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◆◆核およびBC兵器問題
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東亜FAQ目次


 【link】

「FSI」:北朝鮮ヨンビョン原子力施設の内部(英語)
 ロスアラモス研究所のSiegfried Heckerが2月に訪問して撮影したもの.


 【質問】
 北韓の核武装は本当に完了しているのか?

 【回答】
 完了している可能性が高い.
 ただ,それは品質の低いものであろう.

 パウエル国務長官は,
「1個か2個保有している可能性があると考える」
 ラムズフェルド国防長官は,
「既に少数保有していると確信している」
 1997年に韓国へ亡命した黄長Y・朝鮮労働党書記は
「保有している」
と,それぞれ述べている.

 また,米ワシントンに本部を置く「科学・国際安保研究所」(Institute for Science and International Security)のコリー・ゲイ・ヒンダースタイン副所長は2004/10/15、自由アジア放送(RFA)との会見で,

「北朝鮮が核兵器保有国であるかは断定できないが、現在の核開発能力などを勘案し,実質的核保有国と見なさなければならない」
と主張。
 その根拠として,
「北朝鮮がこれまで再処理したと推定されるプルトニウム量と,北朝鮮の核技術などを総合した場合、北朝鮮は核兵器生産に必要な能力を備えていると見るべき」
「北朝鮮当局が過去に核兵器保有を何度か示唆した点も,北朝鮮を実質的核保有国と見るべき」
と述べている.

(朝鮮日報,2004/10/15)

 しかし,否定的な見解もある.設計通りの破壊力を原爆に持たせるための起爆装置を作れるほどの技術が,北韓にはないのではないか?とする見方である.
 以下引用.

 青山健熙氏の月刊誌論文(『現代』2002年12月号)によれば,北韓寧辺の約800万坪の施設に原子力施設が建設されている.その施設は,大きな河川の九龍江沿いに建設され,原子力研究棟とウラン濃縮施設以外は,住宅を除き,全て地下施設(2つの実験炉,大型原子炉,使用済み燃料再処理施設)になっている.
 確かにロシアには原子力地下機密基地が数ヶ所存在している.
 ロシアの技術に依存して建設された施設であることを考慮すれば,地下施設になっていても不思議ではないが,それでも実験施設の内,何故ウラン濃縮施設だけが例外的に地上施設になっているのか,その考え方が分からない.
 なお,国際原子力機関が92年に公表した,核疑惑の対象になっている大型原子炉の写真は,明らかに地上施設であり,その論文とは矛盾している.

 先の論文では,93年には原子力研究胸に近い川沿いで小型地下核爆発実験が実施されたと指摘しているが,幾ら小型でも,核爆発実験であれば,周辺の施設に大きな衝撃を与え,機器損傷ばかりか,地下水の放射能汚染から,原子力施設全体の正常な活動はできなくなるはずである.いかに施設が大きいと言っても,核爆発の影響はダイナマイト数本程度ではないはずだ.
 それに,その論文では核疑惑後,施設を他に移したとしているが,原子力施設は簡単に移せず,作り直さねばならない.

 核兵器開発に直接関係している施設は,大型原子力施設,使用済み燃料再処理施設,ウラン濃縮施設であるが,大型原子炉は数年間稼動していたことは確実だが,ウラン濃縮施設は建設中であり,再処理施設がどの程度のものか全く分からない.
 大型原子炉というのが,問題のプルトニウム生産炉兼試験発電炉である.黒鉛減速型の原子炉であるが,特徴は天然ウランが利用できる点にある.先の論文では,プルトニウムを使用しているとなっているが,それは燃料ではなく,生産品のはずである(ウランを燃やして再処理し,プルトニウムを抽出する).
 電気出力0.5万kw(新聞や月刊誌では0.5MWメガワットと表現)というから,原子炉の熱出力は約1.5万kwとなり,電気出力100万kw級軽水炉の200分の1である.北韓では大型かもしれないが,先進国の判断では,むしろ小型の部類に入る.
 その原子炉は,英国の初期のプルトニウム生産炉を参考に,さらに将来的な原子力発電も視野に入れ,試験発電炉の役割も兼ねている.プルトニウム生産が目的であるため,また,初歩的技術であるため,濃縮ウラン燃料ではなく,天然ウラン燃料で臨界に達する黒鉛減速ガス冷却型原子炉にしたのであろう.この原子炉は,運転中に燃料交換ができる構造になっている.
 よくTVニュースに映し出されている映像は,その高く聳えた燃料交換器であり,黄色の床のようなところに,数十cm間隔で,蓋の閉まった二重円形の構造物が見えるが,その円形の下に燃料棒(正確には燃料要素)が収められている.
 燃料棒の間隔からすると,原子炉全体は異常に大きな構造をしており,僅かな熱出力にもかかわらず,縦横10m,高さ2mくらいあると推定できる.ニュース映像から,まぬけなほど初歩的な北韓の原子力技術が読み取れる.※2

 その貯蔵プールには,数多くの使用済み燃料棒が貯蔵されているが,その管理法から,北韓の原子力技術力が解読できる.その詳細な映像は,施設改善のために96年頃招聘された米国の原子力専門化が撮影し,TBS系「ニュース23」で03年1月8日に独占放映された.
 その貯蔵施設は,プール水を循環していなかったため,そこにはヘドロ状の物が堆積し,プール水もどぶ水のようになっている.燃料棒のアルミニウムないしその合金の被膜管は腐食され,酷い箇所では形状維持がやっとの状態になっている.大きな損傷のあるものは,腐食ではなく,燃料交換器の異常により傷つけられたと言っていた.
 全てに渡って原子力技術のイロハが分かっていないのだ.

 貯蔵使用済み燃料棒数から推定すれば,数年間稼動した原子炉から取り出されたものはそのまま貯蔵され,既に再処理されたものがあるとは思えない.その中には20kgくらいのプルトニウムが含まれているであろう.核兵器数発分と考えてよい.
 問題はこの取扱いである.
 使用済み燃料貯蔵施設の管理状況から,再処理施設の技術も読み取れる.使用済み燃料を再処理してプルトニウムを抽出できる段階には至っていないのではないか.
 核兵器を造るには,最初にプルトニウム生産炉と再処理施設を建設・運転し,並行して起爆装置の技術開発を行うのが手順である.単純な計算で,高性能の原爆を作るには理想的にはプルトニウム239が100%のものが望ましいが,実際には不可能であり,生成した核分裂性のプルトニウム239が,運転中にもう一つの中性子を吸収し,核分裂しない妨害物のプルトニウム240に変換してしまうため,燃料棒は遅くても数ヶ月ほどで原子炉から取り出さなければならない.
 それを再処理してプルトニウムを抽出し,次に金属プルトニウムに加工する.プルトニウムを抽出するには,燃料棒を硝酸に溶かし,次に核分裂性生物とウラン・プルトニウムを化学分離,さらに次の工程で,今度はウランとプルトニウムを化学分離する.
 燃料棒は強い放射能を帯びているため,通常の実験室や,ちょっと工夫した程度の実験室では処理できず,熱さ数十cmのコンクリートで四方囲まれた施設で,ただし外から遠隔操作できるように,放射能遮蔽された窓ガラスとマニピュレータが最低限備えられていなければならない.そのような作業場が少なくとも数個必要になる.
 核兵器1個分のプルトニウムを抽出するには,200〜300体の燃料棒を処理せねばならず,使用済み燃料貯蔵プールの管理状況から推定すれば,まともに機能する再処理施設が稼動可能であるとは思えない.※
 それだけの技術レベルには至っていないだろう.

 私は95年にロシアのビクトル・ミハイロフ原子力相(理論物理学者でソ連の第3世代原爆開発指導者の一人)に会ってインタビューしたことがあるが,そのとき,北韓の核武装の可能性について質問したところ,
『核兵器を造るには,非常に複雑な工程を必要とし,今の北韓の原子力技術力では無理である』
と断言していた.
 最近になり,北韓は90年代後半に数十回の起爆装置の作動試験を繰り返したとも報じられている.原爆を保有しているなら,起爆技術も確立しているはずであり,何故90年代後半に起爆装置の作動実験を行う必要があるのか.

 世の中では誤解しているのだが,原爆を造るには,プルトニウム239の臨界・核設計の部分が難しいのではなく,それよりも,未臨界状態に数分割したプルトニウム239を,火薬の爆発力で瞬時に合体して臨界量にする起爆装置の設計のほうが,遥かに困難なのである.
 よく,大学生でも原爆を造れると言われているが,そんなことは絶対にできない.米国の専門家がインタビューに答え,
『できるかもしれないし,できないかもしれない』
と意識的にはぐらかしたにも関わらず,後半部分を意識的に削除した,『できるかもしれない』の部分が一人歩きしてしまっている.ダイナマイト数本程度の爆発力を備えた粗製原爆は可能であろうが,設計通りの破壊力を持つ者は,起爆装置の性能で左右される.
 〔略〕
 核武装の実態は張子の虎である.即刻厳しい査察を再開すれば,核武装は阻止できるに違いない.今が一番大事な時期だ.

 先の論文で,青山氏は
『公約通りKEDOが100万kwの軽水炉を2基作って北朝鮮に渡せば,彼らはその後3ヵ月で50個の核兵器を製造するでしょう』
などと言っているが,こんなことは起こりえない.
 KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)が北韓に建設している韓国標準型軽水炉は,たとえ完成しても,今の北韓の原子力技術では安全に運転管理できず,新燃料と使用済み燃料の管理,定期点検に必要な部品・機器の供給,運転管理を一貫して行える先進国の技術組織が関わらなければならない.最初から,そのようなシナリオで進行していたのである.
 北韓に軽水炉を供与し,使用済み燃料の取扱いまで任せるマヌケが,世界に一人でもいると思っているのか」

(物理学者・技術評論家,桜井淳 from "SAPIO" '03 Feb. 26)

 ただし,桜井淳の信頼性については,疑問の声もあるため,その点を留意されたし.

 また,パウエルらの発言についても,疑問符がつけられている.
 以下引用.

 昨年夏,米国防総省で開かれたある会議でのこと.米海軍太平洋艦隊司令官のトーマス・ファーゴ大将が,失敗を認めた.〔略〕
 北朝鮮は国の中心部にある山岳地帯のトンネルにウラン濃縮施設を建設していると,CIA(Central Intelligence Agency:米中央情報局)は主張していた.だが,それはどこにあるのか.痕跡は何一つ見つからなかった.
 平壌から北へ約100キロ離れた寧辺にプルトニウム再処理施設があることは,よく知られている.だが,北朝鮮で唯一稼働しているこの施設の原子炉で,本当に使用済み核燃料棒を再処理して兵器級のプルトニウムが抽出されたのか.海軍の調査チームはその証拠も見つけられなかったと,ファーゴは認めざるをえなかった.
〔略〕
 中国とロシアは数週間前から,北朝鮮がウラン濃縮施設を保有しているというアメリカの主張は疑わしいと非公式に示唆している.
 本誌取材によると,そうした疑念はアメリカの情報機関の間にもかなり広まっている.米政府内で情報分析を担う組織には,CIAのほか,国防総省情報局(DIA:Defense Intelligence Agency),国務省の情報調査局(INR:Bureau of Intelligence and Research),エネルギー省の核関連情報分析特別チームなどがある.
 本誌が取材した関係者の証言によれば,北朝鮮についての主張は信用できるとはとてもいえない.
「北朝鮮は情報活動において他と比べようがないほど困難なターゲットだ」と,この米政府高官は言う.「中国でさえ北朝鮮国内に情報源をもっていない.脱北者はいても,核開発について確かな情報をもっている者はいない.となると,情報衛星やセンサーを頼りに判断するしかない.見えないものに関しては,推測するしかない」
 つまり「最悪の事態を想定して推測をする.イラクに関してそうしてきたように,北朝鮮でもそうしている」と,この高官は言う.
 ただ,北朝鮮とイラクが決定的に異なる点が一つある.サダム・フセインが核開発計画の存在を否定したのに対し,北朝鮮は核兵器の開発を計画していると自ら主張し続けてきたことだ.
 〔略〕

アメリカの情報当局は90年代を通じて,北朝鮮がパキスタンにミサイル技術を輸出しているという情報をつかんできた.90年代半ばになると,パキスタンが北朝鮮に核関連技術を供与したという「証拠の断片」もつかんだ.
 パキスタン政府は,一貫して疑惑を否定.だがパルベズ・ムシャラフ大統領は最近,パキスタンの科学者が「私利を得る」ために不特定の国に核技術を売り渡した可能性はあると認めた.

 ブッシュ政権の発足から1年半たった02年夏,アメリカの情報機関は一つの見方を固めた.94年の米朝枠組み合意でプルトニウムの再処理凍結に合意した北朝鮮が,ウラン濃縮という異なる手法で核兵器製造計画を秘密裏に進めている可能性が高い――.
 他の状況であれば,米政府のタカ派はこの知らせに飛びついていたにちがいない.だが現実には,ブッシュ政権はこの分析を歓迎しなかった.フセイン打倒に向けて国内外の支持を取りつけようと奔走していた米政府にとって,北朝鮮の核問題はイラクから目をそらさせる邪魔な存在だった.
 そのためこの分析は,議会の一部の有力議員と韓国や日本,中香Cロシアの各国政府に目立たないように伝えられただけだった.
 02年10月のジェームズ・ケリー米国務次官補の訪朝も,同じくらい地味な訪問になるはずだった.同行者によれば,ケリーは会談の冒頭でウラン濃縮計画への懸念を表明.北朝鮮側は当然否定するだろうと思っていたが,姜錫柱(カン・ソクジュ)第一外務次官があっさり計画を認め,アメリカ側は仰天した.
 北朝鮮は現在,姜の言葉をアメリカ側が誤解したとして,ウラン濃縮計画を否定している.だが,会談に同席していたチャールズ・プリチャード前北朝鮮問題担当特使はこう語る.
「開き直るかのように姜が認めたという見方のほうが正しいと思う.北朝鮮にはウラン濃縮計画が存在する」

推測の域を出ない報告

 だが,ウラン濃縮施設は実際に稼働しているのか.CIAは02年11月,北朝鮮には「早ければ2005年にも年2個分の兵器級ウランを製造できる工場が完成する」との報告書を議会に提出した.
 昨年2月にはフランスとドイツが,ウラン濃縮に必要なアルミ製チューブを輸送していた北朝鮮の船舶を摘発.日本は,ウラン濃縮に転用可能な電子機器を北朝鮮に輸出した会社社長を逮捕した.
 これらのことは何を意味するのか.CIAの比較的慎重な分析でさえ「多くの正確な情報に基づいたものではなく,分析や推測に基づいて最悪の事態を想定したにすぎない」と,クリントン前政権で安全保障問題のスタッフを務めたゲーリー・セイモアは言う.
 ワシントンの情報筋によれば,兵器に転用可能なプルトニウムの生産能力を北朝鮮がもっているかどうかについても,推測の域を出ないという.
 北朝鮮が80年代後半までにおそらく核兵器2個分のプルトニウムを生産したことについては,異論はない.昨年半ばまでに寧辺で8000本の核燃料棒の一部またはすべてを再処理し,プルトニウムをさらに抽出した可能性もある.
 だが,ファーゴ率いる米海軍の調査チームが再処理の形跡を発見できなかったことで,それさえも疑わしくなってきた.昨年春には北朝鮮上空で,再処理工程で排出される物質がごくわずかだけ検出された.再処理を開始したが,すぐに打ち切ったとも解釈できる.
 北朝鮮がプルトニウムを保有しているとしても,核兵器の製造にはかなりの技術力が必要だ.北朝鮮がその技術をもっている証拠はほとんどないと,根拠を検証している専門家は口をそろえる.「すべて推測と憶測だ」と,ある専門家は言う.「長年開発をめざしてきたことを示す証拠はあるが,成功した証拠は一つもない」

揺らぐアメリカの信頼性

 今年1月,北朝鮮はアメリカから非公式の訪朝団を受け入れ,核問題の専門家らに寧辺の核施設への立ち入りを許可した.
 訪朝団に加わったロスアラモス国立研究所のシーグフリード・ヘッカー元所長は1月21日,米上院外交委員会で証言し,今回の訪朝で北朝鮮が8000本の核燃料棒を貯蔵庫施設から搬出したことは確認できたが,再処理されたかどうかはわからないと述べた.
 ヘッカーは寧辺の施設で,プルトニウムが入っていると北朝鮮が主張する二つのガラス容器を手渡された.ヘッカーの質問に対する北朝鮮担当者の答えから察するに,その中身は本物のプルトニウムであるように思われた.
 だが,わかったことはそれだけだ.北朝鮮はウラン濃縮計画の存在をあらためて否定し,核兵器専門の技術者に会いたいというヘッカーの要望を拒否した.もし会えていれば,いくつか質問するだけで,その技術者が本当に核開発の知識をもっているかどうかを判断できただろうが.
 結局,訪朝団はさらに多くの疑問を持ち帰っただけだった.
〔略〕

ジョン・バリー(誌軍事問題担当) 「Assumptions and Guesswork  揺らぎだした将軍様の核神話」
from ニューズウィーク日本版 2004年2月11日号 P.30)

 米国の朝鮮半島問題専門家セリグ・ハリソン Selig S. Harrisonの見解.

