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◆◆南オセチア紛争FAQ
<◆グルジア
<中央アジア・コーカサスFAQ
青文字:加筆改修部分
280 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2008/08/09(土) 01:23:47
ID:???
.-、 _
ヽ、メ、〉 r〜〜ー-、__ ________________
∠イ\) ムヘ._ ノ
|
⊥_ ┣=レヘ、_ 了
| え−−い,オリンピックはいいっ!
-‐''「 _  ̄`' ┐ ム _..-┴へ <
| |r、  ̄ ̄`l Uヽ レ⌒', ヽ. | グルジアを映せっ!
T−72の戦い振りをっ!!
(三 |`iー、 | ト、_ソ } ヽ
|
| |`'ー、_ `'ー-‐' .イ
`、  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| | `ー、 ∠.-ヽ ',
__l___l____ l`lー‐'´____l.
|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| .| |
|| |__..
-‐イ
|| | ノ/
軍事板
青文字:加筆改修部分
目次
◆◆◆戦略級 ◆◆◆戦術級 ◆◆◆◆地上軍 ◆◆◆南オセチア紛争と国際社会 |
【質問】 グルジア・ロシア紛争に先立ち,ロシア側からの挑発行為はなかったのか?
【質問】 グルジアは,ロシアに勝てると本気で思っていたのですか?
【質問】 誰もグルジア大統領に「無謀な作戦だ」と言わなかったんだろうか?
【質問】 「グルジアの外交的勝利」という見方もあるようですが.
【珍説】 「プーチンは凶暴.それぞれの国が自国でエネルギーを自給するようになれば,無駄に戦争などしなくてもすむ(シバレイ)」???
【質問】 そもそも信用なんて,ロシアにはあんまり必要じゃないんじゃね?
【質問】 ロシアによるグルジアへのサイバー攻撃について教えられたし.
【質問】 ロシアが今回の件で,ガチで躊躇なくやることを示す予兆のようなものはあったのか?
【質問】 南オセチア紛争の,これまでの状況を教えてください.
【質問】 南オセチア紛争の際に見られた,ロシア軍の迷彩について教えてください.
【質問】 アブハジア沖で撃破されたミサイル艇「トビリシ」について教えられたし.
【質問】 第2次アブハジア沖海戦(仮称)について教えられたし.
【質問】 グルジアは確かにロケット撃ち込んでたけど,それが軍事目標を狙ったものか,市街を無差別に狙ったものかは,まだ分かってないんじゃないの?
【質問】 南オセチア紛争におけるTu-22M3撃墜について教えられたし.
【質問】 グルジアが第二の(冬戦争時の)フィンランドになる可能性は,わずかでもないの?
【質問】 グルジアにゲリラ戦用の兵器が流入し始めたら,どうなるのでしょうか?
◆◆◆◆地上軍
【珍説】 「チェコ製のダナ自走砲などは,『旧ソ連時代の大型装備』ではない」???
【質問】 南オセチア入りしたっていう第58軍について教えてください.
【質問】 南オセチア紛争における,ロシア軍第76親衛空挺師団の活動は?
【質問】 南オセチア紛争に投入されたロシア軍特殊部隊は,連邦軍所属のものだけですか?
【質問】 南オセチア紛争に参戦したGRUスペツナズについて教えてください.
【質問】 「グルジア国内にはロシア軍の偵察部隊しかいない」そうですが.
【質問】 ロシア軍は今も装甲部隊にきっちり強行偵察させる考えなの?
【質問】 ロシアで鹵獲されたグルジア軍の兵器には,どんなものがあるのか?
【質問】 「映像で報じられるロシア陸軍の進軍中の戦闘車列は,どれも最新鋭T-80,T-90Sシリーズで占められてい」たのですか?
【質問】 南オセチア紛争(2008)のときは完勝できたロシア軍が,ウクライナ戦争ではこの体たらくなのは何故? 退化でもしたの? - Togetter
【質問】 グルジア・ロシア紛争に先立つ,安保理でのロシア案は,なぜ採択されなかったんでしょうか?
【質問】 「サンデーモーニング」で,「アメリカがグルジアをそそのかした部分もあった」と言ってるんですが本当デスカ?
【反論】 あまりにもレベル低いよ,軍事板.もっと経済板などを見て見識を広めるべきだね.
【質問】 グルジアの領土の保全をアメリカが主張しているのは,やはりアメリカがグルジアに肩入れしているから?
【質問】 グルジア全土占領は欧州が黙ってないんじゃないのか?
【質問】 グルジアが停戦条件として,「平和維持軍をNATO軍あるいは国連軍にすること」を求めてくる可能性は?
【質問】 グルジア・ロシア紛争において,ロシアに対するネガティヴ・キャンペーンには,どのようなものがあるのか?
【質問】 グルジアでトルコのTVクルーが銃撃された時,車の正面から銃撃されてたけど,弾は貫通しないものなんですか?
【質問】 このグルジアを巡る米露対立の結果,中露が接近するのでは?
【質問】 どうもアゼルバイジャンの立ち位置がわからないんですけど.
【質問】
グルジア・ロシア紛争の原因は?
【回答】
佐藤優によれば,
1) グルジア人とオセチア人が「民族独裁主義」という衝動にとりつかれていること
2) ロシアが帝国主義的本性を露骨にあらわし,ロシアにとって裏庭であるグルジアを影響下に置こうとしていること
の2つだという.
その上で彼は,
>ロシアの支配に対して抵抗するグルジア人が,オセチア人やアブハジア人を
>抹殺するような政策をとっているという面も冷静に見なくてはならない.
と述べている.
詳しくは,『佐藤優の「地球を斬る」』,2008/8/13付を参照されたし.
