c
「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ サイト・マップへ
◆◆◆日本国内の人物(は〜ん)
<◆◆人物
<◆メディア 目次
<総記FAQ目次
(画像掲示板より引用)
山岡靖義のホームページ(元航空自衛隊第五術科学校長。軍事用語解説等)
【質問】
林博文の本ってどう?
いろいろと物議をかもしてる人だけど.
【回答】
基本的な軍事知識が欠けてるうえ,結論ありきなので,結論はまったくもって信用ならない.
御田重宝との論争を見てると,ちょっとひどいと感じる.
御田重宝の書いた新聞連載で林博史の著作が要約引用されたんだが,それについて林博史は改ざんされて捻じ曲げられたとして,抗議文を送ったりして,最終的に謝罪広告を出させ,御田重宝を退職に追い込んだ.
でも現物を見てみたが,改ざんとか騒ぐような部分は,自分には見つけられなかった.
その後も,御田の別の著作をねつ造だと非難したりして,でもこれも御田のほうが正しかった.
林は一切非を認めていないがね.
この辺のいきさつは,秦郁彦の「昭和史の謎を追う」にも出てる.
ただ,あんまり知られてない資料を掘りだしてくることはあるので,裏を取って使えないことはない.
同じ反軍系の研究者としては,基礎知識で藤原彰や山田朗,資料に対するまじめさでは常石敬一なんかのほうが上等だと思う.
軍事板,2009/11/17(火)〜11/18(水)
青文字:加筆改修部分
【質問】
半藤一利さんは歴史研究者ではないよね?
本質的には小説家?
一般向けの概説書を,ややクラシカルな学会通説ベースでバランス良くまとめるタイプでは?
【回答】
そうかなぁ?
「日本海軍錨揚ゲ!」に出てくる「極秘明治三七八海戦史」の話とかを読むと,埋もれた記録を掘り起こしているようにも思えるけど.
バランス良くまとめるというのは同意.
やはり編集者をやっていたからかねぇ?
自分はご本人がおっしゃる「歴史探偵」ていうのがあっているじゃないかなぁ.
半藤さんの強みは,編集者時代に伊藤正徳さんに付いたのを皮切りに,実際に色々な方に会って話を聞いていることだと思う.
それにしても,野村實さん,秦郁彦さんなんかと,ミッドウェーの図上演習をやったというのは楽しそうだ.
軍事板,2009/12/12(土)
青文字:加筆改修部分
【質問】
兵頭二十八氏の軍板での評判はどのようなものなのでしょうか?
今日読んだ本に,在日米軍は撤退できるとか電波飛ばしていたもので,気になって書き込みました.
【回答】
微妙.
たまに(良い悪いはともかく)新鮮な視点を提示する程度で,内容の信頼性は高くない.
ある程度は分かってる人が,参考程度に聞くぐらいで良いとか言われることも多い.
軍事板
青文字:加筆改修部分
「軍学者」と名乗っているが,軍事・安全保障論的な意味での現実的主張とは言えない極論が多く,実際は「思想家」に思える.
神゛聖\(^o^)/オワタ帝國 ◆u8nX3fKy0k in
軍事板
青文字:加筆改修部分
「地獄のX島で米軍と戦い,あくまで持久する」って本は,読み物としては面白い.
軍事板
青文字:加筆改修部分
▼ 兵頭二十八さんの本は,思考実験としては面白い.
日本の軍事問題を,あれだけラディカルに考えた本は,そうそうないだろう.
『軍事再考』だったかは,霞ヶ関で隠れたベストセラーになった,と話題になっていた.
ただ,根本的スタンスが,鎖国こそを目標とせよというのであるから,面白いが納得はできないし,納得してはいけない本だと思う.
食料やエネルギーをどうするのかは,全く考えていないといってよい.
あまりに歯切れがいい論述であるのは,政治経済をある程度無視して,軍事の権力=暴力面だけを語っているからなんじゃないかな.
ミニマムな部分で言えば,
「日本海軍は,視界の悪い低翼水偵を索敵に使ってた.
それにくらべてアメリカ海軍は,視界の良いカタリナ飛行艇を索敵に使ってた」
それだけのことから,日本海軍とアメリカ海軍の索敵についての考え方がどうこう,と言われてもなあ…
軍事板,2001/05/24(木)
青文字:加筆改修部分
▲
▼ 兵頭さんに対して評価が両極端に分かれるのは,
「人間とは如何に生くべきか? 国家とはどのように在るべきか?」
という哲学的な命題に関して,彼に同調できない限り,彼の理論は諒解不能であるからだと思われます.
