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◆◆訓練総記
<◆軍事組織総記 目次
総記FAQ目次


(画像掲示板より引用)


 【link】

「Strategy Page」◆(2013/04/22) MURPHY'S LAW: Saving Soldiers From Good Intentions
 「善意」から兵士を訓練不足に陥らせるのは愚行

「哲学ニュースnwk」◆(2013/04/04) よく「ボディビルで鍛えた筋肉はみせるだけの筋肉で実践的でない」というけど


 【質問】
 練度の高い低いで,本当に差が出るものなんでしょうか?

 【回答】
 出るという意見がある.

 人が直接扱う機器ほど練度の差は大きい.
 故に近代軍隊は極力,練度の差による戦闘力の差が生じないよう,自動化や機械サポートなどを充実させる方向に動いている.
(ただし現代軍隊においては,「最低限の技量」を身に付けさせるためのコストがどんどん上昇している.
 パイロット1人育てるのに億単位の金が平気でかかる)

 ただ,実際の戦闘では様々な要素が絡み合うので,練度だけで大きな差が出るのかという疑問は当然あるかも.

 例としては,対内乱作戦において,彼我の死者数を極力押さえ込んで活動している,北アイルランド自治区での英軍の作戦があげられる.
 英軍の戦死者数はIRAテロリストの死者数と比べると段違いに多い.
 これは英軍が自制を重んじて極力,人を殺さない方針をとっていることによる.
 これは第一線の部隊での発砲規律から,指揮官の作戦立案などにいたるまで,方針を徹底できていることを意味する.

 ただ言うまでもないことだが,アイルランドのイングランドによる統治の歴史,共通の文化と言語が,この作戦方針に大きく関与していることは間違いありませぬ.

 それと練度と訓練の質の問題もあると思われる

 演習で課せられた課題を,きちんと時間通りにこなせるとしても,実戦で起こる様々な不測の事態に対応できるかとか,そういう問題があるかも.
 これは例えば憲兵部隊が,交通検問とか家宅捜索とかのやり方ばっかり訓練していたのに,戦地に着いたら刑務所の運営と守備を任されちゃったとか,そういう話がある.

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 【質問】
 軍隊の演習について教えてください
 演習は何処まで細かく設定しているのですか?

 【回答】
 その演習の規模(参加する部隊の規模)によってさまざま.

 小隊以下(分隊や班)単位だと,敵の立てこもる陣地や家屋に突入するところから状況開始,敵役を全部倒すか降伏させて(標的なら全部ヒットさせて)完全に制圧するまでが状況オワリ,ってこともあるし.

 もっと大きい部隊単位,中隊や連隊なら,演習場に移動するのも,その予定立てる段階から,演習が全部終わって駐屯地に帰ってくるまでのあれこれ段取り全て含めて演習って事もある.

 一例として協同転地演習(少し前は北方機動演習)だと,
「仮想敵国Aが日本国内の○県に上陸したので,応援に向かう.
 移送ルートは鉄道○○線を使い,○○を経由して○○県内の○を目的地にする.
 移動予定日数は移動時間を計算して〜日の予定」
とか,
「到着後は上陸した敵が○○に進出していると,(我々が移動にかかった時間から)想定するので,○○にて現地方面隊の部隊と合流云々」
っていう風なことを想定しながら,移送計画を立てる.
 仮想敵国がどのくらいの戦力を上陸させたかとかは,その都度違うが,移動先の演習地でまた戦闘等を見立てた演習がある場合は,
「○○(演習場)まで進出した敵は○隊規模.
 これに対抗するため,我がほうは○〜○間に防衛戦を敷く」
みたいな行動予定を立てる.

 負傷者救助も演目に入ってる場合は,負傷者役の隊員を決めて救護の訓練を行うし,敵から受けた被害規模ってのも算定して行う.

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 【質問】
 プロの軍人がやってる図上演習もしくは兵棋演習について,詳しく解説した本って無いですか?
 自衛官の話だと,図上演習は,
「3日間もかかる上に,2時間ていどの仮眠しか休みが無いので,面白くない」
と言われましたが,それでもやって見たいです.

 【回答】
 基本的にボードゲームと変わらないが,パラメーターは気が狂う程リアルで複雑.

 ただし軍隊の流儀でやるなら,指揮官や幕僚をキャスティングしなければならないし,実際に戦場の駒を動かし,戦闘結果を判定する審判部も必要.
 意思決定のプロセスや戦術のスタイル,思考過程について共通の認識がなければならず,準備だけで結構疲れる上,配役によって仕事量が違うので,不平等な共同作業となりやすく,人間関係が崩壊する危険性を含有する.
 おまけに戦闘は常識的に推移するため,スペクタクルでもカタルシスでもない.

