からヨーロッパ諸国への伝搬ならば,オスマン帝国の軍楽隊は,オリエント起源なのか ,東ローマ帝国起源なのか,つまり西洋起源か東洋起源か, 知りたいのですが.

 【回答】
 近代欧州の軍楽隊は直接的にはオスマン帝国の軍楽を取り入れた物である.
 ただ軍楽自体は,文献に残っている物だけでも古代イスラエル(旧約聖書)や古代ギリシャ時代(トゥーキュディデース),あるいはそれ以前からあった(ここでの主力は太鼓ではなくラッパ,笛の類)わけで,その起源を問うのは難しいが,打楽器に特色のあるオスマン軍楽の直接の先祖は東方イスラム系のものらしい.

 なお,この問題は以下の本に詳しい.
上尾信也「音楽のヨーロッパ史」講談社現代新書

 この本はよく調べてある良書だと思うが,ギリシャ悲劇の上演形態などの点で思い違いがあったり,その他全般的にギリシャ関係の記述が今ひとつなので注意.

(Krt in 世界史板)

トルコ軍楽隊


 【質問】
 軍楽隊(及び音楽隊)について質問です.
 平時は演奏会や練習に勤しんでいるんでしょうが,戦時(有事)の際は何をやるんでしょう? 慰問演奏?
 あと,銃持って前線に出たり車両を扱ったりする訓練も受けているんですよね?

 【回答】
 司令部のデスクワークなど,非戦闘任務に就くことになってます.
 銃の扱いなど,必要最低限の訓練は受けているはず.

 もっとも,激戦になれば前線で戦うこともあるようで,米軍の硫黄島上陸作戦の際には,歩兵部隊の将校が次々に戦死したため,指揮を軍楽隊の士官が執ったこともあるそうです.

 自衛隊の音楽隊の場合は,警務隊の補助をすることになっている.
 つまり有事にはMPに変身する.

 音楽隊の業務↓.
http://www.military-powers.com/tanks/jsdf02-5.htm#2


 【質問】
 軍事パレードで軍人が行進をする時,例えば北朝鮮は脚の膝を曲げず,蹴るような感じの歩き方をし,旧ソ連ではそれをゆっくりとしていた記憶があります.
 国によっていろいろあるようですが,軍にとって歩き方に意味があるのでしょうか?

 【回答】
 パレードの歩き方を見ると,その軍隊がどこを手本にしたか系列がわかる.

 顎を上げて宙をにらみ,膝を曲げずに腰から脚を高く一直線に振り出して,踵から叩きつけるように地面を踏みつける行進用の歩き方を,グース・ステップ(ガチョウ歩き)という.相手を「踏み潰すぞ」と威嚇するための歩き方.
 ナチ党がパレードに用いたのが有名.
 そのためドイツでは,公の場でグース・ステップをすることは法律で禁じられている.(ハイル,ヒトラー!式敬礼も禁止)
 ただし,グース・ステップはナチの発明というわけではなく,17世紀のプロイセン軍に遡る.

 ロシアはピョートル大帝以後,ドイツ流をしきりに輸入したので,グース・ステップも取り入れられた.
 以来,ソ連時代を経て現在まで使われている.
 ナチ党式と違って,右腕を左肩に向けて斜めに大きく振るのが特徴.

 北朝鮮はロシア式を真似た.

http://www.diggerhistory.info/pages-help/faq5.htm#goose

 旧日本軍の行進は,一歩ごとにムエタイの膝蹴みたいに膝を極端に曲げた歩き方だった.
 田んぼのぬかるみの中を歩くのに向いた歩き方(笑).

 米英のパレード用歩き方は,英米人の日常の自然な歩き方の歩調を整えたもの.
 戦後は自衛隊も,この英米式歩調を取り入れたが,当時の日本人は膝を曲げる歩き癖が強く残っていたので,腰で調子を取り,あまり膝を曲げない英米式歩き方に慣れるのに苦労したようだ.
 今は小中学校の運動会を見ても,かなり英米式に近い歩き方で行進しているから,世代の違いだな…

英軍式行進スタイル(嘘)


 【質問】
 映画とかで敬礼するときに「ビシッ!ザッ!」って音が鳴りますが,私がやってもどうしても音が鳴りません.
 どうやってあんな音発音させてるの? ていうか演出だよね・・・ ?

 【回答】
 硬いソールの靴だと,敬礼の時に踵と踵をぶつけて音を鳴らせますよ(・ω・o)
 挙手の礼は,ビシッって音はしなかった様な気がしますが,戻す時に太ももに当たって「ザッ」みたいな音がします.
 警備員の時の話ですが.

遠吠えするガテン in mixi支隊

 小銃も,持つ時担ぐ時は二脚が被筒に当たってがちゃがちゃと音がしますよ.

ネオ千曲屋松坊堂 in mixi支隊

 儀仗隊では,あの結節感の音を出す為,ワザワザ負い紐のバックルが機関部に当たるよう調整するとか.

軍事板

 蛇足ながら,映像に効果音を付けて演出効果を高める工夫をした最初の作品は,ベルリン・オリンピックのドキュメンタリー映画である「民族の祭典」.
 ナチスドイツの国威発揚の為にトーキー映画という最新技術を投入したもので,現在のアニメ等の音声技術の元となっている.

三等自営業◆LiXVy0DO8s


 【質問】
 「バンド・オブ・ブラザーズ」の中で,ソーベル大尉が従軍司祭の訓練に回されるというくだりがありましたが,従軍牧師の訓練って具体的にどんなことをやるんでしょうか?
 銃の撃ち方とか匍匐前進の仕方とか教わるんでしょうか?

 【回答】
 空挺隊の従軍牧師になったら当然,空挺降下をしなくてはならないので,従軍牧師といえども空挺降下訓練をする.
 その訓練の担当.

 要するに閑職.

軍事板

 司祭マガジンも存在する.
http://www.mca-usa.org/assets/Magazine/MCA%20September%202007.pdf

従軍司祭


CRS@空挺軍 in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
 現在でも軍の幼年学校,またはそれに相当するものが世界にはあるのですか?
 S.スタローン主演の映画「オーバー・ザ・トップ」では,スタローンの子供役の少年が,登場時に軍服っぽいのを着てたような記憶があるんですが・・・

 【回答】
 アメリカにはミリタリーアカデミーという,12〜18歳位の少年に軍隊式の教育を行う学校がある.
 ただし私立の学校で,ここを卒業したからといってかならず士官学校に入れるというわけではなく,一般の大学に進学するものも多い.
 もともとは軍の士官学校に進学する生徒のための学校だったが,現在では軍隊式の教育により規律ある青年を育成するという性格のほうが強い.
 military academyでサイト検索すると,様々な学校のHPが出てくる.

 ちなみに,映画「タップス」は,ここを舞台にした映画で,ジョージ・C・スコット,トム・クルーズ,ショーン・ペンらが出演.新しい経営者によって閉校されることに反発した生徒達が,武装して学校を占拠するというストーリー.


 【質問】
 映画「フルメタル・ジャケット」を見て浮かんだ質問です.
 映画のナレーションによればたった八週間しか訓練期間がないのに,戦闘とは直接関係ないことばかりやっているような気がします.
 例えば,行進しながら銃を右に担いだり左に担いだりする訓練や,銃を抱いて寝てお祈りをさせたり,銃と性器をもって「こっちが我が銃,こっちが我が大砲」とか.
 最後の二つは団結心とか銃に対する信頼を強めるためかと思いますが,行進の訓練ばかりしても仕方ないのではないでしょうか? 本当にああいう訓練内容だったのでしょうか?
 キューブリックは考証にうるさいと聞いたので,本当だとしたらなぜあんな訓練をするのですか?

 あと,訓練のときはM14で,後半のベトナムではM16を使っていますが,そうすると当時の米兵はベトナムに行く前にM16を扱う訓練を受けたのでしょうか?
 そうなると,ますます訓練でM14をみっちり訓練しても意味無いような気がします.

 【回答】
 銃の扱いの訓練は重要.間違った扱いをすると,いざと言う時に動作不良を起こしたり暴発して,味方を危機に陥れかねない.
 銃口が上を向いているか下を向いているか,右に抱えているか左に抱えているかでも,いざと言うときには大きな差になる.
 だから.一般人には意味が無さそうに見える訓練内容でも重要.

 精神的な要素が多く割かれているのは前大戦での反省から.調査の結果いざと言う時に銃を撃てなかったり,何もしなかった連中が結構いたから,ジョーカーほどでないにせよ,すぐに人を撃てるように精神改造するようになった.
 精神改造なら,カルト教団の類や撫順収容所を見れば分るように,比較的容易にすむし.

 M14の理由は失敗作で余っていたから.
 M16はそれこそ導入したばかりで前線が優先.
 ほとんどの人間が銃を撃った事の無い連中だから,まず最初に銃の扱い方自体を教えないと.
 それなら別に最新型の銃を使わなくてもむ問題.


 【質問】
 軍隊経験のある人の手記を読むと,
「あれだけ訓練したのに,いざ実戦に参加したらパニックになってしまい,ただ騒いでいただけだった」
というような回想をよく見かけます(オリバー・ストーンの回想とか).

 こういうものを読む限り,軍隊での訓練というのは厳しい割にあまり効果がなさそうに思えるのですが,これはそう言った手記を残す人が,特に戦争に不向きだった,というだけのことなのでしょうか?

 【回答】
 訓練してなきゃパニックになる割合がもっと増える.

 いくら訓練しても実戦を経験しても恐怖は最後まで離れないが,次第に落ち着いて体は動くようになる.…らしい.
 いきなり完璧に動けるようにするための訓練じゃないしね.
 初めての戦闘で完全に沈着冷静だったら,そっちのほうがある意味おかしい.
 訓練してるとはいえ,いきなり何の躊躇いもなく人を狙って射殺できるし,弾が自分をかすめても驚きもしない,仲間が目の前で血塗れになりながら苦しんでいても動揺しない・・・なんてのは人間じゃないからなぁ.少なくとも社会通念的には.
 そういう人も一定の割合でいるらしい・・・がそういう人ばかり集めるわけにもいくまい.
 それじゃ軍隊じゃなくて,性格破綻者が武装してるだけの集団に過ぎないし.
 戦争が終わって用無しになったら危ないから始末して使い捨てにする,とかいうんじゃ,それもまた近代の軍隊とは言えなくなるしなぁ.

 訓練とか練習は,「初めての事柄」のためだけのものじゃないからな.
 肝心なのはそのあと.
 車の教習所みたいなものもそうだね.

 昔から「実線のように訓練して,訓練のように実戦をする」なんて言われてるけど,現実にはなかなかそうはいかない.

 ちくま学芸文庫の『戦争における「人殺し」の心理学』(デーヴ・グロスマン著,2004.5)とかオススメ

 オリバー・ストーンの例で言えば,愛国心に燃え戦意に溢れている人ほど,実際の戦闘場面では萎縮して役立たずだ,というのはどこの軍隊でも共通しているらしい.
 気分が空回りして,「戦争とはこういうものだ」という勝手なイメージを脳内に思い浮かべているから,いざ戦場に出ると現実とのギャップでパニックを引き越したりする.
 まぁ,「戦争」と訊いて悲惨で陰気な情景を思い浮かべる人間は,自分から志願して来たりはしないからなぁ.

 で,オリバー・ストーンはケネディに感化されて大学を放り出して志願して,
「アンタ大学生だし上流階級だから」
と,気を利かせて欧州方面に配置してあげようとした上官に,自分から
「ヴェトナムに行かせて下さい」
と言ったという「勇気あるバカ」.
 ヴェトナムの配備先部隊では毎日「アメリカの正義と,この戦争の正しさ」を演説してウザがられた.
 更に,上流階級育ちのストーンは缶切りの使い方すら解らず,同僚に
「お前,これまで缶詰食った事がないのかよ?」
と言われて
「いや,家ではそういうものはメイドがやってくれるもんだったから」
と答えて
「・・・メイドって何?」
と返事された,というエピソードを持つ.

 また,部隊で「出身校は?」と訊かれて
「休学中ですけど一応イエールです」
って答えたら
「・・・イエールって何州何郡の街だっけ?」
というエピソードもある.
 誰も「大学の名前を」なんて思って訊いてないし,大学行ってるのに兵卒としてベトナムに来る,なんてバカがいるとは考えなかったからだが.

 最初の戦闘では銃声が鳴り響いた途端にパニックになり,銃を味方に向けて発砲しようとしたので軍曹に殴り倒され,気絶.

 でも,そのうち勲章貰うような人になったので,「最初は誰しもうまく行かない」のいい見本かと.

軍事板

>訓練してるとはいえ,いきなり何の躊躇いもなく人を狙って射殺できるし,
>弾が自分をかすめても驚きもしない,仲間が目の前で血塗れになりながら
>苦しんでいても動揺しない・・・なんてのは人間じゃないからなぁ.

 山田朝右衛門はそういう人だったんでしょうね.
http://www.ne.jp/asahi/chihiro/love/ooedo/ooedo09.html
http://sakanazanmai.web.infoseek.co.jp/katana6.htm
http://byp.web.infoseek.co.jp/kbn1.htm

仮 in FAQ BBS

766 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2006/04/07(金) 16:22:23ID:???

