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◆◆兵力動員関連
<◆軍事組織関連
総記FAQ目次


 【link】

『戦争請負会社』(P・W・シンガー著,日本放送出版協会,2004.12)

『子ども兵の戦争』(P・W・シンガー著,日本放送出版協会,2006.6)


 【質問】
 第二次大戦ごろから女性兵士が登場するようですが,列強各国で女性を軍人として採用したのはいつごろからなんでしょうか?

 【回答】
 米国では1940年頃から,陸軍婦人部隊が採用されており,主に後方勤務に就いています.一部はジャクリーヌ・コクランの様に航空機輸送に従事していますが.

 英国では第一次大戦中から既に陸軍婦人補助部隊(WAAC)が出来ていましたが,第二次大戦に活動したのは,1938年9月9日に国王勅令によって婦人国防軍(ATS)が設立されてからです.

 この組織は陸軍の指揮系統とは別で,23〜75名で小隊を構成し,2〜5個小隊で1個中隊を構成.
 更に数個の中隊を束ねて,群となり,1つの群には250名前後の隊員がいました.
 彼女たちは,当初,調理員,事務員,運転手,電話交換手として活躍しましたが,ダンケルク撤退後は,探照灯操作員,レーダー手,高射砲補助員にも就いています.
 また,空軍の方にも数個中隊の部隊が配属され,これらは後に婦人補助空軍となっています.

 海軍では,1917年に王国婦人部隊(WRNS)が創設され,一旦解体されたものの,1939年に再結成されました.

 ちなみに,英連邦諸国でも同じ時期に創設されています.

 ソ連は革命当初の干渉戦から女性兵士が積極的に採用されており,こちらは一線勤務になっています.

 対して,枢軸国では,ドイツで親衛隊の女子補助隊員が採用されていた位で,余り積極的に採用はされませんでした.

(眠い人 ◆gQikaJHtf2)


 【質問】
 義勇兵や傭兵の定義とは,正確にはどんなものなのでしょうか?
 徴兵されて来る兵士は,「国家等がその支配領域から強制的に召集する兵士」とかそんな感じだと思うんですが,今の自衛隊や米軍みたいないわゆる普通の?志願兵と,義勇兵や傭兵とはどうちがうのか良く分からないのです.

 【回答】
 志願兵は国の正規の軍隊に,自らの意志で入隊する事.

 傭兵は基本的に他国の人.
 理由はバラバラ.
 無給の場合もある.
 戦場を選ばない.

 コンゴ動乱やビアフラ内乱などアフリカの戦争では,マイク・ホア大佐など西欧の元軍人が傭兵として活躍した.
 現在では個人で雇われるという古典的傭兵はほとんど姿を消し,元特殊部隊関係者が会社組織に雇われ,会社が政府から各種作戦を請け負う「安全保障企業」が主流.SASの関係者で組織させるコントロール・リスクス社が代表.
 イラクでは国防省関係者が警備会社を設立,米占領当局や米国企業と契約してVIP警護や各種治安維持任務を請け負っている.従業員は元海軍SEALS隊員が多い.
 石油会社など民間企業が高給で現役特殊部隊将兵を雇いいれるので,米軍は対抗して引き抜きボーナスを払うことにしている.

 義勇兵は,思想信条等に共感して自発的に志願する.
 他国の軍隊に志願する場合を言うことが多いが,自国でも,正規軍と別に義勇兵だけによる非正規軍が組織される場合もある.米西戦争でセオドア・ロースベルトが加わったラフ・ライダーズなど.
 給料どうこうではなく心の問題.
 他の戦争には参加しない.

……という建前だが,実際にはスポンサー国のヒモ付き,ないし名前だけ義勇兵で,内実は正規軍そのもの,という場合がほとんど.
 スペイン内乱の「エイブラハム・リンカーン国際旅団」の場合,志願者は左翼思想的に共感したもので義勇兵の典型だが,当時のソ連のコミンテルン,各国共産党,左翼組織を通じてプロパガンダ攻勢をかけて組織した.
 朝鮮戦争に参戦した中国軍「義勇兵」は単に中国軍.


 【質問】
 国民皆兵みたいな制度をとり,各家庭に歩兵用対戦車兵器など重火器を配布しておけば,けっこうな自衛戦力になりませんか?

 【回答】
 「国民皆兵」と言ったって,国民全てが対戦車戦闘する訳じゃありませんから.

 災害時の救急キットみたいに各家庭に配布してそのまんま保管しとけばいつでも使える,という種類の火器は,今のところ(小銃レベルでも)ないと思われます.
 仮でも,各家庭に配るとなると,装薬の経年劣化に対する,回収と再配布のシステム,引越しなど住居移転時の武器の管理方法など問題山積みだと思われます.
 せいぜい,地方自治体単位での武器貯蔵システムとかが関の山.
 むしろ,火器を各家庭に配置しておくよりは,緊急時に即応して部隊編成などができるシステムを構築するほうが利口でしょう.
 国民皆兵と言った所で,国民が各個に戦闘して外敵を撃退できるほど,現代戦は甘くありません.

 各家庭に重火器を配ったら,反応装甲や鳥かごぶら下げた装甲パトカーが走り回り,ボディアーマーをつけて即応状態で小銃を構えた警察官が辻毎に立つことになると思われ.
 警察官にレーザーサイトで照射されたら,すぐに止まらないと,問答無用で斉射を食らったり,刑務所で非人道的な扱いを受けたりするわけだ.

 というのは極端かもしれないが,ただ武器を配っても犯罪者と暴徒を大生産するだけになると思うぞ.


 【質問】
 国家が民兵を組織する場合は,どうやってるの?

 【回答】
 簡単に説明すると,あらかじめ一般市民に兵士としての訓練をし,有事の際には動員して企業,学校,自治体単位で部隊を編成し,任務に就けるようにしています.
 一般的に言って,武装は国軍が使用していた旧式装備などを中心としていますが,戦車や火砲などの重装備は使用しない場合が多いです(アメリカとかは例外).

 民兵を保有している国の多くは,国民皆兵制をひき,徴兵の終わった成人男子に対して年何日間かの訓練を施し,されをもって「民兵」としている場合が多いです.

 有事以外にも大規模な自然災害の際に,市民の支援や治安警備のために自治体が動員する場合があります.
 アメリカだとハリケーンの季節などに州兵が動員されることがありますが,これがそうです.
 国単位で大規模な動員が必要な際は,これらの民兵機構に重装備を与えて再訓練し,国軍に編入する場合もあります.
 旧西ドイツの「郷土防衛隊(だったかな? ^^;)」の場合,その主任務は有事の際の市民の避難の支援や,後方の警備などとされていました.

 日本の場合はほぼ無理でしょう.
 訓練のために定期的に民兵を徴集することを,企業や経済団体(=与党 ^^;)が許さないでしょう.

軍事板


 【質問】
 訓練された正規兵と民兵は,どの程度能力が違うのでしょうか?
 特に歩兵同士を比較すると,ヘルメットやボディアーマーの有無以外,差を感じません.
 戦闘技術や戦術に大きな差あるのでしょうか?

 【回答】
 訓練された正規兵と民兵と単純に言っても,そう簡単に比較できないよ.
 文から察するに,単純に歩兵個人の戦闘力の差だけを考えてるように思えるが,実際の戦闘じゃ民兵と,大規模な火力支援が望める正規兵差まで考慮するのかによって,答えは違ってくるし.

 民兵.と単に言っても,麻薬代が欲しくてAKを持ってただ駆けつけたようなアフリカのゲリラみたいなのも居れば,アメリカのPMCの様に元特殊部隊軍曹みたいなのも居るんで,単純にはいえないし.
 中には統制が余り取れていない組織も在れば,LTTEの様に統制が取れている組織もある. つまり,組織によって大きな違いがある.

 ちなみにイスラム・ゲリラの場合は,攻撃作戦は各地で無関係に行われて,その戦果だけを共有する形が多いそうだ.

 また,アフリカのゲリラみたいな民兵の場合は,装備が旧式な場合が多い.
 ただし,現在のソマリアでのイスラム法廷戦闘員とエチオピア兵を比較した場合はどちらも旧式と言う状況もあるので,装備に大きなレベルの差があるとも言いがたい.

 戦意の有無についても,これも程度問題.
 野盗に毛が生えた程度の民兵もいれば,宗教的過激派のゴリゴリのヤツもいるわけで.

軍事板
青文字:改修部分

▼ ちなみに,
「ローデシア軍の特徴」
によれば,正規兵による殺傷率はゲリラの8倍にも達していたそうです.
 なお,このデータの元は,デーブ・グロスマンの『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004.5)だと思われます.

仮 in FAQ BBS

Colombian Milisia


 【質問】
 民兵の警戒すべき点はどこか?

 【回答】
 民兵は厄介な存在だ,と高部正樹は述べる.
 以下引用.

 農民や商店主,主婦などが突然,突撃銃を手にする.
 民間人,とりわけ女子供だと思って下手に情けをかけると,ろくなことにならない.
 こいつらは自ら積極的に民兵になっている.戦闘技術どうこうは別にして,憎悪からくる士気は高い.相討ち覚悟の捨て身でやってくる.命がけの奴らならどうとでもなるが,命を捨てて向かってくる奴らは手強い.
 またファナティックな分,手に負えない.
 ある村で一晩明かしたとき,早朝にドイツ人傭兵の惨殺死体が発見されたことがある.油断するとこうなった.

(高部正樹「傭兵の誇り」,小学館,2001/12/20, P.158)


 【質問】
 アメリカ軍はアメリカ国籍がなくても入隊でき,兵役を務めれば国籍が貰えるそうですが,こう行った制度は欧米では一般的なのですか? イギリスやフランスではどうなのでしょうか?

 【回答】
 アメリカだけの特異な制度.
 アメリカ軍に入隊するには,まず永住権の取得(グリーンカード)が必要.
 んで,大過なく軍歴を勤め上げれば,市民権取得のための申請を行うことができる.
 近年アメリカの市民権取得は非常に難しくなっているが,軍歴があればスムーズに申請ができるわけ.

 一方,欧州諸国では国籍取得は比較的容易で,5〜10年の合法的滞在で取得可能.
 また自国籍を有しない外国人を入隊させるのは,イギリスのグルカ兵とフランス外人部隊くらい.
 なお,グルカ兵は2004年より完全な英国市民権を認められることになった.


◆◆◆徴兵関連


 【質問】
 世界各国の軍隊で,徴兵制にしているところが分かるサイトはありますか?

 【回答】
 全世界の国と地域の網羅的な資料としては,CIA World Fact Bookがよい.

 同サイトの,Military/Military service age and obligation (軍事/兵役義務の年齢と期間)の項目を参照すれば,例えば…….

