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輜重科

(画像掲示板より引用)


 【link】

「2ch.軍事板」◆(2003/03/06〜) 【藍より青き】空 挺 部 隊 【大空に大空に】
 レス回収済

「2ch.軍事板」◆(2003/04/16〜) 世界の空挺・空中機動部隊・海兵隊等総合スレ
 レス回収済

『犬の力』(ドン・ウィンズロウ著,角川文庫,2009.8)

 フィクションですぅ.
概要:数十年間,麻薬戦争を戦い抜く男たちの物語.
属性:ぶっかけ,グロ,バイオレンス,銃撃戦.
類似:ニトロプラス作品.
見所:登場する様々な銃器の蘊蓄,警察系特殊部隊の描かれ方.
 作者の数年にも及ぶ取材のためか,とてもリアルリアリティーっぽい.

-----------------軍事板,2011/10/23(日)

『落下傘部隊』(秋本実著,光人社NF文庫,2009.12)


 【質問】
 軍人でも
歩兵は足腰が強靭.
工兵は腰や腕の筋力が発達している
とか,兵科によっても特徴があるの?

 でも,歩兵隊員の一日30km〜40kmを40〜50kgの完全装備で軽く歩き通すというのは凄いね,やっぱり.

 【回答】
 昔は,大人は一日に10里(≒40km)歩けるもの,だったそうだから,経験的に人間の限界はこんなものなんだろう.
 ま,荷物の重さは段違いだけどな.
 陸上自衛隊の基本カロリーは一日3400,
 もしかしたら今は基準が変わっているかもしれない.

 ちなみに,遙か昔このへんの規則が制定されたときには,パイロットや空挺隊員に支給される加給食は卵,牛乳などタンパク質を重視したものを基本に考えていたらしい.

 あと,兵士は基本的に力仕事が多いから,特別にトレーニングしなくても,そこそこ鍛えられる(もちろんトレーニングはする).
 肉体労働者が(自衛官も肉体労働者だが)ガタイ良いのと同じことだ.

軍事板

「荷物の重さは段違い」
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 四角形の中に楕円や斜め線等が入っている,部隊の種類や規模を表す記号のことをなんと言うのですか?
 また,その一覧などを見れるサイトはありますか?

 【回答】
 「部隊記号」もしくは「記号」と称される.
http://www014.upp.so-net.ne.jp/rising_sun/kurt/symbol.htm

 ある程度の規則性はあるが,種類は膨大かつ増えてくので完全に網羅するのは困難だろう.
 自衛隊の教範も,記号符号だけで一冊の本だし,改定されるたびに増えてるし・・・


 【質問】
 この前軽装備の部隊,とかいうのを見て思ったのですが,これは明確に形が決まっているのではなくて,
「まぁこの部隊は軽装備だよね」
「まぁそうですな」
というような,上層部の主観で決まっているんですかね?

 【回答】
 というより,決めるのは上層部なのだから,上層部が軽くしようとしたら軽くなる.
 通常,何らかの任務やら状況やらに合わせて各部隊は組まれるわけだが,それによっておおむね自然に軽重が決まってくる,ことが多い.
(もちろん,その国での相対評価になる)

 例えば,どの国でも空挺部隊は一般的に軽装備だと言われる.
 重くちゃ航空機で展開できん.

 あるいは米のストライカー旅団やフランスの軽機甲師団のように,海外派遣を考慮して軽量に編制された部隊もある.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 教えてください.○○には師団とか歩兵とか入りますが,具体的にはなにがどう違うんでしょうか?
 自動車化と機械化なんて区別がようわからんです.

 自動車化○○,機械化○○,装甲化○○,機甲化○○

 【回答】

自動車化  部隊の歩兵が全部自動車(トラック)に乗って移動できる.
機械化  部隊の歩兵が装甲車や歩兵戦闘車に乗って移動とか戦闘できる.
 補給,輸送,支援などの後方部隊もみなトラックや装甲車で移動する.
 戦車も付いてる場合あり.
装甲化  機械化と同じ.翻訳された原語の訳し方の違い.
 ドイツの場合は部隊編成に戦車部隊が組み込まれた機械化歩兵部隊のこと.
 ”化”を付けず,装甲師団と表記するほうが,日本語では一般的.
機甲化  上とほぼ同じ.
 原語が英語系だと,こう訳されることが多い. 
 単に「機甲部隊」と言った場合は戦車部隊の事を指す.
 すなわち,戦車が主体で,それに装甲車や歩兵戦闘車に乗った歩兵が付属した部隊.

軍事板,2005/11/19(土)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 「自動車化師団」・「機械化師団」・「機甲師団」の違いがいまいち分かりません.
 ご教授の程を宜しくお願いします.

 【回答】
 国によって違うし時代によっても違うので,詳しくはきちんとした編制表当たってもらうとして,

・機甲師団:    戦力の中核は戦車で,支援兵科としてその他の部隊を含む.
・機械化師団:   戦力の中核は歩兵戦闘車に乗車した歩兵で,支援兵科としてその他の部隊を含む.
・自動車化師団: 戦力の中核は乗車した歩兵で,支援兵科としてその他の部隊を含む.

 機械化師団と自動車化師団との差異は,前者においては,歩兵は乗車戦闘も可能な専用の歩兵戦闘車に乗車しているのに対し,後者はトラックに乗車して移動していて,戦闘には徒歩で参入するような状態であっても「自動車化」とされる点にある.
 でも,この違いは結構微妙で,そう呼称されてもそうではなかったりする.
 逆にWWIIのアメリカイギリスの歩兵師団は,ほとんどが乗車で移動したが,別に「自動車化」の呼称は冠されていない.
 日本軍の場合は「機械化」のかわりに「機動歩兵」という用語を使っていたりするし.

 上三つのいずれのケースでも,支援部隊は自動車化されて車両で移動できるようになっている.
 ただし,たとえば砲兵を取ってみれば,自走化されていることもあるし,牽引車が装備されているだけだったり,これも様々.


 【質問】
 歴史といえば山川が浮かぶけど,『詳説世界史研究』にドイツ機甲師団という言葉が使われてた.
 けど,軍板初心者まとめには「機甲は英米に使う」って書いてあった.
 どっちが正しいんだ?
 panzerはplate armorに相当するんだろうから,やっぱ機甲ではないと思うんだけど.

 【回答】
 基本的には機甲も装甲も同じ.

 いろんな表記があるのは,元言語の意味に加えて,昔からのいろいろな書籍翻訳によるすり込みなどによる,世代的なこだわりもあいまって,私のような編成マニアだけが気にする程度.

 ちなみにマニアには下記がデフォルト.
(さらにVer違いもあるので注意,あまりのめり込むと,出られなくなる世界です)

欧米=機甲師団/機械化歩兵師団
(ただし大隊以下の単一兵科部隊になると,戦車大隊とかになる.
 英国は旅団でも時期によっては戦車)

独軍=装甲師団/装甲擲弾兵師団
(最近は,名前は名誉称号に近くなり,中身とあわないので注意)

ソ連=戦車師団/自動車化狙撃師団
(ただし軍規模になると諸兵科連合軍とかになる.
 時代的に機械化を使う場合もある)

 また,最近の米軍は機甲師団/機械化師団を,重師団と呼ぶ場合もあるので注意.

Lans ◆xHvvunznRc in 軍事板,2010/11/08(月)
青文字:加筆改修部分

 つまりは英Armorと独Panzerと英露Tankをどう日本語にするかって話なんだが,以下,俺の意見.

 まず,Tankが戦車(中国語の坦克(タン・ク))なのには,誰も異論がないと思う.
 旧日本軍はTank派(戦車第一師団)だ.

