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東亜FAQ目次


 【link】

「Kojii.net」■(2010/10/25)続・"自主" なら何でも偉いのか ?
 自主防衛関連

「地政学を英国で学んだ」◆(2011/05/27)『自主防衛を急げ!』by 伊藤貫&日下公人

『コストを試算!〈日米同盟解体〉 国を守るのに,いくらかかるのか』(武田康裕他著,毎日新聞社,2012.6.30)


 【質問】
 抑止は一カ国で可能ですか?

 【回答】
 マイミクのzyesutaさんのブログが久々更新されました.
「リアリズムと防衛を学ぶ」◆のび太がジャイアンを「抑止」するには? 抑止の種類

 これに付け加えますと,その抑止は一カ国では無理という現状もあります.
 たとえばのび太国の兵器となる「未来の道具」は,すべてドラえもん国からの援助によるものでした.
 これはのび太国にジャイアン国との戦争で,相手を撃退もしくは手出しをさせない道具(兵器)が存在しないからです.

 そしてこれは,現在の国際情勢を見れば明らかです.
 日本にはアメリカが持っている兵器(F-15)や,開発中のステルス戦闘機(F-35)を,独自で開発する能力はないことはないのですが,それには時間と資金がかかります.
 となると同盟を結んで,それらの兵器を購入するしかないのです.
 その代償としてドラえもんがのび太の家に住むように,米軍が日本に駐留するわけです.

 そしてこれは,日本だけの話ではありません.
 欧州(NATOの在欧米軍),韓国(在韓米軍),コロンビア,ホンジュラス,そしてシンガポールとこれらの国々の米軍はこの論理で駐留しているわけです.

 ただ,駐留米軍はドラえもんとは違い,アメリカ合衆国の国益のために駐留していますので,国際紛争での対応も行います.
 この点がドラえもんと違うところですね.

 これを書くと,台湾はどうなるのかという人もいますが,台湾はアメリカとの間に台湾関係法が制定されています.
 台湾関係法は台湾への武器供与や,アメリカが台湾市民への武力行使など強制的な手段に対抗するための防衛力を維持し,必要な措置を取る事を明記しています.
 そしてその防衛力が,沖縄県に駐留する米海兵隊なのです.
 つまり台湾関係法は,事実上の米台軍事同盟なのです.
台湾関係法 - Wikipedia

 また,北朝鮮は独自の軍備を持っていると言われていますが,北朝鮮は中国と軍事同盟を結んでおり,軍事的に独立した国とは言い難い一面があります.
中朝友好協力相互援助条約

バルセロニスタのCR-Z in mixi,2010年03月09日10:33

駐留中のドラえもん

(引用元:朝目新聞)


 【質問】
 何故,日本は世界第二位の経済大国なのに,自主防衛ができていないのでしょうか?
 できるのにわざとやっていないのですか?
 それとも,日本が自主防衛をしようとすると,アメリカ並みの国防費が掛かって現実的に不可能だからですか?

 【回答】
 自分で答え出してるが,つまりはそういうこと.

 日本の場合「自主防衛」と言い出したら,自国だけではなく世界各国との海上通商路を守らねばならない.
 また,仮想敵国に最低でもロシアと大陸中国がある以上,核武装も避けられない.

 そうなると核武装し,また,アメリカ並の海軍を保有しなければいけないわけで,そんなことできる金はない.
 核武装できる国際状況でもない.
 仮に出来たとしても,
「収入を得る手段を守るために収入以上の金をつぎ込む」
ことになるので,何をやっているのかわからない.

 また,防衛地政学的に不利な位置にあるので,自主防衛による多大な負担は避けられない.
 対等な日米同盟をするにしても,現状の戦力に加えて,敵地を攻撃するための戦力,核戦力をそれぞれ持たなければならなくなるため,防衛支出が三倍程度必要になってくる.

 特に中国は,理由が何であれ,核兵器と大陸間弾道弾を持っている.
 自主防衛,つまりアメリカの核の傘に頼らずに自国を防衛したいなら,こちらも核兵器がないと話にならない.

 自主防衛と言った以上,基本的にはアメリカとの同盟関係も切るか縮小する事になるだろうが,軍事を越えて経済的な関係まで断つ方向に持っていったら,確実にアメリカに「敵」とみなされる.
 そうなったら自主や自立以前に,「アメリカから自国を防衛」しなければならない.

 世界最大,且つほとんど唯一無二の軍事力を持つアメリカから,国土を防衛するとなったら,国家予算の殆どを注ぎ込んでも追いつくまい.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 自衛隊を創設する際,アメリカ側からは陸兵力32万5千人にするように要求したとあったのですが,日本が単独で国防を考えた場合,どれくらい兵力が必要かを適切に答えてる本とかありませんか?

 【回答】
 樋口恒晴著『「一国平和主義」の錯覚』('93年PHP研究所刊)が,自衛隊創設時の必要兵力や兵器選定について,史実の枠に収まった経緯も含め,概括的に述べている.

 ただしあくまで朝鮮戦争当時の国際環境と軍事技術に基づく見積もりなので,質問者のような試算を行う上で直接的に役に立つ保証は無い.
 というか真面目に割り出すつもりなら,とてつもない知識と手間が要ると思うが?

 どうしても,というならミリタリーバランスでも買って,世界地図と外務省HPの各国情報見ながら,政治環境及び地理的条件が割に日本に近く,かつ非同盟の国とその仮想敵国を探した上で,日本と周辺諸国とに比例させた数値でも叩き出すしかあるまい.

 つーか,一衣帯水の関係の国のうち3カ国+αが核保有国な環境なら,非同盟って時点でまず核は必須だろ.
 その上で万々が一,アメとガチンコやらかす時のシーレーンの防衛考えれば,空母含むそれなりの規模の艦隊も要る.
 更に国土の縦深が極端に浅い我が国の場合,仮に中朝辺りが片道特攻かけて来たり,アメリカが10隻近く日本の沖合いに空母展開させた状態で,防空に完璧を期すのなら,それなりの規模の空軍戦力も要るだろうし,長大な海岸線に貼り付ける膨大な陸上兵力だって要る.

 で,結論からいえば,それだけやっても国を守りきれる保障はどこにも無い.
 だから外交で極力戦争を避けるのが一番安上がりかつ確実な訳だ.

軍事板,2009/06/10(水)
青文字:加筆改修部分


 【珍説】
――――――
「子ども手当の3分の2で独自防衛可能」 田母神氏ら自衛隊OB試算:産経新聞

 〔略〕

 核兵器についても,最大の抑止力である核武装は経済大国には必須と指摘.
 日本近海に配備する原子力空母,原子力潜水艦,戦略爆撃機,トマホーク巡航ミサイルを20年かけて,新たに開発・配備する.

 具体的には,
空母3隻と艦載機の開発や維持で,計6兆円596億円,
戦略ミサイル原子力潜水艦4隻と護衛の攻撃型原子力潜水艦4隻で7兆5436億円,トマホーク巡航ミサイルとイージス艦などで1兆1500億円――などとなっている.

 ミサイルに装着する核弾頭や,国産技術にない空母のカタパルト発射装置などについては,米国からの技術供与を想定して費用計上したが,田母神氏は
「すべて国産化すべきであり,そのほうが結果的には割安」
という.
――――――

 【事実】
 読んでいて唖然としました.
 何を言い出すのかと思ったら・・・.

>原子力空母,原子力潜水艦,戦略爆撃機,トマホーク巡航ミサイルを,20年かけて新たに開発・配備する.

 いや・・・だからそれ,子ども手当の3分の2で済むとは思えませんが・・・.
 装備を手に入れるのなら,それぐらいで済むでしょうが,その維持費はどうするんですか?
 これらを動かす要員の訓練費はどうするんです?
 さらに空母ならCTOL空母を考えているのですから,艦載機を地上に降ろして整備や要員の休養を行うための基地や,戦略爆撃機を飛ばすための基地の整備,さらには巡航ミサイルの実験場など,有り余るぐらいの突っ込みどころばかりです.

 ちなみに1980年代,海自では,米政府や米議会が提唱する「パワーシェアリング」構想により,V/STOL空母が計画された事がありました.
 配備されるのはAV-8Bですが,これなら大型ヘリポートでしかない館山でも配備は可能です.
 また,館山なら館山市街の逆方向にあり,北側は海水浴場ですから騒音も事故も問題になりません.

 それでも米海軍は,訓練の費用や維持費,さらにそれによる時間を考慮して,代わりにイージス艦の配備を提唱,こちら側が採用されました.
 そして今やイージス艦が艦隊防空の主役となり,空母は地上攻撃や航空優勢奪取用に使用される事になったのです.
 〔略〕

> ミサイルに装着する核弾頭や国産技術にない空母のカタパルト発射装置などについては,
>米国からの技術供与を想定して費用計上したが,田母神氏は
>「すべて国産化すべきであり,そのほうが結果的には割安」
>という.

 核弾頭の小型化って,それ,どんだけの労力が必要なのか分かっていますか?
 あと,カタパルトの国産化って,気は確かですか?
 蒸気カタパルトはイギリスで開発されましたが,コストが高くつき,結局アメリカ以外では廃れてしまいました.
 今,蒸気カタパルトはアメリカ以外,作られていません.
 フランス海軍の原子力空母「シャルル・ド・ゴール」のカタパルトは,米国製蒸気カタパルトです.
空母のカタパルトは,米国でしか造れない? - 物理学 - 教えて!goo
シャルル・ド・ゴール (空母) - Wikipedia

 また,核武装で独自防衛が可能というのは,2chでも聞かれますが,これは全くのでたらめです.
 イギリスは核武装していますが,NATOの主要国であり,国内には米軍が駐留しています.
 フランスは核武装してNATOから脱退したと言われていますが,フランスが脱退したのはNATOの軍事機構からであって,政治機構についてはそのまま留まりました.
 つまりフランスは今も昔もNATOのメンバーであり,アメリカの同盟国という事になるのです.
 なお,フランスは2009年に軍事機構に復帰しています.

