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【質問】
ある国が戦闘機を買う場合,その戦闘機は購入国へどのようにして運ばれるのでしょうか? 飛べる範囲なら飛ばして購入国へ持っていくんでしょうが・・・
ばらして輸送船?それとも空母もどきな輸送船があって,甲板上に満載して一気に運ぶんでしょうか?
【回答】
フェリーと言うことで完成機を空輸する場合もありますし,部品状態で海上輸送する場合もあります.
大抵は完成機空輸が多いのではないでしょうか.
昔は,護衛空母を艦種変更した航空機運搬用の専門艦がありましたけどね.
韓国,インドネシアは部品状態からでも,自国の工場で組み立てることが出来ますので,ばらしもあるかもしれませんが.(中進国の場合は,ノックダウン生産の方が一般的)
(眠い人 ◆gQikaJHtf2)
【質問】
戦闘機の編隊飛行にはどのようなものがあるか?
【回答】
例えば以下のようなものがある.
Finger tip formation
ノーマル・フォーメーションとも。4機が右手ひとさし指から小指までの指先に位置するような編隊。
Flud four formation
Finger tip の戦闘用編隊隊形の一種。スペイン内乱で採用された、いわゆる「ロッテ戦法」から発達した(というか、それの英米版変形か)。
2個分隊(エレメント)で構成し、1個分隊は トップカバーの役割。
ウイングマンはファイティング・ウイング位置を保持する。
4機が液体のように円滑に機動するのが名前の由来
Fighting wing
エレメントの戦闘用編隊隊形の一種。別名Weld
wing(溶接された編隊)。
僚機は長機のあらゆる機動に追随することを要求されるので,僚機の機動範囲は長機の後方象限左右60°に限定される。
編隊飛行

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【質問】
何故戦闘機っていつも2機で行動するんですか?
片方囮役でもう片方が撃墜役とか?
【回答】
2機編隊は,スペイン内乱時,「義勇兵」という名目で参戦していたドイツ空軍が編み出した戦術が基本.
一般論としては,接敵前は長機が編隊の誘導と警戒,つまり「編隊に与えられた任務を果たす」
列機は長機がそれに専念できる様に編隊の周辺を警戒するのが役目.
接敵後は状況により,こちらが敵を攻撃できる状況なら,より有利な位置にいる方の機が攻撃役(シューター)となって敵機を追撃.
もう一機はシューターが攻撃に専念できる様援護(バックアップ)に回り,周辺の警戒に当たる.
勿論状況によっては,シューターとバックアップの立場が入れ代わる場合もあり得る.
敵に主導権を握られている場合は,追撃されている機をもう一機が援護.敵機が兵装の発射位置に付くのを妨害したり,被追機に回避機動を指示したりする.
この状況であなたの言う通り,追跡されている機が援護機の前に敵機をおびき出す様な戦術も行われる.
【質問】
E-M理論とは何か?
【回答】
E-M理論(Energy-Maneuverability Logic)
1960年代中盤に米空軍のジョン・ボイド中佐(後に大佐)が提唱した,戦闘機の機動解析の1手法.
複雑な三次元の動きを二次元の図表で表現し、パイロットの理解を促すという意味で画期的だった.
戦闘機の保有エネルギーと機動性を解き明かすため,Es(比エネルギー)Ps(比余剰エネルギー)を活用している.
この理論によって当該機の上昇・加速・旋回性能等を明確に表現することが可能になり、最適な上昇、加速、最大旋回性能領域などを充分に知った上で実戦時に応用可能となる.
「ボイドはF-100の空中攻撃法に関する研究でE-M理論を発見した」説は誤りで、こちらはE-M理論に先立つ事10年ばかり前の大尉時代の業績である.
オモロイのは,ボイド自身がこの理論を完全に理解応用できたかというとそうではなかったわけで,YF-16とYF-17の競争試作の時には、自分の理論に合致したように見えるYF-17が、そうではないYF-16に機動性で劣る理由が分からずに悩んだりしている.
ここ↓の真ん中当たり。理由も書いてあるよ
http://www.d-n-i.net/fcs/comments/c199.htm
またボイドはYF-17の支持者だったようで、ちょっと意外.
海兵隊とボイドの関連が述べられたサイト(ヨクヨンデナイ)
http://www.d-n-i.net/fcs/boyd_thesis.htm
ボイドが首を捻った最大の理由は,この理論が主に朝鮮戦争の経験、つまりアフターバーナーが未発達だった時代の経験を中心にくみ上げているから.
バーナーによるエネルギー回復を考慮に入れれば,ちゃんと現代にも通用する.
戦闘機の全エネルギー=位置エネルギー+運動エネルギー
運動Eは速度Eであり、戦闘機重量と速度に比例する
また高度は速度に変換可能な位置Eであり、戦闘機の全エネルギーは以下の式で表現できる
Et=Wh+1/2×(w/g)V^2
Et:全エネルギー
W:機体重量
h:高度
g:重力加速度
V:対気速度(V^2はVの自乗の意)
これをWで割ると
Es=E/W=h+V^2/2g
Es:Specific Energy(比エネルギー)
さらにこれを推力(T)、抗力(D)の値を入れて変形すると(途中式は略)
Ps=V(T-D)/W
Ps:Specific Power(比余剰エネルギー)
これはエネルギー高度を変化させ得るシステム、つまりエンジンの能力を示しており,
Psは各高度・速度での推力・空気抵抗・重量がわかれば計算で求められる.
ちょっと戻るが,Es=E/W=h+V^2/2gの式は航空機の重量当たり(米製理論なので単位はポンド)のエネルギー量を表現しており、単位が長さになるため「エネルギー高度」とも呼ばれる
(※レス未完結)
【質問】
戦闘機対戦闘機の戦いをドッグファイトと言うのはなぜですか?
それはいつごろからそう呼ばれるようになったんですか?
第1次大戦のときからもうそういう呼び名だったんですか?
【回答】
お互いに相手の後ろにつけよう/そうさせまいとと急旋回を繰り返す様を,二頭の犬がお互いの尻尾に飛びつこうとしてくるくる廻る様子に喩(たと)えて「ドッグファイト」と呼称した.
ここに,そのままのドッグファイト問答がある
http://www.imagiverse.org/questions/archives/history1.htm#QUESTION_2
のだが,「一次大戦からだが,はっきりした起源は確定できない」らしい.
ドッグ・ファイトの例


【質問】
日本の戦闘機は,空戦能力に優れ優秀だけど,かなり高価だと聞きます.
現在でも戦闘機同士のドッグファイトは有効なのですか?
もしミサイル戦で十分なら,安い旧式戦闘機に優秀なミサイルとレーダーをつければ十分なような気がしますが.
【回答】
有効,有効でないという議論以前に,ミサイルを打つにしても,有利なポジション取りというのはあるので,そのためのマニューバーをお互いに繰り広げないとですし,双方ミサイルを撃ちつくしてしまえば,機関銃を打ち合うドッグファイトに移行せざるを得ません.
また,現在の戦闘機の値段の大半は,電子装備と搭載兵器の価格だったりするので,結局それでも本当に最先端のモノを積もうと思ったらほとんど意味ありません.
発展途上国の旧式機が,お隣さんの似たり寄ったりの装備にアドバンテージ得るため近代化改装をする…とかいう状況なら,確かにあなたの思考も正解のひとつではありますが.
安い旧式戦闘機……

【質問】
撃墜と撃破はどう違うのでしょうか?
撃墜は船でいうところの撃沈、撃破は大破という意味かな、と思ったのですが間違ってますか?
【回答】
撃墜、撃破の基準は国や時代によって色々ですが、例えば日本陸軍の撃墜は
・敵機が空中爆発、それを最低1機の僚機または地上の味方(軍)が確認
・敵機が地上に激突、それを以下上同
・敵機の操縦者が死亡、以下同
・敵機が炎上または破片の一部が飛散するなの状況で急降下、以下同
・敵機が煙を吐いて急降下、以下同
撃破は
・敵機に銃撃により煙を吐かせるなど重大な損害を与え、
・それを最低1機の僚機または地上の味方(軍)が確認(敵機が戦場から離脱、その後墜落 する例も撃墜を確認できないのでこの中に含まれる)
とまぁこのような分け方でつ
米英独軍の場合は上記の条件に,ガンカメラでの記録や地上軍による残骸の確認が加わりまつ
【質問】
戦闘機のアグレッサー部隊って有事にはどうするんですか?
敵と間違えて味方に攻撃されたりしない?
【回答】
最前線には出ない.
有事には情報収集して,その次の戦いに生かすべく,訓練内容を練る.
あと,戦闘機は基本的に「IFF(敵味方識別信号)」というシステムを搭載しているので,例え外見が「敵軍機」そっくりでもいきなり撃たれたりはまずされない.
目視の対空砲相手とかだと微妙だけど,前述のようにそんなエリアを教育部隊であるアグレッサー隊が飛んだりはしない.
何らかの理由でアグレッサー部隊も最前線に駆り出されるような事になったら,勿論その時はちゃんと自軍の塗装様式に塗り替える.
前線に,敵国のマークつけて,うろつくことはない.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
何百億もする高価な戦闘機1機揃えるなら,近代改装した安い戦闘機を数機揃えたほうが,良い気がしてならないのです.これは,素人目だからでしょうか?
例えば,空自の調達しているF15やF2は,途上国や旧共産国が装備しているMig29と値段やキルレシオ等で考慮した場合,割りに合った装備なのでしょうか?
【回答】
それは多数機を所有運営し,多数のパイロットを造作なく集め,かつ消費できる国家の場合です.
さらに言えば,現在の「高価な」戦闘機は安い戦闘機を完全にアウトレンジするため,交換率がはなはだ大きいものとなり,極論すると安い戦闘機を敵一機に対して,敵の装備ミサイル数分プラス1〜2機割り当てないと迎撃できなくなります.
しかし航空機はパイロット,整備,設備,補給品等等が極めて高価です.これらは機体が旧式だろうが最新型だろうがそれほど代わりません.
ですから機体のみの安さで飛びつくと,むしろ費用対効果が悪くなってしまう恐れが強いのです.湾岸の様な技術的優位に立った者による一方的虐殺の例もあります.安物買いの銭失いってやつですね.
また戦闘機単体の優劣のみで語るのも片手落ちです.このあたり,あまり一般化しすぎた議論は危険です.
近代改装とおっしゃいますが,機体能力(ペイロード,機首の直径=搭載レーダーの限界性能)などはなかなか改装できるものではありませんし,現代戦用の近代改装は大変高価につき,時間もかかります.
せっかく改装したのに機体自体の能力が足りなくて活用できない,あるいは機体寿命のため元を取れないうちに使えなくなるという事もあり得ます.
近代化改修はいたるところで行われており,このため現代の戦闘機は数十年の運用寿命を持ちますが,どこかで上記の理由による費用の交差点が生じ,新型機に更新することになります.とりあえず,日本の実情ではパイロット使い捨て型の軍備は無理でしょう.
(90式MTB ◆8ijqzUsUAo,"System"他)
近代改装した安い戦闘機(チェコのMig-21)

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【質問】
旅客機と戦闘機は,どちらのほうが騒音がうるさいのですか?
【回答】
間違いなく戦闘機のほうがうるさいよ.
上空を通過するときだって,旅客機はギィイイイイインって感じの音なのに,戦闘機はバリバリバリグアァアアアンって空が割れるような音がするでしょ.
爆音のおもな原因は,高温の燃焼ガスが急激に膨張するときの周囲の大気との摩擦音だからね.(車のマフラー取っ払ったときの爆音と同じ理由.航空ジェットエンジンにはもちろんマフラーなんてついてない)
旅客機のエンジンとジェット戦闘機のエンジンでは,推力の構成がぜんぜんちがうでしょ.
旅客機は高バイパス比ターボファンで,推進効率や騒音防止のために強大な推力のほとんどをファンで稼いでる.ファンをドライブするためにエンジンを回してるようなもの.
くわえて,分厚いファンジェットで燃焼ガスを包んでいるから,後方以外にはあんまり騒音が広がらない.
逆に戦闘機のエンジンは,高速域での効率のために低バイパス比ターボファンだから,推力のメインは燃焼ガスで生み出してる.
ついでにファンジェットによるマフラー効果も薄いから,同じくらいの推力のエンジンでも無茶苦茶うるさい.
(軍事板)
神奈川県綾瀬市の鶴島地区に住んでみぃ?
NLT(夜間離着陸訓練)期(これが中高の定期試験準備期間と見事重なる)になれば,あまりの爆音に反米少年の出来上がり.
100フォン超えますし.
(水上攝提;みずかみ せってい by mail)
【質問】
ゴルゴ13でジェット機が旧式の複葉機相手に苦戦する話があるのですが,いくら速度差や旋廻速度差があるとはいえ,複葉機撃墜は本当に難しい事なのでしょうか?
