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◆◆アル・カーイダ※ Al-Káida
<イスラーム過激原理主義テロリズム目次 Iszlám Extrém Fundamentalizmus Index
<テロリズムFAQ目次
※ 正則アラビア語からの転写では
「al-Qâ'idah (正確には^ではなく,aの上に横棒.以下同)」
(画像掲示板より引用)
「Asharq Al Awsat (English Edition)」:Al Qaeda's Unfettered Devil
「Defense News」◆(2012/09/18)U.S. Envoy Insists Marines Mission In Yemen Limited
「Guardian」◆(2010/04/26)Suicide bomber attacks UK ambassador's convoy in Yemen
「Guardian」◆(2010/06/01)Afghan al-Qaida head believed dead
「Guardian」◆(2010/06/20)Inquiry call on 'forgotten massacre'
「Guardian」◆(2010/07/12)Uganda bombs kill World Cup fans
「Guradian」◆(2010/11/09)Al-Qaida and the fragmented global Islamic militancy
「Jerusalem Post」◆(2010/11/23)Belgium: 10 detained in 3-nation anti-terror sweep
「Russia Now」◆(2012/02/02)Philippines Says Raid Killed Senior Militants
「Strategy Page」:COUNTER-TERRORISM: Al Qaeda Has Syria In The Cross Hairs
「Telegraph」◆(2011/04/26)WikiLeaks: British
resident still in Guantanamo 'was Osama bin
Laden's translator'
「Telegraph」◆(2011/04/26)WikiLeaks: Guantanamo
Bay terrorists radicalised in London to attack
Western targets
「The Voice of Russia」◆(2011/01/05)タジキスタン東部でアル=カーイダ系組織殲滅
「tnfuk」:【特集:航空機爆破計画裁判結果 5】常に変化する「アル=カーイダ」の形(ガーディアン,ジェイソン・バーク)
「VOR」◆(2012/02/09)パキスタンで「アル=カーイダ」の司令官が殲滅
「VOR」◆(2012/02/17)シリア反対派にアル=カーイダ戦闘員まぎれている
「VOR」◆(2012/02/29)カイロ空港で「アル=カーイダ」のリーダの一人逮捕
「VOR」◆(2012/03/01)「アル=カーイダ」指導者:米国は自国の力を失っている
「VOR」◆(2012/03/03)インド国民 国内での「ビンラディン映画」撮影に反対
「VOR」◆(2012/03/17)アル=カーイダ指導者 「アラブの春」へ パキスタンに呼びかけ
「VOR」◆(2012/04/18)「アル=カーイダ」 サウジ外交官引渡と交換に戦闘員釈放を要求
「VOR」◆(2012/05/02)アル=カーイダ ポルノビデオにテロ計画を紛れ込ませる
「VOR」◆(2012/05/03)アル=カーイダ 人質解放に4500万ユーロ
「VOR」◆(2012/05/18)国連事務総長 「ダマスカスの爆発はアル=カーイダの犯行」
「VOR」◆(2012/05/24)米国 アル=カーイダのサイトへ潜入に成功
「VOR」◆(2012/10/27)アル=カーイダの指導者 エジプト人らに外国人誘拐を呼びかけ
「中東の窓」◆(2012/10/28)アル=カーイダ指導者の西側国民誘拐の呼びかけ
「VOR」◆(2012/11/03)エジプト特務機関 英人観光客襲撃準備のアル=カーイダ戦闘員5名を拘束
「VOR」◆(2013/03/31) 「アル=カーイダ」 シリア反体制での役割強める
「WP」:Former bin Laden bodyguard is among ex-guerrillas in Yemen
「WP」:Al-Qaeda Seen as Shaken in Pakistan
「WP」◆(2010/07/11)Under threat of violence, Somalis play soccer -- or watch -- at their peril
「WP」◆(2011/05/18)CIA flew stealth drones into Pakistan to monitor bin Laden house
「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/02/24)ソマリア 強化されるアルシャバブ包囲網 安定化に向けて国際会議
「中東の窓」◆(2013/04/13) アル=カーイダ細胞の逮捕(トルコ)
『ビンラディン抹殺指令』(黒井文太郎著,洋泉社新書,2011.7)
著者は『軍事研究』の元記者.
