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◆テロの定義
<テロリズムFAQ目次
【質問】
テロとは何か?
【回答】
万人が認める事が出来る「テロリズム」の定義は存在しない.
アメリカでさえ「FBI」「CIA」「国務省」「国防総省」によって,それぞれテロリズムの定義が異なる.
▼ 例えば法政大学教授・今井猛嘉は,次のように述べている.
――――――
テロ(テロリストによる行為)や組織犯罪の意義に関する,共通の理解は,今日でも,(国際的にも国内的にも)存在しない.
例えば,既存の政治体制に対する暴力的抵抗をテロと呼ぶべきか否かが,フランス革命の前後から第2次世界大戦後の植民地独立運動を経て現在に至るまで,様々な文脈において議論されている1).
日本には,テロを一般的に定義した上で特定の効果を導く法律は存在しないが2),政令レベルでは,定義規定も見うけられる2).
1) テロの定義に関する状況の整理・分析については,阿久津正好「諸外国及び我が国の法制における『テロ』の定義について(上)(下)」 警察学論集59巻12号(2006年)76項以下・警察学論集60巻1号(2007年)39項以下,植木俊哉「国際テロリズムと国際法理論」 国際法外交雑誌105巻4号1項以下を参照.――――――『ジュリスト』 2008.1.1-15,p.117
2) 後述するテロ資金供与処罰法は,その1条において,テロとして国際的に理解されてきた行為の最大公約数とも言い得る類型を列挙している.
しかしこれも,一定の資金供与などを犯罪として処罰するという同法の目的に照らした上での定義に止まる.
3) 警察庁組織令(昭和29年政令第180号)38条4号が,「テロリズム」を「広く恐怖又は不安を抱かせることにより,その目的を達成することを意図して行われる政治上その他の主義主張に基づく暴力主義的破壊活動」と定義している.
▲
21世紀のテロリズムは,国家支援型のタイプは少なくなるが,一方で,非国家的な組織が大きな力を持つだろう.
そしてテロリズムに対する対処に関して,国家間の協力関係は深くなっていくだろう.
***
ジョゼフ・S・ナイ教授によれば,テロリズムをアメリカの法律に照らし合わせると,計画的で政治的動機をもち,サブナショナルな,国家より下位に属する集団による,非戦闘員を標的とした暴力と定義されているという.
国連では,爆破,暗殺,誘拐,テロへの資金提供を阻止する議定書を可決した.
2001年9月での安保理決議は,189の加盟国すべてにテロリストへの安全な隠れ場所の提供を禁じており,アフガンでのアメリカの行動を正当化することに役立った.
だが国連総会では,テロリズムを定義する決議が合意できていない.
エジプトやシリアといったアラブ諸国では,パレスチナ人のような存在をテロリストから除外していない決議すべてに反対した.
ヨルダン川西岸を占領に対してのパレスチナ人の抵抗は正当な民族抵抗であって,これに対するイスラエル政府こそ,無辜のパレスチナ民間人を殺戮していると主張しているからだ.
視点次第で,ある人にとってのテロリストは,別の人にとっては自由の闘士となることもあるのである.
テロリストの存在と,その対応についてナイ教授は以下のように述べている.
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2001年の国連総会での演説で,ジョージ・W・ブッシュ大統領は,世界は「すべてのテロリスト,特定のではなく,すべてのテロリストに対抗して」結束しなければならない,
「いかなる民族的熱望も,記憶に残るいまわしい不正も,罪なき人々を意図的に殺すことを決して正当化できない.」と述べた.
彼の発言は,第6章で論じた正戦論や国際法と合致する.
たしかに,市民を殺すことのなかった南アフリカでの大半の反アパルトヘイト闘争のように,テロリズムとみなすべきではない非国家レベルでの政治的抵抗はありうるだろう.
また,民主的変革手続きの存在しない「民族解放戦争」においては暴力に訴えることも必要になるとの議論もありうる.
しかし,無辜の命を奪うことは正戦論の下では道義的にも法律的にも容認されない.
同様に,国家が民衆を恫喝するために非戦闘員を意図的に殺せば,それは戦争犯罪である.
