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◆◆インターネット情報の真贋
<◆◆情報の真贋
<◆訂正要求関連
FAQ of FAQ 目次


 【質問】
 ネット情報は,どの程度の信頼性を持つか?

 【回答】
 すぐには正否を確かめにくいため,情勢をさらに混乱させる危険な効果を持つことがある.

 たとえば1998年5月のインドネシア暴動に関連し,インターネット情報が国際関係を緊迫させる事態を招いている.
 このときは,中国系女性多数がレイプされたとの告発が,多くの証言と写真つきで,インターネットに世界に流された.
 たちまち中国・台湾の当局が反発,アジア各地で抗議デモを誘発した.

 ところが,一部の写真が全く無関係と暴露された.
 すると今度は,インターネットが中国系住民迫害の全面否定に利用されたのである.

 詳しくは,浅井信雄著「アジア情勢を読む地図」(新潮文庫,2001/12/1),P.222を参照されたし.

 2005年の中国や韓国における反日運動の過熱も,ネット情報が焚きつけている部分があるとされている.

 また,アルカーイダなどのイスラーム過激原理主義組織はネットを通じ,反異教徒感情を煽っているという.

 さらに,ネットでは「冤罪事件」も発生している.
 以下,その具体的事例.

 〔略〕
 もう一人,その〔ヴァージニア工科大学銃乱射事件〕報道の被害者がいる.

 このウェイン・チャンという青年はブログをネットで発表していたが,「犯人=中国人」報道を聞いたネチズンがネット中を探し回って,それを見つけた.↓
http://wanusmaximus.livejournal.com/

 そして,ブログの内容から「こいつが犯人だ」と決め付けたので,ウェイン君に嫌がらせメールなどが4万通近く殺到した(彼はブログのヒット数が以上に上昇した記録などを公開している).

 ウェイン君は昨日からABCテレビやCNNなどに出演して,↓
http://blogs.abcnews.com/theblotter/2007/04/i_want_to_clear.html
無実を訴え,さわやかな好青年ぶりをアピールしている.

 ネットの魔女狩りは恐ろしい,

 ということだが,どうして,このウェイン君のブログが「犯人らしい」と思われたのか?

 「ニガー」と何度も叫ぶ白人少女のビデオ,右翼コメンテイター,アン・コウルターの引用,そして彼が仕留めたらしい鹿の死体の山など,ヤバいエントリに混じって,彼の20挺もの銃のコレクションが披露されている.
 なかでも写真のHKはフル装備!
 お前は一人SWATか!

 とどめとばかりに,ヴァージニア工科大学の女の子にフラれた告白まで書いてあるんだから!

町山智浩,2007/04/19

 ……まあ,犯罪予備軍っぽい匂いはするが.


 【珍説】
 こちらとしては,JSFなんてどこの誰だか分からんし,個人なのか複数なのかも分からない.
 つまり「JSF」名の言論は,責任の所在がどこにも示されておらず,そこで披露される情報や知識について,信頼性がまったく担保されない.
 匿名で書いている時点で,何人かを名指しして議論に挑む基本的資格がないのだ.
 名大の大屋の場合とは,この点が違うのだと述べておいたし,「ウンコに素手で触りたくない」とやんわりオシャレに表現したのだが,理解できなかったようだな.

Posted by 林信吾 at 2007年03月15日 12:33 in 「週刊オブイェクト」

 【事実】
 ええ,そう〔匿名〕であるからこそ記事内で信頼性の置ける情報ソースの提示を行えばよいわけです.
 それはGoogle検索等で調べれば個人でも確認が出来ますし,こうした確認作業の積み重ねは筆者と読者の知識レベル向上に役に立つと思います.

 資格があるのかどうかという点は別に気にしていませんし,私は著者ご本人の御好意で意見を交わせて頂いているという認識でいます.

<以下コメント欄>

 JSF氏が個人特定できるプロフィールを公開していないのは,それが「ネット上の常識」だからです.
 試しに林氏もネット上に,自分の仕事に使用するメールアドレスを公開してみるとすぐに分かりますよ.次の瞬間から膨大なスパムメールが届くことになりますから.それも「誰かの悪意」ではなく,機械で自動的にアドレスを読み取って自動送信するプログラムによるもので.
 今のネットの現状はそのようなものですから,一私人が開くブログで個人特定しようとするのはマナー違反と言ってもいいでしょう.

