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D.B.E. 三二型」(2010/12/31)◆北朝鮮の攻撃的表現の一覧

「Global Security」:The China-North Korea Relationship

「KBS」◆(2012/08/22)金正恩第1書記 非同盟諸国首脳会議に出席か
「VOR」◆(2012/08/22)北朝鮮の指導者 イラン訪問を準備

「kojii.net」■(2010/11/29)中国と北朝鮮に関する徒然

「Strategy Page」◆(2013/04/15) KOREA: China Sends A Nastygram To The Boy General
 中国の,北韓への怒りの伝え方

「Strategy Page」◆(2013/05/10) KOREA: The Winners
 中朝外交・韓朝外交における勝者,北韓

「Strategy Page」◆(2013/05/16) CHINA: Cracking Down On North Korea
 北韓から流入する暗殺者・組織犯罪を取り締まる中国

「The Diplomat」◆(2012/01/13)hat Not to Do About North Korea
中国と韓国の,北朝鮮に対する狙いは違う(ヴィクター・チャ)

「Voice」◆(2010/03/24)中国が北朝鮮支援をやめない事情/前田宏子(PHP総合研究所主任研究員)

「VOR」◆(2012/03/09)北朝鮮の指導者 プーチン氏に成功を祈る

「VOR」◆(2012/03/09)金正恩氏 国際婦人デーのコンサートにロシアと中国の外交官を招待

「VOR」◆(2012/04/22)中国と北朝鮮 高官レベルでの会談を実施

「VOR」◆(2012/05/03)クレムリン高官:「ロシアが北朝鮮支援はデマ」

「VOR」◆(2012/05/09)ピョンヤン 朝鮮解放に参加したソ連兵のモニュメントに花輪

「VOR」◆(2012/05/17)中国,朝鮮による中国漁船拘束について態度を表明‐中国国際放送局

「VOR」◆(2012/05/25)北朝鮮で戦死した韓国人兵士の遺骨 初めて祖国へ戻る

「VOR」◆(2012/05/18)北朝鮮海賊が中国漁民を拿捕 保釈金42万ドル以上を要求

「VOR」◆(2012/05/17)武装した海賊 中国の漁師を誘拐
「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/05/23)北朝鮮による中国漁船拿捕事件に見る「血の友誼」の実態

「VOR」◆(2012/05/23)北朝鮮外務省『キャンプ・デービット宣言』を非難

「VOR」◆(2012/06/04)韓米日 北朝鮮の挑発行為を阻止することで合意

「VOR」◆(2012/06/16)北朝鮮 日米韓の軍事同盟創設を許さず

「VOR」◆(2012/06/21)北朝鮮 米国,日本,韓国からの攻撃を懸念

「VOR」◆(2012/07/13)北朝鮮 中国とアセアンとの協力を強化

「VOR」◆(2012/08/03)金正恩 朝鮮の早期統一を求める

「VOR」◆(2012/08/10)北朝鮮 リ・ミョン・バク政権とは関係持たない

「VOR」◆(2012/08/11)北朝,韓国と離散家族の再会交渉の再開を拒否

「VOR」◆(2012/08/29)北朝鮮 APECへの「ゲスト」参加を希望

「VOR」◆(2012/08/17)胡錦涛国家主席 金正恩第一書記のおじと会談

「VOR」◆(2012/08/27)非同盟運動サミット 国連事務総長は金永南氏と半島情勢で会談へ

「VOR」◆(2012/08/30)米国 北朝鮮のAPEC参加要請 確認していない

「VOR」◆(2012/10/21)中国外務省―朝鮮半島の平和と安全を維持する必要がある

「VOR」◆(2012/10/22)中国 朝鮮での戦争を恐れる

「VOR」◆(2012/10/19)北朝鮮:韓国を攻撃する

「VOR」◆(2013/05/22) 韓国,対話再開の日には北に人道支援

「海洋戦略研究」:中国,中朝国境封鎖準備完了?

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/02/18)北朝鮮と中国の微妙な関係  黙認された「金正恩暗殺説」,羅津港使用権の中国付与,金正男の処遇

「コリア国際研究所-KII」:中国にとっての「6ヵ国協議」と中朝同盟

「コリア国際研究所-KII」◆(2010/05/11)金正日訪中で気になる中朝同盟関係

「コリア国際研究所-KII」◆(2011/12/11)6ヵ国協議の推進力は失われつつある −北朝鮮の当面の主戦場は韓国の大統領選挙−北朝鮮研究室

「週刊オブイェクト」◆(2010年05月03日)逆神ハ金正日ノ動向ヲ完璧ニ逆予言ス

「人民網」◆(2010/12/03)「朝鮮を服従させられる」は自他ともに欺く考えだ

「スパイ&テロ」◆(2010/12/28)瀬戸際外交という幻想

「スパイ&テロ」◆(2012/04/17)世界は北朝鮮に(さほど)関心がない

「大陸浪人のススメ」◆(2010/06/09)「第2次朝鮮戦争への地ならし?」 北朝鮮国境警備隊,中国人銃撃で死者3名への中国軍事掲示板の反応

「地政学を英国で学んだ」◆(2013/05/15) 中国と北朝鮮の動きについて

「中東の窓」◆(2013/04/09) イラン・北韓連帯

「ニューズウィーク」◆(2010/11/29)北朝鮮を見捨てない中国の真の思惑

「ぴょんの秘話」◆(2010/05/04)金正日訪中を考える

「ワールド&インテリジェンス」◆(2013/05/22) したたかな北朝鮮の争点ずらし

●中国漁船拿捕事件

「AP」◆(2013/05/21) Chinese fishing boat, 16 crew released by North Korea, after two weeks

D.B.E 三二型」(2013/05/19)◆北,中国漁船を拿捕…乗組員解放に1千万円要求

「WSJ」◆(2013/05/07) Bank of China Cuts Off North Korean Bank

「VOR」◆(2013/05/20) 北朝鮮,中国漁船を拿捕 10万ドルを要求

「VOR」◆(2013/05/21) 北朝鮮,中国漁船を解放

「VOR」◆(2013/05/22) 北朝鮮特使 空路中国へ 訪問目的は不明

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2013/05/21) 北朝鮮  中国漁船拿捕は中国による対北朝鮮独自制裁への報復

「人民網」◇(2013/05/20) 朝鮮の武装巡視艇が中国漁船を拿捕

「人民網」◇(2013/05/21) 朝鮮側が中国漁船員を解放 現地中国大使館が確認

「人民網」◇(2013/05/22) 外交部:中国漁船拿捕事件で朝鮮側に説明を要求

「人民網」◇(2013/05/23) 王家瑞対外連絡部長が金正恩第1書記の特使と会見

「人民網」◇(2013/05/23) 金正恩氏の特使訪中の二大注目点

「南華早報」◆(2013/05/22) Top North Korean military leader visits China


 【質問】
 北韓に対しては,どのような外交政策で臨むのが望ましいとされるか?

 【回答】
 北朝鮮原則(フォラツェン原則)というものがある.

 ○北朝鮮政府の言うことはどんな事であれ信用してはいけない
 ○北朝鮮は軍事力,経済力などの,力でしか動かない
 ○北朝鮮は突然態度,原則,方針,を手のひらを返すように豹変させる
 ○北朝鮮の言う人道や正義は恐喝の手段であってもそれ以上のものではない
 ○北朝鮮のように自国の国民の命さえ尊重しない国は,他国のものはもっと尊重しない

 また,北朝鮮問題の権威チャック・ダウンズによれば,北朝鮮は,対外交渉ではその相手国に「楽観」「幻滅」「失望」という心理状態を順番に味あわせるように働きかけてくるのがパターンであり,協定・条約・合意に意義を認めない特異な国家であるという.
 以下引用.

 『北朝鮮の交渉戦略』という本はアメリカでの北朝鮮問題の権威チャック・ダウンズ氏によって書かれた.
 ダウンズ氏は1990年代にずっと国務省と国防総省の両方で北朝鮮問題を担当した専門官である.
 その体験を基に北朝鮮が,他国との外交交渉をどう進めるかを分析したのがこの書なのだ.
 その分析によると,北朝鮮は対外交渉ではその相手国に「楽観」「幻滅」「失望」という心理状態を順番に味あわせるように働きかけてくるのがパターンだという.つまり北朝鮮と交渉しようとする日本のような国は「楽観」「幻滅」「失望」そしてまた「楽観」というサイクルをぐるぐる回されているというのだ.

 ダウンズ氏は次のように説明する.
 「北朝鮮は交渉相手国に対し,自国の政策に根本的な変化があるかのようにふるまい,相手国にとって有利となりそうな寛容な態度を示唆する.
 相手国が楽観へと転じ,前に出てくると,北朝鮮は交渉を仕切り,態度を急変させ,相手を幻滅させる.
 幻滅がさらに失望となったところで,北朝鮮は相手に次回の交渉ではより積極的に応じようという楽観を抱かせる.
 北朝鮮と交渉を試みる相手は,いつもこの三つの状態のどれかにある」
 このサイクルは小泉首相の2002年9月の第1回訪朝から2004年5月の第2回訪朝までの事態展開をみても,確かに合致する.
 拉致被害者5人の帰国による「楽観」が,その他の被害者の死亡通知などで「幻滅」となり,被害者の家族の問題で行き詰まる.
 さらに沈んだ「失望」となり,待つこと久し,やっと日本側の堅固な姿勢が北側の一角を和らげた感じとなり,家族の帰国が可能となる.心理はまた「楽観」にもどって,小泉首相が2度目の平壌訪問をした,というわけだ.

●協定・条約・合意に意義を認めない特異な国家

 ダウンズ氏はさらに重要な指摘をする.
「北朝鮮の過去50年もの対外戦略はおもしろいほど一貫している.
 自国の得たいものを得るには,協定や条約を結んだ結果ではなくて,それ以前の交渉のプロセスから利益を引き出す.
 交渉により最大の利益を得たと判断したときは,合意などを求めず,その時点で交渉を打ち切る」
 つまり相手と交渉をし,合意を成立させて,その結果,なにかを得るのではなく,合意が成立しなくても,その以前のやりとりでの前述したサイクルの段階で利益を得てしまおう,というのが北朝鮮の対外戦略だというのだ.

 以上のような分析を頭に入れて,今回の「共同声明」をめぐる動きをみると,なにやら不吉な感じで肌がざわざわしてくる.北朝鮮はスーパーパワーのアメリカをこの年来の「楽観」「幻滅」「失望」というサイクルにみごとに乗せてしまったようにもみえてくるからだ.

