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「やる夫短編集 地獄編」:やる夫がPMCに入社するようです

●書籍

『戦場の掟』(スティーヴ・ファイナル著,講談社,2009.9)

 帯にはこうある.
「正規軍ではない″民間警備会社″という名の傭兵たちのリアルな戦争」
 帯の煽り文句に偽りはなかった.
 金とスリルを求める野郎共とその末路.
 PMCのやりたい放題ぶり.
 これじゃイラク人も怒るわな.
 訳もこなれてるし,一読の価値はあると思うよ.

――――――軍事板,2009/10/10(土)
 1年遅れで読んだ(2006〜7年の古い話).

 PMCというと元特殊部隊員,高給のイメージが強いが,世界中から金目当ての死にたがりが集まるから,当時すでに相場は下がっていたとか.
 白人が優遇されて,フィジー人は給料1/10.
 イラク人も雇っているが,待遇の格差で軋轢がある.
 白人の顧客は白人の警備を欲しがるということらしい.
 イラクではイラク人を撃ちたい放題.
 誰も現地の法律(あるのか?)を守らない.
 無関係の人間を撃っても,逃げれば問題なし.
 報告書は改竄され,アメリカ政府も見て見ぬふり.
 業界規制,監視なし.
 それが「戦場の掟」.

 著者が同行取材したクレセント社は,なんというか典型的な,急成長している最中の中小企業.
 入社希望のメールをして2時間で,面接も経歴チェックもなしに採用が決まる.
 月給7000ドル.
 社員は元第82空挺師団から,そのへんのおっさんまで玉石混淆.
 そんな会社なので,業務の手順も適当で,出動前のブリーフィングがない.
 案の定,武装勢力に襲われて,アメリカ人社員4人を拉致される.
 拉致されたのが現役の米兵でないので,米国政府の捜査はおざなり.
 被害者の家族がコネで無理矢理,捜査員を送り込んで1年後に,死体が見つかりましたとさ.

 ちなみにこの会社,自衛隊とも契約していた(現在は倒産して経営者はイラク入国禁止).
 有名なブラックウォーター社は,当時から評判最悪だったそうだが,その後の末路はご存知の通り.

――――――軍事板,2010/12/01(水)

『戦争請負会社』(P・W・シンガー著,日本放送出版協会,2004.12)

『戦争請負会社』書評 戦争の外注化が何をもたらしているか:Skywriter

『民間軍事会社の内幕』(菅原出著,ちくま文庫,2010.6)

 全体の7割前後が古いネタ,もしくは英文記事の紹介.
 旧版出版時点での有名なPMCの紹介とか,イラクでの諸問題とか,そういう話だった.

 残り3割が,独自取材に基づく記述で面白い.
 著者が体験したジャーナリスト向け訓練は,人とカネがかかっていて本格的.
 応急手当の練習ひとつとっても,事件現場を想定して大勢の役者と,ひっくり返った車輌数台を使うというもの.
 武装勢力に誘拐されるケース・シナリオでは,参加者全員が処刑されていた.

 これに限らず,訓練というのはPMCにとって,基本中の基本業務なのかもしれない.
 欧米には引退した軍人,警官が民間訓練施設の教官になるシステムがあるそうだ.
(ミリタリー雑誌でよく紹介されるアレ)
 思えば有名なブラックウォーター社も,元は訓練施設運営企業だった.

 米国はイラク含め,不安定な国の文民警察官訓練支援に力を注いでいるとのこと.
 不安定なままにしておくと,テロや紛争の火種になるということだろう.
 もちろん人手が足りないので,PMCが訓練の肩代わりをしている.
 その予算の一部は,日本の無償ODAから出ているとか.

――――――軍事板,2011/01/10(月)
青文字:加筆改修部分
 読了.
 一つ一つの会社に焦点を当てながら,ちょくちょくインタビューを交えて進行.
 武装して警備に当たるような会社だけでなく,訓練の支援や後方支援,PR企業の方まで扱ってる.
 あと,者が受けた,英国の民間軍事会社提供のジャーナリスト向けセキュリティ訓練の話も載っていて,面白かった.
 巻末に参考文献と,主要な民間軍事会社の一覧(ホームページアドレスと説明付き)とか載ってるのも,なかなかいい.

------------軍事板,2012/01/16(月)
青文字:加筆改修部分

『傭兵の二千年史』(菊池良生著,講談社新書,2002.1)

 著者が「犬死」の人だったから買った.
 読破所要時間約90分.
 まさしく「ダイジェスト」.
 濃い本を読んだ後の茶漬がわりにマターリ読むのに向いている.

 結論に事象が追随しているきらいがあるが,そんなことが気になる性根歪んだ奴は俺だけだから問題なし!
 一種の「歴群」本だな.
 「よく知らないけど興味ある」って人なら,買って損無し.

------------軍事板,2002/01/24
青文字:加筆改修部分
 物凄く今さらだけど,ずっと積んでたものを読了.
 欧州傭兵史の入門書って感じだね.
 一つ一つの要素について,そんなに詳しく触れてないけど,簡潔で読みやすい構成だった.
 至る所に参考文献が挙げられていることや,最後に種本まで明かされてる事から,
「もっと詳しく知りたい人は,自分で調べてほしい」
ってスタンスなんだろう.
 無駄に気取らない,素晴らしい『最初の1冊』だと思う.

――――――軍事板,2011/01/22(土)
青文字:加筆改修部分

 【質問】
 別にお金はくれなくていいから,戦う兵士を募集している組織はありますか?
 ただ,水と食料と武器が支給されていれば,私は満足できます.
 別に拷問されても死んでもいいから,とにかく戦争に参加したいんです.

 【回答】
 現在,外人部隊の公募を行っているのはスペインとフランスであり,傭兵になるのはこの二つ出身が多いと言われる.理由として,高度な技術を該当部隊では教育するが,数年後の除隊が前提とされているため,技術を保有する者が流出する.
 通常は国防軍などでは技術の流出を防ぐため予備役を設けたり,再就職などで公的企業に就職させるなどするが,外人部隊ではフランス国籍を与えるも,それの人気は低い.

 単に傭兵になりたいと言っても平和な国の議論でしかない.
 自衛隊やって傭兵になりたいという人もいるには居るが,かなり高度な戦闘技術を持ってなければ,何の役にも立たない.弾除けにしかならない人間が,雇われることはまずない.
 よって,質問者がマイク・ホアーを目指しているなら,フランス語を話せるようになった上で外人部隊に入隊するか,SASやデルタを出ておく必要がある.
 あるいは,こことか.
http://www.f5.dion.ne.jp/~mirage/hypams00/2e.rep.gcp.html
 これが出来ないのなら,せいぜい正規軍の露払いが良いところ.

 傭兵生活の「現実」を詳しく知りたい方は,高部正樹氏の「傭兵の誇り-日本人兵士の実録体験記-」を参照すべし.以下に一部を抜粋する.

