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◆◆地上兵力
<◆軍事組織関連
<総記FAQ目次

「朝目新聞」●可憐な殺戮者 (of 夢美坂)
>戦闘関連のマニアックな蘊蓄が入る場面も多し.
「朝目新聞」:●先生「はーいそれじゃ一個小隊つくってー」 (of SLPY)
「ワレYouTube発見セリ」:RUSSIA vs USA - Battle of the Special Forces
【book】
『Scout Out』
騎兵,偵察部隊の今後について論ずるもの.
戦史で先例を探して跡づけて,結論に援用するスタイルは,CSIの他の小論と共通.
騎兵と歩兵の各階梯での機動力にほぼ差異が無くなったことが,偵察兵科の先の見通しが混乱している原因と見ているように思われる.
――――――軍事板
『機甲戦の理論と歴史』(葛原和三著,芙蓉書房出版,2009.6)
あとがきで著者が書いていることが極めて重要と思うので,まず紹介します.
<日本陸軍はドイツの用兵思想を基礎とした西洋兵学を受容したが,「主義」としての確立はあったものの「理論」としての評価,批判,改革において限界があったと思われる.
この原因については,「学術」のうち「学」よりも「術」の修練に熱心で,その背景となる歴史や思想史を含めた戦史研究が,不十分であったからではないだろうか.
では,諸外国の軍事思想を受容するにあたって,なぜ,日本は「理論」的思考が少ないか,と言えば,運用者自身が,「理論」に基いた思想を持たなかったことにあったといえる.
このことは旧軍だけではなく,警察予備隊から発足し,米軍の理論を受容した自衛隊にとっても,いえることであろう.
よって思想や理論の研究は,一般の大学や学会での学問的な研究と,軍としての組織的学習の両者の交流によって,総合的に築かれていくべきものであるべきである.
なぜこのように,歴史研究の取組が不十分な理由はといえば,それは我が国が最も歴史に恵まれてきたがゆえともいえる.
なぜなら,日本人が民族的な単一性,同一性によって理論を不要とする歴史的な風土によって成り立ってきたことにも改めて気づかされるのである.(後略)>
主力戦車同士の激突というスタイルが起こる可能性は遠のいた.
しかし,人間社会が存在する限り,軍事は残り,陸戦も永遠に残りつづける.
今必要な新しい陸戦理論を編み出すために必要な要素,エッセンスは何か?
……という問題意識から,機甲戦理論の歴史とその発展についてまとめたのが,この本です.
ちなみに監修者である,戦略研究学会常任理事の川村康之さんは
<機甲戦理論は,現代では陸上戦理論と同義語ともいうことができ・・・>
とかかれています.
著者には,
21世紀の用兵の核となる「統合軍」の中核として即応しうる
「機動展開グループ」のための新たな理論形成に資する
目的もあると推察します.
〔略〕
■本著のベネフィット
「理論形成に資する素材の提供」というべき内容の本です.
ですから理論がかかれているものではありません.
過去の理論がどういう経緯を経て形成されてきたのか?,という点がテーマで,機甲戦の歴史から養分を吸収できる有機的な機甲啓蒙書となっています.
最大のベネフィットは,軍人である著者の戦史評価・批判がついていることだと思います.
だから信頼でき,だから時間をかけることなく陸戦理論のエッセンスを吸収しやすいです.
「各国軍のドクトリン(教義)」が紹介されている点も重要と考えます.
ドクトリンは戦史から有機的につむぎ出された教訓を通じて,生気を発するものです.
著者は本著で機甲戦理論の構築には至りませんでしたが,それに資する貴重な資料を提供してくれたと考えます.
出来れば次回作で,現代日本の機甲理論を打ち出していただきたいですが,宿題は,次代のわが軍人さんと研究者に委ねられたといえましょう.
別の面から見れば本著は,「軍事の近代化」を解説した本ともいえます.
現在が,歴史的な世界的な軍近代化の真只中にあることを改めて感じさせてくれる本です.
文章も読みやすいです.
絵や写真もたくさん載ってますし,圧迫感を感じません.
総ページ数は178ページです.
■概略と印象
第1章では古代の戦史から機甲戦にいたる戦史を紐解く中で,その根底に流れている「機動戦の思想」をくみ上げ,「優勝劣敗の定理」からみて「勝者の何が敵に優越したか?」を解説しています.
古代ギリシャから現在にいたるまでの機甲戦史を概観し,軍事専門家としての評価と批判を行っています.
読み進める中で感じた利点は,戦史で読むべきポイントを抽出してまとめてくれていることです.
把握するべきポイントを絞りぬき,その本質,理由が丁寧に記されています.
非常に分かりやすいです.
「機動戦序説」では,「用兵思想」「ドクトリン」「機動」「機動戦の戦い方」等に関する詳細な解説がなされています.
これまでいろいろの書を見てきましたが,ここまで陸戦用語を本格的に分かりやすく解説したものはないと思います.
個人的には,この部分を読むだけで,求める価値があると考えます.
陸戦の本質は機動である,ということが良く分かりますね.
第2章からは,第二次大戦で機甲理論の対決を行なったドイツとソ連をはじめとする,近現代の各国機甲戦史がはじまります.
ちなみに,第二次大戦で機動戦を復活させ,勝敗を決したのは独自の機甲戦理論をもったドイツとソ連でした.
各国がどういう経緯を経てどういう戦訓を抽出し,それを次の時代にどう活かしたか?がコンパクトではあるが要領よくまとめられています.
個人的に興味深かったのはソ連赤軍の「縦深戦略理論」形成の過程です.
1918年に諸国の包囲下で誕生した赤軍が内戦を通じて学んだのが,「内線作戦における機動の価値」でした.
これが縦深戦略理論にまとまってゆく過程は,非常に興味深いです.
「5ドイツ軍と赤軍の機甲戦理論の相違」では,「力学的な原理による相違」「作戦における指揮の相違」「機動の方式による相違」という,3つの側面から両軍の理論を評価・批判しています.
イギリスとフランスも取り上げられています.
イギリスでは「戦車が機動の主役.歩兵は補助者」という考えです.
フランスの項では,普仏戦争敗北後,攻勢主義をプロイセンから学んだフランス軍が,攻勢を絶対化してゆくなかで,
<戦術が精神主義に向かって以来,軍人の思考は,抽象のまた上の抽象へと向かいだした.
実戦から遊離した教義が,非現実的なドクトリンへと変貌し始めた>(P80)
と,精神主義の度合がますますひどくなっていったことが記されています.
しかし第一次大戦で,過度の攻勢主義により未曾有の出血を出した仏軍は,その後一転して火力の信奉者となります.
フランスでは,歩兵が機動の主役.戦車はその補助という考えです.
帝国陸軍はフランスから戦車を輸入しており,運用思想はフランスのそれが自然に入ってきたと考えるべき,と著者は指摘します.
英仏機甲戦史で欠かせない軍人であるイギリスのフラーとリデルハート,フランスのド・ゴールがいずれも,自国の国防政策に焦燥の念を持っていたというのも,なんとも奇妙な一致です.
ドイツ軍近代化の本質が,「新たな機甲戦理論」にあることを,彼らが見抜いていたためでしょうか.
本著でも取り上げられていますが,ド・ゴールは著書『職業軍の建設を』(1933)のなかで,数年後のドイツ軍の電撃作戦を絵に書いたように予言しています.
近代化にのり遅れていた米軍は第一次大戦に参戦し,貴重な教訓を得ます.
それをきっかけに騎兵部隊から機械化部隊への近代化に着手しますが,
その後20年ほど経った1938年時点でも馬は残ってたそうです.
どの国の軍でも,新しい動きの歯車が動き出すには長時間かかるという教訓ですね.
第3章はわが陸軍の機甲史です.
わが国でも米同様第一次大戦の分析結果を通じ,大正八年に騎兵廃止論がでました.
しかしこの論議は,騎兵局長の抗議の割腹で幕を下ろしてしまいます.
しかしその後も調査研究は続き,宇垣軍縮によってはじめて帝国陸軍は近代化をスタートさせたと著者は言います.
軍からひどく憎まれた宇垣軍縮の目的が,第一次大戦で明らかになった軍事近代化にわが軍が対応するためのものであったことが理解できます.
著者はこれに関連して,教義の硬直化,教条化についてこう述べています.
<本来保守的である軍人の教範に対する批判を,将来にわたり戒めたことは,じ後の改善の芽を摘み,制定した条文を無誤謬化することになった.
このようにして既成の条文に依拠し,戦闘者としての現実感を失っていったといえる.
これは第一次大戦における機械化や機動力についての現実認識が希薄であったことに要因があったものと考えられる.>
帝国陸軍が主敵として認識していた赤軍近代化の実態を,うまく認識できなかった理由としては,次の3点を挙げています.
・軍指導者が日露戦争と第一次大戦を通じた帝政ロシア軍の印象を拭えなかった
・赤軍をロシア軍と同一視し「民族的特性は不変」と評価していた
・革命後の赤軍は粛正により,将校の質が大幅に低下していたことが,実態把握を困難にしていた
帝国陸軍では機械化への動きが続きますが,けっきょく各兵科の装備奪い合いという結果に終わり,装甲兵団創設にはつながりませんでした.
その後,満州事変をきっかけに陸軍は軍備近代化に本格的にかかります.
それなのに,シナ事変を契機に機械化は遅延してしまいます.
陸軍がシナとの戦を「長期消耗戦になるのは必至」と,当初から反対していたのはこのためなんですね.
そして起こったのがノモンハン事変です.
国家指導部の誤りにより,シナでの戦争に足をとられてしまった陸軍は,シナ本土でシナ軍を相手にするレベルの装備でよしとし,もはや改革への切迫感を失っていました.
そのあとは,昭和15年に行なわれた騎兵トップ吉田中将の意見具申と,昭和16年の機甲本部設立,戦車連隊編成など読み応えある歴史が続きます.
著者は帝国陸軍の機械化が遅れた要因として,
・敵はシナ軍,大陸の地形は自動車化に適さないなどという,あまりにも現状
を基準とした認識にこだわり,将来生起する蓋然性に対応できなかった
・戦車は誰のもので誰が使うかという組織上の主体性がないため,運用者が自らの軍事思想に基いた運用理論を持たなかった
としています.
第4章は現代の機甲戦について記された章です.
ソ連赤軍(ロシアも引き継いでいると見られる),米陸軍,西ドイツ陸軍,イスラエル陸軍,わが陸自のそれが紹介されています.