兵八:軍事板,2002/01/22
青文字:加筆改修部分
兵頭本に関して,友達曰く,
「途中までは論理的に筋道が立ってて良いが,結論で大暴投を投げる」
だそ〜っす(笑
「彼に同調できない限り,彼の理論は諒解不能であるからだと思われます」
といったことを,友達も言ってました.(^^;
彼に同調できないから,私もその友達も兵頭氏の著作に,なんとなく異和感を持つのでしょうね.
ベタ藤原 ◆94Ls6/3E:軍事板,2002/01/22
青文字:加筆改修部分
兵頭二十八氏は,思い詰め過ぎてる気がする.
本読むと,やたら核兵器持て,核戦争に備えよと言っている.
まったくもって正しいんだが,その前に法律や国際関係無視し過ぎてるとこが欠点なんだが・・・.
共鳴する点は多いが,人口3000万人以下にせよってのは,どうも経済無視しすぎだと思う.
思うが,平和の平を180度ひっくり返し,分解すると二十八になるな.
で,平和の反対だから戦争=兵と,戦後日本の価値観に敵対するという意味.
兵頭二十八の名に込められてるのかなぁ?.
伊-400:軍事板,2002/01/22
青文字:加筆改修部分
私は,兵頭氏の本は価値が有ると確信しているが?
極限状態を思考する事は,決して無駄骨や無意味な事では無いし,むしろ積極的に考える為に参考になると思うが?
ただ相手を罵倒,批判するのは楽だが,対案,具体的に実証主義的に理詰めで,兵頭氏の本以上の本が日本国内であるならば,教えて欲しい.
名無し山砲兵 ◆rWCu99P2:軍事板,2002/01/22
青文字:加筆改修部分
▲
【質問】
兵頭先生,昔の著作はプレミアついてるけど,近年の著作にはあまりいい話を聞かないよね?
日本刀の強さを実証する本も半信半疑で読んじゃった.
【回答】
昔の本はオタク的な興味に突っ走って書いてた面があるから,取材部分と二十八自身の主張をある程度分別して読めたが,今は地の文からして著者本人の思想が垂れ流し状態だからねぇ…
しかも色々調査してる割には,どこから資料引っ張ってきてるかよく分からんから,新事実(かも知れない部分)と著者の妄言がチャンポンになって見分けがつかん.
痛い軍オタが一端の思想家気取ると,ろくなことにならない,という好例ですよ.
まあ,『日本の防衛力再考』の時点で既に狂ってるようにも思えるが.
出版社があそこくらいしか引き受けてくれなかった面もあるだろうけど.分を超えることに手を出すとおかしくなる典型だな,兵頭二十八.
旧軍の兵器だけならまだ見れるんだが.
軍事板,2009/07/25(土)
青文字:加筆改修部分
【珍説】
手元に,『ニッポン核武装再論』(兵藤二十八著 並木書房,二〇〇四)という本がある.
再論と題されているのは,あとがきによれば,以前から『諸君!』や『SAPIO』といったメディアで,「こうすれば日本の核抑止は現実的になる」といった話を一通りしているからだそうだ.
実際,この人は「軍事学者」を自称していて,いわゆる軍事オタクの間ではカリスマ的な存在である.
インターネットで核武装論を展開している人は,この本から影響を受けている例が少なくないという.
と言うことは,この本に展開されている議論を粉砕してしまえば,巷の核武装論も,少しはおとなしくなるのだろうか.
林信吾著『反戦軍事学』(朝日新聞社,2006/12/30),p.143
【事実】
これは兵頭二十八氏に対する林信吾氏の評価ですが,嘘です.
兵頭氏が軍事オタクの間でのカリスマ的存在だなんて,聞いたことがありません.
これは批判対象を実体より遥かに大きく見せ,それを論破した様に見せて,読者を騙す行為です.
なお,核武装論議自体については,別ページを参照されたし.
【質問】
藤原彰の著作はどう?
【回答】
藤原彰はちゃんと将校教育受けてるだけあって,旧日本陸軍のことは良く知ってる.
化学兵器とかの特殊分野では,参考にした史料の間違いに気付かないことはあるようだがね.
「餓死した英霊たち」は,太平洋戦争の実相をうまく切り出してると思う.
常識的な内容と言えばそうなんだが,初心者なら一読を勧めたい.