「どういうツテで自分のことを知ったのかは知りませんが,一年に二,三人ほど,自分のところに傭兵志願の若者がやってきます.
 いつも自分は『命を粗末にするな』と言うのですが(笑),最初はみんな不満そうな顔をしている.
 そして,傭兵生活の現実を詳しく話してやると,表情がだんだん虚ろになってくる(笑)

 いつも,最後に,
『一回家に帰って,じっくり考えろ.それでも,どうしても傭兵になりたいんなら,もう一度来い』
と言って帰すのですが,今までで,二度目の連絡をくれたヤツはいません」(軍事板&自衛隊板)

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 傭兵になる人間は,厭世観や破滅願望の持ち主か?

 【回答】
 そんな人間はいない,と高部正樹は述べる.
 以下引用.

 外人部隊で知り合った仲間に尋ねたところによれば,皆,自分の目的に凝り固まって一大決心をしてやってきたという風ではなく,何か「単なる就職先の一つ」と認識しているようだった.

 自分〔高部〕は希に帰国するが,自分を得意な人間として感じた人間は,一人としていないだろう.
 それどころか,
「真夜中の繁華街で因縁をつけられてもおかしくない」
と,友人に言われたことすらある.
 娑婆に出た傭兵は皆,驚くほど穏やかだ.そして人の波に上手く溶け込んでいる.
「平和な娑婆に来てまで争い事を起こしたくない」
 それが偽らざる我々の本音だ.

 気楽に傭兵になる連中は,みんな何らかの形で一度は軍隊を経験していた.
 正規軍を除隊し,一度娑婆に出てみたが,面白くなくて傭兵になった,という出戻り組などが非常に多い.
 この出戻り組には,落下傘部隊や特殊部隊など,いわゆる精鋭部隊出身者が多い.みんな非常に高いプライドを持っている.
 軍では一流のエリートだが,彼らの技術は軍でしか通用しない.娑婆では,世間を知らないチェリー・ボーイ並みの扱いだ.当然そのプライドはズタズタにされる.
 その彼らが,自分を正当に評価してくれる場所,すなわち戦場を求めてきたのは自然の流れだった.

 正規軍を除隊してすぐ傭兵になるのは,訓練ばかりの正規軍に飽き足らない連中だ.この連中は,純粋に戦うために傭兵になっている.
 いちばん傑作だったのは,ボスニアで戦友だったトーマスというドイツ人だろう.
「軍隊に入りたくない」 それがトーマスが傭兵になった理由だった.「このまま国に帰れば兵役にいかなきゃならなくなるからな.兵役に行かなくてもいい歳になるまでは,とりあえず傭兵をやるよ」
 彼は十代でフランス外人部隊に入り,5年の任期を終えたその足でボスニアに来た.
 彼は典型的な「正規軍は退屈だ」という人間だった.

 はっきり言えるのは,みんな戦うことが好きだということだ.
 でなければ,どんな理由があろうとも,戦場という極限状況下で長々と耐えてはいけない.

(高部正樹「傭兵の誇り」,小学館,2001/12/20, P.21-22, 33, 39-40 & 42,抜粋要約)


 【質問】
 正規軍兵士同士には,信頼関係や友人付き合いもあるでしょうが,傭兵同士だと,その人間関係はやはりドライなのですか?

 【回答】
 傭兵は何せ何らかの目的を持って集まってきた人の集団なので,寡黙で人付き合いが下手な人間だと浮いてしまうそうだ.
 ある程度フレンドリーな人でないと勤まらないとか.

 ただ,寡黙な人は寡黙な人で,「そういう奴」として相応の位置づけがされるので,人格や兵士として能力に特別の問題点がなければ,誰でもどこかに居場所が出来るものらしい.

 でも,
「何故わざわざ傭兵になんかなったんだ?」
というところは大概「触れて欲しくない」ところだったりするので,
「どんなに仲良くなっても,ある一線からは立ち入らない,という壁がお互いにある」
のだとか.
「傭兵になるまでは何してたんだ?」
と,
「ここに来る前は何処の戦場に?」
という質問はタブーだとか.
(後者は,お互い知らずに前の戦場で敵同士だった可能性が出るため.
 「あの時俺のダチを撃ったのはお前だったのか!」みたいなことが起こりかねない)

 逆に正規軍の兵士は,戦場に出ると古参同士で固まって,補充の新人とは仲良くしなくしたりする.
「だって新人って経験浅いからすぐ死ぬんだもん.
 名前もよく覚えないうちに”仲間”が死ぬと,あまりにも悲しい」
ということで.

 第2次大戦の時のアメリカ軍の兵士のエピソードで,戦争の帰趨が決まってから配属されてきた新兵に
「いつから戦争に参加してるんですか?
 え,あの有名な作戦に参加してたんですか!
 すごいなぁその時の話を聞かせてくださいよ!
 自分,このまま全く戦闘を経験しないまま,戦争が終わりそうでつまんなくて!
 あぁ,その大作戦に参加したかったなぁ!」
と言われて,
「あの戦いで俺のダチは何人も死んだんだよ! お前に何がわかるんだ!」
とキレてそれ以降,戦場経験のない人間とは例え同じ分隊でも会話は一切しないことにした,というものがあったり.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 傭兵の戦闘能力は?

 【回答】
 実戦経験以上のアドバンテージはない,と高部正樹は述べる.
 以下引用.

 豊富な経験と技術の裏付けのある傭兵は,一般正規兵部隊よりは強い.
 しかし,戦争という巨大な流れを変えたりするほどの力など,どうして保有し得ようか.
 1993年頃だろうか,朝日新聞にデカデカと,「傭兵がボスニアの戦火を拡大する」といった見出しをつけた記事を見た.どこで何を見てきたのか,はたまたウィーン辺りの快適なホテルで適当に書いてしまったのかは知らないが,センスのないジョークかと笑ってしまった.
 現地では当時,3つの勢力が入り乱れて戦っていた.そんな中で,たかが数百か数千の傭兵に,なにができるというのか.どうせ傭兵と言う言葉に惑わされ,勝手に,極悪だが超一流の精鋭部隊にされてしまったのだろう.
 戦争の激しい流れに翻弄される一枚の木の葉,それが戦場での本当の傭兵の姿だった. 

(高部正樹「傭兵の誇り」,小学館,2001/12/20, P.28,抜粋要約)


 【質問】
 傭兵に裏切りはつきものか?

 【回答】
 全くの逆で,信用を非常に大切にしている,と高部正樹は述べる.
 以下引用.

 〔傭兵は〕決して味方は裏切らないし,手も抜かない.
 傭兵にも戦争のプロとしての誇りがある.
 それに,自分への信頼や評価を悪くすれば,どこの戦場にも行けなくなる.

(高部正樹「傭兵の誇り」,小学館,2001/12/20, P.42,抜粋要約)


 【質問】
 「君主論」読んでいたら
「傭兵は肝心なときに役にたちゃしねー.使わねーほうがマシだ」
と,くさしまくりですが,現代でもやはり,傭兵と言うのは基本的に信用が置けない存在でしょうか?

 【回答】
 よく誤解される点だけれど,マキャヴェッリは決して「正確な現状分析」から「現在あるべき政治形態・軍事制度」を考察しているわけではない.
 彼の考え方は帰納的というより演繹的.
 古代ローマの優れた思想を現代に当てはめる,というのが第一.