Azerbaijan アゼルバイジャン
18years of age for compulsory and voluntary military service; law passed December 2001 raises maximum conscription age from 28 to 35 (December 2001)
義務兵役,志願兵役ともに18歳以上.2001年の法改正で応召義務年齢が28歳から35歳に引き上げられた(2001.12)

徴兵検査の体重測定

(うそ)


 【質問】
 「日本も徴兵制をとるべきだ」って主張してた香具師がいたんですが,徴兵制のメリット・デメリットってどんなことがあるのか,よく分かんないんです.
 兵隊の数が増えれば強くなって安心かなあ,とか思うんですが,ほかにどんなことがありますか?
 そして日本も徴兵制にすべきなんでしょうか?

(ニュー速厨 ◆P1AWcg9OTs)

 【回答】
   メリット
 人が一杯来てウマー.国が兵隊を強制的に徴募するんだから,慢性的な定数割れが防げる.
 国民の国防上の意識改革が可能(と言われてる)
 なんか道徳とか集団生活のための躾に期待する奴も居る.

   デメリット
 徴兵で只みたいな値段で人が手に入っても,結局教育やら何やらで人件費が掛かる.人は喰わにゃ生きてはいけないからね.
 例えば仮想敵国の脅威が薄れたりして,多少国防をおろそかにしても,経済や文化,技術,学問の発展に力を注ぐべき時に若者の力が軍に持ってかれる.
 軍事教育を受けた若造が街に溢れて,かえって物騒になってしまうこともある.

 基本的に国防上,陸戦を重視してる国は徴兵制は結構メリットがある.何故かと言うと,どちらかと言うと陸戦は兵士の質より頭数が重要だから.
 逆に空海を重視してる場合は,量より質となるため,メリットよりデメリットが多い.

 また,メリットデメリットはその者が国防をどう言う観点で捉えてるかで,主張にバイアスかかるから,日本が徴兵制にすべきか?の問題は,意見が割れ易い.


 【質問】
 人類の長い戦いの歴史の中で徴兵制ができたのって比較的最近なんですよね.
 でも,兵力を増やすため国民を徴兵するなんて発想,誰でも思うことと思うんですけど・・・
 近代までどういう理由で徴兵制ができなかったんですか?

 【回答】
 その「国民」がいなかったから.

 今でこそ普通だけど,近代の意味での「国民」「国家」という概念自体はそう古いものではないっちゅうことです.
 例えば日本だって,人々が自分は「日本国」の「国民」「臣民」であって,国家という単位の成員として兵士となるという感覚を持ったのは明治からでしょ.

 昔から,封建領主がその領民を動員するということはよく行なわれていたわけ.
 でも,半農半兵だから兵農分離が進んでプロフェッショナルな兵士が生まれると,段々戦力として当てにならなくなってきた.もともとも士気も低いし.
 つうことで,軍備は常備軍が中心となってあまり一般人の動員が行なわれなくなった,

 しかし近代になると中央政府の権力が,地方領主とかを通さず直接及ぶようになり,かつ徴兵される側の国民に「国民」という意識が生まれ,一定の愛国心が育つことで,戦場から逃亡する恐れが低くなる,という風に環境が整ったの.
 そこで戦役の間だけでなく,一定の期間一般人を兵役につかせ,訓練を施してプロフェッショナルにすることで,たくさんの人員を戦闘員にすることができるようになったわけ.

 というか,ある意味では,国家がいわゆる「徴兵」というのを行なえるようになる社会的条件を「近代」っていうんですよ.

 で,軍事面での「近代」が劇的に進んだのがフランス革命.
 フランス革命の熱狂状態が,「革命を防衛するためなら死んでも構わん」という「国民」を生み出した.
 これによって,「義務」としての徴兵に応ずる人間が爆発的に増えた.

 フランス革命以前の軍隊は「王様の軍隊」で,当時の戦争は「王様同士の喧嘩」だったんだわ.
 どっちが勝とうが負けようが領民達は無関係だった.
 国の利益は支配階級が独占していて,領民とは無縁だったから,どーでも良かった訳だね.
 だから,領民には,戦争に参加する意義も利益もなかったのだ.

 国民国家の場合,国の利害は国民生活に直結するようになり,国民が政治に参加するようになった.
 当然,国民は自分たちの利益を守るために戦争に参加するようになった訳だ.

 やがて民主的な革命としてのフランス革命は失敗するけど,ナポレオンというカリスマが登場し,「国民」の熱狂状態はさらに加速.近代的な「ナショナリズム」が定着し,他の国にも伝播し,「自分たちの国を防衛することは義務だ」と考える「国民」が各国に誕生した.

 こうして徴兵制が有効なシステムになっていったわけ.
 「国民」抜きに,徴兵をやろうとしても,素直に応ずるわけがない.
 兵役を義務として受容する「国民」あってこそ,はじめて徴兵制は有効なシステム足りえる.


 【珍説】
 この程度の知識〔常備軍に関する大雑把な概史〕を仕込むだけでも,

「昔から,どこの国民も,一度は軍隊に入って国防の義務を果たすのが当然だった」
「市民とは,兵役の任を果たす者のことだ」

などという嘘には引っかからなくなる.
 現在,我々がイメージするような,国家(国民国家)とか軍隊(国民軍)は,たかだか200年くらいの歴史しか持っていないのである.

 〔略〕

 古代の都市国家では,貴族と奴隷との中間に市民という階級があって,兵役の義務を課せられていたが,それは特権と裏腹なものであった.
 もっと分かりやすく現代の例を挙げれば,アパルトヘイト時代の南アフリカでは,白人にだけ兵役の義務があったが,その代わり黒人には選挙権などがなかったのである.
 こうした事実や,フランス革命が国民軍を生んだことを知ったならば,
「市民とは,自らの権利を守るために戦うもののことであり,世襲の権力など認めない者のことである」
というのが正しい定義だと思い至るだろう.

林信吾著『反戦軍事学』(朝日新聞社,2006/12/30),p.28-29

 【事実】
 フランス革命による国民皆兵制度は,「市民とは兵役の任を果たす者を指す」好例のはずだ.
 この徴兵制度が出るまでのフランス革命政権は,義勇兵による募兵が中心であったのだが,思うように集まらずに徴兵制度に切り替えた経緯がある.
 この点で留意されたいのが,この徴兵制度を決めたのは,フランス王政を打破した共和制政権を担うブルジョワ=都市市民階級であり,王政による身分制度が無い以上,革命政権の指導者も国民にあたる.
 にもかかわらず,徴兵制度を敷いたのは革命政権での話し合いで
「フランス国民は兵役の義務を負う」
と決めたのではないか.
 これを正反対に
「市民は兵役の任を果たす者ではない」
とはいえないだろう.
 また,国民国家と国民軍の成立がたとい200年が歴史だというのなら,国家が国民を守る概念すら例外だろう.
 国家が国民の生活を守れない場合,自然権の範囲として国民が旧国家を打倒し新しい国家を打ち立てる革命権が存在するのは,人権を勉強すれば学ぶ権利だが,この権利はジョン=ロックによって考え出された17世紀終盤の思想であり,それまでは王権神授説による絶対王政であり,国民が国家=王様に反抗することは当然の権利ではなかった.
 またこれ以前の政権が「国民の生活を守る」国家であったかは,歴史が証明しているように,現代にそのような政権が残っているところは極めて少数である.
 このような国民と国家の関係を無視した上で「例外的」と指摘したのはどういう事なのか.
 専制国家は歴史上長い歴史があるから良いとでもいうのだろうか.

 更に追記すれば,同じ時期に生み出された概念には私有財産制度の確立やメートル法もだが,それも例外だからと主張されるのだろうか.

HN「早稲田の論客だった人」 in mixi,2007年02月18日18:04

 また,名古屋大学の大屋准教授のブログ
ひたぶるにうら悲し.(1)
では,
・そもそも
「昔から,どこの国民も,一度は軍隊に入って国防の義務を果たすのが当然だった」
なとと主張している政治家・実務家がどれだけいるのか疑問.
・国民軍の歴史はたかだか200年だと言うが,古代ギリシャ・ローマを忘れてやいないか?
・古代ローマでも,裕福な奴隷もいくらでもいたが,彼らは軍事動員の対象にされない代わり,政治参加も認められなかった.
 南アフリカでも有色人種には徴兵もない代わり,政治参加も認められなかったし,フランス革命でさえ,女性は徴兵の対象外である代わり,政治的権利は認められていなかった.
 在日韓国人男性も韓国からは徴兵されない代わり,韓国に対する政治的権利がない.
 ゆえに,「市民とは兵役の任を果たす者のことだ,というのは間違い」とは言えないだろう.
等の点も指摘されているので,参照されたし.

※ なお,韓国人女性には兵役の義務がない.


 【質問】
 韓国の在外投票に関する法制度が未整備で,在外(日本も含む)韓国人が投票できないだけじゃないでしょうか?

 【回答】
 違います.
 韓国では過去に在外投票制度がありましたが,廃止されています(つまり「未整備」ではない).
 また,2002年には在日韓国人の原告によって,選挙権が認められていないことを不服とする訴訟が起こされましたが,2003年9月に控訴審でも敗訴し,その後の報道がないのでおそらく確定したものと思います.
 そのことを報じた朝鮮日報によれば,判決理由には
「納税,兵役など,国民の義務を履行しない在外同胞に選挙権を認め[る]のは難し」
いというものが最初に来ています.

おおや in FAQ BBS


 【珍説】
 現在日本での徴兵制復活のおそれについてはどのような考えでしょうか.
 私は今のこの状況は間違いなく徴兵制の復活は近いと危惧するものです.
 国際貢献活動なるものが,その一つではないでしょうか.
 徴兵制の復活は,とりもなおさず日本が自発的に戦争を開始できる,侵略行為を正当化できることに繋がるとに他なりません.
 イラク出兵にしても,この期に及んでもまだ「人道復興支援」なる題目を信じている人が軍板にいるとは思えないのですが.

 【事実】
 現代の軍隊は,徴兵制をそれほど必要としていません.
 志願した職業軍人による,少数精鋭の軍隊ってのが,世界的なトレンドです.

 軍隊を批判するのは結構ですけど,軍事に関してもっと勉強しないと,的はずれな批判に終わってしまいますよ.

・徴兵制問題まとめサイト【徴兵制 復活?】

 ちなみに,「唐沢俊一の裏モノ日記(2004/02/02)」では,「徴兵制復活の恐怖」をいまだに煽る知識人を以下のように考察しています.

 いまの日本にも,なお徴兵制を主張する意見はある.
 しかし,その大部分は,軍事目的で言っているのではなく,現在の若者のだらしなさに憤慨するあまり,徴兵して芯からたたき直してやれ,というスパルタ教育の一種,戸塚ヨットスクールの同類として軍隊をとらえているに過ぎない.
 そんな非論理的な感情的意見におびえる必要など,全くないことは,すぐわかる.