 なぜか,プーチンがKGB時代,上司から「お前は冷静すぎる」と言われていたのを思い出した.

軍事板


 【質問】
 漫画『鋼の錬金術師』での質問です.
 舞台は,産業革命のイギリスでだいたい1910〜1920年頃の軍事独裁国家が舞台なのですが,組織図がアンチ・スレッドで
「おかしい・ありえない」
と指摘されていたのですが,実際どうなのでしょうか?

 この国は20年前から今の大総統と軍部が支配している軍事独裁国家で,内陸地にある国家です.
 北は険しい山脈で大国と不可侵条約を結んでおり,西と南の国境は緊張状態で東には大きな砂漠とシン国間(国交がない)の鉄道が広がっています.
 内紛が度々起きていて,7年前に宗教観の違いから7年間続いた内紛で民族を滅ぼしています.
 軍属の国家錬金術師になると,少佐待遇になります.

 宜しくお願いします.

 ファンブックに出てた組織図がこんな感じ.

            ┏━━━━━┓
            ┃ 大総統  ┃
            ┗━━┳━━┛
支配・操作 ┌─────┸─────┐
┌─┬──┤   大 総 統 府    .┝━━━━━━━━┓
│ │    └─────┰───┬─┘     ┌────┸─────┐
↓ ↓    ┏━━━┳┻━━┓ └─┐    │ 中 央 司 令 部 . │
裁 議.    ┃    ┃    ┃    │     └─┬─┬────┬─┘
判 会    錬    国    錬    士.        │ │      │
所       金    家    金    官      憲  広   ┌┬┴┬┐
        術    錬    術    学      兵  域    西北南東
        学    金    研    校      司  司    方方方方
        校    術    究           令  令    司司司司
              師    機           部  部    令令令令
              機    関           │  │    部部部部
              関    │           │  └‐─┴┴┬┴┘
              │    │           └────┬─┘
              │  ┌┼─┬─┬─┐      ┌──┴──┐
              技  第 第 第 第 第      │ 憲兵組織│
              術  五 四 三 二 一      └─────┘
              研  研 研 研 研 研
              究  究 究 究 究 究
              局  所 所 所 所 所
                  ※
                  閉
                  鎖

軍事板

 要するに軍政上層部を乗っ取られ,錬金術で奇形的に発展した傀儡国家だから.
 乗っ取られたのと発展したのとの前後関係は不明だけど,国家が発展したのには大総統の関わる一派が相当に裏で関わっていると暗示されている.
 大総統自身,国家経営よりも一派の手先としての行動を優先し,そのために国家を疲弊させる真似を平気でしている描写がある(アニメ版だけだったかな?)

 民族テロが続いたり宗教家の煽動で内乱が起きたり,安定した治世でも何でもない.
 冷戦のころ,米ソから援助を受けまくって軍事力を肥大化させた独裁制の小国に一番近いイメージ.

 ちなみに主人公等は工兵的な働きもしている.
 軍用生物の研究,錬金能力を高める薬研究とかの裏方をやっている錬金術師も重要な話で出てくる.
 まあアクション主体の架空戦記の常として前線で戦うキャラが目立つわけで,主人公が後方なだけでも,まだ兵站とか描いている方.

サヨ@犬隊長

 【回答】
 まあ,「大総統府」とやらの組織図が分からないのが肝かと.
 おそらく巨大で複雑な組織でないかい? 大本営と内務省合わせた様な(笑).

 それと,士官学校が軍から切り離されすぎてる気がするんだが,
 これだと「大総統」のヒトラーユーゲントみたいな感じで培養された純粋まっすぐ君ばっかり排出してそうでちょっと怖いな.
 錬金術師が軍を支配している割に,これも組織的には離れてるんだな・・・・
 まぁ,悩むだけ無駄だろうけど.

 あと,やっぱり議会・裁判所が形骸化し,チェック機構を失っていたり,予算をどうとでも集めて組めるようになってるあたり,この国,絶対長くないよな…というのが印象かな.

 イメージというか参考にしたのはナチスドイツなんだろうな,これ.

 そもそもこの漫画って,大総統相手に人事で直接意見したり,上官の異動の指令に従えない!って異を唱えるような軍だからな….
 他にも,上官を公然と無能呼ばわりしたり,命令中に煙草を目の前で吸ったり,ボタン開けっ放しで上官の訓示聞く部下がいたり,祖父が将軍で父親は反体制思想もってる錬金術師って設定の中尉が出てきたり,左官や尉官が敵前逃亡や任務放棄繰り返してもお咎めナシだったり….
 一極集中の独裁国家でこれじゃ,もう国家崩壊寸前かも・・・

 それとあと,陸海空じゃなくて人民解放軍みたいに軍区制になってるみたいだが,大総統が死んだら一気に軍閥化して,群雄割拠になりそうだな〜.
 内陸国だから,その国には独立させるほどの水上部隊は無いってことなんでしょうが.
 つーか,この軍隊って憲兵しかいねーの?
 しかも憲兵司令部とその他司令部の同率下位だし.

 てゆうか,国家錬金術師って,最前線で殺戮兵器として使うより,工兵として使った方がよくないか?
 瞬時にして障害物を焼き払い,爆破して,塹壕を作ったり,必要な物資を生み出したり
 もっとも,これでは,社会の厳しさと残虐描写を一緒くたにしているお年頃の読者様方には受け入れられないのかもしれんが(笑).

 まあ,軍関係の設定は完全無視して,ファンタジー漫画として楽しむのが勝ち組かな.
 そこら辺はそんなにこだわるべきとこじゃ無さそうだし.人気の秘密はそこじゃないだろうしね.

 ただ,この漫画でサブ主人公かもしれない軍人Mが大総統を目指しているので,軍組織が曖昧だと,その目指してるMの存在意義が無くなってしまう.
 そして12巻つづいた現在でも
Mの役職が原作でもガイドブックでも発表されていません
Mの補佐官である女性軍人が敵の虚言を信じて軍務放棄で自殺未遂
大総統を目指してるMにはまったく人脈が無い(Mもその補佐官の女軍人も「有能」という設定)
というありさま.

 鋼の話の筋立てとすると
1,兄弟の本筋
2,兄弟と絡む人造人間(ホムンクルス)の一派
3,兄を軍属に推薦して国家資格を取らせ,後に兄弟と絡むマスタングの一派
(4,軍を憎んで国家錬金術師を殺しまくるイシュヴァール人スカーとその仲間達)
(5,中華の皇子と皇女様一派)
の,基本的には三本柱だと思うんですよ.
 2.の人造人間の一人は大総統で,軍のトップは大総統が人造人間であるのを知っている.
 3のマスタングは大総統を目指している.
 1の兄弟達は軍属.
 軍をしっかりかかないと話が破綻すると思うんですよ.
 実際僕はマスタングを追って話を読んでいたので,思いっきり軍の話は本筋です.

公式ガイド1で少尉から士官と書いたのに,
公式ガイド2で士官学校卒業で准尉と書かれていたりと,
読んでるこっちは頭がこんがらがってます.

 個人的には別に穴だらけの軍事国家なんてリスキーな舞台じゃなくても,普通にファンタジー世界でいいじゃんとは思ったが(笑).

軍事板

 Mってマスタング大佐ですよね?
 階級と普段の仕事から察すると,司令部の情報課長か特務課長?にしては現場に出張り過ぎなような.大佐の割に現場出過ぎなんですよねぇ,マスタング.
(辻ーんがモデル?)

 組織図から指摘できることとしては,
・軍政組織の所在が不明
・広域司令部の存在意義も不明
・作中の憲兵は,国家憲兵のような振る舞いを見せる割に,軍令に近すぎる
というのもあるのではないかと.

 まあ,リアリティを売り物にしているわけではない話の,更に本筋に関係ないことで悩むのは精神衛生上よろしくないので,純粋に作品を楽しまれてはいかがでしょうか.

丼炒飯 ◆HY/YgdSbHM

 【質問】
 Mはそうです,マスタング大佐です.
 公式小説で彼は「東方司令部司令官の一人」という書き方をされていました.
 同小説中では「東方司令部に司令官は二人いる」とも書かれていました.
 特務課長や情報課長ってそのレベルの役職ではないですよね?

 【回答】
>司令官は二人

 ちょ,おま,待(ry
 さらっと書いてるけど,それ結構凄いよ.

 いや待て.軍政と軍令の二系統の司令官がいるとか.

 ……無理があるな.

大佐って連隊長だもんな…
わけわかめ

 指揮官が2人いるってのは組織として問題ありすぎる.
 2人の意見が対立した時,部下はどっちの命令を聞くのかってことになるし,なんか問題が発生した時,責任の所在が不明確になる.

 俺が知り合いの自衛官にこの
「司令官が二人は駄目なんじゃないのか?」
と聞いたところ
「実際には本物の司令官が使い物にならなくて,その下を司令官としてまわりが認識してることは有るかもしれない」
とは言ってましたが,この小説で「司令官が二人」と言われたのは,主人公のエドワードがマスタングの息子と間違えられてテロリストに拉致され,東方司令部に
「司令官の息子を預かった,身代金を云々」
と脅迫状が届き,ハボック少尉(?)がマスタングの仕事部屋で
「東方司令部には司令官が二人いますがどっちでしょう?」
 で,マスタングが
「私には子供などいないよ!」
と慌てた……という下りだったので当てはまらないと思うのです.

 その場の最高階級者を「司令官」と呼ぶ慣行のある世界なのかも(笑)
 先任司令官とか(笑).

軍事板

 武装SSの〜〜指揮官のように,大佐という呼称は通称で,正式には〜〜司令官という階級が……無理があるな.

丼炒飯 ◆HY/YgdSbHM

477 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2006/04/09(日) 23:40:51ID:???

 いや,NORADみたいにお昼の部の司令官と夜の部の司令官のパートタイム二本立てなんだよ!

 あの技術レベルで24時間稼働する必要あるのかい!(自己ツッコミ



478 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2006/04/09(日)23:45:21ID:???

 司令官二人はきっと江戸の北町奉行・南町奉行と同じなんじゃ?
 月番ごとに江戸の行政長官が切り替わる,というあの制度.で,主担当じゃない間は事務処理を進める.



479名前:名無し三等兵[sage]投稿日:2006/04/09(日)23:46:23ID:???

 どう理由をこじつけても,組織としてダメとしか思えん….



483名前:名無し三等兵[sage]投稿日:2006/04/09(日)23:55:13ID:???

 北町奉行はお白砂の時もろ肌をさらすし.
 南町奉行は大岡裁きを披露するし.



484名前:名無し三等兵[sage]投稿日:2006/04/09(日)23:57:23ID:???

 こんな軍事国家が二十年続くって,そんだけで奇跡だな(笑)



485名前:名無し三等兵[sage]投稿日:2006/04/10(月)00:06:23ID:???

 江戸のアレはお互いに手柄を競って切磋琢磨するという利点があったそうだが,軍でそれやったらどう見ても旧陸海軍も真っ青の手柄競争の暴走です.
 本当にありがとうございました.



486名前:名無し三等兵[sage]投稿日:2006/04/10(月)00:11:02ID:???

 腐女子ってこんなんで「軍カコイイ戦争コワス」なんだ….
 まあ…ある意味平和でいいよな.

軍事板

『鋼の錬金術師』








以上,『朝目新聞』より


 【質問】
 「オネアミスの翼 王立宇宙軍」という作品に,
「ダヤン監察中隊の**准尉であります・・・」
という台詞が出てくるのですが,軍隊には,「監察中隊」実際にもあるんでしょうか・・・?

 【回答】
 「監察」は官僚組織のうち内部調査を行う部門です.
 監察組織が表立って行う調査を「監査」といい,定期的にアンケートや立ち入り・聞き取り調査などを行って部隊の実状を調査します.

 監察の目的は,士気・規律の維持による人的戦闘力の確保です.
 その中には,不正行為や規則違反などの摘発も含まれますし,規律の弛緩,いじめ・セクハラや部隊内の不融和など,人的戦闘力発揮の阻害要因になる事項については,部隊長に通報して改善を促します.
 監察組織の人間は,その性質上,指揮関係にない部隊にも立ち入ることが出来ますし,兵隊から自由に話を聞くことが出来ますので,設定としては便利です.


 【質問】
 占領軍は,被占領国に対してどんなことができ,どんなことができないのか?

 【回答】
 スイス政府編「民間防衛」(原書房,1995/3/12)によれば,以下の通り.

 国際法には次の通り定められている.
 占領軍は,好き勝手に行動する権利を持っているわけではない.
 占領軍であっても,陸戦に関するヘーグ条約およびジュネーブの赤十字協定を尊重する義務がある.
 占領された国の国民は,これらの条約と協定によって,その生命・名誉・宗教・習慣・財産を保護されることになっている.

 占領軍は,占領国民の生活手段や病人に対する手当てを保障せねばならない.
 教会や学校に害を及ぼしてはならない.
 また,行政活動が自由に行えるようにすべきである.
 他方で占領軍は,被占領国の武器・運搬手段・通信機械(ラジオなど)を,戦時国際法に基づいて没収する権利がある.
 また,税金を徴収することもできる.