▼ また,
「佐藤優の『地球を斬る』」>グルジア問題の背景(下)
によれば,チェコスロバキアへの軍事侵攻に際して,ソ連は
「社会主義共同体の利益に反する場合,個別国家の主権が制限されることがある」
という「ブレジネフ・ドクトリン(制限主権論)」を唱えたが,今回,メドベージェフ大統領は,
「われわれの国は,コーカサスにおける同胞の死に対して懲罰が行われないままになることを看過しない」
と述べている.
これは佐藤の解釈では,
「ロシア帝国の利益に反する場合,個別国家の主権が制限されることがある」
という,「ネオ・ブレジネフドクトリン」とでもいうべき制限主権論を意味しており,プーチンよりもメドベージェフの方が帝国主義的なのだという.▲
▼ そして直接的原因は以下の通り.
――――――
2007年10月末,アブハジアとの停戦ラインでの紛争でロシア平和維持軍に食ってかかるサアカシュヴィリ.
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5345447
そもそもこの紛争は,グルジア政府が2006年に停戦ラインから1kmも離れていないガンムフリ村に青少年用の「愛国キャンプ村」を作ったことに起因します.
紛争の火種になるという事で,国連から撤去を勧告されても無視.
その翌年に案の定,平和維持軍がこの施設にいた警官を拘束する事件が起きると,即座にメディアを引き連れて現地に飛び,自分が勇ましく抗議する姿をTVで全国放映させます.
丁度この時期,首都ではまさに反大統領デモが盛り上がりつつありました.
――――――
>紛争の火種になるという事で,国連から撤去を勧告されても無視
・・・・・・・典型的なバカだ,大人しく従えよorz
これぞまさに無能の塊としか言いようがない.
虎の威を借る狐とは,まさに彼にぴったし.
CRS@空挺軍 in mixi,2008年11月24日23:36
青文字:加筆改修部分
▲
叙勲を行うメドベージェフ大統領
(画像掲示板より引用)
【質問】
「エトノクラツィア」とは?
【回答】
佐藤優によれば,1つの民族が,自らが居住する領域の政治,経済,言語,宗教,文化などすべてを独占しようという動きを意味するロシア語の言葉.
佐藤はこれに「民族独裁主義」という訳語を当てている.
1980年代後半にソ連体制下で,一級のエリートになれなかった地方の知識人や政治家が,
「私は民族のために命をささげる用意がある」
と宣言し,民族感情を刺激する言動を取ることによって,共産党官僚が占めているエリートの座を確保できることに気付いたことから,「民族独裁」に向けた流れがでてきたのだという.
そして,その先鞭をつけたのがグルジアなのだと,彼は述べている.
詳しくは,『佐藤優の「地球を斬る」』,2008/8/13付を参照されたし.
【質問】
南オセチア紛争で,先制攻撃したのはどちら側?
【回答】
「私は大統領として,我が市民が何処にいようともその生命を守らなければならない.
我々の市民を殺害した罪を犯した者は罰を逃れられない」
――――――8月8日 安全保障会議上でのメドベージェフ大統領の発言
今回の南オセチア紛争の火種,つまり「どちらが先制攻撃を仕掛けたか?」,どちらかか先制攻撃を仕掛けたかによって,紛争の立場がかなり違ってくる.
当初はどちらとも「お前が先に攻撃した」と非難し合った.
だが錯綜していた情報を繋ぎ合わせると,意外な事実が浮かび上がってくる.
まずロシア外務省は,2008年8月7日午後11:40分に,
「南オセチア首都であるツヒンバリに対し,大規模攻撃を開始.ロシアが武力介入を決意したのは8月8日午後02:30分であった」
と発表.
グルジア軍が先制攻撃を行ったという情報は,現地を取材した西側報道機関や人権団体によっても支持されており,ドイツの雑誌シュピーゲルが9月1日付けで配信した記事によれば,当時グルジアにいた欧州安保協力機構(OSCE)監視団は,ロシア軍の戦車が南オセチアに入る前に,グルジア軍が攻撃を開始したという情報を,ウィーンにある本部に送信.
同じ内容を,アメリカのニューヨーク・タイムズが11月頃に掲載している.
紛争直後の南オセチアには,OSCE監視メンバーが3人が在中しており,現地において情報収集を行っていた.
メンバーの国籍と所属は
フィンランド 軍人 階級 少佐
ベラルーシ 軍人(空軍) 階級 大尉
ポーランド 民間人
である.
彼らはグルジアのトリビシにいた,OSCE監視団本部のイギリス軍出身の幹部と,連絡と取り合っていた.
監視団幹部の2人が8月と11月に,外交団に説明を行った.
・グルジアが攻撃開始の切欠となった,南オセチア内のグルジア人居住村(複数)への砲撃は確認できず
・グルジア側が指摘する村のうち,2つの村は監視団の事務所に近い所にあり,砲撃があったとするならば,聞こえるはずだが,聞こえなかった.
・幹部の一人は,グルジア軍はツヒンバリに対して無差別攻撃を行ったと説明.
ロシアの人権団体「メモリアル」は,ドイツの人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」との行動調査を行い,調査の結果はグルジア軍の先制攻撃によるものと発表.
メモリアルの調査によれば,南オセチア内のグルジア人村で避難できずに残留していた老人達の話として,親グルジア当局者が開戦前に,村人に避難を呼びかけていたと伝えた.
米国では,エリック・エデルマン米国防次官は08年9月10日での上院軍事委員会にて,まだ不透明なことも多いが,グルジアが南オセチアに対する主権回復という,政治的目的のための軍事作戦を実行したと思われると証言.
ロシア軍の侵攻に対する防衛ではなく,グルジアが南オセチアに侵攻したと事実上認めた.
グルジアでも証言が相次いだ.