 …にも関わらず,今の知識人,ことに若手の知識人の間には,この徴兵制復活に対する神経症的恐怖感を表明する者がやたらと多い.
 これは何故か.おそらく,彼ら若手知識人は,オトナたちが徴兵制を真面目に復活させようとしているのだ,キミたちはアブナイのだ,と言い続けて,自分と同世代,またはそれより下の世代を煽動しなくてはならぬ,商売上の必要性を常に持っているのだろう.
 下の世代をタキツケて年寄り連中との抗争を起こさせ,自分はその若者たちにかつがれて,著作印税や講演収入で飽食しようというのが彼らのハラである.
 そのためには徴兵制という文句は,実に今時の若者に嫌悪感を抱かせる,いい語彙なのだ.
 若者たちよ,こういう奴らに騙されてはいけない.彼らは幻影で君たちをおびえさせ,いいカモにしているのである..

 【珍説】
「現在の軍事システムのハイテク化が進むにつれ,兵の熟成期間が以前とは比べ物にならないほど長くなってる」
どころか,逆.兵器の自動化によって扱いは非常に楽になっている.

 特に戦車戦や航空戦では,操縦者の技能よりも,兵器の性能の方が遥かに重要.
 湾岸戦争では,アメリカのエイブラムスはイラクのT72やT64を数百両撃破しているが,アメリカ側は十数両(しかも,半分が同士討ち)の損害を被ったのみ.
 F15は,レバノン侵攻などで数十機以上のmig23やF4を撃墜しているが,被撃墜数は0.
 人並み以上の体力と,数ヶ月の訓練機関さえあれば,志願兵とほぼ同じように戦える.

http://blog.livedoor.jp/rediscover_myswlf/archives/50079611.html#comments

 【事実】
 そのblogで本人がいみじくも語っている様に,「世間知らずの高校生の戯言」に過ぎません.
 M1-A1にしろ,F-15Cにしろ,その操縦者は長時間の厳しい訓練を経て,それらを扱い,目覚しい戦果を上げているのです.
 例えば,空自でF-15のパイロットに成る為には,最短で4年半は掛かります.地上準備課程だけでも半年かかります.
 それでも,まだヒヨッ子ですので,使い物に成るまでは,あと500時間の飛行時間は必要です.
 つまり,戦力に成るまでは,入隊してから6年以上は絶対に必要です.

 自動化云々ですが,自動化で簡単になったが,別の問題が,ではなく
「すげぇシステムになっちまったので,自動化しないと動かせない」
が本質.
 例えば静安定性のない航空機なんか,自動化してなければ,熟練パイロットでも飛ばすのが精一杯.
 センサーや警報装置や妨害装置や火器管制やら山積みの現代の兵器は,自動化してやっと訓練した兵士なら使える状態,ということです.

 つまり,
「自動化で戦争が楽になった」
って前提がそもそも間違ってる訳で.

 戦闘の高度化による兵士への要求の増大に対する回答が
「人間の能力への自動化による補完」.
 つまり,自動化して人間への負担を機械が軽減してやらないと生き残れないって事です.
 兵士への要求は増大する一方で,それを自動化やシステム化で補ってる状態.此処の兵員の負担は軽くなどなっていません.
「自動化で操作がほら!こんなにカンタンに!」
ってのは家電の発想に過ぎませんよ.

 更に,訓練云々と「操作」はまるで別の話.
 クルマだって,操作ができる様になっても,法規走行習わなきゃ路上に出してもらえませんね?
 たしかにAT車はマニュアル車よりはるかに運転がラクチンだが,実際の教習期間はせいぜい2〜3時間の差.
 例えば,戦車の動かし方だけ知ってても,地形に合わせて素早く隊形を変化させたり,敵を先に発見したり,待ち伏せに適した地点を決めたりするetcが出来なきゃ意味ない.
 そういうのも含めて「訓練」.
 それに,戦場ではその「AT車」のメンテナンスや応急修理技能も求められる,
 いざとなれば「MT車」にも乗らなきゃならない.
 やはり兵器の扱いも重要.
 ハイテク兵器ならなおさら.

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 自動化と訓練時間短縮の件はこう例えてみると解りやすい.
 オフィスへのパソコンの導入で,事務作業は飛躍的に楽になった.
 かつて1時間かかった仕事が今では10分でできる.
 よってアルバイトでも十分に仕事がこなせる.

 確かにペンとメモ,電卓を使っていた時代に比べて仕事の能率は上がったが,逆に訓練時間は増大した.パソコンの扱いを覚えなきゃならんからね.
 派遣社員(傭兵)に仕事を任せるならともかく,いつ辞めるかも解らんアルバイト(徴兵)を一から訓練して使う,なんていかに非効率的か解るだろ.

 最近の高校生は,アニメかなんかの影響で,道端に落ちているモビルスーツや戦車,戦闘機でも,コクピットに座ったら,即座に手足の如く使いこなせるとでも妄想しているんじゃないの(笑),
 車の免許も持っていないくせに,「頭文字D」ごっこやって自爆する高校生が後を絶たないのが,21世紀の日本だからなあ.


 【珍説】
 一般的な国民がビデオ録画もできない機械音痴ばかりではない.
「先端兵器は高価で熟練に時間が掛かる.必然的にプロ化せざるをえない」
なんて,いつの時代の話だよ.

 それに,ハイテク兵器こそ初心者向けだろ. 「目標をターゲットに入れてスイッチ」だけだからな.
 74式戦車より90式,カールグスタフより軽対戦車誘導弾のが,ベテランと初心者の差は小さいはず.

 【事実】
 ハイテク兵器が「目標をセンターに入れてスイッチ」でよし,というのは確かにそういう一面があるでしょう.
 しかし,その整備について全く考えていない意見です.
 前線では極力,操作する当事者がメンテナンスを行うものです.工場に送り返すような重大な故障はともかく.
(90式戦車の場合,74式に比べて乗員が減った分,一人当たりの作業量が増加したことがかなりの負担になっています)

 簡単に言えば,
「プレステのプレーヤーに,本体の分解掃除・組立ができるのか?」
ということです.
 兵士というのは技術者の集団なんです. ただ引き金を引くだけじゃないんです.
 つまり,「目標をセンターに入れてスイッチ」の機能を維持するための作業は操作する兵隊の仕事なんです.
 手入れ・調整はもちろんのこと,故障したのであれば,
「どこがどう壊れたのか?」
を把握し,報告することも求められます.

 ただ最近のハイテク兵器は,「そこらの兵隊じゃ手に負えない部品が多すぎる」ことが深刻な問題になりつつあります.

 また,確かに最近の兵器は過激な操作熟練者を必要としていません.熟練の必要な制御の一部を兵器自体が行うので.
 しかし,スイッチ一つで機動から照準から攻撃から回避からって全てやってくれるではありません.
 自動車の免許持ってるからって,いきなり戦車に乗せられて,即戦力になる筈がありません.
 戦車の運転は免許があればできますが,戦車長の支持に従って戦闘機動ができる事とは次元が違います.
 ハイテク兵器であれ,それなりの習熟は必要です.
 徴募兵じゃ,ハイテク兵器が習熟出来るかどうか怪しいような短い期間しか,軍隊で教育できません. 徴兵した兵士が出来るは精々,「銃が撃てる」と「命令に従う」程度です.

 そういうものに若い上質の労働力を軍隊に拘束されるって事に,多くの近代国家は意味を見出してないってことです.
 上述のような珍説は,工業化の進んだ国で就業年齢の人間を10年兵隊に取る事が,国家経済にどれだけ悪影響を与えるか想像した事がないゆえの意見と言えます.
 韓国のように,ある日突然国境線の向こうから敵国が侵略してくるかもしれないって国には,意味がまだそれなりにあるやも知れませんが.


 【珍説】
 工業化の進んだ国は,生産の主体がロボットだから,10年の兵役には何の問題ない.
 今の日本でオート化が進行してないように見えるのは,ロボット買うより,中国で奴隷的低賃金で作らせた方が安上がりだから,という経済性原則によるだけ.

 【事実】
 勉強不足もいいところですね.
 工場のロボット化は一人頭の生産力を増やすために行なうものであり,人間が不要になるわけではありません.
 また,若年労働力が慢性的に不足するであろう今後の日本において,若者を兵役という非生産的労働に従事させるのは,無駄以外の何者でもないです.
 日本は世界一ロボット化が進行した工業国です.
 それでも,10年の徴兵制を敷いたら,経済が崩壊するでしょう.端的に言えば,兵役中のそいつらの給料で.


 【珍説】
 世界最高のハイテク軍備を誇る米国において徴兵制復活の議論が起こっている事についてはどう思われますか?

 【事実】
 アメリカで徴兵制が復活するぞと煽っているのは反戦活動家.
 そして議会に徴兵制復活法案を提出したのは民主党の反戦議員.
 つまり,ただのマッチポンプ.

 ブッシュ政権は「徴兵制なんて全く必要ない!!」と否定している.
 特にラムズフェルドは少数精鋭機動軍が信念の男だから,奴が国防長官である限り,徴兵制復活なんて有り得ない.


 【珍説】
 「日本が守備すべき場所の狭さ」を徴兵制復活を否定する論拠にされる方がおられますが,最早この論理は現在通用しません.これから日本が守備すべきはイラクにとどまらない.のでは?

 海外派遣したら,自己意思で入隊する人々の数を維持できない.
 自衛隊の隊員数が激減したら,自衛隊を維持存続するために徴兵制になる.

(ポンボ)

 【事実】
 なりません.
 日本が単独で他国を占領しに行く事は無いので,大兵力は必要ではありません.
 また,むしろ海外派遣したほうが入隊希望者が増えるでしょう.自衛隊のイラク派遣では希望者は募集人員を大きく上回りました.

 ・・・それと自衛隊の募集倍率とか,見たことありますか? 不況のせいもあるけど,一般幹部候補生で50倍の倍率.2等陸士でも5〜10倍.今や狭き門です.

アメリカやイギリスは志願制ですが,新兵の募集が減って困っているという話は聞きません.またドイツは軍の縮小,人員削減を打ち出した上に徴兵制廃止も視野に入れていますが対外派兵を積極的に行う決定を降しています.ドイツ軍は今後,世界中に展開します.ですが軍隊の人員を減らしています.

これらの例からして,例え自衛隊の海外派兵が多くなっても募集人員が減って困るようなことにはなりません.

(JSF)


 【珍説】
 軍板としては「今や軍隊は高度な知識が要求される専門職となっており,昔のような徴兵制が要求されることはあり得ない」ということですね.大変参考になりました.
 わたしの恐れはますます倍増しました.

 それはなぜか.戦争においては
「いやーおれんところもう本職軍人いなくなったんでもう降参.ヤメヨヤメヨ」
こんな事は成り立つんでしょうか.
 ひとたび国家が戦争に踏み込めば人材が払底しようと勝算があろうと無かろうと国が止めるというまでは戦争は続けなきゃならんものでしょう.
 プロのパイロットが次々撃墜され,ろくに操縦桿も握った事の無い十代の若者が,わずかの訓練で戦地に飛び立たなければいけなかった,敗戦前の日本の過去があります.