 もし占領軍が国際法規に違反した場合には,住民は,自分達に加えられた全ての危害について,公式に,占領軍当局または赤十字に訴え出る事ができる.
 どのような場合でも,合法的な範囲内での抵抗をしなければならぬ.
 抵抗すれば,敵を苛立たせ,我々の立場を悪くする.
 しかし,黙っていると,敵のやったことに同意したものと思われるかもしれないから,占領軍軍隊の犯した過失は,全て記録しておこう.
 いずれ解放の日が来た時,裁判所で公正に話をつけるために.

●占領軍は,次のようなことを行う権利を持たない.

 1) 理由なしに国民を逮捕すること.裁判にかけずに国民に刑を言い渡すこと.国民を強制移住すること.
 2) 報復のため,無実の人に危害を加えること.
 3) 犯人がはっきりしていないことについて,集団を罰すること.
 4) 人質をとること.
 5) 住民を軍の工事に使用すること.戦闘作戦中の盾とすること.
 6) 住民に戦闘行為を強制すること.
 7) 良心に反する誓いをさせること.
 8) 暴力を用いて,秘密を暴露させること.軍事的情報を無理に白状させること.
 9) 病院を,その本来の用途に使えないようにすること.病院の医師や職員の任務遂行を妨げること.
 10) 何であろうとも略奪すること.私有財産を没収すること.
 11) どのような形であっても,個人に対して暴力を加えること.

(p.284-285)


 【質問】
 A方面からB方面へ,○○○〔任意の航空機・ヘリの名前〕が尋常じゃなく飛んでるらしいんですが,これって通常の訓練じゃないよね!? 何かあったんでしょうか??

 ○○○〔任意の軍艦名〕が密かに入港してるらしいんですが,これって通常の訓練じゃないよね!? 何かあったんでしょうか??

 ○○○〔任意の軍艦名〕が大慌てで出港していったんですけど,これって〔以下同文〕

 【回答】
「特定の緊迫した国際問題とと何か関係あるのでは??」
とでも言いたいのでしょうか?

 あなたは空騒ぎに乗せられているだけです.
 その手の質問は定期的にありますが,ほぼ100%早とちりです.
 そうやって騒ぐ人たちには,平家の水鳥の話でもしてあげてください.
 「平和ボケすると平家のようになる」とは本当の話のようですね(笑).

 そもそも,「尋常じゃなく」って,何がどう尋常じゃないんでしょうか.
 明らかにメインローターがないのにヘリが飛んでるとか?
 中に人が乗ってないのに飛んでるとか?
 どう見てもマッハ5くらいで飛んでるとか?
 途中で消えたとか?

 Migやスホーイが大量に飛んできて爆弾落としてったら,大騒ぎでしょうが,上空を自衛隊機や米軍機が通ったからって,脊髄反射するのは考えものです.

 海事についても同様.
 「大慌てで出港」とは,何がどう慌てているように見えたのでしょうか.
 少し落ち着いてください.

251 :名無し三等兵 :2005/08/03(水) 23:42:14 ID:???

>大慌てで出港

 甲板にはパジャマ姿のやつ,服を後ろ前に着てる奴,全裸で女とつながったままの奴,
 全裸で男同士でつながったままの奴などが走りまわっては正面衝突し,艦が動いたと思ったらいきなり後進して岸に激突,ふらふらと前に進みだしてしばらく行ったあとで止まったので,なんだろうと思ったら慌てて抜錨.
 艦が見えなくなったところで,大きなトランクをかついだ男が
「置いていかないでくれー!」
と叫びながら,海に身を投げてバシャバシャと泳ぐが,トランクの重みで沈んでいく.

 そんな感じなら,確かに「大慌て」と認定してよろしい.

 【質問】
 アメリカ軍は映画に積極的に協力していますが,これは世界の軍でも少数派なのでしょうか?
 大概の国では映画への協力はどの程度なのですか?

 【回答】
1「国策映画派」
 人民解放軍協力の中国歴史映画やソ連軍協力(動員?)の「ヨーロッパの解放」などなど.

2「外貨稼ぎ派」
 「地獄の黙示録」に協力したフィリピン陸軍,
 「復活の日」に潜水艦を出したアルゼンチン海軍,
 「スパルタカス」でファランクスを演じたスペイン陸軍.など.
 「クリムゾン・タイド」に協力したフランス海軍も広義にはこれ.

3「イメージアップ戦略派」
 典型的な例が「トップガン」.
 米軍イメージアップの宣伝効果を期待して米軍が協力.
 事実これらの映画が公開されると,志願者が増加するなど抜群の効果を発揮.

 自衛隊も広報活動の一環として映画への協力をする事があります.
 ただし自衛隊としての描写に限られ,架空の組織(対ゴ○ラ部隊とか)は現在お断りだそうです.

 もっとも,「トップガン」の場合,米海軍はパラマウント映画に燃料代を請求しており,完全に無償だった,航空自衛隊の「ベストガイ」協力とはややトーンが異なります.

 余談ですが,第1次カンボジアPKO派遣の折,防衛庁広報が「オークン・チュラン〜ありがとう〜」なる広報映画を作り,部内広報の他,地方自治体に「希望があればビデオソフト無料貸し出し」までアピールしましたが,ほとんど貸し出し希望例がなく,興行的?に見れば”コケた”ことがあります.

軍事板
※のみネオ筑摩屋 松坊堂 in mixi支隊


 【質問】
 軍人の警察手帳のような物は支給されているのでしょうか?

 【回答】
 身分証ならたいていの国の軍隊が支給している.
 それどころか最近じゃ,民間の会社だって身分証を持ってないと,そこの社員だって玄関払いを食う.

ジュネーブ条約第17条三項より

 各紛争当事国は,その管轄の下にある者で捕虜となることがあるもののすべてに対し,その氏名,階級,軍の番号,連隊の番号,個人番号若しくは登録番号又は,それらの番号に相当する事項及び生年月日を示す身分証明書を発給しなければならない.
 身分証明書には,更に,本人の署名若しくは指紋又はその双方及び紛争当事国が自国の軍隊に属する者に関し,追加することを希望するその他の事項を掲げることができる.
 身分証明書は,できる限り,縦横がそれぞれ六・五センチメートル及び十センチメートルの規格で二部作成するものとする.
 捕虜は,要求があった場合には,身分証明書を呈示しなければならない.
 但し身分証明書は,いかなる場合にも,取り上げてはならない.

 【質問】
 「大いなる幻影」「大脱走」などの映画を見ていると,捕虜収容所ってのが非常にヌルくて快適な施設のように思えるのですが,実際のところはどうだったのでしょう?

 【回答】
 捕虜収容所っても,シベリア行きとか非人道的な特別例を除けば,ある程度の人権は保障されてる所は多いです.
 不当ないじめ等が無いとは言いませんが,全ての収容所が共産国家の政治犯収容所みたいな所では無いです.

 それと,これは今の捕虜収容所や一般的な刑務所にも言える事ですが,いざって時の力関係は
囚人>>>監視員
って事は言えます.
 そういう事もあって,囚人の自由をある程度は許容するか,過酷な労働で洗脳するか.のどっちかのスタイルになりがちなんですな.

 第2次大戦の,ドイツに関して言えば連合軍空軍パイロットの収容所は比較的待遇はマトモでした.
 ソビエト兵捕虜の収容所なんかはユダヤ人強制収容所以下でしたが.

軍事板

 ただし,こんな例も.

『中国共産党が,アメリカ兵を「共産主義」に改宗させ,さらに仲間の脱獄をもらさず密告するまでの「協力者」に仕立て上げたのは,我々の想像を越えて「穏やかな方法」,たとえば,ただペンをとらせエッセイを書かせる,といったものだった.
 「中国びいき」のエッセイを書いたものには賞品(しかし煙草程度のもの)が出されたが,ただアメリカへの望郷を記した者にも賞品が出された.
 実は,この「穏やかさ」こそが,ポイントだった.
 大きな利益が得られたり,厳しい罰がさけられたりするためならば,自分の心に対して偽りあることを書いても,アメリカ兵は動じなかったであろう.
 そうした利益や罰がないからこそ,エッセイを書くことが強力なコミットメントとして働き,認知的不協和の解消を通じてアメリカ兵の思考を大きく変えていったのである.』

――「Real Hypnosis」;洗脳する

 また,
「A tout le monde」:中国共産党の洗脳技術
も参照されたし.

仮 in FAQ BBS・改


 【質問】
 軍事顧問団ってのがありますが,どういう連中の構成でどういう扱いなのでしょうか? 大使館のミニタリー版と考えて差し支えない?

 【回答】
 たとえば今イラク陸軍やアフガニスタン国軍に派遣されている訓練チームの場合,身分は米軍人で,出身も米軍人.
 イラクの場合は多国籍治安移行軍−イラク(MNSTC-I)が親組織で1つのチームは12名.イラク陸軍,国境警備隊などの旅団,大隊階梯にまで派遣されている.
 なお,イラク国防省などにも別に顧問が派遣されているんだったかな.
 それとイラク警察にも憲兵からなるチームが出ていたと思う.

 やっていることは,大隊での人事管理制度,支給品管理制度の確立,訓練計画,作戦計画,命令手順,士官下士官を先導して育成するなど.
 イラク側とのやりとりは任務上欠かせない.

 このほか,イラクに駐留する各部隊は,それぞれ地元のイラク治安部隊とパートナーとなり,訓練チームを連絡として共同で作戦を行い,育成を援助している.
 これは例えば,クウェートにいる輸送部隊の元締めとなる輸送群でも,同様のことをしている.

 これが例えばベトナム戦争のときの奴や,ソヴィエトがアフリカ各地に送り込んでた奴だったら,かなり性質は異なる.
 ベトナム戦争の高射部隊の「ソ連軍事顧問団」はSAM-2の運用に当たっていて,そこの部隊長をベトナム戦争でのトップエース(たしか22機撃墜)と呼ぶ資料もある.
 中東では,エジプト空軍に派遣された「ソ連軍事顧問団」が,MiG-21でイスラエル空軍機と激しい空戦を展開し,少なくとも10機が撃墜されている.
 この後,「ソ連軍事顧問団」は直接戦闘に参加するのを取りやめ,経済援助の代償として,北朝鮮やキューバなどの軍を現地に送り出すようになった.


 【質問】
 海兵隊って何?

 【回答】
 元は軍艦の乗組員によって編成された戦闘部隊.
 軍艦の警備,敵艦へ乗り込んでの白兵戦,港湾占領のための上陸戦のために編成された.

 その後,上陸戦などの都度編成するんじゃなくて専門の部隊を作ったほうが便利だね,ということになって海兵隊を常設するようになり,ある国では上陸戦を担う,陸海空3軍に次ぐ第4の軍にまで成長し(米海兵隊),ある国では一部が特殊部隊化する(英国SBSなど)などして,今日に至る.

 細かい差異については,各国の海兵隊史を調べたほうが良さそう.
 また,上陸戦を想定していない国の軍隊では,海兵隊が存在しない場合もあるので念のため.

匿名

▼ 上記に関してですが,こんな話もあります

『歴史的に海兵隊は軍艦内の秩序を維持するために生まれた部隊で,現在は大使館の警備および大統領の警護も任されている.
―――『デビルドッグ アメリカ海兵隊日本人伍長のイラク戦記』(越前谷儀仁 えちぜんや・よしひと著,並木書房,2008.1)

 筆者は海兵隊の座学で海兵隊の歴史を学んだ.といってますので,それがこの話の根拠だと推測します.

 これがアメリカの海兵隊の誕生の話なのか,他の国も含めた話なのかは記述がありませんが,少なくともアメリカの海兵隊では,「艦内の秩序維持のため」に誕生したと教えているようです

 検証は私には出来ませんが,こういう話もありますよ.という程度で.

山田洋行 in FAQ BBS

 まあ,上段文章のほうにも「軍艦の警備」とも書かれているため,特に矛盾は生じないと愚考する.

昔の海兵隊


 【質問】
 戦争直前,または戦時中に敵国の軍民問わず重要人物(政治家,軍司令官,企業家,評論家など)を拉致,殺害するのって,作戦としてはアリじゃないかと思うんですが,寡聞にして聞いたことがないし,難しい,意味がない作戦でしょうか?

 【回答】
 結構その手の作戦は行われている.
 有名な山本五十六長官機襲撃作戦とか.
 ナチスのラインハルト=ハイドリッヒは,イギリスの特殊部隊に暗殺されてるし.
 逆にナチス・ドイツ側も「ラインの守り作戦」(日本ではバルジ大作戦がポピュラーですが)にて,アイゼンハワー暗殺を計画したが,成功しなかった.
 イラク戦争でもアメリカは,フセインをことあるごとに暗殺しようとしてた.

 ただ,その手の作戦はバレると自国の評価が思いきり下がり,「戦争の正義」を失うことになりかねない.
 また相手にも重要人物を狙われる事は解り切っているので,万全(実際万全にできるかは別)の警備体制を取っている.
 どうせ特殊作戦をやるなら,それをくぐり抜けて暗殺を実行することにリソースを割くよりは,同じリソースを工場設備の破壊とかに投入した方がずっと効果は高い.