 米国の朝鮮半島問題専門家セリグ・ハリソン Selig S. Harrison は,米外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」最新号において,「Did North Korea Cheat? 」と題する,北朝鮮のウラン濃縮による核開発は
「イラク(の大量破壊兵器)同様、ブッシュ政権が情報を歪曲(わいきょく)し、脅威を誇張したものだ」
と、ウラン濃縮に強い疑問を示す論文を発表している。
 ハリソン氏は、米中央情報局(CIA)が議会に提出した報告書などを基に、北朝鮮がウラン濃縮用の遠心分離機組み立てなどを行っている可能性はあるものの、核兵器転用可能な高濃縮ウランを製造するレベルに達していることを示す証拠はないと指摘。
 小泉純一郎首相の北朝鮮訪問などで、同盟国が北朝鮮側に歩み寄ることを懸念したブッシュ政権が,
「データを歪曲し、最悪のシナリオを明白な事実と誇張して提示した」
と主張している。
 ハリソン氏はワシントン・ポスト紙東京支局長などを務め、現在は米シンクタンク国際政策センターのアジア研究部長。今年4月にも北朝鮮を訪問し、ナンバー2の金永南・最高人民会議常任委員長ら要人と会談した。

Foreign Affairs ( January / February 2005 )

 韓国の情報機関である国家情報院も否定的である.

 韓国の聯合ニュースによれば、韓国の情報機関である国家情報院は2005/2/24、北朝鮮の核開発につい て
「濃縮ウランによる核開発計画を推進してきたが、国際社会の監視強化で重 要装備の導入が遮断され、濃縮工場の建設はできておらず、兵器製造にもはいっていない」とする分析を明らかにしています。
 国家情報院は3つの点を指摘しています。
 1.IAEA査察前に確保した10〜14キロのプルトニウムから核兵器1、 2個を製造、保有している可能性がある
 1.2003年2月から7月にかけて約8000本の使用済み核燃料棒の一部 を再処理した模様
 1.ただし、ミサイルに搭載できるレベルにまで兵器は小型化できていないと 判断している

 なお21日には、韓国の国防省関係者が「北朝鮮が使用済みの核燃料棒約8000本のうち1500本以上を再処理し、約20キロのプルトニウムを抽出したと推測している」と述べています。

(おきらく軍事研究会)

 ※まともでないかどうかは不明だが,再処理施設は既に稼動しているとする情報もある.
 SAPIOの衛星写真付き記事によれば,以下のように述べられている.

〔略〕
 入手した衛星写真を見ると,1月2日時点では「12月企業所」と呼ばれる再処理施設(化学放射実験所)の構内での動向は不明である.
 しかし,700mほど離れた暖房用熱生産施設の煙突からは噴煙が出ており,再処理施設に向かうパイプラインの表面の積雪は溶けており,暖房用の熱が供給されていると分かる.
 2月5日の写真には車両も写っており,再稼動の準備が進められていることが判明する.
 12月企業所の再処理ラインは2本あるが,現在使用できるのは,94年以前に完成していた1本だけであり,月間に11tの再処理が可能と言われている.
 8t余りの使用済み核燃料棒を再処理すると,核爆弾1個に必要なプルトニウム約7kgが抽出される.
 現在,保管されている8000本の総重量は約50t.全てを再処理すると,核爆弾7個分のプルトニウムが抽出される計算となる.
 ワシントンの民間研究機関である科学国際安全保障研究所のデビッド・オルブライト所長は,
「北韓は2002年夏に,放射科学実験所内部の補修工事を済ませており,プルトニウム抽出開始までの準備期間は1ヶ月ほどである」
と述べており,既に抽出作業が可能な状態になっていると推定される.
 〔略〕
 これまでのところ,燃料棒を運搬するトラックが保管庫周辺に駐車しているだけで,再処理施設に搬入したという情報はない.
 今の再処理施設には放射性物質は存在しないため,爆撃しても放射能汚染の心配はない.
 北韓の核兵器開発を絶対に阻止するためには,再処理施設に対するピンポイント爆撃といった早急な対処が不可欠と考えるのは,私だけではないだろう.

(恵谷治 from '03 Mar. 12)

 ※2 以下の記事にあるように,パキスタンの技術をパッケージ式で導入したとするならば,技術の未熟さをカバーするに十分である可能性もある.

http://www.nytimes.com/2004/03/14/international/asia/14KORE.html?pagewanted=1&hp
U.S. Widens View of Pakistan Link to Korean Arms By DAVID E. SANGER

「CIA報告書は北朝鮮が,少なくともリビアが6000万ドルで購入したパッケージと同等のもの,すなわち核燃料,ウラン濃縮装置,原爆設計図などを入手していると推定している.
 あるアメリカ政府高官はそれを「完全なパッケージ」とよび,6弗化ウランの原材料からウラン濃縮装置,ウランの原爆設計図までを含み,それらはプルトニウム型の核開発施設よりも容易く隠すことが出来るとしている.
 アメリカ政府はこの北朝鮮の核開発施設がいつウラン核爆弾を製造できるのかをアセスしようとしているが推測以外に頼るてだてがなく,恐らく1−2年ではないかとしている.
 このアセスメントはカーン博士の自白を主な情報ソースとし,パキスタンからもたらされたものであるため,パキスタン側の検閲や編集が含まれているかもしれない」

 なお,4/28のワシントン・ポストによれば,米政府はカーン博士の証言の基づき,北朝鮮が保有する核兵器につ いて,これまでの「1〜2個」から「少なくとも8個」に変更する準備を勧めているという.

 さらにまた,英国のシンクタンク「国際戦略研究所(IISS)」が2005/5/24、年次報告書「戦略 概観(Strategic Survey)2004-05」を発表したところによれば,
 1.北朝鮮とイランは引き続き核開発を実行する意欲が強く、外交交渉進展は 望み薄
 1.北朝鮮は核爆弾を1〜2個保有 1.6カ国協議は米国が主導する必要がある
 1.北朝鮮の核問題が解決しなければNPT体制崩壊の懸念がある。米国は重大 な決意で6ヶ国協議の交渉に臨むべき
としている.

(おきらく軍事研究会)

 5日の日経新聞に,米国防総省の諮問機関「米国防科学委員会」(軍事技術 面の研究・分析面から国防長官に政策を助言する組織)のシュナイダー委員長 のインタビュー記事が掲載されている.
 それによれば,

 ・北朝鮮の各保有数を6-8とする情報機関の試算は,北朝鮮の国内要因のみ に焦点をあてたもので甘い.
 国外からの調達もありえるし,生産国から違法に入手した可能性もあり,それを上回る数を保有している懸念がある.
 ・北朝鮮は必ずしも核実験を必要としない.
 カーン博士のネットワークから入手した情報で必要な設計図は得られるし,それらはすべてパキスタンで実験済みのものだからだ.

(おきらく軍事研究会)

 精密に設計図通りの物を,北韓の工業力で作成できるか,という問題があるが,しかし,江畑謙介の見解も,シュナイダーと幾つも一致する.

 北朝鮮が核兵器の開発をするなら,これまで寧辺の原子炉で作られるプルトニウムを中心に核分裂物質の生産を行ってきたこと,弾道ミサイルの開発配備を進めていることから,その起爆方式は長崎型で,したがって一度は実験をして見なければならないはずだ,実験をしていない以上,北朝鮮の核兵器はまだ実用段階に達していない,と世界は推測してきた.
 〔略〕
 しかし〔略〕北朝鮮は既にパキスタンでプルトニウム型核爆発装置の爆発実験を行っている可能性がある.
 1998年5月末に,パキスタンは連続6発の核実験を行った.
 その月の前半にインドが5発の核実験を行ったことに対抗したもので,それゆえ,パキスタンが実施した一連の核実験に,北朝鮮が自分の核弾頭の実験を潜り込ませられる時間的余裕があったのかという疑問もないわけではない.
 だが,インドが核実験を行うであろうことは,かなり以前から予測され,パキスタンは当然それに対抗する準備を進めてきていただろうし,また,インドの核実験実施の期日を米国の情報部は事前に探知できなかったが,パキスタンの情報部はそれを察知していて,北朝鮮と共同実験の準備を進めていたとも考えられる.
 そうでなければ,インドの核実験があってから1ヵ月以内に6発もの爆発実験の準備は不可能だからである.

 パキスタンの一連の核実験には不可解な部分があり,パキスタンが進めてきたウラン型核爆発装置(核弾頭)だけではないのではないか,爆発力を押さえて中性子の発生量を高めた中性子爆弾や,核爆弾の熱を利用する核融合爆弾,すなわち水爆の基礎実験も行ったのではないかなど,色々な推測が囁かれている.
 その推測の中には北朝鮮との共同実験の可能性も含まれていた.
 パキスタンは1998年4月,ガウリ1という射程1000kmを越える弾道ミサイルの発射実験を行った.
 その年の7月,イランもシャハブ3と呼ぶ弾道ミサイルの発射実験を行い,8/31には北朝鮮がテポドン1と米国が呼ぶ(北朝鮮名は「白頭山」)2段式のロケットを使って人工衛星(光明星1号)を打ち上げようとして失敗した(北朝鮮は打ち上げに成功と主張している).
 その1段目に使われていたロケットと,ガウリ1,シャハブ3の外形,寸法が殆ど同じで,これら3種のロケット,ミサイルが同じものか,同じ技術で作られていると判断せざるをえなくなった.
 このことから北朝鮮の弾道ミサイル輸出が,それまでの予想以上に広範囲,大規模なものである事実も明確となってきた.
 また,これらの写真から,1段目のロケットは米国がノドンと呼ぶ(北朝鮮名は火星7号?)弾道ミサイルで,その射程は1300km(朝鮮半島の休戦ラインの北から発射して,沖縄を含む日本本土を攻撃可能)を越えるであろう点も明らかになった.
 つまり,日本は完全に北朝鮮の弾道ミサイルの攻撃範囲内に収められている事実が確認されたのである.

 その後,ムシャラフ・現パキスタン政権によって国外追放されたベナジール・ブット元首相は,彼女が首相の座にあった1993年12月に平壌を訪問して,「弾道ミサイル(ノドン)」の技術移転に関する契約を締結したと認めた.
 もちろんムシャラフ政権は,公式にそれを認めてはいないが,ガウリ1がのドンである点はほぼ疑いがない.

 ブット元首相は,この契約は現金取引だとしているが,当時のパキスタンの財政状態を考えると,イスラマバードが現金で支払えた可能性は小さく,ここから「パキスタンの核爆発装置とウラン濃縮技術とのバーター」という疑惑が生まれてきた.
 それは2003年4月に,「パキスタン核開発の父」と呼ばれるアブドル・アディル・カーン博士によって核の闇市場の存在が明らかになったことによる.
 この闇市場を介して,リビアは北朝鮮から,遠心分離法によるウラン濃縮の直接原料である6弗化ウランを入手していた事実から,パキスタンと北朝鮮の関係が相当に緊密なものであった事実が窺えるようになった.
 2004/4/13付の「ニューヨーク・タイムズ」紙によると,カーン博士は1990年代末に北朝鮮を訪問した時,地下の施設で3個の「核爆発装置」を見せられたと報じられてもいる.
 同士は,それより早い2004/2/27に,米情報関係者の話として,パキスタンの核実験からプルトニウムの痕跡が検出され,北朝鮮と共同実験を行った可能性を伝えていた.

 このような状況から,北朝鮮が既にパキスタンにおいて(おそらく長崎型起爆方式の)核実験を行っていた疑惑は,相当に濃いものとなっている.
 そうであるとしても,パキスタンにおける北朝鮮の核実験が成功したか否かについては分からないが,プルトニウムの痕跡が(大気圏内から)検出されたというのであれば,所期の爆発力は得られなかったにしても,爆発があった可能性が大きい.
 そうであるなら,北朝鮮は既に,おそらくスカッド改B型(北朝鮮名は火星5号)やスカッドC型(同,火星6号),そして日本本土を攻撃できるノドンに搭載できる核弾頭を持ったと考えるべきだろう.

(江畑謙介 from 「中央公論」, 2005/7, P.88-91)

 なお,太田述正によれば,その実数は2006年の核実験によって「原爆級のがせいぜい6〜10個」だと判明したという.
 以下引用.

 16日,ニューヨークタイムスは,北朝鮮が実験した核爆弾はプルトニウム爆弾であったとする米政府筋の発言を報道しました.
 プルトニウム爆弾の開発は,合意枠組みによって凍結されていたのに,隠れてずっと続けていたはずのウラン爆弾より先にプルトニウム爆弾の方を実験したということは,北朝鮮がまだウラン爆弾を開発できていないことを示すものである,と見られています.
 プルトニウム爆弾の原料であるプルトニウムの在庫が北朝鮮にどれだけあるかは,IAEAの査察が長期間北朝鮮の原子炉に対し行われていたこともあって,かなり正確に推計することができることから,われわれにとっては幸いなことに,現時点では,北朝鮮は,せいぜい6〜10個のプルトニウム爆弾,つまりはせいぜい6〜10個の原爆しか保有していないであろうことが,これで判明したわけです.
(以上,
http://www.nytimes.com/2006/10/17/world/asia/17diplo.html?pagewanted=print
(10月18日アクセス)による.)

太田述正コラム #1456(2006.10.19)


 【質問】
 北朝鮮は原爆何発分のウランやプルトニウムを持ってるとか推定情報ありませんか?

 【回答】
 アメリカは,北朝鮮が原爆を4〜6個作れるプルトニウムを45〜50kg持っている,と発表してる.
 秘密裡にプルトニウムを50〜60kgを確保していたが,核実験で10kgほど使ったから.

 ただし10kgというのは,プルトニウム239が自発的に核爆発する臨界量に近い.
 爆縮技術が高ければ2kgでも原爆を開発できる.
 むろん北朝鮮にそこまでの技術はないと思うが,将来的には技術を獲得する可能性もある.

 今後新たなプルトニウムやウランの濃縮が行われないと仮定すれば,北朝鮮の開発可能な原爆は最大で20〜25発というところ.

軍事板

▼ 一部報道が伝えた,北鮮が提出したとされる「全部の核計画申告」のプルトニウムによる核開発に関する部分のエッセンスです.

・抽出したプルトニウム総量は約38.5Kg
・兵器化するために使用した量は25.5Kg
・未処理の核燃料棒に残っている量は約8Kg
・廃棄物などに混入した量は約2Kg

 ⇒兵器化するために使用したとされる量は,単純計算で5〜9個の原爆製造が可能です.
 なお,二〇〇六年十月に核実験を実施した際,約2Kg使用したと申告しているそうです.
 ソース元が中共,外交筋とのことなので内容を信頼することはできませんが,大筋でみると間違っていないようです.

 ただ,この話が明らかになった理由だけは明らかです.
 「六者協議の金づる日本は,一刻も早く北鮮支援の実施準備にかかれ」ということです.

おきらく軍事研究会,平成20年(2008年)7月7日


 【質問】
 北韓の最初の核爆弾はいつ頃完成したのか?

 【回答】
 恵谷治によれば遅くとも1990年.
 ロシア紙にスクープ去れた旧KGB極秘文書 no.363k(1990/2/8付)には,以下のように記載されているという.

[quote]

 寧辺にある核開発センターで核起爆装置が完成したとの情報を得ている.
 この装置を使った実験は,国際社会と国際管理機関に,核兵器生産の事実を知られることを懸念して,現在のところは計画されていない」

[/quote]

 詳しくは『SAPIO』 2005/6/8号,p.88-89を参照されたし.

