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◆◆情報の真贋
<◆訂正要求関連
<FAQ of FAQ 目次
(画像掲示板より引用)
「kojii.net」■(2009/07/06) "○○オワタ" 論について考えてみた
「kojii.net」■(2009/8/17) 確証バイアスと勘違いとデータの見方と
「kojii.net」■(2010/07/26) いちいち一喜一憂しない
「kojii.net」■(2011/07/04) "デマは正さなければならない" に対する,ちょっとした違和感
「Lucifer Rising」■[ディストピア][画像]墜落の瞬間に撮られた「信じがたい写真」
nofrills in twitter(2012/04/17)
デマゴーグは,たとえたまには妥当な一般論を言ってても,無視しなきゃダメだよ.
「(面識のない人からも)評価される私」は,そのデマゴーグにとって最大の強みになる.
「Togetter」◆(2011/02/18)リテラシーについて
「Togetter」◆(2012/11/10)@wisbk2010さんの「12/11/6江川紹子さんのつぶやきをもとにデマとは何か考える.」
「Togetter」◆(2012/11/23)自称「国民の生活が第一」の政治家「橋下市長リコール運動が行われているがマスコミは報道しない!」→そんな運動存在せず
「Togetter」◆(2015-09-22) ネット上のデマ画像等に騙されないための6つの技
「朝目新聞」●都市伝説の作り方と作られ方 (of OCCULuTION)
「ニコニコニュース」◆(2014/03/19) 詐欺師もビックリ!「嘘ついてる」とわかっちゃう会話の反応5つ
「秒刊サンデー」◆(2012/04/21)IPアドレスがバレると住所特定されるという都市伝説は本当なのか.
「ぶる速-VIP」◆(2010/05/14)ゾッとする実話,コピペ
●陰謀論
「kojii.net」■(2010/05/24)出来の悪い複合商品みたいな陰謀論
「kojii.net」■(2010/06/14)確固たる証拠抜きで否定されても
「kojii.net」■(2012/08/13 10:12) 避けて通りたい宣伝手法,いろいろ
>全部が全部そうだ,なんて断言してしまうと物言いが付きそうだけれども,殊更に「○○の陰謀」「隠されている真実」「裏情報」「裏に隠された事実」「マスコミが報じない○○」なんて言葉を強調して売り物にするのは,人の心理につけ込んで宣伝に利用しようとするケースの方が多いんじゃないの,という話.
「Y!ニュース」◆(2013/09/30) ネトウヨ・陰謀論者の肥やしとなる,自衛隊将官の陰謀論(dragoner)
「朝目新聞」●インチキ陰謀論のつくりかた (of オモコロ)
「幻影随想」:駆け出し研究者が科学のために立ち上がる方法のガイド
「哲学ニュースnwk」◆(2012/07/03)バカが好む三大陰謀論:ユダヤ人の世界支配,月面着陸は嘘,あとは?
「まつりごと・いくさごと」:たまげたなぁ:コラム「陰謀説のウソは看過できない」
●論理性
「Huffingtonpost」◆(2014/09/06) 自分を論理的だと思っている人へ/論理的思考は魔法の杖ではないって話
「ライフハッカー」◆(2014/03/19) 論理的な意思決定には「感情脳」が必要:研究結果
【質問】
論拠を出しているのに全然訂正されないぞゴルァ!
【回答】
そのソースが信頼に足るものか,まず冷静にご自分で判断してください.
太田龍や宇野正美や広瀬隆や木村愛二……を引用されても,引用者の知性が疑われる結果にしかなりません.
史料批判のやり方はE・H・カーの「歴史とはなにか」という本に載っています.
具体的なやり方はですね,
・参考資料が明記されているか,
・その参考資料はどういう基準で筆者が選んだものか,
・あからさまな誤読がないか,
・同じテーマで書かれた論文と内容を比較してみる,
とかそんな感じです.
論文の場合は,論文の形式が守れているかどうかをチェックするのもポイントになります.
・はじめに問題設定が出来ているのか
・最後できちんとオチは付けられているのか
等.
(HN "Koz" from E-mail,他)
特に,陰謀論者やイデオロギストは自己の主張について,以下の点を事前に自己点検してください.
------------
国政や国際紛争において,人々が被る不幸の大半は誤った知識の蓄積が原因となっている.
経済や外交上の危機,内戦や国同士の戦争も,もとをただせば,現実をしっかり分析しようとしない姿勢が引き金になっている場合がほとんどである.
〔略〕
一国の,もしくは国家間の平和を考えたとき,その最大の敵はイデオロギー論者(空論家といってもよい)である.
〔略〕
イデオロギー論者は自らの失敗の責任を,まず例外なく第三者になすりつける.
〔略〕
このような精神構造では,ある国や社会,政党,文明が,自らの行動や失敗を振り返り検討する必要はなくなる.
反米主義に関しては,今日間違いなくこれらの条件が完全に満たされているといえよう.
反米主義のおかげで,多くの国家や文明は,理想的な敵を見つけることができた.
それによると,国際舞台における自国の衰退ぶりや,内政の混乱,経済や科学,文化の劇的な失墜の責任はすべからくアメリカにあるということになる.
------(ジャン=フランソワ・ルヴェル「インチキな反米主義者,マヌケな親米主義者」,アスキー・コミュニケーションズ,2003/5)
中でも,
“陰謀
”
“大人はうそつき”
“俺たちはだまされていたんだ!”
といった文言と類似のものが見られる主張,これを特に「MMRメソッド」(九十九式)と呼びます.
【質問】
クロス・チェックって何?
【回答】
一つのテーマに関し,複数の資料を照らし合わせ,情報に齟齬がないかどうか調べ,それによって事実がどこにあるかどうかを確かめることを言う.
通読しただけじゃダメなんだよ.本を読む時って.
よく,
「一冊か二冊読んだだけで,分かった気にはなるなよ」
と何度も先輩や教官に念押しされた.
同一対象を扱った本を複数読み,意見の相違点を書き出し,その根拠となる記述を比較し,その内容を
ワープロなりノートなりに書き出して進めていくと,著者の知性や作業量の違いが分かってくる.
本当に知識が自分の骨肉となってくるのは,そこからだと.
逆に,そういう作業を経て,粗や他の著作からの丸写し部分がポロポロ見つかってしまう著作は,犯罪的なクズ本だと.
軍事板
青文字:加筆改修部分
▼ 小川和久も,以下のように述べている.
――――――
昔,文章上達には山ほど読んで,山ほど書けと教えられた.
情報センスの磨き方にも通じるものあり.
http://twitter.com/kazuhisa_ogawa/status/26627684306001921
――――――
▲
元KGB,オレグ・カルーギン将軍の以下の証言もまた,クロスチェックの重要性を示している.
――――――
英国内務省の元部局長で,KGBのすぐれた工作員でもあったドナルド・マクリーンが,当時まだ対外諜報部長だったクリュチコーフに会ったとき,こんなことを述べています.
「毎日プラウダを読む国民は不滅だよ」
と.
にがい皮肉が利いた言葉ではありませんか.
まずひとつに,いつも一方的な情報しか与えられず,自分を他と比較する可能性を奪われていれば,人間は考えることをやめてしまいます.
さまざまに異なる方面からの情報を得てこそ,必然的にものを考えるようになるのです.
――――――『不死身のKGB』(ナターリヤ・ゲヴォルキャン Natalija Geworkjan 著,エディションq,1998.9.10),p.24
▼ ただし特にインターネット上の情報は,元が同一の情報源であったりすることがしばしばあるので,ネット情報を用いてクロス・チェックする際には,その点も注意を要する.
(ただし書籍ベースの情報にしろ,単一の情報源に基づく誤った情報が果てしなく伝播しているケースが,ないわけではない)
▲
【質問】
特に慎重に信憑性をチェックすべき「情報」には,どのようなものがあるか?
【回答】
おおよそ以下の通り.
(1) 「大本営発表」※
発信された情報が,発信者の意向や利益に沿うものである場合,「発信者を利するための欺瞞/歪曲/捏造情報」である可能性を疑うべきである.
なお,一見,中立的な第三者を発信者に仕立てることにより,本当の発信者がその影に隠れている場合もあるので,発信源は本当はどこか?という点にも注意すべきである.
(2) 「秘密の友人」(別名:ノビー)
情報発信者が,第三者には確かめようのない「ソース」を,その発信情報の根拠としているもの.
情報発信者が注目を浴びたくて捏造している場合や,ガセ情報を掴まされている場合などがある.
「CIAの友人によると」(ノビーこと落合信彦がよく使ってたね),「外務省内部の友人によると」,「匿名の告発者Aによると」などの事例がある.
(3) 「Xファイル」
「秘密の友人」の変形.「俺だけが真相を知っている!」といった暴露情報は,第三者には真贋を確かめようがないため,捏造や歪曲がはびこり易い.
(4) 「妄想癖」(別名:ぼたんの花)
情報発信者がソースを明示していない場合は,これを疑ってみるべきである.
その根拠を情報発信者に問うとよい.それでもなおソースを明らかにしない場合,「探せば見つかる」と言って自分では出さない場合,「常識だろう!」と逆ギレする場合には,まずソースは実在しない,ないし,発信者の勘違いである可能性が高い.
(5) 「イデオローグ」※
情報発信者が,普段から何か特定の政治主張をしており,その「情報」がその政治主張の正当性を裏書きするようなものである場合,歪曲や捏造を疑うべきである.
(6) 「狼少年」(別名:よしのり)
情報発信者が,普段からいい加減な「情報」を連発している場合,その「情報」はどれも疑わしいと見なして,信憑性をチェックすべきである.
