c

「アジア別館」トップ・ページへ

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ   サイト・マップへ
Második felsõ Oldalára hátrálsz

◆◆大量破壊兵器問題 Észak-Koreai WMD
<◆北韓・目次 Észak-Korea - Index
東亜FAQ目次


(画像掲示板より引用)


 【link】

「2ch. 軍事板」◆(2003/02/14~) 北朝鮮の核ミサイルの破壊力を検証するスレ
 レス回収済
 レス回収基準値 v.e.r. = 6

「Global Security」◆(2009/11/03) N. Korea Announces More Nuclear Material Production VOA 03 Nov 2009

「Global Securit」◆(2009/12/30) Can the North Korean "Peace Offensive" Drive a Wedge in the U.S.-ROK Alliance?

「NY Times」◆(2010/12/15)North Korean Nuclear Ability Seen to Far Outpace Iran’s

「NY Times」◆(2010/12/15)U.S. Concludes North Korea Has More Nuclear Sites

「NY Times」◆(2011/07/07)North Korea Paid Pakistanis for Nuclear Technology, Scientist Says

「Russia Now」◆(2010/12/20)North Korea to allow UN nuclear inspections

「Togetter」◆(2010/11/24)北朝鮮のウラン濃縮施設を巡る問題

「VOR」◆(2012/09/01)北朝鮮 米国の敵対的政策に対抗し核抑止力近代化の意向

「核情報」 > 北朝鮮の核開発データ──プルトニウム関係

「国際情報センター」:北朝鮮の核問題

「国際情報センター」:北朝鮮の核・ミサイル問題

「国際情報センター」:北朝鮮(DPRK)の核問題

「国際情報センター」◆(2010/04/11)北朝鮮(DPRK)の核問題

「スパイ&テロ」◆(2010/11/30)ウィキリークス情報とイラン=北朝鮮関係

「ダイヤモンド・オンライン」◆(2009/10/30)「核の脅威」に歯止めをかけられるか?北朝鮮 謎の“核調達人”を追う

「地政学を英国で学ぶ」◆(2010/11/24)「北朝鮮核実験・ミサイル発射」記念論文:その7/7


 【質問】
 北朝鮮の核問題とやらで騒いでいますが,北朝鮮が核兵器を開発することの何が問題なんですか?
 中国やロシアを始め,核兵器を所持している国は他に幾らでもあるのだから,今更何も変わらないと思います.
 それよりも大陸間弾道ミサイルを迎撃できる技術やステルス技術といったものの方が,軍事バランスに影響を与えるのでは?
 何か核兵器には隠された特殊な能力でもあるんでしょうか?

 【回答】
 核拡散禁止条約とか素で無視するような斜め上国家に,核を持たせる事は世界中が嫌います.
 さらに孤立した不良国家同士は案外仲が良かったりするので,中東辺りの某国にこれ以上飛び火すると,全世界のエネルギー事情が大混乱に陥る事請け合いです.
 アメリカがイラクやイランの核開発にあれほど神経尖らせていたのは,そういう事情があるのです.

 そもそも核兵器というのは,まともに運用すれば国の一つや二つ簡単に滅ぼせます.
 ですので核は主要国家の抑止力の肝であり,同時に人道上以前に戦略的な理由から,実際には使用してはいけない兵器でもあります.
 現在まではイデオロギーで対立していても,話の通じないわけではない国家間で,なんとか調整を繰り返して核戦争を回避してきました.
 しかし地球の片隅にゴロゴロしている,話の通じない独裁者や大規模テロ集団などが,気軽に核を運用できるようになってしまうと,国際社会は非常に困るわけです.
 どこかのアホが勝手に暴走する度に,終末の危機を迎える世界は嫌すぎるわけです.

軍事板


 【質問】
 北韓の核武装は本当に完了しているのか?

 【回答】
 完了している可能性が高い.
 ただ,それは品質の低いものであろう.

 パウエル国務長官は,
「1個か2個保有している可能性があると考える」
 ラムズフェルド国防長官は,
「既に少数保有していると確信している」
 1997年に韓国へ亡命した黄長燁・朝鮮労働党書記は
「保有している」
と,それぞれ述べている.

 また,米ワシントンに本部を置く「科学・国際安保研究所」(Institute for Science and International Security)のコリー・ゲイ・ヒンダースタイン副所長は2004/10/15,自由アジア放送(RFA)との会見で,

「北朝鮮が核兵器保有国であるかは断定できないが,現在の核開発能力などを勘案し,実質的核保有国と見なさなければならない」
と主張.
 その根拠として,
「北朝鮮がこれまで再処理したと推定されるプルトニウム量と,北朝鮮の核技術などを総合した場合,北朝鮮は核兵器生産に必要な能力を備えていると見るべき」
「北朝鮮当局が過去に核兵器保有を何度か示唆した点も,北朝鮮を実質的核保有国と見るべき」
と述べている.

(朝鮮日報,2004/10/15)

 しかし,否定的な見解もある.設計通りの破壊力を原爆に持たせるための起爆装置を作れるほどの技術が,北韓にはないのではないか?とする見方である.
 以下引用.

 青山健熙氏の月刊誌論文(『現代』2002年12月号)によれば,北韓寧辺の約800万坪の施設に原子力施設が建設されている.その施設は,大きな河川の九龍江沿いに建設され,原子力研究棟とウラン濃縮施設以外は,住宅を除き,全て地下施設(2つの実験炉,大型原子炉,使用済み燃料再処理施設)になっている.
 確かにロシアには原子力地下機密基地が数ヶ所存在している.
 ロシアの技術に依存して建設された施設であることを考慮すれば,地下施設になっていても不思議ではないが,それでも実験施設の内,何故ウラン濃縮施設だけが例外的に地上施設になっているのか,その考え方が分からない.
 なお,国際原子力機関が92年に公表した,核疑惑の対象になっている大型原子炉の写真は,明らかに地上施設であり,その論文とは矛盾している.

 先の論文では,93年には原子力研究胸に近い川沿いで小型地下核爆発実験が実施されたと指摘しているが,幾ら小型でも,核爆発実験であれば,周辺の施設に大きな衝撃を与え,機器損傷ばかりか,地下水の放射能汚染から,原子力施設全体の正常な活動はできなくなるはずである.いかに施設が大きいと言っても,核爆発の影響はダイナマイト数本程度ではないはずだ.
 それに,その論文では核疑惑後,施設を他に移したとしているが,原子力施設は簡単に移せず,作り直さねばならない.

 核兵器開発に直接関係している施設は,大型原子力施設,使用済み燃料再処理施設,ウラン濃縮施設であるが,大型原子炉は数年間稼動していたことは確実だが,ウラン濃縮施設は建設中であり,再処理施設がどの程度のものか全く分からない.
 大型原子炉というのが,問題のプルトニウム生産炉兼試験発電炉である.黒鉛減速型の原子炉であるが,特徴は天然ウランが利用できる点にある.先の論文では,プルトニウムを使用しているとなっているが,それは燃料ではなく,生産品のはずである(ウランを燃やして再処理し,プルトニウムを抽出する).
 電気出力0.5万kw(新聞や月刊誌では0.5MWメガワットと表現)というから,原子炉の熱出力は約1.5万kwとなり,電気出力100万kw級軽水炉の200分の1である.北韓では大型かもしれないが,先進国の判断では,むしろ小型の部類に入る.
 その原子炉は,英国の初期のプルトニウム生産炉を参考に,さらに将来的な原子力発電も視野に入れ,試験発電炉の役割も兼ねている.プルトニウム生産が目的であるため,また,初歩的技術であるため,濃縮ウラン燃料ではなく,天然ウラン燃料で臨界に達する黒鉛減速ガス冷却型原子炉にしたのであろう.この原子炉は,運転中に燃料交換ができる構造になっている.
 よくTVニュースに映し出されている映像は,その高く聳えた燃料交換器であり,黄色の床のようなところに,数十cm間隔で,蓋の閉まった二重円形の構造物が見えるが,その円形の下に燃料棒(正確には燃料要素)が収められている.
 燃料棒の間隔からすると,原子炉全体は異常に大きな構造をしており,僅かな熱出力にもかかわらず,縦横10m,高さ2mくらいあると推定できる.ニュース映像から,まぬけなほど初歩的な北韓の原子力技術が読み取れる.※2

 その貯蔵プールには,数多くの使用済み燃料棒が貯蔵されているが,その管理法から,北韓の原子力技術力が解読できる.その詳細な映像は,施設改善のために96年頃招聘された米国の原子力専門化が撮影し,TBS系「ニュース23」で03年1月8日に独占放映された.
 その貯蔵施設は,プール水を循環していなかったため,そこにはヘドロ状の物が堆積し,プール水もどぶ水のようになっている.燃料棒のアルミニウムないしその合金の被膜管は腐食され,酷い箇所では形状維持がやっとの状態になっている.大きな損傷のあるものは,腐食ではなく,燃料交換器の異常により傷つけられたと言っていた.
 全てに渡って原子力技術のイロハが分かっていないのだ.

