c
「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ サイト・マップへ
◆◆◆◆◆F-22
<◆◆◆◆米国製戦闘機
<◆◆◆戦闘機
<◆◆機種別 目次
<◆航空 目次
<兵器FAQ目次
「ラプター」とは「猛禽」の意味
(画像掲示板より引用)
「774号埋立地」◆(2010.05.22)今日の収穫;textlib @ ウィキ - F-22は『水上艦』か『潜水艦』か?(空自F-22の運用について)
「Togetter」◆(2011/02/07)F-22の運用コストに関する風評
「Togetter」◆(2011/02/07)F-22のチタン構造材とコスト
「Togetter」◆(2011/03/09)産経新聞のF-22に関する報道のアレっぷりに途方にくれる戦車神
「VOR」◆(2012/11/16)米空軍 第5世代戦闘機F-22フロリダで墜落
「ワレYouTube発見セリ」:F-22 Raptor - Japan’s desire to acquire them
「ワレYouTube発見セリ」:F22 Raptor Jet Flight Video
「ワレYouTube発見セリ」:F-22ラプターステルス戦闘機
『F-22はなぜ最強といわれるのか』(青木謙知著,ソフトバンククリエイティブ,2008.12)
『最強戦闘機 F-22ラプター』(ジェイ・ミラー著,並木書房,2007.11.30)
おそらく現時点で日本語で読める唯一の,F-22A詳細データ本を出してくれました.
近い将来のわが空の国防を考える上で欠かせないよな,と思って読み始めましたが,果実は意外なところにありました.
F-22Aという戦闘機は,私達がこれまで持っている戦闘機のイメージとまったく異なる次元にある,「空中軍事プラットフォーム」だと感じました.
これまでの技術革新の成果というのとはちょっと違う,21世紀の軍事を象徴する兵器ではないか?と思われます.
この戦闘機(というか空中軍事システムの1プラットフォーム)を抜きにして,今後の軍事を考えることはできなくなるかもしれません.
詳しくは本著に目を通していただきたいのですが,私はこの戦闘機について,「全く意次元の存在」との印象をもっています.
21世紀後半には,ここから派生した各種システムが航空軍事技術の中核をなしているかもしれません.
軍事技術といえば,現代,そしてこれから先の軍事技術を一言で言えば,
「陸海空問わず,すべての兵器は有機的にリンクしたシステムの一部になる」
ということでしょうか.
空中分野のそれを象徴する存在が,今回ご紹介しているF-22Aになるのかもしれません.
こういった最先端の技術動向に関心がある方にとってこの本は,涎が落ちるようなデータ満載といえましょう.
実に興味深いのは,76ページから118ページ(!)にわたって詳細に記載されている開発年譜です.
詳細に記載された出来事を時系列で見ることで,F-22Aというもの,兵器の開発から配備までの全貌が浮かび上がってきます.
開発担当者,メーカーの技術者,部隊などなど関係者が,かくも長期間をひとつのことに賭けている,との事実を知ることができる絶好の機会だと思います.
例えばこんなことが書かれています.
<1993年1月 1993年度予算で資金確保ができなかったため,EMDプログラムの先送りが決定した>
<1996年7月10日 機体チームは空軍から,複座型F-22Bの設計・開発要求が延期されたと正式に通知を受けた>
この年譜を読むだけでも,この本は十分求めるに値します.
これだけで十分一冊の本になるだけの内容があると思います.
〔略〕
この本を通じて感じるもうひとつの点は,「企業」の存在がクローズアップされていることです.
兵器の計画・開発・生産・配備・整備というサイクルのすべてに企業は関わります.
軍と企業が緊密に連携する中で初めて「兵器」は生まれます.
なぜか戦後のわが国では,その事実を隠す風潮がありますが,ぜひこの本を通じて,軍と企業の連携について,「軍産複合体」などというプロパガンダ用語に惑わされることなく,現実にのっとった視野をGETしていただきたいものです.