(7) 「伝言ゲーム」
AさんからBさんへ,BさんからCさんへ,CさんからDさんへ……と,次々に伝え聞いた結果,オリジナルの情報と懸け離れてしまったもの.いわゆる風説.
BBS経由の情報にありがちなパターン.
元ソースの確認ができない場合は,これが強く疑われる.
▼ ※たとえば立花隆は,極左機関紙をソースとして活用する際の注意点として,以下のように述べている.
――――――
問題は情報の質≠ナある.
どちらも,自派に都合のよい面だけを抜き出し,主観的な評価を加えて報道する.
事実の誇張,歪曲,矮小化が珍しくなく,場合によっては,まったくのデマ,事実の捏造すら行われる.
――――――立花隆著『中核vs革マル』上巻(講談社文庫,1983/1/15),p.19
▲
また,以下の例は,イデオロギーのない番組であっても,編集によって容易に情報歪曲が可能であることを示している.
――――――
7月28日の〔超能力モノ番組の〕放映を見ていちばん驚いたのは,僕らが「否定派」と呼ばれていることだった.新聞のテレビ欄には「ナターシャが持つ人体透視能力を否定する人々とガチンコバトル!」などと書かれていた.
実際には「バトル」なんて雰囲気ではなかった.最初に書いたように,僕はこの実験の勝敗になんかこだわっていなかった.彼女の能力の秘密を解き明かしたくて,中立の立場で実験に参加したいと申し入れたはずだった.
西風氏にいたっては,「否定派」なんかじゃない.著書の中で超能力を肯定的に扱っている.「否定派」というのは西風氏に対して不当なレッテルであろう.
どうもテレビ番組というのは,白か黒かという単純な図式で割り切りたがるものらしい.
最後に僕らがナターシャに対して好意的なコメントを述べた部分をカットしたのも,僕らを頑固な「否定派」として視聴者に印象づけたかったからだろう.
ちなみに,いっしょに見ていた8歳の娘のコメントは,
「パパ,ヒーローをいじめてる悪役みたい」
う……そこまで言いますか(笑).
しかし,視聴者の多くがそんな印象を受けたんじゃないだろうか.
本当はこうだったんだよ,と娘に説明すると,驚いて,
「テレビってこわいね!」
そうなんだ,娘よ! テレビってこわいものなんだ!
――――――「山本弘のSF秘密基地 超能力少女ナターシャの実験に立ち会ったゾの巻」
まして,発信者の意向や利益に沿う「大本営発表」や,イデオロギーがかった発信者の情報に,歪曲がないと考えるほうが不自然だろう.
【質問】
メディア・リテラシーとは?
【回答】
情報およびその周辺に対する処理能力,の意.
以下のような判断能力が必要とされるという.
報道に対する十箇条
1.情報を流して得する人を考えてみましょう.
2.可能な限り情報のリソースを確認しましょう.
3.コメントはその人の意見であって事実ではありません.
4.片寄った意見はなんらかの裏があるはずです.情報だけを見るようにしましょう.
5.2つの意見があるとき,マスコミの誘導に載らない決断力を持ちましょう.
6.雑誌や番組のタイトルや見出しに惑わされず,中身を見るようにしましょう.
7.意見の偏りやその人の専門を見極めるために,情報提供者の名前を覚えるようにしましょう.
8.メディアの人間がアクシデントに対しどんな対応をするか見極めましょう.
9.メディアは知っていることすべてを報道するわけではないことを覚えておきましょう.
10.大勢が判明するまでなにかを語ることは避けましょう.
▼ また,森達也(映像作家)によれば,メディアには以下のような属性があるという.
----------------------
多様な世界を人々に知らせることについて,メディアで働く人たちは,あまり熱心ではない.
ただし,少しでも多くの人たちがチャンネルを合わせたり,駅の売店で買ってくれたりすることについては,当然ながらとても熱心だ.
ある意味では仕方がない.
営利企業なのだから,市場の論理に埋没することは当然だ.
問題はメディアの影響力の大きさと,多くの人の好み(欲望)に合わせることに加えて,メディアにおけるもう一つの(宿命的な)属性だ.
メディアは危機を煽る.
なぜなら人は「危ない」とか「気をつけろ」との声がする方向に目を向け,耳を傾ける.
だからこそ市場原理に晒されたメディアは,沈静化を呼びかけるよりは,不安や恐怖を煽ることに,どうしても熱心になってしまう.
----------------------『宗教と現代がわかる本 2010』(平凡社,2010.3.4),p.40
将来起こり得る危機に備えることは,決して無為ではないが,メディアの言う「危機」が本物かどうか,少し立ち止まって考えてみる必要はある.▲
【質問】
情報の真贋に関し,必ずしも情報源に拘る必要はないのでは?
【回答】
なんで情報源にこだわるか,というのは,何かを主張したり訴えたりしている側の人間(それは多くの場合,反政府的な立ち位置から「左翼」と呼ばれる場合が多いです)の,訴えている根拠を調べてみると,それらのほとんどが情報の歪曲・捏造,あるいは情報の一部を秘匿して真実を語っておらず,それによる情報操作をしており,本来は,というかまっとうにやれば「政府に対する批判勢力」の意見として,普通の人を説得できるはずのことを,少なくとも俺に対しては説得しそびれているのが気になるからです.
要するに,政府を批判したりするのなら,正しくやれ,と.
少し抽象的かも知れませんので,具体的な例を挙げてみます.
――――――
劣化ウラン弾による被害の実態と人体影響について
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/UMRC/du_human_effect.htm
米ブッシュ政権は,対イラク戦争に向けた最終準備を着々と進めています.
アメリカは,90年代以降の戦争で必ず劣化ウランを使用してきました.
1991年の湾岸戦争,1995年のボスニア軍事介入,1999年の旧ユーゴ空爆,2001年の対アフガニスタン戦争.イラクに対する戦争でも必ず使用するに違いありません.
戦車砲弾だけでなく,誘導爆弾や巡航ミサイルにも劣化ウランが使われているという重大な疑惑も浮上しています.
――――――
このテキストで,具体的に否定できるものは以下の通りです.
1・「90年代以降の戦争」で劣化ウランを使ったかどうか確認できないものは,山のようにある
2・ボスニアとユーゴで劣化ウラン弾を使用したのは,アメリカ軍ではなくNATO軍である
3・アフガン戦争での劣化ウラン弾使用は未確認
面倒なのでソースは示しませんが(googleで検索すればすぐわかります),引用テキストは「鬼畜米軍」のイメージを故意に作りあげるために,事実と異なる情報を出して,読み手をあおるためのプロパガンダになっています.
普通に
「アメリカは,湾岸戦争とイラク戦争で,NATO軍は別の戦争で劣化ウランを使用しました」
だと,アメリカ批判として弱くなると考えたのでしょうか.
まぁ,こういう例は俺の日記には山のようにあります.
左寄り系の嘘を暴いているのが多いので,なんか右寄りに思えてしまわれてるんですが,俺としては
「もう少しちゃんと批判しないと,政府攻撃になっていないので頑張ってくれよ」
と思っている点においては,若干左寄りなのです.
愛・蔵太 in mixi,2005年03月08日
青文字:加筆改修部分
【質問】
「事実」とは何か?
【回答】
(a) 自然に起こる事象(某日某地における落雷)や自然法則(慣性の法則);過去に起こった,人間の関与した事件(某年某地における某氏の出生)等の記述で,
(b) 然るべきテストや調査によって真偽(それが真実であるか否か)を客観的に確認できるもの
を事実の記述と定義する.
ちなみに民事裁判の法廷では,原告・被告の双方が認めたことは事実とされるのだそうである.
事実の記述については,必要な注意は次の3つに尽きる.
(a) その事実に関しては,その文書の中で書く必要がある※のは何々かを十分に吟味せよ.
(b) それを,ぼかした表現に逃げずに,できるだけ明確に書け.
(c) 事実を記述する文は,できるだけ名詞と動詞で書き,主観に依存する修飾語を混入させるな.
※理科系の仕事の文書には,必要でないことは一言も書くべきでない.
詳しくは,木下是雄著「理科系の作文技術」(中公新書,1981/9/25),
P.104-107を参照されたし.
――――――
物事を考察する場合,「むごいほどのリアリズムが必要です」.
これも司馬遼太郎さんの著作にあった言葉だ.
2000年の春.タイの「バンコクポスト」に,血だらけの生首を片手にニコニコしながら村を練り歩く少年の写真が掲載された.インドネシアのマルク諸島でのキリスト教徒とイスラーム教徒の諍いの現場写真である.
もちろん日本の新聞には掲載されていない.日本のメディアは,こういう現実を残酷だからという理由で,なかったことにする.事実上,現実から逃避するのである.
こういう写真を載せるのは,その国の人を馬鹿にすることに繋がると考えたのだろう.または,人権問題だと考えたのだろう.
そう考える事自体,既にその国を差別していることに気がついていないのだ.
日本のマスコミには,事実も真実も伝える力はもうない.日本のメディアが好きな言葉は「世界市民」であり,「地球市民」だ.
そのほうが口当たりがいいのは充分理解できる.そのほうが読者に喜ばれ,購読部数が伸びるのも理解できる.日本のメディアも資本主義だから,稼がないと成り立たないことも理解できる.
だが,戦後60年あまりもそれに安住してきたから,肝心なことほど伝えられなくなってしまっているのだ.
――――――橋田信介「戦場特派員」,実業之日本社,2001/12/20, P.65-66,抜粋要約
――――――
「博雅,依頼主の前で,例え生まれてこのかた見たこともないようなものを見たとしても,驚いたふうを表に出してはいけぬ.
俺はそう師匠に叩き込まれた.
それは陰陽師のエチケットだよ.
それにな,俺が常にクールなのは職業病だ.