ただ,藤原彰にしろ吉田裕,山田朗などその手の立場の研究者は,現代戦に関する分野では,進歩に追い付けていないので,ほとんど信用できない.
軍事板,2009/11/18(水)
青文字:加筆改修部分
【質問】
別宮氏の本は軍板での評価はどのようなものなのでしょうか?
氏のサイト(第1次大戦)はいろいろな場所で引用されていて高評価のようですが…
【回答】
軍板としての総意,というのは見たことないけど,細かい我流解釈が多いので,つついてるスレはある.
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/army/1187958663/
個人的には,日記類などの史料は読んでも,過去の研究者がそれをどう位置づけたかの先行研究は十分読まない人だから,我流解釈が多くなるのかなーと思ってる.
基本的な読み違えや,常識の欠如もあるから一通り疑ってかかった方が良いよ.
また,わりと「〜人は〜だから」「○×は〜な人間だから」的な先入観・思い込みも多いと思われ.
もっとも,「〜から引用した」って書いてあっても,引用元が見つからないことは別宮氏に限らず,良くあるんだよな…
単に俺の探し方が悪いだけかも知れないが.
『戦争における人殺しの心理学』の,フロイトの本から引用したって言う
「服従したいという欲求の強さを見くびってはならない」
とか未だに見つけられん.
他にない視点とかで面白いことが書いてあることもあるので,全否定はしないけど.
軍事板
青文字:加筆改修部分
▼ 【異論】
もし,別宮氏が史実として書いたことに疑義があれば,直接尋ねてみればいいのでは?
掲示板も用意されていることだし.
いくら2ちゃんで突ついていたって,しょせん2ちゃん.
不毛だと思いますよ.
絶対匿名 by mailform,2008年10月9日 0:29:17
▲
【質問】
前田哲男ってどう?
【回答】
80年代のトンデモ軍事本の定番ライター.
基本的な軍事知識が欠けてるうえ,結論ありきなので,結論はまったくもって信用ならない.
岩波や社会党系の御用軍事評論家として悪名が高かった,当時は.
信じる信じないは貴方が判断することだけど,55年体制の「平和ボケ」を象徴する人物だったことは,記憶に入れておいて損はないと思う次第.
ただ,あんまり知られてない資料を掘りだしてくることはあるので,裏を取って使えないことはない.
特に戦略爆撃の本では,海外の面白いネタがいくつかあったような.
だから前田哲男の本は資料のところだけを参照して,他は読まない(笑)
余談だが前田は,カンボジアPKO論議の頃,予備校に講演に来たことがあった.
「カンボジアには世界中,各国製の地雷が埋まっている.唯一例外は日本だけ」
という趣旨の発言に,
「旧軍のが流れてたりしてない? 大丈夫なん?」と思った記憶がある.
軍事板,2009/11/17(火)〜11/18(水)
青文字:加筆改修部分
【質問】
前田哲男の専門は何なのですか?
【回答】
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%B0%C5%C4%C5%AF%C3%CB
>専門は軍縮安全保障論.
「軍縮安全保障論」でぐぐると,前田哲男しかヒットしなくてワロタ.
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年07月28日
01:02:28
なるほど,じゃあ「軍縮安全保障論の権威」になっちゃうわけだ.
他に誰も名乗ってる人いないから.
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年07月28日
07:50:41
ところで,軍縮安全保障論って,なんのこっちゃ?
軍縮「の」安全を保障するのかいな?
なんかこいつの主張は,そんな感じを受ける….
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年07月28日
09:11:28
「マガジン9条」なるサイトの常連だからね,この人.
前にこの人の自衛隊批判の本を読んだ事あるけど,
「山がちな日本に戦車は要らない」
「日本の国土に15万も兵力は要らない」
みたいな愉快なことを書きまくってる人だから,たぶん小4の時の俺よりも軍事の知識が無い人だろうな.
Posted by ペニス at 2006年07月28日 20:23:14
「こんごう」が就役したとき,NEWS23で前田は,一所懸命に「旧軍の戦艦金剛」の戦歴を解説しておりました.
思うに,彼の時間は軍国少年で停止していると思います.
バイアスが逆なだけで(笑)
あたしゃポカーンとしながら見てましたわ.
Posted by 名無しオントス教信者 at 2006年07月29日
03:00:43
よく区別するのに「旧式戦艦」とか使うが,「旧式軍事評論家」というカテゴリが必要ではないか?