 ロシアや中国のケースも話になりません.
 この両国は国土も人口もあります.
 ですから独自防衛が可能な国力があるのです.
 インドやパキスタンも同様です.
 というかインドは,ロシアとの軍事同盟を昔から結んでいるわけですが.

 核技術に関する事については,原子力技術者のマイミクさんに今度聞いてみようとは思います.

 いい加減核武装=独自防衛という,馬鹿げた妄想から卒業して下さい.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年10月26日11:04


 【珍説】
 PKO論議で明確になったのは,内閣法制局の解釈では自衛隊は日本国籍を保持する者のみを,それも実際に危害が加えられたか加えられることが明確になった時点でのみ武器を使用して保護できるというもんで,派遣先で戦闘が起きたときには隣の米軍や現地住民が攻撃されても,黙って見殺しにしなさい,それが日本の法律ですっていう立場だ.
 これを論理的に敷衍すると,日本が他国に攻撃された場合,北国籍であろうが南朝鮮人民であろうが欧米人であろうが,他国の国籍を持つ者を保護すると,当該自衛隊員は処罰を食らうことになる.(出典は小林よしのり,という未確認情報)
 国会でも,自衛隊員が正当防衛以外の目的で武器を使用して他国の軍人等を殺傷した場合,刑法犯となることは,内閣法制局長が答弁している.

 【事実】
 イラク人道復興支援特別措置法,所謂イラク新法の概要より引用

   <武器使用>
 自己又は自己と共に現場に所在する者,自己の管理下に入った者の生命又は身体を防衛するための武器使用が可能.これは国際平和協力法及びテロ対策特措法と同じ規定.

 これは2003年7月末に成立.

 また,国際平和協力法改正の概要
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2001/1120kaisei.html
国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律の一部を改正する法律案(概要)

1.武器の使用による防衛対象の拡大
第24条の武器の使用に係る防衛対象に,自己と共に現場に所在するその職務を行うに伴い
自己の管理の下に入った者の生命又は身体を加えること.(第24条第1項から第3項まで関係)

2.自衛隊法第95条の適用除外の解除
自衛隊法第95条の適用除外を解除し,第9条第5項の規定により派遣先国で
国際平和協力業務に従事する自衛官に対し,武器等の防護のための武器の
使用を認めることとすること.(第24条関係)

3.PKF(平和維持隊)本体業務の凍結の解除
自衛隊の部隊等が行う国際平和協力業務のうちPKF(平和維持隊)
本体業務への参加の凍結を規定している特例規定を廃止すること.(附則第2条関係)
(後略)

 民主党の賛成も受けてで2001年12月に成立.
http://sankei.pmall.ne.jp/sankei/F/sample/online/e-paper/today/itimen/e08iti006.htm

 さらに,刑法上も,
>(正当防衛)
>第三十六条  急迫不正の侵害に対して,自己又は他人の権利を防衛するため,
>やむを得ずにした行為は,罰しない.
注:他人=法律上の人格を有するもの(法人.日本人以外でも国とか企業とか外人とか)

 外国人であっても,これが攻撃を受けている場合に自衛官が武器を使用して救護することは正当防衛に当たる.
 PKO等で他国領内で友軍・現地住民を助けた場合でも,(過剰防衛等の違法性がなければ,)日本の刑法では罪にならない.


 【質問】
 わが国の安全保障問題を,いつまでもアメリカとの日米安保を前提にするべきではないんでは?
 日米安保を永続的に是とするなら,集団的自衛権の行使は必然でしょう.アメリカはいつまでも「片務的でいいですよ」とはいいませんから.

 【回答】
 条件付で賛成しないこともないですが,それは,「日米同盟の破棄」ではなく「日米同盟の変化」という従来方針に沿って行うべきものだと思います.

 破棄するのなら,世界最強の軍事国家とも利害対立の時には,敵対する意思を持たなければならないわけで・・・.

 一国防衛が厳しい現状では,日米同盟によらない安全保障は,100年スパンでも難しいと思いますが,
 そのビジョンはおありでしょうか?

ますたーあじあ in mixi

▼ そもそも,基本的な認識が欠如しているように思いますね.

 日本は現在も加工貿易国であり,農産物や石油など一次産品は外国に依存している.
 日本の2600兆円に及ぶ国富の源は,米国を中心とした先進国です.
http://www.jetro.go.jp/jpn/stats/trade/excel/rank.xls

1,この前提を崩壊させることで,日本は何を得ることができるか?

2,米国及び英連邦に代わる食糧輸入国をどこに求めるのか?
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/5-3.html

3,資源メジャーを敵に廻して,どこから資源を調達するのか?
http://blogs.yahoo.co.jp/daitojimari/22821655.html
 資源メジャーの支配国家リストから,米国及び英連邦を除いて考えるとどうなるか?

4,現在の富の基準は相変わらずドルであり,ドルとの両替が出来なくなった通貨はどうなるか?
 中国ですら通貨の裏づけとして,事実上のドルペッグ制をとるのはなぜか?
 IMF体制を否定して,通貨の価値を維持できるのか?

 私は,その時点で輸出産業は終わり,生活物資を輸入する為の術は失われると考えるのですが?

 日本の将来像を考える上で,少なくとも上記の4項目の答えを知りたいですね.

 軍事経済政治はすべてリンクされている.
 対案も出せない状況において,「日米同盟を一度白紙にしてから考え直す」ことのリスクを考えるべきでしょう.
 現状を正確に認識して,それを国益に合わせ改善することは重要ではあるが,その前提を失った議論は意味を成さない.

代表戸締役 ◆jJEom8Ii3E in ニュース極東板,2007/10/20(土)
青文字:加筆改修部分


 【珍説】
「なあに,アメリカがやってくれるさ」
 それが日本人の本音である.
 平然と道徳を捨て去って,良心も痛まない.

 そのような国柄に,自尊の念が生まれるかと言えば,あの特攻で散華した多感なエリート達に尋ねてみれば,すぐ答は出よう.

 彼らは日本人の心の中にいるはずだから.

(小林よしのり「戦争論3」,幻冬舎,2003/7/25, p.304-305)

 【事実】
 むしろ,
「地政学上,どこかの国と同盟を結ぶのはやむをえない選択.その中でアメリカは最もマシな選択」
のほうが本音ではないかと思うが…….

 アメリカとの同盟関係を堅持することで,どうして良心を痛めなきゃならんのかも全く謎.
 イラク戦争を支持したからか? イラク戦争が小林の言うような「侵略戦争」であるかについては,異論もかなりあるのだが.

 百歩譲って侵略戦争だったと仮定しても,それがなぜ同盟関係を見直さなきゃならんことになるのか?
 植民地政策の下,侵略戦争起こしまくりだった英国と,日英同盟を結んだ日本は,道徳を捨て去ったことになるのか?
 侵略戦争を起こした国と同盟を結んではならないというのなら,中国とも同盟できないし,ロシアともそう.箸にも棒にもかからない弱小国家としか同盟を結べないし,そんな同盟に何か意味があるのかも疑わしい. 

 おまけに,特攻隊の考えという,小林自身の想像世界――それが事実であるかどうかは,誰にも検証できない.『死人に口なし』なので――の中に論拠を求めるとは…….
 それに小林理論によれば,ポーランド等レッキとした侵略を行ったドイツ・イタリアと組んだ日本人は,特攻隊員を含め,「平然と道徳を捨て去って,良心も痛まない」と非難されなきゃならんはずだが……?

 このような,特攻隊員の遺志を都合よく利用する輩には,嫌悪と軽蔑の念しか沸いてこないね.


 【小林主体思想】(マルチ・スタンダードの別名)

 安全よりも生存よりも上位の価値が「独立」である.

 それほどまでに「独立」が価値あるものと,考えられるためには,日本の国柄・伝統にそれほどまでの価値があるのだと,信じられなければならない.

 ただリスクのない生き延び方しか考えられない者に,「誇りある日本」とか,「国民の歴史」とか言う資格はない.

 「独立」とは「依存せぬこと」である.
 国の独立を維持し,国の伝統を守るためには,安全と生存が少々は危うくなるのを覚悟しなければならない.

 少々で済むかと,臆病者の声が響いてきそうだが,少々で済ませるのが,国家を預かっている者達の責任である.

 どうせ大東亜戦争で,あれほどの敗北を味わった身ではないか.
 もう何も怖くないと居直ればいいものを.
 何度敗北しても復活して,「独立」してやると誓えばいいものを.

(小林よしのり「戦争論3」,幻冬舎,2003/7/25, p.305)

 【事実】
 とうてい実現不可能な極論を叫び,しかも,都合が悪くなると「わしは漫画家だから」と逃げを決める者が,リスクのある生き方をしているとは思えませんので,ぜひ小林におかれましては小林自身をして,
「誇りある日本とか,国民の歴史とか言う資格はない!」
と断罪してもらいたいものですね.

 それにまた,アメリカに依存して第2次大戦で独立を回復したフランスや,冷戦期,アメリカの核に依存していたドイツ(西ドイツ)は,小林思想によれば「独立」していないことになりそうですな.
 ……おや?  '04年4月の「ゴーマニズム宣言」で「フランスを見習え!」とアジッっていたのは,どなたでしたかな? 小林よしのりという名前だったと思いますが,同姓同名の別人さんですか?

