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◆◆◆ガザ紛争におけるハマス
<◆◆ガザ紛争以降
<◆戦史
<中近東FAQ目次
ハマスの政治局長マシァル(Khaled Mash'al)
ハマス首相ハニヤ(Ismail Haniya)
ハマス選出議員のマスリ(Mushir Al-Masri)
同ハマッド(Fathi Hamad)
ハマス議員で聖職者のアスタル(Yunis Al-Astal)
パレスチナ立法評議会議長代行バフル(Sheikh Ahmad Bahr)
ハマス聖職者のザラド(Wael Al-Zarad)
同アブイッタ(Muhsen Abu' Ita)
の主張.
MEMRIによれば,
「このビデオは,今回のガザ危機以前放映された画像をMEMRIが収録し,MEMRI TVクリップとしてまとめたのである.
ハマス指導者の演説や声明を中心とする.
いずれもイスラエルの壊滅,全ユダヤ人の抹殺,アメリカ打倒,イスラムの世界制覇を呼号する内容である」
という.
プロパガンダ戦略の一環である可能性もあるため,その点は留意されたし.
「MEMRI」:ハマス指導者,ガザ戦争で勝利宣言 「犠牲が出るのは当然.支援金はPAに渡すな」
「MEMRI」:ハマス政治局長のいう勝利は何処にある?――ファタハとPA幹部達の見たガザ攻撃とハマスの行状
「MEMRI」:ハマスはパレスチナ社会に破滅をもたらしている〜著名アラブ人思想家の主張
【質問】
ハマスはどの程度危険な団体なのか?
【回答】
中東での紛争解決専門のNGO(英国登録チャリティ団体)「Forward
Thinking」の設立者William Sieghartによれば,ハマスを危険団体視するのは誤りだという.
彼によれば,指導部には500人を超えるPhD取得者(博士)がいて,大半は医師,歯科医師,科学者,技師などミドルクラスの専門職であり,指導部のほとんどは英国の大学で教育を受けており,西洋に対して一切のイデオロギー的な憎悪は抱いていないという.
詳しくは
http://www.timesonline.co.uk/tol/comment/columnists/guest_contributors/article5420584.ece
および
http://nofrills.seesaa.net/article/112207202.html
を参照されたし.
しかし一方,MEMRIによれば,ハマス指導者たちがメディアを通じ
「イスラエルの壊滅,全ユダヤ人の抹殺,アメリカ打倒,イスラムの世界制覇を呼号」
しているという.
http://www.memritv.org/video.html
▼ たとえば2009/1/6付,ガーディアン紙ではハマスの政治局長ハリド・ミシャールKhalid
Mish'al は,以下のように述べている.
>イスラエルの命令に従うことを拒んだとき,彼〔アラファト〕はラマラの本部に閉じ込められ,
>2年にわたって戦車に包囲されたのだ.これでも彼の決意を覆すことができず,彼は毒殺された.
(強調:引用者)
こういう典型的な陰謀論を開陳するところから見ても,「イデオロギー的な憎悪は抱いていない」などとする主張には,あまり信憑性は内容に思える.▲
ここでもプロパガンダ合戦の様相を呈していることだけは間違いなさそうだ.
【質問】
ニザル・ラヤンとは?
【回答】
ハマスの政治部門の強硬派幹部でハマス創設者の1人.ガザ北部の責任者.
イスラム系大学の講師も務める宗教学者であり,ハマス内で決定権を持つ指導陣5人のうちの1人とされる.
ハマス軍事,政治両部門の調整役となっていたという.
彼はイスラエルの存在を否定し,イスラエルのメディアによると,イスラエルに対する自爆攻撃の再開を提唱していたともされる.
▼ 2001/10,彼の息子の一人がガザのユダヤ人入植地を自爆攻撃(イスラエル人2人死亡,同15人負傷).
2001年10月には,ガザ地区のユダヤ人入植地Elei
Sinalへの自爆攻撃に,22歳になる自分の息子を送り出したとされる.
このテロで,イスラエル人が2人死亡,15人が負傷している.
また,イスラエル・Ashdod港へのテロでも,攻撃を指揮し,資金を提供していたと言われている.
このテロではイスラエル人10人が死亡した.▲
2009/1/1,ガザ地区北部のジャバリヤ難民キャンプの自宅をIDFに爆撃され,妻2人,子供7人とともに死亡した.