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年07月30日
03:15:21
標的軍事評論家とか?
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年07月30日
11:15:41
ド級軍事評論家
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年07月30日
12:11:19
いやむしろ革命的軍事評論家.
手製花火による「革命的迫撃砲攻撃を敢行!」みたいなノリで.
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年07月30日
15:46:59
|´・ω)ミつ「進歩的軍事評論家」
Posted by 名無し鰭脚類神信者 at 2006年07月30日
21:37:43
今必要なのは,チハたんの角に頭をぶつける事ではないか.
Posted by 名無しT34人信者 at 2006年07月30日
19:52:38
>今必要なのは,チハたんの角に頭をぶつける事ではないか.
何つー酷いことを.
そんな事してチハタンの角が凹んだらどーするというのだ!?
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年07月30日
22:51:58
「週刊オブイェクト」コメント欄,2006年07月28日付
青文字:加筆改修部分
【質問】
ジャーナリストの松井やよりとは,どんな人物か?
【回答】
「ウソで固めた人生を生きた似非ジャーナリスト」だとする評価がある.
以下引用.
――――――
私の会社の先輩でジャカルタに駐在していた人が居る.
その方が,ジャカルタ駐在中,朝日新聞の女性記者から,インドネシアを案内して欲しいとの依頼があったので,快く引き受けた.
約束の場所に現れたその女性は,開口一番,
「インドネシアって臭いわね.とっても不潔.何,ここの連中は.掃除ってモノを知らないのかしら」
と,インドネシア人に対する悪口のオンパレード.
「なんなんだ,この無礼なババアは」
と先輩は思ったが,そこはぐっとこらえ,約束通り指定された貧民街,スラムへとその女性記者をご案内申し上げた.
ところが指定された場所へ彼女を案内してみると,
「やだー,臭い臭い」
「アー,気持悪い.こんあところ早く切り上げましょう」
と悪態のつき放題.
結局,この女史は一度も冷房の効いたトヨタ・クラウンから降りることもなく,窓を一度たりとも開けることなく,ただ高級車で貧民街を素通りして高級ホテルへと帰って行ったのだった.
その間,わずか2時間.
「なんなんだ,この馬鹿オンナは」
と,女史を見送った先輩は,心の底から怒りがこみ上げてくるのを押さえられなかったという.
しばらくして,その朝日新聞記者から「御礼」として,彼女が書いたインドネシア取材レポートが送られてきた.
それを読んで,先輩は怒りを通り越してほとんどあきれたというより軽蔑したという.
そこには直に見てもいないし聞いても居ないはずのインドネシア貧民街に住む貧民達への取材レポートやインドネシアスラムの惨状が切々と謳いあげられ,インドネシアへの日本政府の援助が一部のインドネシア企業・政治家と日本の商社を潤すだけで,インドネシアの一般民衆には何の役にも立っていないことが,ほとんど糾弾調で書いてあったという.
この朝日新聞女性記者こそ,のちに有名になる松井やよりその人である.
要するに彼女はシンガポールの高級ホテルのスウィートルームに陣取って,あらかじめインドネシア現地取材レポートを書き上げておいて,それのアリバイ工作の為に形ばかりインドネシアくんだりまでやってきて,高級車でスラムを流し,あとはインドネシアの高級ホテルに戻って飲めや歌えのどんちゃん騒ぎをしていただけなのである.
こういうウソで固めた取材を通じ,やがて彼女は「大物女性記者」にのし上がっていくのだから,日本という国はまことにおめでたい国である,と私は先輩の話を聞いて感じた次第である.
そう,松井やよりとはこういう女だったのです.
――――――塩津計 in 「ビーケーワン」書評
ちなみに,女性国際戦争法廷という裁判ゴッコ(しかも欠席裁判)をやって,自己満足して悦んでいるのがこの人.
【関連リンク】
「民衆法廷」代表,松井やよりの自爆証言
【質問】
三島瑞穂って誰?
【回答】
元米国陸軍軍曹.
九州生まれ.
母親の再婚で渡米.
1959年陸軍に志願入隊.
空挺を経て特殊部隊へ.
60〜72年に何度もナム・ツアーに参加)
第五,第一特殊作戦グループに在隊.LRRPに対ゲリラ戦.
半島でも作戦をしている.
その後は横須賀で連絡事務官など.
80年退役.特殊部隊21年在籍の簡単な内容をまとめた「グリンベレーD446」を最初に執筆.