 【事実】
 現在,先進国間で全面戦争が起こる可能性は非常に低い.
 仮に全面戦争になったら核兵器で一瞬で終わる.
 どちらにしろ長期戦にはなりそうもなく,徴兵制は要らない.
 現代戦はハイスピード戦争.イラク戦争は3週間でバクダッドが陥落した.今残ってる抵抗勢力も多くて総勢5000人ほどであり,徴兵制であるかどうかは問題にならない.

 【珍説】
 敢えて苦言を呈しますが,ハイテク兵器や戦争のオートメーション化を受けて徴兵制はあり得ないと結論するのは,やはり現実を見る眼が足りないというしかありません.

 【事実】
 現実問題として世界の先進国はそれを理由に徴兵制の廃止,兵力数削減,兵器の近代化を図っている.
 このことを無視するのならば,それこそ明らかに現実を見ていない証左.

 また,核兵器の存在が徴兵制不要論の大きなウェイトを占めているわけだが,それは無視ですか?
 【珍説】
 繰り返しになりますが,例えば戦時国家が専門職軍人が不足して戦争続行が難しくなりました.さて国家はこれをどうするでしょうか.戦争終結とはいきませんよね.
経験の浅い者,技術に通じていない者も関係なく動員されていくのは明らかです.

 【事実】
 繰り返しになりますが,大量破壊兵器とハイテク兵器の存在がそのような旧来型の戦争の形を過去のものにしました.
 現代戦はハイスピード戦争です.

 アフリカ諸国のような,旧世代兵器しか持たない国家同士なら,だらだらと続くことはあえりえますが,日本がそのレベルに退化するのはとても難しいでしょう.

 【珍説】
 スイスが武装中立なのは,自国防衛という目的だけでも徴兵制を敷かないと成り立たないということですかね?
 それとも他国戦争への介入も辞さないという政策転換なんでしょうか?

 【事実】
 政策転換などしていない.
 永世中立国は全て発生時点から武装中立.そして国防は自分一国で行わなければならない,だからこそ徴兵制.
 孤立無援の状況下で援軍を期待してはならない中立国家の国防は非常に困難な事であり,スイスは冷戦期には核武装まで模索していた.平和とは武器を棄てることによりもたらされるものではありません.

・スイスの国防政策が良く分かる≪スイス民間防衛≫


 【珍説】
http://obiekt.hp.infoseek.co.jp/peacemaker/draft_0.html
を参考にさせて頂きました.
 わたしの疑問のすべてを再確認することに役立ちました.
<平和を望むものは戦争を理解せよ>
 まあ実質「戦争を欲せよ」ということなんですけどね.
 私と敵対する陣営がいかなるものかを勉強させてもらいました.

 すいませんできたらアメリカ徴兵制復活はデマだったという本国ソース出してもらえたらありがたいんですが.いや全く信じないというわけではなくて.一応情報を提示するにはそれをフォローする上でも無駄ではないと思ってるだけで.

 なんというか,みなさん反戦論者を甘くみているようにもおもえますね.
 はっきりいって現実主義的なはずの皆さんの,とても能天気なのがとても怖いです.いっそのこと
「貴様は国防をなんと心得ているか!」
と突っかかって来る方がよっぽどマシです.
 あと,今になっても国防の論理を盾に戦争に賛成させようとおもっても通用することはないでしょうね.
 反戦論者を変人扱いするのもあまり有効ではないと思いますよ.
 紹介されたサイトにしても,戦争を望まない人に対して戦争を入り込ませようとしているだけなのがバレバレなんだけど.

 うーんそうかあ.皆さんは首相が
「自衛隊は武力行使しにいくわけではないのです」というのも
その通りに受け取っていらっしゃるのかなあ.
「首相はおかしな事を言ってるぞ」
とか少しも思ったりしないのでしょうか.

 【事実】
 参考になったのでしたら幸甚に存じます.
 しかし,訊ねる前に答えはご自身の中にすでにお持ちだったようですね.些か失望を禁じえません.
 じつは戦争を欲している軍オタはそう多くはありません.大切な兵器が壊れたらどうするんですか!?
 ……と,(コレは冗談にしても,敵対する陣営,と軍事板自体の共通思想か何かを想定なさっているようですが,そんなものはありません.

 一次ソースは,そのURLにヒントが載っておりますので,ご自分でお調べくださるとよろしいかと思います.

 それに,この板にも戦争行動自体を嫌っているものは少なくありません.その意味では「反戦主義者」を甘く見るどころか,「反戦主義者」もこの板の中の一勢力と言ってもいいかもしれません.
「負ける戦争は絶対に反対だ」
という反戦主義はこの板では強い賛同を得られておりますゆえ.

 現実主義は薔薇色の,あるいは空疎な理想を持たぬがゆえに,能天気に思えるかもしれません.
 とりわけ世界を現実の目ではなく,かくあるべしというバイアスによって認識している人々には現実主義者に対し,そういった印象を抱きがちです.

 戦争に賛成する,しないというのはイデオロギーではなく実利によって国民が選択することでありますので,多くの国民がその必要性を感じたならば,戦争という選択肢を選ぶこともあるかもしれませんね.
 しかしそれは政治の問題であり,軍事には直接的には関わりのないことです.
 しかし,国民として正しい選択をするためには軍事システムについての知識を持つのは,決して無駄ではないでしょう.

 【珍説】
 わたしが言うのは「現実をわかっているのなら,今の日本がいつでも徴兵制に移行できる体制を作ろうとしている事ぐらいは承知してるはずだ」という事なのです.

 【事実】
 意味不明.そのような動きとやらがあるなら具体的に教えて欲しい.また仮にあったとしても別に問題ではない.

 例えばコスタリカ憲法にはこうあります.
「有事の際は徴兵制軍隊を復活できる」
 しかしコスタリカが徴兵制に移行する可能性は低い.

 ・・・むしろ,徴兵制に絶対移行できない体制があるのなら教えて欲しい.

 【珍説】
 現在の日本において,専守防衛の建前を堂々と踏み越えた自衛隊が,これから自衛官を募集しても,なり手があるのでしょうか.
 その意味でも,徴兵制復活のおそれは見当違いでもなんでもないと言ってるのです.

 【事実】
 むしろ海外派兵をした方が人気出るんじゃないか?
 自衛隊のイラク派遣では希望者が殺到したよ.

 それと自衛隊の募集倍率とか,見たことありますか? 不況のせいもあるけど,一般幹部候補生で50倍の倍率.2等陸士でも5〜10倍.今や狭き門です.

 「専守防衛の建前を堂々と踏み越えた」というのも,首を傾げたくなる見解ですし.他国での治安維持・復興支援活動が,どう日本の防衛戦略を変更したことになるのかと小一時間問い詰めたいですな.


 【珍説】
 わたしは正しい戦争にも,良い戦争にも,「われわれは平和を愛する」といって爆弾と食料を落とす戦争にも反対です.
 そして何よりあなたが犬死にするために国家権力から引っ張り出されることに反対です.
 そのためなら「やたらと反戦平和をがなりたてる迷惑な人」に喜んでなるつもりです.
 戦争は反対だけど,条件付でこれこれこういう場合はいい戦争だから賛成とかいうのは,バランスのとれた判断とは言わない.中立中道なる政治的判断は存在しない.
 どちらかに与することに結果としてなるのだ.

 【事実】
 このスレッド(●初心者歓迎 スレを立てる前に此処で質問を 130)は貴方の政治的主張を垂れ流す場所ではありません.スレッドの趣旨を良く御読み下さい.

 あらかじめ自分の中で答えを持っていながらも質問する,あるいは自分の望む答えが得られるまで粘るというスタンスの人は,心理学用語で言う『確証バイアス』の一種だと思われます.

 ですが,貴方がいくら粘っても無駄でしょう.貴方の主張には具体的な根拠も何もなく,ただ貴方の妄想でしか無いからです.

「軍事についてちょっとでも知っている人なら,日本で徴兵制が復活する可能性は当面,非常に低いと認識している.徴兵制はメリットがない」
 貴方はこの場所でこの意見が大勢である事を知りました.それ以上の何を望むのです?

 というか,徴兵制の何がいけないんだ?
 日本国っつー共同体の利益を守るのに,ソレが必要だったら,徴兵制でもなんでも敷くべきだろ.
 そりゃ戦争になんか行きたくないがね.

 「質問者」が徴兵制が悪だという前提で話してることのほうが,徴兵制がコスト的に見合うかどうか,将来的にありうるかどうか,よりもよっぽど問題だろ.

 軍板住民のほとんどは,コスト的に無意味だから徴兵制に反対してるのであって,徴兵制そのものに反対してる人は少ないだろ.
 徴兵制が志願制より圧倒的にコストがかからなかったり,徴兵制を敷かないと国防がどうにもならんかったりするのであれば,徴兵制に対して反対はしないと思うが.

 むしろ,徴兵制に絶対移行できない体制ってのがあるんなら教えて欲しいよな.
 コスタリカも有事の際は徴兵制軍隊を復活できると憲法に書いてある.
 反戦運動家が大好きなコスタリカ平和憲法にね.
 軍板住人が言う「メリットがないから」ってのは,説得力のある答えだと思うんだが.

 そもそも,「質問者」は徴兵制がどんなものか分かってるんだろうか?
 今年の「日本の論点」にも載ってるから,基礎知識を仕入れるという意味でも,一度読んで見ることをお薦めする.
けっこう発見があると思うぞ.

 単にこの「質問者」は,若者に徴兵制復活の恐怖を煽って政権打倒とか憲法改正を阻止したいだけなんじゃないの?
 だから「徴兵制が復活しそうだ!」じゃないと困る,と.
 左側の政治勢力がよく取る詭弁.徴兵されるのが嫌って感情を,政権批判に向けたい人々の.


 【珍説】
 人件費抑制のために徴兵なんだよ.
 常時兵員には給料支払わなきゃならんだろ.
 そこは抑えておいて,臨時徴兵ならば,これは税とおなじで国民の義務なので,給料らしい給料は払わなくてよい.
 難しい兵器は職業軍人に,銃を担がせて量を求める歩兵には徴兵兵員で充分.

 【事実】
 はっきりいって金はかかります.
 最低限当然の給与払わなけりゃいけないし,徴兵されたやつでも腹はへるし,電気も使うし制服,戦闘服いろいろ支給しなきゃいけないし,徴兵専門の教育隊も作らないといけないし,それを教育するためには,もっと維持するのに金のかかる下仕官を助教として大量に迎えないといけないし,当然教官の仕官もいる.

 しかも,徴兵した兵士に最低限教え込まないといけないことは,これだけあります.