【回答】
相手がのろく飛ぶとジェットで追随できない(失速する)ため,一撃離脱攻撃しかできなくなる.複葉機はジェット機よりずっと小さい的だし,レーダー反射も赤外輻射もジェット機よりずっと少ない.それがちょこまか動いたら
けっこう鬱陶しいと思う.
ただ,上等なサイドワインダーならやれるだろう(対空ミサイルは近接信管).
カナダ空軍が気球を“撃墜”するために戦闘機をとばし,機銃で1000発を発射したが,“撃墜”に失敗した,という話もある.
http://www.page.sannet.ne.jp/km_iwata/98nen8gatu.html
1998年の8/31の出来事.
http://www.forces.gc.ca/site/community/mapleleaf/html_files/html_view_e.asp?page=vol_1_10___12-15-Airforce
の3/4ぐらい下のところにある「CF-18s fire
on renegade balloon」の記事によれば,1998年8月31日,25階建てビルに相当するサイズの気象観測気球が故障して
コントロールを失い,漂流を始めたときの話.1000発以上撃ったが,なかなか当たらない上,
穴が開いてもささやかな漏れしか起きず,「撃墜」できなかった.
カナダ空軍の中佐は
「空中に止まっている的を速いジェットで狙うのは大変困難であり,撃墜できなかったのは別に恥ではない」
「うちのCF-18のパイロットたちは,昨年アメリカで行ったトップガンコンテストの優勝者たちだ」
とコメントした.
たしかAWSTの記事では,IRではロックオンできず,レーダーには事実上映らなかったらしい.熱気球と違ってヘリウム気球なのが災いしたんだろう.
【質問】
ジェット戦闘機が初めて戦争に使われたのはベトナムですか?
【回答】
第二次世界大戦でイギリスのグロスター・ミーティア(隕石の意味)とドイツのMe262シュヴァルベ(ツバメの意味)が1944年の7月にほぼ同時に実戦配備され,これがジェット機が戦争に使われた世界最初.
実はMe262の方がミーティアよりも三年も先に完成していたが,ヒットラーが
「戦闘機ではなく爆撃機として実戦配備せよ」
と横槍を入れ,それに対するすったもんだをやっていたので,実戦配備がずっと遅れた.
余談だが,日本もMe262のコピー版「橘花」というものを試作だけだが製作して,飛行に成功している.
パルス・ジェットの桜花22型も計画されていた.
【質問】
ジェット戦闘機同士が最初に空中戦をしたのはいつ?
【回答】
朝鮮戦争が最初.
世界最初のジェット機同士の空中戦は,朝鮮戦争中の1950年11月8日に起こったF-80とMiG-15の交戦で,ラッセル・J・ブラウン中尉のF-80がMiG-15を撃墜したとなっています.
ただし"Aerofaxseries"の"MIG-15"の記事に拠ると,MiG-15は撃墜されず基地に帰還し,アメリカ側が言う撃墜は増槽投棄の誤認としています.
この前に1950年11月1日にMiG-15がF-80を撃墜したと書かれており,この喪失をアメリカ側は対空火器によるとしています.
定説を覆す新事実発見と言うより,旧ソ連側の見解が読める様になったと言うべきでしょう.
赤とんぼワークス in mixi支隊
ただし,これには
「第二次大戦でMe262とミーティアが空中戦をした記録がある!」
という異論もある.
尚,世界初のジェット同士の空中戦の結果アメリカのF-84は一方的にやられ,アメリカは新鋭戦闘機であるノースアメリカン F-86 セイバーでMiG-15に対抗した.
両者の繰り広げた激しい空中戦は,今も戦史に残る「名勝負」とされる.
軍事板
なお,第2次大戦末期,Meteorが,V-1(パルス・ジェット)迎撃に従事していますが,RAFではこれを撃墜スコアに含めていないので,空中戦とは見なされていないのではないかと存じます.
消印所沢 in mixi支隊
【質問】
基本的な赤外線短距離ミサイルのみ互いに4発,ミサイルの性能もほぼ同じで,その他同じ条件で半径5マイル内でドッグファイトをやらせた場合,MiG-21がF-15やF-16を墜としたりすることは十分あり得ますか?
それとも旋回のいい軽快なMiG-21がもしかして圧倒する可能性もありますか?
【回答】
その設定なら,結局パイロットの腕の問題になる.
もっとも,まず半径5マイルに近付くのが不可能なので,無意味な想定といえなくもないが.
Mig−21を想定したアグレッサー訓練(F−5Eを使用)において,F−15がやられた場合があったと思った.
アグレッサー側としては,短距離AAMとガンを用いた,水平旋回戦に持ち込む戦法で戦う.軽戦的発想で戦う.
一方,F−15は強大な上昇力を生かして,仮想敵機を引き離すタイミングが鍵(アグレッサー訓練はこれを学ぶ目的で行う).
これをミスると,再び水平旋回戦に引き込まれる危険が大きい(アグレッサー側はこれを狙う)
そうなれば相手の有利な状態で戦うことになる.(それでもソコソコ戦えるといえば,戦えるが)
逆に言うと,アグレッサーによる訓練を受けたパイロット相手では,非常に勝ち目が薄いと言って良い.
俺の主観で言わせてもらえれば,Mig−21がF−15を圧倒するなんていうのはありえない.機体性能が違いすぎる.
ただ,MIGにまともなパイロットが乗ってれば,あるいは一矢を報いるくらいはできるかもしれない.
あくまで可能性に過ぎないが.
【質問】
現代の戦闘機パイロットには,爆撃機狩りは,自分達と同じ機動性と牙を持つ戦闘機を相手にするよりは,負担や損傷率の少ない仕事なのですか?
【回答】
現代に「爆撃機」とカテゴライズされる軍用機は少数ですが,「爆撃任務を負った戦術戦闘飛行隊なり戦闘攻撃飛行隊の所属機」というのはありえます.
現代に於いて爆撃任務と制空戦闘任務を同時に完全に満たす戦術戦闘機というのはありません.
搭載爆弾にペイロードを割いた場合,空対空装備は最低限の自衛戦闘が可能なまでに制限されるからです.
迎撃側の目的が「爆撃目標への攻撃の阻止」であるならば,ミッションアボートを強要できればいいわけで,攻撃の断念による離脱や,爆弾を投棄しての自衛戦闘となれば軍事上の「成功」となります.
返り討ちにあっては収支も微妙ではありますが,戦闘機としての能力が隔絶していないのであれば,迎撃側ほど支援が受けられない侵攻側は,燃料の余裕もなく武装が自衛用のみとなり不利と言えます.
そういう意味では迎撃側の負担は軽いと言えなくも無いですが,戦争とは相手もあることですので,そういう一般的な条件を引っくり返す,状況や支援や戦力差や技術差というのはままあります.
これが「爆撃機」とカテゴライズされる軍用機の場合ならば,標的となるのはB-52,B-1B,B-2,Tu-160にせいぜいTu-95とTu-22程度か.
どれもまともな対空戦能力はなく,B-1BとTu-22を除いては機動性もあまりない.それにしても限定的だ.
そうなると,問題はどうやって標的の爆撃機を発見し,そこまで燃料を残してたどりつけるかだけで,基本的には鴨撃ちと変わらない.
負担はともかく(面倒くさそうだ),損傷率は少ないだろう.
【質問】
戦闘機が爆撃機とかを護衛するのってよくあることだと思うんですが,爆撃機と航続距離に差がある場合,どのように対処してるんですか?
空中給油が可能なら,それでどうにでもなるんでしょうが.
【回答】
例えば敵の抵抗が強い地域の前で合流するとか,単純に給油機を用意するとか.
後,爆撃機が護衛戦闘機を搭載するなんてアレなものも存在した.
戦闘機の航続距離が足りない場合,爆撃機護衛を途中で打ち切って引き上げるということもありました.
例えばB-17護衛ではP-47やP-51が投入されるまでは,護衛が全行程についていなかった.
また,戦闘機による爆撃機護衛については,バトルオブブリテンでドイツ空軍内部で方法に論争があったとされています.
密接護衛か,先行しての駆逐,制圧かで主張が二つあった模様.
Bf-109の英本土上空での戦闘可能時間がどうしても短いため,困難があったということです.
ただ最近では爆撃機は,掃除し終わった場所を飛行したり,抵抗があっても電子妨害で無力化できるような場所を飛ぶことが多い.
【質問】
米軍で仮想敵機として使われたクフィール(F-21Aライオン)について調べています.
@乗員,整備員などは全て米軍の兵士で,彼らは新たにF-21Aの扱いを学んだのでしょうか?
それとも,イスラエル人がF-21Aを扱ったのでしょうか?
Aさまざまな塗装のものがあったようですが,どんなものがあったでしょうか?
とりあえず,ツートン・グレーのものとイスラエル軍と同じ3色の塗装があったのはわかりました.
B電子機器や兵装搭載能力はそのままだったでしょうか?
C訓練の時に使われた搭載兵器はアメリカ製のものですか?
それとも,イスラエルから一緒に輸入したものですか?
Dクフィールの固定武装は30mm機関砲だと思いますが,30mm口径の弾は米軍で採用されていないと思います.これはどうしたのでしょうか?
以上です.
かなり変な質問ですが,分かる人がいましたら,よろしくお願いします.
【回答】
クフィルは基本的に格安なドライリースだった.
だからイスラエルからは数人の整備責任者が派遣されただけで,実作業は米海兵隊員がやった.
VFRでのACMの仮想敵専門だから,無線機以外に電子機器はほとんど積んでいない.
武器も同様.ぶっ放すわけじゃないから米製だろうがイスラエル製だろうが積むわけがない.
ATM-9は別だけどね.搭載している写真が残っている.
30mm砲については搭載説となし説がある.
イスラエルから船積みされたときはいっしょに持っていったらしいが,使わんのだからどうでもいいんではないか?
塗装についてはベトナム迷彩のもあったはず.
で,われわれのイメージとは異なり,カルフォルニアはけっこう天候が不順らしい.
文字通り雨一滴ふらないイスラエルから来たクフィルは,悪天候に対する備えがないため,飛べない日が多かったようだ.
さらに,クフィルは仏ミラージュが原型なので運用も仏流.
たとえば飛行前点検でアクチュエーターが一本壊れていることがわかっても,他が無事なら「大丈夫飛んでこい」だったのに,アメリカではぜったい飛ばさない.
アクチュエーターは十分なリタンダンシーを持たせてあるんで,他ので支障なくカバーできるんだけどね.
で,壊れたアクチュエーターは3000psiで,当時2000psiを使っていた米軍には在庫がない.
そこで,はるばるイスラエルからたった一本のアクチュエーターが届くまで,クフィル1機が無駄に遊んでいることになる.
アクチュエーターだけじゃなくて,他の部品でも同じことだった.
最後.日本語で読めるクファル、F-21の一番詳しい資料はワールドエアクラフトだと思う.
おいらの書き込みはそれに各航空雑誌のクフィル特集を総合して脳内にしまってあったモノ.ワールドエアクラフト自体は評判よくないけどね.
リース金額やランニングコストの数字も載っていたような気がしないでもないが,確認してないし,する気もない.
ネットではF-4E(S)でイメ検してヒットするイスラエルのサイトに,クフィル関係のもリンクされていたような記憶がないでもない.
ただしヘブライ語と英語で書いてある.
【質問】
MIG-15bisの「bis」って何でしょうか? 「量産型」っていう意味らしいんですが,な
ぜ「bis」が「量産型」っていう意味になるのでしょうか?
【回答】
bisは英語で「2番目、2つめ」という意味があり、そこから派生して改良型、発展型という意味を持つ.
語源はラテン語のbis(「再び、繰り返す」という意味)から.
フランス語の「bis」もこれは同じ.
MiG-15

【質問】
イギリスのジェット戦闘機,グロスター ジャベリン,デハビランド シーヴェノム や シーヴィクセン は,ウルトラシリーズに出てくるウルトラ戦闘機のモデルなのでしょうか?
【回答】
ジャベリンが1951年初飛行,1956年部隊配備,
ヴェノムが1949年初飛行,1952年部隊配備,
シーヴェノムが1954年部隊配備,
シーヴィクセンが1951年初飛行,1959年部隊配備,
ゆえに,ウルトラシリーズが製作開始されたころには,日本でも航空雑誌等で写真は見れたはず.
みんな特徴ある形なので,デザインの参考にされた可能性は大いにあるだろう.
【質問】
機種は忘れてしまいましたが,何かのプロペラ戦闘機は,プロペラ羽を幅広タイプに換装することで大幅に性能アップしたという話を見たのですが
・初期はなぜ細いプロペラだったのですか?
・もしもさらに一段と幅広のプロペラに換装した場合,性能はどのように変化するのでしょうか?
・プロペラ機のプロペラが扇風機の羽よりずっと細いのは何故なのでしょうか.もし扇風機のような羽に換装したら,どのような理由でどのような不都合が起こるのでしょうか?