 どうしてもやってみたいのならば,取り敢えず適当なボードゲームで,複数のプレイヤーを師団指揮官,連隊指揮官等に配役し,それぞれを隔離して審判部が戦場を運営するやり方をお勧めする.
 この際,プレイヤーを絶対戦場に入れてはならない.

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▼ 参加者は各陣営でそれぞれ役割を与えられ,軍隊の意志決定過程により,作戦計画を組み立て決断し,それを審判団に伝える.
 各陣営の行動をもとに審判は状況を判定し,その結果で伝えるべきところを各陣営に伝える.
 これの繰り返しで進むらしい.
 ただし,地図を使ったブレーンストーミングのようなものも行政の災害救援対策などではありますし,色々あるんじゃないかと思う.

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 【質問】
 図上演習って,紙の上でサイコロを転がしながらやるのか?
 それとも大戦略みたいなゲームソフトを使ってやるのか?

 【回答】
 時代によって異なる.
 昔からあったのが,地図を使ってその上に駒を置いたり,鉛筆で部隊を記入して行った演習.
 砂盤といって,テーブルの上に盛った砂で地図に基づいた地形を作って行う場合もあった.
 いわゆるウォーゲームはこれが元になっている.
 最近ではコンピュータでやるようになっている.

 ちなみに19世紀のドイツでは,図上演習(ドイツ語でクリークシュピール)が流行して,軍隊の駐屯地のある町には必ずといっていいほど,同好会があったそうだ.
 会誌も発行されてたし,会員には軍人だけではなく一般市民も多かったとか.


 【質問】
 映画「フルメタル・ジャケット」を見て浮かんだ質問です.
 映画のナレーションによればたった八週間しか訓練期間がないのに,戦闘とは直接関係ないことばかりやっているような気がします.
 例えば,行進しながら銃を右に担いだり左に担いだりする訓練や,銃を抱いて寝てお祈りをさせたり,銃と性器をもって「こっちが我が銃,こっちが我が大砲」とか.
 最後の二つは団結心とか銃に対する信頼を強めるためかと思いますが,行進の訓練ばかりしても仕方ないのではないでしょうか? 本当にああいう訓練内容だったのでしょうか?
 キューブリックは考証にうるさいと聞いたので,本当だとしたらなぜあんな訓練をするのですか?

 あと,訓練のときはM14で,後半のベトナムではM16を使っていますが,そうすると当時の米兵はベトナムに行く前にM16を扱う訓練を受けたのでしょうか?
 そうなると,ますます訓練でM14をみっちり訓練しても意味無いような気がします.

 【回答】
 銃の扱いの訓練は重要.間違った扱いをすると,いざと言う時に動作不良を起こしたり暴発して,味方を危機に陥れかねない.
 銃口が上を向いているか下を向いているか,右に抱えているか左に抱えているかでも,いざと言うときには大きな差になる.
 だから.一般人には意味が無さそうに見える訓練内容でも重要.

 精神的な要素が多く割かれているのは前大戦での反省から.調査の結果いざと言う時に銃を撃てなかったり,何もしなかった連中が結構いたから,ジョーカーほどでないにせよ,すぐに人を撃てるように精神改造するようになった.
 精神改造なら,カルト教団の類や撫順収容所を見れば分るように,比較的容易にすむし.

 M14の理由は失敗作で余っていたから.
 M16はそれこそ導入したばかりで前線が優先.
 ほとんどの人間が銃を撃った事の無い連中だから,まず最初に銃の扱い方自体を教えないと.
 それなら別に最新型の銃を使わなくてもむ問題.


 【質問】
 軍隊経験のある人の手記を読むと,
「あれだけ訓練したのに,いざ実戦に参加したらパニックになってしまい,ただ騒いでいただけだった」
というような回想をよく見かけます(オリバー・ストーンの回想とか).

 こういうものを読む限り,軍隊での訓練というのは厳しい割にあまり効果がなさそうに思えるのですが,これはそう言った手記を残す人が,特に戦争に不向きだった,というだけのことなのでしょうか?

 【回答】
 訓練してなきゃパニックになる割合がもっと増える.