 貯蔵使用済み燃料棒数から推定すれば,数年間稼動した原子炉から取り出されたものはそのまま貯蔵され,既に再処理されたものがあるとは思えない.その中には20kgくらいのプルトニウムが含まれているであろう.核兵器数発分と考えてよい.
 問題はこの取扱いである.
 使用済み燃料貯蔵施設の管理状況から,再処理施設の技術も読み取れる.使用済み燃料を再処理してプルトニウムを抽出できる段階には至っていないのではないか.
 核兵器を造るには,最初にプルトニウム生産炉と再処理施設を建設・運転し,並行して起爆装置の技術開発を行うのが手順である.単純な計算で,高性能の原爆を作るには理想的にはプルトニウム239が100%のものが望ましいが,実際には不可能であり,生成した核分裂性のプルトニウム239が,運転中にもう一つの中性子を吸収し,核分裂しない妨害物のプルトニウム240に変換してしまうため,燃料棒は遅くても数ヶ月ほどで原子炉から取り出さなければならない.
 それを再処理してプルトニウムを抽出し,次に金属プルトニウムに加工する.プルトニウムを抽出するには,燃料棒を硝酸に溶かし,次に核分裂性生物とウラン・プルトニウムを化学分離,さらに次の工程で,今度はウランとプルトニウムを化学分離する.
 燃料棒は強い放射能を帯びているため,通常の実験室や,ちょっと工夫した程度の実験室では処理できず,熱さ数十cmのコンクリートで四方囲まれた施設で,ただし外から遠隔操作できるように,放射能遮蔽された窓ガラスとマニピュレータが最低限備えられていなければならない.そのような作業場が少なくとも数個必要になる.
 核兵器1個分のプルトニウムを抽出するには,200~300体の燃料棒を処理せねばならず,使用済み燃料貯蔵プールの管理状況から推定すれば,まともに機能する再処理施設が稼動可能であるとは思えない.※
 それだけの技術レベルには至っていないだろう.

 私は95年にロシアのビクトル・ミハイロフ原子力相(理論物理学者でソ連の第3世代原爆開発指導者の一人)に会ってインタビューしたことがあるが,そのとき,北韓の核武装の可能性について質問したところ,
『核兵器を造るには,非常に複雑な工程を必要とし,今の北韓の原子力技術力では無理である』
と断言していた.
 最近になり,北韓は90年代後半に数十回の起爆装置の作動試験を繰り返したとも報じられている.原爆を保有しているなら,起爆技術も確立しているはずであり,何故90年代後半に起爆装置の作動実験を行う必要があるのか.

 世の中では誤解しているのだが,原爆を造るには,プルトニウム239の臨界・核設計の部分が難しいのではなく,それよりも,未臨界状態に数分割したプルトニウム239を,火薬の爆発力で瞬時に合体して臨界量にする起爆装置の設計のほうが,遥かに困難なのである.
 よく,大学生でも原爆を造れると言われているが,そんなことは絶対にできない.米国の専門家がインタビューに答え,
『できるかもしれないし,できないかもしれない』
と意識的にはぐらかしたにも関わらず,後半部分を意識的に削除した,『できるかもしれない』の部分が一人歩きしてしまっている.ダイナマイト数本程度の爆発力を備えた粗製原爆は可能であろうが,設計通りの破壊力を持つ者は,起爆装置の性能で左右される.
 〔略〕
 核武装の実態は張子の虎である.即刻厳しい査察を再開すれば,核武装は阻止できるに違いない.今が一番大事な時期だ.

 先の論文で,青山氏は
『公約通りKEDOが100万kwの軽水炉を2基作って北朝鮮に渡せば,彼らはその後3ヵ月で50個の核兵器を製造するでしょう』
などと言っているが,こんなことは起こりえない.
 KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)が北韓に建設している韓国標準型軽水炉は,たとえ完成しても,今の北韓の原子力技術では安全に運転管理できず,新燃料と使用済み燃料の管理,定期点検に必要な部品・機器の供給,運転管理を一貫して行える先進国の技術組織が関わらなければならない.最初から,そのようなシナリオで進行していたのである.
 北韓に軽水炉を供与し,使用済み燃料の取扱いまで任せるマヌケが,世界に一人でもいると思っているのか」

(物理学者・技術評論家,桜井淳 from "SAPIO" '03 Feb. 26)

 ただし,桜井淳の信頼性については,疑問の声もあるため,その点を留意されたし.

 また,パウエルらの発言についても,疑問符がつけられている.
 以下引用.

 昨年夏,米国防総省で開かれたある会議でのこと.米海軍太平洋艦隊司令官のトーマス・ファーゴ大将が,失敗を認めた.〔略〕
 北朝鮮は国の中心部にある山岳地帯のトンネルにウラン濃縮施設を建設していると,CIA(Central Intelligence Agency:米中央情報局)は主張していた.だが,それはどこにあるのか.痕跡は何一つ見つからなかった.
 平壌から北へ約100キロ離れた寧辺にプルトニウム再処理施設があることは,よく知られている.だが,北朝鮮で唯一稼働しているこの施設の原子炉で,本当に使用済み核燃料棒を再処理して兵器級のプルトニウムが抽出されたのか.海軍の調査チームはその証拠も見つけられなかったと,ファーゴは認めざるをえなかった.
〔略〕
 中国とロシアは数週間前から,北朝鮮がウラン濃縮施設を保有しているというアメリカの主張は疑わしいと非公式に示唆している.
 本誌取材によると,そうした疑念はアメリカの情報機関の間にもかなり広まっている.米政府内で情報分析を担う組織には,CIAのほか,国防総省情報局(DIA:Defense Intelligence Agency),国務省の情報調査局(INR:Bureau of Intelligence and Research),エネルギー省の核関連情報分析特別チームなどがある.
 本誌が取材した関係者の証言によれば,北朝鮮についての主張は信用できるとはとてもいえない.
「北朝鮮は情報活動において他と比べようがないほど困難なターゲットだ」と,この米政府高官は言う.「中国でさえ北朝鮮国内に情報源をもっていない.脱北者はいても,核開発について確かな情報をもっている者はいない.となると,情報衛星やセンサーを頼りに判断するしかない.見えないものに関しては,推測するしかない」
 つまり「最悪の事態を想定して推測をする.イラクに関してそうしてきたように,北朝鮮でもそうしている」と,この高官は言う.
 ただ,北朝鮮とイラクが決定的に異なる点が一つある.サダム・フセインが核開発計画の存在を否定したのに対し,北朝鮮は核兵器の開発を計画していると自ら主張し続けてきたことだ.
 〔略〕

アメリカの情報当局は90年代を通じて,北朝鮮がパキスタンにミサイル技術を輸出しているという情報をつかんできた.90年代半ばになると,パキスタンが北朝鮮に核関連技術を供与したという「証拠の断片」もつかんだ.
 パキスタン政府は,一貫して疑惑を否定.だがパルベズ・ムシャラフ大統領は最近,パキスタンの科学者が「私利を得る」ために不特定の国に核技術を売り渡した可能性はあると認めた.

 ブッシュ政権の発足から1年半たった02年夏,アメリカの情報機関は一つの見方を固めた.94年の米朝枠組み合意でプルトニウムの再処理凍結に合意した北朝鮮が,ウラン濃縮という異なる手法で核兵器製造計画を秘密裏に進めている可能性が高い――.
 他の状況であれば,米政府のタカ派はこの知らせに飛びついていたにちがいない.だが現実には,ブッシュ政権はこの分析を歓迎しなかった.フセイン打倒に向けて国内外の支持を取りつけようと奔走していた米政府にとって,北朝鮮の核問題はイラクから目をそらさせる邪魔な存在だった.
 そのためこの分析は,議会の一部の有力議員と韓国や日本,中香Cロシアの各国政府に目立たないように伝えられただけだった.
 02年10月のジェームズ・ケリー米国務次官補の訪朝も,同じくらい地味な訪問になるはずだった.同行者によれば,ケリーは会談の冒頭でウラン濃縮計画への懸念を表明.北朝鮮側は当然否定するだろうと思っていたが,姜錫柱(カン・ソクジュ)第一外務次官があっさり計画を認め,アメリカ側は仰天した.
 北朝鮮は現在,姜の言葉をアメリカ側が誤解したとして,ウラン濃縮計画を否定している.だが,会談に同席していたチャールズ・プリチャード前北朝鮮問題担当特使はこう語る.
「開き直るかのように姜が認めたという見方のほうが正しいと思う.北朝鮮にはウラン濃縮計画が存在する」