Posted by 壱学生 at 2007年03月17日 00:22:59

 〔略〕
匿名だからうんぬん言われましても,匿名の人が正しい数学の定理を書いたらそれは間違いか?というと,そうではないわけで.
 現実の事象と著作物に書いてあることが違うという事実があった場合,指摘した人間の匿名実名かや貴賤を問わず,その事実には変化はないかと.

 今回の指摘の内容が違うというのなら,第三者が検証可能な情報源,たとえば参考書籍のタイトルなどを公表したらいいだけの話で,
 林氏が本当に日本国の防衛を憂うのなら,国防議論の活性化のために正々堂々とご自分のロジックを展開して,その延長線上としてJSF氏との議論――別に対決というほど苛烈なものをしなくてもいいと思うんですがね――を行うべきでは,と思いますがね.

Posted by ノイズメーカー at 2007年03月17日 00:48:23

 〔略〕
 確かに匿名発言をめぐる問題点も指摘されているがwhistleblowingの可能性などから擁護する意見も強いし(例としてはEFFの主張などを参照),アメリカ連邦最高裁は匿名で発言する権利が憲法第一修正の保護範囲に含まれると判示している.
 2ちゃんねる的な「匿名」と,同一性と帰責可能性が担保される「仮名」は区別して論じるべきだというのは私自身が繰り返し指摘しているポイントであるし,そもそも我々には複数の著書等において言論活動を展開している「林信吾」氏が戸籍上(あるいは住民登録上など)どのような「実名」を持つのか,そもそも同一の自然人に帰するのかなどについても知りようがないのだから,それも「仮名」のひとつであるに過ぎず,この点において林信吾氏がJSF氏に対して特権的な地位を主張するのは,まったくの勘違いである.
 さらに言うと,おそらく一連の議論を読んだ人の多くは,(林信吾氏とは逆に)
《仮名・匿名での言論が従来のメディアの特権性を覆して質の高い議論を提供できる可能性》
を意識することにしかならんだろうなあというのがミソであり,それは何故かというと,ネットでの議論の質を下げるのは多く匿名性それ自体よりも,《誤った信念を持ち続けるTrue Believerがその下で活動を続けられるから》なのであって,数多くの「善意の人々」が誤った方向に扇動されるのを避けるためには,《林信吾氏のようなTrue Believerに対抗する仕組みが重要》なのである.
 このことは,おそらく氏の著書より若干権威があるだろうところの私の論文"Flaming, Balkanization, and "Burning-Up": The Modern Bandits Haunting the Internet"(出典略)にも書いておいたので,まじめにこの問題に取り組む気がある人は読むと良い.

 まとめると,問題は実名・仮名ではなく,True Believerかどうかなので,それに対抗する手段としてのブログとか掲示板の有用性,というのが,この問題から読み取るべきポイントだ,と私自身は思うところである.

 〔略〕

Posted by おおや@雷電 at 2007年03月17日 01:37:10

 林先生の喧嘩(論戦)の考えが古いんじゃないかな?

 論戦というか直接対決の場合は,相手を威圧してしまえば,相手の発言を封じ,更に一方的な発言に終始することで勝利を印象づけることが出来るけど,インターネットは違うんだよね.

 脅しの言葉すら,何度も読み返すとおかしい部分が見えてきて,今度はそこを指摘される.
 ネット上の議論は結局その繰り返し.
 後は,その発言に使った資料の精度や解釈の方法と言った純粋な論戦が,勝負を決める.

 例えるなら,JSF氏が総合格闘技のルールで闘おうとしていて,他の観客もそれを期待している.
 それなのに,林氏だけブック付きのプロレスで戦おうとしているようなものじゃないかと.