享年49歳.
▼ なお,IDFは爆撃の前に本人に予告したが,脱出を拒否し家族と共に家に居残ったもよう(H,P,Y)だと,イスラエル・メディアは伝えている.▲
【参考ページ】
2009/1/2, BBC
2009/1/2,ガーディアン
2009年1月2日16時54分,CNN
2009年1月2日20時55分,読売新聞
2009/1/3,Guardian (by Trevor Mostyon)
http://www.zion-jpn.or.jp/p0404.htm
【質問】
なぜハマスは,イスラエルを挑発するようなロケット攻撃を続けていたのか?
【回答】
イスラエルをパレスチナ人との戦争に引きずり込むことで,ハマス自身のアラブ世界から,また,パレスチナ人からの支持を再び上昇させる狙いがあった可能性が高い.
2008/12/30付,「Washington Post」紙(by Daoud Kuttab)によれば,ハマスは11月,エジプトの仲介による,ファタハとの和平会議をドタキャンしたため,エジプトや他のアラブ諸国指導者たちからの公的な批判に晒されることとなっていたという.
また,国際社会からの経済支援が得られないこと,ガザに隣接するエジプトとハマスとの関係悪化,ハマスの内政能力の欠如から,パレスチナ人のハマスへの支持は急落.
2008年11月の世論調査では,ファタハ支持が約40%だったのに対し,ハマスへの支持は16.6%にまで落ち込んでいたという.
詳しくは同紙を参照されたし.
ただし米国メディアは平均して見るにイスラエル寄りなので,その点は留意されたし.
ちなみにガザ紛争後,パレスチナ人のハマスへの支持は急上昇.
まんまとハマスの思う壺に嵌っているイスラエルは,アホとしか言いようがない.
▼ 以下は,ラファ市民Rafah Kidの,1/16のブログより.
決してハマス寄りではなかったパレスチナ人の,ガザ紛争開始後の心情が窺える.
――――――
We are not a sovereign state.
My Grandads house in Gaza was destroed and my fathers and my house.
But we had a house before and we had trees and business but when Israel was carved out of the land we had to leave and we had to be locked up like chickens in Gaza.
We were told we could go back but 65 years later we have endured nothing but being prisoners and recently in these times Hamas has become strong and tho not everyone lies them they want to stand up but when they strike out at the land of the people who have imprisoned them THE WORLD CONDEMNS THEM AS TERRORISTS??
私たちは主権を有する国家ではない.
祖父たちのガザの家は破壊された.
父の家,私の家でもある (という意味だと思います).以前は私たちには家があり,木々があり,商売もやっていた.
しかし(パレスチナの)土地を削り取ってイスラエルができたとき,私たちは去らねばならなかった.
そしてガザ地区に,まるでニワトリのように閉じ込められねばならなかった.
いずれ戻れるからと告げられていたが,65年経過した今,囚われの身である.
そして最近ハマスが力をつけてきて,必ずしも全員がハマスのことを好きではないのだけれども,ハマスは(圧制に対して)立ち上がろうとしている.
だが,彼らを囚われの身にした人たちの土地に向かって彼らが攻撃したときに,世界は彼らのことをテロリストだと断罪するという.
〔略〕
Is not "the Jews" is not "Israel" is not "Zionism" it is the Occupation.
問題は「ユダヤ人」ではないし「イスラエル」でもないし「シオニズム」でもない.
「占領」だ.
End the Occupation. Compensate the people who lost their lands. Grant us a Sovereign state.
Allow us to provide our own services, electricity, water and our own airports and army and allow us to trade with the world our produce and resources and then
AND ONLY THEN may you complain at us for anyhting that happens in this forsaken place.
占領を終わらせろ.
土地を失った人たちに賠償を.私たちに主権国家を与えよ.
私たちが自分たち自身の(行政)サービスや電気,水を行ない,空港を運営し,軍を持つことを認めよ.
私たちが,自分たちの産品や資源を世界と取引することを認めよ.
そのときにようやく,この見捨てられた土地で起きていることについて,私たちにやめろと言うことができるのだ.
(仮訳:tnfuk)
――――――
▲
【質問】
ヘズボッラー(ヒズボラ)とハマスはどっちが強いのですか?
【回答】
圧倒的にヒズボラが強い.