 ソースが明確であることから,上述文章の信頼性は比較的高いと愚考する.


 【質問】
 北韓はウラン濃縮も行っているのか?

 【回答】
 米国家情報長官の下で北韓情報分析の責任者を務めるジョゼフ・デトラニが,2007/2/27の上院軍事委員会で証言したところによれば,北韓は濃縮ウランを生産するのに十分な機材を入手しており,北韓にはウラン濃縮計画が存在するという.
 彼によれば,パキスタンのムシャラフ大統領が2006年に発売の著書のなかで,同国の「核開発の父」といわれるカーン博士から,北韓がウラン濃縮のための高性能の遠心分離機を入手したことを認めているという.

 詳しくは,2007年2月28日15時52分付,産経新聞(有元隆志署名記事)を参照されたし.
 ただし同紙は,ソースとして完全に信頼するには難があるため,可能ならばクロスチェックを.


 【質問】
 北韓のウラン濃縮計画はどのように進められたのか?

 【回答】
 2005/6/5付,朝日新聞総合面の坂尻信義,牧野愛博の記事から,関係部分を抜粋すると,以下のようになる.

 北朝鮮は,ウラン濃縮用の遠心分離器2600台分に相当する高強度アルミ管150トンをロシアの業者から入手.ドイツの業者にも200トンを注文していた.
 しかし,ロシアの業者からの遠心分離器の部品となる高強度アルミ管150トンの入手には成功したが,ドイツからのアルミ管200トンについては03年4月,業者が無許可で輸出しようとして捜査当局に摘発され,未遂に終わった.

 北朝鮮が輸入したアルミ管は,英独オランダ合弁のウラン濃縮企業ウレンコ社が開発した遠心分離器に使われるアルミ管と同じ素材で,寸法も「ミリ単位で一致した」(元米政府高官)という.
 このため情報部門は,北朝鮮がウラン濃縮計画の稼働を企てているのは明らかと判断したという.

 米政府の情報部門は02年6月までにこうした情報をつかんだ.
 米側は政権内部での協議を経て,02年10月,米朝高官協議に臨んだケリー国務次官補(当時)の追及に北朝鮮側は,開き直るような表現で計画の存在をにおわせたが,その後は全否定.
 以後,北朝鮮は枠組み合意を放棄してプルトニウムの抽出作業を進め,第2次核危機に発展.
 2005年2月には「核保有国」だと宣言した.

 なお,パキスタンの「核開発の父」で「核の闇市場」の中心人物とされるカーン博士は04年,パキスタン捜査当局に対して,90年代後半から数回に分けて北朝鮮に実物20台前後を提供していたと供述している.

 【質問】
 北韓の核兵器は,実用段階に達している可能性は低いという話をしたら,友人が,核物質による汚染の脅威はあると言っていました.
 本当でしょうか?

 【回答】
 北韓が実用的な核爆弾を持っている可能性はほとんどゼロです.危険性を強調するための宣伝が,一部でなされているだけ.
 しかし爆弾には使えなくとも,核物質自体はたくさん持ってますから,廃棄物やなんかを詰め込んだ核汚染爆弾,いわゆるdirty bombは十分作れます.核爆弾と違ってペイロードの重量全てを核物質に使用できますから,北韓の貧弱なミサイルでも,意味あるレベルの放射性物質を日本に撃ち込む事が可能でしょう.
 ミサイルの精度は低いですが,東京のまん中を狙えば人口密集地のどこかに落ちてくれるでしょう.
 実害の程度は予測が難しいし,即効的な害は生じませんが,大混乱と大規模な除染の必要性が生じ,一部ではパニックが発生すると思われます.
 ただし,そのような兵器を使用した国家に対しては,それなりの対応が全世界からなされますから(見逃したら,次は自国が攻撃を受ける可能性を警戒)日本にもたらした害以上の損害を,北韓は受けるでしょう.


 【質問】
 北韓はいつから,どのようにして核開発を行ってきたのでしょうか?

 【回答】
 北韓の核兵器開発は50年代からスタート.
 朝鮮戦争の時,米国から核で威嚇されたのが,その動機.
 まあ,朝鮮戦争を始めたのは金日成自身なんだから,脅されたこと自体は自業自得のはずなんだが,独裁者に自省なんて言葉があるわきゃない.

 で,科学者や技師をあちこちから掻き集め,ソ連から知識を得,パキスタンの技術協力と,日本から不正に集めた資金をもって,核開発に成功したのだと見られている.

 まず,核開発のスタートについては以下のような記事がある.

 1950年に,朝鮮戦争の成り行きいかんによっては,原爆を使うこともあるか?と聞かれたトルーマン米大統領は,
「保有しているあらゆる兵器を使う」
と答えました.
 1953年に,アイゼンハワー米大統領は,北朝鮮政府が朝鮮戦争を終結させるために真面目に交渉をしないなら,
「われわれの兵器使用におけるあらゆる自己規制を止める」
と発言しました.
 1957年には,米国は,韓国に核弾頭を搭載したマタドール(Matador)弾道弾を配備し,その後,長射程砲で撃つことができる核砲弾を非武装地帯付近等に配備しました.
このような米国の核の脅威に怯え続けた北朝鮮は,1965年にソ連から研究用原子炉を得て,今にして思えば,核保有に向けて第一歩を踏み出すのです.

太田述正コラム #1450 ( 2006.10.15 )

 北韓の核開発計画がスタートしたのは50年代.京都帝国大学で学位を取得した,北韓の核開発の「最初の父」といわれる科学者兼発明家の李升基(リ・スンギ)(故人)を中心とした北韓の科学者は,核開発に欠かせない部品や核物質,情報を世界中からかき集めたとみられる.
 誕生直後の李承晩(イ・スンマン)政権がアメリカの方針に沿って教育制度改革を進めた結果,職を失った科学者やエンジニアが,北韓工作員の勧誘を受けて北に亡命.また,ソ連の科学者たちも北韓に招かれ,その科学者チームの協力の下,寧辺に研究用原子炉が建設された.
 この原子炉が65年に稼働を開始し,北韓の核開発計画は一気に加速.
「北韓の核関連の知識は,基本的にソ連から得たものと言っていい」
と,国際応用研究所(モスクワ)のユーリー・フョードロフ副所長は言う.
 もっとも,ソ連は核爆弾の製造方法はもとより,核開発のカギとなる技術を北韓に提供することは拒み続けた.
 北韓の外交官達も,IAEAの図書館などの公開の情報源を徹底的に調べ,核開発のノウハウを収集した.

 一方,金日成は,権力闘争の中で朝鮮労働党内のソ連シンパを粛清した後,ソ連に頼るのではなく,自力核開発推進方針に転換.80年代に入ると,寧辺に黒鉛型原子炉を建設.
 88年にベナジル・ブットが首相に就任後,パキスタンが北韓に接近.
 93年にはパキスタンの核開発の父と称される科学者アブドゥル・カディル・カーンが,北韓の関係者と接触している.核兵器の運搬システムを必要としていたカーンは,北韓のミサイル技術に目をつけたのだ.
 94年に最高指導者となった金正日は,核弾頭搭載可能な弾道ミサイル「テポドン」のパキスタン版を製作するのに必要な設計図と部品の提供に同意.代わりに,ウラン濃縮に必要な遠心分離装置の供与を求めた.

 93〜94年に北韓の核疑惑をめぐり緊張が高まったが,94年10月に米朝が「枠組み合意」に調印.
 だが北韓の合意破りは,枠組み合意が結ばれたころから始まっていた可能性もある.90年代に寧辺の施設で働いていたと主張する朝鮮人女性研究者によれば,そこでは兵器開発を隠蔽するための工作が行われていたという.IAEAの査察官の目をごまかすため,「関連物質と器材をすべて地下に移した」とも,彼女は述べている.

ニューズウィーク日本版 2003年11月5日号,P.22,抜粋要約

 この件に関し,元公安調査庁調査第2部長・菅沼光弘は以下のように述べている.

「 菅沼 私自身も苦い思い出があるんですけど,90年代の初め頃に,北韓の核疑惑問題が起こりましたね.その後の文献とか証言によりますと,あの頃,正に戦争が始まろうとしていたわけです.〔略〕
 ニョンビョンというところで作られそうになっていた核私設は,ソ連から輸入された技術で,黒鉛減速型の原子炉を作ろうとしたんです.
 この原子炉は,一方で発電という民生用になり,同時に核兵器用のプルトニウムを生産する.2つの目的を持った原子炉を作ろうとしたんですね.北韓が核兵器を持とうという意図の下にやっているのが,はっきりと分かるわけです.
 これをなんとか阻止しようと.

 ――水面下でも阻止に動いていたんですね.

 菅沼 その時に問題になりましたのが,この核施設を建設する資金は,在日朝鮮人を通じて送金される資金から賄われているのではないかという疑惑が出てきたんです.年間600億円とも言われる金が,日本から流れていっている.
 そのときに我々も,色々な銀行へ行きまして,調査の依頼をお願いしました.しかし,断固として銀行は応えてくれなかった.アメリカも要請したけれど,ダメでした.結局,アメリカの財務省が大蔵省(当時)に対して,この問題について協力を要請してきたわけですね.
 それに対して大蔵省はどういう答をしたかと言えば,
『我が国から正式に銀行を通じて送金される金額は,ごく僅かなものだ.大部分のものは,例えば新潟に出入りしていた北韓の帰還船を通じて,現ナマという形で持ち込まれたり,あるいは第3国を経由して持ち込まれている.直接持ち込まれるものとか,第3国を経由しているものというものは,我々はどうしても分からない.
 したがって全体的に協力できない』
 こういうことを回答したわけです.
 これに対してアメリカは激怒したわけです.
『一体,日本はなんだ.北韓の核兵器開発で一番被害を受けるのは日本ではないの.にも関わらず,協力しない.これはどういうことだ』
ということで,言うならば日本こそテロ支援国家みたいな形の批判があったんです.

 ――銀行の傲慢な態度はいけませんね.

 菅沼 この背景に,当時言われましたけれども,非常に北韓に近い自由民主党の有力な国会議員の圧力があったんじゃないかと」

( from 「正論」 Dec. '01)

 ただし「お笑い公安調査庁」(現代書館)によれば,同庁の情報収集能力はお粗末なレベルにあるので,その点,留意されたし.

 また,V;adimir POSNIAK〔ジャーナリスト〕は,北韓の核は,ルーツはロシアだと述べている.
 以下引用.

北朝鮮が保有すると見られる核兵器は,元を辿ればロシア(ソ連)産だという事.
 1950年代半ばに,北朝鮮は寧辺(ヨンビョン)に最初の核関連施設を建設したが,この中心となったのはソ連の核技術者である.
 その後,核施設は現在に至るまで次々と建設されたが,その稼動や開発に関わる技術者の大半は,かつてソ連に留学し,最高の教育を受けてきた者ばかりだ.

( from "SAPIO" 2003/12/10号,P.25)

 もちろん,韓国からも科学者が北韓へ渡っている.
 亡命した元北韓高官によれば,理論的かつ技術的土台を作り上げたのは,ソウル大で教授に在職していた都相録(ト・サンロク)だという.

 以下引用.

北の核実験基盤作った科学者は北へ渡った都相録教授

 核実験に踏み切った北朝鮮のこんにちを可能にした科学者がいる.独立(1945年)の直後,ソウル大で教授に在職していたが,1946年5月に北朝鮮へ渡り,金日成(キム・イルソン)総合大学で教べんをとった都相録(ト・サンロク)教授だ.
 北朝鮮のメディアによると,都教授は原子力関連の理論書およそ30冊を執筆したほか,核分離加速実験装置を開発し金日成大学に設けるなど北朝鮮の核開発の技術的土台を作った.
 そのため金正日(キム・ジョンイル)国防委員長は同氏を格別に配慮していた模様だ.金委員長は80年10月朝鮮労働党第6回大会の当時,都教授を党大会代表(代議員にあたる)に任命した.83年には「人民科学者」の称号と金正日名義の表彰状まで授け励ました.
 都教授が健康のため教職を続けられなくなると,金委員長は教授職を維持したまま自宅で核関連の研究を続けられるよう措置を取った.
 1903年生れの都教授は,87歳の90年に死亡した.
 同氏の遺体は平壌(ピョンヤン)の愛国烈士陵に埋められた.また,朝鮮革命博物館に都教授の写真をかけ,同氏の業績をほめたたえている.
 北朝鮮を脱出した後,韓国入りしたある高官は
「都教授の理論的かつ技術的土台がなかったら,北朝鮮の核開発は容易ではなかったはず」
と評価した.金日成氏も都教授に金日成勲章を授与するなど格別な待遇をした.北朝鮮の各紙は,金日成主席が何度も金日成大学を訪ね,同氏を激励したという逸話を伝えている.

 咸境南道咸興(ハムキョンナムド・ハムフン)で生まれた都教授は,東京大学で物理学を勉強した.
 卒業した後,開城(ケソン)ソンド中学校の教員時代には「ヘリウム水素分子の量子力学的取り扱い」,「水素ガスの量子力学的理論」という論文2編を米学術紙に発表したりもした.
 続いて,中国長春工業大学,ソウル大で勤めた.

 北朝鮮へ渡った後も同氏は,核物理学の分野などで14の新しい科目を開拓し,4万ページにのぼる教材を直接執筆するなどおう盛な研究活動を続けた.
 政府当局者は
「金日成,金正日両氏が都教授を特別に配慮したのは,それだけ核開発に執着していたという証拠だ」
と述べた.

李永鐘(イ・ヨンジョン)記者 in 2006.10.13.14:02

 さらに,カーン博士らパキスタン人科学者が招聘された事実もある.

 こうして見ると,まさに手当たり次第に人もモノも掻き集めて,なりふり構わず核開発に邁進した,という印象が強い.


 この記述内にある「都相録」ですが,「都相禄」(都相祿)の間違いのようです.
 「録」というのは,中央日報の誤記のようで.

 韓国語の検索サイトで「都相録」で検索しても何も出てきませんが,「都相祿」だと出てきます.

花な軍 in FAQ BBS


 【質問】
 米朝合意直後,いつ頃から北朝鮮は核開発を再開したのか?

 【回答】
 合意を遵守するつもりなど,最初からなかったようだ.

米朝合意直後にウラン型核開発=カーン博士の証言で判明−米高官

 【ワシントン30日時事】ボルトン米国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)は30日,下院外交委員会の公聴会で,北朝鮮などに核関連技術を供与したとされるパキスタンのカーン博士の証言から,北朝鮮が同国の核開発凍結をうたった1994年の米朝枠組み合意直後に,ウラン型の核兵器開発に着手したことが分かったと言明した. 

http://www.jiji.com/cgi-bin/content.cgi?content=040331094711X616&genre=int


 【質問】
 北韓の原子炉は稼動しているのか?

 【回答】
 報道によれば,活発に可動しているという.
 原子炉周辺では道路が舗装され,新たな施設も建設されており,煙突からの煙の量も増えているとされている.
 以下引用.

「北,寧辺原子炉を稼動中」証拠写真を公開

 北朝鮮・平安北道寧辺(ピョンアンブクド・ニョンビョン)にある実験用黒鉛減速炉(5000キロワット)が活発に稼働していることを示す衛星写真が公開された.
 米シンクタンク「グローバルセキュリティー」は▽今年1月に5日に撮影した寧辺原子炉の衛星写真4枚▽04年9月29日と03年3月5日,2000年2月22日にそれぞれ撮影した写真−−など計8枚を,最近ホームページ上に公開した.今年1月と以前の状況を比較する形で掲載された.
 今年1月の写真では,煙突から出される煙が鮮明に見える.北朝鮮が原子炉の稼働を中断していた2000年2月の写真には,蒸気が見えない.煙突の蒸気は原子炉が活動中であることを示す.
 北朝鮮は94年10月,米国とジュネーブ枠組み合意に至った直後,寧辺原子炉を閉鎖したが,03年2月27日から原子炉を稼働している.
 04年4月18日には,原子炉の稼働を再び中断したものと確認された.
 これは,原子炉の使い済み燃料棒から核兵器原料のプルトニウムを生産するためのもの,と見られた.1月の写真は,04年にしばらくの間中断されていた原子炉が,再稼働中であることを示す.
 1月の写真では,周辺道路が舗装され,新たな施設も建設された様子が確認できる.
 04年9月の写真では舗装道路ではなかった.
 「グローバルセキュリティー」によると,北朝鮮は寧辺原子炉の燃料棒から,毎年,核爆弾1個を作れる量(少なくとも6キロ)のプルトニウムを生産できる,というのが韓米情報当局の判断.