 マキャヴェッリは十六世紀の人だが,この時期までなぜイタリアが「八百長戦争」ばかりやっていたかを考えてみれば,彼が言いたかったことが分かってくる.
 それまでイタリアは小国分立で,戦争といっても経済利権を巡る限定的なものだった.
 相手に有利な条件で講和を飲ませることが出来れば,相手を殲滅する必要も何もない.
 皆,商売に忙しかったわけだ.
 しかも英仏は百年戦争にかかりきり,スペインはイスラムから国土奪回で忙しく,ドイツは分裂して皇帝なんかいないも同然.トルコははるか海の向こう,本気で戦争しなくちゃいけない相手なんかいなかった.

 ならば「八百長」で十分なわけだ.
 その当時のイタリア半島の戦争は,数千人が激突して死者一人,しかもそれは行軍中の落馬,と言う戦争があったくらい,傭兵が空気を読み合って半ば劇場化していた.適当に撃ち合って終わりとか,酷い時は最初から結果が決まっている八百長戦争まであった.

 ところがマキャヴェッリが成人した頃は,状況が変わってくる.
 次第に英仏スペインは絶対王政を確立し,イタリアに干渉,さらにトルコはビザンチンを滅ぼし,バルカン半島も制圧.
 強大な敵が外国から迫っているというのに,イタリアの都市国家はあくまでイタリア内のルールに則った戦争しか想定してない.
「これじゃやばい! 外に目を向けろ!」
と言い始めたのがマキャヴェッリ.
 だから,これまでうまくいった八百長戦争や傭兵を,ことさら悪く言って見せた.
 決して彼は事実を列挙した上で,読者を説得する気なんかなかった.
 事実,君主論,政略論,戦術論に書いてある,当時起こった事件の記述は,彼の考察に都合のいいように改変されている.

 あと,イタリア傭兵も自分たちのルールが通じない相手には,全力で戦っている.
 たとえばコンスタンティノープルに篭城したのは,殆どがイタリア傭兵だったが,トルコ相手に落城まで戦ってる.
 百年戦争に行ったイタリア傭兵も,とくに戦意が低かったわけではない(例えばジェノヴァの石弓兵隊).
 フランスがイタリアに1494年に攻め込んだときも,イタリア連合軍はタロ川で,砲撃を浴びながらの血みどろの突撃をやった.
 また,『傭兵制度の歴史的研究』という本では,マキャヴェッリのいう「八百長戦争」も,実際の史料にあたると,割と本気でやってる,と書いてある.

 イタリア人以外の傭兵に目を向けてみれば,バチカンの傭兵であるスイス衛兵が神聖ローマ帝国軍と死ぬまで戦って全滅したという故事もある.

 また,マキャヴェッリが傭兵をくさすのは,14世紀彼の故郷フィレンツェが,イギリス人の傭兵隊長ジョン・ホークウッドに乗っ取られたからという理由もある.
 あと,古代ローママンセー,ローマ風市民軍マンセーだから(これは当時の知識人の風潮だから仕方ない)
 なお,カストルッチョ・カストロカーニは傭兵から公爵にまで上り詰めた人物だが,マキャヴェッリもその生涯を戯曲で褒め称えてる.

 ちなみに,マキャベリ自身が徴兵制まがいの事をした時は,失敗している.
 その辺の経験からの僻みとも言えないことは無い.

 したがって,現代と当て嵌めるには時勢が違いすぎる.
 現代だと,昔ながらの傭兵や民間軍事会社に勤める傭兵と幅がありすぎて,一概に言えない.
 後者の様に,真っ当な会社に雇用されているものや,好きで傭兵をやっている人が裏切る可能性は低いだろう.ちゃんとした待遇ならばの話だが.


 【質問】
 傭兵って何?

 【回答】
 金銭を得ることを目的に軍役に就く者を傭兵と呼ぶならば,傭兵はいつの時代の戦場にも多かれ少なかれ存在した普遍的な存在といえる.
 しかし,一つの軍制としての傭兵制度はそのような普遍な存在ではなく,ある特定の時期に成立し発展し消滅している.
 代表的な傭兵としては,古代ギリシアのギリシア人傭兵やローマ帝国のゲルマン人傭兵,中世封建制下の傭兵,絶対主義期の傭兵等を挙げることができる.

 〔略〕

 そんだけ.

軍事板


 【質問】
 死ぬまで戦う傭兵というのは,いったい何が彼らを縛っているor縛っていたのでしょうか?
 徴兵や志願兵と違い,祖国のためと言う理由は彼らに通用しませんよね?
 ならば,彼らを果敢に戦わせるために,会社や組織などは何をしているのでしょうか?

 【回答】
 契約,誇り,仲間意識,将来の名声もろもろ.
 現代の民間軍事企業の場合は,高い給料とか安全確保策(たとえば戦場で負傷したらすぐヘリコプターで病院に運んであげますよ)で釣って,契約で縛ってる.

 ちなみに中世・ルネサンスの傭兵でも,有能なヤツは裏切ったりあんまりしない.将来雇ってくれる君主や国がなくなるから.
 ウルビーノ公フェデリーコ・ダ・モンテフェルトロは傭兵隊長だが,名将と言われた.
 何しろ自分の国の軍隊をまるまる他国に貸し出してたから,裏切り者・無能では商売にならない.
「あいつらは負けそうになるとすぐ逃げる」
という評判が立ったら,誰もどこも雇ってくれなくなるので,どこの傭兵団も規律は厳しく,脱走者や臆病者には厳罰で臨んでいた.
 新撰組ではないが,「戦死するよりも規律違反で処刑された方がずっと多い」という傭兵団も珍しくはなかった.

 スイス傭兵は,それしか食っていく手段がないから,勇敢に戦った.スイスに逃げ帰っても貧農に戻るだけだし.
 また,先祖代々続く職務を完遂するという名誉のためもある.先祖が職務を完遂してくれたおかげで,バチカンでは現代でもスイス傭兵を雇ってくれている.

 ドイツ傭兵は,スイス兵の二番煎じと笑われるのが嫌だから,勇敢に戦った.

 ほんと,理由はいろいろだよ.

 講談社現代新書「傭兵の二千年史」が,ヨーロッパの傭兵史をコンパクトにまとめててお勧め.


 【質問】
 ジュネーブ条約追加議定書 第47条にある傭兵の項目について質問させてください.

1 傭兵は,戦闘員である権利又は捕虜となる権利を有しない.
2 傭兵とは,次のすべての条件を満たす者をいう.
 (a) 武力紛争において戦うために現地又は国外で特別に採用されていること.
 (b) 実際に敵対行為に直接参加していること.
 (c) 主として私的な利益を得たいとの願望により敵対行為に参加し,並びに紛争当事者により
    又は紛争当事者の名において,当該紛争当事者の軍隊において類似の階級に属し及び
    類似の任務を有する戦闘員に対して約束され又は支払われる額を相当上回る物質的な
    報酬を実際に約束されていること.
 (d) 紛争当事者の国民でなく,また,紛争当事者が支配している地域の居住者でないこと.
 (e) 紛争当事者の軍隊の構成員でないこと.
 (f) 紛争当事者でない国が自国の軍隊の構成員として公の任務で派遣した者でないこと.