同書に経歴等が詳しく載ってます.
D446とは,在隊10年以上の隊員に渡されるゴールド・カードの〔446人目の〕事です.
他に「グリンベレー戦闘術」その他を執筆.
このオヤジが唯一の本物です.
三島さんには,もっと喋らせたいけど,秘密の固まりなんです.
本栖湖畔でのサバイバル・ゲームでは,共産軍の親分小林源文を捕虜にする私怨に燃えているが,まだ一度も作戦は成功していない(笑).
一等自営業 ◆JYO8gZHKO. :軍事板,2004/11/29
&一等自営業 ◆JYO8gZHKO. : 軍事板(青文字部分)
【質問】
いつ機密解除になりますか?
消印所沢 in mixi
【回答】
もう諦めてます.
一等自営業 in mixi
そして2007年永眠.
残念.
【質問】
三野正洋(みの・まさひろ)の「小失敗の研究」シリーズってどうでしょう?
【回答】
文庫版になったから訂正されてるのかな?,と思って読んでみたら・・・・.
まぁ,まったく出鱈目を書いている訳じゃないんだけど,間違いが多すぎて,鵜呑みにして恥を掻いている初心者が良くいるね.
陸関係は全滅に近い.海関係も怪しい.
しかも自分では問題があると思ってない.
手元の「ドイツ軍の小失敗」で例を挙げると
1)シャーマンの星型エンジンは実際には生産のネックだった
2)5号か4号に統一すれば量産数が増えると書いているが疑問
3)千鳥転輪は接地圧の減少ではなく平均化が目的
4)ドイツのハーフトラックは牽引車なので比較対照が不適当
6)M3の装甲は米兵の冗談の対象であった
7)クルップ150mmカノン砲とはK16?,砲兵部隊の63%で使用?
8)米軍が105mm榴と155mmロングトムの生産を絞ったという事実は無い
9)プリーストの車体はM4,そんな余裕はドイツには無い
10)私の知る限り,A・ヒッパーの蒸気条件は米巡洋艦の倍
記憶モードで「日本軍」について書くと,
日本の砲兵の自動車化は早い部類に属する.
「防弾チョッキ」は有る,
広く配備されなかったのは何処でも同じ.
日本軍の「輜重車」というのは,「一頭立て二輪馬車」で今日的には「リアカー」の事.
さらに現地で徴発したモノも含めて多数の使用が確認できる.
重機関銃中隊には駄馬が居る事になっている.
……といった所.
陸に関しては調べているのだけれど,調べた資料の意味が分かっていない様な印象を受ける.
輜重車と聞いてトラックか大型馬車を連想しているとか,
FH18に二種類有るのに気付いてないとか(^^;.
このシリーズ,「或る軍事ライターの小失敗の研究」という題名に変えた方がいいんじゃない?(笑)
【質問】
宮崎駿ってドイツ兵器マンセーの親ナチじゃね?
【回答】
∧ _, ._∧
(-@(・・)@)y━~ <アノネー,じゃあなんですか,エイズの研究者はエイズが好きなんですか?
とは本人の弁
それと宮崎監督はバリバリの親共,組合活動にも熱心ないわゆる「左翼」.
軍事板
青文字:加筆改修部分
▼ 宮崎駿の思想について,とりあえずリンク.
http://haluhico.exblog.jp/2013945/
http://members.at.infoseek.co.jp/toumyoujisourin/jiten-hayao.htm
▲
【珍説】
宮崎駿はナチス・ドイツを十字軍になぞらえていたりもする.
【事実】
なぞらえてない.
「ハンスの帰還」(『泥まみれの虎』内,大日本絵画,2002.8)の1p目のことだろうけど,これは
「ドイツ人達には『俺たちはヨーロッパを守る騎士』という感覚が,常にあるような気がする.
だからカギ十字にしても十字軍の十字架と意識のどこかで重なっているのかもしれない」
的な話.
ナチスドイツはヨーロッパを守る十字軍,なんてことは書いてないぞ.
「読み手によっては……」って言う好例だな.
で,「十字軍」の話だが,ナチス初期の理論的支柱たるアルフレート・ローゼンベルクは,ナチスドイツは共産主義者の魔の手から欧州の純潔を守る十字軍であると主張している.
日本はこれを鵜呑みにして三国同盟なんかを結んだんだが,そのときにはローゼンベルクはナチ党内の権力闘争に敗れて,その思想は影響力を失っていた.