>少々で済むかと,臆病者の声
の臆病者とは誰のことですかね? もしや小林御自身の事ですか?
「米が北朝鮮を武装解除させるには,韓国と日本が多大な犠牲を被り,それを大義として自軍の損失を最小限に留めるための空爆という形になる」(「新ゴーマニズム宣言・砂塵に舞う大義」,P.32)
と,無用な恐怖心を煽っていたのはどなたでしたかね?

 さらに,
>何度敗北しても復活して,「独立」してやると誓えばいいものを.
とありますが,独立を喪失しても,すぐにまた独立を回復できるとでも小林は思っているのですかね?
 占領された国が,必ずしも独立を回復できるものではないし,例えできたとしても,それには長い年月と大きな犠牲を伴うのが,歴史の中ではむしろ普遍的なことなのですが.
 小林におかれましては,第2次大戦後の日本ぐらいの短期間で独立を回復できた例を書き並べ,それをそれ以外の独立喪失例と比較する事を,ぜひやってみていただきたいものですな.

 また,戦後復興はハプニングでそうなったのではありません.
 朝鮮戦争特需がきっかけになったのは確かですが,深田祐介の諸著を見れば分かるように,商社マンを始めとする多くの日本人ビジネスマン,エンジニアの努力の結晶です.
 それを,安易にまた捨て去ってもいいではないかとするような主張に,説得力は感じられません.

 犠牲を過度に厭う余り,独立心を失う態度は,確かにいただけないものです.
 ですが,ナショナリズムを過度に重要視する余り,いたずらに犠牲を強いる態度も,犠牲を過度に厭う態度と大差ない浅慮と言えるでしょうな.

 小林や西部の論法では,
「日本に絶対従ってくれて,何でも言うことを聞いてくれる」
国以外,信頼に足らないと見なすでしょう.
 脳内お花畑のアレは,多分,「そのような,アメリカに代わる同盟国」に台湾を代入してくるでしょうが,台湾とて国際社会から孤立した日本と手を組むなんていう身の破滅フラグはやらんでしょうなあ.

 そもそもアレの脳内には100%の肯定と100%の否定しかありませんから,現実なんて唾棄すべきものだと考えているのでしょう.
 まあ,国際社会に自分とパパとママの関係性のようなモノを持ち込もうとしている辺りで,アレの幼児性は明らかですけど.

 しかし,アレが言うところの軍ヲタが集団的自衛権を志向するのは,リアリズムから考えれば当たり前なんですけどねえ.
 社会童貞にはわからんでしょうが,保険と同じシステムですわ.1人だけの自己負担でやると大変だけど,みんなでちょっとずつお金を出し合って困ったら助け合う方が,よほど経済的だし理にかなってる.
 勿論自主防衛の利点もあることはありますが.

 そもそもね,アレにとって自主防衛というのは
「傷つけられた自己を回復するためのファンタジー」
としかオレには思えなかったりもするけどね.
 まあ,この手の人には良くある話ですけど.

軍事板

▼ ちなみに小林は,占領後の沖縄について以下のように書いています.

――――――
 占領後の米兵は,ひんぱんに女性・少女を拉致し,強姦し,殺している.
 しかも2〜3人で.
 助けようとした家族や警官を射殺する.
 父親の前で娘を強姦する.
 子供をおぶった母を強姦し,母子とも殺す.
 中には強姦されて出産した女性もいる.

 占領による拉致・強姦・惨殺の余波として,沖縄での米兵の性犯罪は受けとめねばならない.

――――――小林よしのり in 『SAPIO』 2004/11/10号,p.60

 敗北すればそのような悲劇が待っていることを,小林は認知しているわけです(健忘症なのでなければ)
 にもかかわらず,負けてもいいなどとヌケヌケと言える神経が,さっぱり分かりません.▲


 【珍説】
(小泉総理の米国支持発言を受けて)
 自力で北朝鮮から日本を守れるように自衛隊を攻撃能力のある軍隊にするのは無理だな….
〔略〕
 本当なら,北朝鮮とは,日本が自力で戦わなくてはいけないんだぞ!
 アメリカに助けてもらうことを期待しちゃダメだ!
 まず「自主防衛」だ! それから「集団的自衛権」だ! 逆になっちゃいけない!!

(小林よしのり from SAPIO 2003/4/23, P.61)

 【事実】
 一見筋が通ってるように見えるが,現実に今すぐミサイルを日本に打ち込む事のできる北朝鮮に対して,自衛隊は北朝鮮を直接攻撃できる兵器を現時点で持ち合わせていない.
 今から安保条約を廃棄して,アメリカと絶縁した上で憲法を改正し,さらに攻撃兵器を自主開発する(絶縁したアメリカから最新兵器を買えるわけない)までに,そうとう長い時間がかかる.
 つまり,日本に時間を使わせて,その間北朝鮮は日本に対して軍事的プレッシャーをかけ続けられるし,いつでも攻撃が出来る.
 それに絶縁されたアメリカも,そんな日本を今さら助けないだろう.

 つまり小林の上記の言説は,どう見ても北朝鮮を有利にするためのものとしか思えない.
 もはや小林は,売国奴に他ならない.

 最後1行は,現にある日米安保条約を廃棄した上,自主防衛体制を構築した上で,新たに条約を結ぶと言いたいのだろう.
 しかし,日本がアメリカと絶縁した上で,今から自力で兵器を開発するために,膨大な予算と時間を必要とする.
 まさか小林は,絶縁したアメリカが日本に最新兵器を売ってくれるなど,考えてなどいないだろうね?

 それに,自主防衛体制が完成したときに,どこと安全保障条約を結ぶというのだろうか?
 いったん自分から縁を切ってきた国と,再び安全保障協力体制を構築し直してくれるほど,アメリカもお人よしではない.
 よって,アメリカと安保条約再締結など考えられないはずだ.

 つまり,自主防衛から集団的自衛権へのプロセスとは,明らかにアメリカ以外の隣国,つまり中国や北朝鮮または統一朝鮮を念頭に入れているのではないだろうか.
 小林の求めているのはアメリカとの絶縁の上,中国,北朝鮮(統一朝鮮)との『東亜大同盟』による,大東亜戦争の復讐,白人への復讐なのであろう.

 ひょっとして小林は,日本がアメリカと絶縁すれば,北朝鮮は日本を敵視せず,かえって友好的になって,軍事同盟を結んで共にアメリカと戦う姿を妄想しているのかもしれない.
 次号のゴー宣以降,『主体思想』を日本に当てはめて,
「日本の独立と主体性を守る思想は,『主体思想』しかありえない.共和国とこの理念を共有して,米帝の侵略行為と戦おう!」
なんてことに,なりはしないだろうか(笑).

 親米保守が全て米国頼みで自主防衛構想がないってのも,小林の脳内妄想.
 実際は憲法改正から教科書運動から,自主防衛実現に向けた努力を長年続けてきたのが保守勢力で,それをことごとくつぶしてきたのが,いま小林が組んでいる左翼勢力.

 だいたい,自主防衛は憲法改正はもちろん,TMD,空母,スパイ防止法,情報機関設置と高いハードルが多すぎる.それを一つ一つクリアするのに米国を利用する必要があるのは言うまでもないし,実現まで何年かかるか分からない.
 その間の安全保障や軍事抑止力はどうすんだ?

 小林の理想は保守でも何でもなく,単なる偏狭な民族主義者.自立さえできれば何人犠牲が出ようが,経済的に逼迫しても,国際的な信用を失ってもいいってんだから.

(エセ保守監視小屋)

 なお,昭和36年7月,第8回共産党党大会では,
「現在,日本を基本的に支配しているのは,アメリカ帝国主義とそれに従属的に同盟している日本の独占資本である」
とする現状規定や,民主主義革命から引き続き社会主義革命に至るという「二段階革命」方式等を規定した現綱領を採択している.

軍事板

 小林の「従属」論のルーツは,このあたりにあるようですな.

 【質問】
 小林の反米気質ってそんなに駄目かな?
 それに,小林のは実際外交を親米でいくか反米でいくかとかいう話じゃないと思うんだが.

 【回答】
>反米気質ってそんなに駄目かな?

 現実を突きつけられると火病る程度なら,どんな気質だろうとダメダメ.
 小林の場合,その理論の難点を突かれると途端に中傷に走る.
 レッテルを貼る,醜く描くなどザラ.田久保のように,文章を改竄されてまるで原爆投下肯定派であるかのように言われた例もある.
 難点に論理で反論できず,逆ギレするような「反米」など,子供のダダと変わらん.

>実際外交を親米でいくか反米でいくかとかいう話じゃない

 小林よしのりは,現実政治の場にいる小泉総理をコキ下ろしている. 
 彼がやりたいのは,観念に留まる性質の議論ではない.

 そもそも,実際の外交に反映させるつもりがないのなら,何のために外交についての議論をしたがるのかな?
 自分の妄想を実現して欲しいという類の願望をぶつけるつもりなら,それは,国政を自慰の道具としか見れない自己の矮小さを,全世界に公言するのと同じだぞ.