著者は現代の戦争を,情報が決定的役割を果たす「情報戦」と捉えます.
平時有事問わない「情報の確度の優越」をめぐる戦いが続いているということです.
ここでキモとなるのが「情報通信能力」で,機動戦では,あらゆる部隊レベルで情報通信能力の進化が求められている,と著者は主張します.
イスラエルの中東機甲戦史,湾岸戦争,イラク戦争の機甲戦史も面白いですが,ここでつかんで欲しいのは「トランスフォーメーション」という言葉で知られる「軍再編」の本質が,本著全体を通じて流れている「軍事の近代化への対応」そのものだという点です.
いまのそれは内燃機関ではなくIT技術でしょう.
当然,国家としての情報保全への取組も重要となります.
本章で取り上げられているのは最近の歴史なので,現在が軍事の世界にとって歴史的転換点の真っ只中だということが,頭に入りやすいと思います.
■オススメします
最初に書いたとおり,本著は機甲戦理論構築に資する素材を有機的に提供するものです.
その意味で,軍人さんや専門研究者にとって最も有益な資料といえましょう.
しかし,陸戦のなんたるか,軍事近代化のなんたるかを本著を通じて知っておくことは,それだけでも,わが軍事力整備にあたって必要なことばをつむぎだす根源になること,国防を考える際の視野の広さを保つことにつながります.
いってみれば一生ものの廃れることのない資産です.
あわせて重要なのは,戦史・軍事史理解は真の歴史理解につながるということです.
普通の国では戦史や軍事史こそが歴史です.
本著の帝国陸軍に関連するところだけ拾い読みしても,大東亜戦争前後の真実と,戦後日本の歪んだ歴史観の相違点をお感じになることでしょう.
機甲戦理論が発展してきた道すじを,有機的に分かりやすく解説した本著.
ぜひご高覧下さい.
オススメです.
追伸
時代に伴う任務の多様化と,軍事力構成・軍事戦略との間には,基本的に関係はないと感じます.
古来から続く伝統的な武装と用兵理論は,今後も永遠に進化を続け,なくなることはないでしょう.
――――――おきらく軍事研究会
大きく概観した書籍ですが,第1章2「機甲戦序説」1〜4は機甲戦術を理解するに必須項目を上手く纏めているので,非常に良いです.
ちなみに葛原先生はボードSLG好きの一面があるのは秘密です.
――――――Lans ◆xHvvunznRc in 軍事板,2009/07/05(日)
『機甲戦の理論と歴史』(書評) < 「FSM」
【質問】
現代戦,銃,白兵戦についてそれぞれ詳しく書いてある本ありますかね?
それ一点だけに絞っているような内容の濃いやつあったらお願いします.
読んだ本はクリス・マクナブの『最新コンバットマニュアル』(原書房,2008.5)ぐらいで,いつもはネットで情報漁っているんですけど,自分の収集能力じゃ少し限界が・・・・・・
【回答】
これ一冊読めばOK,なんて都合のいい本は無い.
現代戦の戦術面なら河津幸英が割と良かった.
軍事板
青文字:加筆改修部分
現代陸戦の戦術面ならば,
基礎には上田信著『コンバットバイブル』1〜2(日本出版社,3〜4は特殊部隊やエージェント編)と松村さんの『戦術と指揮』(PHP文庫,2006.3)
それと原書房の『米陸軍戦闘マニュアル』(無印と2の2冊)が米FMの抄訳です.
あと,『コンバットスキルズ』1〜3(HJ)が各国教本の抄訳.
ソ連式なら『ソ連地上軍』(デービッド・C・イズビー著,原書房,1987.1)
副読本に『ザ・ソ連軍』正・続(スヴォーロフ著,原書房,1983.10)
米ソの概要把握には,『歴史群像アーカイブス3 現代戦術への道』(学研,2008.6)も吉.
中東戦争なら
『図解中東戦争』(ハイム・ヘルツォーグ著,原書房,1990.12)
『イスラエル地上軍』(ダビッド・エシェル著,原書房,1991.5)
『ゴランの激戦 第四次中東戦争』(高井三郎著,原書房,1982.5)
『シナイ正面の戦い 第四次中東戦争』(高井三郎著,原書房,1981.7)
『砂漠の戦車戦』上下(アブラハム・アダン著,原書房,1991.2)
湾岸なら
『熱砂の進軍』(トム・クランシー著,原書房,1998.12)
『砂漠の嵐作戦』(F N. シューベルト他編,東洋書林,1998.10)
河津さんの
『湾岸戦争データファイル』(アリアドネ企画,2001.5)
『図説イラク戦争とアメリカ占領軍』(アリアドネ企画,2005.7)
『図説アメリカ軍対テロ戦争部隊の戦い』(アリアドネ企画,2004.9)
あとは「野外令」や「戦術との出会い」あたりをばんばって探してみてみると良いかもしれません.
Lans ◆xHvvunznRc in 軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
どうして教官は必要以上に口が悪いの?
【回答】
「フルメタルジャケット」とかのアレなら,新兵となる人間の「一般的社会常識を破壊する」ため.
アメリカ軍は第2次世界大戦/朝鮮戦争の分析から,
「市民としての常識や良識が残っている人間は優秀な兵士になれない」
事を発見した.
「市民としての常識」が残っていると,例え「敵」であっても撃ち殺すことが出来ないし,戦場の苛酷な環境であっという間に心を病んで,廃人になってしまう.
それでは困るので,「一般社会では異常とされる状況がむしろ日常である」状況で24時間生活させて,「市民としての常識」を解消させておく.
そうすれば,「良識」が邪魔して無意識に人が殺せなくなる事も,人間同士が平然と殺し合ってる環境に耐えられなくなくなることもないだろう,と考えられ,実際それはかなりの成功を収めた.
その替わり,一旦そういった訓練を受けた兵士達は,今度は退役しても一般社会に復帰する事が困難になってしまったし,「同じ人間を殺す事をためらわない」人間は,ちょっとしたトラブルでも平然と「仲間」を殺す様になってしまった.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
「フルメタル・ジャケット」や「愛と青春の旅立ち」を見ていて気になったのですが,これらの映画に出てくるような先任軍曹の教官は,どのような過程を経て養成されるのでしょうか?
あの独特の口調も,何かの過程で訓練されるのでしょうか?
【回答】
各部隊で勤務している下士官の中から,有能な者をピックアップして訓練教官に充てています.
下士官そのものは兵隊が経験値積んでレベルアップしたってことです.無能な兵隊は下士官になる前に退役します.
あの独特な口調その他教育のテクニックは,マニュアル化されたもの,口伝で代々の教官に引き継がれていくものなどがあります.
口調なんかは,聞き取りやすく,インパクトがあるということで,あのあたりに落ち着いているのでしょう.
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大声だせ!
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【質問】
兵卒であれば銃を撃てるだけでいい,というのはどうなのでしょうか?
話をした人が言うには,
「下士官が付けば,銃を扱える程度の練度でも十分である」ということでした.「指示に従い,銃を撃てればいい」,と.
【回答】
それだと下士官の声が届く範囲でしか戦えない.
近世まではそれが通用して,声が届くように密集した陣形で戦っていた.
しかし現代では,機関銃や砲撃でなぎ倒されるだけなので,散開して戦えるだけの判断力が欲しい.
まあ,戦争というものは思い通りに行かないもので,数週間から数か月の短期育成で戦場に投入されることは,普通にあること.
でも,補給物資及び人命の無駄遣いなので出来るだけ避ける.
あまりに予備自衛官が少なすぎて,一般人を10日〜1ヶ月で予備役にする日本と言う国もあるが(笑)
(よく広報活動の一環と言われるが,それは目的の一つにすぎない.
現役出身だろうが公募だろうが,数字の上では予備役に違いないから多少の抑止力になるし,有事の際に部隊を補助し,訓練機関を短縮できる)
モッティ ◆I3HMmYDdlE in 軍事板
青文字:加筆改修部分
撃つだけなら誰でもできる

【質問】
敵を撃ったら敵も撃ち返してくるので撃ちにくいと思うんですけど,軍隊の練習ではそういう状況はどうやって再現するんですか?
【回答】
一例だが,判定官というのが見ていて,
「機銃に撃たれたら確実にアウトな身の晒し方」
をしていた迂闊な奴に死亡判定を与える,というのもある.
最近は銃にレーザー等を出す送信機と,兵士側の体にその受信機を付けて,それで発砲時の命中判定をする(相手側のレーザーを受信すると撃たれた事になる)といった機材を使って演習している事もある.
あとは,野外演習ではあまりやらないが,電動ガンのBB弾等で再現っていうのもある.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
兵隊さんというのはどんなに訓練されても,やはり女性や幼い子供が相手だと攻撃をためらってしまうのですか?
【回答】
ちくま学芸文庫『戦争における「人殺し」の心理学』(デーヴ・グロスマン著,2004.5)を読んでみるとよろし.
ほとんどの人間は,相手が子供だろうがムサいオサーンだろうが人種差別対象者だろうが,「殺人」に対して先天的に激しい抵抗感を持つ.
ある程度,躊躇せずに発砲するための訓練を受けるが,それでも相手が人だとためらう場合も多いし,精神的ショックやPTSDは緩和されない.
ちなみに,米でこの手の訓練が導入されたのはWW2後のことであり,WW2では敵兵士が実際に目で見える距離での発砲率は20%を切っていた.
ベトナム戦争では90%に上昇.

【質問】
チェチェンとかユーゴのような,そういう「敵を殺すのに躊躇いがない」状況では,現代の軍事訓練(条件付け)できてなくてもしっかり撃てるのかね?
【回答】
ボスニア・コソヴォの場合宗教が違うし,チェチェンに至っては民族も違うからな.
例の『戦争における「人殺し」の心理学』は,基本的にはアメリカ軍兵士の戦闘における行動が,主張の根拠たりうる考察の対象だった様に記憶してるが,同じ「多民族国家」とはいえ,旧ソ連やユーゴの様に,民族分布が地理的にも歴史的にもある程度はっきり分かれてる国と異なり,アメリカの場合,諸民族は半ば人為的に「シャッフル」され,更に英語やアメリカ的価値観その他により文化的にも均質化されてるので,「人種」レベルでの対立に比べ,文化や宗教を巡る対立は比較的少ない.
だから「旧世界」特有とも言える,民族対立への考察は薄いままで終わったんだろう.
