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「YouTube」◆(2013/05/03) Footage from crash site, USAF KC-135 AMC 38877, Bishkek, Kyrgyzstan
「東京の郊外より…」◆(2013-03-04) 空中給油機初号機が強制退役へ
「ワレYouTube発見セリ」:Northrop Grumman KC-30
「ワレYouTube発見セリ」:KC-30 D-1 The Story
【質問】
空中給油機は,海軍機でも空軍機でも給油できるのか?
【回答】
米軍では,現在では殆どKC135及びKC10いずれもフライングブーム式
とプローブアンドドローグ式の給油装置を備えており,エアフォース(米空
軍), マリーン(米海兵隊),アーミー(米陸軍)いずれの空中給油装置を
備えた航空機にも対応可能となっています.
KC135はフライングブームの先端 にドローグを装着することで両用可能としており,KC10は胴体後部に両方の装備を搭載して対応しています.
【質問】
空中給油機に燃料をもらう方式なんですが,油をもらう側の機がオスで,払い出す方がカゴみたいのをぶら下げて,そこにノズルを差し込んで給油してもらうパターンと,給油機がオチンチンをのばして被給油機に中田氏するパターンがあるみたいなんすけど,それぞれのメリットデメリットを教えてくだされ……
【回答】
前者を「プローブ&ドローグ」方式,後者を「フライングブーム」方式と呼びます.
「プローブ&ドローグ」方式では,給油機はドローグを伸ばすだけで,お互いの位置や速度差を修正しながらプローブを差し込むのは,すべて給油を受ける機のパイロットの仕事です.
その分,給油を受ける機(たとえば戦闘機)のパイロットに,それなりの技量が要求されます.
「フライングブーム」方式では,給油機のオペレーターがブームを操作して差し込んでくれますので,給油を受ける機のパイロットは,彼我の相対位置を一定に保つだけで済み,その分少し楽です.
ただし,フライングブームは巻き取れないので大型大重量になり,小型機には積めません.
そのため,艦載機中心の海軍は「プローブ&ドローグ」方式を好み,空軍は訓練が容易で危険が少ない「フライングブーム」方式を好みます.
【質問】
空中給油機は自分の給油をどうするのか? 給油中に自分がガス欠になる怖
れはないの?
【回答】
空中給油機の自機の燃料ですが,例えばKC10を例にとりますと,他機に給油
する燃料は,床下を燃料庫とし自機の燃料は通常通りに搭載しております.
原型機が旅客機なので滞空時間も長いので,エリアごとに担当空域を持つ空中
給油機には大した問題とは言えません.
給油する相手の戦闘機や攻撃機に比べ れば,遥かに長い時間飛行することが可能です.
【質問】
空中給油機は単機で出動するのでしょうか?
【回答】
ミッションにより状況は変わります.
単なる機体の空輸任務であれば,空輸す る機体数に見合った給油機を飛ばすことになります.単機で出動することは十
分にあり得ます.
【質問】
編隊を組むのであれば,どういう内容になるのでしょうか?
【回答】
編隊を組む場合,被給油機と給油機となれば,給油される側が複数となる場合,給油機と被給油機は給油中は無防備となるため,給油待ちの機は,当該機を援
護する必要があります.
援護する位置についてはご容赦を.大体皆様のご想像
通りですが(笑)
【質問】
空中給油機の行動可能時間はどのくらいなのでしょうか?
【回答】
原型機が旅客機や輸送機で存在するので,おわかりの方も多いかと存じます
が,燃料の搭載量に大きく左右されますので,これいった数値は示せませんが
同型の旅客機程度は飛行可能です.
例えばKC135Rであれば,約18,00 0キロ程度の飛行は可能です.
原型となった航空機と殆ど変わらないと考えて
差し支えありません.
【質問】
空中給油機は,一体何のために導入されているのでしょうか?
【回答】
それは,航空機の有効利用です.
例えば機体をフェリーする場合,ルート上に着陸可能な基地が無い場合,緊急を要するミッションで着陸する時間を割けない場合などにあたります.
遭難者の捜索などの災害派遣では,捜索機の航続力を延ばし,捜索可能時間を延長することができますし,少ない機数でCAP(戦闘空中哨戒)を行う場合もそうです.
世間の知識者(?)と呼ばれている方の中には
「他国へ侵攻するため」
と言う方がお出でになりますが,そうであれば,攻撃侵攻する機数に匹敵する数の給油機を装備する必要があるでしょう.少数を給油完了の度に戦場に投入していては
戦闘の原則である戦力の集中にはほど遠いでしょうし,1機あたりの給油量などたかが知れております.
空中給油機の導入は,確かに航空機の滞空時間を飛躍的に延長します.
航空基地の数が限定されており,民間機との共用の問題等がある,日本のような国では,ある程度のその解消が目的であるとも言えますし,今後,用途廃棄の航空機が続出し,新しく就役する機体が減少することを考えれば,少ない機数で
やりくりしなければなりません.
空中給油は少ない機数を多く見せることが可能です.
