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<総記FAQ目次
(画像掲示板より引用)
『機甲戦の理論と歴史』(葛原和三著,芙蓉書房出版,2009)
http://okigunnji.com/url/183/
今必要な新しい陸戦理論を編み出すために必要な要素,エッセンスは何か?という問題意識から,機甲戦理論の歴史とその発展についてまとめたのがこの本です.
ちなみに監修者の戦略研究学会常任理事・川村康之さんは
<機甲戦理論は,現代では陸上戦理論と同義語ともいうことができ・・・>
とかかれています.
著者には,21世紀の用兵の核となる「統合軍」の中核として即応しうる「機動展開グループ」のための新たな理論形成に資する目的もあると推察します.
本著は,芙蓉書房出版さんが継続して刊行されている「ストラテジー選書」のひとつです.
「ストラテジー選書」は<一般の読者が電車の中でも気軽に読めるような文献>というコンセプトで作られているシリーズです.
本著に限らずこのシリーズ(ストラテジー選書)全体についていえることですが,用語や人物解説,歴史的なイベントの解説欄が本文の上段にあります.
本を作る側にとって大変な手間だと思うのですが,軍事用語辞典,事典を兼ねているわけで,初心者には大変ありがたい構成です.
非常に意味ある取組みと感じます.
わが国には現在,ろくな軍事辞書・事典が存在しません.
信頼に値する権威ある辞書も事典もないから,用語ひとつとっても調べるすべがないんですよね.
このシリーズをほぼ全部持っていますが,この項目解説については手書きでノートに写し,事典や辞書として日々活用しています.
権威ある学会・出版社の手になる軍事辞書・事典の出版をあらためて願います.
「理論形成に資する素材の提供」という内容の本ですから,理論はかかれていません.
過去の理論がどういう経緯を経て形成されてきたのか?がテーマで,機甲戦の歴史から養分を吸収できる有機的な機甲啓蒙書となっています.
軍人である著者の戦史評価・批判がついていることが極めて大きいですね.
だから信頼でき,時間をかけることなく陸戦理論のエッセンスを吸収できます.
「各国軍のドクトリン(教義)」が紹介されている点も重要と考えます.
ドクトリンは戦史から有機的につむぎ出された教訓を通じて,生気を発するものです.
著者は本著で機甲戦理論の構築には至りませんでしたが,それに資する貴重な資料を提供してくれたと考えます.
出来れば次回作で,現代日本の機甲理論を打ち出していただきたいですが,宿題は,次代のわが軍人さんと研究者に委ねられたといえましょう.
別の面から見れば本著は,「軍の近代化」を解説した本ともいえます.
現在が,歴史的な世界的な軍近代化の真只中にあることを改めて感じさせてくれる本です.
文章も読みやすいです.
絵や写真もたくさん載ってますし,圧迫感を感じません.
総ページ数は178ページです.
あらすじはこういう感じです.
第1章では古代の戦史から機甲戦にいたる戦史を紐解く中で,その根底に流れている「機動戦の思想」をくみ上げ,「優勝劣敗の定理」からみて「勝者の何が敵に優越したか?」を解説しています.
古代ギリシャから現在にいたるまでの機甲戦史を概観し,軍事専門家としての評価と批判を行っています.
読み進める中で感じた利点は,戦史で読むべきポイントを抽出してまとめてくれていることです.
把握するべきポイントを絞りぬき,その本質,理由が丁寧に記されています.
非常に分かりやすいです.
「機動戦序説」では,「用兵思想」「ドクトリン」「機動」「機動戦の戦い方」等に関する詳細な解説がなされています.
これまでいろいろの書を見てきましたが,ここまで陸戦用語を本格的に分かりやすく解説したものはないと思います.
個人的には,この部分を読むだけで求める価値があると考えます.
陸戦の本質は機動である――ということが良く分かりますね.
第2章からは,第二次大戦で機甲理論の対決を行なったドイツとソ連をはじめとする,近現代の各国機甲戦史がはじまります.
ちなみに,第二次大戦で機動戦を復活させ,勝敗を決したのは独自の機甲戦理論をもったドイツとソ連でした.
各国がどういう経緯を経てどういう戦訓を抽出し,それを次の時代にどう活かしたか?についてコンパクトではあるが要領よくまとめられています.
個人的に興味深かったのはソ連赤軍の「縦深戦略理論」形成の過程です.
1918年に諸国の包囲下で誕生した赤軍が,内戦を通じて学んだのが「内線作戦における機動の価値」でした.
これが縦深戦略理論にまとまってゆく過程は非常に興味深いです.
「5 ドイツ軍と赤軍の機甲戦理論の相違」では,「力学的な原理による相違」「作戦における指揮の相違」「機動の方式による相違」という3つの側面から両軍の理論を評価・批判しています.
イギリスとフランスも取り上げられています.
イギリスでは「戦車が機動の主役.歩兵は補助者」という考えです.
フランスの項では普仏戦争敗北後,攻勢主義をプロイセンから学んだフランス軍が攻勢を絶対化してゆくなかで,
<戦術が精神主義に向かって以来,軍人の思考は,抽象のまた上の抽象へと向かいだした.
実戦から遊離した教義が,非現実的なドクトリンへと変貌し始めた>(P80)
と,精神主義の度合がますますひどくなっていったことが記されています.
しかし第一次大戦で過度の攻勢主義により未曾有の出血を強いられた仏軍は,その後一転して火力の信奉者となります.
フランスでは,歩兵が機動の主役.戦車はその補助という考えです.
帝国陸軍はフランスから戦車を輸入しており,運用思想はフランスのそれが自然に入ってきたと考えるべきと著者は指摘します.
機甲戦史でおなじみの軍人・イギリスのフラーとリデルハート,フランスのド・ゴールがいずれも,自国の国防政策に焦燥の念を持っていたというのも,なんとも奇妙な一致です.
ドイツ軍近代化の本質が「新たな機甲戦理論」にあることを彼らが見抜いていたためでしょうか.
本著でも取り上げられていますが,ド・ゴールは著書『職業軍の建設を』(1933)のなかで,数年後のドイツ軍の電撃作戦を絵に書いたように予言しています.
近代化にのり遅れていた米軍は第一次大戦に参戦し,貴重な教訓を得ます.
それをきっかけに騎兵部隊から機械化部隊への近代化に着手しますが,その後20年ほど経った1938年時点でも馬は残ってたそうです.
どの国の軍でも,新しい動きの歯車が動き出すには長時間かかるという教訓ですね.
第3章はわが陸軍の機甲史です.
わが国でも米同様第一次大戦の分析結果を通じ,大正八年に騎兵廃止論がでました.
しかしこの論議は,騎兵局長の抗議の割腹で幕を下ろしてしまいます.
しかしその後も調査研究は続き,宇垣軍縮によってはじめて帝国陸軍は近代化をスタートさせたと著者は言います.
軍からひどく憎まれた宇垣軍縮の目的が,第一次大戦で明らかになった軍事近代化にわが軍が対応するためのものであったことが理解できます.
著者はこれに関連して,教義の硬直化,教条化についてこう述べています.
<本来保守的である軍人の教範に対する批判を将来にわたり戒めたことは,じ後の改善の芽を摘み,制定した条文を無誤謬化することになった.
このようにして既成の条文に依拠し,戦闘者としての現実感を失っていったといえる.
これは第一次大戦における機械化や機動力についての現実認識が希薄であったことに要因があったものと考えられる.>
帝国陸軍が主敵として認識していた赤軍近代化の実態をうまく認識できなかった理由としては,次の3点を挙げています.
・軍指導者が日露戦争と第一次大戦を通じた帝政ロシア軍の印象を拭えなかった
・赤軍をロシア軍と同一視し「民族的特性は不変」と評価していた
・革命後の赤軍は粛正により,将校の質が大幅に低下していたことが実態把握を困難にしていた
帝国陸軍では機械化への動きが続きますが,けっきょく各兵科の装備奪い合いという結果に終わり,装甲兵団創設にはつながりませんでした.
その後,満州事変をきっかけに陸軍は軍備近代化に本格的にかかります.
それなのに,シナ事変を契機に機械化は遅延してしまいます.
陸軍がシナとの戦を「長期消耗戦になるのは必至」と当初から反対していたのはこのためなんですね.
そして起こったのがノモンハン事変です.
国家指導部の誤りにより,シナでの戦争に足をとられてしまった陸軍は,シナ本土でシナ軍を相手にするレベルの装備でよしとし,もはや改革への切迫感を失っていました.
そのあとは,昭和15年に行なわれた騎兵トップ吉田中将の意見具申と昭和16年の機甲本部設立,戦車連隊編成など読み応えある歴史が続きます.
