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◆◆◆小林よしのり
<◆◆人物
<◆書籍・メディア関連
<総記FAQ目次
【質問】
軍事学的に見て,小林よしのり「戦争論」はどう評価されるか?
【回答】
ぶっちゃけ,ただの精神論.
「軍事」のコーナーに置いていいような本ではない.
……軍事に理解ある書店とそうでない書店とが判別できるリトマス試験紙代わりにはなるかも.
社会学的領域も含むものの,基本的には軍事学は科学.
冷静さを欠く論など有害無益.
ま,
「そんな意見もある」
程度に聞き流しておけば宜しい.
奇妙な意見も幾つもあるが.
ただ,この本をソースにして他人に議論を吹っかけようなんて真似は,しないほうが宜しい.
論理展開が粗雑な上,論拠不明な部分も多いので,恥をかくのは,議論を吹っかけたほう.
小林は、しょせん子供向けの漫画家.
それゆえに、自身が子供のような「純粋まっすぐ君」でなければならない.
子供に夢を与える子供向け漫画家が、非情な国際社会を冷徹に思考するという「大人」になることは許されないからな.
ために,
「戦争は悪ではない」
だのと戦争論のオビで言いながら、非情な大人の社会である国際社会や外交に,「倫理」だの「正義」だのを持ち込む.
けっきょく、小林は大人になりきれないのだ.
「倫理」も「正義」も無視するのが「大人」だと言うなら、大人なんかになりたくないやい!と、おそらく小林や小林ポチ(信者)は言うかも知れない.
だとしたら、まるっきり幼い子供だ.
「倫理」や「正義」は確かにある.
しかし、それは統一政府に統治され、社会に法やモラルの存在が許されている「国内」だけだ.
もし、小林が日米同盟重視の親米派として漫画家を描いていたらどうだろう?
おそらくイラク戦争や国際社会、日本親米外交の冷徹さに耐えられないだろう.
子供向け漫画家は、政治や政治思想を語るべきではない.
しょせん子供向けの仕事をしてきたアマちゃんには無理な仕事なのだ.
もし、親米日本外交の正しさを冷徹に漫画で語れるとしたら、それはガキ向けでない漫画家だ.
もっとも、かわぐちかいじのような左翼教育の色合いが濃い漫画家には無理.
おそらく、最も親米日本の正しさを描けるとしたら、カイジやアカギ、天などの漫画家を描いている福本伸行だと思う.
一つ許し難いのは,「戦争論」というタイトル.今やgoogle検索でも,クラウゼヴィッツの戦争論より,遥かにhit数が多い.
かくして,悪貨が良貨を駆逐する事態が,また一件.
軍事板他
▼ 子供向け作品を作るクリエイターの名誉のため,珍しく本来の仕事の観点から意見させていただきます.
子供向けの作品を作っている人間ならば,子供に「子供だまし」が通用しないのは容易に理解できるはずなのだが…
子供はファンタジーの嘘に敏感だ.
子供向け作品を作っている作家を見てみるといい.
富野由悠季,宮崎駿(もののけ姫以降はそうでもないが),手塚治虫,藤子・F・不二雄…,彼らの作品を見れば分かるが,絶対に手を抜かないポイントがある.
「ガンダム」なんかも,「戦っている敵は自分たちと同じ人間である」と言う点でのリアリティに手を抜いていない.
(それまでのロボットアニメ作品は,言ってしまえば「宇宙人」「天才科学者」が敵だったんだから)
逆に大人向けの作品のほうがリアリティが希薄な例は枚挙に暇が無い.
小林よしのりは「純粋まっすぐ君」だったから子供向けの漫画家にはなれなかった.
子供に見抜ける程度の虚構しか描けなかったから,アジテーターに転身したのだ.
あれでは漫画という媒体を使うアジテーターでしかない.
僕は彼をクリエイターとすら思っていない.
作家には厳しい現状認識の目が必要なのだが,それがないからだ.
……と,ここまで書いて思ったのだが,彼奴は「子供向け漫画家」ではなく「ギャグ漫画家」だった.
それなら話は早い.
つまり「その場限りの印象・感性・ノリだけでしか描くことができない」のだ.
「論理展開が粗雑」なのも,検証なんかしていたら描けないからだ.
そういう性質の作家は少なからずいる.
結局,
「小林よしのりはしょせん○○だから」
というのは,まじめに○○という職業をやっている人たちに対して失礼になる,政治的に正しくない,ということなんでしょうね.
ギャグ漫画家の中にもまっとうな社会批評ができる人がいない,とは言えないわけですから.
ちなみに,私は「東大一直線」も「おぼっちゃま君」も大好きでした.
▲
▼ 多忙につき掲示板での議論の時間がとれそうにないので,メールで失礼します.
また,これは個人的感想の範疇であり,訂正依頼といえるほどの内容ではありません.
掲示板等で公開するのは構いませんが,それについてコメントすることはできないと思います.
改変等は,原文の意味を損ねない範囲で自由になさっていただいて結構です.
ウィナ・ツァハル氏の回答には疑問があります.
『戦争論』等の内容の支離滅裂さから,小林よしのりという作家の否定にもっていきたい心情はわかります.
ですが,小林よしのり氏は少なくとも小学生向けの漫画においては,卓越した技量を持った作家であったと思います
(以下,子供=漫画雑誌『コロコロコミックの主要読者層』=小学校1〜4年生という前提で書きます).
ウィナ・ツァハル氏はリアリティを問題にしていますが,そもそも子供向けの漫画においてリアリティなど問題になりません.
彼の挙げている作家の作っている作品は,藤子・F・不二雄氏の『ドラえもん』等を除いて,ほとんどが純粋な子供向けとはいいがたい作品です.
子供はたしかにアニメを好んで見ますが,それはストーリーが現実味たっぷりで面白いからではありません.
「絵が動いている」こと自体が楽しいから見るのです.
子供がストーリーを楽しめる作品のレベルというのは,極めて単純なものにとどまります.
絵本に毛が生えた程度のものでしかありません.
まして「人間」や「社会」などといったわけのわからないものは,描けていない方が(むしろ一面的な理解に終始している方が),かえってよかったりします.
そこで最も重視されるものは「わかりやすさ」であり,ものごとをわかりやすく描くことにおいて小林よしのり氏は一貫しています.
『ゴー宣』においても,小林氏は善なる存在であり実際以上に美化されている一方,悪の根源「アメリカ」は徹底的に醜く描かれます.
極めてわかりやすい勧善懲悪の物語です.
社会評論に少年漫画の「圧倒的なわかりやすさ」を持ち込んでしまったのが小林よしのりであり,その功罪を検討すれば,おそらくは「罪」のほうが大きくなるでしょうが,そのことにより作家としての力量自体を貶めるのはどうかと思います.
小林氏自身も自慢していることではありますが,少年漫画においてはひとつヒット作を描くだけでも大変なことで,複数の雑誌をまたいでヒット作を持つ漫画家というのは類稀な才能の持ち主だといえます.
