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◆◆車輛
<◆地上戦関連
<兵器FAQ目次


◆◆◆総記


 【link】

「militaryphotos.net」:Destroyed tanks

 読んで字の如く,“破壊された戦車”の画像集.
 第1次チェチェンン紛争時のロシア戦車関連の画像があります.
 ただし幾つかグロテスクな画像もあるので,見るときは注意してください.

――――――CRS@空挺軍 in mixi,2008年08月03日06:34

MISSING LINKS(AFV模型総合,英語)

TANKS!

www.jagdtiger.de(博物館の戦車,英語&独語)

]−(戦車)

映画の中の戦車

戦車研究室(相互リンク)

正しい戦車の動かし方 (from 「笑ちゃんねる」)

電脳戦闘団(装甲列車)

「ワラノート」:この戦車強そうにしてください><

「 ワレYouTube発見セリ」:BGM-71 TOW missile

「ワレYouTube発見セリ」:C-5ギャラクシー輸送機によるM551シェリダン軽戦車の投下

「ワレYouTube発見セリ」:Challenger 2 MBT

「ワレYouTube発見セリ」:Hummer Rollover

「ワレYouTube発見セリ」:leopard 2 vs T-90

「ワレYouTube発見セリ」:US Army: M1 Abrams Tank action!

「ワレYouTube発見セリ」:M109A6 Paladin

「ワレYouTube発見セリ」:M50 Ontos

「ワレYouTube発見セリ」:M60 AVLB (M60装甲架橋車)

「ワレYouTube発見セリ」:Marder IFV

「ワレYouTube発見セリ」:Mountain Warfare M113 Gavins with 120mm Mortars (120mm迫撃砲搭載のM113装甲車両)

「ワレYouTube発見セリ」:XK2(韓国)・Leclerc(フランス)・90式戦車(日本)の各MBTの自動装填装置

●レオパルド戦車

「ワレYouTube発見セリ」:Czas Profesjonalistow - 10 Brygada Kawalerii Pancernej (2) (ポーランド陸軍,レオパルド2A4戦車)

「ワレYouTube発見セリ」:Greek Army Leopard 1A5 Tank

「ワレYouTube発見セリ」:Greek Army Leopard 2A4

「 ワレYouTube発見セリ」:Leopard Tank

「ワレYouTube発見セリ」:Leopard 2 MBT

「 ワレYouTube発見セリ」:Hellenic Army Leopard-1A5GR& Xanthi Firing Range


 【質問】
 日本国内で,海外で放出品となった戦車・装甲車などを走らせることはできますか?
「お城やクルーザーを買いませんか?」
というDMが送られてきたのですが,その中にこのような内容があり,質問しました.

 【回答】
 戦車・装甲車でも,武装を完全に取り除いてある場合,法的には中古外車扱いになりますから,理論上は輸入可能です
 しかし中古輸入車は,日本国内関連法の法基準に合致するように改造し,そののち国土交通省の認可を受ける必要があります
 年間50台未満の輸入車には優遇措置がありますが,この措置を適用しても,諸手続きの経費としてだいたい1000万円ほどかかります.


 【質問】
 戦車シミュゲーをやっていると,第二次世界大戦の戦場では列車の線路がたくさんあります.
 そこで気になったのですが,戦車が線路を踏みつけた場合,線路は傷ついたり,場合によっては潰れて破損してしまい,列車の走行に支障をきたしてしまうのではないかということです.
 さらに,大戦中,戦車乗りたちはそういうことに気をつけるように伝令を受けていたりしたのでしょうか?
 またあのような激しい戦闘の最中に線路のことなんかに気を配っていられたのでしょうか?

 PS
 実際キャタピラで線路が破損していないかどうかのチェックは行われていたのでしょうか?
 キャタピラで破損した線路が原因で列車が脱線するなど事故が発生した事例はあるのでしょうか?
 戦場の線路についての疑問は尽きません・・・

 【回答】
 線路の傷よりも,路床の崩壊の方が深刻なダメージとなるでしょう.
 ただし,国内が戦場になってしまうような事態なら,輸送力の確保は最優先事項であり,多少の障害があっても運行するかも知れません.

 とはいえ,戦闘で線路が損傷するのも天災で損傷するのも,復旧に関する技術的な問題は同様ですので,自力で鉄道を運行管理できる組織なら復興も可能です.

 戦車乗りが行動地域のインフラを保全するか否かは,その時の状況によります.
 線路を強行的に横断せねばならないような状況は,それなりに緊迫していると考えられますので,おそらく気にせず渡るでしょう.
 それでも線路を保全しなければならない必要があれば,事前の行動命令に含ませて下達されるでしょうが,その命令が伝令形式で伝えられるとは限りません.


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 【質問】
 イラクに展開している米軍の車両が,誤射を防ぐため,「戦闘識別パネル」というものを取り付けているそうですが,写真を見ると,ただの波板にしか見えません.
 どういう仕掛けがあるのでしょうか?

 【回答】
 アレは赤外線で観ないと意味無いんです.
 こんなカラクリになってます.
 つまり,サーマルイメージセンサーを通してみると熱い車体の真ん中に温度の低い部分が出来るんで,敵味方識別に使えるって言う形式です.
 つか,戦闘識別パネルで検索すれば,CIPって言う名称が出てくるんだからそこからさらに検索しなさい.
 「cip combat panel」でトップに出たぞ.


◆◆◆自走砲


 【質問】
 戦車自走砲ってどう違うんですか?

 【回答】

戦車・・・・・ 装甲した車体と強力な砲を備え,その強力な砲で敵を攻撃する車両.
砲は敵装甲車両の装甲を直接照準射撃で正面から打ち抜く事を求められ,装甲はそれらを正面から受け止める事を求められる.
 
自走砲・・・ 自立移動能力を備えた砲.自分で動ける牽引砲と考えて良い.
間接照準射撃にて,目標を面で制圧する任務を持つ.
目標に対し,短時間でより多くの砲弾を発射する事が求められ,射撃終了後は,速やかに移動出来る能力を持つ事が求められる.
支援的任務が主とされる為,装甲は破片,小銃弾を防ぐ程度しか装備していない.

 【質問】
 自走砲は対戦車戦にも使うものなんですか?

 【回答】
 自衛のために直射能力を持つ自走できる榴弾砲は,現代でも多いです.
 また,その国の教義によっては,砲兵が積極的に直接前線の部隊に協力して,直射で敵を攻撃するとしているところもあります.

 ちなみに第2次世界大戦の昔は,自走砲の範疇に,対戦車自走砲という対戦車を専門とするものがありました.

 次に間接射撃についてですが,今の自走できる榴弾砲は戦車を含む敵部隊に対して射撃をすることはあります.敵の頭上で砲弾を炸裂させ,当った破片の大きさによっては天蓋を貫くこともあるでしょうし,撃破できずともハッチを閉じさせ,車上の装備を破壊する,或いは随伴する非装甲車両を足止めするなどの効果が期待できます.

 そして,誘導砲弾も開発されてはいます.
 これはレーザー照射による誘導や砲弾自体を運搬容器として自己誘導できる賢い子弾を放出して攻撃させるものなどがあります.
 実戦で使われた例は小数ながらあります.
 また,地雷を地上に撒く型の砲弾もあります.


 【質問】
 対迫,砲レーダなる物があると最近知ったのですが,
レーダー発達
→射撃地点ばれる
→陣地転換を急いでやらなきゃ!!
って感じで自走砲は発達した.と思っていいのですか?

 また,レーダー対策で「ステルス化でレーダーに映らない砲弾」等は開発されているのですか?

 【回答】
 最近は,対砲レーダに対抗するために発射レート・陣地転換の早さが必要だということで,そういう能力を伸ばす方向で発達している.
 もちろん他に,データリンクとか長射程化とかもある.

 歴史的には,対砲レーダが登場する以前から自走砲はあった.
 砲の機動力を向上させたいという要求から,自走砲は出現したと記憶している.

>また,レーダー対策で「ステルス化でレーダーに映らない砲弾」等は開発されているのですか?

 知る限りでは無い.
 知らないだけかもしれんが.
 ステルス化ってのは一般に金がかかる.
 ミサイルならともかく,安価が売りの砲弾にそんなことするかねえ.

軍事板
青文字:加筆改修部分

イスラエル軍のL-33 SPG(Self-Propelled Gun :自走砲)


 【珍説】
 XM2001「クルセイダー」155mm自走砲は重くて使い物にならないのに,軍産複合体の圧力で採用にいたった(TV朝日『サンデー・プロジェクト』)

 【回答】
 使い物にならないなんて事は無い.使い方次第.
 最大約30kmの射程を誇る155mm榴弾砲を自走させれるだけで,かなりの意味はある.牽引式の155mmに比べれば,確かに重いが.

 大体サンデープロジェクトの情報の信用性はアリアド○以下・・(RANRANRAN※

 なお,Pzh2000や99式などの最新世代の自走砲に比べて重いということはありません.
 空輸による緊急展開を考えると重すぎるということになるようです.

(初心者質問スレッド)

 「軍産複合体」と表現すると,一枚板で自分らの集団を利する圧力団体が有るように思えるでしょうが,昔から兵器メーカの競争は激しかったのですが,ことに冷戦後はもっと厳しくなりました.
 別項の例のように,軍用機を作っている航空機メーカの吸収合併だけでもこんなんです.

 MLRSのような新しいものと比べて「使いものにならない」ということでしたら,MLRSはもともと,NATO正面にワルシャワ軍が地面を覆って来た場合に,一斉射で面制圧するためのもので,そのような使い方に向けて作られております.
 大規模の集結した目標の多くが無力化した後の「落ち穂拾い」のような砲撃を主とする場合などは自走砲の砲がずっと使い易いです.
 あとMLRSは高価です.これ1セットの納入価格で155mm自走砲が何台買えることやら.

 また,自走砲自体の能力の進歩はわずかでも,運用方の改良で実力は進歩しています.
 MRAというかデータリンクで敵の位置へより早く正確な砲撃/修正射が可能となる.

 155mm砲自体は大昔からあるものだが,大口径を生かした弾頭の進歩への期待.
 対ソフトスキンのクラスターというのはかなり前に耳にした.これは容易でしょう.
 トップアタック型対戦車自己鍛造弾頭というのもどっかで目にしたが怪しいかも.

 重量面においても,105mmクラスに比べ重くても,有効射程が長いので配備数は少なくてすむ.いろいろな面でどちらが有効かはともかく.

 まあ,JDW(日本語訳)にもこういった記事が合ったそうで.

「ロンドンの,匿名の金融関係者は,今回のイラク戦争に関して,昔ながらの装備の重要性が再認識された,という見方を示している」

 続きは以下をどうぞ.
http://www.kojii.net/jdw/jdw030423.html

(キルロイ◆dtIofpVHHg in FAQ BBS)

 ※原文ママ


 【質問】
 牽引野砲自走砲のそれぞれの長所・短所を教えてください.

 【回答】

価格  陣地変換  整備所要  戦場機動力
牽引野砲  安い 遅い 少ない 低い
自走砲 高い 早い 多い (装軌なら)高い

 大口径の自走砲は戦術輸送機では運べないため,急速展開部隊の装備は牽引野砲になりがちです.イラク戦争でも,米海兵隊が牽引の155mmをせっせと使ってました.
 最近は専用トラックの荷台に載せ,牽引野砲の運搬性と自走砲のヒット&ラン(対抗砲撃前に陣地転換)性能を併せた兵器が,低価格という利点もあって普及しつつあります.(HN "System")


 【質問】
 203mm自走榴弾砲が廃れたのは何故でしょう?
 現在155mmは長射程化に進んでいるように見えますが,203mmならもっと容易に実現できるのでは?
 米軍は203mmをMLRSに置き換えましたが,同時に155mmを203mmに置換えることは検討されなかったのでしょうか?

 【回答】
 M110もほとんど退役したけど,基本的には203mmの威力はいらないということ.
 それに203mmを長射程化するには,砲身を延長する必要があるし,発砲の衝撃に耐えるだけの車体を用意する必要がある.それは重量の増大を招くから.
 大型の砲を撃つには,プラットホームとしての安定性が必要で,そのためにはサイズの3乗で重量が増大するわけだな.
 ロシアには203mm長砲身砲を搭載した2S7という自走砲があるが,装甲防御もない露天形式なのに46tもある.
 装甲やらなんやら取り付けたら60t近くになるだろうし,サイズも地上で運用するのに困難なサイズになる.
 威力向上の利点と重量増大そのほかの欠点を比較した場合,203mmはボツとなったってとこ.


 【質問】
 現代の自走榴弾砲に装甲をつけるメリットってあるんですか?
 価格がハネ上がるだけで効果が少ないような気がするんですが.
 75式とかは第七師団専用になってしまったし,99式などは七師に行き渡るのに30年くらいかかりそうです.
 M110みたいに非装甲の装軌車両にFH-70を乗せちゃえば,低コストで量産できて,全国の師団に充当することができると思います.

 【回答】
 例えば日本のような縦深のない戦場では,砲兵もすぐ敵の攻撃に遭います.
 装甲が甘く,また機動性の足りない装輪車両では,大変消極的な運用をするか,自軍の奥深くに置いて限られた範囲だけを攻撃することになります.
 接地圧の関係で,装輪車両は重量を軽くしないと同サイズ(車長,車幅)の装軌車両と同じ機動性が得られず,運用可能な地形も制限されます.
 軽いということは装甲にも搭載する砲の射程,発射速度にも制限が加わるということで,数だけ増えても攻撃力としては逆に減ることが考えられます.
 実用的に運用できる車両サイズには限界があるので,結局装輪自走砲は能力が劣り,運用に制限の多い兵器となってしまうわけです.
 いくら数あっても,使えないものは使えないので無意味,と.

 別にAPFSDSを止めようってわけじゃないんです.
 敵の榴弾の破片でやられたらたまらないですし,50口径ライフルくらいには対処したいわけです.
 自走砲は本来後方に位置するものですが,砲の射程やミサイルなどを考えると,後ろにいれば安全という事にはならなくなってきたということです.
 コマンド部隊,或いはゲリラによる近接からの小火器の攻撃も考えられるだろうし.

 また,砲兵は砲兵同士で撃ち合うんだよ.よって,155mmの破片に対する防御は必須でコレを考慮すれば小銃弾程度の全周防御って話になる.

 さらに,生産性を考慮すれば,流用可能な部品は多い程有利なのは言うまでもない.

 なお,北部方面隊の師団砲兵は全て75式.第7師団専用というわけではありません.
 実は価格もFH-70と変わらない.
 それに,第七師団には40門しか特科がないのに,
>99式などは七師に行き渡るのに30年くらいかかりそう
ということにはなりません.


 【質問】
 アメリカ陸軍では,今後の自走砲の発展の方向についてはどのようになっているのでしょうか?

 【回答】
 C-130で輸送可能な大きさ(貨物室に自分で出たり入ったりできる)
+C-130で意味がある距離を運んでもらえる重さ
 で,あとはネットワーク志向のシステムに依拠したFCSの一環で構想されています.
 NLOS-CとNLOS-Mなどがそうです.
 前者は視程外=榴弾砲,後者は視程外=迫撃砲とでも訳せるでしょうか.
 前者は155mm38口径の榴弾砲のようです.
 また,NLOS-LSちゅう精密攻撃を長距離で行う兵器も構想されています.
 これは垂直発射コンテナを運ぶ無人車両です.コンテナの中に長距離滞空型ミサイルや精密攻撃高速誘導弾などが詰まっています.


 【質問】
 MLRSが再装填に要する時間は?

 【回答】
 MLRSは6発を一纏めにしたキャニスター・モジュールのランチポッド方式なので,1本ずつロケットを積み込む場合よりも短時間で再装填が行えます.
 つまり撃ち終わったモジュールを抜き出し,新品のモジュールを挿し込み・・・といった作業で,6本組ロケットを2回の抜き挿しで交換できるので,1本ずつ積み込む場合の3分の1の回数で済む事になります.

 参考までに,普通に1本ずつ差し込んで装填する方式の,ロシアの多連装ロケットランチャー「BM-30 スメルチ」は,300mm12連装ロケットを再装填するのに36分掛かります.

それではMLRSの場合は・・・

M270 MLRS Self-Propelled Loader/Launcher (SPLL) :GlobalSecurity

M270 MLRS Self-Propelled Loader/Launcher (SPLL) :FAS

M270 Multiple Launch Rocket System - Wikipedia

 上記英語サイトはどれも元の資料は同一のようで,全て「Reload Time 9 minutes」とあります.
 再装填時間は9分です.

