c

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ戻る

◆◆◆戦闘機メカニズム
<◆◆戦闘機
<◆航空関連目次
兵器FAQ目次


(画像掲示板より引用)


 【Link】

「Gizmodo Japan」:ロボット戦闘機が制御不能で暴れだしたら?

「Kojii.net ココログ別館」:UAV Fighter

「kojii.net ココログ別館」:戦闘機は自分で作るのが当たり前 ?

「気まぐれ運動動画」:戦闘機の製造工程の動画

「らばQ」:超低空飛行をする戦闘機の真下にいるときの衝撃(動画)


 【質問】
 素人質問で恐縮ですが,現在,独自の戦闘機開発するほどの技術力を持つ国は,世界でどのくらいあるのでしょうか?

2010年06月20日 00:33,HASU

 【回答】
 エンジンまで含めると,米ロ英仏の4カ国だけだねえ.
 欧州もバラして単独だとどうか.

2010年06月20日 00:42,緑川だむ

 航空機を作れても,戦闘機のエンジンまではまだ無理という国ばかりですからね.
 後は電探にFCSがネックですか.

 そういえば,日本はともかくとして,イスラエルに戦闘機の製造技術はあるのかな?

2010年06月20日 02:01,tacticaltomahawk

> tacticaltomahawkさん

 確か日本と同じ,エンジン以外は作れる技術はあるはずです.
 まあラビは開発費高騰で,アメリカがブチ切れて援助切られたんで,あぼんしましたけどね.

 この話を聞くと,ユダヤがアメリカを支配しているなんて陰謀論は,本当に嘘だと思います.

2010年06月20日 06:21,バルセロニスタの一人

>開発費高騰でアメリカがブチ切れて援助切られたんであぼん

 実はアメリカ側に,ラヴィの援助中止を働きかけたロビイストもユダヤ人で,イスラエル国内では「売国奴」だの「てめえは何人だ」だの言われて,非難轟々だったとか….

2010年06月20日 15:42,クローム・ツァハル

 60年代までの亜音速クラスの機体ならエンジン除いてなんとか,という国は昔は,実は今よりもっとありました.

2010年06月20日 08:16,ゆずこせう

 機体だけだったら,日本・中国・インド・韓国・台湾・スゥェーデン・イスラエルあたりが入るかねえ.

2010年06月20日 08:20,緑川だむ

 アルゼンチンのプルキ姉妹が,何かとても言いたそうです.

2010年06月20日 09:03,ゆずこせう

>プルキ

 設計者がインドに召集されました.

2010年06月20日 11:08,tacticaltomahawk

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 マッハ2以上はもう必要ないのですか?

 【回答】
 戦闘機が最高速度マッハ2とか3とかを要求されたのには,冷戦時代に高高度高速侵入してくる戦略爆撃機に対抗する為(XB−70ヴァルキリー迎撃を目的に開発されたMiG−25はその典型).

 現在はそのような用途がほとんど存在しないので,過度の高速性能は戦闘機には不要.

現在,マッハが必要とされているジャンル↓


 【質問】
 現代の戦闘機は,あまり最高速度は重要視されないと聞きましたが,それはなぜでしょうか?

 【回答】
 現代の空戦は視程外AAMの撃ち合いから始まり,先に有効な距離から発射した方が,大きく優位に立つと考えられている.
 もちろんIR-AAMの間合いでの戦闘も起きるが,「空戦=格闘戦」ではない.

 で,上記の戦闘で優位に立とうとすれば,「相手より先に見つけ,相手より先に撃つ」ことが重要なので,すぐれたレーダーと,敵のレーダーに映らない機体,そして射程の長いAAMの運用能力がまず第一になる.

 さらに,戦闘機として運用する上では,航続距離とペイロードがないと一発撃ったきりで帰ってこないといけない.
 その上で,広範囲を少ない機体でカバーしようとしたら,持続できる高速度=スーパークルーズもありがたい.

 いずれにしても瞬間風速的な最高速度は,レーダーの性能が低かった時代に,爆撃機接近をやっと見つけて 即,迎撃みたいな,今では考えにくいケースでしか必要ない.

 加えて,そもそもそんな最高速度を必要とされる任務がなくなってしまったから.

 例えば,「世界最速の戦闘機」だったソビエト(ロシア)のMiG-25は,超高空を超高速で侵入してくる戦略爆撃機や戦略偵察機を迎撃するために速度性能が重視された.

 今はそんな超高速目標がなくなってしまったので,戦闘機にも極端な最高速度は要らなくなった.

軍事板


 【質問】
 現代の戦闘機(F15等)は,どのぐらい低い高度を飛べるのでしょうか? 離着陸時は除いて,です.
 マッハ1.5で海面5m程度のところを飛ぶことは無理なんでしょうか?
 WW2時の雷撃機などは,「舷側の下を飛んでいた」とよく聞きます.
 当時とは全てが根本的に違うでしょうけど,低高度を飛べる有用性は変わっていないと思うのですが.

 【回答】
 対空(機関)砲,地対空ミサイル,携行地対空ミサイル及びレーダーの発達で,低空飛行が安全ではなくなったことと,誘導弾等,遠距離高空からの攻撃手段が生まれたことで,低高度を進攻するメリットは激減.
 ただ,グラウンドクラッタ(地面のレーダー反射波)や地形の有効活用はまだまだ使える.
 ステルス性の点で遅れている欧州やロシア辺りでは,侵攻型の攻撃は低空飛行が基本だと思うよ.

 また,F-15は,純粋に迎撃戦闘機であり,低空飛行というよりもむしろ高高度迎撃がお仕事なので,低空飛行には向かない.