との事ですが,なぜ傭兵を嫌悪しているかのような条約を作ったのか? ゲリラ・義勇兵の類でさえ一定の   保護が与えられているのに,傭兵の扱いは酷いです.傭兵は何故そんなに嫌われるのですか?

 【回答】
 傭兵に脅かされた新興諸国の意向です.

「1960年代のアフリカでは多くの新興独立諸国が旧宗主国から直接,間接に武力介入を受けた…旧宗主国の勢力(例えば,多国籍企業)はしばしば「傭兵」を手段として武力介入した.
 これに対して,「傭兵」によって「領土の保全」や「政治的な独立」を脅かされた新興諸国は「傭兵」を禁止しようと国際条約の締結に向けて努力を傾注した…」

(松村昌廣「『ポスト冷戦』後の軍事的非国家行為主体(NSA)―邦人救出作戦の手段となりうるか」
from 『防衛法研究』第23号130-131頁)

 なお,ジュネーブ法に関しては,国際赤十字(ICRC)がコメンタールをネット上で出しています.
http://www.icrc.org/ihl.nsf/WebCOMART?OpenView
第一追加議定書に関しては
http://www.icrc.org/ihl.nsf/WebCOMART?OpenView&Start=1&Count=150&Expand=5#5
同議定書47条(傭兵)に関しては
http://www.icrc.org/ihl.nsf/b466ed681ddfcfd241256739003e6368/ffc84b7639b26f93c12563cd00434156?OpenDocument
などを参照すれば,だいたいのことは理解していただけるかと.


 【質問】
 現代の傭兵の待遇は?

 【回答】
 一般的に待遇の良いとこって言うと,鉱山や資源等の防衛のためにそれなりの国家がバックについてる組織

・南アフリカ”Excecutive outcomes”
 兵士は月1500ドル程度,士官は4500〜15000ドル.死亡時・負傷時の保険金有り.
 ヘリの操縦等の技能が有ればさらに月給up.採用は基本的に南アフリカ国防軍の元兵士のみ.

・英"グルカ・セキュリティー・ガード"
 月8000ドル.名前通り元グルカ兵のみ.

 これが内戦に参加する外国人傭兵となると,価格は一気に下がる.
 現代ではほぼ趣味の世界らしいと聞く.
 ローデシア内戦での相場(そもそも相場が有るのか?)は解らないが,ほぼ同じ時期のビアフラ内戦では,10万ポンドで白人傭兵100人を6ヶ月雇う契約が結ばれた.
 つまり,一人あたま1000ポンド/6ヶ月.
 当時は1ポンド=2.8ドルで固定らしいから,米ドルに直すと月470ドル程度.結構高いな.
 ちなみにこいつら,6週間もしないうちに4〜5人を残してほぼ全員が逃げた.

(初心者質問スレッド)

 また,「安月給だった」と高部正樹も述べる.
 以下引用.

アフガニスタン,ミャンマー,クロアチアでの収支決算(単位:円)
国名 支出 支出内容 収入
アフガニスタン 戦場に入る月
216,500
旅費,服・靴等購入費,など 0
普段の月
60
御茶代 6000
/戦場から戻る毎に
ビザ取得月(3ヵ月に1度)
34,000
パキスタン・インド滞在費,ビザ代,装備品追加購入費,など 0
カレン民族解放軍 戦場に入る月
93,500
旅費,装備品購入費など
支給装備が粗悪であるため,事実上自弁
0
普段の月
60,000
装備補給費,タイでの滞在経費,酒代など
0
クロアチア軍傭兵部隊 戦場に入る月
298,000
旅費,滞在経費など 0
普段の月
28,000
煙草・酒代,備品購入費など 28,000
 外人部隊で知り合った,世界各国の傭兵達に話を聞いても,皆似たようなもので,高給で雇われた経験がある人間は一人もいなかった.

 結局,傭兵に高級を払えるほど余裕のある国であれば,自国で特殊部隊なりなんなりを養成しているはずなのである.
 いくら傭兵の中には実戦経験が豊富でそれより高いレベルの技能を持っている人間がいると言っても,そういう傭兵でなければできないような高度な作戦が行われる事は殆どない.
 また,当り前の話だが,そんな重要で機密性を必要とする作戦に,外国人を起用することには抵抗もあるだろう.

 だから,傭兵を必要とする国というのは,「来て欲しいんだけど,お金はない」という貧乏な国・組織が中心となる.
 それ以外は,「来たければどうぞ」という態度だ.
 特に最近は買い手市場になっているので,薄給でも人が集まってしまうから,自然に報酬額は下がっていく.

(高部正樹「傭兵の誇り」,小学館,2001/12/20, P.13)

 ※「民間戦争会社」の待遇は,これとはまた異なると推測されるが,未読.


 【質問】
 現在の先進国で外人部隊というとフランス外人部隊ぐらいしか知りません.
 フランス以外の先進国で外人部隊を持っている国はありますか?

 【回答】
 外人部隊というか外人参加ゲリラなら,ほぼ世界中にいます.

 イギリスはグルカ人傭兵やセポイ(インド人傭兵)で植民地を統治していました.
 同国のグルカは今も現役です.

 スペインではフランコ将軍はアフリカに左遷されて現地人部隊を編成して反乱を起こしています.
 同国は一応,名前だけなら今でも残ってるようです.
http://www5c.biglobe.ne.jp/~recon/2-DATABASE-SPAIN.htm(日本語)
http://www.geocities.com/spanish_legion2001/(英語)
http://www.lalegion.com/(公式?)

 オランダでは,かつての主要な植民地,蘭領インドシナには独自の士官学校があって,植民地に入植した蘭人から将校を養成し,現地人を兵として軍を編成していました.
 この「蘭領東インド軍」は海外植民地省下の組織で,国防省下の「オランダ国軍」(正規軍)とは別物でしたが,WW2後に国軍に統合されました.


 【質問】
 なぜフランスで外人部隊が発達したのでしょうか?

 【回答】
 国王ルイ「パリにヨーロッパ全域から外国人が移住してきた結果,不良外国人によって治安が悪化して困っちゃったわぁ」
 そんなときには,外国人部隊!
 これさえあれば,外国人を減らしつつ植民地戦争を戦う兵を確保できて,一石二鳥!
 ルイ「まあ,これは便利だわ!」

 ……てなわけで,国籍・前歴・身分を問わずに入隊させたもんですから,食い詰めた浮浪者から冒険を求める王族まで幅広い人材が集まったんですね.
 映画や小説の元ネタとされたんで,やたらと有名になってしまいました.


 【質問】
 いわゆる民間軍事会社ではなくて,企業が自社の利益を守るため,例えば,自社施設の警護などの目的で企業が運営する私設の軍隊というのは存在しますか?
 ゲームの話ですが,ファイナルファンタジーZに出てくる,国家規模に相当する神羅軍のような組織の私設軍は存在しないですよね?

 【回答】
 ダイヤモンドで有名なデビアスは,南アフリカのキンバリーの鉱山で鉱夫の反乱防止のため,私設軍隊を持ってる.
 俺はあの「結婚○○年目の云々」「ダイヤモンドは永遠の輝き」とかいうCMを見るたび反吐が出そうになる.
 ダイヤモンドが出る政情不安な国に,グループ企業の傭兵会社を送り込み,政府に雇わせる.
 政府は傭兵会社に金を払う代わりに,ダイヤモンド採掘権etc.をデビアスに売るって寸法だ.
 金は全部外国に流れ,その国には全く還元されない..