サーカシビリ大統領の元で04〜06年に国防相を務めたイラクリ・オクルアシビリは,大統領と2人で南オセチア侵攻計画を練ったことがあると発言.
戦闘が始まる前の1ヶ月前の08年7月まで,グルジアの駐ロ大使であったエロシ・キツマリシビリは,08年11月25日のグルジア議会の公聴会にて,グルジア政府高官から南オセチアに対する侵攻作戦を計画していると聞いたと証言.
開戦当時,グルジアの国境警察庁長官であったバドリ・ビツァゼは,グルジアのレゾナンシ紙(11月29日付)で,大統領が内相・司法相・外務次官・国家安全保障会議書記トリビシ市長などの側近達をと相談して,開戦を決めたと述べている.
イラクリ・オクルアシビリは,汚職容疑を受けグルジアを出国.
現在フランスのパリ在住.
ロイター通信社の取材に対してこう発言した.
――――――
我々の戦略目標はアブハジアだったが,2005年にアブハジアと南オセチアの双方を奪取する軍事計画を作った.
サーカシビリは,米国が外交チャンネルにてロシアの侵攻を抑えると考えた.
米国はグルジアに対して,侵攻を支持しないといつも言っていた.
2005年5月にジョージ・ブッシュ大統領と会った際,軍事対決を控えろと直接言われた.
ブッシュ大統領は,軍事的には君らを助けないと言った.
――――――
エロシ・キツマリシビリ元大使は議会の公聴会の翌日,記者会見を行い,
「サーカシビリがこの戦いを求め,過去4年間準備を進めてきた.
そしてロシアがそれに付け込んだ」
と発言.
さらにロシアが介入せず,グルジアが数時間で南オセチアを制圧でき,米国が作戦を支持してくれるだろう,と考えてたと指摘している.
では,一方のロシアの対応は如何なものであったのか?
サーカシビリ大統領以下グルジア政権は,一環してロシアが先に侵攻という声明を発表し続けた.
(時に揺らいだことはあったが)
しかし,状況はロシアにとって不意討ちであったことを物語っている.
紛争直後,大統領と首相は国内で指揮をとっていなかった.
ロシアの独立通信社であるインターファックスのアレクセイ・ゴルシコフ記者の証言によれば,現地から紛争勃発の報を聞き,8月8日朝に国防省・参謀本部・外務省の関係部署に電話を入れ,情報を得ようとしたが,当直が誰もおらず,緊迫感が全く無かったと言う.
唯一電話が繋がったグリゴリー・ガラシン外務次官は,ゴルシコフ記者に対し,
「何が起きているのか教えてくれ」
と,逆に聞き返してきた程であったという.
また,佐藤優氏が現役時代に親しくしていた,ビチャェスラフ・ニコノフ(政治評論家)はグルジアによる南オセチア侵攻作戦を,
「ロシアにとっての9:11である」
と発言しているという.
このように,用意周到かつ迅速に対応したとは言えない有様であった.
CRS@空挺軍 in mixi,2010年09月23日20:51
2009年9月30日,EUが依託した調査委員会が,9ヶ月に上る開戦の経緯を中心に調査を終え,その結果を公表した.
第三者による最も権威ある報告書だと言える.
調査委員会は,スイスの元女性外交官であるハイディ・タグリャブニが座長を務め,約30人弱の元政治家・元外交官などで構成されていた.
同報告書によれば,戦闘がグルジア軍の大規模な砲撃で始まったと述べ,次のように報告している.
・グルジアの作戦が始まる前に,ロシアによる軍事攻撃は無かった.
・グルジアによる攻勢が始まる前に,南オセチアに大規模なロシア軍が存在していたという,グルジアの主張を裏付ける根拠は見出せ無かった.
・ロシアが本格的な攻撃を開始する目前にあったことも証明されなかった.
として,南オセチアに最初に侵攻したのはグルジア軍という結果になった.
もっともロシアに対しても,グルジアへの過度な反撃や,南オセチア民兵による,南オセチア内のグルジア人村に対する民族浄化を黙認,住民にロシア国籍を与え,緊張を高める要因を作り出していたと指摘.
グルジア軍が南オセチア住民に対するジュノサイドを実行したという主張も誇大であり,南オセチアとアブハジアを主権国家として承認するのは,国際法違反であるという指摘も行っており,報告書は,双方による挑発行為があり,紛争の責任は双方にあるとした,痛み分けという結論に落ち着いている.
ただしサーカシビリ大統領が再三発言した,ロシア軍の侵攻による反撃は認められず,グルジア側の先制攻撃が認められた形になり,実質的にはグルジア側の不利な報告結果となった.
【参考文献】
小田健『現代ロシアの深層』 第X部 対近隣諸国関係
P469〜475までに開戦時の状況が載せられているので,各自で参照されたい
なお,同書によれば,ロシア軍のよる“最初の”攻撃は,8月8日午前07:30以降.
SS-21短距離ミサイルをゴリの南西のボルジョミに向け発射したとのこと.
午前11:00までロシア軍は,ロキ・トンネルを通り南オセチアには入っていなかった.
上記の情報提供は,西側情報機関によるものされる.
実は南オセチア当局は,ロシア軍が助けに来てくれるか,8月10までわからなかったという.
8月8日 午後2時30分
ロシア政府は南オセチアへの介入を決定.
8月9日 午後8時
南オセチア当局は,この時点でもロシア軍が助けてくれるかどうか判別できなかった.
ミンジャエフ南オセチア内相がコメルサントとの会見で述べた.
8月10日 午前8時
南オセチア当局は,ようやくロシア軍が救援に来たことを悟った.
【参考文献】
小田健『現代ロシアの深層』
インテリジェンス戦争―対テロ時代の最新動向(文庫)
佐藤 優 (解説), 黒井 文太郎 (編集)
CRS@空挺軍 in mixi,2010年09月23日22:04
【質問】
グルジア・ロシア紛争に先立ち,ロシア側からの挑発行為はなかったのか?