著者は帝国陸軍の機械化が遅れた要因として
・敵はシナ軍,大陸の地形は自動車化に適さないなどという,あまりにも現状を基準とした認識にこだわり,将来生起する蓋然性に対応できなかった
・戦車は誰のもので誰が使うかという組織上の主体性がないため,運用者が自らの軍事思想に基いた運用理論を持たなかった
としています.
第4章は現代の機甲戦について記された章です.
ソ連赤軍(ロシアも引き継いでいると見られる),米陸軍,西ドイツ陸軍,イスラエル陸軍,わが陸自のそれが紹介されています.
著者は現代の戦争を,情報が決定的役割を果たす「情報戦」と捉えます.
平時有事問わない「情報の確度の優越」をめぐる戦いが続いているということです.
ここでキモとなるのが「情報通信能力」で,機動戦では,あらゆる部隊レベルで情報通信能力の進化が求められている,と著者は主張します.
イスラエルの中東機甲戦史,湾岸戦争,イラク戦争の機甲戦史も面白いですが,ここでつかんで欲しいのは「トランスフォーメーション」という言葉で知られる「軍再編」の本質が,本著全体を通じて流れる「軍事の近代化への対応」そのものという点です.
いまのそれは内燃機関ではなくIT技術でしょう.
当然,国家としての情報保全への取組も重要となります.
本章で取り上げられているのは最近の歴史なので,現在が軍事の世界にとって歴史的転換点の真っ只中だということが,頭に入りやすいと思います.
[中略]
最初に書いたとおり,本著は機甲戦理論構築に資する素材を有機的に提供するものです.
その意味で,軍人さんや専門研究者にとって最も有益な資料といえましょう.
しかし,陸戦のなんたるか,軍事近代化のなんたるかを本著を通じて知っておくことは,それだけでも,わが軍事力整備にあたって必要なことばをつむぎだす根源になること,国防を考える際の視野の広さを保つことにつながります.
いってみれば一生ものの廃れることのないインテリジェンスです.
あわせて重要なのは,戦史・軍事史理解は真の歴史理解につながるということです.
普通の国では戦史や軍事史こそが歴史です.
本著の帝国陸軍に関連するところだけ拾い読みしても,大東亜戦争前後の真実と,戦後日本の歪んだ歴史観の相違点をお感じになることでしょう.
機甲戦理論が発展してきた道すじを,有機的に分かりやすく解説した本著.
ぜひお求めください.
オススメです.
時代に伴う任務の多様化と,軍事力構成・軍事戦略との間に基本的に関係はないと感じます.
古来から続く伝統的な武装と用兵理論は今後も永遠に進化を続け,なくなることはないでしょう.
------------発行:おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子)
http://archive.mag2.com/0000049253/index.html
2018.9.17
『現代戦術への道 歴史群像アーカイブ』
結構面白かったな.
塹壕戦からエアランドバトルまで成り立ちを簡潔に説明していて,俺みたいな初学者には興味深かった.
薄いから個々の事例はあまり深く掘り下げてないけど.巻末に各国の師団編制表が付いているのも有難い.
――――――軍事板
『小戦例集』
本の中で,歩兵・騎兵と言った感じで,兵科ごとの分類がされてる.
で,各戦例のタイトルが,それがどういう戦例なのか(あるいはどういう戦例だと言いたいのか)を表していてわかりやすい.
例えば「防御において陣地外に一部を出し,敵を側射せしめ,これを撃退したる戦例」とか.
で,本文は戦況図と状況→戦況→教訓という流れ.
――――――軍事板,2011/07/23(土)
『新・戦争学』(松村劭著,文春新書,2000/08)
良書だとは思うが,最後の湾岸戦争批判はどうか.
多国籍軍である以上,戦争目的はクウェートの奪還であり,フセイン失脚ではなかったはず.
むしろあのまま突き進んでバグダットを落としたりしたら,それこそ当初の目的を見失った行動になると思うが……
------------軍事板,2002/06/16
『戦術と指揮』(松村劭著,PHP文庫,2006.3)
「クイズ形式の簡易野外令」
もう少し詳しく書くと,戦術の基本原則をベースに,
基本解説→クイズ→なぜその解答になるのかを詳しく説明.
この流れで,ただ読者に読ませるだけでなく,考える余地を与えてくれています.
なお,クイズといっても戦術想定や,状況判断的なものを,クイズ形式で出題してるだけです.
――――――Lans ◆xHvvunznRc :軍事板,2011/07/22(金)
『第三次世界大戦 崩壊への道』(ケネス・マクセイ著,朝日ソノラマ文庫,1989.9)
ぶくおふで入手.
著者はサンケイ赤本『ドイツ装甲師団』で有名な元英軍将校.
本書は第三次大戦の緒戦における,ソ連第1親衛戦車師団の攻撃と,カナダ第4機械化旅団戦闘群の防御を描きます.
このテーマでは「チームヤンキー」と「ハケット准将のWW3」が有名ですが,ヤンキーが諸兵科連合の中隊戦闘で,ハケット准将が軍団規模の欧州全域であるのに対し,本書は,ちょうど図演にぴったりな戦術規模というのがなんともそそられます.
(規模的に簡単スレッドでやってたのとほぼ同規模(笑))
ただ,ソ連の編制に独立戦車大隊が抜けてたりしてるのが残念(笑)
(親衛戦車師団で独立戦車大隊がいない訳がないです(笑))
こんな良いWW3物があったとは(笑)
今まで読んでなかったのが残念(笑)
――――――Lans ◆xHvvunznRc in 軍事板,2009/11/08(日)
『白紙戦術集』(偕行社,1935)
敵戦力と敵の目的,我戦力と我の目的,そして地図と全般状況が書いてあります.
それを元に,敵の行動予想や,我のとるべき行動を解答していくものです.
一応,模範解答もついています.
最初は条件だけ決めてあって,地図も配備も白紙状態.
ここから戦術を展開してくので,白紙戦術・・・だったと思うです.
――――――Lans ◆xHvvunznRc :軍事板,2011/07/23(土)
地図と条件(気候,敵味方の部隊情報,状況や上からの命令など)があって,そこに問題(例えば「以上のような状況で,任務を達成すべくどのように行動するか」とか)が出されるから,地図に色々書きこんで答えを導くっていう話.
大抵の問題は,与えられた条件が地図に書いてある.
――――――軍事板,2011/07/23(土)
『陸自教範『野外令』が教える戦場の方程式 戦いには守るべき基本と原則がある』(木元寛明著,光人社NF文庫,2011.9)
本年最後なので,読み終えなかったけど,途中までの感想:
戦術は基本的なものにこそ価値がある,という原則に沿って肉付け去れている著書.
原則を再確認するには,ちょうど良い感じで,つらつらと読んでいたのだが,著者はドラッカーを意識しすぎなのか何なのか,というか,ドラッカーに触発されてこの本を執筆したような….
そんな印象を受けるものである.
あと,警戒の原則の中で奇襲について語られて,孫子の「敵を知り,己を知らば…」が引用されていたけど,ここでは「備えあれば憂いなし」のほうがしっくりくるんじゃね?
それと,広島・長崎への原爆投下が,奇襲という位置付けであったことは知らなかった.
奇襲って,戦場におけるもののみならず,民間への攻撃をも含まれるということなのか.
テロは奇襲の一要素って訳なのか….
蛇足だが,簡明の原則のなかで,日本刀こそが余計なものを一切そぎ落とした,洗練された機能云々と書いてあったけど,実は美術品としては対極にあって,複雑な審美眼が必要なものであり,駄刀から国宝まで,幅広い創意工夫があるのです.
------------軍事板,2011/12/31(土)
【質問】
突破発起線などの戦術用語がまったく理解できなかったのですが,初心者でもわかる,戦術についての解説書などはありますでしょうか?
【回答】
その質問に対しては,
・歴史群像アーカイブス2
・コンバットバイブル
・『戦術と指揮』
を薦めるというのが,殆ど書評スレッドのローカルルールと化している.
アーカイブスは3の『現代戦術への道』だと,戦術の変遷をテーマにしているため,戦術の基本を押さえてないとピンとこないと思われる.
2はWW2の主要国の戦術の基本を解説している.
ちなみにフォン・クラウゼヴィッツは,どの版も訳が怪しいところがあるので,用語も不確かな初心者向けではない.
あれは戦術について一通り理解した後,西洋史の知識もちゃんと踏まえたうえで,戦術・戦略研究の歴史をたどるのに読むような本.
軍事板,2012/04/03(火)
青文字:加筆改修部分
【質問】
ちょっと戦術書籍おすすめ教えてくれ.
コンバットバイブル1,2,3
歴群アーカイブ2,3
戦術と指揮(松村氏)
戦争学(同上)
新・戦争学(同上)
名将たちの決定的戦術(同上)
名将たちの伝説的戦術(同上)
戦争論(クラウゼヴィッツ)
補給戦(クレフェルト)
は読んだ.
