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◆◆◆指揮権
<◆◆階級
<◆軍事組織総記 目次
総記FAQ目次


(朝目新聞より引用)


 【質問】
 指揮官と司令官は同義語ですか?

 【回答】
 「司令官」「司令」は役職につく呼び方.
 国や時代にもよるのだが,組織の結紮点にあって,独立したスタッフを有する司令部の長を司令官だと思っておけば,一般的な意味では大きな間違いではない.

 各組織の制度を元に細かく考えると,いろいろ違いがあるんだけどね.

 日本海軍だと,同じ「司令」が付いても,司令と司令官と司令長官などがいて,後ろのほうがえらい.
 陸上自衛隊には「司令官」と言う役職は中央即応集団にだけある,とかなんとか.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 凄い曖昧な質問で申し訳ないのですが,世界史板の,世界史上最高の軍事的名将という,ちょっとアレなスレッドで,
「一人の人間が指揮できるのは7万人が限界」
といった論が軍事学関連の本に載っていた,とする趣旨の発言がありました.
 ソースについては当人も記憶は曖昧のようでした.
 こういった論を主張した方は実際におられるのでしょうか?
 おられるなら,書名も併せて教えていただけると助かります.

 【回答】
 似たような発言をしたということなら,アンリ・ファヨールという人がいる.
 組織管理論では非常に有名な人で,軍事関係の人では無い.
 直接指揮可能な人数は15人が限界で,効率的なのは10名以下,7名程度と言っている.
 これは軍隊の1個班〜分隊の規模に近いね.
 ただ,この数字はファヨールの個人的経験に基づくだけで,非科学的だという批判がされている.

 世界最初の文明のひとつであるシュメールですら,軍隊はピラミッド型に階層化されたいくつもの部隊からなり,それぞれに指揮官をおくという形で統率している.
 上級部隊の指揮官は指揮下にある部隊の指揮官に対して指令を出し,一々兵士の一人一人に指示するわけではない.
 さらに近代の軍隊なら,一定以上の規模の部隊の指揮官には副官や参謀がついて,その業務を補佐する.
 通信技術の進歩によって,遠く離れた部隊にも短時間で命令を伝達できるようにもなった.
 だからこそマッカーサーやアイゼンハワーは,100万人規模の部隊を指揮できたわけで.

 つうことで7万人云々などというのは何かの勘違いとしか思えない無意味な言及.
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8C%87%E6%8F%AE_(%E8%BB%8D%E4%BA%8B)
にあるように,古代の軍隊においては声の届く範囲が指揮可能な範囲と人数,というのならまだ話はわかるが.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 指揮権とその継承とは?

 【回答】
 「軍隊」は人々の歴史の中で最も古く自然発生した社会組織の一つで,軍事諸制度は各民族固有の風土と永い歴史のなかで改善され,普遍化され,伝統化されて今日に至っています.
 それら制度の中の典型的な一つが,部隊の指揮権とその継承の制度です.
 古代ローマ軍の総指揮権を意味する言葉"imperium"が「皇帝」の語源になったように,軍隊における指揮権は昔から生殺与奪を伴う極めて重要かつ強大な意味を持っています.
 指揮官は各部隊単位毎に必要ですが,二人以上いては「船頭多くして,舟,山に登る」の諺どおりマイナス面が多いことも歴史に照らせば明らかです.
 悪しき実例が,我が国の小田原評定や共産国の政治将校ですね.
 誰が指揮権を振るうべきか,もしその人が指揮不能になったら誰が引き継ぐべきか,ということは重大な問題です.

 1903年,日露の風雲が急を告げると,連合艦隊司令長官は勇猛果敢な日高壮之丞から,閑職にいた東郷平八郎に急遽替えられました.海軍大臣山本権兵衛の対露有事に備えた隠し球でした.
 また,1914年にWW1が勃発すると,英国艦隊司令長官には直ちにジェリコーが大抜擢されました.第一海軍卿(海軍大臣)フィッシャーのポケットには「有事にはジェリコー」が入っていたと言われています.
 いずれも,当初は意外感のある人事でしたが,結果はご存知のとおりです.
 このように,有事の指揮官の人選は単なる人事を超えて戦備の最重要課題であるわけです.