 いくら訓練しても実戦を経験しても恐怖は最後まで離れないが,次第に落ち着いて体は動くようになる.…らしい.
 いきなり完璧に動けるようにするための訓練じゃないしね.
 初めての戦闘で完全に沈着冷静だったら,そっちのほうがある意味おかしい.
 訓練してるとはいえ,いきなり何の躊躇いもなく人を狙って射殺できるし,弾が自分をかすめても驚きもしない,仲間が目の前で血塗れになりながら苦しんでいても動揺しない・・・なんてのは人間じゃないからなぁ.少なくとも社会通念的には.
 そういう人も一定の割合でいるらしい・・・がそういう人ばかり集めるわけにもいくまい.
 それじゃ軍隊じゃなくて,性格破綻者が武装してるだけの集団に過ぎないし.
 戦争が終わって用無しになったら危ないから始末して使い捨てにする,とかいうんじゃ,それもまた近代の軍隊とは言えなくなるしなぁ.

 訓練とか練習は,「初めての事柄」のためだけのものじゃないからな.
 肝心なのはそのあと.
 車の教習所みたいなものもそうだね.

 昔から「実線のように訓練して,訓練のように実戦をする」なんて言われてるけど,現実にはなかなかそうはいかない.

 ちくま学芸文庫の『戦争における「人殺し」の心理学』(デーヴ・グロスマン著,2004.5)とかオススメ

 オリバー・ストーンの例で言えば,愛国心に燃え戦意に溢れている人ほど,実際の戦闘場面では萎縮して役立たずだ,というのはどこの軍隊でも共通しているらしい.
 気分が空回りして,「戦争とはこういうものだ」という勝手なイメージを脳内に思い浮かべているから,いざ戦場に出ると現実とのギャップでパニックを引き越したりする.
 まぁ,「戦争」と訊いて悲惨で陰気な情景を思い浮かべる人間は,自分から志願して来たりはしないからなぁ.

 で,オリバー・ストーンはケネディに感化されて大学を放り出して志願して,
「アンタ大学生だし上流階級だから」
と,気を利かせて欧州方面に配置してあげようとした上官に,自分から
「ヴェトナムに行かせて下さい」
と言ったという「勇気あるバカ」.
 ヴェトナムの配備先部隊では毎日「アメリカの正義と,この戦争の正しさ」を演説してウザがられた.
 更に,上流階級育ちのストーンは缶切りの使い方すら解らず,同僚に
「お前,これまで缶詰食った事がないのかよ?」
と言われて
「いや,家ではそういうものはメイドがやってくれるもんだったから」
と答えて
「・・・メイドって何?」
と返事された,というエピソードを持つ.

 また,部隊で「出身校は?」と訊かれて
「休学中ですけど一応イエールです」
って答えたら
「・・・イエールって何州何郡の街だっけ?」
というエピソードもある.
 誰も「大学の名前を」なんて思って訊いてないし,大学行ってるのに兵卒としてベトナムに来る,なんてバカがいるとは考えなかったからだが.

 最初の戦闘では銃声が鳴り響いた途端にパニックになり,銃を味方に向けて発砲しようとしたので軍曹に殴り倒され,気絶.

 でも,そのうち勲章貰うような人になったので,「最初は誰しもうまく行かない」のいい見本かと.

軍事板

▼>訓練してるとはいえ,いきなり何の躊躇いもなく人を狙って射殺できるし,
>弾が自分をかすめても驚きもしない,仲間が目の前で血塗れになりながら
>苦しんでいても動揺しない・・・なんてのは人間じゃないからなぁ.

 山田朝右衛門はそういう人だったんでしょうね.
http://www.ne.jp/asahi/chihiro/love/ooedo/ooedo09.html
http://sakanazanmai.web.infoseek.co.jp/katana6.htm
http://byp.web.infoseek.co.jp/kbn1.htm

仮 in FAQ BBS

766 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2006/04/07(金) 16:22:23ID:???

 なぜか,プーチンがKGB時代,上司から「お前は冷静すぎる」と言われていたのを思い出した.

軍事板


 【質問】
 「バンド・オブ・ブラザーズ」の中で,ソーベル大尉が従軍司祭の訓練に回されるというくだりがありましたが,従軍牧師の訓練って具体的にどんなことをやるんでしょうか?
 銃の撃ち方とか匍匐前進の仕方とか教わるんでしょうか?

 【回答】
 空挺隊の従軍牧師になったら当然,空挺降下をしなくてはならないので,従軍牧師といえども空挺降下訓練をする.
 その訓練の担当.

 要するに閑職.

軍事板

 司祭マガジンも存在する.
http://www.mca-usa.org/assets/Magazine/MCA%20September%202007.pdf

従軍司祭


CRS@空挺軍 in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
 士官学校成立以前,当時の強国ではどのような軍事教育組織がありましたか?
 イギリスだとThe Royal Military Academyが1741年からあったようですが,それ以前に何か軍事教育を授けるような組織はありましたでしょうか?
 日本の場合,兵学校・兵学所・兵学寮・士官学校以前には,どのような軍事教育組織がありましたでしょうか?
 少し話題がずれますが,帝政ロシアにはリツェイ(近侍学校)という教育機関があったようですが,ここでは軍事教育も授けていたのでしょうか?