 で,ArmorとPanzerなんだが,戦後日本の慣例では,米英Armorに機甲,ドイツPanzerに「装甲」を宛てがう事になってる.
 米第一機甲師団,独第一装甲師団.Tank=戦車を含め,翻訳家の松谷健二氏が始めたのが定着した.

 しかし,これが誤訳だって説がある.
 「アーマーモデリング」誌で現代のドイツ人が唱えてるんだが,
 米英Armorには独だとPanzerと Rüstungの両方の意味があって,いわゆる板金鎧は Rüstung,Panzerは戦車以外のなにものでもないだっていうんだ.
 1945年以後の現代ドイツ語なら,これでいいらしい.

 ところが,だ.
 事実として,1945年以前のドイツだと,Panzerは戦車以外のものにも使ってる.
 PanzerSchiff(装甲艦 いわゆるポケット戦艦)とか,Panzerzuge(装甲列車)とか.
 どちらも兵器としてもう廃れたが,後者を戦闘列車って訳するならまだしも,いくらなんでも前者に戦車って言葉は使えないだろう.
(使っちゃった訳の解らん誤訳も,中公のエバ・ペロン伝にあったが.
 「ドイツ機甲師団のアドミラル・グラフ・シュペー号」って)

 総合してみるに,戦前のドイツにおけるPanzerは,「機械化装甲」の意味らしい.
 だいたい「戦車」って単語自体,戦後はKampfpanzer(戦闘・戦車),戦前はPanzerkampfwagen(機械化装甲・戦闘・車)だ.

 言いたくないが…後世の批判として,最初の段階で松谷氏がドジ踏んだな.
 米英Armor Divisionを「装甲師団」,独Panzer Divisionを「機甲師団」,露Tank Divisionを「戦車師団」(これだけは合ってる)にすりゃ良かったんだよ.
 しかしまあ,慣例として定着しちまってるんで,当面,米英「機甲師団」,独「装甲師団」,露「戦車師団」で行くしかない模様.

(アーマーモデリング誌の一部のライターは,現代ドイツ語を根拠に,全ての時代のPanzerを全て「戦車」で押し通そうとしてる――「現代」ドイツ軍についてならそれでいいと思う――のも,一応書いとく)

 ちなみに旧陸軍の概念では,機甲師団と戦車/装甲師団は厳密には別のもの.
 機甲は機械化装甲の略で,概念としては戦車/装甲より上位のものだと理解している.
 「機甲戦の理論と歴史」を流し読みしただけの知識だが.

軍事板,2010/11/08(月)
青文字:加筆改修部分

 機甲が諸兵科連合という意味合いが強いのは同意です.
 ですので,欧米も師団は機甲でも大隊は戦車なのです.

 ちなみに独軍の装甲師団も諸兵科連合部隊,つまり機甲としての意味合いが強いものです.
 また,ソ連の戦車師団は,師団という言葉自体が諸兵科連合部隊を示すので,そのなかで主力は?という意味で戦車を使っているのかもしれません.
 多分,独も同様かと…そもそも師団という言葉自体が(長くなるのでry

 ちなみに,旧日本軍では機甲師団を「戦車第一師団」というように,主力名+番号+規模という形になっております.

>「機甲戦の理論と歴史」

 すばらしき編成/編制の世界へようこそ(笑)

Lans ◆xHvvunznRc in 軍事板,2010/11/09(火)
青文字:加筆改修部分

▼ いい例になりそうなのがPanzerGrenadier(装甲擲弾兵).
 いうまでもなく戦車と訳すとおかしいです.
 大戦中および戦後の装甲擲弾兵だけ見ると,機甲・機械化の意味のように見えるかもしれません.
 しかし擲弾兵とは,プロイセン時代の精鋭兵種に由来する呼称であることを思い出してください.
 フリードリヒ時代にも装甲擲弾兵がというのがいて,彼らは鎧を着ていたから装甲擲弾兵と呼ばれていたとのことです.
 つまり,鎧としてのPanzerです.
 戦後にPanzerが戦車の意味になった経緯は,よく知りませんが,英語でPanzerが独戦車を意味する単語として取り入れられたことに,引っ張られたんじゃないかと予想しています.
 日本語のカミカゼみたいに.

2011年02月18日 01:31,hiiragi

>英語でPanzerが独戦車を意味する単語として取り入れられたことに
>引っ張られたんじゃないかと予想しています.

 これは多分,違います.
 ドイツで最初にPanzer Divisionの戦闘序列が正式通達されたのは,1934年ですが,この時点で,戦車小隊Panzerzug,戦車中隊Panzerkompanieの名称が登場します.
 双方の編成は全て,Panzerkampfwagen(戦車)からであり,この時点で,『Panzer』を単体使用するようなケースでは,Panzer=戦車,という語法が確立されたと見て間違いないと思料します.

 ドイツ語の場合,名詞+名詞で新しい名詞を構成することが多いのですが,先にくる名詞の意味合いが形容詞的な場合,例ではPanzergrenadier,と先に来る名詞が形容詞的でない場合,例ではPanzerzug,とでは,そもそも一つの訳語を当てるのに無理があると考えてます.

 では,Panzer Divisionはどう訳すべきなのか?
 その編成から考えれば,装甲師団,機甲師団,どちらでもかまわないと思料します.
 機甲の場合,機械化+装甲の意味合いが強いのですが,WehrmachtにおけるPanzertruppeはそもそも,Schnelle Truppen(快速部隊)の一兵科という位置づけですので,機甲師団の含意である機械科にも合致します.
 また,その内実は兎も角も,語義的に考えて,装甲師団であっても問題ないでしょうし,前述の通りのPanzerzug辺りからの類推で,戦車師団であっても,差し支えないと思料します.

 要は,いたるところで登場するPanzerに,単一の訳語を当てること自体,問題ありとすべきです.

2011年02月24日 00:16,Hawkeye

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より


 【質問】
 自動車化された歩兵部隊とされていない歩兵部隊では,行軍速度は具体的にどれほどの差があったのですか?
 移動箇所は路上(整地),部隊は中〜連隊規模の場合でお願いします.

 【回答】
 自動車化されてない歩兵部隊でも,輸送隊の支援受けてたら車両行進になるけどなあ・・・

 徒歩では,2キロ行進と4キロ行進と6キロ行進がある.
 基本的には時速4キロの行進だが,山岳地や何かだと疲労によって落伍者が出るから2キロ行進とかにすることもある.
 ちなみに,WACの基準は2キロ行進だ.

 最初の休憩地点(PP1)では,通常20分から30分の長めの休憩をとる.
 これは,半長靴を脱がせて靴下のずれをとったり,いろんな不具合事項を是正するためだ.
 車両行進なら,このときに車両点検をしてボルトが緩んでないか,オイルの漏れはないかと点検する.

 それ以降は約1時間ごとに10分の休憩をとる.
 長く休みすぎると体がこわばってきて辛くなるからだ.

 一方,車両行進の場合,車両の特性や道路条件にもよるが,おおむね1〜2時間に1回の休憩をとる.
 高速道路なんかだと,車両故障もそうだが,ドライバーの疲労回復の意味のほうが大きいので,2時間ごとだがな.
 富士への演習なんかだと,海老名SAのメロンパンははずせない(笑)

緑装薬4 ◆8R14yKD1/k

 行軍速度は乗り物の違いが大きくでるけど,進撃速度をみると実は話は大きく変わる.
 相手があってのことだけど,実は進撃速度ってのはそんなに歴史の上で大きく伸びていない.
 行軍速度も徒歩なら時速4km,自動車なら時速30〜40km.ざっと10倍違う.


 【質問】
 戦車メインの師団の名称で,戦車師団と機甲師団と装甲師団の表記があるのですが,厳密な日本語としてはどれが正しいのですか?

 【回答】
 日本陸軍に関しては「戦車第○師団」と公文書で表記するので,これが正解.
 海外の戦車部隊の和訳については,訳者のセンスしだい(byなっち.