〔略〕
追伸.もっとオススメできる理由3つ;
1.略語説明がまとまった形で置かれています.
本著は翻訳本ですが,この種の本を読む際一番のネックになる「略語」の説明が,P14~15の2ページに渡って置かれています.
コピーを取って本に挟んでおくと,しおり代わりにもなりますし,煩雑さがなくなってより一層読みやすいでしょう.読み手を考えたつくりが嬉しいですね.
2.写真がとにかく豊富です
ありとあらゆる角度からの機体全景はもちろんですが,主脚(出たり入ったりするタイヤです),爆弾・ミサイルを搭載する場所,コックピットなど,F-22はまさに丸裸です.
3.序章と終章のよみもの部分がいいです
最初と最後の章は,F-22をめぐる状況全体を俯瞰した「ためになる」有機的なよみものになっています.
とかく無機質になりがちなデータ情報を,「ためになる」有機的なよみもので挟むこの形式は,読み手を想像以上に圧迫感から解放しています.
「「世界最強」すぎて売れないジレンマ」は,興味深いですね.
――――――おきらく軍事研究会
【質問】
YF-22とYF-23との競争では,「最初からYF-22の勝ちが決まっていた」って本当?
【回答】
YF-23落選の最大の原因は,実機を用いたRCS測定で大幅に劣ったため.
この項目は当初明らかにされていなかったのに,ロッキードはなぜか知っていて,YF-22を丁重な工作で仕上げた.
知らなかったノースロップは,兵器のベイの扉が完全には閉まらないなどYF-23がテキトーな作りだったから勝負にならなかった.
ノースロップがちゃんと仕上げなかったのは,試作コンペで不当な安値で入札し.製造経費が不足していたためであり,RCSに気を使わなかったのは,当初はRCSは測定専用模型で試験する予定だったからでもある(経費削減のため中止)
全体的に見れば
「最初からYF-22の勝ちが決まっていた」
のではなく,ロッキードお得意の政治工作にノースロップが負けた,という構図.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
YF-23って何?
【回答】
1980年代初頭から始まった,アメリカ空軍のATF(Advanced
Tactical Fighter:先進戦術戦闘機)計画において,ノースロップ&マクダネル・ダグラス連合が開発した試作戦闘機.
前縁後退角40度・後縁前進角40度という菱形主翼や,主翼と同じ平面形を持つV型垂直尾翼,ステルス性に配慮した,曲線を描く胴体などが特徴.
1990年に初飛行したが,競争相手である,ロッキード社のF-22に敗れ,採用されなかった.
【参考ページ】
http://military.sakura.ne.jp/aircraft/1_yf-23.htm
http://mmsdf.sakura.ne.jp/public/glossary/pukiwiki.php?YF-23
http://www.militarize.org/waffen/fighter_aviation/yf-23.htm
http://10e.org/mt2/archives/201001/282344.php
【関連リンク】
http://www.h4.dion.ne.jp/~lonestar/GALLERY/YF-23.htm
http://www.youtube.com/watch?v=Wm4szF-I4ew
http://www.youtube.com/watch?v=MbsOKzBmybU
【ぐんじさんぎょう】,2011/11/15 20:30
を加筆改修
プロフェシーがまず出てくる俺は,アレだよな.
Καζε in mixi,2011年11月15日 04:37
博物館ではなく,ある空港のタワーの下で小型機の離発着を見守る,余生を送る現在のYF-23です.
ちょっと画質悪くて申し訳ないですが.
faq110802yf23.jpg
faq110802yf23b.jpg
Fabius(KT) in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2011年08月02日 00:26
【質問】
石原とタモさんが言ってることの添削お願いします.
――――――
湾岸戦争の時の米軍のピンポイント爆撃は,バグダットの参謀本部の屋上の煙突の穴から入って,一撃で中のコンピュータールームを破壊するほどの精度でしたが,そのミサイルの軌道をコントロールするコンピューターに内蔵されていた,高性能の半導体13種類のうち,12種類が日本製で,1種類がイギリス製だった.