MLRS - Wikipedia

 日本語版ウィキペディアでは「再装填時間: 8分」とあります.

MLRS - Weapons School
>乗員1名でも3分以内に再装填を完了できる.

 こちらでは3分以内となっています.・・・随分と数値が違いますね.

MLRS自走多連装ロケット・システム - 戦車研究室
>全弾発射後の再装填時間はわずか93秒で終了する.
>〜中略〜
>M270A1 AVMRLでは,射撃統制装置が近代化されると共に,
>発射機のメカニズムの改良で,ロケット弾の再装填時間が
>従来の93秒から16秒に短縮されている.

 こちらではM270発射機で93秒,M270A1で16秒としています.

 16秒は幾らなんでも有り得ないんじゃ・・・
 抜いて挿して抜いて挿して,4行程を16秒と言う事は一つの作業を僅か4秒で?
 ランチポッドは2トン以上あるのに?

 そこでMLRSに関する,93秒ないし16秒の記述がある英語サイトを調べてきました.

M270A1 LAUCHER - FAS
--------------------------------------------------------------------------------
The ILMS provides a tremendous capability as well. It is designed to reduce fire mission and reload cycle times. This is achieved by providing a faster drive system that moves simultaneously in azimuth and elevation. The ILMS will decrease the traverse time from stowed position to worst case aim point by approximately 80 percent (from 93 to 16 seconds). The ILMS also decreases the mechanical system reload time over 30 percent. The reduced time spent at the launch and reload points increases the survivability of the launcher crew and associated rearm personnel.
--------------------------------------------------------------------------------
M270A1 an MLRS launcher with leap-ahead lethality - BNET
--------------------------------------------------------------------------------
M269A1 ILMS. This materiel change dramatically improves responsiveness. ILMS allows the launcher to move simultaneously in both azimuth and elevation. It reduces the stow-to-aim point time of 93 seconds (worst case) to just 16 seconds--a reduction of 83 percent. Additionally, reload times improve nearly 38 percent, decreasing from 260 seconds to approximately 160 seconds.
--------------------------------------------------------------------------------
Multiple Launch Rocket System - Army Technology
--------------------------------------------------------------------------------
The IFCS provides additional capacity to accommodate complex munitions and modern computer electronics, including video display, onboard navigation with global positioning system, architecture for ultrafast signal processing and advanced mission software. ILMS reduces the time to aim the launcher to 16 seconds (compared to 93 seconds). The reloading time is cut from four to three minutes.
--------------------------------------------------------------------------------

 どうやら93秒や16秒といった数字は,全弾再装填時間の事を意味するのではなく,照準に要する時間の事を指していることが見て取れます.
 ここまで何となく理解したのですが,詳細をよく理解できなかったので,プロのライターの井上孝司さんに説明して貰いました.

--------------------------------------------------------------------------------
>The ILMS will decrease the traverse time from stowed position to
> worst case aim point by approximately 80 percent (from 93 to 16
> seconds).

 旋回・俯仰を同時にこなすことで,発射位置に指向するためにかかる時間を短縮.最長のケースで 93 秒 (つまり,もっと速い場合もある) だったのが,16 秒になったと.

>The ILMS also decreases the mechanical system reload time over 30 percent.

↑だから,それに加えて再装填の時間も 30% ほど速くなったのですね.

------------------------------------------------in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 つまりFASの記述を基準にすると,M270の再装填時間が9分掛かるとすると,M270A1 AVMRLは6〜7分で再装填できるということのようです.
 ただ装填に要する時間と,其処から発射位置に指向するのに要する時間は別物ですから,厳密に考えると若干違ってきます.
 また「4分→3分」 (Army-Technology)は,ランチポッド1基分の抜き差しの話だと考えれば理解できます.
 左右両方で8分→6分ならMLRS1基分の再装填時間なのでしょう.
 「260秒→160秒」(BNET)も同様.
 FASの30%という数値よりも若干高い38%ですが,これは元の資料が違っていた可能性があります.

 そうなると日本語サイトの「Weapons School」「戦車研究室」は,MLRSの再装填時間を誤って記述していた事になります.
 ・・・2つとも著名なサイトで皆が良く引用しているだけに,数値の間違いは影響が大きいです.
 実を言えば私も今回調べてみるまで,勘違いしていました.

2008年06月19日付「週刊オブイェクト」


 【質問】
 ゲパルトのような自走対空砲って意味あるんですか?
 あの程度の中途半端な威力の機関砲で航空機が落とせるようには思えないんですが.

 【回答】
 あれがあると,低空に航空機が寄れません.
 自走対空砲の主な任務は機甲部隊に随伴して,低空侵入してくる攻撃機と攻撃ヘリを撃退する事です.
 戦車は対戦車攻撃を行なえる航空機に対して無力なので.特に低速,低空を飛行する攻撃ヘリに対しては有効です.
 あの程度で十分ミッションキルできますし,油断して来たら本気で落とせます.A-10ですら,23mmの破片OKレベル.
 欠点は射程距離が短く,精密誘導兵器にレンジアウトされること.
 敵がそんな上等なものを持っていない場合,こっちが多層防御している場合,どちらも有効な武器になります.
 シルカですら,いまだに侵攻時には要チェックアイテムです.

 ただし,高空を飛ぶ航空機を相手にする事はあまり得意とは言えません.それはSAMのお仕事と言う事で.

 後,一応ですが対人戦闘も考慮に入れています.
 例としてベトナム戦争に使用されたM42ダスターは拠点防衛や輸送部隊護衛等の対地任務に多用され,大口径機関砲の長射程を利用して,アウトレンジからベトコンをミンチにしています.
 他にも,大戦時に米軍で使用されたM16/M17が,「ミートチョッパー(肉切り包丁)」と言う物騒な渾名を与えられています.


 【質問】
 ドイツのゲパルト対空自走砲の左側だけにあるフェンダー上部の網のようなものはいったい何でしょうか?
 放熱口でしょうか.
 この網目のパネルの中には何があるのでしょう?
 エンジンは後ろなので排気パイプとは思えませんが.

 【回答】
 マフラー(排気管).

 ゲパルトの車体前部左側には補助動力装置が配置されてる.
 これは主エンジン切ってても砲や電子装置に電源を供給するため.

 単純なパイプ・マフラーにすると赤外線センサーに悪影響が出るので,長く引き回して主エンジンの排気管と繋げてある.
 ゲパルトは射撃中は車体上部のあらゆるところに空薬莢が落ちてくるので,空薬莢に当たって壊れないように金網状のカバーで守ってる.

軍事板


 【質問】
 現代の自走砲は,走りながらでも撃てるの?

 【回答】
 走行間射撃可能な自走砲はないこともありません.
 イスラエルのスラマー155mm自走砲,中国のCM23A1(これは自走迫撃砲だけど)がそう.
 しかし,米のM109パラディンA6バージョンはじめ,たいていは不可能です.
 米海兵隊がそのような要求を出したこともあったようですが,単に撃てるだけでなく,当たるように撃つには巨大な砲を安定化する必要があり,費用と重量,体積増が効果に(あるとしても)見合わないということになったようです.
 パラディンにしても,走行中から一旦停止して照準,発射まで60秒.無理に走行間射撃可能にする必要はないわけです.


◆◆◆乗員関連


 【質問】
 M1戦車はなんで装填手乗っけてるんですか?
 あのアメリカが,自動装填装置開発できないわけないですよね.T-64だって積んでるわけだし.
 不整地や走行中の装填なら,どう見ても装填手<<自動装填装置ですよね?疲れないし,確実だし,早いし.戦車が被弾した時のこと考えても,自動装填装置なら壊れるだけだけど,人なら死んじゃいますよね.
 人命重視のアメリカとしては,装填手乗せるメリットないような気がするんですが,いかがでしょうか?

 【回答】
 そのあたりは国によって考え方が違います.
 自動装填装置にキャタピラの修理はできないが,装填手にはキャタピラの修理ができる.
 自動装填兼用多目的ロボットができれば,どの国も自動にするでしょう.ちゃんと動けば.

 基本的な整備は装填手だけでなく,乗員みんなでやるんです.
 で,一人減るということは,その分の負担が残りの乗員が負うわけで.
 実際90式なんかは大変らしいです.

 ちなみに,M1A3では自動装填装置を予定.
 遡るとMBT70でもやってる.

 しかし,米,独では小型化,砲塔無人化のためにさらに,2名にする研究をしている.
 職人級の装填手だと,少しの不整地なら,自動装填よりも素早くできる.
 要は,どっちを取るかって事.運用思想に寄るって事.

 イスラエルは停車して,周囲警戒が多いから,自動装填にはかなり懐疑的.

 余談だけど,米軍の戦車はM1がでてくるまで割と遅れてた.ずっと改修で旧式を乗り回していた.
 いつか,西ドイツと共同の新型ができるはずと思っていたけど,開発失敗.
 ガンランチャにこだわった結果,砲身の開発も遅れ気味だった.

丼炒飯 ◆HY/YgdSbHM他

マンパワー十分過ぎる戦車の例


 【質問】
 戦車の野戦整備って具体的に何をするんでしょうか?

 【回答】
 戦車に限らず,重機の類は動かしたら必ずオイルフィルターの清掃と各所のグリスアップが必要.それも1箇所や2箇所ではない(最近の重機は比較的メンテフリーになったが,モノによっては百ヶ所くらいあるぞ).
 まして戦車は,「壊れる為に動いてる」なんて言われるくらい無理の多いメカなので,走ってるだけで各所がイカれる.
 そして戦車の場合は,切れたキャタピラを繋いだり,エンジンの煤を取ったり,トランスミッション調整したりといった作業が加わる.
 これに加えて戦闘後は,主砲砲身を清掃したり,空薬莢捨てたり,機銃のメンテナンスしたりしなきゃならん.
 あと当然,弾薬と燃料の補給.戦場だと手回しポンプで燃料入れなきゃならなかったりする.数百リットルをね・・・.
 とても一人では出来ません.

 アメリカのM1A2エイブラムスの場合,戦闘行動時は稼動状態にもって行くのに,一日当たり25マンアワー(1マンアワーとは人間一人が1時間働く事)は最低必要と言われる.
 つまり一人でやったら,一日動かすのに丸一日整備しなきゃならんわけだ.
(あと戦車は,どうしても一人当たりの視界が狭いので,複数人数で多方向を監視するようにしないと,死角が多すぎてどうにもならない)

 一応スウェーデンのStrv103戦車(Sタンク)は,一人だけで操縦と戦闘が出来るが,これは一種の例外.
 それもただ「やろうと思えば出来る」というだけで,実際一人しか乗せずに作戦行動を行うのは無茶.


 【質問】
 乗員一名の戦車ってありますか? あるいは一人で全て行える戦車は.

 【回答】
 一人乗り戦車は,1925年,陸軍少佐のSir George Martel(後に陸軍中将)が自分の家のガレージで,旧式のMaxwellの自動車用,後輪用車軸をフォードのトラック用など,種々の自動車部品を使って試作した,Morris-Martel Tanketteが代表的です.
 試作品は自動車メーカーのMorrisで4両製作され,1926年3月に完成しました.
 うち,3両は一人乗りでしたが,操縦しつつ機関銃を扱うのは難しいとして,2名乗りに変更されました.

 これが後のCarden-Loydに繋がる訳ですが,Carden-Loydも
試作車(兵士の上半身剥き出し)
→Mk.I(それじゃ狙撃されるでしょ,と言うことで,乗員周りに小型防楯3枚と軽機関銃を搭載してみた)
→Mk.I改(装軌式だと速度が出ないので,左右に1輪ずつ大径の空気タイヤ付車輪と後部に1輪の操舵輪を付けてみた)
→Mk.II(ボギー式転輪をMk.Iに付けてみた)
→Mk.III(Mk.IIにMk.I改の走行装置を付けてみた)
と発展し,やっと,二人乗りの豆戦車に繋がっていきます.

(眠い人 ◆gQikaJHtf2)


 【質問】
 何年か後には無人戦車が戦場の主役となるのか?

 今月号(2005/3)の軍事研究に載ってるが,ARV−A武装ロボット車強襲型は30ミリ砲とヘルファイヤー代替のJCMミサイル搭載でかなり無人戦車っぽい.
 しかもこれ,10年以内に実現だぜ?

 【回答】
 アメリカを含めてどこでも,「10年以内実現」は「10年以内にプロトができたらいいな」という事になる.
 そこから制御ソフトのコードでもつれたり,システムの統合化で苦労したりして,10年ぐらいして初期低率生産が始まり,その10年後に充分な数が配備される.
 ところが途中で要求仕様がころころ変更され,
「別になくてもいいような気がする」
と議員が言いだして予算が削られ,最後の段階まで来て
「現在の世界情勢と我が国の戦略目的を考えると,無人兵器は印象悪く,好ましくない」
とか言われてポシャったりする.
 バカなマスコミじゃないんだから,安い惹句に飛びつかないように.

 で,自律型についてはこれまで書かれているように,未だに短距離を移動することすらできない.
 考えてみれば
「前方に草原.手前に段差あるが,余裕でクリア.ゴー」
とか言ってる幼稚な「自律」では,水田に突っ込んでスタックするのが落ち.
 不整地を走るのが値打ちの装軌車だから,自律走行戦車は難しい.
 しかも,A地点からB地点への移動は,戦車の目的ではまったくない.
 逆に,任意の地点に強固な火点を設置できるのが戦車の目的であり,そこでは自律の必要などない.
 脅威を判別し,目標を選択し,攻撃する,あるいは攻撃しないのが主要な行動だから,「自律」などされた日にはとんでもないことになる.
 人間ですら誤った判断をふつーにするわけで,人並みの人工知能ができるまで,とても自律戦車など存在し得ない.

 さて,遠隔操縦型だが,現在既にUAV(主に偵察)が何機か飛ぶと,通信帯域が混んできて優先順位を決めるアルゴリズムが必要,とか言われてきている.
 アメリカのドクトリンはネットワーク依存にどんどん移行しており,通信帯域は弾薬や燃料同様,貴重な資産に なっている.
 試験的な遠隔操縦戦車一台動かすならともかく,画像やセンサー情報で帯域食う,しかも時間遅れなく反応する必要がある優先順位高い通信が何十台も同じ区域で動いた日には,万能の米軍と言えども「人多過ぎ」状態で身動きが取れなくなる.UAV,UCAVの行動も制限されそう.
 そこに兵士同士のネットワークも押し込まないといけないわけだ.

 無人戦車は,得られる利益に対して払う代償が(開発費=そのためにあきらめる別のシステムの含め)大きすぎるだろう.
 システムのごく一部に過ぎない戦車の,それもM1A1で十分無敵状態である状態で,そんな代償を払うことは誰も望まないだろう.少なくとも今は.

 有線誘導については言うまでもない.ちょっと離して置いたATGM発射機や,それにマシンガン付けたもの,程度にしかならない.
 不整地でどこまで動かせるかも大きな問題だし,数ブロックの待ち伏せ用,待ち伏せ予防用として使える程度のものにしかならない.無人戦車と言えるものにはならない.
 いいとこ,移動式クレイモア?


 【質問】
 ニュースでアメリカのキャタピラ式のロボットが出ていましたが,射撃などは人間よりも命中率が高そうに見えました.
 部分的にはロボ>人間という捉え方でいでしょうか? 
 それとも,まだ人間兵士と比較するのは変でしょうか?

 【回答】
 あれは射撃は遠隔操作ですよ.
 ユタ大+GDの自律ロボット車輌でも,射撃は遠隔操作です.
XM307搭載無人偵察車輌
 野山を敵を追って駆け回るのは当分無理にしても,都市部のパトロールくらいなら近年中に目処が付くでしょう.


◆◆◆戦車


 【質問】
 戦車戦について基本をざっと勉強したいのですが,何か良い本は無いでしょうか?
 知人の軍オタは「萌えよ! 戦車学校」を読めと言ってきかないのですが,あれの中身は参考にして良いようなものなんでしょうか….

 【回答】
 ルクレルクについての記述がちょっと違うらしいけど,それ以外は戦車の歴史と構造,運用してる国の思想やらの説明がちゃんとされてるよ.
 あと,戦闘車両全般についてもそこそこ濃く説明されてる.