鷂◆Kr61cmWkkQ

 とはいえ,WW2ドイツのそれは「装甲師団」と訳すのが一般的.
 また,ソ連軍は「戦車師団」と訳す場合が多いと思います.
 時代,国を特定しない場合は,「機甲師団」を用いるのが殆どです.

丼炒飯◆HY/YgdSbHM


 【質問】
 現代の歩兵について,詳しい本を教えてください.
 本屋覗いても,特殊部隊の本,または,個人〜分隊規模ぐらいの戦闘マニュアルばかりでした.
 機械化歩兵とか,迫撃砲中隊とか,対戦車小隊なんかにスポットを当ててるとありがたいです.

 【回答】
 手ごろなら

歴史群像アーカイブ:戦術入門
歴史群像アーカイブ」:現代戦術への道

 本気で探す覚悟があるなら

「ソ連地上軍(原書房)」
「COMBAT SKILS 1〜3」
陸戦史集「朝鮮戦争」各巻

 あと
H.コイルは「武力対決」が大隊戦闘団群規模
ケネス・マクセイ「第3次世界大戦 崩壊への道」がカナダ旅団戦闘群
をシミュってます
(Hコイルは元米軍機甲将校,Kマクセイは元英軍機甲将校)

 あと,
「アメリカ陸軍戦闘マニュアル」
「アメリカ陸軍戦闘マニュアル2 機械化歩兵の全て」
が,M2ブラッドレー,M113の機械化歩兵小隊のものです.

 なお,コンバットバイブル2は,アメリカ陸軍戦闘マニュアルの原典となる「こんばっとり−だーずふぃーるどまにゅある」やFMをベースにしているので,本格的に調べたい場合は,
「アメリカ陸軍戦闘マニュアル」
「アメリカ陸軍戦闘マニュアル2 機械化歩兵の全て」
をお勧めします.
 なお,初心者の場合は,
「コンバットバイブル」
の方をお勧め.

 教本系書籍の場合,

(1)
「コンバット・バイブル1〜2」
「歴群アーカイブ戦術入門」
「歴群アーカイブ現代戦術への道」
「戦略戦術兵器事典CヨーロッパWW2」

(2)
オスプレイ
「SdKfz251」
「ドイツ軍装甲車両と偵察用ハーフトラック」
「突撃砲兵と戦車猟兵」
「第2次世界大戦の歩兵対戦車戦闘」
「太平洋戦争の日本軍防御陣地」

(3)
「戦術と指揮」
「コンバット・スキル1〜3」
「アメリカ海兵隊の戦闘技術」
「日本軍歩兵の戦闘技術」

(4)
「米陸軍戦闘マニュアル1〜2」
「ソ連地上軍」
「パンツァータクティク」
「労農赤軍臨時野外教令」
「野外令」
「作戦要務令」
「イスラエル地上軍」

(5)
「北朝鮮特殊部隊」
「対ゲリラ戦」

と進むのが吉と思うです.
 「特殊部隊」系は本来,陸戦の基礎が判ってないと,真の意味は理解しにくいかもと言う事で,最後の最後(笑)

 まあ,この途中でどこに重心を置くかで,寄り道が分岐していきます.
(中東,朝鮮,独軍,現代米軍,海兵,赤軍…などの各専門戦史とか)

Lans ◆xHvvunznRc :軍事板,2011/07/30(土)
青文字:加筆改修部分

 俺が知っているやつだと,
H.コイルの軍事介入
には,女少尉率いる機械化歩兵の話がある.

 迫撃砲中隊ではなく,火器チームの軽迫の話なら,
ユージン・スレッジのペリリュー・沖縄戦記
 対戦車なら
オスプレイの第二次対戦の歩兵対戦車戦闘
とか.

 上2つはそれ自体が主題って訳ではないから,過度に期待しないように.
 また,下のも部隊というより,装備や運用の話になる.

軍事板,2011/07/(土)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 近接歩兵が歴史上長らく軍隊の主役であった理由って何でしょうか?
 軽装備の歩兵に弓や石を持たせ,ヒット&アウェイで戦い続けていれば,殆ど無傷で勝てると思うのですが.

 【回答】
 ヒット&アウェイには限界がある.一人が一発で決めてくれればいいが,そういうわけにもいかないだろう.
 弓はその連射性にあり,連続していっぺんに撃った方が効率が良い.
 一人こっちが逃げても,相手も追ってくるので,距離は変わらん.そんな事でいちいち陣営を崩せるわけが無い.
 そうなると,接敵されれば弓兵はほぼ無力.
 それどころか,弓兵だけなら騎兵で蹂躙されて終わり.
 そう考えると,弓はあくまで支援用の武器であり,軍団の中心となる兵器ではない.


 【質問】
 工兵に興味があるんだが,回顧録みたいな本ってないかなぁ?
 実戦における塹壕の臨機応変な掘り方とか,その他細かいことまで突っ込んだ書籍を一度は読んでみたい….

 【回答】
 回顧録なら,戦友会刊行の「工兵第三十三連隊戦記」という890pにわたる辞書並の本があります.
 流石,当人達の当人による編纂ですので,これ以上の回顧録は無いと思いますが…
(ちなみにインパール参加部隊…)

 たまにネット検索でひっかっかりますが…個人発行のレベルなので国会図書館にあるかな?

昭和55年8月15日発行
 同時期に「弓兵団(第33師団)」の戦友会「弓や会」の主導により,師団を構成した各連隊毎に戦史を編纂し発行したものです.

 どれも外箱入り(アイボリー単色,書名は背のみ)
 工兵はえんじ色,歩兵は紺の布張り装丁.

 たまに見かける古書も値段は張りますが,工兵は歩兵にくらべ若干安いようです.

 工兵連隊の回想録ではありますが,部隊から個人まで各レベルの人が,各主要作戦毎に,各中隊ごとに当時存命中の数人が寄稿.
 共同した歩兵214連隊の方からの「歩兵と工兵の共同作戦」に」ついての寄稿(戦闘経過図付き)や工兵ならではの,各部隊に派遣された時の話などもあります.
(戦車隊に派遣されたが,到着後4名しかいないので戦車隊隊長に配属を解かれ砲兵陣地に帰還した話とか…)
(・・・後でその戦車隊は工兵配属で橋をかける予定だったとか…機材なしの4名じゃどうしようもないわな…)

Lans ◆xHvvunznRc in 軍事板,2009/08/30(日)
青文字:加筆改修部分

「工兵第十八連隊史」自費出版
「日本工兵写真集」原書房
というのも存在するようですよ.

軍事板,2009/08/30(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 平時に工兵が民間の建設や鉄道・道路工事などに関わることってあるんですか?

 【回答】
 とてもよくある.
 アメリカじゃ公共工事の主体になってる.
 自衛隊もやってる.

▼ ブラジルでは,以下のような事件さえ起こっている.

――――――
■連邦会計検査院,軍部の工事費水増しを指摘(2009年12月25日)

 連邦会計検査院TCUは,軍部による道路工事に対する水増し請求を指摘した.
 ブラジルの道路工事は土木会社が主となって行われていたが,これでは不正が多くなって良くないというので,軍隊に任せるケースが増えた.
 だが,クヤバ/サンタレン道路,マットグロッソを通る国道BR163の営繕原価が,第8工兵大隊ではキロR$33.60,第9工兵大隊ではR$103.60.
 又,東北伯道路では第1工兵大隊ではR$126.20,第2工兵大隊ではR$221.40,第11建築グループR$68.50,第1建築グループR$244.40と非常に開きのある予算見積もりであり,全体として57工事,総計16億レアルの工事費支出の対する疑問が継続している.