【回答】
あっただろうことは高い確率で間違いない.
ワシントン・ポスト紙によれば,
・ロシアがグルジアのインターネット・インフラに攻撃をかけていた可能性がある
・アブハジアに鉄道兵を入れて線路の補修を行ってた
・ロシアがコントロールしている民兵が,南オセチア内のグルジア人の村々へ砲撃していた
という.
これに関し,『フォーサイト』2008年9月号では,プーチン政権下の軍改革で不満を高めた軍部の「独走」との見方もあることを紹介している.
ロシア軍は8/2まで,北カフカス軍管区で1万人近い部隊が参加する軍事演習「カフカス2008」を実施しており.演習そのままの攻勢が目立ったこと,
プーチン首相が急遽,北京から北オセチア共和国に飛んだのも,軍の独走に歯止めをかける狙いだった可能性があること
を挙げているが,大して有力な根拠とは思われない.
【質問】
ロシア側の完全な侵略戦争に見えるけど,実際どうなの?
【回答】
んな簡単な話じゃねーよ.
グルジア独立・親米政権成立
↓
ロシアはその地域に目をつけていただけに,グルジアが邪魔になる
↓
ロシア,グルジアの親露系を焚きつけて,グルジア内で半独立状態を確保
↓
グルジア,軍により親露系を押さえつける(←ちょっと前までココ)
間単に書いても,これだけ複雑
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
今回の紛争の背景は?
【回答】
グルジアにはカスピ海油田からロシア本土を経由しない,欧州向け石油パイプラインがあるのです.
ですので,以前プーチンにガス栓を閉められて大弱りした西側欧州としては,エネルギー安全保障の観点から,グルジアは自陣営に取り込んでおきたいのです.
グルジアも,自国の安全保障を守るために,NATO加盟申請やイラク戦争参戦などで旧西側との結びつきを強くしようとしていたのです.
で,問題が南オセチア.
上の方の説明にあるように親ロシア系住民が多く,ソ連崩壊後の旧ソ連邦分離独立騒ぎの際,同地方はグルジアからの分離独立(&ロシアへの帰属)戦争を起こしています.
92年に停戦が成立し,ロシア軍が自称PKOとして駐留.
以後,ロシアが同地に樹立された自治政府の保証人になってました.
今回の戦闘序盤でグルジア軍の攻撃を受けたロシア軍というのは,このロシアPKO部隊なのですね.
現状のニュースを積み上げて行くと,北京五輪の世界が注目するこの時期に,停戦合意を無視して,「いらん騒ぎ」を起こしたのはグルジア側です.
本当にそうであるならば,NATO諸国もグルジアへ肩入れするのは難しいでしょう.
と言っても,グルジアが完全に凹られてパイプライン利権をロシアに奪われてしまっては,西側欧州陣営も涙目なわけで.
だからと言って,NATOとして直接行動を取れるわけでもなく,「停戦と対話」を求めるしか無いのですが,実行力を伴わない言葉にロシアが耳を貸すとも思えません.
プーさんが北京にいる間に,「鬼の居ぬ間の洗濯」で南オセチアを電撃的に制圧し,同地の実効支配を既成事実化しようとしたグルジアの目論見は,騒動が始まって僅か数時間で崩れ去ったわけであり,あとはグルジアがロシアへ
「ごめんなさい,もう二度と南オセチアには手を出しません」
と泣いて詫びを入れるしかないでしょう.
鳥坂 ◆ItZu8OLJOg in 軍事板
(ニュース極東板へ転載されたもの)
青文字:加筆改修部分
つーか,ロシアに何を期待してるのかしらんが,あそこはガチにやる時は躊躇無くやるところだろ.
『平和的に』とか,『利害調整で』とか,お花畑が通用する相手じゃない.
さらに遡れば,こういう歴史的経過が.
ロシア帝国がグルジアとオセチアを併合
→ロシア革命でそれぞれソ連の支配下に
→グルジア人のスターリンによってオセチアのグルジア化推進
→スターリン死去によってオセチアの自治回復,独自の議会をもつ自治州に
→ソ連末期,グルジアが自治権剥奪を宣言し弾圧激化
→1991年,グルジア軍侵攻も義勇軍により撃退
→1992年,和平合意成立,ロシア軍駐留
→2004年,西側の支援によりサーカシビリが政権転覆し大統領に就任
→サーカシビリ政権下で対立激化,またチェチェン鎮圧したロシアの矛先が後方拠点のグルジアに
→2008年8月7日,グルジア軍の銃撃でロシア・オセチア側に犠牲者,グルジアは一方的停戦を宣言
→2008年8月8日,オリンピック開幕式にあわせてグルジア軍が奇襲攻撃,欧米に介入を求める大統領声明
軍事板
青文字:加筆改修部分
▼ 小ネタ.
「モスクワ・タイムズ」によれば,大柄なサーカシビリは内輪の席で,小柄なプーチンを「小人」と揶揄し,それがプーチンに伝わって,プーチンが激怒したエピソードがあるんだとか.
人生\(^o^)/オワタ
CRS@空挺軍 in mixi,2009年01月09日18:19
▲
【質問】
グルジアは,ロシアに勝てると本気で思っていたのですか?
【回答】
戦争にはならないと考えていたんだろ.
いずれにせよ,チェチェンなどで懲りてるし,国際世論全部を敵に回すのも賢明でないから,ロシアにはグルジアを占領するつもりはない.
イラクの米軍見て学んでないはずもないし.
で,グルジアはイラクに人身御供送ってるし,アメリカの憶えがめでたいから,少々無茶しても,ロシアは嫌がらせ程度しかしないできないだろう,と甘く見て南オセチアにごり押しに出た.