私は音楽をよく聴くので海外ミュージシャンの政治的発言も耳にしますが,残念ながらトンドモなものが多い.
しかし,そのことをもって音楽的才能の否定にまでいきつくことはないはず.
これも同様の問題だと思います.
ryo511 by mailform▲
▼ 確かに,アカギやカイジ,天などの漫画を描いている.
認めよう.
事実…事実なのだから.
だが,天などの「など」に含まれてる漫画にアメリカ軍に対するセリフがあった.
その漫画の題名は「最強伝説 黒沢」.
第9巻の「第72話:責任」より,
――――――
「自分勝手な正義感で首突っ込んで…………」
「事が大事……」
「収捨がつかなくなったら…」
「あとは任せた……って…」
「冗談じゃないよ……!」
「米軍か…! あんたっ……!」
「米軍て………」
「変なミニ戦車を遠隔操作して……」
「こっちは安全で敵だけ撃っちゃおうていう……」
「武士道の風上にもおけない………」
「あの米軍…?」
――――――
ちなみに主人公黒沢は,ミニ戦車欲しがってたそうです.
希望価格,一機三万円.
ザワ…ザワ…
愚かなプレジデンテ in FAQ BBS,2009年9月21日(月)
3時50分
青文字:加筆改修部分
▲
【質問】
>それまでのロボットアニメ作品は,言ってしまえば「宇宙人」「天才科学者」が敵
・・・これらは,子供向け作品ではない?
もしくは,通用しなかったということでしょうか?
【回答】
昔は「宇宙人」「天才科学者」が敵でよかったんです.
それがその当時の限界――今も低年齢向けの作品…,特に日曜朝にテレビ朝日でやっている番組に顕著な傾向ですが――で,そういう作品は「大人の社会を想起させるもの」を小道具として用意しているわけです.
それはメカ(鉄人28号とか)だったり,バイク(仮面ライダー,マジンガーとか)だったり,高度な身体性(仮面ライダーやウルトラマン,宮崎駿作品とか)だったりとさまざまな態様をとっています.
(武器,兵器に至るまで,物心ついてからそういったものに我々が魅力を感じ心惹きつけられるのは,子供にとっての「大人の社会」のように,「別世界とのつながり」をそれに感じるからではないか?,それは子供がそういう作品のアイテムに感じるものとそう変わらないような気がするのです)
それがガンダムになったら,「人間関係」に焦点が当てられただけの話(原作者曰く,だから当初はウケず打ち切りになった)で,単に切り口が新しかったわけです.
小林よしのりが駄目だったのは,社会との繋がりを全部ファンタジーで通してしまったところにもあるんじゃないか?と思った次第.
【質問】
小林戦争論は,いいことも結構言ってると思うが?
【回答】
あの本は事実に基いた良い事も言っているが、事実を誤認したトンデモな部分もある.
小林の理論が事実誤認に基いたものならば、結論も疑問視されるのは当たり前.
自己修正しないなら、トンデモ部分は第三者によってネットや出版などの媒体を通じ、世に知らしめられる事になる.
それを自分で再検証もせずに,逆恨みするような筆者だったなら、読者の支持を大きく失うのは当然.
▼ 広島陸軍病院病理試験室に勤務していた京大細菌学研究室出身のひとりの少尉の話を紹介.
因みに,この人は原爆の直撃で焼死しました.
――――――
職業軍人には二つのタイプがある.
一つは,「一死を以て大君に帰一し奉る」式の滅私奉公型.
「我こそは天皇陛下の股肱の臣」と言わんばかりの厳粛,端正な立居振舞.
この型の軍人は何か事が起こると,必ず「死んでお詫びを」と公言する.
責任感を誇示して巧みに責任を回避する.
死を口にする責任感が強ければ強いほど,彼の責任は直属の上官に波及する.
次々と上の階級に波及した責任は,最後に最上級者である天皇に集中し,天皇は一身では負いきれない全軍からの大責任を万世一系の,皇祖,皇宗の無限の彼方に放出してしまう.
世界に比類を見ない成功無比の見事な無責任体制の中で,滅私奉公型軍人は一途に「陛下の御為に」を唱えながら,専ら自らをヨリ上の権力に近づける立身出世の為に粉骨砕身する.
もう一つは,「軍人を以て生活の方便と為す」式の商売人型.
「兵隊の給料を一日遅らせて銀行利子を稼ぐ」と言う経理のお偉方,恥も外聞も一切お構いなく,手に入る限りの実利をかき集める,名誉の要らない責任の二字のない軍人.
この場合,責任は必ず下級者に押しつけられる.
「軍隊は丁度,求心性の知覚神経を切断して,遠心性の運動神経だけを残した動物に似て」いる.
「責任をとれ」と言う押しつけだけは上から下へ確実に伝わるが,「嫌だ」と言う抵抗は絶対に上に伝わらない仕組み.
この型の軍人は,命令系統の頂点には居ないが,上級者の「走れ」と言う命令に対して,下級者は釘を踏んで「痛い」と訴える自由を持たず,彼は血を流して走る足裏の数には事欠かない地位に座っている.
二つの型は一見正反対の様に見えるが,立身・実利と言う,共に人間の欲望を追求する点で全く変わらない.
我が国の軍隊は,「一死を以て皇運を扶翼し奉る」として人間性の否定に建軍の基礎を置いているが,事実は否定した筈の軍人の人間性は,「立身」「実利」と言う人間本来の欲望を軍隊の中に無制限に持ち込んで,軍隊を,「人間そのもの」の集団に作り替えている.
――――――
既に,敗戦間際の時点で,冷静な目で自分たちが属している組織の本質を喝破しているのには驚きます.
これは,比較的平和(かどうかは別にして,戦場よりは平和であると言う事で)な場所で,色々考える事が出来る暇のある,かつ,完全に軍人ではない,大学の医学研究員出身者だからこその視点なのかも知れません.
また,彼はこうも述べています.
――――――
戦争は人間が始めるもので天災と違う.
ある日突然始まるのではなく,実は何年も何十年も前から特定の人たちによって計画され準備される.
その計画・準備の段階に,多くの団体や個人の利害か絡まり合って,最後には誰もが必ずしも本心から望んでいたと限らない戦争の幕が開いてしまう.
「その不幸な成り行きに,自分のどう言う考えや行為が手を貸すことになってしまったのか,ならなかったのか.
そこをはっきりさせないで,戦争を恨んだり批判してみても無意味じゃないか」
そして,
「自由,希望,愛,生活そのもの,声明さえも否定して人間を殺人の機械として組織する軍隊が生身の人間で構成される限り,その内部には無数の矛盾が渦巻いています.
抑圧された自由への欲求,生きたいという衝動は時に個人の逃亡となり,時には集団による犯行や残虐な蛮行となって,軍隊を内部から崩壊させる要因となって働きます.
だからこそ軍隊は,憲兵という暴力装置による自己防衛を必要とするのです.
そうした客観的な認識を一気に跳越えて,憲兵は嫌いだという主張を踏み台に大胆に行動してしまう.