【回答】
プロペラに関する一般的な事柄として
・プロペラは主翼のアスペクト比と同様に細い方がプロペラ効率が上がります.
・同じ直径ならばブレード幅が広いほうが吸収馬力が上がります.(主翼面積同様)
・同じブレードでもプロペラ枚数が増えるとプロペラ効率が下がります.
・でもプロペラ枚数が増えた方が吸収馬力が上がります.
プロペラ直径に制約がある場合,吸収馬力を増やしたい時は,少々効率が低下しても翅数を増やすかブレードを広くする事になります.
(例えばエンジンを換装した場合とか)
また,ペラのブレードの形状については,空力的・構造的な問題があります.
簡単に言うと,扇風機のファン状のペラでは重量・抵抗が大きすぎて効率が悪すぎるのです.
例えば,周速の低い根元近くでは,幅広の形状では抵抗が増加し,ペラそのものの回転の足かせになります.
逆に先端近くでは,周速が上がって音速近くになるので,できるだけ薄い翼型にしたいのですが
,ブレードそのものの強度の問題からそうもいきません.
これらの関係から,プロペラブレードの形状は細長くなっていくのです.
この様な問題が限界に達したために,プロペラ→ジェットへの転換が起こったとも言えます.
直径数十センチのファンでは多少の効率や重量は無視されますが,航空機用の直径数メートルのペラでは重要な問題です.
ただし,幅広ペラで性能向上,という考え方が
全ての戦闘機に通則的に適用できる訳ではありません.
例えば,「雷電」の様にプロペラの共振防止のために根元部分が幅広のペラに換装したもものの,プロペラ効率そのものは悪化したという話もあります.
この場合,
「エンジンとプロペラの共振」という問題は抑制された→性能向上
「プロペラ効率の低下」→飛行性能は低下(したかもしれない)
総合的には性能向上
という風に性能が変化している訳です.
末期のレシプロ戦闘機は,大馬力を推進力に変換するためにプロペラ周りの設計に腐心しています.ペラそのものの大直径化・ブレードの多板化・二重反転ペラなど.
「ブレードの大面積化もその一つである」と言えます.
【質問】
戦闘爆撃機を初めて実戦投入したのは?
【回答】
所謂、戦闘爆撃機として考えられていたわけではないが、戦闘機のような軽快な単座機に爆装して地上軍を攻撃する試みは、スペイン戦争のコンドル軍団で組織的に行われた。 敵戦闘機の脅威が大きい地域に軽爆撃機を投入したら損失が多き過ぎたので,戦闘機に爆弾を積もうじゃないかと思いついた.
このときは,主力戦闘機の座をBf109Bに譲ったHe51を使用し、指揮したのはガ−ランドだった。
この件で,ガ−ランドは対地攻撃の第一人者と見なされ、第二次大戦開戦時には戦闘機ではなく,地上攻撃機部隊に配属されていたのは,有名な話でもある。
戦闘爆撃機というカテゴリ−を確立して実戦に使用したのは、独空軍の第210実験航空団。
1940年のバトルオブブリテンでのことで、使用したのはBf109EとBf110Cに爆装したもの。
低空を高速で侵入する戦闘爆撃機は、当時の英空軍には迎撃不可能で、従来の爆撃機では危険と考えられた目標の攻撃に威力を発揮した。
太平洋戦線のアメリカの場合はちょっと違って、いくら探しても日本の戦闘機が見つからなくなったから,仕方なく戦闘機に爆弾を積み始めた.
【質問】
戦闘機が増槽を投棄した時に,これが他の機に当たったりする危険はないのですか?
【回答】
あります.
例えば,F−105Fの緊急投棄したドロップタンクを喰らって墜ちたMiG-17が落ちたことがあります.
このときには「パイロットの日頃の行いが云々」とまで書かれる始末.
1972年7月29日にはF-105Gが味方の投下した増槽にブチ当たって墜落.
増槽ではないけど,味方の投下した爆弾が翼に命中して墜落するB-24の記録映像
も見たことがある(大昔のNHK歴史ドキュメンタリーで).
空は危険がいっぱいだ!
◆◆◆おフランス製戦闘機
【質問】
昔,記録映像で見た初期のジェット戦闘機のことを知りたいので,お願いします.
http://www4.axfc.net/uploader/9/so/No_2699.jpg.html(リンク切れ)
こんなのです.
【回答】
Leduc 0.10/0.16/0.21/0.22のうちのいずれかと思われます.
イメージは↓.
Leduc 0.10/16
http://flatrock.org.nz/topics/flying/assets/leduc_10.jpg
Leduc 0.21
http://www.editorialbitacora.com/armagedon/raroavion/zz06.jpg
Leduc 0.22
http://1000aircraftphotos.com/Contributions/VanTilborg/2669L.jpg
0.10/16は概念自体は,1938年からReneLeducが手がけ,戦後の1947年に初飛行したラムジェットエンジンの実験機です.
国産の四発旅客機やHe-277の背中に乗っけて空中発射したものが0.10で,3機が試作されました.
これに離陸用の補助ジェットエンジンを付けたのが0.16で,1952年まで実験が重ねられました.
んじゃ,これをscale upしたら超音速戦闘機出来るんじゃね?と言う考えで試作されたのが,1953年の0.21ですが,こいつは重量7tで音速が出なかった上,自力で離陸が出来なかったのがネックになって試作中止.
で,そうこうしているうちに,フランス空軍の軽量迎撃戦闘機試作コンペがあり,これに対応するため,自力離陸出来,マッハ2.5を出すと言う性能を掲げ,Atar101を搭載し,推力予定60tのラムジェットを付けて1956年に試作したのが,0.22.
流石にこんな色物,フランス空軍も採用せず,試作1機が出来ただけで,2号機は80%製作で中止.
あえなく,Leduc先生の野望は潰えましたとさ.
眠い人 ◆gQikaJHtf2
【質問】
フランス製ジェット戦闘機に戦闘経験はありますか?
【回答】
フランス最初の「まともな」国産ジェット戦闘機である,Ouraganは,インドとイスラエルに輸出されました.
1955年末までにイスラエルに供給された機体は,1956年4月に,エジプト空軍のVampireを撃墜して初戦果を挙げ,その後も国境紛争に於いて,MiG-15と戦闘を繰り広げています.
また,1967年の第三次中東戦争では,旧式機ながら奮戦しました.
1980年代に,エンジンをA-4の余剰部品であるJ52に換装する魔改造をやって,中米に輸出され,そこで対ゲリラ戦に投入されています.
1953年に104機を購入したインド空軍機も,パキスタンとの戦争に投入しています.
その後に作られたMystereIVも同様にインドとイスラエルに供給され,インドでは印パ戦争,イスラエルでは,1956年10月のシナイ侵攻と六日戦争などにも出撃しています.
特に地上攻撃に活躍した模様です.
MirageIIIは最初に輸出されたのがイスラエルで,CJを72機,BJ5機を受領しました.
これらは6個飛行隊に配属され,第三次中東戦争では,シリアのMiG-17を撃墜したのを手始めに,第四次中東戦争では,エースを複数輩出しています.
このエレクトロニクスを簡易化して稼働率を上げるように要請して,Dassaultが作り上げたのがMirage5ですが,これは,アラブに軸足を移したフランス政府によって対イスラエル禁輸とされ,完成した機体はフランス空軍に配備されました.
諦めきれなかったイスラエル政府は,この設計図を入手して国産化を図り,この機体がアルゼンチンに後に輸出され,フォークランド紛争で用いられました.
また,アルゼンチンはそれとは別にMirageIIIEA/DAを購入しています.
オーストラリアのMirageIIIOは,マレーシアとの協定で同国の基地に配備され,共産ゲリラ攻撃に使用されたこともあります.
先述の印パ戦争では,パキスタンはMirageIIIEP/DP/RPを導入し,使用していますが,撃墜記録は無い模様です.
眠い人 ◆gQikaJHtf2
【質問】
ミラージュVの元になったミラージュTやUってどんな機体なんですか?
できたら画像お願いします.
ケニー
【回答】
M.D.550 MirageI は,1955年6月25日に初飛行したものです.
これはフランス空軍の小型戦闘機コンペに参加したもので,デルタ翼機でしたが,後のMirageIIIとは似ても似つかないもので,Armstrong-Siddeley
Viper双発でM.1.15を出し,更に胴体後部に加速用の液体燃料ロケットSEPR.66を搭載して,M.1.3を狙ったものでした.
そもそもは,朝鮮戦争の戦訓から,世界的に軽戦闘機重視の方向が打ち出されたことに始まります.
その流れで1950年代初期にFrance空軍は,小型軽量,高度18,000mまで6分で上昇可能という性能を持つ超音速迎撃機の仕様を公開します.
これに基づき,Franceの各航空機メーカーが色々な機体を開発します.
・Sud-EstはS.E.212 Durandal,
・Sud-Ouestは,S.O.9000/9050 Trident,
・SFECNASは,1402/1405 Gerfaut
などを開発しています.
Dassault M.D.550もその一つで,軽量高性能を達成するために,前縁後退角60度,翼厚比5%の無尾翼デルタ翼形式を採用し,エンジンにArmstrong-Siddley
Viperのライセンス生産品である,Dassault M.D.30(推力770kg)を2基搭載,これによって総重量5,000kgに抑えた機体としました.
しかし,初めての形式の機体だったため,不具合が続出し,翼端を27cm延長したり,胴体全長を1.3m短縮という大手術を施しました.
こうして,軽いDiveでM.1.15を達成しますが,更に改造を加え,エンジンをオリジナルのものにアフターバーナーを加えたM.D.30R(A/B980kg)に換装し,SEPR66ロケット(1500kg)を追加して,水平飛行でM.1.3を達成します.
これは上記軽量小型戦闘機のうちで,一番高い性能を持っていましたが,実用機としての装備を施すと著しく性能が低下することが予想できたため,MirageIIが開発されることとなり,機体を大型化してエリア・ルールを採用,動力にはより推力を増強したTurbomeca
Gavizo(A/B1,500kg)を搭載する予定でしたが,これでも大型化した機体には推力不足だったこと,更にFrance空軍の要求仕様がM.2級となったため開発を中止し,次のMirageIIIになりました.
MirageIIはTurbomeca Gavizoエンジン双発の機体で,同じく,液体燃料ロケットSEPR.66を搭載する予定でしたが,エンジンの開発が頓挫したのと,SNECMAがより性能の良いATARを開発したため,中止となりました.
http://www.ussmirage.de/Schiff/pics/mirage/md550-i.jpg
http://www.europa1939.com/aviones/cazas/mirage3.JPG
http://anfas.free.fr/mir4/md550.jpg
眠い人 ◆gQikaJHtf2
◆◆◆V/STOL機
【質問】
何故,日本や台湾は,航空隊の基地が少なく,国土も狭いのに,A-8やF-35Bみたいな垂直離着陸機が実戦配備されてないでしょうか?
特に台湾は,中国の攻撃で滑走路が破壊されたらどうするつもりでしょうか?
【回答】
「基地」=「滑走路」ではありません.
あなたが考えている様に,仮にVTOL機がそこらの空き地に発着できるとしても,補給や整備はどうするつもりでしょうか.
更に,航空機が発着する以上管制設備や駐機場も必要です.
それらの付帯設備を揃えれば,結局通常の基地と同等のものが必要となってしまいます.
また,VTOL機は通常のCTOL機に比べて「垂直離着陸能力」という部分でリソースを取られています.
垂直離着陸機は,垂直離着陸できるかわりにその他の能力ががた落ちなのです.言わば,一旦空中に上がってしまえば無意味な能力をわざわざ抱え込んでいる訳で,純粋な空中性能でCTOL機に劣るVTOLを主力機に据えることは現在の技術レベルでは有り得ません.
優勢な空軍を持つ国と国境が隣接していて,奇襲を受ければ即航空基地壊滅な国と違い,日本は海を隔てているので,固定翼航空機でも十分なのです.
垂直離着戦闘機……

【質問】
ハリアーの垂直着陸方法を教えてください.
【回答】
テキトーに.
着陸地点へのアプローチは基本的に通常の飛行機と同じ.
徐々に速度を落としつつ進入し,適正な速度でギアを出す.
垂直着陸のモードでは,速度の低下と伴なってエンジンのノズルを下に向け,翼の揚力を補いつつ着陸最終段階へ.
ラダーやエルロンなど,空力制御の効きかない速度に達すると,姿勢制御は翼端などにある小さな穴から,エンジンからバイパスしたエアを噴出して行い,ヘリの様に機体を傾けてメインエンジンの推力方向を変えてやり,最終減速や着陸位置への移動を行ない,出力を絞りつつ降下・着地.
PS2の「エアロダンシング4(セガ)」をプレイして頂くと解りやすいかと(笑).