悪鬼悪霊鬼神に向かう時には,敵であっても味方であってもいかんのだ.
こちらの心の動揺は,向こうの動力源となる.
祭文を読むときも同じよ.
必ず我が願いかなえたしとか必ず調伏せむなどと力こめるのはかえって危険なのだ.
まして,情などかけたら向こうの思うツボよ.
〔略〕
こちらの思い通りにことを運びたいなら,神も含め,鬼神悪鬼悪霊に対する時,この身は常にニュートラルにしておかねばならん.
可でもなく不可でもなければ,たとえ周囲でどのような事象が起ころうとも,我が身は風のように自由でいられる.
これはな,鬼神を使役し,闇を掌握せむとする陰陽師の鉄則というものぞ.
俺はハト派だ.パンクじゃない.
――――――夢枕獏原作・岡野玲子作「陰陽師」(スコラ,1996/11/29)
【質問】
>日本語の作文技術 (朝日文庫) (文庫)
>本田勝一も,国語は得意だったらしい.
>作文術の本としてはかなり評価が高いとのこと.
とあるスレで見た.
なんか知らんが,本当ですか?
ゆきかぜまる,2009年07月13日 21:58
【回答】
個人的にはお勧めしかねます.
あの本は熱烈な「崇拝者」がいる一方で,徹底的に批判する人もいて,評価はほとんど定まっていません.
話題(ネタ)にするなら読んでも良いかと考えますが,個人的にはほとんどと言って良いほど参考にならなかった,というのが正直なところです.
内容がないチラシの裏に書くようなものを,額に入れるのであるなら話は別ですが.<マテ
そして,理系人間としてあの本を読むぐらいであれば,専門外であっても読者を引き込むような,優れた学術論文や技報を沢山読んだ方がよほど有益である,と考えるところです.
へぼ担当,2009年07月13日 22:27
作文本なら『理科系の作文技術』をオススメします.
消印所沢,2009年07月13日 22:41
以前,経営学板の読書スレみたいなとこで,テンプレ入りしていましたな.
支持があるのは事実です.
dragoner,2009年07月15日 01:35
以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より
青文字:加筆改修部分
【質問】
事実摘示と意見表明とは,どう違うのか?
【回答】
『脱ゴーマニズム宣言』事件に対する最高裁判決(2004.7.15)によれば,
・事実摘示;証拠などをもって,その存否を決することが可能な「事実」を明示的または黙示的に主張するもの
・意見表明:証拠などによる証明になじまない物事の価値や善悪,優劣についての批評や論議
そして同判決では,意見表明は論評の域を超えない限り,内容の正当性や合理性を特に問うこともなく名誉毀損が成立しないとしている.
ただし「事実」を黙示的に主張しているかどうかの判断は,裁判官の主観に左右されるため,「基準が不明確」とする批判も多い.
詳しくは『名誉毀損』(山田隆司著,岩波新書,2009.5.20),p.63-69を参照されたし.
【質問】
史料の少ない時代・地域においては「内容を裏付ける別の史料は無いが,否定する根拠もない」史料があると思います.
そのような史料の信頼度は,どのように測るのでしょうか?
【回答】
とりあえず,否定の根拠もなくてそれが唯一の史料なら,(盲信するのも危険ということも充分注意した上で)一応それが正しいというのが研究の前提となるでしょう.
信頼度は学者ごとにそれぞれってところでしょうか.
疑う人は最初から疑ってかかるだろうし.
【質問】
歴史学の基本認識について質問です.
裁判で推定無罪という原則があります.
状況証拠だけでは,事実と認定されない.
人間の証言,あるいは指紋などの物的証拠によってのみ有罪とされる原則です.
歴史学と裁判は検証方法が似ていますが,歴史学ではやはりこの推定無罪のように,明確に史料が残っていないものは「無かった」ことになるのでしょうか?
学術論文などでは,直接的な史料は発見できなかったが,状況証拠だけで事実と立証したりすることはできないのですか?
たとえば,南京虐殺論争で,
「殺したのはすべて便衣兵.非武装の民間人を殺したという証拠はない.よって,南京虐殺はなかった」
と言う意見と,
「当時の混乱した状況から,完全に虐殺がなかったと言うことは考えにくい.どんな規律ある軍隊だって,不届きものの独りぐらいはいただろう.虐殺行為が全くなかったなどと言うことは考えられない.個人的な暴行行為はあっただろう」
と言う意見は,歴史学的にはどちらが有利と見なされるんですか?
【回答】
「無かった」ことにはなりません.
歴史は裁判とは違って有罪か無罪かを決めるものではありませんから.証拠不十分なものは「仮説」として扱われます.
複数の解釈や学説が平行して存在するのは珍しくありません.
分かりやすい例なら,邪馬台国はどこにあったか…は結論が出ていないので九州説も近畿説も両方存在しています.
歴史学の世界において,「推定されるだけでは無罪(=存在しなかった)」という概念は,あるともないといえます.
直接証明し得る「物的証拠」はないが,間接的に証明し得る「状況証拠」だけはあるというものを歴史学が扱うことはあります.
しかしそれは,陰謀やご落胤の風説など,比較的限られたテーマです.
例えば,一休禅師が後小松天皇のご落胤であるという伝説は,禅師の付き人の日誌が見つかり,その検証から
「少なくとも,ご落胤と見なされたのはおそらく事実」
とされています.
「状況証拠」が確実なものと見なされたケースで,これは仰る「推定無罪」ではありませんね.
しかしながらこれは,信憑性の高低を述べるだけに留まり,教育の場などで明言できるレベルの「有罪判決」ではありません.
そういう意味で「推定無罪」はあるともいえます.
さて,例に挙げられました南京虐殺論争ですが,軍の命令書などの「直接証拠」はもちろん,地元証言などの「状況証拠」において信憑性の薄いものが極めて多いという現状を鑑みますと,私は「虐殺」か「事件」か「騒動」かという「判決」を下すことすらできないと考えています.
「状況証拠」の信憑性すらなかったら,「推定無罪」以前の話だからです.
▼>たとえば,南京虐殺論争で, 〜〜〜歴史学的にはどちらが有利と見なされるんですか?
これはどう考えても後者が有利でしょ.
後者は歴史上類例がいくらでも見つかる.
でもそれは,どの定義における「南京大虐殺」の立証/否定においても,たいして問題にされない筈です.
そもそもこんな「対立」は,床屋談義で存在したとしても,学説上ではあり得ません.
例自体が不適当かと.
HASU in 「軍事板常見問題 mixi支隊」,2009年09月20日 04:37
▲
【珍説】
〔略〕英字新聞の編集長である奥さんを持つ田中宇さんのHPも,もう少し解読できると思います.
(ぼたんの花 from 週刊オブイェクト・コメント欄)
【事実】
英語ができるというだけで「信頼できる」などと崇めるというのは,今では化石に近い(高齢者に多い)現象ですが,類似例として,
「現地に長く住んでいるから信頼できる(色眼鏡で観察していたら,報告が歪みまくる)」
「ベスト・セラーだから信頼できる(『神々の指紋』なんてトンデモ本もあるんですが……)」
「ナントカ賞を受賞しているから信頼できる(中村哲医師はマグサイサイ賞受賞者.池田大作は毎年ノーベル平和賞を狙っている.今や腐敗でピーピー言っているアラファトだって受賞者だ)」
といった論法もありますので,注意しましょう.
なお,奥さんが何語が読めようが,当人の分析が狂っていたのでは,お話になりません.
田中サカイの珍分析については,検索すれば幾らでも指摘が出てくることでしょう.
ちなみに,宇野正実や落合信彦も田岡俊次も,バリバリ英語が読める人達なんですが,この人達も信用しちゃっていいということになりますな,「ぼたんの花」論法だと.
きっと世界はユダヤ人に支配されていて,南極にはナチスの基地があって,イラク人質事件は自作自演なのでしょう(笑).
(『ドラゴン・ボール』より引用)
【質問】
部分引用された「発言」は,ソースとしてはどの程度信頼できますか?
【回答】
しばしば発言者の意図を歪めた,不適切な「引用」が行われる場合があるので,可能な限り元の発言全文をチェックしたほうが良いようです.
そうした不適切な「引用」の例としては,ベーカー米駐日大使の「発言」のほか,以下のような例があります.
(1)
森喜朗政権時代の
「選挙に関心がない人はそのまま寝てしまってくれればいい」発言,
「銃後」発言
森自身の説明によれば,これらは発言の前後を切られることによって,さも問題発言であるかのように印象操作されたものだったとされています.
[quote]
森 〔略〕
たとえば〔2000年6月の〕総選挙中,私が遊説先で
「選挙に関心がない人はそのまま寝てしまってくれればいい」
と発言したといって,厳しく批判されました.
私ほど選挙について詳しい人間が,「寝ててくれればいい」なんて言うはずがないんだよ.
――しかし,発言されたのは事実でしょう.何もないのに記者が想像で書くことはできませんから.
森 それが僕とマスコミの戦いなんだよ.
あの遊説は新潟でした.
そして,遊説前の週末に新聞各紙が初めて選挙戦の予想を報じていたんですが,どの新聞も全部「自民圧勝」と書いていた.
僕はこれは危ないなと判断した.というのも,各紙が記事の根拠にしている世論調査は,公示直前か直後ぐらいに実施している.
だから,有権者の多くがまだ誰に投票するか決めていない.
すでに決めている人だけが,「自分は自民党だ」「自分は民主党だ」と答えている.
それに基づいて報じているんです.
まだ考えてない,決めていないという人が4割ぐらいいるわけです.
だから僕は
「今朝の新聞を見て非常に怖かった.
『自民圧勝』と書いてある.
そんなことはありえない.
