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(画像掲示板より引用)
「D.B.E 三二型」(2011-12-12)◆ 掃除してたら火縄銃でてきた
「クーゲルシュライバー」◆(2014/01/16) 盗まれたのは居合で愛用してた模造刀と,こっちは愛用中の模造刀と脇差のセット
【質問】
'04年4月号の「軍事研究」の記事に,米兵の発言で,
「12.7mmの狙撃銃で給水塔の上のイラク兵を狙撃したら,体が二つにちぎれて上半身だけが下に落下した」
と言うような事も書かれているんですが,このような行為は「不必要な苦痛を与えるもの」として,戦争犯罪になる可能性があると言うことでしょうか?
【回答】
1907年制定のハーグ陸戦規定によると,
「特別の協約により禁止された措置に加えて次のものが殊に禁止される.(中略)
不必要な傷害を与える性格をもつ武器,発射物,素材を用いること(後略)」(第23条)
またジュネーブ条約追加第一議定書には
「その性質上過度の傷害又は無用の苦痛を与えられる兵器,投射及び物質並びに戦争の方法を用いることは,禁止する」(第35条第2項)
という一文があり,これらを根拠として人体に対して過剰な破壊力を持つ大口径銃を狙撃に用いることを禁止していると解釈されています.
www.yale.edu/lawweb/avalon/lawofwar/hague04.htm
ただ,上記の通り,これはあくまでも解釈論であり,大口径銃の対人使用禁止を明確に謳ったものではありません.
ダムダム弾のように禁止が明文化されているわけではないのです.
同記事は,1kmを超える距離でRPGかなにかを持った敵兵を狙撃したのだったと思いますが,その距離で有効な小火器は12.7mm程度しかないわけですから,RPGによる被害を防ぐためには,他に「より苦痛の少ない」選択肢はなかったと思います.
それを戦争犯罪と言われてしまうと「ではだまって撃たれろというのか」ということになりますから,まず有罪にはならないでしょう.12.7mmがなければ対戦車ミサイルでも何でも使用してOK,ということです.
使用者(米軍)が
「これはあくまでも対物狙撃銃であり,緊急かつやむをえない使用である」
と抗弁すればそれまででしょう.
1980年に採択された特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)に関する会合の中でも,「小口径兵器及び弾薬への取り組み」は引き続き非公式会合を行うとされているのみです.
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/arms/ccw/ccw.html
(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE,System他)
【質問】
別項の記述によれば,
「対戦車ライフルは現在では対物ライフルと名を変えて, 人や軽装甲車などを狙うライフルとなっている」
そうだが,これは
「これらを根拠として人体に対して過剰な破壊力を持つ大口径銃を狙撃に用いることを禁止していると解釈されています」
ということと矛盾してません?
【回答】
12.7mm対人使用問題を含めてですが,次のように考えてください.
1.
国際法上問題,といっても世界の国すべてに適用されるまとまった法律などないので,実際には多国間条約について,批准国がその条約に違反するかどうか問題になる.
それ以外の国はなにをやっても違法ではない.
ただし,多くの国が加盟し,批准しているような条約に反する行為を行えば,政治的外交的に大変不利なことになるだろう.
2.
批准国が明確に条約を破っても,これを処罰できる超警察は存在しない.
できるのは「条約破り」の認定だけであり,そこから先は他の国がどのように合議し,行動するかにかかっている.強力すぎる国家が相手なら泣き寝入りもありえる.
3.
条約破りの認定自体,困難なことも多い.
例えば領空侵犯したから撃墜した,と主張する場合,レーダーの記録を提出しろといっても,「国家保安に関わるから」提出しないと言われたらそれまで.強制的に立ち入って査察することはできない.
さて,ここから本筋に入るが,
4.
条約は広範囲の対象を含むことが多いため,条文は得てして抽象的である.
このため,具体的な行為が条約を破っているかどうかは,個別に判断する必要も出てくる.
ある国家が,他の国家の行為を条約違反だと抗議することから始まるわけで,もめれば紛争(戦闘と限らない) となり,国際司法裁判所の判断をあおぐことになる.
これまで12.7mm弾を対人使用された者(が属する国家)が,使用した側をハーグ陸戦条約(を含む多国籍間条約)に反するとして抗議し,国際司法裁判所に提訴した例はない(私は知らない).
このため,12.7mm弾の対人使用が(いわば)合法か否かは不明というのが正しい.
ただ,PKF部隊が対狙撃兵用に12.7mm狙撃銃を公然と配備し,マスコミにも流されていること,大口径銃による対人狙撃を明確に禁止した条約は存在しないことから,12.7mmによる対人狙撃が(いわば)違法だと決め付けるのは間違いである.
軍事板,2005/07/02(土)
青文字:加筆改修部分
警察はなくても裁判所はあるが,国家権力はない.
どういうことかというと,「紛争になり」までは正しい.