 ちなみにチェコ副総督に就任したハイドリヒは,抵抗運動の弾圧と並行して労働者の待遇改善などの宥和政策を行っていたが,その死後ドイツにより「リュディツェの虐殺」などの激しい報復が行われた.
 暗殺を計画した英国のSOE(特殊作戦部)とチェコ亡命政府は,ハイドリヒの排除の他に,弾圧によってチェコ国民の対独感情を悪化させることを目的の一つにしていたといわれている.

軍事板

▼ 奥山氏のブログに関連する話題があります.

「首切り戦略」
http://geopoli.exblog.jp/6738529/
http://geopoli.exblog.jp/6747211/

──────────────────────────────────

 簡単にいえば(アメリカが)戦争に勝つために相手の政府のトップだけをつぶしてしまう,という戦略のことです.

 この戦略の底にあるのは
「一番悪玉のトップをつぶしたんだから,戦争は一気に終結する」
という想定(アサンプション)であります.

──────────────────────────────────

 また,ミアシャイマーの『大国政治の悲劇』(奥山真司訳,五月書房,2007/1/28)ではこの首切り戦略を,”非現実的な戦略”と評してます.
 理由は実現が困難であり,特定のリーダーを殺しても,側近たちが穴埋めしないとは保証出来ないからだそうです.

 ですが,私は必ずしも非現実的な戦略ではないと考えます.
日本のような官僚型の組織,
アメリカようなの民主的リーダーに大きな権限を与える組織,
個人のカリスマによって成立している組織,
細胞タイプの組織
など相手の組織の文化によって,首切り戦略の効果は違うでしょう.

 基本的に相手のリーダーは殺せるなら殺したほうがいいんでしょうけど,イラクでのザルカーウィーのときもそうですが,その作戦のために費やした資源は,果たして効果に見合うものだったのか?,という疑問は出るでしょう.

 また漫画『海皇紀』でよくある展開ですが,無能な上官が有能な部下の足を引っ張ってくれているのに,結果的に有能な人物を指揮官に就けるということになれば,攻撃側からすればマイナスです.

 まとめますと,
相手の組織の文化,
その人物が居なくなった場合の効果(プラス面,マイナス面),
実行にかかるコスト
などを,全て天秤にかけて効果があるかどうか検討する必要があると思います.

 また
>その手の作戦はバレると自国の評価が思いきり下がり,「戦争の正義」を失うことになりかねない.
とありますが,これも敵の組織とその人物,そして自国の政治体制次第で必ずしもそうだとは言えないと思います.

山田洋行 in FAQ BBS


 【質問】
 秘密の暗殺部隊ってあるのでしょうか?

 【回答】
 ある.

 かつて軍政を敷いていた南米の国家などでは,反体制派が自宅に戻らなかったりした事件が続発した.
 軍の内部で暗殺というか反体制派を処分する部門があったため.
 たとえばアルゼンチンでは海軍の機関学校が尋問,拷問に用いられ,処刑は洋上までヘリなどで連れて行って突き落としたと伝えられている.
 また,エルサルバドル(映画サルバドル)では,そのものずばりの処刑部隊が活動しており,例えば一日ジャーナーリストを一人といった具合に殺して回っていたという.

 ただ,情報ネットワークの発達した現代では「秘密に」暗殺をするのは非常に困難ですし,下手なことをやって発覚すれば,国外,国内世論の批判を受けるリスクが発生します.
 暗殺花盛りだったころの冷戦時代とはまた状況が違うのです.

 現在でもイスラエルらロシアなどは暗殺を得意とする特殊部隊が存在しますが,彼らはいちいち秘密裏に暗殺を行わず,強引に(もちろんベストのタイミングは選びますが)奇襲をかけてぶっ殺します.
 ロシアの特殊部隊の場合,いちいち「俺らがやった」とは言いませんが.


 【質問】
 軍事的な部隊に定数割れはつきものですが,近代以降で,逆に「定数オーバー」になってしまった部隊は存在するのでしょうか?

 【回答】
 例えば,第二次大戦中の欧州戦線に於けるカナダ軍高射砲部隊.
 1945年になると,目標となるべき枢軸国の機体が飛んでくることは滅多になく,しかも,戦闘損耗を見込んで定員より多めに配備したために定数オーバーとなった.
 ちなみに,同じ時期,歩兵部隊は定数割れに苦しみ,戦線が維持できなくなる一歩手前の状態でした.

眠い人◆gQikaJHtf2

 また,第25SS所属武装擲弾兵師団「フンヤディ」(ハンガリー第1)は,1944年11月3日に編成が下令され順調に義勇兵が集まった,
 最終的には定数を大幅に越える2万4千名もの兵員が集まった.
 ただし,兵に支給する装備の調達が間に合わなかったため,一部兵士は私服のまま,小銃は兵士10名に1挺という有様だった.
 12月末には兵員8000名を分けて,第26SS所属武装擲弾兵師団「ハンガリア」(ハンガリー第2)が編成された.
 後期に編成された武装SS部隊にしては珍しく定数を上回った部隊だったが,上記のように装備は貧弱な物で,改善されても5人に1挺しか小銃は行き渡らなかった.
 数だけあってもどうにもならんという典型みたいな部隊.


 【質問】
 日露戦争の映画で,ロシア兵と日本兵が戦闘の合間に酒とかを物々交換してたり,お互いの健闘をたたえ合うといったエール交換をした場面があったのですが,こういうのは日露戦争以外に見られたことなのでしょうか?

 【回答】
 膠着した陣地戦が続くと,放置された死体で衛生状態が悪化したりするので,一時休戦を申し入れて死傷者を収容するといったことがかつてはあったようです.
 で,その最中に物々交換をやったりすると.

 日露戦争では,たとえば明治38年3月の奉天会戦の際,東北方面から進出した第1軍近衛師団に対し,3月7日午後に露軍から一時休戦の申し入れがありました.
 日本側はこれに答えて翌日一日戦闘を停止し,双方死傷者の収容を行いました.
 その際に敵味方仲良く入り混じった記念写真が残っていたりします.

 あと日中戦争のエピソードで,日中両軍がにらみ合う最前線のトーチカで,いきなり向こうから
「こっちも撃たないから,そっちも撃たないようにしたらどうか」
という休戦の申し入れがあって,しばらくの間律儀にそれを双方守ったとか,中国兵を招き入れて飯を食わせて帰してやったとか,そんな話があったり.

名無し軍曹◆Sgt/Z4fqbE


 【質問】
 現代でも勲章の授与というものは行われている国はあるのか?

 【回答】
 Yes.

 例えば日本の2006年春の叙勲では,自衛隊では次の方々が受勲しています.

瑞宝中授賞
(陸)元13師団長 江口博保
(海)元航空集団司令官 岡田毅
(海)元自衛艦隊司令官 小西岑生
(空)元教育航空集団司令官 高橋恒清
(空)元航空総隊司令官 法性弘

 千葉銀行頭取や阪神電鉄の会長より,自衛艦隊司令官や航空総隊司令官のほうが格下ですね.
 「軍人の褒賞は瑞宝中授賞まで」という取り決めもあるようです.
 震災という国家非常事態に接し,最高指揮官として必要な手を打てず腰を抜かしただけだった村山某氏が大綬章を受け,命を張って国益を図ってきた自衛隊関係者が中授賞とは・・・.なんとも国防意識の低い国です,日本国は.

おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)5月1日

>村山某氏が大綬章を受け

 そら,5000人も殺せば勲章もんだろ(笑)

緑装薬4◆8R14yKD1/k


 【質問】
 戦争の後片付け,動けなくなった戦車の回収などは,勝った方がやるのか負けた方がやるのかどっちでしょうか?
 もしよかったら例を挙げて説明してください.

 【回答】
 勝ったほう負けたほうというか,「戦場を確保したほう」ですね.
 そして現代戦においては,戦場の確保はしばしば勝利を意味します.

 第四次中東戦争が良い例なのですが,近代戦の兵器消耗率は信じられないほど高く,撃破された戦車を回収して修理し戦場復帰させることは非常に重要です.
 逆にいえば,戦場を確保できなかった場合は,故障車を含めてすべての戦車を回収できず放棄しなければならないわけです.
 イスラエル軍は,この戦車の回収・再生の技術において非常に優れており,敵のT-55などを回収して自軍の戦車戦力の一部に当てていたりします.

名無し軍曹◆Sgt/Z4fqbE

 戦車は貴重品.
 味方がその地域を占領している場合は,自軍の戦車を回収し,戦線後方の整備部隊,場合によっては本国まで持ち帰って修理する.
 修理不能な場合はパーツ取りに使ったりする.
 敵の戦車の場合,新型で損傷が少なければ研究の為回収したり,場合によっては修理して自軍で使用する場合もある.
 そうでなければ,増加装甲に使えそうな部品などを引っ剥がしたり,とりあえず邪魔にならない所に移動して放置.
 戦争が終わればただのくず鉄だから,現地の業者が払い下げてもらったりして熔かして再利用.

 回収した戦車を修理してたら,腐った人体の一部が出てきたり,修理された車両に乗ったら異臭がしたなんてことはよくあったそうだ.


 【質問】
 米海軍SEALSや海兵隊は,「仲間は決して見捨てない」が信条だそうですが,陸軍(或いは,他の国の同様な部隊)も同様なのですか?

 【回答】
 近代軍は皆そうだ.
 中国の国民党軍は,当初けがしたら捨てられるということで,異常に士気が低かったそうだが,米軍から派遣された軍事顧問の将軍が,軍医や衛生兵制度を導入してから,
「戦って負傷しても助けてくれる」
ということで,勇猛果敢になったそうな.

緑装薬4◆8R14yKD1/k


 【質問】
 RMAって,兵器の自動化を進めることじゃないの?

 【回答】
 RMAを誤解してます.
×自動化=ハイテク化
では無く
○情報化=ハイテク化
です.

 『Revolution in Military Affairs』すなわちRMAとは,主に情報技術の進歩によって引き起こされた『軍事に置ける革命』です.
 衛星通信を介したコンピューター・ネットワークの確立,GPS,精密誘導兵器等がネットワークによって結ばれたハイテク兵器で構成された軍隊が,『RMA化』された軍隊です.

 つまり,RMAによってもたらされたネットワーク化とは「個」が「衆」の目を持つと言う事です.


 (・∀・)                                            (・∀・)
  ↑                                               ↑
こいつが見た物を                                   こいつも見てる

 以前なら視界外・レーダー探知範囲外の情報は手に入らなかったが,リアルタイムの情報伝達技術によって物凄く広い範囲を交戦区域にする事が出来る.
 つまりそれは,

 (・∀・)                                         (・∀・)
  ↑                                            ↑
こいつが発見した目標に                     こいつがミサイルを撃って攻撃出来る

(軍事板)

 もうひとつ、「ネットワーク化」と関連しますが、「情報伝達のスピード化」も入れていいかもしれません。
 前線で起きていることや敵軍の動静に関する情報が、従来よりずっと迅速に伝えられるようになったことで、「第 34 任務部隊はいずこにありや?」みたいな騒ぎを減らせる可能性や、いわゆる time critical target を発見してから攻撃するまでのタイムラグを劇的に短縮できる可能性が出てきたと。

井上@Kojii in 常見問題mixi支隊

 "リアルタイム"で"高精度"の情報伝達が出来る、というのがミソだな。

 (´Д`)                                         (´Д`)
  ↑                                            ↑
こいつが指示した地点に                こいつが榴弾砲を撃って攻撃する

メッサー=ハルゼー in 常見問題mixi支隊

 別にやってることは以前と変わらず,探知目標に対して攻撃を行ってるだけです.
 したがって,兵士一人一人がやる仕事内容は別に革命以前と変わりはしません.
 より効率よくヌッ殺せるようになっただけです.


 【質問】
 RMAでは,補給は今より楽になるの?

 【回答】
 「軍事革命とRMAの戦略史(芙蓉書房出版)」と言うウンチク本を読んでいる真っ最中なんだが.ムズイ.何でコンナ本を買ったんだろう? と思うぐらいにムズイ.
 ただまぁ,RMAとは戦術分野の効率化(楽して手っ取り早く勝つ)であって,戦略(国家・軍事込み込み)の自由度を増やすとか,政治家が妄想するような魔法ぢゃないと言う事は分かった.

 で,ここからは件の本を斜め読みした素人の私見ですが.
 RMA化によって戦場の効率化は進むが,逆に補給量(と言うか補給部隊の負担)は増大すると思う.特に外征の場合.