推測の域を出ない報告

 だが,ウラン濃縮施設は実際に稼働しているのか.CIAは02年11月,北朝鮮には「早ければ2005年にも年2個分の兵器級ウランを製造できる工場が完成する」との報告書を議会に提出した.
 昨年2月にはフランスとドイツが,ウラン濃縮に必要なアルミ製チューブを輸送していた北朝鮮の船舶を摘発.日本は,ウラン濃縮に転用可能な電子機器を北朝鮮に輸出した会社社長を逮捕した.
 これらのことは何を意味するのか.CIAの比較的慎重な分析でさえ「多くの正確な情報に基づいたものではなく,分析や推測に基づいて最悪の事態を想定したにすぎない」と,クリントン前政権で安全保障問題のスタッフを務めたゲーリー・セイモアは言う.
 ワシントンの情報筋によれば,兵器に転用可能なプルトニウムの生産能力を北朝鮮がもっているかどうかについても,推測の域を出ないという.
 北朝鮮が80年代後半までにおそらく核兵器2個分のプルトニウムを生産したことについては,異論はない.昨年半ばまでに寧辺で8000本の核燃料棒の一部またはすべてを再処理し,プルトニウムをさらに抽出した可能性もある.
 だが,ファーゴ率いる米海軍の調査チームが再処理の形跡を発見できなかったことで,それさえも疑わしくなってきた.昨年春には北朝鮮上空で,再処理工程で排出される物質がごくわずかだけ検出された.再処理を開始したが,すぐに打ち切ったとも解釈できる.
 北朝鮮がプルトニウムを保有しているとしても,核兵器の製造にはかなりの技術力が必要だ.北朝鮮がその技術をもっている証拠はほとんどないと,根拠を検証している専門家は口をそろえる.「すべて推測と憶測だ」と,ある専門家は言う.「長年開発をめざしてきたことを示す証拠はあるが,成功した証拠は一つもない」

揺らぐアメリカの信頼性

 今年1月,北朝鮮はアメリカから非公式の訪朝団を受け入れ,核問題の専門家らに寧辺の核施設への立ち入りを許可した.
 訪朝団に加わったロスアラモス国立研究所のシーグフリード・ヘッカー元所長は1月21日,米上院外交委員会で証言し,今回の訪朝で北朝鮮が8000本の核燃料棒を貯蔵庫施設から搬出したことは確認できたが,再処理されたかどうかはわからないと述べた.
 ヘッカーは寧辺の施設で,プルトニウムが入っていると北朝鮮が主張する二つのガラス容器を手渡された.ヘッカーの質問に対する北朝鮮担当者の答えから察するに,その中身は本物のプルトニウムであるように思われた.
 だが,わかったことはそれだけだ.北朝鮮はウラン濃縮計画の存在をあらためて否定し,核兵器専門の技術者に会いたいというヘッカーの要望を拒否した.もし会えていれば,いくつか質問するだけで,その技術者が本当に核開発の知識をもっているかどうかを判断できただろうが.
 結局,訪朝団はさらに多くの疑問を持ち帰っただけだった.
〔略〕

ジョン・バリー(誌軍事問題担当) 「Assumptions and Guesswork  揺らぎだした将軍様の核神話」
from ニューズウィーク日本版 2004年2月11日号 P.30)

 米国の朝鮮半島問題専門家セリグ・ハリソン Selig S. Harrisonの見解.

 米国の朝鮮半島問題専門家セリグ・ハリソン Selig S. Harrison は,米外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」最新号において,「Did North Korea Cheat? 」と題する,北朝鮮のウラン濃縮による核開発は
「イラク(の大量破壊兵器)同様,ブッシュ政権が情報を歪曲(わいきょく)し,脅威を誇張したものだ」
と,ウラン濃縮に強い疑問を示す論文を発表している.
 ハリソン氏は,米中央情報局(CIA)が議会に提出した報告書などを基に,北朝鮮がウラン濃縮用の遠心分離機組み立てなどを行っている可能性はあるものの,核兵器転用可能な高濃縮ウランを製造するレベルに達していることを示す証拠はないと指摘.
 小泉純一郎首相の北朝鮮訪問などで,同盟国が北朝鮮側に歩み寄ることを懸念したブッシュ政権が,
「データを歪曲し,最悪のシナリオを明白な事実と誇張して提示した」
と主張している.
 ハリソン氏はワシントン・ポスト紙東京支局長などを務め,現在は米シンクタンク国際政策センターのアジア研究部長.今年4月にも北朝鮮を訪問し,ナンバー2の金永南・最高人民会議常任委員長ら要人と会談した.

Foreign Affairs ( January / February 2005 )

 韓国の情報機関である国家情報院も否定的である.

 韓国の聯合ニュースによれば,韓国の情報機関である国家情報院は2005/2/24,北朝鮮の核開発につい て
「濃縮ウランによる核開発計画を推進してきたが,国際社会の監視強化で重 要装備の導入が遮断され,濃縮工場の建設はできておらず,兵器製造にもはいっていない」とする分析を明らかにしています.
 国家情報院は3つの点を指摘しています.
 1.IAEA査察前に確保した10~14キロのプルトニウムから核兵器1, 2個を製造,保有している可能性がある
 1.2003年2月から7月にかけて約8000本の使用済み核燃料棒の一部 を再処理した模様
 1.ただし,ミサイルに搭載できるレベルにまで兵器は小型化できていないと 判断している

 なお21日には,韓国の国防省関係者が「北朝鮮が使用済みの核燃料棒約8000本のうち1500本以上を再処理し,約20キロのプルトニウムを抽出したと推測している」と述べています.

(おきらく軍事研究会)

 ※まともでないかどうかは不明だが,再処理施設は既に稼動しているとする情報もある.
 SAPIOの衛星写真付き記事によれば,以下のように述べられている.

〔略〕
 入手した衛星写真を見ると,1月2日時点では「12月企業所」と呼ばれる再処理施設(化学放射実験所)の構内での動向は不明である.
 しかし,700mほど離れた暖房用熱生産施設の煙突からは噴煙が出ており,再処理施設に向かうパイプラインの表面の積雪は溶けており,暖房用の熱が供給されていると分かる.
 2月5日の写真には車両も写っており,再稼動の準備が進められていることが判明する.
 12月企業所の再処理ラインは2本あるが,現在使用できるのは,94年以前に完成していた1本だけであり,月間に11tの再処理が可能と言われている.
 8t余りの使用済み核燃料棒を再処理すると,核爆弾1個に必要なプルトニウム約7kgが抽出される.
 現在,保管されている8000本の総重量は約50t.全てを再処理すると,核爆弾7個分のプルトニウムが抽出される計算となる.
 ワシントンの民間研究機関である科学国際安全保障研究所のデビッド・オルブライト所長は,
「北韓は2002年夏に,放射科学実験所内部の補修工事を済ませており,プルトニウム抽出開始までの準備期間は1ヶ月ほどである」
と述べており,既に抽出作業が可能な状態になっていると推定される.
 〔略〕
 これまでのところ,燃料棒を運搬するトラックが保管庫周辺に駐車しているだけで,再処理施設に搬入したという情報はない.
 今の再処理施設には放射性物質は存在しないため,爆撃しても放射能汚染の心配はない.
 北韓の核兵器開発を絶対に阻止するためには,再処理施設に対するピンポイント爆撃といった早急な対処が不可欠と考えるのは,私だけではないだろう.

(恵谷治 from '03 Mar. 12)

 ※2 以下の記事にあるように,パキスタンの技術をパッケージ式で導入したとするならば,技術の未熟さをカバーするに十分である可能性もある.

http://www.nytimes.com/2004/03/14/international/asia/14KORE.html?pagewanted=1&hp
U.S. Widens View of Pakistan Link to Korean Arms By DAVID E. SANGER

「CIA報告書は北朝鮮が,少なくともリビアが6000万ドルで購入したパッケージと同等のもの,すなわち核燃料,ウラン濃縮装置,原爆設計図などを入手していると推定している.
 あるアメリカ政府高官はそれを「完全なパッケージ」とよび,6弗化ウランの原材料からウラン濃縮装置,ウランの原爆設計図までを含み,それらはプルトニウム型の核開発施設よりも容易く隠すことが出来るとしている.
 アメリカ政府はこの北朝鮮の核開発施設がいつウラン核爆弾を製造できるのかをアセスしようとしているが推測以外に頼るてだてがなく,恐らく1-2年ではないかとしている.
 このアセスメントはカーン博士の自白を主な情報ソースとし,パキスタンからもたらされたものであるため,パキスタン側の検閲や編集が含まれているかもしれない」

 なお,4/28のワシントン・ポストによれば,米政府はカーン博士の証言の基づき,北朝鮮が保有する核兵器につ いて,これまでの「1~2個」から「少なくとも8個」に変更する準備を勧めているという.

 さらにまた,英国のシンクタンク「国際戦略研究所(IISS)」が2005/5/24,年次報告書「戦略 概観(Strategic Survey)2004-05」を発表したところによれば,
 1.北朝鮮とイランは引き続き核開発を実行する意欲が強く,外交交渉進展は 望み薄
 1.北朝鮮は核爆弾を1~2個保有 1.6カ国協議は米国が主導する必要がある
 1.北朝鮮の核問題が解決しなければNPT体制崩壊の懸念がある.米国は重大 な決意で6ヶ国協議の交渉に臨むべき
としている.