しかしこれを国際司法裁判所に提訴するためには,相手国の同意が必要.
言い換えるとICJは,当事者双方が同意により解決を委ねた場合にのみ機能するので,国内法でいう「仲裁」に近い.
相手が同意しなかったらどうするかというと,どうしようもない.
もちろん非難したり経済制裁したり軍事制裁したりすることは可能だが,これはすべて「自力」.
納得した第三国が協調してくれるかもしれないが,いわば助太刀であって「自力」.
超警察がないというのはそういう意味.
ところでICJ判決が出れば法解釈が確定するかというと,はっきり覚えていないが,各国にその解釈に従う義務が発生するわけではなく,事実上大きな価値を持つ先例にとどまったと思う.
いずれにせよ違法と判示した先例がないので言い切れないという結論は妥当ではないかと思う.
一応法律屋だが,国際法を勉強したのはだいぶ前なので,参考程度に.
軍事板,2005/07/02(土)
青文字:加筆改修部分
【質問】
「その他目標に命中した際に意図的に変形する事を目的とした弾丸の禁止」
M74とかM855とかはこれに当たらんの?
【回答】
M74は「ロケット弾の子弾」であって「弾丸」じゃないのでおっけー.
それが駄目なら,榴弾は全部駄目ってことになる.
M855はスチール弾芯の「徹甲弾」だから.ちゃんとフルメタルジャケットになってるし.
M855の高い対人威力は,「人体命中すると弾丸が「バランスを崩して」人体内で回転する」ということで,「弾丸自体が変形する」わけでないのでおっけー
・・・ということになっている.
グレーゾーンだとは思うが,あくまで「弾丸自体は変形するようには作ってない」ので,規定には触れない.
【質問】
今日,12番ゲージの散弾(未使用)を2発拾ったんだけど,どうしたらいいかね?
【回答】
最寄りの警察に届けるのが無難でしょう.
そのまま持っていると,火薬類取締法違反になる.
以前同様の経験があるんだけど,そのときは警官がどういうわけか俺を疑って,
「そんな状況でどうしてこの弾が落ちてたんでしょうねえ?」
なんて言われた覚えがあるよ・・・
そんなに俺は不審に見えたんだろうか・・・
装弾を禁漁区内の林道で拾ったのね.
でも俺の見かけが不審だとしても,本当に不審な奴はわざわざ交番に届けないと思うがなあ.
「今日は銃声は一発も聞こえてないんですがねえ」
とか言われて,ガックリしたよ.
警官は疑うのが商売みたいなところあるなあ.
俺の家も泥棒入られたんだが,自分の思い違いで通報が遅れただけなのに,狂言だとぬかしやがった.
【質問】
銃砲の所持の許可を持ってる人は,極端な話ではありますが,M−16や,カラニシコフを国内で所有出来るのでしょうか?
恐らく,猟銃が殆どでしょうが,銃砲という部類であれば制約が無いのであれば,マシンガンや,映画で出てきそうなバリバリの狙撃銃なども所持しても合法かなと.
で,意外と銃砲店では,アメリカのガンショップさながらに,そういうものを平気で扱ってたりしてたらびっくりやなと思いました.
「自分の知らない日本」が銃砲店の中にはあるのかな?とか思いました.
どなたかご存知でしょうか?
【回答】
本来は軍事板向けの質問ではないが……
M−16もカラシニコフ(AK47)も,オリジナルのままではその法規制に引っかかるので所有(というか,日本国内への輸入)は出来ません.
銃砲刀剣類所持等取締法により,日本で合法的に所有できる銃器には色々と規制があるため.
日本ではフルオートは所持禁止,散弾銃は三連発まで可.
また装弾数も,散弾を用いるものの場合,2発+1まで.ライフル銃の場合は5発+1まで.
口径は6ミリ以上.
そういう大まかな規定があるので,M−16は5.5oなのでアウト.カラシニコフも装弾数でアウト.
改造すればいいが,それでも許可が出ない可能性が高い.
何故かというと,所持許可出した後で,また連射できるように,元に戻されてしまったらダメだから.
これは日本に限った話ではなく,拳銃は無条件で持ってよい国でも,自動火器は禁止と言う国は珍しくない.
もっとも日本では,県警によってはピストルグリップも許可にならないが.
狙撃銃と狩猟用ライフルは同じモデルの場合もあるので,レミントンM700なんかは国内で狩猟に使ってる場合もある.
ただし散弾銃を10年以上所持していないと,ライフル銃の所持許可は下りません
所持していて使ってない場合は,持っているなら撃てやゴルァ!と更新のときに文句言われる.「使っていない銃は廃棄するように」ということですな.
なお,濃い実銃マニアさんの中には,M16を強引に改造して,合法的に所持している人がいる.
セミオートしかできないように改造し,口径を6.5mm以上にするための特製バレルと交換し,特注の5連マガジンを付けて・・・
もはや別物になっていますが.