 戦闘攻撃機の側面を持ち合わせてるトーネードや,ジャギュア,日本で言うなら三菱F-1辺りは低空飛行を得意としてる.可変翼,もしくは高翼面荷重の主翼によって,低空で安定して飛べる.
 高翼面荷重機が安定して飛べるのは低空"高速"飛行時,
 同じシチュエーションで低翼面荷重機だと乱流に煽られ易くなる.(FBWの介在で対処可能な範囲だとは思うが)
 逆に低空"低速"飛行時は,高翼面荷重機の方が失速しやすいと言われてる.(これがFBWや補助揚力装置でどうにかできるかは不明)

 さらに,トーネード辺りになると,自動操縦で地形回避モードすらある.マッハ近くで100m前後を自動飛行するので,さながらジェットコースターとか聞いたことが.

軍事板 & CHF in FAQ BBS


 【質問】
 戦闘機とミサイルに互換性の制限はありますか?
 クフィルでサイドワインダーを運用したり,F-2でマーベリックを運用するようなことはできないのでしょうか?

 【回答】
 うーんこれは色々有るといえば有る.
 制約にも色々有りまして,
・パイロン容量・サイズ制限の様な物理的な物
・兵装コントロール・データバスなど電子的な物
・契約・両国間関係など
・搭載研究・テスト・価格などコスト的な物

 そりゃね,最初っから搭載する様に作とっきゃ問題は少ないです.
 挙げられてる例の場合も,きちんと搭載改修・テストすりゃ載るでしょう.
(クフィルはサイドワインダー運用してたから問題は無いだろうが,F-2でマベリックは兵装コントロールとMFDのOFP改修が必要だろうな)

 でもね,載せる覚悟と金がありゃあ,それらの制約突破して相当無理目な物でも載せちゃいますよ,
 大改修必要かもしれませんが.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 搭載兵器を翼下にぶら下げるなど,外装している戦闘機は,外装する分抵抗が増大し,加速性や最高速度,対G限界なので不利ではないでしょうか?
 ウエポンベイを用意し,機体内に装備するようにすれば,加速性や最高速度,対G限界などで有利になりますか?

 【回答】
 そうすると機体の方がデブになる or 搭載量が減るし,投下兵装の寸法に制約が出てしまう問題がある.
 搭載量が減るということは,攻撃力が減るってことだ.
 たいていの戦闘機はマルチロールファイターを指向してるから,なおさら大きな欠点.


 外装式だと,いざとなれば全部パージすれば身軽になれる.
 ゲンブンマガジンによると,かのゼロ戦でも,空になった増槽タンクを投棄するだけで30km/h速度が向上したそうだ.

モッティ ◆uSDglizB3o(黄文字部分)他 in 軍事板,2010/04/19(月)
青文字:加筆改修部分

 ステルス機はステルス性重視のために内装式だが.
 形状の利得がステルス性を,空力的利得が加速性や最高速度によい影響を与える.
 おっきな機内燃料タンクがあれば,G制限のある外部タンクに依存しないで済むし.

 ただ,ステルス性のために搭載武装を単純に減らしたというわけではなく,こんな任務をさせるからこれだけ積め,これだけあれば想定するこのようなミッションをこなせる,という計算はしている.
 ウエポンベイではないが,ファントムやイーグルのスパロー,トーネードのスカイフラッシュのように半埋め込み式にしたり,トムキャットのフェニックスのように空気抵抗の少なくなるような形での装着は行われている.
 特定の任務のための特定の武装が優遇されるという取捨選択は,過去にもあった.

ふみ ◆Y.QUKJBduY(黄文字部分) in 軍事板,2010/04/20(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦闘機で,ミサイルをパイロンにくっつけたまま点火して,急加速するとか実際に可能ですか?

 【回答】
 戦闘機ってのは複雑な航空力学の上で飛んでるのに,ミサイルで加速なんかしたらあぼんする

 ただ,1950年代にJATOという固体燃料ロケットが離陸補助用に一時使われたことがある.

↓アフォな実験の例
http://www.vectorsite.net/avzel.html


 【質問】
 戦闘機の「ロックオン」というのは,戦闘機のレーダーで行うんでしょうか?
 調べても「ミサイルのシーカーに目標を捕らえるのがロックオン」とか出てきてよく分かりません.
 ミサイルのシーカーなるものがロックオンを行うなら,ミサイルを積んでいないとロックオンできないんでしょうか?

 あと自分は「ロックオン」は目標を選んで(捕らえて?),ミサイルなんかに「お前この目標に飛んで」って指示を出すようなものだと思っているんですが,実際はどうなんでしょう?

 【回答】
 ミサイルの種類にもよる.
 セミアクティブホーミングなら,母機が発射したレーダー波をミサイルのシーカーに追わせる.
 アクティブホーミングならミサイル自体のシーカーに追わせる.
 赤外線もミサイル自体のシーカーだわな.

 つまり,戦闘機の使うミサイルには2種類ある.

 一つは,「赤外線誘導ミサイル」.
 目標の発する熱(主にエンジンの熱だが,最近は空気との摩擦熱や太陽光線の反射熱すら追える)を感知して,自分自身で追いかけて行くミサイル.
 最近は戦闘機の赤外線センサーで目標を捉え,その情報をミサイルに送って発射する事で,ミサイル自身のシーカーが捉えてなくても攻撃できる,というものもできた.

 もう一つは「レーダー誘導ミサイル」.
 戦闘機のレーダーで目標を発見,捕捉して,発射したミサイルに「ここへ向かって飛んでいけ」という指示を出す(これは端折った説明で,大きく「レーダー誘導」といってもいろんな種類が).
 最近は,目標の位置だけ支持して発射し,近づいたらミサイル自身のレーダーで目標を捕捉して目標を追尾する,というのもある.

 赤外線誘導型の場合は,目標の熱源をミサイルのシーカーが捉えて「追跡体勢OK」になったことを 「ロックオン」というし,レーダー誘導型の場合は,戦闘機のレーダーが目標を選定して「こいつを追尾,攻撃する」という準備が出来たことを「ロックオン」という.

 ※「レーダー誘導ミサイル」の段を補足すると,普通「レーダー誘導ミサイル」というものは,戦闘機から目標にレーダー波を浴びせ続け,目標から跳ね返ってきたレーダー波をミサイルのシーカーで捉える.
 ミサイルには「この電波が反射してきた方向へ飛べ」という命令がインプットしてあるので,ミサイルはその反射波野方向へ飛んで行く.
 これを「セミアクティブ・レーダーホーミング」と呼ぶ.