 ちなみに有名な傭兵企業エグゼクティブ・アウトカムズ(南アフリカ)に一番出資したのもデビアス.
 今ではつながりを(表面的には)切ったことになってるらしい.

 「国家規模の軍隊」って面倒家私設軍隊とかのたぐいか?
 そんな経費をバカ食いするもんを持つくらいなら,民間軍事会社と契約した方がはるかに安上がり.
 民間軍事会社だって自前の装備や兵員はほとんど持たず,そのつど募集したり契約先に買わせたりして,余計な経費をかけないようにしている.

 NGOなんかが民間軍事会社と契約する例はあるが,企業が私設軍隊を持つのは,あくまでも特殊な場合.
 普通は国に対して税金を払う見返りのひとつが,治安の確保と私有財産の保護なわけだから.

 地上げや有力者襲撃は,万国共通でヤクザもんやゴロツキがやることで,少なくとも軍事的には軍隊とは呼べない

軍事板

 私設軍隊としては,確か,満鉄が連隊4個相当規模の軽歩兵を持っていましたな.
 また,WW2までの上海の外国人居住区には,総兵力1400人の「自衛隊」があったとか.
 どちらかといえば,影の特務部隊なんかでは全然なく,正規軍がカバーし損ねたところを補うような存在ですね.

消印所沢◆z3kTlzXTZk

 コンゴ独立国軍(1885〜1908)も,私設軍隊と言えるかもしれない.
 当時のコンゴは,国王Leopoldの個人領土だったので….

眠い人◆gQikaJHtf2


 【質問】
 「バイトで資金を貯めて」って自分でお金出して傭兵やってるような人がいるそうですが,傭兵は稼げないということですか?
 傭兵やる人って正義感とかが動機なんですか?

 【回答】
 稼げる例外的な事例はあります.

 たとえばマーク・サッチャー氏は傭兵に出資して,アフリカの小国でクーデターを謀議していたということで裁判沙汰になってます.

 また,政府に雇われていた傭兵部隊がクーデターで実権を握ろうとした例などもあります.

 でも日本人傭兵の場合は,それしか芸が無い,あるいは何故か分からないけどやりたいから持ち出しでやってる人がいるってことです.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 スイス銀行のルーツは?

 【回答】
 14世紀以降,欧州各国にスイスが傭兵を送った際,傭兵の給料送金を請け負う個人金融が,そのルーツと言われている.
 もっとも,スイスが一大金融センターに発展したのは,第1次大戦前の1890〜1910年代.
 軍備拡大でドイツ,フランスが増税すると,スイスの銀行は両国で,「税金逃れのためにスイスに預金を」とPR.
 そして第1次大戦中には,中立国スイスに各国の資金が流入したため.1913年にフランス10大銀行の13%だったスイス7大銀行の自己資本は,1929年にはフランス10大銀行の130%,1.3倍に激増.

 福原直樹著黒いスイス」(新潮新書,2004/3/20),第8章には,スイス銀行の腹黒ぶりが,あますところなく描かれている.


◆◆◆◆PMC(民間軍事会社)

 【質問】
 PMCについてよくわかる本はないですか?
 PMCの一社員の自述本などもあれば教えてください.

▼ 【回答】
『戦争請負会社』P・W・シンガー
『外注される戦争』菅原出
『民営化される戦争』本山美彦
『戦争民営化』松本利秋
『ドキュメント現代の傭兵たち』ロバート・ヤング・ペルトン
『戦争サービス業』ロルフ・ユッセラー
『戦争の経済学』ポール・ポースト
『傭兵の二千年史』菊池良生

P.W.シンガー『戦争請負会社』(絶対必読,基本文献)
『外注される戦争』→改題『民間軍事会社の内幕』(菅原出
著,ちくま文庫,2010.6)
『現代の傭兵たち』ロバート・ヤング・ペルトン
『世界の危険・紛争地帯体験ガイド』
『戦場の掟』スティーヴ・ファイナル
『戦争サービス業』ロルフ・ユッセラー
『戦争の経済学』ポール・ポースト
『対テロ戦争株式会社』ソロモン・ヒューズ
『ピース・ブローカー』酒井裕(日本人独自取材の労作だが,やや古い)
『傭兵 世界の秘密作戦とそのビジネス』フランク・キャンパー 高橋和弘
『傭兵の二千年史』菊池良生

 背景資料として
メアリー・カルドー『新戦争論』(政治)
モイセス・ナイム『犯罪商社.com』(経済)
松本仁一『カラシニコフ』1.2(基本装備)
石山永一郎『彼らは戦争に行った』(現場の声 かなりきつい左翼バイアス注意)

 あまりお勧め出来ないが
『民営化される戦争 21世紀の民族紛争と企業』(本山美彦 手っ取り早い把握向きだが,最初からシンガー読む方がいい)
『戦争民営化 10兆円ビジネスの全貌』(松本利秋 同上)
『ザ・プライベート・オペレーター』(小峯隆生)

軍事板
軍事板,2010/09/09(木)〜12/15(水)※リスト更新部分
青文字:加筆改修部分

 とりあえず最初の一冊として「外注される戦争―民間軍事会社の正体」(菅原 出 草思社)あたりから入っては.

 この本は,PMCの内部の人間や米軍関係者への取材を基にした論文的な内容なんですが,巻末に当時存在した多くのPMCのデータを紹介してますんで,けっこう取り付きやすい本です.
 余談ですが,著者の菅原さんは本書の取材が機で,某PMCの代理店に勤めることになったと,巻末で記しておられました.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE in 軍事板
青文字:加筆改修部分

 他には
P.W.シンガー「戦争請負会社」
酒井裕「ピース・ブローカー」
ロバート・ヤング・ペルトン「現代の傭兵たち」「世界の危険・紛争地帯体験ガイド」
ロルフ・ユッセラー「戦争サービス業」
ソロモン・ヒューズ「対テロ戦争株式会社」

 背景資料として
メアリー・カルドー「新戦争論」
モイセス・ナイム「犯罪商社.com」
松本仁一「カラシニコフ」1.2.

 今のところ,こんなもんかな.

 英語でなら,イラク帰りの者が著作を出している.
 アマゾンの書評を頼りにするならば,誇張した表現も多いとの事ですが,雰囲気をつかむには向いているかも.

軍事板
青文字:加筆改修部分

▼ 酒井裕「ピース・ブローカー」(徳間文庫)は読んどいた方がいい.
 1998年のPMC勃興期に,日本人として独自取材した本だ.
 見られればNHK特集「紛争ビジネス〜知られざる民間軍事会社」http://www.nhk.or.jp/special/libraly/02/l0012/l1221s.html

 あと,直接PMCの話じゃないが,PMCなるものを生み出した冷戦崩壊後の背景事情について,
メアリー・カルドー「新戦争論」(岩波),
モイセス・ナイム「犯罪商社.COM」,
ロバート・ヤング・ペルトン「世界の危険・紛争地帯体験ガイド」(講談社).