というか,ハマスには地の利というか縦深がなさすぎ.
ヒズボラはレバノンに地盤がある.
レバノン政府はイスラエルに対して無力だけど,レバノン領内のヒズボラを殴りに行くには,国際的な根回しが無いとさしものイスラエルも,総スカン食らって作戦途中で撤兵なんて事もある.
ハマスの地盤はガザ地区.
自治区とは名ばかりの狭いゲットーみたいな地域.
そこから出たらハマスは力を失うし,後背地のエジプトはどっちかというと,過激派のハマスが勢いづくことで国内のイスラム原理主義者とつながりを深くすることを警戒している.
イスラエル軍にしてみたらどっちも餌なんだが,ヒズボラはまだ他人の池に泳いでいる状態.
他の魚からより分けて釣り上げて,それからやっと料理が出来る.
ハマスはとっくにまな板の上に載ってる.
こないだまではまだ跳ねてたけど,アタマ殴ってピクピクしてるぐらいの状態.
これから三枚に下ろされる予定.
それぐらい厄介さが違う.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ガザの地上戦がたいへんなことになっていますが,しょぼいロケット弾や突撃銃や自爆用兵器しかないハマスを叩くのに,近代的装備を持ったイスラエル軍が,どうして毎度毎度ハマスを駆逐できないんですか?
【回答】
逆に言えば「だからこそ」.
ハマスが戦車から戦闘機まで持っている近代装備の軍隊なら,戦ってそれらの装備と装備を扱う人間を全滅させれば,「倒す」ことができる.
あとはそれらが,組織として復活できないようにしてしまえばいい.
でも,その辺の町工場や地下室でも作れるし,他の場所から簡単に持ち込めるような「しょぼい」装備しかしてない組織は,どれだけ装備を人間を倒そうが,容易に再装備して組織を再建し立ち向かってくる.
基本的に,近代的軍隊は自分と同じ装備をしてくれず,正面から正々堂々と戦いを挑んできてくれない相手には,勝利を収める事ができない.
例え「ゲリラ戦」にどれだけ特化しようが,軍隊は軍隊なので,「軍隊」としか戦えない.
ハマスは結局,軍隊ではなく武装組織,要するに武器を持っているだけの市民なので,軍隊では倒せない.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ガザ紛争におけるハマスの地上戦戦術は?
【回答】
http://www.zion-jpn.or.jp/p0404.htm
によれば,ハマスはガザ市内の民家に仕掛け爆弾や複雑なトンネルのネットワークを構築.直接対決は避けて民間人の影に隠れて反撃し,兵士誘拐などを目指している模様だという.
1/9にIDFがガザ北部アタトラで入手した,ハマスの作戦地図によれば,民間施設を盾に拠点を設置し,ガソリンスタンドに爆弾を仕掛けて近隣住民ごと殺害するなど,民間人犠牲を増大させる戦略もとっているという.(H,P,Y)
詳しくは2009年1月8〜9日付エルサレム・ポスト紙,1/9付ハアレツ紙を参照されたし.
▼ さらに2009年1月14日付報道によれば,IDFの制服を着てIDFに近づき自爆を試みたともいう(H,Y)▲
ただし,この報道もプロパガンダ工作の一環である可能性を考慮する必要がある.
【質問】
ハマスがイスラエル攻撃に使用しているロケット弾は,どのようなものなのか?
【回答】
2009/1/1付,ハアレツ紙によれば,これまでの3kmしか飛ばないカッサム
Qassam ロケットに代わり,第2次大戦の「スターリンのオルガン」としておなじみの,いわゆるカチューシャ
Katyusha ロケット(の戦後世代タイプ)が使われるようになってきたという.
射程は30〜35km,122mm口径で装薬は22kg.
主にイランやシリアからエジプト経由で密輸され,手作業で組み立てられているという.
詳しくは同紙を参照されたし.
最初のカッサム1では射程3〜4.5km程度で弾頭0.5kgという過激派レベルでしたが,カッサム2では射程10km弱で弾頭5kg以上と格段に高性能になっています.
最新のカッサム4では射程15km以上に達したとも.
ちなみに,BM-21グラードは射程20km,弾頭18kgで原型は旧ソ連製.
ほかに射程40km近いのも使い出して,どうも中国製かイラン製と.