 北朝鮮の核兵器開発問題というのは,どうしても十数年の歴史をさらりとでも振り返らないと,理解しにくい.
 1993年3月に北朝鮮はNPTからの脱退を発表した.NPTに加盟している限り,核兵器の開発はしないことを誓っているわけだが,北朝鮮が実は寧辺地区でプルトニウムの軍事転用をしてきたことをアメリカの偵察衛星などで察知されての結果だった.
 北朝鮮はいわば開き直り,IAEAの国際査察をもはねつけて,核兵器を開発していることを認める.
 アメリカは一気に態度を硬化させ,日本も経済制裁の準備を始め,戦争の危機が高まる.
 だがその危機もアメリカのカーター元大統領の訪朝で一応,回避され,米朝間の交渉が始まる.
 その結果,94年10月にアメリカと北朝鮮との間でまとまったのが,北の核兵器開発に関する「合意枠組み」だった.
 北朝鮮は兵器用プルトニウムの抽出を凍結し,やがては核兵器開発計画を破棄するかわりに,アメリカは日本や韓国の協力を得て,北の将来の発電用原子力源としての軽水炉2基を建設して,提供する…という骨子だった.
 しかしこの枠組みは本来,北朝鮮は核兵器を開発しないことを自他ともに誓ってきた,という事実を曖昧にしてしまった.
 北朝鮮は本来してはならないことをしたのに,単にその「してはならないこと」を「しない」と言明しただけで,多大の報酬を受けるのである.軽水炉2基の提供というのがその報酬であり,褒賞だった.

 北朝鮮核問題にはこうした根本的なゆがみがあることをまず認識せねばならない.
 一般の社会でいえば,犯罪を冒した人間が単に「もうしません」と述べたことに対し,報酬を贈られることに等しいのだ.

 その後は北側の核開発凍結がそのまま保たれるようにみえ,その報酬としての軽水炉の建設が前進する,という状況が続いた.
 ところが2002年10月になって,アメリカ政府は「北朝鮮は過去何年も濃縮ウランによる核兵器開発を進めてきた」と発表し,北側もそれを一時,認めたとされた.北朝鮮はこれに反発して,復帰していたNPTからまた脱退し,IAEAの査察官をも追い出してしまう.
 そして凍結していたプルトニウム抽出による核兵器製造をも再開する.
 こういう状態に対応して2003年8月から始まったのが6カ国協議だった.北朝鮮とアメリカに加え,日本,中国,韓国,ロシアによる多国間協議である.
 だがそのプロセスでは,アメリカのブッシュ政権は,とにかく北朝鮮が核兵器開発を「検証可能,再開不可能で完全な核廃棄」(CVID)せねばならないと強硬に要求した.
 クリントン前政権時代に決めた軽水炉2基提供など,もうとんでもない,という断固たる態度だった.
 こうした流れを経た末の今回の6カ国協議での「共同声明」だったのだ.
 アメリカは朝鮮半島で核兵器を保有せず,北朝鮮を攻撃,侵略する意図はないことを確認する一方,北朝鮮はすべての核兵器を放棄すると約束したわけである.
 北側が長年,核放棄の交換条件としてきた軽水炉提供は「声明」では初めて切り離され,「適当な時期に議論する」とされていた.核放棄と軽水炉提供がリンクされていなければ,米側の大きな前進であり,北側の大きな譲歩である.
 これでやっと北朝鮮の核問題が解決されるという「楽観」を生んでも自然な合意にみえた.

制裁手段を持たなければ,北朝鮮は変わらない

 ところが,である.
 北朝鮮は「共同声明」が発表された翌日の9月20日,
「軽水炉の提供なくして,核放棄を論じることはできない」
とする外務省談話を出したのだった.軽水炉が建設され,提供されてこそ初めて,核兵器開発計画をすべて放棄し,NPTにも復帰し,IAEAの査察受け入れのための保障措置協定をも結ぶ,というのである.
 1994年の米朝合意枠組みに基づいて建設の進められた軽水炉2基が完成し,北朝鮮側に提供されるまでには,今後10年から15年もかかるとされる.
 北側はそれまでは核兵器開発計画の類は放棄せず,保有や進行を続ける,というのである.
 アメリカが発表した合意の趣旨とは大違い,
 なんのことはない,もっとも重大な点で米朝間にはなお深刻な食い違い,対立が存在するわけなのだ.
 これこそ「楽観」から「幻滅」への急転といえよう.

 「共同声明」には日本に関する項目もあった.
「日本と北朝鮮は平壌宣言に従って,不幸な歴史を清算し,懸案事項の解決を基礎に,国交正常化を進める」
というのである.
 「懸案事項」とは当然,日本人が拉致された事件をも含むと解釈された.
 だからこの合意部分は,日本にとっては国民悲願の拉致問題解決への有力な新展開を意味するとも受け取られ,歓迎された.明らかに「楽観」の始まりだといえよう.
 しかし,北朝鮮が従来の外交戦略に固執する限り,日本側はまた「幻滅」から「失望」を味わわされ,打ちひしがれる危険性も高い.
 そうした不運な事態の展開を避けるには,まず北朝鮮側の「楽観」「幻滅」「失望」というサイクルづくりを打破するぐらいの気概が必要となる.
 そうした気概を持つということは,北朝鮮に対する核問題でも拉致問題でも,いざとなれば,経済制裁発動など非外交的な措置をも手元において,硬軟両面,アメとムチの両方という姿勢で,この異様な国家の北朝鮮に対峙することであろう.

(古森義久 from 日経BP,2005/9/27)

 ただし,日本単独の経済制裁では実行力が薄く,中韓はその制裁に対し,北韓を支える側に回るだろうとも推測されている.「気概」だけじゃどうにもならないこともあんのよ.

 中央日報では,9ヶ条が掲げられている.そのソースはミッチェル・リース元国務省政策室長だ.
 以下引用.

 北朝鮮の交渉術には定評がある.

 瀬戸際戦術は‘専売特許’.危機指数を一気に上げて背水の陣を敷く.
 その次はサラミ(salami)戦術.イタリアの食べ物サラミソーセージにちなんだ言葉で,薄く切って食べることを例えている.議題を細かく分けて少しずつ利益を得る.
 この2つは定石として固まっている.

 対話に出てくる者の腕前も大したものだ.2本軸は当たり前.諺を連発する話し方,いつでも席を蹴る度胸もいつも同じだ.ベテラン韓国代表もうんざりするしかない.
 1992年に北朝鮮と初めて高官級接触を持った米国はもっとそうだ.

 米国のコリアウォッチャーらが北朝鮮の交渉術を追求したのは偶然でない.ミッチェル・リース元国務省政策室長もその一人.学者だった2003年1月,対北朝鮮交渉教訓9つを出した.北朝鮮核問題が浮上した直後だ.米国の政策が右往左往した時だった.

 @謙遜せよ.われわれは第3世界の小国がどうやって唯一強大国の意志を妨害するか知るのに困難が伴った.北朝鮮は米国歴史上,最も情報がない国だ.
 A北朝鮮と取引できる.韓半島エネルギー開発機構(KEDO)は北朝鮮と50を超える協定に署名した.北朝鮮は概してこれを尊重した.
 Bしかし決して容易ではない.北朝鮮は老練で,忍耐心が強い.彼らはあらゆるオプションを開いている.
 C信用せず検証せよ.
 D米国のリーダーシップ.米国の対北朝鮮対話は,韓国・日本が対北朝鮮介入政策を繰り広げるのに有用な政治的名分を提供する.
 E中間級の人物ではいけない.北朝鮮問題は核拡散から人権までと広範囲にわたる.こういう挑戦には大きな権限を持つ高官級が必要になる.
 Fイデオロギーと実用主義.北朝鮮を嫌うというのは態度であり,政策でない.北朝鮮をわれわれが希望する実体としてではなく,ありのまま見なければならない.
 G一方主義対多者主義.米国は国益を守るために一方的行動ができなければならない.しかし韓国・日本が一緒の時,米国の立場は強化される.
 H米国の信頼.あなたが対北朝鮮政策を持たなければ,北朝鮮があなたの政策を決定するはずだ.
 〔略〕

呉栄煥(オ・ヨンファン)政治部門次長 in 中央日報,2006.05.17.18:37

 翻訳の問題なのか,9ヶ条の中には意味不明なものもあるが.
 また,フォラツェン原則に比べ,太陽政策寄りでもある.


 【珍説】
『社会派くんがゆく! 乱世編』(唐沢俊一著,2006.12),p.257

 いや,北朝鮮は凄い.

 北朝鮮はえらい.

 今,われわれに必要なことは北朝鮮に学ぶことではないか.真剣にそう思う.

 あの国に学べば,もう何も怖くなくなる.

 だって,そうだろう.

 まず何より,負け組みになる,ということが何も怖くなくなる.

 経済政策は失敗,軍事力は張り子のトラ,国民どころか兵隊たちまで飢えに苦しみ,海外の隠し財産は凍結され,脱北者たちは口々に金正日のプライバシーを世界に向けてバラしてしまっている.おそらく,世界に冠たる負け組国家というのが,あの国を表現する際に最も適当している言葉だろう.

 しかるに,そんな国を,誰も滅ぼせない.

――――――「藤岡真blog」より孫引き引用.

 【事実】
 北韓に学ぶことなど,何もない.
 経済破綻や飢餓は「苦しみ」のレベルを超え,毎年,何万という死者を出しているばかりか,慢性的な栄養不足で,国民全体の平均身長まで毎年縮んでいるレベル.
 医療・福祉体制も機能しておらず,一度病気をすれば,文字通り庶民はデッド・エンド.

 こんな国に学びたいという奇特な人間は,遠慮はいらない.
 北韓にとっとと亡命すればいい.
 北京まで飛んで,同地の北韓大使館に亡命を申請すれば済む.
 運がよければ,北韓当局の反日広告塔となって,北韓庶民よりは少しはマシな生活ができるかもしれない.
(といっても,北韓の「中流」の生活のレベルなど,日本のそれとは比較にもならないが)

>何も怖くなくなる

どころか,北韓の国家指導者すら,常に脅えて暮らしている.
 米軍の攻撃を恐れ,また,国内の叛乱を恐れている.
 必死こいてICBM開発を続けているのは,北韓軍の通常戦力では,米軍の攻撃の前には一たまりもないことを,金正日はよく知っているからだ.
 何度か中国を訪れているのは,食糧援助を乞うためだ.
 せめて上層部だけは食わせることができるようにしておかないと,いつ叛乱が起こるか分からない.
 その末路がどうなるかは,金正日と仲のよかったチャウシェスクの末路を見れば,正日にもだいたい想像はつく.

> しかるに,そんな国を,誰も滅ぼせない.

 大国がその気になれば,北韓など一たまりもなく潰される.
 特に中国は,北韓への物流を止めることで,一発も弾丸を撃つことなく滅ぼすことができると言われている.
 では,なぜそうしないのか?
 それにについては別項参照
 簡単に言えば,現時点ではまだ,潰さないデメリットが潰すことによるデメリットを上回るからに他ならない.

 そんな国のどこをどう学べというのか,理解に苦しむ.

>真剣にそう思う.
と書かれている以上,逆説的表現とも思えないし……


 【珍説】
『社会派くんがゆく! 乱世編』(唐沢俊一著,2006.12),p.257

 金首領様自身はオタクらしく,自分の自慢だったテポドン二号のあまりに情けない失敗(アメリカまで届くはずだったのが日本海に落っこちた)でショックを受けたらしく,公式の場にも出ない引きこもりなってしまったらしいが,その実力に比して明らかに過剰なまでに,北朝鮮が世界の台風の目になっているという事実は動かせないだろう.

 それはなぜか.

 負けを認めないからだ.

 負けるとわかっていても,ケンカを売ることを辞さないからだ.

 他の,豊かになり,世間様との付き合いを考え,自分自身の評判を気にして,力はあるのに人を殴ることのできない連中が躊躇するケンカを,いつでも買ってやるぞ,と言い続けているからだ.