【質問】
ハリアーのホバリング可能時間について
「90秒制限というのは,吹き降ろしたジェット排気でアスファルト舗装が融解してしまうからっていう,純然たる設備側の問題であります」
という話と,
「ハリアーはエンジンの冷却水が加熱してしまうのでn秒しかホバリングできない」
という話とを聞いたんですが,どっちが正しいんでしょうか?
【回答】
ハリアーのホバリングについては
www.aerospaceweb.org/question/planes/q0123.shtml
に良い質問回答が載っています。
これによると,ホバリング可能時間は運用条件によるのであり、シビアな環境(例えば高度が高く気温も高いなど)のため、エンジン全開を続ける必要があれば,冷却水の容量の問題――水噴射により全力運転時のタービン過熱を防ぐ機構と水タンクがあり、こちらの消費に伴う時間制限――から90秒程度になるようです。
しかし、そのような状況は稀であるため、実際にはそれよりかなり長くなる、として実際にエアショーで5分以上のホバリングを行った例が紹介されています。
(True/False ◆ItgMVQehA6他)
【質問】
ハリアーGR.7からGR.9への改修の中身は?
【回答】
エンジンをペガサスMk.107に換装.
IWP(統合兵器計画)と呼ばれる,MIL-STD-1760
SMS(兵装管理システム)やINGPG(慣性/GPS航法システム),SIFF(次世代敵味方識別装置),RAIDS(レンジレス空中計測出ブリーフィシングシステム),秘話通信システムなどの新型アビオニクス搭載.
ペイブウェイIVやブライムストーン,マベリックなどの空対地ミサイル運用能力付加.
詳しくは「航空ファン」 2006年4月号,p.126を参照されたし.
【質問】
シーハリアーFA2は現役のはずでは?
初期型のFRS1はもう残ってませんが,新型のFA2の引渡しは93年からなので,退役しているとは考えづらいのですが……
【回答】
もうシーハリアーは退役してしまい,空軍のGR.7/9には対艦ミサイル運用能力は無い筈.
FA.2 は昨年 3 月に退役しています.
寿命が来たわけではなくて,「機種統一による効率化」「エンジンをパワーアップする余地がなかった」等の理由によります.
退役した機体をインド海軍が買いたがったのですが,レーダーはサポート対象外,スラマーの運用能力は撤去,と条件が悪くて折り合いがつきませんでした.
シーハリアーは FRS.1 も FA.2 も,スーパークリティカル翼を採用した
“ハリアー U” 系列じゃないんですよ.
そのことも影響したのでしょう.
ただ,艦隊防空の立場からすると,FA.2 の退役でスラマーを使えなくなったのは,ちょいと痛いところです.
だってシーハリアーって,初期型ハリアーのサブタイプの1つなんだもん……
◆◆◆戦闘機メカニズム
【質問】
マッハ2以上はもう必要ないのですか?
【回答】
戦闘機が最高速度マッハ2とか3とかを要求されたのには、冷戦時代に高高度高速侵入してくる戦略爆撃機に対抗する為(XB−70ヴァルキリー迎撃を目的に開発されたMiG−25はその典型)。
現在はそのような用途がほとんど存在しないので、過度の高速性能は戦闘機には不要.
現在,マッハが必要とされているジャンル↓

【質問】
現代の戦闘機(F15等)は,どのぐらい低い高度を飛べるのでしょうか? 離着陸時は除いて,です.
マッハ1.5で海面5m程度のところを飛ぶことは無理なんでしょうか?
WW2時の雷撃機などは,「舷側の下を飛んでいた」とよく聞きます.
当時とは全てが根本的に違うでしょうけど,低高度を飛べる有用性は変わっていないと思うのですが.
【回答】
対空(機関)砲,地対空ミサイル,携行地対空ミサイル及びレーダーの発達で,低空飛行が安全ではなくなったことと,誘導弾等,遠距離高空からの攻撃手段が生まれたことで,低高度を進攻するメリットは激減.
ただ,グラウンドクラッタ(地面のレーダー反射波)や地形の有効活用はまだまだ使える.
ステルス性の点で遅れている欧州やロシア辺りでは,侵攻型の攻撃は低空飛行が基本だと思うよ.
また,F-15は,純粋に迎撃戦闘機であり,低空飛行というよりもむしろ高高度迎撃がお仕事なので,低空飛行には向かない.
戦闘攻撃機の側面を持ち合わせてるトーネードや,ジャギュア,日本で言うなら三菱F-1辺りは低空飛行を得意としてる.可変翼,もしくは高翼面荷重の主翼によって,低空で安定して飛べる.
高翼面荷重機が安定して飛べるのは低空"高速"飛行時,
同じシチュエーションで低翼面荷重機だと乱流に煽られ易くなる.(FBWの介在で対処可能な範囲だとは思うが)
逆に低空"低速"飛行時は,高翼面荷重機の方が失速しやすいと言われてる.(これがFBWや補助揚力装置でどうにかできるかは不明)
さらに,トーネード辺りになると,自動操縦で地形回避モードすらある.マッハ近くで100m前後を自動飛行するので,さながらジェットコースターとか聞いたことが.
軍事板 & CHF in FAQ BBS
【質問】
戦闘機で,ミサイルをパイロンにくっつけたまま点火して,急加速するとか実際に可能ですか?
【回答】
戦闘機ってのは複雑な航空力学の上で飛んでるのに,ミサイルで加速なんかしたらあぼんする
ただ,1950年代にJATOという固体燃料ロケットが離陸補助用に一時使われたことがある.
↓アフォな実験の例
http://www.vectorsite.net/avzel.html
【質問】
戦闘機の航続距離(公称)って,高高度での巡航最高速度での数値でしょうか?
子供の頃見た本には,マッハ1.8でどうのって記述があった憶えがある反面,最近インターネットで見た話では,戦闘機はアフターバーナーの使用は15分ぐらいしかもたないなんて話もあって,よくわかりません・・・
だいたいどんな基準で航続距離を出してるんでしょうか?
【回答】
基本的にはアフターバーナーを使わない巡航速度での値
一般的な超音速戦闘機の巡航速度は旅客機のそれより低い値.
航続距離は理論値であることが多い.最大燃料効率の速度,高度で飛んだときの燃料消費率で,最大搭載量の燃料だとどれくらい飛べるか,という数字.
機外タンクはつけるときとつけてないときがあるが,コンフォーマルタンクはつけるみたい.
で,実際は安全のため燃料にいくらかの余裕を残すし,離着陸時は効率が悪くそんな距離は飛びません.
また,実際ジェット気流等があれば航続距離以上に飛ぶことも可能でしょう.
ちなみに最大戦闘半径と呼ばれるものは一般的に,最大航続距離の4割より少ないくらい.
行き帰りで8割と戦闘行動,離着陸,保険などが2割程度ということになります.
戦闘を前提とした航続力は装備形態や任務,飛行に使う高度などにより細かく区分されている.
あと,アフターバーナーは非常に燃料効率が悪く,これを使った数字で航続距離を出す場合は,必ず括弧や注釈などで説明がなされるはず.
普通に航続距離と言う場合は上の通り.
また,アフターバーナーはめったに使うものではなく,使用されるのは空母艦載機が発艦するときや,戦闘時に一時的に機速をあげたいときなどに短時間使う程度.
平たく言えばガンダムなどのアニメで,たまにブーストを使うような感じ.
戦闘機の場合最大,アフターバーナー継続時間は10分やその程度だろう.
もっとも,上の理由で実際に最大継続時間が問題になるほど実戦でアフターバーナーを使用することはない.
訓練時にも,特に自衛隊は金欠症候群に苦しめられているので,そんなに使うことはまず無い.
だが,Mig-25(ソ連)という専用に設計された超高速迎撃機は,アフターバーナー全開の最大速度での飛行を30分継続できるようだ.
あと,戦闘機以外ではマッハ3で巡航可能なとんでもない機体がある.それがSR-71(アメリカ).
非常に大食らいだが,もっとも長時間アフターバーナーを継続使用できる機体だろう.
【質問】
戦闘機の単座式と複座式,それぞれのメリットとデメリットを教えて下さい。
優秀なパイロットを失うリスクを考えると、単座式のみでよいと思うのですが。
【回答】
単座
複座に比べると軽い。人が乗らない分他の物を積むスペースが出来る。
複座
WSOを乗せることにより目標捕捉や兵器操作、航法、通信の仕事が減ってパイロットが飛行に集中できる。
複操縦装置がついてれば長距離飛行時にPが楽できる。
2次大戦後のように機関銃でドッグファイトをしていた時代は一人でも良かった。
ベトナム戦争くらいの時代になるとレーダーやミサイルが発達し、Pの仕事が増えたので,後ろに人を乗せるようになった。
その後,自動化が発達し,一人で上記の任務をこなせるようになったが、湾岸くらいの時期にまた仕事量が増えて、複座だけど転換練習機ではないって機種が増えた。
でも最近,また自動化が進んで,一人で仕事がこなせるようになってきたし、ついでに複座型を開発するにはお金が掛かりすぎるようになってきたし、シミュレーターで転換訓練が出来るようになったので,昨今はまた単座が主流になった。
単座機

【質問】
戦闘機はどうしてコックピットをもっと引っ込めないんですか?
無人機なんてものが開発されてるんだから,視界なんてカメラで取れるだろうし,あんな形じゃ素人目にも空力やステルス性能でマイナスなんじゃないかと思います.
それとも機械なんていつ壊れるかわからない,最後に頼れるのは人間だぜってこと?
【回答】
ミサイル万能論が唱えられるようになった第三世代戦闘機(F-4,MiG-25等)では,従来機よりキャノピーが小さくコクピットは機体に埋まる傾向があった.
ベトナムの戦訓で有視界戦闘が再び重視されるようになった四世代(F14〜18,Su-27,MiG-29等)ではキャノピーは再び大型化,五世代であるF-22/35でもその傾向を引き継いではいるが,更に先の見通しは不明.
なお,現状ではカメラじゃ,空対空戦闘に必要なレベル(広視野高精細)の視覚情報が得られない.
総合的に判断してカメラの「視力」は0.6程度なんだ
今のところ人間の目の方が見張り能力が優れているから,突出型のキャノピが使われ続けている.
それだけの話なんだよ
コクピットが機体に埋没している例
(おふらんすのLe Duck-010ざんす.ただし戦闘機じゃないざんす)

有視界戦闘重視の例(スホーイS-37「ベルクト」)

【質問】
F-16が登場した当時くらいまでは全天候と昼間用の二種類の戦闘機があり(今でもあるか)レーダーの有無だったりレーダーの性能の差だったりする訳ですが,具体的にレーダーの性能にどのような差があるか解かりますでしょうか?
またF-15やF-22といった戦闘機にはレーダー専門の人間が乗っていませんが,これは機械が進化し,片手間でもある程度扱えるようになった と考えてもよろしいのでしょうか?
それともAWACS等からの支援が受けられるため,そんなに複雑である必要がなくなったのでしょうか?
【回答】
F-4前後(と言っても,F-5Aは純然たる昼間戦闘機ですが)から,「全天候」と「昼間用」の区分は薄れていっています.
F-4のレーダーの場合は,例えば制空戦闘では,遠距離にある目標を探知,追尾し,ミサイルを発射して誘導する能力がありますが,F-5Eのそれは,近距離にある目標の探知とその目標までの距離を測定するくらいしか出来ません.
現代のそれは,LSIの小型化,Solidstate化などの技術の進展に伴い,従来,人間系で分析しなければならなかった部分を大幅に自動化することが出来ています.
更に,処理能力も向上していますので,専用の人を必要とすることが少なくなりました.
昔のPC-8001と現在のパソコンの処理能力をお考えいただければ判り良いかと.
眠い人 ◆gQikaJHtf2
「全天候戦闘機」の呼称が無意味化したのはもっと昔,F-4の出現あたりです.
従って「全天候戦闘機と昼間用戦闘機のレーダー性能の差」という質問自体が成り立たないのですが,質問中に登場した機体で言えば,F-16は出現当時,近接戦闘に特化させてレーダー性能を割り切っており,スパローの運用能力がありませんでした.
F-4までのレーダーでは,スコープに表示されるのはレーダーが拾った反射波そのもので,言わば未加工の生情報.「目標」だけではなく目標を含めた周辺の反射波そのものが表示されます.
ゆえに,ノイズや目標とそうでないもの(雲,地上物,虚探知)の識別,除外などを全て人間の判断と操作で行う必要があります.
これに対しF-15などの現用の機材では,レーダーの反射波の中から自動的に識別した目標のみを表示する形になっていて,通常は雲や地上物からの反射は表示されません.
AWACSの出現によって効率的な防空が行えるようになったのは事実ですが,だからといって戦闘機の機載レーダーの簡易化が行われる事は現状では有り得ないでしょう.
【質問】
米海軍のレーダー迎撃士官という役職,メリット・デメリット
について教えてください.
【回答】
メリットは,一つの仕事を二人でするのでパイロットのワークロードを軽減する事ができることと,
目視で索敵したり何かを確認する際に,目の数が2倍あるので,見つけやすかったり,見落とす危険が
少ない事です.