 なお,「萌えよ!戦車学校」は二巻目がお勧め.一巻目よりも各国の戦車運用についての情報が濃い.


425:名無し三等兵:2006/06/11(日)19:01:23ID:???

 しけたさえ描いていなければ….


426:名無し三等兵:2006/06/11(日)19:03:34ID:???

 自営業閣下が描けばよかったのに.
 ……何? 「題名を変えなきゃならん」?


427:名無し三等兵:2006/06/11(日)19:05:17ID:???

 「濃ゆい!戦車学校」とかか?


428:名無し三等兵:2006/06/11(日)19:43:23ID:???

 「バウアー!戦車学校」になるのか?


430:名無し三等兵:2006/06/11(日)19:44:49ID:???

 「俺の戦車学校を舐めろ!」


 【質問】
 戦車の起源は?

 【回答】
 戦車を,装甲+火砲の組み合わせ,と定義するならば,
http://www.trpg.net/learning/war/log/1/002.html
によれば,このあたりが,実戦に投入された世界最初の戦車ではなかろうか.
 まぁ,馬匹牽引なんだが.

1.フス戦争に於けるタボル派(15世紀ボヘミア)

 ボヘミア王位継承を巡り,神聖ローマ皇帝ジギスムントが全キリスト教国に呼びかけて成立した「ボヘミアの異端者撲滅」の十字軍(その数8〜20万)を五度に渡って迎え撃ち,勝ち続けたヤン・ジシュカ旗下のタボル派は, 圧倒的な大軍を相手にする為,装甲を施し火砲を備えた戦車(馬曳)を大量に装備していました.
 また,彼らは中世ヨーロッパに於て歩兵が「火器」を大量に装備した最初の例の一つでもあります.
 彼らの戦術の中核は,この戦車をずらりと並べた車砦に拠って,敵の突撃を食い止め,火砲と銃器の火力によって制圧するという物でした.これは時代を遥かに先取りした戦術でした.
 ボヘミアの農民達を主力とした彼らが,中世騎士の存在意義自体を打ち砕いたのもむべなるかなと思え ます.

2.中国に於ける「車営」戦術(紀元前〜16世紀)

 中国に於ては紀元前後の時代から,騎馬民族の襲撃に対する防御策として,荷車を利用した車砦を使用していましたが,晋代に入って「偏箱車」と呼ばれる車の一方の側面と背面に壁を持つ車が制作され,後に大きな影響を与えます.
 その後,明代に入り,偏箱車に仏郎機(火砲の一種)を載せ,方陣を組んで騎兵を撃退する「車営」戦術が成立しました.
 北虜南倭を相手に獅子奮迅の働きを見せた戚継光,女真族の「後金(後の清)」に対峙した孫承宗等の名将がこの「車兵」を活用しました.

軍事板

 機械化された馬が出現したのは,クリミア戦争(1853年〜1806年)の蒸気トラクター・タイヤフラップ付きが最初だろう.
 これは,重火器をお馬さんより楽に運べるようだった.
 イギリス軍はボーア戦争1899年に一寸マシになった蒸気トラクターを大砲牽引用に使った.
 戦争が片付いたころには,そんな物忘れていた.時代は,まだ,ロマンを求めていた.

 ところで,アメリカではキャタピラの元祖が蒸気トラクターへ登組み合わされ,なかなか便利だった.
 こいつは使えると思った軍人に,フランスのエスティエンヌ大佐やイギリスのスウィントン中佐などがいたが,みんなは
「あんなノロッチイもの,何の役に立つの? 大砲でドカンだぜ」
と取り合ったくれなかった.
 そして,ほとんどの物はまたも忘れていった.
 タダひとりの頑固者を除いて・・・.

 そして,その頑固者チャーチルによって,近代的戦車としては世界初の「タンク」への開発へと至る.

軍事板

古代戦車


 【質問】
 「戦車の世代が変わる」とは,何が劇的に変わって1世代→2世代となっていくのですか?

 【回答】
 WW2前:試行錯誤の時代(多砲塔とか)

 WW2中:イロモノは大して役に立たないことが分かってほぼ見た目は今と一緒になる.主砲は前期だと50mmくらい後期だと90mmくらい装甲も急速な進化(日本以外)

 大戦後は

第一世代
 90ミリ〜100ミリ程度のライフル砲を主砲として装備した第一世代MBT.

第二世代
 105ミリ〜120ミリ程度のライフル砲を主砲とし,弾道計算機により戦闘能力を向上した.夜戦可.
 装甲は避弾傾始の重視とコンパクト化を推し進め,さらに機動力の向上で生存性と戦闘力の向上を図った.
 また対戦車砲弾・火砲技術の進歩に対して,装甲技術が追い抜かれつつあった世代でもある.

第三世代
 105ミリ〜125ミリ級の滑腔砲またはライフル砲を主砲とする.
 弾道計算機,砲安定装置などの進歩により,走行しながらの射撃が現実的なものとなる.
 また装甲はこれまでと別の考え方で設計された複合装甲を採用したものも多く,これに よって対戦車砲弾とATMの進歩に対抗した.
 増大し続ける車体重量に対して十分な機動力を与えるため,エンジン出力は1200馬力〜1500馬力クラスとなった.

 【参考画像】
 「ワールドタンクミュージアム」第9弾の説明書裏書による,世代の変遷の解説


 【質問】
 現代戦において,戦車は必要な兵器なのでしょうか?
 イラク戦争の報道を見ると,イラク軍の戦車は米英の地上軍の到着前に,あらかたヘリコプターなどの航空攻撃によって壊滅させられてたようですから結局,制空権を持ってない軍隊が戦車を持っていても意味は無く,制空権を持っている軍隊は,対戦車戦闘を想定した戦車なんか必要ないんじゃないかと思えたのですが?
 自走砲とM2のような歩兵戦闘車とで十分なのではないでしょうか?

 【回答】
 現代戦においても火力は重要.また装甲防御力も重要.

 歩兵戦闘車と歩兵では,迫撃砲やらなんやらからの弾片防禦に難があり,自走砲の間接射撃はトーチカなどの防禦陣地を潰すことが難しい.
 正確かつ迅速な直接支援射撃が可能で,(対戦車ミサイル等があるにせよ)防御力に優れた戦車の存在は重要.

 また,これだけ技術が進歩しても,航空攻撃は完璧に地上の目標を捕らえることは難しい.
 夜間や悪天候で十分な航空支援が出来ないという状況だってある.
 したがって,完全な制空権を持っていても,戦車の存在は陸戦には必要不可欠.

 それに,半世紀前の話ではあるが,ドイツ軍は連合軍に完全に制空権を抑えられ,航空攻撃によって莫大な損害を出しつつも,連合軍に甚大な損害を与えたことを忘れてはならない.


 【質問】
 今後,対戦車ミサイルがますます発達することで,戦車の優位はどんどん小さくなっていくのでは?

 【回答】
 もう20年も前に論破されてるのね,その台詞.
 なんでかっていうと,瞬間交戦性能や隠ぺい性,連射性の話もあるけれど,結局は
「じゃあ,誰が歩兵を守ってやるねん?」
というところに行き着く訳で,それはソフトスキンのIFVや滞空時間の短いヘリじゃない,ましてやATM発射機でもないってこと.

 将来的にはATMが主戦兵器になるかも知れないけれど,IFV以上の防御力と機動性を持つ自走ATM発射機(モチ重装甲)を,戦車とは呼べないのか?っつー話でもある.
 ただし,この話はLOSATがこけた時点であり得ない話になっちゃった訳だが.

 んで,敵の矛ばかりが進化するんじゃないてことは,元ワルシャワ条約機構の中の人達が証明し続けてはいたんだけど(アレナ抗ATM防御システムとか)ね.

(軍事板)

アレナ対ATMシステム危険範囲

CRS in mixi支隊


 【質問】
 現代の戦車戦でも,お互いの車体が肉眼で確認できるほど接近して撃ち合う事はあるのでしょうか?

 【回答】
 1980年代にNATOが西ドイツで広大な敷地を借り切って大規模機甲演習を行ったら,北西ドイツの平原地帯は意外と起伏や林が多くて見通しが悪く,戦車戦のほとんどが1000m台,もしくはそれ以下で発生したそうだ.
 中には梢に隠れてお互いが見えず,梢が途切れたところで出会い頭に「撃ち合い」になってしまった例があったそうで,この例では完全に「零距離射撃」だったとか.

 もし欧州で戦車戦が起こるような戦争があれば,同様の事例が実際に生じるものと思われる.


 【質問】
 ストライカー旅団があれば戦車は無用なのか?

 【回答】
 そうはならない.そういう主張をする人は,ストライカー構想をまるで分かっていないと言ってもよい.

 ストライカー構想とは何か?
 冷戦終結以来,世界各地では湾岸戦争に代表されるような地域紛争が多数発生している.
 一方で,大国同士の全面戦争が勃発する可能性は,冷戦構造の解消に伴って低下しつつある.
 ここに来て,米軍は新たな戦略を選択する事となった.
 地域紛争の火種を早期に消すべく,緊急即応部隊の戦力強化に乗り出したのだ.
 その中心となるのが,米陸軍緊急即応部隊「ストライカー旅団戦闘チーム」通称「SBCT」である.

 それまでは戦争初期に投入される部隊は海兵隊が主役であり,陸軍は空挺部隊しか即応部隊として投入する事が出来なかった.
 「SBCT」はその隙間を補完する形で編成され,また海兵隊の初期投入部隊よりも高い戦力を持たせる事が求められた.

 その鍵となるのが,「ストライカーICV」を始めとする軽量の各種車両群である.
 これらの車両は戦術輸送機「C-130」への搭載が可能なるように設計されており,これによって高速かつ広域に渡っての展開が可能となっている.
 また,高度情報処理能力の付与によって,従来の同クラスの車両を超えた戦闘能力を持ち,まさにハイテクの塊と言っても良い.
 主力となる「ストライカーICV」は,スイスのモワク社製装輪装甲車「ピラーニャ」シリーズをベースとし,開発は同社を買収したGMディフェンス・カナダ社とGDLS社の共同で行われた.
 「ピラーニャ」は海兵隊の「LAV」シリーズの原型でもあり,陸軍と海兵隊が似通った車両を装備する事となった.
 「ストライカーICV」と車体を共通化させた指揮通信車両や火力支援車両,対戦車車両等も開発されており,同一コンポーネットによる多数の派生型は「ピラーニャ」「LAV」と同じ車両である事を思わせる.

 しかし,「ストライカー」シリーズが決定的に違うのは,部隊間の情報共有システムを開発当初から搭載しているという点である.
 無人偵察機や他の部隊から送られてくる情報をリアルタイムで処理伝達し,それに基いて攻撃を行うという,これまでの兵器には無かった特徴を備えているのだ.
 軍事における革命,通称「RMA」と呼ばれる潮流の一端がここにある.
 その根幹となるのは,戦場において如何に情報を得,伝達し,処理するかという,情報処理能力の劇的な向上である.

 湾岸戦争において,多国籍軍がイラク地上軍を一方的に撃破出来た背景には,上空から絶えず地上部隊を監視する「E-8JointStars」の存在があった.
 また精密誘導兵器の発達によって高精度の攻撃が可能となり,高精度の情報をリアルタイムで生かす事が出来るようになった事も大きい.
 この「戦場の情報」を末端の兵士にまで行き届くようにしようという構想も,米軍の中にはあり,「SBCT」がその実戦部隊でのモデルケースとなりうるのではとの期待もあったと思われる.

 「SBCT」に「RMA」が結びついたのは,限られた重量の中で戦闘能力を高めるためには,情報を武器として活用するのが最も効果的だったからである.
 実際,正規軍との戦闘で「RMA」の思想が効果的なのは,湾岸戦争やユーゴ空爆等で実証済みであり,狙い自体は外れていない.

 しかし,イラク戦争終結後のイラク国内における「対テロ」戦争では,「SBCT」も思わしい戦果を挙げてるとは言いがたい.
 不正規軍との戦闘,ゲリラ戦術を取る敵に対しては,「RMA」思想も殆ど効果を挙げていない.
 これは対ゲリラ戦闘が,人間の目の数と手数に大きく依存するからに他ならない.
 車載コンピュータによって遠方の装甲車が友軍か敵軍かは判別出来ても,目の前に居る男が一般市民なのか,服の下に爆薬を巻き付けたテロリストかは判別出来ないからである.
 また,「ストライカー」シリーズは情報処理能力が強化されている以外は普通の装甲車と変わりなく,装輪車両である点では寧ろ装甲防御力に限界がある.
 戦車不要論の項で指摘した通り,対ゲリラ戦闘で装甲防御力を疎かにする事は,即ち兵士の無用な死を招くという事である.
 そもそも「SBCT」は戦争初期に投入されるべき緊急即応部隊であり,本来であれば重装甲車両を装備した主力部隊と交代しているべきなのである.

 「SBCT」構想で勘違いされるのが,ハイテク装備によって従来の戦車や装甲車に取って代わる存在だと思われがちな事である.
 単に情報処理能力を強化したくらいでは基本的な戦闘能力の差を埋めるのは難しく,また装輪装甲車である事自体がその差を更に押し広げている.
 装輪車両が装軌車両に対して優れているのは,値段と路上走行速度,足回りに被弾しても行動不能になり難い程度で,路外走破能力や車体容積,安定性といった戦闘車両として重要な性質は大きく劣る.
 何よりも走行防御力の限界が装輪車両は低く,市街地戦を重視するイスラエル軍で装輪車両が殆ど採用されてないのはこの為である.

 また「RMA」思想も兎角勘違いされやすく,某財務省官僚が「中央公論」に寄稿した一文では,その勘違いに基く主張が全面に押し出されていた.
 「RMA」とは情報処理能力の強化や部隊間の情報伝達をスムーズに行うもので,基本的には従来の装備運用を効率化する為にある.
 ここで大きな壁となるのが,車載コンピュータなどに莫大な費用がかかるという事である.
 「RMA」思想は究極的には兵士一人ずつに無線LAN付きノートパソコンを支給するようなもので,通信仲介システムも含めれば恐ろしい額の費用がかかるのは当然と言える.
 通信システムは敵の妨害にも耐えなければならないため,民間の技術の流用は難しく,本家の米軍ですら車両間の通信速度が電話回線並みという有様である.
 「RMA」による効率化とは,如何に自軍の犠牲を抑え敵軍の被害を増やすかという意味での効率化であり,会計上での効率化などとはまず縁の無いものである.
 「RMA」思想に基いて近代化を進めている各国,特に欧米や中露が兵員数や装備の保有数を減らしているのは,単に予算の都合上に他ならない.
 限られた予算の中で質と量はトレードオフの関係にあり,「RMA」思想以前の問題なのである.
 「RMA」はコストパフォーマンスを劇的に改善する魔法などではないのだ.

 更に「対テロ」戦争では兵員数が何よりも重要なのであり,軽はずみに不確定な技術に手を出して限られた予算を浪費する事は許されないのである.
 我が国における「RMA」は,北朝鮮によるゲリラ戦闘と中国による正規軍同士の戦闘の双方を念頭に置かなければならず,他国より大きなジレンマを抱えていると言っても良い.

(CHFの日記,2005/1/30)

 【関連動画】
「ワレYouTube発見セリ」:Future Weapons: Stryker (2007)


 【質問】
 大人になったら戦車を作りたい(設計)です! 本気で考えているのですが,どうすればいいでしょうか?(メタル厨房)

 【回答】
 戦車といってもいろいろな要素技術で成り立っている.
 強度設計が絶対必須だし,機関についての知識はもちろん,電子機器の知識までとにかくありとあらゆる知識が要求される.
 数学はもちろん,物理,化学,機構学,材料化学,金属工学,果ては放射線,量子力学の分野まで.....etc.
 こうした様々な知識を総合して,強力でかつ存名率の高い戦車,なおかつ経済的に製造,運用できる戦車ができる.
 戦車を設計するのは並大抵な努力や生半可な知識じゃあダメだぞ.戦闘員の生命がかかってるのじゃ.
 ポルシェ博士みたいなアイデア倒れの発明やっちゃあ国が滅びるよ(笑).博士は自動車設計では大成されたけどな.