軍事板,2009/06/03(水)
青文字:加筆改修部分
【質問】
先進国の陸軍では,兵,下士官,士官の比率はどういうのが理想なの?
陸軍20万人と仮定して表してくれたら嬉しいです.
【回答】
国ごとに師団の編成とかが違うため,誤差が出るのでそれも何とも.
大雑把に言うなら小隊は4〜5個分隊,30〜40名からなり,仮に分隊長を勤めるのが曹(下士官)だけで,あとは士(兵卒)とした場合,小隊長(尉官),補佐の先任陸曹,下士官4〜5名,残り兵卒って事になる.
そこから中隊・大隊〜って計算していけばいい.
でも,分隊長以外の兵士も全員曹って部隊も別に珍しくもおかしくも無い.
ぶっちゃけ,士官の数が異様に多くて役職ポストにあぶれているとか,下士官や兵卒が全然足りてないなんて極端な事態でもなければ,あとは人事調整で結構どうとでもなる.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
指揮所はどう移動するのですか?
【回答】
通常連隊本部とか師団司令部とかの指揮機関は,その場所を移動する際にはまず要員の一部をもって「前方指揮所」を構築,そこに指揮官や作戦/情報幕僚が移動します.
この間,元の「指揮所」には副指揮官や後方/人事幕僚が残り,指揮を継続します.
前方指揮所が機能し始めると,「指揮所」は撤収して後を追います.
この繰り返しです.
また,部隊の縦深が長くなってしまう場合なども,「指揮所」と「前方指揮所」を分けて設置して柔軟な戦闘指導を行う場合もあります.
(ドカン・オオカミ ◆s6tJH5.VuA)
【質問】
指揮通信車は移動しながらの指揮などが可能なのでしょうか?
【回答】
指揮する部隊の規模によります.
移動中の指揮のネックは情報の取得で,もっぱら無線機のみに頼ることになります.
要は指揮官に対して戦況を分析した情報が伝わり,それを基に下した指揮官の構想が部下に伝わらねばなりません.
中隊規模なら掌握する情報もそれほどではなく,指揮する小隊も少ないですから,ジープに乗ったまま無線機片手に指揮することも可能ですが,部隊が大きくなればそれも難しくなります.
(根本的に車載無線機の通話距離を超えたりしますし・・・)
(ドカン・オオカミ ◆s6tJH5.VuA)
【質問】
伝令将校って何?
将校なのに伝令なの?
【回答】
無線の無い時代に伝令がどんだけ大切だったと思ってるんだ?
ナポレオンだって最後の最後に伝令で泣かされてるぞ.
日本の戦国時代でも,伝令として有力御家人の子弟で編成された「母衣衆」という,伝令将校とも言える組織を組織してる.
それだけ信頼できる伝令は大事という事.
特に重要な情報だと,秘密保持の関係で将校以外扱えない場合もあるしね.
現在でも,将校が伝令役を務めることはある.
軍事板
【質問】
戦車に随伴する歩兵は,戦車が発砲音した時に耳がどうにかなってしまいそうな気がするのですが,そんなにぴったりと随伴しているのですか?
【回答】
映画などに出てくるような,戦車にぴったりと随伴する歩兵というのは,意外に実用性に乏しい戦術.フィクションに近い.
なぜなら,戦車は戦場で非常に目立つ上,最優先で撃破するべき目標.
従って敵の弾がそこへ集まる.
そんなところに歩兵は居たくないでしょ?
味方の戦車に轢かれる可能性も高い.戦車は前にだけ進むわけじゃない.
質問のように,戦車砲の発砲の際の爆風や音で犠牲も出てしまう.
ちなみに,120mm砲発射による歩兵の危険範囲は,以下の通りとされている.
A 範囲90度,距離200m以内
発砲時の強烈な爆風・爆圧(死の危険)
B 前方200〜1000m,幅400m以内
APFSDS徹甲弾から分離される装弾筒の破片(死傷の危険)
C 戦車の周囲50m
発砲時の猛烈な爆圧・轟音(危険)
D 戦車の周囲504m
発砲時の発射音(留意)
「図説イラク戦争とアメリカ占領軍」(河津幸英著,アリアドネ企画,2005.7),P249

ソ連が使ったタンクデサントという戦術は,歩兵の犠牲が非常に多く,人命軽視もいいところだった.
戦車と歩兵は協力しつつもある程度距離を置いて展開するのが正しい.
それを守らなかった場合,歩兵の犠牲は当然大きくなる.
協力する歩兵の居なくなった戦車は,近接対戦車兵器の犠牲になる.
軍事板 & CRS in FAQ BBS
【質問】
最近発売された戦争系ゲームのレビューで
「チームが一期一会的なのも軍隊っぽくていい」
と書かれていたのですが,実際の軍隊って一期一会的なのでしょうか?
自分のイメージだと,仲間と何度も死線をくぐり抜けて団結力が生まれ,歴戦の友になる・・・とか想像していたのですが.
話のゲームというのは「フロントミッションオンライン」というネットゲームでして,ロビー(集合広場)でメンバーを募集して戦場マップへ行き,
勝利or敗北したらロビーに戻って, チーム解散or続行するか決める・・・というものです.
チームに関しては,知り合い同士でずっと同じチームを組んだり,1〜数戦毎にチームを変えたりと様々です.
前者が自分の中の軍隊イメージで,後者が「一期一会的」なものだと思いました.
で,実際の軍隊はどうなのか・・・と思って質問した次第です.
【回答】
それは,その国の軍隊がどのように部隊を充足させるかという方針と,その国の軍隊が置かれている状況次第でしょう.
例えば,映画プラトーンでは,新米の兵隊が戦地にいる小隊に二人送り込まれるシーンがあります.
このように部隊を戦地に置いたまま,交代要員だけを送り込む方法をとっている国もあります.
人員の交代率が何らかの事情で激しければ,一期一会のような感覚になることもあるでしょう.
また,例えば第2次世界大戦の欧州戦線でのアメリカの歩兵も人員交代が激しく,100%を越える率で交代するのは珍しくなかったようです.
つまり,ある時点からある時点の間に部隊長から兵卒に至るほぼ全員が1度以上,場合によっては複数回交代する状況がありました(中には運命か生き延びる人もいる).
逆に,戦地から消耗した部隊を引き上げては,後方で充足,訓練をしてから再度送り込む場合もあります.
これは戦地では人の和が頭数よりも重要という発想です.
ちなみに「ラスト・オブ・カンプグルッペ」で取り上げられてる米第28歩兵師団(ヒュルトゲンの森とアルデンヌで大損害を蒙ったことから,赤い台形の部隊記章にちなんで「血のバケツ」と綽名された)では,1944年7月の戦線投入から1945年6月の占領任務終了までの約11ヶ月間で,直接戦闘での損害が
戦死2,146名
負傷9,893名
捕虜・行方不明5,154名
計17,193名
非直接戦闘による戦線離脱者8,893名
合計すると師団定員数14,043名の約2倍の26,186名の損失となりました.
また米軍でもっとも戦死者の高かった師団は第3歩兵師団で,その死傷率は補充兵を含めて176%.ある中隊では北アフリカ上陸時に235名いた兵員の内,1945年1月まで部隊に残っていたのが2名.
だから,損耗率の高い部隊では,兵士同士が(どうせすぐにいなくなるから)あまり親しくならないようにしていたとか.
【質問】
二等兵から陸軍に入隊して4年で退役したとして,4年間で一通りの知識って教えてくれるのでしょうか?
銃の撃ち方や分解の仕方組み立て方や格闘術など,4年でマスターできるのでしょうか?
【回答】
大抵の陸軍は一期二年という場合が多い.
つまり二期四年ということは,一通り使える兵隊になって下士官(曹)を目指そうと言う段階.
一通りの知識というのがどの程度の事を指すのかわからないけど,兵隊としては十分に訓練されたレベルにあると思う.
例えば日本陸軍の場合だと,歩兵は入営してから約4ヶ月間(「第1期」)で基本的な教育は終了する.
第1期(約4ヶ月)の教育課目
(術科) 各個教練,体操,射撃予行演習,距離測量,狭窄射撃,小隊教練,射撃,野外演習,銃剣術
(学科) 勅諭,読法,各種兵の識別及び性能,団体編制の概要,上官の官姓名,武官の階級及び服制,勲章の種類及び起因,軍隊内務書の摘要,陸軍刑法及び懲罰令の摘要,射撃教範の摘要
【連隊長の検閲】
第2期(約1ヶ月半)の教育課目
(術科) 第1期の課目,中隊教練,工作
(学科) 第1期の課目,衛兵勤務,赤十字条約の大意,救急法の概要
【連隊長の検閲】
第3期(約1ヶ月半)の教育科目
(術科) 第1期・第2期の課目,大隊教練
(学科) 第1期・第2期の課目,連隊歴史の概要
【連隊長の検閲】
第4期(約3ヶ月弱)の教育課目
(術科) 第1期〜第3期の課目,遊泳及び漕艇術
(学科) 第1期〜第3期の課目,連隊教練
【旅団長の検閲】
第5期(約1ヶ月)の教育課目
(学科) 第1期〜第4期の課目
(術科) 第1期〜第3期の課目,旅団教練
【師団長の検閲】
第6期(約1ヶ月強)
秋期演習
また,自衛隊で言えば,銃の撃ち方や分解の仕方組み立て方といったものは,格闘術は別として新隊員前期教育レベル.
そして格闘術は,普通の兵隊には要らない技術だ.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
部隊に配置されたばかりの新兵は,最初から危険な任務や実戦に投入されることはあまりないのですか?
【回答】
部隊全部が新兵の集団とかだと,勝ち戦ならある程度考慮されることもあるが,もともと前線にいる部隊に新兵が補充兵としてきて,いきなりその日の夜に戦闘とか良くあること.
劣勢の防御側で新編部隊がいきなり前線に投入されるのも良くあること.
WW2の時だと,米軍の場合は前線の欠員が出た部隊に,ホヤホヤの新兵を送り込むシステムだったので,いきなり危険な任務に(部隊ごと)投入されて,戦争慣れしてない新兵だけがどんどん死んでいったりと言った事があって結構問題があった.
ドイツ軍は余裕がある頃は,部隊がある程度損耗すると後方に下げて,新兵と古兵のすりあわせというか慣熟を行ったので,その辺はあまり深刻な問題にはならなかった.
いわゆる野戦補充部隊.
休暇,傷病明けの兵士,補充で送られた新兵は,まずこの部隊に配属されてから一線の部隊に配属されたよう.