アメリカ情報部が911テロ後に,ビンラディンを追い詰める様子を描いたドキュメント……ではなかった.
そういった情報は,断片程度.
ビンラディン誕生から,911テロ後の影響まで,重要なトピックを時系列に短くまとめた感じの本.
新書らしい構成だが,まとめ的な印象が強くて,作者独自の情報が少ないのが残念.
個人的に興味を惹かれたのが,911テロの計画者であるモハメド・アテフ.
でかいことをやりたいと常々口にしていた男で,実際にでかいテロをやってのけて,世界中を仰天させた(本当は航空機10機乗っ取りたかったとか).
行動力と大志を持った男が,スポンサー(ビンラディン)の支援を受けて成功するというのは,ビジネスの世界でありそうな話だ.
著者によると,過激な爆弾テロは一過性で飽きられやすいものだから,中東でのテロブームは去るんじゃないかとのこと.
――――――軍事板,2011/09/11(日)
◆◆◆総記・組織
【質問】
アル・カーイダはインターネットをどう利用しているか?
【回答】
武装組織の宣伝工作を担っているとされるのが,アブマイサラという謎の人物.
いま,アブマイサラ名入りの無修正映像が,ネット上にはんらんしている.
米紙ワシントン・ポストによると,アブマイサラは9月ごろから,米シリコンバレーで開発された「ユー・センド・イット」というシステムを利用し始めた.
このシステムでは利用者は,無料かつ匿名で,動画など1GBまでの大容量ファイルをサーバーに記憶させることができる.
同時に,ファイルの存在を,指定した相手にメールで知らせることもできる.
関心を持ったメール指定先がダウンロードすれば,映像の“保管庫”となり,無数のウェブサイトが利用される結果を招いた.
この,最初の発信元を特定されることなく,大容量ファイルを,瞬時に,広範囲にばらまけるシステムが,当局が映像の出所を絞り込めない要因となっている.
【質問】
「インスパイア」とは?
【回答】
アル・カーイダが発行したとされる,初の英語版オンライン雑誌.
テロ組織のウェブサイトを追跡する米機関「サイト・インテリジェンス・グループ(SITE)」によれば,2010.6.29,複数のイスラーム過激原理主義組織のウェブサイトに掲載されたという.
雑誌のタイトルは.全67ページとされているが,不具合があり,実際にオンライン上で表示されるのは3ページのみ.
4ページ目には不鮮明な画像があるだけ.
目次には,「お母さんの台所で爆弾を作ろう」という記事の見出しもある.
また,現在逃亡中の米国生まれのイスラーム教指導者,アンワル・アウラキ師の執筆する記事が掲載されるとも書かれている.
米国出身のテロリストを採用するための手段とみられるという.
【参考ページ】
2010年7月2日12時24分,CNN
【質問】
ムスリムの間で,ビン・ラーディンはどの程度支持されているのか?
【回答】
決して大きいわけではありません,と宮田律〔中東現代政治専門家〕は述べる.彼によれば,世界の大多数のムスリムが,ビン・ラーディンのイメージによってイスラーム教が定着することに迷惑しているのも間違いない,という.
以下引用.
エジプトを例にとれば,イスラーム過激派「イスラーム集団」のメンバーと支持者は,合わせて5万人とされています.エジプトの人口は約6千万ですから,割合で言えば0.1%にも満たないほど.
エジプトは富が一部の特権階級に集中しているため,意外にもイスラーム世界で最も貧しい国の一つとされている.
そうした社会矛盾もあって,イスラーム過激派の活動が極めて活発な国となっています.