自分が使う兵器の整備分解組み立て.
上官の命令に従うこと.
自軍と敵の見分け方.
捕虜になったときのアレ…つーか捕虜関係.

 とりあえずこれぐらいは教えとかないと自軍の邪魔になります.
 さて,これを臨時徴兵して,そして教え込んでから戦争に行く閑はあるでしょうか.

 徴兵制の大きいメリットは,ちょっと再訓練したら使い物になる兵士になる一般国民がいる,ということです.
 戦争時だけ徴兵なんて意味無いです.
 失業者が大勢いてどうしようもない国とかなら,徴兵制のメリットも,失業対策の一環として無くはありません.
 しかしこの場合の「失業率が高い」っていうのは,30%とかそういうレベルの話です.

---

 たとえ話をしましょうか.

 あなたの会社では警備員を雇っています.
 しかし警備員に払うお金がもったいないので,警備員の数を減らして,その分を社員に警備させることにしました.
 もちろん社員は,警備している間,それ以外の仕事はできません.
 さて考えてみましょう.

1,本当に経費削減になると思いますか?
2,本当に警備のレベルは変わってないと思いますか?


 【珍説】
 私は,軍隊を維持するために徴兵制になると言っているのではありませんよ.
 私は軍隊の効率を言っているのではなく,道義的な意味で,軍隊を持つなら徴兵は当然であろうと申し上げているのですよ.

ぼたんの花

 【事実】
 「道義的な意味」って何?……

 軍隊は効率性が全てです.そうでなくては戦争で勝てないからです.
 故に効率性が悪く必要性の低いものは採用しません.⇒more

 ところで貴方は以前,「ブッシュ共和党は徴兵制復活を画策している!」と,ソースも無く非難していたのに,今では「道義的な意味で軍隊を持つなら徴兵は当然」ですか.
 ちなみにアメリカの議会で徴兵制復活法案を提出したのは,民主党の,しかも反戦運動に携わってきた議員です.

 要するに反戦運動の見地から,「徴兵制はあったほうが反戦運動がやりやすい」という事なのでしょうか?

 ちょっと前まで徴兵制復活の恐怖を煽っていた人が,どうやら徴兵制は復活しそうにない・・・と気付いた途端に「道義的に軍隊は徴兵制であるべきだ」と言い出すのは,あまりに節操が無いというかなんというか・・・

(JSF)


 【質問】
 とある本を読んでいて,
「徴兵制の確立した近代の軍隊ならともかく,(日本の)戦国時代の戦争ではそんな消耗戦はできない」
という記述に当たりました.
「戦国時代も強制的に兵隊集めていたんじゃないの?」
という疑問がわき,自分で調べてみたところ,
1 ナポレオンが徴兵した時のようには,国家に対する帰属意識がないため,消耗戦をしかけると嫌がる.
2 複数の諸侯の所有物である兵隊の寄せ集めであるため,消耗戦をすると家臣である諸侯が嫌がる.
3 近代の徴兵による兵士は職業軍人であるのに対し,戦国時代の徴兵による兵士は民兵であるため,消耗すると即生産に支障がでる.
という理由を考えるに至りました.
 同じ強制的な募兵でありながら,消耗戦が可能になる,ならないの要因はなんでしょうか?

 【回答】
 戦国時代でも農民は兵士にされた.
 ただそれは「奉公」「兵役」であって,近代以後の「徴兵」とは異なる.
 君が挙げているような理由から,例えば越後の上杉謙信はいつもあと1歩のところで戦争を切り上げなければならなかったし,織田信長はそれを嫌って傭兵を主力にしていた.

 フランスが近代徴兵制を確立して以降は
「国が負けたら自分達の生活もなくなる」
という「主権者意識」を兵士となる国民に植え付けた事が大きい.

 そういう意味で近代徴兵制は「強制募兵」とは言えない,とも言える.

 あと,近代になったら爆発的に人口が増えた,というのも大きい.
 特に第一次大戦までは「頭数が多く人命が安い」時代だったから,「使い捨て」が可能だったわけで.

 フランスでは王政時代から民兵組織があり,徴兵を行っている.
 兵役4年,徴兵数は人口比,社会階級に関係なく独身者が対象というもの.
 こいつらは革命期の国民志願兵の母体になった.
 ナポレオンが行ったのは動員の効率化.
 それでも末期には人的資源が枯渇,動員に対応出来なくなってしまっているが.
 士気に関しては,初期の国民志願兵は敵と出会っただけで敗走している.

 フランス革命によって,世界で初めて国民国家がフランスにできた.
 それまで国は,王様や貴族のものだったが,国家は国民のものに変わった.
 国民国家の特徴は,戦争にベラボウに強いことだった.
君主制→国家は君主のもの→君主の私兵が国家を守る
民主制→国家は人民のもの→人民の軍隊が国家を守る
だから,士気が段違い.
 そのため,世界中が真似をし始めた.いや,真似をせざるを得なかったと言うべきか.
 日本の明治維新もこの流れの中にある.
 ナポレオンやヒトラーがいかに独裁者であろうとも,フランスやドイツが国民国家であることに変わりなく,国民国家出現以前の国とは根本的に違う.
 ナポレオンは民衆に,自己を独裁者じゃなくて統率者であると信じ込まさせることができたから,あれだけのことをやれた.


 【質問】
 チャイルド・ソルジャーとは?

 【回答】
 貧しい発展途上国などで戦闘に従事させられている,15歳以下の少年兵を指す.
 以下引用.

[quote]

 ジュネーブ協定により「15歳以下の子供の徴兵」は禁止されているが,抜け道が多過ぎるため,国際社会は2002年2月,「18歳以下の子供を徴兵禁止(15歳以上の自発的な入隊を除く)」とする「子供の権利条約」を発効した.

 しかし,大人と比較して子供は思想刷り込みがた易く,脅かしにも弱い.
 さらに近年,軽火器軽量化が進み,子供でも十分扱えるようになったため,兵力不足を解消する格好の新戦力として,アフリカ・中南米・中東・アジアなど多くの国に,現在も30万人以上のチャイルド・ソルジャーが存在すると言われる.

[/quote]
―――下村靖樹, a photo jouanalist, 『SAPIO』 2003/4/9号, P.95

▼ 『子ども兵の戦争』(P・W・シンガー著,日本放送出版協会,2006.6)は,世界中で主流になってしまった「子供の兵隊」にスポットを当て,その実情を書いている.

 映画「ブラッド・ダイアモンド」もこの本をモデルにした表現が散見される.

 例:

1.村を襲って子供を誘拐し,兵隊にする.

2.さらってきた子供を最初は暴力で脅し,恐怖で縛る,その後,子供に人を殺させ,また麻薬や教化で,組織の一員であることを自覚させる.

等・・・・.

 また,貧困から子供達が自発的に兵隊になることもあるし,場合によっては,親達が自分達の就職の便宜を図ってもらうために,子供を兵士に差し出すところもある.

 そして,子供兵はモラルを教育されていないのと,小さい頃から実戦を経験することによって,優れた兵隊になるという・・・.
 イラクでも,子供を使った攻撃によって,米軍兵士に被害が出ている.

 また,ウガンダだったか・・・SASが子供のいる組織に奇襲攻撃を掛けたが,奇襲自体は完全な成功だったにも拘らず,SAS側に数十人規模の損害が出たそうな(死亡は一名)

 これはかなりゾッとしない話だ.
 日本などの先進諸国ではあまりイメージできないが,世界では「子供が戦場にいること」が常識となっている,
 いたたまれない話ではあるが・・・.

 この本はかなり面白いので,ご一読をお勧めする.

ますたーあじあ in mixi,2008年01月28日15:54▲

 片や,先進国ではロボット化(リモコン化).
 片や,失敗国家ではチャイルド・ソルジャー.
 両者が合いまみえたときのことを想像するに,空恐ろしい.

 【関連動画】
まだ幼いうちから格闘技訓練を受ける子供兵士(「ひろぶろ」より)


 【質問】
 「インターネット中毒によって徴兵免除されたケースがある」というのは本当か?

 【回答】
 本当.フィンランドでの話.

 CNN〔リンク切れ〕によれば,軍の徴兵担当者は,
「一晩中,インターネット・ゲームで遊び,友達もなく趣味も持たない若者にとって,入隊は大きなショックのようだ.何人かが調子を崩して医師の元へ駆け込み,軍にはいられないと主張している.
 医師は,インターネット中毒だと判断した」
と述べている.

 新手の徴兵忌避の手口に使えるかも.


 【質問】
 よく映画や小説などで天才的な能力を持つ犯罪者に対して,罪を不問にする代わりに,その能力を生かして軍事作戦や諜報活動に参加させるという内容が多く見られますが,実際に近代国家でそのような作戦をとったことってあるのでしょうか?
(江戸時代の同心が,博徒や咎人を目明かしや密偵に利用していたことで思ったのですが)

 【回答】
 満州浪人であるとか剣匪・馬賊,
 アメリカのギャング,ラッキー・ルチアーノ,
 ドイツ占領下でナチ/レジスタンス双方が利用した犯罪者,
 フランス軍がインドシナ紛争で雇用したドイツ人兵士(戦犯の可能性がある親衛隊出身者含む),
 当初のフランス外人部隊,
 コンゴ動乱時にCIAが暗殺者として雇った犯罪者
など,公的に認められたものも都市伝説的な者もいくらでも枚挙できます.

 有名どころではかのオスカー・ディルレワンガーが作ったオラニエンブルク密猟者コマンド.
 パルチザンやゲリラ討伐にはその道のプロにやらせるのが有効と提唱して,刑務所から密猟者や犯罪者をかき集めて部隊を編成した.
 後に強制収容所に収容されていた政治犯,軍法会議で有罪となった兵士,ロシア兵捕虜などと兵員を増強してSS突撃旅団「ディルレワンガー」へと拡大.
 ワルシャワ蜂起では戦闘そっちのけで虐殺・暴行・掠奪を行い悪名をはせた.
 その後名前のみだが第36SS所属武装擲弾兵師団に昇格.
 大戦末期には第9軍所属となり,ハルベ脱出戦で赤軍に降伏し捕虜となったが,その後全員消息不明になったといわれている.
 ディルレワンガー自身は45年始めに負傷して師団から,離れ西側の捕虜となったが,その後フランスの捕虜収容所で何者かに撲殺された.

 ラッキー・ルチアーノについては,ジャック・ヒギンズがこのネタで「ルチアノの幸運」(早川文庫,1987/10)という小説を書いている.
 ただし,本人はシチリアには行っておらず,米軍は彼がシチリアに持っているコネクションを利用して,マフィアにドイツ軍の活動のスパイや道案内をさせていたらしい.


◆◆◆傭兵関連


 【質問】
 別にお金はくれなくていいから,戦う兵士を募集している組織はありますか?
 ただ,水と食料と武器が支給されていれば,私は満足できます.
 別に拷問されても死んでもいいから,とにかく戦争に参加したいんです.