連隊ごとに大隊規模で存在したようだ.
あと,旧ドイツ陸軍は新しい師団を編成するとき,既存の師団から抽出した部隊や壊滅した師団の残余を基幹にし,それに新兵や補充兵を加える形をとっていた.
部隊を抽出された師団は一時的に戦力が低下するけど,すぐに回復できたし,新師団は経験を積んだ将兵が中核となっているので,最初からある程度高い戦力を持つことができた.
ノルマンディ上陸作戦の時,海岸を守っていた第352歩兵師団を,「どうせ補充兵ばかりのヘタレだろう」と甘く見てかかった米軍が,実はヴェテランが多い部隊だったもんで苦戦したって例もある.
ただ戦争末期には,兵員不足でドイツの動員・補充システムが崩壊したため,未経験の新兵や兵役に耐えられないような傷病兵で編成された師団が作られ,大損害を出している.
現代だと,湾岸やイラク戦争の時のアメリカ軍は,兵士のほとんどが実戦経験がなかったが,後方の訓練キャンプで徹底的に実践に即した訓練を施してから実戦に投入している.
砂漠の暑さ寒さに慣れさせたりとか,実際に塹壕や鉄条網で防備された陣地を作って,そこで模擬戦闘訓練を行ったりとか.
装備の差ももちろんあるけど,そうやって「戦場慣れ」させてから戦わせたからわずかな損害で勝てたとも言える.
軍事板
【質問】
航空機が何らかのミサイル等の攻撃を行う際には「FOX
○」などのコールサインがあると思うのですが,地対空ミサイルなどの陸上部隊にも,同様のコールサインが存在するのでしょうか?
【回答】
まず「コールサイン」は無線局(各機体,基地等)の個体識別のための呼称.
で,「FOXn」は単一のコールサイン(機体)が複数の攻撃手段を持ち,それを区別して僚機に知らせるための識別符号(コード)なので,コールサイン単位で端から単一の攻撃手段しか持たない兵種の場合は,特に必要無い.
【質問】
ラッパの音に合わせて突撃するのは,いつごろまで行われてたんですか?
【回答】
中華人民共和国人民解放軍は朝鮮戦争の時も,隊長付き鼓笛手の吹くチャルメラで統率されていた.
なので慣れて来ると,「次に何をしてくるか」が国連軍の兵には丸分かりりだったとか.
この「チャルメラ突撃」,中越紛争やダマンスキー(珍宝)島紛争の時までやってたらしい.
人民解放軍恐るべし.
さすがに今はやってないようだ.
軍事板
【質問】
旅順の203高地みたいに,標高で○○高地と呼ぶことがよくあるようですけど,同じ高さの地点が近くにあったり,あるいは標高差が微妙で間違えたりするようなことはなかったんでしょうか?
【回答】
今すぐ地図を出して見てみろ,大抵数字が書き込んであるから.
地図の読み方と現在位置の推定は重要なスキルで,読み間違えたりそもそも地図が間違ってたりすることはよくある.
モッティ ◆uSDglizB3o in 軍事板
青文字:加筆改修部分
203高地などといった名称はピークの標高から名づけられるが,地形図には主なピークの位置に標高が記載されている.
だからそれを見れば,地図上のあるピークが標高いくつかは判る.
地図と実際の地形を一致させるには,尾根筋をコンパスで確認,といったランドナビゲーションの技術を使う.
地形図に標高の載っていない小ピークや,近くに同じ標高のピークがある場合は,標高以外の名前をつける.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
城と要塞の違いって何?
近代かそれ以前かと思ったけど,中世でもロシアでは要塞って呼ばれてるし.
軍事学的な定義みたいなものがあったら教えて.
【回答】
日本の場合,城は本来的に軍事拠点.
軍の本拠地城の周りに作った本拠地以外の拠点が出城=砦(=塞)
中世は,地形を利用する傾向が高まり,山城が増えた.
城を君主の居住地として使用したのは戦国時代以後.君主=軍人となったから,といった方が正しいかな?
こうすると山城が減って,平野で囲いを設けた城郭が増える.
要塞という概念が入ってきたのは,西洋兵学が取り入れられた明治以後.ほぼ「城」にとって代わった.
「城」は今日では,軍事用語としては死語.
中国の場合,「城」は城壁都市のこと.
「砦」と「塞」は同じ意味で,敵の侵入を阻む防壁,建物のこと.これらは本来,木や石を積んだ柵だったが,後にデカくなった.
英語の場合,砦fortは小規模・一時的な拠点,要塞frotressは大規模・恒久的な拠点.
この区別はフランス語からの輸入らしく,中世からある.
城castleはほぼfortやfortressと同じ意味.courtが君主の住宅を意味する.
世界史板,改
ライトノベルの場合,ファンタジー寄りだと城.ハードSF寄りだと要塞.
ティム・バートンがジョニー・デップを活躍させる舞台が「城」.
スティーブン・セガールが活躍する舞台なら「要塞」.
【質問】
ソ連・ロシアとフィンランドには秘密都市又は閉鎖都市と呼ばれる,外人はもちろん,自国人でも関係者以外立ち入り禁止の都市があった(今でもある)そうですが,日本には戦後はもちろん,戦前もそのような秘密都市があった話は聞きません.
米英仏独にも同様にあったという話は聞きません.
これは日本や欧米には秘密都市はなかったということでしょうか?
日本や欧米に秘密都市がないとすると,なぜ,ソ連ロシアは多数の秘密都市を必要としたのでしょうか?
逆に言うと,なぜ,日本欧米は秘密都市を必要としなかったのか?
もちろん,日本や欧米も軍事施設・軍事工場・原子力関連施設敷地内そのものへの立ち入りは厳しく制限されていますが,都市まるごと立ち入りを制限してしまう例は無いように思えまして.
【回答】
アメリカの核開発拠点,ロスアラモス国立研究所は戦争中は存在が秘匿されてた.
施設の規模,正確な位置等のちゃんとした資料が公開されたのは,ずいぶん後のことだ.
ドイツのロケット開発拠点,ペーネミュンデも無関係な人は近づけないし,地図にも記載されていない(ペネミュンデ,と言う小さな魚村があったころの記載内容のまま)隔離地域だった.
航空偵察で,そこに秘密の開発基地があるのはバレバレだったが.
広大な土地のあるアメリカやソビエト(ロシア)と違って,日本や欧州では「誰も近づけない場所にある秘密都市」というものがそもそも作り難い.
だから,アルマザス(アルザマスだっけ?)のような存在を構築するのが困難である,というのがまずある.
軍事板
青文字:加筆改修部分
また,西側は民主政なのでそんな政策は困難.
日本欧米でも軍事基地・施設・研究所等は関係者以外立ち入り禁止.
(無断)写真撮影も禁止されてる事が多いかな.
それを都市規模に拡大したのが閉鎖都市.
たとえば,佐世保住民に身分証携帯の上に旅行を禁止したり,外部からの旅行客を締め出すのは無理だろ?
東側は共産主義なので土地は全部国家のものだし,近隣住民や報道機関の権利の制限がしやすく,一般に機密性は高く保てる.
モッティ ◆I3HMmYDdlE in 軍事板
青文字:加筆改修部分
すなわち,秘密都市というものを成立させうる地理的・都市制度的条件には,面積の他,都市村落の形(集村・散村型とかタウンシップ型とか)も関係してくるはず
.
アメリカのように広大な土地があって都市間距離が数キロとかある場所なら,「秘密都市」と「他の都市・周辺村落」が一定の隔離状態も可能だが,日本のように狭い土地では隔離とか制限とか実質的に無理で,やろうとすればほんとに法律や強権でガチガチにするしかないが,それも民主政治的に難しいので実質的に無理くさい.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
後方ってやっぱり,戦闘職種に入るだけの体力のない人が担当するのですか?
【回答】
意外かもしれないが後方支援任務は体力ないと出来ない.
例えが悪いかもしれんけど,体の弱い人は宅急便のバイトとか倉庫作業のバイトとかは出来ないでしょ.
たいがいは精神的適性(戦闘意欲が低いとか,極限状況での精神力に難がある,とか)で戦闘職種か支援職種かに振り分けられる.
あと,旧日本軍では輜重と並んでバカにされてた工兵(自衛隊だと施設科)だが,世界的に見て工兵はエリート職.高度な知識と技能の要る兵科だからね.
かのマッカーサー元帥も工兵科の出身だったり.
デスク・ワークのほうでは,質問者の言うようなマイナス面での考え方だけではなく,兵站や管理が得意な人材が重用される.
軍事板
【質問】
パイロットの戦果ってわかりやすい
(撃墜数は誰がカウントしてるのかな?ってのはある.自己申告?)
からいいんですけど,陸軍の兵士とかの個人の戦果ってどうなってるんですかね?
だれがどういう基準でなにを認定して昇進させるんだろう・・・
勲章とかで済ませちゃってスルーの時もあるし
(昇進したほうがいろいろ権利も増えてうれしそうだし)
それ以上にブリッジ・クルーやメカニック系の整備担当は,昇進の基準や可能性ってあるんですか?
極端な話,艦船とかの艦長やってる連中だって,最初から艦長じゃなくて,なんかしらの仕事をしてきて昇進したはずで,何をやって誰が評価してってのは謎なんですが・・・
同じ後方でも,軍指揮の将軍とかだと作戦成功→昇進ってかんじで,なんとなくわかるんだけど・・・
【回答】
まず,戦果と昇進は直接関係がない.
空戦において操縦士に戦果を確認する(撃墜数を聞く)主目的は,状況を明確にするため.
陸戦において戦果は,「○○を占領した」「敵を撃退した」というように明確であるため,歩兵一人一人に個々人の戦果の確認はしない.
(戦車の場合だとスコアを申告することはあるが)
では,昇進はどうやって行われるのか?
昇進させるのは,昇進に値する人物だ.
この「値する」というのが千差万別であり,二等兵なら何の問題も起こさなければ一定の期間がすぎれば一等兵になる.
逆に将官になるには,さまざまなハードルを超えねばならない.
どんな仕事だって上手くやれるかどうかは,その人の力量次第なわけで,実力のある兵士がいれば,直属の上官にはそれがわかる.
例えばWW1の時のヒトラーは負傷者を担いで戦場を駆け抜けて勲章をもらってるし,その後も伝令兵として危険な場所を走り回り,それを評価されて昇進してる.
これは「勇気」を示して昇進した極端な例な.