――――――Brazil Today

 ただ米軍では工兵部隊が公共事業をするのではない.
 工兵部隊を統括する陸軍工兵隊(U.S. Army Corps of Engineers Distric)って組織がある.
 別名:陸軍建設技術本部(Engineering and Construction Divsion,)
http://www.usace.army.mil/
ってあるとおり,アメリカ陸軍工兵隊は日本で言うところの(旧)建設省のような組織.
 公共工事以外にも建築基準の策定や検査,橋梁河川の管理(沿岸警備隊と共同)など任務は多岐にわたる.

 まあ,工兵による土木工事の起源は,カエサルのローマ軍まで遡るよね.


 【質問】
 軍隊の土木工事技術が,実際に民間へ技術移転した例はあるのか?

 【回答】
 例えば戦後間もない頃の日本のダム建設には,米軍工兵隊の教範が役立てられている.

***

 首都圏を走るJRの電気の大部分は遠く信濃川を流れる水の恵みから来ています.
 この発電所はJR東日本自前のもので,計画が立てられたのは1919年のこと.
 実際の建設工事は1931年から行われ,1939年に第一期工事が完成し,千手発電所での発電が開始されます.
 その後,電化の進展と共に増強が行われ,1951年から小千谷発電所,1990年からは新小千谷発電所が稼働し,約45万キロワットの発電を行っています.
 このほか,川崎には火力発電所があって,これらで首都圏の電車や新幹線の動力を賄っているわけです.

 これら水力発電所は.水路トンネルによって取水口と発電所の位置を話して落差を得る方式で,信濃川の水を宮中で取水し,水路トンネルを経て,千手と小千谷に発電所を設けました.
 この発電所には,いずれも調整池が付随しており,千手には浅河原調整池,小千谷には山本調整池,新山本調整池があります.
 これが何のためにあるかといえば,ラッシュアワーに利用する為のものです.
 日中や早朝深夜の様な閑散時は,水路トンネルから水槽を通じて発電機に水を直送して発電し,同時にその余剰水は調整池に貯めておきます.
 そして朝夕のラッシュアワーになると,発電量を増すため,調整池からも水を供給して発電能力を高める訳です.

 朝のラッシュアワーが終わると,この調整池は殆ど空になりますが,水量の多い信濃川では,夕方になると調整池は再び満杯になっているそうな.
 この為,この地域に住んでいる人は居ながらにして東京のラッシュを想像出来る訳です.

 これらの調整池のうち,旧山本貯水池は,日本初の機械化施工による大規模工事でした.
 この調整池は,1954年に竣工しましたが,工事着手は1950年代初め.
 小千谷市内のスキー場として知られていた山本山の山裾に沿って,土堰堤を造り,水を湛水するもので,まぁ,農村の溜池を大規模にした様な感じです.
 堰堤の長さは926m,堤体積66万m^3,有効水深7m,有効貯水量103万m^3に達するものです.

 この時の土工量は130万m^3.
 この調整池の準備工事は1951年に始め,本格工事は1952年から,使用開始は1954年11月1日と,スケジュールが既に決まっていました.
 ですが,水が多いと言う事は,降水量が多いと言う事でもあります.
 実質工期は2年足らず,しかも,この地域は日本有数の豪雪地帯であり,冬場の工事は不可能.
 でもって,夏場(5〜10月)も山沿いであって雨が多い地域.
 この調整池は,土砂や礫などの土質材料を少しずつ積み上げ,締め固めて造るものですから,雨が降ると固める事が出来ません.
 かと言って,全然水気がなければ良いかと言えば,そうではなく,転圧締め固めの為には用土が最適含水比の状態になければなりません.

 其処で,この工事には転圧締め固めの年間作業可能日数とか時間を,あらかじめ推定するため,天候,つまり,その期間の降水量,日照時間,気温,天気の情報が重要となります.

 このための基礎資料として,施工休止日数と一日あたりの降水量の関係を調べた資料が必要でした.
 1mm以下だと支障なしでも,
1〜2mmだと平均0〜2日,
5mm以下だと1〜3日,
10mm以下だと1.5〜3.5日,
20mm以下だと2〜4日,
30mm以下だと3〜5日,
40mm以下だと4〜6日
の休工が必要となります.
 こうした事から,年間工事可能日数を85〜120日の幅と推定しました.

 一方,実際のこの地方の天候ですが,この地域は小千谷縮みの産地である事から,その原材料となる絹糸を作り出す蚕を育てるため,桑樹も育てています.
 その生長が天候に左右される事がわかり,小千谷桑樹試験所が開設以来,11年間記録していた天候表を入手する事が出来,これを分析した結果,実際に高じ可能な日は年間57.3日にしか過ぎない事が分りました.

 これでスケジュールは立てる事が出来たわけです.

 それでは,この期間でどうやって工事を進めるか.
 まず,130万m^3の土をどうするか,全体計画を立てます.
 このうち,表土は元々の土地が水田なので,これをダム用には使えないので捨てるなど,捨てる土が66万m^3,締め固め転圧に用いる粘土や砂利,盛土など,利用する土が64万^3と算出されました.

 この土をどう動かすか,その時に活躍した資料が,米軍工兵隊の教範で,"Use Of Road and Airdrome Construction Equipment"と言う1945年1月発行の小冊子でした.
 この資料には,各機種ごとに使用方法や時間あたりの作業量が掲載されていました.
 これを参考に,土工計画の各作業に必要な機械台数をまとめた訳です.
 よもや,米軍も道や滑走路を造る教本が,ダムを造るのに使われるとは思わなかったのではないでしょうか.

 こうして,この工事に投入する建設機械は,パワーショベル8台,ブルドーザー兼トラクター20台,スクレーパーとトラクターの組み合わせ2組,ダンプトラック65台,ロードローラーと牽引車が11台の合計106台.
 これは当時,国鉄が保有していた建機の過半数を占めました.
 各建機の主要機械には1台あたり2名のオペレータを配して,2交代制の作業とし,ダンプトラックのオペレーターは現地採用としました.

 建機のオペレータは毎年4月に小千谷に出張し,11月に元の部署に引き上げる生活をしていました.
 3日に一度の割合で,運転,整備,休養を繰り返して作業を行っていました.
 晴天の日には,少しでも時間を短縮すべく,夜間まで投光器をつけ,その明かりで作業を行いました.
 機械酷使の可能性もありましたが,中古の払い下げ機械は大故障は全くなく,半年ごとに基地に帰って,オーバーホールを行うだけで済みました.

 こうした建機は,どこの職場からも引っ張りだこでした.
 当時,三菱,小松や振興重機など各社から国産の建機が売り出されたり,ダンプトラックも国産のものが手に入る様になり,小千谷に3台新品の国産を送るから,1台小千谷のブルドーザーを移送しろ,と言う指令が来たのですが,小千谷部隊は,頑としてこれを拒否していました.

 それでも,本部が強引に国産ブルドーザーとダンプトラックが2〜3台送られてきました.
 結局,この国産の機械は,足回りが弱く,エンストをたびたび起こして使い物にならず,オペレータは誰もこれに乗ろうとはしなかったそうです.

 この旧山本調整池は,最初の綿密な作業計画と,建設機械の大量投入により,工期通り完成しました.
 これをきっかけに,以後,各地で建設機械の投入が進み,国産の建設機械もまともな性能を出せる様になっていきます.

 因みに,1990年に完成した新山本調整池は,貯水量320万m^3,堤体積230万^3と貯水量は旧の3倍,堤体積は2倍になっています.
 それだけの規模のものが,工期わずか4年で完成したそうです.
 これは,それだけ機械が進歩したからで,例えば,当時ダンプトラックの積載量は4tだったのに,新調整池の建設時に投入されたダンプトラックの積載量は45tに達し,当時のダンプの10台分の能力を持っています.
 その後,日本での工事には77t積みダンプも投入されるなど長足の進歩を遂げています.