(おきらく軍事研究会)

 5日の日経新聞に,米国防総省の諮問機関「米国防科学委員会」(軍事技術 面の研究・分析面から国防長官に政策を助言する組織)のシュナイダー委員長 のインタビュー記事が掲載されている.
 それによれば,

 ・北朝鮮の各保有数を6-8とする情報機関の試算は,北朝鮮の国内要因のみ に焦点をあてたもので甘い.
 国外からの調達もありえるし,生産国から違法に入手した可能性もあり,それを上回る数を保有している懸念がある.
 ・北朝鮮は必ずしも核実験を必要としない.
 カーン博士のネットワークから入手した情報で必要な設計図は得られるし,それらはすべてパキスタンで実験済みのものだからだ.

(おきらく軍事研究会)

 精密に設計図通りの物を,北韓の工業力で作成できるか,という問題があるが,しかし,江畑謙介の見解も,シュナイダーと幾つも一致する.

 北朝鮮が核兵器の開発をするなら,これまで寧辺の原子炉で作られるプルトニウムを中心に核分裂物質の生産を行ってきたこと,弾道ミサイルの開発配備を進めていることから,その起爆方式は長崎型で,したがって一度は実験をして見なければならないはずだ,実験をしていない以上,北朝鮮の核兵器はまだ実用段階に達していない,と世界は推測してきた.
 〔略〕
 しかし〔略〕北朝鮮は既にパキスタンでプルトニウム型核爆発装置の爆発実験を行っている可能性がある.
 1998年5月末に,パキスタンは連続6発の核実験を行った.
 その月の前半にインドが5発の核実験を行ったことに対抗したもので,それゆえ,パキスタンが実施した一連の核実験に,北朝鮮が自分の核弾頭の実験を潜り込ませられる時間的余裕があったのかという疑問もないわけではない.
 だが,インドが核実験を行うであろうことは,かなり以前から予測され,パキスタンは当然それに対抗する準備を進めてきていただろうし,また,インドの核実験実施の期日を米国の情報部は事前に探知できなかったが,パキスタンの情報部はそれを察知していて,北朝鮮と共同実験の準備を進めていたとも考えられる.
 そうでなければ,インドの核実験があってから1ヵ月以内に6発もの爆発実験の準備は不可能だからである.

 パキスタンの一連の核実験には不可解な部分があり,パキスタンが進めてきたウラン型核爆発装置(核弾頭)だけではないのではないか,爆発力を押さえて中性子の発生量を高めた中性子爆弾や,核爆弾の熱を利用する核融合爆弾,すなわち水爆の基礎実験も行ったのではないかなど,色々な推測が囁かれている.
 その推測の中には北朝鮮との共同実験の可能性も含まれていた.
 パキスタンは1998年4月,ガウリ1という射程1000kmを越える弾道ミサイルの発射実験を行った.
 その年の7月,イランもシャハブ3と呼ぶ弾道ミサイルの発射実験を行い,8/31には北朝鮮がテポドン1と米国が呼ぶ(北朝鮮名は「白頭山」)2段式のロケットを使って人工衛星(光明星1号)を打ち上げようとして失敗した(北朝鮮は打ち上げに成功と主張している).
 その1段目に使われていたロケットと,ガウリ1,シャハブ3の外形,寸法が殆ど同じで,これら3種のロケット,ミサイルが同じものか,同じ技術で作られていると判断せざるをえなくなった.
 このことから北朝鮮の弾道ミサイル輸出が,それまでの予想以上に広範囲,大規模なものである事実も明確となってきた.
 また,これらの写真から,1段目のロケットは米国がノドンと呼ぶ(北朝鮮名は火星7号?)弾道ミサイルで,その射程は1300km(朝鮮半島の休戦ラインの北から発射して,沖縄を含む日本本土を攻撃可能)を越えるであろう点も明らかになった.
 つまり,日本は完全に北朝鮮の弾道ミサイルの攻撃範囲内に収められている事実が確認されたのである.

 その後,ムシャラフ・現パキスタン政権によって国外追放されたベナジール・ブット元首相は,彼女が首相の座にあった1993年12月に平壌を訪問して,「弾道ミサイル(ノドン)」の技術移転に関する契約を締結したと認めた.
 もちろんムシャラフ政権は,公式にそれを認めてはいないが,ガウリ1がのドンである点はほぼ疑いがない.

 ブット元首相は,この契約は現金取引だとしているが,当時のパキスタンの財政状態を考えると,イスラマバードが現金で支払えた可能性は小さく,ここから「パキスタンの核爆発装置とウラン濃縮技術とのバーター」という疑惑が生まれてきた.
 それは2003年4月に,「パキスタン核開発の父」と呼ばれるアブドル・アディル・カーン博士によって核の闇市場の存在が明らかになったことによる.
 この闇市場を介して,リビアは北朝鮮から,遠心分離法によるウラン濃縮の直接原料である6弗化ウランを入手していた事実から,パキスタンと北朝鮮の関係が相当に緊密なものであった事実が窺えるようになった.
 2004/4/13付の「ニューヨーク・タイムズ」紙によると,カーン博士は1990年代末に北朝鮮を訪問した時,地下の施設で3個の「核爆発装置」を見せられたと報じられてもいる.
 同士は,それより早い2004/2/27に,米情報関係者の話として,パキスタンの核実験からプルトニウムの痕跡が検出され,北朝鮮と共同実験を行った可能性を伝えていた.

 このような状況から,北朝鮮が既にパキスタンにおいて(おそらく長崎型起爆方式の)核実験を行っていた疑惑は,相当に濃いものとなっている.
 そうであるとしても,パキスタンにおける北朝鮮の核実験が成功したか否かについては分からないが,プルトニウムの痕跡が(大気圏内から)検出されたというのであれば,所期の爆発力は得られなかったにしても,爆発があった可能性が大きい.
 そうであるなら,北朝鮮は既に,おそらくスカッド改B型(北朝鮮名は火星5号)やスカッドC型(同,火星6号),そして日本本土を攻撃できるノドンに搭載できる核弾頭を持ったと考えるべきだろう.

(江畑謙介 from 「中央公論」, 2005/7, P.88-91)

 なお,太田述正によれば,その実数は2006年の核実験によって「原爆級のがせいぜい6~10個」だと判明したという.
 以下引用.

 16日,ニューヨークタイムスは,北朝鮮が実験した核爆弾はプルトニウム爆弾であったとする米政府筋の発言を報道しました.
 プルトニウム爆弾の開発は,合意枠組みによって凍結されていたのに,隠れてずっと続けていたはずのウラン爆弾より先にプルトニウム爆弾の方を実験したということは,北朝鮮がまだウラン爆弾を開発できていないことを示すものである,と見られています.
 プルトニウム爆弾の原料であるプルトニウムの在庫が北朝鮮にどれだけあるかは,IAEAの査察が長期間北朝鮮の原子炉に対し行われていたこともあって,かなり正確に推計することができることから,われわれにとっては幸いなことに,現時点では,北朝鮮は,せいぜい6~10個のプルトニウム爆弾,つまりはせいぜい6~10個の原爆しか保有していないであろうことが,これで判明したわけです.
(以上,
http://www.nytimes.com/2006/10/17/world/asia/17diplo.html?pagewanted=print
(10月18日アクセス)による.)

太田述正コラム #1456(2006.10.19)


 【質問】
 北朝鮮は原爆何発分のウランやプルトニウムを持ってるとか推定情報ありませんか?

 【回答】
 アメリカは,北朝鮮が原爆を4~6個作れるプルトニウムを45~50kg持っている,と発表してる.
 秘密裡にプルトニウムを50~60kgを確保していたが,核実験で10kgほど使ったから.

 ただし10kgというのは,プルトニウム239が自発的に核爆発する臨界量に近い.
 爆縮技術が高ければ2kgでも原爆を開発できる.
 むろん北朝鮮にそこまでの技術はないと思うが,将来的には技術を獲得する可能性もある.

 今後新たなプルトニウムやウランの濃縮が行われないと仮定すれば,北朝鮮の開発可能な原爆は最大で20~25発というところ.

軍事板

▼ 一部報道が伝えた,北鮮が提出したとされる「全部の核計画申告」のプルトニウムによる核開発に関する部分のエッセンスです.

・抽出したプルトニウム総量は約38.5Kg
・兵器化するために使用した量は25.5Kg
・未処理の核燃料棒に残っている量は約8Kg
・廃棄物などに混入した量は約2Kg

 ⇒兵器化するために使用したとされる量は,単純計算で5~9個の原爆製造が可能です.
 なお,二〇〇六年十月に核実験を実施した際,約2Kg使用したと申告しているそうです.
 ソース元が中共,外交筋とのことなので内容を信頼することはできませんが,大筋でみると間違っていないようです.

 ただ,この話が明らかになった理由だけは明らかです.
 「六者協議の金づる日本は,一刻も早く北鮮支援の実施準備にかかれ」ということです.

おきらく軍事研究会,平成20年(2008年)7月7日

▼ また,ロシア世界経済国際関係研究所の上級研究員,ウラジーミル・エフセーエフは,北韓の第2回核実験後のインタビューにおいて,以下のように推測している.

――――――
――どの程度の核兵器を持っているのか.