其処にあなたの長所と短所を合わせ見る様な気がします.」
「事の正邪,理非を検証する客観的な基準をあなたは何に求められているのだろうか.
あなたの人生観,世界観は何なのだろうか.
それが私の一番,気になる点なのです.」
「他国民,他民族を殺戮して己の欲望を満たす『戦争』と言う最高の理不尽には目を瞑って,其処から派生してくる無数の理不尽に,ある時は興奮して,ある時は冷静に,全力を挙げて対応しようとするあなたの努力が真剣であれば有る程,あなたの中に限りなく『虚しさ』が蓄積してゆくはずです.」
「あなたに知って頂きたいのは,我が国民は言うに及ばず,亜細亜の何億という人々に限りない不幸を齎した今次の戦争を,無益な侵略戦争としてその危険を予告し,警鐘を鳴らして阻止しようとした勇気ある人たちがこの国にも沢山いたと言う事実です.」
「国敗れても山河は残り,民族は死滅しません.
敗戦の痛手に鍛えられて,二度と戦争を望まない祖国を築く事業に立ち向かわなくてはなりません.
その日の為に,あなたは何としても生き延びて欲しいと望むばかり…」
――――――
最近,中学校とか高等学校で夏休みの宿題に戦争関連の読書感想文を出すと,何人かは小林某の『戦争論』系の本を読んで書いてくるそうです.
この夏休み,学生さんは充分に暇があります.
出来れば,善と悪の二元論に終始するのではなく,多角的な視点からものを見る様な考えを身につけて欲しいなと思ってみたり.
歴史は決して一つではなく,様々な構成要素から成り立っている訳で,本来は一人一人の経験した事を受容するべきであり,こうした複数化,重層化した歴史を知ることが,周辺国と同じ様に,偏狭な敵か味方かしかない二元論的歴史観から脱却出来,もう一段の高みへ歩めるのだと思いますがねぇ.
眠い人 ◆gQikaJHtf2,2008/07/31 22:35
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宮崎正弘は「宮崎正弘の国際ニュース・早読み 平成15年(2003)6月2日」において,次のように述べている.
(読者の声2)
小林よりのり氏の「SAPIO」連載の漫画は最近、西部遭さんの影響(というより操作)を受けてイラクを擁護し、保守派をたたいて、これでこの人はおしまいでしょう.
「諸君」でも小林よしのり批判が山となっていますね.
ところで宮崎先生は、小林よりのり批判をされませんが? (YF生、京都).
(宮崎正弘の回答)
何回か会いましたが直感的に何もない人と思っていましたので、まして漫画を読んだことがありません.
「台湾論」を一冊いただいたのですが、途中でやめました.
部分的な貢献は認めるにせよ、全体としては評価のしようがない、というのが正直な感想です.
だいたい漫画家を“オピニオン・リーダー”だなんて、日本の知性界はどうかしていませんか?
【警句】
心理的国土防衛に専心するのあまりに,政治的過激主義に陥ることのないよう用心しなければならない.
敵が攻撃に用いる手段を,そのまま反撃のために用いなければならないと考えるのは,ゆゆしいことである.宣伝に立ち向かうのに,同じ類いの反宣伝を行う必要はない.
左右の全体主義イデオロギーには,思想の自由をもって対処すべきである.
イデオロギー的訓練とは,人間社会生活の法則を勝手に作り上げ,これに基づいて人間の行為を規定することであって,このようにして,人間の自由な思考と行動に対する責任というものをなくしてしまう.
(スイス政府編「民間防衛」,原書房,1995/3/12,p.163)
強調,引用者.
【質問】
小林戦争論は小林独自の見解か?
【回答】
小林が紹介するエピソードは,名越二荒之助あたりの編著と酷似するものが多い.
戦争論におけるアジアとの共闘エピソード,大東亜賛歌は,91/12の「世界から見た大東亜戦争」展転社 ISBN
4-88656-073-3 とかぶる物が多い.
戦争論2では持論が少々垣間見られ、戦争論3になるとアクセル全開.
今は暴走.薬害エイズ訴訟の終わりのあたりが一番ましだったな.
それでも,戦争論3では清水馨八郎の本をネタ本に1章以上割いている.清水馨八郎は日本平和神軍が経営するイオンド大学の教授.
台湾論における感動エピソードは,これも名越の,96/4の「台湾と日本・交流秘話」展転社 ISBN
4-88656-123-3
オリジナル部分は、自分で現地取材した部分くらいかな.
また,西部邁 の「学問」と比較しながら小林の最近の漫画を読むと,小林は,西部が言っていることをそのまま忠実に漫画に書いているだけだと分かる.
他人のフンドシで相撲を取って評価されたのに,自分が一端の言論人になったつもりになってしまったのが,奴の救いがたい愚かさだと思う.
(軍事板,エセ保守監視小屋)
余談だが,「噂の真相」12月号の記事によれば,戦争論3が,1,2に比べてあんなに薄っっぺらくなった理由として,秘書の金森の退社を挙げている.
同記事によれば
・小林の説明では「親の面倒を見るために辞めた」ことになっているはずの金森が,なぜかいまだに東京都内にとどまっている
・保守思想の金森は,小林が「つくる会」と決裂した頃から,小林との関係がギクシャクし始めた
・「わしズム」で幻冬舎の編集者の仕事ぶりに感激した小林が,
編集者としての金森を用済みと考えるようになった
・「戦争論3」の恨米路線を巡って金森と小林が激しく対立し,
最終的には金森は仕事を干されて退社
という流れらしい.
あの「噂の真相」の記事だから話半分に見なければいけないだろうが.
【珍説】
世間の流れを小林よしのり「戦争論」が変えた!
【事実】
右傾化の流れの一コマに過ぎません.
「新しい歴史教科書をつくる会」が右転換し始めたのが1996年ごろ.
朝鮮問題の危機が騒がれだしたのが1994-95年ごろ.
戦争論が1998年、テポドンが若干後追いで同年.
他にも,
・教科書検定問題→韓国・中国への反感の本格化の始まり
・貿易摩擦→反日本製品的な欧米のリアクションに対する反発
・80年代から90年代にかけての外国人の流入→内なる国際化への不安
・冷戦の崩壊→ソ連という強大な敵の消失
・バブルの崩壊→自分達自身の自信の喪失
・各種のスポーツにおける国際舞台での活躍→海外で戦う日本人の頭への刷り込み
・マスコミ論調の変化→産経、読売の保守化とそれによる保守的性格の刷り込み
等など,すんごい複合的要因だと思いますよ.
実際のところ、小林はその中の小石の一つだと思います.
それに,小林が喚き散らした程度で、発言を止めた左翼言論人など一人もいませんしね.
貿易摩擦やジャパンバッシングが原因の反米ナショナリズムみたいなのは、大ブッシュ政権からクリントン政権前半まで.
この時期、太平洋戦争や現代・近未来の対米戦を描いた火葬戦記もよく売れました.
その後に関しては、ケ小平没後、彼よりも求心力に劣る江沢民が煽った中国の反日ナショナリズムに対する反発と、慰安婦問題をしかけてきた韓国に対する反発に拠るものが、ナショナリズムの二大原動力.