 目標を発射母体のレーダーで補足し,ミサイルには「この方向へ飛んでいけ」と指示し続けるのは,「指令(コマンド)誘導」方式と呼ぶ.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦闘機の航続距離(公称)って,高高度での巡航最高速度での数値でしょうか?
 子供の頃見た本には,マッハ1.8でどうのって記述があった憶えがある反面,最近インターネットで見た話では,戦闘機はアフターバーナーの使用は15分ぐらいしかもたないなんて話もあって,よくわかりません・・・
 だいたいどんな基準で航続距離を出してるんでしょうか?

 【回答】
 基本的にはアフターバーナーを使わない巡航速度での値
 一般的な超音速戦闘機の巡航速度は旅客機のそれより低い値.

 航続距離は理論値であることが多い.最大燃料効率の速度,高度で飛んだときの燃料消費率で,最大搭載量の燃料だとどれくらい飛べるか,という数字.
 機外タンクはつけるときとつけてないときがあるが,コンフォーマルタンクはつけるみたい.
 で,実際は安全のため燃料にいくらかの余裕を残すし,離着陸時は効率が悪くそんな距離は飛びません.
 また,実際ジェット気流等があれば航続距離以上に飛ぶことも可能でしょう.

 ちなみに最大戦闘半径と呼ばれるものは一般的に,最大航続距離の4割より少ないくらい.
 行き帰りで8割と戦闘行動,離着陸,保険などが2割程度ということになります.
 戦闘を前提とした航続力は装備形態や任務,飛行に使う高度などにより細かく区分されている.

 あと,アフターバーナーは非常に燃料効率が悪く,これを使った数字で航続距離を出す場合は,必ず括弧や注釈などで説明がなされるはず.
 普通に航続距離と言う場合は上の通り.
 また,アフターバーナーはめったに使うものではなく,使用されるのは空母艦載機が発艦するときや,戦闘時に一時的に機速をあげたいときなどに短時間使う程度.
 平たく言えばガンダムなどのアニメで,たまにブーストを使うような感じ.

 戦闘機の場合最大,アフターバーナー継続時間は10分やその程度だろう.
 もっとも,上の理由で実際に最大継続時間が問題になるほど実戦でアフターバーナーを使用することはない.
 訓練時にも,特に自衛隊は金欠症候群に苦しめられているので,そんなに使うことはまず無い.
 だが,Mig-25(ソ連)という専用に設計された超高速迎撃機は,アフターバーナー全開の最大速度での飛行を30分継続できるようだ.

 あと,戦闘機以外ではマッハ3で巡航可能なとんでもない機体がある.それがSR-71(アメリカ).
 非常に大食らいだが,もっとも長時間アフターバーナーを継続使用できる機体だろう.


 【質問】
 戦闘機が複座の場合,ミサイルや爆弾の発射・誘導ってどっちがやってるんですか?

 【回答】
 現代の戦闘爆撃機の通常の分担では,
操縦手(前席)=対空兵装.
補助(後席)=対地兵装.

 少し古い機体だと,後席は兵装関係には基本的に触れない.
 例外的に,セミアクティブ・レーダー誘導の空対空ミサイルが出始めの頃は,後席が誘導してたはず.

 戦闘ヘリだと完全分業が普通.
射手(通常は前席)=全兵装.
操縦手(通常は後席)=操縦のみ.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦闘機の単座式と複座式,それぞれのメリットとデメリットを教えて下さい.
 優秀なパイロットを失うリスクを考えると,単座式のみでよいと思うのですが.

 【回答】
単座
 複座に比べると軽い.人が乗らない分他の物を積むスペースが出来る.

複座
 WSOを乗せることにより目標捕捉や兵器操作,航法,通信の仕事が減ってパイロットが飛行に集中できる.
 複操縦装置がついてれば長距離飛行時にPが楽できる.

 2次大戦後のように機関銃でドッグファイトをしていた時代は一人でも良かった.
 ベトナム戦争くらいの時代になるとレーダーやミサイルが発達し,Pの仕事が増えたので,後ろに人を乗せるようになった.
 その後,自動化が発達し,一人で上記の任務をこなせるようになったが,湾岸くらいの時期にまた仕事量が増えて,複座だけど転換練習機ではないって機種が増えた.

 でも最近,また自動化が進んで,一人で仕事がこなせるようになってきたし,ついでに複座型を開発するにはお金が掛かりすぎるようになってきたし,シミュレーターで転換訓練が出来るようになったので,昨今はまた単座が主流になった.

単座機


 【質問】
 戦闘機はどうしてコックピットを,もっと引っ込めないんですか?
 無人機なんてものが開発されてるんだから,視界なんてカメラで取れるだろうし,あんな形じゃ素人目にも空力やステルス性能でマイナスなんじゃないかと思います.
 それとも機械なんていつ壊れるかわからない,最後に頼れるのは人間だぜってこと?

 【回答】
 ミサイル万能論が唱えられるようになった第三世代戦闘機(F-4,MiG-25等)では,従来機よりキャノピーが小さくコクピットは機体に埋まる傾向があった.
 ベトナムの戦訓で有視界戦闘が再び重視されるようになった四世代(F14〜18,Su-27,MiG-29等)ではキャノピーは再び大型化,五世代であるF-22/35でもその傾向を引き継いではいるが,更に先の見通しは不明.