そのエジプトでさえ,過激派に対する支持は,微微たるものでしかないというわけです.
しかし,ビン・ラーディンを始めとする「イスラームの脅威」に気をとられるあまり,貧困や独裁,さらには米国への根強い不信感といったイスラーム世界の現状を,今後も見過ごしていくと,サダム・フセインを例にとるまでもなく,ビン・ラーディンへの支持が急上昇するということもないとは言い切れません.
( from 「『新しい戦争』を知るための60のQ&A」,新潮社,
2001/11/15,P.90-92,抜粋要約)
また,以下の記事によれば,最近では更に共感度が低下しているという.
ビンラディン容疑者に不信 イスラーム圏で“テロ離れ”
【ワシントン14日共同】国際テロ組織アル=カーイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者への信頼度が,イスラーム圏の一部の国で大幅に落ち込んだことが14日,米世論調査機関ピュー・リサーチ・センターの調査で分かった.
調査は,ロンドン同時テロが起きる前の4-6月に行われたが,自爆テロなど一般市民を標的にした攻撃への共感度も減少,イスラーム圏で“テロ離れ”が起きていることを示した.
調査結果によると,ビンラディン容疑者を「大いに」または「ある程度」信頼するとの答えは,レバノンでわずか2%,トルコでも7%.2年前の調査では,それぞれ14%と15%で,信頼度が急低下した.
モロッコは26%,インドネシアは35%だったが,2年前に比べると,どちらも半分近くに減った.
【質問】
交戦国以外でも,アル・カーイダ掃討作戦は行われているのか?
【回答】
そのように報じられている.
2008.11.10付の『ニューヨーク・タイムズ』によれば,米政府が軍特殊部隊や中央情報局(CIA)要員を投入し,イラクやアフガニスタンなどの交戦国以外でアル・カーイダ掃討作戦を展開していたという.
作戦は2004年に始まり,シリアやパキスタンなど世界各地で秘密裏に実行.
その回数は十数回に上っているという.
2006年に海軍特殊部隊がパキスタンの過激組織を攻撃した際には,CIA幹部らがバージニア州の施設に集まり,無人偵察機が撮影した映像を通じて作戦の一部始終を「生中継」で見たという.
【参考ページ】
2008年11月10日15時57分,時事通信
【質問】
アル・カーイダは何処で若者を勧誘するのか?
【回答】
主にモスクで行われる.
過激派メンバーは各地のモスクを訪れては,
「ここのモスクの指導者は間違っている.
自分はイスラームについて,彼より正しい知識を持っている」
などと言葉巧みに説いて信用させ,仲間に誘い込む.
過激派を排除できるかどうかは,モスクの指導者にかかっている.
優秀で熱心な指導者がいれば,過激派の誘いには誰も耳を傾けない,と言われている.
また,モスクと共に過激派が勧誘の場として使うのが,実は刑務所であり,それは,
「収監されている犯罪者の多くは,実際は精神的に脆い寂しがり屋で,話し相手を求めているんです.
そんな心理を,イスラーム過激派の連中は実によく知っている」ためであるという.
彼らは受刑者にさり気なく近付き,悩みを聞いてやる素振りを見せ,次第に宗教に導く.
フランスの元服役囚の証言によれば,
「近く戦いが始まる.十字軍の時代が再来する」
「ユダヤ人が作る番組があるから,テレビを見てはならない」
「全ての悪はユダヤ人によって引き起こされている」
などとささやきかけ,刑務所内には過激原理主義のテキストやカセット・テープが出回っているという.
詳しくは朝日新聞アタ取材班著「テロリストの軌跡 モハメド・アタを追う」(草思社,2002/4/25)p.111~を参照のこと.
【質問】
アル・カーイダは核テロを計画しているか?
【回答】
・国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長の発言
・パキスタンで「核開発の父」と呼ばれるアブドル・カーン博士と接触していた可能性を示唆する情報
・英国高官の発言
から考えてその可能性は高いと推測される.