(NH「ヨーソロ」 from おきらく軍事研究会)


 【質問】
 指揮権継承のルールは?

 【回答】
 指揮官の任命は,平時には法令で定められた手続きに則って任免権者が行いますが,出動準備に入ると作戦計画の中で各部隊が有事編成(第2指揮組織)に組み替えられ,改めて各指揮官が指名されます.
 また,戦闘中はいつ誰が戦死しても混乱なく直ちに指揮権が継承できるよう,次のようなルールが出来ています※.
 (1)政府が発行した将校名簿(CommissionedOfficers'List,以下「将校名簿」と記す)に記載されている順(各自衛隊幹部名簿の順)
 (2)記載名簿が異なる場合は,階級の高い順(各国毎,各軍種別に将校名簿は異なる)
 (3)同一階級の中では,現在の階級へ進級した年月日の早い順(進級の早い順)
 (4)上記も同じ場合は,一つ前の階級へ進級した年月日の早い順
 (5)上記も同日付の場合は生年月日順

 この指揮権継承順序は通称「先任順」と呼ばれ,統合軍,連合軍,多国籍軍などの普遍化した現在では,どの国でも概ね同じです.
 特に(2),(3)項は,異なる国の異なる軍種の軍人の間で相互に先任順序を混乱なく認識する上でのコンセンサスになっています.

 なお,このルールは
「任命権者からの特段の指名が無ければ」
という但し書きが付きます.
 事前に特段の指名があれば,後任者が先任者を超えて指揮を執ることもあり得ます.
 でも,幹部(将校)がいるのに海曹長(下士官)に指揮権を譲るようなことは,普通はやりません.
 このような場合は,臨時に相応しい階級を与えてから譲るのが本当のやり方です.
 アメリカ映画「史上最大の作戦」で
「軍曹,お前を中尉に任命する.中隊を率いてあの丘を奪え」
という場面がありましたね.
 このため,米軍には臨時階級temporaryrankという制度があり,本来の階級permanentrankと適宜併用されています.
 米軍には創設以来,permanentrankは★★の少将までしかなく,中将以上の階級は各ポストに応じて与えられるtemporaryrankだそうです.
 ★五つの元帥も戦時用に用意されています.

 残念ながら自衛隊にはこの制度がありません.

 〔略〕

 尋常でない指揮権の付与や継承にまつわる話題には事欠きません.

 典型的な実例は,WW2の欧州連合軍最高司令官アイゼンハウアー元帥(後の米国大統領)ですね.
 彼はWW2の開戦時には大佐に過ぎませんでしたが,多国間の調整能力の高さを買われて見る見るうちに大将に進級し,先任だった英国のモントゴメリー大将(後に元帥)を差し置いて最高司令官に任命されました.
 これは当時の米英の力関係が色濃く出た結果ですが,部下にされたモントゴメリーは終始反抗的でした.
 その影響は他にも及び,ヨーロッパ戦線における各将軍間の軋轢,葛藤は凄まじいものがあったようです.(参照:「将軍達の戦い」早川書房)

 帝国海軍には「兵科機関科一系問題」という積年の頭痛の種がありました.その原因は
「兵科将校が少尉に至るまで戦死してから,機関科の大佐が指揮権を継承する」
よう定めた「軍令承行令」という規則にありました.
 実際にキスカ作戦中の潜水艦で,艦長以下次々に戦死して,少尉が艦長職務を執行した例も起きました.
 単なる指揮権継承順序が職種間の差別意識を招いて,海軍部内に長く深刻な軋轢と弊害を生じた問題でした.
 これは初期の海上自衛隊まで尾を引きました.