 【回答】
 欧州諸国の場合は,貴族とか地主階級の人々でないと行けませんでした.
 行動規範や世界観,文化を共有出来るというメリットがあるのと,支配階級であるという自覚,幼児期からのリーダーとしての教育を施すことで,知的な能力,実績よりも,勇敢さ,名誉,冷静さが求められました.
 従って,軍事的な教育は一応施されますが,体系だった教育機関は余りありません.
 英国のそれにしても,階級は1871年に至るまで,中佐の階級までは金で買うことが出来,一種の私有財産というべきものです.

 英国海軍の場合も同様で,ネルソン曰く,
「海軍将校にとって必要な訓練とはダンスとフランス語だけで,それ以外は勘で仕事が出来る」
だそうです.
 英国海軍で士官になるには,艦長か将官の縁故による任命で12〜14歳で艦に乗り組むところからスタートし,徒弟制度で艦長に上り詰めるもので,2年で少尉候補生,6年で少尉に昇進すると大尉に正式に任官出来る資格を有することになります.
 その後は大佐になると,後は死ぬまで年功序列です.
 よって,101歳の元帥とか,将官の平均年齢が76歳という状況はざらでした.

 日本の場合は,武士団が一種の軍人集団として存在していました.
 彼らも西欧諸国の将校と同様に,幼児期からの軍学教育を施され,戦闘訓練も或程度行われました.
 各大名家は余程困窮していない限り,藩校を創設して,子弟教育に力を注ぎますが,当然,これには軍学も含まれています.

 西洋軍学に関しては,一時期を除けば,或程度の欧州の軍事学の書物が入ってきます.
 これを翻訳したものが,幕末には軍学のテキストとして出回り,洋式調練の基になりました.
 後は,幕府が洋式銃兵隊を編成して,それに追随して各地で洋式調練が行われますが,より本格化するのは,近代西洋式軍隊を編成した長州軍が,長州征伐軍を破った時からと言えるでしょう.
 これを機に,先見の明のある各大名家は,西洋式軍隊編成と士官教育を進めることになりますが,旗本など既存の武士階級は,余りその教育を受けることに熱心ではありませんでした.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板,2007/09/04(火)


 【質問】
 現在でも軍の幼年学校,またはそれに相当するものが世界にはあるのですか?
 S.スタローン主演の映画「オーバー・ザ・トップ」では,スタローンの子供役の少年が,登場時に軍服っぽいのを着てたような記憶があるんですが・・・

 【回答】
 アメリカにはミリタリーアカデミーという,12〜18歳位の少年に軍隊式の教育を行う学校がある.
 ただし私立の学校で,ここを卒業したからといってかならず士官学校に入れるというわけではなく,一般の大学に進学するものも多い.
 もともとは軍の士官学校に進学する生徒のための学校だったが,現在では軍隊式の教育により規律ある青年を育成するという性格のほうが強い.
 military academyでサイト検索すると,様々な学校のHPが出てくる.

 ちなみに,映画「タップス」は,ここを舞台にした映画で,ジョージ・C・スコット,トム・クルーズ,ショーン・ペンらが出演.新しい経営者によって閉校されることに反発した生徒達が,武装して学校を占拠するというストーリー.


 【質問】
 国対国,100%の戦力をかけて行う戦争になった際は,アグレッサー部隊の兵力も動員されるのですか?

 【回答】
 時と場合による.
 が,訓練や教育を行う貴重な人材を前線に送るようになったら,その国は後を考える余裕がないくらい,負けが込んでるということになる.

 自衛隊の場合,陸上自衛隊の富士教導団は,有事の際には増援兵力として用いられる予定だった.

 でも教導団は,自前で十分な後方支援部隊を編成に持っていない上,中隊ごとに装備がバラバラなので戦闘単位が組みづらく,有事になっても,実際に実戦投入されることは無かっただろう,というのが今の見方.

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◆◆◆パレード


 【質問】
 北朝鮮など,軍事パレードの好きな国がありますが,ああいう兵器や兵士の大行進は,どういう意図があってやっているのですか?

 【回答】
 国内外に対して,「わが国はこんなに凄い兵器や,精強な軍人を揃えているんだぞ」と宣伝する意図がある.
 近隣諸国は,戦争を仕掛けるのを控えるだろうし,国内不満分子も政府に逆らうのをやめるだろう.
 意図通り上手くいくかは,また別の話.