【回答】
そこまで行ったんなら,
・機甲戦の理論と歴史
・コンバットスキル1〜3
・米陸軍戦闘マニュアル 1〜2
・ソ連地上軍
・パンツァータクティク
・北朝鮮特殊部隊
・イスラエル地上軍 機甲部隊戦闘史
・陸戦史集 (原書房)
洋書なら
・各種FMの原著
・「Soviet Military Operational Art: In Pursuit
of Deep Battle」 David M.Glanz
・「Toweard Combined Arms Warfar」 Jonathan
M. House
ちなみに
「Toweard Combined Arms Warfar」 Jonathan
M. House
は,以前より安いペーパーバックが発売された模様.
↓
http://www.amazon.co.jp/Toward-Combined-Arms-Warfare-20th-Century/dp/1234303620/
なんか,おしゃれな表紙になったなぁ.
戦術書を読んだ後に,戦術級SLGでいろいろ試すと,さらに意味が実感できたりします.
個人的にはPanzerBlitz/PanzrerLeader/ArabIsraelWarシリーズがお勧め.
WW1のマーク1から,現代戦の湾岸/SBCTバリアントまで出てるし.
Lans ◆xHvvunznRc :軍事板,2012/04/05(木)
青文字:加筆改修部分
▼現代戦術ドクトリン:Combat Leader's Field
Guide(US Army)
現在は第12版で分隊レベルの低強度紛争がメイン.
原書房からは第10版が訳されており,こちらは80年代のエアランドバトルで,中隊,大隊レベル.
第一次世界大戦の小部隊戦術:Infantry Attack(Erwin
Rommel)
Infantrie Graift Anの英語版.
必読でしょう.
第一次世界大戦の戦術の系譜:Achtung! Panzer(Guderian)
英語版がペーパーバック&ハードカバーで出ています.
ドイツ機甲戦のプレゼン本ですので,一読の価値あり.
第1次大戦の戦術の実際:戦闘の実相(志岐守治)
古い本ですが,1914年8月のギーズ会戦を詳述.
戦術の基礎:戦争論(Crauzewitz)
戦略論として読まれているが,精読すれば戦術の基礎として過不足ない内容.
戦車戦闘の実際:奮戦,第6戦車師団(Horst
Scheibert)
大日本絵画から翻訳.
当時の交信記録や戦闘日誌をもとにスターリングラード解囲作戦を詳述.
軍事板,2001/10/06
青文字:加筆改修部分
▲
【質問】
戦術関係なら,東西の有名な戦いを参照していくのが一番な気がするのですが.
【回答】
戦術にも,いろいろな理論があるわけでして,それを覚えてから戦史を読むのと,理論を知らないまま読むのとでは,得られる情報に差が出てくると思うのです.
Lans ◆xHvvunznRc :軍事板,2012/04/05(木)
青文字:加筆改修部分
音楽や絵画も,理論を知って鑑賞するのと,知らずに鑑賞するのじゃ,面白さが全然違うしね.
(実は文学とかも,そうなんだろうなあ)
また,見えるものが違ってくるという以前に,素人の帰納的思考は独善的あるいは荒唐無稽なものになりやすい.
一番分かりやすい例が,政治に興味を持った中高生や大学生がのたまう,「ぼくのかんがえるりそうのくに」.
そういうのに歯止めを掛けるのが,理論や先達の言葉だと思う.
戦史は確かに面白いけど,政治状況等の戦場に至る前の段階も,装備も,風向きや地形も,司令官のカリスマ性や能力も,兵士の士気や練度合も,何もかも違う.
たとえ玄人であろうと,一般化できるのか甚だ疑問.
しかし戦術は,社会科学的性質が強いから,過去の実例から帰納しないと,理論を構築できないというのも,認めざるを得ない.
それに,観念的な戦術理論の方が,荒唐無稽になるであろうということで,軍事は科学ではなく技術である,理論というよりは手本であるという所に落ち着く.
軍事板,2012/04/05(木)
青文字:加筆改修部分
でも,まあ,最初はひたすら戦史を読み込むのも手ではあります.
これがあると,理論の理解が早まるので・・・
あくまでも,
「自分はこの後に理論を勉強するんだ,その為に今は戦史を読むんだ」
という意識を持って読み込み,間違っても戦史から自分で理論を導き出そうとか思わなければ,その後にとっては非常に有益だと思います.
その上で理論を読み,そして自分の解釈に進むのであるならばという事で…
Lans ◆xHvvunznRc :軍事板,2012/04/05(木)
青文字:加筆改修部分
【質問】
現代戦の戦術理論の本を探してます.
師団から小隊までの各レベルに応じて作戦手順(ドクトリン)を書いてあって,本職も使ってるような具体的な本ってないすかね?
「具体的に」ってのは,「この本があれば指揮できるぞ」みたいな.
あと,陸自の野外令ってのはどの程度詳しいんでしょうか?
この場合,作戦要務令と比べてより詳しいかどうかですが.
特に,地形の戦術的な意味の解説がしてある本が出てると嬉しいです.
いっぱい言いましたが,どれか一つでも知ってるよ,って方いらしゃったらお教え願います.
ヨロシクネ^^
ちなみに当方,
戦術と指揮』(松村著:文芸ネスコ),
戦争学(松村著),
新戦争学(松村著),
戦術学要項(たまいらぼ出版)
作戦要務令
電撃戦 (レン・デイトン著)
ドイツ機甲師団2(学研)
等は持ってます.
【回答】
戦術入門 陸戦学会
をお勧めするデスが,部内限りなので中々手に入らないデスね・・・
地形とか戦術行動とかを分かり易く解説した良書だと思うデス.
野外令は,戦術と指揮をもうちょっと突っ込んだような感じデスね.
中東戦争関係の本で良いのが何冊かあるデス.
図解 中東戦争 (原書房)
砂漠の戦車戦 上下 (原書房)
第4次中東戦争シナイ正面の戦い (原書房)
自衛隊幹部候補生学校の教官執筆?
第4次中東戦争ゴラン正面の戦い (原書房) 自衛隊幹部候補生学校の教官執筆?
上の2冊は,知人から借りて読んだデス.
なかなか興味深かったデスね.
81式:軍事板,2001/04/26(木)
青文字:加筆改修部分
【質問】
古典から現代までの戦術論や戦術学部分に特化した著作で,お勧めがあれば教えてください.
【回答】
特化と言うより入門編だけど,松村劭氏の一連の本
『戦争学 (文春新書)』
『名将たちの決定的戦術 (PHP文庫)』
『名将たちの伝説的戦術 (PHP文庫)』
辺りでは駄目かな?
あくまでも,現代戦を理解する為の基礎や教養として書かれているので,歴史としてのエピソードが省かれていたり,後世の呼び方を昔に遡って使ったり等,それぞれの時代に興味が有る人間から見たら,残念と言うか違和感が・・・
『名将に学ぶ 世界の戦術 (図解雑学)』
会戦や作戦レベルでの戦闘(戦術)を,簡単だが分かり安い地図を付けて解説している本.
難点は時代別では無く,戦闘の種類(攻撃,防御とか)で分類されているので通史としては使い辛い事.
通史の本,『戦争学 (文春新書)』等と合わせるのがオススメ.
【反論】
松村劭の本は,言われているほどちゃんと書かれてはいないと思うぜ.
戦術と指揮は名著だけど,他のは陸自に受け継がれてきた知恵を,拙い言葉で開陳しているような印象だ.
軍事板,2012/05/15(火)
青文字:加筆改修部分
【質問】
陣形とか三兵戦術等の分野に進みたかったので,よかったら良書のおススメをば.
【回答】
入門なら下記あたりはどうか?
「戦略・戦術・兵器 事典Bヨーロッパ近代編 Dヨーロッパ城郭編」学研
「覇者の戦術」新紀元社
歴史群像48「ナポレオ 戦争編」学研
「ナポレオン戦争全史」松村劭(原書房)
「ナポレオン戦線従軍記」フランソワ・ヴィゴ=ルシヨン中公文庫
※なんと従軍士官の手記
「戦闘技術の歴史」@古代編A中世編B近世編」創元社
(Cナポレオン時代D東洋編 が続刊予定)
Lans ◆xHvvunznRc : 軍事板,2011/10/18(火)
青文字:加筆改修部分
【質問】
陸戦関係の作戦本を教えてください.
【回答】
FM100-5 Operation(US Army)
その名も「作戦」.
米軍のフィールドマニュアルです.
続陸軍大学(上村快男)
陸軍大学の講義の様子を採録したもの.
戦術問答満載.
Zhukov's Greatest Defeat(David M.Grantz)
1942年冬の東部戦線,中央軍集団に対する赤軍の反攻作戦を詳述.