 何故か?
 RMAの目的は,「戦闘目的を如何に手っ取り早く達成するか?」であり「戦闘目的達成に必要な弾薬その他の消費量を如何に減らすか?」ではないから.
 RMAで仕入れた情報で敵を迂回すれば補給路は迂回分だけ延びるし,迂回した先鋒は無人の荒野をがんがんブッ飛ばすから燃料消費も増える.
 逆に敵部隊を粉砕するとなれば,「高機動」を売りにするが故に手持ちの弾薬が少ない上に時々刻々と移動する前線部隊へジャストインタイムで弾薬を集中せにゃナラン.
 んで,「敵が動く前に短時間で粉砕」となれば単位時間当たりの投射量も増える.
 索敵不良が少なくなれば無駄足を踏ませる部隊が少なくなり,万が一に備える予備部隊の必要性が少なくなる.
 そうなれば,それらを重要正面に集中したくなるのが人の情であり,先鋒部隊が大きくなって前線の物資消費量は跳ね上がる.
 つまり,不良在庫は減るが,実質の消費量は変わらず,しかし消費時間は短くなるから単位時間当たりの輸送量と距離は伸びる.
 兵站屋から見れば悪夢だろう.

 無論,これは現状兵器の進化をあえて無視した話である.
 確かに兵器のスマート化が進めば単位戦闘時間当たりの弾薬消費量はある程度減るだろう.
 が,それでもメシと燃料の問題は残る.輸送物として考えればこっちの方がマスが大きい.
 結局,外征型RMAと言うのは,アメリカのような「十二分な兵站能力」を持っている事が前提の戦術思考じゃなかろうか,と.
 イラク戦では,それでも「トラックが足リネー!」って州軍の中古トラックまで動員していたから,アメリカにとっても負担だったと思う(これが,ラムズフェルドがペンタゴンが要求する派兵戦力の増強を嫌がった理由かもしんない)
 ぶっちゃけ言ってしまえば,オフィスのIT化が進んだら,ペーパーレスどころか紙の消費量が飛躍的に増えちゃった ・・・みたいな勘違いをしとりゃせんだろうか?

 今の陸自にRMAを導入すれば,1会戦当たりの効率は上がるだろうが,お粗末と言うにも程がある補給能力を考えると,その1会戦1会戦の勝利を果たして連続戦として繋げられるかどうか,大いに疑問だ.


戦闘目的達成に必要な弾薬その他の消費量を如何に減らすか?」
 これは難しい問題ですね.

 単位部隊あたりの消費量が増大することになっても,前線の部隊規模自体が縮小すれば,結果としてトータルの消費量は減るという可能性もある訳でして.

 また,兵站部隊には飛躍的な機動力の向上と効率化が求められる訳でもあり,この分野のRMAの発展がどの程度進んでいるのかは非常に気になるところです.トラックの共通化・装甲化,貨物パレット・コンテナの共通化,コンテナへのチップ埋め込みによる流通(?)管理なんてところにアメリカさんは力を注いでいるようではありますが.

 直接関係ありませんが,先日仕事でシンガポールのコンテナ・ヤードに行った際,そのあまりの規模とハイテクさに圧倒されました.
 大黒の数十倍はあろうかという巨大なCYに,これまた10段以上の40フィート・コンテナがぎっしりと配置され,全てのコンテナはICチップにより整然と管理されていました.
 トレーラがコンテナを搬出入する際には,ゲートが自動的にICチップを読み取り,ドライバーに指示が送られる仕掛けになっており,日本より遥かにスピーディーかつ効率的なコンテナ積み下ろしが実施されていました.
 コンテナ1本引っ張るのに,下手すれば1日潰れる日本とは大違いです.
 これでは絶対勝てないと強く感じました次第.


>前線の部隊規模自体が縮小すれば
 これが,自分には難題だと思うんですよ.
 RMA化によって,1個連隊で敵(ローテク)1個師団を翻弄して粉砕する事も,状況次第では理論的に可能でしょう.(航空戦力まで考えるとややこしくなるので,とりあえず外して概念的に考えます)

 ですが,用兵側からすれば(魅力的ですが)一種のバクチであり,むしろ3個連隊を投入して今までの1/3の時間で片づける事を選ぶのではないか? と.

>この分野のRMAの発展がどの程度進んでいるのかは
 いわば「戦場のカンバン方式」が徹底されていくと思います.

 結局RMAと言うのは,前線というミニマムな視野と,戦争というマクロな視野では革命的なモノですが,その中間の戦場として考えるとアンマ今までと変わらないのでは?
 前線での「便利さ」「有効性」「効率化」は,もう言うまでもないでしょう.
 戦争での便利さは,情報の不確実性を補う為に発生する「予備戦力・予備物資」を減らす事が出来,計画物資量と実績使用量が近くなっていく.
 ↑前線から後方へ「余ってる兵力(物資)をよこせ」と言われても「ダメだよ.不測の事態に備えいるんだから」と言うのが無くなる(低減する).

 究極的には「不良在庫」を減らす事によって,戦争資源(人・物)を減らす事が出来る,と.
 予算を立てる側からすれば,これほど有りがたいモノはありません.

 以前,某公共事業の概算総工費を弾いた時と,実際の工程管理をした時に悩んだのが,この「予備(転ばぬ先の杖)」と言う数字をどう弾くかでした.
 まぁとりあえず,「物流と消費」と言う一側面から見た場合の話なんで,別の視野から見れば「戦場の大革命」かも知れません.


 むしろRMA化の恩恵を最も受けたのが後方支援分野ではないかと.

 RML(Revolution of Military Logistics)という用語があり,量に依存した補給から速度に依存した補給へ,と言われたりもします.
 要するに「必要になるかもしれない,万が一に備えた」方式から「ジャスト・イン・タイム」方式への転換.
 イラク戦争で実際に集積された物資は湾岸戦争当時から比較してだいたい4分の1から5分の1になるなど,
実際高効率になったのは疑いようがないですし.



 エアコン効いた室内でドーナッツくわえてパソコン叩いている事務屋の連中はホクホクでしょう.
 自分がで注目しているのは,実際にハンドル転がす部隊への負担です.
 砂漠を延々飛ばして前線へ運ぶ手間は変わっていないのに,「ジャスト・イン・タイム」を要求されるわけですから.
 カミオンがチェックポイントかコロコロ変わるラリーに参加してるようなモンではないかと.
 実際,イラク戦争の捕虜騒ぎ(リンチ上等兵でしたっけ?)が起きたのも,米軍補給部隊内では劣等装備の州軍部隊を「急げ急げ!」と急かしたのがそもそもの原因ですし.

 米軍はトラックから新開発して輸送手段そのものをRMLに対応させようとしています.
 が,これはそのトラックだけで数千台のオーダーが見込める顧客(巨大兵站部隊)を持っている米軍だから可能な事で.
 戦車輸送車輌以外は民生トラックからの転用(一部改修)で済ませようとする他国では真似の出来ない事でしょう.

 で,自分が言いたいのは,RMAってのは戦術分野だけに注目するモノではなく,兵站システムまで含めた「戦場」で見なければアカンのではないか? と言う事です.
 自衛隊は,その予算と規模とドクトリンの関係上から,正面装備に重点を置いて成長してきました.
 おそらく今後10年の間に,RMA化した野戦部隊が出来るでしょう.
 その時に,彼らに釣り合うRML兵站部隊(システム込み)があるのか/作れるのかどうか? それが疑問なんです.
 まぁそれは,彼ら(RMA部隊)を何処で活躍させるつもりなのか? その戦争計画によって兵站部隊のサジ加減も変わってきますけどね.

534 :あ〜る :2005/06/24(金) 14:44:05 ID:AEfWLEM4

 コンテナが来んてな〜

535 :鳥坂 :2005/06/24(金) 16:21:24 ID:FK0JBNjN

 ふん・さい・バァーット!

(「鳥坂」,名無し四等兵 ◆clHeRHeRHo他 in 軍事板出張スレッド)


 【質問】
 攻者3倍則について教えてください.

 【回答】
 攻撃してくる赤いザクは3倍早い.<違う

Cpt.hige

 攻撃側は最低守備側の3倍の戦力を必要とする,という法則.
 ただし,初心者質問スレッドでは,さも3倍未満では絶対勝てないような言い方をする方が結構多いのですが,あれ,攻城戦でない限りは決戦でも3倍未満で結構勝ってるんだよな……
 あれは3倍が必要なのではなく,防御用に準備された相手に対する攻勢は,それくらい大変なんですよ.って教訓ですよね.
 数の部分は当てにならないと思うです・・・
 第1次大戦の塹壕戦なんて結局破られてないし,中世の攻城戦で攻め手だけが攻城兵器を持っている場合なんて,相手がごめんなさいって言うまで石(とか死体とか・・・)を降らせていたわけで.

肥後守
丼炒飯
seld

以上,軍事板常見問題 mixi支隊より


◆◆軍事裁判


 【質問】
 大陸法系の軍法を採用している国と,米英系の軍法を採用している国とでは,軍法会議の扱いや法務士官の地位が違うと聞きました.
 大陸系と米英系の軍法はどのように違うのでしょうか.

 【回答】
 大陸法系の軍法会議,英米法体系の軍法会議の構成はほぼ同じです.
 しかしながら,大陸法体系では,裁判官たる判士が行い,それは数名で構成される合議制行われます.
 また,法務官(法務将校)は,判士の下位に置かれています.
 一応,法務官は憲兵の指揮権も与えられていますが,完全な独立という訳ではありません.
 なお,一番上位には,軍法会議長官というのがありますが,これは完全な裁判の設定だけで,実際の事案に
関与するものではありません.

 英米法体系では,法務官が訴訟指揮の重要な役割を果たします.
 法務官は,裁判全体の進行,検察官,法律を解釈します.
 大陸法体系の様に,判士が訴訟を指揮するのではなく,判士はあくまでも陪審に過ぎません.
 なお,判士はその案件に関係するその道のプロが選ばれる傾向にあります.
 ちなみに,英米法体系では査問会が開かれて其処で処分事案は決定される傾向が強いので,軍法会議の開催自体,非常に稀だったりします.

 訴訟は,大陸法,英米法とも裁判公開制,口頭弁論主義ですが,大陸法体系の裁判と違い,秘密裁判的な特別軍事法廷みたいなものはありません.(最近は違いますが)

眠い人@まだまだ規制中


 【質問】
 軍事裁判なるものがあるみたいですが,いわゆる普通の国では,軍人が犯罪を犯した時に裁かれる場所というのは,どういうところで線引きされるのでしょうか?
 沖縄等が問題になったりしてるけど,例えば米軍人が加州で強姦した場合,軍事裁判所でさばくのかいな?

 【回答】
 軍事司法制度の適用範囲は国によって異なりますが,平時の軍人犯罪では大別して
1.軍人による不法行為全体を対象にする(米英など.加州で強姦した米軍人は軍法で裁かれる)
2.軍内/任務上の不法行為のみが対象  (日独など.ボンで強姦した独軍人は刑法で裁かれる.ただし,厳密には日本の自衛隊法は軍法ではありません)
の2つの流れがあります.
 1は,軍人に特権的な立場を与えることから批判が多く,文明国では2の方が主流です.

 また,民間人による軍事的な不法行為(利敵行為とか)や軍に対する不法行為(軍人を狙ったテロとか)についても,管轄が軍事司法と一般司法のどちらになるかは国によって異なります.


 【質問】
 特別軍事法廷ってなんですか?
 色んな国にあるようですが,国によって中身は違うのでしょうか?
 日本にもあったのでしょうか?

 【回答】
 特別軍事法廷は,各国にあってそれが色々な性格を持っているため,一概にはこれだと言えません.
 例えば最近設置した米国の場合は,テロリストを裁く為の臨時法廷で,通常の裁判であれば,訴訟手続が延々と進むものですが,こうした手続きをなるべく短縮させようとして,設置されたものですし,中国のそれの場合は,戦犯裁判(漢奸法廷)の為に設置されています.
 あるいは南米などでも政敵を葬るための法廷として設置されたりしています.
 いずれにしても,一般の法律に基づく正規の訴訟では無く,なるべく短縮した形で判決を下すために用いられているものであると言えるでしょう.

 また,中国のものを除き,大抵の特別軍事法廷は,普通の刑事訴訟手続ではない,裁判公開主義,口頭弁論主義で,三審制(日本の場合)の様に上級審への上告が認められていますが,こうしたものはなく,非公開,弁護人無し,一審制というのが多いです.

 日本の場合は,戦前に「東京陸軍軍法会議」と言うのがありますが,こちらは少し違って,2.26事件で設置されたもので,首謀者を裁くために緊急勅令で設置されたものです.

眠い人 ◆gQikaJHtf2


 【質問】
 軍事法廷についてなんですが,一般の裁判所で公務員の行った犯罪に対する判決軽いように,軍事裁判では,内輪で処理されて甘い判決が出ることって多くないですか?

 【回答】
 軍法会議は国や歴史により様々な形態がありますので,一概には言えません.

 軍法会議は軍紀・軍律の維持を目的とし,一般人とは異なる「軍刑法」による判決を迅速に下すことを目的としています.
 軍刑法は一般刑法とは全く異なり,有名どころの「敵前逃亡罪」みたいなものから,「任務中に居眠りしたり酔っぱらったりした罪」みたいなものまであります.
 一部の軍刑法が民間人にも適用されることもあります.(敵国人への略奪や捕虜虐待など)

 もちろん軍人にも民間人同様の一般刑法が適用されます.
 一般刑法で裁かれる際には,民間人同様の裁判を適用されるか,軍法会議で処理されるかは国と時代により異なります.