 兵隊さんが一糸乱れず隊列を組み,手と足をしっかり合わせて行進できるようになるまでには,かなりの訓練が必要なので,歩き方を見れば,その部隊の練度はだいたい推測できる.
 逆に言えば,綺麗な行進を見せれば,見た人は部隊の練度が高いと推測する.

 もっとも最近の軍隊は,他の訓練に力を入れているので,歩き方だけで練度を測ったりはせず,あまり意味のないデモンストレーションになりつつあるのは確か.

 逆に昔は,本当に行進しながら戦闘してたので,行進能力は戦闘能力そのものだった.

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 【質問】
 「行進が美しい軍隊は強い」というのは,本当なんでしょうか?

 【回答】
 昔,火縄銃や燧石銃が軍の武器だった時代はそのように評価された.
 なぜなら,これらの銃は命中率が低く,かつ当時の兵は自立的な行動を教育されておらず,それを補うために銃兵が一列に並んで一斉射撃,というのをしていた.
 指揮官の号令の下 敵前で適切な場所まで一定の歩数で隊伍を組んで敵の銃火の下を,一糸乱れぬ行進して,止まれ,右向け右,構え銃,狙え,撃て  という状態だった.
 さらに高度になると,行進しながらの陣形変更といったこともできた.
 行進が美しいと,兵が指揮官の意思どおりに動くということから,行進がうまい軍隊は強いと推定されるようになった.

 でも,歴史的にはアメリカ独立戦争やナポレオン戦争のころから,動きが決まりきっているなら,きちんと訓練され教育を受けた兵には,一定の法則で動いてくるだけのいい的じゃないのかというようになり,機関銃や砲撃技術の進歩により,最終的に第一次大戦でこのようなことはなくなった.

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 【質問】
 軍事パレードで軍人が行進をする時,例えば北朝鮮は脚の膝を曲げず,蹴るような感じの歩き方をし,旧ソ連ではそれをゆっくりとしていた記憶があります.
 国によっていろいろあるようですが,軍にとって歩き方に意味があるのでしょうか?

 【回答】
 パレードの歩き方を見ると,その軍隊がどこを手本にしたか系列がわかる.

 顎を上げて宙をにらみ,膝を曲げずに腰から脚を高く一直線に振り出して,踵から叩きつけるように地面を踏みつける行進用の歩き方を,グース・ステップ(ガチョウ歩き)という.
 相手を「踏み潰すぞ」と威嚇するための歩き方.
 ナチ党がパレードに用いたのが有名.
 そのためドイツでは,公の場でグース・ステップをすることは法律で禁じられている.
(他に,ハイル,ヒトラー!式敬礼も禁止)
 ただし,グース・ステップはナチの発明というわけではなく,17世紀のプロイセン軍に遡る.

 ロシアはピョートル大帝以後,ドイツ流をしきりに輸入したので,グース・ステップも取り入れられた.
 以来,ソ連時代を経て現在まで使われている.
 ナチ党式と違って,右腕を左肩に向けて斜めに大きく振るのが特徴.

 北朝鮮はロシア式を真似た.
http://www.diggerhistory.info/pages-help/faq5.htm#goose

 旧日本軍の行進は,一歩ごとにムエタイの膝蹴みたいに膝を極端に曲げた歩き方だった.
 田んぼのぬかるみの中を歩くのに向いた歩き方(笑).

 米英のパレード用歩き方は,英米人の日常の自然な歩き方の歩調を整えたもの.
 戦後は自衛隊も,この英米式歩調を取り入れたが,当時の日本人は膝を曲げる歩き癖が強く残っていたので,腰で調子を取り,あまり膝を曲げない英米式歩き方に慣れるのに苦労したようだ.
 今は小中学校の運動会を見ても,かなり英米式に近い歩き方で行進しているから,世代の違いだな…

北朝鮮式グース・ステップ


英軍式行進スタイル(嘘)


 【質問】
 軍隊の正確な歩き方を教えて頂けませんか?

 【回答】
 式典用の行進を除く.

 かかとの外側から着地して,足裏の外側に重心が移動するよう体移動して,小指から親指を出切るだけ同時につま先立ちになるように蹴り出す.
 足は平行に,がに股は駄目,どちらかと言うとやや内また気味の方が疲れが少ない.
 足幅は肩幅を維持する.10糎角の角材を置いて,その外側を歩く練習を.
 一本橋を渡るような歩き方は不安定であり疲れる.

 歩測の関係から,一歩を75糎になるように調教すると計算が楽になる.

剣恒光@Free Tibet ◆yl213OWCWU in 軍事板
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