 ちなみに,2004/9/3のテレビ朝日「朝まで生テレビ」にて.
 小林よしのり:
「だから,要するに民主党だって自民党だって,日米同盟を強化するべきだと思ってるわけだ.
 でもね,日米同盟を強化するって,一体どういう意味だと思ってるの?
 集団的自衛権を踏襲するということは,どういうことかと言うと,結局自衛隊自体も武器を持って治安維持にあたらなければ,ならないんだよ.それが結局,日米同盟の強化なんだよ」
 村田 晃嗣(同志社大学助教授):
「シナリオって,どういう風になるの?」
よ:「わしゃ,自主防衛がまずあらねばならんと思っとるから」
村:「一億二千万人(国民)を37万人(自衛隊員)足らずで,どうやって自主防衛をやるんですか?」
長島「コストは,誰が払うの?」
よ:「そりゃ,あの・・・」
村:「経済水準は,どう下がるの?」
よ:「経済水準が下がるんだったら,下がればいいじゃないの.
 それは沖縄の問題と同じになっちゃうよ.
 沖縄も普通だったら経済水準下がっても良いのか,だから,結局は,金の・・・」
村:「小林さんの説だと,国民は合意するわけですか?」
よ:「合意するか,どうか,今からの説得次第でしょ.」
村:「どういう風に説得するの?」
よ:「なんで・・・」
村:「具体的に言って下さい.」
よ:「どういう風に結局,経済水準が下がると言うわけ?」
村:「防衛コストがあがるじゃん.」
よ:「防衛コストを上げていいじゃないの.」
田岡俊次:「だって現在でも米軍に頼っる部分があるんだから,既に」
よ:「防衛コストを上げて,何故いかん!」
宮崎「核武装もありだと思ってるわけ?」
村:「NPT(核兵器不拡散条約)から脱退するわけですね?」
よ:「核武装が出来るようにアメリカを説得しなきゃ」
田原「ちょっと,いや・・」
村:「そんな説得力は日本に無いと,あなたは言い続けてるんだ.論理矛盾も甚だしいじゃない(嘲笑).自分がアメリカに対して日本は説得能力が無いと言っているのに,どうやって核武装するつもりなの?(嘲笑)」

 たまらず,田原,宮崎を指名する・・・
 ↓音声ファイル.
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/3408/asanama200409.htm
 最後の論理矛盾のところで小林の強烈なデンパを受けて,ナハナハ・ポーズを取っている村田を見せられないのが残念(笑).

 ……お話になりませんな.

(軍事板)


 【質問】
 以下は本当ですか?

――――――
 安全よりも生存よりも上位の価値が「独立」である.

――――――小林よしのり「戦争論」3(2003/7),p.305

――――――
 「独立」とは,「依存」せぬことである.
 国の独立を維持し,国の伝統を守るためには,安全と生存が,少々は危うくなるのを覚悟しなければならない.

 少々で済むかと,臆病者の声が響いてきそうだが,少々で済ませるのが国家を預かっている者たちの責任である.

 どうせ大東亜戦争で,あれほどの敗北を味わった身ではないか.
 もう何も怖くないと居直ればいいものを.
 何度敗北しても復活して,「独立」してやると誓えばいいものを.

――――――同

 【回答】
 同じページにある文章なんですが,互いに矛盾しています.
 上位の価値が「独立」であると言いながら,
>何度敗北しても復活して,「独立」してやると誓えばいいものを.
などと,反米のための戦いによって敗北する可能性を認めています.
 敗北後に独立が失われる可能性を忘れているのか,無視しているのか知りませんが,これでは反米のための戦いを起こすのが,「独立」より上位に来てしまいます.
 まあ,それが本音なんでしょうが.

 なお,「独立」=「依存しないこと」ではない,ということは別項を参照してください.

>少々で済むかと,臆病者の声が響いてきそうだが,
>少々で済ませるのが国家を預かっている者たちの責任である.
というのも無責任ですね.
「俺の言う通りにしたら,被害を目一杯出す可能性があるけど,その対策は他の人が考えてね」
と言っているに,実質等しいものとなっています.

 「後始末は他人任せ」というのが,小林流の「真の保守」なんでしょうか?


 【珍説】
 独立の手続きまで漫画家に考えさせるつもりなら考えるしかなかろう.
 独立を阻止するアメリカの回し者,利権目当てであわてて辺野古移設を推進する政治家,売国奴の群ればかりだ!
 ついでに郵政民営化,反対! 

小林よしのり in 『SAPIO』 2004/10/13号,p.58欄外

 【事実】
 「考えるしかなかろう」などと言いながら,2007年5月末になっても,いっこうに考えぬいた様子が見られませんが?

 そもそも,小林の自主防衛論に対して求められていたのは,
「あなたの主張は荒唐無稽で実現不可能です.
 もし実現可能だと言い張るのなら,どのように実現可能だというのか説明してください」
という説明責任であって,上記引用部分から読み取れるような,「漫画家任せ」というのとは全然意味合いが異なります.
 漫画家だろうが何だろうが,「公の場で荒唐無稽な言説を言いっぱなし」が通るものではありません.
「今までの主張は全部ギャグでした」
とでもいうのなら,まだ筋は通りますが,まさかそのように主張なされるおつもりなので?

 ついでに

>郵政民営化,反対! 

 では,代案を.


 【珍説】
 小林よしのりは,「同盟国アメリカの派兵要請には何が何でも応じるな」,なんて事は言ってない.

 【事実】
 諾否の条件を示してないのに「何が何でも応じるななんて言ってない」と言い訳したところでなぁ.

 どう考えても日本の国益に直結しない場所に,自国防衛を左前にして唯々諾々と引っ張り出されたなら兎も角,中東みたいな日本の国益つーか戦前の満州以上に日本の浮沈を左右しかねん生命線に,自国のモラル・イメージを傷つける恐れがほとんど無い活動内容と規模で派兵できるという好条件にすら盲(あるいは妄)反対するならば,事実上
「何が何でも応じるな」
と言ってるに等しいわけだが.

 メリットを論じないでデメリットを拡大したり捏造して触れ回ったりするのは,言論ゴロによる正論潰しの常套手段.
 よしのりが自覚的にやってるかどうかまでは知らんが,もし自覚してないなら情報や人脈を洗いなおした方がよさそうだな.

軍事板出張スレッド in コヴァ板


 【珍説】
 「自主防衛」は「単独防衛」ではない.
 同盟関係はあってもよい.
 同盟が従属にならぬためには「自主防衛」が絶対に必要だとわしは言っているのだ.

 ごーまんかましてよかですか?

 だが,まずウルトラマンの科学特捜隊のように,自力で自国を守る覚悟があるかだ.
 若者よ,考えるべきことはクソリアリズムから脱出する道だ!
 理想を捨てた国など,守る価値もないぞ!

小林よしのり from SAPIO 2004/11/10号,p.70

 【事実】
 確かに小林は「単独防衛」とは言っていません.
 だが,小林の主張する,核武装を含む重武装を実行すると,現在の北韓のように国際社会から孤立し,結果的に単独防衛せざるを得なくなる懸念があります.
 その意味で,小林の言う「自主防衛」は「単独防衛」とほぼ同義です.

 また,従属か対等かは結局,武力の大小によって決まりますから,米国との間に「従属ではない」同盟関係を築くには,少なくとも極東米軍と同等の兵力を持たねばなりません.
 32万人という最低必要人員も用意できない自衛隊予算では,それは不可能です.
 それに,闇雲に正面兵力だけ揃えればいいというものではなく,自衛隊が米軍と同等の力を持つためには,情報収集力なども格段にレベル・アップしなければなりません.
 イスラエルが中東で強国であり続けられるのは,質の高い軍隊と共に,モサッドなどの優秀な情報機間が存在するためです.
 それらは一足飛びに揃えられるものではありませんし,「覚悟」程度でどうなるというものでもありません.
 そんなものは,井沢元彦からも批判されている言霊(ことだま)信仰でしかありません.

 上記の指摘はクソリアリズムでも何でもなく,ただの客観的事実です.
 小林の言う「理想を持った国」とは,「現実を直視しない国」と同義でしかありません.

 しかも小林において不可解なのは,歴代内閣の中で,最も自主防衛力拡充に熱心な小泉政権をバッシングしていることです.
 それ以前の内閣を,防衛問題で小林が自主防衛!自主防衛!と批判している記述を,寡聞にして存じません.

 以上の事から判断するに,小林の言う自主防衛論とは単なるタテマエに過ぎず,小泉政権という親米政権を叩きたいがために持ち出してきている,「ためにする論」であるとしか考えられないものがあります.


 【小林主体思想】(別名:マルチ・スタンダード)

 守るべきは「国柄」であり,「国家の品格」である.
 「大義も正義もない」などと言う下品な国になれるか!

小林よしのり from SAPIO 2004/11/10号,p.70

 【ツッコミ】
 「国柄」にせよ,「国家の品格」にせよ,どのような基準を満たせばそれを守ったことになるのか,小林は示していないので,まずそれを明らかにすべきでしょう.
 小林は,日本がイラク戦争を支持したことがご不満のようですが,イラク戦争において米国には米国なりの大義があり,国際社会においては必ずしも大義は重要ではありません.
 詳しくはイラクFAQの該当項目を参照してください.

 もっと端的な例を言えば,チェコ併合という無法をやったナチス・ドイツと同盟を組んだ日本帝国については,小林は何と言うつもりでしょうか?
 小林の論理で言えば,「日本帝国は大義も正義もない国家」だということになってしまうわけですが.
 あるいは,相当えげつない植民地支配をやっていた英国と同盟を組んだ,日露戦争当時の日本は? やはりこれも「大義も正義もない」のですか?


 【小林主体思想】(別名:マルチ・スタンダード)

 国際法無視で先制攻撃もするアメリカが,ウルトラマンのはずもないが,超大国との同盟は,属国にならぬ「気概」を持たねば,侵略にだって加担する最低の国になってしまう.

小林よしのり from SAPIO 2004/11/10号,p.70

 【ツッコミ】
 まず,先制攻撃は別に国際法違反ではありません.
 イラク戦争以降,この点についてずっと小林は同じ誤りを言い続けているのですが,一向に修正する様子はありませんね.
 詳しくはイラクFAQの該当項目を参照してください.

 また,「属国にならぬ『気概』」とはいったい何でしょう?
 上述のように,単独防衛のことではないと,小林は軌道修正しています.
 すると,日本のどこを指して「気概がない」と言っているのか,ますます分かりません.
 これまでの小林の言動を見ていると,結局,
「イラク戦争に賛成したという,小林の気に入らないことをした」
ということを指して,そう言っているとしか思えません.