小林よしのりも、その線で書いている間は広く支持されています.
この事実から見るに、国民の意識を小林が変えたというよりも、フラストレーションが溜まっていた国民の意識に、小林がうまく乗っかったというのが正解でしょう.
台湾論も、台湾を中韓に対するアンチテーゼとしての存在として描く事に成功し、売上を伸ばしました.
戦争論2以降に関してはナショナリズムのベクトルを読み誤って広範に支持されず、成功したとは言い難いものがあります.
しかも「イスラム原理主義過激派による無差別テロ」に関しては、小林自身が戦争論2でルクソール邦人旅行者射殺事件に触れテロリストを「個を喪失した狂信者」と批判していたのにも関わらず、その後9.11テロとビンラディンを賛美しまくる矛盾を演じたため、広範な読者離れを招きます.
さらに、拉致と核、麻薬密輸等の北朝鮮の犯罪行為に対する国民の怒りにも真正面から冷や水を浴びせた結果、この種のナショナリスト揃いの極東板等でも,小林の評価は急落する結果となっています.
「マスコミ報道の異様さに気が付いた世論に乗って稼いだ」
とするか、小林大本営の主張、
「わしが世の中の空気を変えた」
を盲信するかで,知性の程が量れそうだな.
影響力を定量化することもできる.
産経200万部日刊、読売1000万部日刊.
マジメに読む層を1/10と仮定すると、120万部×(365日-休刊日)
一方のゴー宣の単行本は1冊あたり平均20万部で年二冊程度、マジメに読む層を8割と仮定すると、16万×2.
2chでこそ知名度が高いが、情報提供量でも知名度でも比較にならんほど部数が懸絶してる.
20万部が年二冊程度、しかもその殆どが固定ファンの購入という状況で、出版社営業部や小林本人の煽り文句のようなムーブメントが起きていたとは到底思えん.
ただ、小林にのめり込み、大本営発表を一々真に受けたならば、ムーブメントが起きていたと錯覚する事は有り得るかもな.
200万部の産経も、存在すら知らん連中がいる.
20万部で年二回のゴー宣ならば、尚更知らん香具師は多いだろう.
第一、掲載誌SAPIOですら、部数から見る限り認知率はさほど高くないのだぞ.
こう言っちゃなんだが、西部の口車に乗ったとはいえ、妄想反日路線に行っても読者がさほど付いて行かない現実を思い知らされた小林が,火病を起こしたのは,ここ数年の彼の醜態から簡単に見て取れる.
最初はピエロのつもりでやってた小林大本営が、自分のオーバー表現をある時から自分自身で信じ込んでしまった挙句の醜態だろう.
他人のフンドシで相撲を取っていたのに、それを実力と勘違いした、というところだな.
ああ、言っておくが、ピエロである事を自覚していた頃の小林よしのりは嫌いじゃなかった.
薬害にしてもオウムにしても教科書問題にしても、さらにその前の日常のぼやき漫画にしても.
今は、優先順位が低い観察対象の一つに過ぎない.
ピエロである事を忘れたピエロの芸には興味が無い.
自らの本分を忘れたピエロが、どのように幕を引くかには興味があるが.
(エセ保守監視小屋)
【小林主体思想】(別名:マルチ・スタンダード)
「戦争論3」が売れ続けている.
増刷されて30万部を突破したが,まだベストセラーに入っている.
(from SAPIO 2003/9/24号,小学館,p.59)
圧倒的な量の爆弾を落とされる民の苦しみを知るがいい.
この日本国内では,わしの力量こそが「アメリカ」なのだ!
親米ポチこそがイラクなのだ!
戦争にならない.一方的ないじめになるのだ!〔強調,原文ママ〕
(小林やよしりん企画メンバーが,B-52らしき粗雑な絵の飛行機に乗って,爆弾代わりに「戦争論3」を「親米ポチ」達に投下して絨毯爆撃している図)
せいぜいインターネットにでも逃げ込んで,わしの悪口を絶叫してろ!
商売にはならないけどな!
(同, p.60)
【ツッコミ】
トーハン・ランキング2003/9/3付で8位の『「原因」と「結果」の法則 』(4月に刊行)が,約半年かけて20万部.
それなのに、同じ日付のランキングで既に18位に落ちている「戦争論3」が,30万部も売れているわけがない訳で.
また,下記の記事にもはっきり「大型のヒット作品不足」と記されている.
株式ニュース - 11月13日(木)10時16分
「株式」幻冬舎(7843)−個別銘柄ショート・コメント
*10:14 <7843. 幻冬舎 429000 -85000
売り気配.昨日の取引終了後,03.9中間期の下方修正を発表している.
書籍の刊行点数は予定通りとなったが,大型のヒット作品不足が響いた.
なお,UFJつばさ証券ではレーティングを「A」から「C」に引き下げたもようだ.
セクター内で割高な水準となったことに加え,M&Aによる利益増加効果の確認まで買われ難いという. (FISCO)
1年半経過しても,小林に叩かれた保守派で,失脚した者は一人もいないわけで.
その間,「わしズム」のほうは月刊から,季刊へと後退しているわけで.
「いじめ」っていうけど,逆にいじめられてるんちゃう? 朝生などではつっこまれるたびにうろたえるわ,奇声を上げるわだし.
【質問】
小林戦争論において,レッテル貼りが多用されているのは何故か?
【回答】
スターリンの訓示、侵略予定、または世論を変えたい国の共産分子への指令として、
「相手が沈黙するまで徹底的に論難しろ、手に負えない場合はウンザリするまでレッテルを貼りまくれ」
ってのが有った.
小林よしのりが論敵にレッテルを貼りまくってるのは、彼の能力では殆どの論敵が手に負えないからだろう.
レッテル貼りは詭弁屋に特徴的なので,小林に限らず,レッテル貼りを見かけた場合は,その言説はまず疑ってかかることをお勧めする.
(軍事板)
▼
市井?の台湾人が描いた小林よしのり.
小林よしのり肖像
作:興津諦(おきつ・あきら),2004年2月8日
(作者HP)
▲
本サイトとしては本意ではありませんが,小林の手法をトレースするため,
あえて醜く描かれた画像を掲載するものです.
似顔絵訴訟で上杉が敗訴したので,問題ないでしょう(笑).
【質問】
小林よしのりの沖縄史の記述は正確なの?
【回答】
以下の記述によれば,どうやら多くの問題を含んでいる模様.
〔略〕
小林氏の歴史論の骨子は20年前にすでに論破されたものなのです.
しかもこの論破された論は都合のいい部分だけ「おいしいとこ取り」された最新の研究で“粉飾”され,リニューアルしています.
〔略〕
最後に小林よしのり氏に一番言いたいこと.琉球・沖縄の歴史を語るのであれば,伊波普猷をはじめとした沖縄研究者たちが営々と築きあげてきた成果のおいしいとこだけ頂戴して利用するのではなく,もっと彼らに敬意を払ってほしい
〔略〕
http://okinawa-rekishi.cocolog-nifty.com/tora/2006/04/post_6e7e.html
まあ,「沖縄」を他の言葉に置き変えれば,歴史に関する小林の記述の多くで似たようなことが言えるんですけどね.