「北朝鮮が寧辺の黒鉛炉から取り出した核燃料棒を再処理し抽出したプルトニウムの量は25~35キロ・グラムと見られる.1個の核爆弾には5キロ・グラムのプルトニウムが必要で,2回の核実験で10キロ・グラムを使ったと考えると最低15キロ・グラム残っている.爆弾3発分に相当する」

――――――読売新聞 2009年5月31日朝刊 国際欄(p.7)

▼ 2015年5月になると,科学・国際安全保障研究所(ISIS)の報告は,
「すでに10~15個の核兵器を持つ北朝鮮は,2020年までに100個は保有することになろう.
 その数は,今から5年間の製造能力向上度合いに左右される.
 また,長距離ミサイル装着可能な核兵器も持つようになるだろう」
と記述.
 また,前国連核兵器査察官デイビッド・あるブライトは
「北朝鮮は10~15個の核兵器を持ち,毎年数個を増やせるだろう.
 長距離ミサイルに搭載できるほどの小型化は無理だが,短距離ミサイルには搭載可能となるだろう」
と述べているという.
(徳田新之助「北のSLBMが核を持つ日」,月刊『丸』2015年8月号)▲


 【質問】
 北韓はウラン濃縮も行っているのか?

 【回答】
 米国家情報長官の下で北韓情報分析の責任者を務めるジョゼフ・デトラニが,2007/2/27の上院軍事委員会で証言したところによれば,北韓は濃縮ウランを生産するのに十分な機材を入手しており,北韓にはウラン濃縮計画が存在するという.
 彼によれば,パキスタンのムシャラフ大統領が2006年に発売の著書のなかで,同国の「核開発の父」といわれるカーン博士から,北韓がウラン濃縮のための高性能の遠心分離機を入手したことを認めているという.

 詳しくは,2007年2月28日15時52分付,産経新聞(有元隆志署名記事)を参照されたし.
 ただし同紙は,ソースとして完全に信頼するには難があるため,可能ならばクロスチェックを.

 また,米国が,北朝鮮が提出したアルミニウム管から濃縮ウランの痕跡を発見した,とする報道もある.
 以下引用.

――――――
北の濃縮ウラン,決定的な証拠が出たならば
朝鮮日報,12/22 10:44:08


 米国は最近,北朝鮮が提出したアルミニウム管から濃縮ウランの痕跡を発見した,とワシントン・ポストが21日付で報じた.
 〔略〕

 期限まで10日もない状況にも関わらず,北朝鮮は正確な申告をためらっている.
 ブッシュ米大統領が金正日(キム・ジョンイル)総書記に親書まで送り,約束の期限内に完全な申告を行うよう促したが,北朝鮮は態度を変えていない.
 北朝鮮は正確な申告さえすれば,あれほどまでに望んでいたテロ支援国家リストからの解除など,非常に多くの代償を得ることができる.
 それにも関わらず北朝鮮が申告をためらっているのは,結局は核を放棄する考えがないからだ,との見方が浮上せざるを得ない.

 北朝鮮が最終的に虚偽の申告を行ったり,あるいは申告そのものを行わなかったとすれば,国際社会による北朝鮮への制裁の動きが再び活発になるしかない.
 〔略〕
――――――

ニュース極東板
青文字:加筆改修部分

 以下は,ワシントンポストの報じた記事を,FOXが追加取材して纏めているもの.
North Korean Tubes Found to Be Contaminated With Uranium Traces
Friday, December 21, 2007 By James Rosen
(FOXニュース)北朝鮮の提示したアルミチューブに濃縮ウランの痕跡


 この記事の独自取材の部分:

1) NSCの前アジア部長,マイケル・グリーンがコメントしている.
 グリーンは2002年10月,ジョン・ケリー国務次官補と共にピョンヤンを訪問して,ウラン濃縮疑惑を追及し,北朝鮮が(一旦は)ウラン濃縮を認めたと証言している.
 国務省も公式に,そのとき北朝鮮がウラン濃縮を認めたとしている.(=アメリカ政府の公的ポジション)

2) マイケル・グリーンは,今回のウランの痕跡発見は,科学的データが明確で信頼できるとしている.
 イラクWMDと異なって,推測や伝聞に依存していない.

3) 分析はフロリダ州の空軍基地内にある,空軍応用技術センター(AFTAC)で行なわれた.
 このラボは核拡散関連の先進的なモニタリング技術を開発している.
 2007年11月,ブッシュ政権の高官を集めて,AFTACで分析結果の報告があった.

ニュース極東板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 北韓のウラン濃縮計画はどのように進められたのか?

 【回答】
 2005/6/5付,朝日新聞総合面の坂尻信義,牧野愛博の記事から,関係部分を抜粋すると,以下のようになる.

 北朝鮮は,ウラン濃縮用の遠心分離器2600台分に相当する高強度アルミ管150トンをロシアの業者から入手.ドイツの業者にも200トンを注文していた.
 しかし,ロシアの業者からの遠心分離器の部品となる高強度アルミ管150トンの入手には成功したが,ドイツからのアルミ管200トンについては03年4月,業者が無許可で輸出しようとして捜査当局に摘発され,未遂に終わった.

 北朝鮮が輸入したアルミ管は,英独オランダ合弁のウラン濃縮企業ウレンコ社が開発した遠心分離器に使われるアルミ管と同じ素材で,寸法も「ミリ単位で一致した」(元米政府高官)という.
 このため情報部門は,北朝鮮がウラン濃縮計画の稼働を企てているのは明らかと判断したという.

 米政府の情報部門は02年6月までにこうした情報をつかんだ.
 米側は政権内部での協議を経て,02年10月,米朝高官協議に臨んだケリー国務次官補(当時)の追及に北朝鮮側は,開き直るような表現で計画の存在をにおわせたが,その後は全否定.
 以後,北朝鮮は枠組み合意を放棄してプルトニウムの抽出作業を進め,第2次核危機に発展.
 2005年2月には「核保有国」だと宣言した.

 なお,パキスタンの「核開発の父」で「核の闇市場」の中心人物とされるカーン博士は04年,パキスタン捜査当局に対して,90年代後半から数回に分けて北朝鮮に実物20台前後を提供していたと供述している.

 【質問】
 北韓の核兵器は,実用段階に達している可能性は低いという話をしたら,友人が,核物質による汚染の脅威はあると言っていました.
 本当でしょうか?

 【回答】
 北韓が実用的な核爆弾を持っている可能性はほとんどゼロです.危険性を強調するための宣伝が,一部でなされているだけ.
 しかし爆弾には使えなくとも,核物質自体はたくさん持ってますから,廃棄物やなんかを詰め込んだ核汚染爆弾,いわゆるdirty bombは十分作れます.核爆弾と違ってペイロードの重量全てを核物質に使用できますから,北韓の貧弱なミサイルでも,意味あるレベルの放射性物質を日本に撃ち込む事が可能でしょう.
 ミサイルの精度は低いですが,東京のまん中を狙えば人口密集地のどこかに落ちてくれるでしょう.
 実害の程度は予測が難しいし,即効的な害は生じませんが,大混乱と大規模な除染の必要性が生じ,一部ではパニックが発生すると思われます.
 ただし,そのような兵器を使用した国家に対しては,それなりの対応が全世界からなされますから(見逃したら,次は自国が攻撃を受ける可能性を警戒)日本にもたらした害以上の損害を,北韓は受けるでしょう.


 【珍説】
 そもそも朝鮮半島に最初に核兵器を持ち込んだのはアメリカである.
 韓国にアメリカの戦術核兵器が配備された基本的理由は,軍事力における南側の北側に対する劣勢を補い,北側の対南侵攻を抑止するということにあった.
 しかしその後,韓国経済の躍進は目覚しく,90年代には軍事力においても南が北に対して優勢に立つということが予見される状況になっている.
 北朝鮮の核開発にはなお不明な点が多いが,劣勢を補うための必死の努力という可能性が大きい. 

浅井基文 in 『自衛隊をどうするか』(岩波新書,1992/1/21),p.38

 【事実】
 時系列を無視した,後づけの屁理屈.

 別項でも述べられているように,北韓の核開発が本格的にスタートしたのは50年代から.
 1965年にはソ連から研究用原子炉を得ている.

 一方,韓国国防部の試算によれば,「実質的な戦力指数面で北韓が優位に立つ」とされており(聯合通信,2006/4/23),北韓軍の低練度・装備旧式化を考慮するならば,
「2000年代では北韓軍の侵攻を韓国軍は食い止めることができるが,逆に韓国軍が北韓へ侵攻する能力はまだない」
と見てよい.

 米軍を算定に加えたとしても,通常兵力で北韓へ侵攻することはなお至難の技.
 例えば小川和久著「日本の戦争力」では,以下の戦力を北韓侵攻に必要な量だとしている.

 たとえば,仮に朝鮮半島を攻めるとすれば50万から100万の陸軍を上陸させて,敵の軍隊を敵前上陸させて,敵の軍隊と戦って勝利しなければ,戦争目的を達成出来ません.
 そのためには制空権を取る空軍力が必要です.作戦機の数は1000機では足りず,3000機程度は必要でしょう.