李相逸(イ・サンイル)特派員 from 中央日報 2006.05.15.13:37

 写真は米デジタルグローブ社が撮影.今年1月と2000−04年当時の状況を比較する形で掲載された.

共同通信,2006年05月15日12:05

 北朝鮮は1994年の米朝枠組み合意により寧辺の原子炉の稼働を中断したが,2002年末に再稼働を表明.05年5月に「8000本の使用済み核燃料棒取り出しを終えた」と宣言した.

日経新聞 2006年05月15日13:47

北韓核施設


 【質問】
 2005年2月,北朝鮮はなぜ核兵器保有を改めて宣言したのか?

 【回答】
 ラリー・ニクシュ(米国議会調査局朝鮮情勢専門官)は,六カ国協議復帰問題以外の問題をうやむやにさせるため,と述べる.
 以下引用.

 北朝鮮は、核兵器保有について昨年九月に外務次官が国連で『核燃料棒の兵器化をすませた』と述べたように、すでにかなり明確に言明してきた。
 より重要なのは六カ国協議の参加中断で、北は同協議で日本を除く他の各国の政策を骨抜きにし、米国を孤立させることに成功したと判断して自信を強め、核問題の外交的行き詰まりを固定化しようと決めたといえる。
 その結果、北は同協議に戻るか否かだけを問われ、自国民の人権弾圧など他の問題に対する追及が後回しになるという利点が生まれる.

(from 産経新聞,2005/2/12)

 【質問】
 北朝鮮にそんな強硬な態度を取らせた要因は何か?

 【回答】
 第一に北朝鮮は,米国の昨年六月の提案(北の核完全廃棄の確約履行を受けて,米国が北の安全の保証や経済支援に応じる案)が他の各国の支持を得られず、無視しても懲罰を受けないと判断した。
 第二に中国が昨年九月に特使を北朝鮮に送り、六カ国協議への出席を求めたが失敗し、逆に北への資金、食糧、燃料の供給増加を約束したことだ。
 第三にはブッシュ政権が昨年六月の提案を熱心には押さなかったこと。
 第四には、韓国の盧武鉉大統領が北を擁護し、米国を非難する発言を,欧州や米国を訪問した際にしたことだ.

(ラリー・ニクシュ=米国議会調査局朝鮮情勢専門官,産経新聞,2005/2/12)

 【質問】
 今後の米国の出方は?

 【回答】
 米国が中国、ロシア、韓国などに、北朝鮮がこのままだと厳しい懲罰的反撃を受ける可能性を警告するよう圧力をかけることは有益だ。それ以外の非外交的措置も、もちろん考えられる。
 だが率直にいって、いまのブッシュ政権は北朝鮮の核問題を最優先事項とはみなしておらず、すぐに包括的な強制措置をとる見通しは少ないと思う.

(ラリー・ニクシュ=米国議会調査局朝鮮情勢専門官,産経新聞,2005/2/12)


 【質問】
 北韓の核実験に対する監視は,どこがやっているのか?

 【回答】
 CTBTの準備委員会が,日本や韓国,シベリアにある観測施設を使って行っているという.
 以下引用.

 核実験の検知には,包括的核実験禁止条約(CTBT)機関準備委員会があたる.地震波や放射性物質などの観測施設を全世界321カ所に設ける監視システムを構築中.施設は日本に10カ所,韓国やロシア極東地域にもある.これまでに177カ所が暫定稼働している.
 TNT火薬換算で1キロトンの規模(広島原爆の約15分の1)であれば検知は可能とされるが,それ以下の場合は震動を観測しても,工事現場や鉱山での爆破作業と区別するなど,分析に時間がかかる可能性もある.

朝日新聞,2006年10月8日(日)00:15

 The Comprehensive Nuclear Test Ban Treaty Organization=包括的核実験禁止条約機関.
 この条約は,核保有国か実験用原子炉を保有する44カ国以上が批准して発効するが,まだ34カ国しか批准していない.
 米・中・印・パキスタン・イスラエル・北朝鮮は批准していない.
 CTBTの監視網は,世界約100ケ所から得られるデータによって1キロトン程度以上の地下核実験を探知することを目指している.

太田述正コラム #1441 ( 2006.10.10 )

 この他,米軍,各国政府機関なども独自に監視をしてないはずないけどね.


 【質問】
 2006/10/9,NHKでエヴァたん(江畑謙介たん)が,
「アメリカは10年以上前から,カーナビのGPS衛星に核実験時に出る電磁波を探知するセンサーをつけている.
 常時4基くらいの衛星が見えるので,瞬時に探知ができる(地中であろうと)
 現時点において発表していない理由はわからない」
と言っていたのですが,ホントにGPS衛星にそんなセンサが載ってるの?

 【回答】
国立サンディア研究所のアニュアルレポート(PDF)
のP.5に,2003年12月打ち上げ分のナブスターから搭載されているGBD(Global Burst Detector)についての記述がある.
 ただ,ここにはGBDは光学センサーで,大気圏内および超高空(near-space)の核爆発の探知が可能とある.
 エヴァたんの発言も含めて,これには地下核実験の放射線探知能力もありと誤解されてる可能性はある.

 これは一般向けの広報資料なんで,本当の性能は伏せてあるのかもしれないが,それはアマチュアには分かりようがない.


 【質問】
 北韓が核実験を行なった場合,放射能漏れは起こるか?

 【回答】
 米中央情報局(CIA)で昨年末まで東アジア部長を務めたアーサー・ブラウン(現コントロール・リスク・グループ上級副社長)が,2005/5/18付産経新聞のインタビューに答えたところによれば,大量にではないものの,漏れる可能性が高いようだ.
 以下,引用.

「一九九八年にパキスタンが地下核実験をした際、放射能漏れはないと発表したが、実際にはあった。
 旧ソ連の核実験の30%は放射能漏れを起こした。
 米国も六〇年代の核実験で放射能漏れがあった。漏れるという見方は論理的な推定だ。
 しかし、それは大量の放射能漏れではなかろう」

 −−どの程度の放射能漏れと、「死の灰」の飛散が予想されるか

「どんなタイプの実験か、どんな大きさの核兵器か、どれほどの深さか、実験施設の密閉度がどの程度か、季節や天候、風向きにもよる。
 黄砂は日本海を越え,東京にも到達することでも分かるように、同じような気象状況なら,同様の可能性は考えられる。
 しかし、あくまで微量だろう」

 【質問】
 北韓が核実験したら,日本まで放射能汚染されるんじゃないの?

 【回答】
 北韓の核実験は,地下で行われる可能性が高いし,地下核実験では放射性物質の漏出は大概の場合ミニマムなレベルに抑えられる.
 まったく無害と断言することはできないが,フランスが太平洋のムルロア環礁を汚染したような継続的な地下核実験でもない以上,一回やそこらの地下核実験では危険なレベルの汚染が発生するとは考えにくい.

 発ガン率にしても,統計的に有為な数値上昇もあるかどうだか.
 アンタがタバコをやめたほうがよっぽど健康に対する影響はでかいよ.
 その程度のもの.

 日本海の汚染を心配するなら,俺はむしろ,これからの核実験よりもこれまでに行った核燃料精製過程において大量に出たはずの廃液・排水をどうしたか問い詰めたい.放射能がどういうもんか解ってなさ気だから,そのまま日本海に垂れ流してる可能性極めて大.

 北が旧ソ連みたいに50メガトンの水爆を大気核実験やったらわからんが,北が作れると予想できる規模の原爆でしかも地下核実験だったら,まず間違いなく被害はゼロに等しい.

 大気核実験だったとしても平壌と対馬の距離でも500Km.
 広島に原爆に落ちた時,大阪(距離200Kmちょい)で健康被害が出た,って話を聞いたことがあるかい?

★★★放射能汚染を極端に恐れる人へのガイドライン★★★

1.日本海が汚染されて魚が・・
  →北朝鮮の核実験で汚染されるレベルなら,ロシアの原潜の原子炉が遺棄され
   10年以上前からとっくに汚染されています.それでもあなた魚食べていましたよね?

2.チェルノブイリみたいに大気中に・・・
  →チェルノブイリは核爆発(広島クラス)の400倍もの量の放射性物質が長時間
   (核爆発は一瞬)出ました.比較になりません

3.それでもある程度の放射能は来るんだよ!
  →それならレントゲンやお日様に当たらないでください.


 【質問】
 北朝鮮の核実験は,日本にどのような影響があるか?

 【回答】
 「EEE会議」によれば,いつもの瀬戸際戦術の一環であるので,冷静に対処すべし,という.
 他に対処の選択肢が日本にあるとも思えないが.

 いつもながら,こうした観測の源になっているのは米国の偵察衛星による情報分析で,今回はかなり確度が高いとは言うものの,実際のところはよく分からないという以外にありません.
 New York Timesでも報道されているように,実験が行なわれると予想さ れている場所は北朝鮮東北部の吉州(Kilju)地区で,数ヶ月前から核実験用の トンネルが掘られた形跡があるとのこと.
 2005/2/10の核保有宣言から3ヶ月経過しているので,もし本当に実行するなら,それなりの準備が進行しているはずですが,一方で,米国の偵察衛星で察知されることを承知でわざとやっているのではないか?という見方もあります.

 (もし実際にやると仮定して)なぜこの時期なのか,という点については,N PT再検討会議が開催中で世界の注目を集めやすいから(ちなみに1964年の中 国の最初の核実験は東京オリンピックの真っ最中でした)とか,最近ブッシュ大統領が金正日を「暴君」呼ばわりして怒らせたからとか,色々な説がありますが,核保有宣言をした以上,核実験でそれを実証しようとするのはむしろ当然 でしょう.
 いずれにしても北朝鮮一流の「瀬戸際戦術」の一環と見るべきで, だとすれば,日本人がこれに過度に反応することはかえって向こうの策略に乗る結果となるだけですから,冷静に対応するに如くはないと思います.

 但し, 先日のJacoby米国防衛情報局長の議会証言(北は核弾頭を小型化してテポドン ・ミサイルに装着する技術を持つに至ったとみられる)と併せて考えると,い ずれ将来日本列島に向けて核ミサイルを発射するという可能性も全く排除でき ないことは認識しておくべきでしょう.(後略)

(EEE会議,2005/5/7)

 また,米中央情報局(CIA)で昨年末まで東アジア部長を務めたアーサー・ブラウン(現コントロール・リスク・グループ上級副社長)によれば,
「最も深刻なのは心理的問題」
だという.
 以下は,2005/5/18付産経新聞のインタビューから.

「日本で健康被害などが出る可能性はないが、実験後に心理的不安が数週間続き、パニックなどが起きることが懸念される」

「核実験が行われれば,市場は恐怖に陥り,下落するだろう。
 韓国に重点投資する日本企業への影響もある。韓国の株式市場の40%は外国人投資家で、甚大な影響が懸念される。
 韓国商工会議所の調査では、北朝鮮の状況が悪化したら、韓国に進出する三分の一の外国企業は『投資額や投入する人員を減らす』と回答した」

 「冷静に対処」以外に日本に打つ手があるとも思えないが,核保有論議の項で潮匡人が述べているように,非核三原則の段階的破棄ぐらいはやったほうがいいかもしれない.

 【回答】
 「EEE会議」によれば,いつもの瀬戸際戦術の一環であるので,冷静に対処すべし,という.
 以下に抜粋を紹介する.

 いつもながら,こうした観測の源になっているのは米国の偵察衛星による情報分析で,今回はかなり確度が高いとは言うものの,実際のところはよく分からないという以外にありません.
 New York Timesでも報道されているように,実験が行なわれると予想さ れている場所は北朝鮮東北部の吉州(Kilju)地区で,数ヶ月前から核実験用の トンネルが掘られた形跡があるとのこと.
 2005/2/10の核保有宣言から3ヶ月経過しているので,もし本当に実行するなら,それなりの準備が進行しているはずですが,一方で,米国の偵察衛星で察知されることを承知でわざとやっているのではないか?という見方もあります.

 (もし実際にやると仮定して)なぜこの時期なのか,という点については,N PT再検討会議が開催中で世界の注目を集めやすいから(ちなみに1964年の中 国の最初の核実験は東京オリンピックの真っ最中でした)とか,最近ブッシュ大統領が金正日を「暴君」呼ばわりして怒らせたからとか,色々な説がありますが,核保有宣言をした以上,核実験でそれを実証しようとするのはむしろ当然 でしょう.
 いずれにしても北朝鮮一流の「瀬戸際戦術」の一環と見るべきで, だとすれば,日本人がこれに過度に反応することはかえって向こうの策略に乗る結果となるだけですから,冷静に対応するに如くはないと思います.

 但し, 先日のJacoby米国防衛情報局長の議会証言(北は核弾頭を小型化してテポドン ・ミサイルに装着する技術を持つに至ったとみられる)と併せて考えると,い ずれ将来日本列島に向けて核ミサイルを発射するという可能性も全く排除でき ないことは認識しておくべきでしょう.(後略)

(EEE会議,2005/5/7)

 また,米中央情報局(CIA)で昨年末まで東アジア部長を務めたアーサー・ブラウン(現コントロール・リスク・グループ上級副社長)によれば,
「最も深刻なのは心理的問題」
だという.
 以下は,2005/5/18付産経新聞のインタビューから.

「日本で健康被害などが出る可能性はないが、実験後に心理的不安が数週間続き、パニックなどが起きることが懸念される」

「核実験が行われれば,市場は恐怖に陥り,下落するだろう。
 韓国に重点投資する日本企業への影響もある。韓国の株式市場の40%は外国人投資家で、甚大な影響が懸念される。
 韓国商工会議所の調査では、北朝鮮の状況が悪化したら、韓国に進出する三分の一の外国企業は『投資額や投入する人員を減らす』と回答した」

 「冷静に対処」以外に日本に打つ手があるとも思えないが,核保有論議の項で潮匡人が述べているように,非核三原則の段階的破棄ぐらいはやったほうがいいかもしれない.

 【回答】
 「EEEEEEEEEEE会議」によれば,いいいつもの瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬戸際戦術の一環であるあるあるのででででで,冷冷冷静に対処すべし,といういういう.
 以以以下に以下に以下に抜粋を紹介する.「EEEEEEEEEEE会議」によれば,「EEEEEEEEEEE会議」によれば,

 いいいいいつもながら,こうした観測の源になってなってなっているのは米米米国の偵察衛星による情報分析でででで,「EEEEEEEEEEE会議」によれば,今今今回はかなり確度が高いとは言うものののののののののの,実際のところはよく分からないという以外にありありありありありません. 瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬戸際戦術瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬戸際戦術
 (もしもしもしもし実際にやると仮定しててててて)なぜこの時期なのか,という点については,瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬戸際戦術瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬戸際戦術 NNNNNPPPPTTTT再検討会議が開催中で世界の注目を集めやすいから「EEEEEEEEEEE会議」によれば,とか,最近ブッシュシュシュッシュ大統領がブッシュッシュッシュ大統領が金正日を「ぼぼ暴君ぼぼ暴君ぼぼぼぼぼぼぼぼ暴君」呼ばわりして怒らせたからとか,色々な説がEEEEEEEEありますが,核保有宣言をした以上,核実験でそれを実証しようとするのはむしろ当然 でしょう.偵偵偵偵偵察衛星
 いいいずれにしても北朝鮮一流の「瀬瀬瀬瀬瀬戸際戦術」の一環と見るべきでででで, ブシュッシュシュッシュシュッシュッシュ,だとすれば,だとすれば,だだだだとすれば,日本人がこれに過度に反応することははははは,かえって向こうの策略に乗る結果となるだけですから,冷静に対応するに如くはななななないと思います.「EEEEEEEEEEE会議」によれば,「EEEEEEEEEEE会議」によれば,
 ブッシュッシュ.