 北朝鮮は確かに相手にするにも値しない負け組み国家である.ケンカをすれば楽勝で勝てるだろう.

 しかし,相手が引き際とか,ルールとかまったく考えないヤツである,と知ったとき,常識のある者の方はそこに臆する心を生じさせる.相手の首を絞めて殺すのはたやすくとも,そのときの抵抗で小指の一本も食いちぎられると予想したなら,やはりそこは手を出すことを躊躇する.

――――――「藤岡真blog」より孫引き引用.

 【事実】
 唐沢が「台風の目」をどういう意味で使っているのが,今一つ明確ではない――しばしば唐沢は日本語を誤用することがあるといわれている.「唐沢俊一検証blog「藤岡真blog」などを参照のこと――が,意味を正しく把握していると信頼するならば,北韓のことを
「激動する物事の中心にいて,影響を与えている勢力や人物」(大辞林 第2版)
であると彼は認識していることになる.

 もちろんこれは,誤った認識である.

 国際社会を町内会に例えれば,北韓はさしずめ,真夜中に学校の窓ガラスを割って回ったり,夜中に騒音を撒き散らしているような困った人であって,国力や軍事力を考えると,まだまだ影響力は限定的と言えるだろう.
 実際,欧米はおろか,周辺国の日中露のメディアでさえ,北韓が実際に困ったことをやらかさない限りは,国際面のトップを飾ることはない.
 そもそも,「迷惑行為をしでかしたときにしか注目されない」ということ自体,その影響力の小ささを物語っている.

>引きこもりなってしまったらしい

 そのような事実はない.
 たとえば本書が出たちょうど2006年12月には,ゴルフに興じている様子を北韓国営メディアが報じている.
 いちいち日本メディアが報じないだけで,金正日が各地の軍事基地だの工場だのをしょっちゅう視察していることは,北韓国営メディアの常套ネタ.
 だからこそ,それが途絶えるたび(たとえば2008年),金正日の健康悪化説が囁かれるわけで.

>相手の首を絞めて殺すのはたやすくとも,そのときの抵抗で
>小指の一本も食いちぎられると予想したなら,やはりそこは手を出すことを躊躇する.

 そんな理由で北韓を潰すことを周辺国が躊躇っているわけではないことは,上述した通り.

 だいたい,上記珍説は要するに,「精神力さえあれば決して負けない」という意味の話を,別の言葉に置き換えてやっているだけ.
 それが決して通用しないことは,1945年の段階で身をもって日本が体験したはずなのだが……

 結論として,上記珍説は小林よしのりと同レベルの,安っぽい精神論と言って過言ではない.


 【小林主体思想】(別名:マルチ・スタンダード)
小林よしのり「北朝鮮に対してひたすら強硬姿勢で行け,と言ってる連中,あれも,おかしいですよ」
古賀誠「全くその通りだ!」

( from "SAPIO" 2003/5/28, p.57)

小林「保守論壇誌は北朝鮮に強硬姿勢で行けっていってるが,憲法改正して攻撃力を持つとか,日本にノドンが落ちてきて何万人死ぬ可能性があるから,その覚悟をするとか,そういうことは言わない.
 アメリカがなんとかしてくれるだろうと思っている.」
古賀「その通り.国にもまだそういう覚悟できてない.そういう覚悟が出来ればもっと踏み込んで外交交渉できる」

(「わしズム」vol.5)

 【事実】
 第1点.

 まず,「北韓に対して強硬に望め」という主張は,これまで
「拉致被害者は帰って来ず,援助金・援助米だけ毟り取られ損」
という状況がずっと続いてきた政府の外交への批判なのですが.

 ちなみに,古賀誠はこんな発言をしておりますな.

自民党の古賀誠前幹事長は十二日,福岡県柳川市で講演し,北朝鮮との国交正常化と拉致事件の関係について「(拉致事件の)事実解明だけで,正常化が挫折することがあってはならない」と述べ,拉致事件の解明だけにとらわれるべきではないとの考えを示した.

 古賀氏は今後の交渉について「拉致事件の事実解明には精いっぱい努力する必要があるが,国交正常化は二十一世紀の日本の国益,アジアの平和,世界の平和ともかかわる問題だと思うので,政府は方向を間違わないようにするだろう」と述べた.

(産経新聞,2002/10/13)

 つまり,上の古賀発言は,これまでのたかられ外交について,「覚悟がないからできなかった」と言い訳しているだけのようにしか聞こえませんな.

 それにまた,攻撃力を持つには,ただ憲法改正すればいいというものでもありません.
 有事法制が「戦える自衛隊」になるためには必須なのですが,古賀はそれにも反対していましたな.有事法制に関連して,こんな発言をしております.

「残念ながら今「新しい21世紀の国家像が見えない小泉政権」と 申しましたけれども,外交の面でも,なし崩し的に日本の国がまた“危ういナショナリズム”の道に歩いていこうとしている,こんな気がしてなりません.」(4月27日・福岡県筑後市の講演)

 「有事法制は戦前回帰」など,社民党の主張と見紛うばかりですな.有事法制を制定した自民党など離党して,社民党に入られたらいかがですか?

「国にもまだそういう覚悟できてない」
と,古賀はおっしゃいますが,そりゃあそうでしょう.自民党元幹事長のような有力政治家が反対していたのですから.

 小林は,同じ号の最後のコマで,
「わしは人格で評価することにした.
 好きな人間は応援する.
 いつまでも誠実に夢を追う人格は信用する!」
と書いていますが,上述のような古賀のどこに誠実さがあると言いたいのか,ぜひ詳しく聞きたいものですな.

 そういえば,西部邁についても小林は最初は罵倒していたはずですが,どのような人格を評価したのですかな?
 この後に小林と接近することになる,ペシャワール会の中村医師は,曖昧な伝聞情報のみでマスードを虐殺犯呼ばわりしていますが,このような人物のどこに誠実さがあるのですかな?

 はっきり申しまして,小林の「信用する・しない」の価値基準は,第三者からは以下のようなスパイラルを描いているとしか見えませんな.

1 自分を持ち上げてくれる人の思想に染まる.
        ↓
2 その集団で主導権を握ろうとする.
        ↓
3 その集団の専門家に批判される.
        ↓
4 その集団を敵とみなす.
        ↓
5 その集団と敵対関係の集団のメンバーになって報復する.
        ↓
6 1に戻る.

 そう言えば,同じ2003/5/28のSAPIOでは,
「わしは大物と親しくしてもらったから舞い上がるようなアホな性格ではない」(p.58)
とも書いておりましたな.
 いえいえ,第三者から見たら,じゅうぶん舞い上がっておいでですよ.
 例えば,かつてあんなに罵倒していた西部邁について,西部から持ち上げられた途端,
「戦後思想を代表する天才」
と書いていますな(SAPIO 2003/7/9).
 自分で書いていて恥ずかしくないのですかな?

 第2点

 経済制裁・北韓への送金停止など,他の手段でも強硬策は発動できる状況下にあって,なんでわざわざ戦争が必要ですか?
 まさか,「経済制裁すれば戦争だ!」という北韓の放送を,鵜呑みにしておられるのではないでしょうな?
 情報操作に踊らされるな!と常日頃声高に叫んでいる(SAPIO 2003/4/9)人が,まさか,がっつりプロパガンダに踊らされているわけではないでしょうな?
 これも説明を求めたいところですな.

 これまでの小林の記述を見ておりますと,どうも「覚悟」とは,単独自主防衛が可能な態勢を指すと思われるのですが,これは非武装中立論と同じレベルの空理空論であり,売国論です.
 つまり,結果として「強硬策ハンターイ!」を叫んでいるのと変わらないと言えるでしょうな.

 ま,小林の記述は曖昧なので,後付けでどうとでも言い訳できますけどね.

(エセ保守監視小屋)

▼ ちなみに,小林が古賀誠のことを再度取り上げているのが,以下の記述.

――――――
 人権擁護法案のことを業田良家氏が異常に心配している.
 わしは詳しくないが,古賀誠議員が噛んでいるらしい.
 彼は弱者の味方のつもりなのだろう.
 それが小泉の構造改革に対する批判になる時は支持できるのだが,靖国参拝・中国関係になると少し雲行きが怪しくなってきて,人権擁護法案となると,もはや危険とすら言える領域に入ってくる.
 〔略〕

――――――小林よしのり in 『SAPIO』 2005/8/10号,p.62欄外

 論ではなく「人格で応援することにした」のなら,人権擁護法案についても応援するスタンスでなければ,矛盾してしまいますね.
 このようなことをやっていては,上述の「負のスパイラル」説が,さらに信憑性を帯びてしまいますね.▲



 【小林主体思想】(別名:マルチ・スタンダード)
 今,古賀誠を狙い撃ちしてる黒幕は,アメリカのお墨付きを得た構造改革派なのか?
 それとも自民党内で,古賀氏に恨みを持つ者か?

(小林よしのり from 「SAPIO」,2003/6/25, p.62)

 【ツッコミ】
 おやおや,とうとう陰謀論めいたことを言いだし始めましたか.
 もちろん論拠はあるんでしょうね? ぜひ論拠を出してください.
 まさか,「そんな気がする」という印象論だけで,そんなことを言っているのではないでしょうね?
 ちょうど,同じSAPIOの同じ号で,「印象」だけで先導する人/マスコミを批判している人物がおりますので,その言葉を引用しましょう.
 明らかに政策が失敗していて,政策の一つ一つに反対のほうが多くなっていても,それでも小泉の支持率は高いのである.
 これはどういうことだ!?

 他に「印象」がいい政治家がいないからだ.
 ただそれだけ.

〔中略〕

 「印象」だけ!
 「印象」だけでずるずると日本の構造を壊滅させるように大衆を先導しているのは,結局,マスコミである!

(小林よしのり from 「SAPIO」,2003/6/25, p.60-62)

 せめて同じ号の中でぐらい,言行を一致させたらどうですか?

 なお,余談ですが,「『印象』だけ!」の僅か2コマ前では,小林はこう書いています.
「植草一秀や,リチャード・クー,内藤克人,金子勝,紺谷典子あたりの経済学者や評論家のほうが,わしは信用できる気がする」
 「できる気がする」というのは,印象じゃないんですかね?
 たった2コマ前に何を書いたか分からないほど,脳細胞の収縮減少でもしてしまいましたか?(笑) それとも,実は自分では描いていないとか?

 欄外でアシスタント時浦に長々と書かせている,
「読者投稿にひどいものがある.
 だから中央公論など信用できない」
という論旨の文章,これは典型的な印象操作ですが,これは批判の対象にはならないんですかね? 「身内だから大目に見る」なんてのはダブル・スタンダードもいいとこですよ.
 さあ,時浦をバッシングして漫画界から葬り去ってみせてください.
 最低でも解雇しなければ,筋が通りませんね.

+

 【珍説】
 朝鮮は破壊的な国で,「ならず者」国家だからと言うなら,「ならず者」国家と言われるまで追い込んでしまったことに目を向けるべきだ.
 朝鮮側からしてみれば,朝鮮戦争停戦後50年以上も経済制裁を受けてきた.生きる道を閉ざされてきたも同然だ.
 その点について考えるべきで,ただ非難すべきではないと思う.