ところがロシアが本気で出張ってきたので正直,困ってる.
民間人の被害続出,とか騒いで世論を味方に付けるぐらいしかないのだが,最初に自分が民間人に砲撃しまくったはバレてるし.
南オセチアがロシアに編入されて終り,となると大変みっともないことになるなあ.
軍事板
青文字:加筆改修部分
▼ ソチやら北京やらで世間体気にする時期に,グルジアが事を構えようと考えた,というのが正解だと思う.
独裁君も国外に行っちゃってるから,数日で南オセチアを畳み掛ければ,後は外交交渉でどうにかなると思ってたんじゃないかな?
かつての日本も南方戦線で散々やった後に,ソ連経由で連合と有利に停戦交渉ができると思ってたらしい.
フォークランド然り.
湾岸然り.
しかし弱小国の楽天的な軍事攻撃が国家の破滅の原因になる.大国は外交よりもあえて軍事力を選ぶことを,奴等は理解していなかった.
軍事板
青文字:加筆改修部分
▲
▼ 英ガーディアン紙で, Institute for War
and Peace の地域専門家Tom de Waal 氏がインタビューに答えて
「プーちゃん,北京に行ってるから,戻るまでの二日間で片を付ければ勝てると考えたのだろう」
と答えてるんですが…
Analysis:Dangerous proxy war gains an international
dimension
http://www.guardian.co.uk/world/2008/aug/09/georgia.russia1
┏┫; ̄皿 ̄┣┓<ホンマカイナ…
▲
▼ 何故グルジア大統領は無謀とも言える攻撃作戦に出たのか?
江畑氏はこう解説している.
軍事研究 2008年12月号,P.29より引用.
――――――
8月の6日間戦争がどちらから開始されたのか,いまだ確定的な客観的資料はないが,戦いが開始される前より,南オセチアの独立派(ないしは,ロシア帰属派)やロシア側(国連とCIS=独立国家共同体により認められていた平和維持部隊,あるいは「密かに」展開していた特殊部隊や工作員など)からの数々の挑発があったにせよ,グルジアのサーカシビリ政権が,グルジア軍の力で南オセチアやアブハジアからロシア軍を追放できる,少なくともロシアの反応や軍の抵抗は軽微で,南オセチアの独立派を制圧できると,「決定的な勘違い」をして,「無謀」としか形容できない攻撃作戦に打って出たのは間違いないようである.
どうしてサーカシビリ大統領がそのような勘違いをしたかについて分析するのは,本稿の目的ではないので省略するが,2003年の「バラ革命」以後,欧米諸国,特に米国が積極的な軍事援助・訓練支援を行い(2002年初期以来,グルジアに対する訓練と装備支援計画:GTEPに対して6400万ドルを支出し,イラクにグルジア軍を派遣する目的から,継続的安定化行動計画:SSOPとして150人〜200人規模の軍事教育訓練団を送っている),またウクライナなどからも(余剰)兵器がグルジアに寄贈されたりしたので,同大統領が自国軍隊の実力を(異常に)過大評価したのではないかというのが,ほぼ共通して見られる分析である.
実際には,米国が教育訓練を行ったグルジア軍の兵士(それらも平和・思案維持訓練が基本であったが)は,志願兵で給与も良く,従って士気も高かったが,徴兵された兵士の方は,士気,訓練水準共に極めて低かったとされる.
しかも,攻勢作戦を行う訓練が施されてなかったのはもとより,歩兵中隊以上の規模での部隊演習を行ったことがないという状態であった.
――――――
極一部を過大評価し過ぎのが悲劇の始まりだったということか.
CRS@空挺軍 in mixi,2008年11月15日17:58
▲
サーカシビリ・グルジア大統領
(画像掲示板より引用)
【質問】
「グルジアの目標」
オリンピック開催日を狙い,プーチンがいない2日間で一気に南オセティアを占領して,そのまま停戦.
もし長期化の場合は,NATOから支援を受けて,宣戦維持.
・・・なんて目標,達成できるわけねーだろ.
と,誰もグルジア大統領に言わなかったんだろうか?
俺は,それが気がかりでならんよ.
【回答】
556 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2008/08/10(日) 18:07:46 ID:???
大統領閣下の天才的思いつきで即実行.
じゃなければ,米があれほどあわてない.
557 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2008/08/10(日) 18:10:32 ID:???
現代によみがえった伍長閣下ですね.
559 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2008/08/10(日) 18:15:22 ID:???
残念ながら「グルジアのマンシュタイン閣下」がいなかったので…
561 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2008/08/10(日) 18:15:50 ID:???
大統領の側近に,東南アジアに47年間潜伏していた辻ーんの姿が.
563 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2008/08/10(日) 18:17:10 ID:???
「グルジアのゲーリング」は居たようですね,
あの空軍力で勝てると豪語したようです.
▼ つべより転載.
――――――
2008年11月25日,グルジア議会により南オセチアでの戦争の実相究明のため開かれた公聴会において,参考人として召喚された元駐露グルジア大使,キツマリシュヴィリは,
「戦争を始めたのはグルジア側である」
と主張し,さらに
「サアカシュヴィリとその取り巻きは5月にアブハジアを, 7−8月に南オセチアに侵攻する計画を立てていた.
一方的に米国の支援を宛てにし,それがあればロシアは積極的に介入しないとの楽観的な予想をしていた云々」
と当時の指導部の内情を暴露しました.
この模様がTVで中継されたことで,グルジアの世論は現在大騒ぎになっています. http://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5itefRLYb9OvXIY84r-iHHUPY_6pQD94MKC6G0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5387323
――――――
これが事実ならば,脳内お花畑全開アホ政権というオチ.