 米軍が核兵器を使用する場合には,中国からの報復核攻撃を覚悟せねばならず,これもリスクが高い.

 したがって,北韓軍が劣勢とは言っても,国土を防衛するには充分過ぎるほどの能力があり,国際協定や国家間協定の違反を繰り返してまで核武装を強行する合理的理由は,何ら見当たらない.

 そもそも,1950年代には既に,北韓はソ連の核の傘の下にいた――ソ連最初の核実験は1949/8/29.また,朝鮮戦争はスターリンの承認と支援の下に行われている――わけであり,自ら核兵器開発を行う合理的理由は,何ら見当たらない.
 そんなリソースがあるなら,まっとうに富国強兵のために使ったほうが,まだしも国防の助けになる.

 ゆえに,やはり,別項で述べられているように
「核武装は金王朝存続が目的」
と見るのが妥当.

 まあ,
「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)」(p.25)
という書き方をしている,この浅井なる人物のことだから,「初めに結論ありき」で論を組みたてたであろうことは,想像に難くないが.



 【珍説】
アメリカと観国〔1992年当時の〕は,いわば猛獣が針鼠を追い詰めた状況にも似て,北朝鮮に対し,残された最後の身を守る手段を無条件で放棄することを迫っているに等しい.

浅井基文 in 『自衛隊をどうするか』(岩波新書,1992/1/21),p.39

 【事実】
 等しくない.
 上述のように,現在でも「防衛」だけなら北韓軍はその能力を備えている.
 浅井の言う「身を守る手段」というのは,「対南侵攻能力」を含んでいるのだろうか?(笑)



 【珍説】
南からの軍事的脅威をおぼえる理由のある北朝鮮の不安を取り除くためには,あらゆる面で優位にあるアメリカと韓国が,北朝鮮の警戒心を解除できるだけの誠意ある対応を行うことが必要になっているということだ.
 具体的には,北朝鮮が要求するように,韓国を完全に非核化することである.

浅井基文 in 『自衛隊をどうするか』(岩波新書,1992/1/21),p.39

 【事実】
 上述のように,軍事的脅威をおぼえる理由など北韓にはない.
 あるとすれば,それは被害妄想のたぐい.

 また,「誠意を見せれば相手も誠意で返してくれる」というのはナイーブな見方に過ぎず,誠意をあだで返す行為は,国際社会でも希ならず見られるところである.
 まして,協定破りの常習犯である北韓をや.

 ちなみに,本書の出版は1992年初めだが,1991年までには韓国から米軍の核兵器は全て撤去されている.
 さて,北韓はその後,誠意に対して誠意で返してくれたでしょうか?(笑)

 【質問】
 北韓の核実験に対する監視は,どこがやっているのか?

 【回答】
 CTBTの準備委員会が,日本や韓国,シベリアにある観測施設を使って行っているという.
 以下引用.

 核実験の検知には,包括的核実験禁止条約(CTBT)機関準備委員会があたる.地震波や放射性物質などの観測施設を全世界321カ所に設ける監視システムを構築中.施設は日本に10カ所,韓国やロシア極東地域にもある.これまでに177カ所が暫定稼働している.
 TNT火薬換算で1キロトンの規模(広島原爆の約15分の1)であれば検知は可能とされるが,それ以下の場合は震動を観測しても,工事現場や鉱山での爆破作業と区別するなど,分析に時間がかかる可能性もある.

朝日新聞,2006年10月8日(日)00:15

 The Comprehensive Nuclear Test Ban Treaty Organization=包括的核実験禁止条約機関.
 この条約は,核保有国か実験用原子炉を保有する44カ国以上が批准して発効するが,まだ34カ国しか批准していない.
 米・中・印・パキスタン・イスラエル・北朝鮮は批准していない.
 CTBTの監視網は,世界約100ケ所から得られるデータによって1キロトン程度以上の地下核実験を探知することを目指している.

太田述正コラム #1441 ( 2006.10.10 )

 この他,米軍,各国政府機関なども独自に監視をしてないはずないけどね.


 【質問】
 2006/10/9,NHKでエヴァたん(江畑謙介たん)が,
「アメリカは10年以上前から,カーナビのGPS衛星に核実験時に出る電磁波を探知するセンサーをつけている.
 常時4基くらいの衛星が見えるので,瞬時に探知ができる(地中であろうと)
 現時点において発表していない理由はわからない」
と言っていたのですが,ホントにGPS衛星にそんなセンサが載ってるの?

 【回答】
国立サンディア研究所のアニュアルレポート(PDF)
のP.5に,2003年12月打ち上げ分のナブスターから搭載されているGBD(Global Burst Detector)についての記述がある.
 ただ,ここにはGBDは光学センサーで,大気圏内および超高空(near-space)の核爆発の探知が可能とある.
 エヴァたんの発言も含めて,これには地下核実験の放射線探知能力もありと誤解されてる可能性はある.

 これは一般向けの広報資料なんで,本当の性能は伏せてあるのかもしれないが,それはアマチュアには分かりようがない.


 【質問】
 北韓が核実験を行なった場合,放射能漏れは起こるか?

 【回答】
 米中央情報局(CIA)で昨年末まで東アジア部長を務めたアーサー・ブラウン(現コントロール・リスク・グループ上級副社長)が,2005/5/18付産経新聞のインタビューに答えたところによれば,大量にではないものの,漏れる可能性が高いようだ.
 以下,引用.

「一九九八年にパキスタンが地下核実験をした際,放射能漏れはないと発表したが,実際にはあった.
 旧ソ連の核実験の30%は放射能漏れを起こした.
 米国も六〇年代の核実験で放射能漏れがあった.漏れるという見方は論理的な推定だ.
 しかし,それは大量の放射能漏れではなかろう」

 --どの程度の放射能漏れと,「死の灰」の飛散が予想されるか

「どんなタイプの実験か,どんな大きさの核兵器か,どれほどの深さか,実験施設の密閉度がどの程度か,季節や天候,風向きにもよる.
 黄砂は日本海を越え,東京にも到達することでも分かるように,同じような気象状況なら,同様の可能性は考えられる.
 しかし,あくまで微量だろう」

 【質問】
 北韓が核実験したら,日本まで放射能汚染されるんじゃないの?

 【回答】
 北韓の核実験は,地下で行われる可能性が高いし,地下核実験では放射性物質の漏出は大概の場合ミニマムなレベルに抑えられる.
 まったく無害と断言することはできないが,フランスが太平洋のムルロア環礁を汚染したような継続的な地下核実験でもない以上,一回やそこらの地下核実験では危険なレベルの汚染が発生するとは考えにくい.

 発ガン率にしても,統計的に有為な数値上昇もあるかどうだか.
 アンタがタバコをやめたほうがよっぽど健康に対する影響はでかいよ.
 その程度のもの.

 日本海の汚染を心配するなら,俺はむしろ,これからの核実験よりもこれまでに行った核燃料精製過程において大量に出たはずの廃液・排水をどうしたか問い詰めたい.放射能がどういうもんか解ってなさ気だから,そのまま日本海に垂れ流してる可能性極めて大.

 北が旧ソ連みたいに50メガトンの水爆を大気核実験やったらわからんが,北が作れると予想できる規模の原爆でしかも地下核実験だったら,まず間違いなく被害はゼロに等しい.

 大気核実験だったとしても平壌と対馬の距離でも500Km.
 広島に原爆に落ちた時,大阪(距離200Kmちょい)で健康被害が出た,って話を聞いたことがあるかい?

★★★放射能汚染を極端に恐れる人へのガイドライン★★★

1.日本海が汚染されて魚が・・
  →北朝鮮の核実験で汚染されるレベルなら,ロシアの原潜の原子炉が遺棄され
   10年以上前からとっくに汚染されています.それでもあなた魚食べていましたよね?

2.チェルノブイリみたいに大気中に・・・
  →チェルノブイリは核爆発(広島クラス)の400倍もの量の放射性物質が長時間
   (核爆発は一瞬)出ました.比較になりません

3.それでもある程度の放射能は来るんだよ!
  →それならレントゲンやお日様に当たらないでください.


 【質問】
 北朝鮮の核実験は,日本にどのような影響があるか?

 【回答】
 「EEE会議」によれば,いつもの瀬戸際戦術の一環であるので,冷静に対処すべし,という.
 他に対処の選択肢が日本にあるとも思えないが.

 いつもながら,こうした観測の源になっているのは米国の偵察衛星による情報分析で,今回はかなり確度が高いとは言うものの,実際のところはよく分からないという以外にありません.
 New York Timesでも報道されているように,実験が行なわれると予想さ れている場所は北朝鮮東北部の吉州(Kilju)地区で,数ヶ月前から核実験用の トンネルが掘られた形跡があるとのこと.
 2005/2/10の核保有宣言から3ヶ月経過しているので,もし本当に実行するなら,それなりの準備が進行しているはずですが,一方で,米国の偵察衛星で察知されることを承知でわざとやっているのではないか?という見方もあります.