テロリズムが国家より下位の主体による政治的目的のための暴力の行使と定義されるならば,(定義上)国家は除外されるが,もし国家が同様の非道徳的で違法な行為に及べば,免責されるものではない
.テロリズムの定義に灰色部分の難しさがあるのは確かだが,意図的に政治目的で無辜の人々を殺害するという核心部分での悪については,国際法とともにすべての主要宗教の道義的な基準からして,広く非難されていることは明白である.
21世紀における脱国家的テロリズムは,過去における海賊行為と何ほどか似ている.
敵国を苦しめたり収益を上げたりするために,海賊や私掠船に安全な隠れ家を提供した政府もあった.
今日では,敵を攻撃するためにテロリストをかくまったり,弱体しすぎてテロリスト集団を統制できず,その存在を許している国家がある.
アフガニスタンのタリバン政府に対するアメリカの軍事作戦とさまざまな国連決議によって,国家支援のテロはそれほど起こらなくなるかもしれない.
同時に,爆発物の小型化の技術と飛行機による旅行のような近代システムの脆弱性,そしてインターネットを通じたコミュニケーションの増大は,国家の支援なしでも,非国家主体が国境を越えて大きな被害を及ぼす機会をもたらしている.
皮肉にも,多くの人々が感じる共通の脅威は,国家の役割への評価と安全保障のための国家間協力の重要性を高めるであろう.
国家間システムの無政府状態のほうが,非国家主体による万人の万人に対する戦争という混沌とした無政府状態よりも,通常は耐えやすいものなのである.
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<まとめ>
・テロリズムに対しての規制は強化されているが,一部の勢力は,国家による無辜の民を殺害する行為について批判している.
・テロリズムに対する対処は,確かに正戦論にかなっているが,一方で,国家による無辜の民の殺害もまた戦争犯罪である.
・21世紀のテロリズムは,国家支援型のタイプは少なくなるが,一方で,非国家的な組織が大きな力を持つだろう.
・テロリズムに対する対処に関して,国家間の協力関係は深くなっていくだろう.
詳しくは,ジョゼフ・S・ナイ教授『国際紛争』(有斐閣,2005.4),第8章を参照されたし.
また例えば,「大人の参考書 『中東問題』がわかる!」(青春出版社,2001/11/10)では以下のように定義されている.
政治的目的を実現するために殺人などを犯すこと.
テロリズムの最大の目的は,脅かして支配者を追い払ったり,脅かして政策などを撹乱・中止させることにある.
方法は,敵に直接恐怖を与えるか,もしくは民衆に恐怖を与えるかの2つ.
(p.34-35,抜粋要約)
また,日本の公安調査庁では,次のように定義している.
テロリズムとは,国家の秘密工作員または国家以外の結社,グループがその政治目的の遂行上,当事者はもとより当事者以外の周囲の人間に対してもその影響力を及ぼすべく,非戦闘員またはこれに準ずる目標に対して計画的に行なった,不法な暴力の行使をいう.
(公安調査庁 『国際テロリズム要覧』 1993)
警察庁による「テロの定義」が見られる条文
警察庁組織令第三十九条
国際テロリズ厶対策課においては,次の事務をつかさどる.
一 外国人又はその活動の本拠が外国に在る日本人によるテロリズ厶(広く恐怖又は不安を抱かせることによりその目的を達成することを意図して行われる政治上その他の主義主張に基づく暴力主義的破壊活動をいう.)に関する警備情報の収集,整理その他これらの活動に関する警備情報に関すること.
軍事板?
テロリズムの定義としては我が国の数少ないテロリズムの専門家である宮坂直史氏が以下のように定義しております.
>引用開始
「主として非国家アクターが,不法な力の行使またはその脅しによって,公共の安全を意図的に損なう行為につき,国家機関と社会の一部ないし大部分が恐怖,不安,動揺を持って受け止める現象」
>>引用終了
http://www.tkfd.or.jp/publication/reserch/2005-2.pdf
少なくとも非国家集団であるアルカイダによる非武装の一般市民殺傷を目的とした「自爆テロ」「爆弾テロ」は間違いなく「テロリズム」であり,その実行者は「テロリスト」と呼ぶ以外言いようがない.
その点だけは曖昧さは無いと思う.
ちなみに・・・
テロリストは以下の2種類に分類可能だそうだ.