これから後半戦,今まで選挙に無関心だった人が,このまま無関心であってほしいと願うかもしれないが,そんなことはないだろう」
という趣旨のことを言ったわけですよ.
ところが新聞やテレビは,
「そんなことはないだろう」
という部分は切ってしまう.
そして選挙中,繰り返し報道された.
――発言を詳細に報じた記事を見ると,森さんは次のように発言しています.
「まだ決めてない人が40%ぐらいいる.
そのまま『関心がない』と言って寝てしまってくれればそれでいいんですけれど,そうはいかない」
ところが,「そうはいかない」という部分がテレビでは切られたわけですね.
〔略〕
――それにしても,森さんは首相時代に失言が多かったですね.サービス精神が旺盛なためですか.
森 失言が続いたんじゃない.君らマスコミが失言にしたんだよ(笑い).
ひとつひとつを検証したら,何でもない発言なんだよ.
〔略〕
一部のマスコミは何でもいいから森内閣を批判することしか考えてなかった.
僕が演説などで使った引用やたとえ話を次々と問題として取り上げていった.
たとえば2000年6月,首相就任後,初めて地元の加賀市を訪れたとき,支持者らを前に「銃後」という言葉を使って
「地元の選挙をよろしく頼む」
と言ったんだよ.
そうしたら
「戦争用語だ」
って批判された.
演説を聞いていた一線の記者たちは,演説内容をそれぞれ本社に送る.
すると彼らの上司が
「おもしろいから書け!」
と指示する.
ところが若い記者たちの中には
「ジュウゴってどういう字を書くんだ」
とか言ってる者もいたんだよ.(笑い)
――言わなくてもいいことを言っているようにも見えますね.
森さんとは対照的に,小泉さんは余計な発言をしない.
そもそも,小泉さんの発言は起承転結がなくて,短いワンフレーズですから,一部だけを切り取って報道することができないですね.
森 小泉君にとって僕は反面教師だったかもしれないな.
僕のようなことはやらないでいこうと考えたのかもしれないよ.
[/quote]
―――『森喜朗 自民党と政権交代』(森喜朗著,朝日新聞社,2007/10/30),p.232-236
上記記述の信頼性ですが,以下を見た限りでは,特に問題はなさそうに思えます.
[quote]
森氏の話は事実関係の再現に比重が置かれていた.
〔略〕
ある意味でジャーナリスティックでもあった.
〔略〕
そればかりか,場所や日時も極めて正確だった.
編集の過程で,古い新聞記事や関連資料などで発言内容をひとつひとつ確認したが,完全な記憶違いというのはほとんどなかった.
[/quote]
―――薬師寺克行 in 『森喜朗 自民党と政権交代』(森喜朗著,朝日新聞社,2007/10/30),p.292(あとがき)
編者
(2)麻生首相の
「株屋は信用されてない」発言.
これについて,以下のように報じられました.
――――――
首相「株屋は信用されてない」
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=784904&media_id=2
麻生太郎首相は21日,首相官邸で開かれた経済危機克服のための有識者会合で「預金と違って,株をやってるというと田舎では怪しい」と発言した.
株価低迷が続く中で個人投資家を批判したとも受け止められかねず,波紋が広がる可能性がある.
首相はまた「『株屋』っていうのは信用されないんだよ」とも述べた.
株屋という言葉には証券会社やその従業員を見下す意味合いもあるとされ,こちらの発言にも関係者が戸惑いそうだ.
首相発言はいずれも,国内株式市場の浮揚に向けた取り組みを話し合う会合での発言.
出席していた松井証券の松井道夫社長は「むしろ大事なのは長期保有で,個人資産をどういう方向に持っていくのかが重要だ」と指摘した.
――――――
で,切り貼り無しの発言全文
――――――
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2469.html
松井
「日本の場合は,個人のカネを市場に導入してですね,それがメイン,メインプレイヤーになるというのが一番基本の話で,どこの市場でもそれをベースとして市場が成り立っているにも関わらず,日本だけが先進諸国の中で外国人がメインプレイヤーである市場になっている.
だからそこにメスを入れないといけないんではないか.
そういう認識は市場関係者はみんな持ってますけれども,先ほど申しましたとおり,いろいろな税制等々,株式が悪だという雰囲気を払拭するという,そういう対応等具体的に出さないとなかなか治っていかないんじゃないかと,思いますけれども」
麻生
「あー,松井さん.全く賛成よ.
全く賛成だけれども,やっぱり株式会社,株屋ってのは信用されてないんですよ.
僕はそう思うなあ.
やっぱり株をやってるっていうと田舎じゃ何となく怪しげよ.
あの人貯金してんだってさ,ならいいけど,あの人株やってんだってさ,だと,何となく,何となーく眉に唾付けてみるみたいなところがあるでしょうが.
松井さんどこで生まれたか知らないけど,俺達田舎じゃ間違いなくそうよ.
金融庁の長官の時から,「貯蓄から投資」ってのは10年以上前から言ってんだけど,何となく「株ですか?」というか.今はもう株屋さんを通さずに直接やりとりしちゃうんでしょ?」
松井
「まあ,株屋というか証券会社は売買で成り立ってるわけですけど,それよりもむしろ大事なのは長期保有というか,例えば配当を目的とした株保有というか,こういったものが,まあ投資と投機といった議論はあるわけですけど,基本はやはりそういうもので,企業の利益を配当という形で個人に還元して,それが消費に回っていくと,それが一番健全な姿だと思うし,そのための原資はあるわけですね.
膨大な原資が.これをどういうふうにそういった方向にもっていくかが一番大事なんじゃないですか」
――――――
どこが不適切か正直判りません.
以下,一番的確なレス.
――――――
100 名前: 家事手伝い(静岡県)[sage] 投稿日:2009/03/21(土) 13:54:09.70 ID:kMz5+/JG
>>53
>「株屋ってのは信用されていない」と述べた. 貯蓄から投資への転換がなかなか進まない理由として言及した
なんだよ,株をやってる奴への批判じゃないじゃん.
それどころか,お前ら株をやってる奴らは信用されてないから困るよな.どうやったら株をやる奴が増えて,貯蓄から投資への流れになるかな?ってことじゃん.
――――――引用元 MRI(モナー総研HD)
bernoulli in mixi,2009年03月22日05:10
青文字:加筆改修部分
他にも幾つも出てきそうですので,発見し次第,追記させていただきます.
【質問】
陰謀論等に出てくる,「軍人の証言」や「諜報員の証言」は,直ちに信用していいものなのか?
【回答】
結論から言えば,情報の信憑性を量る目安にはならない.当り前の話だが,「軍人だからデマカセを言わない」とは限らないからである.
例えば,「トンデモ本1999 このベストセラーがトンデモない!!」(光文社,1999.1.30)には,以下のような「愉快な軍人さん」が登場する.
――――――
また,特番〔矢追純一のUFO特番〕のウリのひとつに,元米陸軍中佐のフォリップ・J・コーソウの証言というのもあった.
コーソウ元中佐は,ステルス技術もレーザーも光ファイバーもパソコンも,みんなロズウェル事件のUFOから自分が見つけ出してきて,世に教えてやったんだ,と威張る人である.
だが,このコーソウ元中佐の証言は,UFO云々を言う前に,歴史的な間違いが多すぎて,ロズウェル事件の専門家の間でも,あまり本気にされていない.
なんといってもヘンなのが,UFO研究者らはロズウェル事件の現場を,第1墜落現場(謎の破片が回収されたフォスター牧場.ここは実在する)と,第2墜落現場(UFOの機体や異星人の死体が回収されたとされる地点で,たぶん実在しない)という,2ヶ所に分けて考えているのに,それを無理矢理一つに合体させてしまい,いつどこにUFOが墜落したのか,はっきり言わない(言えない?)ということである.
軍の回収レポートを詳細に読んでいるはずのコーソウが,墜落現場の場所や日時を,はっきり知らないわけがない.
ゴチャ混ぜなコーソウの記述では,第一現場で謎の破片を拾ったジェシー・マーセル少佐が,円盤の機体があった第2現場にも登場してしまっている.
だがマーセル少佐は,自分が拾ったものを円盤の破片だと,死ぬまで言い張っていた一方で,円盤の機体は見ていない,とずっと言っていたのである.
(ムーアらの『ロズウェルUFO回収事件』《二見書房》には,
『私が見たのは大量の残骸で,一つに纏まった機械ではない』
と書かれており,ランドルらの「ロズウェルに堕ちたUFO」《徳間書店》でも,マーセルは息子のジェシーと何度も事件について話し合ったのに,
『すっきりと分かるようなものは目にしなかった』
と決まって力説していたのだそうだ.
ロズウェル事件の目撃者が,見ていない,とわざわざ断っているものまで,見たことにしてしまうコーソウ元中佐,ちょっと強引なお方かも.
ちなみにこのコーソウ元中佐,矢追特番の中では元気そうに証言していたが,番組が放映される2週間前の7月16日に,心筋梗塞で死亡している.享年83であった.
――――――p.128-129
――――――
しかし南アといえば,1989年5月にもUFOが撃墜されていたはずである.
これは,ミラージュ戦闘機がキャノン・レーザー砲(戦闘機に積めるこんな兵器あるのか?)でUFOを撃墜し,2名の異星人が回収されたという「カラハリ事件」と呼ばれる事件である.
あの矢追さんも,91年の特番「生きた宇宙人が捕まった」の中で大々的に扱っていた.
だけどこの事件,やはり矢追さんには残念だけど,UFO界ではすでにネタが割れていた.
ジェイムズ・ヴァン・グルーネンという南アのUFOオタクが,南ア空軍将校と身分を偽って,自分のパスポートのレターヘッドなどを切り貼りして作った,しょうもない偽文書を,UFO業界にばらまいただけのことだったのである.