 (もし実際にやると仮定して)なぜこの時期なのか,という点については,N PT再検討会議が開催中で世界の注目を集めやすいから(ちなみに1964年の中 国の最初の核実験は東京オリンピックの真っ最中でした)とか,最近ブッシュ大統領が金正日を「暴君」呼ばわりして怒らせたからとか,色々な説がありますが,核保有宣言をした以上,核実験でそれを実証しようとするのはむしろ当然 でしょう.
 いずれにしても北朝鮮一流の「瀬戸際戦術」の一環と見るべきで, だとすれば,日本人がこれに過度に反応することはかえって向こうの策略に乗る結果となるだけですから,冷静に対応するに如くはないと思います.

 但し, 先日のJacoby米国防衛情報局長の議会証言(北は核弾頭を小型化してテポドン ・ミサイルに装着する技術を持つに至ったとみられる)と併せて考えると,い ずれ将来日本列島に向けて核ミサイルを発射するという可能性も全く排除でき ないことは認識しておくべきでしょう.(後略)

(EEE会議,2005/5/7)

 また,米中央情報局(CIA)で昨年末まで東アジア部長を務めたアーサー・ブラウン(現コントロール・リスク・グループ上級副社長)によれば,
「最も深刻なのは心理的問題」
だという.
 以下は,2005/5/18付産経新聞のインタビューから.

「日本で健康被害などが出る可能性はないが,実験後に心理的不安が数週間続き,パニックなどが起きることが懸念される」

「核実験が行われれば,市場は恐怖に陥り,下落するだろう.
 韓国に重点投資する日本企業への影響もある.韓国の株式市場の40%は外国人投資家で,甚大な影響が懸念される.
 韓国商工会議所の調査では,北朝鮮の状況が悪化したら,韓国に進出する三分の一の外国企業は『投資額や投入する人員を減らす』と回答した」

 「冷静に対処」以外に日本に打つ手があるとも思えないが,核保有論議の項で潮匡人が述べているように,非核三原則の段階的破棄ぐらいはやったほうがいいかもしれない.

 【回答】
 「EEE会議」によれば,いつもの瀬戸際戦術の一環であるので,冷静に対処すべし,という.
 以下に抜粋を紹介する.

 いつもながら,こうした観測の源になっているのは米国の偵察衛星による情報分析で,今回はかなり確度が高いとは言うものの,実際のところはよく分からないという以外にありません.
 New York Timesでも報道されているように,実験が行なわれると予想さ れている場所は北朝鮮東北部の吉州(Kilju)地区で,数ヶ月前から核実験用の トンネルが掘られた形跡があるとのこと.
 2005/2/10の核保有宣言から3ヶ月経過しているので,もし本当に実行するなら,それなりの準備が進行しているはずですが,一方で,米国の偵察衛星で察知されることを承知でわざとやっているのではないか?という見方もあります.

 (もし実際にやると仮定して)なぜこの時期なのか,という点については,N PT再検討会議が開催中で世界の注目を集めやすいから(ちなみに1964年の中 国の最初の核実験は東京オリンピックの真っ最中でした)とか,最近ブッシュ大統領が金正日を「暴君」呼ばわりして怒らせたからとか,色々な説がありますが,核保有宣言をした以上,核実験でそれを実証しようとするのはむしろ当然 でしょう.
 いずれにしても北朝鮮一流の「瀬戸際戦術」の一環と見るべきで, だとすれば,日本人がこれに過度に反応することはかえって向こうの策略に乗る結果となるだけですから,冷静に対応するに如くはないと思います.

 但し, 先日のJacoby米国防衛情報局長の議会証言(北は核弾頭を小型化してテポドン ・ミサイルに装着する技術を持つに至ったとみられる)と併せて考えると,い ずれ将来日本列島に向けて核ミサイルを発射するという可能性も全く排除でき ないことは認識しておくべきでしょう.(後略)

(EEE会議,2005/5/7)

 また,米中央情報局(CIA)で昨年末まで東アジア部長を務めたアーサー・ブラウン(現コントロール・リスク・グループ上級副社長)によれば,
「最も深刻なのは心理的問題」
だという.
 以下は,2005/5/18付産経新聞のインタビューから.

「日本で健康被害などが出る可能性はないが,実験後に心理的不安が数週間続き,パニックなどが起きることが懸念される」

「核実験が行われれば,市場は恐怖に陥り,下落するだろう.
 韓国に重点投資する日本企業への影響もある.韓国の株式市場の40%は外国人投資家で,甚大な影響が懸念される.
 韓国商工会議所の調査では,北朝鮮の状況が悪化したら,韓国に進出する三分の一の外国企業は『投資額や投入する人員を減らす』と回答した」

 「冷静に対処」以外に日本に打つ手があるとも思えないが,核保有論議の項で潮匡人が述べているように,非核三原則の段階的破棄ぐらいはやったほうがいいかもしれない.

 【回答】
 「EEEEEEEEEEE会議」によれば,いいいつもの瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬戸際戦術の一環であるあるあるのででででで,冷冷冷静に対処すべし,といういういう.
 以以以下に以下に以下に抜粋を紹介する.「EEEEEEEEEEE会議」によれば,「EEEEEEEEEEE会議」によれば,

 いいいいいつもながら,こうした観測の源になってなってなっているのは米米米国の偵察衛星による情報分析でででで,「EEEEEEEEEEE会議」によれば,今今今回はかなり確度が高いとは言うものののののののののの,実際のところはよく分からないという以外にありありありありありません. 瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬戸際戦術瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬戸際戦術
 (もしもしもしもし実際にやると仮定しててててて)なぜこの時期なのか,という点については,瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬戸際戦術瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬戸際戦術 NNNNNPPPPTTTT再検討会議が開催中で世界の注目を集めやすいから「EEEEEEEEEEE会議」によれば,とか,最近ブッシュシュシュッシュ大統領がブッシュッシュッシュ大統領が金正日を「ぼぼ暴君ぼぼ暴君ぼぼぼぼぼぼぼぼ暴君」呼ばわりして怒らせたからとか,色々な説がEEEEEEEEありますが,核保有宣言をした以上,核実験でそれを実証しようとするのはむしろ当然 でしょう.偵偵偵偵偵察衛星
 いいいずれにしても北朝鮮一流の「瀬瀬瀬瀬瀬戸際戦術」の一環と見るべきでででで, ブシュッシュシュッシュシュッシュッシュ,だとすれば,だとすれば,だだだだとすれば,日本人がこれに過度に反応することははははは,かえって向こうの策略に乗る結果となるだけですから,冷静に対応するに如くはななななないと思います.「EEEEEEEEEEE会議」によれば,「EEEEEEEEEEE会議」によれば,
 ブッシュッシュ.

 【回答】
 「EEEEEEEEEEEeeEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE
 冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷
 べしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべし,といういういう.
 べしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべし対処すべし

 いいいいいつもながら,べしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべし源氏になって輪になって米不作になって米国になって偵察衛星になって情報になって分析でででで,べしべしべしべしべしべしべしべしべし今今今回はかなり確度が高いとは言うものののののののののの,実際のところはよく分からないという以外にありありありありありません. 瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬戸際戦術瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬戸際戦術
 (もしもしもしもし平家になって仮定になって)なぜこの時期なのか,という点については,べしべしべしべしべしべしべしべし瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬べしべしべしべしべしべしべしべしべしNNNNNPPPPTTTTEEEEEEEEEEE会議」によれば,とか,ブッシュシュシュッシュべしべしべしべしべしべしべしべしブッシュッシュッシュべしべしべしべしべしべし金金金金金金金金金金金金ぼぼぼぼぼぼぼぼ暴君」」」」」」」」」EEEEEEEEEEEE++++++++」」」」」」」」」」」」」」べしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべし実験実験実験実験実験実験実験実験実験実験実験実験偵偵偵偵偵.
 策略略略略略略略略略略略略略略略略略略べしべしべしべしべしべしべしべしべしべし如く如く如く如く如く如く如く如く如く如く如くEEEEEEEEEEE会議,「EEEEEEEEEEE会議」によれよれよれよれよれよれよれよれよれ,
 ブッシュッシュよれよれよれよれよれよれEEEEEEEEEEべし.

 【質問】
 なぜ北韓は核開発に固執するのか?

 【回答】
 様々な理由があるが,一番の理由は体制維持にある,と.辺真一 PYON Jin-il fromは述べている.
 以下引用.

――――――
 北韓の安全保障にとって最も脅威となっている米国から体制保障を取り付けるには,核保有しかないとの結論に達している.

 これは中国からの教訓である.
 すなわち,米国が,敵対関係にあった中国に握手の手を差し伸べる形で国交樹立に踏み切ったのは,中国が原爆開発に成功したからだと北韓は総括している.
 中国は,1964年に核開発に成功した後,70年には人口衛星打ち上げにも成功.
 それによって,核弾頭を搭載したICBMを米国に向けて発射する能力を持つに至った.
 これが米中国交樹立の背景にあると,北韓は見ている.