◆yoOjLET6cE in 軍事板
青文字:加筆改修部分
ちなみにカッサム(Qassam)もカチューシャ(Katyusha,グラッドGradとも呼ばれる)も無誘導なので,無差別攻撃になります.
こちらの項目も参考になります.
迎撃できるかどうかは詳しい人にお任せしますが,滞空時間が短くて間に合わないとか,パトリオットじゃオーバーキルだからとか,そういう理由で無理なんじゃないですかね.
こちらの項目では,カチューシャのような小さなロケット迎撃用に,THELというレーザー兵器が開発中と書かれてますね.
バグってハニー in FAQ BBS
青文字:加筆改修部分
カチューシャ
カッサム
faq57p02e01q.jpgへのリンク
faq57p02e01q02.jpgへのリンク
(画像掲示板より引用)
【質問】
ガザからイスラエルへの砲撃の程度は?
【回答】
2008年6月の停戦合意以降も,アルアクサは停戦に反対して攻撃を続けた.
同年12月に停戦が壊れると,頻度は増加し,ガザ紛争を招いた後も続いた.
そして今も続いている.
2008年6月29日
カルニ検問所付近に2発の迫撃砲攻撃.
ファタハ系のアルアクサ殉教団が犯行声明を出した.
ハマス指導者のザハルは,停戦は民族の利益のためだとして,違反者の逮捕も辞さないと宣言.(H,P,Y)
ガザからの砲撃が止まらないため,封鎖解除は進まず.
封鎖が解除されないなら砲撃を再開すると,イスラム聖戦は警告した.(Y)
2008年6月30日
ガザから2発のカッサム砲攻撃.IDFは再びガザに通じる検問所を封鎖する措置を取った.(P,H,Y)
一方,ハマスはアルアクサ殉教団の広報官を拘束.
アルアクサ殉教団は停戦に反対して,イスラエルへの砲撃を続けている.(P,H)
(この間の期間のデータ捜索中)
▼2008年8月20日(水)
火曜夜にまたガザからカッサム砲撃があったため,IDFが木曜まで検問所を封鎖する措置を取った.(P,Y)
2008年8月25日(月)
先週に続き,月曜にまたガザ北部から2発のカッサム砲攻撃.
被害は無かったが,IDFはガザ周辺の検問所を封鎖.(Y)▲
2008年12月27日
ガザ紛争勃発.
2008年12月29日
ハマスは当初少な目だったイスラエルに対する砲撃を本格化.
80発がアシケロンやテルアビブに近いヤブネなどにも着弾し,イスラエル人3人が死亡した.
民家にも被害が出ている.(P,H,Y)
2008年12月30日
ハマスは40発を発射し,ガザから37キロ離れたベエルシバの幼稚園にも着弾した.
ベエルシバへの着弾は初めて.
ヒズボラが多用するカチューシャロケット砲が使われた.(Y,H,P)
2009年1月4日
アシケロン,アシドド,スデロット,ベエルシバなどに40発のロケット砲攻撃.
うち1発は幼稚園を直撃したが,園児がいなかったため人的被害は免れた.(H,P,Y)
2009年1月6日
30発のロケット砲攻撃.
うち1発がゲデラの民家を直撃し,3ヶ月の乳児が負傷した.(P,Y)
2009年1月9日
イスラエル北部のナハリヤに3発のカチューシャロケット砲が着弾し,2人の負傷者.
ヒズボラは関与を否定し,レバノン政府は攻撃を非難した.
パレスチナ系テロ組織の犯行と見られている.(P,H,Y)
2009年1月10日
イスラエル国防省筋によると,ハマスは長距離ロケット弾20発をイスラエル領内に撃ち込み,民間人4人が負傷.
ガザから21発のロケット砲攻撃があり,アシケロン市などで7歳の子供を含む14人が負傷.(H,P,Y)
2009年1月12日
アシケロンなどに19発のロケット砲攻撃があり,うち1発が民家を直撃したが,家人は警報で避難し無事だった.(H,P,Y)
2009年1月13日
ガザから19発のロケット砲撃.
うち1発は初めて白リン弾が使われたが,空地に落ちたため負傷者は無かった.(H,Y)
2009年1月15日
ガザからイスラエルに向けて25発のロケット砲撃.