下士官や士官にはまた別の昇進原理が働くわけで,単純に仕事が出来たり勇気が示せるだけじゃなく,人を扱う能力が必要.
さらに現代の軍隊なら,ところどころに試験があって,例えば尉官から佐官になったり,将官になったりするには試験を突破する必要がある.
基本的には,直属の上官の評価が一番影響する.
平時なら士官学校のときの成績とかも.
海軍の艦長とかになるような人は,兵学校時代から艦長になることが決まってるような人も多い.
あと,一応言っておくけど兵士と下士官,士官の間には海よりも深い溝があって,兵士が戦功だけで下士官に昇進したり,下士官が士官に,などということはまず無い.
相応の教育を受け,試験を突破して初めてこの差が越えられる.
とはいえ,現代はほとんどの兵士が高等教育を受けてるから,そこまで大きな溝じゃ無いんだけどね(先進国の場合).
で,戦果も昇進を判断するときの要素の一つに加えられる.
他にも勇気ある行動や味方を救った,といったことも考慮される.
だがそれらは参考材料であり,戦果を上げたから即昇進とはならない(例外はあるが).
なお,戦場にて上級者が戦死した等の理由で,その下の者が一時昇進することがあるが,それらはその場限りの戦時昇進として,戦後は元に戻すことが多い.
軍事板
青文字:加筆改修部分
▼
九段下の編集部に立ち寄った帰りに神保町の古本街で見つけた,昭和16年度の「アサヒグラフ」

右はM36服に角形肩章を付けたドイツ国防軍下士官のクリアな写真が良く,左は多摩川での軍事教練写真で南部式教練機関銃の写真を見つけたから.
「アサヒグラフ」のドイツ国防軍の軍曹写真は,襟ホックまでクリアに写り,軍装マニアとして食指が伸びました(^^;
襟章や角形肩章の兵科色が黒く見えるところから,突撃工兵でしょうか?
ピプ上の縫い取りが修正で潰されていますが,何となくGD(大ドイツ師団)に見えます.
M36型ヘルメットの側面ベントのブッシングが取れている様に見えるのも,戦闘の激しさを想像させてくれますね.
よしぞうmaro' in mixi,2007年03月18日02:33
〜11:01
▲
【質問】
ある漫画で
「戦場における士官の死因の2割が,部下に殺されたものらしいですよ」
と言われて准将の指揮官が味方に殺されてしまいました.
こう言った事が実際に起こりうるのでしょうか?
また,こんな高位の指揮官が戦場で部下に殺されたケースは実際にあるのでしょうか?
【回答】
支那戦線じゃ無能な指揮官が見殺しにされて実質殺されたってケースが多い.
例えば大戦末期のし(くさかんむりに止)江じゃ無能な大隊長が下士官,兵に,
「この大隊長と一緒にいたら,とても敵中突破とか,脱出は覚束ない」
「大隊長,いくら待っても兵隊は来ませんよ」
とか言われ,見捨てられる有様.
負傷した中隊長に手榴弾を渡して置き去りにしたり,下士官の指揮の下に独自の行動を取って脱出したりとかグダグダ.
所属する各中隊でも指揮を取れた中隊長はおらず,掌握できたのは大隊本部だけ.
しかも隙あらば本部からも兵が逃げ出しているという有様.
最終的に部下の大部分に見捨てられた大隊長の小笠原大尉は,惨めな最期を遂げる事に.
軍事板
【質問】
兵士たちは戦場でウンコしたくなったらどうするんですか?
【回答】
衛生の問題があるので,便所はきちんと整備します.
でも,実戦の初戦だとちびるやつもいるとか.
あと,戦闘中は野ぐそだが一応は穴掘って埋め,また,水辺にはしないことになってます.
バケツや缶にため,暇な時に下水溝に流こむ,あるいは適切に処理というのもありです.
ただ,特殊部隊だとそこにいた痕跡を残さないために,排泄物をビニル袋に入れて持ち帰り,ということも
.
(ギャズ・ハンター著『SAS特殊任務』の中に,そういう記述がある)
特殊な例としては,地雷にする為に保管するということも.
南方は熱帯の為に猛烈に匂うので,米軍を「うんこ地雷」で撃退できた例もあるそうです.
軍事板
青文字:加筆改修部分

(画像掲示板より引用)
◆◆◆組織規模関連
【質問】
すみません,軍隊の人数の数え方を教えてください
小隊は30人
中隊は60人
大隊は120人
とかするとき,それぞれ隊長込みの人数なんでしょうか?
【回答】
通常は隊長やスタッフも込みで人数を数えます.
隊長も隊の一員ですからね.
ただ,士官と下士官兵を分けて記述する場合も.
例えば,「○○中隊は中隊本部に士官○名,下士官○名,兵○名,隷下の三個小隊に・・・」といった感じ.
通常は
A小隊(小隊長1名+30名)
+B小隊(小隊長1名+30名)
+中隊本部(中隊長1名+数名)
中隊長が負傷して先任の小隊長が中隊の指揮を取る,という場合も有るけど.
なお,中隊なり大隊の定数が60とか120といった切りの良い数字の場合は,正確な値でなくおおよその値である事が多い.
実際は71とか154とか端数のある値になる.
中隊本部スタッフを仮に5名とすると,
小隊……小隊長1名+隊員30名
中隊……中隊長1名+中隊本部スタッフ5名+隊員62名(小隊長含む)
大隊……大隊長1名+大隊本部スタッフ+隊員136名
大隊本部ののスタッフは,手元の『コンバットバイブル』の,合算がやや怪しい編成表だと,ちょっと前のアメリカの歩兵大隊で大隊本部で171人.
普通の中隊よりでかい.
医療部隊や迫撃砲分隊,偵察小隊複数を含むのでこういう人数になる.
あと,時代や国で詳細は変わるけど,小隊や中隊の本部スタッフは補佐役の下士官(1ないし数名)や通信兵など.
他に車の整備や運用,補給や炊事の人もおるでよ.
軍事板
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/8926/hensei-i.html
↑なんかも参考になるかと.
【質問】
師団以上の組織は,軍・軍団・軍集団・兵団のどれが一番大きいのですか? それぞれ何個師団ほどですか? 指揮官は中将クラス?それとも大将クラス?
【回答】
第二次大戦のドイツ軍を例にとれば,
師団<軍団<軍<軍集団
となります.
「兵団」は,旧帝国陸軍が兵力秘匿を目的として使った名称で,実際は師団の場合も旅団の場合もありました.
指揮官の階級は,戦時にはかなり融通が利いたようです.
平時には,何処の国でも師団長は中将,軍司令官は大将が一般的でしたが,軍の規模が急激に拡大された大戦末期の米軍では,准将の師団長,中将の軍団長も珍しくなかったようです.
また,大戦後期の英本国軍やソ連軍機械化部隊のように師団を廃止した国もありました.
日本陸軍の戦闘序列には「総軍」という呼称もありました.これが使用されたのは,20年4月7日に戦闘序列が下令された第1総軍,第2総軍,航空総軍の3つだけです.
満洲軍(日露戦争時),南方軍,支那派遣軍,関東軍には『総』の文字は入っていません(非公式に「満洲総軍」「南方総軍」「総軍」などと呼ばれてはいたようですが…).
なお,これら4つの軍の司令部・司令官・参謀長は「総司令部」・「総司令官」・「総参謀長」と呼称されていました(ただし,関東軍の司令部等に「総」が入ったのは,17年10月1日から).
(HN "建武集団"他)
【質問】
独ソ戦の本を読んでいて,文中にソ連軍の「第○梯団」という記述があるのですが,これはどのような集団なのでしょうか.通常の師団,軍団制とは違うものなのですか?
【回答】
第一梯団は衝角として敵の戦線に穴を開ける役割.
第二梯団以降は後方に待機して,第一梯団の攻撃が成功すれば敵後方に進出し戦果を拡大する.
第一梯団の攻撃が頓挫した場合は,フレッシュな後方梯団を戦線に投入,
逆に第一梯団が撃破された場合には,戦線予備として戦線の穴を繕う.
'80年代,アメリカはこれに対抗し,第一梯団を食い止めている間に,戦闘に参加していない第二梯団以降も縦探攻撃で破壊する,エアランドバトル・ドクトリンを推進.
【質問】
分隊〜師団という区分はいつ頃出来たのですか?
【回答】
squad, platoon, companyなどの編成単位の用語は,フランス語起源です.companyはラテン語まで起源をたどれますが,それ以外の二つはわかりません.これらは,ローマ時代の編制単位に直接さかのぼるものではありません.
ローマ時代の最大の編制単位はlegio(軍団)で,配下に,10のcohortusを持ち,cohortusは更にcenturiaに分割されてました.そして,それぞれに指揮官が存在していました.
またギリシア時代では,たとえばスパルタでは,全男子はmoraと呼ばれる2000人ほどの単位に編制され,それが更に下位の編制を持っていました.
もっと前でも,たとえば紀元前1500年頃のカディシュの戦いでは,エジプト軍は三つの「師団」に分割されていたことがわかっています.
ただし,ローマ軍団のマニプレス,コホルス,レギオンと,中世の軍隊は直接的な関連はありません.
オラニエ伯マウリッツが整備した軍隊は,たしかにローマ軍団の影響を受けてはいますが.
中世の軍隊の編成(一応参考に).
最小単位はランス(槍)と呼ばれ,時代によって変化はあるものの,重騎兵(騎士)一騎に数名の従卒(小姓,馬方,荷物持ち)で編成.
後にイギリスでは騎馬弓兵(馬上から弓をいるのではなく,馬はあくまで移動手段)2〜3騎が編成に加わったようです.
中隊の先祖は傭兵隊,イタリアの都市国家に雇われた傭兵隊が先祖のようです.
イタリアでは,軽騎兵(アルメニア地方の傭兵)なんかが騎馬弓兵の代わりに加わっていたりする場合もあったとか.
その他,中世末期(14世紀ぐらい)には歩兵(武器はさまざま)が数人加わって,大体騎兵1〜3,騎馬弓兵(あるいは軽騎兵)1〜3,歩兵1〜3,その他雑用数人,代え馬が騎兵一人につき1〜5といったところ.
これらが幾つか集まってコンパニ(仲間,中隊の語源)となりましたが,これについて定まった定数はありません.
詳しくは「戦争の世界史」を
というわけで,近代的な師団はおそらくナポレオンあたりを嚆矢としますが,部隊編制ということであれば,ずっと以前から存在していることになります.