【質問】
小林よしのり『沖縄論』は小林オリジナル?
【回答】
盗作ではないかとする疑惑がある.
報道によれば,ストーリーの構成から説明文の内容,登場人物のせりふの半分近くまで『沖縄の青春』と酷似,終わり方まで一緒なのだという.
以下引用.
『小林よしのり『沖縄論』盗作問題 @
『地を読む 時を見る 27』
目取真 俊氏 『引用と二重基準に問題 小林よしのりの「沖縄論」』
<略>
『沖縄論』の第19章「亀次郎の戦い」は,『瀬長亀次郎回想録』(新日本出版社)や『民族の悲劇』(新日本新書)などの著作で内容が補強されている個所もあるが,その全体の構成や内容は,佐次田勉『沖縄の青春 米軍と瀬長亀次郎』(かもがわ出版.以下『沖縄の青春』と略す)依拠していると言っていい.
関心のある人は,小林の『沖縄論』と佐次田の『沖縄の青春』を読み比べ,内容を引き合わせてみてほしい.そのあからさまな利用の仕方に驚くだろう.
「亀次郎の戦い」は五十ページもあり,『沖縄論』全体の八分の一を占める.
総コマ数は三百五コマで,登場人物のせりふの入った吹き出しが,やじを含めて二百十五ある.
その内,少なくみても百四(48%)の吹き出しで,『沖縄の青春』の中の「 」でくくられた証言や発言,演説の言葉が使われている.
吹き出しのせりふだけではない.瀬長が那覇市長に立候補した『沖縄論』三百二十九ページ以下の展開は,ストーリーの構成から説明文の内容まで『沖縄の青春』と酷似している.
さらにあきれるのは,終わり方まで一緒なのだ.『沖縄の青春』は瀬長が那覇市長を追放され,抗議の市民大会で「私は勝ちました.アメリカは敗けました」と演説する所で終わる.
小林の「亀次郎の戦い」も,詳しい描写はその演説まであり,その後の瀬長の生涯は簡単に描かれ,小林の瀬長に対する評価が述べられている.
小林『沖縄論』と佐次田『沖縄の青春』は同じ資料を使って書かれているのだから,内容や「せりふ」が似てくるのは当然,という反論があるかもしれない.
しかし,問題は類似の程度であり,引用の仕方なのだ.
登場人物のせりふの半分近くが別の著作と共通し,構成も似ているというのは,同じことをノンフィクションや小説でやれば,著作権侵害として訴えられ,盗作問題が起こってもおかしくない.
それがマンガでは許されるのだろうか.
沖縄タイムス 2005年(平成17年)9月1日 木曜日 文化面18面
【小林主体思想】(別名:マルチ・スタンダード)
沖縄ではすでに小林よしのり批判が新聞などで行われている.
しかもわしのこの沖縄シリーズを読みもしないで,ただわしが沖縄について描いているというだけで批判しているのだ.
やっぱり沖縄って左翼の楽園なのだろうか?
小林よしのり in 『SAPIO』 2005/3/23号,p.66欄外
【事実】
今回に限って言えば,よく読み込んでいるようですが.
でなければ,盗作疑惑に気付きもしなかったでしょう.
むしろ小林本人こそ普段から
「よく読みもせずにレッテルを貼って批判するのが常套手段」
などと,『教科書が教えない小林よしのり』等で批判されているわけですが.
鏡見ろ.
【小林主体思想】(別名:マルチ・スタンダード)
「ユタ」とは民間で信仰されている巫女のこと.
〔略〕
「ユタ」はずっと弾圧されてきたのだが,未だに沖縄に根付いている.
迷信による弊害もあるだろうが,カウンセラーの役割も評価するべきだろう.
小林よしのり in 『SAPIO』 2004/10/15号,p.59-60
【ツッコミ】
この号で,小林は7コマに渡り,ずいぶんユタを肯定的に書いています.
否定的な記述といえば,上記に引用した1コマだけです.
ですが,ユタによる弊害というのは「迷信」レベルの話ではなく,霊感商法めいた実害も実際にあるようです.
53 :本当にあった怖い名無し:2007/05/04(金) 03:03:03 ID:nLxhqc8w0
〔略〕
鴨なら知り合いに10〜100万単位でユタに貢いでた奴が(笑)
ま,極端な例だがね
そういや,あの小林よしのりが「沖縄論」でユタに近い人の鑑定受けてたな・・
55 :本当にあった怖い名無し:2007/05/04(金) 08:51:03 ID:8FqfVVDD0
高い金もらうユタってニセモノなんじゃなかったっけ?
必要以上に多くお金とったら神から罰が与えられるとかなんとか.
だからせいぜい足代+おこづかい程度しかかからないと思うけど.ホンモノならね.
ユタって会ったことないけどさ.
58 :本当にあった怖い名無し:2007/05/05(土) 06:38:35 ID:nr3I7Lx80
ユタにも色々あるんだろ.
うちの爺はユタだったが,人望のある物知り爺さんって感じだった.
占いなのかアドバイスなのか知らないが,水晶玉片手に相談なんか聞いてたな.
なくした眼鏡は見つける能力なかったのは覚えてる(テーブルの上)
78 :本当にあった怖い名無し:2007/05/21(月) 02:17:47 ID:7Ie3Vg+8O
ユタなんかインチキだよ.
高い見料払ってんのに,何ひとつ当たんねーし.テキトーばかり言いよって.
ユタのせいでウチ,ボロボロだよ.
一番ユタの言うこと聞いてる母ちゃん倒れてしまったし.
どこ行ってももう本物なんかいないね.
81 :本当にあった怖い名無し:2007/05/21(月) 18:56:16 ID:tyeg9nlJO
母ちゃんがユタコーヤーなのか・・・かわいそす.
俺ん家もそうだったな・・・・家族の言う事よりもユタの戯言を信じてアチコチの拝所を回って,最後は癌になって死んじゃったよ.馬鹿な母親だった・・・・
だけども世界で一人だけの母親だった・・・
母ちゃん返せ!!!!
皆もユタは程々にな.
確かに不思議な力とかあるだろうし,言い当てる事もあるだろうけど,人を幸せにできるのは生身の人の言葉だよ.
一介のアマチュア氏さえ
>ユタにも色々あるんだろ
というバランス感覚があるのに,ユタ翼賛ばかり誌面で展開する小林のバランス感覚には疑問を感じられずにはいられません.
オウム真理教事件の際,それまでオウムを持ち上げていた島田裕巳を批判していたのが小林ですが,これでは小林も島田を批判できる資格などないでしょう.
【質問】
●●●という小林よしのりの主張は,彼の本気の主張ではなく,アジテーションの一手段に過ぎないのではないか?
そんなものに真面目に反論するのはセンスがない.