また,アメリカが高度な軍事技術を流出させないために,輸出しないでいた戦闘機F-22にしても,その核心となるステルス(レーダーから感知されない)には,日本メーカーが作っている資材・素材が使われていると,田母神俊雄・前航空幕僚長が言っていました.
F-22を日本に輸出するもしないもなくて,そもそも日本が技術を出さなければアメリカは作ることができないのに.
――――――『文藝春秋』8月号 石原慎太郎「日米安保」は破棄できる P134
【回答】
>高性能の半導体13種類のうち,12種類が日本製で,1種類がイギリス製
「できるだけ市販の汎用品を使ってコストダウンしました」ということ.
>日本メーカーが作っている資材・素材
資材や素材ではなく,それを何処にどのように使うか,というのが大切です.
で,結論から言えばハードよりもソフトのほうが大事.
半導体は日本製でも,それをどのように組合せ,どのようなロジックを組み,戦場という過酷な環境できちんと動作するようにするか,という事が大切.
ステルス機も一緒です.
安くする為にコストパフォーマンスが良い,日本の市販品を使用したということです.
軍事板,2009/07/29(水)
青文字:加筆改修部分
【質問】
F-22のお値段は?
【回答】
1998年発行の最強戦闘機図鑑(ソフトバンク刊)によると,442機調達時の価格で1機あたり7100万ドルのようです.
ちなみに総開発費は115億ドルになる模様と書かれています.
(以下はちょっとネタが古いです)
F-22AラプターのPRTV (Production Representative
Test Vehicle)6機(+F110エンジン12機)を15億ドルで発注して納入は2002年3月の予定です.
1機平均で2.5億ドルか?,量産型はもっと上がるでしょう.
http://www.f-22raptor.com/
▼ また,
Price Break on the Final Batch of F-22s July
17, 2007:
ストラテジーページ:F-22の最終バッチの価格低下
によれば,アメリカ空軍はF-22の最終バッチを3年契約で購買契約する手法を使って,約400Mを節約し,60機を発注したので,このバッチでの製造コストは一機当たり,約$167Mとなるという.
通常のアメリカ空軍の購入契約は1年単位なので,製造メーカーはその分,少量の材料購入等を行い,結果的に単価が高くなる.
今回の60機の発注で,F-22は183機となる.
▲
F-22
faq01a01f22d.jpg
faq01a01f22e.jpg
faq01a01f22f.jpg
【質問】
F-22Aは制空戦闘機ですが,迎撃機の任務も遂行することができますか?
またその場合,専用の迎撃機に比べてどれくらい劣りますか?
【回答】
結論
F22は世界最良の迎撃機で,少ない人員で最良の効果があります.
昔は空母1隻で数千機の戦闘機が買えましたが,最近は戦闘機が値上がりし空母1隻が戦闘機50-80機分.
戦闘機の数も少なくなる一方です.
少ない戦闘機をフル稼働させるために,戦闘機の用途別使い分けはなくなり,皆,万能機になりつつあります.
最近は制空戦闘機と防空戦闘機は兼用です(F15とかF22とか).
明白に違うのは攻撃機兼戦闘機でした,日本では支援戦闘機(F16とかF35)
ところがF15-EやSu30などは,攻撃機としても戦闘機としても,非ステルスで最良のランクのマルチロールファイターで,制空/邀撃戦闘機と支援戦闘機の区分もあいまいになりつつあります.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
F22 vs F15で損害率144:0って本当ですか?
【回答】
単純に今まで実施されたDACTでF-15が一度もF-22を落とせなかったから,F-22側のカウントが0のまま,F-15の損害だけが累積してるというだけでは.
十分凄いってのは言うまでもないが.
そして,C-X/P-Xがここにきてロールアウト延期と.
慣れない3Dモデリング・ソフトでC-X作ってたのが一気に萎えた.
メッサー=ハルゼー in mixi支隊
【質問】
F-22の2例目の「被撃墜」について教えられたし.