ちなみに戦後のアメリカでローゼンベルクの思想のうち,「高潔な部分」は当時ドイツに住んでいたアメリカ人劇作家の代筆であるという説が広く信じられ,ヴォネガットの『母なる夜』(白水社,1984.6)の題材になっていたりする.
軍事板
青文字:加筆改修部分
▼
【珍説】
【反論】
『未来少年コナン』に出てくるインダストリアなんて,もろにソ連を揶揄した反共プロパガンダじゃねえかよ.
なにが左翼だ.
ニセ左翼だろ.
【事実】
【再反論】
あれはインダストリアのような資本主義的物質文明を破壊し,共同農場でみんなで幸せに暮らしましょうという作品だが.
▲
軍事板
青文字:加筆改修部分
▼
上記回答文では説明不足の点があると思うので,補足説明を入れます.
この質問者は明らかに,原作とアニメ版を混同してます.
「未来少年コナン」の原作は,アレグザンダー・ケイの「残された人びと」という児童文学なのですが,これはアニメ版とは設定もストーリーも,全然異なります.
同じなのはキャラの名前くらいです.
アニメ版しか知らない人はビックリするかもしれませんが,原作はバリバリの反共小説です.
原作のインダストリアは,資本主義的なアニメ版とは異なり,最終戦争に生き残った社会主義諸国という設定です.
インダストリアは旗の色が赤色で,生き残った自由主義陣営のハイハーバーを,武力で恫喝して支配してたりします.
「未来少年コナン」は,あまりにも原作とアニメ版の内容が違うため,アニメを見て興味を持って原作を読んだらビックリ・・・という人がいるそうです.
(そういう自分もそうでしたが)
モーグリ in FAQ BBS,2011/9/19(月) 12:37
青文字:加筆改修部分
▲
【質問】
不祥・宮嶋こと宮嶋茂樹さんのことについてなんでもいいです,教えて下さい!
【回答】
イラン・イラク戦争に行ったり,カンボジアPKOの時は,マスコミでただ一人輸送艦に乗り込み(他のマスコミは全部逃げた!),現地では,地雷原近くで掘建小屋にすんで取材を続けたり,オウム真理教も本気で追っていました.
スキャンダル専門のカメラマンでは,ありません.
現在は自衛隊のおもちゃです(笑)
今やっていないようですが文春で毎週連載してましたね.
以前,南極観測隊に同行した記事(本出てます)は最高におもしろかった!
【質問】
惠隆之介ってどう?
【回答】
901 :名無し三等兵:2010/08/18(水) 13:38:29
ID:???
簡単に言えば,タモさんレベルのウヨ.
「敵兵を救助せよ」は武士道精神云々で,あちこちの書評で好評価だけど,実のところ内容は「アメリカ憎し,イギリス万歳!!」だからなぁ.
あと,
「阪神大震災で自衛隊が独自出動しなかったのはヘタレ!!」
とか,考えが偏りまくり.
それと,序章で護衛艦『いかづち』に工藤艦長が救助した元英士官を招待するくだりがあるんだが,
「艦長の英語が下手糞だから自分が通訳した」
とか,自分を持ち上げまくる内容があって,少々腹が立ったり.
ぶっちゃけ,彼は工藤艦長を,自分の反自虐史観の押し付けのために利用してるんですな.
971 :名無し三等兵: 21:58:54 ID:???
あの人は『正論』や『文春』で何度も,米軍を賞賛する記事を書いているが.
壊滅した沖縄復興の足がかりをつくったとか,食料をくれたとか.
最近の話だと,海兵隊員の善行を沖縄の新聞がdisってると批判してたり.
普通に中共は仮想敵扱いだし.
米軍憎しは大戦(の残虐行為)限定の話では?
軍事板,2010/09/02(木)
青文字:加筆改修部分
【質問】
森本敏さんつー人は,軍板的にはどんな評価なんですかね?
ネオ千曲屋 松坊堂
【回答】
軍板での評判は知りませんが(つか,最近ほとんど行っていない),著作を読む限りでは,岡崎氏みたいな盲目的親米でもなければ,「米国憎し」のあまり大局を見誤る田岡元帥みたいな傾向もなく,小川和久氏的な,極めて中道的な意見をお持ちです.
「ウェークアップ」や「TVタックル」など,その手の政治バラエティーに出演されても同様ですね.
ただ,最新の兵器事情には疎いらしく,そこから,FAQのクラスター爆弾に関する誤解に繋がったと思われます(米軍が足抜けしつつある事を知らなかったらしいですし).