 【回答】
 現在,外人部隊の公募を行っているのはスペインとフランスであり,傭兵になるのはこの二つ出身が多いと言われる.理由として,高度な技術を該当部隊では教育するが,数年後の除隊が前提とされているため,技術を保有する者が流出する.
 通常は国防軍などでは技術の流出を防ぐため予備役を設けたり,再就職などで公的企業に就職させるなどするが,外人部隊ではフランス国籍を与えるも,それの人気は低い.

 単に傭兵になりたいと言っても平和な国の議論でしかない.
 自衛隊やって傭兵になりたいという人もいるには居るが,かなり高度な戦闘技術を持ってなければ,何の役にも立たない.弾除けにしかならない人間が,雇われることはまずない.
 よって,質問者がマイク・ホアーを目指しているなら,フランス語を話せるようになった上で外人部隊に入隊するか,SASやデルタを出ておく必要がある.
 あるいは,こことか.
http://www.f5.dion.ne.jp/~mirage/hypams00/2e.rep.gcp.html
 これが出来ないのなら,せいぜい正規軍の露払いが良いところ.

 傭兵生活の「現実」を詳しく知りたい方は,高部正樹氏の「傭兵の誇り-日本人兵士の実録体験記-」を参照すべし.以下に一部を抜粋する.

「どういうツテで自分のことを知ったのかは知りませんが,一年に二,三人ほど,自分のところに傭兵志願の若者がやってきます.
 いつも自分は『命を粗末にするな』と言うのですが(笑),最初はみんな不満そうな顔をしている.
 そして,傭兵生活の現実を詳しく話してやると,表情がだんだん虚ろになってくる(笑)

 いつも,最後に,
『一回家に帰って,じっくり考えろ.それでも,どうしても傭兵になりたいんなら,もう一度来い』
と言って帰すのですが,今までで,二度目の連絡をくれたヤツはいません」(軍事板&自衛隊板)


 【質問】
 傭兵になる人間は,厭世観や破滅願望の持ち主か?

 【回答】
 そんな人間はいない,と高部正樹は述べる.
 以下引用.

 外人部隊で知り合った仲間に尋ねたところによれば,皆,自分の目的に凝り固まって一大決心をしてやってきたという風ではなく,何か「単なる就職先の一つ」と認識しているようだった.

 自分〔高部〕は希に帰国するが,自分を得意な人間として感じた人間は,一人としていないだろう.
 それどころか,
「真夜中の繁華街で因縁をつけられてもおかしくない」
と,友人に言われたことすらある.
 娑婆に出た傭兵は皆,驚くほど穏やかだ.そして人の波に上手く溶け込んでいる.
「平和な娑婆に来てまで争い事を起こしたくない」
 それが偽らざる我々の本音だ.

 気楽に傭兵になる連中は,みんな何らかの形で一度は軍隊を経験していた.
 正規軍を除隊し,一度娑婆に出てみたが,面白くなくて傭兵になった,という出戻り組などが非常に多い.
 この出戻り組には,落下傘部隊や特殊部隊など,いわゆる精鋭部隊出身者が多い.みんな非常に高いプライドを持っている.
 軍では一流のエリートだが,彼らの技術は軍でしか通用しない.娑婆では,世間を知らないチェリー・ボーイ並みの扱いだ.当然そのプライドはズタズタにされる.
 その彼らが,自分を正当に評価してくれる場所,すなわち戦場を求めてきたのは自然の流れだった.

 正規軍を除隊してすぐ傭兵になるのは,訓練ばかりの正規軍に飽き足らない連中だ.この連中は,純粋に戦うために傭兵になっている.
 いちばん傑作だったのは,ボスニアで戦友だったトーマスというドイツ人だろう.
「軍隊に入りたくない」 それがトーマスが傭兵になった理由だった.「このまま国に帰れば兵役にいかなきゃならなくなるからな.兵役に行かなくてもいい歳になるまでは,とりあえず傭兵をやるよ」
 彼は十代でフランス外人部隊に入り,5年の任期を終えたその足でボスニアに来た.
 彼は典型的な「正規軍は退屈だ」という人間だった.

 はっきり言えるのは,みんな戦うことが好きだということだ.
 でなければ,どんな理由があろうとも,戦場という極限状況下で長々と耐えてはいけない.

(高部正樹「傭兵の誇り」,小学館,2001/12/20, P.21-22, 33, 39-40 & 42,抜粋要約)


 【質問】
 傭兵の戦闘能力は?

 【回答】
 実戦経験以上のアドバンテージはない,と高部正樹は述べる.
 以下引用.

 豊富な経験と技術の裏付けのある傭兵は,一般正規兵部隊よりは強い.
 しかし,戦争という巨大な流れを変えたりするほどの力など,どうして保有し得ようか.
 1993年頃だろうか,朝日新聞にデカデカと,「傭兵がボスニアの戦火を拡大する」といった見出しをつけた記事を見た.どこで何を見てきたのか,はたまたウィーン辺りの快適なホテルで適当に書いてしまったのかは知らないが,センスのないジョークかと笑ってしまった.
 現地では当時,3つの勢力が入り乱れて戦っていた.そんな中で,たかが数百か数千の傭兵に,なにができるというのか.どうせ傭兵と言う言葉に惑わされ,勝手に,極悪だが超一流の精鋭部隊にされてしまったのだろう.
 戦争の激しい流れに翻弄される一枚の木の葉,それが戦場での本当の傭兵の姿だった. 

(高部正樹「傭兵の誇り」,小学館,2001/12/20, P.28,抜粋要約)


 【質問】
 傭兵に裏切りはつきものか?

 【回答】
 全くの逆で,信用を非常に大切にしている,と高部正樹は述べる.
 以下引用.

 〔傭兵は〕決して味方は裏切らないし,手も抜かない.
 傭兵にも戦争のプロとしての誇りがある.
 それに,自分への信頼や評価を悪くすれば,どこの戦場にも行けなくなる.

(高部正樹「傭兵の誇り」,小学館,2001/12/20, P.42,抜粋要約)


 【質問】
 「君主論」読んでいたら
「傭兵は肝心なときに役にたちゃしねー.使わねーほうがマシだ」
と,くさしまくりですが,現代でもやはり,傭兵と言うのは基本的に信用が置けない存在でしょうか?

 【回答】
 よく誤解される点だけれど,マキャヴェッリは決して「正確な現状分析」から「現在あるべき政治形態・軍事制度」を考察しているわけではない.
 彼の考え方は帰納的というより演繹的.
 古代ローマの優れた思想を現代に当てはめる,というのが第一.

 マキャヴェッリは十六世紀の人だが,この時期までなぜイタリアが「八百長戦争」ばかりやっていたかを考えてみれば,彼が言いたかったことが分かってくる.
 それまでイタリアは小国分立で,戦争といっても経済利権を巡る限定的なものだった.
 相手に有利な条件で講和を飲ませることが出来れば,相手を殲滅する必要も何もない.
 皆,商売に忙しかったわけだ.
 しかも英仏は百年戦争にかかりきり,スペインはイスラムから国土奪回で忙しく,ドイツは分裂して皇帝なんかいないも同然.トルコははるか海の向こう,本気で戦争しなくちゃいけない相手なんかいなかった.

 ならば「八百長」で十分なわけだ.
 その当時のイタリア半島の戦争は,数千人が激突して死者一人,しかもそれは行軍中の落馬,と言う戦争があったくらい,傭兵が空気を読み合って半ば劇場化していた.適当に撃ち合って終わりとか,酷い時は最初から結果が決まっている八百長戦争まであった.

 ところがマキャヴェッリが成人した頃は,状況が変わってくる.
 次第に英仏スペインは絶対王政を確立し,イタリアに干渉,さらにトルコはビザンチンを滅ぼし,バルカン半島も制圧.
 強大な敵が外国から迫っているというのに,イタリアの都市国家はあくまでイタリア内のルールに則った戦争しか想定してない.
「これじゃやばい! 外に目を向けろ!」
と言い始めたのがマキャヴェッリ.
 だから,これまでうまくいった八百長戦争や傭兵を,ことさら悪く言って見せた.
 決して彼は事実を列挙した上で,読者を説得する気なんかなかった.
 事実,君主論,政略論,戦術論に書いてある,当時起こった事件の記述は,彼の考察に都合のいいように改変されている.

 あと,イタリア傭兵も自分たちのルールが通じない相手には,全力で戦っている.
 たとえばコンスタンティノープルに篭城したのは,殆どがイタリア傭兵だったが,トルコ相手に落城まで戦ってる.
 百年戦争に行ったイタリア傭兵も,とくに戦意が低かったわけではない(例えばジェノヴァの石弓兵隊).
 フランスがイタリアに1494年に攻め込んだときも,イタリア連合軍はタロ川で,砲撃を浴びながらの血みどろの突撃をやった.
 また,『傭兵制度の歴史的研究』という本では,マキャヴェッリのいう「八百長戦争」も,実際の史料にあたると,割と本気でやってる,と書いてある.

 イタリア人以外の傭兵に目を向けてみれば,バチカンの傭兵であるスイス衛兵が神聖ローマ帝国軍と死ぬまで戦って全滅したという故事もある.

 また,マキャヴェッリが傭兵をくさすのは,14世紀彼の故郷フィレンツェが,イギリス人の傭兵隊長ジョン・ホークウッドに乗っ取られたからという理由もある.
 あと,古代ローママンセー,ローマ風市民軍マンセーだから(これは当時の知識人の風潮だから仕方ない)
 なお,カストルッチョ・カストロカーニは傭兵から公爵にまで上り詰めた人物だが,マキャヴェッリもその生涯を戯曲で褒め称えてる.

 ちなみに,マキャベリ自身が徴兵制まがいの事をした時は,失敗している.
 その辺の経験からの僻みとも言えないことは無い.

 したがって,現代と当て嵌めるには時勢が違いすぎる.
 現代だと,昔ながらの傭兵や民間軍事会社に勤める傭兵と幅がありすぎて,一概に言えない.
 後者の様に,真っ当な会社に雇用されているものや,好きで傭兵をやっている人が裏切る可能性は低いだろう.ちゃんとした待遇ならばの話だが.


 【質問】
 死ぬまで戦う傭兵というのは,いったい何が彼らを縛っているor縛っていたのでしょうか?
 徴兵や志願兵と違い,祖国のためと言う理由は彼らに通用しませんよね?
 ならば,彼らを果敢に戦わせるために,会社や組織などは何をしているのでしょうか?

 【回答】
 契約,誇り,仲間意識,将来の名声もろもろ.
 現代の民間軍事企業の場合は,高い給料とか安全確保策(たとえば戦場で負傷したらすぐヘリコプターで病院に運んであげますよ)で釣って,契約で縛ってる.