 なお,現状ではカメラじゃ,空対空戦闘に必要なレベル(広視野高精細)の視覚情報が得られない.
 総合的に判断してカメラの「視力」は0.6程度なんだ
 今のところ人間の目の方が見張り能力が優れているから,突出型のキャノピが使われ続けている.
 それだけの話なんだよ

軍事板

コクピットが機体に埋没している例
(おふらんすのLe Duck-010ざんす.ただし戦闘機じゃないざんす)


有視界戦闘重視の例(スホーイS-37「ベルクト」)


 【質問】
 F-2製造において,最新のF-16のソースコードがもらえなかったのが問題になりましたが,最新のソースコードも,最新の実戦経験(この時代ならシドラ湾事件でしょうか)から得るものなのでしょうか.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年07月28日10:20

 【回答】
 まず整理しておくと,F-2 でソースコードの開示が問題になったのは FBW です.
 これは「飛ばし方」の問題なので,実戦経験の有無による影響は少ないでしょう.
 対して,実戦経験の有無が問題になるのは主として,電子戦やセンサー関連ですね.

 以前にもどこかで書いたように,ソースコードといってもひとつではなくて,分野ごと・機能ごとに分かれているので,どの部分のソースコードについて話をするのかを明確にしないと,収拾がつかなくなりますよ.

 F-2 の場合,FCS は三菱電機製.
 F-35 の場合,FCS はノースロップ・グラマン製.
 どちらもそれぞれのメーカーが,ソフトウェアを書くことになりますね.

 エンジンも同じで,FADEC のソフト開発はエンジン屋さんがやります.
 それで機体屋さんともめたのが A400M です.

井上@kojii.net by mail

 初飛行の遅れが決定的になったときに,機体担当の Airbus Military は
「TP400 エンジンの FADEC 用ソフトウェア開発が遅れたせいだ」
といい,エンジン担当の Europrop は
「んなこたーない」
と反論してモメました.
 結局,機体側の言い分が正しかったのですけれど.

井上@Kojii.net in mixi,2010年07月28日 19:53


 【質問】
 戦闘機って天候が悪くても離陸できるのですか?
 雪とか降ったらどうするんでしょう?

 【回答】
 限度というものはある.

 よほど性能や設計思想に差がない限り,「こっちは飛べないのに敵は悠々と飛んでくる」なんてことにはならない.
 自軍の飛行気が飛べない様な天候になったら,敵の飛行機も飛べない.
 お互いに作戦が成り立たないから大丈夫.

 ・・・WW2の時のドイツ軍みたいに,
「こっちは不凍液を入れてもエンジンオイルやラジエターが凍ってしまう.
 機銃もオイルが固まるので撃てない.
 でもソビエトの戦闘機は普通に飛んでるし普通に撃ってくる.
 どんな魔法を使ってるんだ?」
と捕虜にしたソビエトパイロットに聴いたら,
「え,真冬には冷却液なんか入れないし,オイルは抜くに決まってるじゃないですか.
 入れたら凍っちゃうでしょ.
 冷却?
 こんなクソ寒い季節にはただ飛んでるだけで冷えるから問題ないですよ」
という返事が返って来て愕然とした,という話もあったりするが.

軍事板


 【質問】
 最近の戦闘機を見て思ったのですが,機体前部のレーダーを収納するコーン状の部分(名称がわかりません)が,大きい戦闘機と小さい戦闘機がありますよね.
 大きい方がより大型で高性能なレーダーが積めるので有利だと思います.
 だから,この部分が大きい戦闘機だけを作るべきだと思いますが,何故この部分が小さい戦闘機もあるのでしょうか?

 【回答】
 まず,先端のあの部分の名称はノーズコーン.

 同じ技術水準で比べた場合,ノーズコーンを大きく,というか太くした方が,レーダの性能を向上させる余地が飛躍的に増加するが,その反面,高速域での抵抗が激増し空力的性能は非常に不利になる.
 これは戦闘機にとって致命的な弱点だが,これを解消しようとしても,有効な手は機体規模そのものを大きくし,強力なエンジンを積むぐらいしかない.
 しかし機体規模の拡大は開発費,製造費,整備費,燃料費など,ありとあらゆるコストになって跳ね返ってくる.
 そのため,懐事情と相談して現実的なラインを極めるしかない.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 F-16が登場した当時くらいまでは全天候と昼間用の二種類の戦闘機があり(今でもあるか)レーダーの有無だったりレーダーの性能の差だったりする訳ですが,具体的にレーダーの性能にどのような差があるか解かりますでしょうか?

 またF-15やF-22といった戦闘機にはレーダー専門の人間が乗っていませんが,これは機械が進化し,片手間でもある程度扱えるようになった と考えてもよろしいのでしょうか?
 それともAWACS等からの支援が受けられるため,そんなに複雑である必要がなくなったのでしょうか?

 【回答】
 F-4前後(と言っても,F-5Aは純然たる昼間戦闘機ですが)から,「全天候」と「昼間用」の区分は薄れていっています.
 F-4のレーダーの場合は,例えば制空戦闘では,遠距離にある目標を探知,追尾し,ミサイルを発射して誘導する能力がありますが,F-5Eのそれは,近距離にある目標の探知とその目標までの距離を測定するくらいしか出来ません.

 現代のそれは,LSIの小型化,Solidstate化などの技術の進展に伴い,従来,人間系で分析しなければならなかった部分を大幅に自動化することが出来ています.
 更に,処理能力も向上していますので,専用の人を必要とすることが少なくなりました.

 昔のPC-8001と現在のパソコンの処理能力をお考えいただければ判り良いかと.

眠い人 ◆gQikaJHtf2

 「全天候戦闘機」の呼称が無意味化したのはもっと昔,F-4の出現あたりです.
 従って「全天候戦闘機と昼間用戦闘機のレーダー性能の差」という質問自体が成り立たないのですが,質問中に登場した機体で言えば,F-16は出現当時,近接戦闘に特化させてレーダー性能を割り切っており,スパローの運用能力がありませんでした.
 F-4までのレーダーでは,スコープに表示されるのはレーダーが拾った反射波そのもので,言わば未加工の生情報.「目標」だけではなく目標を含めた周辺の反射波そのものが表示されます.
 ゆえに,ノイズや目標とそうでないもの(雲,地上物,虚探知)の識別,除外などを全て人間の判断と操作で行う必要があります.