 一般刑法による裁判が軍法会議で行われる際には,甘くなることも有り得ますが,逆に厳しくなる可能性もあります.(軍の名誉を傷つけた場合など)
 軍規を犯した人間を軽く裁定なんかしたら大変な事になりますので.
 あくまで目的は「軍紀・軍律の維持」であり,軍人は一般人とは異なる秩序の支配下に置かれているからです.

 余談ながら・・・
 軍法会議の重要な役割の一つに,政府機関の機能が麻痺している状態であっても,軍隊内部においては法秩序を維持できる,というものがあります.
 ちなみに我らが自衛隊には,軍刑法も軍法会議もありません.(大丈夫かよ・・)

 あと,これって証拠あんの? >一般の裁判所で公務員の行った犯罪に対する判決軽い

軍事板


 【質問】
 銃殺刑はどのようにして執行されるのですか?

 【回答】
 ちとうる覚えの部分もありますが.

 即決の場合は,死刑囚の蟀谷(こめかみ)に拳銃を当てて,引き金を引くだけで事足ります.
 或いは機関銃で一斉射撃することも(イタリアなどでのPartisan処刑の場合).

 しかし,大体の場合は,銃殺が確定した場合,先ず銃殺隊を編成します.
 この銃殺隊は,兵から数名(イタリアの場合は死刑囚1名に付き6名)を選抜します.
 なお,複数人の執行の場合は,予め誰を狙うかを決められます.

 さて,執行当日,銃殺隊が刑場に入場し,整列します.

 死刑囚は刑場に連れ出され,死刑囚がキリスト教徒の場合は,神父が刑場に立ち会って最後の告解を聞き,終油の儀を執り行い(仏教徒でも同じように告解に僧侶が立ち会います),指揮官から目隠しの有無を尋ねられ,必要ならば,袋状の目隠しをされ,後ろに跳弾を防止する堤の前にある棒の前に立たされ,棒に手足を縛られます.
 なお,イタリア式の場合は,椅子の背もたれを胸の前に付けて両股を開いて座らせ,両手を背もたれに縛ります.
 この場合は,銃殺隊に向き合うのではなく,銃殺隊に背中を向ける形になります.

 指揮官の指揮の下,狙いを付け,合図を以て発砲します.
 指揮官は,対象者の死亡を確認しますが,この時,完全に死刑囚が死んでいなければ,最後の一発として,頭部に拳銃の弾を撃ち込み,完全に死んだことを確認します.

 その後,検死官が来て,検死調書が作られ,最終的に死体は,家族がいれば家族の元に下げ渡され,いなければ無縁墓地に埋葬という流れだったか,と.

眠い人 ◆gQikaJHtf2

 参考までに,本間将軍の場合


 【質問】
 銃殺される者には何故,黒い頭巾をかぶせるのですか?

 【回答】
 銃殺される側とする側,双方をびびらせないため.
 銃殺刑というのは,一般の犯罪者と同様に扱われる絞首刑よりも軍人の名誉を尊重した扱いになる.
 とはいえ,自分を狙う銃口を間近に見て取り乱さずにいられる者は少ない.
 だから目隠しをしてやることによって,少しでも恐怖心を減らして名誉ある死を与えてやろうという心遣いみたいなもの.

 銃殺する側の兵士にとっても,自分が殺そうとする人間の顔をまともに見るというのは大変なプレッシャーになる.
 だから処刑対象となる人間の顔を隠すことによって,銃口をそらしたり引き金を引くことに対するためらいを少しでも減らそうということ.
 もし死に切れない場合は銃殺隊を指揮する将校がとどめをさすが,これは指揮官としての責任においてなすべきこと.

 ちなみに,銃殺隊に渡す銃に一丁だけ空砲を装填する場合もあるそうだ.
 撃った人間が,自分の銃は空砲と思うことができればそれだけプレッシャーは少なくなる.


 【質問】
 戦争中,民間人が敵国の戦闘員を殺害すれば,その民間人は自国の法律で罪に問われるのですか?
 それとも相手国側でしょうか?

 大東亜戦争中の日本で起きた場合は,どうだったでしょうか?

 【回答】
 その地域の施政体が残っており,かつ,その国の政府が権限を握っているのであれば,それは,その国の法律で罪に問われることになります.
 敵国の占領下にあり,かつ,その地域の施政体が残っていない状態,更に,占領軍による軍政が敷かれている場合は,その敵軍の司令部傘下に設置されるであろう軍律法廷で,敵国の法律に基づいて,審理を受け,判決後,司令官の決裁で,罪が確定します.

 太平洋戦争中の日本であれば,それは軍律法廷の範疇ですね.

眠い人 ◆gQikaJHtf2
青文字:補修部分


◆◆敬礼


 【質問】
 敬礼の起源について教えてください.

 【回答】
 諸説ある.ローマで市民が元老院議員などの公務員に近づく際,武器を持たないことを示すために手を開いて差し上げた習慣,中世の騎士が挨拶する際に鎧の面頬を上げて顔を見せた習慣,など.

 現代の軍隊の敬礼の直接の起源は1800年代初期に英国のコールドストリーム近衛連隊で挨拶の方法を「帽子のヘリに触れる」と定めたこと.
 これ以前の挨拶は,いちいち帽子を取っていたので帽子の傷みひどく,問題になっていた.

 英国陸軍の敬礼は「帽子のヘリをつまむ」動作を様式化して,手のひらを相手に向けて指をまっすぐ伸ばし,右眉の上につけるように形式化された.

 これに対し,帆船上では防水・防腐剤のタールを塗ったロープを握るため士官・兵とも手のひらが黒く汚れていたので,英国海軍では手のひらを相手に見せないよう,手のひらを下に向けて敬礼する形式となった.

(U.S. Military Salute)


 【質問】
 敬礼って左右どちらの手でするのが正しいのですか?

 【回答】
 現代の軍隊の敬礼の直接の起源は,1800年代初期に英国のコールドストリーム近衛連隊で挨拶の方法を「帽子のヘリに触れる」と定めたこと.
 これ以前の挨拶はいちいち帽子を取っていたので帽子の傷みひどく,問題になっていた.
 英国陸軍の敬礼は「帽子のヘリをつまむ」動作を様式化して,手のひらを相手に向けて指をまっすぐ伸ばし,右眉の上につけるように形式化された.

 ゆえに右手で行うのが正しい.

(U.S. Military Salute)


 【質問】
 米軍で陸と海では敬礼の仕方が少し違うって聞いたんだが,海軍は,敬礼する場所が艦の上で場所取れないから脇を締めた敬礼で,陸軍は,脇を開いた状態で敬礼するらしいがホントか?
 ホントなら,米軍以外でも陸海軍では違うのか? それから空軍は?

 【回答】
 米国の敬礼は基本的に四軍共通.
 これは英国海軍式を取り入れたもので,英国海軍は,手のひらを相手に見せないよう,手のひらを下に向けて敬礼する形式.帆船上では防水・防腐剤のタールを塗ったロープを握るため,士官・兵とも手のひらが黒く汚れていたので,そうなった.

(U.S. Military Salute)

 日本の自衛隊の敬礼は米国式.
 米海軍や海自では,狭い艦内通路にあわせて心持ち肘が下がり,前方に出るが,これはどこの国の海軍も同じ傾向)

 参考までに,

旧日本陸軍,海軍の敬礼(実演画像)
http://www.awatabe.com/omoide.htm

 自衛官の敬礼
陸・空(米陸軍式)
http://www.bk.dfma.or.jp/~monoshiri/keirei/
海(旧海軍式)
http://plaza.rakuten.co.jp/kumisou/7003


 【質問】
 軍人の敬礼に一般人が答えるには、お辞儀でよいのでしょうか?

 【回答】
 相手が「人」ならば、軍人の敬礼に対する民間人の答礼は、お辞儀で十分でしょう。たとえ相手が同じ東洋人でなくても、十分に敬意が伝わるはずです。
 相手が「旗」や「部隊」の場合は、”相手を見つめる”ことが儀礼の一部となりますから、右手を左胸に当てるのがよいでしょう。

 いずれの場合も、私服の民間人は“脱帽”することを忘れないようにしましょう。
 ただし儀礼上、男性が脱帽する場合でも女性は脱帽する必要はありません。
 炎天下の屋外で脱帽したら日焼けやシミ・ソバカスの原因になりますから。
 脱帽してはいけないわけではないかもしれませんが...。

 なお,厳密に言えば,目礼やらも全部ひっくるめて敬礼.

民間人の答礼


◆◆憲兵関連


 【質問】
 憲兵について教えてください.
 憲兵隊は軍隊のなかの警察組織(法執行)という位置付けで間違っていませんか?
 それ以上に軍事法廷の検察や弁護を演じる組織も含まれていますか?

 また,ソビエト赤軍中の政治将校は憲兵ですか? それとも軍以外の組織により運用されているのですか?

 自衛隊は憲兵組織を持っているのですか?

 【回答】
 憲兵は,軍隊内の秩序・規範維持のための存在で,検察とか弁護は法務将校が別にいます.

 政治将校は,共産党の軍監視のためのものであり,共産党に忠誠を誓っております.従って,その権限は非常に大きく,憲兵とは似て非なるものです.

 自衛隊の憲兵は,警務隊という組織が担っています.

(眠い人 ◆gQikaJHtf2)

 【質問】
 どこかの国の兵隊が武器庫から自動小銃を盗み出し基地の外で銃刀法違反で逮捕された.
 この場合にその国の法務省とか司法省という組織が裁くのか? 犯人が軍に戻されて軍事法廷(?)で裁くのか?
 軍という組織は国内法とかに束縛されない特権的な権利を有しているのか? どこの国でもそうなのか?
 【回答】
 軍は武装集団であり,戦時には通常の倫理規範に反する行為(破壊や人員の殺傷),が職務上要求されるという特殊性なので,軍人の「基本的人権」を制約するといった,行動全般を強く規制する必要があります.
 一方,戦力を保持するために,軍紀の妨げになる行為を「固有の価値観」に照らして裁く必要があります.

 すなわち,
人殺しを禁ずる刑法を適用されては攻撃できない,
一般の国内法を戦場で戦争に従事する軍人に適用するのは不可能,
しかし,戦場であっても秩序を保つ必要がある,
ということです.

 したがって,一般の国内法とは別に軍法を定め,特別裁判所である軍法会議を設置する必要があり,たいてい殆どの国がそうしています.
 そうでない日本が異常と言えます.

 そして,軍事法廷も,国内法に基づいて存在しているし(日本以外),大抵の場合,軍法や軍律法廷,軍事法廷はそれ以外の裁判所や法廷,刑事法よりも厳しくなっています.
 軍法は国内法の1種ですよ?

 【質問】
 ドイツ軍には野戦憲兵がいたようですが,工兵に「戦闘」工兵と「建設」工兵がいたように,「野戦」憲兵にも野戦時以外の憲兵がいたんでしょうか?

 【回答】
 野戦憲兵とは,憲兵組織の一ジャンル.

 憲兵のそれは実に広汎で,軍機保護,要塞地帯,軍港,要港,徴兵,服役,召集,徴発,戒厳等に関する法令の執行,軍紀,風紀,監視,及び戦地の秩序維持等を目的として,これを執行する.
 其の外にも将官警護等も行う.

 憲兵にも2種あり,公然憲兵と非公然憲兵がそれである.
 憲兵の腕章をつけた憲兵は公然憲兵であり,私服の憲兵が非公然憲兵である.
 非公然憲兵はスパイの摘発,占領地の反抗組織の調査等を行った.
 内地における憲兵は,検閲等を行っている.

 さて,「野戦憲兵」という言葉は,制度を指す場合と,運用面からで使われる場合がある.

 制度を指す言葉としては,憲兵制度を大きく二つに分ける場合に使われる.

フランス式の国家憲兵制度(ジャンダルマリ)と
アメリカ式の野戦憲兵制度(ミリタリーポリス)の二つ.

 内容の違いとしては,これは警察権が軍隊内に制限されているミリタリーポリスに対し,国家憲兵制を採用している国では一般国民にも警察と同様の警察権が行使できる.

 もう一つは運用面で使われる場合.
 戦場や占領地で活動する憲兵を総称して指す言葉として「野戦憲兵」と呼ばれることがある.

 工兵だって,
ある工兵部隊が銃火が飛び交う中で短時間で簡易な橋を造れば「戦闘工兵」,
同じ工兵部隊が後方で時間をかけて大きな土木工事を行えば「建設工兵」
と呼ばれるのと同じこと.

(べるりん ◆Belgar/rRI他)


 【質問】
 オーストリアなどに見られる国家憲兵隊 gendarme は,例えば墺では内務省所属だが,軍とは関係ない警察組織なのか?

 【回答】
 「警察学論集」で,オーストリアの警察を扱ったごく簡単な論文を読んだことがあるが,アソコの警察はごくごく普通の警察のようだなあ.「ゲンダルメリエ」と名乗ってはいても中身は普通の警察だ.