戦史本ですが,その記述は作戦の実際を学ぶのに最適.
総じてGrantz本は全て必読かと.
ほかに「バルバロッサ」,「ドン河〜ドニエプル河の戦闘」や,「中央軍集団の崩壊」を扱った書籍なども出ています.
どれも詳細な戦況地図多し.
Tank Combat in North Africa:Thomas L.Jentz
まだ1巻しか出ていませんが,北アフリカの戦車戦を詳述.
同じ著者のPanzer Truppenと合わせて読むとグッドかもです.
第12SS戦車師団ヒトラーユーゲント:Fubert
Meyer
大日本絵画から和訳あり(上下巻).
ノルマンディーとアルデンヌの戦いにおけるHJ師団の戦闘を詳述.
日本語で読める資料としては抜群.
軍事板,2001/10/06
青文字:加筆改修部分
【質問】
パンツァータクティクは過去の話だから,今のヤツが読んでみたい.
そういうのあるのか,知ってる人はいますか?
【回答】
ちょいと古くなるが,エアランドバトル(米国陸軍野外令FM100-5)
1982年版だったかが,旧戦車マガジンにて2年くらいに渡り分割連載.
抄訳版みたいな単行本もあった気がするが,そちらわ手元不如意.
エアランドバトルの次のコンセプトとされ,今現在構築中のNetwork-Centric
Warfareとなってくると,
自衛隊なら「野外令pdf」でぐぐれば,今でもどっかに上がってる筈(笑
<´♯`>ノシ ◆MANSEY5L0w :軍事板,2012/01/05(木)
青文字:加筆改修部分
戦闘教義の本では無いけど,「奮戦!第6戦車師団」も,戦車師団の行動を知る上では良い本ですよ.
戦闘日誌,通信記録,著者の体験,豊富な地図で,一つの作戦を通しての行動を追っています.
戦車に興味が有っても,運用に余り興味が無い人が読むと睡魔が襲って来る,リトマス試験紙の様な本ですが(笑
軍事板,2012/01/05(木)
青文字:加筆改修部分
【質問】
『実践!!地上戦ウォーゲーム』の購入を考えているのですが,この本のレビューをネット上で探しても見当たりません.
この本を購入している方で,内容,感想そして本購入に当り,必要であると思われる知識について教えてもらいたいのですが……
【回答】
それ,前にトルエンどんが買ってたけど…
基本システムだけでなので,自分でデータやMAPを用意しなければいけないらしい.
さらにCOM側の思考ルーチンなどもないので,ボードSLGなみのソロプレイになる.
戦闘結果だけは詳細に計算してくれるみたいですが…
そもそものデータを持っていなければ,設定さえも厳しいというものらしいです.
あくまでも「ツール」と思った方が良さげ.
……とか言ってたような気がする.
Lans ◆xHvvunznRc in 軍事板,2009/10/24(土)
青文字:加筆改修部分
Lans丼の言うとおりのものです.
兵器のデータは全く無いので,自分で設定しないとダメです.
地図も電子地図を使ってリアルにできますが,高低差を自分で設定しなくてはなりません.
かなり面倒です.
どちらかというと作戦図や説明図を描くのに向いているかと思います.
なんせ CAD ソフトなのですから.
トルエン大尉 ◆ctx/JueKSU in 軍事板,2009/10/24(土)
青文字:加筆改修部分
【質問】
バンドオブブラザーズ,タイガーフォース(人間と戦争の記憶),ファルージャ栄光泣き死闘とアンディマクナブの著書読んだんだけど,何かオススメないですかね?
ノンフィクションがいいです.
【回答】
●ブラックホークダウンの原作者マーク・ボウデン関連
「強襲部隊」(文庫版はブラックホーク・ダウン上 下)
映画の原作本.当然ながら映画で描写されなかったシーンがいっぱい読める.
「パブロを殺せ」
コロンビアの麻薬王の話.
「ホメイニ師の賓客 上 下」
イラン米大使館人質事件の本.
●ボブ・ウッドワード関連
基本的にホワイトハウス内部の話.
大統領やその関係者のインタビューをもとに書かれてる.
「司令官たち」
パナマと湾岸戦争時.
「ブッシュの戦争」
911テロからアフガンまで.
「攻撃計画」
イラク攻撃計画から実際の侵攻まで.
「ブッシュのホワイトハウス 上下」
ブッシュジュニアが大統領を目指すところからファルージャ戦まで.
●「現代の傭兵たち」ロバート・ヤング・ペルトン
アフガンやイラクに行ってPMC社員と生活したり,インタビューしたり.
PMC社員とかの生の声が読める.
軍事板,2009/08/02(日)
青文字:加筆改修部分
【質問】
現代の戦争,紛争を兵士等の視点から書いたノンフィクションのおすすめ有りませんか?
無ければベトナム,朝鮮のものでも構いません
規模がどうとかそういうのは関係なく,自身が,面白い,おすすめできる,これは読んどけと思うものをお願いします.
【回答】
ここで何度も取り上げられている超鉄板;
「ブラヴォー・ツー・ゼロ」
「SAS戦闘員」
「ブラックホーク・ダウン(旧題:強襲部隊)」
「ファルージャ 栄光無き死闘」
「グリンベレーD446」
上の3つは,文庫版古本が100円でよく売ってる.
「ファルージャ」は,グロ耐性ないなら写真ページ開かない方がいい.
軍事板,2012/05/10(木)
青文字:加筆改修部分
先に鉄板をあげらてしまいましたが,そう簡単には負けないぞ!<何にだ?(笑
まず朝鮮戦争から:
「朝鮮戦争1〜3」児島襄(文春文庫):通史+個々のエピソードで補完
「勝利なき戦い 朝鮮戦争(上下)」ジョン・トーランド(光人社):個々のエピソードを集成するトーランドお得意のタイプ
→トーランドは「バルジ大作戦」の著者
「対ゲリラ戦」白善Y(原書房):指揮官の立場が強いが兵士からの叩き上げで陣頭指揮タイプの人なので戦場描写も多い
「若き将軍の朝鮮戦争」白善Y(草思社):同上
「韓国戦争一千日」白善Y(ジャパンミリタリーレビュー):同上
次,ベトナム戦争:
「プラトーン・リーダー」ジェームズ・マクダナー(大日本絵画):ベトナム戦争に小隊長として参戦したときの手記
「ワンス・アンド・フォーエバー」ハロルドGムーア(角川文庫):映画原作だが,実はガチのノンフェクション,ヘリボーンの初戦
「ザ・ラープ」フランク・キャンパー(並木書房):ベトナムの長距離偵察部隊(特殊部隊)員の手記
次,中東戦争;
「砂漠の戦車戦(上下)」アブラハム・アダン(原書房):第四次中東戦争の激戦地であるスエズ戦区の師団長手記
「イスラエル・生か死か(1,2)」ジャック・ドロジ(サイマル出版会):第四次中東戦争,個々のエピソードを纏める方式の王道ノンフェクション
以下は仮想戦ですが,元ガチ将校が書いてるので,リアリティでは群を抜いてます.
「第3次世界大戦 チームヤンキー出動」(二見文庫)
「武力対決」(新潮文庫)
「軍事介入」(新潮文庫)
ハロルド・コイル
元米機甲科の少佐,仮想戦記として中隊〜大隊規模という比較的狭い範囲を扱う戦術級
(チーム・ヤンキーは,ボードSLGも出ていました(ちゃんとバノン大尉のユニットもあるよんw)
「第3次世界大戦 崩壊への道」ケネス・マクセイ(朝日ソノラマ)
元英軍少佐(ノルマンディー戦参加),NATOの演習想定をそのまま小説にしたようなもの
旅団規模の戦いなので戦術色が濃く,個々の動きも詳細(しかもマジな行動)
Lans ◆xHvvunznRc : 軍事板,2012/05/10(木)
青文字:加筆改修部分
・河津幸英「湾岸戦争大戦車戦」
作戦全体から一兵士の視点まで通して読める.
・ハルバーシュタット「スナイパー 現代戦争の鍵を握る者たち」
イラクやアフガンで任務に就いた米軍狙撃チームの話.
・クロット「傭兵 狼たちの戦場」
90年代の東欧紛争地域での体験記.
混沌とした状況がよく分かる.
・ペルトン「現代の傭兵たち」
イラクのPMCに関するルポ.
こっちも割と無茶苦茶.
・コーエン「潜入工作員 イスラエル対テロ特殊部隊員の記録」
こちらも体験記.
アメリカ流と一味違う軍隊に,興味があればお薦め.
・「ザ・コールデスト・ウィンター 朝鮮戦争」
・ダグ・スタントンの「ホース・ソルジャー
米特殊騎馬隊,アフガニスタンの死闘」
911直後にアフガニスタンの北部同盟を支援するため派遣された特殊部隊を書いた本.