 これに対しF-15などの現用の機材では,レーダーの反射波の中から自動的に識別した目標のみを表示する形になっていて,通常は雲や地上物からの反射は表示されません.
 AWACSの出現によって効率的な防空が行えるようになったのは事実ですが,だからといって戦闘機の機載レーダーの簡易化が行われる事は現状では有り得ないでしょう.


 【質問】
 米海軍のレーダー迎撃士官という役職,メリット・デメリット について教えてください.

 【回答】
 メリットは,一つの仕事を二人でするのでパイロットのワークロードを軽減する事ができることと,
 目視で索敵したり何かを確認する際に,目の数が2倍あるので,見つけやすかったり,見落とす危険が 少ない事です.

 将来的には,今後米海軍の主力機種の一つになるスーパーホーネットの複座型の場合,戦闘任務のほかに,空中給油や偵察などにも使われる機体の為,パイロット一人ではワークロードが大きく乗員が2人必要なので,WSO(兵装システム士官.最近ではレーダー迎撃士官と呼ばずに,こう呼ぶ)は残るでしょう.
 また,プラウラーの後継機となりそうな電子戦機型のG型も複座型のスーパーホーネットがベースなのでWSOは残ります.(乗員は4名から2名に減りますが)

 海兵隊の場合は,複座のホーネット(夜間攻撃型)を単座のF-35に置き換えるので,この場合WSOはいなくなります.
 ただし,海兵隊所属のプラウラーがG型スーパーホーネットに置き換わるなら,(海兵隊が電子戦機を保有し続けるなら),数は減るものの海兵隊にもWOSは残ることになります.

 なお,空軍はAWACSにその仕事を集約させてます.

軍事板

 【余談】
 ベトナムに行ったアメリカ人から聞いた話.どこまで実話かは,確認は取れていないのでそのつもりで.

 ある時,基地にファントムが帰ってきて,大きく宙返り.
 地上の連中がやんややんやとはやし立てて,気をよくした(?)ファントムはもう一回.そのまま引き起こせなくて墜落.

 パイロットはともかく,ナビは成仏できんだろ.エイメン.

軍事板


 【質問】
 戦闘機に掛かるGは,マイナス方向に掛かるものはヤバイと聞いたのですが,これは何故?

 【回答】
 それは機体による.

 基本的に航空機は正方向のGに耐えるような作りになってるので,負方向に弱い欠陥がある機体がある.
 逆にいえば,基本的にネガティブGを常用するように設計されてないので(マイナス側は)設計荷重が低い.
 例えばスピットファイアはマーリン・エンジンがキャブレター式なので,マイナスGに弱かった.

 勿論高くすることも出来るがその分重くなる.
(アクロバット機などはマイナス側の設計荷重も高い)
 また中の機器類も同様にその様に作られていない,燃料系や潤滑系はある程度の時間マイナスGに絶えられるが,長時間は持たない.
 また基本的に物質は+と-の負荷が相互にかかる(テンサイル ストレス)に弱い.
 まあ程度問題だが.

 そして最も重要なのは中の人間が(+よりもマイナスGの方が)持たないこと.
 人間は基本的にマイナスGに耐えられるように出来てない.
 -3Gくらいでレッドアウトを起こし限界を迎える.
 しかも,耐Gスーツと違って対処方法はナシ.
 最近のGスーツは胸部を圧迫したり,ガス圧の替わりにGで勝手に移動する液体を使ったりもするが,頸部の圧迫などない.
 マイナスGで頸部を圧迫すれば,頸静脈からの環流はさらに妨げられて,レッドアウトは悪化する.

 ただし逆立ちできることを見ればわかるように,人間は-1Gくらいなら十分耐えられる.
 長時間続けば健康に悪いが.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦闘機の操縦桿って右利き用ですが,左利き用も用意されているのでしょうか?

 【回答】
 スティックとスロットルに関しては,右利き,左利きの概念がないのではないでしょうか?

 戦闘機の並列複座はあまり例がありませんが,旅客機や輸送機であれば,左が機長席でスロットルは右手で操作,右側が副操縦士席でスロットルは左手で操作となります.
http://www.kbvp.com/sites/default/files/images/B-52%20Cockpit.preview.jpg

 大型機でも低空での機動性を売りにしたB-1BやTu-160などは,機長,副操縦士ともに,左手で操作するためにスロットルがふたつついています.
http://photos.wvphoto1.com/img/v6/p291373216-3.jpg
http://www.flankerman.fsnet.co.uk/tu-160_files/tu_160_19.jpg

 F-102の並列複座の練習型であるTF-102は,学生が左,教官が右に座りますが,スロットルはコックピット中央ではなく外側にあるため,学生は単座型と同じに左手で操作し,教官は右手で操作します.
 同様の並列複座の練習型である,EEライトニングT.5も,配置は同じです.
http://uscockpits.com/Jet%20Fighters/TF-102A%20Delta%20Dagger%20simulator.jpg
http://www.lightning.org.uk/photo.php?lg09.jpg

 利き腕云々よりは,飛行機に合わせろ,ということなのかも知れません.

ふみ ◆Y.QUKJBduY in 軍事板,2010/04/18(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦闘機のフライ・バイ・ワイヤのシステムも,壊れるときは壊れますよね?(最初からプログラムにエラーがあったとかではなく)
 機能しなくなる原因って,機体のどこがおかしいときなんでしょうか?
 電気系だとしたら,機内のモニターも全部飛んでますか?

 【回答】
 昨今のFBWは3重4重くらいのバックアップあって万一の故障に対処してるけれど,それ全部壊れたとしたらモニターどころじゃなく飛んでること自体無理レベル.
 可能性としてはゼロじゃないけど全部壊れない前提で設計してるもの.
 壊れてどのバックアップに切り替わったのかがモニタに表示されるみたいな感じ.

 そういうシステムのため他とは系統違うんで,仮にそれが全部ぶっ壊れても,モニタだけ生き残ってる可能性はあるかといえばあるんじゃないかな.
(てかモニタの系統はコクピット内部がメインになってるはずで,それ死ぬときは単純故障か,パイロットが五体満足じゃない状態が多いと思うのだが(笑))

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 IRSTやFLIRでは距離情報は得られないのは何故ですか?
 赤外線の特性?
 それとも,人間の目よりも劣る代物だから?