――――――p.132-133
――――――
「アイアンマウンテン報告」とは,1967年,雑誌編集者らがでっち上げて刊行した偽の政府報告書である.
本書の序文によれば,最初に企画したのは,後に「ネーション」誌の発行人を務めるヴィクター・ナヴァスキーら.
筆者は,政治風刺のアンソロジーを編集していたレナード・リュイン.
中身は,「戦争なくしてはマクロな国家経済や社会の安定は維持できず,平和はコスト的に見合わない」
と結論付けたものだ.
軍産複合体の肥大に対する批判を,正面からではなく,いわば裏口から行おうとしたもの,と言えばよいだろうか.
当初は,こうした政府報告書が発禁になった,といったウソ話を本にする企画だった.
だが,そのためには「発禁になった報告書」もでっち上げなくては,ということになり,リュインが書き上げたのが「アイアンマウンテン報告」である.
結局,企画は少し形を変え,このニセ報告書をメインに置いて,発禁に至った経緯を別掲文書として沿える,というスタイルになった.
ナヴァスキーやリュインらの意図は,もちろん当時ベトナム戦争への投資を拡大しつつあったアメリカ(北爆開始は1965年)の諸製作をパロっておちょくってやろう,というところにあったはずだ.
だが,問題があった.
この「報告」が,期待以上にもっともらしくできてしまったのだ.
リュインらが集めたブレインは,経済学者でインド大使という行政職の経験もあるジョン・ケネス・ガルブレイスをはじめ,斯界のそうそうたるメンツ.
引用文献も殆ど実在の文書.
しかも,当初の出版元(ダイヤル社)は,これをノンフィクションとして売り出し,新聞からの取材にもシラを切り通したのである.
輪をかけたのが,ユーモアものの好きなガルブレイスが悪ノリして,偽名を使って
「本書は本物である.結論も正しい」
との書評を書いたりしたことだった.
〔略〕
風刺として楽しんだり怒ったりした人もいた一方(ヘンリー・キッシンジャーは怒ったらしい),ニューヨーク・タイムズなどに「本物かもしれない」という記事が出たり,実在を信じ込む人間が,政府高官経験者からも出てきてしまったのだ.
1972年になって,リュインが
「あれは自分が書きました」
とニューヨーク・タイムズで告白して,とりあえず「アイアンマウンテン報告」を巡る騒ぎは落着した.
だが,いったん「トンデモ」化した本書は,更なるトンデモ化の道をひそかに歩み始めることになる.
リュインの否定声明にも関わらず,
「これは真実の政府文書であり,でっちあげだという主張や告白こそ,真実を隠蔽しようとする勢力の陰謀なのだ」
と考える人々が,本書を読み継ぐことになったのだ.
発端こそ違え,ロズウェル的な構造ができあがってしまったのである.
しかも,ロズウェル事件の場合,陰謀説を説くのは一部のUFO研究家とイノセントなファンという,まあ「安全」な勢力である.
しかし本書の場合,信奉者の一部はミリシアを始めとする物騒な主張を心に秘めた極右団体で,「報告」は彼らの読書棚の「おすすめ」コーナーに収まってしまった.
〔略〕
全体として,パロディとしてはあまりに「ハマリ」すぎた(あるいは,くだけたお遊びがない)もののため,読みながらニタニタ笑うというわけにはいかない代物なのが残念.
アート・バックウォルドでも参加させていれば,もっと楽しい本になったろうに,と悔やまれる.
それでも,抑制された文体の中には,ときどき乾いたユーモアも忍び込まされている.
奴隷制再導入の検討もそうだが,核戦争の優れた人口調整機能について触れたところでは,戦争後に放射能耐性の昆虫が大量発生するかもしれないので,国防総省は「鳥の大量飼育を始めている」と述べたり(鳥の放射能耐性はどうする?),戦争廃止後の政治的安定に必要な「外敵」創出のために宇宙からの侵略の脅威を採用するのも一つの手段で,
説明困難な「空飛ぶ円盤」目撃例の幾つかは,実は初期におけるこの種の実験だったということもありえる.
もしそうであるとしても,その結果は殆ど成功と呼べる代物ではない.
(107ページ)
とシレッと言ってみたり,などなど.
――――――p.291-295
――――――
たとえば,〔ロズウェル〕事件の中心人物であるジェシー・A・マーセル元陸軍少佐.
彼はロズウェルの北西120キロにある牧場で発見された奇妙な残骸を回収して,
「地球上のどんな物質とも違っていた」
と証言した人物である.
彼はまた,自分が第2次大戦中に華々しい功績をあげたとか,ジョージ・ワシントン大学で物理学の学士号を取ったとか主張していた.
多くのUFO研究家は,よく調べもせずに,マーセルや他の「目撃者」の証言を鵜呑みにした.
彼らの証言内容は互いに矛盾していたために,研究家達の証言内容も矛盾だらけになってしまった.
UFOの墜落が起きたとされる日もまちまちなら(6月14日説,7月2日説,7月4日説がある),墜落したとされる地点も5〜6ヶ所ある.
墜落したUFOの数も1機だったり2機だったりするし,回収された異星人の死体の数も3体だったり8体だったりする――マーセルは「異星人の死体を見た」なんて言っていないのだが.
ある研究家が調査したところ,マーセルの軍隊時代の経歴は全くでたらめであり,どんな種類の学位も得たことがないことが発覚した.
他の目撃者の証言にも,次々と初歩的な矛盾点が発見された.
どうやら,全てはマーセルの誇張癖から始まった話であり,それに何人ものイタズラ者が便乗して,「私も見た」と言い出しただけらしい.
マーセルが回収した物(錫箔,紙,棒,花柄のテープなど)は,やはりただの気球だったと解釈したほうが良さそうだ.
――――――p.323-324
――――――
たとえば,『グラッジ/ブルーブック報告書#13』なる極秘文書(米軍が捕獲したUFOや,異星人の死体の検死結果について書かれているという)を見たと主張するウィリアム・S・イングリッシュという男.
本人が主張するところによれば,彼は仲間と共にホワイトサンズ・ミサイル試射場の近くに埋められた大型UFOを捜しに行って,ヘリコプターからロケット弾で撃たれて仲間を殺され,その後,合計15回も命を狙われ,そのうちの1回は,警察署から僅か200メートルしか離れていない自宅で,2人の男に短機関銃で15分も撃たれ続けたんだそうな.
それでも生きてるイングリッシュ.お前は『ダイ・ハード』のブルース・ウィリスか?
しかも彼は,ベトナム戦争時代に自分が所属していた部隊の基地が「プノンペンの北のディエンビエンフー」にあったと主張しているんだそうだ.
とほほほ〜.ホラを吹くなら,せめて世界地図を見てからにしろ.
――――――p.325-326
もちろん「元自衛官」であっても同様.
以下のような痛い例もある.
――――――
〔略〕
山本〔弘〕 1作目は『小さな宇宙人』.著者は原田正彦さんですね.
これは,「私は宇宙人に会った」という本です.
こういう本は昔からたくさんあるんですが,なぜこれが今回〔日本トンデモ本大賞に〕ノミネートされたかというと,あまりにもコンタクトストーリーが情けないという点が理由です.
そもそもなんでこの人が宇宙人に遭遇したかというと,
「2億円ほしい,2億円ほしい」
と言いながら夜道を歩いていたからなんです.
何で2億円かというと,流れ星に願いをかけるには「いっせんまんえん」とかでは長すぎて,流れ星が消えるまでに3回願いをかけられない(会場爆笑).
〔略〕
しかも流れ星が出てからでは遅すぎると言うことで,ずーっと言い続けたら,突然,目の前に明るい光がさしてきまして,宇宙人に遭遇するわけです.
そしたら宇宙人が20億円くれるというんです.
すごくいい宇宙人ですね(笑).
その宇宙人が,どうしたらいいかを教えてくれます.
「(前略)これから私が貴方に話す事を,本にしていただくという事です.そうすれば貴方は,貴方が願を掛けた10倍以上のお金を手に入れる事が出来る筈です」(13ページ)
つまり,この本を書けば20億円儲かるって言うんですね.
で,この宇宙人の格好がすごくて,身長は人間の半分くらいで,フリーセックスというか,性に対するタブーが無いので,みんな全裸なんだけど,腰蓑だけは付けている.
皆さん,こういう宇宙人,頭の中で想像してください(会場爆笑).
この宇宙人は日本のことをよく知っていまして,最近の日本人について文句を言っています.
どんな文句かというと,日本人は最近,文部省唱歌を歌わないって起こってます.
〔略〕
そして宇宙人,歌い出します.
「いーらかーの,なみーと,くーもーのなみー」(会場爆笑)
「こいのぼり」を歌った宇宙人って,過去に一度もいなかった(笑).
さらにこの宇宙人,日本の言葉に非常に詳しいんですよ.
「山桜,あれは雲だと多数決」(40ページ)とか
「うどの大木,柱にならぬ」(146ページ),
「立って半畳,寝て一畳」(154ページ),
「敷居を跨げば7人の敵」(168ページ),
「尻の穴まで知り合った仲」(177ページ),
「鴆香も炊かず,屁もこかない」(208ページ)
なんて言葉も平然と使います.
その一方,日本以外のことは詳しくないらしくて,「バミューダ海峡」(67ページ)なんて言葉が何度も出てきます.
〔略〕
それで,この宇宙人が,自分たちの星がいかに素晴らしいかを自慢するんですが,なぜ素晴らしいかというと,ダメな奴はすべて「抹消」してるからだというんですね.