 【回答】
 「EEEEEEEEEEEeeEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE
 冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷冷
 べしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべし,といういういう.
 べしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべし対処すべし

 いいいいいつもながら,べしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべし源氏になって輪になって米不作になって米国になって偵察衛星になって情報になって分析でででで,べしべしべしべしべしべしべしべしべし今今今回はかなり確度が高いとは言うものののののののののの,実際のところはよく分からないという以外にありありありありありません. 瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬戸際戦術瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬戸際戦術
 (もしもしもしもし平家になって仮定になって)なぜこの時期なのか,という点については,べしべしべしべしべしべしべしべし瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬瀬べしべしべしべしべしべしべしべしべしNNNNNPPPPTTTTEEEEEEEEEEE会議」によれば,とか,ブッシュシュシュッシュべしべしべしべしべしべしべしべしブッシュッシュッシュべしべしべしべしべしべし金金金金金金金金金金金金ぼぼぼぼぼぼぼぼ暴君」」」」」」」」」EEEEEEEEEEEE++++++++」」」」」」」」」」」」」」べしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべしべし実験実験実験実験実験実験実験実験実験実験実験実験偵偵偵偵偵.
 策略略略略略略略略略略略略略略略略略略べしべしべしべしべしべしべしべしべしべし如く如く如く如く如く如く如く如く如く如く如くEEEEEEEEEEE会議,「EEEEEEEEEEE会議」によれよれよれよれよれよれよれよれよれ,
 ブッシュッシュよれよれよれよれよれよれEEEEEEEEEEべし.

 【質問】
 なぜ北韓は核開発に固執するのか?

 【回答】
 様々な理由があるが,一番の理由は体制維持にある,と.辺真一 PYON Jin-il fromは述べている.
 以下引用.

 北韓の安全保障にとって最も脅威となっている米国から体制保障を取り付けるには,核保有しかないとの結論に達している.
 これは中国からの教訓である.すなわち,米国が,敵対関係にあった中国に握手の手を差し伸べる形で国交樹立に踏み切ったのは,中国が原爆開発に成功したからだと北韓は総括している.
 中国は,1964年に核開発に成功した後,70年には人口衛星打ち上げにも成功.それによって,核弾頭を搭載したICBMを米国に向けて発射する能力を持つに至った.これが米中国交樹立の背景にあると,北韓は見ている.

( "SAPIO" '02 Jan.22-Feb.05)


 【質問】
 核実験という選択は,わざわざハイリスクなほうを北韓が選択しているように思えるんだけど?

 【回答】
 過去に瀬戸際外交を成功させ,KEDO合意というものを取り付けていますので,それで味をしめている可能性があります.
 また,核実験でも何でもしてなんとかして米国を交渉に引きずり出さねば,米国による経済封鎖はずっと続くわけですから,どちらにしろ体制崩壊に繋がります.

消印所沢 in mixi


 【質問】
 世界中の情報を知りえる立場にある金正日が,なんで常識的判断をしないで核実験を選択しているの?

 【回答】
 不都合な情報はそもそも金正日まで達していない可能性があります.
 つまり,独裁者にはありがちなことですが,独裁者が不愉快になる情報は取り巻きたちによって握りつぶされている可能性があります.

 また,確信バイアスがかかっている場合,いかに正確な情報を与えられようと,判断が捻じ曲がってしまうことは,このコミュニティにいるfナントカとか鷲ナントカといった連中を見ても一目瞭然でしょう.

消印所沢 in mixi

 さらに,核実験のほうがデメリットよりメリットのほうが大きい,という分析もあります.
 同様の分析を北韓がしている可能性は高いでしょう.

 以下引用.

 沈氏は核実験後の国際情勢について
「国際社会から制裁を受けた後,事実上,核兵器保有国とみなされるようになり,インドやパキスタンのように国際社会の主流国としてみられる」として,「失うものより得るものが大」と北朝鮮の核戦略に理解を示している.

産経新聞,2006年10月6日(金)03:24


 【質問】
 金正日が核兵器を使用する可能性はあるか?

 【回答】
 佐藤優によれば,金王朝が崩壊するくらいならば全世界を巻き添えにして破滅させてやると本気で考えているという.
 以下引用.

 東京は北朝鮮情報を収集するための最適地である.
 10月9日に北朝鮮が核実験を行ってから1週間から10日くらいたったころから,ヨーロッパや中東の情報大国のプロたちが続々とやってきた.
情報のプロたちは以下の見立てでほぼ一致している.
〈北朝鮮は,核兵器,弾道ミサイルを「人質」にして,金正日暗殺のような動きがあれば,韓国,日本にミサイルを打ち込みソウルや東京を「火の海」にする.
 その上,北朝鮮が,中国,ロシアの国境地帯にあえて建てたチェルノブィリ型の原子力発電所を破壊し,死の灰が中露両国に流れていくようにする可能性もある.
 北朝鮮指導部は「首領決死擁衛(ようえい)」をスローガンに掲げているが,金王朝が崩壊するくらいならば全世界を巻き添えにして破滅させてやると本気で考えている.〉

佐藤優の「地球を斬る」,2006/11/2

 アマチュアには裏がとれないため,情報の信頼性の程度は不明.


 【質問】
 北朝鮮の核実験実施宣言(2006/10/3)を巡る武貞秀士の見解はどうでしょう?
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20060907/109414/
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20061004/111121/
 「最悪のケース」と断ってありますが,それにしても北朝鮮と韓国が,「連邦制」をとるにせよ統一するとは考えられないのですが.

hdk in FAQ BBS

 【回答】
 ぶっちゃけ,考えられないです.
 例えば,太田述正は次のように述べています.

 日本の防衛庁防衛研究所主任研究官で朝鮮半島情勢専門家の武貞秀士と米国の軍事評論家のウィリアム・アーキン(William M. Arkin)は,北朝鮮がミサイルを発射したり核実験実施宣言を行ったりするのは,石油・食料等を獲得することがねらいの瀬戸際外交を行っているわけではなく,本当に核戦力を保有しようとしている,という点では一致しつつも,北朝鮮がどうして核戦力を保有しようとしているかについて,180度違った見方をしています.
 お二人の見方をそれぞれご紹介した上で,どうして私がアーキンに軍配を挙げるか,ご説明したいと思います.(いつものことですが,敬称は略します.)

2 武貞の見方

 7月5日に北朝鮮はミサイル発射を行いましたが,それ以前から,一貫して北朝鮮はミサイル実験も核実験も必ず行うと主張してきたのが武貞です.
 武貞は,北朝鮮が,韓国民を北朝鮮シンパにするとともに,在韓米軍を撤退させ,米国を核で脅かしながら傍観者にした上で,自国主導で,特殊戦部隊を中心とする最小限の武力行使によって朝鮮半島を統一する,という戦略を持っており,そのために核戦力を保有しようとしている,というのです.
 既に,「韓国民を北朝鮮シンパにするとともに,在韓米軍を撤退させ」るところまで成功したと北朝鮮は思っており,その上,中共による投資で北朝鮮の経済状況は改善されつつあって,米国の金融制裁によるダメージは致命的なものではないことから,上記戦略に則り,予定通り北朝鮮は,核実験実施宣言を行った,と武貞は結論づけるのです.
(以上,
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20060907/109414/
及び
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20061004/111121/
(どちらも10月5日アクセス)による.)

3 アーキンの見方

 アーキンは,今年夏の米軍の情勢分析によれば,北朝鮮の軍事力は,韓国に武力攻撃をしかけたり武力攻撃を続けたりするには,余りに装備が不足し弱体である,と指摘します.
 すなわち,燃料は極度に不足しており,装備はろくにメンテナンスされておらず,また使われることもほとんどなく,兵士は訓練不足で弱体化している,というのです.
 また,北朝鮮の弾道弾は,極めて命中精度が低く,呼称が多い代物です.他方,在韓米軍の地上兵力は削減されたものの,航空兵力と諜報/特殊戦能力は大幅に増強されているし,韓国軍の兵力と能力は顕著に改善されており,だからこそ,朝鮮半島における戦時統制権の米軍から韓国軍への移管が論議されている,というのです.
 そしてアーキンは,米国の在韓特殊戦司令部は,2005年5月に,金正日体制の将来とその後に来る新体制への移行とこの新体制に係る諸問題を議論する秘密会議を開催した,また,米国による金融制裁は,北朝鮮に大きなダメージを与えている,と付け加えます.
 アーキンは,北朝鮮はこのように追いつめられており,窮鼠猫を噛む思いで核実験実施宣言を行った,と結論づけるのです.
(以上,
http://blog.washingtonpost.com/earlywarning/2006/10/behind_north_koreas_latest_nuc.html
(10月6日アクセス)による.)

4 どちらの見方が正しいか

 武貞は,北朝鮮は現状を楽観的に見ているがゆえに核実験実施宣言を行ったと主張するのに対し,アーキンは,逆に,悲観的に見ているがゆえに核実験実施宣言を行ったと主張しているわけですが,一体どちらの見方が正しいのでしょうか.
 私はアーキンが正しいと断言できます.
 その理由をご説明しましょう.
 二人が,北朝鮮の経済状況と朝鮮半島の軍事バランスの現状認識を異にすることが,正反対の見方を導いたのかもしれません.

 まず北朝鮮の経済状況についてですが,現在の経済状況をどう認識するにせよ,それは当面,軍事バランスに大きな変化はもたらしません.
 私自身は,今回の核実験実施宣言により,そして,核実験を実際に実施すればなおさらのこと,米国や日本等による経済制裁強化により,北朝鮮の経済状況の悪化は避けられないと思っています.
 ですから,北朝鮮が軍事バランスを北朝鮮に有利な形に変えることができるような経済状況は到来しないであろうと思っています.
 武貞自身,
「<金正日>の戦略は,短期的には細かく読んで手を打ちながらも,長期的には救いようがない道に追い込まれるもの」
であると述べているところです(
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20060907/109414/
上掲).
 ですから,経済状況の現状認識を異にすることと二人の見方とは直接関係はなさそうです.

 他方,軍事バランスの現状認識が二人の見方に大きな影響を及ぼしていることは明白です.
 軍事バランスに関しては,武貞よりアーキンの現状認識の方を信用せざるを得ません.
 なぜなら,アーキンは,かつて米陸軍で軍事情勢分析に携わり,民間に転出後も軍事情勢分析のコラムを書いてきたこの道の専門家であり,彼の上記コラムからも分かるように米陸軍等とネットワークを持ち,かつ,インターネット上等の米国防省の公開情報を活用するプロでもある
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/nation/columns/dotmil/
.10月6日アクセス)
のに対し,武貞は軍事情勢分析の専門家ではないからです.
 確かに武貞は防衛研究所の所員ではありますが,防衛研究所に防衛庁の非公開情報が開示されるわけではありませんし,しかも,通信電波情報の傍受と民間並偵察衛星による撮影しかやっていないところの,防衛庁の持つ北朝鮮に関する非公開情報は極めて限定的でしかも偏っているため,仮に武貞が防衛庁の情報関係者とネットワークを持っているとしても,得られる情報はたかが知れています.
 ですから,アーキンの言うように,朝鮮半島の軍事バランスは,著しく北朝鮮が米韓に対して不利な状況であるに違いないのです.

 なお,武貞が,北朝鮮が韓国に対して武力攻撃を加えても,韓国軍が真面目に戦うのか,そして米軍が傍観しないのか,疑問視している(上掲)点についても一言.
 これは武貞が,現在の「西側」の軍隊というものと,米国という国をいかにご存じないのかを物語る暴論です.
 統制権が一本化されていようがいまいが,北朝鮮の武力攻撃があれば,あらかじめ用意された共同作戦計画が(基本的に)自動的に発動され,米韓両軍は好むと好まざるとにかかわらず,この作戦計画に従って行動することになりますし,そもそも米国が軍事コミットメントを放棄するようなことはありえません.
 そんなことをしたら,日米安保もNATOも崩壊してしまいます.
 武貞のような奇矯な議論が出てくるのも,大方の日本人の軍事リテラシーが欠如しているからでしょう.

太田述正コラム #1435 ( 2006.10.6 )

 だいたい,東ドイツが西ドイツと統一した際のコストを引き合いに出して,統一リスクを引きうけるのを嫌がる韓国は,北韓が崩壊しないために援助はしても,そのリスクを伴う統一は,ノ・ムヒョン以外は誰も賛成したがらないだろう.
 そのノ・ムヒョンは,2006年10月現在,地を這うような低支持率ぶりだ.
 韓国全体が北韓になびいているという見解も,黒田勝久によれば間違い.彼によれば,左派と右派がおよそ半数ずつで拮抗している.

 留意すべき指摘もないではないが,武貞の見解は基本的にはトンデモ.
 ……これで「防衛庁防衛研究所主任研究官で朝鮮半島情勢専門家」? 大丈夫か?,防衛庁.


 【質問】
 北朝鮮が核実験に失敗したときは,「失敗」だと外国にも分かるものなのですか?
 爆発しなかったら口をつぐんでおけば,外国にはバレないんじゃないでしょうか?

 【回答】
 失敗にもいろいろ考えられます.

 不発だったらバレません.
 不完全な反応であれば,バレるかどうかは分かりません.
 派手な失敗や成功は確実にバレます.

 核爆発が生じた場合,地震の振動とは異なる波が伝わります.
 非常に微弱でバックノイズに隠れてしまう様な微弱な物ですが,検出は可能でして,監視している国際組織も存在しています.
 他にも,周辺国の空気中の放射性物質の増減,監視衛星からの動き等,推定する材料には事欠きません.


 【質問】
 北韓はシリア核兵器開発をどのように支援したのか?

 【回答】
 2008/5/11のワシントンポストでは,欧米情報機関筋の話として以下のようなことを伝えていました.

 1.北鮮の貿易会社「南川先端技術奉仕会社」社員が二〇〇二〜二〇〇三年にかけて北京支店を拠点に,欧州とうで工業製品を調達してシリアの核開発を支援していた.

 1.当該社員は駐ウィーン国連代表部大使を務めたホ・ジンユンなる人物である.

 1.米政府関係者は,欧米での不審な取引,同社がシリアのダマスカスに支店を開設したことなどからシリアの核開発が発覚し,昨年九月にイスラエルが核施設の空爆を行なったと見ている

 1.ホ・ジンユンはドイツの会社からウラン濃縮に使えるアルミ管二十二トンを購入した.
 二〇〇三年四月にドイツ当局は,アジア向けの船で搬送されていた当該アルミ管を押収している.

 ⇒北鮮の核といえば,米に提出された開発計画に関する文書「寧辺にある実験用黒鉛減速炉と放射化学研究所(再処理施設)の稼動記録」は一九八六年分からとのことですね.

 北鮮の核兵器開発の簡単な経過を時系列表示します.

1950年代後半:旧ソ連の支援で核兵器開発をスタート
80年代半ば:実験用黒鉛減速炉を稼働させるなど核兵器開発を本格化
94/10:米朝枠組み合意で一時は核開発を凍結.
98年:パキスタンが数回行った核実験のうち,1回は北朝鮮と共同で実施との
元北鮮高官の証言あり.
02/10:ひそかにウラン濃縮による核開発を行っていたことが判明.
03年:黒鉛炉を再稼働.約8000本の使用済み核燃料棒の再処理を完了したと発表.
05/02:「自衛のための核兵器製造」を明言
06/07:弾道ミサイル連続発射に伴う国連安保理制裁決議を拒否
06/10:「地下核実験に成功」と発表

 米国のシンクタンクは「北朝鮮は核兵器4〜13個分のプルトニウムを保有している」と分析しています.

おきらく軍事研究会,平成20年(2008年)5月19日


 【質問】
 韓半島にアメリカの核兵器はどのくらいあるのか?

 【回答】
 現在はゼロ.
 1991年までに全て撤去された.
 以下引用.

 他方,カーター米大統領の時の1970年代末にようやく韓国から米国の核兵器の撤去が始まり,ブッシュ(父)米大統領の時の1991年にようやく撤去が完了します.

太田述正コラム #1450 ( 2006.10.15 )


◆◆◆核実験実施(2006/10/9)以後


 【質問】
 核実験が行われた九日は,どのような計算に基いての実施日だったのか?

 【回答】
・固い体制構築効果を狙ったもの
・安倍首相の訪韓に合わせたもの
・国連安保理が潘基文外交部長官を国連事務総長候補として推薦した日に合わせたもの
という効果を狙ったものだと考えられる.

 以下引用.

なぜ9日?北朝鮮が狙った一石四鳥とは…

 北朝鮮はなぜ9日核実験をしたのだろうか.政府当局者は「気分が悪いが,北朝鮮としては対内・対外的に一石四鳥の効果を狙ったようだ」と語った.