 いうまでもなく,松本仁一「カラシニコフI.II」(朝日文庫)あたりも押さえるべし.

 ついでに娯楽を兼ねて,フレデリック・フォーサイス「戦争の犬たち」(角川文庫).
 古い小説とはいえ,兵器の最終使用者証明書あたりの事前準備が大いに参考になる.
(なんせ自分で企画して失敗した傭兵クーデタの小説化だからね…)
 映画で,「ブラッド・ダイヤモンド」(PMCのハインド出るよ)「ロード・オブ・ウォー」もお勧め.

 さらに,ここ数年の軍研バックナンバーは一通り読んで置いた方が良いと思う.
 散発的だけどPMCについて触れた記事が多いんで.

 あと現代アフリカ関係の戦記物は押さえておいた方がいい.
 日本語モノだったら片山正人氏の一連の作品群が比較的読みやすくかつまとまってる.
 巻末の参考文献はそれだけで,傭兵に関する質の高い文献のレファレンスになるし.
 「アフリカ傭兵作戦」はソノラマ文庫だけど基本文献としては外せない.

 歴史的な流れとしては,シェラレオネ対RUF防衛戦は現代形PMCを語るのに外せないな.
 アフリカを舞台に欧州系の伝統的傭兵団が企業化する流れと,特殊部隊出身者により形成されたアメリカや南アの現代的PMCの違いも触れた方がいいな.

軍事板
青文字:加筆改修部分
「現代の傭兵とPMCを語るスレ Part4」より転載

『戦場の掟』(スティーヴ・ファイナル著,講談社,2009.9)
も推薦.
 名著です.

 あと近著では,悪い意味での左翼バイアスふんだん(共同通信社のベテラン記者の本なんです)ながら,現場の声はしっかりすくい上げている,
『彼らは戦争に行った』(石山永一郎,共同通信社,2009.12)
というのが出てます.
 このリストの後あたりで読んでみてもよろしいかと.
(本山・松本両氏のは,他の本をしっかり読んでる時間がない方が手っ取り早く把握したい場合,有用だと思います.小峰氏のは未読)

軍事板,2010/03/08(月)
青文字:加筆改修部分

 なお,最近はPrivate Security Companyと呼ぶようです.

紛争後復興における民間軍事会社の活用――市場の特徴と課題の考察――
http://www.nids.go.jp/dissemination/kiyo/pdf/2008/bulletin_j11_3_1.pdf
紛争後復興と民間軍事会社(PSC)
http://www.nids.go.jp/dissemination/briefing/2008/pdf/briefing618.pdf

774 in FAQ BBS,2009年10月5日(月) 23時25分
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 民間重武装警備会社の警備員の映像を見て,疑問に思ったことがあります.
 私がニュースで見た限りでは,彼らの服装は
・ヘルメットを被っている人はいない.帽子を被っている人もまれ.
・防弾チョッキを着ている人はあまり見かけない.
・私服を着ているようで,同じ場所にいる同じ警備会社の人でも服装がまちまち.
このように感じました.
 警備会社は警備員にヘルメット・防弾チョッキ・制服を支給しないのでしょうか?

 【回答】
 基本的に民間警備員は警備会社の「社員」ではない.
 あくまで個々のオペレータが,個人の資格で警備会社と請負契約(コントラクト)を結び,業務を委託している.

 したがって,警備員が会社と雇用関係にあると誤解されるような制服,団体記章などの着用は,保安上やむを得ない場合を除きなるべく避けるのが原則.

 武器等の装備品の扱いについては警備会社によって異なるが,契約に伴って支給されるか,あるいは警備会社が斡旋して個人が購入するなど.

 オペレータ側からすると,爆発物やRPGに対しては防弾ベストやヘルメットも無効だし,一見して民間警備員と分かるような装備は,かえってマイナス,という考えをする者もいる.
 いずれにせよ個々のオペレータの判断による.


 【質問】
 傭兵と民間軍事会社の違いがいまいちよくわかりません.
傭兵→雇われ戦闘員,でも捕虜として扱われない
民間軍事会社→雇われ武装警備員,時にはインストラクター,捕虜資格はない
 こんな感じでしょうか?

 【回答】
 それは現在でも研究者の論争点
「傭兵も民間軍事企業も同じだ!」
という主張もあれば,
「個人に対して企業である,違法行為者に対して合法的企業体である,
 単なる戦闘力の提供に対して情報収集,兵站支援,訓練と専門性を持った活動である」
等の理由から,民間軍事企業は単なる傭兵ではないという主張もあり.捕虜資格についても,その雇用形態による,としかいいようがない.

 NHK出版の「戦争請負会社」でも,まるまる一章使って昔ながらの傭兵と現代の戦争企業の違いを論じてる.
 武装警備員やインストラクターは,はっきり言って戦争企業の下流だし.
 実際は一国の全戦略判断を下したり,士官学校と参謀本部を立ち上げたり,補給全部を請け負ったり,そういった契約の方が金額的にもでかい.

unknown

▼ 擬似傭兵やってるのは,むしろ後からついてきた要素なのよ.
 PMCって基本の流れが,
冷戦終結で軍が大リストラ
→訓練,支援能力まで削減
→軍から出された連中が,受け皿企業を設立して,軍が行っていた業務を外部受注
ってとこだから.
 だから,訓練はPMCの根幹的な課業だし,戦地で輸送業務受託したりしてるわけ.
 支援業務関連では,整備を民間企業が請け負って,純正部品じゃない互換部品を部品交換で使って,差額を懐に入れるなんてのが,航空機整備でも横行して問題化してるな.

軍事板,2011/01/10(月)
青文字:加筆改修部分

▼ 結局,国内国際法とか人権で,正規兵の身分をがんじがらめにした矛盾が噴出しているんじゃないかと.
 二線級の,使い捨てが効く便利な「歩」がいないのが,今の先進国の軍隊.
 日本の非正規雇用が生まれた過程と,根は一緒.

 叩くのは勝手だけど,個人的には傭兵って,今の世の中じゃそんなに悪いシステムじゃないと思う.
 欧米先進国は歴史的経緯から,生理的に受け付けないのは理解できるけど,善意のナショナリズムに兵力の拠出を依存するのは,いい加減無理があると思う.

 最低限の身分の保障とかシステム化をきちんとすればいい話で.
 グルカ兵とかフランス外人部隊というお手本がある訳だし.
 この2つは戦意が高く,活きの良い若い兵士を安定して確保するよう,うまくできてる.

軍事板,2010/12/01(水)
青文字:加筆改修部分



 【質問】
>実際は一国の全戦略判断を下したり,士官学校と参謀本部を立ち上げたり,
>補給全部を請け負ったり,そういった契約の方が金額的にもでかい.

 それは一国の軍事行政を丸々肩代わりしているということですか?
 おそらくそういった民間軍事会社と契約する国はアフリカなどの発展途上国に多いと思われますが,そういった国ではノウハウがないため,外部に委託したほうが質の面でもコストの面でも効率がいいということでしょうか?

 【回答】
 そういうことです.ま,俺も「戦争請負会社」の受け売りなんでそっちを読んでもらった方が早いのだが.
 基本的にはノウハウがないから,民間に委託してる.
 ただ,発展途上国のみならず,アメリカやNATO加盟国なども民間委託の度合いを高めている.