 一介の個人が気に入るか気に入らないかで気概の有無が判定されるような,そんなオウム真理教みたいな国,イヤ過ぎます.


 【珍説】
 わしが「朝生」で,自主防衛を口にした時,親米学者は金の問題を最初に切り出した.
「軍事費がいくらかかると思ってるんだ!?」

 これにわしは衝撃を受けた.
 あの昭和の敗戦を少年として過ごした世代の男ではない.わしより若い世代までが,まず損得勘定から国益を考えるのである!

「真の独立の理想よりも,今の豊かさを手放したくない!」
 米軍基地に依存して,主体性を喪失した沖縄の一部の人々と,全く同じ思考回路になってしまった者がヤマトにもいるのだ!

小林よしのり from SAPIO 2004/11/10号,p.69

 【事実】
 「豊かさを失う失わない」レベルで済む話ではありません.
 小林の言う方向での自主防衛,すなわち核武装と,在日米軍並みの軍備を,日本独自で用意すると,財政が破綻し,かつ,NPT体制から抜けることで国際的にも孤立します.
 核兵器が抑止力として配備できるようになるまでには,フランスの例を見ても50年近くかかっていますから,日本も同じくらいの時間がかかるでしょう.中国や米国の妨害を考えない場合でもです.
 50年近く国際的孤立が続きますと,貿易で成り立っている日本が受けるダメージは莫大なものがありますから,その結果,今の北韓のよりも貧しい国になりかねません(北韓には,曲がりなりにも天然資源があります.中国の支援もあります.孤立した日本には,それすら期待できません).
 最悪の場合,餓死者続出ですね.
 そうなってもまだ小林は,「損得勘定で考えるな!」と,飢え死にしかけている民衆に,面と向かって言えるでしょうか?


 【小林主体思想】(別名:マルチ・スタンダード)

 〔上述部分を受けて〕このようにして国民の最も大切な「気概」は失われていく.
 現実主義(クソリアリズム)の前にあっさり「尊厳」や「正義」を捨て去るからである.

小林よしのり from SAPIO 2004/11/10号,p.69

 【ツッコミ】
 上述のように,あまりに小林が非現実的過ぎるのであり,気概などの問題ではありませんし,「尊厳」や「正義」を捨て去った上で小林に異を唱えているものでもありません.
 単に小林に,異論に耳を傾ける「器量」が失われているだけです.


 【小林主体思想】(別名:マルチ・スタンダード)

 〔ウルトラマンの脚本家〕金城哲夫は「自主防衛」を理想としていた.
 たった3000人の薩摩の兵に屈伏した琉球王朝を知っていたから.

 金城は米軍基地を削減して,自衛隊による防衛を期待した.
 それが沖縄と本土との掛け橋になると夢を描いた.
 わしはこの金城の理想を継ごうと思う.

小林よしのり from SAPIO 2004/11/10号,p.69

 【ツッコミ】
 米軍は沖縄だけを守るものではないし,米海兵隊を自衛隊で代替しようと思ったら,同じ頭数を揃えるだけでは足りませんが? 強襲上陸作戦用艦船・航空機はどうするんでしょうね?
 まさか,それらは米軍に借りるとか? そうだとしたら,それのどこが自主防衛なんでしょう?

 そもそも,金城は脚本家としては一流であっても,軍事についてはアマチュアに過ぎません.
 「掛け橋のための自衛隊駐屯」なんて,


 【小林主体思想】(別名:マルチ・スタンダード)

 わしは「朝まで生テレビ」で,米軍ヘリ墜落事件について沖縄県民の怒りを全国に伝えようと議論していたが,その最中,
「自主防衛,しかも核保有もありうる」
というわしの主張を言わねばならぬはめになった.

 そのとき,この金城哲夫への沖縄の人々の反発が脳裏をよぎった.

 親米学者から
「自主防衛なんかあり得ない」
とまくしたてられ,まるで沖縄県民から罵られているかのような複雑な心中だった.
「経済水準下がるよッ! どう国民説得できんの?」
(「自主防衛なんかあり得ない」 その点は親米派も沖縄県民も一致か…!?)

小林よしのり from SAPIO 2004/11/10号,p.68

 【ツッコミ】

>金城哲夫への沖縄の人々の反発

 そんな大層なものではありません.上述のように,小林の無理・夢想的な「自主防衛論」が嘲笑されただけでしょう.
 なお,大国に囲まれているという地政学的見地から言っても,自主防衛などありえません.
 そのことは,日英同盟締結以後,ずっと自主防衛ではなく,何らかの同盟を日本が他国と結んでいることからも明らかです.


 【小林主体思想】(別名:マルチ・スタンダード)

 「安全と繁栄」
 それが親米派の考える「国益」である.
 日米同盟なしにそれはあり得ないので,一切アメリカに不服は言わず,ただ盲従すべきだと彼らは言う.

小林よしのり from SAPIO 2004/11/10号,p.68

 【ツッコミ】
 「盲従すべき」と言っている「彼ら」って誰のことなんですかね?
 ぜひ,実名と,その発言の出所を挙げていただきたいですね.

「イラクではイラクよりはアメリカ側につこう」
「外交は是々非々で行こう」
と主張している人々なら大勢見かけましたが,小林が主張するような人物にお目にかかったことがないので,ぜひ挙げていただきたいものです.


 【小林主体思想】(別名:マルチ・スタンダード)

 イラク戦争のように,国際法を踏みにじっても,侵略でも支持し,力ずくの占領に手を貸し,できれば集団的自衛権を行使して,治安も担当し,レジスタンスするイラクの民衆まで殺すべきと言っている.

小林よしのり from SAPIO 2004/11/10号,p.68

 【ツッコミ】
 これもぜひ,そのように「言っている」人物の実名と,その発言の出所を挙げていただきたいですね.

 イラク戦争は国際法違反ではありませんし,国際法を踏みにじれ,と主張している人物も寡聞にして存じません.
 「国際法を踏みにじれ,と主張している!」と小林が誤読している人物なら存じておりますが.
(詳しくはイラクFAQへ)

 また,SAPIOで,
「自衛隊は集団自衛権を行使できないから,隣の米軍や現地住民が攻撃されていても,黙って見殺しにしなければならないのが問題だ」
と言っていたのは小林本人だったように記憶しておりますが?

 さらに,テロリストがレジスタントなどでなかったのは,今日では明白となっています.
 民間人を平気で巻き添えにしたり,シーア派とスンニー派の抗争を激化させるため,モスクを爆破したりする「レジスタント」って何だよ(笑)

 【質問】
 自主防衛できている国は現在,どれだけあるのですか?

 【回答】
 何処の国も,大なり小なり軍事同盟を他国と結んでいるのが現状です.

 たとえばアメリカはNORAD(北米航空宇宙防衛司令部)でカナダ軍を自国防衛に組み込んじゃいました.
 カナダ軍無しで国防を考えろ,とした場合は,本土防衛体制を一からやり直しですね.


 ロシアはCISがもう機能していないので,自国のみで国防をやっていると言えそうですが・・・ソ連崩壊から,軍そのものが立ち直っていません.

 強いて言うなら永世中立国ですか.
 これは自国のみで防衛力が完遂されていることを国際社会から要求されます.
 出来なければ永世中立国の地位は認められません.
 スイス軍は有事に50万近い軍隊を編成できます.即応予備で.

 スウェーデンは永世中立を止めました.
 NATOに加盟してます.
 スイスも近い将来,永世中立を止めてしまうだろうと言われています.

 例外的に,中国は自国のみでやっているといえます.
 長い間,ソ連とも敵対していました.
 そしてアメリカとも敵対していました.
 ただ,中国の核戦力はそれらに比べて貧弱で,とても全面核戦争を勝ち抜けるものではありませんでした.
 そこで彼等は現在,核戦力の拡張を行っています.

JSF in mixi


 【質問】
 歴史上,単独防衛ができた国家なり勢力なりは存在したのか?

 【回答】
 以下のコラムを読む限りでは,およそ歴史上,まず存在していないといっていい.
 時代時代の「最強国家」については,また別の話になるだろうが.

***

 アメリカと北朝鮮が,最近歩み寄りの姿勢を見せている.
 ちょっと前には,アメリカの下院で従軍慰安婦非難決議なんてのもあった.

 こういうことから,右側の一部の方々から,またぞろ単独自主国防論がちらほらと出ているようである.

 曰く,今の日本はアメリカの属国であり,植民地である.単独で国土を防衛できるようにしなければならない.そのためにも空母と核武装を(ry

 いわゆる,「アメリカのポチ」論である.

 福田内閣が発足したことによって,同様に「中国のポチ」論も出てきている.

 少し夢を見すぎではないだろうか?

 私は軍ヲタではないので,詳しいことはわからないが,単純に考えて,石油と食糧をほとんど諸外国に依存している状況で,単独防衛なんて素人目にもほとんど不可能ではないか?

 そもそも,太平洋戦争だって,1年しか石油がもたない状況で始めて,やっぱり圧倒的な物資の差で敗北したのではないか?
 
だいたい,おおよそ古今東西の歴史で,単独で国土を防衛したり,戦争をした国というのは,おれは知らないし,孤立した状況に陥った国というのは,やっぱりだいたい敗北している.

 古代ローマだって,常に同盟する国や部族が存在し,連合して戦っていた.
 ハンニバルに勝てたのも,ヌミビア騎兵を味方にできたことも大きい.

 日露戦争のときの日本だって,大英帝国という強力な同盟国がいたからこそ,戦うことができた.
 太平洋戦争だって,ドイツやイタリアといった同盟国が存在した.
 決して単独で戦ったわけではないのである.
 あまり役には立たなかったようであるが.