わざと過激な意見を表明することで反論批判非難中傷を巻き上がらせ、それに対する議論を活発化させるっていうのは,小林のよく使う手なんだが.
薬害エイズや大東亜戦争見直しのときもやってたし.
まあ漫画家だからできる手なんだがな.
※●●●には,任意の,コヴァ(小林信者)をもってしても弁護しきれない,小林の珍奇・奇怪な言説が入る.
【回答】
第1に,アジテーションであると小林本人が書いていない以上,それは単なる希望的観測に過ぎない.
第2に,アジテーションであると小林本人が書いていない以上,
「いや,あれはアジテーションに過ぎない」
という言い訳ができるのと同じように,逆に,
「いや,あれはアジテーションなどではなく,本気の主張である」
と,小林ないしその信者が任意に変節することが容易である.
ゆえに,念のために検証しておく必要がある.
第3に,アジテーションと思わず,本気に受け取り,それを連呼して掲示板を荒らすコヴァがこれまで多く出現しており,今後もその発生が予想される.
ゆえに,念のために検証しておく必要がある.
第4に,アジテーションであるならトンデモを表明してもいい、なんてことにはならん.
具体的にどの辺がドンデモなのかについては,本FAQの各所に点在している,小林の発現に関する項目を参照されたし.アフガンやイラクのあたりに、特にいっぱい転がってるから.
第5に,小林のやったことで議論が活性化するどころか、罵り合いを誘発しただけ.
で、一般の人々は、そんな罵り合いを見て「関わり合いになるのはよそう」とスルーするようになる.
結果として、活性化じゃなくて封印化を小林は促進しただけ.
だいたい,アジテーションは議論にとって何の価値もない.扇動された馬鹿が増えるだけ.
その証拠に,60年代や70年代に行なわれた左翼のアジテーションは何のプラスにもならんかった.
安全保障を語れば、なぜか神学論争的な憲法論になるという,わけの分からん我が国固有の空気を作り上げただけで.
小林のバカ言説が,本当に単なるアジテーションや,それ自体一個の捨て身の壮大なギャグなどであってくれたなら,そちらのほうがどんなにかマシであることか.もしそうであるなら,軍事板もコヴァに悩まされたりせずに済むのだから.
【質問】
アメリカの帝国化が,世界に安定した秩序をもたらすとは思えない.
むしろ,世界を取り返しのつかない混迷に導く危険を感じる.
アメリカ自身をさえ蝕むと予感する.
そして,日本は徹底的に主体性を失って,虚無に浸っていく.せっかくの2000年の歴史を忘却していく.
だからわしは言論を武器として,アメリカを裁き続ける.
これがわしの立場だ.
に対して親米保守派の立場は,
日本は素直にアメリカ帝国に恭順の意を示して属領国化すれば生き延びられる.
……というだけのものだ.
さて,真の保守の立場とは一体どちらでしょう?
(小林よしのり from "SAPIO" 2003/6/11, p.55)
【回答】
どちらも小林の妄想の産物ですので,答えようがありませんな.
第1に「わしの立場」ですが,前段が「思えない」「感じる」「予感する」と,主観による決め付けでしかありません.
また,「日本の主体性」とは具体的に何を指すのか,過去に遡って「新ゴーマニズム宣言」をいくら読み返しても分かりません.
さらに,その後の「白人は遺伝子レベルで残酷」(戦争論3)などと書いている現状を見ると,これは裁きではなく,ヒステリックで人種差別主義な中傷を行っているに過ぎません.
第2に,小林がそう書いたような「親米保守派」とは,誰のどの発言を指しているのか,これも不明です.
p.56において,小林は岡崎久彦と中西輝政を槍玉に挙げていますが,両氏のどの発言がそうなのか,正確な引用がないので,何とも言えません.
私見ですが,単に論敵に対するレッテル貼りでしかないように思えますな.
それに,現在アメリカを支持している人達が,いっさい米頼みで、自分では何も努力していないかのように小林は決め付けていますが,実際はまるで逆です.
北朝鮮問題を機に、このままじゃいけない、アメリカ完全依存から脱却しようとしているのは,こうした人達のほうです.
試しに,有事法制賛成/反対の論客のメンツを書き並べ,親米/反米で色分けしてみるとよいでしょう.
JDAM導入賛成/反対や,偵察衛星打ち上げ賛成/反対,不審船撃沈賛成/反対の各事例でも,ぜひどうぞ.
かつて小林は,オウム事件を巡って「SPA!」と揉めた頃,こんな指摘を受けています.
つまりオウム(真理教)には相当の疑惑があることは大前提だと.
しかし報道はひどすぎるんではないか.
そのニ点に関して触れるだけで、数字を2までしか数えられない小林さんは,「オウムの敵か味方か」の人ですから、どっちかに入れなければ頭が壊れるので、我々もつまりオウムの味方だという風に思い始めるわけですね.
(松沢呉一、『教科書が教えない小林よしのり』P73より)
どうやらその後もこの小林の「数字を2までしか数えられない」精神構造はいまだにあるようです.
すなわち,小林は「アメリカの敵か味方か」の人ですから、どっちかに入れなければ頭が壊れるので、小林に批判的な人間は全てアメリカの味方だという風に思い始めるわけですね.
ちなみに,このSAPIOの同じ号で井沢元彦が,こんなことを書いています.
「(朝鮮戦争について)「北朝鮮は侵略者で韓国は被害者だ」などと本当のことを言うと,「右翼」だとか「親米保守」などと批判され、その口を封じられたのである」(p.80)
「親米保守」というレッテル貼りは、昔から、サヨク系の人間が好んで使っていたわけですな.
最後に,この号発売直後,2003/5/23深夜に,小林は「朝まで生テレビ」に出演していますが,そこで彼はこんな発言をしています.
「保守も左翼もリスクを賭けてないので全員左翼!
中核派・革マル派はリスクを賭けているので大賛成!」
http://esehoshuwatch.tripod.co.jp/200305asanama05.mp3
最後の小林の,
「言論人みんな命張って無いじゃん!」
発言に
「何に対して命張るのよ,小林さん!?」
てな冷静な突っ込みが面白い(笑)
さて,真の保守の立場とは一体どちらでしょう?(・∀・)ニヤニヤ
まあ,次の号ではこんなこと書いているぐらいだし,
そもそも一国の経済構造は,国民の歴史性に根ざしている.
それをすっかり変えようというのは革命である.
アメリカの過激な市場万能主義者に影響されたこの構造改革って,共産主義者の陰謀ではないかとわしは思ってしまう.
わしの親父が昔,マルクス主義者だった頃,言っていたものだ…
「ソ連・中国は本物の共産主義じゃない.あんな発展途上国で共産主義革命やってもだめなんだ.マルクスの言う歴史の必然になってない.
むしろ,日本やアメリカでこそ,資本の独占が進み,内部矛盾がアウフベーヘンされて真の革命が達成されるんだ」
わしは馬鹿にしていたし,今では親父はマルクス主義を捨ててしまったが,わしは最近,案外,当たってるんじゃないかと思うようになってきた.