Posted by 名無しT72神信者 at 2007年03月17日 02:22:10

>素性を一切明かさない匿名というのは,自身の言論に対してなんら責任を負わない

 少なくともJSF氏が事実にそぐわない書き込みをしよう物なら,このブログは即時炎上しますけどね.
 最悪封鎖になれば,リスク背負ってることにはなりませんか?,ネット上という社会では.

「社会的な責任(立場)を損なわない」
というのなら半分同意しても良いけど,作家や記者という他人に影響を与える職で,嘘付いて金取ったり根拠無く他人を誹謗中傷した場合は,社会的に抹殺されても仕方ないと思うんだけどね.
 スマトラ地震の被害者に「自己責任」を押しつけようとした,ハンドル・ネーム「ミッドナイトパックス」というアホのように.

 第一,自由な言論が保証されている現代社会で,自分と違う意見があったら脅しかけて社会的に抹殺するつもりなんでしょうか?
 林信吾氏は.どんな圧力団体というかヤクザだよ.
「自分は顔と名前と経歴を出して,リスクを背負ってるから正しい」わけじゃないんだよ.林信吾氏.
 名前と顔を出して活動している政治家が,ときに「空母からB52が発進して相手国を爆撃」とか言っちゃうしね.社民の現アホ党首ですが.

Posted by 名無しT72神信者 at 2007年03月17日 08:50:05

>素性を一切明かさない匿名というのは,自身の言論に対して
>なんら責任を負わない,と言っているに等しいというのが,社会常識である.

 だからこそ信用の置けるソースを提出する事によって,信用度と確度を高めているわけですが.
 その意味において,JSF氏の記事は信用が置けるものだとは思います(無論,間違いの指摘等はありますが)
 で,貴方はその『ソース』を出さずに間違いである,と指摘しているからこそ,突っ込まれているわけで.
 ご理解いただけていますか?

 それに,貴方が『林信吾である』と主張したところで,ネットという匿名性の高いメディアにおいては,はっきり申し上げますが,信用が置けません.『根拠』がございませんから.
 言い方は悪いですが,言うだけなら何とでも言えるのです.

Posted by MIB at 2007年03月17日 09:01:49

 ていうか,ネットの匿名性と言うものを林信吾氏はまるでわかってない.
 インターネットの場合,プロバイダが必要と思えば簡単に追跡して発信者を特定できる.
 新聞なんかが載せてる世論調査の回答者だの選挙の出口調査だのといった,林信吾氏が想定しているであろう実社会の一般市民の意見開陳に比べれば,匿名性なんて無いに等しい.
 本当に匿名でレスできるような人ってのは,パソコンのスキルがめっちゃ高い,本当に一握りの人なんだよ.
 ここの数百のコメントくらいじゃ,そんな一握りの人が紛れ込んでる可能性なんて限りなくゼロに等しい.

Posted by 名無しT72神信者 at 2007年03月17日 09:28:47

「週刊オブイェクト」,2007年03月16日付


 【珍説】
 単刀直入に聞くが,JSFとやら,素性を明かせない理由が,なにかあるのかね?
 実社会では,このような形で他者を批判した場合には「誹謗中傷」としか受け取られない.
 「信頼できるソースを示せば……」という次元の問題ではないのだ.
 当人の言論自体が,信頼するに足りないのだから.

Posted by 林信吾 at 2007年03月16日 23:44:28
in 「週刊オブイェクト」コメント欄,2007年03月16日付

 【事実】
 そもそも
>実社会では,このような形で他者を批判した場合には「誹謗中傷」としか受け取られない.
なんていうルールはありませんが?
 JSF氏の書評の方法の巧拙についての判断は兎も角,その中には「実社会では誹謗中傷と受け取られる」ような内容は見当たりません.
 真っ当な書評を「誹謗中傷」と受け取るようでは,
「この人,余程小さな世界に安住してたんだな〜」
としか解釈できません.
 この程度のことで「誹謗中傷」と受け取るようなナイーブな感性では,「筆を置いた方がいいよ」としか言いようがないでしょうね.

 それと林氏は,いきなり初見で酷く相手を侮辱したようなコメントをしましたよね?
 そんな林氏が,その点について相手を攻撃するのは二重基準じゃないでしょうか?
 これまでのこのブログにおける自分の態度を総括する方が先でしょう.