 僅か60年前には鶴嘴,畚と人海戦術だったのに比べると隔世の感がありますね.

眠い人 ◆gQikaJHtf2,2008/06/22 22:36


 【質問】
 国境警備隊って,軍に置くものなのでしょうか?

 【回答】
 当然,国によって異なる(例えばソ連ではKGB傘下)が,通常は準軍事組織として軍隊とは別の組織に所属するのが一般的.
 戦時には軍の指揮下に入る,と言う形を取るのがほとんど.

 国境線(海でも)にすぐ「軍隊」を配備してしまうと,ほんのちょっとした事故(銃を暴発させたら弾が「向こう側」に飛んでって人に当たったとか)でも即刻戦闘が起きたりするし,純粋な事故でも「挑発行為を仕掛けた」として開戦の口実になってしまったりするため,あまり関係の良好ではない国との国境線に軍隊を配備するのは避けるのが,現代国際政治のたしなみ.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 国境警備隊について質問です.
 国境警備隊は戦争の際に他国から軍隊が攻めてきたら
1:国境地域で自国の軍隊が来るまで攻めてきた国の軍隊を足止め,自国の軍隊が来たら撤退.
2:国境地域で自国の軍隊が来るまで攻めてきた国の軍隊を足止め,自国の軍隊が来たら軍隊と一緒に戦う.
3:即撤退.戦闘は専ら軍隊に任せる.
の3つの内,どの行動をすることになっていますか?
 各国の国境警備隊によって違いがあったら,それも教えて下さい.

 【回答】
 最近の,ある程度しっかりした国の国境警備隊のマニュアルでは,国境に接近したら警告・威嚇・実力行使という段取りはどこも一緒.
 奇襲を受けてしまった場合は,この段取りで行動するしかない.
 敵が攻めてくるのが分かっている場合や,可能性が高い場合は,国境の管理は軍が行うようになる.
 ニュースでたまにある「国境付近に軍が展開」というのは,こういった事態.

 巻き込まれない限り,軍の戦闘に国境警備隊が参加することはまず無いが,避難民の誘導や救護,非戦闘地域の見回り,交通整理,民間人の立ち入り規制,民間人が避難した地域がドサクサ紛れの略奪にあうのを防止する――といった仕事を行う.
 その土地で,土地勘のある地元民が,交通整理や,民間人の避難をやってくれるだけでも,正規軍としては大助かり.

 ないしは,郷土防衛隊などの民兵組織の中核となり,正規軍の補助を行う.

 日本の場合,海上保安庁がそれに当たるので,防衛出動が出されるまで海保が侵攻してきた敵対勢力に対処する.
 実際には,ほぼ何もできないに等しいだろうけど.

 んで,海自が出てきたら,海自にバトンタッチ.
 装備にしても何にしても,共同戦線張れるような体制は整ってないし,海保の船では護衛艦が相手をするような敵には,殆ど相手にならないだろうから.
 で,いわゆる「戦時下」になったら,海保は海自に協力して沿岸警備・監視や港湾の護衛を行うことになってる,と記憶している.

 例外かもしれないが,アメリカのコーストガードは,警備艇にハープーンミサイルを搭載してるくらいなので,一瞬でとは言わないが,そこそこ足止めとか,海軍の支援は可能かもしれない.
 一応,戦時には戦力として組み入れられることにはなってるし.

軍事板
青文字:加筆改修部分

 一般に国境警備隊って準軍事組織だからな.
 相手に必要以上の脅威を与えないよう,戦車・火砲といった侵攻用の装備を(あまり)持ってない以外は,軽歩兵.装甲車や機関銃は普通に持ってるし,問題視されない.

 友好国同士だと経費を削減して,警察的な存在に近づくけどな.

モッティ ◆uSDglizB3o in 軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 世界の軍には「山岳部隊」という部隊があるそうですが,どのような装備を持ち,どのような訓練を行っているのか知りたいです.
(特にどこの軍について,という希望はありません)
 日本にも該当する部隊はありますか?

 【回答】
 ひとくくりにするのもあれですが,山岳部隊は,読んで字の如く,山岳戦に特化した部隊です.
 従って,厳しい自然環境である山岳地帯での行動が出来るよう,登山訓練,登攀訓練などを行います.
 また,基本的に補給は難しいので,サバイバル訓練なども行われます.

 装備としては,山岳地帯での行動が可能なように,防水,防寒装備なども充実しています.
 また,登山装備としてハーケンやザイルなどが支給されています.
 移動手段は基本的に徒歩(場合によっては家畜(ロバなど)を用いる場合がありますが)なので,携行武器としては小銃,迫撃砲,機関銃などを主として,後は人力または家畜によって牽引するか,分解可能な軽砲を装備するくらいであり,車輌を使うことは少ないです.

 自衛隊には専門の部隊はないですが,北陸辺りの部隊で,山岳戦訓練をしていたような記憶があります.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2005/08/31(水)
青文字:加筆改修部分

 特に高山で戦う状況が想定される国では,その種の部隊を置くようです.
 スイスには,登山やクライミングの技術を学ぶための陸軍の訓練施設もあります.
 訓練内容は登山,クライミング,スキー,山岳地域でのパラシュート降下など登山技術&山岳地での軍としての行動の訓練が行われます.
 当然,装備類も山岳用に,一般とは別のものが用意されています.

軍事板,2005/08/31(水)
青文字:加筆改修部分

山岳訓練
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 軍隊の登山部隊って,どんな道具を使ってるのですか?
 ザイル,カラビナ,登高器,下降器,ハンマー,鉄杭といった,民間の登山で使うものをそのまま使ってる?
 あと,雪中登山ってするのですか?

 【回答】
 軍隊で扱う登山用品と一般人の扱う登山用品に,目立った違いはありません.
 民生品のものとの差異といえば小型,軽量化がされているといったものでしょう.
 しかし民生品を使用する将校もいるようで,ドイツ連邦軍の山岳旅団の将校がブラックダイヤモンド社製のアイスアックスを使用していたのを,どこかの雑誌で目にした記憶があります.

 雪中登山は山岳師団などであれば,ほぼ訓練で行っています.
 現在で挙げればイタリアのアルピニ部隊,ドイツ連邦軍第23山岳旅団などが有名です.
 WW2で挙げればアメリカ軍第10山岳師団や,エーデル・ワイスのエンブレムが有名なドイツ山岳猟兵部隊(ゲビルクスイェーガー)などが,実戦で2000m級の山に進軍した過去があります.

軍事板
青文字:加筆改修部分

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 擲弾兵,ってのは何かを投げるんですか?

▼ 【回答】
 擲弾兵(Grenadier)というのは元々は,擲弾(手榴弾の先祖)を敵に投げつけるのを専門とした兵士のこと.
 銃を持たずに敵に肉薄するので,勇敢でなければ勤まらなかった.
 後に意味合いが変化し,ナポレオンの時代には「選抜された精鋭歩兵」の意味になった.

 擲弾は今の手榴弾よりずっと大きかった.黒色火薬だから十分な威力を求めると大きくならざるを得ない.
 そのため,これを投げさせるには,ガタイのいいのを選んで部隊を作る必要があった.
 このことが「選抜された精鋭歩兵」と言う意味の発生につながったのだった.


 それに習えと戦時中にヒトラーが歩兵を擲弾兵と名称変更することになるが,それはまた後の話.

 擲弾兵(Grenadier)というのは元々は,を敵に投げつけるのを専門とした兵士のこと.
 擲弾というのは手榴弾の先祖で,外国のマンガによく出て来る,黒くて丸くて導火線のついてるアレ
 今の手榴弾よりずっと大きかった.
 黒色火薬だから十分な威力を求めると大きくならざるを得ない.