近代的な師団の編成は,ギベールの改革以降のフランスで発達し,ナポレオン戦争のころ完成しました.
連隊,大隊,中隊については,近衛コールドストリーム連隊の成立が1700年代のはず.
常備の連隊が成立したのは結構新しい時代のことです.
【質問】
.「師団」と「旅団」はどう違うんですか?
【回答】
旅団とは,おおむね連隊よりも大きく,師団よりは小さい部隊と思っておいたほうがいいだろう.
より正確に言うなら,
1)四単位師団(歩兵四個連隊+砲兵その他)内で各二個連隊から成る一個の部隊をを編成し,旅団長の指揮下においたもの.この場合通常師団長は中将,旅団長は少将が任じられた.
2)大隊〜連隊規模の歩兵や戦車部隊などに砲兵その他の支援部隊をつけて編成された,いわばミニ師団.ただし旅団の規模や構成は時代や国によって異なる.
【質問】
師団の師や旅団の旅は,なぜこんな訳語になったの?
【回答】
古代中国の軍制度に由来する.
当時は旅が5百人,師が2千5百人.
それをブリゲイド,ディビジョンの訳語に当てた.
【質問】
師団とか連隊とか大隊って兵士が何人ずついるのですか?
【回答】
現代のニュースうを見る時の基礎知識としては,米軍の場合で歩兵,戦車が500〜600人程度.連隊は戦闘編成では独立騎兵連隊が存在するだけ(管理上のナンバーとして「第○連隊,第一大隊」と書かれるが)で,上は旅団.師団は重編成で2万人以内.空輸用の軽で1万人程度.
イギリス軍も連隊は管理上(人事,募兵とか)の単位.ただし,騎兵連隊(戦車部隊である事が多い)は大隊規模で戦闘単位.大隊-騎兵連隊の規模も米軍と同じ.
フランス軍の連隊はイギリスの騎兵連隊と同じで数個中隊の編制.師団は旅団なしでソレを纏めて6000人〜1万人位.
自衛隊もフランスと同様.ただし,特科(砲兵)には大隊があって大規模.
くれぐれもWW2や南北戦争や幕末やナポレオン戦争時代にこの基準を当てはめないでくれ.
急増師団がぼこぼこ出てくるWWU後半の戦史を見ていると,混乱する事必至だが,これは覚えるしかない.
旧日本軍では,四単位師団・戦時編成(昭和12年編成の第三師団)で,25000以上.
同じ四単位編成でも,昭和11年に定められた平時編成では12000名.
衛隊の乙師団で,たしか7〜8000名.
【質問】
よく師団が最小戦略単位と申しますが,旅団がそうなる場合もある?
「戦略単位」と呼ばれる条件は独自に司令部持ってる事?
【回答】
No.
戦略単位である要件は,自己完結性.
指揮下の部隊のみで補給から戦闘まで全て行えること,つまりそれら一連の部隊を全て指揮下に収めていることです.
つまり,他の部隊の支援を一切受けずに独自に作戦を展開できることが,自己完結性であり戦略単位の要件.
日本軍の例ですと,いわゆる独立混成旅団などは戦略単位として成立しています.
君が知りたい部隊の指揮下にどんな部隊が編成されているかきちんと調べてごらん.
単なる戦闘部隊以外に偵察だの通信だの補給だの輸送だの医療だのといった諸々の部隊がいるのかどうか,を.
軍事板
【質問】
連隊戦闘団って旅団とどう違うんでしょうか?
【回答】
人員規模や作戦上の駒としての扱いの点ではほぼ近い内容.
ただし,旅団は旅団戦闘団という言い方が別にある.
最近は平時から旅団戦闘団を米陸軍は組織しているけども.
歴史的には米陸軍の場合,連隊戦闘団というものがあったのは,第二次世界大戦から朝鮮戦争あたり.その後は部隊の改編が様々あり,今では連隊と自分で名乗っている組織(扱いは旅団と同様)は空挺師団と,空中強襲師団に機甲騎兵連隊,騎兵連隊しかなくなった.
旅団隷下の各大隊は連隊名を上に冠しているけど,これは伝統を引き継ぐという意味合いが強い.
自衛隊の場合は,演習の時にいくつかの戦闘部隊や支援部隊を連隊を中核,基幹に組み合わせて運用しているものが連隊戦闘団.
旅団は平時からあるもので,11旅団(北海道),12旅団(北関東と新潟),13旅団(山陰,山陽)などがある.
これらは師団だったものを改編してできたもの.
【質問】
テーラーメイド式って何?
【回答】
テーラー(仕立て屋)メイド式は,既製服のような固定の編制じゃなくて,複数の歩兵大隊と戦車大隊を作戦ごとに組み合わせて使う形式.
WW2時はA,B,予備の三つの「戦闘団司令部」に振り分けていた.
米軍がテーラーメイド式だったのは湾岸辺りまで.
現在の旅団は固定編制.
連隊が独立装甲騎兵しか無いのは同じだけど.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
名誉連隊長がいる連隊では,名誉連隊長と実質的な連隊長は別物で,正規の命令系統に立つ人物は「副連隊長」なのか「連隊長」なのでしょうか?
つまり,名誉連隊長といえども連隊長だから,二人の連隊長を置くことはできない,故に実質の指揮は副連隊長が執る,なのか,名誉連隊長は命令系統とは関係ないから,連隊の指揮を執るのはやっぱり連隊長(勿論正規の軍人)なのでしょうか?
【回答】
名誉連隊長というのは,連隊のOBへ与える名誉称号.
特に軍や政府で高官になった人物に与えることが多い.
あと,何らかの外交上の儀礼とかで.
もちろん,直接の命令権なんかないぞ.名誉連隊長ってのは命令系統の外にある.
正規の連隊長とは別物だ.
命令系統の中にあるのは正規の連隊長以下の面.
ぶっちゃけ,一つの連隊に10人以上名誉連隊長が居ても,運営上は問題無い.
確かホーンブロワーで,功成ったホーンブロワーがバス勲爵士に任じられるとともに,名誉連隊長職も授けられるが,これは王室から年金を受け取るための名目に過ぎなかった.
ゆえに「名誉」とつくのはそんなもんだという事
また,絶対王政期とか,近代階級制度成立以前だと,「隊長」が名誉職で「隊長代理」が指揮を執るというパターンもありうる.
たとえば,近衛銃士隊長シャルル・ダルダニャン(例の彼だ)の正式な職名は銃士隊の副隊長.隊長はルイ14世御自身が勤められることになっているので.
そして副隊長の代わりに副隊長補がいる.
課長補佐代理みたいな役職だけど,待遇は他所の副隊長並…というかエリート部隊だからちょっと上.
ただし,その場合でも,指揮官の階級は大佐にしておかないと,他所の部隊との連携の際の指揮権の順番がちぐはぐになる.
軍事板
【質問】
歩兵部隊だけで戦闘団を作る事はできますか?
【回答】
戦闘団って言うのは要するに,上級部隊(師団OR旅団長)が,指揮下の部隊を指揮しやすいように分割して再編制したものニャ
普通は,基幹となる戦力(通常は歩兵か戦車)に,各種戦闘部隊を付属させたものを指すニャ.
例,自衛隊の連隊戦闘団,国防軍のかうんぐるっぺ
単に歩兵大隊しか居ないのであれば,歩兵大隊×3でしかないし,数個大隊規模の,諸兵化連合部隊が居るのなら戦闘団を名乗っても問題ないニャ.
(末期ドイツとか言うニャ)
ドイツのSS第一装甲師団の場合ニャら
戦車主力の ぱいぱー戦闘団
歩兵工兵メインの さんでっひ戦闘団
歩兵と砲兵メインの はんせん戦闘団
偵察メインの くにってる戦闘団
と言う風にニャ.
その防衛隊が戦闘団として編制されているのなら戦闘団だし
単なる歩兵大隊の集まりなら歩兵大隊ニャ.
まー,単なる歩兵大隊だったとしても単体で放置されてるわけは無いので,後方に全般支援砲兵か直援砲兵が待機してるニャろうが.
名無し謎猫 ◆V2ypPq9SqY
団が附くってのは昔から師団/旅団等あるが,基本的には
「自己完結しており,それだけで(相手の規模にもよるが一応)どのような状態にも対応できる存在」
のことが多い.(初期の師団には1個師団は2個歩兵旅団+支援部隊という時代もあったが)
大抵の場合は「団がつく」ー自己完結している=輜重/段列や衛生等までをも含む諸兵科連合なのではないかな?
つまり,主兵のみならず通信や主計や工兵そして支援の砲兵や野戦病院と補給のための輜重や整備部隊....で,あとはその部隊規模により,師団なのか,その小型の旅団なのか,はたまた更に小型の連隊戦闘団なのか..さらには,規模的には大隊規模の大隊戦闘団等も考えられると思うし,小さな砦の守備隊を独立部隊扱いとするならば中隊戦闘団位のもあるのかもしれない.
ただ,軍隊は大抵の国において零細企業規模ではなく大企業以上の規模なので,中隊程度の人数ならばわざわざ独立採算制の支社や営業所あつかいにせず,どこそこに親部隊を持つ派遣隊(出張所扱い)にするのが自然だと思うが.
そうでないと,戦闘以外のマンパワーを取られ過ぎてコストパフォーマンスが悪いと思う.
歩兵だけなあ・・・どこかの砦へ出ていた分隊規模(10人前後)の分遣隊があったとして,派遣元の親部隊が何らかで移動するがその砦だけは手が離せないのでそのまま勤務,
しかし後任の部隊へ転入するわけにもいかず(以前になんらかの軋轢があったとか等)しょうがないのでその派遣分隊だけ方面軍直轄になり・・補給はいままで親部隊がしていたが,上記の理由なのでその分隊から交代で歩兵が方面軍まで補給に往復する(輜重のかわり)・・分隊規模なので工兵は無し当然医療関係/ヨーチン等も分隊規模なのでつかない....なら可能かと思うたが,独立している以上戦闘記録の為に主計兵が・・・兵長の1名くらい?方面軍から配属されてきそうやな.うーん・・・・
へち in mixi支隊
【質問】
「連隊」という単位が殆どない,米軍のような軍隊が何故あるの?
【回答】
かつての欧州では,城持ち貴族等がある地域(自領)で募兵を行って連隊を編成した.
だからかつての陸軍の編成というのは,私兵の募兵単位の連隊が基幹であった.