内向型テロリスト
そのモチベーションを感情,またはテロ行為そのものに依拠しており,宗教的熱狂者などを含む.
この種のテロリストは,原則として観念的に行動を起こすため,要求や目的が明確でなく,交渉を行うことは非常に難しく,自爆テロや突発的に起こりうるテロリズムなどがその種にあたる.
アルカイダやこのコミュを襲ったコミュリンク占拠テロ実行犯はこのタイプに分類されると思う.
外向型テロリスト
そのモチベーションが政治目標の達成であり,交渉は内向的テロリストに比べ可能である.
ただし,その政治目標というものが,必ずしも正当であるとは限らないため,交渉自体が非常に困難なものとなる可能性がある.
これはIRAやハマスがこれに当たると思う.
参考↓
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/terro/pdfs/anpo_1373.pdf
私見では,「意図して民間人を狙っているかどうか」が,その分かれ目のように思えるのだが.
今後も随時,様々な「定義」を紹介していく予定.
【チンパンジーでも分かる定義】
2002年8月29日の,ブッシュ大統領の演説から,
テロリストはモノを憎む.
我々はモノを愛する.
<解説>
非常に簡単にグループ分けしてみました.
「ブッシュ妄言録」より.
(極東の名無し三等兵◆5cYGBbCsjQ in FAQ BBS)
G. W. Bush
(画像掲示板より引用)
―――――――
テロと一般犯罪との相違は,前者があくまで政治的な意図をもっている点にあり,それゆえにテロの最も簡潔な定義は,「政治的目的をもって実行される暴力」であろう.
――――――首藤信彦著『現代のテロリスト』,p.8
麻薬組織みたいな連中でもテロを起こすわけですが,政治的な意図と限定しちゃっていいんでしょうか?
たとえばアフガーンにおける韓国人15人拉致事件は
・宗教的動機(キリスト教布教をしているのはけしからん!)
・営利目的(大金ゲットしたから兵器買うぜ!)
でしたよね?
政治的目的をもって行う行為は確かにテロですが,「政治的目的」だけに限定してしまってよいものかどうか……
それに地下鉄サリン事件などは,カルト宗教の反社会的なドグマに起因するするものであって,これも政治的目的ではないように思われるのですが,どうでしょう?
2009年11月03〜04日,消印所沢
【回答】
一国の省庁間でも認識は違いますが,基本的にはどこも政治的な企図をもって行う暴力行為をテロと見なしとるようで,対象の形態(政治団体か,犯罪組織か,等)を要件にしているのは珍しかったはずです.
まあ,基本テロかただの暴力犯罪か抵抗運動かを決めるのは,国毎の恣意的判断が大きいですが.
2009年11月04日 00:21,如月
タリバンはイスラーム過激原理主義者ですから,政教不可分であって,宗教的動機は即政治的動機では?ま,そのご要求は二転三転したわけですが.
イタリアのマフィアが判事を爆殺したりするのとか,テロとは呼ばれないことが多いと思いますが,違いを付けようとする結構ややこしくなりそうな.
2009年11月04日 02:22,HASU
>反社会的なドグマ
「体制転覆」を目的とするような場合には,一種の政治的目的といって差し支えないかな,というのが私見です.
2009年11月04日 08:31,井上@Kojii.net
テロリズムは究極の目的としての政権転覆が山の向こうにあるわけで,
1.とりあえずカネなきゃ,食わなきゃ→身代金誘拐,強盗,山賊,クスリ売り,密輸,カツ上げetcをやる経済的動機
2.だいたい,オラガ神様が一番!いちばん!→イスラーム原理主義,聖書絶対主義,カルト屋などの宗教的動機
が
3.政治的動機(政権転覆)に従属すると見てます.
そりゃね,貧富の差,社会体制への不満というのは大なり小なりどこの国にもあるわけで,これを動機にして故郷をテロ銀座にしちまうのと,たとえエキサイトしても投石放水車くらいで結局合法的な権力移譲に落ち着く国があるわけです.
首藤の定義だと,たとえば,政治的暗殺とか議事堂襲撃のようなものしかテロと看做せない,極めて限定的なものしかいれないことになってしまう.
そうするとテロ組織そのものともそれやらなければ,お話が出来るみたいなことになる.