【回答】
Second F-22 Shot Down
July 13, 2007
によれば,F-22は模擬戦闘訓練では大体1:100くらいの,キルレシオを誇っているが,F-22が訓練の模擬戦闘で撃墜されたことは二度あって,一度目が海軍のF-18F,二度目はU.S.
Air Force 64th Aggressor Squadronに属するF-16Cに撃ち落されたという.
F-22を出し抜くような戦術についての秘密の研究も米軍のなかで行なわれていて,それは恐らく敵が開発しようとするであろうやり方を研究するものだという.
以下引用.
――――――
American intelligence has already detected efforts by the Russians and Chinese to come up with special equipment and tactics to erode the F-22s aerial superiority.
So the air force tries to reproduce some of those new ploys, in training exercises, and look for ways to maintain the F-22s superiority. The air force is basing two squadrons in Alaska, so that it can quickly be shifted to hot spots in the Pacific.
(ロシアと中国による,F-22をやっつける為の特殊な器機や戦術の開発が行なわれていることは,すでにアメリカの諜報組織が検知している.
米軍も同じような研究や戦闘訓練を通じて,戦闘手法を学び,優位性を確保しようとしている)
――――――
ニュース極東板,2007/07
青文字:加筆改修部分
【質問】
この記事↓ってどうなんですか? F-22は本当は役に立たないんですか?
米国の戦闘機界で特に戦闘機開発企業や現場のパイロットに大きな影響力を持つ通称「戦闘機マフィア」と呼ばれるグループが存在する.
今,この戦闘機マフィアの間の中でももっとも影響力のある
2名の著名人が米次期主力戦闘機のF-22ラプターは失敗作だと批判,米軍産複合体で波紋を呼んでいる.
(略)
更に過去四半世紀の米国の戦闘機の空中戦(ドックファイト)能力などを数値解析した上で,米国の戦闘機のドックファイト能力は,朝鮮戦争当時に活躍したF-86セイバー以降,基本的に進歩はしておらず,大きな機体のサイズを持ち(相対的に目立ち),ドックファイト能力が劣り(機体が大型な分,機動性に劣る),敵の方が先に目視される可能性の高いF-22が,数で圧倒する敵機と遭遇した場合は,第二次世界大戦末に登場し,性能では他国の戦闘機を圧倒した70機のMe-262(史上最初の実用ジェット戦闘機)が,米国の2000機のP-51に対してまったく戦果を上げられずに撃ち落とされてしまったように負けてしまうだろうと論じた.
(略)
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200608162241
【回答】
まぁ,ばかばかしい記事だが…….
まず,F-22はドッグファイトを念頭において設計された戦闘機ではない.
機体サイズを問題にしているが,有視界戦闘なんていつの時代だ.
例にMe262とP51を出しているが,世界初のジェット戦闘機と究極進化レシプロ戦闘機,また当時のドイツとアメリカの国力等の比較を無視して比較できると考えている時点で,頭にウジが湧いてるとしか思えん.
たしかに数の差が10:1でかつそれ相応の錬度を持ったパイロットが相手にもいれば,それは負けてしまうだろう.
だが,そんなのは「十万機のゼロ戦があれば勝てた」なんて理論と一緒で,むちゃくちゃな仮定の下論じているにすぎず,傾聴するに値しない.
どう見ても「F-22のコストパフォーマンスが悪い」という結論ありきの文章だな.
ちなみに記事の出所と思われる内容を見つけた.
http://www.cdi.org/program/document.cfm?DocumentID=3389&from_page=../index.cfm
【質問】
F-22のRAMは日本製?
【回答】
朝鮮半島情勢緊迫により,嘉手納基地に派遣されるF-22ラプター.
米空軍の負担軽減のため,F-22の再生産・輸出の可能性は今現在あり得ない状況になっています.
それを調べていたら,こんな記事を発見しました.
次期戦闘機問題,F-22の追加生産中止は日本にとってよいことだ:週刊東洋経済
> ちなみにF-22に使用されている特殊な対レーダー塗装材料は日本で製造されている.※
> これは最高機密である.