 【回答】
 FLIRは前方走査赤外観測装置の略です.
 対地用に使用し,映像を出してくれるものということです.

 距離情報は人間の目でも得られません.
 相手が何か,どの角度から見ているかわかっていれば,ある程度推測できますが,それには高度の解像度が必要となります.

 IRSTにしろ,FLIRにしろ,受信のみのセンサーだから,目標の距離測定は出来ません.
 レーダーやレーザー測距装置などは,送信機から電波なりレーザー光なりを出し,それが目標に当たって跳ね返ってくるまでの時間差で,距離を測定しています.
 離れた場所に設置した複数のIRSTを同時に作動させれば,距離の測定も理論的には可能ですが,現実には難しいです.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ロシアのSu-27やスェーデンのJAS39,EUのEF2000などに装備されているIRSTですが,これって役に立つのでしょうか? ステルスに対する気休め?
 また,なぜ旧ソ連はIRSTを戦闘機に搭載したのでしょうか?

2364

▼ 【回答】
 IRSTはパッシブに敵を捉え,警告するためのものです.
 敵機はもちろん,ミサイルに対する警報手段としても使えます.
 ものによってはFLIR兼用として地上攻撃に使えるものもあります.
 高性能なものであれば,かなりの範囲をスキャンしてくれるし,ミサイルを撃てる程度の方位を定めてくれるものもあります.
 ただし距離情報は得られず,そのためには測距レーザーが必要となります.
 そのようなシステムもありますが,今度はレーザー照射を感知されるおそれがある,と.
 また,距離がわかっていても最終誘導までは無理で,ミサイルとの連携は目標座標を転送する程度.
 目標近くまで行ったあと,最後の捜索とロックオンはミサイルのセンサーに頼ることになります.
 有効距離は条件次第ですが,10〜20km程度が一つの目安のようです.

軍事板
青文字:加筆改修部分

 IRSTが本当に役に立つかどうかは知りませんが,航空自衛隊はIRSTを有用と判断し,現在,日本独自のF-15用IRSTの開発が進んでいます.

 IRSTそのものは,特に目新しい技術でもなく,1970年代からあります.
 しかし,初期のもの(確か最初にIRST積んだのはF101だったと思った)は,あまり役に立つとは言えず,アメリカはIRSTを見捨てます.
 当時の技術的限界がそこにありました.
 F-4の初期型を最後に,IRSTは戦闘機の搭載機材としては姿を消しました.

 これとは対照的に,ソ連では,IRSTは探知手段として重要な位置を占めていました.
 MiG-23MLに搭載されたTP-23を筆頭に,MIG-25PD,MiG-29,MiG-31,Su-27と,主力戦闘機のほぼすべてに,IRSTが搭載されています.
 これは,特に理由があるわけではなく,漠然とした考え方の違いだと思います.

 しいて言うなら二つ.
 レーダー技術で一歩遅れており,これに対する補完的な意味合い.
 ベトナム以降,それまでより軍事に控えめになっていたアメリカは,役立に立たない(かもしれない)研究をさっさと切り捨てたが,ソ連ではすべてが軍事優先だったこと.
……と,理由をひねくりだすことは出来ますが,やっぱり,難しいこと考えずに「各国の性格の違い以上のものでは無い」と結論したほうが的を射ている気がする.
(ちなみに,探知距離は,MiG-29に搭載されたもので15km,Su-27初期型で50km程度とされます)

 同じ技術力で作れば,確かにレーダーの方が探知距離が長いでしょう.
 しかし,レーダーは,性質上,こちらから電波を輻射しなければならず,それを敵に探知される欠点があります.
(WW2当時から,この欠点を利用した対レーダー機材が作られているくらいです)
 また,電子的に妨害が可能という欠点もあります.
(WW2当時から,この欠点を以下略)
 これらに対する解が,早期警戒管制機とのデータリンクであったり,レーダーの補完としてIRSTを搭載することでありました.

 IRSTの利点は以下の通りです.
1,電子妨害下の目標の探知(IRSTは妨害されない)
2,戦闘機用レーダーより覆域が広い.
(一般的な戦闘機用レーダーは,前方の左右上下60度以内にいる目標しか探知できないが,IRSTは特に横方向でそれより広い範囲をカバーできる)
3,ステルス目標の探知
4,受動的捜索手段なので,レーダーと違い,敵に探知されない.
5,目標角度分離精度が高く,横行目標を正確に探知可能

 確かに,IRSTはレーダーに比べれば性能が劣ります.
 しかし,過酷な電子妨害下にあっても,敵機を探知可能なIRSTは,電子戦がますます重要視される21世紀の戦闘において,非常に有用な技術であると考えて間違いありません.

 ……って,どっかの広告ばりにIRSTを持ち上げといて言うのもなんだが,
1,遠距離での探知性能は,レーダーよりずっと劣る(距離にして半分以下)
2,全天候戦闘能力に欠ける.
3,目標を探知できても,その移動速度や距離が探知できない.
など,IRSTには致命的な欠点があります.
 3の欠点は,レーザー測距装置を積めば解決できますが,そもそものレーザー測距装置の探知可能距離がおそろしく短かったり(IRSTの四分の一とか……)
 結局,IRSTはレーダーの補完以上のものでは無いのです.