ハイテク兵器と馬に乗った兵士が活躍する.
読み物としてすんげえ面白かった.
特殊部隊なんで,一般兵とは言えないけどね.
・ジロミ・スミスの「空母ミッドウェイ アメリカ海軍下士官の航海記」,
戦闘シーンはないけど,生活感バリバリ.
(おまけ) オーダーの上限は朝鮮戦争までだが,
・「バンドオブブラース」
スピルバーグ&トム・ハンクス作製ドラマの元ネタ.
WW2アメリカ陸軍101空挺師団の一中隊が主役.
一般市民の,入隊訓練時からノルマンディーへ投入,終戦までを,インタビューからおこした実戦記物.
・「擲弾兵―パンツァーマイヤー戦記」
ドイツSS武装親衛隊で,職業軍人の見本みたいな人の,自筆の回顧録.
上の本の反対の視点.
547 :名無し三等兵[sage]:2012/05/11(金) 15:10:42.48 ID:???
>ホースソルジャー
消防士か巡視船の放水士じゃないの?
548 :名無し三等兵[sage]:2012/05/11(金) 16:21:51.99 ID:???
∧∧
ヽ(・ω・)/ ズコー
\(.\ ノ
、ハ,,、  ̄
 ̄
549 :名無し三等兵[sage]:2012/05/11(金) 16:40:32.25 ID:???
さむい.
550 :名無し三等兵[sage]:2012/05/11(金) 17:47:07.73 ID:???
凍えてしまう.
554 :名無し三等兵[sage]:2012/05/11(金) 18:38:25.00 ID:???
真夏に凍死しそうだ.
555 :名無し三等兵[sage]:2012/05/11(金) 18:59:06.37 ID:???
ホースくだちゃい.
軍事板,2012/05/10(木)〜05/11(金)
青文字:加筆改修部分
【質問】
書籍を紹介していただきたく書き込みました.
戦略レベル,戦術レベルについては,旧軍の教範や米軍の公開資料,戦史などで勉強し,だんだんとイメージが出来るようになってきたのですが,実際の戦闘がどのように行われるのかが今一つ分かりません.
分隊や小隊レベルの戦闘がどのように行われるのかを,学ぶのに良い書籍を紹介していただけないでしょうか?
【回答】
「米陸軍戦闘マニュアル〜コンバット・リーダーズ・フィールドガイド」編訳:柘植
久慶 原書房(絶版)
「米陸軍戦闘マニュア2〜機械化歩兵のすべて」 訳:高井三郎 原書房
米陸軍コンバット・リーダーズ・フィールドガイドの第10版(1987年版)の抄訳.
歩兵分隊〜小隊指揮官あたりに向けて書かれたもので,時代的にM2ブラッドレー機械化歩兵部隊を中心として書かれている.
FMとFCをベースとし,小部隊に特化した具体的な記述が多く,戦車との共同から即席兵器の作り方や救護方法までも掲載.
2は,その前のM113機械化歩兵小隊のFMの抄訳.
------------
「コンバット・バイブル―アメリカ陸軍教本完全図解マニュアル」(1巻2巻で十分)著:上田
信 日本出版社
図解でみる新兵教育書みたいなもの.
判りやすく書かれているので,初心者に最適.
しかし,書かれている事は陸上部隊の基本なので,中級者以降も手元においてあると便利.
1は個人〜分隊戦闘.
2は小隊〜中隊規模.
------------
「コンバット・スキルズ 1・2・3」 ホビージャパン
前述の「米陸軍戦闘マニュアル」(上級)と「コンバット・バイブル」(初級)の,ちょうど中間に位置する戦術解説本.
図や写真が多く,どちらかというと軍オタ向きというより,サバゲー者を対象に書かれた解説書かもしれない.
なぜか内容は,英軍を参考にした記述が多い(笑
そういう意味では,前述2冊が米軍式なので,英米の微妙な違いが興味深いです.
コンバットスキルズ補足(目次的に紹介)
「COMBAT SKILS -戦闘マニュアル-」 ホビージャパン発行
第1章:狙撃(米海兵隊)
行動準備/目標選択の優先権/狙撃技術
第2章:市街戦(米陸軍)
移動の原則/射撃位置/建造物突入の原則/建造物の掃討
第3章:ゲリラ戦(南アフリカ軍)
ヘリ強襲/アンブッシュ/追跡&対追撃
第4章:歩兵戦闘(英陸軍)
射撃と移動の基本(分隊)/戦闘準備/パトロール基地の設置/防御陣地構築/索敵偵察行動
第5章:特殊作戦(米陸軍特殊部隊&海軍SEALS)
潜入/強襲・待ち伏せ/空挺作戦/降下地点の確保/海からの攻撃/河川強襲
第6章:機械化歩兵(米陸軍)
車輌機動/接敵前進/攻撃
第7章:攻撃ヘリ(カナダ&西独)
ヘリ攻撃の原則/攻撃目標の優先順位/攻勢的展開計画
「COMBAT SKILS 2 -戦闘マニュアル-」ホビージャパン
第1章:後方治安維持(英陸軍)
OP地点の選択/監視要領/道路封鎖/車両検査
第2章:待ち伏せ(英陸軍)
待ち伏せの設定/襲撃/対アンブッシュ/対戦車伏撃任務
第3章:夜間戦闘(英陸軍)
夜間移動/夜間攻撃の計画/夜間戦闘要領/
第4章:都市部での戦闘(英陸軍)
原則と実戦/家屋掃討要領/街路掃討要領/建造物の防御/村落の防御
第5章:迷彩と隠蔽(英陸軍)
人間のカモフラと隠蔽/車両のカモフラ
第6章:地雷(米陸軍&英陸軍…クレイモアは米軍,他は英軍が主体)
クレイモアの敷設/地雷敷設/地雷原のポイント/地雷の種類/地雷の発見/ブービートラップ
第7章:戦争捕虜(英陸軍)
捕虜の確保/捕虜の取り扱い/潜行と捕縛/取調べ/捕虜収容所/脱走・救助・開放
(捕縛以降は自分が捕虜になった場合のマニュアル)
「CONBAT SKILS 3 -戦闘マニュアル-」ホビージャパン
第1章:ジャングル戦(米陸軍&英SAS)
戦場特性/対ゲリラ/ジャングルの支配/キャンプ攻撃
第2章:歩兵戦闘技術(英陸軍)…個人〜分隊規模の行動について
敵陣の突破/計画攻撃/森林での戦闘/撤退要領/戦術移動/GPMGの使用/
浸透戦術/戦闘判断/パトロール計画/命令の出し方
第3章:グループ戦闘技術(英陸軍)…諸兵科連合戦術:小隊〜中隊
突破対処/防御戦闘/援護部隊/機動防御/陣地防御戦
第4章:ゲリラ戦(ローデシア軍&英軍)…対ゲリラはローデシア,国内治安は英軍
対テロ作戦/ブッシュ地帯の情報作戦/ブッシュパトロール/ファイアフォース戦術/車両機動/
基地防衛(国内防衛)/ソ連特殊部隊の標的/防衛の要点
後はお約束の,
「歴史群像アーカイブA ミリタリー基礎講座
戦術入門」学研
最初の章が,歩兵分隊〜小隊を扱ってます.
また,フィクションではありますが,機甲科士官が書いた,
「第三次世界大戦 チームヤンキー出動」ハロルド・コイル(二見文庫)
は,戦車中隊〜小隊規模の戦闘をよく描写していると,各所で評価されています.
Lans ◆xHvvunznRc :軍事板,2012/02/21(火)
青文字:加筆改修部分
【質問】
欧米の軍の小部隊(小隊〜中隊)の具体的な指揮関係や小戦闘について知りたいのですが,日本軍の元将校の従軍記は見つかるんですが,ドイツとかイギリス軍のが見つかりません.
こんな感じなのを探しています…
・時代は第1 〜第2次世界大戦(できれば第1次)
・できればドイツ軍かイギリス軍(ご存じなければ他の欧米の軍隊でもいいです)
・陸軍歩兵小銃 小隊〜中隊を率いた"将校"が書いた本
・その小部隊の戦闘やら生活がメインの本
・この際そんな感じの映画でもいいです
・お勧めであれば,洋書でもいいです(英語は読めませんが解読します)
戦車兵や飛行機,海軍の自伝みたいのはあるんですが,どうしても普通の,一般の,よくある歩兵小銃兵のが見つかりませんでした.
佐々木氏の戦記は読んだのですが,あんな感じの欧米の本が読みたいと考えています…
どなたかご存じ・お勧めの本を教えてください,よろしくお願いします.