将来的には,今後米海軍の主力機種の一つになるスーパーホーネットの複座型の場合,戦闘任務のほかに,
空中給油や偵察などにも使われる機体の為,パイロット一人ではワークロードが大きく乗員が2人必要なので,
WSO(兵装システム士官.最近ではレーダー迎撃士官と呼ばずに,こう呼ぶ)は残るでしょう.
また,プラウラーの後継機となりそうな電子戦機型のG型も複座型のスーパーホーネットがベースなのでWSOは残ります.(乗員は4名から2名に減りますが)
海兵隊の場合は,複座のホーネット(夜間攻撃型)を単座のF-35に置き換えるので,この場合WSOはいなくなります.
ただし,海兵隊所属のプラウラーがG型スーパーホーネットに置き換わるなら,(海兵隊が電子戦機を保有し続けるなら),数は減るものの海兵隊にもWOSは残ることになります.
なお,空軍はAWACSにその仕事を集約させてます.
軍事板
【余談】
ベトナムに行ったアメリカ人から聞いた話.どこまで実話かは,確認は取れていないのでそのつもりで.
ある時,基地にファントムが帰ってきて,大きく宙返り.
地上の連中がやんややんやとはやし立てて,気をよくした(?)ファントムはもう一回.そのまま引き起こせなくて墜落.
パイロットはともかく,ナビは成仏できんだろ.エイメン.
【質問】
ロシアのSu-27やスェーデンのJAS39,EUのEF2000などに装備されているIRSTですが,これって役に立つのでしょうか? ステルスに対する気休め?
また,なぜ旧ソ連はIRSTを戦闘機に搭載したのでしょうか?
2364
【回答】
IRSTが本当に役に立つかどうかは知りませんが,航空自衛隊はIRSTを有用と判断し,現在,日本独自のF-15用IRSTの開発が進んでいます.
IRSTそのものは,特に目新しい技術でもなく,1970年代からあります.
しかし,初期のもの(確か最初にIRST積んだのはF101だったと思った)は,あまり役に立つとは言えず,アメリカはIRSTを見捨てます.
当時の技術的限界がそこにありました.
F-4の初期型を最後に,IRSTは戦闘機の搭載機材としては姿を消しました.
これとは対照的に,ソ連では,IRSTは探知手段として重要な位置を占めていました.
MiG-23MLに搭載されたTP-23を筆頭に,MIG-25PD,MiG-29,MiG-31,Su-27と,主力戦闘機のほぼすべてに,IRSTが搭載されています.
これは,特に理由があるわけではなく,漠然とした考え方の違いだと思います.
しいて言うなら二つ.
レーダー技術で一歩遅れており,これに対する補完的な意味合い.
ベトナム以降,それまでより軍事に控えめになっていたアメリカは,役立に立たない(かもしれない)研究をさっさと切り捨てたが,ソ連ではすべてが軍事優先だったこと.
……と,理由をひねくりだすことは出来ますが,やっぱり,難しいこと考えずに「各国の性格の違い以上のものでは無い」と結論したほうが的を射ている気がする.
(ちなみに,探知距離は,MiG-29に搭載されたもので15km,Su-27初期型で50km程度とされます)
同じ技術力で作れば,確かにレーダーの方が探知距離が長いでしょう.
しかし,レーダーは,性質上,こちらから電波を輻射しなければならず,それを敵に探知される欠点があります.
(WW2当時から,この欠点を利用した対レーダー機材が作られているくらいです)
また,電子的に妨害が可能という欠点もあります.
(WW2当時から,この欠点を以下略)
これらに対する解が,早期警戒管制機とのデータリンクであったり,レーダーの補完としてIRSTを搭載することでありました.
IRSTの利点は以下の通りです.
1,電子妨害下の目標の探知(IRSTは妨害されない)
2,戦闘機用レーダーより覆域が広い.
(一般的な戦闘機用レーダーは,前方の左右上下60度以内にいる目標しか探知できないが,IRSTは特に横方向でそれより広い範囲をカバーできる)
3,ステルス目標の探知
4,受動的捜索手段なので,レーダーと違い,敵に探知されない.
5,目標角度分離精度が高く,横行目標を正確に探知可能
確かに,IRSTはレーダーに比べれば性能が劣ります.
しかし,過酷な電子妨害下にあっても,敵機を探知可能なIRSTは,電子戦がますます重要視される21世紀の戦闘において,非常に有用な技術であると考えて間違いありません.
……って,どっかの広告ばりにIRSTを持ち上げといて言うのもなんだが,
1,遠距離での探知性能は,レーダーよりずっと劣る(距離にして半分以下)
2,全天候戦闘能力に欠ける.
3,目標を探知できても,その移動速度や距離が探知できない.
など,IRSTには致命的な欠点があります.
3の欠点は,レーザー測距装置を積めば解決できますが,そもそものレーザー測距装置の探知可能距離がおそろしく短かったり(IRSTの四分の一とか……)
結局,IRSTはレーダーの補完以上のものでは無いのです.
アメリカが,IRSTを見捨てたのも,その辺に理由があるんでしょう.
機首にIRSTを積むスペースを作るより,そのスペースをレーダーの性能向上に当てるという発想なのかもしれません.
また,早期警戒管制機(AWACS)+戦闘機の組み合わせに,よほど自信があるんでしょう.
電子妨害はAWACSの強力なレーダーで対処,
レーダー波を敵に探知される欠点は,AWACSと戦闘機のデータリンクで対処.
(戦闘機はレーダー波を出さない.AWACSからデータをもらう,等)
また,戦闘機と違い,AWACSは全周360度が索敵可能.
……などなど,パッと思いついただけでも,AWACS+戦闘機の組み合わせは,戦闘機レーダーの欠点を補完でき,IRSTは要りません.
しかしAWACSが落とされた場合,大きな指揮障害と混乱をもたらすという欠点があります.
(もっとも早期警戒管制機が落とされる可能性は非常に低いでしょうが)
ややIRSTの話と外れますが,ロシア式AWACS+戦闘機の組み合わせでは,この欠点がある程度克服されています.
ロシア式では,戦闘機同士でのデータリンクが重視されているからです(アメリカ式ではAWACSを重視してリンクが組まれている)
つまり,AWACSへの依存度が低く,AWACSが落とされてもデータリンクと指揮系統を維持できます.
代わりに,AWACSの能力が完全に生かされていません.
結論として,AWACSをアメリカ式に重視する(AWACSが絶対に落とされないと考える)のであれば,IRSTは不要です.
その方が,コストや整備性,搭載スペースなど,さまざまな面で有利です.
ロシア式のような(AWACSが落とされることも考慮した),AWACSに依存しない,個々の独立性の高い戦闘システムを組むのであれば,IRSTは有効な装備となります.
AWACSが落とされるような苛酷な戦場であれば,電子環境も非常に厳しいことが予想され(例えばレーダーがまったく使えない),そういう想定なら,ロシア式の戦闘システムとIRSTが生きてくるワケです.
このように,想定した状況の違いにより,アメリカは(IRSTを用いない)アメリカ式の戦闘システムを,ロシアは(IRSTを伴った)ロシア式戦闘システムを,それぞれ独自に構築しました.
つまり,IRSTの有無は,各国の発想の違いによるものでしょう.
どちらが正しいかは,当方にはわかりません.
以下,蛇足.
こう考えると,日本のF-15にIRSTを積むというのは,システムとして一貫性を欠いている気がする.
防空駆逐艦に魚雷発射管を積むようなものだ.
どうせなら,この機会にロシア式に改めたらどうだろ?
そしてゆくゆくは,フランカーの導入を(以下略
極東の名無し三等兵◆5cYGBbCsjQ
【質問】
戦闘機の装備って,そうとう凄そうですが,それでも夜間飛行は難しいんですか?
【回答】
各種の航法支援機器のおかげで,昔よりははるかに簡単になりました.
暗闇で地面が見えなくても,自機がどこにいるかわかるとか(これは民間機でも一緒ですが).
ただそれでも,真っ暗な空を飛んでいると上下左右の感覚が分からなくなり,計器すらも信じられなくなって,明後日の方向に飛んでいったり地面に激突してしまうことがあります.
これを空間識失調というのですが,これは今でもままあることのようです.
詳しくは「空間識失調」でgoogle検索すると吉.
この空間識失調(簡単にいえばどちらが上かわからなくなる状態)を防ぐために,計器などで自機の姿勢を表示します.
従って,それを信じていれば事故は起きないはずです.
問題は,航空機の計器はしばしば故障するということです.そのため,空間識失調を起こしたパイロットは,自分の感覚(錯覚)に囚われて計器が故障していると信じ,誤った操縦をしてしまいます.
以前から知られており,当然パイロットにはしっかり教育されているのですが,いまだに事故は後を絶ちません.
先日も旅客機のパイロットが自機が左に旋回していると信じ込んで直進させるよう操舵し,結果として極端な右旋回となって(たしかそんなパターン)墜落させています.
もっとも,計器を見ると水平飛行しているはずなのに,どんどん風切り音が強くなって操縦桿が重くなり,
「これは急降下で超音速に達する間隔と同じ」
と気づいて引き起こし,あやうく地上と激突を免れたという,本当の計器故障もあります.
このため重要計器は多重が普通なのですが,あわてていると,あるいは他のトラブルが絡んでくると,事故が起きてしまいます.
現代でも,最新戦闘機でも,夜間飛行はよくないのです.
【質問】
スーパークルーズの利点を教えてください.
【回答】
スーパークルーズは、アフターバーナーを使わずに超音速巡航を出来る能力のことです。
エンジン単体としてみれば、アフターバーナー無しでの最大推力が向上しているわけだから、以前と比べれば、超音速飛行状態での燃費が相対的に良いとか、低付負荷から高負荷までのエンジンレスポンスがリニアである、などが特徴と言えるでしょう。
ただし、いくら向上したといっても、アフターバーナー作動状態ほどの推力は出ないので、スーパークルーズ対応機は、速度の上限はおおむね公称M1.5程度のようです。
利点は一定機数でカバーできる範囲が拡がること。
逆に言えば、より少ない機数で同じ任務を達成できる。
具体的によく言われているのが,F/A-22などで敵巡航ミサイルの斉射に対抗する場合で、高速とステルス性を活かして敵発射地点近くまで侵攻し、視程外AAM、短距離AAMと連射して数を減らし、交差後ターンしてこれまたスーパークルーズを活かして追撃してさらに一撃、二撃、撃ち漏らしを敵防空範囲の外で待ち受けるF-15やF/A-18が落ち穂拾い、というパターン。
これを燃料効率極悪のアフターバーナーでやったらとても保たないし、のんびり飛んでたら最初の攻勢すら敵防空範囲手前で始まってしまい、F/A-22の利点を活かせない上、ターンして追いついてもう一撃などとても無理なわけ。
◆◆◆パイロット関連
【質問】
航空自衛隊のFパイロットの訓練課程は,
初等練習機(レシプロ)
→中等練習機(亜音速ジェット)
→戦闘機の複座練習機型
→戦闘機
となっていますが,米空軍や米海軍など,他国のFパイロットの訓練課程はどの様になっていますか?
【回答】
手元の資料が四半世紀以上前のものですが,シミュレータの適用拡大と機種の変更くらいだと思いますので,参考までに.
豪州空軍:基本練習機(60h)→MB326H(225h)→転換練習機(25〜30h)
ベルギー:基本練習機(150h)→アルファジェット(150h)→転換練習機(75h)
フランス:基本練習機(20h)→中間練習機(135h)→アルファジェット(120h)→戦技練習機(100h)
ドイツ:基本練習機(25h)→初級練習機(123h)→高等練習機(138h)→転換練習機(80〜110h)
イタリア:基本練習機(20h)→M.B.339(240h)→転換練習機
英国:基本練習機(20h)→ジェット・プロボスト(160h)→ホーク(130h)→転換練習機
米国空軍:T-41(30h)→T-37(90h)→T-38(120h)→T-38B(36h)→転換練習機
米国海軍:T-34C(70h)→T-2C(96h)→TA-4J(105h)
眠い人 ◆gQikaJHtf2
【質問】
〔航空機は〕一般的には増加タンクつけっぱで訓練とかするもんなんですかね?
【回答】
航空ファン2007年7月号によれば,増加タンク装着は嘉手納展開などフェリーフライトの時がメインで,実際の嘉手納ベースでの訓練では増加タンクなしのクリーン状態で行ったようです.
ただし,真相は闇の中.
当たり前の話ですが訓練の想定として,ステルスミッションを行いたい場合は当然クリーン状態でしょうが,F117が典型例でしたが,万が一の墜落の際など,サイトでモニターしやすくするためリフレクターを装着したり,想定と状況により様々と考えるべきでしょう.