 中国の人民解放軍はかつて階級を全廃していた一時期(1965年〜1988年)がありました.
 階級章は全員同じ赤四角の襟章だけになり,指揮員(将校)と戦闘員(下士官兵)の区分は残りましたが,外見上の区別はつかなくなりました. そして1979年,ベトナム軍を懲らしめるつもりの中越戦争で逆にコテンパンに大敗してしまったのです.
 敗戦の主因はベトナム軍の豊富な実戦経験ですが,被害を大きくした理由の一つは,階級が無かったために指揮系統が混迷を極めたことでした.
 この痛い経験から階級を復活することにしましたが,一度廃止した制度の復活は容易ではなく,完全な復活までには十年近い年月を要しました.
 このように,軍人に階級を与え軍服に階級章が明示されている本来の意味は,指揮権を継承する順序の目盛付けです.
 誰が指揮官で,今何処にいて,もし戦死したら次に指揮を引き継ぐ者は誰か,が良く判るようにしているわけです.※2

 しかし,それでもなお実際の現場では種々の問題が残ります.
 例えば,映画「勇者のみ」や「戦場の勇気」のような,撃墜された航空機の機長と搭乗者中の先任者や地上戦闘中の指揮官との上下関係とか,「ケイン号の反乱」のような気狂いじみた艦長から指揮権を奪うことの合法性の問題などたくさんあります.
 長い歴史のある軍隊では,参考になる先例や判例の積み重ねがありますが,歴史の浅い軍隊では,中国の例のように肝心なときに混乱が起こります.
 「一度失われた海軍の再建には百年かかる」と言われていますが,それにはここで述べたようなノウハウの蓄積も含まれています.
 帝国陸海軍77年,自衛隊55年の歴史もこの意味で決して長いとは言えません.

 指揮権に関連する話題性のありそうな話ばかりを取り上げてみました.
 このテーマを更に進めると,指揮統制,部隊編成,命令と独断専行,統率,等々と限りなく長くなるのでここまでにします.
 以上,ヨーソロの管見でした.

 ※ (4),(5)項は,各国の文化的背景により多少の差異があります.

 ※2 階級に伴う処遇,礼遇の目安でもあります.これまた複雑多岐な慣習の塊です.

(NH「ヨーソロ」 from おきらく軍事研究会)


 【質問】
 仮定の話でスイマセン.
 陸軍の1個中隊が戦線から切り離されて包囲され,中隊で最先任の曹長(もしくは准尉)と,もっとも新任の少尉を残して士官が全滅したとします.
 残りの兵を率いるのはどちらが適当でしょうか?

 【回答】
 少尉(階級上位者)と規定されてるし,それを前提に中隊長死亡時から皆が動くので,他にはとりようがない.

 新任少尉がアフォでなければ,曹長のアドバイス通りに中隊を指揮する事になるだろうね.
 けれど曹長は少尉に意見具申する時は,必ず他の兵が居ない時を見計らってするだろうし,兵の前では率先して少尉の下命に従う姿勢を見せるだろう.
 ……周りに兵隊が居なければ,少尉は曹長に泣き付いても可と思うが(笑)
 それこそ親子ほど歳が違う事だって有り得る訳で>先任曹長と新任少尉

 防大卒業したての士官だって,演習ではベテランの下士官に色々聞かなきゃマトモに出来ない.
 だから新任の少尉さんの小隊には,経験豊富な軍曹や曹長が付くのが普通.

 ま,新任少尉を一人前にするのも,曹長の仕事の範囲に入ると思われ(笑)
 「子守」なんて言われるけど,兵隊の前では少尉さんの方が何時でも偉いという前提で動く.
 それが「軍隊の背骨」の役目でも有るしね.
 逆に言えば,そこで曹長が少尉を無視してしまうと,士官に従う兵隊が居なくなっちゃって,規律が駄目になるって事でも有る.
 組織としてはそれでは困るし,そうならない為に下士官てのが居る.

軍事板,2002/12/01
青文字:加筆改修部分

▼> 新任少尉がアフォでなければ,曹長のアドバイス通りに中隊を指揮する事になるだろうね.