だいたい,有識者の中でも,クラスター爆弾禁止については意見が割れてますし,そこだけを取って試金石にするのは早計だと思われます.
新所沢の三等兵◆Uk
NHKの「日本のこれから」にもよく出てますね.
生姜やコヴァ,ヒートアップする観衆相手に冷静に対処してるなあ.
島の人
【質問】
守屋純ってどう?
【回答】
「グデーリアンは参謀将校の経験がないのに参謀総長になった」
とか
「(独ソ戦で)T34はモスクワ戦で初めて投入されて反撃が成功した」
とか
「第二帝政時代にはドイツ陸軍は存在しない」
とか書くトンデモちゃん.
最近でも,「独ソ戦はドイツの予防戦争」とかいう主張を,歴史群像とかでしてるな.
大木毅に昔,その件で批判されてたのに.
翻訳はがんばってほしいけど.
こんど訳書出すなら,予防戦争論の代表的な論者のホフマンの本翻訳してほしい.
ただ,「国防軍潔白神話の生成」だが,この辺の話,断片的には語られる事があるのだけど,総合的にというのは珍しい.
国防軍の某将軍がヒトラーに土地を強請ってたとかの,国防軍の実態についても書かれるんだろうか.
軍事板,2009/11/21(土)
青文字:加筆改修部分
▼ 守屋純て,本当ににドイツ語理解してるのかも疑問だ.
詳解独ソ戦全史(学研)で,
「この両軍の不均衡は特に通常の歩兵師団で顕著だった.
(中略)
正規の定員である9個歩兵大隊・4個砲兵中隊から,それぞれ6個大隊と3個中隊へと削減されている」(文庫版P.314)
と訳してるけど,後半部は本当は,
「正規の定員である9個歩兵大隊・4個砲兵大隊から,それぞれ6個大隊と3個大隊へと削減されている」
でなければならない.
砲兵大隊と訳さなければならないところを砲兵中隊と訳してるけど,これは砲兵の場合,大隊はAbteilungで,歩兵のBataillonと違うのを知らないから,誤訳するわけだ.
原本が英語なんだけど,ここだけドイツ語表記だから間違ったんだな.
あと独第8軍(ヴォーラー集団)も,ヴェーラーと2種類の表記が混在してて(文庫版P.454,P.458等
),Umlaut(ウムラウト) の表記も安定してないところが不思議だ.
軍事板,2010/11/12(金)
青文字:加筆改修部分
▲
▼ 守屋純氏の翻訳能力については,大木毅氏が「誤訳が多い」と,自著の中の参考文献の項目で批判してました.
------------
David M.Glanz / Jonathan House,When Titans Clashed,Lawrence,Kans.,1995.本書には,守屋純により邦訳があるが(『〔詳解〕独ソ戦全史』,学研M文庫),
誤訳が多く,はなはだしきは原著者の重要な指摘を逆の意味に訳している箇所さえあるため,原著に依った.
------------大木毅・鹿内靖共著「鉄十字の軌跡」(国際通信社)p.234
このことから,守屋氏の翻訳能力はドイツ語だけでなく英語も怪しいこと,氏の翻訳した書籍には,常に誤訳の危険性があることに注意しないといけないと思われます.
モーグリ in FAQ BBS,2012/6/2(土) 18:12
▲
【質問】
歴史群像アーカイブ『独ソ戦』なかなかいいね.
ただし約1本,トンデモ系の記事が混じっているが・・・・・
「国境の軍管区にはT34やKVなどの新型戦車は1両もなかった」とか
「ソ連軍は1941年6月以降温存していた精鋭部隊を少しずつ繰り出し」とか
「12月のモスクワ攻防戦で最精鋭の部隊を投入して勝った」とか
「すべてはスターリンとジューコフが戦前に想定した筋書き通りだった」とか
ソースのよくわからない決め打ち連発で,
「戦後のドイツ史学界も遂に気づかなかった真実を見抜いてしまった俺」
みたいな結論に雪崩れ込む展開.
この守屋純って人,業界での評価はどうなの?
同じ学研から出てる,歴史修正主義者の御本尊マーザーの,ソ連対独先制攻撃説を主たる内容とした「独ソ開戦」の訳者で,赤軍興亡史あたりにもその認識に基づいた解説文書いてるからなぁ.
【回答】
いや,『歴史群像』でトンデモはめずらしく無いぞ.