え・・・?
これマジですか?
もし事実とすれば,日本のステルス塗装技術は,世界でもかなり高い基準にある可能性が高いのです.
F-22の対レーダー塗装材料をどの会社が製造しているのかは定かではなく,知るよしもありませんが,事実だったらATD-Xや国産ステルス戦闘機開発にも影響が出るのは間違いありません.
それにしてもF-22のステルス技術に,日本の技術が使われていたとは・・・.
ちなみに記事を書いたのは,週刊東洋経済記者のピーター・エニス氏です.
どこまで正しいのかは定かではありませんが.
そしてそれが事実とすれば,F-35のステルス技術にも使用されている可能性も高く,日本は事実上F-35計画にも参加しているという事になります.
なお,F-22とF-35だけでアメリカ製第5世代戦闘機だけというのはどうかという意見もありますが,F-35はF-15,F-16,A-10,F/A-18,AV-8Bなどの戦闘機の後継を纏めているので,それ自体は問題ではないかと思われます.
ただ,F-35が開発遅延による代替を決めていなかったというのは,ちょっと判断ミスかなと.
さて,F-35を空自が導入するとして,アメリカとしては60機とは言わず,さらに導入して欲しいものでしょうが,もしバランス型戦闘機体制を維持し,かつF-35を導入するのなら,88機前後がベストかも知れません.
そうすれば,
F-15改修型 60機
F-35 88機
タイフーン 60機
F-2 94機
でまぁまぁバランスが取れますし,日本はF-35のカスタマーユーザーにもなれますから,アメリカ側も満足するはずです.
ダニエル・イノウエ民主党上院議員を始め,議会や米国防総省はこの夢に賭けるしかありません.
バルセロニスタの一人 in mxi,2010年05月23日22:37
※要クロスチェック
【質問】
F-22って外にミサイルとかぶら下げてないけど,内側にはどれほど入るの?
【回答】
Weapons Bayのことね.
腹に入れてるのは,F-22Aのステルス性能を損なわないようにするための配慮で,兵装を搭載する為に,全て機内のウェポンベイに収めている.
ウェポンベイは,胴体下部のメイン・ウェポンベイと,エアーインテーク側面に左右各1箇所あるサイド・ウェポンベイの三つ.
開閉機構はメイン・ウェポンベイが二重折りたたみ式.サイド・ウェポンベイは観音開き式.
中には
サイド・ウェポンベイで左右計2基搭載可
AIM-9Mサイドワインダー,AIM-9Xサイドワインダー
メイン・ウェポンベイで
AIM-120A-アムラームを最大で4基,AIM-120C-アムラームを最大で6基
さらにジェイダム統合直接攻撃爆弾1000lb
GBU-32(V)1/B2基と
250lb SDBが8基搭載可能,
かわりにアムラームが2基のみとなる.
外部のハードポイントには
LAU-128/A rail launcher×4基(最大)
600ガロン外部燃料タンク×2基(最大)
AAM×8基(最大)
猛禽類呼ばわりされるだけのことはある.
名無し上級大将 ◆80fYLf0UTM
【質問】
F22は完全に敵に気付かれずに戦略拠点に接近,爆撃してすぐに離脱できるって読んだのですが,最近はレーダーも進歩してるはずだし,そんな距離まで接近してもバレないんでしょうか?
しかも武器を使う時は,ウェポンベイを開くし・・・
【回答】
F117の場合,爆弾槽の扉を開くのは5秒以内,爆弾2個落っことすのに15秒ぐらい,扉を閉めるのも5秒以内と言われているので,30秒あれば爆弾を落っことして姿をくらますことができる.
この間に探知,照準してSAMを撃つのは事実上不可能.
ユーゴのケースは,爆弾槽の扉が故障で閉まらなくなったといわれているので例外.
F22も含め,ステルス戦闘機は現在の技術水準では,ホントに探知不可能と思われる.