宗教的動機と経済的動機「だけ」と見えるテロには融和,みたいな理屈はそこから出てくるわけで,事物を矮小化して捉えると失敗すると言うことの見本みたいな話になりかねんかと.
経済的動機,宗教的動機だけのヤバ事は刑事犯だけどね.
2009年11月04日 09:39,ゆずこせう
>>テロの定義
Wikipediaには冒頭に出典つきで,「テロの定義に関する国際的合意はない」とはっきり書いてありますね.
http://en.wikipedia.org/wiki/Terrorism
2009年11月05日 04:45,バグってハニー
ちなみに同書では,後のページで麻薬組織やオウム真理教のテロなども取り上げているのですが,にもかかわらず引用文のような書きようなのが不思議というか……
【質問】
首藤信彦著『現代のテロリスト』の中で,テロの事例として
----------------------------
例えば熱帯雨林の破壊と言うことで,日本の三菱グループ企業による伐採が,インターネット上で執拗な攻撃を受け,企業イメージが傷ついた事例がある.
----------------------------p.34
が挙げられていますが,これはテロなのですか?
【回答】
テロの明確な定義は現在ありませんが,通常,上記のようなケースをテロ扱いするのは稀なほうかと存じます.
もしかしで首藤議員は,自分のブログに非難が殺到した事例を,テロ呼ばわりしたくて,そんな例を挙げているのかもしれませんが(笑).
他にも同書では,モサデク政権打倒やアジェンデ政権打倒を,「CIAによるテロ支援」の例として挙げていたり(p.13),タイレノール事件を企業テロと呼んだり(p.34),ユナボマーのような,テロか単なるシリアルキラーか微妙な事例も,「テロの例」として挙げたり(p.38),果てはサッカーのフーリガンの話も持ち出す(p.39)など,なんでもかんでもテロ呼ばわりしたがる癖が見られます.
同書は眉に唾して読んだほうがよいでしょう.
【質問】
ゲリラとテロの違いは?
【回答】
「大人の参考書 『中東問題』がわかる!」(青春出版社,2001/11/10)によれば,以下のように説明されている.
ゲリラは戦闘部隊であり,敵の軍隊を攻撃する.
戦う時は戦闘のしきたりに従う.
また,テロリズムは相手への心理的効果を狙うが,ゲリラはテリトリーの支配,そのテリトリーの住民の支配を第1の目的としている.
(p.35)
レジスタンスは上記条件を満たすことで「組織的抵抗運動団体」に含まれるでしょうが,ゲリラやテロは別に国家同士の交戦でなくとも,自国政治体制の打倒を目指しますので,国内的には(場合によっては国際的な)犯罪者となり得ます.
まあ,名乗ったもの勝ち,名付けたもの勝ちな部分はあります.
ふみ :軍事板,2005/07/06(水)
青文字:加筆改修部分
【質問】
テロとレジスタンスの違いは?
【回答】
そもそもテロの定義が定まっておらず,「テロか?レジスタンスか?」はしばしば議論の対象となるが,戦時法規を遵守するかどうかが一応の目安となるだろう.
例えばスイス政府編「民間防衛」(原書房,1995/3/12)では,以下のように「抵抗運動」を位置付けている.
------------
占領地帯では,住民は,国際法に基づいて最低限の保護だけは与えられる.
一方,抵抗運動は,戦時法規の規定に基づく恩恵に浴するために,その諸規定を遵守しなければならない〔強調,引用者.以下同〕. 単なる殺人は禁止されている.
占領軍はあらゆる方策を尽くして,占領地における抵抗運動を抑圧しようとする.
占領者は,関係者の国外追放・恐怖政治・食糧供給停止・集団的処刑・罪もない人々の虐殺などの手段を用いて,戦時法規を破るだろう.
ベルコール,オラドールおよびワルシャワのユダヤ人街に起こったことを忘れてはならない.
占領軍は強力な武器を持っている.
だから,占領軍が仕返しとして武力を用いるような口実は,どのようなものでも与えないようにしなければならない.
散発的行為や,効果的でない行為は,かえって有害である.
抵抗運動は責任者によって組織され,指揮されるものでなくてはならない.
指揮者は,行動に移る時間・手段・場所などを決定する.