 そのため,これを投げさせるには,ガタイのいいのを選んで部隊を作る必要があった.
 つまり,重い擲弾を投げる必要上,人並み外れた腕力と体力が必要であり,加えて,銃撃される中最前列で全身を晒して擲弾を投げなきゃいけないので,優れた肉体と強靭な精神力が必要なため,選ばれた者しかなれないエリートだった.

 後に意味合いが変化し,ナポレオンの時代には「選抜された精鋭歩兵」の意味になった.
 上述のことが「選抜された精鋭歩兵」と言う意味の発生につながったのだった.

 そのうち名前自体も廃れるが,第二次大戦中にヒトラーが,それに倣えと歩兵を擲弾兵と名称変更したことにより復活した.
  ドイツ連邦軍は今でも擲弾兵 (Grenadiere),装甲擲弾兵 (Panzergrenadier) って名称.
 これらはそれぞれ軽装甲車配備の自動車化歩兵と装甲兵員輸送車配備の機械化歩兵のことだ.

 なお,今は分隊や小隊の中でグレネードランチャー担当の兵のことを Grenadier と言うけど,これは単に「グレネードランチャー担当」というだけだな.

軍事板,2005/01/03
軍事板,2009/08/24(月)(黄文字部分)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 物書き目指してて,人間の動きやモーションや緊迫感の参考にしたくて,良質な歩兵戦の戦記物探してるんですが,オススメないですかね?
 自分は,沖縄戦のシュガーヒル(?)の戦記物から入ろうかと思ってました.

 【回答】
 WW2の陸戦だけでも沢山あるし,時代や国,どの戦争・戦域か等をもっと絞った方が回答を得やすいと思う.

 とりあえず一兵士の視点なら,
「今ここに神はいない 米海兵隊員が見た硫黄島の地獄」(リチャード・ユージン・オバートン/梧桐書院)
「ペリリュー・沖縄戦記」(ユージン・B・スレッジ/講談社学術文庫)

 下級指揮官の視点なら,
「擲弾兵 パンツァーマイヤー戦記」(クルト・マイヤー/学研M文庫)
佐々木春隆の日中戦争4部作
「長沙作戦」「華中作戦」「桂林作戦」「最後の打通作戦」(図書出版社または光人社NF文庫)
(※出版社によってタイトルが微妙に違うので注意)
あたりがお薦め.

 あと,戦車搭乗員から見た,歩兵・戦車・砲兵などを組み合わせた小〜中規模戦闘の話として,
「ティーガー戦車隊」(オットー・カリウス/大日本絵画)
なんてのもある.

 ついでに言えば,同じ戦いを兵隊,指揮官,敵側,あと概説など,それぞれから見た話を別々の本から当たっていくと,更に理解が進み易い筈.

軍事板,2012/01/20(金)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 猟兵は,現在で言うところのレンジャー部隊なのでしょうか?

 【回答】
 散兵,軽歩兵.レンジャーとも狙撃兵とも違う.射程が短いマスケット銃装備の戦列歩兵は,敵の突撃に備えてある程度厚みの有る隊列を組まなければならない.
 後ろの人間は火力は無駄になる.

 その隊列の前方にライフル銃や銃身が短いカービン銃(装填が容易だが銃剣戦闘は不利)を持たせた散兵を展開させて射撃戦に専念させた.
 本格的な射撃戦の前に敵の将校や旗手,あるいは敵の散兵を狙う.
 現在で言えばスナイパーに近い.

 レンジャー云々は「騎乗猟兵」との混同だろう.
 プロイセンやナゼかアメリカ(乗馬ライフル兵)に見られる兵科で,挺進活動等に用いられる事が多かった.

軍事板


◆◆◆◆空挺部隊


 【質問】
 空挺作戦って何?

 【回答】
 空挺作戦とは,航空機により兵力を迅速に送り込むことです.
 基本的には,戦線後方の敵地を襲撃したり占拠したりしますが目的として,大きく3つに分かれます.
1. 敵地に降下し破壊行動や撹乱を行う.
(これは,特殊部隊やスパイを送り込むもので,作戦後速やかな撤収が行われます.)
2. 敵地に降下し,その地域を制圧する.
(戦略上重要な地域を制圧し,味方の進撃を助けたり,敵の増援部隊の投入を妨害したりします.)
3. 味方部隊の救援
(危機に陥った味方部隊を救援するため,増援部隊として降下)

 以上ですが,1は比較的小規模な作戦であり,一般に空挺部隊が行うのは2と3になります.
 しかし,空挺部隊は航空機により輸送されるので,戦車などの重装備は持ち込めず,補給物資も最小限になります.
(もちろん,航空機による空挺補給は行われます)
 つまり,空挺部隊は機動力がある分,軽装備なのです.
 よって,大規模な作戦では,地上部隊との連携が非常に重要です.

軍事板,2003/04/25
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 第二次世界大戦後に行われた,主な空挺作戦を教えてください.

 【回答】
1950年10月 朝鮮戦争 DZ Easy,DZ William 作戦(米187空挺連隊戦闘団)
1951年3月 朝鮮戦争 トマホーク作戦(米187空挺連隊戦闘団,第674空挺砲兵大隊,第2,第4レンジャー大隊)
1953―54年 ディエン・ビエン・フーの戦い(仏第1落下傘連隊 第1外人落下傘大隊など)
1956年11月 スエズ動乱(英第16空挺旅団)
1967年2月 ベトナム戦争 ジャンクションシティ作戦(米第173空挺旅団)
1967年4月 ベトナム戦争ハーベストムーン作戦(米第1特殊作戦群,第5特殊作戦群)
1978年5月 ザイール・シャバ州抑留欧州人救出,コルウェジ降下作戦(オペレーションレオパルド:フランス外人部隊第二落下傘連隊,ベルギー空挺部隊)
1983年10月 グレナダ侵攻アージェントフューリー作戦(米第75レンジャー連隊第1,第2大隊,第82空挺師団第307工兵大隊,海軍SEAL,空軍戦闘管制チーム)
1989年12月 パナマ侵攻ジャストコーズ作戦(米第75レンジャー連隊,第82空挺師団)
2001年 Enduring Freedom作戦 アフガニスタン・カンダハル近郊(米第75レンジャー連隊)

 なお,グレナダの時はパラシュート降下したのは75レンジャーの第1大隊,第2大隊だけです.
 82空挺の歩兵連隊は,輸送機でそのまま空港に着陸しました.

 また,パナマの時にパラシュート降下した82空挺師団は,504連隊の第1大隊と第2大隊です.

軍事板,2003/03/07
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ヘリボーン部隊って,ひょっとして弾とかメシとかの消耗品と整備する人とかも全部ヘリで運ぶんですか?
 なんかすごい数のヘリが必要になりそうですけど.

 【回答】
 状況と部隊の大きさによる.
 例えば湾岸戦争のときに,第101空中強襲師団がヘリで部隊をサウジからイラク領土内まで機動させているが,ヘリのみを使っているわけでは無かった.車列で運ばれているものも沢山ある.

 また,イラク戦争にも第101は3個旅団(当時は3個旅団+2個航空旅団など)全てが参加しているが,やはりヘリで全て運んでいたわけではない.
 そもそも,アメリカからクウェートへは船舶で運んでいますし.

 一方,映画「ワンス・アンド・フォーエバー」のイアドラン渓谷の戦いなどは,大隊や中隊をヘリで戦場に持って行っている(ただし砲兵とか航空機とかいろいろ支援しているのがあるわけだけども).
 しかし,一度に全員をヘリで運んで居らず,何度かに分けて弾薬と一緒に運んできて,負傷者なんかを連れ帰っている.


 【質問】
 機械化空挺部隊は装備一切をヘリコプターに輸送してもらうのですか?