ここで大事なのは「地域別で編成」と云う所である.
英王室を例に取ると,リズ自身は近衛グレナーディナー連隊と近衛コールドストリーム連隊が私有連隊であり,エディンバラ公がスコットランド連隊を,チャールズ皇太子はウェルズ連隊を私有している.まあ中共党に比ぶればささやかではあるが(笑).
彼・彼女らは「名誉大佐」「名誉連隊長」であり,連隊旗を指揮権の象徴として連隊長に渡す.
日本でも徴兵区域を区分して○○(地名)連隊としてあった.連隊旗は天皇から渡される.
乃木さんみたいに連隊旗を西郷軍に奪われるスカタンも居たが,別段,其れで乃木の連隊が西郷軍の指揮下に入った訳ではない(笑).
ちなみにこの連隊旗は英語では「スタンダード」と言い,基準を意味する.
つまり,「連隊」は元々地域を担当し地域を警備するための編成単位なので,(英語で”地域”を意味するリージョンと”連隊”を意味するレジメント(レギオン)は元々の語は同じ),米連邦軍のように「地域警備」の任務がほとんどない軍隊には,連隊を編成する意味があんまりない.
ついでに言うと陸上自衛隊の「連隊」が諸外国の編成では「大隊」規模でしかないのにそう称しているのには,そういった事情もある.
軍事板
【質問】
陸軍の部隊でたまに「支隊」というタイトル見掛けますが,これはどういう場合に使用されるんですか?
【回答】
要するに別働隊.
師団や旅団の一部を抽出して臨時に独立して行動するもの.
連隊・旅団などは平時の編制であり,戦時では諸兵科を併せて戦時編成にする.普通歩兵連隊なら,砲兵隊,騎兵部隊など他の兵科の部隊と併せて諸兵科連合部隊を編成する.これを戦闘団とよぶ.
その戦闘団の中で特に,中核になる連隊を持たず自由に編成したものが支隊.
上陸作戦や橋頭堡の防衛,侵攻など独立して戦闘可能な兵力が必要な場合に編成される.
ドイツ軍のカンプグルッペ,アメリカ軍のコンバット・チームなどと大体同じもの.
米陸軍物の訳語の場合,TF,taskforceの訳語に当てている場合がある.
これは大隊(中隊×3)を基幹とし必要に応じて中隊を他の大隊と交換したり,工兵,憲兵,民政などが加わって編成されているもの.
ちなみにこのTFは,空母を中心とする機動部隊などにも第二次世界大戦時には使われており,規模が大きく違うので注意が必要.
具体的には例えばイラクのモスル(人口100万名以上)の市街を一時期2個TFで担当していた時期がある.
一方,タルアファルと周辺(シリアとクルド人自治区を繋ぐ要衝.モスルから西にある)には通常の編制では3個大隊を有する1個機甲連隊が当てられていた時期がある.
このように対内乱作戦,支援および安定化作戦においてはかなり地域により様相を異にする.
例えばラマディでは毎日のように戦闘し建物の外にでると狙撃の危険性があると報道されている.
軍事板
支隊は部隊長の名前で呼ぶ――例えば山田中佐が部隊長なら山田支隊,スイ大佐が指揮官ならスイ支隊,内山田がリーダーなら「内山田洋とクールファイブ」(なまんだぶ……)――場合もあれば,そうでもない場合もあり,色々.
ニューギニアで戦った「南海支隊」の支隊長は「堀井」少将だし,ガ島の「青葉支隊」を率いたのは「那須」少将.青葉ってのは支隊の建制上の所属である第2師団の所在地の仙台の青葉城にちなむ命名.
南海ってのはよくわからんが,たぶん支隊の主力が四国(南海道)の聯隊だったからだろう.
【質問】
陸軍の部隊編成に関しての質問です.
私の調べた限りでは,各国とも時代を問わず一個小隊は30〜40人程度で,これが3〜4個で中隊になるようですが,この小隊人数や,中隊内の小隊数には,合理的な理由があるんでしょうか?
【回答】
1人の人間が掌握出来るのは,せいぜい8人らしい.
分隊長が8〜9人の分隊を率い,
小隊長が,2〜3人の分隊と4〜5人の小隊本部で構成される小隊を掌握
8×3=24+5として29人
中隊長も同じ
数個の小隊と,中隊本部を率いても8人前後を掌握すれば,中隊を指揮出来ることになる.
【質問】
本部管理小隊/中隊というものについて調べていますが,中隊〜連隊の編成内容について書かれた資料や
過去ログには行き当たるのですが,本部管理隊そのものの編成内容とか,仕事の役割分担だとかには運悪く見つける事が出来ません.
(特に書籍等は予算などの問題もあったりしてあまり読めていません)
どなたか親切な方がいれば,詳細なものでなくとも簡単or簡潔なもので良いですので,お教えくだされば幸いです.
【回答】
特定の軍隊ではない一般的な歩兵連隊に付属する本部管理中隊の場合(モデル).
・中隊本部
・連隊本部班(連隊本部勤務の兵・下士官)
・対射撃分隊(音源評定)
・通信小隊
・情報小隊(斥候偵察)
・衛生小隊
・工兵小隊
・補給小隊
・整備小隊
・・・等の内容が基本でしょうか.
これに,軍旗小隊や対空・対戦車小隊等の実力ユニットが加わることもあります.
つまり「中隊本部+連隊本部班+管理・支援小隊+連隊直轄小隊」の集合体が本部管理中隊となります.
ちなみに中隊長は連隊段列の管理者となります.
なお,後方支援隊とはまた別に,衛生や補給の小隊が付くかどうかは,その軍隊が何を重点に整備しているかによって違いが出てきます.
ともあれ連隊本部とその周辺の世話をするためだけの「本部中隊」に「(連隊全般に対する)サービス部門」が加わったのが「本部管理中隊(HSCo)」です.
(管理とは言っても本部をお世話するという意味ではない.H&$なのである)
ですから他にサービス部門が独立している場合は,本部中隊だけというのが一般的ですね.
勿論,中隊モデルの一部小隊が中隊規模以上で独立している場合はあります(工兵中隊とか整備中隊とか)
.
また逆に,通信中隊(連隊全般支援)があるのにもかかわらず,本部管理中隊内に通信班・小隊を別に抱える場合も考えられます.
ドカン・オオカミ ◆s6tJH5.VuA
【質問】
本部管理中隊と本部中隊の違いを教えてください.
【回答】
本部中隊:司令部的働きをする中隊
本部管理中隊:本部の言わば雑用中隊,あるいは手足.司令活動を支える通信とか,測量とかをする.
良く言われる本部管理中隊のたとえは「総務部」.
本部を設営し,通信機能を整備し,データを整理,管理し,消耗品を補充したり,移動の実務を手配したり,メシから救護室まで面倒をみる.
大隊という会社の中に本部という部門があり,その実務を行うのが本部中隊,その面倒をみるのが本部管理中隊.
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【質問】
小隊のメンバーってなんでそれぞれ役割が決まってるの?
一人でも欠けたら困ったりしないの?
【回答】
小隊では役割はさほど厳しく決まっているわけではないと思います.
機関銃にしても対戦車誘導弾にしても有資格者がいれば引き継げるでしょうし,小隊長や小隊軍曹については指揮の継承順位が定まっています.
衛生兵にしても戦闘救命員の講習などがあれば一応,近いものがいることになります.
それに,小隊はある程度,人が減っても互いに補えるようになっています.この人が減るというのは戦闘により人を失った場合のみならず,平時でも人員不足で人が来なかったというような場合も含むわけです.
また,小隊や中隊長や大隊長が小隊同士をくっつけたり,一端合流させて新たに隊を作るなどの方法でも人員不足は解決できます.
軍事板
【質問】
戦場において,歩兵が(部隊として行動するが)単独で戦闘するなんて有り得るのでしょうか?
見えるところに味方がいない,みたいな.
【回答】
1兵士が部隊からはぐれて行動するという事態は戦場では良くある話.
それでも事前に,はぐれた場合の集合点や行動を決めておくのが一般的なので,はぐれた兵士はそれに則って行動します.
当然戦闘もそれに則って行うようになりますが,部隊と合流するまでは「個人の防御の為の戦闘」になりますね.
それさえも出来ない程離れてしまった場合は,完全に遊兵となりますので,前に出るより後方に下がるように行動しますね.
ドカン・オオカミ◆s6tJH5.VuA in 軍事板
【質問】
テレビゲームの「メタルギアソリッド」や映画「ランボー」みたいに,主人公が敵国に単独潜入.破壊工作や戦闘活動を実際に行った場合,どれほどの効果が期待されるのでしょうか?
また,生還率はあれほどまでに高いのでしょうか?
【回答】
基本的に兵士がたった一人で潜入して行う作戦を立てるようなことはそもそもしない.
なぜなら数人ならば,一人がやられても他の者が作戦を続行あるいは遺体なり負傷者を運んで撤退できるが,一人ならばやられた時点で作戦失敗だから.
他にも休息時に見張りがいない,たった一人で周囲を警戒しなければならない,攻撃を受けたときに援護してもらえないなど単独行動にはメリットがまったくない.
地続きの国へ陸上から侵入するんであれば入る事はできるだろうけど,できるのはせいぜい要人暗殺ぐらいだろうな.
第二次大戦時の英国の特殊作戦部(SOE)の工作員がフランスなどに単独で潜入したことはあるが,これだって現地ではレジスタンスの支援を受けて行動する.
第二次世界大戦中にドイツがUボートで米本土東海岸に工作員を上陸させたり,連合国がライサンダーという複葉機だったかで,OSSの工作員を占領地域に降下させたケースでは,前者はすぐばれて逮捕.
後者はレジスタンス組織と連携できた例もある.
レジスタンス組織は例えば,欧州上空で撃墜されたパイロットの救出とスペインへの逃避を支援する能力なんかはあったようだ.
単身潜入のケースでは,ベトナムでのフェニックス作戦で,ある狙撃手がベトコン勢力圏内で,暗殺を実行してる.
これだって,数日かけて目標に忍び寄り(動けないので小便もズボンの中でするハメに),一発撃ちこんで必死になって逃げるような作戦なわけだけど.
破壊工作や戦闘活動を実際に行った場合,これを実際にやってるSASのパトロール隊が湾岸戦争では,8人チームとかでやってたことを考えれば後は自ずから答えは出るかと.
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【質問】
戦場でもし所属部隊からはぐれてしまったら,どうすればいいの?