Posted by 壱学生 at 2007年03月17日 00:22:59

 「素性を明かせないから……」と言うなら,特定の誰かや団体を対象にする新聞記事はほぼ全て「誹謗中傷」では?
 日本の場合記者個人の署名記事は少ないですからな.

Posted by ノイズメーカー at 2007年03月17日 00:48:23


 林信吾氏は
「個人を名指しした上でのコメントの内容が,この時点ですでに非合法すれすれになってきて」
いるとお書きであるが,私が読んだ範囲ではそれに該当するようなものは見当たらない.
 やや懸念があるのは,氏の犯罪歴に関する疑念の部分であり,これは通常人が知られることを望まないであろう情報なので,プライバシーに触れる可能性があるが,第一に「客観的な秘密」に該当するかどうかについて問題があり,第二に仮にプライバシー侵害にあたるとしてもそれは犯罪を構成しない.

 というか林信吾氏は「非合法」というのが
(1) 刑事法上の「犯罪」であり,それは
 (a) 名誉毀損罪(230条)にあたるのか(その際には230条の2について留意ありたい),
 (b) 侮辱罪(231条)にあたるのか,それとも
 (c) 脅迫罪などその他の類型にあたると言いたいのか,
あるいは
(2) 民事上の不法行為を氏に対して構成する可能性があると主張しているのか,
または
(3) 行政的な何らかの取締りの対象になる可能性があると主張しているのか,
明確に示すべきであると思う(のだが林信吾氏にはそんなことできないだろうなあとは予測している).
 なお,その後の文章では(3)が示唆されているが,その通り現時点ではなんら行政規制の対象にならないことが示されている.

 確かに匿名発言をめぐる問題点も指摘されているが,whistleblowingの可能性などから擁護する意見も強いし(例としてはEFFの主張などを参照),アメリカ連邦最高裁は匿名で発言する権利が憲法第一修正の保護範囲に含まれると判示している.
 2ちゃんねる的な「匿名」と,同一性と帰責可能性が担保される「仮名」は区別して論じるべきだというのは,私自身が繰り返し指摘しているポイントであるし,そもそも我々には複数の著書等において言論活動を展開している「林信吾」氏が,戸籍上(あるいは住民登録上など)どのような「実名」を持つのか,そもそも同一の自然人に帰するのかなどについても知りようがないのだから,それも「仮名」のひとつであるに過ぎず,この点において林信吾氏がJSF氏に対して特権的な地位を主張するのは,まったくの勘違いである.

 〔略〕

Posted by おおや@雷電 at 2007年03月17日 01:37:10


 おおや@雷電氏の発言の補足・・・になるかどうかわからん(笑)が,専門用語を定義してみる.

whistleblowing:
 個人の生命財産や消費者の利益を損なう活動をしている企業・公共団体などを,被用者や元関係者が世間に告発すること.

>アメリカ連邦最高裁は匿名で発言する権利が
>憲法第一修正の保護範囲に含まれると判示している.
http://blog.livedoor.jp/protectmona/archives/50138948.html
で和訳による詳細が,原文はデラウェア州裁判所からPdfでダウンロードできるので2005/10/5あたりを探して下さい.
 直接リンクは,URLが複雑なので貼りません.

True believer:
 〔略〕

"Flaming, Balkanization, and "Burning-Up"
 : The Modern Bandits Haunting the Internet
Social and Organizational Informatics and Cybernetics II (SOIC 2006)
FRIDAY, JULY 21, 2006
にて,公表されたことは確認できましたが,全文を現段階では未入手です.
 但し概要はおおや氏のブログにて公表されています.

Posted by 早稲田の論客 at 2007年03月17日 02:38:01


True believerはたぶんこれでないかと.
http://www.genpaku.org/skepticj/truebeliever.html
http://www.geocities.jp/wakashimu/setsumei/tbs.html
 誤解を恐れず要約すると,『客観的な事実より自分の信じたいことを優先する人』かな?