ああ,バラ革命という勇ましい響きは一体,何処に行ったのやら〜
CRS@空挺軍 in mixi,2008年11月30日06:35
▲
▼ ブライザ米国務副次官補によれば実際,米国政府は「戦っても勝ち目はない」と,サアカシビリを説得しようとしていたらしい.
以下引用.
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グルジアの南オセチア自治州をめぐる緊張が高まった今月初め以降,米政府がグルジア政府に対し,
「ロシアとの直接的な軍事衝突になれば勝ち目はない.
どんなことがあっても回避すべきだ」
と再三,忠告していたことが分かった.
ブライザ米国務副次官補(欧州・ユーラシア担当)が19日,ワシントンで記者会見し明らかにした.
同副次官補によると,グルジア指導部は当時,南オセチアで砲撃などが続いているため,停戦を解除せざるを得ないと米側に通告.
米側は
「グルジアが苦境に立たされているのは理解できるが,ロシアとの直接対決は避けるべきだ」
と伝えたという.
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008082000479
(キャッシュ)
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▼ つい最近グルジア議会が「5日間戦争」について調査した結果をまとめた報告書は,グルジア側の戦争計画や具体的な戦略の杜撰さ,グルジア軍自体の練度の低さなどを正直に認めてはいるものの,それらの責任は全て国防相や参謀総長に押し付けられている.
つまり,サアカシュヴィリには何ら責任は無いということ.
笑止.
参考;
Wednesday, December 31, 2008
EURASIA INSIGHT
GEORGIA: COMMISSION REPORT SPARES SAAKASHVILI
BLAME FOR AUGUST WAR
大統領の座から意地でも落ちたくないらしいな.
野党の動向が気になるところだ.
CRS@空挺軍 in mixi,2008年12月31日20:05
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儚く散ったグルジア軍
faq58gz02i03.jpgへのリンク
faq58gz02i04.jpgへのリンク
faq58gz02i05.jpgへのリンク
(画像掲示板より引用)
【質問】
今回の紛争を「やる夫」で教えてください.
【回答】
.-=,一;1-;;1--;、
:ミ ミ
:ミ ★ ミ
:ミ CCCP ミ
ミ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,゙ミ
| ( ●)(●)
. | (__人__)____
| ` ⌒/ \
. | /( ○) (○)\
. ヽ / ⌒(n_人__)⌒ \
ヽ |, ( ヨ |
/ `ー─− 厂 /
| 、 _ __,,/, \ ドスッ!
| /  ̄ i;;三三ラ´ |
| | | ・i;j: | |
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
「グルジアの外交的勝利」という見方もあるようですが.
【回答】
>>233
開戦前から見れば,南オセチアとアブハジアの地位について国際交渉のテーブルに載せる,つまり分離の余地があると国際社会が認めた事自体だけでもマイナスだろう.
自分から戦争仕掛けたにも関わらず,ロシア−南オセチア側から,1400人の人命以外何等得る所なく,かえって自国の軍事力と国益を損なった事実は,どう言いくるめようが,「勝利」等とは口が裂けても言えない.
軍事板
青文字:加筆改修部分
▼ また,
http://www.csmonitor.com/2008/0814/p01s01-woeu.html
も,
・安全保障リスクが大きいことから,今後はグルジアで石油パイプラインに投資する外国企業はいなくなるであろうこと,
・ロシアが南オセチアとアブハジア)に今後ともロシア軍を駐留させ,グルジアににらみをきかせることになったこと,
・グルジア軍を容易に立ち直れないまでに壊滅させたこと,
・グルジアがNATOに加盟する可能性をなくしたこと,
・グルジアのサカシヴィリ大統領の地位を風前の灯火にすることに成功したこと,
・ウクライナの西側志向に冷水を浴びせかけたこと,
・ロシア周辺の石油・天然ガスのパイプラインの今後について発言権を確保したこと,
・グルジアが南オセチアとアブハジアを回復する可能性を潰したこと
をもってロシア側圧勝としており,どこをどう探しても「グルジアが勝った」要素など見当たらない.▲
Putin's second war can have only one victor
『プーチンの二番目の戦争には勝者は一人しかいない』
ガーディアンの記事です.
「勝者」というのはもちろん,プーチンのことです.
Winners and losers after Georgia conflict
『グルジア紛争後の勝者と敗者)』
というBBCの記事では,
勝者はロシア,ウラジーミル・プーチン首相,南オセット人,古参の欧州各国(フランスとドイツ)
に対して,
敗者は死者・負傷者・難民,サアカシビリ・グルジア大統領,真実,西側諸国
となっていますね.
ロシアが軍事的にはグルジアを圧倒して席巻したというのは,英国メディアに限らず誰もが認めることではないですかね.
一方で,軍事面に限らなければもちろん,別の見立ても存在します.
Russians losing propaganda war
『ロシア人は宣伝戦に敗北しつつある』
というBBCの記事では,外交的にはロシアが敗北しつつあるという見方をしてますね.
バグってハニー
ポーランドへのミサイル防衛配備なども含めると,外交的にはマイナス要因ですからね.
JSF
当面は,合同演習や人の往来をキャンセルする形で不快感の応酬をやって,そのうちほとぼりが冷めた頃に元に戻って有耶無耶,というのが現実的な落としどころかなあと.
ただ,グルジア・ウクライナの NATO 加盟問題については,何か影響が出るかも.
ロシアはこの件でますます強硬になる可能性が高いでしょうし.
井上@Kojii.net
以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より
▲
【質問】
グ・ロ紛争によるロシアの経済損失は?
【回答】
2008/08/20 23:55付,日経新聞(タス通信)によれば,ロシアのクドリン副首相兼財務相は18日,8日から11日までにロシアから流出した資金が70億ドル(約7700億円)に達したことを明らかにしたという.