「デヴィ・スカルノ夫人に聞く」in朝鮮新報,2006.8.8

 90年代半ば以降,ミサイルの発射や工作船,拉致事件の発覚,核開発問題など,北朝鮮の行動に起因する困難が生じたことは,確かに事実である.
 しかし北のそれらの行動は,冷静に分析してみれば,殆どが冷戦(朝鮮戦争は停戦しているだけで,終結しているわけではない)と対立の中で引き起こされたものであり,朝鮮戦争を含む東アジアが冷戦を脱する方向に向かえば,解決していけるものである.

 実際,南北朝鮮間の現状は,2000年の南北首脳会談以後,脱冷戦,和解と緩やかな統一の過程に入っており,危機は遠ざかっている.

日本国際ボランティアセンター著「NGOの選択」(めこん,2005.11.6),p.163

 【事実】
 北韓は長い間中ソの援助を受けていた期間があり,北韓のほうが韓国よりも豊かだった時代もあります.
 現在でも中韓から経済援助を受けています.
 生きる道を閉ざしてきたのは,メチャメチャな経済運営をし,国内の資源財産の殆どを党と軍とで独り占めしている北韓の体制自身です.
「国民に夥しい餓死者を出させておいて,核兵器開発に大金突っ込んでいる国って,おかしくね?」
ということですね.


 【珍説】
 北朝鮮を追いつめ,孤立させ,軍事冒険主義に走らせている根本原因は,朝鮮戦争以来一貫して北朝鮮を軍事的に包囲しつづけ,米軍再編=日米軍事同盟の強化でいま一層の軍事包囲を始めているアメリカと日本にあることをはっきりとさせるべきです.

 日米は自らの脅威・挑発が招いている北朝鮮の対応を利用して,さらに戦争の脅威と挑発を拡大しようとしています.
 この挑発のエスカレーションは,戦争に行き着きます.こんな悪循環は絶対に止めねばなりません.

 この緊張状態を止めることが出来るのは,日米韓の労働者・民衆です.戦争の犠牲になるのは民衆です.
 愛国心で分断を図る支配者の意図を見抜き,日米の軍事強化に反対するもののみが,真の平和の立場から北朝鮮のミサイル戦略にも反対することが出来るのだと思います.

秋田ピースマガジン akpeace[00230]

(2)誰が「緊張の原因」を作り出しているのか

 私たちは,北朝鮮の核開発やミサイル発射実験にも強い憂慮を表明する.
 だが,何よりも私たちは,朝鮮半島における南北分断と戦争の脅威の根源である米国の責任をあらためて強調し,強く非難するものである.
 日本ではほとんど報道されていないが,この間にも,6月下旬からグァム近海で横須賀を母港とするキティホークをはじめ,ロナルド・レーガン,エイブラハム・リンカーンの3隻の空母機動部隊とB−2戦略爆撃機をはじめとする航空機280機などが参加した大規模軍事演習が行われ,すぐ続いて,6月末から7月末までハワイ沖で,米・日・韓・豪・加・ペルー・チリなどによる環太平洋合同軍事演習「リムパック」が大規模に行われている.「6カ国協議」の枠組みができている今なお,米韓合同軍事演習も繰り返し行われている.

 在日米軍の再編,駐韓米軍の再編が,「不安定の弧」と米国が規定した広い範囲をターゲットにした機動性の確保を意図するものであると同時に,依然として対北朝鮮先制攻撃態勢の強化をも含んでいる.横須賀を母港とする米トマホーク艦が,常時ピョンヤンを射程に入れていることなども忘れてはならないだろう.これらが,北朝鮮側にとって大きな脅威として写っているとしても不思議ではない.

日韓民衆連帯全国ネットワーク,2006.7.9

 【事実】
 上述項目を参考にして,寝言は寝てから言ってください.

 ちなみに,この秋田ピースマガジンと似たような主張を見ることのできるサイトがあるので,以下に引用します.

〈論調〉 新核戦争挑発策動強化する米

 米国の支配層は機会あるたびに「平和」「武力削減」などをけん伝しているが、彼らの基本政策は依然として力で世界制覇野望を実現することである。それは核先制攻撃準備を本格的に推し進めていることに明白に表れている。

 現在、米国は2万余個の核兵器を保有している。
 米国は、核拡散防止条約(NPT)の要求と国際法的義務を無視して核威嚇政策を露骨に実施し、核兵器の近代化に拍車をかけながら核戦争の危険を増大させている。
 侵略と戦争を業とする米国は、宇宙まで軍事化して戦場にしようと画策している。米国の無謀な宇宙戦争策動により、新たな冷戦と軍備競争の危険が増大している。
 米国の核先制攻撃策動においてとくに注目されるのは、ミサイル防衛(MD)システム樹立策動である。

 米国は、MDシステムの樹立を通じてまず侵略的な軍事同盟をさらに拡大、強化しようとしている。
 問題は、米国がこのシステムの樹立を朝鮮とイランの「脅威」を口実にして実現しようとしていることである。これは、完全にわい曲、ねつ造された偽情報で、東欧諸国に心理的作用を加え、これらの国が朝鮮とイランに反対するようにしようとするこうかつな術策である。
 米国の核先制攻撃の基本目標となっているのは朝鮮だ。米国は、「平和」と「対話」の裏で朝鮮に対する新たな核戦争挑発策動をさらに強化している。

 米国の核兵器近代化、宇宙軍事化、MDシステム樹立策動は、核武力の増強と核戦争に向けたものであり、核威かくを強めるための策動である。(労働新聞6日付論説)

[朝鮮新報 2006.6.12]

 ちなみに,この朝鮮新報というのは,朝鮮総連の機関紙.

 第三者に分かり易いように,秋田ピースマガジンはピョンヤン・ピースマガジン,日韓民衆連帯全国ネットワークは金正日隷属ネットワークとでも改名なされたらいかがですか?


 【珍説】
 ほとんど報道されていませんが,北朝鮮が一貫してアメリカに対して安全の補償や経済制裁の解除を要求し,アメリカとの直接交渉を要求しているのに,アメリカは直接交渉を拒否して,北朝鮮の核放棄を迫る6カ国協議しか認めていません.

 こういうことはほとんど問題にしないで,北朝鮮の瀬戸際戦略ばかりをクローズアップすることは,明らかに偏向した事実報道であり,日米の軍事強化を正当化するためのものです.

秋田ピースマガジン akpeace[00230]

 この間,米朝ジュネーブ包括合意を一方的に反故(ほご)にし,米朝二国間協議を拒否し続けて問題解決を先送りし,朝鮮半島の核問題の解決をめざす「6カ国協議」で時間稼ぎをして,北朝鮮体制の自動崩壊を目論んできたのが米・ブッシュ政権である.

 昨年9月の「6カ国共同声明」は,検証可能な形で朝鮮半島の非核化を目指すことを確認し,同時に,米朝が「相互の主権を尊重し,平和裏に共存すること,二国関係に関するそれぞれの政策に従って関係正常化の措置を取る」ことや「直接の当事者は,適当な話し合いの場で,朝鮮半島における恒久的平和体制について協議する」等でも合意した.そして,これらを「対話対対話,公約対公約」の原則のもと双方が段階的に進めることを確認した.
 しかし,この米朝ジュネーブ包括合意の6カ国版ともいうべき内容に内心不満な米・ブッシュ政権が,これを事実上反故にしようとして持ち出してきたのが「偽ドル疑惑」を口実とした金融制裁であった.
 こうしておきながら米当局は,「これは6カ国協議とは別問題であり,北朝鮮は無条件で6カ国協議に復帰すべき」などと主張している.だが,これ自体が「6カ国共同声明」に反する行為である.
 問題は,「6カ国共同声明」を履行するか否かである.これなしには,6カ国協議も有名無実の場となる.そして,その履行の鍵は,まさに対立する当事者である米朝の交渉にある.
 現在,米国内ですらブッシュ政権の「米朝直接交渉拒否」という名の無策が,事態をより深刻化させているとしてこれに対する批判が強まっている.
 私たちは,何よりも米国が「6カ国共同声明」を履行し,速やかに米朝交渉を行うよう強く要求する.

日韓民衆連帯全国ネットワーク,2006.7.9

 【事実】
 第一に,北韓が直接交渉を望んでいる事は,ことあるごとに報道されています.
 北韓を庇うための事実歪曲としか思えません.

 第2に,直接交渉をアメリカが認めないのは,KEDO合意を反古にされた過去の経験があるからです.北韓に約束を守らせるためには,中露,特に中国を巻き込む必要があるのです.

 第3に,経済制裁というか,バンコ・デルタの預金封鎖措置がとられているのは,偽ドルや麻薬密輸のマネー・ロンダリングにも使われていたから.
 リムパックの演習形態は上陸演習など含まれていない.北韓に関係している部分としては,密輸船取り締まりというメニューが加わったことくらい.これを「脅威」呼ばわりするってことは,北韓はそんなに違法ビジネスがやりたいの?と勘ぐられても仕方ない.
 これら一部の自称「平和団体」の主張は,そうした違法ビジネスを認めろと言っているに等しい.

 トマホークについては別項目参照.要するに誇張し過ぎ.

 このピースマガジンの中の人は,北朝鮮原則(フォラツェン原則)を声に出して百回読んで胆に命じるべきでしょう.

 ○北朝鮮政府の言うことはどんな事であれ信用してはいけない
 ○北朝鮮は軍事力,経済力などの,力でしか動かない
 ○北朝鮮は突然態度,原則,方針,を手のひらを返すように豹変させる
 ○北朝鮮の言う人道や正義は恐喝の手段であってもそれ以上のものではない
 ○北朝鮮のように自国の国民の命さえ尊重しない国は,他国のものはもっと尊重しない

 「無策なブッシュ」と批判(というより根拠薄弱な中傷)しているが,その批判者のほうが,無意味に等しい「太陽政策をさらに甘くしたような政策」をしろと言っているに等しいというのは,何かのギャグですか?


 【珍説】
 プラントなども援助すれば,人的交流も進んでいく.

 【回答】
 残念ですが,そういう活動は政府の徹底的な監視の元にすすすめられ,こちら側の人間の活動エリアは厳しく制限されるので,人的交流などは望めません.
 そもそも,我が国にあからさまな敵対行動をしてくる国に,プラントを造る必要があるのでしょうか?

ラングレー in 軍事板


 【珍説】
 週刊SPA 2007年2月6日号 連載漫画 ニッポンの未明より

石破茂氏(以下石)一番いいのは政権崩壊でしょ?無理に武力攻撃する必要はないわけで・・・・・・
さかもと未明氏(以下さ)どうやって政権崩壊させるんですか?
石 僕は超〜太陽政策もありなんじゃないかなと思ってるんですよ.いっそ北朝鮮が埋まるくらい大量に物資を送る.
さ はぁ!?ででで・・・でも今まで太陽政策をしてもことごとく裏切られてきたじゃないですか?
石 だから!ケタ違いにやる 今までのやり方はハンパなの.あのね・・・独裁の共産国家が一番嫌うのは資本主義・自由主義国家の情報が入ることなんです.
さ あぁ・・・・・・マンセーな日々がイヤになっちゃいますもんね.
石 金正日はなぜソ連やルーマニアのチャウシェスク政権が崩壊したかをよく研究しています.その彼が一番怖がるのは情報と彼が与える以外の贅沢の流入ですね.
(略)
石 いやぁアメリカの要人との会食でこの話をしたら「考えたこともないけど面白い」と言われましたよ.