Posted by 名無しT72神信者 at 2007年03月17日 04:39:43


 True Believerはどなたかの補足していただいた通り,「どのような理由があろうが自分の信じたいものを信じて信念を変更することのない人」のことです.
あと私のブログで公開しているのはproceedingsに掲載された全文なので,今のところそれがフルテクストです.

>匿名の人に対する誹謗中傷

 難しいですね.林信吾氏は相変わらずまったく理解できていないらしい概念の区別を使いますが,「仮名」の人物に対する名誉毀損に関して,それが実際の人物とリンクできないから,法益侵害が生じない(から不法行為にならない)という主張はニフティサーブ第一事件で退けられています.
 ただそのときの論理として,たとえ「仮名」であっても,たとえばネット内でのその「仮名」に対する信用・信頼など保護すべき社会的評価としての名誉があれば,それに対する侵害はあり得るといっているので,逆に言うと同一性・帰責可能性のないデフォルト名無しさんの場合には困難かなという気がします.
 念のために言いますが,民事・刑事法上の問題であり,道義的とか道徳的とか難しいことは私ゃ知りません.

Posted by おおや at 2007年03月18日 17:29:52

 「法的には,2ちゃんねる的『名無しさん』をいくら罵倒しても犯罪になることはないし,『名無しさん』の中の人からの損害賠償請求が認められることもなさそう」とは言えます.
 それは刑法上の名誉毀損や侮辱の保護法益(これを守るためにその犯罪類型が設けられている,という利益)が《人の名誉感情》(発言された対象の人の自尊心とかそういうもの)ではなく,《人に対する社会的評価》だとされているからです.
 名誉棄損というのは,それが相手の心を傷つけるからではなく,その発言を通じて相手に対する社会の客観的評価が下落することが問題だと考えられているので,だからこそ発言が公になされる必要があるわけです.
 となると,デフォルト名無しさんのような匿名の存在に対する社会的評価というものを想定できるかどうかが問題となり,私は否定的に解します.
 仮にそれがあっても,刑事であれば告訴,民事であれば損害賠償請求等の訴えを提起できる主体がいないので,やはり追求できないのではないかと思います.
 ただし判例はないと思いますから,誰かやってくれると私は喜びます.
 なお,だからやって構わないと思うかどうか,というのはそれこそ品性の問題ではないかと(笑).

 注意しなければならないのは,これは「名無しさん」に対する発言が,《その対象との関係で》法的問題を生じさせるかという話で,《その発言の「場」の所有者との関係》はまた別だ,ということです.
 たとえば「名無しさん」に対する,見るに耐えないような暴言を,通常許容されないような頻度で書き込んだとすれば,上記の通りそれが名誉毀損・侮辱に問われることは難しくても,「場」に対する威力業務妨害,あるいは民事上の不法行為を発生させる可能性はあるということになるでしょう.

Posted by おおや at 2007年03月19日 11:29:56

以上,「週刊オブイェクト」コメント欄,2007年03月16日付より

 また,以下のような記述が見られる書籍もある.

[quote]

「著名人でもなければ,実名が信頼の担保とはならないんですよ.
 自分の住んでる地域で,自分の名前をみんなが知っているようなところでしか,実名は信頼の担保にはならないと思います.
 でもそうやって地域で実名で発言すると,今度は発言内容の質とは違う判断をされてしまう.
 たとえば学校の先生の発言は重く受けとめられて,コンビニの店員の発言は軽んじられてしまったりというように.
 それに発言する側も,実名だとどうしても発言を自主規制しがちになってしまう.
 そうなるという側も聞く側も,本音で語り合うことは難しくなりますよね.

 匿名のほうが発言の中身で判断し易く,実名だと肩書きに引きずられてしまうことを考えれば,実名の発言のほうがすぐれているという考え方事態がばかばかしくないですか」

 〔略〕
「インターネットの空間で,実名を書いたってあまり意味がないんですよ.
 『東京都千代田区の鈴木太郎さん』という実名のような名前と,『港区の匿名希望さん』という匿名のような名前に,本質的な差はないでしょう.
 ネットの空間では実名と匿名の境界が曖昧で,名前は記号にしか過ぎないんです」

[/quote]
―――佐々木俊尚著『フラット革命』(講談社,2007/8/6),p.42-43

 ただし以下のような意見もある以上,匿名性を全く「何も問題がない」こととするのは難しいかもしれない.