 『その少尉がアフォだった場合にはどうなるか?』だって?
 決まっているじゃないか,その少尉は「敵弾によって名誉の戦死」を遂げるんだよ.
 不思議なことに,その敵弾とやらは,敵がいないはずの方向から飛んでくるんだけどな.HAHAHAHAHA!

ゆきかぜまる in 「軍事板常見問題 mixi別館」
2010年11月02日 21:36


 【質問】
「指揮官の任命は,平時には法令で定められた手続きに則って任免権者が行いますが,出動準備に入ると作戦計画の中で各部隊が有事編成(第2指揮組織)に組み替えられ,改めて各指揮官が指名されます.
 また,戦闘中はいつ誰が戦死しても混乱なく直ちに指揮権が継承できるよう,次のようなルールが出来ています」
にある「第2指揮組織」ですが,もうひとつピンと来ません.
 平時編成時の指揮体制が第1指揮組織で,有事編成になると机の奥深くに隠されていた(笑),全然違う第2指揮組織に移行するということでしょうか?

 【回答】
 第2指揮組織(海上自衛隊では「海2部隊区分」)や任務編成に関する話は自衛隊でも1尉(大尉)レベルの教育で初めて正式に教わるので,一般の隊員でもあまり詳しい話を知らないかもしれません.
 しかし,これは別に秘密事項ではありません.
 自衛隊法22条(特別の部隊の編成)の
「内閣総理大臣は・・・自衛隊の出動を命じた場合には,特別の部隊を編成し,又は所要の部隊をその隸属する指揮官以外の指揮官の一部指揮下に置くことができる」
という規定に基づいています.

 帝国陸軍では,平時の最大部隊が師団でした.
 「(番号)軍」「方面軍」「総軍」等の組織は戦時に戦闘序列(OrderofBattle)として編成されたものです.
 帝国海軍の連合艦隊もそうで,元来は戦時編成で作られるものでした.
 先日の潜水艦救難出動でも「カムチャッカ国際緊急援助活動海上派遣部隊」が編成されましたね.
 潜水艦隊所属の潜水艦救難母艦「ちよだ」,掃海隊群所属の掃海母艦「うらが」大湊地方隊の掃海艇「ゆげしま」「うわじま」の計4隻で編成され,派遣部隊指揮官は第2潜水隊群司令の木下憲司1佐,「うらが」を旗艦にしていました.
 これは特殊な例ではなく,イラクやインド洋,ゴラン高原等,全ての出動時にはその度毎に事態に適した部隊を組み合わせて編成します.

 自衛隊の各部隊は「いざ鎌倉」に備えて,普段から様々なケースを想定した計画を立てて準備しています.
 有事が近いとか,災害が発生したような場合,かねて用意の計画を金庫の奧?から引っ張り出して,その時の状況に合わせて至急に作り直して「行動計画」として発令するわけです.
 身近なものに例えれば,学校の運動会のために「放送斑」とか「入場係」等の行事運営組織を作るのと同じです.
 去年行った計画をパソコンから引っ張り出して,それに手を加えて今年の計画に作り直しますよね.
 平時の部隊編成は一種の官庁組織で,いわば○年△組に当たるわけですが,これで実際の作戦や演習をするわけではありません.(訓練は平時の編成のままでも行われます.学級毎に練習するのと同じです.)
 平時編成の部隊はあらかじめ法令で定められ,その指揮官は中央から人事発令されています.
 しかし任務編成の部隊は,編成を命ぜられた上級の指揮官が与えられた兵力の中でその都度やりくりして編成し,その指揮官も任意に指名することができます.
 もちろん平時の組織が消えて無くなるわけではなく,二つの顔を持つわけです.
 これが「第2指揮組織」で,作戦計画(行動計画)のなかに示されています.
 事態に応じた特別の「任務グループ」を組むことは,「タスクフォース」という言葉とともに民間でも使われることが多くなりました.
 任務部隊の指揮官には,派出された平時編成部隊の指揮官が指名されることが普通ですが,他の新たな者が指定される場合もあります.
 米軍の例でいえば,大平洋艦隊に所属する平時編成の第5空母航空団や空母「キティーホーク」が,任務編成の第7艦隊(TaskFleet7,TFLT7)に組み込まれています.
 第7艦隊司令官はそれらを「空母戦闘任務部隊TaskForce70」として編成し,その指揮官(CTF70)に第5空母航空団司令官を指定しています.
 以下,任務群TG70.1,任務隊TU70.1.3,任務分隊TE70.1.3.2という具合に部隊組織のピラミッド構造(番号は仮の例)が作られます.