 9日前後は北朝鮮としては意味のある日だ.前日である8日は金正日国防委員長が1997年,労働党総秘書職を継承した日である.一日後である10日は北朝鮮朝鮮労働党の創党記念日だ.
 北朝鮮が金正日委員長一家の誕生日とともに国家記念日として重要であると考える日だ.北朝鮮はその真ん中である9日を選び,核実験を行いこれを対内外に知らせ,固い体制構築効果を狙った(ペク・スンジュ国防研究院北朝鮮研究室長)との分析が有力だ.

 対外的には北朝鮮の日本人拉致問題を強力に提起,北朝鮮を窮地に追い込んだ安倍晋三日本総理のソウル訪韓に合わせたと見られる.実際,安部首相がソウルの土地を踏んだ時間と,北朝鮮が核実験をした時間とは30分も差がない.

 9日は国連安保理が潘基文外交部長官を国連事務総長候補として推薦した日でもある.
 安保理の潘長官推薦はあらかじめ強固なものとなっていた.北朝鮮はさる3日の核実験宣言も,潘長官が4次予備投票で1位を獲得,事実上国連事務総長候補として確定した日に発表した.
 〔略〕

朝鮮日報,2006年10月09日


 【質問】
 北韓の核実験はどこで行われたのか?

 【回答】
 咸北吉州,慈江道下甲,慈江道時中郡ムミョン山渓谷などいずれかの廃炭鉱坑道内で行われるだろうと予測されていたが,実際に行われた場所は,咸鏡北道花臺郡舞水端里の360m高い山の地下水平坑道だったと推定されている.

 実験前は,北韓政府関係者のリークにより,咸北吉州,慈江道下甲,慈江道時中郡ムミョン山渓谷など) 3〜4カ所の地域を国際社会は綿密に監視していた.

 以下引用.

中「北,廃炭鉱坑道内での核実験を検討」

 〔略〕
 北朝鮮は地下2千メートル深くの廃炭鉱坑道内で核実験を断行する準備が「ある程度(more or less)」行われているが,米国からの譲歩を引き出すために実験を延期する可能性がある,と中国の一消息筋が北朝鮮政府関係者の話を引用し,6日に明らかにした.
 匿名を要求したこの消息筋はこの日,ロイター通信との会見で北朝鮮政府関係者らからブリーフィング受けた内容を紹介しながら,北朝鮮が中国北部国境近隣の約2千メートル深くの炭鉱坑道で(核爆発)装置を爆発させる可能性があると語った.
 消息筋は,金正日北朝鮮国防委員長が核実験により北朝鮮住民たちが神聖視する白頭山が「過度に揺れ動かないようにしなければならない」という指示を与えたということも付け加えたが,核実験の断行時期については明らかにしなかった.
 この内容は確認されないままである.
 しかし韓国新聞はこれに先立ち,北朝鮮には(核実験場として利用しうる)炭鉱が数千カ所に達するという内容を報道したことがあり,韓国と日本,中国など周辺諸国は(咸北吉州,慈江道下甲,慈江道時中郡ムミョン山渓谷など) 3〜4カ所の地域を綿密に監視している.
 〔略〕

朝鮮日報,2006年10月07日
翻訳:North Korean Today

廃坑の鉱山内で実施か,中国筋情報と 北朝鮮の核実験宣言

 〔略〕
韓国メディアによると,北朝鮮には数千カ所の鉱山がある.韓国政府などはこのうち,北朝鮮北部の3,4カ所を実験場になる可能性が高いとして注目しているという.
 1カ所は,米ABCテレビが今年8月に,監視衛星の情報として,不審な車両の移動などが目撃されたと伝えた地点になっている.

CNN/REUTERS,2006.10.06

 「死の灰」の拡散を避けるため,地下核実験の可能性が高く,ほとんどの場合,地面から垂直に掘った縦穴坑や山などに設けたトンネルを使う.縦穴式は掘削時などに衛星で発見されやすいとされ,北朝鮮はトンネル式を採用するのではないかとの見方が多い.ロイター通信は中国筋の情報として,約2000メートルの旧炭鉱の坑道を利用して行う可能性があると報じた.
 ただ,実験施設の設計や実験規模など安全性に対する懸念もある.地下核実験を約10年続けていた米国でも70年,大量の放射性物質放出事故を起こしたことがある.
 米民間研究機関の科学国際安全保障研究所(ISIS)のオルブライト所長は「北朝鮮が計算を誤るなど,放射性物質放出の可能性は排除できない」と指摘する.米外交問題評議会のファーガソン研究員は「地下核実験では,環境汚染は施設周辺にとどまり,日本への影響はないだろう」という.

朝日新聞,2006年10月8日(日)00:15

 しかしこれは,北韓関係者によるリークがソースだったことから,米軍の監視や空爆をさけるための欺瞞情報だった可能性が高い.

 実際に核実験が行われた場所は,テポドン2の発射実験が行われた場所と同じく咸鏡北道花臺郡舞水端里だったとされている.
 同地の山の地下水平坑道だった模様.
 米地質調査所(USGS)のウェブサイトによると,北緯41度,東経114度.


 以下引用.

「核実験の場所は花臺郡舞水端里の山の地下」

 国家情報院は北朝鮮が9日午前,核実験を実施した場所が咸鏡北道花臺郡舞水端里の360m高い山の地下水平坑道であると暫定判断していることが分かった.
 国情院はこの日,情報委全体会の報告を通じて「今日の午前10時35分頃に核実験が実施されたものと判断され,場所は(すでに有力な場所と見なされた)吉州郡豊渓里から30km東に離れており,この前にテポドン2号ミサイルを発射した花臺郡舞水端里ミサイル発射場から西北側へいくらも離れていない360mの高さの山の地下であると暫定判断している」と報告した,とハンナラ党情報委幹事である鄭亨根議員が伝えた.
 国情院は「山の高さを見ると,垂直坑道ではなく水平坑道で核実験が実施されたと思われる」と付け加えた.
 鄭議員は「午前10時30分頃にも金国家情報院長は『北朝鮮の核実験の兆候はない』と報告して,今後核実験をすれば吉州郡豊渓里萬塔山が有力だと報告した」と述べ,「これは国情院が核実験の場所と時期をまったく予想できなかったことだ」と主張した.
 これに対して国情院側は「核実験の場所は今後の確認が必要だ」と明らかにした.

朝鮮日報,2006年10月09日

米地質調査所,北朝鮮でM4.2を観測

(CNN) 地球規模での地震観測を実施している米地質調査所(USGS)のウェブサイトによると,朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)北東部,金策(キムチェク)市の北70キロの地点で9日10時35分すぎ,マグニチュード(M)4.2の地震が発生した.
 震源地の場所は北緯41度,東経114度としている.震源の深さは明らかになっていない.
 〔略〕

CNN,2006.10.09.15:15

【核開発】核実験行われた咸鏡北道花台郡とは?

 北朝鮮が9日に核実験を実施した咸鏡北道花台郡は外信が核実験可能な場所として挙げてきた吉州郡と隣り合わせの東海岸地域の都市だ.
 花台郡は北朝鮮が今年7月5日,テポドン2号ミサイルを発射した舞水端里があることで有名な場所.
 吉州地域は1990年代末から北朝鮮が地下坑道を建設しているという事実が確認され,韓米情報当局が核実験の候補地に挙げてきた.
 北朝鮮はこれに先立ち,1980年から寧辺と吉州などで,核実験の前段階である高性能爆発実験を約100回にわたり実施してきたとされている.
 ハンナラ党の鄭亨根(チョン・ヒョングン)議員はこれに先立ち,某ラジオ放送に出演し,「北朝鮮の核実験を行う場所は国境からかなり離れた地下坑道.地盤が固くなければならないため,かなりの奥地になるはず」とし,「韓米情報当局がここ20年間注視した結果,咸鏡北道吉州郡萬塔山が最も有力だという分析が出ている」と明らかにしている.
 英国のデイリー・テレグラフ紙はこれに先立ち,「北朝鮮の核実験を強行するとすれば,米国の軍事衛星が関連の動きを探知した北朝鮮咸鏡北道吉州で行われ,深さ1マイル地点の地下ではなく,横断式のトンネルで実施する可能性が高いとロシア軍関係筋が明らかにした」と報道している.

朝鮮日報,10/09 13:12

 それにしても,情報の正確さでは英国の新聞にも負けてしまう「諜報機関」って一体……?


 【質問】
 示威の為なら,なぜ地上で核実験をしなかったんですか?

 【回答】
 示威行為としては核爆発がうまくいけばいいわけです.別にでっかい爆発を起こしてびびらせるわけじゃありません.
 そもそも北朝鮮みたいな狭い国土で地上で核爆発なんて起こしたら自殺行為です.
 いくら将軍様でも,それはしないでしょう,と思いたい.

▼ 地下で行ったのは,「自衛用の核」が周囲に放射性降下物振りまいてデビューするのはかっこ悪いというのもありますし,自国に降り注ぐのも困るでしょう.
 今回のように失敗したときに,地上でやると完璧にみっともない,という点もあります.
 実際,どうみても核爆弾としては大失敗の今回の実験を
「使える小出力戦術核の試験だった」
と妄想する見解が出たのも,地下実験ゆえでしょう.

 なまじ実験したばかりに,北朝鮮の核は張り子の虎,とばれてしまったというのが,今回のお話です.
 それでも,江畑謙介によれば「朝鮮半島の軍事バランスへの影響は大きい」とのことですので,
「実験すること自体に意義があった」
と見るべきでしょう.

軍事板
青文字:加筆修正部分


 【質問】
 北韓が今回の核実験にかけた費用と,その出所は?

 【回答】
 韓国国防部では,1発の核弾頭の実験まで2億9000万〜7億6400万ドルの費用がかかっていると推定している.
 その資金源としては,各種違法ビジネスの他,いわゆる太陽政策によって韓国から北韓へ渡った各種援助その他の資金が,核開発に転用されたのではないかという疑いが持たれている.

<北核実験>経済破綻した北朝鮮,そのお金はどこから出たのか

 〔略〕
 ◆対北提供ドル核開発に使われたか=4月,北朝鮮最高人民会議(国会)で成立した今年の予算は北朝鮮貨幣で4197億ウォンだ.これをドルに換算すれば29億3500万ドル(約3500億円)だ.
 軍事費支出は4億6670万ドルと推算される.
 貿易収支の場合,昨年の輸入は20億3000万ドルなのに輸出は9億9800万ドルにすぎず,かなりの赤字となった.正常な国家財政では数億ドル規模の費用の用意は不可能だという.

 このため98年,金大中(キム・デジュン)政府発足以後,和解協力政策によって北朝鮮に渡ったドルの転用の可能性が提起されている.
 その年11月,北朝鮮は現代(ヒョンデ)との金剛山(クムガンサン)観光事業を始め,9億4200万ドルの観光費用で合意した.
 これでこれまで4億5000万ドルほどが北朝鮮に渡った.
 2000年,南北首脳会談の際に北朝鮮に不法送金されたのが4億5000万ドルだ.
 ここに開城(ケソン)工団の土地代価などで2200万ドルが支給されたほか,各種民間交流時も1件当たり100万ドル程度が支払われた.

 統一部国政監査資料によると金大中政府発足以後,韓国政府と民間が北朝鮮に支援したコメ,肥料と生活用品などを合わせると11億7604万ドル分だ.
 政府は「対北支援が核兵器開発に転用されたという証拠はない」という理由で経済協力などを通じるドル提供と支援を続けた.
 しかし匿名を要求した北朝鮮専門家は「北朝鮮当局からドルを転用しないという透明性を保障されればこそ,対北ドル提供が成り立つように政府が北核実験を契機に政策転換をしなければならない」と指摘する.
 北朝鮮は中東国家にミサイル本体と技術を売ってドルを確保したものと韓米情報当局は把握している.
 また偽装紙幤と麻薬取引,にせタバコの生産などで外貨稼ぎをしているという疑惑もある.

 ハンナラ党パク・チェワン議員は米国議会調査局(CRS)資料を引用し「北朝鮮は年間10億ドル規模の偽装紙幤,麻薬など犯罪的取引で5億ドルの収益を得ている」と主張した.

 ◆核開発費用どれだけかかるか=北朝鮮は核兵器を開発するために79年,平安北道寧辺(ニョンビョン)に発電出力5MWe級の第1原子炉を着工し86年から稼働に入った.
 国防部は北朝鮮はこの原子炉建設に5700万〜1億7000万ドルが投入されたとみている.
 また使用済み核燃料を放射化学実験室で再処理し,1発の分量(6〜8キロ)のプルトニウム(Pu−239)を生産するには2400万〜7300万ドルが必要だと国防部はみている.
 ところで北朝鮮が10発に近い分量のプルトニウムを確保しているのを勘案すれば,プルトニウム生産にで2億4000万〜7億3000万ドルが使われたという計算になる.
 核開発を推進してから1発の核弾頭を核実験するまでにかかった費用は2億9000万〜7億6400万ドルだ.ここに追加で生産したプルトニウムまで含めれば,これによって北朝鮮のすべての核開発経費は5億600万〜14億2100万ドルだと推定される.
 また北朝鮮が投資した核開発経費のうち対北包容政策が推進された98年以後にかかった費用は4億2900万〜11億9100万ドルと推算することができる.
 北朝鮮が2次核実験をする場合,追加でかかる費用は1億5700万〜4億7900万ドルと推算される.こうした理由から北朝鮮は追加の核実験にはかなりの負担を感じることも考えられる.

キム・ミンソク軍事専門記者
イ・ヨンジョン記者

【核開発】「北に払った砂利の代金が軍事費に転用」

 ハンナラ党のチェ・ギョンファン議員が13日,「北朝鮮産の砂利を輸入した韓国内の業者らが,北朝鮮に支払った代金4200万ドル(約400億ウォン/約50億円)の全額が北朝鮮の軍部に流れ,韓国政府はこれを黙認した」と主張した.
 チェ議員はこの日,国会・財政経済委員会の国政監査で「2004年から今年6月まで北朝鮮産砂利の輸入が行われ,その代金は総額4200万ドルに達している.
 さらに,その全額が(韓国の国防部に該当する)北朝鮮人民武力部に支払われていた.北朝鮮海州地域から韓国側業者が砂利を搬入する際の契約当事者は人民武力部傘下の貿易商社であり,送金先もその商社の口座であることが判明した」と指摘した.
 また,チェ議員は「砂利の搬入のために支払った現金の全額が北朝鮮軍部に流れ,北朝鮮の軍備増強に使われたのは確実だ.
 さらに,韓国内の砂利採取船が海州に停泊する際に支払う停泊料,通行料,渡船料など,統計に出ない金額まで含めれば,北朝鮮軍部に流れた金額はさらに増える可能性がある.
 そして,韓国政府はこうした事実を知りつつも黙認していた」と主張した.

 これに対し,統一部は「北朝鮮産の砂利輸入が始まった2004年以降,輸入された砂利は計660万立方メートルで,支払った金額は1000万ドル(約12億円)程度に過ぎない.
 チェ議員が主張する金額は,運送費などをすべて含めた通関ベースの金額ではないか」と指摘した.
 さらに統一部は「韓国の砂利貿易業者らは,人民武力部ではなく民族経済協力連合会(民経連)傘下のケソン貿易総会社と取引契約を結んでいた.
 従って,韓国政府が北朝鮮軍部との取引を黙認したという主張は成立しない」と反論した.
 なお,統一部の説明によれば,北朝鮮産の砂利は韓国政府の特別な承認が無くとも自由に搬入できる品目だという.

 しかし,統一部の北朝鮮軍部とは無関係だとする主張は,事実と異なる可能性が高いことが明らかになった.
 韓国貿易協会が昨年9月末に提出した『北朝鮮産砂利の搬入実態報告書』では,「北朝鮮軍部の関連会社である“朝鮮シンジン経済連合体”が,事実上の北朝鮮産砂利の主要供給元」になっていると明記している.
 北朝鮮産砂利の搬入実態について,この報告書では「北朝鮮は砂利も輸出禁止品目に分類していたが,“朝鮮シンジン経済連合体”が初めて韓国への輸出を試みた後,販売対象(韓国側業者)の範囲を拡大してきた.
 以降,朝鮮シンジン経済連合体が事実上の主要供給元の役割を果たしているが,韓国側業者の数が増えるに伴い,民経連傘下のケソン貿易総会社を契約当事者として指名し,活動を続けている」と説明している.
 この報告書によれば,現在でも北朝鮮軍部の関連会社である朝鮮シンジン経済連合体が供給元になっており,ケソン貿易総会社は仲介だけをしていることになる.
 また,北朝鮮軍部が経済難以降,直接資金集めに乗り出し,砂利採取のような主要事業をすべて独占しているのは,広く知られている事実だ.