[quote]

「人間の説得力というのは,その人の持つ言葉や思想に加えて,その人の日ごろの付き合いや醸し出す全人格的な雰囲気から生まれてくるものでしょう.
 ネット族という人たちは,おそらくその片方(言葉や思想)だけが突出して発達しているんでしょうね.
 そのうえ匿名性となると,説得力という点では広がりを持たないのではないでしょうか」

[/quote]
―――上掲書,p.187

 以上,加藤紘一衆議院議員の言葉より.
 「ネット族」という単語を使っている点において,あまりよく分かってないのではないかという気もするが.

 余談だが,林信吾が『反戦軍事学』の中で批判の槍玉に挙げている小林よしのりも,これと似たような珍説を唱えていたような記憶が(笑)


 【質問】
 2ちゃんにおける「釣り」とは?

 【回答】
 相手の反応を期待し,奇妙な論理や煽りなどをわざと書き込む行為.

 「釣り師」は,ソレが釣りであるということを証明する必要がある場合,何らかの形で納得させる必要がある.
これを「釣り宣言」と呼び,大まかに以下のバリエーションがある.

「釣り宣言」の種類

├挿入型 →疑似餌をちゃんと読めば,釣りとわかるやり方.
│ │     高度なものは解読法を明かさないと釣り認定されない.
│ │
│ ├単純な偽装:メール欄等
│ │
│ ├軽い偽装 :縦読み等
│ │
│ └高度な偽装:複雑な○読み(斜め読み,末尾読み等)
│           桁数の多い解答トリップ

├事後型 →疑似餌だけでは釣りの判断は不可能.
│ │     納得できる成果や証明が無いと,反発を受ける.
│ │
│ ├完全秘匿:全く情報を与えない
│ │       事後,自己申告する(殆ど信用されない)
│ │
│ └IP偽装 :プロクシ等のIP偽装と,トリップ公開などで
│         釣り師である事を,事後に自己申告で立証する

└準備型 →疑似餌だけでは判別不能だが,
  │     ネタ元が判れば釣りと判別できるタイプ.
  │
  ├定型文 :コピペ・誤字・誤変換
  │
  └リンク先:騙されスレ 誤情報リンク ブラクラ

(軍事板)

   釣り師→ ○  /|←竿
          ト/  |
          │.  ~~|~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
          八   §←餌(疑似餌)     >゚++<


   の組み合わせだったはずだが,最近は自称「釣り師」が,ダイレクトで自分の本音を攻撃されて「釣れた!」と強がる事例が多い.
 これは,どっちかというと,

      ..釣れたよ〜・・・│
      ────y──┘

       ・゚・。 ○ノノ.・゚・
    ~~~~~~~~~~│~~~~~~~~~~~~~~~
           ト>゚++< ミ パクッ
     ジタバタ  ハ
         ノ ノ

   なのではないだろうか.

           ムシャ         |
             ムシャ       |  
      ∩___∩              |  ぷらぷら
      | ノ      ヽ        ((   |
     /  ●   ● |         J  ))
. ((  |    ( _●_)  ミ ・
    彡、   |∪}=) ,ノ ∴  しけた釣り餌だクマー
     /    ヽ/^ヽ ヽ  。
     |      ヽ \ |


 【珍説】
 ○○○というサイトによれば,◇◇◇という通説は誤りだ!

 【事実】
 「通説は誤りだった!」系の話は結構面白いが、大概は無知に基づく事実誤認やら思想的な作り話だったりする。

 歴史的に重大な事件の通説がひっくり返るような発見があれば,かなり大きなニュースとなって、一般のメディアにも乗っかる。

 ネット上の情報は、眉に唾付けて見るのが吉。


 【質問】
 ヨソのスレッドで議論を尽くして結論が出ているんだから,その結論に沿う形に早く直せ! 

 【回答】
 匿名掲示板での論争は,暇で書き込みする時間がたっぷりある人間が言い合いに勝つ可能性が高いという傾向にあるため,その結論が正しいとは言えません.(元レスは世界史板)
 事実,「タリバーンは清く,正しい」ということになっているスレッドや,「9.11はアメリカの自作自演」ということにされているスレッドも存在します.