(from 「SAPIO」,2003/6/25, p.59-60)
こんな指摘もあるくらいだし,
先日某所で面白いものを鹵獲したので、晒してみます.
(1)
日本共産党(正確には下部組織の民青)の有事法制制定反対用のアジビラ.
漫画の内容が最近のゴー宣にそっくりです(笑)
http://cgi.members.interq.or.jp/www1/q-mail/gh/img-box/img20030601235317.gif
(2)
最近先鋭化・親北朝鮮化が進んで危険なモードに入っている革マル派のアジビラ.露骨に蓮池兄を中傷してます.
http://cgi.members.interq.or.jp/www1/q-mail/gh/img-box/img20030601235420.jpg
先日の朝生で小林は
「日本共産党と革マルは命を懸けているからいいんじゃない!」
と言い切っていたが、もう小林は保守で行くのはあきらめて左翼に戻った方がいいね.
どう見ても今の「ゴー宣」は左翼のアジビラと同内容だしさ.
幼少期の「赤旗」による洗脳が未だに解けていないということは,(1)を見れば明らかだと思われる.
また,こんな指摘もあるし.
本多勝一が最近出した「アメリカを見よ―貧困なる精神R集」という電波本を見かけたが,目次を見て爆笑.
言っていることが小林・西部とまんま同じ.
一時期,三省堂書店神田本店で「わしズム」の横にこの本多の電波本が置いてあったが,売場担当者の目は正しい(笑)
本多本の内容は
日本人よ,いいかげんに目を覚ませ!
「民主主義のお手本」アメリカ合州国の歴史がそのまま「侵略」の歴史であることを,ワシントンの昔から,太平洋戦争,イラク戦争まで「これでもか」とばかりに批判しつくす,本多版「反米愛国論」.
不正義どうしのアフガン戦争/アフガン報道とベトナム報道/日本のマスコミはなぜ「同時多発テロ」なの?/日本のイージス艦派兵とドイツの派兵拒否/ワシントンのインディアン侵略からブッシュのイラク侵略まで
ほか
だそうです.
「わしズム」は本多の「あれこれ」と合併した方がよさそうだな(笑)
――エセ保守監視小屋
単に小林自身がマルクス回帰しただけであって,にも関わらず,
「小林は保守から化石左翼に転向した」
と言われたくないがために,
「わし以外は保守じゃない!」
と言い張っているだけとしか思えませんが.
だいたい,もともと自由(リベラル)か保守で分かれていたところに,サヨク革新がやってきてリベラルのふりするから,話が混乱してくる.
以下転載.
朝日が日露戦争をマンセーした事をもって保守化したとか言ってる奴がいるが,日本の思想対立の構造が分かっていない.
日本の対立構造は
・親大陸派=親アジア主義,親儒教,親社会主義,親官僚制(=中央集権) 親全体主義,親人治主義
と
・親英米派=親国際主義,親資本主義,親封建制(=地方分権),親自由主義,親立憲主義
なんだよ.
親大陸派は,天皇制を認めるかどうかで国家社会主義(親ドイツ)か共産主義(親ソ連)に分かれ,親英米派は伝統の重視の度合いで保守主義と自由主義に分かれる.
今風の言葉で言えば,反米保守は親大陸派で,親米保守は昔ながらの親英米派なんだよ.
両者は戦後,反共産主義という一点で手を組んだ訳だが,元々は水と油.共産主義が崩壊した90年代以降,元の親大陸派vs親英米派の構図に戻っただけの話.
戦前の革新官僚や軍部の中に,国家社会主義者に偽装した共産主義者が沢山いたってのは有名な話で,この両者は,天皇の扱いを除いては対立点はないから,転向は簡単.
西部邁,小林よしのりも何度も転向してるでしょ.
でも,親大陸派は絶対に親英米派にはなれない.逆もしかり.根本の思想が違う.
で,日露戦争の評価について言えば,「白人に対する被支配者有色人種の勝利」と言う点を重視するのが親大陸派の特徴で,英米日の文明国が専制的(=アジア的)なツァーリのロシアに勝利したと言う点を重視するのが親英米派の特徴.
当時の人々はどう思っていたかと言うと,圧倒的に後者が多いだろね.当時の一般の日本人は,文明の度合いを肌の色よりも重視していたから.
このように考えると,朝日が日露戦争を賛美したのは何の不思議も無い.
国家社会主義と共産主義の間は容易に転向できる.
そのうち,大東亜戦争の「白人支配からの解放」という面について賞賛する日も近いだろうね.
そして孫文のアジア主義の訴えだが,中国は伝統的に日本と英米との離間を企てるのに熱心で,孫文は日英同盟にも強硬に反対していた.今の中国の日米同盟反対と同じだな.
これを東洋の王道だなんて感動してる奴は,馬鹿としか言いようが無い.
このコピぺ,傾城会と旧社会党が野合したのもうなずけるし,郵政改革に反対賛成も見事に説明していている.
ポチ=軍国主義なんだぜ?
オマエラは戦争を好む悪いヤツニダ!
勝ったな.(藁←勝利宣言 コヴァ達って悪いことしてるヨね・・・
∧ ∧ ∧__∧∧_∧ アレとかコレとか・・・
<=( ´∀`) (・∀・( )
( つ つ ( つ ( )
.) ) ) . |
|. | | |
〈_フ__フ (__)(_(__)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
右も左も関係ないYO.
オマエラいけないニダ〜! 自分の国が崩れかかっている原因が右にあれば右を
それはポチ保守ニダ〜! 批難するし、左にあれば左を批難する.
ポチじゃなきゃ困るニダ゙〜! 是々非々と言ってるだけ.それが普通の感覚だYOネ.
ウヨだってさ、ゲラゲラ 反論になってない、ゲラゲラ
∧ ∧ ! ∧_∧ ∧_∧ 型にハメて意見を封じたいだけだナ、ゲラゲラ
<#;`Д´>ミ (・∀・ ) ( ・∀・)
( つ つ =( ´∀`) ⊂
つ ⊂ つ
.) ) ) 人
Y 人 Y
〈_フ__フ し(_)
し(_)
【質問】
小林はアメリカをどうしたいのかな?
まさか本気で叩き潰したいなんて思ってるわけじゃ無く,とりあえず民主党政権になればオゲーなのかしら?
【回答】
マイケルムーアの映画を激賞しているところを見ると,多分そうなんだろうな.
小林が本当の反米主義者なら,反日アメリカ人の尻馬に乗ったブッシュ叩きなどやらないだろうからな.
小林は,とにかく反ブッシュ・反共和党で凝り固まってるだけ.
日本を無視して中国ベッタリだったクリントン政権の頃は,アメリカのことを決断力がある国家として「エアフォースワン」や「プライベートライアン」を持ち出して激賞していたしね.
クリントンのお友達の筑紫哲也と同じ精神構造なんだろう.
【珍説】
戦争論は俺をサヨクの洗脳から解いてくれたから,価値がある!
【事実】
脱洗脳したつもりでも,別のカルトにはまっただけでは意味がない.第三者から見れば,同じことを繰り返しているだけであって,それは少しも進歩ではない.