 ・サウジなどオイルマネーを持った国では,戦略偵察>情報分析>判断を民間企業がやってる.
 ・クロアチア軍は,米軍退役将軍たちが作った会社に士官学校設立と参謀育成をやってもらって,NATO陸軍のドクトリンをマスター.セルビア軍の駆逐に成功.
 ・コソボに展開したアメリカ陸軍の補給は,ハリバートン社が受注.これにより米軍は補給担当の数千人の予備役招集をせずに済んだ.
 ・英国は空軍の空中補給部隊,陸軍の戦車整備,海軍艦艇の保守点検(原潜要員の訓練を含む)を民間に委託.

 なぜこういう分野で民間企業が進出しているのか?
 ・プロの軍人をゼロから育成する手間を惜しんで(サウジの例).
 ・そんな金も時間もない(クロアチアの例).
 ・軍縮で人が減った上,予備役召集などすると議会がうるさいから(アメリカの例),
 ・行政民営化を推し進めているから(英国の例)
…など理由は様々.

 軍縮でプロの軍人が大量解雇>でも紛争は起こる>プロの軍人が不足>民間軍事企業が不足したプロを提供
というのが基本パターン.
 民間委託はコスト減にも役立っている,と米軍なんかは議会に主張しているが,実際は競争入札や支払いの不正も多く,本当にコストが下がっているかは不明.
 質も,昨日まで皿洗いやってたおっさんに,ヘリの修理をさせてたケースが発覚したりと,微妙.

 また,一度民間企業に頼ってしまうと,もうその会社無しでは軍事力を構築できず,逆にそれが弱点になったり,会社もそれを見越して契約金額を吊り上げたり,問題も多い.
 傭兵会社が撤退したため,反乱軍を抑えきれずに政権崩壊とか,戦略兵器の保守整備を民間委託したため,実質その企業の言い値で契約を結ばざるを得なくなったりとか.

 余談ですが,軍事ではありませんが,中公新書に『ルワンダ央銀行総裁日記』という手記があります.
 これは独立後間もない新興国であったルワンダが,国家経済政策の中枢機関である中央銀行業務について,自国民に経験者が無く,旧宗主国の支援も受けられなかったため,設立に必要な人材の提供を国際機関を通じて求めたのに応じて,日本銀行から単身派遣された著者が,0から中央銀行を設立し,諸外国と交渉して各種の協定を定め,人材を集めて組織を作る過程を描いた,波乱万丈の実話です.
 通貨の発行や公定歩合の決定,外国との為替レートの交渉などの国家の主権にかかわる重要業務さえ,ノウハウの無い国は外国人に委託せざるを得ないのです.
 我が国の先人の苦労がしのばれます.
 機会があれば,ご一読をお勧めします.

 【質問】
 軍事支援企業とは?

 【回答】
 阿部拓磨<ミリタリービジネス研究家>によれば,戦闘役割型・戦闘コンサルティング型民間軍事会社が目立つ,そんなに目立たないが,注目した方がいいかも しれない種類の民間軍事会社.
 軍事支援企業で現在急成長を遂げているのはKBR(クロッグ&ブラウンルート)社.
 元国防長官ディック・チェイニーがCEOを務めたこともある,アメリカ軍の兵站業務を一手に担っている企業だ.

 ちなみにイラクに派遣されている米軍の兵站業務を担当してる軍事支援企業はKBR社だけ.
 超独占です.
 入札? なんですか?,それは.
 そんなのやってません.

 詳しくは『軍事研究』 2008年7月号を参照されたし.

CRS@空挺軍 in mixi,2008年06月10日15:08
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 Executive Outcomes社(エクゼクティブ・アウトカムズ)とは?

 【回答】
 阿部拓磨<ミリタリービジネス研究家>によれば,エクゼクティブ・アウトカムズ社は(長いので以下EO社)は南アフリカを拠点にしたPMC(民間軍事会社)で,1990年代に発生したアンゴラ紛争・シエラレオネ内戦を中心に活躍した.
 収益の大半が直接戦争業務から得ていたこともあり,攻撃性の高い民間軍事会社だった.
「本当に軍事役務提供型と呼べるのはEO社だけ」
という,とあるPSC関係者の発言もある.

 EO社は1989年に創設.
 代表者は旧南アフリカ市民協力局(CCB)所属のイーベン・バウロ.
 市民協力局というと市役所にもでありそうな局ではあるが,実態はかけ離れており,国内外の諜報活動・アパルヘイト政策維持を目的とした情報収集・自国兵器の輸出などなど,非常にダーティな活動を主とした組織であった.
 またバウロ氏はCCBに所属する以前は,世界でも屈強な戦闘部隊出身であった,南アフリカ国防軍第32大隊(通称 バッファロー大隊)の副指揮官を務めていたこともあり,軍務経験は優秀な男でもある.

 1992年のアパルヘイト政策廃止を機に,EO社はPMCとして急速な拡大を遂げた.
 その背景には反アパルヘイト勢力が政治&軍事力に対しての改革のメスを入れたことにより,国防軍&治安維持組織に対する大規模なリストラを慣行し,6万人以上の軍人&警察官が職を失い,路頭にさ迷うありさまだった,という事情がある.
 この事態に対してバウロ氏は,CCB時代や第32大隊のコネクションをフル活用し,失業した軍人&警察官に対して,当時としては破格の待遇でEO社に招き入れた.
 給与は将校クラスは月収4000ドル・兵士クラスでも2000ドル.
 この給与は旧国防軍なんと5倍以上だったと言われている.
 人材流出を上手く利用したEO社は,軍事専門コンサルタントだけで約500人,直接戦闘を担当する実戦要員だけで3000人以上を確保したという.

CRS@空挺軍 in mixi,2008年06月10日15:08
青文字:加筆改修部分

▼ こうしてEO社は流失した人材をかき集めることに成功した.
 ただし数も凄いが注目すべき点は「隊員の質」であることだ

 旧南アフリカ国防軍は国内の暴動鎮圧を始め,隣国との戦闘などで実戦経験豊富な人材も多かったのだ(当然 汚い仕事 もこなしている)
 しかし政権は交代し,彼らは黒人弾圧の汚名を着せられ解雇された・・・
 そこにつけ込んだEO社は人生終了の真際にいた彼らを社員として雇った!
 こうした事により社員達の忠誠心と士気が猛烈に高まり,戦闘意識の向上に繋がった.
 EO社の人員構成は白人が3割,黒人が7割で構成されていたそうだ

 EO社はこの他にも
(1) 兵員を必要時に招集できる契約制の導入
(2) 社員の素性を把握するために個別情報のデータベース管理
(3) 全社員に生命保険と医療保護を契約に盛り込み待遇改善を図った
(4) クライアントは,依頼国の「正当政府」または「正当政府から」事業を依頼された組織のみを対象とする
(5) イギリスの子会社ながらも,正規の株式会社として,公に事業を行ったこと
というPMC(PSC)の基礎を誕生させたことも注目するべき点でもある.