--------------------

 たとえばの話ですが、貴方は物理の先生が書いた物理の本と、国語の先生が書いた物理の本のどっちを信用なさいますか?
 地震や災害の際に、「うわさを信じてはいけません。テレビやラジオなどの報道や自治体・政府の発表を待ちましょう」みたいなことを言われるのはなぜか判りますか?

 ソースというのは、その意見がどれだけ真実に近いかを示すバロメータですから、より信憑性の高いソースが良いソースとされます。
 その時、素人や門外漢の話よりも公共性の高い機関やその道の専門家が公式に出す書籍や発表の方がより真実に近いと考えられるのです。
 それは過去に真実を伝えてきた、そういう研究や勉強をしてきたという実績があるからで、そういう実績のない人がいきなり新説を出してもそれは認められにくいものです。

(「通りすがった人」in FAQ BBS)


 【質問】
 陰謀がないなら,ないという証拠を出してみろ!

 【回答】
 学術の世界では、“ある”と言う証明よりも“無い”という証明は難しいのだよ。
 場合によっては状況証拠のみしか集らない場合があり、存在しない理由の直接証明にならかったりもする。これは捜査証拠でもそう。

 また,“ある”または“あった”は検証不可能な形で捏造でもなんでもし易い。
 それを打ち消すのに、無い証明をせよというのは、古来から使われた手法ですね。
 未だに隣国がやっていたりしますが。


 【質問】
 「悪魔の証明」とは?

 【回答】
 「無い事の証明」は実行不可能である事の比喩表現。
 「有る事の証明」は証拠を提示するだけで終わるが、「無い事の証明」はそもそも,『有る証拠が無い』という主張なので,証拠の提示はできない。

 故に、立証責任は「有る」と主張する側に科せられる。「有る事の証明」ができなければ無いものと見なされる。
 「無い」と主張する側は,「有る」と主張する側の矛盾点を指摘するだけで良い。
 これに対し、「有る」と主張する側は証拠を提示しなければならない。

 紛争の最大解決場である裁判においても、民事では『要件事実論』、刑事では『立証責任』『疑わしきは罰せず(無罪の推定)』といった形で基本として流れている考えです。
 権威ある人の言葉とかそういうものではなく、『言論を行う上での原則』ですね。

(JSF & ふゆみ某 in 「週刊オブイェークト」)

 ところで,なぜ『悪魔』の証明という名前なのか?
 『悪魔がいない事を証明せよ、という命題を果たすためには、この世のあらゆる全ての可能性、或いは森羅万象を完全に解明、調査しなければならないため、極めて困難であることから』というのがそれですが、これだけでは、『神の証明』でも『吸血鬼の証明』でも『ネコミミ少女の証明』でも何でもいいんですよね(笑) なぜ悪魔なのかというエピソードがありそうですが。Wikiのカノン法関連と言う言葉を推測するなら、魔女裁判関係でしょうかね。ぐーぐる君は知らないようです。

 神の証明と書いて思いつきましたが、『神がいる事を証明せよ』というのは並居る哲学者が挑戦した有名なエピソードですが、それと逆に『悪魔がいない事を証明せよ』としてみたら、無い事を証明するのは無理だと言う結論に至った、というだけかもしれませんね(笑)

(ふゆみ某 in 「週刊オブイェークト」 BBS)


 【質問】
 以下のような意見がありますが,本当に匿名ブロガーへの反論は価値がないのですか?

 〔略〕
 匿名ブロガーとプロ作家が対等だと考える,とんでもない思い上がり.
 林信吾の文章には商品価値があり,著作には値段が付いている.電話取材でコメントした場合でさえ,対価が生じる.
 つまり,俺が何らかの見識を披露し,報酬を得ないとすれば,それはボランティアだということになる.
 このブログに対してだけ,そのような奉仕をすべき理由など,どこにもない.
「逃げたらネット中の笑いものですよ」
など,ちゃんちゃらおかしい.