「私達の星では,人口を抑制する為にいろいろの方法を取っています.先ず,生まれた時に,脳と五体に障害が有る者は抹消します.(後略)」(100ページ)
また,6歳になると知能と運動能力のテストをして,能力が劣っていたら抹消してしまうとも言ってます.
どんな基準なのかと言うと,この本の202ページに基準が載っています.
体力のほうでは100メートルを5秒以内で走れること.
20mの高さの木に3分以内で登れること.
川幅20メートルで流速1メートルの川を10秒以内に泳ぎ渡れること.
こういうことが6歳でできないと全部抹消されてしまいます(会場爆笑)
精神面に問題のある人間も抹消されます.
「(前略)『爆発だ.』など言って目をギラギラさせる人間に芸術家を感じるのは,地球人に真の芸術眼が無いからです.
私達の星では,普通の人と異なった言動をする人や,一般常識の無い人は,18歳で抹消されて仕舞いますから,芸術家も学者も一般人以上に常識人で温厚な性格をしています.(後略)」(218ページ)
というわけで,ここにいるパネラーはみんな抹消されてしまいます(会場爆笑)
〔略〕
永瀬〔唯〕 その人,いくつくらいなんですか?
山本 えーと,かなりお年ですね,(本の著者略歴を見て)昭和9年生まれですね.
全員 うあーっ.
山本 「昭和49年,自衛隊を中途退職,3つの会社を興した異色の自衛隊OB」だそうです.
〔略〕
――――――『と学会年鑑2001』(太田出版,2001/1/1),p.192-197
比較的有名なところでは,「ベラスコの告白」なるものがある.
▼NHKが番組を作って,ビデオ化されたくらいの代物.▲
(『NHK特集 私は日本のスパイだった 〜秘密諜報員ベラスコ〜』)
彼が戦時中まで諜報活動を行っていたのは本当のことのようだが,現在証言していることの内容は,ざっと以下のようなものだったりする.
(1) 「アウシュヴィッツの虐殺は作り話」
(2) 「CIA創設関係者は皆,ユダヤ系またはその関係者」
(3) 「ヒトラーは死んでいない.死んだのは替え玉」
(4) 「1945.1.3深夜,マルティン・ボルマンが私を訪ねてきて,それからしばらく南米でボルマンを手伝った」
(5) 「第1次大戦も第2次大戦も,ユダヤ系国際資本同士の勢力抗争が原因」
(6) 「ユダヤ人は世界支配を目指している」
(7) 「ロンメルが自殺に追い込まれたのは,ベルギーに保管中のナチス製原爆を,彼がアイゼンハワーに渡したことが発覚したため」
(8) 「ナチス製原爆は1942.4.21完成.リバプールに投下される予定だったが,ヒトラーが『死体はもう御免だ』と中止させた」
(9) 「広島に投下された原爆は,ナチス製原爆を手直ししたもの」
▼ ……こんなのを諜報源としているようじゃ,そりゃ,日本は完敗するよ.▲
それにしても,よくNHKもこんな番組を作れたもんだ.
『スパイ伝説 出来すぎた証言』(ナイジェル・ウェスト著,原書房,1986.11.5)という本がある.
これは諜報関係の「神話」を検証したもの――同書の中にも,元諜報関係者のアテにならない証言の例が幾つか掲載されている――だが,その終章では以下のように述べられている.
――――――
戦時中の情報活動を巡る神話は,これからも成長産業のごとく増え続けていくのだろうか.
すべての兆候がそのような方向を指しており,しかも最近数年は,以前は知られていなかった組織あるいは活動にかつて参加したとか,あるいは以前は秘密とされていた,あっといわせる英雄的行為を発見したなどと主張する人たちの数が,目にみえて増えている.
〔略〕
相した作り話は,ずっと昔に死亡した人たちが関与していたと伝えられている事柄を基にしていることが多く,証拠の入手がそれだけよけいに難しくなっている.
〔略〕
時に犯される間違いやタイプミスは,最も勤勉な著者あるいは編集者でも気がつかずにやり過ごしてしまうことがあろう.
どんなに歴史家が卓越していても,素朴な間違いというものは皆無ではなかろう.
しかし学者や作家達の中には,あまりに熱心になりすぎて,想像力をあまりにも自由に働かせてしまう人たちがいる.
創作と事実の組み合わせは,読んでいて大変面白く,きわめて人気も高いが,それらが全くチェックされないでいると,歴史を書き直す効力を持ってしまうのである.
いったん論争が間違って始められてしまうと,泥沼化しがちである.
〔略〕
もし神話が人気を呼ぶと,永久に生き続け,歴史的事実として受け入れられてしまうことさえあるかもしれない.
情報関係の分野をこうまで神経症候群にかかりやすくしているのは,以前情報部員や工作員だった人たちが(あるいは,これについては,現役の情報部員や工作員達もだが),昔から「公にする」ことをいやがり,ウソをすっぱ抜くことを渋ってきたからである.
彼らの気持ちはよく理解できるのだが…….
その結果,歴史家や作家は,存在しなかったスパイをでっち上げ,その著書は真面目なノン・フィクションの歴史書の分野に入れられ,自分の話が公式に反駁されることはおそらくないだろうというので安心していられる.
この本では,伝説がいかにして本物の事件の周辺ででき上がっていくかを示してみせた.
作戦がうまくいかなかった時,それに参加した人たちは,誰かが裏切って敵に知らせたのではないかと思う.
人々は罪をきせるいけにえを探し始め,諜報というこみいった世界では,誰かが裏切りの罪を犯したかを推察するのは容易である.
そしてあまりにも早く,その推察は容認されてしまうのである.
――――――
これに個人的イデオロギーや,私怨,責任転嫁,売名的動機等などが加われば,どのようなことが起こるか,想像するのは容易だろう.
消印所沢
▼ 「隅田金属」の事例を見るに,元自というのが何の担保にもならないのを痛感する昨今.
たもやん,また然り,阿久根市長,また然り.
Posted by 名無しT72神信者 at 2010年08月22日
02:08:46
役所の元〇〇というのは,別に専門家の称号ではないからなぁ.
基本的には偉いさんや有名な人は,事務系の仕事で偉くなるので,ジェネラリストばっかりです.
ぶっちゃけて言うと,役所の個別の部門については白書レベルしか知らなくても,事務処理能力と調整能力がそれなりにあればよろしい.
まぁ,それはそれでいいんだが,外で適当なことを言っても,事情を知らない人にとっては権威に見えてしまうからねぇ.
どうしようもないことだけど.
Posted by 名無しT72神信者 at 2010年08月22日
02:13:30
「週刊オブイェクト」◆(2010年08月21日)コメント欄
青文字:加筆改修部分
▲
なお,アイアンマウンテン報告は絶版のため,訳者の山形浩生氏が無料公開しています
:ネオ千曲屋松坊堂 in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
(絶版になったということは,著作権失効を意味しないと思うのだが,はて……?)
消印所沢 in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
【質問】
某所で酷使さんが,
「将兵の日記は公文書じゃないから史料価値が無い」
と言って暴れていたのですが,史料価値はどの程度なのですか?
【回答】
('A`)
多分,「見たくないもの」が書いてあるからだと.
彼らの求める,「偉大なる日本人としてのオレ様の自尊心を満たしてくれる,スーパーすごいエピソード」とか,そう言うのはまず乗ってなさそうだし.
「海軍めしたき物語」なんて読ませたら発狂するんじゃない?
水出して貰うにも賄賂を要求される,なんて読んだら,なんて言い出すのやら.
1,賄賂を要求する奴は在日か帰化人
2,著者が旧軍を貶めるために嘘を書いてる反日サヨク
とか本気で言い出しそうで怖い.
アドバンスト杜聖 ◆REH634FRNQ in 軍事板,2009/06/06(土)
青文字:加筆改修部分
まったくだ,酷使様の意見に従ったら木戸日記もダメになるし,某陸軍将官の日記もダメになっちゃうマイチングマチコ先生.
かなかなかな in 軍事板,2009/06/06(土)
青文字:加筆改修部分
当事者の日記は一次資料だろ.
むしろ問題は,個人の日記や小隊〜大隊の戦闘詳報や連隊史と,師団級以上の記録の記述に食い違いが生じた場合,どうするか?,だと思う.
各論併記するのか,特定の記述を優先するのか?
その場合,どのレベルの記録に重きを置くのか?etcetcetc…
ま,本来の趣旨はともかく,実質自衛隊の戦史資料としての意味合いの強い叢書の場合,資料入手の困難さや,証言者となりうる層が鬼籍に入りつつある事から,師団級以上の部隊の記録が中心になりそうな印象があるが.
ついでに書くと,叢書の存在はもう少し世間に知られてても良いと思う.
個人の日記は紛れも無く一次資料だが,反面その一個人の視点と主観の産物に過ぎない.
その意義を,俎上に上がってる酷使の様に全否定するつもりはないが,ともすればその対極に位置する勢力がよくやる様に,一定の論調の日記のみをピックアップして,「歴史の真実」を語るダシに使ったり,下手をすると日記そのものが捏造されかねない.
共産圏の一部の様に,特定史観のみを正統とする訳には行かないが,曲がりなりにも国家が,それなりの資料を元に纏めた太平洋戦争の通史と言う事で,学界や報道・教育関係者にもその存在を知らしめた上で,より手軽にアクセスできる体制を作るべきだと思う.
話題を戻すとそれ故に,「異説」としての小規模部隊や個人の記録も省くべきでは無いし,電子化により技術的にもそれは可能と考える.
軍事板,2009/06/06(土)
青文字:加筆改修部分
連隊戦史なんて自費出版だから,国会図書館でもそろってないし.
日本中の戦史研究家を総動員でもしないと(笑)
>学界や報道・教育関係者にもその存在を知らしめた上で,
>より手軽にアクセスできる体制を作るべきだと思う.