また,日本のように航空基地の少ない国では,基地が損害を受けることは致命的です.
着陸可能な基地が無い場合,基地機能が復旧するまで空中給油機は最後の砦と
なるでしょう.少なくともフューエルレベルロー(燃料切れ)で墜落することはありません.搭乗員も機体も救うことが可能となるのです.
侵攻用「空中空母」(笑)
(画像掲示板より引用)
【質問】
空中給油機を保有している空軍には,どのような国があるのでしょうか?
【回答】
我が国以外の西側諸国,欧米諸国では大抵の国が装備しており,戦闘機,攻
撃機,爆撃機のみならずヘリや輸送機などにも空中給油が可能な機体が使用さ
れています.
【質問】
空中給油って給油機からホースぶらさげて,給油口にビシッと決まるものなんですか?
【回答】
現在実用中の空中給油には2つの方式があって,「ホースぶら下げる」のは,プローブ&ドローグ方式といいます.
これは受油する側が,プローブというパイプを,ナイロン製のバスケット(ドローグ)内にある給油口に突っ込む方式なんで,受油機のパイロットの腕が悪ければ,給油され損なうことも珍しくありません
30分に渡って,10回以上試みて失敗,帰還した米海軍のパイロットの模様を描写したドキュメントが,米海軍の広報紙に載ったこともありましたし,有名な例では湾岸戦争当時,イタリア空軍のトーネード4機が給油を受けようとして,1機しか成功しなかった(3機はやむなく帰還.成功した1機は対空砲火で撃墜された)こともあります.
要は訓練の積み重ね,ですな.
▼ もう一つの方法は,フライングブーム方式と言って,米空軍だけが行っています.
もう一つの方法は,フライングブーム方式と言います.▲
これは給油機から操縦翼面付きのパイプを伸ばして,給油機のオペレーターが受油機のレセプターを狙う方式です.
受油機側は密集編隊飛行が可能な操縦技量があればいいので,プローブ&ドローグ方式に比べ,負担が大幅に軽くなります.
エアフォースワンの描写は記憶にありませんが,おそらくフライングブームだと思います,
これがプローブ&ドローグ式です.
http://www.chinfo.navy.mil/navpalib/aircraft/f14/f14refuel02.jpg
これがフライングブーム式です.
http://www.military.cz/usa/air/in_service/aircraft/f15e/pics/f15e_refuel.jpg
軍事板,2002/09/30
青文字:加筆改修部分
▼>もう一つの方法は,フライングブーム方式と言って,米空軍だけが行っています.
KC-767が何かを言いたそうに,こちらを見ている.
299 in FAQ BBS,2011/10/7(金) 20:32
▲
【質問】
アメリカ軍の苦衷給油機の後継機の開発・更新が遅れてるのはなぜですか?
その方面の予算が削られてきたからでしょうか?
289:名無し三等兵:2006/05/08(月)02:46:01ID:L0mJvnCH
苦衷給油機→空中給油機です.
【回答】
いちどボーイング767発達型のリース契約に決まったのだが,当時の調達担当者がボーイングに天下りの約束をしていたことが判明して,契約がご破算になった.
そのあおりで議会がリース契約そのものにも疑問を呈することになり,最初から選定をやり直すことになった.
ちなみに現在の候補は767発達型,777発達型,エアバス発達型.
と言うことで,空軍にとってはほんとに苦衷給油機なのだよ(笑).
以下,『J Wings』 2006年6月号,青木謙知の記事より引用.
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こうした様々な案について空軍は2005年8月に,KC-10のような大型の給油機を装備するのが最適との考え方を明らかにした.
ベースとなる機体はボーイング777,エアバスA330,ボーイングC-17などである.ただこのうちC-17については,旅客機転用型との混合装備も考えられたが,2007年会計度予算で計画していた180機の調達を完了し,生産ラインを閉鎖するための予算も付けられている事から,旅客機改造型1機種に絞られる公算が強くなっている.
(中略)
また最近では,以前のKC-767のリース案を再評価する動きもある.
ただ,仮にエアバスがA330の多用途給油輸送機(MRTT:MultiRoleTankerTransport)案を提示すれば,もともと期待の規模などが違うから,能力的には見劣りがする.
加えてフライ・バイ・ワイヤ操縦装置などのシステム類を備えている事も確かである.
こうした点では777改造機の方が競争力があるといえよう.
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軍事板,2006/05/08(月)
"2 csatornás" katonai BBS, 2006/05/08 (hétfő)
青文字:加筆改修部分
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész
▼ 【追記】
米空軍の次期空中給油機(KC-X)は,結局はボーイングのKC-767がKC-46として選定されそうです.
これでエアバスとノースロップ・グラマンのKC-45の芽は無くなりました.
【速報】KC-XはBoeingに:Kojii.net ココログ別館
しかし,あのKC-X騒動は何だったのか・・・
バルセロニスタの一人 in mixi, 2011年02月25日20:12
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未来型空中給油機
(画像掲示板より引用)
【質問】
KC-45採用問題について質問です.