 今は基礎学力をしっかり身につけ,技術者としての土台を固めることだ.
 それから,長時間の試験などは体力を要求されるから,体も鍛えておきなされ.
 仕事にはチームワークが重視されるから,良き友人を多く作り,コミニュケーションを上手にできるようになること.しっかりと相手の意見を冷静に聞くことができるようにすることも大事じゃな.
 説得力の高い試験報告書なども書く必要があるので,国語などの文系の教養も必要なのじゃ.
 そして語学とりわけ英語は外国の文献を調査することがしばしばある(輸入部品のマニュアル説明書等ほとんど英語じゃ)ので,絶対勉強しておくこと.できればドイツ語とロシア語もやっておくと役に立つだろう.
 規制や法令関係も影響してくるので,社会科もちょっとは勉強せんといかんな.

 軍事,戦車関係の読み物なども折に触れ目を通しておくとよい.公立の図書館へいけば関係する本が容易にみつかるであろう.
 PA誌やらJG誌を読んで妄想に耽るのは遠回りだからな.そんな事しても,,せいぜ薀蓄たれるオタクに成るのが精一杯(自戒).そんなヒマが有ったら,問題集やったほうがマシ.

 戦車は乗用車と違い,見た目のデザインより機能性,性能を徹底重視される.様々な数値データを扱う機会が多いので,絵を書く能力よりは計算能力を身につけることじゃな.
 もちろん製図は必須だから,技術家庭の初歩の製図演習などもきっちりやって,図面に強くなることも後々役に立つであろう.

 まあ,これだけやっとけば戦車がダメでも何でも設計できる一流の技術者になれるぞよ.

 俺は,某国立大学の(といっても旧帝大ではないくらい)大学院で機械工学やってたけど,卒業時(20年近く前だけど)に,三菱重工の人に
「戦車おたくなので,戦車の設計やりたい」
って言った.
 三菱の人の回答は,大概の人は戦闘機を希望するから,戦車とかミサイルは希望通りに配属されるだろう,というものだった.

 結局,戦車の設計と,当時流行りだしたパソコンとを天秤にかけて,電機メーカーに入ってしまったのだが,地方国立大学以上で機械工学を専攻して大学院まで進んで,機構系に強ければ,戦車の設計は簡単にやらせてもらえそうな感じだった.

 一ついえることは,本気で戦車の設計やりたいなら,頑張ればそんなに高い壁は無いということだ.

 某氏からお言葉を受け賜りました.
「徹底的に遊べ.遊びを知らんやつにモノをつくらせると碌なもんができん」
「ディベートを学んでおけ.議論できんやつは自分の意見を通せない」
「専門馬鹿になるな.せめて本職に迫る知識と経験を積んでおけ.概念設計できるのが理想」
「誰にも負けない分野を持て.誰も突っ込めなくなる」
「常に考える練習を積め.最善次善三善くらいは常に用意できる程度に」
「自分の意思を曲げない.ここだけは曲げられないという確固たる意志を持て」
だそうです(以上抜粋)

 仕様は技本,民間,幕との3者で決めるようですよ.非公式の会合が結構あるようです.
 そこでいかに論敵を粉砕し自分の思想を仕様に盛り込めるかでその人の技量が測れるとの由.
 そうして出来上がった仕様は公式の場においてほぼ満場一致で採決されるようです.

 【参照文献】
・「戦後日本の戦車開発史―特車から90式戦車へ」(林磐男著,光人社NF文庫)
・「タンクテクノロジー」 山海堂 同上

 「戦後日本〜」は一般読者向けの読み物.入手可能.
 「タンクテクノロジー」は専門技術者向け.絶版.

 若造頑張れよ!! 俺からも次世代戦車についてアドバイス.
 主砲は140mm砲が理想的,もしくは電熱砲,レールガ〔略〕

(軍事板)


 【質問】
 戦闘機や艦船ではステルス性が考慮されるのに,戦車はなぜステルス性を重視しないんでしょうか?

 【回答】
 湾岸戦争では米軍の対地レーダーにより,移動するイラク軍車両がほぼ全て補足されており,部隊の集結や行動などが把握されていました.
 これによりイラク軍の攻撃企図,時期等が事前に察知されていました.
 このため各国では一時期,車両のステルス性の研究がされました.

 しかし,機甲部隊の行動にはトラックなどの補助車両も大量に伴うため,これらのステルス性を考慮する必要があり,またレーダーに察知されないというのは,戦車戦においては直接的に益が少ない(対戦車戦での照準は目視,レーザーによる測距がほとんど)割には,車体デザインに大幅な制約をされてしまいます.
 つまりコストパフォーマンスが非常に低いのです.

 ただ,車両ステルス化の研究は現在も続いています.


 【質問】
 今の主力戦車 M1・90式・チャレンジャ−などを,大戦中の戦車の火力で撃ち抜けますか?

 【回答】
 チハ(旧日本軍97式中戦車)たんでも理論上は可能.後ろから近づけさえすれば,だが.

 イラク戦争では,23両のM1A1とブラッドレーが貫通され(自軍からの攻撃含む),そのうち15両はRPG-7によるものだった.
 2両のブラッドレーはそれぞれ3発のRPG-7をくらい,1両のM1A1は2発のRPG-7を受けたが,大破したものはなかった.対戦車ミサイルは使用されなかった.
 行動不能に陥ったM1A1は9両.前面の装甲は威力を発揮したが,それ以外は弱く,後面からの25mm劣化ウラン徹甲弾(自軍誤射),30mm徹甲弾(敵軍)でそれぞれ1両が行動不能となっている(対策としてエンジングリルに即席の装甲を付加した,とあるからエンジン部の損傷らしい).側面のスカートもたびたびRPG-7で貫通された.
 正面への命中は報告がなく,対戦車地雷を踏んだ報告もない.
 砲塔の弾薬庫に貫通され,砲弾が発火した一例が報告されているが,ブラストドアが設計通り作動し,乗員は燃焼ガスを少し吸入したものの無傷だった.
 戦車の外に燃料,潤滑油をぶら下げると被害を受けてエンジンに流れ込んで火災を起こした例があり,好ましくない.

 12.7mm重機(DSh)で側面から外部APUを貫通されて火災を起こしエンジン火災に発展して行動不能になったM1A1も1両あった.

 とゆーわけで,M1A1殺すには30mm主砲で十分なようだ.近づけさえすれば.
 といってもラッキーヒットでないと行動不能にはできないかも.即座に撃ち返されて昇天覚悟だね.

 行動不能になったM1A1は敵に資料を渡さないために破壊されるが,米軍が攻撃しても大破させることは困難であり,かろうじて大破させた1両は砲塔内にテルミット手榴弾を放り込み,APFSDSを弾薬室に撃ち込んだ上,マベリックミサイルを2発撃ち込んでようやく破壊することができた.
 ただ高速度長距離の行軍だったため,サスペンションなど足回りのトラブルは多発した,とのこと.


 【質問】
 この車輌の存在理由がまったくわからないんですけど,なんでこんなもん作ったの?

 【回答】
 操縦訓練用.
 砲塔があった部分には教官と他の訓練生が座ってる.
 教官は操縦席にいる人間に指示を出しつつ,他の訓練生に
「いいか,こういう時は周囲のここに注意してだな・・・」
とか教えたり,操縦席に教官が座って,見本となる運転を示したりする.

軍事板


 【質問】
 模擬戦用の弾頭を使った戦車同士の実射訓練は有るのでしょうか?
 関連の映像をみてもハリボテ等の標的を撃ってるのしか無いですし,空砲使った電子系の模擬戦も見た事が無いんです.

 【回答】
 一応射撃訓練用の模擬弾はありますよ.一定距離を飛ぶと急に速度が落ちる様になってます(演習場の外に飛んでくのを防げる).
 また,イスラエル軍は主砲の砲身のすぐ上に機関銃をくくりつけて「実弾射撃」訓練をしてますが,訓練用の旧型戦車に更に装甲板を張りつけた「標的戦車」を,実弾で本当に撃つ,という訓練をしています.
 とりあえず元が戦車なら,機銃弾くらいなら耐えられるだろって事で.
 これは動く目標を実際に撃ってカンを養うためです.

 発煙筒と照準用レーザーを使った電子系の模擬戦なら,過去に幾つか映像が出てますよ.
 YouTubeとかで地道に探せば見つかるのでは?


 【質問】
 日本の戦車開発陣は戦前と戦後で全然スタッフが入れ替わってないと聞いたのですが,ドイツの場合はどうだったのですか?

 【回答】
 ドイツの場合も戦車技術者はほとんど入れ替わっていない.
 ただしドイツの場合,戦後はソビエトに渡った(連行されたともいう)人もいたりして,必ずしも全員がそのまま戦後も西ドイツで装甲車両の開発に携わっているわけではない.

 あと,戦争中のドイツ装甲車両技術陣にとって,
「これがやりたいけどできない」(車両用ディーゼルエンジンとか)
「これは使いたくないけど仕方がない」(不必要に背の高いガソリンエンジンとか)
「バカな要求だと思うが,独裁者の趣味だから仕方がない」(超重戦車とか)
……という,「本当はこうしたい」という点がたくさんあったので,戦後の装甲車両開発は,そういった「本当はこうしたかった」というところから始まっている.
 なので,同じ人員が設計してるわりには,技術や開発思想の断絶が見られる.


 【質問】
 戦争映画で使うティーガーとか三突とかを別の車両から改造したりするけど,「現物がもうない」とかけっこう聞くけど,いまの技術で当時と全く同じものは作れないの?

 【回答】
 設計図が残っておらず作れないものもあるけど,なによりも今と色々な部品の規格が違うので,すべて一点もので作るのと同じようなことになるため,もし一から造るとすると,信じられないくらい高価になります.


 【質問】
 戦車による「踏み潰し」攻撃は,非常に稀な戦術なのでしょうか?

 【回答】
 原則的に戦車は歩兵の肉薄攻撃に対して脆弱です.
(全ての部分を重装甲にすることは不可能なので,肉薄されれば,弱い部分を狙い打ちにされる)
 なので,負傷して動けない兵をよけるのめんどくさいから轢殺,とかでも無い限り――それかて,そいつが踏みつぶされながら手榴弾のピンでも抜いたら大騒ぎ――は,積極的に歩兵を踏みにいく,ということはほとんどありえません.

 ただし,相手が確実に重火器・強力な爆発物を持っていないデモ隊相手などなら別なのは,天安門を見ればわかるとおり(あれだって,火炎瓶などを考えればけっこうリスク高いが)


 【質問】
 戦車は市街地戦に弱いって聞いたんですが本当ですか?
 銃弾飛び交う中,歩兵の盾になり,敵が潜んでいる壁を吹っ飛ばすのが戦車ではないのですか?

 【回答】
 市街地戦は市街地戦でもある程度の規模の市街地で,尚且つ単体では弱いと言われております.
 近年,歩兵の対戦車携行兵器が進歩してきたんで,前面装甲はともかく,側面,後面,上面にクリーンヒットを食らうと撃破されます.戦車は上面の装甲が比較的薄いためです.
 市街地では,物陰や,高いビルの窓や屋上など上階部からの攻撃を受けやすく,随伴歩兵及び僚車,航空・後方支援がしっかりしていない状況では,戦車も危機的状況に置かれます.

 ただし,戦車側にも歩兵が随伴したり,敵歩兵側が肉薄攻撃が難しい状況では,市街戦でも戦車は強いです.
 要するに兵器運用側のやり方の問題という事ですね.

 例えばイラク市街戦では,歩兵の支援を受けたM1戦車が大活躍していますが,一方,チェチェン内戦初期では,ロシア軍が良い様にボコられています.

 銃弾飛び交う中,歩兵の盾になり,敵が潜んでいる壁を吹っ飛ばせれば苦労は無いのですが,
「対戦車ロケットと地雷,仕掛け爆弾の中を,歩兵に援護してもらいつつ,敵の潜んでいる家屋を住民ごとすっ飛ばす」
というのが現実でしょうな.

軍事板

 アメリカ軍では戦車(M1A2SEP)の他にも,歩兵戦闘車(M2A3)や装甲ハンヴィー(M1114) を使った戦法が効果を挙げました.
 それぞれの不得意をカバーするような運用法です.
 イラクでのファルージャの戦いでは市街地戦となり,充分な戦車・ブラッドレーを装備した陸軍大隊の戦死者は少ないですが,戦車の少なかった海兵隊大隊は戦死者が多い.
 この事から戦車の存在が歩兵の生存率の向上に左右する存在なのは間違いありません.

CRS in mixi支隊

装甲ハンヴィー


 【質問】
 現代では戦車を鉄道輸送することは皆無なのですか?

 【回答】
 今でもあります.

 例えばここ
http://www.almc.army.mil/alog/issues/SepOct00/MS603.htm
に横から下ろしている写真があります.
 ブルガリアの鉄道ですが.

 記事では,ドイツからバルカンに機甲師団を持ってく必要があるんだけど(記事が書かれたのは2000年),ドイツ国内からブレーマーハーフェンへ,そこから海上輸送してギリシャのテッサロニケであげてよりも,東欧を鉄道輸送したほうが早いって言うことで関係各国の協力を得て,うんぬんの話だった.


 【質問】
 くだらない質問ですけど,戦車も洗車するの?

 【回答】
 もちろんする.
 脚周りと汚れたままにしておくと,真剣にやばいんで.
 泥とかが足廻りについたままにしとくと,乾いた時に稼動部が固まったり,動いたとしてもえらく無理が懸かって壊れたりする.

 戦車は泥をかぶったり雪に埋もれたりするのが日常茶飯事なもんだから,車体のでかさと凹凸の多さとも相まって,その大変さは乗用車の比ではないらしい.

 また,パレードの前とかは入念に洗って磨

 さらに,核戦争に備えた訓練の一環として,車体の放射性物質を水で希釈して洗い流す除染作業が行われることもある.
 もっともこちらは2008年現在,過去形かも.

軍事板
青文字:補修部分

戦車を洗車


 【質問】
 現代の戦車の主流は第三世代MBTですが,アフリカや中南米の国家はどのような戦車を保有しているのでしょうか?
 ありあわせで作った85mm程度の砲をのせた装輪軽戦車(?)でしょうか? お願いします.

 【回答】
 南アフリカはイギリス製のセンチュリオン中戦車をベースにして,これを近代化改修したオリファント戦車を経て,砲こそ105mmだが第三世代MBTの能力を持つTTD試作戦車を開発し,世界的な水準に達したそうで.
 が,財政事情などから国産には至らず外国製の導入になるとか.

 南米ではブラジルがEE-T1オソリオ戦車.
 ただ,これは射撃関係はフランス製,パワープラント関係はドイツ製のコンポーネントが主用されている.
 砲塔もヴィカーズ社によって設計されたもの.半国産に近い.

 アルゼンチンにもTAM戦車がありますが,これは1974年にアルゼンチン政府から出された要望に沿って,西ドイツのティッセン・ヘンシェル社(現ヘンシェル・ヴェアテクニク社)がアルゼンチン陸軍向けに開発した戦闘重量30tクラスのMBT.
 重量と開発コストを低く抑える目的から,ティッセン・ヘンシェル社は,当時実用化していたマルダー歩兵戦闘車の車体とコンポーネントを流用して開発.
 まあ,間違っても第三世代MBTではないですね.


 【質問】
 消防戦車とは?

 【回答】
 これは一年前に中国で実際にあった事故処理の話.

【作戦計画編】

重慶ガス爆発事故:事故調査,処理に戦車使用 [2004/04/19 中国情報局]
 同工場内には,まだ3基のガスタンクが残存しており,いつ有毒ガスが漏れ出すか分からない危険な状態にある.
 重慶市公安局の朱明国・局長によれば,ガスタンクの前面に立ちふさがる厚さ16ミリメートルの鋼鉄製の壁が作業員らの侵入を阻んでおり,事故調査や解体処理に支障が生じている状態.

 そこでガス爆発緊急対策本部は,解放軍第13軍の対装甲弾で前面の壁を撃ち抜き,進入経路を確保する計画を立てているという.
 この作戦がうまく行かなかった場合には,さらに口径12.7ミリの機関銃で3カ所から一斉射撃.

 しかしこの方法だと中のガスタンクにも銃弾が命中し,ガス漏れもしくは誘爆を引き起こす可能性があるが,その際には戦車砲を用いてガスタンクを破壊するという3段構えの計画で,安全を常に確保する体制を整えていると説明している.この計画のためにすでに戦車が現場に待機している.

 3段構えの最後は,やや本末転倒な気がしないでもないです.