 【事実】
 金王朝では事実上,北韓の全てのものはまず金正日の所有物になり,それから余り物だけが「下賜」されるというシステムが完成していますので,仮に地球の全ての資源・財産が北韓に送り込まれたとしても,世界最大の軍隊および労働党組織が北韓に誕生し,北韓の「赤い貴族」が軒並みデブになり,一方,民衆は相変らず飢えている,という状況になるだけです.

 前回の大飢饉の際,体制が崩壊しかけましたが,その崩壊を食いとめ,金王朝の延命に手を貸したのは食料援助です.
 援助食糧を秘密警察に回す事により,秘密警察の崩壊を防ぎ,その秘密警察をもって体制引き締めに成功したからです.

 援助量に正比例して金王朝は延命する,という事実はしっかり認識されるべきです.

消印所沢


 【質問】
 彼らが援助物資の文字などを全てハングルに書き換えたりすると思うかね?

 【回答】
 甘いなー.彼らは日本製のテレビでもわざわざラベルをハングル文字のものに張り替えたりするんですよ.
 援助をしても,今の指導者が国民に
「我々が困っているから,善意の援助を日本国が送ってくれました」
なんていうと思ってるのですか? そんな事は決して言わないということは普段,北がガンガン放送してるプロパガンダ放送および国内の洗脳放送をみれば一目瞭然でしょう.
 今までの援助にしたって,北の人達は,自分達に配給されたものが援助物資であることすら知らないはずですよ.
 そこまで北の国内情報統制は徹底しています.韓国や日本はとても貧しい国だと国民に教え込んでいるんですよ.

(ラングレー)


 【珍説】
 援助すれば失政を外国のせいにできなくなる.つまり,かれらのカードの一枚を奪える.

 【事実】
 不可能.彼等は援助された事を国内外に公表しない.
 また,失政を外国の干渉によるものと無理矢理こじつけ宣伝している.
 つまり,彼等は北朝鮮国内に対して北朝鮮国内で無限にカードを作り出すことができる.

 対外(対日)的には,北朝鮮の国内問題であるためカードとはなり得ない.

(追加@海)


 【珍説】
 援助の窓口になる人間や流通にかかわる人間には,北の政府の発表の如何に関わらず,徐々に真相は伝わっていく.

 【事実】
 その人間は体制筋であり,政府の厳しい監視下にある.また,発言は公然と行えない.
 また,いくら北朝鮮国民に情報が伝わったとしても,特権階級で構成される体制側・軍に抑圧されている以上政策を変える力は持たない.
よって,北朝鮮の政策を変更させるには体制側を崩壊させる必要がある.

 だいたい,北朝鮮の国民数に比してそういう窓口になる人間の数なんて極めて僅かなんだけど,そういう人数で民主化していくの?

(追加@海他)


 【質問】
 困難なことは避けてればいいのか?

 【回答】
 対話・援助を行えば北朝鮮の政治体制/政策を変えることが出来るという根拠が,極めて曖昧である.

 過去50年間周辺国は彼の国を懐柔しようと援助を繰り返してきたが,北朝鮮側当局の意図的な緊張策の為,徒労に終わっている.

(追加@海)


 【珍説】
 旧ソ連や東独も北と同等かそれ以上だったが,結局西側の情報の浸透などで,指導者自らが自由化の方向に向かわざるを得なくなったと思うが.
 援助はしてなかったが,貿易量は多かった.

 【事実】
 北朝鮮は東欧・ソ連と異なり,自由化/緊張緩和が今後推進されると予測しうる材料が無い.
 理由は以下の通り.
・現在北朝鮮軍が強力な膂力をもって体制側に付いている事
・民主化組織が活動を行える自由度がない事
・少数の体制側を除き情報流入が極めて制限されている事
・貿易量自身が落ち込んでいる事

 また,彼の国は飢饉状態においても軍の食糧備蓄を取り崩して国民に支給することはなく,今後援助や貿易による収入が増加したとしても,軍や体制側を強化するだけであって,国民へは還元されないことは明白である.

 貴殿が言及している事は,将来的な(望み薄の)緊張緩和の「可能性」であり,現在日本が脅威を受けている「事実」を無視しているものである.
 現在脅威を受けている以上,確実な手段として膂力(防衛力・諜報力)強化の必要性は明白である.

(追加@海)


 【質問】
 中朝関係は良好なのか?

 【回答】
 悪化しており,互いに互いを批判するような状態にあるという.
 中朝国境を警備する北韓軍兵士は,
「中国は資本主義になった.修正主義者だ」
などと罵っている.
 一方,中国の国防大学教授の張召忠氏(海軍少将)は北朝鮮が先に弾道ミサイルを発射した後,「人工衛星」から送信しているという
「金日成将軍の歌を聴かせてほしいものだ」
と,ブログで皮肉っている.
 中国政府関係者も本音モードでは,北朝鮮を良く言う人は殆ど皆無だという.

 【参考ページ】
産経新聞 2009.5.15 03:45(野口東秀)


 【質問】
 中国は,北韓問題にどう対応しようと考えているのか?

 【回答】
 アメリカン・エンタープライズ研究所 AEI 研究員,Joshua MURAVCHIKによれば,中国は,脱北難民の問題を差し引いても,現状維持が望ましいと考えている様子.

 北韓の核開発放棄をきっかけに金正日政権の弱体化や南北融和が進めば,将来的には朝鮮半島で南北統一の機運が高まることが予想される.
 中国共産党にとって,隣に統一「民主」国家が誕生することは,存亡の危機を意味する.市場経済下,私有財産を容認している中国で,共産主義は有名無実化しつつあり,当然,共産党一党支配も正統性を失いつつある.
 そんな中で隣に民主国家が誕生すれば,国内の民主化運動に火がつくのは明らかだからだ,という.

 詳しくは"SAPIO" 2003/5/14号,P.8を参照されたし.

 ただし,中国人民軍,国境の鴨緑江で渡河訓練を行う(2004年7月中旬)など,一定の圧力をかける姿勢は見せている模様.
 この渡河訓練について,李英和・RENK代表は
「北朝鮮に核問題解決を促す圧力をかけているのではないか」
「長期的には北朝鮮の体制崩壊に備える意味もあるのではないか」
と分析している.(読売新聞)

 李代表によると,訓練が行われたのは,遼寧省丹東から車で約30分の無人地域で,川幅は約500メートル.幅5―7メートル,長さ2,30メートルの浮橋を7―10基,川の中間地点を通る国境に向かって設置しているところを脱北者がカメラ付き携帯電話で撮影した.
 訓練は約2週間続き,装甲車も浮橋上に置かれていた.天幕の数から兵士約1000人が参加したと推定されるという.(同)

 また,2004年8月には,中国の戦略問題専門誌「戦略と管理」最新号(第4期)が,北朝鮮の中国に対する背信的行為を批判し,「中国には北朝鮮を全面的に支持する道義的責任はない」と断じる論文を掲載した.
 北朝鮮を公然と批判する論文が中国で公表されるのは,極めて異例だという.

 以下引用.

 同論文は「新たな視点で朝鮮問題と北東アジア情勢を詳しく観察する」との題で,政府系シンクタンク,天津社会科学院対外経済研究所の王忠文氏が執筆.
 それによれば,北朝鮮の現状について
「近年の自然災害で人民の生活は困苦を極めているが,(金正日総書記は)家族による世襲統治を維持するため,極左政治と政治迫害を大々的に行っている」
と,体制の問題点を指摘.
 その上で,北朝鮮の対中姿勢に関して
「わが国がこれまで行った政治的支持と経済援助に対し,いささかも感激の気持ちを表さない.国際問題においては,常に中朝友好を無視し,肝心要の時に,わが国を十分理解し,全面的に支持するということができない」
「このような性質の国を,わが国が全面的に支持する道義的責任はない」
と結論付ける.

 一方,中米関係を巡っては,
「北朝鮮は無責任な行動によってしばしば中米関係の改善を妨げている.
 重要な時に,より大きな争いを平気で引き起こし,米国と対抗する受け身の立場に中国を引きずり込む」
とし,北朝鮮の手法に対して
「悪辣(あくらつ)な下心がある」
「わが国は警戒心を持ち,それを防ぎ止めなければならない」
と主張している.

 北朝鮮の核開発については,
「国際社会に対する蔑視(べっし)と挑発」とし,
「中国は朝鮮半島の非核化を主張し続け,米国と国際社会を支持して朝鮮問題を平和解決しなければならない」と訴える.

 論文で注目されるのは,
「新たな理念をもって北東アジア情勢を見つめ直し,中国の根本的国益に最も合致する外交政策をとらなければならない」
と強調している点だ.
 一種の「新思考」外交の提起と言え,米国などによる北朝鮮軍事攻撃には反対しているものの,国際協調を重視し,北朝鮮に譲歩を強く迫っていくべきだとの考えが鮮明に打ち出されている.

(読売新聞 2004/8/20)

 ただし,同論文は共産党内部で問題となり,店頭販売禁止,在庫の没収という措置を受けたという.

関係筋は
「この論文には外交上の問題があるとされた」
と指摘し,北朝鮮が今月中旬に中国人を主とする観光客の入国を停止する異例の措置を講じたのは,北朝鮮側の対抗措置であることを示唆する.

産経新聞 2004/8/27

 一方,インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙は最近,韓国人の雑誌編集長の話として,北朝鮮の将軍130人が中国に逃亡し,そのうち数人が中国軍に編入されたと報じた.
 中国の専門家たちはこの情報について「あり得る話だ」と述べ,北朝鮮の幹部は民間人,軍人を問わず,この数年間にひどく士気阻喪していると指摘した.

〔AFP=時事,2004/12/9〕

「中国も北朝鮮に苛立っている」

 最近中国で,北朝鮮の核開発問題や金正日(キム・ジョンイル)体制存続に関する論争が起きており,そのなかには,必ずしも友好的ではない内容のものも多いと,米戦略国際問題研究所(CSIS)のボニー・グラッサー先任研究員が28日明らかにした.
 米国内の中国通であり,国務省・国防総省のアジア担当顧問を歴任したグラッサー研究員は同日,保守系シンクタンクであるヘリテージ財団が主催するセミナーに出席し,
「金正日体制崩壊の可能性をめぐる論争が,中国でも米国並みに活発化している」
と指摘した.
 またグラッサー研究員は,
「(中国内部で)核問題と関連し,北朝鮮に対しかなり苛立っているようだ」とし,「中国が北朝鮮を支援していることについて反対意見も多い」
と主張した.
 グラッサー研究員は最近,中国のメディアが北朝鮮へはもちろん,ひいては中国の対北朝鮮政策に対しても批判的傾向を示していることを取り上げ,
「中国の社会科学院の学者も数年前,中朝間の協定が修正されなければならないと批判している」
と述べた.
 また,
「後に廃刊となってしまったが,中国の戦略経営雑誌に,ある中国人学者が北朝鮮を厳しく批判した寄稿が掲載されたことがある」とし,「しかし,北朝鮮に対して批判的なこういう一連の流れが,中国の指導者の立場を直接反映しているかどうかは定かでない」
と述べた.