***
まず,エルバラダイの発言だが,これはノルウェーのTVのインタビューに答えてのものである.
以下,引用.
――――――
ノルウェーの民間テレビ局TV2は9日,国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長の発言として,アル=カーイダなどの過激派が核兵器の入手方法を模索していたと伝えた.
事務局長はウィーンで行われたインタビューで,過激派が「核兵器など大量破壊兵器の入手を積極的に検討していた」と述べた.
同局のウェブサイトは,証拠がアフガニスタンで発見されたとする,事務局長の発言を伝えている.
――――――ロイター通信(リンク切れ)
ただし,その証拠がどのようなものなのかは,報道では明らかになっていない.
また,パキスタンで「核開発の父」と呼ばれるアブドル・カーン博士と接触していた可能性もあるという.
以下引用.
――――――
パキスタンの核開発の父と接触か=アル=カーイダ第3の幹部-米誌
【ニューヨーク11日時事】12日発売の米誌タイム最新号は,3月にパキスタンで逮捕されたテロ組織アル=カーイダの第3の最高幹部ハリド・シェイク・モハメド容疑者が,パキスタンで「核開発の父」と呼ばれるアブドル・カーン博士と接触していた可能性を示す情報を米情報機関がつかんでいると報じた.
――――――
ただし,米国諜報機関の情報収集は,パキスタンにおいては長年ISI任せだったために劣化しており,その情報は必ずしも正確とは言えない.
一方2006年11月には,英国政府高官も,それを裏付けるような発言をしている.
――――――
アル=カーイダ,西側攻撃のため核技術の取得目指している=英政府高官
[ロンドン 13日 ロイター] 英政府高官は,記者団に対し,アル=カーイダが核関連技術の取得を目指していると述べた.その技術とは,英国など西側を攻撃するための核関連機器の使用に関するものという.
同高官は「材料や技術を取得しようという意図がある」としている.
――――――ロイター,2006年11月14日10時23分
以上の情報から総合的に判断して,アル・カーイダが核テロを計画している可能性は高いと言っていいだろう.
▼ 【追記】
2009年6月22日12時43分,ロイター
2009年6月22日21時24分,読売新聞(※ロイター電の引用記事)
によれば,2009/6/21にアルジャジーラが放送したインタビューの中で,アル=カーイダ系組織の指導者ムスタファ・アブ・アルヤジド司令官が,米国との戦いでパキスタンの核兵器を使う可能性があると警告したという.
アルヤジドは,米国がパキスタンの核のイスラーム武装勢力への流出阻止を重点課題としていることに関し,
「核兵器は米国の手には渡らない.
ムジャヒディン(イスラーム戦士)が手に入れ,米国に対し使用する」
と述べたという.
詳しくは上記記事を参照されたし.
以前にインターネット上に掲載されたムスタファ・アブ・アルヤジドの映像.撮影日不明
(2009年 ロイター/REUTERS TV)
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【質問】
「イスラーム・マグレブ諸国のアル=カーイダ(AQIM)」とは?
【回答】
AQIMは90年代に,「アルジェリアの世俗政権に対抗するイスラーム系の武装抵抗運動」として発足.
▼ 1998年9月,アルジェリアのタクフィール主義思想を掲げる「武装イスラーム集団」(GIA)に不満を抱く分子が,ハサン・ハッターブ Hassan
Hattab を中心人物として,アルジェリア北部のカビリ地方にて,サラフィー・ジハード主義思想を掲げる「説教と戦闘の為のサラフィー主義者集団」(略称:GSPC,サラフィスト・グループ)を設立.
以後,アルジェリア国内などで数多くのテロを実行.
2001年10月,国連安保理「アル=カーイダ」及び「タリバン」制裁委員会は,GSPCを制裁対象に指定.
2002年3月,米国国務長官はGSPCを「外国テロ組織」(FTO)に指定.