 戦国大名だって,単独で領国を守っていた者など一人もいない.
 いかなる大名でも,必ずどこかの勢力と同盟したり臣従していたのである.

 神君徳川家康の半生は,常に誰かに従属する歴史でもあった.

 誰でも知っているように,幼少の頃の家康は,今川義元の人質であった.
 東に今川,西に織田という強大な勢力に囲まれ,父松平広忠も暗殺され,リーダー不在の状況の中で松平が生き残るには,織田か今川,どちらかに従属する選択肢しかなかったのである.

 むしろ,家康を今川一門の娘と結婚させ,一門に準じる扱いをした義元の厚遇ぶりを注目するべきほどである.

 義元が織田信長に桶狭間の戦いで倒されてからは,家康は信長と同盟するが,実態としてはほとんど信長の臣下であった.

 信長上洛にも援軍を派遣し,朝倉攻めでは木下籐吉郎とともに殿をつとめる危険な役割を果たした.
 姉川の戦いのときには,三河勢ほとんど全員を率いて参戦し,敵軍と真っ正面から全面衝突した.

 現代の左の方々風に言えば,家康は信長の戦争に積極的に加担したのである.

 ここまで信長に貢献したにもかかわらず,信長は家康に対して概して冷淡であった.

 武田信玄が遠江に侵入してきたときには,信長はたったの3千人しか援軍を派遣しなかった.
 前の年に,姉川に全軍投入した家康の貢献ぶりとは,えらい違いである.
 まあ,この時期信長は四面楚歌状態で,家康を支援する余裕がなかったことも大きいが・・・

 おかげで家康は,三方ヶ原で信玄に大敗し,糞をもらしながら浜松城に逃げ帰る羽目となった.

 長男の信康も殺害するように信長に命じられ,おとなしく殺害している.

 これを「信長のポチ」と言わずして何と呼ぼうか?
 ある意味,現代の日米関係などよりはるかに卑屈で屈辱的な立場である.

 信長の死後は,豊臣秀吉に従属することになったが,ここでも家康の卑屈ぶりはひどい.

 小田原攻めでは,駿府城の本丸まで秀吉の宿泊所に提供し,家来の本多作左衛門に,
「殿は妻妾まで命じられたら秀吉に貸し出すのか?」
と大声で罵倒されている.
 ちなみに,作左衛門の一連の無礼な所業に激怒した秀吉は,後に家康に命じて作左衛門を失脚させている.

 北条氏が滅亡した後,関東移封を命ぜられたときも,先祖伝来の地である三河をあっさりと捨て,誰もが驚く素早さで江戸に引っ越している.
 まさに「秀吉のポチ」である.

 しかし,歴史の真の勝者は誰か?

 信長でもなければ,秀吉でもない.
 最終的に天下を統一し,300年にわたる盤石の政権・江戸幕府を築いたのは,彼らのポチであった家康である.

 もし家康が三河武士のなんちゃらとか,くだらない,ちんけなプライドにこだわってたら,とっくに滅亡していたことであろう.

 現に,例えば織田信雄は,徳川旧領への移封を秀吉に命じられたが拒否したために,所領をすべて没収された上に,流罪に処されている.

 家康が天下を獲れたのは,強運も大きいが,その強運を引き寄せるまで,じっと忍従していた家康のヴィルトゥがあってこそである.

 彼は,決して現実から逃げなかった.
 自らと家臣たちの生命と財産を守るために,そのときどきの状況ででもっとも有効な選択肢を常に選んでいたのである.

 私は,何もアメリカや中国の主張をすべて受け入れろなどと言っているのではない.

 日本の立場や国益を主張するべきところはきちんと主張するべきである.

 家康も,生涯に何度も出陣して全力で戦い,「海道一の弓取り」と畏れられ,賞賛された.
 忍従の反面,人々に軽蔑されず,尊敬されていた事実を看過してはなるまい.

 要するに,もっと現実をよく見て,リアリストになろうよ,そういうことである.

「はむはむの煩悩」,2007年10月 6日 (土)
青文字:加筆改修部分


 【珍説】
 日本より遙かに国力の劣るフランスが,冷戦時代から自主防衛を達成していたのに,何故日本に同じことが出来ないのか,軍オタは納得いく説明を出来るのだろうか.

 よく言われる中国の脅威にしても,それ以上の脅威だった冷戦当時のソ連に対峙していたフランスは,自力での核武装や国産兵器・外洋艦隊の充実で乗り切った訳だが.

 【事実】
 自主防衛違いますから.
 NATOの軍事機構から離脱しただけで,理事会・政治委員会・経済委員会・NADGE等には普通に残留して ます.
 NATOの最高司令部や大西洋連合司令部には連絡将校を送ってるし.
 しかも,普段は自立とか言ってるけど,肝心かなめの時には速攻で米支持を明確に打ち出してる(第二次ベルリン危機・キューバ危機等)しで,ドゴール主義はあくまで「演出された自立」でしかないってのが実情.

 あと一番肝心なのは,フランスにとってソ連はドイツの向こう.

 「軍事力の充実」について言えば,スエズ危機以後,フランスの軍事力がフランスの"独自"外交に寄与した事は殆ど無いんですが・・・

●核兵器

 報復核戦力として"使い物になる"戦略原潜〔ル・トリオンファン〕級をゲットしたのは93年と冷戦終結後で,同級は4隻で打ち止め.
 前級の〔ル・ルドゥタブル〕級SSBNは騒音が酷く,中国の漢級並みとは言わないが"沈黙の艦隊"としては「使えない代物」でした.
 護衛の〔リュビ〕級SSNは"戦闘機"の役目のハズなのに,世界の攻撃型原潜中で最鈍足というワケワカメな代物ですし.
 地中海を米第6艦隊が"聖域化"していなかったら,どうするつもりだったんでしょうか?

 残る報復核戦力は片道特攻のミラージュだけ.
 仮に冷戦期にWW3が起きたとしても,フランスの核は,ライン川とエルベ川の間で炸裂させる戦術核用途以外に使い道はありませんでしたよ.

 その上,フランスはアメリカと核技術交換協定結んでるんで,自前の核武装とも言えません.

●国産兵器

 アレを買うのは貧乏国の証明みたいなモンですよ.
 アフリカの独裁者が軍事パレードでホルホルするには良い代物でしたけど.
 ラファール買うぐらいなら,初飛行がそれより古いイーグルの最新バージョン買った方がマシです.財布が許すなら,ですけどね.
 イラク戦なんか,ルクレルクの格好の「宣伝場」になったと思うんですけどねぇ.
 結局「いいところ」は全部チャレンジャー2とエイブラムスに食われた.

●外洋艦隊

 ああ,空母と原潜に予算食われて,フリゲート艦も満足に揃えられない,一枚看板の外洋艦隊ですか.
 んなモンを日本が持ったら,インド洋どころかマラッカにも艦艇を派遣する事は無理ですよ.
 海自は伊達に,世界最強クラスの防空・対潜任務艦隊を4個も持ってるワケじゃありません.

(名無し四等兵 ◆clHeRHeRHo,鳥坂 ◆nSC8E.bvp6 in コヴァ板・軍事板出張スレッド)


 【質問】
>大統領が「アメリカから統帥権を取り返す!」と頑張っている韓国では,
>アメリカ抜きの国防を考えた場合,軍事費がGDPの3%を突破するのは確実,と言われて
いるそうですが,軍事費がGDPの何%を突破すると経済に悪影響を及ぼすと考えられるのでしょうか?

 【回答】
 発展途上国のケースですが,対GDP比2.2%の軍事支出を7年継続した場合,GDPの約2%が永久に失われると言うシミュレーション結果が出ています.
 従って,3%を支出すると言うことは,それだけ経済に悪影響を及ぼすことになります.
 なお,5%になると,公共支出,特にインフラ維持,保健分野などの部分を抑えざるを得なくなります.

眠い人 ◆gQikaJHtf2


 【質問】
 〔平和貢献任務派遣要員は〕国連の平和維持活動に加わるための部隊にして,米軍とは切り離してはどうでしょうか?

タケル in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【回答】
 これは効率が悪すぎると思います.
 まず,その「国連」の指揮権が曖昧.
 「だれが」「いつ」指揮を取るのか.

 日本が独自に取った場合,やはり集団的自衛権の行使は必須になってしまう.
(国連軍であるからには,結局他国との連携が必須となる)

 それなら,結局同じことでしょう.

ますたーあじあ in mixi


 【珍説】
 〔憲法違反の集団自衛権行使をさせないため,自衛隊は〕日本領内から一歩も外に出るべきではないと思います.

タケル in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 これには,二つほど理解しなければならない前提があります.

1)日本領海から出ないということは,本土決戦もあり得て,さらに,自衛隊の現状では,本土にそれなりの被害が出ることも予想されるが,自覚はあるか?

 そりゃ「最終的には撃退」されるでしょうが,相手にその意思があれば,本格的な上陸は無理でも,それなりの被害を日本は受けます.
 たとえば現状では,近畿・中国を守るのが一個師団+α程度しかありません,
 これでは即応は不可能です.

2)日本の現状では「疑わしい」船は攻撃できないのだが,これら「疑わしい船」や「不審な人物」に対する対処としての,独自ROE(交戦規定)の制定に対するビジョンはあるのか?

 「日米同盟に寄らない」安全保障抜きにしても,二つの問題に対する対処法が必要です.
 「日米同盟に寄らない」安全保障なら,当然もっとハードルは高くなります,現実的なビジョンはおありでしょうか?

ますたーあじあ in mixi

 【珍説】
 おっしゃる様な具体的な交戦規定は,公表される様な性質のものではありませんよね.
 Wikipediaによれば,防衛庁は今年度,自衛隊法を根拠にして
「武器の使用を明確に任務とすることを決定した」
とありますから,これでよろしいじゃないでしょうか.