朝鮮日報 2006/03/02/08:05

▼ さらに,ウィキリークスによって判明したところによれば,
「韓半島は韓国のコントロールで統一されるべきだ」
と,中国高官が発言していたという.
 以下引用.

――――――
「韓国のコントロールで統一されるべきだ」と中国高官 ウィキリークスの外交公電で判明
2010.11.30 12:35


 【ワシントン=犬塚陽介】民間内部告発ウェブサイト「ウィキリークス」が公開した機密外交公電で,中国の2高官が韓国外交通商省第2次官だった千英宇氏(現大統領外交安保首席秘書官)に対し,
「朝鮮半島は韓国のコントロールで統一されるべきだ」
との見解を示していたことが分かった.
 千氏は中国の一部指導者に
「(北韓には)緩衝国としての価値がない」
との認識が広まっており,中国高官も
「新たな現実に直面する用意がある」
と語ったとしている.

 千氏はスティーブンズ駐韓米大使との会談で,中国は北韓の金正日総書記の死後の国家崩壊を止められないとの見解も伝達.
 北韓は経済的に破綻(はたん)しており,金総書記の死後2〜3年で崩壊すると予測していた.

 一方で,駐中国米大使館が昨年4月に送信した外交公電によると,中国は北韓について「甘やかされた子供」のように振る舞い,米国の気を引こうとしていると批判.

 ただ,中国は6カ国協議の中断が長期になる場合,米中朝の3国間対話などを通じて北韓との協議を続ける必要があるとの認識を米国に示していたという.
――――――

 朝鮮日報記事にある「廃刊にされた寄稿」とは,上述の王忠文執筆のものだろう.
 こうして一連の記事を見ると,中国政権内部でも米国と同じように,北韓への対応を巡り,強硬派と太陽政策派との綱引があるように思われる.
 なんだかんだ言っても,数少ない同盟国だし,スーダンなどの例に見られるように,その政権が独裁かどうかに関係なく,中国は目先の利益を追いかける傾向にあるからね.世論を気にしなくていい外交は楽でいいやな.

 韓国側でも,以下の記事に見られるように,北韓は韓国と統一するのではなく,中国に併合されるのではないか?という懸念がある模様.

 ハンナラ党・元喜竜(ウォン・ヒリョン) 最高委員は9日,
「韓国が北朝鮮に積極的に食糧支援をしなければ,北朝鮮は韓国ではなく,中国の東北第4省に吸収される」
と主張した.

 ウォン委員は,この日仏教放送ラジオに出演して,
「国民は今,北朝鮮に何かあれば当然,韓国に吸収されると思っているが,国際的に見ればそうではない」
とこのように言った.
 ウォン委員は
「北朝鮮は中国と同盟国で,食糧やエネルギーなど,全てのものを中国に寄り掛かっている」
「民心も中国を向かっているから,韓国ではなく東北第4省に吸収されるかもしれない」
と説明した.

 さらに続けて
「私たちが統一韓国を実現させようとすれば,北朝鮮が韓国に経済的に寄り掛かっているという点を国際的に認められる必要がある」
「北朝鮮の人権改善や改革開放は飢餓問題が解決した後,時間をかけても遅くない」
と強調した.

(東亜日報,2005/6/9)

 食糧支援を行わせるために理屈を並べているだけではないか?,という見方もできる記事だが.

 【関連リンク】
「エルエル」:中国,北朝鮮のジョンイル政権が崩壊した際には軍隊を派遣する計画があり


 【質問】
 仮に統一朝鮮が実現したとして,その中立を認めるためには中国側は統一朝鮮側に何を求めるだろうか?

 【回答】
 「地政学を英国で学ぶ」,2008-10-02 08:18付によれば,某中国人研究者曰く,
「中国との国境沿いにDMZを作って,そこに北朝鮮から出てくる難民を住ませることだな.
 この難民のいるところを緩衝地帯(バッファーゾーン)にするんだよ」

 詳しくは同ブログを参照されたし.
 面白い内容です.


 【質問】
 胡錦濤自身の対北韓スタンスは?

 【回答】
 イデオロギー面では共感しているという情報がある.
 以下引用.

 胡錦濤は2004年9月に党・政・軍の3権を掌握すると,その月29日に中央宣伝部に全国メディア会議を開かせ,29条の禁令を全国に通達した.
 そこでは,
農民の上訪(直訴),
土地の強制徴収・撤去,
市民生活,
政府と農民の衝突
など,29の報道禁止項目が挙げられている.
 ことに暴動・テロ・デモ・ボイコット等に関する報道は全て厳禁だ.
 唯一奨励されるのは,党の行政能力の優秀さについての宣伝報道だけである.

 胡錦濤のこの指示の中で最も意外だったのは,イデオロギー面において,
「我々はキューバと朝鮮に学ばねばならない.
 朝鮮の経済は一時的に困難に直面したことは事実だが,しかし政治の面では一貫して正しい」
というものである.

(黄文雄 from 「正論」 2005年6月号,産経新聞社,p.50)


 【質問】
 2003年8〜9月,鴨緑江で中国側が,国境警備を武装警官隊から正規軍(野戦軍)に交代させたのは,脱北者対策と北韓軍不良兵士の越境対策か?

 【回答】
 李英和によれば,そういう面もあるが,金体制崩壊への備えが主眼だという.
 以下引用.

 たしかにそういう側面もある.
 強盗事件が多発して,銃撃戦まで起きている.

 だが,それだけの理由では,正規軍に交代して国境付近に大量の重火器を集積したりしない.
 豆満江と違い,鴨緑江の中国側は漢族の集落ばかりである.
 だから,脱北者は鴨緑江を越えようとしない.越境しても,助けてくれる肝心の朝鮮族がいないからだ.
 おまけに,川幅が広い河口付近では,不良兵士であれ脱北者であれ,越境は不可能である.
 そんなところに臨時橋梁を設置すれば,かえって脱北者の越境を手助けすることになる.

 さらに奇妙な点がある.
 訓練場所の少し上流には,正規の大きな橋がある.
 だから今回※の訓練は,この橋が何らかの理由で使用不能となった場合を想定している.
 まさか中国軍が自分で橋を落として,その代わりに浮き橋を架けるはずがない.
 朝鮮戦争当時ならいざ知らず,今の米軍に中朝国境の橋を爆撃する勇気はない.
 とすれば,北朝鮮側が何らかの理由で橋を落とした事態しか想定できない.そんな事態は,中朝関係が険悪化し,金正日が胡錦濤を「敵」と見なす事態以外に考えられない.
 しかも今回は,大量の兵員と戦闘車両を北朝鮮領に渡河させる訓練である.訓練目的が人道支援でないことは明白だ.


 ※2004年6月下旬の訓練.同記事によれば,訓練内容は以下の通り.
 北朝鮮に向かって渡河する訓練の真っ最中だった.正確な総参加兵員数は不明だが,10名収容の幕舎(テント)は100張り近くが確認できた.
 これから推測すると1000名程度,1個大隊規模での演習と見られる.
 訓練の主眼は対岸(北朝鮮)まで臨機橋梁(浮橋)を架ける事のよう.
 「浮き橋」は1基が幅5〜7m,長さ20〜30mで,7〜10基ほど用意されていた.
 兵士なら10列横隊で十分に通過できる.
 これを連結したり切り離す工兵訓練と同時に,兵士と戦闘車両を通過させる訓練が実施された.
 浮き橋の設置は,実際の国境線である鴨緑江の中間点(250m)までだ.

( from "SAPIO" 2004/8/25 & 9/8合併号,p.34-35)

 その後も,およそ中朝友好とはほど遠いような軍事活動が,中朝国境では続いている.
 2006年7月には,白頭山で軍事演習を実施.これが報道されるのは,極めて異例だという.

 以下引用.

●中朝国境で軍事演習
1.人民解放軍機関紙「解放軍報」は1日までに,軍部隊が吉林省で軍事演習を実施したと伝えた.
1.実施したのは瀋陽軍区砲兵団で,日時は7月25日,場所は吉林省長白山(朝鮮名:白頭山),内容はミサイル発射演習で,23発のミサイルを発射したとのこと.
1.「複雑な気象条件下での夜間訓練」で,約1時間で発射ミサイル23発すべてが目標に命中したと解放軍報は伝えている.

 ⇒白頭山で軍事演習を実施したことが伝えられたのは極めて異例.
 北鮮北東部で経済侵略を続ける中国[中共]が,半島の領有権確保に向けて牙をむき始めたとの見方もある.

おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)7月31日

 米国防総省も,韓半島有事の際,中国が介入する可能性があると見ているという.
 以下引用.

「韓半島有事の際,中国が介入する可能性あり」

 米国防総省は23日に発表した「2006年中国軍事力報告書」において,北朝鮮の崩壊など,韓半島(朝鮮半島)有事の際に中国が単独あるいは他国と共同で軍事介入を行なう可能性があると警告した.
 米国防総省は2002年から毎年,議会に「中国軍事力報告書」を提出している.

 〔略〕

◆中国人民解放軍の兵力配置状況
 230万人の現役軍人を保有する中国人民解放軍は,韓半島付近の瀋陽地域に3個戦闘団(Group Armies)を配置している.
 戦闘団は陸・海・空軍を1つにまとめたもので,3個戦闘団すべてが機動力に優れた攻撃用の戦闘部隊であると指摘している.
 また,瀋陽地域には3個戦闘機師団と爆撃機師団が常駐していると同報告書は明らかにした.
 中国はこのほかに,韓半島に近い青島海軍司令部に原子力潜水艦5隻とディーゼル潜水艦22隻,駆逐艦・フリゲート艦などを保有していることを明らかにした.
 中国はまた,米国が湾岸戦争当時に行なった空挺隊などの機動力を模範として,台湾浸透用の特殊部隊を強化していることも明らかにした.この部隊は有事の際,韓半島にも投入できるということだ.
 〔略〕

朝鮮日報 2006/05/26/17:14

 以上の情報から考えて,北韓に何か重大事があれば,中国軍が速やかに侵攻,保護占領する可能性は高いと考えられる.
 国境警備隊強化はその布石の一つだろう.


 【質問】
 中国人貿易業者拘束・暴行死事件とは?

 【回答】
 韓国のニュース専門局テレビ「YTN」が2010.6.22に,消息筋の話として報じたところによれば,中国人貿易業者2人が20日,北韓慈江道を訪問中にスパイ容疑で拘束され,調査中に激しい暴行を受け死亡した事件.
 2人は中国吉林省の住人.
 同テレビ局によれば,北韓側はスパイの疑いがあるため遺体を引き渡せないと主張し,中国側が反発しているという.

 【参考ページ】
2010/06/23 00:20,共同通信


 【質問】
 中共軍が北朝鮮に駐留するというのは本当ですか?