講談社から出ている,ベン・リッチの「ステルス戦闘機」を読むと,よく分かるよ.
軍事板,2001/04/07(土)
青文字:加筆改修部分
【質問】
ラプターについて教えてください.
ミサイルを発射する映像を見たのですが,あれだと機首を下げながら発射すると,コックピットに被弾するように思えます.
大丈夫なの?
【回答】
機体下面に格納してるミサイルはそういう起動してるときはまず撃たない.
一応あれは稼動式のミサイルランチャー(トラピーズ,空中ブランコと呼ぶ)で下に放り出すので,発射されたあとしばらくは機体の軸線と平行に飛ぶから,発射後すぐに自機に激突するってのは考えにくい.
・・・でもF-22ではないが,過去に自分の投下したミサイルに激突された例ってのはあるので,絶対ありえないとは言い切れないかも.
F-22の(おそらく)長いであろう現役期間中には,もしかしたらそういう事故が起きる,かもしれない.
F-22
faq01a01f22.jpg
faq01a01f22b.jpg
faq01a01f22c.jpg
【質問】
もしラプター同士が戦ったら,昔のドッグファイトみたいになるのですか?
【回答】
どうなるかは正直よく分かっていない
ステルス機同士での戦闘や,対ステルス戦術というのは現在研究されている段階.
とはいえ,ステルス機といっても近距離では探知できる.
ミサイルは使える,レーダーも有効性が制限されるとはいえ使えるわけだから,いわゆるドックファイトには程遠い様相になるだろう.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
「ディスカバリー・チャンネル」でF-22ラプターは,秒間100発撃てるバルカンを持っていて,装弾数は480発と言っていたのですが,フルオートで撃ったら5秒も持たないということですか?
弾薬の重量や積載スペースを考えると少しでも減らしたいのでしょうが,撃てればマシということなんでしょうか?
まあ,ラプター本来の用途からすれば敵機を見つけたら,敵のレーダーに掛かる前に対空ミサイルで撃墜するのが正しいのでしょうから,バルカンを使うことになるのが間違っているのでしょうけど.
でも,使わないものならばデッドウェイトになるから,積まない方がいいような気もしますが……
それとも,対空ミサイルを使い果たしちゃった時のための,『転ばぬ先の杖』のようなものなのでしょうか?
そういう時は即座に反転して基地に帰って,残った敵は味方の第二陣に任せたりするんでしょうか?
【回答】
実際に撃ちっぱなしにするのではなく,数発~数十発を撃つだけです.
なので,機関砲を無くしちゃえと言う考えが一時期,米国の戦闘機政策にあって,機関砲を全廃したら,Vietnam戦争で,空戦に巻き込まれてバタバタ戦闘機が墜とされたので,慌てて機関砲ポッドを取り付けました.
そんな戦訓があるので,操縦士にとって機関砲は安心装置みたいなものです.
また,ミサイルは懐に入られると発射しても爆発しないものですし,何より単価が高い上,地上掃射が出来ませんから,汎用的に使いづらくもなります.
眠い人 ◆gQikaJHtf2,2007/05/19(土)
青文字:加筆改修部分
【質問】
F-22の機関砲は発射口が開かないといけないので,発射までに若干のラグがあると聞きます.
これでは格闘戦の際に不利になる要因になり得るかと思うのですが,この発射口を開けたままにしておくことは可能ですか?
【回答】
格闘戦において機銃の発射ラグは,有利不利とかあんまり関係ない.
戦闘機双方の彼我位置関係で,有利な位置取り取ったほうが一方的に勝利できる.
(WW2時点で既に結論が出ている)
さらに,敵が射界に入って照準合わせて機銃を発射する時にやっと開くんで無く,機銃の射程に入って「格闘戦に移行」した段階で開いてればいいだろう.
機関砲の戦闘レンジに入ることがわかってたら最初から空けてるって.
開けるのに10秒もかかるとかってもんじゃないから.
ほんの一瞬だよ.カシャッと.