◆GmgU93SCyE in 軍事板,2009/05/19(火)
青文字:加筆改修部分
【回答】
「バンド・オブ・ブラザース」スティーブン・アンブローズ(並木書房)
米101空挺師団506連隊E中隊の戦記.
ちなみに同名TV映画の原作とされてます.
あと,ヴィルフェイの「SS戦車隊」も短編集ですが,良い感じで小部隊の姿がみれます.
歩兵部隊のみを率いる話はありませんが,歩兵との共同はあります.
ただし戦車が中心.
また,戦闘日誌的なものなら,スターリングラード救援作戦の「奮戦!第6戦車師団」もいけます.
あと,若干入手困難かもしれませんが…
「コンバット 第二次世界大戦−ヨーロッパ戦域」ドン・コンドン/戦史刊行会(白金書房)S49刊
が,WW2欧州戦域従軍将兵の手記集です.
続いて,欧州末期の西部戦線になりますが…ハヤカワ文庫の
「遥かなる橋」(コーネリアス・ライアン)
「史上最大の作戦」(同)
「バルジ大作戦」(ジョン・トーランド)
「最後の100日」(同)
も,個々の兵士に関する記述も結構あります.
その上で,作戦の全体像や背景にも記述が及んでおりますし,非常に読みやすくてお勧めです.
あ,クルト・マイヤーの「擲弾兵」を忘れてました.
WW2ですが独軍指揮官自身の手記ですので,希望には一番適合してるかもしれません.
連携する戦車部隊も当然出ますが,基本は装甲擲弾兵の話になります.
(最後は師団長までいってしまいますが)
ポーランド,フランス戦で対戦車部隊中隊長,バルカン作戦時で偵察大隊長.
マイヤー大隊長は,よく先遣中隊を直接率いて先行したり,中隊規模の戦闘団を直卒したりもしてるのは秘密です(笑)
独の戦闘指揮官は率先して前に出たがる方が多いようで(笑)
そのまま東部戦線でしばらく戦い,ついで西部戦線へ.
そこで装甲擲弾兵連隊長としてノルマンディ戦.
カーン攻防戦の最中に師団長が戦死し指揮を引き継ぎ師団長に.
偵察部隊や装甲擲弾兵部隊が中心なので,戦車との共同も多いですが,基本は歩兵戦です.
(独の偵察大体は装甲車だけでなく,オートバイ歩兵や自動車化歩兵なども混成しています)
あと,カーン後半で師団長といっても,部隊は激減し,実態は戦闘団規模というのも秘密です.
(はい,その過程で戦車もほとんど失われておりまする)
※いまさら説明もいらないでしょうが,装甲擲弾兵=機械化歩兵(一部自動車化w)ですし.
Lans ◆xHvvunznRc in 軍事板,2009/05/19(火)〜05/20(水)
青文字:加筆改修部分
ハヤカワNFの軍事ものは基本的に欧米の超ベストセラーの和訳なんで当たり多いぞ.
特に史上最大の作戦はオススメ.
基本的にノルマンディー上陸作戦を,個々の兵士の従軍記を通して描いているので,兵士個人にとってのWWU欧州戦線がどんなもんだったかという点では,非常に合ってる.
戦闘に関する逸話だけでなく,個々の兵士の生活がよく描けていて非常に面白いです.
作戦前日の駆逐艦のメシの内容とか,ロンメルのカミさんへの贈り物の中身とか(笑).
上記以外では,ちょっと古い本な上にまだ全部読んでないけど,
『戦闘』 ケネス・マクセイ著
ノルマンディーの架空の英軍大隊による構成を英独双方から描いたもの.
戦闘描写が中心で,戦車や砲兵との連携の話も出てくる.
著者のケネス・マクセイ氏は英戦車部隊の将校で,この本は彼が実際に体験したノルマンディーでの戦闘をもとにして書かれたもの.
1968年少佐退役だから,1944年には小隊〜中隊を率いていたはず.
戦車部隊出身だがこの本は歩兵戦闘が中心.
洋書でもいいってんなら米アマゾンでカテゴリ漁ってみたら?
予算2万円くらいで20冊くらい揃うと思うけど.
http://www.amazon.com/gp/bestsellers/books/465324/ref=pd_zg_hrsr_b_2_5_last
これがWW2の戦記カテゴリです.
ありとあらゆる物が揃っているのでは?
タイトルと表紙が気に入った物を,10冊ばかり買われてみては?
なお,このランキングの27番目のは「ペリュリュー・沖縄戦記」として翻訳されてます
将校ではないので範囲外かも知れませんが,最近の翻訳物ではベストですよ.
軍事板,2009/05/19(火)〜05/20(水)
青文字:加筆改修部分
ざっと3冊 イタリア,ドイツ,フランスの第1次大戦物が手元にあった.
ムッソリーニの『我が塹壕日記』は前のスレで書いたと思うけど,そのほかには
『独逸の肉弾』(ヘッケル大尉著,大正5年)
というのがあって,大尉の記述が独逸よりだという事で,ベルギー大使館から「訳が不愉快だから削除しろ」とかクレームが来たという代物.
『祖国のために』(大正12年)は,陸軍大尉石井淳がフランスの新聞から,戦闘の逸話を抜き出したもの.
名無しの愉しみ in 軍事板,2009/05/19(火)
青文字:加筆改修部分
【質問】
クリス・マクナブの本にハズレってあるんだろうか?
自分が買いたいと思ってるのは『新コンバット・バイブル』なんだが.
【回答】
戦術の基本概要として,その本だけで完結しようと思わないならOK.
若干かたよりや,あれ?と思う部分もあるので,他の本とも読み比べる必要ありと思います.
戦術のとっかっかりには良いのですが,【個人的には】ハズレじゃないけど絶対信用も難しい微妙な本.
(初心者がいきなり読むと,誤解しそうな記述があるので)
個人的には,これよりは歴群アーカイブの戦術入門や,米陸軍戦闘マニュアル(原書房FM翻訳系),コンバットバイブル(上田信),コンバットスキルズの方をお勧めしたいです.
(ただしスキルズは読解しにくいので注意)
Lans ◆xHvvunznRc in 軍事板,2009/08/27(木)
青文字:加筆改修部分
【質問】
『戦争の常識』と『戦術の指揮』は,初心者が読んでもおk?
よくわからないけど,独断専行のところは抜いて考えると後は良書ってことでおkなの?
【回答】
どちらも良本だよ.
『戦術と指揮』というか,松村氏のは多少気をつけて読めってくらいかと.
『戦争の常識』はそんなに変なところあったっけ?
読んだのがだいぶ前なんで,細かいところは忘れました.
名無し猫又友の会 ◆d/Ss304xco in 軍事板
青文字:加筆改修部分
下手な先入観が構築される前に,確かなモノを一度読んでおく.
そういう意味もこめて「戦術と指揮」を薦めます.
それこそ初心者の「教導」が目的.
読んだ直後は,そんなに正確に理解する必要はないと思います.
その後に知識が集積され,あとで理解が進んだとき,素直に納得できるでしょうから.
最初にホンモノに触れておく・・・それも大事だと思いますよ.
(とはいえ最初にFM系は厳しいので,…戦術と指揮なのです)
これと平行し,歴史群像アーカイブス2「戦術入門」 アーカイブス3「現代戦術への道」を読めば…
Lans ◆xHvvunznRc in 軍事板
青文字:加筆改修部分
問題は『戦術と指揮』をはじめて読む初心者に,「推奨される独断専行」の基準を判断するのが極めて難しいことかと.
そもそも明確な基準があるわけではありませんし,プロの軍人だって日本陸軍の一部参謀将校のような,「独断専行」の意味を履き違える人間はいるわけですから.
初心者は「許される独断専行」と「許されない独断専行」があると知ることこそが,意味あることではあるのですけれどね.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
戦術を学びたいと思うんですが「戦術と指揮」の次に読むべき本って何があるんでしょうか?
できればあまり値段が高くない本で教えてください.
【回答】
基礎として『覇者の戦術』とか『名将たちの決定的戦術』とか.
現代戦では歴史群像アーカイブの『戦術入門』,『現代戦術への道』が良い.
他にはコンバット・バイブルやコンバットスキルズにも色々と載ってる筈.
安く手に入り易いならジョミニの戦争概論と歴史群像のアーカイブス2と3
まあ,前者は難解だけどな.
後はFM系くらいかなあ.
佐々木春隆氏の中国戦線記シリーズもなかなかいいよ.
軍事板
青文字:加筆改修部分
比較的買える書籍(一部困難ありですが不可能ではない)で,初心者から進むフルンゼ戦術コースをご紹介.
