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総記FAQ目次


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 【質問】
 斥候と偵察の違いを教えてください.

 【回答】
 複数の斥候班を有機的に運用して情報を獲得するのが,偵察隊の仕事.
 斥候班の上げてくる報告は,単なる情報資料であって,統合して分析しなきゃ師団長の判断に資する情報たりえないから.

 斥候は斥候計画に基づき,定時および逐次に報告を上げながら前進する.
 通常は交互に前進し,一方がやられれば,その接敵報告をもう一方が持ち帰れる.
 仮に斥候班が全滅しても,「直前に報告のあった時点から次の定時報告位置の間に敵がいる」との情報を偵察隊がつかんだ事になる.

軍事板


 【質問】
 将校斥候って,普通の斥候にただ将校がくっついただけなの?

 【回答】
 そうだよ.
 将校はきちんとした戦術教育を受けてるから,地形や敵陣なんかを的確に把握できる.
 緊要な時期場所で戦術判断に資するための情報を獲得するため,戦術教育を受けた人間が自ら行うのが将校斥候.
 偵察隊員や情報隊員は上級部隊の判断に資するための情報収集について教育を受け,訓練されているが,一般歩兵ならせいぜい前方警戒や路上斥候程度の訓練しかしてないからね.

 ただ,貴重な将校を失う可能性も高いから,ここぞというときに使いたい.

 将校が率いるだけあって,ただの斥候よりは規模が大きなこともあるけど,戦闘になっても多少の抵抗力があるくらいで,威力偵察とは別物と考えたほうがいい.
 部下を数人連れたのみの小規模のこともあるわけで.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 第1次大戦のころまでには,陸戦の偵察には騎兵なんかを使っていたりした様ですが,現在の陸戦においては,敵陣の様子や敵の位置の偵察には何を使うのが一般的なんですか?
 航空機やヘリ?
 それとも歩兵による偵察?
 もしかして人工衛星ですか?

 【回答】
 今でも偵察の基本は斥候であり騎兵の代わりに車両を出します.
 徒歩の斥候も現役です.
「ちょっと,ひと揉みしてみるか」
の威力偵察は戦闘車両も使います.

 物見やぐらが高いように,観測は高いほうが見通しが良いわけです.
 そこで気球,ヘリ,航空機などを飛ばして観測も行います.
 最近だと無人偵察機が安くて安全なため,人気が出てきました.

 衛星?
 そりゃ航空写真の延長で,地形の判別に使うぐらいだよ.

モッティ ◆uSDglizB3o in 軍事板
青文字:加筆改修部分

 日本の例で言えば,師団内にあった騎兵連隊は,WW2の前あたりから,装甲車などをメインとする捜索連隊に置き換わっている.
 騎兵がやっていたような長距離の偵察は,主に速度の出る車両で行う.

 もちろん,歩兵や航空機による偵察もあるが,それらは騎兵が昔やっていたものの後継とは言えない.

軍事板
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 【質問】
 威力偵察って何ですか?

 【回答】
 威力偵察(reconnaissance in force)の定義は次の通り.

陸自
 敵の勢力・編組及び配置を暴露させるとともに,その反応を見るために行う限定目標の攻撃による偵察をいう.

米軍・NATO軍
 敵の配置,兵力及び弱点を発見し,又は確認するため,また,敵の予備又は火力支援部隊の対応を強いるため,強力な部隊によって実施される限定目標の攻撃行動をいう.
 その任務を命ずる指揮官は,その部隊の救出又は火力支援部隊のその成果の利用について予め準備する.

 眞邉正行:編著『防衛用語辞典』(国書刊行会)より.

丼炒飯 ◆HY/YgdSbHM

 とりあえず,一発殴ってみて,相手が殴り返してこないようなら,そいつをみんなでタコ殴り.
 逆に,殴り返してきたら,もっと弱そうな奴を探し出して,そいつからみんなでタコ殴りする,といった感じ.


 【質問】
 威力偵察は何の意味があるんでしょうか?
 敵の警戒が強くなり,兵力が増強されてしまうだけと思うのですが?

 【回答】
 威力偵察時の敵の反応で,相手の兵力や動向が掴める.
 こちらの戦力が不足していれば,後詰め要請なり撤退なりと,打てる手が変わってくる.
 上回っていたら勿論,攻勢とか.

 相手もそれが分かっているから,下手に手を出せない.
 しかし浸透されれば,それはそれでこちらの情勢が知られるので,防御側は反応に悩むところ.

 イタ公でもない限り,戦時はそれなりに警戒しているもの.
 奇襲目的でなければイチイチ気にすることでもない.

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 【質問】
 小説で,
「2個大隊規模の敵から攻撃を受けている」
とか使いますけど,攻撃規模からどうやって,1個連隊ではなく複数大隊だと見分るんですか?
 大隊とか連隊とかは国や時代で違うので,数では判断できませんよね?

 【回答】
 潜伏斥候や航空機,接敵中の部隊,果ては偵察衛星まで動員して収集した情報を,地図上に並べ,敵の編成表と照合して判断する.

 具体的には,○○時に○○で戦車が○台いた等の情報を全て総合し,情報将校が,この地区には概ね大隊規模とか中隊規模という判断を下すことになる.
 勿論,行動範囲も判断材料になるが,最も確実なのはやはり兵種と数である.
 情報将校は,敵の戦術行動に照らし合わせ,より判断材料を揃えるため,レコンや偵察機に,○○地区に砲兵がいる筈だからちょっと見てこい,といった無茶な命令を出すこともある.
 無論,手探りで敵の規模を推測する訳だから,完璧ではない.

 1個連隊と複数大隊の見分ける決め手としては,第一に数を確認することになる.
 しかし,どうしても1個大隊見つからない場合,未だ発見されていないか,戦場に存在しないかの判断は難しい.
 続いて,情報将校は連隊直轄部隊の有無を確認しようとする.
 戦車部隊は,連隊長直轄の場合と各大隊への支援の場合があるため,判断材料としては弱い.
 通信部隊,対空部隊(特に対空誘導弾),兵站部隊(車両縦列)等は,基本的に連隊指揮下で統一して運用されるため,判断を助けることになる.
 これらの情報を収集することが,偵察部隊の任務となる.

 勿論,連隊は師団から増強を,大隊は連隊から増強を受ている訳だし,変則的な編成をとっているかもしれない.
 結局,最終的には情報将校のセンスにかかっていることになる.
 無論,間違えたらヤキである.

黒鍬 :軍事板,2001/04/19(木)〜04/20(金)
青文字:加筆改修部分


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