 【回答】
 をいをい,ヘリコプターで輸送できるのは,ほんの僅かな機材と人員だけだぞ.
 戦車や車輌の輸送なんて,超大型輸送機をもってしても1両かそこらだ.
 積載可能な重量についてはWikipedia参照されたし.

 燃料や整備などの都合により行動範囲が狭いヘリコプターって,常に陸上部隊と密接に共に行動するものだ.
 むしろ「陸」の部隊が,「空」のヘリコプターを輸送してるようなものだ.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 最近の空挺部隊は,実戦で落下傘降下をあまりしないって本当でしょうか?
 無論,練習はされているのでしょうが,やはりリスクは高いから,なるべく避けるものなのですか?

 【回答】
 米軍は結構やってるな.
1983年のグレナダ侵攻の時に米軍第75レンジャー連隊がポイント・サリンス国際空港に
1989年のパナマ侵攻の時に米軍第82空挺師団がトキュメン国際空港に
2001年のアフガン侵攻の時に米軍第75レンジャー連隊第3大隊がカンダハル付近の飛行場に
2003年のイラク侵攻の時に米軍第173空挺旅団がイラク北部に
同時期に米軍第75レンジャー連隊第3大隊がイラク北部の飛行場に
http://en.wikipedia.org/wiki/Airborne_forces#Recent_history

 まぁ,空挺の存在を示すための意味合いが強い作戦ではあるが.
 ヘリに比べて大部隊を遠距離に投入できるメリットはあるけど,降下させるために,輸送機は低空を低速で直線飛行せにゃいけないから,防空システムの発達した現代では使いにくい戦法ではある.

軍事板,2009/07/06(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 空挺団の兵隊がパラシュートで敵地に降りて戦争をすることはもうないのでしょうか?
 第二次世界大戦ではかなり聞いたんですが,それ以後はあんまりやってないみたいなんで,,,損害が多すぎるからってことでしょうか?

 【回答】
 落下傘降下自体はイラク戦争でもやってます.
 ただしそれは,危険の少ない後方地帯に兵員を迅速に展開させるための手段で,WW2のような降下即戦闘と言う事態は,その損害率の高さからほぼ行われないと見ていいです.
 朝鮮戦争,ベトナム戦争,グレナダ侵攻,パナマ侵攻でも空挺は行われていますよ.ヘリができてからはヘリで済ませられるところはヘリでやるけど,輸送機のほうがヘリより便利な点もあります.
 旧ドイツ軍ですら,クレタ島降下の際のあまりの損害率の高さに,ヒトラーが以後,空挺部隊の積極的投入を控えさせたということからも分かるかと.

<最近の落下傘降下>

 アフガニスタンのOEF(不朽の自由作戦)ではカンダハル付近の滑走路にレンジャー連隊が降下.

 イラクでのOIF(イラクの自由作戦)では第82空挺師団の2個大隊が,カルバラ地峡(ユーフラテス川を機甲部隊が渡りやすい場所のひとつ.運河,用水に邪魔されないけど脇に湖があり狭い)に降下するという作戦計画があった.実行されず.

 同じくOIFでアービル北東のクルド人自治区内(要するにイラク北部軍団が手出しをできないところ)に,イタリアのヴィチェンツァに駐屯していた第173空挺旅団が空挺降下.

パラシュート降下
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 先日TVで自衛隊の落下傘部隊の演習をやっていました.
 敵陣地に降下するそうですが降下中,敵に狙い撃ちされ,全滅する危険性は無いのでしょうか?

 【回答】
 全滅はともかく大損害の危険はあります.
 第2次世界大戦中,ドイツ空挺部隊がクレタ島を攻略した際は降下中を対空射撃に狙われて,大被害をこうむってます.
(通常の判定なら「全滅」扱いになるほどです)

 むろんそれを避けるための対策は講じます.
 事前の制圧攻撃や,逆に降下を悟られないよう奇襲を選択すること.

 そもそも空挺部隊員は大火力を携帯できないので,それをカバーするため,個々人の戦闘能力自体も一般兵よりかなり上になるよう鍛えられています.
 そうであるからこそ空挺部隊員はエリート扱いです.

 また,高高度を飛ぶ航空機は視認されにくいことを利用して,高高度降下低高度開傘というものが行われます.
 実際問題,空挺には砲撃がセオリーですが,特に薄暮とかだと正確な降下位置はなかなか分かりません.
 低高度開傘なら尚更です.
 自衛隊も連隊レベルでは対空レーダーも無人機もありませんから,偵察部隊を派遣して位置測定するしかありません.

 ただし現代戦においては,パラシュート降下は正確な場所に降下したり,集結が難しいため,セレモニー的要素が強くなっています.
 現代戦の主役はヘリボーンですよ.

 ロシアなら,空挺装甲車に乗車したまま落下傘空中投下で降下したり,空港に強行着陸したりもしますが.
 何れも,空港や港湾などの攻略目標から離れた場所に降下して,砲撃されて断片で死傷するのを避けます.

軍事板
青文字:加筆改修部分

降下中,敵に狙い撃ちされるの図
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 開傘後の方向制御はどの程度,出来るものなのですか?
 やはり風の影響は大きいのでしょうか?

名無し因果応報 ◆4dGOthLouM : 軍事板,2003/03/06
青文字:加筆改修部分

 【回答】
 感覚的にですが,丸い傘は四角い傘の10倍位操縦性が悪いです.
 丸い傘は制動性が高いとされています.
 四角い傘はレンジャー用になっています.
 丸い傘は上空から見て,
「あ,あそこに岩がある.あっちは柔らかそうだ,あっちに降りよう」
って位の移動しか出来ません(笑
 風にはむっちゃ流されます.
 よそのお庭に降りちゃった奴も居ます(爆笑
 なんつーんでしょうか,鉄棒で「懸垂」をするのと同じで,肩から上に延びるハーネスが4本あって,どの綱で懸垂するのかで方向を変えられます.
 方向転換はとても疲れます.
 なるたけならしたくないです.

 でも,四角い傘なら降下と言うよりも「前進して飛んでいる感じ」で,方向の転換は2本の取っ手付きハーネスのみで操れます.
 観光用のパラは,間違い無くこのタイプです.
 本当に本当の事を言いますと,風の強い日は降下は中止です.
 危ないですから(笑

プリン : 軍事板,2003/03/06
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 首都を制圧するとはいえ,市街地にパラシュートって無謀でしょうか?
 孤立したら一般市民にリンチされそう.

 【回答】
 そんな障害物だらけで地面が固い場所にパラシュート降下したら,戦う以前に死傷者続出で戦争にならねえだろ.
 映画,「史上最大の作戦」での空挺が町に下りるシーンを見れば,どうなるかわかるぞ.
 都市部じゃなくて田園や沼地がある場所でも,あの騒動になる.
 あれは本当は,近くの野原に降りる予定だった.
 町の真ん中に降りたのはまだいい方,かなりの数の降下隊員が,そのまま海に落ちて行方不明になっている.
 ロンメルが指示して,パラシュートやグライダーが降りられそうな平地を灌水させて沼地化したり,杭やワイヤーで障害物作ってたからな.
 夜中に対空砲火を浴びながら,風に流され予定外の場所にバラバラに降下・・・
 怪我の功名で,むしろ敵が混乱してくれたが.

 普通,降下ゾーンなんてのは部隊集結がしやすいような場所が選ばれたりするんで,いきなり街のど真ん中に降下するのは無謀と言っていい.
 装備も軽歩兵に毛の生えたようなものしかなく,補給も簡単に望めない.

 マーケット・ガーデン作戦(遠過ぎた橋)の顛末も参照するが吉.
 白昼堂々,敵地に兵隊を降ろしたマーケットガーデン作戦では,結局,目標=各橋梁に距離があり,即時の目標奪取に多くが失敗している.
 特に,最終目標値のアルンヘム橋は,偵察大隊1個が橋梁の片側をようやく確保しただけに終わった.
 一歩手前のナイメーヘン橋は,味方側の市街の奪取に手こずっている間に,対岸側にSS装甲部隊の一部が陣取ってしまった.
 難しいもんだな.