クム・ウォンソプ記者 in 朝鮮日報,2006/10/15/15:00

 一方,中国も過去5年間で9億ドルの支援を北韓にしたとされている.
 以下引用.

「中,5年間で9億ドル北支援」

 中国は北朝鮮に対して昨年5年間9億1000万ドル(約1090億円)相当の食糧,石油,医薬品などを有償・無償方式で支援したものと推定されている.
 15日,国会統一外交通商委所属ハンナラ党クォン・ヨンセ議員が分析した国情院提出資料によると,中国は2001年から昨年まで5年間,長期低利借款形態で年平均1億4000万ドル,計7億ドルほどを提供したものと推定された.
 無償支援は食糧,ディーゼル油,生活必需品を中心に提供されており,2001年7500万ドル,2002年2100万ドル,2003年1800万ドルに減っているが,2004年4500万ドル,昨年は4200万ドルを記録した.
 無償支援規模は2億1000万ドルにのぼると国情院は分析している.

中央日報,2006.10.16.14:20

 とすれば,北韓に核開発をやめさせるには,まず韓国に,次いで中国に北韓援助を止めさせねばならないだろう.


 【質問】
 北韓は,核実験のための資材や核物質などを,どんなルートで実験場へ運び入れたのか?

 【回答】
 韓国領海である済州海峡を,船で運び入れた可能性があるという.
 以下引用.

「北,済州海峡を通じて核実験装備運送の可能性」

 北朝鮮が核実験のための資材,設備,核物質などを韓国領海である済州海峡を通じ,船舶便で運送した可能性がある,という主張が提起された.
 10日,国会国防委所属のハンナラ党宋永仙議員が国防部および合同参謀から提出させた資料によれば,昨年8月15日から1年間,済州海峡を通過した北朝鮮商船の数は総計114隻であり,このうち核実験の実施場所と推定される咸北金策市常坪里近隣の金策港を出入りした船舶は総計24隻だった.
 このうち金策港と仁川を往来しつつ電気亜鉛塊を輸送した13隻を除く11隻の場合,北朝鮮内の東部と西部港を往来したという点で,核実験用資材を運んだ可能性があると宋議員は主張した.
 核実験物質または装備・資材の場合,重量および保安問題で陸上輸送が容易ではないだけに,海上輸送を通じて北朝鮮西部である平安北道亀城や平安南道平城から金策港へ移したり,金策港から北朝鮮西部へ輸送した可能性があるという.
 特に金策港を出入りした船舶をはじめとして,済州海峡を通過した114隻の北朝鮮船舶はセメント,重油,マグネシウムなど一般貨物を輸送すると韓国統一部に通過承認を申請したが,韓国海上警察や海軍は特異な船舶に対する検問実施規定にもかかわらず,一度も検問を実施しなかった,と宋議員は主張した.
 宋議員はまた,北朝鮮船舶114隻中28隻(24.6%)は空の船を運送すると申告して,軍事上他の任務を遂行した可能性が高く,2001年6月に韓国領海を無断侵犯した白馬江号など3隻の船舶が,特別な制限なく総計13回,済州海峡を通過したのも問題点として判明した,と付け加えた.
 宋議員は「済州海峡が北朝鮮核実験装備,または物質の輸送通路との疑いがある以上,もはや北朝鮮商船の通行を許す理由はない」と述べ「北朝鮮商船の済州海峡通過の許容方針を,直ちに打ち切らなければならない」と語った.

朝鮮日報,2006年10月10日

 一度も検問を実施しなかった,という点については唖然とするしかない.
 核実験のことはさておいても,偽札や麻薬が過去に北韓船籍の貨物船から発見された例は,過去にいくらでもあるというのに.


 【質問】
 北韓の核実験は成功だったのか?

 【回答】

▼ 北朝鮮の核実験では,核分裂反応に伴って生ずるキセノン同位体が検出されており,核爆発そのものを起こすことには成功しています.
 北朝鮮の核出力は1キロトン以下,おそらく0.5キロトン以下,と言われています.
 従って,初歩的な核分裂爆弾が完全に作動したときの設計出力の1/15〜1/50になります.

 早発は様々なので一概に言えませんが,核実験の記録などを見ると,早発のため設計出力の1/2とか1/8とかしか出なかった,といった記述が多く,北朝鮮の「核爆弾」はやはり,かなりひどい失敗と言えます.

軍事板

 また,米国の専門家からも,規模が小さく,地震波が複数あったことから,理想的な核爆発ではなく,実験が失敗に近い未熟核爆発だった疑いが持たれているという.
 しかし,もし失敗であっても気休めにはならないという.

 以下引用.

 現時点では,米国のある政府専門家は,核実験は「失敗に近いものだったと思われる<が,>・・地震波の規模があまりにも小さく,当局者らは確実な結論を下すことができずにいる」とし,別の政府専門家は,「規模が小さ過ぎる.北朝鮮は今回の実験で意図した結果を得ることができなかったとみられる」としています(注3).
 (注3)核爆弾は100万分の1秒程度という瞬時に爆発しないと,連鎖反応がうまく続かず「未熟核爆発」になることがある.
 長崎原爆でも核反応を起こしたのは,6キロのプルトニウムのうち5〜6分の1程度だったという.
 韓国政府が公表した地震波では大きな波がいくつかに分かれ,「理想的な核爆発」とは考えにくい面もある.
 米国の更に別の政府専門家は,今回の核実験が失敗であって,核爆発が部分的にしか起きなかったとしても,そんな核爆弾であってもテロリストは欲しがるだろうし,今後北朝鮮は改善を重ねていつかは成功するであろうことから,気休めにはならない※,と語っています.

太田述正コラム #1441 ( 2006.10.10 )

 ちなみに以下は,上記コラムの原ソースの一つ.

核反応,不完全な「早期爆発」だった?失敗説が浮上

 北朝鮮が9日に行った核実験の爆発が比較的小規模だったのは「早期爆発」と呼ばれる不完全な核反応が起きたためではないか――との見方を,米国の複数の専門家が示している.
 今回の実験はプルトニウム爆弾を使用したと見られているが,「目標とされる威力を達成できなかった」とする失敗説が浮上しており,北朝鮮にとっても想定外の問題が起きていた可能性が強まった.
 今回の実験の爆発の威力は,各国による地震波の分析で数〜1キロ・トン(1キロ・トンは1000トン)未満と推定され,最も単純なプルトニウム爆弾だった長崎型原爆(約20キロ・トン)よりはるかに小規模だった.
 早期爆発は,核爆発のために核物質が一気に核分裂を起こす前に,先走り的な分裂が起き,爆発の威力が低減してしまう現象.
 米科学アカデミーの専門委員会がまとめた報告書によると,一般に長崎型のような単純な構造の原爆で,この現象が起こると,威力が数〜1キロ・トンにとどまるとされ,今回の結果と一致する.
 この現象は軍事用原子炉で製造した「核兵器級プルトニウム」ではなく,発電などで核燃料が長い間,原子炉内に置かれて生じる「原子炉級プルトニウム」を使用した場合に起こる.
 今回は,寧辺の原子炉の運転などでプルトニウムの質に問題が生じた可能性もある.
 北朝鮮の核問題に詳しい米メリーランド大のスティーブ・フェター教授は「早期爆発が起きても一定の破壊力があるため,油断は禁物」としている.

読売新聞,2006年10月10日14時42分

 ※フィナンシャル・タイムズの政治経済コラム担当記者フィリップ・スティーブンスも「実験が失敗だったからと言って,脅威と言えなくはない」には同意見である.
 以下引用.
 〔略〕
今回の核実験も,金正日体制の技術力がいかに及ばないかを示す結果になったと,こう推測する欧米外交筋もいる.同じようなことがイランのいわゆる「核爆弾製造」についても,ずっと言われてきた.
 それほど呑気に構えていいのかどうか,私には分からない.原爆は原爆だ.米国がいま保有する核爆弾に比べれば,広島や長崎で爆発したものはきわめて原始的な造りだった.しかしそれでも,とてつもない甚大な破壊をもたらしたのだ.
 核の瀬戸際を北朝鮮が越えてしまったと確認されれば,世界はあらゆる危険にさらされる.
 狭義には,いまだ冷戦時代にがっちり居残って生き続ける体制が,全く予測不可能だという危険.
 広義には,アジア地域とその周辺が「核」によって不安定化する,その危険.
 〔略〕

in フィナンシャル・タイムズ,2006年10月12日

 また,微量の放射性物質も検出された模様.これは,核分裂反応が起こっていたことを意味する.

 以下引用.

東海上空で放射性物質検出 米が韓国政府に通告

 アメリカは,北韓が核実験をしたとされる北東部上空の大気を分析した結果,核実験によるものとみられる放射性物質が検出されたことを14日,韓国政府に伝えてきました.
 韓国の情報当局によりますと,アメリカは,放射性物質の検出方法や正確な検出量については明らかにしませんでしたが,韓国とアメリカの情報当局は,北韓が9日,北東部の咸鏡北道吉州郡プンゲ里で核実験を実施したものと判断しているということです.
 これに先立って,アメリカのCNN放送はアメリカ政府筋の情報として,北韓が9日に地下核実験を行ったと主張した場所から,放射性物質が検出されたと伝えました.
 またKBSの東京特派員によりますと,アメリカはこうした事実を日本政府に伝えたということです.

KBS,2006-10-14-10:03:14Updated

CNN“放射能の形跡検出”

アメリカのCNNテレビは,アメリカ政府当局者の話として,北朝鮮が核実験を行ったとしている場所の付近から,放射能の形跡が検出されたと伝えました.
 CNNは,データはあくまでも初期段階の調査によるもので,最終的に放射能が検出されたことを確認するものではなく,北朝鮮が実際に核実験を行っていたことを証明するものでもないと伝えています.
 これについて,アメリカ国防総省は,NHKに対して「国防総省としては報道されているような事実は確認していない」としています.

NHK,2006年10月14日9時44分

 ユニークな見方として,「北韓が実験したのは中性子爆弾では??」というものもあるが……

殺傷力がはるかに大きな中性子爆弾の可能性

 北朝鮮が9日に実験した核爆弾は,殺傷力が一般核兵器よりはるかに大きな中性子爆弾である可能性が提起された.
 ロイター通信は10日,北朝鮮当局と近い消息筋の発言を引用し,9日の核実験に使われた武器が中性子爆弾だと報道した.
 ロイターはしかしこのような主張は事実としては確認されていない,と付け加えた.
 中性子爆弾は核分裂や核融合の際,原子核から出る中性子とガンマ線を利用した原子爆弾で爆発力,暴風,死の灰は弱いが放射線放出が強く,建物には被害を与えないのに殺傷力を大きくすることができる.
 米国は過去のソ連のタンク戦力に対抗するため,77年から中性子爆弾を生産,戦術核武器として配置した.
 英国王立合同軍事研究所(RUSI)の軍事専門家リー・ウィレット(Lee Willett)は「核弾頭は重さが違うため,在来式ミサイルと核弾頭を互いに組み合わせる過程が非常に複雑である」と述べ,このような点で北朝鮮の核実験兵器が中性子爆弾であるという仮設はかなりの説得力を持つと述べた.
 ジェーン年鑑編集者ダンカン・レノックスは「北朝鮮が核兵器をミサイルに搭載しようとするなら現在,技術的には弾頭重量を500〜700sに落とさねばならない」と語った.
 通信は北朝鮮が中性子爆弾を実験したのなら将来,米軍や韓国軍との戦争の際,戦術核武器として配置される可能性が高い,と指摘した.

朝鮮日報,2006年10月10日

……まあ,ガセでしょうね.

自衛隊のT-4練習機と,放射性物質を探知するための集塵ポッド


 【質問】
 東スポの記事で,日本の政府関係者が
「北の核実験の際,『爆発で発生した電磁波により,実験場周辺の都市のコンピュータや通信施設がパソコンまでもが壊滅状態になったようだ』と自爆の証拠を挙げている」
との記事がありましたが,EMPと言うのは地下実験でもそんな広範囲に影響が出るものなのでしょうか?
 また,
「ミサイルに小型核爆弾を搭載したEMP(電磁波攻撃)という作戦がある.
 小規模な核爆発で電磁衝撃波を発生させ通信を途絶えさせるというもので,最初の実験の目的がこっちだった可能性もないことはない」
ともありましたが,信憑性はどれほどのものでしょう?
 所詮,東スポってことでしょうか?

 【回答】
 ネタ記事だろ.

 地下核実験でもEMPは発生するが,EMPは爆発高度が高ければ高いほど広範囲に影響を及ぼせるので,効果がある.
 つまり,地下核実験ではごく狭い範囲にしか影響を及ぼさない.
 ”実験場”周辺”まで影響が出るかは疑問.

 核によるEMP攻撃は研究はしているだろう.
 確かに同じ大きさの核爆弾で都市攻撃するよりは影響を及ぼせる範囲が広いが,それでも核弾頭にある程度の大きさがなければ効果範囲は限られる.

 なので,最初からそれを狙って研究してるとはあまり思えない.

 そもそも核兵器は小型化するほうが難しいのだから,爆縮も起こせていないレベルにある北韓が,最初から小型原爆を作れるはずもない.

 ちなみにその昔,ジョンストン島の高空核実験では,800マイル先のオアフ島で停電や電話不通が発生したが,その時の規模が 1.45Mt.


 【質問】
 北韓の核実験がもたらす,朝鮮半島の軍事バランスへの影響は大きいか?

 【回答】
 2006/10/9にNHKに出演した江畑謙介によれば,実際に戦闘状態になったときに,北韓が韓国に攻撃することを否定できなくなったので,影響は大きいだろうとのこと.

 事実,太田述正によれば,米韓はさっそく米韓共同作戦計画(OPLAN5027)を,米国の韓国への核の傘を強化する観点から修正することにしたという.
 以下引用.

 北朝鮮は17日,国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議について「米国の脚本に基づくもので,わが国への宣戦布告とみなさざるを得ない・・われわれは今後,米国の動向を注視し,それに応じて該当する措置を取る・・われわれの自主権と生存権を少しでも侵害しようとするならば容赦なく無慈悲な打撃を加えるだろう」という声明を発表しました(
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20061018/mng_____kok_____004.shtml
.10月18日アクセス).
 「無慈悲な打撃」とは,核攻撃ないしそれに準じる攻撃を指すとしか考えられません.

 他方,18日のワシントンでの米国の韓国の統合参謀本部議長をそれぞれの長とする米韓協議で,米韓共同作戦計画(OPLAN5027)を,米国の韓国への核の傘を強化する観点から修正することが決まりました.
 これは,具体的には,上記作戦計画に核に係る付属文書を添付する形で行われ,1991年に撤去されて以来朝鮮半島には存在していない戦術核兵器の再持ち込みを意味するのではないかと取り沙汰されています.
 (以上,
http://english.chosun.com/w21data/html/news/200610/200610200005.html
.10月20日アクセス)による.
 上記作戦計画は,事実上,日米が朝鮮半島有事を想定して策定した共同作戦計画(日本(だけ)有事を想定した共同作戦計画とは異なる)と連動していると考えられますが,戦術核兵器の朝鮮半島への持ち込みともなれば,非核三原則(日本の領空ないし領海内への核兵器の持ち込みも禁じている)を果たしてそのままの形で維持できるのか,という問題が起こってきそうです.
 このように,日本を取り巻く軍事環境は緊迫度を増しています.

太田述正コラム #1459 ( 2006.10.20 )


 【質問】
 北韓の核実験は,アメリカやその他各国の戦略にも影響するのか?

 【回答】
 2006/10/9にNHKに出演した江畑謙介によれば,影響するだろうという.今後は,北韓は核保有国であるという前提で,軍事戦略を考えなければならなくなったため,世界規模で大きく変化するだろうという.

 今回の北鮮核実験の本質は,米が北鮮攻撃をするか否かの一点にあると思う.
 米の軍事攻撃がない限り,北鮮は核兵器保有国としての地位を得る.

 今後さまざまな動きが出ると思うが,シナと韓国はまず間違いなく米による北鮮空爆に反対する.
 米の国内世論も,北鮮空爆には反対するであろう.