タケル in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 いえ,ROEは,他国との「どのような状態なら交戦する」と示さなくてはならないので,基本的には,ちゃんと定めるべきなのです,
 今の日本では,それが曖昧なため,他国から不審の目で見られている部分もあります.
 恣意的解釈で,拡大されるように思われますから.

 〔現在の日本の〕「交戦規定」は,その時々の指導者が決定するといった具合で,基準が曖昧なのです・・・.
 ゆえに,いかようにも取られかねません.
 だからこそ「きちんとしたROEの制定」が必要であり,独自防衛を考えるなら,まずそこから整備したほうがいいと言う考えから,出させていただきました.

 これは,一朝一夕に出来るものではありません.
 だからこそ,ビジョンが必要になってきます.

 細かい規定でなくてもいいです.「グランドデザイン」の様な考えでもいいかと思います.
 例:脅威レベルの設定・設定した脅威レベルに対しての個別対処法・対処に当たっての手法など.

 自主防衛に関してのハードルは高いです,物凄く.
 でも,目指すのであれば,やはりビジョンが必要になるでしょうね.

 しかも50年と言ったスパンの.

ますたーあじあ in mixi


 【質問】
 よく自称平和主義者の人達の中に,「日本は資源もなく,島国で小国だから占領する価値がない,だから軍隊は必要なく小さな国境警備隊だけで充分」とか言う人が居ます.
 でも,かつてのチェコ・スロバキアも資源がなく,工業くらいしか価値がなかったのに,ドイツはチェコに侵攻し占領しています.
 日本も,小資源国ですが,研究所や工業等が充実していますし,海洋国家という利点も,軍事力を縮小してしまえば意味がなくなります.
 「日本を占領する意味が無い」という結論に達するには,「侵略するのに大きな戦力と犠牲を払わなければいけなくて,なおかつ,その犠牲や出費に見合った価値が得られない」という前提が無ければ成り立たないと思うのですが.

 はたして,チェコには日本とは違うなんらかの価値があったのでしょうか?

 【回答】
 チェコ,スロバキアは東と西のヨーロッパを考えた場合,地政学的に非常に重要.
 国そのものの価値というより,あの土地を抑えておくことに充分価値があった.

 国境線だけ書かれてある地図だけだとどうしてもそのあたりが見えてこないので, 山岳や川も書いてある地図と見比べてみるといいよん.

 一方,日本についてだが,

>日本は資源もなく,島国で小国だから占領する価値がない

という前提からして間違ってると思われ.

 識字率どころか高等教育が当たり前なほどの人的資源,世界第二位の経済力,工業力に技術力etc
 なにも石油とか鉱石ばかりが資源じゃない.
 それに豊富な水産資源はそれだけでも十分な価値がある.

 地政学的にも西太平洋に大きな影響を及ぼせる位置にあり,島国としては大きな国土を持ち,利用価値も高い.
 周囲にはロシア,中国,ASEANなど多彩な国家があり,海を越えてアメリカに臨む北太平洋の要所.
 北太平洋航路と東南アジア航路は世界の主要な船舶航路の二つでもある.
 海洋国がすべからく貿易立国として繁栄するのは大量の物品を,大きな労力を要せず運搬できる良港を有するが故.
 物品の輸送手段として船舶以上のものは現在存在しない.

 ぶっちゃけ,「日本を占領していいですよ」っていわれて惹かれない国はないと思われ.
 ただし日米同盟を敵にまわして,となると別問題だが.


 【珍説】
 オイラは,21世紀に軍事大国になるであろう中国と,20世紀の強大な軍事大国アメリカの間で,バランスを取っていく「小国外交」が取るべき道と思っています.

タケル in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 韓国がそれと同じようなことを言って,どちらからもそっぽを向かれているが,何ゆえわざわざ真似をしようとするのかね?

 ぐぐるさんきーわーど
「北東アジア バランサー 外交 韓国」

Cpt.hige in mixi

 ぐぐるさんきーわーど追加.

イソップ童話 こうもり

ゆきかぜまる in mixi

 「バランスを取っていく小国外交」は,地理的にも地政学的にも難しいです.
 我が日本列島の位置は,大陸の「蓋」のような構図になっています.
 その中でどっちつかずというのは無理があります.
 地政学的に見れば,大陸国家:中国と海洋国家:日本の戦略的に共有できるメリットが,私には思い浮かびません.
 ですから,小国外交は難しいかな?というのが私の結論です.

葉月 in mixi


 【質問】
 日米同盟が無くても,日本を征服できる国は無いんじゃないの?

 【回答】
. 確かに,直接かつ軍事的に日本を征服するのは難しいかもしれない.

 しかし,軍事力には「他国に自らの意思を強制させる」という側面もある.
 これに対抗するのも軍事力だが,日米同盟の解消は確実にコレを無視できないところまで弱める.
 例えば中国に征服されるまでは行かないでも,中国との領有権問題で,強気に出られなくなる,などの悪影響が考えられる.

 しかし,日米同盟によって負担を受けている面があるのも事実.
 これは例えば沖縄の米軍基地や,思いやり予算など.
 政治的にも,良くも悪くもアメリカの影響を強く受けている.


 【珍説】
 〔中立国には必ずしも,〕想定される敵国の軍を打ち負かす能力はいらない.
 国連中心主義をとって,アメリカから侵略されたら中国やロシア,中国から侵略されたらアメリカを中心にして,侵略軍を排除する多国籍軍なりを作りましょう.
 それまで国の機能を保って「耐えられる」能力が必要だと思うワ.

 もっともそうなれば全面戦争になりかねないから,おいそれとは手は出せないが,少なくとも「絶えられる」能力持てば一層侵略の意図を挫くことは確か.

 でもって「耐える」能力だから,正規空母も戦略原潜も戦略爆撃機もいりません.
 日本の自衛隊は迎撃能力と哨戒能力が突出していますよね.
 まあ,アメリカの要求に基づいてこうなった訳だけど,単独での防衛=「耐える能力」を考えても,この両方の能力は充分生かせると思います.

タケル in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 50年以上もまともに国連軍を運用できていない組織になぞ頼れません.

ゆきかぜまる in mixi

 仮に国連に頼るとしても,湾岸戦争時にクウェートにイラク軍が侵攻してから,国連が決議を出して作戦に至るまでに半年を要しましたから,耐えられる期間は半年以上は必要でしょう,
 その頃には既に戦争の趨勢は決まってると思われます.
 国連軍が編成される前にカタが付く可能性が高いわけですな.
 制海権,制空権が奪われたら,日本は満足に補給すら受けられず,闘うことすら出来ない事は,太平洋戦争で証明済みですので.

 そしてアメリカ軍の侵攻速度は,太平洋戦争の比では無い状態です.
 そうなると,「負けると分かった馬」に乗りたがる国は何処にもいないと思いますよ?

 そして,湾岸戦争のように「あからさまな侵略」であっても,反対国の活動により決議に遅延が出てしまいます.何より他国がアメリカに脅えて「決議が否決される可能性」も有り得ますので,国連第一主儀というのはいただけないと思いますが.

 それに,アメリカと日本が対峙するのであれば,太平洋上における制海権,制空権の争奪戦にならざるを得ないので,中国,ロシア(ソ連全盛期ならいざ知らず)の海軍力では不安な面もあります.
 ロシア海軍の艦船の稼働率は全盛期に比べたらかなり落ちたはずですが.

 それに中立国って
「他国なんか信じられない」
から中立なのではないかと思うのですが.
 スイスだって,国連に加盟したのなんてついぞこの間(2002年)ですし.

>でもって「耐える」能力だから,正規空母も戦略原潜も戦略爆撃機もいりません.

 相手の補給基地,補給線を潰す事は重要ですよ?
 何より敵の侵攻速度が遅くなるので,耐える為の大きな時間稼ぎになります.
 現在の日本では,対地攻撃を行える足の長い爆撃機が無いので開発が必要でしょう.
 同様の理由で攻撃空母も必要かと思ったのですが,確かに攻撃空母は要らないですね.
 金食い虫だし.空中給油機と攻撃機があれば十分ですな.
 まあ現状,攻撃機も十分に無いわけですが.
 戦略原潜は必要ですよ.
 相手が核で脅してきた時に核の報復が出来るわけです.

 今まで日本は,敵基地への対地攻撃やら核の報復やらはその役をアメリカに任せていたわけですから,アメリカから離れるのであれば,その能力の補完は必要でしょう.

あぶ4 in mixi


◆◆◆◆「スイスを見習え」論


 【質問】
 日本が,スイスのような武装中立国を目指すことは可能か?

 【回答】
 スイスは,一番の資源が人という国ですから,徴兵制で,
「いざという時は,国民全てが,侵略者に立ち向かう」
という姿勢を見せる事によって,侵略者にとって,侵略する事にうまみがなくなる(人的資源を利用できない)ようにしているものです.

 しかし日本は,大陸の国から見ると,太平洋への蓋なわけで,日本列島という土地ににうまみがあるわけですから,スイスの真似をしても,同じようにはいかないでしょう.

 「怖がりな超大国」である米国の軍事的な同盟国が,太平洋,大西洋を越えた先にあり,軍事基地もある事が,米国を安心させている部分もありますから,中立よりは,今の同盟関係の方が,ええのではないかと思います.

(軍事報道を考えるスレッド in マスコミ板)


 【珍説】
 安全保障の哲学については,国の規模や方法は違いますが,スイスやスウェーデンの中立主義は良い参照事例となりましょう.

タケル in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 おっしゃるとおり,その二カ国は独自防衛を目指していました.独自防衛を目指すと言うことは,装備体系も独自に揃えると言うことです.
 装備を他国からの輸入に頼ると言うことはそれだけで輸入もとの国と安全保障上の強い関係を持たざるを得ないからです.