 【回答】
 これまで北朝鮮は,朝鮮民族による自主防衛の立場(とそれによる韓国に対するプロパガンダも兼ねて)から,北朝鮮領土内への外国軍の駐留を認めず,それゆえ非同盟諸国会議のメンバーにも選ばれましたが,金正日総書記の後継者が決まった事で方針を変更したようです.
中国解放軍が北に駐留との報道で,韓国ネット上「中国との一戦は不可避」

 これにより,朝鮮半島問題での中国の介入が不回避となり,米中冷戦はもはや動かぬものとなりました.
 どの部隊が駐留するかは不明ですが,平壌に駐留とあるから,陸軍と空軍の可能性があります.
 そして朝鮮戦争が休戦状態,つまり朝鮮戦争がまだ終了していない状態の中での,中国人民解放軍の北朝鮮駐留が実現するとなると,朝鮮有事は米中戦争に発展する可能性があります.
 もはや台湾とか尖閣がとかの局地的問題ではなく,東アジアにおいては全ての有事は,米中戦争に発展する事になるのです.
 さらに軍を上海閥が牛耳れば,拉致問題の解決は不可能.
 そうなると日本政府も,中国との対決に臨まなくてはなりません.

 もはや日中同盟だのアジア団結だのは,夢物語でしかないでしょう.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年10月23日17:34
青文字:加筆改修部分

 その後,2011年1月になってサーチナが報じたところによれば,この情報を中国当局は強く否定したという.

 以下引用.

――――――
北朝鮮・羅先への軍駐屯を否定 中国国防省当局者

 17日付の中国共産党機関紙,人民日報傘下の環球時報は,北朝鮮北東部の経済特区,羅先市に中国の人民解放軍が駐屯し始めたとの一部韓国紙の報道について,中国国防省の当局者が16日,
「まったくあり得ないことだ」
と否定したと,1面で伝えた.
――――――

▼ この報道に対し,
「日刊 アジアのエネルギー最前線」,2011.1.24付
は,以下のようにコメントしている.

――――――
 中国軍が進駐している,と言う情報も投げかけているが,これに対して中国は,中国国防省が,
「国連からの権限付与がなければ,一兵たりとも海外に派遣しない」
と強く否定した.
 イラクを連想させ,更には1920年代の日本軍を思い出させるような言葉である.
 これと呼応して,私も再度繰り返したいのは,中国は朝鮮半島統一を望んでいないし,北朝鮮の核保有を後押ししている可能性がある,と言うことだ.
――――――


 【質問】
 なぜ多国間協議を北韓は嫌がるのか?

 【回答】
 RENK代表の李英和は,次のように説明している.
 要は「イカサマをしたり,テーブルを蹴ったりしにくくなるから」

 米朝2国間協議なら,金正日は瀬戸際カードを切り易い.
 だが,安保理の常任理事国に日韓を加えた多人数が相手では,ポーカー・ゲームが難しい.もし金正日がイカサマをやったり,テーブルを引っ繰り返して席を蹴ったりすれば,国連経済制裁に道を開くことになる.

 一方,多国間協議は米国にとって好都合.
 歴史上,最良の関係にある中国は,米国を裏切る可能性は低い.
 だが,イラク戦に反対したフランスやロシアは,信用が置けない.
 そして韓国は土壇場で足を引っ張りかねない.
 これら諸国を多国間協議に参加させることで,「連帯責任」を負わすことができる.

( from "SAPIO" 2003/5/14,P.15,抜粋要約)

 なお,日本外務省では,「北朝鮮が6カ国協議の場に戻ってくる事は極めて難しい」と見ている模様.
 以下,根拠.

 参議院の特別委員会で,横田夫妻らが拉致問題の早期解決を訴えた後,衝撃的な発言が飛び出しました.

 静岡県立大,伊豆見 元教授
「北朝鮮が6カ国協議の場に戻ってくる事は極めて難しい. 6カ国協議そのものに終止符が打たれるという可能性が,相当程度あります」

 拓殖大 海外事情研 森本 敏所長
「結論については伊豆見先生と殆ど同じでございまして・・・」

 伊豆見教授らは6カ国協議が継続するのは,北朝鮮が交渉引き延ばしの舞台として利用し続ける場合に限るとの逆説的な見方を示し,その場合時間稼ぎの間に北朝鮮の核開発は着々と進むとして,6者協議再開への期待へ冷水を浴びせました.
 二人は朝鮮半島安保問題の外務省の実質的なブレーンで,ある意味政府の言えない事を代弁したとも取れます.
 現に外務省幹部も,既に4月の段階で,6者協議は弔いの段階に入ったとの見方を示しています.

(高島英弥 from 「永田町ナイトウオッチ」,フジTV,2005/06/11)


 【質問】
 3カ国協力構想とは?

 【回答】
 プーチン政権の対朝鮮半島戦略.
 江頭寛によれば,南北朝鮮間の接着剤の役割を積極的に果たすことが,ロシアの国益に沿う,とプーチン政権は認識しているという.
 朝鮮半島で失っていた影響力を回復でき,経済的利益につなげることができる.
 韓国の資金を利用する形にすることで,ロシア自ら経済協力しようにも資金がないという問題を回避できる.
 金大中と金正日との南北首脳会談を根回ししたのは,ロシアであり,ロシアのほうから首脳会談を持ちかけて,韓国から資金を引き出そうとした可能性さえあったという.
 資金は「現代グループ」が全額肩代わりすることになったが,のちに不正送金として政治問題化し,鄭夢憲・「現代峨山」会長が2003年8月に投身自殺するというオチまでついた.

 詳しくは,江頭寛著『プーチンの帝国』(草思社,2004.6.22),p.108-110 & 116-117を参照されたし.

プーチン近影



 【質問】
 6カ国協議は何を話し合っているのですか?

 【回答】
 主として北朝鮮の核政策をめぐって開催されている,2003年から不定期的に開催されている北朝鮮・日本・アメリカ・中国・韓国・ロシアの代表による会合であり,そもそもは2003年に北朝鮮がNPT(核拡散防止条約)脱退を宣言したことから,
北韓の核開発断念と引き換えに,多国間で北韓の安全を保証しようという
目的で開催されました.
 主にアメリカと北朝鮮との交渉が最大課題ですが,その仲介役となる中国,この地域に一定の発言権を確保しておきたいロシア,それに韓国がからんで協議は難航しています.
 会議が決裂すれば,中国・ロシアのメンツも丸つぶれですし,アメリカによる北朝鮮攻撃も一歩現実性を帯びることになるでしょう.

 【参考ページ】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AD%E8%80%85%E4%BC%9A%E5%90%88
「iza」:6カ国協議【ろっかこくきょうぎ】
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0416&f=column_0416_003.shtml

【ぐんじさんぎょう】,2009/4/18 21:00

 会議は踊る,されど進まず.

 ウイーン会議は映画になりましたが(会議は踊る),六カ国協議も映画になったりして.
「踊る六カ国協議 THE MOVIE 寧辺核施設を封鎖せよ!」
とか(まんま,タイトルがパクリですが…)

新所沢の三等兵 in mixi,2009年04月17日 21:25
&04月18日 11:42

 東アジアのババ抜きゲーム

しまだ in mixi,2009年04月17日 23:31

> 東アジアのババ抜きゲーム

 五カ国で,ふくらみ続ける風船を回し続けるのですね.

クローム・ツァハル in mixi,2009年04月18日 01:29

 神経ガス入り風船コワイヨ.

しまだ in mixi,2009年04月18日 11:17

 東アジアの麻雀ゲーム.

 日本側が小泉ジュンイチローのとき,日本は大勝ばっかりだったのに…
(産経の報道が本当なら,麻生タローでも…)

ぎんなんそう in mixi,2009年04月19日 00:04

>東アジアの麻雀ゲーム.

 タモリに一人六役でやってほしい(笑)

フナムシ in mixi,2009年04月19日 07:37


 【質問】
 6ヶ国協議による問題解決という案を示したのは誰か?

 【回答】
 江頭寛によればプーチンであるという.
 彼は2003年1月,ロシュコフ外務次官を北韓へ派遣し,「包括的解決案」を提示した.
 北韓の核開発断念と引き換えに,多国間で北韓の安全を保証しようという提案だった.
 この構想が2003年8月下旬に北京で開かれた「6ヶ国協議」に発展した.

 詳しくは,江頭寛著『プーチンの帝国』(草思社,2004.6.22),p.118を参照されたし.

MAKS-2007でのプーチン



 【珍説】
「米国の一つの州に他ならない日本が,あえて地方代表として協議に参加する必要はない(北韓外務省)」???

6者協議「日本不参加を」 北朝鮮外務省

 北朝鮮の外務省報道官は4日,米中朝が再開で合意した6者協議について「日本が6者協議に参加しないならこの上なくよいことであり,参加人数が少なくなることは協議の効率を高めるうえで決して悪くない」と述べ,日本の不参加を促した.朝鮮中央通信が伝えた.
 6者協議の再開にあわせて日本人拉致問題の早期解決を改めて訴え,核実験強行に対する圧力を強める日本を牽制(けんせい)する狙いだ.
 同通信によると,報道官は北朝鮮の協議復帰決定を国際社会が歓迎,評価しているとしたうえで「日本の首相や外相らが『核保有国との前提で北朝鮮を6者協議に受け入れる考えはない』と身の程知らずの言動をしている」と批判した.
 さらに「我々は一度も日本に6者協議への参加を要請したことはない.米国の一つの州に他ならない日本があえて地方代表として協議に参加する必要はない.米国から協議結果でも聞かせてもらえばいい」と述べた.

朝日新聞,2006年11月04日11時26分

 【事実】

>米国の一つの州に他ならない日本

86名前:番組の途中ですが名無しです[]投稿日:2006/11/04(土)12:39:56ID:sAUgoFba0

 だとすると北チョンは米国民を拉致ったり,米国の近海でミサイル発射実験を行ったということになるんだが・・・


 【質問】
 妥協して6ヶ国協議を進める以外に,代案はあるのか?

 【回答】
Bush's North Korea Meltdown By JOHN R. BOLTON October 31, 2007
(WSJ米国版,寄稿)ブッシュ政権の北朝鮮政策の溶解

というコラムで,ボルトン前国連大使が述べるところによれば,北朝鮮の脅威への正しい対応は継続的な一貫した圧力であって,それを緩めることではないという.
 そして,NOと言うべきときにNOと言い,検証について明確な一線を示すべきである,としている.
 また,テロ支援国家指定解除などが同盟国に与える深刻な悪影響について考慮すべき,とも述べている.

 以下引用.

[quote]

 第一に,6者協議プロセスで北朝鮮に容易に妥協することはやめて約束を約束どおり守らせるために必要な場合にNOを言うべきである.

 第二に,手遅れになる前に,ブッシュ政権は検証について明確な一線を示すべきである.
 国務省は検証手続きについて何もいっていないが,ウラン濃縮などの行為について,これは重要である.
 北朝鮮のシリアへの核拡散についても問題が多く,現実的な検証手続きを明確にしておく必要がある.

 第三に,テロ支援国家指定解除などが同盟国に与える深刻な悪影響について考慮すべきであって,すでにシーファー駐日大使がこれを警告する手紙を大統領に送っている.
 韓国は11月に大統領選挙を迎えるが,アメリカ政府が北朝鮮に譲歩を続ける姿勢をとれば,韓国の政治にも悪影響を与えかねない.
 次期韓国大統領がノムヒョン政権と同様のアプローチをとる恐れがある.