小林のカルト性については既にオウム事件の直後,宅八郎が小林と麻原の類似性を指摘している.
1) 九州生まれのさえない40代中年男(麻原40才、小林42才)(1995年当時)
2) しかし実際の顔に反して(?)マンガやアニメの中では自分を異常に美化する
3) 学歴権威主義.自分は東大を出ていないのに、東大出身者などインテリが好き
4) 麻原教祖が宗教学者の発言を“利用”したように、小林もまた“学者”の発言を孫引きして、自分を権威づける.
5) 同様に都合のいい信者の声や読者の声で自分を賛美.実は気が小さいのかな
6) 弟子たちを(ポカQだのと)“ホーリーネーム”で呼ぶ
7) かたや神聖法王、かたやカリスマ.信者(愛読者)にとっての父権(男根)を誇示する
8) 被害妄想.
9) 声がヘン(爆笑)
以下,反カルト・サイトに載ってたカルトの要件テンプレ集より転載
---------------------------------------------------
1.真理はその組織に占有されており、その組織を通してのみ知ることができると主張する.
2.組織を通して与えられた情報や考え方に対しては、疑ってはならない
3.自分の頭で考えることをしないように指導する
4.世界を組織と外部とに二分する世界観を持つ
5.白黒を常にはっきりさせる傾向が強い
6.外部情報に対して強い警戒感を与え、信者の情報経路に様々な制限を加える
7.信者に対して偏った情報、偽りの情報を提供することがしばしばある
8.組織から離脱した人間からの情報に接することを禁じる
9.家庭や社会との関わりで多くのトラブルを生じている
10.社会からの迫害意識を持ち、それをかえってバネにする
11.外部に対して正体を隠す傾向がある
12.生活が細部にわたって規定される
13.組織が信者の生活のすべてになっている
14.共同体内部でのみ通用する言葉を多く持っている
15.組織からの離脱について極度の恐怖心を与える
ちなみに,某対談本でも,こんなことが言われている.
竹田――今の教科書は極端過ぎるという小林さんの感じはよく分かる.
だけど,やはりさっき橋爪さんが言ったように,「新しい歴史教科書を作る会」の発想はカウンター・バランスの発想だと思う.
そういう形で一方の偏りを相対化するのは,あまりいい手ではないと思うんです.
僕はそれを「2枚目の世界像」と言っているんだけど,初め自明のものとして与えられていた世界像を「なんか変だな」と思っているところに,アンチテーゼの形で「実はこうだったんだ」という新しい世界像が置かれると,
「そうか,これこそ正しい世界像なんだ」
と思い込んでしまう可能性がある.
大事なのは,世界像は少なくても3枚以上必要だということです.
人間や社会は,考え方,感受性,価値観という面では多様なことが必然で,色んな利害や欲望の対立があるけれど,その都度そこからよりベターな共通了解を取り出していくことができるだけです.
そういう感度がないと,いつまでも同じ議論が繰り返されるだけだと思うんです.
つまり,間違った教科書に対して良い教科書を,という発想はちょっと違う気がする.
むしろ教科書とか通念的な高説とか,そういうものを手軽に信じ込まない,という発想が必要ではないだろうか.
(竹田青嗣・橋爪大三郎・小林よしのり対談「正義・戦争・国家論」,
径書房,1997/9/10,p.213-214)
【質問】
最近のヨシリンの主張は知らないから,ここまで事態が捩れているらしいのは驚くばかりだ.
戦争論1までヨシリンの著作をフォローしていたんだけど,どこから小林は変わったの?
【回答】
同時多発テロ以降,および救う会離脱以降に発狂したというのが,多分主流. <01年説
同時多発テロが起こって,
「この手があったか〜!」
「アメリカざまあ見ろと言った社民党の原陽子は真の民族派」
と言ったときから.
そして,詳しい事情も分からないままにビンラディン&タリバンを擁護しまくって引っ込みがつかなくなり,事実を産経その他が報道すると,一々ケチをつけまくる始末だった.
産経が気を使って事実を捻じ曲げて報道すれば,小林もヘソを曲げなかったんだろうけど,報道機関がそれをやったら自殺モノ.
その後,それが原因で西尾幹二らとトラブって,小林は西部邁と一緒に「つくる会」を脱会し,西尾や田久保などの「つくる会」メンバーを中傷し始めた.※
その後は小林を諌めた秘書の金森(西部とは仲が悪かった)のクビを飛ばすなど,やりたい放題.
マイケルジャクソンじゃないが,誰も止められない状態.
異説としては,
「怪童の宣伝塔やっていた時点で,一切評価してない. 彼は最初からオカシイ」 <94年以前説
「SPA!放逐時には既におかしかった」 <95年説
「慰安婦論まではよく勉強していたが,南京問題では公平な視点を欠き,戦争論以降はろくな資料批判もできておらず,態度もやたらと大きくなっていった」 <98年説
「"拉致はテロだ"と02年に明言したくせに,03年には"拉致はテロじゃない"と,何の説明も無く前言を翻し,あろう事か拉致問題を追及する人間らを罵倒し始めた」 <03年説
……と,さまざま有るけど,全てに共通しているのは,
”奇妙な意見が目に余るようになってきたのがこの時点と言う事であり,それ以前が全て正常だったというわけではない”
と言うこと.
以前,小林から,宅八郎と一緒に攻撃された松沢呉一は,「教科書が教えない小林よしのり」で次のように述べて,94年説を取っている.
1997年時点の記述.
(小林に期待している)こういう人は少なからずいて,スガ(秀実)さんもまたそう考えているところがあるようだ.
また,あるところから小林よしのりは変質したと解釈する人もよくいる.
しかし,人間そうは変わるものではなく,おそらく小林よしのりは最初からああいう人間だった(「ゴー宣」を始めなければ,あの人の欠陥はああまで表には出なくて済んだだろうが).)
95年転向後,ブサヨ以外からの小林ウォッチャー&バッシャーが増加してきたのは,戦争論以後だから,俺は98年説を取りたい.
※田久保氏の著書を読まずシンポジウムに参加し,
「ワシが主役なんだからもっとしゃべらせろ」
とのたまわった挙句,シンポジウムの場でもわざわざ田久保氏が持論を説明してくれたのに,それに触れることなく,脱会,以後中傷.
小林にとって幸いなのは,あのシンポジウムで小林にいくらかのヤジが飛んだこと.
それをマンガにして逃げ切った.
参加していた人間としては本当にがっかりなシンポジウムだった.
あの経緯を書いたマンガは酷かった.
読者の大半がシンポジウムに参加していないのを良いことに,言いたい放題の捏造し放題!!
まあこのネット全盛の時代,ウソはすぐにバレたワケだが.
【質問】
「コヴァ」の定義は?
【回答】
小林の言う事を無批判で受け入れるヤツの総称.
小林批判に対しては,極端な対決姿勢を示す行動に特徴がある,
また,是是非非といった議論は苦手で,2分法的な議論しか出来ない特徴を持つ.
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