ただし,警視庁の通達(法的根拠なし)によれば,「軍用銃に特徴的に見られる」「外形」が不許可事由になる
http://www.fareast-gun.co.jp/column/images/himitu/org01.jpg
http://www.fareast-gun.co.jp/column/images/himitu/org02.jpg
ので,今日ではそのような改造をしても,許可されるかどうかは…….
軍事板
【質問】
明治維新前に作られた銃(古式銃)は美術品という扱いだそうですが,つまり銃の免許なしで持てるということでしょうか?
わたしが火縄銃買ってきたら,すぐにでも撃てるのですか?
(もちろん街中じゃなくて射場とか,場所は選びます)
【回答】
銃刀法では
・この法律において,「銃砲」とは,拳銃,小銃,機関銃,砲,猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬銃砲及び空気銃(圧縮ガスを使用するものを含む.)をいう.
なので,火縄銃だろうが14世紀のシールドガンだろうが銃砲の範疇に入る.
一方,古式銃とは,1867年以前に作製・あるいはは日本国内に持ち込まれた銃のことを言います.
銃の所持に免許はいりませんが,銃自体は「古式銃」としての登録が必要になります.
ただし,銃の発射方法等によっては,条件を満たしていても古式銃として認められない場合があります.
実際に発砲するためには事前に公安委員会の許可が必要になる他,射撃が許可された場所も非常に限られているようです.
軍事板
土蔵のある家は覗いて見るといいよ.
前に刀が17本出てきた.
あと,種子島一丁,リボルバー一丁.
弟のクルマで警察に仮申請に行ったら,本数と寸法メモっただけで,「持って帰れ」って言いやがんの‥‥.
当然留め置きだと思ってたから,クルマ帰しちゃってて,シーツに包んだ日本刀+種子島抱えて,京浜東北線で帰った‥‥
17本の大部分が脇差しか短刀だったので,何とか持ち帰れたけど,それでも30キロ近くあったと思う.(^_^;)
つらい体験であった‥‥(泣)
リボルバーは1870年代(推定)のフランス製でしたが,パーカッションでしたのでかろうじて規制対象を外れて
た.
ちなみに,その話を親戚筋にしたら,二,三ヶ所から
『どうして早く言ってくれなかったんだ.せっかく,うちのを世に出すチャンスだったのに‥‥』
という声が‥‥
戦後50年,まだまだ隠匿されている日本刀はありそうです(笑)
【質問】
フルメタルジャケット弾の使用強制はハーグだったっけ?
【回答】
「ダムダム弾の禁止に関するヘーグ宣言」と「陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約(ヘーグ陸戦条約)」
は別物ですので為念.
前者は1899年,後者は1907年の締結です.
(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)
【質問】
電磁砲は許可無く使っても法律には触れませんよね?
理論的には,リニアモーターカーと大差無い訳ですし.
【回答】
現行法を文字のまま解釈するなら触れない.
(現行法だと,弾丸を装薬,もしくは空気で撃ち出す機構があるものを『銃』と定義するため)
ただ,無許可で作って見つかればやっぱり警察沙汰にはなるだろうし
あとは裁判所での争いになると思うよ.
【質問】
コンピュータ関連で言うとCOMPUETXのような,公衆に向けた新兵器の発表会があるじゃないですか
ああいうところで発表された兵器は,個人でも買えるのですか?
12.7mm対物ライフルなど,明らかに「これいいんか?」というようなものまで出展されてますが.
【回答】
ミリポルやディフェンドリーなどの公官庁・法執行向けの兵器ショーの事でしたら,これは政府や軍隊の関係者やマスコミにしか公開されていないです.
また,ショットショーなどの民間用の展示もあるイベントでは,軍や警察での採用は箔が付くので,売るかどうかは別にしてデモンストレーションで展示しているのです.
余談ですが,米国では装弾数の制限をする法律は既に失効しているので,そちらの問題はないです.
12.7mm弾薬については.50BMGが民間での所持が禁じれたが,似たような物で法律をクリアした新型弾薬が普及しているのが現状だそうです.
三等自営業◆LiXVy0DO8s
【質問】
フルオート射撃ができる銃は民間人でも撃つことが許されるのかな?
【回答】
基本的にフルオート射撃ができる銃は軍用であり,民間モデルとする場合には,この機能を無効にした別モデルとして販売される.
通常は射撃場でも撃てるが,射撃場によっては(あるいは自治体によっては),ライフルのような強力な銃の射撃の射撃に制限が設けられている(ピストルしかダメとか)こともある.
フルオートの銃となると,アメリカでも州によって所持自体禁止されているところも多く,当然その州では射撃場でもダメだし,所持がOKでも射撃場ではダメとか,特定の場所でしかダメとか,制限がかかっていることが多い.
フルオート射撃を試したからってら,そのあたりがアバウトなタイとか韓国とかに行く方がいいでしょ.
軍事板
青文字:加筆改修部分
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