 第四に,これが最も重要だが,北朝鮮の脅威への正しい対応は継続的な一貫した圧力であって,それを緩めることではない.
 北朝鮮は核実験後に,国際社会の圧力に,また国連の制裁決議案や核実験への中国の怒りに,PSIや財務省による金融制裁に直面した.
 しかし,その後の共同声明などにともなう中国の支援があり,国務省の譲歩があって金正日政権の生命維持を図っている.

ニュース極東板

 どれも真っ当,というか,日韓の太陽政策の失敗をかんがみるに,経験則的にそれしかないのではないか,と思うのだが…….


 【質問】
 ドイツのどんな政治団体に,北韓は接近を図っているか?

 【回答】
「ソ連・東欧の『社会主義兄弟諸国』消滅以来,北朝鮮は孤立状態を脱すべく,各国で右翼陣営にまでも働きかけ,金日成の教えを具体化しようとしてきた」
と,ドイツ憲法擁護庁のスタッフは分析している.

 ドイツ社会主義者闘争同盟(KDS)代表,ミヒャエル・コートは1998年以降,ネオナチ系極右の連合政党,民族民主党(NPD)のウド・フォークト党首や,民主社会主義党(PDS.旧東独共産党)の幹部らを初めて在独北朝鮮大使館に共同訪問させた.
 これ以降,ネオナチ・共産主義者合同による「北朝鮮緊急支援行動」が展開された.

 コートはドイツ共産党(DKP)副議長,北朝鮮労働党をモデルにして結党されたドイツ労働党(PdAD)主席を経て,現在KDS代表.
 KDSはネオナチと共産主義者の寄り合い所帯で,公称「1000人以上」だが,幹部アルヌーフ・ブリームが明かすように,「実際は100人もいない」.

 イラク戦争が始まる前の2003年3月にはコートは,極左団体カラシニコフやPDS,ネオナチ系のNPDの代表者を率いて在独イラク大使館を訪問し,連帯の意を表明した.

 村田の取材に対し,
「これまで3度訪問し,朝鮮民主主義人民共和国のことは知り尽くしている.今は困難に直面しているが,金正日氏の賢明な指導の下に発展する,理想の国家である」
と,コートは北朝鮮を無条件に礼賛した.
「旧東独時代はソ連に次ぐ最大規模の大使館を構えながら,東欧共産圏の一斉崩壊後は極度の金欠状態に陥り,敷地の相当部分をスポーツ・ジムに賃貸貸ししている有り様」(ドイツ外務省筋)
という北朝鮮にとっては,「北朝鮮緊急支援行動」を展開するコートは功労者である.
 そのため,北朝鮮で最も重要な祝日である金正日誕生日(2月16日)には毎年,在独北朝鮮大使館の祝宴に招待されているばかりか,平壌にまで貴賓として招かれたこともあるという.

 だが,その政治的効果は極めて怪しい.
 NPDは「偉大な首領様」の教示に誘発されたのか,旧東独各地に「民族解放区」なるものを形成する方針を打ち出した.
 中央,地方の行政が既成政党に握られようとも,住民の支持を得て独自の支配体系を確立しよう,とする戦術らしい.
 しかし実態は,週末の深夜に時たまスキン・ヘッドの若者が,パブで酒を飲んで暴れるだけで,「権力の確立」などとは程遠い状態だ.
 旧東独共産党PDSも,2002年の連邦議会選挙で得票率が5%を割り,最早国民政党とは言えなくなってしまった.

 経済支援という面でも,ネオナチは北朝鮮の期待外れに終わっているようだ.
「北朝鮮に大口寄付したのは,見本市で儲けて財を成した,ライプチヒ在住のユルゲン・シェーンだけ.
 しかも,せいぜい1万ユーロ(約140万円)前後だろう」(ハンブルク在住のNPD関係者)

 シェーンはNPDのスポンサーとして知られているが,かつて属していたドイツ最大の右翼政党・ドイツ国民同盟(DVU)のゲアハルト・フライ党首は,
「左翼とも右翼とも得体の知れない人物」
と評している.
 当のシェーンは,北朝鮮への寄付について,
「政治的なカンパではなく,人道援助だ」と説明し,「在独北朝鮮大使館からは何度も連絡があり,丁重に感謝された.大した献金などしていないのに」
と,「北」の対応にやや戸惑い気味の様子だ.

 「政治的には中立」という,北朝鮮と商取引のある会社経営者(ベルリン在住)は,
「北朝鮮に物を売っても,いつ金が支払われるのか分からない.支払期限など,あってないようなもの」
と証言している.

(村田信彦〔ドイツ「ユンゲフライハイト」紙記者〕
from SAPIO,2003/7/9,p.90-92, 抜粋要約)


 【質問】
 北韓とASEANとの関係は?

 【回答】
 ASEANの後発加盟4カ国のベトナム,ラオス,カンボジア,ミャンマーとの関係を強化している.
 国際的な孤立を回避し,食糧確保を目指す北韓と,農産品などの輸出先確保を目指す,この4か国との思惑が一致しているため.

 ベトナム共産党の最高指導者ノン・ドク・マイン書記長は2007年10月,同国最高指導者としては50年ぶりに訪朝し,金正日と会談.
 東アジアへの影響力拡大を目指すベトナムは,北韓に対するコメ2000トンの無償援助を表明.金総書記はマイン書記長からのベトナム訪問の要請を受諾したとされる.
 その9日後には,北韓の金英逸首相と閣僚ら約30人がベトナムを訪問.
 両国は農業技術共有などの覚書に署名した.

 シアヌーク前国王とシハモニ国王が平壌に滞在した経験があるカンボジアは,2007年11月,北韓と投資奨励・保護協定などを結んだ.

 ラオスは2007年11月,北韓と文化教育の覚書に署名した.

 ミャンマーは2007年4月,アウン・サン廟事件を契機に断交した北韓と,24年ぶりに国交を回復した.

 【参考ページ】
2007年12月30日15時0分,時事通信


 【質問】
 2008年6月〜10月に北韓・ラオス間,および北韓・ベトナム間で取り交わされた合意書の内容は?

 【回答】
「両国保安機関の交流・協力の強化と,相互関心事となっている一連の問題」
についてのものとされ,その具体的な内容は伝えられていない.
 しかし,ベトナムはタイやラオスなどとともに脱北者の韓国入りの主な経由地となっていることから,脱北者関連の協力事項が盛り込まれている可能性もあるという.

 詳しくは
2008年10月8日13時34分,YONHAP NEWS
を参照されたし.


 【質問】
 北韓がミャンマーとの国交を回復する可能性はあるか?

 【回答】
 その可能性は高いと見られている.
 報道によれば,両国は水面下で交渉を重ねており,2006年2月前後に,国交を回復することに大筋で合意したという.
 以下引用.

北朝鮮と国交回復かミャンマー食糧と武器,相互供給へ

 【バンコク=平田浩二】在ヤンゴンの外交筋によると,「ラングーン(現ヤンゴン)事件」以降,二十年以上にわたって国交を断絶しているミャンマー軍事政権と北朝鮮政府が国交回復で大筋で合意した模様だ.正式合意の時期については不明〔略〕.
 一九八三年十月,韓国の全斗煥大統領(当時)一行がヤンゴンを訪問中,爆弾テロに襲われ,閣僚ら十七人が死亡.
 ミャンマー政府は北朝鮮工作員による犯行と断定し国交を断絶した.
 しかし,二〇〇〇年に北朝鮮が東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)に参加したころから,外交・軍事関係者が相互に訪問するなど水面下では協力関係を修復させてきたという.
 国交回復は北朝鮮側が積極的に働きかけたとされ,外交関係者は「慢性的な食糧難の北朝鮮にとって,一年を通じて豊富な農産物を供給できるミャンマーとの国交は大きな意味がある」と指摘.
 〔略〕
 消息筋は「軍事政権は農産物などと引き換えに北朝鮮から武器や軍事物資の輸入を考えているのではないか」と警戒感を示し,「孤立する両国が手を結ぶことになればさらに内向傾向が強まり,民主化は遠のくだろう」と懸念している.

東京新聞朝刊 2006年02月01日

▼ その後.ミャンマーは2007年4月,北韓と,24年ぶりに国交を回復した.▲

 まあ,負け犬連合はよくある話.
 北韓からミャンマーへの武器輸出を阻止できるかどうかが,今後の鍵か?


 【質問】
 ロシアのプーチン大統領は,金正日をどう評価しているか?

 【回答】
 CBSテレビのインタビューにプーチンが答えたところによれば,
「去3回会ったが,自らの国を良い方向に向かわせるための変化を望んでいる人物だ」
と述べ,高く評価している.
 最近の北朝鮮情勢については,彼は,
「パートナー諸国の厳しい圧力が北朝鮮の変化を妨げている」
と述べている.

 しかし北韓の核問題に対しては,毎日新聞によれば,露朝間に激しい応酬があった模様である.
 以下引用.

 ロシアは今月5〜7日,金永南(キムヨンナム)最高人民会議常任委員長ら北朝鮮指導部と核問題について協議するため,コサチョフ下院外交委員長ら代表団を平壌に派遣した.
 朝鮮中央通信によると,北朝鮮側は「(米国の敵視政策が原因で)6カ国協議に参加できず,核兵器庫を強化し続ける決心をした」と従来の見解を説明し「米国が誠意を見せて条件が整えば,6カ国協議にいつでも出る」と繰り返した.
 しかし,タス通信によると,露側が地下核実験準備の情報について真偽を問いただすと,北朝鮮側は明確な回答を避けながらも「否定しなかった」(コサチョフ氏)という.
 北朝鮮側に核拡散防止条約(NPT)復帰を含む国際協調体制に加わるよう求めても,難色を示した.
 コサチョフ氏は協議後,
「次の行動を露指導部が検討する」
と語っており,プーチン大統領の発言は訪朝団の報告を受けたものとみられる.

 露朝関係に詳しいモスクワ国際関係大学のユーリー・フョードロフ教授は
「コサチョフ氏は外務省勤務が長い.
 彼がいらだち,周囲に
『毅然(きぜん)とした行動を取らなければならない』
と話しているので,露朝関係を険悪にさせるほどの激しい応酬が北朝鮮との間であったと考えるべきだ」
との見方を示した.

(産経新聞,2005/5/10)
(西岡省二 from 毎日新聞,2005/5/9)

▼ 以下のエピソードから察するに,金正日に対して少なくとも当初は楽観視していた模様.

[quote]

 〔略〕
 彼〔プーチン〕は沖縄〔サミット,2000/7/21-22〕に来る前に北朝鮮によって,金正日総書記と会ったんです.
 サミットの食事の席で,ほかの首脳が
「なぜ,遅れてきたのか」
とプーチン大統領をいじめるんですよ.
 すると彼は真顔で
「金正日総書記は窓を開けて外をキョロキョロ見始めた.やっと国際社会に関心を持ってきた.
 だから私が行ってドアを開けてきた.
『外に出て世界を見ろ.我々もソビエト連邦からロシアになった.外を見ろ』
と言って説得してきたんだ」
ということをさかんに強調していましたよ.

[/quote]
―――『森喜朗 自民党と政権交代』(森喜朗著,朝日新聞社,2007/10/30),p.247-248

 現在に至るまで,世界を見る気はなさそうだが.▲

プーチン近影



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