でもって現代は機銃による格闘戦なんぞ,起こる機会が少ない.
機銃は対地掃射や,万一格闘戦が起こったときの自衛のためにつけられてるに過ぎない.
かといって不要というわけでもないが.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
FB-22計画の難点は?
【回答】
米空軍内にはグローバル・パワー能力を重視,大型長距離機に対する欲求は根強く,新型爆撃機推進派にとってはFB-22は中途半端で,計画の阻害要因と見られている様子.
空軍は2006年度予算にFB-22の研究費を計上していない模様.
詳しくは「航空ファン」 2006年4月号,p.126を参照されたし.
【質問】
F-22の追加調達条項の,米上院による削除について教えてください.
【回答】
2009.7.22,米上院は2010会計年度の国防権限法案から,F-22戦闘機の追加調達条項を削除することを賛成多数で可決しました.
オバマ大統領の
「経済的に大変なときに,大金がかかるステルス戦闘機に金を回すことはできない」
との意向によるものです.
米議会は関連工場の雇用に関わるとして,調達打ち切りに頑強に反対しましたが,拒否権行使をちらつかせる大統領の姿勢に屈した格好です.
この姿勢に対し,ワシントンタイムズ等の一部メディアは,
「中共が導入を進めている第5世代の戦闘機は今後,続々と実戦配備されてゆく.
それを抑止できる戦闘機はF-22しかない.
中共の脅威に直面する日本には,最高の戦闘機を配備しておくべきだ.
短期的視野でとった今回の行動は,日本の核武装という長期的脅威につながりかねない」
と,良識ある報道をしています.
代わりに米が勧めているのはFー35共同開発への参加ですが,これは多国間共同開発機です.
米のロッキード・マーティンが中核になって開発していますが,採用を決めた英海空軍,イタリア,オランダ,豪,カナダ,デンマーク,トルコ,ノルウェー,イスラエル,シンガポールが共同開発への参加を表明しています.
しかしわが国では,多国間開発というところで,「武器輸出に関する政府統一見解」に引っかかってくるんですね.
これを手直ししない限り,共同開発へは参加できないわけです.
〔略〕
【質問 kérdés】
F-22再生産案について教えてください.
【回答 válasz】
2011年末の195号機のロールアウトを最後に生産が終了したF-22ですが,再生産が現実のものになろうとしています.
当方は米議会の議員の有権者向け発言にしか捉えていなく,あえてこの話は取り上げない方針でしたが,ウェルシュ米空軍参謀総長は本気でF-22の再生産を実現しようとしています.
USAF WARMS TO F-22 RAPTOR REVIVAL PROPOSAL
USAF warms to F-22 Raptor revival proposal:Flight Global
★F-22生産再開はどうやら実現に向かいそう 日本も静観だけではすまなくなる?:航空宇宙ビジネス短信・T2
ウェルシュ参謀総長によれば第6世代戦闘機より改良型F-22の方がコスト的にも有利との事です.
もともとF-22は2009年にロバート・ゲーツ米国防長官(当時)が,米空軍では運用する事案が少ないという理由で生産を終了させ,そのリソースをF-35の開発に費やす事から,空軍の反対にも関わらず一方的に生産を終了させたものですが,ウェルシュ参謀総長は突飛な構想ではないとし,そこでもう一度出発点に戻って検討した結果だと語っています.
確かにゲーツ氏によるF-22の生産終了を,現在の空軍航空戦闘軍団司令官は過ちだと言及しています.
当方もF-22の生産終了は,米空軍や同盟国軍の選択肢を狭めたという点では誤りだと思っています.
もっとも当方は米国の市民権を持っていないので,どうこう言う権利はありませんが,客観的に見ればそういう結論を言わざるを得ません.
話は逸れますが,ゲーツ氏はF-22以外でもUCAVによるテロ組織への攻撃ではコストは削減されたものの,テロリスト暗殺の際にMQ-9から発射されるヘルファイア対戦車ミサイルによるコラテラル・ダメージによる民間人殺害が激増し,それがかえってテロリストを増やすだけでなく,アフガニスタンやパキスタンの反米感情を煽っているという結果になっています.