それが故に作戦解説が簡易化され,戦争指導や全般状況が詳細化するのではないかと…
え?
作戦解説の詳細を書きたくても,それを書けるような戦史教官が不足気味?
な,なんのことですか?
海自には戦史教官がいない?
な,なんの事ですか?
昔は当事者がいたから,戦史教官に頼らずに作成できたから,あれだけのモノが書けた?
な,なんの事でしょう?
日本中の戦史研究家が協力できる態勢でも作れればなぁ…
その為の予算も必要になりますががが
Lans ◆xHvvunznRc in 軍事板,2009/06/06(土)
青文字:加筆改修部分
▼ 当事者の本も,後の研究者の本も,どちらも必要.
当事者しか批判や賛同が出来ないのならば,歴史学の意味が無い.
先に結論が有ろうが無かろうが,それは帰納法か演繹法かの違いであり,大事なのはそのプロセス.
そもそも,年表以外の歴史には,個々人の主観や感情が入り込むもの.
要は個々の著者の質と姿勢,読む人間の心構えの問題.
そのように自分は考えてるな.
軍事板,2011/04/22(金)
青文字:加筆改修部分
▲
【質問】
一次史料を資料批判し,纏めるのが史学って物じゃないのか?
【回答】
しかし,それが過ぎると官制史観になりかねない訳で.
脚注の様な形で異説(要旨及び出典程度)を紹介する位なら構わないと思う.
現行版ですら百を優に越える巻数の叢書は,史書に例えるなら,言わば大日本史や群書類従のような物だと思う.
だからこそ国家事業として行う意義があるのであって,そこからどういう「歴史」を紡ぐかは個人の裁量に任されるべきである.
ただしどういう史観を取るにせよ,一定の権威付けられた,かつ広範な一次資料集は必要だと思う.
軍事板,2009/06/06(土)
青文字:加筆改修部分
一次史料といっても戦闘規模により,何を重視するのかが変動するって事でしょう.
中隊以上の戦闘日誌であれば,それなりの戦術意図を汲めますが,個人日記の場合,上級部隊の意図が見えてこないのも多々ある訳で…
それはそれで極めて重要ですが,叢書というよりは,別のなにかとして纏める方が良いと思います.
Lans ◆xHvvunznRc in 軍事板,2009/06/06(土)
青文字:加筆改修部分
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上記を裏付けるかのように,小島亮・中部大学人文学部歴史地理学科教授も,以下のように述べている.
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まずもって,歴史を勉強しようとするのみか,歴史を勉強してそれを文章に書く,つまり歴史叙述をするときに,素人歴史学者であろうが,プロの歴史研究者であろうが,誰でも共通して言えることは,史料に基づくというのは当たり前なのですけれども,どの史料によって歴史を構成するかという問題が,一番頭を悩ませるのですね.
なぜかというと,単純なことですが,古代・中世は史料が限定された時代とはいえ,それでも史料が結構残っていることは言うまでもありませんし,それには2つのバイアスがかかっているわけです.
わざと残されている史料,つまり政治的意図でもって残されている歴史的記録か,たまたま偶然に事件として残ったか,このどちらかに過ぎないのですね.
大体,歴史書自体がそうではありませんか.
歴史叙述はヘロドトスとかツキディディスから始まったと我々は議論していますけれども,古典ギリシャ・ローマの時代には,めちゃくちゃ沢山の歴史書が書かれまくっているわけで,残っているほうが少ないのですから,ヘロドトスやツキディディスを圧するような歴史書が書かれていたに決まっているわけです.
消え去って残っていないだけであって,なかったわけではない.
ギリシャ悲劇もそうです.
最近ギリシャについて勉強をしてびっくりしたのは,当初アイスキュロスなどのギリシャ悲劇は,1回だけのはずのものだった,つまりテキストとして残す予定のないものだったらしいのです.
一回上演したら終わりだったものが,だんだんテキスチュアルになって,連続上演とかいうことで古典になっていき,古典化された後でまたテキストが変形されるというような歴史があることを,私は最近知りました.
つまり,同じように一回限りのものとして消え去った歴史が,山のようにあって,ヘロドトスとツキディディスから始まったわけではなく,あれは手本として移し継がれたため,ラッキーなことにたまたま偶然残っているだけの話なのです.
徹底的に体系的な一貫した歴史叙述では,ポリュビオスがそうですが,この全40巻から成るらしき超大作『歴史』にしてからが,半分程度しかテキストは残存していません.
残されている史料に基づいて歴史を研究しろと言われても,バイアスがかかっているという部分は払拭できません.
おまけに,そういう史料をどうやって読みこなすのか.
史料批判をした上で,歴史認識に基づいて叙述するというとき,どういう史観と方法で構成するのかは,多種多様です.
歴史を書くという作業は,夜空の星のような可能性がありえるのですね.
------------小島亮「歴史学の終焉 制度的歴史学の崩壊によせて」 in 『アリーナ 2010年 第10号』(中部大学編・発行,2010.12.25)p.63-64
一次史料に過度に寄りかかりすぎるのも,問題があると言えよう.
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【質問】
もしかして,「自衛官」が詳しいのは目の前のことだけ?
一歩退いた目線とか,客観的な資料を使いこなす能力は,持ってないし持つ必要もない?
そういうのは研究者の出番?
【回答】
>一歩退いた目線とか客観的な資料を使いこなす能力
CGSあたりからは,そういう能力も必要になってくるよね.
だって高級幹部は,先をみて作戦を立てる必要があるからね.
さらに我だけじゃなく,敵も知らなきゃいけないし,最近は統合作戦の必要性があがって,
陸は海空の
海は陸空の
空は海陸の
それぞれの特性や戦術を理解しなくちゃいけないから.
ちなみに例のぷろふぇっさーは,
「海軍は陸軍の側面支援を理解して,通常,地上部隊指揮官は,艦隊が地上部隊の支援を行うことが前提として予想される場合,全般の指揮を執るべきである」
って言ってる.
目の前のことだけじゃ指揮もできなけりゃ,作戦も立てられないよね.
にはは
Lans ◆xHvvunznRc in 軍事板,2010/08/29(日)
青文字:加筆改修部分
【質問】
現地のことは,現地に長くいる人に聞くのが一番では?
当事者でなければ分からないことを,素人が周辺情報や机上の知識で議論するのは無益では?
【回答】
〔略〕,現場がどうこう言ってるけど,記者経験から言わせてもらえば大きな事件の場合,現場の人間は目の前の事実=断片しか分からないんですよね.
大勢の記者から上がってきた情報を,デスクが集積して分析して記事ができるんです
(それで大マスコミはあれか,という非難は当然ですが,今回は脇に置いときます).
そう考えると〔略〕,後方で現場から上がってきた情報を精査する立場のほうが,事実の全体を理解できるわけですよ.
〔略〕
kz in mixi,2008年09月06日 06:10
▼ 例えばこんな事例もある.
■The Panama Deception [1992年 バーバラ・トレント監督]
解説:1993年度アカデミー賞ドキュメンタリー部門最優秀賞受賞作品.
1989年のパナマ侵攻を中心に,アメリカのパナマへの関与を描く.
なお,NHKがこれを1993年6月12日に放映している.
内容は非常に真面目なドキュメンタリーだったのですが,パナマ侵攻について,現地住民へのインタビューで耳を疑うような証言が・・・
『アメリカ軍は新兵器「レーザー光線」まで使ったんだ!』
『光線を浴びてドロドロに溶けてしまった人もいるよ』
『レーザー光線は車もまっぷたつにするんだ!』
注)本当に放映された番組です.(ネタ元:ユタカテレビ)
現地住民の証言といものが如何に当てにならないか,というか麻薬中毒患者にインタビューしてどうする・・・というドキュメント.
「週刊オブイェクト」,2005年01月10日
青文字:加筆改修部分
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【質問】
「デマ」の定義は?
【回答】
広辞苑によれば,以下の通り.
――――――
<流言蜚語> 根拠のないのに言いふらされる,無責任なうわさ.デマ(デマゴギーの略).
もっとも,「根拠」といっても,月刊ムーやら英「サン」紙やらといったような,平均的信頼性がゼロに等しいものを持ち出してきて,
「これが根拠だ!」
などと言い張っても,認められることはまず無いだろう.
【質問】
デマというものは,なぜ広まるのか?
【回答】
時間とともに信憑性のない根拠だということが忘れられ,内容だけ覚えているために生じる.
スリーパー効果
http://www8.plala.or.jp/psychology/topic/settoku3.htm
http://www.geocities.jp/justice_of_monkey/syakaisinri/341.htm
後は,多数の人が取り上げているからという「社会的証明」.
「○○はそういう奴らだ」というビリーフ(偏見)もあるかも.
Posted by 名無しT72神信者 at 2007年05月01日 15:40:33
スリーパー効果の名前が挙がったので,それに関するホブランドらの実験を,菊地聡助教授著の『超常現象をなぜ信じるのか』から引用.
ホブランドらは大学生を二群に分け,「新しい薬の効果」や「原子力潜水艦の建造」「鉄鋼の不足」といったいくつかの話題についての情報を与えました.
違っていたのは,片方の群にはその情報がそれぞれの専門の医学雑誌や,専門家の見解といた信憑性の高い情報源から与えたのに対し,もう一群には同じ情報を大衆雑誌や偏向した新聞記事といった,信憑性の低い情報源からの情報として与えたことです.
直後に大学生の態度変化を調べた結果は,常識から予想できるとおりでした.
つまり信憑性の高い情報源の場合は,約二十四パーセントがその譲歩によって,自分の意見を変えましたが,信憑性の低い情報源の場合は,わずか七パーセントしか自分の意見を変えなかったのです.