ベエルシバでは6人が負傷し,うち2人は重傷.(P,Y)
2009年1月18日
停戦実現後もハマスから8発の迫撃砲が発射されたが,大半が難民キャンプ内やガザ地区内部に着弾したもよう.(H,P,Y)
2009年1月28日
ガザから停戦成立後2回目のカッサム砲攻撃.
2009年1月29日
ハマスなどのパレスチナ武装組織は,最近控えていたイスラエル領内へのロケット弾などによる攻撃を活発化.
2009年2月1日
ガザから4発のカッサム砲と14発の迫撃砲による攻撃で,2人が負傷(H,P,Y)
2009年2月2日
ガザからは迫撃砲とカッサム砲による計4発の攻撃.
大きな被害はなし.(H,P,Y)
2009年2月3日
朝,アシケロンに対してガザからグラッドによる攻撃.(H,Y)
2009年2月8日
朝,カッサム砲が駐車場を直撃し,自動車2台が炎上.
幸いなことに負傷者は無かった.
昼にはアシケロン市にも着弾した.(P,Y)
2009年2月12日
ガザから3発の迫撃砲攻撃.
しかし被害は無かった.(Y)
2009年2月13日
ガザから3発のカッサムと1発のグラッドによる攻撃.
また,パトロール中のIDFに対しても爆弾攻撃があった.(Y)
2009年2月17日
ガザから2発のカッサム砲攻撃.大きな被害は無かった.(P,Y)
同日,今回のガザ戦争で,ロケット迎撃システムの運用に必要なデータが集積されたことが判明.
システムの稼動は来年の予定.(P)
2009年2月20日
ガザからグラッドとカッサムを含む3発のロケット砲攻撃.
停戦後の砲撃数は50を越えた.
2009年2月21日
アシケロンに対してロケット砲攻撃.
他に2発の迫撃砲攻撃もあった.(Y)
2009年2月24日
ガザからまた2発のカッサム砲攻撃.被害は無かった.(Y)
2009年2月25日
ガザから2発のロケット砲攻撃.大きな被害は無かった.(H,P,Y)
2009年2月26日
ガザから3発のカッサム砲攻撃があり,1発は民家の庭に着弾.(H,P,Y)
2009年3月3日
ガザからロケット砲攻撃.
2009年3月6日
イスラエル南部のアシケロンにまたカッサムロケット砲撃.
▼ 2009年3月13日,イスラエルに対してロケット砲撃を続ける武装組織をハマスが非難.
犯行グループを調査中だと発表した.(H,P)
2009年3月25日,カッサム砲がアシケロンに着弾.
ガザからのカッサム砲撃は10日ぶり.
テロ組織からの犯行声明は出ていない.(Y)
2009年3月29日,ガザからIDFに向けて対戦車ミサイル砲による攻撃.(P,Y)
同日,カチューシャ砲とカッサム砲などを迎撃可能な「アイアンドーム」の実験が成功したため,IDFは予定を繰り上げて年内にもシステムを配備へ.
ガザとレバノンからのロケット砲撃に対抗する.(P)
2009年4月1日,ガザから着弾したロケット砲を分析していた警察の担当局が,中国製ロケットの比率が急増していると報告.(P)▲
▼2009年5月20日
スデロットの住宅地にガザから,2ヶ月ぶりにカッサム・ロケットの砲撃があり,女性1人が軽傷.
数時間後,IDFは報復のためにガザの兵器工場2箇所と4つの密輸トンネルを空爆.(P,H,Y)▲
▼2009年7月16日(木)
カチューシャやカッサムなどの短射程ロケット砲を迎撃するために開発されている「アイアンドーム」が,初の迎撃実験に成功.
今後も実験を重ねて行く.実戦配備は来年になる見込み.(P,H,Y)▲
▼2009年9月13日(日),レバノンからイスラエル北部に2発のカチューシャ砲撃.
イスラエルも発射地点に向け砲撃を行った.
双方とも被害は無し.(H,P,Y)
2009年9月15日(火),アルカイダ系のグループが,先週のレバノンからのカチューシャ砲撃を実行したとの犯行声明を発表.
真偽のほどは不明.(H,P,Y)
2009年8月7日(金),人権団体のHRWが,ハマスの戦争犯罪を指摘する報告書.
イスラエルの民間人を標的にした無差別砲撃と,ガザの人口密集地から攻撃を行った行為の2点は,明らかな戦争犯罪だとした.(H,Y)▲
▼ 2010年7月25日(日),ガザ地区から4発のロケットと,2発の迫撃砲がキブツ近郊に着弾.