実際ノーベル平和賞受賞者でパキスタンの女性運動家でもあるマララ・ユスフザイさんは,UCAVによるテロリスト暗殺を批判しています.
18歳のマララさん「無人機ではテロ思想を殺せない」:朝日新聞
その意味からすれば,そろそろゲーツ氏への妙な評価を止めて原点に戻るべきだという意見が,米空軍内部から出てきたのかも知れません.
また,第6世代戦闘機にしても構想はあってもまだ試作機はおろか,提案すらままならない状況ですので,試作機がロールアウトするのは何年後になるかわかったものではありません.
それに中国やロシアもまだ第5世代戦闘機の開発・配備を行っており,いきなり第6世代戦闘機の開発をするよりも既存の第5世代戦闘機の改良型とも言える「第5.5世代戦闘機」の開発を行うべきだとするのは当然の意見と言えるでしょう.
とは言えF-22を再生産すると言っても,ロッキード・マーティン社は現在F-35の開発にリソースをつぎ込んでおり,その上でF-22の再生産をするというのは流石に困難な情勢です.
F-22の冶金は保管されており,いつでも再生産が可能な状態になっていますが,散々ロビー活動までしてF-22の生産継続や日本やイスラエルへの輸出を推進してきたのに一方的に生産を中止して,また生産を再開しろというのは,ロッキード・マーティンからすれば虫のいい話だと受け止められても仕方ないでしょう.
そこでF-35のFACOを増やし,ロッキード・マーティンの負担を下げるという手段もあります.
実際,日本とイタリアではF-35のFACOが進んでいます.
航空宇宙ビジネス短信・T2 軍事航空,ISR,無人機,安全保障,最新技術: ★見えてきた航空自衛隊向けF-35の生産・導入段どりの最新状況
F-22の改良型となると,F-35で採用されたETOSやEODASが導入されるかも知れません.
また,APG-81と同じように敵機のアビオニクスやミサイルを無力化するアビオニクスも導入されるかも知れません.
ただ,KC-46Aのように妙な技術を導入して炎上する可能性もありますので,そこは注視しなければならないでしょう.
また,F-22の輸出も現実になろうとしています.
そうなるとイスラエルももそうですが,我が国にとってもF-15Jの後継としてF-22改良型が検討される可能性があります.
空自はF-22Aの輸出を米政府に打診したものの輸出許可が降りなかった上に,生産終了で断念した経緯があり泣く泣くF-22の次期F-Xの選定を断念した経緯がある事から,F-22への未練はないとは言えないでしょう.
ただ,F-22改良型をライセンス生産する場合の米政府との交渉や,ライセンス生産が決定した場合でも,三菱重工小牧南工場での生産する時にF-35のFACOやMRJの生産もあるのにさらに新しい受注を受け入れられる準備があるのかという課題もあります.
小牧南工場の拡張も含め,この点は論じていく必要があるように思えます.
ねらっずーり in mixi, 2016年06月05日
青文字:加筆改修部分
その後の2018年,F-22の製造ラインの再構築及び,近代化を施したF-22の調達に掛かる費用の調査報告を米空軍は議会に行ったが,
> F-22の生産ラインの復旧,サプライチェーンの再確立,熟練した生産要員の確保及び再訓練,旧式化したF-22の主要システムの再設計などに掛かる費用は,70億ドル(約7,580億円)から120億ドル(約1兆3,000億円)が必要で,近代化されたF-22の製造再開までに,約5年程度の時間が掛かる.
としており,近代化改修を行った再生産分のF-22の調達コストはさらに莫大なものとなるため,輸出ができない同機の再生産は,やはり非現実的と見られている.
https://grandfleet.info/military-trivia/f-22-about-64-4-billion-for-reopening-and-repurposing-production-lines/
2020.8.13
「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ サイト・マップへ