(※戦史系が入ってないので,随時WW2戦史を併読すると,なお良いと思われます)
1)歴史群像アーカイブスAB
2)学研ムック 】戦略戦術兵器事典4 ヨーロッパWWII編】
のあとに下記に進み
3)学研ムックのWW2欧州シリーズ
【ソヴィエト赤軍興亡史 I〜III】
【図解 ソ連戦車軍団】
さらに,
4)【赤軍臨時野外教令】
ttp://www.warbirds.jp/sudo/red_army/kyourei_index.htm
5)旧軍【砲兵戦術講授録】の(付録 外国砲兵ノ運用 通則〜赤軍)
ttp://www.warbirds.jp/sudo/artillery/artillery_index.htm
に進むと吉.
で最後に,【写真集・ソ連地上軍】→【ザ・ソ連軍(正・続)】→【ソ連地上軍】で進化を確認
Lans ◆EDLansNRRQ in 軍事板
青文字:加筆改修部分
▼ 個人的にお勧めなのは,
「歴史群像アーカイブ2 ミリタリー基礎講座 戦術入門」
「歴史群像アーカイブ3 ミリタリー基礎講座2 現代戦術への道」
「機甲戦の理論と歴史」
「萌えよ!戦車学校 II型」
で概要を把握して
「COMBAT SKILS 1〜3」
「アメリカ陸軍戦闘マニュアル」
「アメリカ陸軍戦闘マニュアル2-機械化歩兵のすべて-」
「アメリカ海兵隊のドクトリン」
「ソ連地上軍」
「イスラエル地上軍」
「パンツァータクティク」
で個々の詳細に進むのをお勧めします.
ついでに「野外令」をひろってくると吉.
なお,3段階目は絶版本の山なので,2段階目で3段階目のどこに重点を置くのかを決めて,探しにかかった方が良いと思います.
(歩兵戦闘なのか,機甲戦なのか,機械化歩兵なのか,運用思想なのか)
なお,運用思想に進むなら「軍事の事典」も要チェックです.
(陸戦研究を読める環境の方ならば,1998/11〜連載されていた片岡先生の記事をぜひ)
なお,「陸戦史集」は「戦史叢書」にくらべ,遥かに読みやすい一般向けです.
(原書房から一般発売された本だし)
ただ古い本なので,巻によっては入手困難だったり高価だったりする弱点がありますが…
また,題材は限定されてしまいますが,光人社文庫の佐々木
春隆氏の中国戦線シリーズなら,入手しやすいし,目的にかなうかも知れません.
Lans ◆xHvvunznRc :軍事板,2011/07/23(土)
青文字:加筆改修部分
佐々木春隆氏の本は入手しやすいし,中国大陸の伝統的な帝国陸軍の戦闘がわかるので良い.
対米戦の本ばかり読むと,どうしても陸軍に否定的になってしまうので,バランスを取る為にいいね.
でも難点は,旧軍限定になってしまうことなんで・・・
(当然といちゃ当然なのですが)
あとは海外なら,マイヤーの「擲弾兵」とか,メレンティンの「ドイツ戦車軍団」とかでしょうかね.
もし入手が困難な場合「ドキッ 乙女だらけの帝國陸軍入門
」(イカロス出版)に,白紙戦術の参考例題が,たしか1個か2個掲載解説されてたはず.
注:「こんなの紹介するな! 絵が全然萌えないじゃないか!」
と言うクレームは,一切受け付けません(笑)
Lans ◆xHvvunznRc :軍事板,2011/07/23(土)
▲
【質問】
ミリタリー基礎講座戦術入門WWU は絶版になってしまったのでしょうか?
小隊〜師団までの基礎知識が書いてあると聞いたので,是非入手したいです.
また,絶版になっている場合は,それに擬似する知識が手に入る本も教えていただけると助かります.
【回答】
絶版ではないものの,増刷はしていない模様.
代替:
戦術と指揮
野外令
労農赤軍臨時野外教令
作戦要務令+歩兵操典
ドイツ装甲部隊全史(過去シリーズの総集編で,戦術関連も含む)
ソヴィエト赤軍興亡史1〜3
小隊なら
「アメリカ陸軍戦闘マニュアル」
「アメリカ陸軍戦闘マニュアル2-機械化歩兵のすべて-」
小隊〜中隊
「COMBAT SKILS 1〜3」
上記,絶版も含みますが,Amazonで安価な出物がまれにあるので,定期チェックをお勧め.
Lans ◆xHvvunznRc :軍事板,2011/07/28(木)
青文字:加筆改修部分
【質問】
戦術オタ向けの本を教えてください.
【回答】
「ソ連地上軍」デービッドCイスビー(英ジェーン版の翻訳)原書房(絶版)
「北朝鮮特殊部隊」ジョゼフ・バーミューデッツ(英ジェーンの翻訳)並木書房
「世界歩兵総覧」田中賢一/森松俊夫 図書出版社(絶版)
「砂漠の戦車戦 上下」アブラハム・アダン 原書房(絶版)
「第四次中東戦争 シナイ正面の戦い/ゴラン高原の戦い」高井三郎 原書房(絶版)
「第一次世界大戦,その戦略」リデルハート 原書房(絶版)
「湾岸戦争 砂漠の嵐作戦」東洋書房
「熱砂の進軍 上下」トムクランシー 原書房
「米陸軍戦闘マニュアル」編訳:柘植 久慶(絶版)
「コンバット・バイブル―アメリカ陸軍教本完全図解マニュアル」(1巻2巻で十分)著:上田
信 日本出版社
「コンバット・スキルズ 1・2」 ホビージャパン
「戦術と指揮」著:松村 劭 文春ネスコ
「若き将軍の朝鮮戦争」 白 善?
「対ゲリラ戦」 白 善?
「指揮官の条件―朝鮮戦争を戦い抜いた軍人は語る」白
善?
日本陸軍『作戦要務令』
「赤軍野外教令」
「野外令」
「野外幕僚勤務令」
「師団・旅団」
「普通科運用」等の職種運用
「普通科中隊」等の部隊運用
Lans ◆EDLansNRRQ in 軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
こういう本を探しています…
いまいち分隊や小隊,中隊がどういう命令で動いて,作戦行動し,どんな感じで生活しているのかがよく分からないので,例えば
「3/9,今日は午前11時くらいに小隊長から通信で●●に偵察行ってこいと言われた.
とりあえず分隊のメンバーを近くのガレージに集めて,(なんか具体的に作戦の説明)〜三日分の食料もって30分後集合と言った.
その後,●●に駐車していたブラッドレーに乗車し出発.
その間,●●上等兵がグラビアの話ダベッて…
13時くらいに●●川の手前でブラッドレー下車した」
…みたいな(よく分からないので適当ですけど),内容が詳細な従軍記のような本知りませんか?
第二次大戦の従軍記でも,小説・フィクションでも構いません.
ご存じでしたら教えてください.
【回答】
佐々木春隆氏の中国戦線従軍シリーズ.
何れもNF文庫で安く手軽に手に入る.
ナム物ならこういうのもある.
『ベトナム海兵戦記』アーネスト・スペンサー(山崎重武訳)大日本絵画
「ケサンの戦闘に参加した者と,『ただベトナムに滞在したことがある』という者とでは,たとえ同じ期間であっても,まったくその価値が異なる.」P101
『タイガーフォース』マイケル・サラ,ミッチ・ウェイス(伊藤延司訳)WAVE出版
ピュリッツァー賞(2004年度調査報道部門)受賞.
第101空挺師所属の一小隊の行動記録だが,民間人虐殺という重いテーマも含む内容.
洋書ならいっぱいあるよ☆
さあ君も未読の洋書の山を積み上げるのだ(笑)
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
コンバットスキルズは毛利が監修か何かしてるみたいだけど,内容はイギリスの教本そのまんまでいいんだよな?
毛利は厨向け(つかディープじゃない一般向けか)のお飾り?
ムックだとか毛利だとか絵が豊富だとかで軽んじたら損?
【回答】
毛利は章毎の序文を書いているだけ.
正直,売る為のおかざり.
内容は英軍だけじゃなく米軍やローデシアなども.