 ちなみに中世・ルネサンスの傭兵でも,有能なヤツは裏切ったりあんまりしない.将来雇ってくれる君主や国がなくなるから.
 ウルビーノ公フェデリーコ・ダ・モンテフェルトロは傭兵隊長だが,名将と言われた.
 何しろ自分の国の軍隊をまるまる他国に貸し出してたから,裏切り者・無能では商売にならない.
「あいつらは負けそうになるとすぐ逃げる」
という評判が立ったら,誰もどこも雇ってくれなくなるので,どこの傭兵団も規律は厳しく,脱走者や臆病者には厳罰で臨んでいた.
 新撰組ではないが,「戦死するよりも規律違反で処刑された方がずっと多い」という傭兵団も珍しくはなかった.

 スイス傭兵は,それしか食っていく手段がないから,勇敢に戦った.スイスに逃げ帰っても貧農に戻るだけだし.
 また,先祖代々続く職務を完遂するという名誉のためもある.先祖が職務を完遂してくれたおかげで,バチカンでは現代でもスイス傭兵を雇ってくれている.

 ドイツ傭兵は,スイス兵の二番煎じと笑われるのが嫌だから,勇敢に戦った.

 ほんと,理由はいろいろだよ.

 講談社現代新書「傭兵の二千年史」が,ヨーロッパの傭兵史をコンパクトにまとめててお勧め.


 【質問】
 ジュネーブ条約追加議定書 第47条にある傭兵の項目について質問させてください.

1 傭兵は,戦闘員である権利又は捕虜となる権利を有しない.
2 傭兵とは,次のすべての条件を満たす者をいう.
 (a) 武力紛争において戦うために現地又は国外で特別に採用されていること.
 (b) 実際に敵対行為に直接参加していること.
 (c) 主として私的な利益を得たいとの願望により敵対行為に参加し,並びに紛争当事者により
    又は紛争当事者の名において,当該紛争当事者の軍隊において類似の階級に属し及び
    類似の任務を有する戦闘員に対して約束され又は支払われる額を相当上回る物質的な
    報酬を実際に約束されていること.
 (d) 紛争当事者の国民でなく,また,紛争当事者が支配している地域の居住者でないこと.
 (e) 紛争当事者の軍隊の構成員でないこと.
 (f) 紛争当事者でない国が自国の軍隊の構成員として公の任務で派遣した者でないこと.

との事ですが,なぜ傭兵を嫌悪しているかのような条約を作ったのか? ゲリラ・義勇兵の類でさえ一定の   保護が与えられているのに,傭兵の扱いは酷いです.傭兵は何故そんなに嫌われるのですか?

 【回答】
 傭兵に脅かされた新興諸国の意向です.

「1960年代のアフリカでは多くの新興独立諸国が旧宗主国から直接,間接に武力介入を受けた…旧宗主国の勢力(例えば,多国籍企業)はしばしば「傭兵」を手段として武力介入した.
 これに対して,「傭兵」によって「領土の保全」や「政治的な独立」を脅かされた新興諸国は「傭兵」を禁止しようと国際条約の締結に向けて努力を傾注した…」

(松村昌廣「『ポスト冷戦』後の軍事的非国家行為主体(NSA)―邦人救出作戦の手段となりうるか」
from 『防衛法研究』第23号130-131頁)

 なお,ジュネーブ法に関しては,国際赤十字(ICRC)がコメンタールをネット上で出しています.
http://www.icrc.org/ihl.nsf/WebCOMART?OpenView
第一追加議定書に関しては
http://www.icrc.org/ihl.nsf/WebCOMART?OpenView&Start=1&Count=150&Expand=5#5
同議定書47条(傭兵)に関しては
http://www.icrc.org/ihl.nsf/b466ed681ddfcfd241256739003e6368/ffc84b7639b26f93c12563cd00434156?OpenDocument
などを参照すれば,だいたいのことは理解していただけるかと.


 【質問】
 現代の傭兵の待遇は?

 【回答】
 一般的に待遇の良いとこって言うと,鉱山や資源等の防衛のためにそれなりの国家がバックについてる組織

・南アフリカ”Excecutive outcomes”
 兵士は月1500ドル程度,士官は4500〜15000ドル.死亡時・負傷時の保険金有り.
 ヘリの操縦等の技能が有ればさらに月給up.採用は基本的に南アフリカ国防軍の元兵士のみ.

・英"グルカ・セキュリティー・ガード"
 月8000ドル.名前通り元グルカ兵のみ.

 これが内戦に参加する外国人傭兵となると,価格は一気に下がる.
 現代ではほぼ趣味の世界らしいと聞く.
 ローデシア内戦での相場(そもそも相場が有るのか?)は解らないが,ほぼ同じ時期のビアフラ内戦では,10万ポンドで白人傭兵100人を6ヶ月雇う契約が結ばれた.
 つまり,一人あたま1000ポンド/6ヶ月.
 当時は1ポンド=2.8ドルで固定らしいから,米ドルに直すと月470ドル程度.結構高いな.
 ちなみにこいつら,6週間もしないうちに4〜5人を残してほぼ全員が逃げた.

(初心者質問スレッド)

 また,「安月給だった」と高部正樹も述べる.
 以下引用.

アフガニスタン,ミャンマー,クロアチアでの収支決算(単位:円)
国名 支出 支出内容 収入
アフガニスタン 戦場に入る月
216,500
旅費,服・靴等購入費,など 0
普段の月
60
御茶代 6000
/戦場から戻る毎に
ビザ取得月(3ヵ月に1度)
34,000
パキスタン・インド滞在費,ビザ代,装備品追加購入費,など 0
カレン民族解放軍 戦場に入る月
93,500
旅費,装備品購入費など
支給装備が粗悪であるため,事実上自弁
0
普段の月
60,000
装備補給費,タイでの滞在経費,酒代など
0
クロアチア軍傭兵部隊 戦場に入る月
298,000
旅費,滞在経費など 0
普段の月
28,000
煙草・酒代,備品購入費など 28,000
 外人部隊で知り合った,世界各国の傭兵達に話を聞いても,皆似たようなもので,高給で雇われた経験がある人間は一人もいなかった.

 結局,傭兵に高級を払えるほど余裕のある国であれば,自国で特殊部隊なりなんなりを養成しているはずなのである.
 いくら傭兵の中には実戦経験が豊富でそれより高いレベルの技能を持っている人間がいると言っても,そういう傭兵でなければできないような高度な作戦が行われる事は殆どない.
 また,当り前の話だが,そんな重要で機密性を必要とする作戦に,外国人を起用することには抵抗もあるだろう.

 だから,傭兵を必要とする国というのは,「来て欲しいんだけど,お金はない」という貧乏な国・組織が中心となる.
 それ以外は,「来たければどうぞ」という態度だ.
 特に最近は買い手市場になっているので,薄給でも人が集まってしまうから,自然に報酬額は下がっていく.

(高部正樹「傭兵の誇り」,小学館,2001/12/20, P.13)

 ※「民間戦争会社」の待遇は,これとはまた異なると推測されるが,未読.


 【質問】
 現在の先進国で外人部隊というとフランス外人部隊ぐらいしか知りません.
 フランス以外の先進国で外人部隊を持っている国はありますか?

 【回答】
 外人部隊というか外人参加ゲリラなら,ほぼ世界中にいます.

 イギリスはグルカ人傭兵やセポイ(インド人傭兵)で植民地を統治していました.
 同国のグルカは今も現役です.

 スペインではフランコ将軍はアフリカに左遷されて現地人部隊を編成して反乱を起こしています.
 同国は一応,名前だけなら今でも残ってるようです.
http://www5c.biglobe.ne.jp/~recon/2-DATABASE-SPAIN.htm(日本語)
http://www.geocities.com/spanish_legion2001/(英語)
http://www.lalegion.com/(公式?)

 オランダでは,かつての主要な植民地,蘭領インドシナには独自の士官学校があって,植民地に入植した蘭人から将校を養成し,現地人を兵として軍を編成していました.
 この「蘭領東インド軍」は海外植民地省下の組織で,国防省下の「オランダ国軍」(正規軍)とは別物でしたが,WW2後に国軍に統合されました.


 【質問】
 なぜフランスで外人部隊が発達したのでしょうか?

 【回答】
 国王ルイ「パリにヨーロッパ全域から外国人が移住してきた結果,不良外国人によって治安が悪化して困っちゃったわぁ」
 そんなときには,外国人部隊!
 これさえあれば,外国人を減らしつつ植民地戦争を戦う兵を確保できて,一石二鳥!
 ルイ「まあ,これは便利だわ!」

 ……てなわけで,国籍・前歴・身分を問わずに入隊させたもんですから,食い詰めた浮浪者から冒険を求める王族まで幅広い人材が集まったんですね.
 映画や小説の元ネタとされたんで,やたらと有名になってしまいました.


 【質問】
 いわゆる民間軍事会社ではなくて,企業が自社の利益を守るため,例えば,自社施設の警護などの目的で企業が運営する私設の軍隊というのは存在しますか?
 ゲームの話ですが,ファイナルファンタジーZに出てくる,国家規模に相当する神羅軍のような組織の私設軍は存在しないですよね?

 【回答】
 ダイヤモンドで有名なデビアスは,南アフリカのキンバリーの鉱山で鉱夫の反乱防止のため,私設軍隊を持ってる.
 俺はあの「結婚○○年目の云々」「ダイヤモンドは永遠の輝き」とかいうCMを見るたび反吐が出そうになる.
 ダイヤモンドが出る政情不安な国に,グループ企業の傭兵会社を送り込み,政府に雇わせる.
 政府は傭兵会社に金を払う代わりに,ダイヤモンド採掘権etc.をデビアスに売るって寸法だ.
 金は全部外国に流れ,その国には全く還元されない..

 ちなみに有名な傭兵企業エグゼクティブ・アウトカムズ(南アフリカ)に一番出資したのもデビアス.
 今ではつながりを(表面的には)切ったことになってるらしい.

 「国家規模の軍隊」って面倒家私設軍隊とかのたぐいか?
 そんな経費をバカ食いするもんを持つくらいなら,民間軍事会社と契約した方がはるかに安上がり.
 民間軍事会社だって自前の装備や兵員はほとんど持たず,そのつど募集したり契約先に買わせたりして,余計な経費をかけないようにしている.

 NGOなんかが民間軍事会社と契約する例はあるが,企業が私設軍隊を持つのは,あくまでも特殊な場合.
 普通は国に対して税金を払う見返りのひとつが,治安の確保と私有財産の保護なわけだから.

 地上げや有力者襲撃は,万国共通でヤクザもんやゴロツキがやることで,少なくとも軍事的には軍隊とは呼べない

軍事板

 私設軍隊としては,確か,満鉄が連隊4個相当規模の軽歩兵を持っていましたな.
 また,WW2までの上海の外国人居住区には,総兵力1400人の「自衛隊」があったとか.
 どちらかといえば,影の特務部隊なんかでは全然なく,正規軍がカバーし損ねたところを補うような存在ですね.