抵抗運動のための戦闘は,このような抵抗運動の組織に所属している者だけが行うべきであって,このような者は,一般国民とはっきり区別がつくようなマークをつけ,かつ,武器を堂々と持つべきで,隠して持ってはならない.
原則として,抵抗運動としての戦闘は,軍隊に属する指揮官と兵士とによって行われることが望ましい.
彼らはよく準備しているので,効果的に行動しうる.彼らの身につけた規律は,孤立した,効率の悪い行動を未然に防ぐことができる.よく統率され,効率的な訓練を受けていれば,比較的少数のグループでも,敵の大軍に打撃を与えることができる.
その他の一般国民は,戦闘行為を差し控えねばならない.抵抗運動組織を援助するに留めるべきであるが,それには次のような方法がある.
1. 戦闘参加に不適格な大部分の一般国民は,占領軍に対して厳然たる態度を示し,できるだけ接触しないようにすること.
2. 戦闘に参加できる者は,全て抵抗運動組織に所属しなければならない.
3. 上記2の厳密な意味での「抵抗運動」を補助するもの,つまり,秘密組織のメンバーは,情報を一般国民に伝達し,情報の仲介役として働き,また特別の命令を帯びた者を匿ったりする.
これらの活動は,その行為をする者自らの責任において行われるが,これらの活動をする者は,その家族と共に,敵の仕返しを受ける危険に晒されていることを知らねばならない.
抵抗運動に参加している全ての者は,生命を失う危険がある.それは遊戯ではなく,情け容赦のない戦争だからである.
------------(P.277)
また,戦地にある軍隊の傷者及び病者の状態の改善に関する1949/8/12のジュネーヴ条約(第一条約)では,
------------
第十三条〔保護される者〕
この条約は,次の部類に属する傷者及び病者に適用する.
(2)
紛争当事国に属するその他の民兵隊及び義勇隊の構成員(組織的抵抗運動団体の構成員を含む.)で,その領域が占領されているかどうかを問わず,その領域の内外で行動するもの.
但し,それらの民兵隊又は義勇隊(組織的抵抗運動団体を含む)は,次の条件を満たすものでなければならない.
(a) 部下について責任を負う一人の者が指揮していること.
(b) 遠方から認識することができる固着の特殊標章を有すること.
(c) 公然と武器を携行していること.
(d) 戦争の法規及び慣例に従って行動していること.
------------
レジスタンスは上記条件を満たすことで「組織的抵抗運動団体」に含まれるでしょうが,ゲリラやテロは別に国家同士の交戦でなくとも,自国政治体制の打倒を目指しますので,国内的には(場合によっては国際的な)犯罪者となり得ます.
まあ,名乗ったもの勝ち,名付けたもの勝ちな部分はあります.
イスラエル独立闘争の際のハガナーのような,境界線上のような存在がままあるし,第2次大戦中のフランスの反ナチ・レジスタンスも,上記条件を完全に満たしているとは言い難い.
それに為政者は,気に入らない反政府運動には常に「テロリスト」のレッテルを貼るものだが.
ふみ(黄文字部分)他 :軍事板,2005/07/06(水)
青文字:加筆改修部分
【珍説】
体制が政治団体を「過激派」と判断する基準はその体制にとって危険とみなすから.
intellipunk in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)
【事実】
ということはつまり思想的に,あるいはその影響力が(体制にとって)危険なだけでも過激派とされるらしいですが,ところがどっこい広辞苑では
「過激な方法で主義・理想を実現しようとする党派」,
Wikipediaでは
「自己もしくは自己の属する集団の主義主張を貫くためには,過激な手段・違法な手法も厭わないとする行動様式のグループのこと」,
はてなダイアリーでは
「武力を肯定し,テロ等を行う集団」
と,みなさん過激の対象を『手段』に限定しています.
普通みんなそういう意味で使ってます.
体制にとって危険か否かなんて関係ないんです.
弱小集団でも爆弾使えば過激派です.
いい加減,言葉遊びで逃げるのはやめませんか?
まぁ,過激派の中の人が
「おじさんが過激派と言われてるのは手段が過激だからじゃないよ.頭ん中が過激派だからだよ」
とか言ってたら,それはそれでちょっと面白いですが.
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