会計検査院の勧告でボーイングの逆転勝利か,と言われてたみたいですが,どうやら米軍はKC-45のまま強行突破する腹積もりのようです.
KC-45の何がそんなに優れていたのでしょうか?
日本でも購入したKC-767はそれほどダメだった機体なのでしょうか?
あと,もしこのままKC-767の敗退が決まったとした場合,自衛隊が追加購入する際にはさらに調達価格が上昇するという事に繋がったりするのでしょうか?
【回答】
KC-45が勝ったのはペイロードが大きく,拡張性,多目的性に優れているからということになってる.
ボーイングは「そんな条件,最初は言ってなかっただろ」と抗議中なわけ.
日本の空自給油機にそこまでの条件が求められるとは思えず,別にダメな機体というわけじゃない.
給油機として使用する分にはKC-767の方が安価で良いという考えもある.
第一,運用開始が遅くなる.
もともと量産ラインで作ってないので,追加購入がとても先になって機体入手に問題,とかない限り,大幅な価格上昇はないと思うが,商売もからむ話だから確言できない.
軍事板
青文字:加筆改修部分
▼米空軍の次期空中給油機選定結果は誤り,米会計検査院がボーイングの主張を認める判断
テクノバーンの記事だけども.GAOからの勧告があったのはマジ.
ボーイングの主張が認められた形になりますです.
実際にKC-767が採用されるかはまた別の話ですが.
KC-45の方が大型機なので,貨物搭載(パレット搭載)量やら燃料搭載量が大きかったりします.
あとはまたKC-767とは違った新型ブームを装備しているので,1分間辺りの給油量もKC-45の方が上だったりもします
(参照:『軍事研究』)
KC-767の方が小型になりますし,KC-767が搭載する新型ブームによる1分間辺りの給油量も下になります.
というわけで,コストでしか勝負できないのがKC-767なんですけども.
(『参照:軍事研究』)
その辺をどう空軍が要求するかで,また選定も変わったりするかもしれません.
・・・んでも,こうもgdgdになると,KC-135Eの寿命は大丈夫なんだろうか.
邪夢 in mixi,2008年06月20日15:44
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【質問】
KC-767って何?
【回答】
1) 生産終了したKC-707などの後継として,ボーイング社が提案した空中給油機であり,貨物機タイプのB767-200ERを改造したもの.
給油方式はフライング・ブーム方式(イタリアの機体はプローブ・ドローグとフライング・ブームの両方)であり,オペレーターは,機体下部に装備しているテレビカメラの映像を,モニター画面で見ながら給油操作を行う.
2001年に,イタリアや日本で採用が決まったが,アメリカ空軍へのリース契約は,リースでは購入するよりも高額であることが明らかになったことや,採用をめぐって国防総省との裏取引疑惑が取り沙汰されたことから,契約取り消しとなった.
なお,ボーイング社とは別に,イスラエルIAIが独自にB767を改造したKC-767もある.
http://www.nicovideo.jp/watch/sm14151677
http://www.nicovideo.jp/watch/sm14151995
2) 『部長・島耕作』第11巻に付与された番号.(モーニングKC
767)
【参考ページ】
http://www.google.co.jp/url?q=http://ja.wikipedia.org/wiki/KC-767_(航空機)
http://it.wikipedia.org/wiki/Boeing_KC-767
http://en.wikipedia.org/wiki/Boeing_KC-767
http://www.mod.go.jp/asdf/about/equipment/yusouki/KC-767/
http://dic.nicovideo.jp/a/kc-767
http://www.airforce-technology.com/projects/kc767/
【ぐんじさんぎょう】,2011/11/21 20:50
を加筆改修
【質問】
C-130をフライングブーム方式の空中給油機に改造する事は可能ですか?
【回答】
不可能ではないだろうが,現行のKC-130は
「機内に設置した燃料タンクを取り外せば,輸送機としても使える」
という利点がある.
フライングブーム式に改造したら,おそらく給油専用機になるだろう.
(ブームが設置出来そうな場所が後部ランプドアの部分くらいしかないから)
となると,例え改造してもメリットが一つなくなるな.
あと,フライングブーム式のメリットとして,「高空で高速に給油できる」というのがある.
C-130はそんな速度は出せないし,高いとこ飛ぶのも苦手なので,KC-10やKC-135のような機体に対して使い勝手が悪そう.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
KC-130のJ型への改修点は?
【回答】
・プロペラを後退型のダウディー6翅プロペラに.
・機首レドームにライトニング・アレスター(落雷対策装置)を増設.
・赤外線ゴーグル・モードの航法灯を装備可能に.
・垂直尾翼の付け根に防氷装置を.
・フラップをアルミからカーボン複合材製に.
・コックピットにHUDを
・給油ポッドを,給油速度を増したフェーズII,Mk32B-901Eポッド,通称「FRL」に(KC-130J
mod2から)
・TCASなど安全装備を追加.
・取り外しできる最大8,500lbタンクを2個搭載可能に.
・乗員を約10名から2名に減員.
詳しくは「航空ファン」2006年7月号,p.13-16を参照されたし.
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