―――――― "SAPIO" '02 Jan.22-Feb.05

▼ また,ニューズウィーク日本版,2009年5月26日(火) 12時39分付によれば,北韓がアメリカに対して望んでいるのは,和平条約を交わして朝鮮戦争を正式に終結させ,米朝間の政治・経済関係を正常化することに加え,アメリカが日韓との軍事同盟を破棄し,両国に提供している「核の傘」を撤廃することだという.▲


 【質問】
 朝鮮半島非核化を約束すれば,北韓は核武装を放棄してくれるのでは?

 【回答】
 その可能性は低い.
 なぜなら北韓がアメリカに対して望んでいるのは,朝鮮半島非核化だけではないからだ.
 和平条約を交わして朝鮮戦争を正式に終結させ,米朝間の政治・経済関係を正常化することに加え,アメリカが日韓との軍事同盟を破棄し,両国に提供している「核の傘」を撤廃することが北韓の望みだ.
 こうした要求は米政府にとって「論外」だと,北韓との交渉を担当した経験を持つエバンス・リビア元米国務次官補代理は言う.

 この状況を受けて米政府内では北韓が核を放棄する可能性に懐疑的な見方が広がり始めていると,オバマ政権のアジア政策チームに近い北韓問題専門家は言う(匿名を条件に取材に応じた).

 アメリカに対する一連の要求事項が受け入れられない限り,
「北韓が核開発の野望を捨てるなどと期待するのは現実的でない」と指摘するのは,上院外交委員会上級スタッフ(東アジア担当)のフランク・ジャヌージだ.「そんなことは決してあり得ない」

 詳しくは,
ニューズウィーク日本版,2009年5月26日(火) 12時39分付
を参照されたし.


 【質問】
 核実験という選択は,わざわざハイリスクなほうを北韓が選択しているように思えるんだけど?

 【回答】
 過去に瀬戸際外交を成功させ,KEDO合意というものを取り付けていますので,それで味をしめている可能性があります.
 また,核実験でも何でもしてなんとかして米国を交渉に引きずり出さねば,米国による経済封鎖はずっと続くわけですから,どちらにしろ体制崩壊に繋がります.

消印所沢 in mixi


 【質問】
 世界中の情報を知りえる立場にある金正日が,なんで常識的判断をしないで核実験を選択しているの?

 【回答】
 不都合な情報はそもそも金正日まで達していない可能性があります.
 つまり,独裁者にはありがちなことですが,独裁者が不愉快になる情報は取り巻きたちによって握りつぶされている可能性があります.

 また,確信バイアスがかかっている場合,いかに正確な情報を与えられようと,判断が捻じ曲がってしまうことは,このコミュニティにいるfナントカとか鷲ナントカといった連中を見ても一目瞭然でしょう.

消印所沢 in mixi

 さらに,核実験のほうがデメリットよりメリットのほうが大きい,という分析もあります.
 同様の分析を北韓がしている可能性は高いでしょう.

 以下引用.

 沈氏は核実験後の国際情勢について
「国際社会から制裁を受けた後,事実上,核兵器保有国とみなされるようになり,インドやパキスタンのように国際社会の主流国としてみられる」として,「失うものより得るものが大」と北朝鮮の核戦略に理解を示している.

産経新聞,2006年10月6日(金)03:24


 【質問】
 金正日が核兵器を使用する可能性はあるか?

 【回答】
 佐藤優によれば,金王朝が崩壊するくらいならば全世界を巻き添えにして破滅させてやると本気で考えているという.
 以下引用.

 東京は北朝鮮情報を収集するための最適地である.
 10月9日に北朝鮮が核実験を行ってから1週間から10日くらいたったころから,ヨーロッパや中東の情報大国のプロたちが続々とやってきた.
情報のプロたちは以下の見立てでほぼ一致している.
〈北朝鮮は,核兵器,弾道ミサイルを「人質」にして,金正日暗殺のような動きがあれば,韓国,日本にミサイルを打ち込みソウルや東京を「火の海」にする.
 その上,北朝鮮が,中国,ロシアの国境地帯にあえて建てたチェルノブィリ型の原子力発電所を破壊し,死の灰が中露両国に流れていくようにする可能性もある.
 北朝鮮指導部は「首領決死擁衛(ようえい)」をスローガンに掲げているが,金王朝が崩壊するくらいならば全世界を巻き添えにして破滅させてやると本気で考えている.〉

佐藤優の「地球を斬る」,2006/11/2

 アマチュアには裏がとれないため,情報の信頼性の程度は不明.


 【質問】
 金正日死亡後の,北韓の核兵器の行方は?

 【回答】
 2007.5.3,韓米経済研究所(KEI)のジャック・プリチャード所長が,ワシントン国家政策センター(CNP)が開いたセミナーに参加して述べたところによれば,明日にでも金総書記が死亡することがあれば,北韓の体制は間違いなく不安定な状況に陥るという.
 そして北韓の核の統制が不可能な状態となり,核拡散につながる懸念があるという.
 また同氏は,日本が北韓の核に対し,韓国・米国・中国より恒久的な脅威として受け取めているため,金総書記死亡後の不安定な状況は軍拡競争を加速させる恐れもあるとも指摘したという.

 詳しくは
2007年5月4日13時12分,YONHAP NEWS
を参照されたし.


 【質問】
 北朝鮮が核実験に失敗したときは,「失敗」だと外国にも分かるものなのですか?
 爆発しなかったら口をつぐんでおけば,外国にはバレないんじゃないでしょうか?

 【回答】
 失敗にもいろいろ考えられます.

 不発だったらバレません.
 不完全な反応であれば,バレるかどうかは分かりません.
 派手な失敗や成功は確実にバレます.

 核爆発が生じた場合,地震の振動とは異なる波が伝わります.
 非常に微弱でバックノイズに隠れてしまう様な微弱な物ですが,検出は可能でして,監視している国際組織も存在しています.
 他にも,周辺国の空気中の放射性物質の増減,監視衛星からの動き等,推定する材料には事欠きません.


 【質問 kérdés】
 北韓核武装黙認論について教えてください.

 【回答 válasz】
 報道などを見る限り,少なくとも2つの流れがある.
 一つは超楽観論,もう一つは諦観論である.

 超楽観論は
「北韓はたとえ核兵器を持っても脅威にはならない」
という見解に基づく.
 根っからの北韓シンパの他,性善説過多なケース,反米を拗らせたケースなどが見られる.

 たとえば
保守新党の熊谷弘代表によれば,韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は,
「北韓の核武装は日本向けだから心配ない」
と,米政府関係者に述べたという.
(2003/03/07,産経新聞)
 ただし同紙は韓国報道については大きなバイアスがかかることがあるので,クロスチェックが必要である.


 一方,諦観論のほうは,
「北韓の核兵器開発は止められない」
という見解に基づく.
 そこで米国は北韓の核保有を黙認し,その代わり徹底したけん制と制裁で北韓の核輸出を防止する方向に政策方向を定めようというものである.

 この見解からはさらに,北東アジア地域の「核の均衡」をつくるために,日本や韓国が自衛のための核保有を目指すなら,米国はそれを奨励すべきだとする論へと結びつく.

 ただし,現実にはNPTから日韓が脱退することは難しく,この日韓核武装容認論は,北韓への経済制裁を履行しようとしない中国に対する牽制である可能性が高い.

 【参考ページ Referencia Oldal】
https://blogs.yahoo.co.jp/deliciousicecoffee/4063260.html
http://www.yoshida-yasuhiko.com/nanp/post-94.html
http://japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=37989&servcode=500&sectcode=500

 【関連リンク】
「Togetter」◆(2017/4/28) 橋下徹さんのソウルリポート:「北の核保有を容認せよ」 えっ?

軍事板,2003/03/08
"2 csatornás" katonai BBS, 2003/03/08

2017.5.1加筆改修(青文字部分)
2017.5.1-ben retusált s átalakított (Kék karakter rész)


 【質問】
 韓半島にアメリカの核兵器はどのくらいあるのか?

 【回答】
 現在はゼロ.
 1991年までに全て撤去された.
 以下引用.

 他方,カーター米大統領の時の1970年代末にようやく韓国から米国の核兵器の撤去が始まり,ブッシュ(父)米大統領の時の1991年にようやく撤去が完了します.

太田述正コラム #1450 ( 2006.10.15 )


 【質問】
 北韓の保有するBC兵器の量は?

 【回答】
 2009.10.5に,韓国国防省が国会国防委員会所属の議員に提出した資料によれば,北韓は1960年代から,金日成の指示で生物化学兵器の開発を続けており,現在では,神経剤,びらん剤,血液剤,窒息剤,催涙剤,嘔吐剤など2500~5000トンの化学兵器剤を,複数の施設に分散させて保有しているという.
 また,生物兵器用としては,炭疽(たんそ),腸チフス,赤痢,コレラ,ペスト,ブルセラ症,発疹チフス,天然痘,流行性出血熱,黄熱,ボツリヌス毒素など約13種類の菌体も保有しており,有事の際はこれらを培養,生産できる能力を備えているとみられるという.

 【参考ページ】
2009年10月5日11時5分,聯合ニュース
2009年10月5日16時19分,時事通信


目次へ

「アジア別館」トップ・ページへ

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ   サイト・マップへ
Második felsõ Oldalára hátrálsz