【作戦結果】

戦車砲で現場の事後処理完了 [2004/04/19 中国情報局]
 解放軍第13軍による事故現場の処理計画は重慶市政府,市共産党委員会によって認可され,18日午前11時35分より開始.
 対装甲弾での射撃は成果をみず,機関銃による掃射,戦車による射撃が連続して行なわれ,午後5時35分に3基のガスタンクを全て処理した.

 戦車大活躍♪

 これに気を良くした中国人は,1年後にこんな車輛を開発しました.

広東:消防製品展に迷彩色「消防戦車」出動 [2005/05/20 中国情報局]


 ベース車輛は85式戦車?  しかし砲塔の形が微妙に違うような・・・
 ところでこの車輛,放水車としてデモ鎮圧にも使えそうです.

(週刊オブイェクト,2005/5/22)


 【質問】
 チェルノブイリ原発事故で使われた戦車改造車両は,どんなものだったのか?

 【回答】
 ケーブルTVのドキュメンタリー関係のチャンネルでは,連日チェルノブイリ関係の番組が放映されていたのですが,その中で,戦車を改造した高放射線下作業車が画面に映っていました.

 でも,良く見えなかったので,ネットで検索してみると見つかりました.
 それが一枚目と二枚目の写真. ベースはT-55みたいです.
 なんか,戦車も,変われば変われるものですなぁ…… (w`;


ベタ藤原 in mixi,2006年04月29日


 ↓の写真は,そのキャプションによれば,『チェルノブイリ事故での事故後作業で使われた戦車』のようなんですが,一瞬KVかと思ったのですが,T-64ベースのようです.
 KVのケツは全バリエーション共通でケツが丸っこいですが,この車輌はケツに垂直の個所がありますし,履帯もダブルピンタイプっぽく,転輪の間隔も詰まりすぎてますから,少なくともKVでは無いとは思います.

 実はおいらも大戦中のソ連AFVは得意ですが,WW2以降はちょっぴり苦手で,断言する自信までは無いんですが,根拠としては以下の通りです.

 車体後部が垂直で丸太を装備する金具が付いている
→T-44以降のソ連MBT

 独特の転輪配置,ダブルピンタイプの履帯
→T-64/80系列

 転輪の形
→T-64

 戦後ソ連MBTに詳しい人の決定的解説求む!(^ω^;)

すたりん in mixi 支隊

 ちなみに,記念碑にされていたT-34を移動させることになり,
「さぁ,どうするべ?」
と皆が悩んでいたところ,昔T-34に乗っていた爺様の提案で自走させて移動させることになり,ちょっとした整備をしたら動き出してしまった,と言う話があります (w`;
 日本製品とは逆方向で,恐るべしロシアの技術力!!

ベタ藤原 in mixi,2006年04月29日

 寄せ集めのUralトラックのキャビンが何ともはや.

眠い人◆gQikaJHtf2,同コメント欄

 まあ,元々戦車にはデフォで耐NBC戦能力が求められていましたからね.
 特にソ連戦車は,NATO軍の戦術核の先制攻撃が十分考えられてたので,高放射線地域での行動能力も求められていた訳ですし,考えて見れば“適役”なのかも.

新所沢の三等兵◆Uk,同コメント欄

 でも,ここまで改造されていたら,耐NBC戦能力もクソもないかも (w`;
 番組中で,チェルノブイリで使われたトラックの話が出てたんですが,放射能から身を守るため,窓に鉛板を貼り付けていたそうで……

ベタ藤原,同コメント欄

>チェルノブイリで使われたトラック

 実物を見たことがないのではっきりとは言えませんが,γ線に対してある程度有効な遮蔽を行うには,それなりの重量が必要となる訳で.鉛毛マットにしても小さいながらも腰をやられるかと思うほど重いのですよ.
 窓に鉛板というのは,おそらく装甲車のようにごく一部を除き窓のようにしてみるだけで,鉛ガラス(黄色となるケースが大半です)を用意できるほど余裕はなかったと思われます.
 ちなみに私なら放射性物質を取り込まないようにして,内部被曝を避けるのを最優先して,防護服と全面マスク(重たい空気ボンベ装備がベター)で活動するしかないでしょうね.鉛によるγ線への対処はできればベターですし,無いよりかはマシですが,期待するだけ無駄な気が.その点ではNBC装備が期待できる戦車や装甲車のたぐいは有利かと考えます.

へぼ担当 in mixi 支隊

>おそらく装甲車のようにごく一部を除き窓のようにしてみるだけで〜

 いや,トラックの側面の窓に鉛板を貼り付けていたんですよ.
 で,前面ガラスはそのままでした…….これはマジで (w`;
 実際の効果云々というよりは,無いよりはマシ程度のものだったようで……

 ご指摘のように作業員は防護服を着て車を運転していたそうです.

ベタ藤原 in mixi 支隊


 【質問】
 1950年代のイスラエル軍と自衛隊の戦車は,シャーマン戦車で大丈夫でしたか?
 朝鮮戦争と違いM26パーシング戦車が配備されずに,シャーマン戦車が苦戦したドイツのパンター戦車と互角のT34/85戦車に対し不利だと思うのですが?

 【回答】
 一応,余剰在庫から供与されたのですが,MDAPでの供与には,76mm砲装備のものを優先的に供与しています.
 また,76mm砲装備車が足りなくなると,余剰在庫の75mm砲装備車を改造して76mm砲装備とし,各種改良は行っていますし,朝鮮に於けるT34/85との戦闘では,砲口径こそ劣っていたものの,高速徹甲弾が潤沢に供給されたので,その装甲は問題なく貫通出来ます.
(とは言え,T34/85も同条件ではありましたが,戦車兵の練度が桁違いだったので,腕でカバーしています.)

 なお,朝鮮戦争では,最初はM26やM46を喜んでいたのですが,1951年以降の落ち着いた情勢になってくると,M26は「出来損ない」「完全な失敗作」と嫌われるようになります.
 丘陵地形の多い戦線では機動力の有る方が好まれ,M4と同じエンジンしか搭載されていないのに車重が重く,変速機の故障しやすいM26やM46は嫌われた訳で.

 イスラエルのものは,同国が何でも欲しがったためです.
 大戦終結後,ベルギー,フランス,イタリアに残された数百両のM4は,スクラップされるはずだったのに,多くが闇市場に流れ,イスラエルはそれを入手して使っています.

眠い人 ◆gQikaJHtf2


 【質問】
 M4A3シャーマンはイスラエルや日本でも使われたけど,M26パーシングは他国に供与されましたか?

▼ 【回答】
 スティーヴン・ザロガ著『M26/M46パーシング戦車1943-1953』(大日本絵画,2003.2)によれば,M26パーシングは欧州諸国に少数輸出されてます.
 フランスとイタリアとベルギーに少数のM26が供与されてます.
 さらにベルギーは少数のM46も供与されてます.
 あくまで新型のM47が供与されるまでのつなぎですが.
 M26パーシングは元々(アメリカ戦車としては)そんなに生産台数が多くない上に,朝鮮戦争中にエンジンの馬力不足とトランスミッションの不具合が問題とされ,改良型のM46に生産が切り替わってしまったので.

 M46は韓国を始め多くの国に供与されましたが.

 M26のエンジンとトランスミッションを交換してM46相当にするという案もありましたが却下され,M26はほとんどが派遣先の欧州や日本でスクラップ業者に払い下げられ解体されました.
 日本では相模原で,弾薬を撤去し忘れた車両を解体した業者が爆発事故に遭って死傷する,なんて事件も起きています.

 イスラエルは裏ルートで少数を手に入れましたが,実戦では使用していない模様.


>M46は韓国を始め多くの国に供与されましたが.

 『M26/M46パーシング戦車1943-1953』によれば,上記のようにM46パットンはほとんど輸出実績がありません.
 想像ですがこれはM47と混同しているのではないでしょうか?
 どちらも「パットン」という名前ですし,M47は西側諸国に大量に輸出されました.
http://schafe.s246.xrea.com/combat/data/M47.htm

 なお,下のサイトにあるようにアメリカは朝鮮戦争後余った中古のM46を日本に供与する予定でした.
http://schafe.s246.xrea.com/combat/data/61SHIKI.htm

 国産戦車にこだわった日本はこれを蹴って61式戦車を配備します.
 ですが,もしこの時アメリカ側の意向が通れば,M46最大のカスタマーは日本だったかもしれません.

モーグリ in FAQ BBS(黄文字部分)


 【質問】
 日清カップヌードルのCMに出て来る戦車↓ってなんじゃらホイ?

 【回答】
 戦車はM41ウォーカーブルドッグ,撮影地はニュージーランド,
 おそらくはニュージーランドが保有していて,保存されていたM41を使用して撮影したものと思われる.
 ロケ地のニュージーランド陸軍も使用していたことから,入手が容易だったために選ばれたと思われる.


 【質問】
 以下の文はどれくらい正しいのでしょうか?
(以下石原慎太郎「国家なる幻影」より断片的にpick up要約)

「アメリカの戦車が,従来世界では日本の自衛隊の戦車だけが保有していた特殊スコープを供与されていたので,それによって100km近い速度での凹凸の激しい,砂漠の上を走りながらにして,一度視野に照準をあわせると,捕捉したまま一方的に砲撃撃破できた.
 これを見て震撼したのはソ連と中国であった.
 これら,日本から,アメリカに限って供与された先端技術の所産こそが,地上戦闘でもアメリカ側の人命のいたずらな犠牲を最小限にくい止め,一方的な勝利を連合国にもたらしたのであって,ペンタゴンの公式文書が,日本が彼らに与えた協力の貢献度は,7万の兵隊を送って共に戦ったイギリスの数十倍に値すると記したのは,決して大げさな物ではありはしない」

 【回答】
 正しい所を探す方が困難です.はっきり言って噴飯ものの内容です.
 例えば,「自衛隊の戦車だけが保有(←ママ)していた特殊スコープ」なる装備は存在しません.
 第一,射撃時の振動や走行による相対位置の変化に対応して,砲を制御するのは砲安定装置とFCSの仕事.「スコープ」を替えたからといってどうなると言う種類のものではありません.
 アメリカのM1系統の戦車は,自動装填ではなく手動装填ですし.
 また,そんな新装備を後付けして飛躍的に性能が高められるという発想も,TVアニメ・レベルではないかと.
 そもそも砂漠を100キロで突っ走るなんて,戦術上からも性能上からも不可能かつ無意味でしょう.

 兵器の知識のない人間の書いたヨタ記事ですね.

 個人的には
「これら,日本から,アメリカに限って供与された先端技術の所産こそが」
「決して大げさな物ではありはしない」
などというややこしい表現が原文のままなら,内容以前に「悪文」という気がしますが.


◆◆◆その他の車両

 【質問】
 イギリスかどこかで,装甲が強化プラスチック製の装甲車を造ってると雑誌で見ました.
 強化プラスチックの装甲の性能はどんなもんなのでしょうか?

 【回答】
 それは,英国の研究機関であるQinetiQがDERAであった時代に作った,M113の複合装甲版でしょう.

http://members.fortunecity.com/jpicard1/News/jane's.htm
の上1/5ほどの所にあります.
 強化プラスティック(E-glass)ボディーを使用,軽量化と同時に耐弾性向上,静粛化,レーダー反射面積減少によって生残性を高めることが目的でした.
 着脱可能な装甲板を付加すると,全周で14.5mmAPに耐え,正面は30mmAPに耐えるなど,IFV並みの耐弾性を実証したようです.
 ただし,C-130での輸送時には付加装甲板を外すようですから,これはかなりの重量がありそうです.外した時の本体の耐弾性はM113と大差ないのかも知れません.
 1800kmの使用テストでも車体本体には問題は出ず,これ自体は良い評価を得ています.

 しかし,その後英国は統合装甲車両の開発,配備を考慮し始め(FRES),もっと野心的でない方向に舵を取り,少なくともそのままの形での開発は続行されなくなったはずです.

 この装甲は,防弾性もアルミに匹敵するし,意外と?熱にもそれなりに強いそうです.
 だが,紫外線に弱い(劣化する),塗装すると塗料のシンナーで変質する,といった材質の問題の他に,全く新しい生産設備を作るコスト,合成樹脂であることから来る生産時の公害発生量の多さ,経年変化による可紡剤の揮発が人体に与える影響・・・とまだまだ研究すべき事は多いようです.

(system ◆systemVXQ2他)


 【質問】
AC(装甲車)
AFV(装甲戦闘車)
APC(装甲兵員輸送車)
ICV/IFV(歩兵戦闘車)
MICV(機械化歩兵戦闘車)

これらの違いがいまいちよくわからないのですが.なんでしょうか?

 【回答】
AC
 armored car 装甲車.
 装甲された走輪車両の総称.

APC
 armored personnel carrier 装甲人員輸送車;
 人員輸送用の装甲車両,小火器射撃及び榴弾の破片から人員を防護する程度の軽装甲を施した戦闘車両,装軌車両が多いが装輪車両もある.各種装甲車両ファミリーのベースとなる(注: 兵員のみでなく将校や文官等も乗るので 「装甲“兵員"輸送車」は誤り)<陸>

IFV
 Infantry Fighting Vehicle 歩兵戦闘車;
 米陸軍,M3,旧名称=装甲歩兵戦闘車(MICV)<陸> cf. MICV, CFV, ICV

ICV
 infantry combat vehicle 歩兵戦闘車;
 機械化・装甲化が一般化した結果,MICVのM(mechanized)を省略した名称<陸> cf. MICV, IFV

MICV
 Mechanized Infantry Combat Vehicle 装甲歩兵戦闘車“ミックビー";
 米陸軍,主力戦車に随伴し歩兵1個班が乗車射撃可能,
 IFV開発時点の名称 cf. IFV, CFV

FV
 fighting vehicle 戦闘車両;
 特定の火力戦闘機能を持つ車両,通常は装甲(装軌または装輪)車両,,臨時に火器を搭載した一般管理車両は含まない<陸> cf. CV

CFV
 Cavalry Fighting Vehicle 偵察(騎兵)戦闘車;
 米陸軍,MICV改,比較的大口径の火砲を搭載して威力偵察が可能.
 伝統的に偵察部隊を騎兵部隊と呼称していた米陸軍は,偵察戦闘車を騎兵戦闘車と呼ぶ.
 現用種=M3 ブラッドレー(Bradrey) cf. IFV, MICV

ACAV
 In 1957 the unit was assigned to Germany as part of the Nato Forces protecting the border from communist aggression until it returned to the United States in 1964. In March of 1966, the unit was alerted for movement to the Republic of Vietnam. It then began redesigning it's equipment for a new type of warfare. Adding additional armor and two more 30 cal.
 Machine guns to the armored personnel carrier which had one 50 cal. Browning machine gun. The addition of protective gun shields for the crew and track commander. The result was a very rapid all terrain fighting vehicle which could deliver devastating firepower. It was called the Armored Cavalry
Assault Vehicle or "ACAV". The Blackhorse troops arrived in South Vietnam on September 7, 1966, and quickly engaged the enemy with tanks, ACAV's, artillery and helicopters.
The success of the ACAV in battle prompted the army to convert personnel carriers in other units in a similar fashion..
http://asa.npoint.net/11thacav.htm


 【質問】
 歩兵戦闘車と装甲歩兵輸送車の違いは何ですか?

 【回答】
 歩兵戦闘車は戦車にも随行して最前線を切り開こうかという車両だが,装甲兵員輸送車は切り開いたあとを,あるいは強力な敵がいないと思われるところを移動する車両.

 前者は戦車にも随行するため,(時にMBTを支援することも含めて)中の人の支援戦闘能力を高めた.
 例えば,BMP-1は登場当時,砲塔上のミサイルはおろか,主砲の低圧砲ですら西側の主要な戦車を撃破出来ると言われていた.

 しかし実際には,歩兵戦闘車の対戦車戦闘能力はオマケであり,砲は敵のバンカーなどを攻撃するのが主目的.
 あくまでも歩兵の友,
 援護用.対戦車自衛には対戦車ミサイルが主に使われる.

 後者の方も,貧弱な武装で敵陣に雪崩れ込むと,中の人が下車戦闘を拒否するなんてこともあるので,強力な支援火器を装備していることもある.

 装甲も違う.
 歩兵戦闘車は戦車にも随行するため,全周重機関銃防御が基本だが,装甲兵員輸送車には前面重機関銃防御,
 全周となるとライフル弾防御までというのが珍しくない.
 まあ,最近は全体に装甲強化の流れがあるが.