 現代の軍隊は平時,有事の境目があいまいになっているので,平時編成と任務編成が混在することが多くなる傾向にあります.
 特に統合軍組織は,陸海空3軍から派出された様々な機能の部隊で構成されるので,任務部隊の形になります.“JointTaskForce”と呼ばれています.
 自衛隊で近く編成されるであろう弾道ミサイル防衛部隊もこれに該当するでしょう.

(HN「ヨーソロ」 from おきらく軍事研究会)


 【質問】
 異なった軍隊間での階級関係について質問です.

 異なった軍同士士官同士にも上下関係はあるのでしょうか? 共同作戦と取る際の指揮件の優先権はどうなっているのでしょうか?
 例えば,小国の大佐や将軍より,アメリカ軍の少佐の方が有する戦力や,指揮能力も上回っている場合があったりすると思うんですが.

 【回答】
 まず,異なった軍事組織の間では,階級の差による儀礼的な上下関係はありますが,実際的な意味での上下関係はなく,当然,上級者による下級者への指揮権もありません.
 戦域における統合軍や国際的な共同の軍事行動を行う場合の連合軍における指揮権は,それぞれの国や軍における本来の上級者から参加部隊の指揮官に対する命令(「○○国の××将軍の指揮に従え」)という形で与えられます.
 このような場合の指揮官は,通常は本国政府間の協議で決定されます(もちろん,まれに例外はありますが...)

 その場合,連合部隊の指揮官は,一番大きな部隊を派遣している国から出すのが慣例です.
 一番規模の大きな部隊の指揮官は,一般的に言って階級も一番上です.
 だから大佐が少佐の指揮下に入るようなことはまずありません.

 米国民や米国議会には,自国の青年の命を他国の指揮官の手に委ねることに大し,従来から非常に強い反発がありますので,米国が主要な参加国の一つである場合には,必ずと言って良いほど米国軍人を指揮官にするよう要求しますし,そのために必要なら,自国の参加部隊の指揮官を野戦任官で一気に最上級者にすることもためらいません.

 したがって,ご指摘のような問題が生じることは,実際にはまずありません.


 【質問】
 攻撃部隊が攻撃命令を受けたターゲットに到達した際,敵への情報漏れなどで,敵防衛隊が万全の体勢で待ち構えており,こちらも相当の損害を覚悟しなければならない場合,それでも引き返すことはできず,攻撃は強行しなければならないのですか?

 【回答】
 場合によるとしか.

 現場の判断で,必要があれば攻撃を中止できる場合もある.
 結果的に判断が妥当だとされれば,追認されることも.

 関連して,こんなエピソードがあるとか.
 プロシアのフレデリック・ウィリアム皇太子と一人の少佐の話.

皇帝「なぜ,お前は作戦に失敗したか?」
少佐「私は皇太子からの直命の通り作戦しました.間違ってはいません!」
皇帝「階級はなんのためにあたえてあるのか? 命令違反するときを判断できる者に与えられているのだ.
 規則どおり,命令どおりするだけなら.貴様は将校ではなく,兵士でよい」

 これ以来,軍隊の階級の意義は,この考え方が世界の常識となっている.

 松村劭著『戦術と指揮』(PHP文庫,2006.3)より.

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