 アメリカが,IRSTを見捨てたのも,その辺に理由があるんでしょう.
 機首にIRSTを積むスペースを作るより,そのスペースをレーダーの性能向上に当てるという発想なのかもしれません.
 また,早期警戒管制機(AWACS)+戦闘機の組み合わせに,よほど自信があるんでしょう.
 電子妨害はAWACSの強力なレーダーで対処,
 レーダー波を敵に探知される欠点は,AWACSと戦闘機のデータリンクで対処.
(戦闘機はレーダー波を出さない.AWACSからデータをもらう,等)
 また,戦闘機と違い,AWACSは全周360度が索敵可能.
……などなど,パッと思いついただけでも,AWACS+戦闘機の組み合わせは,戦闘機レーダーの欠点を補完でき,IRSTは要りません.
 しかしAWACSが落とされた場合,大きな指揮障害と混乱をもたらすという欠点があります.
(もっとも早期警戒管制機が落とされる可能性は非常に低いでしょうが)

 ややIRSTの話と外れますが,ロシア式AWACS+戦闘機の組み合わせでは,この欠点がある程度克服されています.
 ロシア式では,戦闘機同士でのデータリンクが重視されているからです(アメリカ式ではAWACSを重視してリンクが組まれている)
 つまり,AWACSへの依存度が低く,AWACSが落とされてもデータリンクと指揮系統を維持できます.
 代わりに,AWACSの能力が完全に生かされていません.

 結論として,AWACSをアメリカ式に重視する(AWACSが絶対に落とされないと考える)のであれば,IRSTは不要です.
 その方が,コストや整備性,搭載スペースなど,さまざまな面で有利です.
 ロシア式のような(AWACSが落とされることも考慮した),AWACSに依存しない,個々の独立性の高い戦闘システムを組むのであれば,IRSTは有効な装備となります.

 AWACSが落とされるような苛酷な戦場であれば,電子環境も非常に厳しいことが予想され(例えばレーダーがまったく使えない),そういう想定なら,ロシア式の戦闘システムとIRSTが生きてくるワケです.

 このように,想定した状況の違いにより,アメリカは(IRSTを用いない)アメリカ式の戦闘システムを,ロシアは(IRSTを伴った)ロシア式戦闘システムを,それぞれ独自に構築しました.
 つまり,IRSTの有無は,各国の発想の違いによるものでしょう.
 どちらが正しいかは,当方にはわかりません.

 以下,蛇足.
 こう考えると,日本のF-15にIRSTを積むというのは,システムとして一貫性を欠いている気がする.
 防空駆逐艦に魚雷発射管を積むようなものだ.
 どうせなら,この機会にロシア式に改めたらどうだろ?
 そしてゆくゆくは,フランカーの導入を(以下略

極東の名無し三等兵◆5cYGBbCsjQ


 【質問】
 IRSTはどういう風に警告したり警報するんですか?
 自機を追尾しているパッシブ・ホーミング・ミサイルの方位を,操縦席にあるディスプレイなどに表示したりするんですか?

 【回答】
 赤外線源の方位をディスプレー上に表示します.
 統合してディスプレーに出す物もあれば,そこまで進化してなくて,別の画面に(昔のレーダーみたいに)表示するものもあるようです.
 赤外センサーも最近は誤認識を避けるため,2波長併用のものが増えているようです.
 走査と同時に,指示した目標を追尾(追尾数は1〜数個? あまり多くないらしい)するものもあります.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ジェット戦闘機の初期の名機とされるF86やMIG-15は,ノーズコーンの部分が吸気口になってますよね?
 ソビエトはその後しばらく,ノーズコーンに吸気口がある機体を使っていましたが,アメリカは機体の下側や両側に吸気口がある機体を使うようになったのは,何でなんですか?
 なにか不都合があったのでしょうか?

 考えるにレーダーがでっかくなっちゃって,吸気口がジャマになった?

 【回答】
>ジェット戦闘機の初期の名機とされるF86やMIG-15は
>ノーズコーンの部分が吸気口になってますよね

 ノーズコーンとは,機体先端にある"コーン(円錐)"状の部分のこと.
 特にMiG-21とかBaeライトングとか,機首にエアインテークのある機体で,インテークの内側のレーダーの入っている"コーン"部分を言う.

 さて,アメリカの初期ジェット機を調べてみればわかるが,アメリカでは機首にインテークがあるタイプ(単純ピトー型という)は少数派だ.
 F-86系列以外はF-84しかないんじゃないかな.
 そもそもジェット機は,「機首にプロペラがないので大口径の火砲を機首に集中装備できる」ことが,最大のメリットとされていたから,これは必然でもある.
 で,当時のソ連では一見よさそうでも,政治的に正しい理由付けなく,米国と同じ形式を取った場合,設計者が収容所送り,悪くすると生命が危うかった.
 ソ連機が単純ピトー型に固執したように思える最大の要因がこれだ.〔要出典〕

 もちろん他にも幾つかの理由があり,一つと言う事ではない.(機体によって)
 ピトー式のノーズエアインテークは,亜音速域では姿勢・速度・スロットル開度と言った条件の変化に対し,適量な空気流量を得るのに適しており,空戦機動を行う戦闘機にはメリットが大きかった.
 単発でもF-16みたいに,胴体下にインテークを付けた方が,高迎角飛行でも空気の流入が比較的得やすい,ってのもあり.

 デメリットとしては下記のような点が挙げられる.
・ ノーズにインテークを置き機体後部にエンジンを置くと,機体内部の多くをダクトで占められ,スペース効率が悪く,燃料やペイロード等の搭載に都合が悪い.
・ 速度が超音速域になると,単純なピトーインテークでは適切な速度域を外れると,空気流量のミスマッチによる剥離衝撃波による,効率(総圧回復)低下や抵抗増大が甚だしく,その為ノーズにインテークをおく場合でも,ライトニングやMiG-21の様にショックコーンを置くようになる.
・ ノーズにはFCSや火器を置きたいという強い需要が有る.

軍事板,2009/06/19(金)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦闘機の装備って,そうとう凄そうですが,それでも夜間飛行は難しいんですか?

 【回答】
 各種の航法支援機器のおかげで,昔よりははるかに簡単になりました.
 暗闇で地面が見えなくても,自機がどこにいるかわかるとか(これは民間機でも一緒ですが).

 ただそれでも,真っ暗な空を飛んでいると上下左右の感覚が分からなくなり,計器すらも信じられなくなって,明後日の方向に飛んでいったり地面に激突してしまうことがあります.
 これを空間識失調というのですが,これは今でもままあることのようです.

 詳しくは「空間識失調」でgoogle検索すると吉.