けが人や被害は無し.
ロケットのうち1発は,ガザ地区の外で製造された高性能のものと見られており,IDFが分析中.(Y,H)
2010年7月20日(火),ヒズボラやハマスの使うカッサム等のロケット砲を迎撃する「アイアンドーム」が最終テストを終え11月にも実戦配備へ.(P,H,Y)
2010年8月1日(日),金曜にガザからアシケロン市にグラッドミサイルによる攻撃.
IDFの反撃でハマス司令官が死亡し,11人が負傷した.
ハマスはさらにネゲブに対してロケット砲撃.
公共施設に被害が出た.(Y,H,P)
IDFの攻撃で死亡したハマス司令官は,5回の暗殺を免れ,ガザ戦争の際に妻子を失ったアルバトランだと判明.
「最近のイスラエルの行動は見過ごせない」と,ハマスの軍事部担当者は語った.(Y,H)
2010年8月3日(火),エジプトから発射されたとみられるグラッドミサイル数発が,イスラエル最南端の町エイラートに着弾.
飛び過ぎてヨルダン側に着弾したものもあり,ヨルダンでは1人が死亡,5人が負傷した.(Y,H)
2010年8月18日(水),ガザからの迫撃砲攻撃で兵士2人が負傷.
報復のため,イスラエル空軍がガザ地区のトンネルを爆撃.
負傷者の情報は無し.(Y,H)
2010年8月26日(木),ガザからの迫撃砲が境界線フェンス付近に着弾.
負傷者は報告されていない.
1週間前にも同様の事件が発生している.(Y)
2010年9月1日(水),ハマスが射程80キロの高性能ロケット砲「ファジャル5」を完成か.
テルアビブの北にあるクファルサバも射程内に入る.(Y)
2010年9月5日(日),ガザからまたイスラエル南部に向けカッサムロケットによる攻撃.
IDFも密輸トンネルに対する報復攻撃を行った.(H,Y)
2010年9月10日(金),ユダヤ新年(ロシュ・ハシャナ)中にガザから2度目のロケット攻撃.
カッサムロケット2発が南部に着弾.
負傷者や被害は無し.(Y)
2010年9月13日(月),またガザからのカッサムロケット2発が,ネゲブに着弾.
負傷者や被害は無し.
ネゲブの住人は落ち着けない新年を送っている.(Y)
2010年9月15日(水),ガザ地区から対戦車砲が撃ち込まれたためIDFが反撃.
アル・カーイダ関連の拠点が攻撃され1人が死亡,4人が負傷したとの報道.(Y,P)
2010年9月16日(木),ガザから水曜日に撃ち込まれた迫撃砲9発のうち,2発が白リン弾だったことが判明.
被害の大きさに違いは無いと警察.(Y,H,P)
2010年9月22日(水),ネタニヤフ首相がガザ近隣の町を訪問した数時間後,ガザからカッサムロケットが発射された.
ロケットはパレスチナ側に落ち,負傷者や被害は無し.
現場近くの警報システムは作動せず.(Y)
2010年9月28日(火),ガザでIDFの攻撃によりイスラム聖戦のメンバー3人が死亡か.
ガザの武装勢力はイスラエルに対する砲撃を強めており,IDFは武器密輸トンネルなど,様々な施設に報復攻撃を加えている.(H,P,Y)▲
▼ 2010年11月15日(月),ガザのハマスはテルアビブに届くロケットを保持していると軍の情報筋が警告.
エジプトは射程範囲80キロに及ぶロケットを,密輸トンネルを通じてガザに持ち込ませていると非難した.(Y,H,P)
2010年12月19日(日),IDFがガザのテロ基地を空爆,5人が死亡したとパレスチナ情報筋.
5人はガザ地区から砲撃を試みていたとIDFは説明.(Y,H,P)
2010年12月20日(月),ガザから4発の迫撃砲がアシケロンとネゲブに着弾.
負傷者や被害は無し.
土曜日の夜にIDFがテロ基地を爆破したばかり.(Y)
2010年12月22日(水),ガザからのロケット砲撃でアシケロンの14歳の少女が負傷したため,空軍がハマス訓練施設を空爆.
4人が負傷したとパレスチナ筋.