【質問】
現在においての全般的な話として、軍の戦闘機とパイロットというのは固定されているのでしょうか? この機は、この人の専用機,みたいな。
それともローテーションで、このシフトはこのパイロット、次のシフトは別の人みたいに交代制なんでしょうか?
以前、
「整備士は固定だけど、パイロットはシフトがあって、専用機というのはない」
と聞いていたのですが、最近になって
「パイロットの育成には機体を作るより金が掛かるから、予備パイロットなんていない」
という話を聞いたもので、はて? どっちが正しいのやらと悩んでいます。
【回答】
パイロット一人一人に専用機は与えられない
例えば定数18機の飛行隊では,だいたい1〜2機がドッグに入っていたり、朝いちのPRでOUTになり,ドッグに入っている機体から部品の付け替えて午後から飛ぶ機体などがあるため,常に18機が飛べるわけではない、といった感じ。
パイロットにしたって,休暇やアラート明けの下番、出張や訓練等が有るので,だいたい機体定数の1.5〜2倍が所属していると思えばよいらしい。
そもそも、個人割りの機体というのは非常に効率が悪い.例で例えた通り,OUTになると修理が終わるまでそのパイロットは飛べない.
戦中でも,緊急発進などの時は搭乗割りではなく,早い者勝ちで調子の良い機体に争って乗っていたようだ。
「整備士は固定」というのは,これはたぶん機付き員のことを行っていると思う。
整備員の中でも特定の機体を管理する者を機付き員と呼び、その意味では彼らこそが「自分の機体」を持っていると言える。
「予備パイロットなんていない」というのは,たぶん自衛隊に米軍のような予備役パイロットがいないことを言ったのではないだろうか?
軍事板
イラストやプラモのインストで「○○中尉機」などとなっているのは,報道写真などでその人物と一緒に写真に納まっていたりするときの機体の場合が殆ど.
米海軍の様に,便宜上専任パイロットが決められている場合もあるが,それでもローテーションで複数のパイロットが乗る.
撃墜マークは,「複数のパイロットがその機体で記録したもの」だったりプロパガンダだったり.
典型的なプロパガンダの例としては,ベトナム戦時代の北ベトナム空軍にいたミグ21,機体番号4326,キルマークを13個描いた「トーン大佐機」が,西側のメディアにも紹介されたことがある.
当時の北ベトナム空軍は,米軍機の撃墜機数に無人偵察機までもスコアに数えており,1機のミグ21に複数のパイロットが搭乗の上,13機を撃墜したとしたらあり得ない話ではないが,トーン大佐が1人で挙げた撃墜機数だとしたら,超人的なスコアではある.
「トーン大佐」は3機撃墜のスコアを持つ,グエン・バン・バイ少佐のことであるとする説もあるが,詳細は今も不明.
北ヴェトナム空軍機
(トーン機ではありません.トーン機画像は未入手)

【質問】
世界で初めて飛行機で飛行機を撃墜した人の名前は,記録に残っていますか?
【回答】
フランス空軍のVB24飛行隊に所属したヨゼフ・フランツ軍曹とクエノー伍長です.
両名は1914年10月5日にヴォワザン複葉機に搭乗し,ランスのジョンシェリ上空で,ドイツ軍のアヴィアティク機を打ち落としています.
なお,これ以前の8月25日には,ドイツ軍の複座偵察機が,イギリス軍の非武装の航空機3機に墜落に追い込まれています.
(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)
【質問】
エースの条件の5機は相手が戦闘機の時だけですか?
攻撃機や爆撃機や偵察機とかヘリや飛行船とか・・・は関係なしですか?
【回答】
戦闘機と攻撃機と偵察機を区別することはあんまり意味ないですよ。
ただ、WW2ドイツ空軍は、爆撃機と戦闘機では分けてカウントしてましたね。
(総撃墜数はカウントするが、機種別のカウントもする)
特に、四発重爆は撃墜困難なため、多機種より評価が高かったようです。
現代では、一応、有人機であれば撃墜にカウントするのが通例かと。
ただし、無人偵察機をカウントしていた例もあります。(ヴェトナム空軍など)
【質問】
史上,最新のエースは?
【回答】
空戦撃墜の名サイト、
http://users.accesscomm.ca/magnusfamily/airaces1.htm
によると、イラン空軍のA.Hodaが1981年の1機目から始まって1986年に5機目を落としてエース・ポイント達成、その後もう1機落としています。
これが今のところ最後のエースかと。
(system ◆systemVXQ2)
なお,2005年1月になって,新しい撃墜王が誕生した模様.
アフリカはベニン共和国のボイヤー氏、南アで覚えたゴルフがしたくて、空軍基地側の原っぱで一心不乱にボールを打っていた。
ところが,その中の一打が大スライスして鳥の群に突入、命中した一羽が空軍基地に落下した。
下ではおりしもミラージュが発進するところ。閉じる寸前の風防に鳥が飛び込み、そのままパチン。
鳥はコクピット内を暴れ回り、パイロットはパニック。
機体は格納庫に向けて滑走し、同型機に突入、大爆発。
パイロットは寸前で脱出したものの、複雑骨折で入院。格納庫内では計5機のミラージュが黒こげになっていた。
事件直後、空軍司令官から
「我が国の全戦闘機が破壊されました。ゴルフで」
との報告を受けた大統領は、6時間も風呂の中から出てこなかった。
ボイヤー氏は起訴されたものの、弁護側の「ゴルファーの9割はスライスを打つ」との説により,賠償のみで決着した。
ただし全額完済までに14万5320年かかる。
これは「ゴルフ史上、空前のミス・ショット」ということで,イギリスの新聞に載ったんだそうである.
ただし,本当はこれはミラージュ戦闘機ではなく,L-39アルバトロス練習機である模様.
この件について調べたブログがあるので,そちら参照.
まあ,元がタブロイド情報だし.
【質問】
何機程度落とすと…パイロットとして凄いのですか?
【回答】
その時代の,同じ軍に所属するパイロットとの比較にしかならない.
第二次大戦のドイツは冗談みたいな記録を持つエースを輩出したが,当時の同盟国の日本の場合は精神論を抜きにしても,ノーダメージで戦闘をクリアしても,航法ミスや燃料切れで多数の未帰還機を出しているから,三桁撃墜のスーパーエースなんてのはいない.
米軍は一定回数の出撃でパイロットを後方に下げるからのべつまくなしの出撃で,スコアを稼ぐパイロットもいない.
ベトナム戦以降になると5機撃墜というエースの基準そのものが達成困難となり,現代では大規模航空戦そのものが発生しづらい.空に上がる前に地上で叩いて済ますからだ.
この先は国家同士の総力戦なんてものも考えにくく,撃墜記録そのものが稀有となりかねない.
(軍事板)
米軍がエースの養成に熱意を傾けるのは,統計的分析からメリットのほうを評価しているからである.
以下引用.
例えば,全期間を通じ,1300人以上のエースが誕生しているが,それは養成した戦闘機パイロットの総数10万人の1%以下にしか当たらない.
つまり,5機以上を撃墜したエースは,エリート中のエリートという事になるが,この少数者が全撃墜戦果の30-40%を占めているのだ.
〔第2次大戦の〕第8空軍の例では,5000人の戦闘機パイロットの内,5.2%に当たる261人が40%,海兵隊空軍の場合は124人で43%の戦果を挙げている.
ジェット時代になっても,この原則は崩れず,朝鮮戦争では4.8%のエースが38%の戦果を挙げたという.
当然のことながら,エースの生き残り率も高く,3軍を通じての〔WW2〕トップから20傑までで,戦死者はマクガイア,ブレディ,ハンソンの3名に過ぎない.
米空軍がこうした分析から,エースの養成に熱意を傾けたのは,当然と言えよう.
(秦郁彦 from 「第2次大戦 世界の戦闘機隊」,酣燈社,1987/7/1,P.31)
【質問】
EF-111の回避機動につられて地面に激突した戦闘機があるそうですが,これは撃墜スコアになるのですか?
【回答】
それはイラクのF1だったと思う.
最初は撃墜と認められなかったらしいが,戦後になって第1号の撃墜として認められたとか.
まあ地形追随レーダーが無いとはいえ,イラク人パイロットの練度不足は明らかか?
【質問】
戦闘機で敵戦闘機を撃墜したら,金一封などが出るのでしょうか?
【回答】
ソ連なんかでは,撃墜すると賞金が貰えました.
英国空軍の操縦士が,ソ連でHurricaneの操縦訓練を行うついでに迎撃戦闘や援護戦闘を行い,相手の機体を撃墜した際に,可成りの賞金を貰ったと言う話があります.
1機1000ルーブルで,彼等は最終的に16000ルーブルを稼ぎ,持って帰った賞金は英国空軍に寄付したそうです.
眠い人 ◆gQikaJHtf2
【質問】
今のところ,戦闘機のパイロットが耐えられる最高Gは?
技術革新かトレーニング方法の開発か何かで,今以上に伸びる可能性はないのでしょうか?
【回答】
個人差があるが,耐Gスーツを使っても9Gくらいが肉体的な限界に近いとされる.
もちろん,ごく短時間であれば12Gや15Gに耐える人もいるが,下手すると体に障害がでるおそれすらある.
今の技術の延長線上では,ここから急激に肉体の耐G性能があがることはないだろう.
血液の流れを制御するのではなく,肉体にかかるGを軽減できる方法ができればいいが.
軍事板
なお,一応,液体式Gスーツの開発はあちこちで進められています.
Gセンサと空気バルブの組み合わせよりレスポンスタイムが短い(と言うかGが掛ると同時に圧力が掛る)メリットがあります.
重いと言う問題がありますが.
ただし,これが実現したところでG耐性が飛躍的に向上するというものでも無い.
G耐性はおいそれと上がらないので,逆に低い旋回Gでも高い機動が行える,いわゆる「超機動」が空戦機動の主流になりつつある.
従来のセオリーでは,機体の運動エネルギーを維持したまま高速,高Gで旋回したり(維持旋回),運動エネルギーを一旦位置エネルギーに変換して減速後旋回したり(ヨーヨー)していたが,超機動では余剰推力に任せて減速後,低Gで旋回,その後再加速を行う.
高い推重比を持った機体にしか出来ない芸当ではあるが.
【質問】
戦闘機のパイロットって強烈なGがかかると,内出血とか打撲みたいな症状が起きるものなのでしょうか?
後,出来れば戦闘機パイロットの職業病を一覧してくれれば幸いです.
【回答】
打撲みたいな症状ってのが,内出血の事.
航空機に乗っていて過激な機動をすると,強烈なGが掛かって心臓の血液送り出し能力よりも遠心力などで血液が「偏る」という現象が起きる.
足先や手の先に血液が偏ると頭・・・というか脳に廻る血液が減って,脳が上手く回転しなくなったり視力が極端に落ちる,という現象が起きる.
これを「ブラックアウト」と呼ぶ.
また逆に頭に血液が偏ると,毛細血管の破裂などの障害が起きる.
この時は目の欠陥が過剰に充血するので視界が赤くなり,「レッドアウト」と呼ばれる.
激しい機動をしたら鼻や耳の血管が破裂して鼻血や耳血が・・・という人は結構いるらしい.
このような傷害を防ぐ為,戦闘機パイロットは「対Gスーツ」というものを着用している.
これは戦闘機の機動に合わせて体の各所を閉めつけたり開放したりして,血液の偏りを防ぐもの.
戦闘機パイロットは強烈なGが架かる環境で日々生きているので,様様な持病・・・というか障害に悩む事に.
一番多いのは肩凝り・・・というか首の筋肉と首の骨(頚椎)の異常.
頚椎は重い頭を貧弱な骨と筋肉で支えてるので,障害が起きやすい.
その次は心臓の異常.何故かは上を読めば解ると思う.
4G辺りまではジェットコースターみたいで心地良いが,5G辺りからは降りた後にかなり疲労する.
20歳で戦闘機パイロットになったとすると,五体満足なままでいられるのはせいぜい30代前半までとか.
あと当然ながら?,実際にそこまで体に負担が掛かるような機動をする時というのは,基本的に空中戦中なので,その状態で敵機を捉え,自機と敵機の位置を確認し,機関砲やミサイルの操作を・・・,といった事をしなくてはならない.
当然脳細胞フル回転なわけで,脳の血管に負荷が掛かった状態で,さらに脳を回転させるその状態は,他人に説明するのが困難なほどの極限状態とか.
【質問】
スクランブル発進する戦闘機の搭乗員は,いつブリーフィングを行っているのですか?
自衛隊関係のDVDを見たところ,物すごいダッシュで戦闘機に取り付いて,あっという間に発進しているので,ブリーフィングというかスクランブルの内容の話などしてる暇がなさそうです.
【回答】
あれは演出も含まれているので.
実際には離陸前に,待機室に逐一最新の情報が送られて来るので,それを参考に打ち合わせてから離陸します.
スクランブルの緊急指令が来た時どうするか,というのは,スクランブル待機に着く前にブリーフィングして決めます.