 したがって,今回の北鮮の賭けは成功したと思う.
 国際社会が,北鮮を「核兵器保有国」として扱う新しい現実が生まれた,という意味で.

 これから国連決議などいろいろ「話し合い」があるが,北鮮との話し合いは,これまでの「核兵器保有疑惑国」から「核兵器保有国」を基盤とするものへと変わり,これまで「制裁」が持っていた効力も,甚だしく色あせることとなる.

 わが国にとって気になるのは核弾頭つきの弾道ミサイル発射であるが,7月5〜6日にかけて行なわれたミサイル試射では,テポドンの発射には失敗しているが,わが国が射程となる「ノドン」「スカッド改」の試射には成功している.
 北鮮が,ミサイル弾頭に装着できるほどの核の小型化技術を持っているかどうかは不明だが,核弾頭つきのノドンとスカッドを北鮮が保有した,と考える必要があると思う.
 今後,北鮮とシナはわが国や米国との外交交渉の過程で北鮮の核攻撃をちらつかせてくる.
 それにビビらない国民の覚悟・姿勢がきわめて重要であろう.

 本日をもって,東アジアの安保環境は根本的に変化した.
 わが国がなすべきことは以下の点である.

1.日米同盟をさらに強化すること
1.韓国を導き協調する必要はあるが,その動きに引きずられてはならない
1.シナ・北鮮の心臓部を壊滅させ得る核兵器と運搬手段を保有し,相互確証破壊に基き自国の安保を担保すること
1.シナは味方ではない.今回の事態を自国有利に取り扱うことは明白である.このことを改めて肝に銘じなければならない

 以前からマガジンを通じて
「統一朝鮮には厳戒が必要」
と伝えてきたが,目に見える形でその脅威が具現化してきた.

 統一までには時間がかかるのかもしれないが,半島は本日,核兵器を保有した.

 その矛先は,誰あろうわが国である.
 シナの核保有とはまた違う種類の,直接の脅威が誕生した.

 余談であるが,
 本日,沖縄で米軍のPAC3陸揚げが阻止されているとのニュースが流れている.
 これは,某勢力によるサボタージュである.
 きょうという日に,わが国がこういう事態を見過ごしているようでは困ったものだ.

おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)10月9日

 さらに,日韓の専門家も,似たような見解である.
 以下引用.

▲南成旭(ナム・ソンウック)高麗大教授=〔略〕 核実験で昨日の北朝鮮と今日の北朝鮮は完全に違う国になった.
 したがって交渉という意図に関係なく北朝鮮を見るべきだ.
▲高有煥(コ・ユファン)東国大教授=北朝鮮の核実験を核兵器保有と認めるかどうかが重要な部分だ.
 ヒル米次官補も「北朝鮮が核実験をしても核保有国とは認めない」と述べた.
 われわれも「北核非容認」という原則があるため,核実験を精密に評価し,北朝鮮を核保有国と認めるのか,原始的水準の核兵器と見て非核化に力を注ぐのか,考慮しなければならない.
▲金近植(キム・クンシク)慶南大教授=金委員長は米国との交渉を考慮し,現在のように引きずられるよりも,核実験を強行して核保有国という公式地位を確保する方が,今後の朝米交渉過程で有利になると判断したようだ.
 「核非容認」という韓国と米国の政策目標が相当部分失敗しただけに,過去とは違う考慮が必要になる.
▲司会=北朝鮮の核実験が南北関係などに及ぼす影響は.
▲南教授=南北関係の均衡は崩れた. これまで南北は通常兵器による軍事的均衡を保つことができたが,北の核保有が既定事実化した今,その均衡は崩れたからだ.
 軍事的に北朝鮮が韓国よりも優位に立った.
 いまや北方限界線(NLL)で北朝鮮が韓国船を拿捕しても,北を制裁するのは難しくなった.
 核保有国に核非保有国家が対応するのは過去と質的に異なる状況だ.
 日本の安保不安も深刻になるだろう. 核爆弾を2度経験している日本の核恐怖は相当なものだ. 日本は米国を説得し,急いで核武装を推進するだろう. そうなった場合,北東アジアに核保有ドミノ現象が予想される.
▲高教授=核実験は北東アジア戦略地形の質的変化を招くだろう.
 北の核保有は核の拡散をもたらす.
 日本は数百の核兵器を保有でき,台湾も同じだ.
 そうなれば経済・軍事的に北の安保は致命的な脅威を受ける.
 したがって北朝鮮の攻勢は核兵器を永遠に持つというよりも,対米交渉カードの性格が強い.

中央日報,2006.10.10 14:32

 北朝鮮は四重の意味でパンドラの箱を開けてしまったと言えるでしょう(個々の典拠は略す).

 一つは,北朝鮮が,核拡散防止条約(NPT)加盟国としては,初めてNPTから脱退し,核保有に至ったことです.(国連安保理事国以外で核保有国になったイスラエル・・ただし,同国は,核を保有していることを公式には認めていない・・もインドもパキスタンも,更に,一旦核保有国になってから核を廃棄したアパルトヘイト時代の南アフリカも,NPTに加盟していませんでした.)

 二つには,北朝鮮は,これまでの核保有国の中で,(核保有を公式には認めていないイスラエルはともかくとして,)際だって国土面積が小さく,人口も少なく,しかも貧しい国であり,どんな国でも,決意さえあれば核保有国になれることを証明したことです.

 三つには,北朝鮮が,米国のように対外戦争に勝利するためではなく,また,ソ連(ロシア),英国,フランス,中共,インド,パキスタンのように核抑止力としてでもなく,初めて,通常兵器による攻撃から自国を守るために核保有をしたことです.(もっともこの点も,核保有を公式に認めていないイスラエルと共通している.)

 四つには,形の上では国家でも,テロ・拉致・通貨偽造行使・覚醒剤製造密売・武器麻薬密売の常習犯という,実態は組織暴力団に等しい北朝鮮が核保有をしたことです.
 従って,核兵器を上記以外の目的・・例えば,国際テロ組織への核兵器の密売・・に用いる可能性があることです.

 以上から,日本が北朝鮮から核攻撃される可能性が出てきただけでなく,北朝鮮以外の国が新たに核保有国になって日本が核攻撃をされたり,日本が核テロ攻撃を受けたりする可能性も高まったと言えるでしょう.

太田述正コラム#1468(2006.10.25)


 【質問】
 2回目,3回目の核実験はあるだろうか?

 【回答】
 2006/10/9にNHKに出演した江畑謙介によれば,あるだろうとのこと.
 政治的にはアメリカが交渉に乗ってこなかった場合,より強い態度で臨むために.
 技術的にはもし今回失敗したのであれば,別の設計のものを試すために.
 Pu型であれば次はU型をやってくる可能性がある,とか.

 また,ロスアラモス国立研究所のヘッカー名誉所長も,同じ見解だ.

「北朝鮮の更なる核開発,制裁の影響受けない」 米専門家が診断

核弾頭の小型化,精巧化など,北朝鮮の核兵器計画の進行は,国際社会の制裁と孤立にも何ら影響を受けず,追加の核実験を実行する可能性が大きいと,米国の著名な核兵器専門家が分析した.
 米国最高の核専門家と認められているロスアラモス国立研究所のジークフリード・ヘッカー名誉所長は10日,米サンフランシスコ近郊のスタンフォード大学で,東亜(トンア)日報のインタビューに応じ,このように述べた.
 同日のインタビューは,本紙記者に代わって,スタンフォード大学のシン・ギウクアジア太平洋研究所長が行なった.
 ヘッカー博士は,〔略〕
「もし北朝鮮が今回の実験の結果に満足し,準備ができているなら,2度目の実験も数日内に実施する可能性がある」とし,「しかし,今回の実験結果が予想外のものなら,核装置を再び作らなければならないため,数週間から数ヵ月間かかるだろう」と見通した.
 ヘッカー博士は,「現在,北朝鮮の核計画は,外部の助けや供給に依存していない」と述べ,国際社会の制裁と孤立が,核計画の推進に影響を及ぼさないと分析した.

東亜日報,OCTOBER 11, 2006, 06:49


 【質問】
 ★★★軍事板からお知らせします★★★
というコピペが(以下略

 【回答】
 軍事板に,つーか,不特定多数が集まる匿名掲示板に総意なんてものがあるか,ボケ!
 コピペでクソたれる前に「サー」をつけてIDを出せ!


 【質問】
 北韓が実験した核爆弾の威力はどの程度か?

 【回答】
 CTBTによれば,1.5キロトン.
 ロシアによれば5〜15キロトン.
 フランスや韓国によれば0.5キロトン.
 アメリカによれば1キロトン以下.

 ちなみに,広島型原爆は15キロトン.

 以下,ソース.

 世界各国からの核実験監視データを集約しているウィーンのCTBT機関(注1)準備委員会によると,今回の爆発による揺れの規模はマグニチュード(M)4.0(誤差0.3以内)でした.
 一般に揺れを招くのは実際の核爆発エネルギーの1%とされるため,M4.0ならTNT火薬換算で1,500トン(1.5キロトン)に相当します.
 一方,ロシアは5〜15キロトンとしています.
 (注1)〔略〕 1キロトンは,広島型原爆(濃縮ウラン型)の約15分の1,長崎型原爆(プルトニウム型)の約20分の1相当だ.これより小さい核爆弾は高度な製造技術が必要で,米ロなど核実験を重ね,大量に核兵器を保有する国にしか製造できないと考えられているためだ.
 これらは,昨日韓国等が報じた推定値より大きいものです.
 他方,フランスは,約500トンだとしており,これは韓国の推定値並です.
 米国政府は,まだ公式には何も言っていませんが,米国の政府専門家達は,恐らく1キロトン前後かそれ以下だったと見ています.

太田述正コラム #1441 ( 2006.10.10 )

 勝ち馬予想は
◎ CTBT
△ ロシア
× フランス・韓国
○ アメリカ
穴 神浦
(予想:「マル勝ニュークリアー」紙より)


 【質問】
 北韓が核爆弾を使用した場合,死者はどのくらいになるのか?

 【回答】
 数千人を即死させられるという.
 以下引用.

 〔略〕
 米国最高の核専門家と認められているロスアラモス国立研究所のジークフリード・ヘッカー名誉所長は10日,米サンフランシスコ近郊のスタンフォード大学で,東亜(トンア)日報のインタビューに応じ,〔略〕
「北朝鮮の核実験の爆弾の核出力(爆発力・破壊力)は1キロトン級で,相対的に弱い爆発と推定される」とし,「しかし,その程度の規模の核爆弾でも,大都市地域で使用された場合,数千人が即死し,多くの人々が後遺症で死亡する恐れがある」と述べた.
 〔略〕
ヘッカー博士は,「もし北朝鮮が,(ミサイルに搭載できる)小型核弾頭を作る意図なら,今回のような実験は,主要段階になるだろう」と述べた.
 〔略〕

東亜日報,OCTOBER 11, 2006, 06:49

 瀬戸際外交専用核兵器といった規模やね.


 【質問】
 核実験で計測された地震波のマグニチュード1ごとに,核爆弾の威力はどう違うのですか?

 【回答】
マグニチュードとTNT火薬の換算表

M0.5  TNT 5.6 kg (12.4 lb)  Hand grenade
M1.0  TNT 32 kg (70 lb)   Construction site blast
M1.5  TNT 178 kg (392 lb)  WWII conventional bombs
M2.0  TNT 1 metric ton    late WWII conventional bombs
M2.5  TNT 5.6 metric tons  WWII blockbuster bomb
M3.0  TNT 32 metric tons  Massive Ordnance Air Blast bomb
M3.5  TNT 178 metric tons  Chernobyl nuclear disaster, 1986
M4.0  TNT 1 kiloton       Small atomic bomb


 この数値から類推出来る計算式は
TNT換算=10^(マグニチュード*1.5)

 マグニチュードに3.6を入れると251トン.
 つまり1/4キロトン.長崎原爆の1/80となる.
 「単なる火薬の爆発」説が出て来るのも無理はない.


 【質問】
 地震波の情報にばらつきがあるのは何故か?

 【回答】
 2006/10/09にNHKに出演した江畑謙介によれば,
「人工的な地震によってどれだけの核爆発力があったのか,というのを知るには実験データの積み重ねがいる.
 米ロには実験データがあるが日韓にはない.
 韓国がどういう計算でM3.5で0.4Ktと判断したのかはわからない」
とのこと.


 【質問】
 核実験すれば放射線が出るので,すぐに確認できると思うのですが,なぜ確認に時間がかかるんですか?

 【回答】
 放射線を直接観測するには,事前に場所を予測して専用の偵察衛星で監視するか,近くまで行って計測する必要がある.
 で,実験で放出された放射線による微量の空中浮遊放射性物質のサンプルを集めてくる.
 これは飛行機で,複数の周辺空域の空気を採取し,含有物を分析せねばならない.

 分析結果が揃ってはじめて,一定種・量の放射線が放出された物証となる.


 【質問】
 北朝鮮の核実験宣言に関する今日のニュースで,自衛隊は核実験が行われたかどうかを調べる為に,大気成分を調べるとか言う機械を付けて飛ばすと言っていましたが,なんで練習機であるT-4なんでしょうか?

 【回答】
 大気中のちりを集めるためのポッドが,T-4用の物しかないから.
 別に北朝鮮の近くまで飛んでいって強行偵察するわけではなく,日本国内上空の大気を調べるだけなので,練習機で十分です.


 【質問】
 北韓がTNTなどを使って核爆発を偽装した可能性は?

 【回答】
 その可能制は極めて低い.
 偽装する場合は大量の爆弾が必要となるが,今回はそれを運び入れた形跡がないため.

 以下引用.

 なお,核爆発ではなく,在来型爆弾を爆発させたものではないかという憶測もあることに対しては,これら政府専門家達は,実験場を含む地域は偵察衛星によって監視されてきており,数百トンから1,000トン内外の在来型爆弾を運び入れた形跡がないことから,核爆発ではあったと見ています(注2).
 (注2)この点については,実験によって発生した放射性物質を米軍や航空自衛隊が航空機で収集しており,その分析結果が収集後72時間後には出るのではっきりしよう.
 なお,地下核爆発の規模が大きければ大きいほど,回りの岩盤が溶解・粉砕されて防壁となるため,放射性物質が空中に放出されにくくなるが,今回の爆発の規模は小さいため,核爆発だったとすれば,確実に放射性物質を収集できると考えられている.

太田述正コラム #1441 ( 2006.10.10 )

 まあ,「縮地ができた」り,「不思議な虹を発生させることができ」るという将軍様のやることだから,念力で爆発を起こした可能性もゼロではない(笑).


 【珍説】
イラク戦争が招いた北朝鮮の核実験,そして日本の危機

 〔略〕

「イラクに先制攻撃が行われたら,北朝鮮が暴発するかもしれない」
――イラク戦争開戦直前,メディアのインタビューや講演会で,私は幾度も警告してきた.イラクは国連安保理に従い,大量破壊兵器の査察を受け入れ丸裸になった.
 それにもかかわらず,国連安保理の承認もなく米国が勝手に戦争を始めてしまうのならば,
「イラクの次はウチかも…」
と懸念する国々が出てくるだろう.
 当然,イラクやイランと共に「悪の枢軸」と米国から名指しされていた北朝鮮も,パニックに陥ったはずだ.
「対話は無意味,自存自衛のためなら,手段を選ばず」となり振り構わない行動に出ることは充分予想できた. 
 だから,罪のないイラク市民のためだけではなく,日本の安全保障のためにも,私はイラク戦争に反対してきた.

 あれから3年半.「核実験を行った」と北朝鮮が先週9日に発表したのを聞き,やはり来るべき時が来てしまったな,と思った.
 考えたくないことだが,このままでいくと「極東戦争」が始まるのかもしれない.
 もし本当に戦争を避けようとすれば道がないこともないが,問題は各国の指導者達にその気があるかどうか,ということだ.

シバレイのたたかう!ジャーナリスト宣言
2006年 10月 16日10:34:49

 【事実】
 北韓の核兵器開発計画が始まったのは1950年代からです.
 仮にシバレイの言う通りだとしますと,金日成は50年後の出来事を予知していた,ということになります.首領様恐るべし!(笑)

 ちなみに,イラクは国連査察に従うどころか,最後までゴネ得を狙っていました(別項参照)ので,そこからしてこの珍説者は既に現実から遊離しているようです.


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