名だたる遠藤先生とか.
守屋純のトンデモはようやく皆,気がついたかという感じだが,学会からよく放逐されないものだというレベルだな.
守屋先生については,あの頃のドイツ外交史が専門だった大木毅さんが,「ソ連先制攻撃論」の妥当性を扱った研究概観の中で,
「ヨーロッパだとほぼ否定されたけど,まだ怪しいソースで日本では紹介されている」
と批判的に引用してた記憶がある.
マーザーの原著が出る前後の,十五年ほど前の『西洋史学』だったと思う.
大木さんもラノベ作家になったし,あの頃を日本で専門的にやる人が乏しいことが,守屋先生の活動範囲を広げてるんだろうな.
守屋先生の修正主義的な主張は,独自研究というより,どっか洋書のネタ本がある.
単著の『ヒトラーと独ソ戦争』(白帝社)の頃は確か先制論は唱えてなかったし.
とりあえず翻訳は頑張ってほしい.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
山田朗や纐纈厚はどう?
政治的スタンスはかなりアレだけど.
「前衛」に寄稿したことあるし.
【回答】
山田氏の場合,『昭和天皇の戦争指導』を始めとした戦前期の研究については,多分に論争的だが,一次史料に基づいて論を立てるという史学のセオリーは守っており,トンデモと片付けてよいものではない.
纐纈氏についても,『総力戦体制研究』や『近代日本の政軍関係』などは,総力戦体制論・政軍関係論の先駆的な著作という点で評価されるべき.
(近年の研究成果と対比すると,流石に古くささを感じざるを得ないが…)
では,両氏の戦後(というより護憲・反戦関連)に関する著作はどうかというと,これはお世辞にも評価できない.
同一人物の著作にこれほどの差が生まれるのは何故かといえば,ひとえに「史料に語らせ(られ)なかったから」だと思うんだよね.
史学者は時々「史料が語る」という言い方をするけど,実証を重視し,一次史料に基づいて立論していけば,学問的議論の土俵に上がってもおかしくない研究が,左右に関係なく生まれてくるものだ.
(もちろん何にだって例外はあるが)
そういう視点から,両氏の「反戦」関連の著作を見てみると,史学的な意味での「実証」に足りるだけの情報を使わないで論じていて,それが両氏の著作を「研究」ではなく,出来の悪いプロパガンダにしてしまったといえる.
防衛省や自衛隊の内部文書を活用すること自体が,物理的に難しかったんだろうが.それなら尚更性急に書くべきではなかったと言わざるを得ないな.
まあ,こんな事書かずに「山田や纐纈はイデオロギーに毒されて目が曇った阿呆だ!」と一刀両断すれば単純明快なんだろうが,史学に片足突っ込んでる人間としては,そういう物言いはしたくないなぁ,と.
山田氏や纐纈氏の専門はあくまで軍事史研究や戦前の政軍関係であって,(誰とは言わんが)ネットであれこれ言ってる人達みたいに,彼らがフィールド外でエラーをした事を囃し立てて攻撃するのは邪道であり,彼らの本業の分野で真っ向勝負を挑んでこそ,戦後の左翼系軍事学を真に乗り越えられるんじゃないかなぁ.
軍事板,2009/10/04(日)
青文字:加筆改修部分
【質問】
山本七平はどうなの?
ユダヤ学と聖書学に関する著作は,トンデモらしいんだが.
【回答】
山本七平はフィリピン戦の実体験の部分は参考になるけど,他は保守論客の評論として保留しながら読むべきかと.
日本文化論としては面白いけど,オリジナルではない.
それを陸軍に当てはめたやり方が,斬新だったという感じかな.
野村克也の野球論みたいなもんだね.
野球ファンには面白いけど,それを原典とするわけにはいかない.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
渡辺洋二,どうでしょう?
【回答】
渡辺洋二氏は私も安心して読める研究家の一人です.
他人の本の写しではなく,取材活動に重きを置いて自分の足で当時の人間にインタビューして調べて歩く姿勢が好感もてるもんで.
(他人の本を書き写すだけなら自分でも出来ますので)
日本機評論がさほど自虐的でなく,もちろんヨイショしてなくてイイと思う.
ただ渡辺氏の場合は戦記に関して下級(末端)の将兵の行動に対して,やや筆が甘い気がします
(高級司令部の判断などには厳しい批判も書く人なんですが・・・取材して情が移るのかな)
「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ サイト・マップへ