 ドイツのやったクレタ島では,敵前に降りてしまい,空中や降りた直後に射殺される者が続出.
 ドイツ軍のパラシュートは,降下中に進行方向をコントロールできないタイプだったのでなおさら.
 飛行場と周辺を完全占領しないうちに,輸送機を強行着陸させ,空輸歩兵を送り込んだが損害も大きかった.
 またこの当時,ライフルや機関銃はコンテナに入れて投下,別の所に落ちてしまい回収に手間取り,拳銃や手榴弾で戦うハメに.
 最後のはパレンバンの日本陸軍落下傘部隊でも,同じ事があったそうで.

軍事板,2009/12/07(月)〜12/08(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 空挺の方って,何kgくらいの装備を持って降下するんですか?
 また,どの程度の装備なら持って降下出来ますか?
(重機関銃や軽機関銃,対戦車ミサイルなど)

 【回答】
 陸自では公称50kgとされていますが,実は重装備開傘はとても危険なんですね.
 ハーネスを上手く繋いで,人体に負担がなるべく掛からないように装備して,降下中に5m位下に吊るして着地するのですが,飛び出し塔(訓練施設)では50〜60kgkgでやりますが,実際の降下では30〜40kg位に少なくしてしまいます.
 でも米袋が10kgですから,極限の重さと言って過言では無いんですが・・・

 感覚的には15回降下で1怪我と言う感じで,着地で腰をヤッちまうんですね.
 腰をヤるとマジきついんす.
 なかなか治らないから,戦力的にもどうかな.
 あまり無理はし過ぎないのも,重要な判断なんです.

プリン : 軍事板,2003/03/06
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 空挺師団の中に,武装ヘリ部隊や戦車部隊を組み入れることはあり得ますか?

 【回答】
 普通にある.
 空挺歩兵というが,落下傘降下しないときは精鋭軽歩兵 (こういうと普通の歩兵に怒られそうだが)という扱いになる.
 こうした軽装備部隊と戦車,歩兵戦闘車を装備した重装備部隊との組み合わせは,旅団規模の演習をする演習場などで2週間くらいかけて演習をして,旅団の訓練の仕上げという形で行われていることもあった.
 最近はイラク戦争に派兵されるまえの仕上げという位置づけになっているようだけれども.

 また,1989年のパナマ侵攻ではM551空挺戦車(ほんとはもちっと違う名前があるが)を空中投下して使っている.
 その頃は空挺師団にも機甲大隊が固有の編制で入っていた.

 イラク戦争では第82空挺師団の1個旅団が通常戦闘期間において第3歩兵師団の進撃路,つまり,主要な補給路を扼する位置にある都市のひとつであるサマワ(自衛隊が宿営地を置いていた街) の包囲と占領を行っており,その際に1個機甲大隊が配属されていたと思う.
 北部戦線では欧州のイタリアから第173空挺旅団が落下傘降下と航空機による輸送で展開し,その後戦車4両などがC-17で運び込まれてきている.

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 ヘリなんかで急行する即応部隊に,戦車部隊を配備する意味はありますか?
 戦車を配備しても輸送に時間がかかるなら,即応部隊に配備するより,地元の戦車部隊に急行してもらったほうが効率的ですよね?

 【回答】
 意味はある.
 例えば日本の場合,全国の師団(連隊)の大隊すべてに精鋭の90式戦車を分配するだけの国力は無い.

 だから,大規模な敵陸軍が着上陸した場合,その上陸地点の日本の部隊だけでは戦車が不足するかもしれない.
 ま,現実の日本ではそんな事は起こらないだろうけれど.

 そこで,どこへでも出張(でば)る事ができる陸上兵力として,ヘリ部隊と共に行動する戦車部隊が必要かもしれない.

 たとえばソ連軍の場合,空軍のヘリ部隊を割り当てて,通常の機械化部隊をヘリボーン作戦に使用する.
 といっても,装甲車や戦車と言った重装備は置いて行くんだが.
 だがソ連軍の空挺部隊は機械化されていて,IFVや自走対戦車砲を空中投下して展開できるというのは有名な話.

軍事板
青文字:加筆改修部分

▼ フハハハハ 我が精鋭なるソビエト空挺軍の力をもってすれば,どんなモノでも空挺降下可能になるのだよ.
 その気になれば,空挺師団の持つ全装備を空挺降下されることは容易いこと!
 恐怖に怯えるが良いぞ,イポーニャの諸君.

 ・・・・・まぁ師団の全装備を運べる輸送機の数があればの話だし,それとそこまでするか?というのもあるけどな(笑)

画像 空挺降下する軍用トラック
faq49g06v06b.jpgへのリンク
faq49g06v06c.jpgへのリンク
faq49g06v06d.jpgへのリンク

CRS@空挺軍 in mixi,2009年04月24日22:18

>その気になれば

 パラシュートなしで投下するんですね?
「雪の上だから大丈夫だろ〜」 と (w`;

ベタ藤原 in mixi,2009年04月24日 22:58

>どんなモノでも空挺降下

 空から牛を降らせて漁船を撃沈したこともあるしな,ロシア軍は.▲


 【質問】
 空挺部隊は特殊部隊なのですか?

 【回答】
 諸外国を含め空挺部隊はその任務上高い技術と志気を有したエリート部隊として位置付けられ,特殊部隊の人材の供給源となっていることもあります.


 しかし空挺部隊は「空挺降下も出来る歩兵部隊」であり,あくまで士官・下士官・兵から成る「野戦部隊」なのです.

 たとえば英国陸軍特殊空挺部隊(SAS)」は,空挺だけでなく,各部隊から下士官以上の志願者を募っていたはずです.
 その志願者をすごく過酷な選抜試験でふるいにかける,と.

ドカン・オオカミ◆s6tJH5.VuA in 自衛隊板


 【質問】
 落下傘・空挺部隊は,なぜ精鋭なのですか?
 フランス外人部隊でも,自衛隊でも,精鋭とされています.
 ほとんどの国で落下傘・空挺部隊というのは,精鋭部隊なのでしょうか?

 【回答】
 逆に考えるべき.
 精兵,精鋭とおだてられて居るのを承知で飛び込む人たちが集まっている,チャレンジャーが一杯の集団=空挺.

 普通の人は三階の窓から芝生に飛び降りたり,綱がついていても10mとか15mくらいの鉄塔から飛び降りたりしない.話の分かる奴だ.
 だが,空挺は違う.一切合財を背負って腹の前にもぶら下げて,ヘリや輸送機から次々飛び出ちゃう.
 落下傘が開くかとか迷ったりしない.
 スカイダイビングではごくまれに開かなかったり,予備傘が主傘のコードに巻き付いたりとか事故が起きる.
 それを仕事で日常的にやっちゃう.

 しかも,日本の演習場は狭い.
 アメリカのグリーンベレーの人が降下するところなんかは,狭くてわざわざ脇の海面に着水するのを選んでた人がいたくらい.
 そんな狭いところに平気で降りる.

 さらに精鋭扱いになっているから,いざというときわけのわからない任務に投じられる.
 たとえばオウム事件とか待機してたという話.

軍事板

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 空挺隊員は歩兵に比べ,給料でも差があるのですか?

 【回答】
 差がある場合もある.

 たとえば第二次世界大戦時のイギリス空挺部隊には,降下隊員特別手当が支給されていた.
 一日2シリング.

 自衛隊の空挺団でも降下一回につき,6650円の落下傘降下作業手当が出る.

CRS@空挺軍 in mixi,2009年01月08日22:08
青文字:加筆改修部分


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