気象情報や器材情報なども伝えられます.
スクランブル任務に就いている時は,待機室にいる段階で既に「スクランブル任務中」.
待機室にいる状態は「ただ戦闘機に乗っていないだけ」ということになります.
待機中も最新の情報を伝えられます.
ダッシュは,待機室にいるレーダーや気象状況の監視結果を受ける連絡要員が,緊急発進下令の電話を受けてベルを押した後です.
目標の位置等については,乗り込んでから離陸するまでの間に指令され,離陸したあと更に防空司指揮所より誘導されて目標に向かいます.
空母戦闘群(空母機動部隊)も艦隊の周囲に「防空識別圏」が設定されており,その空域に「所属不明機」が侵入してきた場合,空母の甲板上に待機している編隊が緊急発進して対処します.
ちゅうか,そのDVDには要撃管制の流れは紹介されてなかったのか?
【質問】
映画『ナイトオブザスカイ』に,ipodを使用しながら戦闘機に乗るパイロットが居ます.
友人とこの映画を見ていたのですが,その一人が,音楽を聴きながら飛ぶ元ネタがあると言っていました.
その友人も元ネタ自体を知らないのですが.
この音楽を聞きながら飛ぶパイロット(?)の元ネタを知ってる方は居ませんでしょうか?
【回答】
湾岸戦争の時,F-117ステルス戦闘機のパイロットたちは,無線封鎖されてたので無線を聞く必要がなく,暇なのでヘッドホンステレオを持ち込んで音楽を聴きながら飛んでいたそうだ.
元ネタと言うならそれじゃない?
【質問】
本職のパイロットの人って,フライト・シミュレーション・ゲームは上手いの?
【回答】
ポテンシャルは,やはり高いみたいです.
以下引用.
-------------------------
百里のアラートハンガーに行った時,待機していたパイロットがエアロダンシングのスクランブルミッションしてるのを見たときはリアルで吹きかけました.
実際に現役のパイロットと対戦した知人曰く,
「(初めてプレイしたパイロットが)慣れてないうちは勝てたけど,そのうち全然勝てなくなった.
恐らく,普段からやってる戦術機動を使ってきたんだろうけど,珍妙な機動をしてきた.
何であんな無駄としか思えない機動をして速度が維持できるかわからなかったし,こちらが全力で逃げようとしても,しばらくしたら背後に憑かれてる.正直,勝てる気がしなかった」
とのこと.
むしろ,現実の戦闘機動が再現できるエアロダンシングすげー!(確か元空自のパイロット監修の筈)
ちなみに,空自の場合は数年前からPS2を調達しています.
実際,90年代以前から補給のストックナンバーの割り振りにゲーム機が加わってます.
たぶん,あのPS2も官給品だと思います.ソフトは違うと思いますがね.
今も空自が支援活動を行っているクウェートの地でも,官給品PS2がバリバリ稼働中.
ほとんど各個人にTVと供に割り当てがあるらしいです.
でも,ゲーム目的よりもDVD再生がメインとか.
〔略〕
サバゲでも元陸自のレンジャー1人に全滅させられかけたことも….あれは化け物でしたねえ….
―――チハ97式改 in mixi,2008年03月07日00:32
新所沢の三等兵◆Uk
そういえば数年前,電車のシミュレーションゲーム(電車でGO!)がはやったとき,何とか現役の運転手にやらせようとして駄目で,仕方が無くOBにプレイさせるというのを複数の番組で見た記憶が有ります(笑)
まぁ,現役がクリア出来ないのはかなりマズいから,それは駄目という事なんでしょうけど…
おそらくやらせてもかなりいいスコアを出しそうですが(笑)
ちくお
鉄道の運転士,機関士の場合は,その路線の風景の動きとか路面の振動なども含め,自分の五感をフルに利用して会得しているので,そうした要素を除去している『電車でGo!』では,鉄道の運転士,機関士は逆にスコアを出せないそうです.
前に現役運転士の方から伺った記憶があります.
「カシオペア」の向谷実さんが編集されているトレイン・シミュレータは,ゲーム要素と言うよりも,風景が微に入り細に入り再現されている拘りが有る為,鉄道の運転士,機関士からも評価が高く,これのクオリティを上げたものが東急の電車運転士養成用シミュレータに採用されていますね.
眠い人 ◆gQikaJHtf2 260
昔の蒸気機関車時代には,バラストの流れ具合で速度を読み取った機関士もいたそうですが.
井上@Kojii.net
実機とシミュレーター訓練を組み合わせるのは私の職場でも同じですが,シミュレーター作りで一番難しいのは解析モデルもさることながら,操作入力量と実機の挙動とどう合わせていくか,と言うところにあったりします.
その点がうまく合っていないと,例えば車で言えば,アクセルをちょっと踏んだつもりがいきなりアクセル全開になったり,急ブレーキを掛けたつもりが全然かからなかったり,と徐行や一定速度運転がなかなか出来ない物となってしまったりしまして.
その点の感覚がある程度合致しないと,五感はともかくとして(ゲーム)バランスの非常に悪い物となってしまいます.
私の分野で言えば,熟練の操作員が操作しても,すぐにスクラム(原子炉緊急停止)する嫌な原子炉となってしまいますが,実はこれは実機にも言えることで.
保護系がたくさん付いた現物では,バランスが悪いとすぐに安全保護が誤作動――有る意味では正常作動ですが(汗)――してしまい,原子炉スクラムで大騒ぎ.現在なら全く持って試運転が終わらなかったであろうことも,過去にありました.
要は何事もバランスや,適切な調整が必要と言うことで.
へぼ担当
【質問】
この記事↓見て思ったんだけど,F-15って上昇時に移行する際も9Gでるの?
旋回だけじゃないの?
【ソウル18日聯合】
慶尚北道浦項沖で6月7日に墜落した韓国空軍の次期主力戦闘機F−15Kの事故原因は,機体の高度を上げる際にかかった重力に耐えられず操縦士が意識を失ったためだとわかった.
空軍の金銀基(キム・ウンギ)参謀次長が18日,明らかにした.
金次長は,「事故機の機体やエンジンには何の欠陥も見つからなかった」とし,操縦士が飛行高度が下がった状態を修正する時に重力加速度(G)のために意識喪失(G−LOC)し海上に墜落したと説明した.
G−LOCは,戦闘機の出力速度が一般人が耐えられる6Gより高い7〜9Gまで上昇した場合に, 操縦士の脳を流れる血液量が減少することで一時的に発生する現象を指す.
2人の操縦士が同時に意識を喪失したとする空軍側の説明に対し,理解できないとの見方もある.
しかし空軍は,今回の事故は機体やエンジンの欠陥でも操縦士のミスによるものでもないとの判断している.
そのため,機体やエンジンメーカーに戦闘機価格約1000億ウォンの賠償も請求できなくなった.
金次長は,合計40機を導入するF−15K戦力化計画について,計画通りに進める方針を示した.
F−15Kは,墜落機を含めこれまで6機が導入された.
聯合ニュース
【回答】
その記事には,墜落機は9Gかけた,なんてひとことも書いてないようにみえることは置いといて
,90年代にF-16の墜落事故が多発して,原因を調査していくうちに3−4Gの割合に低い加重でも,パイロットの体調によってはGロックが発生,しかもパイロット自身はそれを自覚できないことがわかってきた
同時に有効な防止方法も開発されたらしい.
具体的にどーするのかまではわからんが,今回の墜落事故は韓国空軍のパイロットの健康管理体制がなってなかったということなんだろうが,それじゃカッコ悪いので大昔の大G=Gロックという図式を持ち出したのでは
ないか?
韓国メディアの技術理解水準は日本以下だから,記者が知らんかっただけ,つーのもありえるけど.
◆◆◆兵装
【質問】
戦闘機が攻撃するときする合図って,米空軍や自衛隊じゃ,射程の長い順にFOX1,FOX2,FOX3って聞いたんですが本当ですか?
1ならセミアクティブ,2ならパッシブ,3ならアクティブの誘導方式だと思ってたんですが.サイドワインダーみたいな短距離ミサイルより,アムラームって射程短いんですか? 中距離ミサイルでは?
【回答】
Fox one - A radio call from a friendly aircraft
announcing that heisfiring a radar- guided
missile.
Fox Two Mike-A radio call from a friendly
aircraft announcing that heisfiring an AIM-9M
Sidewinder.
Fox Two-A radio call from a friendly aircraft
announcing that heisfiring an AIM-9P Sidewinder.
FOX THREE- Simulated/ actuall a unch of AMRAAM/Phoenix
missile.
FOX FOUR-Bomber gunner has simulated firing
on a target.
という説明だが,もっと限られた世界では下のような説明もある.
Fox One,Two,Three~Radio call sin dicating
the firing of a Sparrow, Sidewinder, or Phoenix
air-to-air missile, respectively
空自では兵装の射程順に1,2,3
そして,空自限定ではFOX4が「体当たり」(笑)
米などじゃ射程順ではなく
1 レーダー追尾(主に半能動追尾式)
2 主にサイドワインダーなどの短距離ミサイル
3 主にアムラームなどの中距離ミサイル
<まとめ>
Rifle 空対地ミサイル発射コール(AGM-65)
Fox1 セミアクティブレーダー誘導ミサイル発射コール(米軍)
中距離空対空ミサイル発射コール(空自)
Fox2 赤外線誘導ミサイル発射コール(米軍)
短距離空対空ミサイル発射コール(空自)
Fox3 アクティブレーダー誘導ミサイル発射(米軍)
機関砲発射コール(空自)
Fox4 空中衝突(米軍俗語)
Bombs Away 無誘導爆弾投下(Mk-82)
Magnum 対レーダーミサイル
【質問】
零戦とかの戦闘機の,プロペラの後ろについてる機銃を撃った時,プロペラを損傷するようなことはないんですか?
【回答】
同調装置というもので,機銃弾がプロペラに当たることを防いでいます.
同調式機関銃が登場するまでは,プロペラに防弾鋼板を取り付けたり,弾丸をうまく跳ね返すように樋のようなパーツを取り付けたりしていました.
また,プロペラの回転半径の外から射撃するため,複葉の上の翼にレールを取り付けて機銃を据え付けたり,イギリスでは「プッシャー式」といって,コックピットの後方にエンジンとプロペラを取り付け,前方に機銃を置く機体形式が一般的でした.
しかし,いずれの方法も根本的な解決にはなりませんでした.
この問題を解決すべく,ドイツ軍ではオランダ人の飛行機技術者アントニー・フォッカーに,同調装置とそれを搭載する戦闘機の開発を依頼します.
フォッカーはこれに応えてシュパンダウ7.7mm機銃をプロペラと同調させる装置を組み込んだフォッカーE-1を1915年に開発しました.
この機体は,その装置と,機動性を優先させた単葉式のスタイル,さらに高名なマックス・インメルマン中尉のようなパイロットに恵まれたこともあって,多くの連合軍戦闘機を撃墜し,連合軍はこれを”フォッカーの懲罰”と呼んだほどでした.
1916年になってようやく,墜落した機体の調査から同調装置の存在を知った連合軍でも,同調装置付きの機体が多数就役することになります.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE
図解すると,こんな感じ.
http://www.jastaboelcke.de/workbench/lmg08/sync01.htm
余談だが,日本陸軍5式戦闘機の同調機銃は不具合が多く,射弾がプロペラにしばしば当たったそうな.
http://www5b.biglobe.ne.jp/~s244f/kizuki-05.htm
【質問】
航空機関砲の連射性能が,地上の兵器と比べると桁違いに高いのは何故ですか?
また,航空機関砲を地上で使用することはできますか?
【回答】
射撃目標の移動速度が速いから,短時間のチャンスに大量の弾を送り込まないとならない.
地上で使うことはできる.
ただ,あんな連射速度はいらない.
例えばM2みたいに陸海空で使った重機もあるけど,仕様が違う.
航空機用:発射速度750〜850発/分
陸戦用:発射速度450〜600発/分
同系統機銃でも,陸戦用では発射速度を落とす.
航空機関砲を地上で使用した例としては,20mmバルカンを車載の対空機関砲にしたDIVADSなんてのがあるよ.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
現在の戦闘機の機関砲は,なんで第2次大戦の時みたいに機首についてはいないの?
【回答】
機首上面に銃口があるのはパイロットにとって邪魔らしい.
あと機首にはレーダーと電子機器が入ってるので,弾倉を積むスペースがない.
機首が長い戦闘機は全下方視界が悪くなるから,着陸とかの時不利だしな(F/A-18は艦上機だがいいのだろうか?)
F-16やF-2の場合,片側に機銃があることによる発射時の揺れやそれから来る機体のブレはフライバイワイアシステムのコンピューターが補正してくれる.
機銃の軸線が機体中心にないことも,FCSが補正して照準円をHUDに出してくれるので問題ナシ.
ちなみに弾倉はF-16の場合,キャノピーの後ろの背中部分にある.