消印所沢◆z3kTlzXTZk

 コンゴ独立国軍(1885〜1908)も,私設軍隊と言えるかもしれない.
 当時のコンゴは,国王Leopoldの個人領土だったので….

眠い人◆gQikaJHtf2


 【質問】
 スイス銀行のルーツは?

 【回答】
 14世紀以降,欧州各国にスイスが傭兵を送った際,傭兵の給料送金を請け負う個人金融が,そのルーツと言われている.
 もっとも,スイスが一大金融センターに発展したのは,第1次大戦前の1890〜1910年代.
 軍備拡大でドイツ,フランスが増税すると,スイスの銀行は両国で,「税金逃れのためにスイスに預金を」とPR.
 そして第1次大戦中には,中立国スイスに各国の資金が流入したため.1913年にフランス10大銀行の13%だったスイス7大銀行の自己資本は,1929年にはフランス10大銀行の130%,1.3倍に激増.

 福原直樹著黒いスイス」(新潮新書,2004/3/20),第8章には,スイス銀行の腹黒ぶりが,あますところなく描かれている.


 【質問】
 漫画とかで見かける傭兵パイロットて存在するのでしょうか?

 【回答】
 ソ連崩壊後,元パイロットが職を求めて,アフリカ辺りで傭兵やってたりする.
 冷戦終結で仕事を失った東側のパイロットやらが多いそうな,
 エチオピア・エルトリア戦争で,ウクライナの軍事顧問がSu-27に乗ってMiG-29とか落としてたと記憶.

 また,たとえばスホーイ社は元空軍の将軍,管制施設と管制官,整備兵,パイロットこみで,一個航空団をアフリカあたりに貸し出したりしてます.
 ただ,現代航空戦はチーム戦(というかシステムの戦い)なんで,エリ8みたいな個人対国家の契約,乗る機体はばらばら,みたいなのはいないと思いますが.


◆◆◆◆PMC(民間軍事会社)

 【質問】
 民間重武装警備会社の警備員の映像を見て,疑問に思ったことがあります.
 私がニュースで見た限りでは,彼らの服装は
・ヘルメットを被っている人はいない.帽子を被っている人もまれ.
・防弾チョッキを着ている人はあまり見かけない.
・私服を着ているようで,同じ場所にいる同じ警備会社の人でも服装がまちまち.
このように感じました.
 警備会社は警備員にヘルメット・防弾チョッキ・制服を支給しないのでしょうか?

 【回答】
 基本的に民間警備員は警備会社の「社員」ではない.
 あくまで個々のオペレータが,個人の資格で警備会社と請負契約(コントラクト)を結び,業務を委託している.

 したがって,警備員が会社と雇用関係にあると誤解されるような制服,団体記章などの着用は,保安上やむを得ない場合を除きなるべく避けるのが原則.

 武器等の装備品の扱いについては警備会社によって異なるが,契約に伴って支給されるか,あるいは警備会社が斡旋して個人が購入するなど.

 オペレータ側からすると,爆発物やRPGに対しては防弾ベストやヘルメットも無効だし,一見して民間警備員と分かるような装備は,かえってマイナス,という考えをする者もいる.
 いずれにせよ個々のオペレータの判断による.


 【質問】
 傭兵と民間軍事会社の違いがいまいちよくわかりません.
傭兵→雇われ戦闘員,でも捕虜として扱われない
民間軍事会社→雇われ武装警備員,時にはインストラクター,捕虜資格はない
 こんな感じでしょうか?

 【回答】
 それは現在でも研究者の論争点
「傭兵も民間軍事企業も同じだ!」
という主張もあれば,
「個人に対して企業である,違法行為者に対して合法的企業体である,
 単なる戦闘力の提供に対して情報収集,兵站支援,訓練と専門性を持った活動である」
等の理由から,民間軍事企業は単なる傭兵ではないという主張もあり.捕虜資格についても,その雇用形態による,としかいいようがない.

 NHK出版の「戦争請負会社」でも,まるまる一章使って昔ながらの傭兵と現代の戦争企業の違いを論じてる.
 武装警備員やインストラクターははっきり言って戦争企業の下流だし.
 実際は一国の全戦略判断を下したり,士官学校と参謀本部を立ち上げたり,補給全部を請け負ったり,そういった契約の方が金額的にもでかい.

 【質問】
>実際は一国の全戦略判断を下したり,士官学校と参謀本部を立ち上げたり,
>補給全部を請け負ったり,そういった契約の方が金額的にもでかい.

 それは一国の軍事行政を丸々肩代わりしているということですか?
 おそらくそういった民間軍事会社と契約する国はアフリカなどの発展途上国に多いと思われますが,そういった国ではノウハウがないため,外部に委託したほうが質の面でもコストの面でも効率がいいということでしょうか?

 【回答】
 そういうことです.ま,俺も「戦争請負会社」の受け売りなんでそっちを読んでもらった方が早いのだが.
 基本的にはノウハウがないから,民間に委託してる.
 ただ,発展途上国のみならず,アメリカやNATO加盟国なども民間委託の度合いを高めている.

 ・サウジなどオイルマネーを持った国では,戦略偵察>情報分析>判断を民間企業がやってる.
 ・クロアチア軍は,米軍退役将軍たちが作った会社に士官学校設立と参謀育成をやってもらって,NATO陸軍のドクトリンをマスター.セルビア軍の駆逐に成功.
 ・コソボに展開したアメリカ陸軍の補給は,ハリバートン社が受注.これにより米軍は補給担当の数千人の予備役招集をせずに済んだ.
 ・英国は空軍の空中補給部隊,陸軍の戦車整備,海軍艦艇の保守点検(原潜要員の訓練を含む)を民間に委託.

 なぜこういう分野で民間企業が進出しているのか?
 ・プロの軍人をゼロから育成する手間を惜しんで(サウジの例).
 ・そんな金も時間もない(クロアチアの例).
 ・軍縮で人が減った上,予備役召集などすると議会がうるさいから(アメリカの例),
 ・行政民営化を推し進めているから(英国の例)
…など理由は様々.

 軍縮でプロの軍人が大量解雇>でも紛争は起こる>プロの軍人が不足>民間軍事企業が不足したプロを提供
というのが基本パターン.
 民間委託はコスト減にも役立っている,と米軍なんかは議会に主張しているが,実際は競争入札や支払いの不正も多く,本当にコストが下がっているかは不明.
 質も,昨日まで皿洗いやってたおっさんに,ヘリの修理をさせてたケースが発覚したりと,微妙.

 また,一度民間企業に頼ってしまうと,もうその会社無しでは軍事力を構築できず,逆にそれが弱点になったり,会社もそれを見越して契約金額を吊り上げたり,問題も多い.
 傭兵会社が撤退したため,反乱軍を抑えきれずに政権崩壊とか,戦略兵器の保守整備を民間委託したため,実質その企業の言い値で契約を結ばざるを得なくなったりとか.

 余談ですが,軍事ではありませんが,中公新書に『ルワンダ央銀行総裁日記』という手記があります.
 これは独立後間もない新興国であったルワンダが,国家経済政策の中枢機関である中央銀行業務について,自国民に経験者が無く,旧宗主国の支援も受けられなかったため,設立に必要な人材の提供を国際機関を通じて求めたのに応じて,日本銀行から単身派遣された著者が,0から中央銀行を設立し,諸外国と交渉して各種の協定を定め,人材を集めて組織を作る過程を描いた,波乱万丈の実話です.
 通貨の発行や公定歩合の決定,外国との為替レートの交渉などの国家の主権にかかわる重要業務さえ,ノウハウの無い国は外国人に委託せざるを得ないのです.
 我が国の先人の苦労がしのばれます.
 機会があれば,ご一読をお勧めします.

 【質問】
 軍事支援企業とは?

 【回答】
 阿部拓磨<ミリタリービジネス研究家>によれば,戦闘役割型・戦闘コンサルティング型民間軍事会社が目立つ,そんなに目立たないが,注目した方がいいかも しれない種類の民間軍事会社.
 軍事支援企業で現在急成長を遂げているのはKBR(クロッグ&ブラウンルート)社.
 元国防長官ディック・チェイニーがCEOを務めたこともある,アメリカ軍の兵站業務を一手に担っている企業だ.

 ちなみにイラクに派遣されている米軍の兵站業務を担当してる軍事支援企業はKBR社だけ.
 超独占です.
 入札? なんですか?,それは.
 そんなのやってません.

 詳しくは『軍事研究』 2008年7月号を参照されたし.

CRS@空挺軍 in mixi,2008年06月10日15:08
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 Executive Outcomes社(エクゼクティブ・アウトカムズ)とは?

 【回答】
 阿部拓磨<ミリタリービジネス研究家>によれば,エクゼクティブ・アウトカムズ社は(長いので以下EO社)は南アフリカを拠点にしたPMC(民間軍事会社)で,1990年代に発生したアンゴラ紛争・シエラレオネ内戦を中心に活躍した.
 収益の大半が直接戦争業務から得ていたこともあり,攻撃性の高い民間軍事会社だった.
「本当に軍事役務提供型と呼べるのはEO社だけ」
という,とあるPSC関係者の発言もある.

 EO社は1989年に創設.
 代表者は旧南アフリカ市民協力局(CCB)所属のイーベン・バウロ.
 市民協力局というと市役所にもでありそうな局ではあるが,実態はかけ離れており,国内外の諜報活動・アパルヘイト政策維持を目的とした情報収集・自国兵器の輸出などなど,非常にダーティな活動を主とした組織であった.
 またバウロ氏はCCBに所属する以前は,世界でも屈強な戦闘部隊出身であった,南アフリカ国防軍第32大隊(通称 バッファロー大隊)の副指揮官を務めていたこともあり,軍務経験は優秀な男でもある.

 1992年のアパルヘイト政策廃止を機に,EO社はPMCとして急速な拡大を遂げた.
 その背景には反アパルヘイト勢力が政治&軍事力に対しての改革のメスを入れたことにより,国防軍&治安維持組織に対する大規模なリストラを慣行し,6万人以上の軍人&警察官が職を失い,路頭にさ迷うありさまだった,という事情がある.
 この事態に対してバウロ氏は,CCB時代や第32大隊のコネクションをフル活用し,失業した軍人&警察官に対して,当時としては破格の待遇でEO社に招き入れた.
 給与は将校クラスは月収4000ドル・兵士クラスでも2000ドル.
 この給与は旧国防軍なんと5倍以上だったと言われている.
 人材流出を上手く利用したEO社は,軍事専門コンサルタントだけで約500人,直接戦闘を担当する実戦要員だけで3000人以上を確保したという.

 詳しくは『軍事研究』 2008年7月号を参照されたし.

CRS@空挺軍 in mixi,2008年06月10日15:08
青文字:加筆改修部分


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