CRS@空挺軍 in mixi,2008年06月29日20:28

 詳しくは『軍事研究』 2008年7月号を参照されたし.


 【質問】
 アンゴラ内戦にエグゼクティヴ・アウトカムズ社は,どのように関与したのか?

 【回答】
 EO社が表舞台に立ち,その華々しいデビュー戦を飾った戦いアンゴラ紛争が勃発した.

 1975年 ポルトガルからの独立を機会にソ連が後押しするアンゴラ解放人民運動党(MPLA)とアメリカ,旧南アフリカが支援するアンゴラ全面独立民族同盟 (UNITA)の間で起きた紛争.
 ソ連が崩壊し,1992年に停戦協定が結ばれたが直ぐに決裂.
 石油資源を資金源にしたアンゴラ政府軍(FAA)と,ダイアモンド鉱山を資金源にしたUNITAへと戦いは変化した.

 1993年3月にはUNITAが,政府軍の重要拠点であるソヨの街にある石油精製所を占拠.
 拙い事に石油精製所は,アンゴラ政府軍の重要な資金源であり,イギリスのブランチ・ヘリテージ社が一日2万ドルのリース料を払って管理していたのだった.
 会社も政府もこの施設を出来うる限り無傷で奪還したい!
 しかし当時の政府軍にそんな力はなかった・・・
 両者は協議の末にEO社にソヨ奪還の依頼をすることに同意した.

 依頼を受けたEO社はすぐさま行動を開始した.
 1993年9月に政府軍の訓練を名目に,アンゴラ政府と4000万ドルの一年契約を結ぶ.
 そして500人の社員を同地へ派遣し,5000人のアンゴラ政府軍兵士と30名のパイロットの訓練を終えた後,1994年に大規模なソヨ奪還作戦を開始した.

 この戦闘はEO社社員も加わり,かつての内戦では使われなかった武装ヘリ・攻撃機・装甲車が多数投入され(Mi-24ハインド,BMP-2などの旧ソ連兵器が主体だった)獰猛かつ迅速な攻撃をUNITA側に与えた.
 この猛攻にUNITA側な為すすべもなくソヨから撤退.

 そればかりではなかった.
 なんとEO社&アンゴラ政府軍の連合軍に,重要な資金源であった東部にあるダイヤモンド鉱山まで奪われてしまった!
(この作戦のさいに一部のEO社社員が略奪行為を働いていたことが,後々に発覚する)

 EO社のバックアップの元にアンゴラ政府軍が優位に立ったことで,1994年11月UNITAとアンゴラ政府の間で「ルサカ和平協定」が締結.
 この紛争の後も,アンゴラ政府はEO社との契約更新をしたかったようだが,アメリカの横槍もあって1995年に契約は打ち切りとなった

 その後のEO社についてはは『軍事研究』 2008年7月号を参照されたし.

CRS@空挺軍 in mixi,2008年06月29日20:28


 【質問】
 「ズィー」とは?

 【回答】
 米民間軍事会社大手「ブラックウオーター」が改名予定の名称.
 2009/2/13,同社発表.
 同社は年間売り上げ3分の1をイラクの外交官警護業務で稼いでいたが,一昨年9月のイラク市民射殺事件を受け,同国内で活動できなくなったため,悪名高い社名とロゴマークを一新し,今後,軍事・警備訓練や航空支援業務の拡大で生き残りを図るという.

 【参考ページ】
2009年2月16日00時43分,読売新聞(by 宮崎健雄)

 リアルでコーヒー吹いたわwwwww
 やはり議会呼び出しとイラク政府のお怒りが響いたか.

 あの会社名とロゴマークも終わりなのかなぁ・・・
 それはそれで悲しいが.
 たかが社名変更やロゴ変更で,雰囲気が変わるとは思えないけどね.

CRS@空挺軍 in mixi,2009年02月16日23:35

――――――
イラク民間人銃撃のブラックウォーター社,CEO辞意表明

(CNN) 米民間軍事会社ブラックウォーターの創業者であるエリック・プリンス最高経営責任者(CEO)が2日,社員や取引先への電子メールで辞意を表明した.
 CEOの後任には,同社や関連会社で10年近く勤続しているダニエル・エスポジト氏が指名された.
 同氏は副社長を兼任する.
 また,ゲイリー・ジャクソン社長は退職する.
 プリンス氏の今後の動向は不明.

 ブラックウォーターは米政府からイラク国内の米外交官警護業務を請け負っていたが,2007年に従業員らが銃を発砲し,イラク民間人17人が死亡した事件を理由に,イラク政府から事業免許の更新を拒否された.
 米国務省は同社との契約を更新しない方針を決定.
 同社は先日,社名を「Xe」に変更した.
――――――

 ここまで落ちぶれるというか衰退ぶりは予想しなかったなぁ.
 米国防省との打ち切り決まったし,これからどうするんだろうね.
(確か収益の半分が米国防省からの契約だったような気が)
 そろそろPMC業界も淘汰の時期を迎えるか・・・

CRS@空挺軍 in mixi,2009年03月03日19:57

▼ 今月号の軍事研究は
〔略〕
BW(Black Water)社に関する業界人のコメントが面白い.

「仕事を獲得する際にはまず,自社がBW社と全く違うことを事細かにプレゼンしなければなくなった」
「BW社? もう終わった会社だよ」
「あんな乱暴なやり方は,アメリカ人特有のものだ.
 イギリス系企業も同じように考えられちゃ,たまったものじゃない」
(元コントラクター JAMES ASHCROF著『MAKING KILLING』より)

>あんな乱暴なやり方は,アメリカ人特有のものだ

「まったくこれだから植民地人は困る(フフン」と
いうブリテン的嫌味ですね,分かります.

CRS@空挺軍 in mixi,2009年06月09日20:00

▼ 【追記】
米民間軍事会社と遺族らが和解,バグダッドでの銃乱射事件で
http://www.cnn.co.jp/business/CNN201001110009.html

 ブラックウオーター社員によるバグダッドでの銃乱射事件の,和解が成立しました.
 ただし5人の元BW社員の刑事告発は見送られそうです.

>司法省は08年12月,米軍出身者の5人を殺人罪などで起訴した.
>6人目の被告は同年,有罪を認めていた.

 6人目の被告は,司法取引によって当時の状況を詳しく述べました.
 名前はジェレミー・リッジウェイ.
 彼の証言が,5人を起訴するための証拠として取り上げられました.

>しかし,ワシントンの連邦地裁は昨年12月31日,
>同社の元警備員5人に対する計画性のない殺人の罪による
>訴追を退ける判断を示した.
>検察側が訴追に使った5人の証言の入手方法に対する疑義を表明し,
>仕事のはく奪を威嚇するような方法で証言を
>引き出していたなどの不法性に言及し,訴追は無効とした.
>イラク政府は地裁の判断後,司法省に控訴を促している.

 おいおい・・・

 銃乱射事件の詳細は,
『軍事研究』 2009年7月号
軍事民間会社,繁栄から転落への検証
悪名高きブラック・ウォーター社消滅!
BW社員は07年バグダッドで一般市民37人を死傷させる無差別銃撃事件を起こした
阿部拓磨

を参照されたい.

CRS@空挺軍 in mixi,2010年01月11日23:47


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