ところが,ここから実験は意外な展開をします.
ホブランドは四週間後にもう一度,これらの大学生の意見変化を調査してみたのです.
すると今度は,信憑性が高い情報源によって意見を変えた人の割合は約二十四パーセントから十三パーセントに減少し,逆に信憑性が低い情報源で意見を変えた人は約七パーセントから十四パーセントに増加していました.
Posted by 名無しT72神信者 at 2007年05月01日 16:34:38
多くの情報が押し寄せてくる場合,早い段階で得たものを重視する傾向もあったりしますね.
いわゆる「刷り込み現象」ですが,こういうケースは否定派に対して感情論になりがちだから厄介.
Posted by 名無しT72神信者 at 2007年05月01日 23:39:52
物事の考え方だと,この辺を読むと良いかもしれませんね.
・奇妙な論理
マーティン ガードナー
・なぜ人はニセ科学を信じるのか
マイクル・シャーマー
・思い違いの科学史
共著
いわゆる都市伝説の発生パターンの解説なんかは,これなんかもいいですね
・悪魔のほくろ
ロルフ・ヴィルヘルム ブレードニヒ
まあ,この手の良書は結構読んだけど,我ながら身についてるとは言えない・・・
Posted by 名無しT72神信者 at 2007年05月02日 01:54:45
まあ,人間が全ての知識を有することができない以上,デマは決してなくならないでしょうねえ.
全てを自分で知ることができない以上,信頼できる人の情報を信じるしかないわけなんですが,その信頼できる人が,いろんな理由で正確な情報をくれるとは限らないんですよねえ.
しかし,信頼してる人のいうことだから,ということで信じてしまうし,広めてしまう.
信頼できる人をきちんと見分ける能力と,ときとして信頼できる人を疑うことが必要なんですが,時としてここら辺が完全にぶっ壊れてる人がいるんだよなあ.
明らかに専門が違う,大会社の社長が,新聞社の記者が,名誉教授が,小説家が,言ったからというだけで,専門分野の人の言を否定する人間てのはいるからなあ.
ホホイ語の「原稿料いくらもらってると云々」「匿名ブログ云々」は,ここらへんの理由からも出てるだろうし.
2chのを信じてしまう人々ってのは,今まで信頼できる人だったマスコミが,意図的に情報をゆがめるものだとわかって,別の信頼できる人に依存しようとした結果,マスコミをあばいた2chに依存してるんでしょう.
主催者自ら玉石だと言ってるようなもんの2chを.
複数,信頼できる人を持てばいいんですが,えてして同じ枝につながってるだよなあ.
Posted by 名無しT72神信者 at 2007年05月03日 01:59:50
以上,「週刊オブイェクト」コメント欄,2007年05月01日付より
K・Yって だれだと君が言ったから 4月20日は珊瑚記念日
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`゙:゚`.゙:..`.゙:‐'゙Copyright 1989.4.20 AsahiShimbun.`
http://asahilog.hp.infoseek.co.jp/
【質問】
「間違った知識やデマを広められるのは嫌だ」っていう考えが,結果的に「相手を否定する」事にしかなっていないのが嫌なんですが.
【回答】
あー,まさか君は「意見を否定するのは人格を否定するのと同じだ」と思っているのかい?
それは違う.
JSFは,意見は否定しても相手の人格まで否定することは殆どない.
少なくともブログの記事上では見受けられないな.
相手の意見の否定と,相手そのものの否定は違う.
間違った意見は否定される.
それが議論だろう?
JSFの相手はそれが分かって無くて,意見が否定されたら人格が否定されたと思い込んで逆上し,自爆していくパターンが非常に多かった.
そんなのは自業自得だと思うが.
人格否定と言ったら,むしろ白燐弾の話題で衝突した「はてサ」の連中のお家芸だわな.
連中は,誤っている点を指摘されただけで,その行為に勝手に政治的立ち場を見出して,ネットウヨだ侵略加担者だと攻撃してくるし.
経済学の見解の違いでホロコースト呼ばわりだの,橋下府知事の政策は福知山線脱線を原因と同じだの,牽強付会が過ぎる.
戦争反対・人命尊重の声を上げるのは結構だが,不確かな認識と強引な手法によって
行動している以上,批判はまぬかれないと思うわ.
というか,JSF自身のスタンスに歩み寄りの余地はないでしょ.
それを根本的な問題とみるか,相手も歩み寄る余地がないかの問題.
ぶっちゃけ,JSFのスタンスで一番穏当なのは,注意メールを数回投げて,後は放置プレイ.
で,どれだけ効果あるのか?
ネットの歴史上,まともな効果はないね.
正直ネットに,この手の情報を公開している場合は,「自分が正しい」というスタンスで全世界に発信していると考えて間違いじゃないんで,謝って手直しするのって,よほどの度量が必要.
となると,”まともな対応”が殲滅戦になるのは必定で,それを常識人が不愉快に思うのも”必定”.
JSFは常に正論を述べる正義の人だからな(棒読み).
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
自分で理解しているのならそれでいいじゃない.
俺からすりゃあ,それ以上はなんと言い繕おうが,自分の楽しみでやってるんじゃないのか?って感じてしまうのよね.
そんで,更にその印象を悪くしているのが,相手のblogに突撃する(最近はどうなのかわからないけど))皆様.
傍から見ている人間からすりゃあ,どっちが正しいかはとにかく,態々相手の信条を捻じ伏せに行く光景を見て気分がいいとは思わない訳で.
【回答】
要約すれば,
「間違った知識が広まろうが,自分が正しい知識を持ってるならそれでいいじゃん」
ってことだな?
あんたがそういう思想信条を持っているのは別にかまわんよ.
だからといって,それを他人にも要求するのは,あんたが否定している「他人の信条を捻じ伏せる」という行為に他ならないんじゃないか?
それにここでこんな議論をしているのも,あんたの否定する「わざわざ衝突する必要はない」ってのにも反しているんじゃないか?
それに,
「自分さえ正しい知識を持っていればそれでいい」
ってのは,いったい誰がその知識の「正しさ」を担保してくれるんだ?
間違った知識を持っている人も,「自分は正しい」と思ってるんだぞ.
議論をすることによって正しい知識を得ることもよくあることだ.
「自分さえ正しければそれでいい.わざわざ衝突する必要はない」
という姿勢は,自らを正しさから遠ざける行為だと俺は思うよ.
unknown
▼
さらに言うと,風説の流布って怖いんだよ.
もう随分昔,某信用金庫の取り付け騒ぎが有ったんだけど,事の発端は,高校生だかの通学途中での何気ない会話だったんだ.
そして,最終的にデマだと分かったんだけど,その信用金庫は終日仕事にならなかったそうだ.
なぜ噂の出所を突き止められたのか忘れたけどね.
古くは関東大震災の時の「ちゅうこえん,ごちゅうせん」事件かな.
軍事板,2010/10/03(日)
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▲
▼
ちなみにこの類の議論は,昔からあったようで,以下のようなエピソードも残っている.
――――――
孟子は当時すでに,雄弁家であるという評判が立っていたので,門人の公都子が,それをいささか不満に思い,
「なぜ先生は弁を好まれるのですか」
と質問したことがある.
すると孟子は,
「自分は決して弁を好むわけではない.
やむを得ないのだ.
[中略]
自分は人の心を正し,よこしまな説の流行をやめさせ,偏った行いを塞(ふせ)ぎとどめ,でたらめな言論を追放して,禹(う)・周公・孔子の所謂三成人の精神を受け継ぎたいと思っているだけであって,あえて弁を好むわけではない」
――――――岡田武彦『岡田武彦全集15 東洋のアイデンティティ』(明徳出版社,2007.5.17),p.72
▲
【格言】
「真実が靴を履く間に,ウソは地球を半周する」
by マーク・トゥエイン
【珍説】
国内のCIAエージェント
909 名前:名無しさん@お腹いっぱい.[2009/04/14(火)
11:45:12 ID:N2xNtNeL]
>>899
米国,英国,オランダ各大使館
西武系企業
IOC(日本オリンピック統一協会)
JFA(日本サッカー統一協会)川淵三郎,山本正国
【事実】
IOCやJFAを「統一協会系の組織」って,何を根拠に・・・.
川淵三郎日本サッカー協会名誉会長は,どちらかと言えば中国寄りの人でしょうに.
ユダヤ陰謀論者は大半が,「アジア連携」だの「日中同盟」だの主張している人ばかりですが,川淵氏が中国寄りだってのを知らないとは・・・.
中国という隣人: 日中友好のために餃子を食え
この川淵氏の行動には私も疑問に思う事がありますが,少なくともCIAのエージェントではないなあ・・・.
川淵氏はこの発言で,ブロガーや2ちゃんねらーにかなり叩かれました.
その事を,ネットにいつも貼りついている陰謀論者が知らないわけはないはずなのですが.
それにもし,JFAが統一協会絡みだとすれば,FIFAランキング(私はこのFIFAのランキング自体がナンセンスだと思っており,廃止を強く主張しているのですが)で,何で日本が,統一協会系クラブ「城南一和」の選手も代表入りしている韓国より上なのか,理解できません.
FIFA 世界ランキング / サッカー - TSP SPORTS
このランキングに頼らなくても,この前のFIFAワールドカップ南アフリカ大会では,日本は2勝1敗1分けの得失点差+2,韓国は1勝2敗1分けの得失点差-2の結果になったのか,不思議で仕方ありません.
バルセロニスタの一人 in mixi,2010年07月21日11:31
▼>JFA(日本サッカー統一協会),山本正国
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人間力と同時に国語力もつけないと.
ぎんなんそう in 「軍事板常見問題 mixi別館」
2010年09月15日 21:59
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