最近の攻撃はテロ組織の記念日のためだと軍関係者は見ている.(Y,H)
2011年2月10日(木),火曜日の迫撃砲の攻撃を受けて,IDFがガザを空爆.8人が負傷したと現地の医療筋.
IDFはテロリストが侵入するための密輸トンネルと,ロケット製造工場を空爆したと発表した.(Y,H)
2011年10月27日(木),ガザ地区からアシドド近くにグラッドロケット砲が着弾.
シャリート兵士の解放から初めてのロケット砲攻撃.
負傷者はなし.(Y,P)
2011年10月30日(日),ガザ地区からロケット発射を目指していたテロリストをIDFが空爆.
5人が死亡,11人が負傷した.
木曜日のロケット攻撃の犯人とみられる.
メンバーが死亡したイスラム聖戦は復讐を宣言.(Y,H)
2011年10月30日(日),ガザからのロケット砲弾の破片により,アシケロンに住む56歳の男性が死亡.
ガザからは計24発のロケットが飛来.
ガザ地区周辺の学校に通う20万人の生徒が登校できない状態になっている.(Y,H,P)
2011年11月1日(火),一旦停戦が宣言されたものの,ガザ地区からまたもやロケット攻撃.
ベエルシェバやアシケロン,スデロットなどに着弾.
負傷者は無し.
ガザ地区に近い学校は安全のために休校が続いている.(Y,H)
2011年11月7日(月),ガザ地区からアシケロンへ2発のロケット砲攻撃.
外国人労働者1人が金属片により軽傷を負った.(Y,H)
2011年11月9日(水),ガザからのカッサムロケット砲がスデロットに着弾.
負傷者や被害は無し.
これまで2日間ロケット攻撃はなかった.(Y)
2011年11月16日(水),ガザ地区のテロ攻撃に対するIDFの報復攻撃の際,仏領事とその家族がロケット砲破片で負傷したと仏外省.
仏領事らは空爆された場所から200m離れた場所にいた.
怪我の程度は不明.(H,P)
2011年11月27日(日),ガザから土曜朝にカッサムロケット攻撃.
ガザ近郊の自治体施設付近に着弾したが,負傷者や被害の報告は無し.(P)
2011年12月9日(金),IDFのガザ空爆でアルアクサ殉教団のメンバー2人が死亡.
その後,ガザからグラッド型など5発以上のロケット砲がベエルシバ近郊などに着弾.
ガザとの間で報復の連鎖が激化している.(P,Y,H)
2011年12月11日(日),先週金曜日にガザから12発のロケット砲が飛来.
IDFはガザに報復攻撃.
数時間後にはさらに4発のロケットがエシュコル地区などに着弾.
この攻撃による負傷者や被害は報告されていない.(Y,H,P)
2011年12月13日(火),ロケット砲撃への報復として,IDFがガザ地区の武器庫を空爆.
武装組織はIDFの反撃を免れるため,密集した住宅地の中に武器庫を設けていた.
爆発で2人が負傷したとパレスチナ筋.(Y,H,P)▲
【参考ページ】
「イスラエル・ニュース」
【質問】
ハマスのロケット弾密造工場は,どのようなものなのか?
【回答】
アル・アラビヤTVで2009年2月2日と4日に放映されたところによれば,炸薬にはTNT,RDXなどいろいろな爆薬が使われる.
それらは工場に運ばれ,固形のものは粉末状にされ,ピン,釘,鉄片と一緒に圧縮されて,弾頭に詰められる.
発射薬には,ブドウ糖,砂糖,肥料(硝酸カリ)をよく混ぜあわせたうえで,撹拌しつつ溶融し,これをロケットの機関部に充填する.
発射薬の調合のほうが難しいという.
完成したロケット弾には,発射用の時限装置をつける.
タイマーをセットして現場から離れた5分から10分後に発射される仕組み.
洗濯機のタイマーなどがこれに転用される.
アル・アラビアTVのアッサム記者は,最後にこう述べている.
「パレスチナの抵抗組織は,砂糖など何処でも入手できる原料を使ってロケットを作るのです.
イスラエルは砂糖までガザ搬入を阻止するのでしようか」
答は言うまでもないだろう.
詳しくは
MEMRI,2009/2/23付
を参照されたし.