ロシア側もどう見ても大幅なマイナス収支だよなあ.
15年近くかけて築いた信用も全部吹っ飛ばしてしまった.
元々弱小な軍,しかも敗残部隊への追加打撃と引き換えるのは,どう見ても高すぎる代償だよな.
州境で止めておけば,まだ正義の味方でいられたものを・・・・・
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
そもそも信用なんて,ロシアにはあんまり必要じゃないんじゃね?
信用が必要な理由は経済だろうが,戦争が起こった所で経済に致命的な影響は無い.
現代はグローバル経済という語から,世界の経済が密接に統合されているように感じるが,実際は第一次世界大戦前夜の1913年程度かそれ以下の水準で統合されているにすぎない.
ここから,グローバル経済が戦争抑止する一つの要素であるとはいえるものの,必須の要素でない.
むしろ,グローバル経済でなければ困るのは,日本やイギリスなどの海洋国である.
海を媒体とした,世界規模の貿易が行われなければ,大陸の外周に位置するこれらの島国は世界の貿易において無視される.
だから,アメリカやイギリスのような海洋国は,世界経済を統合しつつ,戦争によって大陸内部の寸断を図る.
逆にロシアはこれら,海洋国に依存しない経済を作りたい.
そうであれば,資源とパイプラインを武器にユーラシア大陸内陸部において活発な陸上貿易を行う地域を作り上げ,それを徐々に拡大していけばよい.
だから,ロシアは東欧に資源を供給し,それらの国々にロシアとの貿易を必須のものとさせつつ,中央アジアではその覇権を強化しなければならない.
つまり,グルジア侵攻は中長期的に見れば,ロシア経済にとってむしろプラスになるものであって, 一時的な投資や取引の鈍りなんて微々たるものにすぎないのでは?
【回答】
パイプライン遮断したいのなら,グルジア全土占領して親露政権立てるまでやらないと意味がない.
鉄道同様に一時的に破壊したところですぐに復旧される代物だ.
それなら無法国家呼ばわりされても,まあ,それに引き合うだけの成果とはなるかも知れない.
そこまでやる気が無いなら州境を超えてはならない.
その範囲においては充分に正当性を主張できるから,デメリットはほぼ皆無.
しかし,中途半端に侵攻することに何の意味があるんだか.
多少戦果を拡大したところでグルジア軍は元々5,6年で急速に拡大して,それでもあの程度という戦力.
つまり,州境超えてまで獲得した戦果分などは,簡単に回復されてしまう程度のものだということだ.
実質メリットなどはほとんど無いのに,旧西側への外交的影響力をかなり潰してしまった.
また,覇権の拡大に好影響かというと,現実には周辺諸国の対露感情は硬化している.
当たり前の話で,西側にすり寄った周辺諸国というのは,ロシアの軍事的脅威に対抗したいからそうしたわけで,逆ではない.
ロシアの軍事的脅威を「実証」して見せれば当然,より反露になる.
悪役になってもいいなら,何故トビリシまで侵攻しないのか?
結局,中途半端な行動のせいで虻蜂取らずの結果になっている.
それが,この戦役におけるロシア側アクションの最大の謎だな.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
緩衝地帯設定の,条約上の根拠は?
【回答】
今回の停戦協定の5項での「追加的安全措置をとれる」よりも,1992年の南オセチ紛争調停時の協定にある「緩衝地帯」を根拠としてるようだ.
http://www.cnn.com/2008/WORLD/europe/08/22/russia.georgia.withdrawal/index.html
今回の停戦協定での追加的安全措置だと,臨時的なものだから,長期滞在には92年の協定を根拠としたほうがよいだろうな.
92年協定だと平和維持軍は,露・グルジア・南オセチアの混成のようだが,
「グルジアは今回の侵略行為で平和維持軍としての資格を失った」
として排除するそうだ.
西部,アブハジアのほうは根拠は何なのか?だが,これはまあ,
「凶暴なグルジア軍の侵略虐殺行為を防ぐためには,南オセチの方法を準用する外ない」
ってとこかな?
簡単に言えば,ロシアは盗ったね(苦笑
呉の床屋 in 軍事板
青文字:加筆改修部分
南オセチアで支援活動を開始したロシア非常事態省
(画像掲示板より引用)
【珍説】
「シバレイのblog」:石油の絡むところ,戦争アリ!
【事実】
>プーチンの凶暴性から考えて
そんな単純な物の見方しかできないお前に,この紛争を語る資格はない.
消印所沢
>この辺りのことは余り詳しくないのだが,
一行目でいきなり吹いた.
なら書くなよ.
民族問題のスルーっぷりが華麗ですね(笑)
あと,
>地下資源に依存する現在の世界の経済体制がゆえに,イラクをはじめ各国で悲惨かつ不毛な戦争を繰り返えされてい
て
>よその国から資源を奪ってくるのではなく,それぞれの国が自国でエネルギーを自給するようになれば,無駄に戦争などしなくてもすむ
というのだったら,積極的に原子力発電を後押ししてもよさそうなのにね.
>それぞれの国が自国でエネルギーを自給
「まず隗より始めよ」
是非自分のご家庭から自然エネルギー(風力・太陽光他)で完全自給していただきたいものです.
まずはそれが出来てから,ご高説を賜りたいと思います.
<もちろん製造時に排出されるCO2や,必要となるエネルギーもご考慮の上で.
個人的には現在の化石燃料高騰下ほど,ご提唱の自宅における自然エネルギー導入のチャンス(≒割安感)は無いと考えます.
今ここで導入できなければ何時導入するのかと考えてしまいますが,自己の負担が絡むと突然言説が衰えるのはどうしてでしょうか?