 オーストリアに限らず,フランス,イタリア,オランダなど国防省の管轄下にあるgendarmeも,実態としては一般制服警察にすぎない.
 「国内向け軍事作戦部隊」とも考えうる部隊も中に存在するが,それは,むしろ例外的な存在と考えるべきだろう.

 スペイン語圏のGuardia Civil(グァルディア・シヴィル)については2年ほど前,軍板である方からご教示いただいたのだが,内務省の管轄下にあるのが通例で,これまた一般普通警察.

 gendarmeというモノは,現代の先進諸国に限って言えば,概して普通の国家(場合によっては州)警察と考えて差し支えないだろう.
 まあ総じて言えば,軍と警察の中間に位置するような武力組織ではないなあ.
 「ポシ・コミテイタス」と同じで,軍と警察の区別が曖昧であった時代の名残りといった部分が大きいのではないかな.

 とはいえ,
1)戦時においては予備戦力として機能する点(ただし平時における武力行使は原則禁止)
2)軍としての地位を有する関係上,平時から国家指揮権限者による統帥をうける場合がある点(まあ司法警察業務についてはハナシが別なのだが)
3)ジェンルジンスキ師団やギャルド・モビレにみるような,「国内弾圧装置」「国内専門軍事力」といったような形態の部隊を発展させた点(だがこれら「国内軍」的性格を,gendarmeの性格総体を代表するものと解釈するのは,やや早計ではないかなあ)

 要するに,gendarme,Guardia Civilともに,戦時にあっては正規軍の補助戦力として機能する.
 しかし,現在そうした武力機能の平時における発揮は,厳しく制限されている.

 共同体警察・自治体警察はチョイト趣が違うのだが,(コッチはポシ・コミテイタスにみる中世的な共同体オリジンの義勇民兵隊の影響をより強く受けている.あるいはポシ・コミテイタスの伝統を意識的に強調しているようだ),欧州大陸の一般制服警察組織オルポだっけ?)は,gendarmeそのほかの軍事組織の模倣からはじめて,そこから軍事色を抜く方向で発展していったようにもみえる.
 実を言えば,一般制服警察の組織というモノは,例えば文民警察の典型として知られるロンドン警視庁にしても,最初期においては,軍事部隊を模して編成されていた.

 軍・警の組織的機能分化のきっかけのひとつは,高度な刑事捜査の有無にあるのかもしれない.
(人権思想の高まりを強く意識した,法執行手続きの厳格性ナンテのもあるだろうが,これは20世紀に入ってからのハナシなのかもしれない)
 警察組織の発展が,軍事的な組織の模倣から始まったとしても,刑事警察,犯罪捜査技術の発展(とこれらに対する社会的要請の高まり)は,決定的に警察と軍を分離していった.
 これは警察の脱軍事化などと表現してもよいのかもしれないなあ.

 ところでもしフランスの現代ジャンダルムリに,軍・警の中間形態を求めるとするならば,あるいは軍・警に当てはならない第三の武装サーヴィスとして把握しようとするならば,いくつか興味深い点がある.

 まず今日の仏ジャンダルムリの隊員は,制服を着用しない非公然業務と,「政治に関わるいかなる介入」が,原則的に禁止されている.
 これは,ある種の刑事捜査の業務には,ひじょうな制約だろう.
 ここからは並列的に存在する仏国家警察との,際立った性格の相違を看取ることができようね.
 またかつてフーシェが求めたような,政治警察としての活動も制限される.

 次にストライキ.
 警察官のストライキ権や団体交渉に正当性を与えたのはILOだっただろうか?
 一般に軍人のストは認められていない.
 だが仏ジャンダルムリの場合,ストライキを武器にした団体交渉が行われている.
 軍というモノを見慣れた者からみると,これはひじょうに当惑させられる現象で,ジャンダルムリ隊員を,単純に軍人としてのカテゴリに入れるべきかどうか,正直言って少々迷っている.

 三番目に安定化作戦や平和維持作戦におけるジャンダルムリ.
 この種の軍事作戦における警察と軍事の共同行動は近年,非常に注目を集めている.
 警察が豊富な経験を持っている地域共同体との密着,軽犯罪に対する捜査活動,そして防犯活動などの有用性は重視されつつあるなあ.
 ジャンダルムリとカラビリエニは,多国籍の「文民警察部隊」の常連だが,海外におけるこうした任務経験は,gendarmeをして単なる「正規軍補助戦力」を超えた武装サーヴィスへと発展させる,契機になるのかもしれない.
 とはいえ安定化作戦・PKOにおける文民警察要員には,軍人ではない文字通りの「文民警察官」も山ほど参加しているワケなのだがね.

 最後.911以降,軍事力・インテリジェンス・刑事捜査活動は,「「新しい戦争」の三位一体」などと,評される場合がある.
 おそらくこの3つをすべて包括できる単一武力サーヴィスなど,存在しないだろう.
(あるいはもし存在するとすれば,自由な社会はこれを脅威とみなすのかもしれない.)
 まあ新しい脅威環境に即した軍,情報機関,治安機関の役割分担と相互調整を模索しよう,というのがこのフレーズの趣旨のようだ.
 フレーズ自体へのツッコミはさておき,ジャンダルムリは,将来的に,これら3つの内のどれを担うコトになるのだろうか?

 なお現在,フランス国家憲兵隊は国防省傘下にあり,警察の応援で刑事事案に加わる場合等に一時的に参加する部隊が内務省とかの指揮下に入る.
 隊員も身分は軍人で,階級呼称も「大佐」とかの軍事式.国家憲兵隊のHPにも「国家憲兵隊は司法業務を執行する軍事組織である」と説明されている.
 国家憲兵隊のGIGNや空挺部隊は有事の際は勿論だが,平時の際(海外での事案)も軍事作戦に参加する.
 例えば,92年コロモ侵攻作戦や93年ルワンダ内戦に国連軍として,フランス軍と共に国家憲兵隊は現地に派遣され,軍事活動に従事した.コロモの時は,フランス軍侵攻作戦直前にGIGNの少数精鋭部隊が極秘潜入,スパイ活動・破壊工作をした.
 同様にイタリアの軍警察(憲兵隊)も軍事組織.
 身分も任務も完全に警察組織なのは,オーストリアの国家憲兵隊のみ.

Mk-46 ◆YbZ.j.w7T2

武装SS,ではなく1950年代のオーストリア国家憲兵隊

いもけんぴ in FAQ BBS


 【質問】
 そもそも警察は,軍政下の憲兵隊から分離してできたと見ていいのか?

 【回答】
 国によって異なる.

 例えば日本の場合,江戸時代までは町奉行所などが警察業務を行っており,武士という存在を現在の軍人か文民かなど明確に分けることは難しい.
 明治期以降の警察は,イギリスなどの警察制度を参考に整えたもので,憲兵隊から分離したというわけではない.

 イギリスは失業者を夜警として雇っていたのを,近代になって現在に通じる警察の形に再編成したもの.

 前近代の武装サービス組織は,警・軍が渾然一体となっていたとみるべきだろうなあ.
 たぶん今でも欧州大陸諸国の国では,組織としての警察と軍を明確に区別する習慣が薄い.
 とはいえ技術的な側面からみれば,警察と軍隊は,かなりの専門分化を遂げている.
 これからはより区別される方向でハナシが進んでいくのではないかなあ.

 警察の成り立ちは専門的なところなら,上野治男著「米国の警察」(良書普及会,1981/8),具体例は,スチュアート・ウッズの「警察署長」って小説に割と書き込んである.

(Mk-46 ◆YbZ.j.w7T2他)


◆◆損害関連


 【質問】
 戦死の確認方法,定義を教えて下さい.

 【回答】
 陸軍の場合,定義としては,戦時において戦場で戦闘によって死亡,または戦闘による負傷が原因で死亡(厳密には戦傷死)し,認識票が回収された場合を戦死ということになります.

 もっとも実質的には,戦時において戦闘地域および後方地域における事故による死亡も,戦死と認定されることが多いようです.

 なお,戦場での病気による死亡は,「戦病死」として区別されることが多いようです.

 上記のいずれにおいても認識票が回収されていない場合は,通常は,敵側の捕虜となった場合と同じ「行方不明」,という扱いとなります.

 こうした手続きは,国によって差異はありますが,一般的には当該兵士が属する分隊長あるいは小隊長から,その部隊の中隊長へ認識票が提出され,中隊副官が書類として大隊>連隊本部へ,そして連隊本部から本国の留守部隊へと送られることになります.


 【質問】
 よく,軍事の常識で「損害が全体の3割を超えたら全滅状態」と言いますよね?
 では,ちょっと前までの自衛隊や末期のナチスドイツ軍みたいに,「戦闘参加以前に既に定数の7〜8割(あるいは,それ以下)しか人員がいない」というのは,どういう扱いになるのでしょうか?
 「戦う前から全滅」してると見なされるのか,「定数割れしている状態が定数」という扱いになるのか,どちらなのですか?

 【回答】
 全滅とは,現在その人数で軍として機能している状態から,3割減少したら軍としての機能は期待できない,ということです.
 サッカーでも,11人のチームのうち3〜4人が退場になったりしたら,人数は十分残っているし,試合続行も不可能ではないけど,もはやサッカーチームとして十分な能力は発揮できないし,まともな試合展開は望めない.
 そんな状態が全滅だと思って下さい.

 ですから,定員割れでもそれで立派に機能しているなら,そこから3割減るまでOK(実際には余裕が少ないからもう少し早いでしょう)ということになります.

 定員というもの自体恣意的ですから,本当に機能するための数字もあれば,政治的あるいは予算獲得のためのスローガン,はたまた単にそれまでの数字を踏襲しているだけ等,内容は様々であり一概に定員割れだから人員不足とは言えません.

 たとえばWW2時のドイツ歩兵連隊を例に説明しますと,連隊の定数およそ3000名のうち,実際に小銃や機関銃を手に敵兵と渡り合うのは,1200名ちょっとです.
 ですからその部隊が定数3000名の30パーセントである900名の死傷者が発生した場合,損害のほとんどは1200名の前線戦闘員からでているわけで,損害率は75パーセントにも達します.
 そのなかには数名を残して壊滅してしまった部隊や,指揮官全員が死傷した部隊が当然存在するでしょう.
 よって,その部隊は「戦闘能力を失った」と見なされ,全滅と同様ということになるのです.

 一方,上記の部隊にもともと2000名しか将兵がおらず,定員割れしている場合,前線戦闘員は2000名の40パーセントで800名ということになります.
 これが先述の場合と同程度の損害を被るということは死傷者600名程度で全滅扱いということになるでしょう.
 これは全体の30パーセントであり,定数を満たしている部隊と同じ,ということになります.

 定数割れしている部隊は,完全戦力の部隊よりも狭い作戦地域でしか行動できず,無理に広い地域で行動すれば,より大きな損害を出すことになると思われます.

(HN "System" 他)


 【質問】
 全滅=損耗3割
 壊滅=損耗5割
 殲滅=損耗10割=玉砕

と「週刊オブイェクト」というところで見たんですが,何故,全滅よりも壊滅の方が損耗率が高いんでしょうか?
 言葉の感覚では壊滅<全滅に思えるのですが.(元創価信者 ◆NSBdAR3PPM)

 【回答】
 全滅とは,部隊が組織的な戦闘能力を失ったと判断される損害.
 この時点で部隊を後方に下げて再編成しなければならない.

 ところが,5割もの損害を受けてしまうと,再編成どころか基幹要員がいないので,部隊の編成を保てず,組織として崩壊した状態とみなされる.つまり壊滅.

 何に書いてあったか思い出せないんだが,俺が見た本には,
・部隊内の比率は,直接戦闘を担当するものが半分,後方任務を担当するものが半分
・戦闘による損失は,直接戦闘を担当するものから順に生じる
って前説があった上で,

全滅:部隊三割減
 戦闘担当の過半(六割)を喪失
 組織的戦闘が不能なので戦闘単位として計上しない
 再編するまで居ないものとするので「全」滅

潰滅:部隊五割減
 戦闘担当の全てを喪失
 部隊補充だけでは再編不能
 完全に潰れてしまっているので「潰」滅

殲滅:部隊消滅
 ペンペン草も生えてないので殲滅

って事だった.


 【質問】
 3割損耗すると拮抗していた場合,瓦解しやすいというのはわかります.
 が,壊走する状況であったとしても,それは『全滅という日本語』とは別の概念(壊走,敗北,3割損耗,維持不可能など?)ではないでしょうか.
 WW2の戦闘をながめていると,1個連隊以下にまで損耗した師団が後退,休養,再編制無しの連続で戦闘を続けているケースなんかごろごろしています.
 WW2の日本陸軍ではそのような語の使い方をしているとは聞いたことがありません.
 特別な軍事用語であるなら,それはいつからの,戦後自衛隊の定義なのか,何かの輸入された概念の訳語(誤訳?
 イメージとしては 壊滅の方が全滅よりも柔らかく,全滅は100%近い損耗のイメージが強くします)なのか.3割損耗を全滅というのは,いつの時代からの,どこの国の定義で,元の語は何で,いつから使われるようになったものでしょう?
 あるいは,また別のどこかから出てきて,流布した用法なのでしょうか?