 補足すると,BMP-1が敵中戦車を撃破出来るほどの火力を有したのは,フルシチョフ政権下での特異な兵器開発(ミサイル万能論と旧来の兵器体系を否定する流れ)の影響でもあって,その後の歩兵戦闘車は,敵歩兵戦闘車を撃破出来る程度の火力と対戦車ミサイルの併用と言う流れになっている.

 BMP-1の主砲についても,カタログ性能的には成形炸薬弾で敵の中戦車の装甲を貫通することが出来るが,実際には遠距離砲撃すると(照準手の予測できないレベルで)風上に弾道が逸れていくため,とうてい敵戦車との砲撃戦が出来るようなもんではないです.

軍事板

BTR-80に乗るロシア内務省所属特殊部隊員

BMP-1@フィンランド軍


 【質問】
 兵員輸送車は装甲といっても,ハンビーの装甲オプション程度,あるいは軽装甲機動車にも劣る程度の装甲しかないんですか?

 【回答】
 素の軽装甲機動車は7.62mm*54R徹甲弾で十分だろ.増加装甲は別に有るようだが.
 普通の装甲車は7.62mm*54Rには対応してる.BTRは・・・・・,それ以下だろう.

 で,正面は「12.7mm対応」と言っても普通は普通弾対応なので,徹甲弾やSLAPを使われると貫通する.
ソレゾレの弾の貫通力に付いては↓参照.
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/land/762.htm
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/land/50.htm

 SLAPならチハタンでもあぼーんである.

超軽装甲機動車


 【質問】
 M2ブラッドレイには,どんな単位で歩兵は乗車するの?

 【回答】
 まず分隊は9名なり.分隊長が1人いて,その下に4名からなる組が二つ.
 ブラッドレー4両に1個小隊3個分隊の27名が分乗します.
 このほかブラッドレーの中から戦闘する人が1両につき操縦手,砲手,車長の3人.だから小隊は12名+27名+1名が定員.+1名は小隊長が降車するときのかわり.

 小隊の組織図がこちら
http://www.globalsecurity.org/military/library/policy/army/fm/3-21-71/ch1.htm#sec2

 分乗の仕方の例がこちら
http://www.globalsecurity.org/military/library/policy/army/fm/3-21-71/appa.htm


 【質問】
 アメリカの軽装甲車?のハムビーって,車幅が広すぎると思うのですが,何故でしょうか? ダンプトラックくらいありそう.

 【回答】
 不整地での高速走行時の安定性を重視したため.
 実際,ジープは意外に転倒事故が多い.

 簡単にはひっくり返りそうにない装軌車や装輪装甲車でもけっこう不整地でひっくり返って死傷者出してるからね.
 コソボみたいな紛争調停に入ったとこでは交通事故(横転,転落)による死者が軍から出てしまう.

 また,ミサイルや銃の発射プラットホームとして使用する際にも車幅がある方が安定するし,おとなしく座ってるだけでなく,中でさまざまな行動をする必要があるので,ただの乗用車の車幅では使いにくい.


 【質問】
 ハンヴィーの防弾設備は,どれくらいの銃弾なら止められますか?
 映画「ブラック・ホーク・ダウン」ではAKを止めていた気もしますが.

 【回答】
 防弾型のハンビー,と言ってもいくつかのグレードがあるが,
 最高グレードのものなら通常の距離(歩兵同士が撃ち合う程度の距離,50m以内)なら7.62mm小銃の通常弾を止められる(跳ね返すのは無理).
 ただし,ここまでの防弾性を持つハンビーは,車体が重くなりすぎて,走向装置に負担がかかり過ぎるため,速度も出せないし,急ハンドルを切ったりできなくなる.

 通常レベルのグレードなら,上と同じ距離でどうにか7.62mm小銃弾の単発射撃に耐えられる程度(連射を食らうと何発目かで穴が開く).

 付け加えとくと高グレードの防弾ハンビーはすぐ足回りが駄目になるので
「替わりが少ないから,壊れると困るので,なるべく使わないように」
という通達が出されてて,ただでさえ予算不足で数が少ないのに余計に前線部隊に行き渡らない.
 そのため本当に必要な兵士達が使えず,イラク駐留部隊の不満の一つになっている.

 海兵隊がハンビーとかの車輌用に対RPG装甲L-ROD(アルミ製バー装甲キット)を作りはしたけど,あんまり普及していない.
 ハンビーは側面にドアがあるので,車体の周囲にあの手の物を張り巡らすと邪魔な上,あれでも重量が増加するので嫌われてる.
 何よりも,ハンビーはRPG使うまでも無く機銃弾で蜂の巣になるので,そもそも役に立たない.
 防弾効果はないしね.

 だいたい,ハンビーは「JEEP(C)に替わる汎用小型車両」であって,装甲車じゃないので.ガンガン撃ち合いが行われるような環境で使うこと自体が間違ってる.
 確かにエンジンと足回りを強化すればいいんだろうけど,それだと高価で複雑になって,本来の目的から外れた車両になってしまう.
 要はちゃんとした装甲車を必要な数用意できない,米軍の台所事情の問題.


 【質問】
 M1117 ASVとは?

 【回答】
 HMMWVの脆さにうんざりした米軍が採用した装甲車.



CRS@海軍歩兵 in mixi支隊

 ちなみに以下の画像は,イスラエル軍が魔改造したHMMWV…ではない.

http://www.af.mil/news/story.asp?id=123044430
を参照.




井上@Kojii.net in mixi支隊


 【質問】
 映画「ブラック・ホーク・ダウン」に出てきた,トラックに機関銃をつけたモノをテクニカルと呼んでいましたが,テクニカルというモノの定義を教えてください.
 テクニカルと聞くと株しか思い浮かばないし,検索してもやっぱり株関連しかでてきませんでした.

 【回答】
An improvised military fighting vehicle, usually constructed and operated by local militia forces and converted from a civilian vehicle such as a pick up truck with a machine gun or recoilless rifle mounted on the vehicle.

 つまり「トラックに機関銃をつけたモノ」だ.

「テクニカル・パンダ」


 【質問】
 紛争地帯ではピックアップトラックに機関銃を搭載したテクニカルが使われてますが,少し前にアメリカで事件になった,ブルトーザーに鉄板を取り付けた手作り装甲車のようなものは存在するのでしょうか?

 【回答】
 イスラエルがそういった「増加装甲付き武装ブルドーザー」を使ってる.

 ただ,あの手の重機は結構頻繁な整備が必要で,TOYOTAのトラックのように
「燃料入れて時々エンジンオイルを補給すれば,後は何もしなくても壊れるまで動く」
というメカではないので,テクニカルのように気軽には使えない.
 また,値段も結構高く,ブルドーザーの稼動率が維持出来る組織なら,中古のTー54でも買った方が安いし便利だろう.
(工兵用車両としては話は別,そういう装甲ブルドーザーが有るが結構,金持ち国しか持ってない)

 ブルドーザに拘らなければ色々ある.「gun truck」などで画像検索するといろいろ出てくる.
 制式のものであれば,ASV armored security vehicleでgoogle検索すると出てくる.12.7mm機関銃と40mm擲弾銃を二つ備えた砲塔がついた,4輪の装甲車.

 また,独ソ戦初期にルーマニア軍に包囲されたオデッサ市で,トラクターに装甲を被せて急造した通称「オデッサ戦車」というのがあった.
 武装は機関銃程度だったが,まともな対戦車火器を装備していなかったルーマニア軍部隊にとっては脅威だった.
 この他に,もわざと目立つように動かして陽動や威嚇として用いた.

 逆にいえば,まともな対戦車火器(現在ならRPG)を持ってる敵に対しては無力.
 さらに鈍足で後続距離も短いので,不正規戦ではテクニカルよりも使い勝手が悪い.

オデッサ戦車


 【質問】
 以前から,なんとなく考えていることなんですが,日本国内で使用されている大型のクレーン車など重機を土台に,砲をつけて(油圧系の規格とか細かいことは気にしない)戦車モドキ,自走砲モドキを作ろうとしたら,最大というか,どれくらいの砲なら付けられそうでしょう?
 クレーン車のアーム取って砲をつける感じです.
 あり物で数発ぐらいは撃てるシロモノをデッチ上げるノリなので,工作のメンド臭さや運用上の不便さとかも無視の方向で(やってやれなくはないならOK).

 【回答】
 こういう積み方でも良い?

 ただ,工事現場でよく見るパワーショベル(いやユンボでもバックホーでもいいけど)は,エンジンは回転する上部ボディにあるから,こんなふうにしたら自走できん.
 キャタ付いてる意味が何もない(むしろ牽引速度が出せないだけマイナス)わけだが.

 あの手の全周回転式重機は,下部クローラーと上部ボデイを接続してる回転軸部が無理させるとすぐ痛むので,反動のある重火器は積めないだろうなぁ.
 無反動砲とかミサイルとかなら,ジープに積めばいい訳だし.
 無理なく積めるのは25mmの機関砲くらいだと思うよ.
 それだと兵器として見ると足がトロくて,整備が大変な割にはメリットが低すぎると思う.

 あ,あとあの系統の重機は重心が高いので,見た目の割にコケやすい.
 特に小型(操縦席がキャビンじゃなくてムキ出しになってる,2tトラックの荷台に載せられるようなやつ)のは特に重心が高く,キャタが踏ん張れないので本当によくコケる.
 それで死ぬ人は結構多い.

軍事板


 【質問】
 昔あった「特ホウ王国」という番組で,巨大なダンプカーを遠隔操作している映像がありましたが,これを戦車や装甲車に応用するのは意味がないんでしょうか?
 市街戦などで活躍しそうなのですが.

 【回答】
 電波を使うと簡単に妨害されてしまいます.
 有線だと簡単に切断されてしまいます.
 したがって自律して行動するのがベストなので,装甲車両では目下研究中です.
 「ゴリアテ」で検索すると良いでしょう.

三等自営業◆LiXVy0DO8s

 また,原則的に,装甲車両にとって「でかい」ということは「弾があたりやすい」ということになります.それ故に現代戦車は平べったいのです.

 ごく軽武装のデモ隊を蹴散らすなどに使うなら役に立つかもしれませんが,昨今のゲリラは対戦車ロケット砲ぐらいは当たり前に装備している――特に市街戦だとどっから撃たれるかわからない――ので,有用性は高いとは言えないでしょう.


 【質問】
 戦車は燃費が悪く故障もしやすいために,タンク・トランスポータで輸送したり,整備担当者が戦車部隊にあるのは分かるのですが,両者は一体どのあたりまで戦車部隊と行動を伴にするのでしょうか?

 【回答】
 第二次大戦時のM25は,そのトラクタの各リヤアクスルに17,100kgまでの荷重がかかり,総重量69,750kgで終始運転され,正式に第5輪に掛かる積載量は27,000kgとなっていました.
 当然,その重量に耐えうる道路でも路面が相当痛めつけていました.

 但し,トレーラートラックについては,他の軍用車輌と同じく全輪駆動式ですから,不整地踏破能力は十分にあります.
 第二次大戦,その後の朝鮮戦争では,戦車部隊に随伴し,完全に戦闘が終わっていなくとも,弾雨をかいくぐって故障戦車を引き上げる任務も行っており,戦車兵からは「鋼鉄の百足」とか,「ディーゼル屋」とか言われていたそうです.

 戦車整備兵も同様に随伴していたものと思われます.
 但し,歩兵などと共に戦場に投入された訳ではなく,デポや修理工場を戦場から少し離れた後方に作り,其処に配置された場合が多かったようです.

(眠い人 ◆gQikaJHtf2)


 【質問】
 装輪戦闘車や戦車不要系のスレなどで,「装輪は装軌似比べて低価格で取得性がよい」という意見をよく見ます.
 実際のところどのくらい安く出来るんでしょう?
 装輪の戦闘車両は確かに安いようですが,装甲も火力も同程度でそれを装軌で造った場合,大きな価格差が出るのですか?

 【回答】
装輪車は基本的に
「路上走行性能が高く,比較的安価」
ではある.
 武装を載せるだけなら安くは出来る.

 とはいえ,不整地走行への適応度が低く,装軌と同等の不整地走行能力を得るには,それなりに高度で複雑な駆動系と懸架系でなければならない.
 装軌と同等レベルを目指すには,装輪の安価と言うメリットを失い,それでも装軌ほどの不整地走行能力を得られない.
 また車体下部を駆動系が通ること,走破性のためにタイヤ径が大きくなることなどで,同じ容積を確保するには装軌車よりどうしても背が高くなる.
 操向性のために車体幅をあまり大きくできないから,どうしても腰高になるし,そもそもタイヤは弾性体だから,射撃時の安定性にも劣る.
 これを解決するには,またしても高度な懸架系やFCSが必要になる.
 接地圧が大きくとれないから,重量を大きくできず,装甲強化のマージンが少ないのもデメリット.

 結果として,LIC対応の緊急展開部隊のような,軽量装備でも構わない場面には,安くて維持費も少なく,装輪の利点を生かせる.

 なお,センタウロの場合,約400両生産して1両当たり約180万ユーロ,調達終了が1999年だから,当時のレートで約2億3千万円.
 イタリアは整備コストに悩まされたらしい.
 思ってるほど安いもんじゃない.


 【質問】
 チェンタウロの正面装甲は20mm程度の弾に耐えるとありますが,そうするとIFVに負けちゃうと思うんですが,装輪戦車が相手にするのはどんな車両なんですか?

 【回答】
 イタリアのチェンタウロは「第1反撃用」というのが想定任務だそうな.
 上陸してきた敵軍が重装備を陸揚げする前,展開に時間のかからない装輪部隊で先制反撃を掛け,あとは後続の機甲部隊に任せる・・・という戦術思想とか.

 一方フランスの重装甲車はまず国家憲兵隊の持ち物で,想定敵は重装備を持っていないレベルの反乱軍か,警察の装甲車と思われ.


 【質問】
 LAV-25とストライカーは,同じ車両から派生した違う車両ですか?

 【回答】
 LAV-25は元は,スイスのモヴァーグ社の「ピラーニャ」っていう8輪装甲車をGMカナダ社が改良したものを,海兵隊が採用したもの.

 ストライカー装甲車は,それを更に陸軍の要求に向けて改良したもの.

 そういう意味では同じ車両の派生型.

 ちなみに「ストライカー」と呼ばれる車両群はそれぞれ

M1126 ストライカー ICV兵員輸送型
M1127 ストライカー RV偵察型
M1128 ストライカー MGS機動砲システム
M1129 ストライカー MC迫撃砲搭載型
M1130 ストライカー CV通信指揮型
M1131 ストライカー FSV火力支援型
M1132 ストライカー ESV工兵支援型
M1133 ストライカー MEV野戦救護型
M1134 ストライカー ATGM対戦車ミサイル搭載型
M1135 ストライカー NBCRVNBC偵察型

という形式番号がある.

 LAV-25は計画時の LAV:Light Armoured Vehicle 計画の呼び名が,そのまま形式番号になっちゃってる.


 【質問】
 AAV-7A1やAAAV等の水陸両用の装軌式車両は,なぜ陸軍には配備されないのでしょう?
 勿論,海兵隊等の方が真価を発揮できるのは分かるのですが,陸軍でも相当役に立つと思うんですけれども……

 【回答】
 だって「敵前強襲上陸」は海兵隊の仕事であって,陸軍の仕事じゃないから.
 陸軍は陸で戦うものであって,海を自力で渡ったりはしない.

 陸上でだけ使う事を考えると,AAVシリーズのような水陸両用装甲車は,図体がでかい割に装甲が薄くて武装が貧弱なので,被弾しやすくリソースの無駄使い.
 実際,アメリカ海兵隊はLVTP5(AAV-7の前任装備)をヴェトナムで陸上戦に投入して,大きな損害を出している.
 装甲が薄いのに大きい車体は,被弾しやすく目立つので,集中攻撃に晒される事になり,現場の兵士に嫌われた.

軍事板

 ただ,第4次中東戦争において,エジプト軍がソ連製の水陸両用軽戦車や装甲車を駆使して迅速に対岸へ機甲戦力を展開できたのに対し,そういったものを持っていなかったイスラエル軍は逆渡河の際に大変な苦労を強いられています.
 砲弾がドカドカ落ちてくる中で工兵隊に橋を架けさせるってのは困難を極めるわけで.道路事情の酷かったシナイ半島では,潜入したエジプト軍コマンドによる妨害もあって,スエズへ向かうイスラエル軍車両が各地で大渋滞を起こし,中でも巨大な装備を運搬する架橋部隊はカタツムリのような歩みで,作戦にかなりの支障をきたしています.
 もし仮にIDFが水陸両用車両を装備していたら,橋頭堡の拡大も迅速に行えたでしょう.