自分が出来ないことを他人に求めているのでしたら無責任でしょうし,何より説得力ががた落ちになると愚考しますが.
「発電所を作るな」と主張するために,「自家発電」にすがっている人.
http://jitoh.seesaa.net/article/104549653.html
同じ blog の,もうちょっと後のエントリでフィーチャーしていた寝言.
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/143/index.html
>グッドライフが手に入る状況が目の前に来れば,誰でも紛争などやめてしまう.
グッドライフが欲しくて戦争を起こした事例なんて,なんぼでもありますが何か.
井上@Kojii.net in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
>グッドライフが手に入る状況が目の前に来れば,誰でも紛争などやめてしまう.
その寝言,読んでいて口あんぐりでしたよ.
どっから突っ込んでいいのやら…
つまり自家用原子炉で解決ですよ!
「自家発電」と聞いて頬が赤くなった,ウブなわたくし.
〜/っ・ω)っ<今は「情報がない」時代じゃなくて「情報がありすぎてどれがなんだか分からない」時代,戦争についても同じなんですねー…
>「自家発電」
|´ω)エロエロアシタハミッカメエロ
〜/ ´・ω)Σ<なんかエロアザラシがアップを始めたぞ!w
こんな言い方をすると怒濤の突っ込みを食らいそうですけれど,大前研一氏と立花隆氏のここ数年の劣化ぶりには,目を覆いたくなるものがあると思います.ほんと.
井上@Kojii.net in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
経営コンサルタントがこんなこと言っていていいのかな…
いま必要なのは警衛コンサルタントではないか.
井上@Kojii.net in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
>立花隆氏の劣化
攻殻機動隊の義体という概念について,「押井監督に」一生懸命問いただしているのをNHKで見て,目尻が熱く.
シロマサに聞けって.
【質問】
ロシア軍は本当にグルジアから撤退したのか?
【回答】
ロシアのセルジュコフ国防相は二十二日,「部隊の撤収は完了した」と述べましたが,「ウソつくなよ」というのが過半の見方です.
セルジュコフ発言を受けた米仏首脳は,「撤退完了なんてウソじゃねえか.認めねえよ」といってます.
ロシア側は撤退にあたって「責任地域」「安全地域」と呼ばれる緩衝地帯を,自治州境界のグルジア領内に設け,監視ポストを十八箇所,平和維持部隊を四百五十名配備しています.
ロシアの意図は,この緩衝地帯からグルジア軍を排除することです.
二十四日時点でロシア軍参謀次長のノゴビッチ大将も,
・グルジア領内の緩衝地帯では,今後ロシア軍のみが平和維持にあたることができる
・これまでともに平和維持に当たってきたグルジア軍は,今回の行動でその資格を失った
と述べています.
当然のはなしですが,グルジアはこの主張を認めてません.
二十四日時点でロ軍の撤退は本格化しているように各種メディアでは報じられていますが,実態は不明です.
現地には,百名規模のOSCEの停戦確認文民監視団が派遣されることも明らかになっています.
〔略〕
本当に手に入れたいものを隠蔽して,はじめは絶対に受け入れられることのない大法螺を主張する.
結果として少しでも何かがGETできればOK.
これが力を背景とする,国家間交渉の標準といえるでしょう.
頭に血が上ったらその段階で勝負は負けです.
グルジアも当然そんなことは折込済みですね.
個人の美徳は国家の美徳ではない,正義・悪,正しい・間違っている,といった二元論では世界は分からない,といったことが学べますね.
戦後日本(というよりは江戸時代以降といったほうがいいでしょうか)の不可思議は,国家の美徳を個人が行い,個人の美徳を国家が行なっていることですね.
ズレズレのなんとも不思議な光景です.
▼ その後,ロシアは基地設置を表明.
ロシアのラブロフ外相は十八日,グルジアからの独立を承認したアブハジア自治共和国とオセチア自治州で軍基地を建設中であると発言しました.
「ロシア軍部隊は選挙で選ばれた二つの主権国家の要請を受け配置される」
と述べています.
前日の十七日,ロシアのメドベージェフ大統領は,南オセチア自治州大統領とアブハジア自治共和国大統領とともに友好協力相互援助条約に調印しています.
⇒両地域に対しロシアは,合計七千六百名(三千八百名づつ)の兵員を駐留させる方針です.
以前も書きましたが,これと緩衝地帯へのOSCE部隊展開で一件落着しそうです.
国際社会はそういうところです.
価値観は強いか弱いかのみ.
典型的な弱肉強食社会なんですね.
おきらく軍事研究会,平成20年(2008年)9月22日
青文字:加筆改修部分
▲
【質問】
ウラジカフカス乗り合いバス自爆テロ事件とは?
【回答】
2008/11/6,北オセチア共和国の首都ウラジカフカスの中心街で起きた,乗り合いバス自爆事件.
インタファクス通信によれば死者12人,負傷者41人.
停留所の近くまで来たときに爆発したため,被害が広がったもよう.
検察当局高官は7日,自爆テロに及んだとみられる女性の遺体の一部を,現場で発見したと述べた.
【参考ページ】
2008年11月7日8時6分,産経新聞(モスクワ 佐藤貴生)
2008年11月8日8時6分,産経新聞(モスクワ 佐藤貴生)
【質問】
ウラジカフカス市長射殺事件とは?
【回答】
2008/11/26,北オセチア共和国の首都ウラジカフカスで,ビタリー・カラエフ市長が自宅を出た直後に何者かに撃たれて死亡した事件.
インタファクス通信によると,検察当局は殺人容疑で捜査を始めたという.
ウラジカフカスでは11/6,乗り合いタクシーの近くで女性の自爆テロが発生し,10人以上が死亡,40人以上が負傷している.
【参考ページ】
2008年11月27日8時3分付,産経新聞(佐藤貴生)
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