 【回答】
 「今現在,軍として機能している状態から〜」が抜けています.
 3割・5割・というのは絶対的な数字ではなく,部隊の定数のみから求められるものではないのです.
 それと,一瞬も空けないで戦闘が延々続く事なんてありません.
 再編成は師団とか大きな単位でしかしてないわけじゃありませんから.師団の全員が同時に戦闘に参加してるわけじゃありません.小隊はしゅっちゅう入れ代わります.

 WW2の日本軍での「全滅」の例を挙げておられますが,それは特殊事例なんです,悲しいけど・・・
 どこかの島に上陸して陣地作って篭城しても,制空権と制海権失ってしまったら,降伏か玉砕しか選択肢がないわけなんです.
 で,そこで降伏してしまうと,次の防衛線の準備時間が稼げないとか,敵を消耗させることができないといったことで,味方にとって不利なので,文字通り「全滅」するまで戦うしか選択肢がなかったわけです.

 近代日本軍の設立から日中戦争中間ぐらいまでは,軍事上の「全滅」って言葉の意味は,西洋諸国と同じ「戦力の全滅」のはず.
 ノモンハンぐらいからかな,「全滅」って言葉の意味が,戦力の「全滅」ではなく兵士一人一人の本当の全滅を意味し始めたのは・・・

 ま,誰かが
「これが(軍事的な意味で)『全滅』という概念が生まれた初出です」
「それは,○○という文献の▲▲という単語から訳されました」
「そして,こういう経緯で広まりました」
という回答をするまで納得できないんだろうけど.別に軍ヲタは言語学者ではないので,そこまで知っている人が今はいない,と.
 だから,とりあえずの回答は
「全滅とは軍事的にはこういう意味で使います.それは辞書に載っている意味と違っても,そういうもんです」
としか答えられない.
 OK?


 【質問】
 味方を撃ってしまうこととかは,近代の戦争では無いんですか?

 【回答】
 たぶん日常茶飯事かと.
 味方撃ちは,そらもうしょっちゅうあります.
 戦争じゃよくあることです.

 例えば元NFL選手のパット・ティルマンが,味方の誤射で死亡しています.
 彼は9・11テロの後に,所属していたアリゾナカーディナルスを退団して,米陸軍に志願しました.
 第75レンジャー連隊第2大隊の一員としてアフガニスタンに派遣されていたが,
 2004年4月に戦闘により死亡したと報道されました.
 後に彼の死亡理由は敵との交戦ではなく,味方の誤射である事が分かります.
 ジェシカ・リンチ救出作戦と共に,英雄扱いされた事件としてアメリカでは報道されてます.
http://en.wikipedia.org/wiki/Pat_Tillman

 このようにたいていは誤認や誤解からですが,時々,味方とわかっていながら,味方を撃つやつもいます.
 他人には親切にしましょう.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 同士討ちを防ぐには?

 【回答】
 高部正樹は,自己の経験を元に,次のように述べている.

 同士討ち――それは戦場でごく希に発生する.

 一番気をつけなければならないことは,実戦経験の少ない兵の前になるべく出ないようにすることだ.
 こういった兵は,いわゆる目の不自由な方と一緒と思ったほうがいい.ひとたび戦闘が始まると,一瞬の内に周囲の状況が見えなくなってしまう.何か変化が起こっても,その状況に対応することなどできない.ただ恐怖のため,ショット・ガンでも撃っているかのように辺り構わず弾を撒き散らすだけだ.酷いのになると,撃っている方向さえ見ていない.
 恐怖のために正気を失った奴らは,ひたすら自己防衛のみに走ろうとする.
 例えば横のブッシュが動いただけで,それが何か確認もせずに,いきなり弾をぶち込む.それが味方のいる方向だろうと,明らかに味方だろうとお構いなしだ.

 そんな奴の前に出るということは,銃を持った精神異常の凶悪犯の前に無防備で姿を晒すのに等しいだろう.
 だから間違っても,こんな奴の正面に出てはいけない.自分の死ぬ確率が飛躍的に上昇するのは間違いないだろう.
 また,脅かしたり刺激したりしない事も肝心だ.そんあことをしたら,こちらを向いた瞬間に「ズドン」となって,すぐにあの世へ行くことになる.

 どんなベテランでも,その状況如何によっては,同士討ちという事故を起こす可能性はある.
 しかし新人の兵士に注意を払うことにより,この事故はかなりの確率で防ぐことができるだろう.
 どうしても新兵に近付かねばならないときは,自分の存在を味方として強く印象付けることが大切だ.脅かさないように一声かけるのもいい.合図を送るのもいいだろう.

 新兵の位置や動向に,指揮官やベテランは十分に注意する.
 経験豊かな兵を新兵のバディにつけるのは,効果的な方法だ.それだけでも,その新兵の受ける心理的プレッシャーは,かなり楽になるはずだ.心が少しでも落ち着けば,周囲の状況が見えるようになってくる.

 その他,同士討ちの例としては,希なケースではあるが,「怨恨」が原因となることもある.
 対人関係には留意すること.戦場では互いに部隊の兵士がカバーし合わなければ,生還は期し難い.一緒に何度も死線を乗り越えていけば,普通はそれだけでお互いの信頼も深まるものだが,全ての人間がそうなるとは限らない.
 みんなが即,人を殺せる道具と技術を持ち合わせている人間の集団だけに,対人関係は大切にしなければならない.

 味方を敵と誤認して撃ってしまったというケースも耳にする.敵味方識別装置をつけていない歩兵の戦いでは難しいところだろう.
 指揮官はもちろん,部隊の兵士も他の味方部隊の動向や位置を把握しておく必要があるだろう. 

(高部正樹「傭兵の誇り」,小学館,2001/12/20, P.173-177,抜粋要約)


 【質問】
 戦死した兵の死体は,どのように処理して遺族に送られるのでしょうか?
 勿論,そんな余裕無ければ草生す屍なんでしょうが.

 【回答】
 いつどこの国かにもよる.
 たとえば現在の米軍は,可能な限り祖国に遺体を持ち帰る.
 敵の手に渡らないよう,戦闘をしてでも遺体を回収する場合もあるし,圧力をかけるなり交渉するなりして遺体を引き取る場合もある.

 国に送り返す場合は,簡単な防腐処置などをして棺に入れる.

 第二次大戦時は戦地が遠く持ち帰るには時間がかかったので,戦地に仮埋葬した.
 その場合も戦後仮埋葬地を発掘して遺体を国に持ち帰ったり,現地の軍人墓地に正式に埋葬するということを長い間かけて行っている.

 朝鮮戦争の戦死者の遺体も,未だに北朝鮮と返還交渉を行ってるくらい.

 うちのひいじいさんガ帰ってきたときは,白木の箱には砂しか入ってなかったけどな.

軍事板


 【質問】
 映画や記録写真で,戦死者の棺の上に国旗を被せているのをよく見ますが,これを行う基準は何かあるのでしょうか?

 【回答】
 元々,高位の人の棺をその人の存命中保持した権威の表徴類で飾ったのが始まりとされています.
 これが転じて,長らく官職や軍務にあった人間の棺を表徴旗にて飾ることになりました.

 政府や軍が行う葬儀では,国旗を棺衣旗として,棺を蔽います.
 但し,一般的に棺衣旗は棺を墓穴に降ろしたり,海中に放つ前に取り外します.
 遺体を正装安置した葬儀前の棺や,葬送行進中の棺も,棺衣旗で蔽いますが,国によっては,遺体其の物を 旗で包んだり,棺に旗を塗装表示する場合もあります.

 なお米国の場合は,国家的な人物や軍人の棺を蔽った棺衣旗は,最近親者に渡されることになっています.

 また,警察官,クラブ会員の墓には,所属する組織の旗を墓に使う場合もありますし,退役軍人の墓の場合は,国旗を墓の一部に組み込む場合もあります.

 更に,西洋では葬儀の際に使う意匠旗もあり,これは紋章を置いた小型の葬儀旗や,死神の顔を表示した葬儀旗 (ガンフィオン)と言うのもあります.
 霊柩車には小旗が付きますが,濃紺地に白十字,もしくはダヴィデの楯紋を置いた物が多いです.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板


◆◆予算


 【質問】
 複数の国の国防費の高い低いを比較するには,どんな指標が目安になるでしょうか?

 【回答】
 例えば,
(国防費)÷(国境線)で,1km当たりいくら
とか.
(国防費)÷(国民)で,一人当たりいくら
とか.

 ちなみに,
http://www.epa.go.jp/99/d/19990603seikei/menu1.html
で,内外価格差がわかります.
 (比較国の国防費)×(比較国との内外価格差)で出た数字を,日本の国防費と比べれば,高いか安いかわかります.

 「内外価格差」だと,円建てで計算します.
 例えば,M16がアメリカで10万円.対米内外価格差が1@`08とすると,M16は日本で10万8千円となります.
 一方,「購買力平価」だと,ドル立ての金額で直接.例えば,M16がアメリカで1千ドルとすれば,購買力平価が141で,日本では14万1千円になります.

 でも,最近ではGDPの方が主に使われています.

ぽぽい in 軍事板

 【参考画像】
.「全世界のいろいろなデータを可視化して図示すると真実が見える」より

小専用 in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

予算以外による各国軍事力比較の一例


 【質問】
 どこの国の軍もその年に割り当てられた予算で運営されるのだと思いますが,戦争状態のような予算措置があらかじめとられる場合を除いた,災害出動や,警備出動,スクランブル,機材の故障,事故などで費やされる費用については,どうなのでしょうか?
 ある程度,予備費のようなものが予算に含まれているのですか?

 【回答】
 はい.
 というか,当然それらを予想し,発生頻度を考えて年あたりの蓄積を行います.退職金支払準備費みたいな(笑).

 それでもアメリカみたいにイラク戦争に金注ぎ込んで三軍大貧乏状態に突入,なんてこともざらにあります.
 どちらかといえば,戦争状態の方が頻度の推測も費用の推定も困難であり,そこで軍人は高官になるほど戦争を嫌う,という話になるわけです.


 【質問】
「それとは別に、軍需とりわけ正面装備というのは需要弾性値が高いという面があります。
 つまり機械製品ですから,自動車のように(下請け・購買などの)裾野が広いんです。
 更に設備投資の面が全くありませんから、過剰設備の不安がありません。
 つまりランニング・コストで首が絞まることがないわけです。
 この結果、国家の支出としては、土木・箱よりも、軍需の方が経済に好影響を与えます。
 軍備拡充というのは、新規技術の固まりですから、景気浮揚の効果は大きいでしょう。」
とありますが、軍拡で景気回復は可能なのでしょうか?

 【回答】
 不可能ではありません。ケインズ先生の説によれば、単に穴ほって埋め戻すという公共事業でも効果があるそうですから。
 ただ、一般の公共事業にくらべて、乗数効果は低くなります。市場への波及が相対的に弱い。
「土木・箱よりも、軍需の方が経済に好影響を与えます」という説はトンデモにすぎません。
 さらには、現在の日本の不況は、公共事業を増やすことで何とかなるもんじゃない。それで何とかなるものであるのなら、不況に突入してから山ほどやってるんで.

 軍需産業の裾野は民生品に比べて裾野が狭い,というのも周知の事実です。
 開発コストが莫大なわりに、生産数が少ないから生産コストも高い.当然、手作業が多く生産性も悪い。
 オマケに軍事機密の保全の問題もあり,さらに非効率化してしまいます。
 また民生品の様に頻繁なモデルチェンジが出来ない為,同分野の民生と比べると、技術レベルが廃れやすい。
 軍需産業にとっては輸出以外には、経済的にプラス要素はありません。

 また,我が国の国防予算の内の人件費が占める割合を見れば,「ランニング・コストで首が絞まる事が無い」とはとても言えません。

 言うなれば軍備は掛け捨ての保険と一緒で,その国の国力、経済力によって,破綻せず払い続けられる(支出しつづけられる)限界が当然あるのです。

 【格言】
「軍事力を育てて使っても,まったく儲からない.しかし軍事力がなければ,もっと儲からない」(古代ギリシア人の言葉)

松村劭著「新・戦争論」


>現在の日本の不況は,公共事業を増やすことで何とかなるもんじゃない.
については,以下のような異論もある.

 今の日本はバランスシート不況で需要ギャップが発生しています.

 積極財政が行われた小渕内閣と,まだ需要ギャップが収まっていないにも拘らず緊縮財政を行った橋本・小泉内閣.
 このグラフを見ていただければ分かると思います.
http://www.tek.co.jp/p/bitmap/070801_chart.gif

 今の需要ギャップがある日本には,積極財政(公共事業)が必要なのです.
 その事が分かれば,この表記はどうかと思います.
 この部分だけ削除ないし書き直したほうが良いかと.

 ちなみに私はケインジアンではないのであしからず.

需要不足の日本経済を考える
http://www.adpweb.com/eco/eco47.html

需給ギャップと景気回復
http://www.adpweb.com/eco/eco116.html

減税の経済効果
http://www.adpweb.com/eco/eco49.html

橋本総理退陣を考える
http://www.adpweb.com/eco/eco75.html

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