【回答】
無理に戦おうとせず,戦場を離れるのが基本.
基本的に兵士ってのは部隊組んでナンボなので,一人でランボーやって勝てるほど戦場は甘くない.
で,戦場を離れた後は原隊を探す.
しかし,この際に憲兵に見つかったりするとえらいことになる.
敵前逃亡は軍法会議ものだから,WW2時だと懲罰部隊に送られたり,最悪銃殺される可能性もある.
これが末期戦とかだともうぐちゃぐちゃになる.
手当たり次第に,戦闘を行っている部隊に臨時に組み込まれることも少なくない.
『ラスト・オブ・カンプフグルッペ』(高橋慶史著,大日本絵画,2001.10)なんか読むと,そういう運の悪い連中のことが分かるかと.
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◆◆◆兵站
【質問】
兵站で良い本があったら紹介して欲しいです.
【回答】
総力戦戦争指導:中原茂敏「大東亜補給戦」
湾岸戦争兵站司令官:W.G.パゴニス「山 動く」
最前線個人戦記:金井英一郎「Gパン主計ルソン戦記」
軍事とロジスティックス
江畑謙介/著
日経BP出版センター
2008年02月22日
2,310円(税込)
アフガン,イラクという新しい戦場での軍事行動を兵員・軍需品の輸送・補給の観点から描いた意欲作.
軍事におけるロジスティックの革命を膨大な資料をもとに解説する.
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【質問】
よく戦史とか見ると,港を確保しろとか言うけど,例えば師団が活動するには,1日にどれくらいの荷揚げ能力が必要なんですか?
【回答】
1個師団が行動するには1日数千トン〜の物資・燃料・弾薬が必要とされる
例えば1980年代の米軍歩兵師団では,師団の必要補給量は
攻撃 3300t/day
防御 4000t/day
追撃 1400t/day
準備 750t/day
【質問】
準備が一番物資消費が少ないのは分かるのですが,防御が最も多いのは何故でしょうか.
攻撃・追撃のほうが大量の弾薬を消耗するように思えますし,追撃ならば大量の燃料が必要だと思うのです.
防御戦では何を大量に消費するのでしょうか? 陣地構築資材とか?
【回答】
防御の場合は敵の攻撃を火力殲滅するので,弾薬消費が増えます.
攻撃時なら計画射撃で効率が良いので,弾薬消費はそれほど大幅に増えません.
一番の物資食いは砲兵です.
以下はNATO軍の事例.
NATOの資材の分類の公式用語では,
Class1:食料
Class2:主用装備品以外の装備品 事務用品など
Class3:燃料
Class4:築城資材 丸太,コンクリート,鉄筋など
Class5:弾薬
Class6:日用品
Class7:主用装備品 戦車など
Class8:医薬品など
Class9:整備部品
Class10:地図 水
と呼ばれる.
そして,それぞれの作戦における補給内訳は(Class1,3,5,9についてのみしか手元資料ないけど),
. Class1 Class3 Class5 Class8
攻撃 51 660 2500 55
防御 49 366 3500 50
追撃 50 816 410 44
準備 48 240 438 20
とされている.
【質問】
「弾薬の消費が」「兵站への負担が大きく」ない軍隊など,存在するのでしょうか?
【回答】
兵站への負担が大きくなれば,兵站が崩壊し,軍事行動は頓挫します.
ボルトアクションの小銃の発射速度を基本に1会戦120発と定めたのは帝国陸軍ですが,これを射耗弾薬の多い自動小銃や短機関銃に当てはめるとまったく足らなくなります.
兵士により大量の弾薬を持たせると言っても限界は生じますから,結局は増大する弾薬消費に追いつく段列が整わないと,あっという間に弾切れになるだけです.
この段列とて馬匹でおっつかなくなれば,鉄道輸送なりトラックなりが必要ですし,そうなれば鉄道の敷設や道路の建設,外征するならそんなものが期待できない場所での補給を機械化するための工業力と資金が必要です.
軍事ドクトリンを変更するというのは,それなりに手続きが必要で,それは国家の能力とも密接に絡みます.
政府の一部門である陸軍省の「熱意」だけで解決できるものではありません.
ましてや怠慢などと罵倒したところで日本のGDPなり工業なりをチートできるわけもないので,「○○があれば」的仮想戦記な発想は無意味です.
【質問】
補給の流れについてですが,国や時代,状況によって異なるとは思いますが,以下の流れで不自然はないでしょうか?
後方の部隊
│
│(戦闘師団/後方支援連隊/輸送隊)
↓
戦闘師団/後方支援連隊/補給隊
↓
戦闘師団/戦闘大隊/本部管理中隊/補給小隊
↓
戦闘師団/戦闘大隊/戦闘部隊
(補給屋 ◆ZA3g9myNTI)
【回答】
補給の流れは「持ってきて貰う」ではなくて「取りに行く」が基本.
各級の部隊単位で補給処/集積所それに段列等を開設して隷下部隊の管理/補給小隊等がそこまで車を走らせて物資を受領して戻ります.
あと,補給面での物資の輸送は基本的に補給部隊自身が担当します.
輸送部隊も物資の輸送に任ずる場合もありますが,基本的には兵員や重器材の輸送が主になります.
(タンクローリーや保冷車なんかは補給部隊の装備です)
米軍の軽旅団でも自分で取りに行くのが基本だそうです.
大隊とかが自分でトラックを持ち,他の輸送の都合とあわせながら,補給を切らさないように取りに行くそうです.
ちなみにこのあたりは今ストライカー旅団という奴で実験して,補給を旅団でまとめて前線まで送る形+電子化で効率よくできるか探っている模様.
取りに行く場合はこんな感じ.
戦闘部隊は,師団の段列(後方支援部隊が集まっているところ)までメシと燃料を取りに行く.
弾薬はさらに後方の弾薬補給所まで取りに行く.
戦闘部隊の本部が取ってきた物資を,前線の大隊は本部まで取りに行く.
兵たん基地
↓
(弾薬補給所)
↓ ↑
師団段列(燃料補給処,糧食補給処,整備所)
↓ ↑
戦闘部隊本部
↓ ↑
戦闘部隊
補給に関わる係数には,もう一つ【倉庫の能力】があります.
野外に積んであるドラム缶よりも,ガソリンスタンドの方が能率的に給油できる.
ただの倉庫よりも,フォークリフトがあった方が荷出しが速い.
感覚的には,より後方の方が保管能力が高く,より高性能な設備があるってところかな.
前線近くに膨大な物資を集積しても,倉庫の能力が追いつきません.
ガソリンのドラム缶1億本が野積みになっている師団段列っていやでしょ?
(ドカン・オオカミ ◆s6tJH5.VuA他)
【質問】
戦略シミュレーションゲームだと街を占領すると税収や補給機能が丸ごと自分のものになるけど,実際はそううまく行くものなの?
【回答】
ゲームのようには行きません.
水.
兵士も兵器も水を必要とします.
全部を後方から送るとえらいことになりますが,これが手に入るだけでも町を占領する意味があります.
ナポレオン戦争のころだと,軍隊は「補給品を持って移動」することができませんでした.
ひたすら町を目指して現地徴発,軍隊が食いつくし飲みつくすと別の町に移動「しないといけない」という.
現代の軍隊とて補給は重圧なのですから,単純な物資の有無のほかに鉄道や道路,電気水道のインフラ,医療や慰安は町を占領する理由になるのです.
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【質問】
敵補給基地を奪取するのって難しいの?
【回答】
中隊以上には補給部隊が組み込まれているわけで,ソレが旅団-大隊-中隊と血管のように「線」として結ばれているのが「兵站」.
敵に蹂躙されたら困るほどの重要な補給拠点は,戦線のけっこう後方にあるものだから,「補給基地」と呼べるような大規模な集積所に敵戦車隊が迫るってのは,既に前線部隊が崩壊してるって事だし,敵の勢力圏内に物資集積所なんかあったって使えるわきゃないんだから,普通は火でも付けて放棄するわな.
火を付けられる前に押さえられたら「チャーチル給与」ってな話になる.
ロンメルなんてソレをアテにして戦争してたくらいだ.
【質問】
現代戦の陸の補給というと,ひたすらトラック輸送というイメージしかないのですが,各国は輸送用のトラックや運転手の確保に苦労しているのですか?
【回答】
米軍の場合,冷戦が終わってベルリンの壁が崩れてから陸軍,海兵隊ともに大きく削減している.師団の数や旅団の数で比較すると陸軍の場合,現役18個師団が10個に減り,総人員数も同じく大きく削減された.
トラックドライバーや憲兵については,師団以外に軍団や軍,あるいは機関陸軍に属している人員もいるだろうけど,これは人員不足であるらしい.
ある民主党議員の話で,交替できないトラックドライバーが引き合いに出されたり,アブグレイブ虐待事件では看守としての訓練を受けた憲兵部隊は1個のみで,アフガンで使われていたため,問題の部隊は交通統制関係の訓練しか派遣前に受けていなかったにも関わらず,刑務所での任務に付いた,という報道などがある.
後方職種について女性の戦闘参加が縛りになっているという話もあるけど,それで割り引いても通常戦闘以外の作戦に関して必要な部隊が不足しているというのは,あちこちの報道で出てくる.
【質問】
映画「ブラックホークダウン」見て疑問に残ったことなんですが,劇中で「30分で戻る」と暗視装置を携帯しなかった兵士が居ました.
実際には作戦に持っていく個人装備は,本人の意思で決められるものなんでしょうか?
【回答】
見たのが随分前でそのシーンを覚えてないが,上官の命令を無視して置いていくのはもちろん許されない.
ただ,上官が自由裁量を認めてくれたり,意見具申して許可が出たりすれば問題ない.
あと上官に指示を仰げない状況で,火急の事態だったりすると,独断専行も許される事がある.
【質問】
兵隊さんが着てるセーターって,やっぱ戦地でもドライクリーニング用洗剤で洗うの?
【回答】
前線の兵士は,後方の陣地や基地に下がったとき,まとめて服を洗濯に出し,支給された(新品か洗濯の終わった)適当なサイズの服に着替えます.
セーターをそんなに頻繁に洗う必要があるか,ドライクリーニングじゃなくてはいけない素材かは知りませんが,後方(後方だって戦地)で洗濯係がどう洗うかは設備次第でしょう.
ただし,防寒着は必要数に満たない場合が多いので,替わりが確実にある場合だけ洗濯に出しましょうね.
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