「COMBAT SKILS -戦闘マニュアル-」 ホビージャパン発行
第1章:狙撃(米海兵隊)
行動準備/目標選択の優先権/狙撃技術
第2章:市街戦(米陸軍)
移動の原則/射撃位置/建造物突入の原則/建造物の掃討
第3章:ゲリラ戦(南アフリカ軍)
ヘリ強襲/アンブッシュ/追跡&対追撃
第4章:歩兵戦闘(英陸軍)
射撃と移動の基本(分隊)/戦闘準備/パトロール基地の設置/防御陣地構築/索敵偵察行動
第5章:特殊作戦(米陸軍特殊部隊&海軍SEALS)
潜入/強襲・待ち伏せ/空挺作戦/降下地点の確保/海からの攻撃/河川強襲
第6章:機械化歩兵(米陸軍)
車輌機動/接敵前進/攻撃
第7章:攻撃ヘリ(カナダ&西独)
ヘリ攻撃の原則/攻撃目標の優先順位/攻勢的展開計画
「COMBAT SKILS 2 -戦闘マニュアル-」ホビージャパン
第1章:後方治安維持(英陸軍)
OP地点の選択/監視要領/道路封鎖/車両検査
第2章:待ち伏せ(英陸軍)
待ち伏せの設定/襲撃/対アンブッシュ/対戦車伏撃任務
第3章:夜間戦闘(英陸軍)
夜間移動/夜間攻撃の計画/夜間戦闘要領/
第4章:都市部での戦闘(英陸軍)
原則と実戦/家屋掃討要領/街路掃討要領/建造物の防御/村落の防御
第5章:迷彩と隠蔽(英陸軍)
人間のカモフラと隠蔽/車両のカモフラ
第6章:地雷(米陸軍&英陸軍…クレイモアは米軍,他は英軍が主体)
クレイモアの敷設/地雷敷設/地雷原のポイント/地雷の種類/地雷の発見/ブービートラップ
第7章:戦争捕虜(英陸軍)
捕虜の確保/捕虜の取り扱い/潜行と捕縛/取調べ/捕虜収容所/脱走・救助・開放
(捕縛以降は自分が捕虜になった場合のマニュアル)
「CONBAT SKILS 3 -戦闘マニュアル-」ホビージャパン
第1章:ジャングル戦(米陸軍&英SAS)
戦場特性/対ゲリラ/ジャングルの支配/キャンプ攻撃
第2章:歩兵戦闘技術(英陸軍)…個人〜分隊規模の行動について
敵陣の突破/計画攻撃/森林での戦闘/撤退要領/戦術移動/GPMGの使用/
浸透戦術/戦闘判断/パトロール計画/命令の出し方
第3章:グループ戦闘技術(英陸軍)…諸兵科連合戦術:小隊〜中隊
突破対処/防御戦闘/援護部隊/機動防御/陣地防御戦
第4章:ゲリラ戦(ローデシア軍&英軍)…対ゲリラはローデシア,国内治安は英軍
対テロ作戦/ブッシュ地帯の情報作戦/ブッシュパトロール/ファイアフォース戦術/車両機動/
基地防衛(国内防衛)/ソ連特殊部隊の標的/防衛の要点
米陸軍戦闘マニュアル1と2も柘植の名前でてますが,これまた序文だけ.
中身は高井氏なので信頼できます.
つか,米軍マニュアルの翻訳だし.
まあ極論いえば,読みやすいか難いかの差はありますが,翻訳なので誰がやってもというのはあります.
しかーし,高井氏なら元陸自なので専門用語も安心です.
Lans ◆EDLansNRRQ in 軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
コンバット・バイブルですが,これって同じ著者が書いた最新コンバット・バイブルと内容は変わりませんか?
【回答】
コンバット・バイブルはマクナブの他に,上田信のコンバット・バイブルもあるので要注意.
個人的には上田信のほうに1票.
この2冊は内容の方向性が全く違う本で,上田信は分隊〜小隊の教本を半分劇画風に紹介したもの.
一部自衛隊の副読本になったという噂もちらほら・・・
上田信版は4冊あり.
@歩兵個人〜分隊編
A小隊〜各種組織
B特殊部隊編
Cエージェント編
わたしは正規戦萌えなので,個人的には@Aがお勧め.
Lans ◆EDLansNRRQ in 軍事板
青文字:加筆改修部分
両方買うことを推奨したい.
「最新」の方では近接格闘の章が削られてるから.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
「こんな地形で,こっちから来る敵には,この辺で迎え撃つ」とか,実際にある地形とか,過去にはこんな戦闘があったとか,解説している本はある?
【回答】
1 そこでアジア歴史資料センターですよ.
昔の日本陸軍はその手の本を沢山出してます.市中でも受験用に出回っていました.
今でも古本でかなり売られているはずです.
教条的なところはあるんですが,勘所をおさえた問いがあって,その後その変形の問題が並んでいて,どう答案を書くのかとかの参考になるのです.
教条的と言いましたが,用語が統一されていないと話が通じないのです.
いざというとき,別な言葉で考えている人がいると,やりとりで誤解が生まれやすいですし,共通理解を前提として命令が出されるわけだから色々と困る.
また,過去の戦闘じゃないけど,
「戦術と指揮―命令の与え方・集団の動かし方
(PHP文庫) (文庫) 」
松村 劭 (著)
面白かったよ.
山があって川があって,さてA軍とB軍はどこで相対するのが正解でしょう?みたいなQ&Aがいっぱい載ってた.
軍事板
青文字:加筆改修部分
今まで,あんまり紹介してませんでしたが…実はこんなのあります.
「勝つ戦争学」松村劭 文春ユネスコ
実は「戦術と指揮」の続編みたいなもので,過去の戦例30個ほどを解説したもの.
多少,無茶な数字換算や前作のように無理やりビジネス的に結び付けようとしてる部分は見てみぬ振りをしましょう
(このあたりは前作より強い,またQ&A形式ではないです)
多分,無理やり出版社の要望に近づけようとした結果です(笑)
ここらは前作よんでれば判るはず(笑)
後は,陸戦史集(原書房)の各巻
(陸自戦史教官がよってたかって書いたシリーズ)
「南北戦争 49の作戦図で読む詳細戦記」学研M文庫
(もともと米アナポリスの教材)
Lans ◆EDLansNRRQ in 軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
自衛隊駐屯地の図書室で,陸戦学会発行の「陸戦研究」が置いてあるのを,見たことがあるんですが,あれは部外者でも入手できるものなんですか?
ZII ◆RPvijAGt7k :軍事板,2011/07/23(土)
【回答】
『陸戦研究』は,陸戦学会に入ってる必要があったはず.
んで,陸戦学会に入るには,部内か,または紹介(推薦)がないと駄目なはず.
なお,「陸戦研究」と「陸戦史集」(原書房)は無関係.
(とはいえ,陸戦史集の著者は陸自教官群です)
Lans ◆xHvvunznRc :軍事板,2011/07/23(土)
青文字:加筆改修部分
国会図書館の所蔵は1982年以降です.
NDL-OPACに記事情報まで登録して無いだけ.
但し閲覧には来館が必要.
こういうパターンは他の雑誌でもあることなので,要注意なんだな.
良い例が『軍事研究』『防衛施設と技術』,『調和
基地と住民』『太平洋学会誌』
あのデータベースは手広くやってるけど,全然完璧じゃないので.
『調和』は基地周辺自治体にも,古くから置いてますよね.
でもNDL-OPACには,最近の記事しか登録が無い筈です.
一つの切れ目として,あの記事検索で1995年以前はかなり減るので,要注意です.
なお,防衛省の図書室でも閲覧は可能だったかと.
岩見浩造 ◆Pazz3kzZyM :軍事板,2011/07/23(土)
ただし,岩見浩造なる人物の情報は,鵜呑みは避けたほうが賢明な模様.
その信頼性についての考察は,こちらを参照されたし.
国会図書館の陸戦研究所蔵分は,1980年(昭和55年)7月通号322号からだったはず.
ちなみに昭和63年3月から平成2年12月までは,所蔵されておらず欠号.
利用者登録すれば直接,国会図書館に行かなくても,遠隔複写を利用可能.
陸戦研究の年度の最終月号(12月号)には,その年の総目録が最終ページにあるので,まずそれを遠隔複写してから調べるのはどうでしょう.
他の手段で部外が陸戦研究を目にすることができるのは,防大の図書館を利用するか,古書店で見つけるしかないと思われます.
あと「白紙戦術」や「師団の解説」,「野外令の解説」等,陸自関係の参考資料が,国会図書館には結構所蔵されており,閲覧・複写が可能です.
陸戦研究もアメリカのArmorみたいに,電子版で公開してくれると嬉しいんだがなあ.
特定の図書館や図書室でないと読めませんからねぇ・・・
そんなしょっちゅう恵比寿いける人ばかりじゃないし…
Lans ◆xHvvunznRc :軍事板,2011/07/23(土)
【質問】
市街戦の戦記読みたいのですが,何かおすすめありますか?
【回答】
『北京籠城』柴五郎 服部宇之吉
『スターリングラード』『ベルリン陥落 1945』アントニー・ビーヴァー
『攻防900日 包囲されたレニングラード』ハリソン・ソールズベリー
『ブラックホーク・ダウン』マーク・ボウデン
『ファルージャ 栄光なき死闘』ビング・ウェスト
『ネイビー・シールズ』ミール・バフマンヤール クリス・オスマン
Wikipediaの市街戦の項目に,代表的な例が挙がってるので,それを手がかりに探せばいい.
軍事板,2010/05/01(土)
青文字:加筆改修部分
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