 また,最近読んだ本によると,イライラ戦争中にイラク南部の湿地帯(=まともな道がない)で,イラク軍のPT-76がその機動力を活かし,大いに活躍したそうです.
 もっとも敵は機甲戦力,重装備を持たないイラン軍(こっちはボート)ですが…

Shaul in mixi支隊

 装輪式AFVだと,尾部両側にスクリューをつけて,浮上航走できるようにしている奴が結構ありますね(例:BTR).
 ただし,装甲強化で重量が増えてしまい,浮航できなくなったのでスクリューも外しちゃった,という事例もあります.
 浮上航走できる装甲車でも,発注側の判断で「うちの運用環境なら不要」といって外させる事例もあります.
 使わない装備をつけても,重量と整備の手間が増えるだけですし.

 結局,浮上航走能力を日常的に必要とする海兵隊と,敵前渡河みたいな限られた局面でしか必要としない陸軍の,プライオリティ配分の違いということでは.

井上@Kojii.net in mixi支隊


 【質問】
 自転車部隊というのはあるみたいですが,バイク部隊(偵察じゃなくて)は無いんでしょうか?

 【回答】
 自転車部隊は,現代ではスイス軍が運用しているのが著名ですね.
 オートバイ部隊に関しては,WW2初期におけるドイツ陸軍オートバイ歩兵が有名です.もっとも,その任務は偵察が主でしたが.

 オートバイのもつ小型で発見されにくく,軽快で悪路や狭隘な地形でも活動できるという特質は,現在も重宝されており,偵察,連絡などに使用している国が多数あります.
 我が陸上自衛隊においても偵察にオートバイが使用されており,米陸軍においても(少数ながら)オートバイが使われていますね.

 ただ,質問にあるような偵察任務でないオートバイ部隊というのは,寡聞にして知りません.
 オートバイは被弾に弱く,また搭載量が極端に小さく,一人移動させるのに一台まるまる使ってしまう効率の悪い乗り物であるため,ある程度の規模の部隊を移動させる手段としては向いていないようです.

対戦車バイク

自殺兵器にしか見えないな……


 【質問】
 主力戦車並みの攻撃力を持ったホバークラフトが出現する事は無いのでしょうか?

 【回答】
 武装だけならロシア(ソビエト)の揚陸用ホバークラフトの中には,かなりの重武装のものがある.
 しかし,ホバークラフト(エアクッションクラフト)は構造上重装甲にできないので,戦車の代わりにはならない.
 そもそも,ホバークラフトは大きな段差を越えたり,障害物を押し倒したりができないので,不整地踏破? 性能に限界がある.
 また,音が激しくうるさい,走行にプロペラを使うので攻撃に対して脆弱,燃費が悪い……と欠点を挙げていったらきりがない.

 とてもではないが装軌装輪車両の代わりにはならない.

381:名無し三等兵:2006/04/14(金)02:51:40ID:???

 ホバークラフトに戦車載せて砲撃させれば戦車並みの戦闘力じゃねえ!?
 すげぇ!!


383:名無し三等兵:2006/04/14(金)02:55:55ID:???

 ただ載せただけの状態で発砲するととんでもないことになるぞ.
 ネタにマジレスして悪いが,君は総合火力演習とかの映像で戦車が主砲を発砲してるところを,よく見てみような.

 そーいえば,宝島社だかのムックで
「LCACに120mm砲載せれば!」
とかやっていたな.
 誰かあれ,企画書の段階で止める人はいなかったんだろうか?


384:名無し三等兵:2006/04/14(金)02:57:37ID:???

 企画書の段階で考えてしまったら,宝島ムックのほとんどは出版されない.

 【質問】
 列車砲はなぜ,自走砲に比べて大口径に作れるんですか?
 機関部分を機関車という形で外付けできるからですか?

 【回答】
 鉄道貨物車両がトラックよりずっと重いものを積めるのと同じ.

 鉄道はレールの上を走るので,本体の重量を車輪→レール→枕木・バラストという形で地面に伝えて分散できるから,走るときに車輪と接地面に掛かる摩擦がずっと少ない.
 そのため車輪が接地面にめりこんだりせず,車輪を直接地面につけて走る形式のものよりもはるかに少ない力で走れる.
 つまりはずっと重く大きくできるので,より巨大な砲が積める.

 また,自走砲と違って,整備された路面(レール)の上だけ走ればよく,曲率半径も下限があるので,大きな旋回半径になっても問題ない.
 このため少々重量が大きくなろうと,長くなろうとお構いなし.

 上記の理由により,作りが単純で頑丈に作りやすく,つまり重い砲を積むための車台が作りやすいので大口径砲を搭載できる.
 その積載量を装甲に回すと装甲列車になる.

軍事板


 【質問】
 自転車部隊が使う自転車は,普通の自転車とはどこか違うの?

 【回答】
 数年前にスイス自転車部隊を扱った新聞記事を読んだが,フレームはチタン,ブレーキは油圧ディスクでマウンテンタイプだったようだよ.
 舗装されてない山道では機動性抜群らしい.

軍事板

 ただし現在では,スイス軍自転車部隊は廃止されているので,念のため.

以下は中国軍自転車部隊
 一見すると普通の自転車に見えるが,もうこういった部隊は現存してはいないだろう


◆◆◆対戦車戦闘


 【質問】
 対戦車ライフルが登場したのはいつごろなのでしょうか?
 やっぱり第一次大戦?
 それはどんな物だったのでしょうか?

 【回答】
 この道の権威といわれる,Anthony G. Williamsから引用.

――――――
 最初の対戦車ライフルはMauser Tank-Gewehr M1918.
 MG TuF機関銃用の13×92mmSR弾薬を使用.
 同機関銃導入までなんとか持たせるために急遽開発,投入された.
 基本的には通常の歩兵用ボルトアクションライフルを,上記弾薬を使用できるよう大型化したもので,重量は17.7kg,全長は1.68mあった.

 鋼鉄芯の弾薬は100m射距離で20mmの鋼板を貫通し,300mでも15mmを貫通した.
 当時の英軍戦車の装甲は12mm程度であり,十分有効であった.
 ただし,その重量,サイズ,反動は大きな欠点ではあった.

 これに続いたのが,英国のGodsal .600/500"対戦車ライフルと,ソ連のSholoklov M39であり,前者はM1918の改良型,後者はM1918を12.7×108mm重機関銃弾用に調整しただけのものであった.
 次の世代の登場は1930年半ばのBoys Rifleを待つことになる.
――――――

 つまり,第一次大戦中にドイツが開発した,モーゼル小銃の閉鎖機構を流用した,13mm鋼鉄弾芯の専用弾を撃ちだすものが世界初の対戦車ライフルです.

 上記にある通り,モーゼルをただでかくしただけの代物で,反動を軽減する機構がありません.
 リコイルショックが半端じゃないくらいきつく,
「二発しか撃てない(一発目で右肩,二発目で左肩をやられる)」
とまで言われてました.
 他にも単発で装填に時間が掛かり,60〜90°の数百m以内で当てないと弾かれる等,色々問題がありました.

 それらの問題を解決したタイプのものも開発中でしたが,終戦までには間に合いませんでした.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 対戦車ライフルって本当に役に立つのでしょうか?
 映画「ルパン三世・カリオストロの城」でその存在を知りましたが,実際にはどうなのでしょうか?
 現在は使われてはいないのですか?

 【回答】
 現代の戦車には全くの無力です.
 そのため,現在はあまり使われないし,対戦車ライフルと呼称されること自体少ないようです.
 ではなんと呼ばれているのかというと,「対物ライフル」です.

 対戦車ライフルは第一次大戦中に開発されました.
 第二次世界大戦初期までは役に立っていたんですが,その後の戦車の恐竜的進化によって戦車の装甲が強力になったので,対戦車ライフルは戦車に対しては無力な存在となりました.
 また,無反動砲や携行ロケットなどが開発され,対戦車ライフルよりはそちらの方が効果が高いので,最終的に廃れてしまいます.

 しかし,ロケットや無反動砲は射程が短く,撃つと発射地点がバレバレで反撃を食らいやすいですが,対戦車ライフルは発射地点が暴露されにくい.
 また,戦車には歯が立たないとはいえ,装甲車程度なら効果があるので,装甲車両攻撃にも用いられています.

 それと極東の某国では,対戦車ロケットや無反動砲の開発が遅れ,前線に配備できなかったので,二次大戦の最後まで対戦車ライフルを使ってます.
 戦争末期に行われたソ連軍侵攻で,ソ連の戦車に向かって火を噴きましたが,ソ連戦車の装甲に歯が立たず,踏みつぶされました.
 しかし,北方の島々に来たソ連軍は装甲車程度しか揚陸しなかったので,それ相手に活躍したという話も聞きます.

 対戦車戦闘を考える場合,ライフルよりも携行ロケットランチャや無反動砲の方が全然良いので,対戦車ライフルは現在では対物ライフルと名を変えて,人や軽装甲車などを狙うライフルとなっています.

 【参考画像】
 第2次大戦中における対戦車ライフルの取り扱い説明書
その1
その2


 【質問】
 牽引砲は現代の対戦車戦でも役に立ちますか?

 【回答】
 無力.

 現在多少なりと配備されている牽引対戦車砲は,ソ連/ロシアの予備役に残るT-12 100mm がほとんど唯一のもの.
http://www.army.mil/cmh-pg/books/www/280c.htm
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/land/row/t-12.htm
(諸元)
全長10m重量3.3t 操作要員6人 毎分6発
直射有効射程 2,000m(HVAPFSDS) (1000m 225mm貫通)

 現代戦車は固定目標なら3000mで初弾必中の性能があるので,対戦車兵器は土地の起伏,植生,建物などを利用して待ち伏せ奇襲する以外ないのが常識.

 牽引砲の場合,3.3tという重量からして,ATMのような迅速な展開は不可能.地盤が強固な場所でなければ設置できない.全長10mの砲を航空偵察から隠匿するのも不可能に近い.
 いったん設営したら,陣地変換は事実上できないので,対戦車戦以前に空爆で破壊される危険性大.

 しかも誘導ミサイルに比べて命中精度は低い.
 発射の反動で砲自体が大きくジャンプするため,いかに火器管制システムを改良しても50tの砲座に搭載された戦車砲のような命中精度は得られない.

 なお,誘導対戦車ミサイルは実戦での使用実績豊富なMILANを代表とすると,
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/land/row/milan.htm
(諸元)
全長0.9m 重量 本体6.73kg 発射装置16.4kg 操作要員2-3人 毎分3-4発
有効射程 2000m (352mm貫通)

 …なぜ牽引対戦車砲が使用されなくなったか,おのずから理由が分かるだろう.

 なお,誘導砲弾による間接射撃での対戦車戦は,また別の話題となる.


 【質問】
 昔の戦車は有刺鉄線がキャタピラにからまって動けなくなった事もあったらしいけど,今のは大丈夫なんかな?

 【回答】
 WWII以前の低出力のエンジン積んだ軽戦車だとピアノ線とか絡ませると致命傷になる事もあったらしいですが,現在の1500馬力とかのエンジン積んだ50〜60tもある戦車だと,何事もなく引きちぎって進んでいくらしいです.

(赤色大元帥)


 【質問】
 第一世代の対戦車ミサイルの命中率っていったいどの位だったのでしょうか?
 遠距離になるとスコープで目標物を狙わざるを得ず,尚かつスコープ内にミサイルも捉えなければならず・・・と考えると,かなり悲惨な命中精度ではなかったのでしょうか?

▼ それと,第二次世界大戦時には対戦車ミサイルの研究ってあったのでしょうか?

 【回答】
 第二次大戦中,ドイツ軍がX-4というのを開発しており,これを基に,フランスが本格的な対戦車ミサイル(SFECMAS)を開発したと言う話があります.

 で,命中精度ですが,初期も初期,1955年に試作された米陸軍のDartの場合,2,100ヤード先の目標(黒点)から,僅か15.3cm離れたところに命中し,0.01%の確度を得たと言うことです.

 フランスのSS10の場合は,
 1. 300mまでは効力がない(誘導員が誘導に必要な時間を持てない)
 2. 400〜600mの間の命中精度は良好と言えない
 3. 700m以降になると,在来のいかなる兵器よりも明らかに優秀で,射程が伸びるほど命中公算が増える.
   実際には,射程1.6kmでm命中率80%とされており,仏の将軍曰く,90%の撃破率と豪語していました.

 ちなみに,この射手を養成するのには,一人宛20発程度が必要で,復習するのに6発が必要とのこと.
 ただ,空幕の人は,戦闘中に20秒間冷静に誘導できるかと言う懸念点を示していました.

 日本の六四式の場合は,初期試作は,ロケットノズルの製作に不具合があって,明後日の方向に飛んでいくと言う話があったのですが,その不具合解消後は,結構な命中率だったと言う話でした.

軍事板


 【質問】
 第3世代MBTの戦車砲と歩兵携行式の対戦車ミサイルの射程距離は,それぞれ大体,何kmでしょうか?

 【回答】
 砲にもよりますが,ラインメタルのだとAPFSDSの有効射程が3500メートル以上,とされています.

 ATMですが,歩兵携行用と言ってもカテゴリーがいくつか有あります.

<一名で携行,発射>
プレデター  射程 570m
エリックス  射程 600m
AT-7/AT-13 射程1500m

<二名で携行,発射は一名>
ジャベリン  射程2500m
ギル     射程2500m
スパイク   射程4000m
ミラン1/2/3 射程2000m
AT-14    射程5500m
BILL     射程2000m
BILL2     射程2000m

といったところです.

 携行対戦車ミサイルからは外れますが,
79式対舟艇対戦車誘導弾 最大射程3000メートル
87式対戦車誘導弾 最大射程2000メートル
もありますね.


 【質問】
 戦車に対してATMを撃つ場合,遮蔽物の多い場所ではATM側が不利だと言われました.
 ATM側は有利な地形で射撃可能であり,反撃や回避を見越しての攻撃が出来る以上は開けた場所で攻撃するより圧倒に有利だと思うのですが,違うのでしょうか?

 【回答】
 ATMの戦車に対する優位点は,射程と射撃前の隠蔽性.
 遮蔽物の多い地形では,これらの優位点を生かし切れない.むしろ誘導が困難に,戦車側は回避が容易になる.
 出会い頭の瞬間交戦能力では,戦車が圧倒的に有利.

 自分が隠れられる地形で,相手が開けた地形にいるなら,たぶん隠れられる地形から撃つのが正しい.
 でもATMってのは戦車に対するかかしみたいなものなんで,という意見も観た事があるし,そういう地形が都合よくあるかは俺には分からない.
 また,戦車は砲塔を回して厚い装甲をやばそうな方向に向けることができる.
 このとき一緒に主砲と同軸機銃もそちらに向くんで,その正面から撃ったら,発射炎や背後に立つ煙と爆風による埃などでばれて,榴弾を撃たれるかもしれない.
 基本的に戦車とATMだけ持った歩兵がサシで対決するんではなくて,双方いろんな要素を取り合わせて戦場に効き目をもたらすようにするから,その点ではこういう話はあくまで限定的なものなのかもしれない.

 確かに,戦車に乗ってて最も怖いのは対戦車ヘリで,次いで,近くに潜んでる,携帯対戦車火器を持った歩兵.(敵戦車はその次・・少なくとも互角に殴り合えるから)
 とはいえ,敵戦車には僚車や随伴歩兵がいるわけで,それらの火線に身を晒してATMを扱えるか?
 そのような用途には,もっとコンパクトな無反動砲かロケットランチャを使いたいね.

 あと,ATMの弾速は極めて遅いって事も考慮してね.
 下手すると,後だしジャンケンに負けます.


 【質問】
 対戦車ミサイルを発射したときに,飛翔用のロケットモーターに点火する前に地面や屋根などに落ちたりしたら,不発で機能停止するのでしょうか?
 それとも,そのまま点火してしまうのでしょうか?

 【回答】
 物によって様々だけど,発射機から射出してからモーター点火まで,火薬に依る物や電子的機構に依る物などの時限設定がある物も多い.
 それらの場合だと,地面に墜ちようがモーターは点火する.
 他に,発射機からの距離を検知してからモーターに点火する物もあるので,それは射出後に充分な安全距離が取れなかった場合には点火しない.