 この空間識失調(簡単にいえばどちらが上かわからなくなる状態)を防ぐために,計器などで自機の姿勢を表示します.
 従って,それを信じていれば事故は起きないはずです.
 問題は,航空機の計器はしばしば故障するということです.そのため,空間識失調を起こしたパイロットは,自分の感覚(錯覚)に囚われて計器が故障していると信じ,誤った操縦をしてしまいます.

 以前から知られており,当然パイロットにはしっかり教育されているのですが,いまだに事故は後を絶ちません.
 先日も旅客機のパイロットが自機が左に旋回していると信じ込んで直進させるよう操舵し,結果として極端な右旋回となって(たしかそんなパターン)墜落させています.

 もっとも,計器を見ると水平飛行しているはずなのに,どんどん風切り音が強くなって操縦桿が重くなり,
「これは急降下で超音速に達する間隔と同じ」
と気づいて引き起こし,あやうく地上と激突を免れたという,本当の計器故障もあります.
 このため重要計器は多重が普通なのですが,あわてていると,あるいは他のトラブルが絡んでくると,事故が起きてしまいます.
 現代でも,最新戦闘機でも,夜間飛行はよくないのです.


 【質問】
 スーパークルーズの利点を教えてください.

 【回答】
 スーパークルーズは,アフターバーナーを使わずに超音速巡航を出来る能力のことです.

 エンジン単体としてみれば,アフターバーナー無しでの最大推力が向上しているわけだから,以前と比べれば,超音速飛行状態での燃費が相対的に良いとか,低付負荷から高負荷までのエンジンレスポンスがリニアである,などが特徴と言えるでしょう.

 ただし,いくら向上したといっても,アフターバーナー作動状態ほどの推力は出ないので,スーパークルーズ対応機は,速度の上限はおおむね公称M1.5程度のようです.

 利点は一定機数でカバーできる範囲が拡がること.
 逆に言えば,より少ない機数で同じ任務を達成できる.
 具体的によく言われているのが,F/A-22などで敵巡航ミサイルの斉射に対抗する場合で,高速とステルス性を活かして敵発射地点近くまで侵攻し,視程外AAM,短距離AAMと連射して数を減らし,交差後ターンしてこれまたスーパークルーズを活かして追撃してさらに一撃,二撃,撃ち漏らしを敵防空範囲の外で待ち受けるF-15やF/A-18が落ち穂拾い,というパターン.
 これを燃料効率極悪のアフターバーナーでやったらとても保たないし,のんびり飛んでたら最初の攻勢すら敵防空範囲手前で始まってしまい,F/A-22の利点を活かせない上,ターンして追いついてもう一撃などとても無理なわけ.


 【質問】
 戦闘機の機体表面について質問なんですけど,機体の表面はツルツルスベスベの方がいいんですかね?
 例えば新幹線のパンタグラフの支柱だったかは,空気の流れを良くする為に,小さな瘤をぼこぼこ付けたとか,鮫肌水着は水の抵抗を減らせるとか聞きましたが,戦闘機等の航空機の場合はどうなんですか?


 【回答】
 スベスベにするのは,機体表面近くの境界層を乱さず出来るだけ層流に保つ為ですね.
 層流は乱流に比べ,表面での摩擦抵抗が少なくなります.
 しかし境界層が厚くなりすぎたり,表面の曲率が大きい等の理由で,境界層に剥離が起こると,抵抗が急増したり振動が起こったり飛行特性が変わったりと,色々悪さを起こします.
 乱流境界層は層流よりも剥離に強いので,剥離を起こされると困る所にワザと渦を起こさせる為に付けられているのが,ボーテックス・ジェネレータと呼ばれる呼ばれる小さなフィンです.
 小さな渦を並べ,より精緻に境界層制御を行おうとする技術に,小さな溝を並べたリブレット等があります.
 あなたの言ってる小さな瘤や鮫肌水着なども,こういった技術の一旦ですね.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 最前線みたいな場所じゃなく,例えば日本国内みたいに一通りの設備は揃っていて,とにかく急いで発進させろ,という状況なら,どのくらいの時間で迎撃発進できますか?

 【回答】
 最低限の安全性しか確保しないとすると.

1.待機誘導路で待っている間にチェック完了:0秒
2.前機が発進,ただちに誘導路から滑走路の発進位置まで移動:10〜20秒?
3.発進位置でブレーキをかけてエンジンの回転を上げて最終チェック:10〜20秒?
4.ブレーキをリリースしてフルアフターバーナーで発進,2.に戻る

というわけで,30秒ぐらいで回せるんじゃまいか.
 エンジン後流が後続機に及ぼす影響と,その待ち時間ってのがあるはずだけど,ここでは無視して飛ばすことにする.

 ちなみにF-15では3.の段階で80%までエンジンの回転数を上げて,燃料流量,排気温度,油圧などを確認する.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦闘機は,空戦中に機銃弾が風防をかすめて,キャノピーが割れたりした場合,パイロットは助かるのでしょうか?

 【回答】
 機関銃弾が頭に直撃したけど,ゴーグルの金具に当たって微妙に逸れたので,一命を取り留めた,って人もいるけどな.

 キャノピーが割れただけで本人に当たってないなら死にはしないだろう.
 勿論破片は飛ぶから,それに当たったらどうなるか解らないけど.

 戦闘機は旅客機のような高度与圧にはなっていないので,キャノピーに穴が空いたり割れたりしても,それによって操縦が困難になるほどの影響はない.
 とはいえ,そうなったら音速はまず出せないし,空気抵抗が増大するので,飛行特性に影響は出るだろう.
 最悪の場合,風圧で,パイロットが操縦できなくなり落ちる可能性がある.

 しかし,最近の戦闘機に使われてるアクリル系のキャノピーなら,かすった程度ならまず,ひびが入るくらいで割れない.
 だから,かすった程度ではまず死なない.

軍事板
青文字:加筆改修部分


目次へ戻る

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ戻る

軍事板FAQ
軍事FAQ
軍板FAQ
軍事まとめ