 ならば逆に尋ねるが,ここでJSFとやらを征伐したとして,それが俺のビジネスに,一体どんな利益をもたらすのかね?
 ヲタは読者として想定してないと,一番最初に言ったろ?
 ギャラも払わねえくせに,「来訪編」とか作ってんじゃねえよ,この小判鮫が,という話.
 〔略〕

Posted by 林信吾 at 2007年03月15日 12:33 in 「週刊オブイェクト」

 【回答】
 はい,その通りです.
 このブログでの投稿は林信吾さんのご好意によるものであり,林信吾さんには返答をする義務はありません.
 投稿するもしないも林信吾さんの自由です.

 〔略〕
私を論理的に打ち負かす事が出来れば,それなりに箔が付くと思います.
 とはいえそれもネット限定での評判ですから,これを重視されないのであれば利益とならないと判断されるのも当然です.

<以下コメント欄>

 林先生,まずいですよ.
 結局反論しないのなら,そのコメントは,疑問を晴らすことができずに駄文でごまかしてる人にしか見えません.
 このままでは,理論武装したくて先生の本を買ったものの,まったく役に立たなかったという人が大量発生するでしょう.
 先生,「一円にもならん」とかいいますが,これは今や先生の信用問題ですよ.

 わかってます?

Posted by モルトケ at 2007年03月16日 17:13:23

 卑しくも物書きであるならば,自分の著作を買ってくれて,その上最後まで精読してくれて,意見や疑問を送ってくれる人は,神様のように尊い存在であると思うべきだ.
 本来ならば,涙が出るほど嬉しいことのはず.
 物書きにとって一番つらいことは,「無視されること」なんじゃないのかい?
 そして,疑問や間違いの指摘には最大限に真摯に取り組まねばならないことのはず.

 君が自分の著作物を「素晴らしい」と思っているならなおさらのこと.自分の仕事にプライドを持とうよ.「プロ」と自分で言うんだったら.

Posted by 名無しT72神信者 at 2007年03月16日 23:07:15

「週刊オブイェクト」,2007年03月16日付


 【質問】
 ネットにはびこるデマを根絶するには,どうしたらいいの?

 【回答】
 都市伝説化したデマは,確かに根絶は難しいものではあります.
 たとえば,2ちゃんねる・特撮板において,「ウルトラセブン・第12話」にまつわる誤解・デマ・都市伝説を鵜呑みにして語ろうとする人が散発的に現れておりました.

 この「12話」話は,ご存知の通り,ある種"特オタの基礎知識"的なものでありまして,他の"基礎知識"とともに,その都度に進行中の話題を打ち切って,誤解の解きほぐしが行われていたのですが,

 質問
→誤解の指摘と真相解説
→横レスで誤解の蒸し返し
→誤解の指摘と真相解説

の繰り返しに,短気な人々による無知叩きが加わる賽の河原状況が続き,説く者,諭す者,叩く者の三者ともいい加減ゲンナリしてしまいまして,
「特撮の初歩・基本の質問をしてもいいスレッド」
というものを建て,頻出質問はテンプレ化(絶版書籍や当時の新聞記事のスキャン画像を掲載した研究サイトURL含む)し,他のスレッドで誤解ベースの発言があった場合は,発言者に当該テンプレートを提示し以後完全スルーを通し,同時に延焼スレッドを探知してはテンプレ投下,ということを日々にわたり数年続けました.

 その後,朝日新聞で当該作品についての4段記事や「封印作品の謎」といった書籍の登場などもあり,「第12話」にまつわる誤解・デマ・都市伝説は概ね根絶と言って良い状況に到達したのが2004年でしたっけか.

 趣味レベルの世界の話題で,まる4年かかったわけです.

 水虫やインタムと一緒です.1年や2年では根治できんのです.
 信用しうる資料のアーカイブやリンクを設け,発症点と伝染個所で辛抱強く本来の情報を提示し,清潔と乾燥を心がけるしかないのです.

Posted by 英国面のパダワン at 2007年05月01日 13:29:02

以上,「週刊オブイェクト」コメント欄,2007年05月01日付より

 【関連リンク】
扇動の手口


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