【質問】
このブログですが,……
――――――
イランのプレス・テレビが報じたところによれば,ハマースの発射したロケットが,テルアビブから27キロ離れた軍事基地に,着弾したということだ.
この情報はアクサ・テレビ(パレスチナ)を通じて,ハマースが発表したものだということだ.
ハマースのロケットが着弾したのは,テルノフ基地で,ここはイスラエルの三大空軍基地のひとつで,戦闘機や爆撃機,軍用ヘリに加え,核弾頭も格納されている基地だということだ.
〔略〕
全てが事実であるという前提によるのだが,もし事実であるとすれば,ハマースの発射するロケットは,イスラエルの核爆弾を,爆発させることにもつながりかねない,という話にまで拡大して行こう.
〔略〕
――――――「中東Today」,2009年01月11日
ハマスのロケット攻撃が,イスラエルの核爆弾を,爆発させることにもつながりかねない,というのは本当ですか?
【回答】
いいえ.
ロケット攻撃程度の衝撃では,核分裂は起こりません.
そうでなければ,北韓などがあんなに核兵器開発に苦労したりはしません.
また,仮に記事が本当で,テルノフ基地に核兵弾頭が格納されているとしますと,当然そのような基地は有事には真っ先に攻撃対象になりますから,空爆の第一撃にも耐えられる構造になっていると考えるのが自然です.
カチューシャ・ロケット程度の攻撃では,びくともしないでしょう.
まあ,イランのプロパガンダ工作の類でしょう.
消印所沢
▼「アル・アクサ・テレビが伝えるところによると,ハマスがそう主張している」
という話のようですね.
イスラエル側で確認されていない情報に仮定を加えて,さらに自らの憶測を重ねているわけで,佐々木氏はやや勇み足だと思います.
▲
【質問】
ハマスには対空ミサイルはあるの?
【回答】
ハマスはSA-7系の対空ミサイルを持ってるようだ.
イスラエル側の発表によると,2年前にはハマスはSA-7を20基は持ち込んでるそうな.
>Hamas has also deployed at least 20 SA-7
anti-aircraft systems, officials said.
http://www.worldtribune.com/worldtribune/WTARC/2007/me_israel_06_25.asp
エジプトから密輸しようとして摘発された例もあった.
ハマス側も50基持ってると言ってる.
http://www.worldtribune.com/worldtribune/WTARC/2008/me_hamas_03_07.asp
今度の戦役で実際に使ったようだ.
SA-7と重機でヘリを落とそうとしたが失敗と.
http://samsonblinded.org/news/hamas-uses-sa-7-rockets-against-iaf-5592
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ハマスはなぜ,自身の軍事部門を統制しきれていないのか?
【回答】
黒井文太郎によれば,ハマスの軍事部門「イッザルディン・アル・カッサム隊」は,90年代後半,ハマスでもほぼ完全に過激路線のヨルダン支部の指揮下にあって,地元組とは違うラインで動いており,現在も国外をベースとする過激派を統制できていないだろうと推測できるという.
そして,その当時ハマスのヨルダン支部の中心人物だったのが,現在シリア在住のハリド・メシャルであり,現在,強硬派の主流派でもっとも影響力があるのはこのメシャルであるため,それゆえメシャルに影響力を持つシリアが,問題の鍵を握っているという.
詳しくは「スパイ&テロ」,2009/01/06(火) 04:05:16付を参照されたし.
【質問】
ガザ紛争において,何故ハマスはアラブ諸国の積極的な支持を得られなかったのか?
【回答】
「Strategypage」:INFORMATION WARFARE: Hamas
Steps On The Wrong Toes(2009/1/5付)
によれば,第1に,ハマスはパレスチナ人の生活のルールを,サウディアラビアやイランのような宗教的に厳格なものに変えようとして,文化的に穏健なアラブ人の怒りを買っていたため.
第2に,ハマスはシーア派であるイランから軍事援助と軍事指導を受けることにより,約80%がスンニー派であるアラブ人の怒りを買っていたためだという
そのためアラブ諸国は,口ではハマス支持を表明しているものの,内心ではハマスの傲慢な鼻っ柱を折られることを望んだという.
▼ ちなみに2/11,人権団体のアムネスティが,ガザ住民に対するハマスの人権侵害を非難.
反対派への暴行,殺害で恐怖政治を行なっている模様(P,Y)だとか.▲
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