 ずっと昔の富士の総火演でまさにそんなシーンを見た.
 発射筒から飛び出した対戦車ミサイルが,20mほど先の草むらに突っ込んだ.
 しばらく草むらからシューシューと言う音が聞こえ,ほわんと白っぽい煙が立ち上った.
 たぶん発射薬だけ点火して,メインのロケット・モーターの点火が遅れたんだろう.
 でも弾頭はまだアーミングしてなかったので爆発はしなかった,と.

 failed missle launchなどで検索すると掛かる.
http://www.youtube.com/watch?v=Hj2g5vGgMbM
http://www.youtube.com/watch?v=-UXl9PcPvKc

 それどころか,目の前にぽとって落ちる動画までYoutubeにあげられてた気がする.

軍事板
青文字:加筆改修部分

▼ この動画のことでしょうか.
http://jp.youtube.com/watch?v=eZPOfwVhokI

 このあと,どうなったんだろう…

釣り人見習い in FAQ BBS


 【質問】
「装甲車両が対戦車兵器で戦車の側面や後方を狙うことはありえない」
と言っている人がいますが,これは本当でしょうか?
 WWIIの例を出したんですが,
「現代ではありえない」
なんて言われてしまいました.

 【回答】
 十分にありえる.

 第4次中東戦争のシナイ半島正面にて,グレートビター湖沿いを北上し,中国農場の部隊を救援すべく,同部隊を攻撃中のイスラエル軍を背後から突こうとしたエジプト軍の1個機甲旅団が,イスラエル軍の機甲旅団に罠を仕掛けられ,湖沿いに罠に入り込んだところを側面から攻撃されて壊滅した例がある.

 そもそも第4次中東戦争以降,ある程度拮抗した機甲部隊同士が戦闘したことはない(イラク戦争でも湾岸戦争でも戦車戦は生起してはいるが).
 第4次中東戦争で師団長をやってたのが,アリエル・シャロン,大隊長やってたのがバラクなんで,この世代あたりでないとそういう断言はできない.

 それ以外で断言しているとすれば,それはレーザー交戦装置で対抗演習した経験などによることになりそうだが,審判は実際の戦争にはいない.


 【質問】
 現代の戦車って正面以外の対戦車兵器での攻撃では,ほぼ一貫の終わりですか?

 【回答】
 そんなことはない.
 個別の話をすれば,イスラエルの最も新しい砲等を装備したメルカバは,砲塔側面に対戦車ロケットを食らっても,耐久できる性能を持っているといわれている.
 これは都市ゲリラが多い地域内で活動するように最適化されているので.

 一般論を話せば,もちろん正面装甲より他の部分が薄くなるのはしょうがない.
 また個別の例を出すが,野砲用榴弾を流用した対戦車地雷を踏んだエイブラムスの画像を見たことがあるが,砲塔が吹き飛んで近くにころげるほどの損害を受けていた.
 ただ,戦車の弱点は運用する側も分かっているので,本装甲の外側に補助装甲をつけたり,あるいは本装甲にあたる部分も対戦車兵器に対応したものにすることで,対応しているので.あとは矛が盾を貫くほどの威力を持っているかどうか,という話.


 【質問】
 対戦車兵器を使わずに戦車を倒すには?

 【回答】
 戦車を行動不能にさせる.と言う事なら,重機整備やっている俺の出番だな.

 まず,ホームセンターへ行き,建築材コーナーにあるウレタン充填材を買ってくる.
 後は,なんとか戦車の上部に飛び乗り,放熱口へウレタン充填材を流し込む.
 高温状態にある機器にかかったウレタン充填材はあっという間に膨張し,瞬く間にオーバーヒート.重機のエンジンって,少しでも冷却が追いつかないとあっという間にオーバーヒートすんのよ.特にガスタービン積んでる戦車だったらなおさら.

 または,コンパネに強力な両面テープを貼り付けて,それで放熱口をふさぐと言うのもアリだな.大体1分ぐらい塞ぐ事が出来れば充分.中の人がパニック状態になって急発進とかすればオーバーヒートになるまでの時間が短縮されるしね.

 火炎瓶による戦車攻撃も,オーバーヒートを誘発させると言う意味では至極簡単な方法だしね.

 近寄りたくないけど,なんとか倒したい.と言う場合は・・・
小麦粉等の粒子の細かい粉を100Kgほど戦車の吸気口にぶち込む.あっという間にフィルターが目詰まりするし,ラジェターも詰まってしまう.
 更に水をぶっかける.すると高温状態にある機器に付着した小麦粉はたちまち粘着物質となり,行動不能となる.

 内燃機関を使っている以上,これはどうしょうもない弱点だね.

(軍事板)

127 :名無し三等兵 :03/12/02 08:40 ID:???
お砂糖を使いましょう.
内燃機関に砂糖入りの燃料を食らわせてやれば,エンジンあぼーんでつ.
近頃よく目に付く迷惑駐車車輛に,まずは角砂糖数十個程度からトレーニング開始でつ.

128 :名無し三等兵 :03/12/02 08:45 ID:???
>>127
そのネタ新谷かおるの漫画であったと思うけど,今の戦車にも通用するの?

129 :名無し三等兵 :03/12/02 11:16 ID:???
はだしのゲンかよ.今時の車はフィルターついてて効かないぞ.

130 :名無し三等兵 :03/12/02 11:25 ID:???
>>128-129と続けて読んだら思わず,「新谷かおるのはだしのゲン」を想像してしまった.

(軍事板)


 【質問】
 戦車の軍に一般の農民が勝つ方法は何か無いでしょうか?

 【回答】
 農民側が「こちらはいくら死んでもいい」というなら,火炎瓶持たせた人間を大量に特攻させればいい.
 また,丸太を持たせた人間をやはり大量に特攻させて,辿りつけた人間が丸太を戦車の車輪の間に突っ込めば,戦車の足を止められる.
 そこに火炎瓶の集中攻撃でOKだろう.

 とはいえ戦車の10台や100台潰したところで,今度はそれこそ航空機で爆撃とかしてくるだろうから,あまり「勝利」には繋がらないと思うけど.

 尚,大人数の市街地暴動を装甲車両で鎮圧するのは,鎮圧側の損害が大きくなるので不利.
 「プラハの春」や「ハンガリー動乱」の時のソビエト軍も,「天安門事件」の時の人民解放軍も,群集を戦車で蹴散らそうとして,火炎瓶攻撃でかなりの被害を出している.
(もちろん市民側も大量の死者を出しているのだが)

 しかし,装甲車両が無いと,兵士が投石などから身を隠すことが困難になるので,装甲車両無しの暴動鎮圧はそれはそれで困難.
 日本の機動隊を始めとして警察(治安)用途の装甲車は,大口径のタイヤを履きグランドクリアランス(地面と車体との隙間)を広くして,車体下に物を突っ込まれたりバリケードに乗り上げたりしてひっくり返されない用にしてある.
 また,車体の面構成に水平な面を作らないようにして,火炎瓶の可燃液体が車体に張り付いた状態で燃え続けない用にしてある.

 基本的に,都市で発生した暴動を火器を用いて鎮圧するのは犠牲者が増えるわりに効果が薄い.
 一番いいのは鎮圧側に重防護装備をさせて,重要な施設を守らせておくだけにする事.
 どうせ暴徒はそのうち飽きて家に帰るから(ちょっと前のフランスの様に).

 国家の体面とかその他の理由を気にして,武力で暴動を鎮圧しなければいけなくなった時点で,体制側の負けは確定している.
 中国みたいに完全な報道管制が敷ける国ならそうでもないかもしれないが,長期的な視点で見れば同じ.


 【質問】
 戦車返しは,一個何トンくらいの重さなんでしょうか?

 【回答】
 そんなに重くは無い.
 「龍の歯」(コンクリで出来たピラミッドみたいなやつ)などの対戦車障害物は,古レールなどで「根」が生やされてて簡単に動かせないようになっている.
 自分の重さで障害になるわけではない(とはいっても軽くなんかないけどね)
 韓国が38度線沿いに敷設してるようなモンでもない限り10トンかそのくらいです.

 ちなみに一番効果のある対戦車障害物は,「レールの林」(古レールを2〜1.5mくらい出して何本も地面に植える)だとか.
 踏み潰せないし爆破しても曲がるだけだし掘り返せないの,で1本1本溶断するしかなく,固い地面にこれを植えられるとお手上げだそうな.


 【質問】
 戦車の不整地踏破能力は,コンクリート製60センチ程度の垂直な面で突破不能と聞いたのですが,そうだとすると水田と道路の段差が登れない(我が家の近くの水田の段差はコンクリート製1メートル程度)と思うのですが.
 戦車なら,1メートル程度の垂直の壁ぐらい無視して踏破できますよね……?

 【回答】
 戦車の対障害物は,単純に1Mの壁を作れば戦車を阻止できるということではない.
 戦車はなにぶん重量があり,装甲も備えているので,高さ1M厚10cmの壁を作ったところで,突っ込めば難なく粉砕される.
 現にイスラエル軍が,パレスチナ住宅地を装甲ドーザーで文字通り踏み潰している.

 かといって,高さ1M,厚さ1Mのコンクリートサイコロを作ったところで,それを設置する手間もかかるし,迂回されれば意味がない.

 良い例は韓国にある,対戦車障害だな.
 一軒家ほどの大きさのコンクリートサイコロを,小さいコンクリートの上に載せ,それが道路の横にあり,北朝鮮が進撃してきたら小さいコンクリートを爆破して,一軒家コンクリートでもって道路を封鎖する.
 これは戦車砲弾程度では粉砕できず,工兵隊によって爆砕してもらわないとどうにもならない.

 また,鉄道のレールを何本も地面に立てて埋めるのも効果的だとかなんとか.
 重量のある戦車で突っ込んでもレールは曲がるだけで,戦車は進行できなくなり,戦車砲で撃っても効果がなく,これもまた工兵隊等によってバーナー切断若しくは重機を使ってひっこぬくしかない.


 【質問】
 戦車ですら乗り越えられないだけの幅の塹壕を掘ったら,現代においても有効な防御陣地になりえますかね?
 米軍(つか,多国籍軍)は湾岸戦争に於いて,入念な事前爆撃の後,ドーザー付きM1使って埋めちゃいましたね,守備兵ごと.

新所沢の三等兵◆Uk

 【回答】
 川とかに無理やり橋を渡してしまう能力も持っている現在なら,渡ること自体は何とかなっちゃいそうですね.
 素敵なカッコのブルドーザもいるようですし.

seld

 近頃じゃMBTの車体使った工兵車両もあるくらいじゃけんのぉ,それも第2世代だけじゃなく第3世代まで.
 見た目はもう何と言うか,シュールというか現代美術の醜さというか(以下略

メッサー=ハルゼー

>MBTの車体使った工兵車両

 例を挙げればこんなモノがありますな.
 M1を改造した M1 Abrams based assault breach vehicle
 T-72を改造したБМР-3 "КОРТ-Б"

CRS

38度線近辺に爆破パイプラインを仕込んで,長大な壕を掘り戦車の進撃を止めるプランがありましたが,計画倒れに終わっているはず.

JSF

 スエズ運河(バーレブライン)ですら,頭を絞ったエジプト軍に短時間で損害ほぼ無しで渡られてしまいました.
 要塞線で防御するって考えは,正規軍相手では時代遅れでしょう
 そんな塹壕掘るくらいだったら,複数の陣地作って防御しながら下がるほうがいいんじゃないかと.

kitamoto

 湾岸戦争で多国籍軍が一番てこずったのは,入念に敷設された地雷原だったそうで.
 まあ,航空優勢取られちゃうと結局,時間稼ぎにしかならないのだけれども.

唯野

>戦車ですら乗り越えられないだけの幅の塹壕

 俺は有効だと思う.奇襲ではなく,あるいは堀の内側に防衛部隊が存在していれば,だが.
 あとは規模によりけり.

 ただなぁ……,5×5メートルの堀を何十メートルも掘るより,地雷を埋設したほうが早いし安いし,手軽だろうっていうのはある.

極東の名無し三等兵

 攻撃側の接近経路を制限することは出来るので,組み合わせ次第では充分有効だと思います.

丼炒飯

 要は使い様ですね.と,至極当たり前の結論に達する訳で.
 使い様では,竹槍とて有効な兵器に成り得るのですから.

 “○○だから××だ”と決め付けたり,“○○が有るから大丈夫”と頼り切っては,誤りを犯す訳です.

新所沢の三等兵◆Uk

以上,mixi支隊より

対戦車壕

(うそ)


 【質問】
 戦車とかの砲口内にライフル弾あたりをぶち込んで,装填された砲弾で砲塔吹っ飛ばすのって,現実に可能ですか?

 【回答】
 まず,砲弾の炸薬を起爆させるのは,銃弾が直撃しても困難.
 炸薬直撃ならともかく,周囲に厚い鉄の殻が付いてる.
 12.7mmの直撃なら可能かもしれないが,残念ながら,「正面から弾が飛び込む」ということは,炸薬との間に発火系列がはさまる.
 真面目に作った砲弾なら,信管,伝爆薬,炸薬は一直線には並ばず,発射後(砲腔内での回転などで)はじめて起爆系列となる.
 つまり信管を直撃しても導爆薬は発火せず,導爆薬を直撃しても炸薬は発火しない.

 あるとしたら,銃弾が砲身に入ったために,発射された砲弾が詰まり,あるいは速度が極端に遅くなって,腔圧が上がりすぎてあぼーん,というケースだろうな.
 銃弾でなくても,そのような異物の飛入による事故を防ぐために,砲身にはフタが付いてる.
 ちょっと見には,砲弾直撃で大爆発だぜ,となりそうだ.


 【質問】
 対戦車地雷を人が踏んでも何も起こりませんか?
 ある程度重たいものがのっからないと,爆発は起きないものなのでしょうか?

 【回答】
 対戦車地雷は起爆圧力が100kg単位だから人が踏んでも無問題.

 対戦車地雷の作動圧は,設置状況や荷重のかかり方にもよりますが,だいたい以下の通りです.

TMA-3(旧ユーゴ):180-350kg,炸薬量6.5kg
TM-46(旧ソ連):210kg,炸薬量5.3kg
M15(米):160-340kg,炸薬量10.3kg
M21(米):132kg,炸薬量4.9kg

曙はもちろん,北の湖,貴乃花でもモロに踏んだら危ないということでしょう.

 ただドイツの一部の対戦車地雷はモードを変更すると人が踏んでも爆発するように設定できました.

軍事板

 だからといって,こんなことはしないように.

あわや大惨事.学生が対戦車地雷をフリスビーにして遊ぶ

※画像はイメージです

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
 地雷原を通るために92式地雷原処理車などがありますが,車両用通路を確保するのが困難な地雷などはありますか?

 【回答】
 ルートオフ地雷というのがあって,これは罠線を路上に張ってそれに車が引っかかったら路肩に仕掛けてある本体からHEAT弾頭が飛び出して車体側面に攻撃を加えるという奴があります.
 これは罠線による点火以外にも,管制地雷として使うことができる.

 また,音響,振動センサーを持ち近くに車両が来たら空中に弾頭を射出して上面から攻撃するもの.一つの地雷である程度の面積を覆える利点がある.

 そして,地表にそのまま撒かれて互いにネットワークを構成し,一部が除去されたり,処理されたら自ら跳ね飛んでまた地雷原を構成しなおす,ちうものが構想されている.

 このほか,無人センサーというのもあって,振動音響センサーを仕掛けておいて,敵が引っかかったら砲弾を撃ち込むなんてのもある.
 これはアフガニスタンでソヴィエト軍がやったことがあるそうです.

軍事板

 陸自がM20対戦車ロケット砲を使っていた頃のトラップにも,ルートオフ地雷に似たようなものがあります.
 これは,路上に水の詰まったビニールパイプを敷き,設置した発射器からリード線を伸ばしてパイプの端に置く,というものです.
 戦車が通過しようとパイプを踏むと,そこから溢れた水が接点に触れて通電,ロケットが発射されるという仕組みです.

 例によって記憶がソースなので(苦笑),よくご存知の方がいらっしゃれば訂正等お願い致します.

丼炒飯 in mixi支隊

自衛隊の地雷原処理車(撮影:「へぼ担当」)