 それを嫌って,複数の国から兵器を輸入する国もありますが,この方法はコストパフォーマンスがよろしくない.

 で,スイス・スウェーデンはどうしたか.スイスは工業力が伴わないのでオオモノ(戦車や戦闘機等)は輸入しました.

 しかし,スウェーデンは,日米独と言った一流工業国には劣るものの,工業力はなかなかのものです.このことは,ボルボ・サーブといったスウェーデン車が日本にも輸入されていることからお分かりかと思います.

 それなりの工業力を持ち,中立政策-国防を他国に頼らないという方針を採った結果,装備も自国で生産しよう,という事になっています.現に戦闘機/軍艦/戦車といった正面装備を長い間自国生産しています.まあ,最近になって新型戦車はドイツから輸入することになったようですが.また,自動車で名を挙げましたが,もともと,「サーブ」という名前は「スウェーデン航空機会社」の略称であり,しかも,軍用機製作のための国営会社だったんです.
 で,スウェーデンは中立国とは言え,経済形態は資本主義です.いくら国策会社とはいえ,放漫経営で赤字がかさむことは許されません.しかし,スウェーデン一国だけでは売り上げは限られた物になります.また,兵器開発にかかるコストは増大するばかり.

 なのでどうしたかと言うと,製品,つまり兵器の積極的な輸出を行うことになります.現在でも最新型戦闘機の売り込みが続いています.それに,自国だけではなく,他国へ輸出するほど生産数を増やすことができれば,量産効果に寄り価格を下げることができます.これは国防費の圧縮につながります.
 また,スイスも兵器輸出国です.戦車/戦闘機といったオオモノは輸出していませんが,機関砲などが有名です.

 というようなことを綺麗にまとめたサイトが存在しますのでご一読ください.

意外な兵器輸出国 (2005/9/19)
http://www.kojii.net/opinion/col050919.html

 さて,中立政策を維持するにはそれなりの軍備は必要であると言うことはタケル殿もお認めになっています.

 しかし,それを維持する努力についてはどうですか?

 中立国は自国独自の装備体系を維持するためにも兵器の輸出を行っています.日本でそんなことが可能でしょうか?

ゆきかぜまる in mixi

 装備面というより政治面の努力になりますけれど,こんな本もありますね.

「中立国の戦い」(飯山幸信著,光人社NF文庫)

井上@Kojii.net in mixi支隊


 【珍説】
 スイスが専守防衛に徹してることだけを見本にすればよいと思います.
 戦場になるとしたら国内だけと想定してるところがすごいです.
 徴兵,軍事訓練などはマッピラゴメンです.これは日本の方が良い.
 スイスの国境地帯に行くと,山腹などにトーチカなどが配置されているのが伺える.

 【事実】
 スイスの国境と日本の国境がわかる世界地図を見てください.
 スイスの国境は統べて他国と陸地上の国境線で接しています.
 自国防衛の為に国境を出るということは,当然のことながら,他国へと歩を進めたことになります.
 こういう地理的条件の国の場合,自ずと「国内」に限定せざるを得ません.
 こちらの意志(平和と自由自治)を省みず,こちらの国へと武力浸透する相手から国民の生命財産を守る為には,相手の意志をくじかせることが必要です.
 従い,スイスは国境地帯の山腹などにトーチカなどが配置されているのです.

 一方,日本の場合は四方が海です.
 日本も自国の意志(自由と平和)を守るために他国の領土に入らない地域でトーチカで防衛しています.
 当然トーチカという陸上防衛設備は海上ではつくれませんから,護衛艦だとか飛行機がスイスのトーチカと同じ位置付けで運用され
るのです.

 スイスが自国内という表現は正しくありません.
 正確には「他国へ進出しない範囲」です.
 日本も同じく「他国へ進出しない範囲」という意志でやってるでしょ.

自由と平和愛好家 in 軍事板

 小川和久も,「 日本が同盟関係を結ぶにはアメリカが最も良い相手であることを,否定する人はいないでしょう」と述べ,非同盟の限界にも言及している.
 以下引用.

 端的に言って,独立した国家が安全と繁栄を実現するには,「非同盟」を選ぶか,「適切な同盟関係」を選ぶか,2つに一つの道しかありません.
 第2次世界大戦後に登場したインドをはじめ多くのアジア・アフリカ諸国は,東西どちらの軍事同盟にも加わらず,平和の実現や南北格差の解消を目指し,前者の「非同盟」を選びました(永世中立国として世界が認めているスイスやオーストリアが,どの国とも同盟を結んでいないことは言うまでもありませんが).
 もっとも,非同盟を標榜する国では,その後,大国に軍事基地を提供したり,大国と軍事協力条項を含む有効条約を結んだりする国が増え,さらに非同盟諸国間の対立や紛争も激化,戦後の一時期に勢いがあった非同盟主義は,すっかり色あせてしまいました.

 一方,ヨーロッパの国々は後者の「同盟」を選びました.
 西ヨーロッパの主要国はアメリカと北大西洋条約を結びNATO諸国として,東ヨーロッパの主要国はソ連とワルシャワ条約を結びWTO諸国として,それぞれ米ソを中心とする同盟に参加しました.
 先の大戦後,非同盟を貫かないのであれば,西側(アメリカ側)か東側(ソ連側)か,いずれかの同盟に加わる以外に選択肢はなかったわけです.

 敗戦で米軍を中心とする連合国軍に占領された日本も,その延長線上で日米安保条約を結び,日米同盟を選択しました.
 1960年当時の安保闘争など国論を二分するかのような混乱もありましたが,結局,日本はアメリカと「適切な同盟関係」を結ぶという選択をし,国民もこれを支持してきたのです.
 東西冷戦の終結でソ連が崩壊し,ソ連の衛星国だった東ヨーロッパの国々がこぞってEU入りを目指したことを振り返れば,日米同盟という選択は間違っていなかった.
 日本が同盟関係を結ぶにはアメリカが最も良い相手であることを,否定する人はいないでしょう.

小川和久著「日本の戦争力」(アスコム,2005.12.5),p.89-90


 【珍説】
 スイスの防衛力も20年位前に勉強したことがありますが,それとあんまり変わってなければ,そんなべらぼうな金を掛けちゃいないはずです.
 今調べてみたら41億ドルっていう数字があった(何か当てになりそうに無いサイトだけど・・・).

タケル in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 ヒント:【スイス海軍,ホントマジ貧弱】

ぉ拓 in mixi

 日本とスイスの国土面積・海岸線延長etc.を比較して同じ額で可能だと考えてるんですか?

ゆきかぜまる in mixi

 あの,スイスは内陸国なんですが・・・・.海軍に掛ける金が掛からないわけなんですが・・・.全く同じなわけ無いでしょう.

 で,算定のお話.
 基本的に中立国は有りとあらゆる侵略に耐えなければなりませんから,一番の脅威であるアメリカを想定した編成を考えなければなりません.
その場合せめて第7艦隊を追い払う位の海軍力は欲しいですから,
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B1%B3%E7%AC%AC7%E8%89%A6%E9%9A%8A
上記の編成を基に現在の自衛隊に無い装備を考えると,正規空母,戦略原潜,イージス巡洋艦,戦略爆撃機等が必要になってきます.
 それに関する費用(イージス護衛艦(巡洋艦級)は,もう自衛隊にありますが)
 戦闘機もアメリカからライセンス購入なんて出来っこないから,独自の国産機の開発しなければならないですし.(ちなみに日本は航空機のジェットエンジン開発のノウハウが殆ど無い)この費用も必要かな.
 またアメリカの核の傘から外れるために,MADなりMDなりの独自の安全保障システムを0から構築しなければなりません(スイスは核開発をしようとしてたが,冷戦が終わったので止めた)から,
 それに掛かる費用を考えると,どうも「べらぼう」な額になりそうですよ?

あぶ4 in mixi
OOM-7大佐 in FAQ BBS(青文字)

スイス連邦(外務省サイト)

12.軍事力
(95年に軍改革を実施)
(1)予算 約47.9億スイスフラン(02年)
(2)兵役 徴兵制
(3)兵力 22万人(戦時動員数)
(4)民間防衛 12万人(スイス連邦国防省,司法・警察庁数値)

スイス(wikipedia)

面積
-総計
-4.1万km2

人口
-総計(2004年)
-745万人

GDP(自国通貨表示)
-合計(2005年)4,552億スイス・フラン
GDP(MER)
-合計(2005年)3,846億ドル

●日本国(wikipedia)

人口
-総計(2004年)
-12,733万人

面積
-総計
-37.7万km2

GDP(自国通貨表示)
-合計(2005年)504兆9,180億円
GDP(MER)
-合計(2005年)4兆7,990億ドル

 それと,スイスの軍事予算には海軍予算はほとんど含まれていないでしょう.
 よって,日本の場合には,これに海上自衛隊の為の予算を追加する必要があります.

 「海上自衛隊の予算」(海上自衛隊サイト)によると,海上自衛隊関係費は防衛庁関係費の約23%を占めています.その分を増やさねばなりません.
 計算が面倒なのでこれ以上はやめておきます.

 GDPだけではなく,人口比,面積比等で計算しても,興味深い結果が出ると思います.

ゆきかぜまる in mixi

 ちなみにスイス政府は『民間防衛』(編著:スイス政府 訳:原書房編集部 出版:原書房)で,「武器を捨てよう,軍隊を無くそう」と訴える人々をこう切り捨てました.

「暴くべき敵の欺瞞行為」
「われわれは,にせ平和主義者たちが武装するのをやめないでいることを確認している」

 確かに・・・そう書いてあるのです.

JSF in mixi


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