ちなみに,アメリカの戦闘機でF/A-18だけは機関砲が機首部分にある.
これは胴体内には積むスペースがないせい.
http://www.geocities.com/~propilot/pictures/f18.gif
(レドームのすぐ後ろの3つ並んだ穴が銃口.左右の二つはガス抜きのスリット)
軍事板
で,F/A-18の機関砲の位置については,
「発砲時にあまりよろしくない」
という話と
「発砲時でもあんまり気にならない」
という話の2種類が存在するようですが,ホーネットの機関砲は軸線上にあるので,命中精度に影響して云々ってことはないと思います.
ただし,場所がレーダーの直後なので,レーダーは機関砲の振動対策で苦労したみたいですね.
ちなみにF-16の場合,キャノピーがあんな形状をしているので,中から外を見ると映像が歪みます.
これが機関砲の照準にも影響するので,キャノピーごとに固有の歪み情報を計測しておいて,そいつを射撃管制コンピュータに入れて補正してやる必要があるんだとか.
F-2はF-16より直線的な形状をしているから,F-16ほど厄介じゃないんですけど.
ナッシュ平蔵 & 井上@Kojii.net(青文字) in mixi支隊
【質問】
ベトナム戦争以降で、戦闘機同士の戦闘で機関砲を使って撃墜をあげた実例はあるのでしょうか?
実例を交えてご紹介頂ければありがたいです。
【回答】
例えば,1981年のレバノン紛争におけるベッカー高原上空での,イスラエル空軍(IAF)とシリア空軍の空中戦において、シリア側の損害85機(他にヘリ7機)のうち7%が機関砲による撃墜とされています。
IDF側の機体はF-15・F-16、対するシリア空軍はMiG-21・MiG-23を使用しました。
(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)
【質問】
現代の戦闘機に機銃を搭載する意味あるの?
【回答】
制空戦闘では,GUNの存在価値は益々減っていくと思います.
ベトナム戦でGUNが見直されたのは,当時はIFFとミサイルの信頼性が低く,有視界での戦闘が多かったからです.
ミサイルが額面通りの性能を発揮するようになったフォークランド以降は,GUNによる戦果というのは殆どないと記憶してます.
湾岸でも空中戦による撃墜はF-15のAIM−7が主で,GUNによる戦果はありません.(A−10の30ミリ砲を使った未公認記録はあるみたいですが)
米軍のフライト・マニュアルにおいても,GUNの使用はFODの可能性があるので勧めていませんし,事実,GUNを使った空対空訓練自体もあまりやってないようです.
ただGUNを無くすのは最後の自衛手段の確保ということで,パイロットは反対するでしょう.
基本的にはBVRミサイルの打ち合いになると思います.
スウェーデン空軍みたいに,BVRミサイルを打ったら後は逃げろみたいな考え方をする空軍ありますし.
個人的にはかつての空対空ロケットのようなものが見直されると思ってましたが,技本ではそのような研究が進められているようです.
目標の付近でフレシット状に爆発するものらしいです.
「ステルス化が進むとBVRミサイルの価値も下がる,だからIR誘導の空対空ミサイルも重要なんだ」
と力説していた某2佐殿の言葉も思い出しました.
しかし,戦闘機の目標は戦闘機だけではない場合があるので,状況によっては機銃は非常に有用な場合があり得ます.
また空戦の際も,効果的ではないにしろ装備の在る無しは大きいものがあるかもしれません.
というか,使える状況なら使うもんですよね.
というのは,ベトナム戦争後の空戦はワンサイドゲームの色彩が濃く,同レベルの空軍同士の総力戦も同様の状況になると考えるにはちと条件が違いすぎる可能性も在るのではと思うからです.
たとえを挙げれば戦車砲の同軸機銃のようなもんでしょうか.
米国のCCV※実験機では,機銃の有効性が証明されていましたよね. CCVだからという前提ですが.
確か,目標の未来位置に機体軸だけを傾けて(進行方向とイコールではない)機銃を撃つことによって,クルーズミサイルだったかな?その程度は撃墜出来たとかという話です.
ただ,その機動に人間が耐えられる(感覚的に)かどうかは分かりませんが,CCVが一般化した場合は,その機動方法を用いた近接戦闘の可能性による戦法の変化,,例えば機銃の性能強化という考え方は起こりうるといます.ここまで行くと保険(mrc)の保険(cc)の保険(gun)って感じですが.
それはそれとして,中距離戦だろうが近接戦闘だろうが,最終的には彼我の初期エネルギ差によって,有効に戦闘を進められるかどうかが決まるわけですよね?
やはりエネルギ戦からは逃れられないとは思う.
※Control Config Vecleの略。戦闘機の運動性能を向上させるため、操縦制御技術を最優先に設計する航空機の概念。最近の戦闘機ではこの概念が取り入れられて開発されているものが殆どである。
【質問】
現代の機関砲の照準には,レーダーロックオンは要るんでしょうか?
【回答】
HUDに映し出される機関砲の照準も何種類かあって,レーダーロックオンが要るのと要らないのがある.
EEGSはロック不要の照準の代表的なもので,漏斗状の曲線に敵機の翼の端が合うときに撃てば当たる.
LCOSはロックが要る照準の代表的なもので,敵機をロックすると,敵機と自機の速度ベクトルから計算して照準を表示するので,その照準を敵機に合わせて撃てば当たる.
軍事板
EEGS

【参考リンク】
http://www.tfw.jp/falcon4/gun.htm
肥後守 in mixi支隊
【質問】
新谷かおる作の「ファントム無頼」で,空自が米空軍とACMした話の中にペイント弾が出てくるのですが,このペイント弾は本当にあるのでしょうか?
以前,某掲示板では,この質問に対して空自のパイロットの回答は,「ペイント弾は無し漫画の中の話だけ」でしたが.
【回答】
今はACMI(テレメトリー)があるからペイント弾なんて要らんぞ〜.
つーか,M61のペイント弾なんて,恐ろしすぎて想像できない,
粘着榴弾ならまだ分かる気もするが.
【質問】
旧ソ連の戦闘機に良く搭載してある「ガスト砲」が廃れていってしまった理由とは何なんでしょうか?
【回答】
「ガスト砲」はもともと一次大戦時のドイツの発明ですが、二つの機関砲の機関部を相互に動かすことで高速な射撃を可能に(特に高速な複座によって)するものです。
軽量なくせに高速射撃が可能ですが、故障の確率も増え、一方が不発すると全体が射撃可能になる可能性も高いわけです。
航空機の大型化に伴って、外部動力式のタフな高速機関砲が無理なく搭載できるようになると、値打ちがなくなってきたのだと思います。
【質問】
公開されているラプターやF-2の試験発射の映像を見ると,AIM-9を機体を回したり背面にしながら射撃実験を行っていますが,AIM-7やAIM-120はどうなのでしょう?
【回答】
サイドワインダーとかはレールランチャー式だから機体の状態に関わらず発射可能.
ただ高G旋回ながら発射,とかはできんけど.
F-22は兵装はみんなウェポンベィに入れてる(一応機外の増設パイロンにも搭載可能.
ただし機外に増設するとステルス性がなくなる)ので,短距離赤外線誘導ミサイルは専用のベイからやや斜めに傾いた状態でランチャーが機外に突き出されて発射する.
長/中距離レーダー誘導ミサイルは機体下部ウェポンベィに格納するが,ステルス性の低下を避けるために「トラピーズ(空中ブランコの意)」と呼ばれる可動式ランチャーに搭載され,「ウェポンベイ解放−トラピーズを伸ばして機外に突き出し,即座に発射−トラピーズを収納してウェポンベイの扉を閉める」というプロセスで発射し,ステルス性を極力損なわないようにしている.
【質問】
F-15とかでの新型ミサイル搭載の改修は,具体的にどんなことをするんですか?
イメージとしてはミサイルについてきたCDを機体のコンピューターに入れるだけだと思っていました
でもパイロンの形を変えたり,コンピュータそのものを取り替えたりするんですか?
【回答】
「新型」つーてもピンキリ.
マイナーVer.upや規格踏襲ならそのまま付くかもしれん.
上位互換ならそのまま付くかもしれんが,火器管制に手を入れなきゃならんかもしれん.
新規規格なら,パイロンから火器管制から機体まで改修しなきゃならんかもしれん.
ケースバイケースだ.
以下はあくまで,F-15J(MSIP)のAAM-4搭載改修の場合の一例.
C/C(Central Computer)のOFP(Operational Flight Program)改修
PACS(Programmable Armament Control Set)の改修
レーダーのOFP改修
指令送信機(J/ARG-1)の搭載
BCP(自己診断機能制御盤)への指令送信装置のBIT(自己診断機能)の追加
AAI(Air to Air Interogate)送信系の改修(ミサイル・コマンド送信のため)
RWR(Radar Warning Receiver)及びECMの改修(指令送信時のブランキング)
LAU-106A/Aランチャ改修(アンビリカル・コネクタはAMRAAMと共用)
http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/9578/AAM-4.html
なお,統合近代化改修(所謂F-15J改)にて,C/Cとレーダーはハードごと交換,AAM-4搭載改修は統合近代化改修に内包される事となったので,上記の改修のみが独立して行われる事は無くなった.
軍事板
最近はミサイルの側もソフトウェアで動くことが多いんで,機体側の
FCS やミッション・コンピュータで動作するソフトウェアと,ミサイル側で動作するソフトウェアの互換性が問題になるケースも.
同じAIM-120Cですら,ブロックによってソフトウェアが大幅に書き換えられて互換性がなくなっちゃったりする状況なので.
だから,新型ミサイル搭載に際して機体側のソフトウェア書き換えが必須になってきているのが,最近のお約束.
これで苦労したのがチェコ空軍.
導入したグリペンは AIM-120C-5 と AIM-9L
対応なのに,タイミングの関係で AIM-120C-7
しか入手できなくなりそうになったり,手持ちの
AIM-9M が使えなくなったり.
井上@Kojii in mixi支隊
【質問】
レーダーロックされると,ビービー鳴るのは,映画の中だけですかぁ?
【回答】
こっちのレーダー警戒装置が十分有能で,敵の追跡レーダーをきっちりカバーできれば,きちんと予算を盛り込まれた戦闘機ならビービー鳴ります.
ミサイルのレーダー断面積はたいへん小さいので,ミサイルにかなり接近されるまでわかりません.
まず10km以下.下手すると1km.3kmとして,正対して接近し,敵機がマッハ0.8,ミサイルが3.2なら当たるまで3秒もありませんな.気づいて反応して機体が回避機動を始めるあたりで当たってる.
通常の交戦距離はAMRAAMで50km程度(射程より火器管制レーダーの方が制限になる).
上記と同等の条件であれば,発射から命中まで40秒ほどという計算になりますか.
ともにたいへん単純化した,もっとも早い時間での話ですが.
しかし,ミサイル警報装置はレーダーだけでなく,ミサイルの噴炎の紫外線(時に赤外線)に反応するセンサーもある.
もっとも,最大射程近いとミサイルの燃焼は終わっているので反応しない.
だからラプターあたりの低探知性レーダーでロックオンされ,最大射程近くから撃たれたら,本気でなにもわからんうちにあぼーんされ,
「なんだ? エンジンの爆発か?」
とか言いながら落とされる可能性も十分ある.
おまけに二流国の戦闘機には,上等なミサイル警戒装置みたいな自衛電子装備はあまりついてない.
【質問】
戦闘機はAAMを躱せるのでしょうか?
【回答】
FSのゲーム画面と違うんだから(後方視点なんて無い),自機に接近するAAMとの位置関係を操縦席のパイロットは正確に把握する事は困難です.
(特に相手は小さいからね,ミサイル警報も概略方位を示すだけ)
ですから,間一髪で急回避なんてそうタイミング良く操作出来る筈はありません.
(コクピットから後方は死角になる部分も多いのです)
戦闘機とAAMの機動性うんねん以前に,回避操作自体が難しいのです.
【質問】
JHMCSとは?
【回答】
ヘルメット・キューティング・システム.
より広角でのミサイル照準ができるようになり,AIM-9Xとの組み合わせにより,空戦性能の飛躍的向上を狙っている.
ソースは「航空ファン」 2006年4月号,p.5.
【質問】
映画で後ろにミサイルを発射できる戦闘機が出てたのですが,そんなもん実際にあるのでしょうか?
【回答】
http://aeroweb.lucia.it/~agretch/RAFAQ/R-73.html
実用段階ではありませんが,よくある「前向きに撃って後ろ向きに方向転換」ではなく,
本気で「後ろに発射」ミサイルです.実験写真付き.
内容と写真の噴煙の向き見ればわかるだろうけど,ベクタードスラストを利用して,後ろ向きのまま逆噴射で減速,対気速度0となってからさらに後方に向かって加速,という機動をしている.
文章を見る限り,超音速でもやったらしい.
ロシアの流体力学センスはすごいよ.