2003年2月,GSPCは外国人32人を誘拐.
2003年9月,ハサン・ハッターブが更迭され,ナビール・サハラウィ Nabil Sahraoui がリーダーに就任.
サフラウィは,「アル=カーイダ」に忠誠を誓い,アルジェリア国内における欧米権益を攻撃対象にする旨の声明を発出した.
2004年6月20日,ナビール・サハラウィがアルジェリア軍に射殺され,アブー・ムスアブ・アブドゥルワドゥード Abou Mossaab Abdelouadoud
がリーダーに就任.
2006年,ハサン・ハッターブがアルジェリア政府に投降して脱退.
同年9月,「アル=カーイダ」副指導者アイマン・アル・ザワヒリ(当時)は,「GSPCが『アル=カーイダ』に合流した」などと宣言するビデオ声明を発出.
これを受けて,ドルークデルは,改めて「アル=カーイダ」に対する忠誠を誓うとともに,2007年1月には組織名をAQIMに改称.
2007年4月,アルジェリア首相公邸に自動車爆弾テロを実行.
同年12月,アルジェリア最高裁判所と国際連合難民高等弁務官事務所・国連事務所に同時自動車爆弾テロを実行し,市民多数を殺害.▲
▼ 2010年4月には,ウェブサイトに声明を出し,6月に南アフリカで開幕するサッカー・ワールドカップ(W杯)を標的にしたテロ攻撃を予告している.
声明は「米英の試合中に爆発音が響き,数百人の死者でスタジアムが大混乱するのが,どれほど素晴らしいことか」と述べ,仏,独,イタリアの代表チームも標的にするとしていた.
結果としてスタジアム自体ではテロが起こらなかったが.▲
2010年7月には,ニジェールで援助活動に携わっていた78歳のフランス人男性が誘拐され,フランス軍が救出作戦を展開したが,AQIMのメンバー6人を殺害したものの失敗.
人質男性は報復として殺された.[1]
同年8月には,200日以上拘束されていたスペイン人2人の解放と引き換えに,数十万ドルの身代金をスペイン政府がAQIMに払ったと報じられた.
同年9月,西アフリカのニジェール北部で,フランスの原子力発電会社アレバの社員らフランス人5人が誘拐された事件も,AQIMによる犯行とみる向きもある.
▼ 2011年7月,AQIMは,オサマ・ビン・ラディン死亡(同年5月2日)後に「アル=カーイダ」最高指導者に就任したザワヒリに対し忠誠を誓う声明を発出.
2012年,トンブクトゥへ進出.
市内において世界遺産の遺跡を破壊するとともに,カダフィ大佐がトンブクトゥに所有していた住居を占拠.
マリ北部における活動拠点の一つとした.
2012年9月12日,ザワヒリはAQIMを「アル=カーイダ」の「支部」組織として名指しする声明を発出.
2012年12月,組織内の対立から指導者の1人,モフタール・ベルモフタールがAQIMを離脱.
2013年1月,フランスがマリの武装組織に対して行った軍事介入(セルヴァル作戦)により,打撃を受ける.▲
▼ 今ではメンバーの数は数百人に上り,近隣国において麻薬密売や恐喝,資金洗浄で組織の資金を確保.
マリやニジェールでもトゥアレグのイスラーム主義組織「アンサール・アッ=ディーン」と連携し,また,イラクに兵士を送り込むなど,国境を越えた活動を展開している.
フランスやスペインなど欧州でも,下部組織が確認されている.
また,イギリス,イタリアなど欧州のアルジェリア人社会にも多くの活動家を抱える.
一方,アブ・バクル・アル・バグダディのカリフ就任宣言以降は,AQIM内からも,ISILへの忠誠を表明する勢力が複数出現している.▲
【参考ページ】
ニューズウィーク日本版,2010年 9月29日(水)13時9分(ラビ・ソマイヤ)
2010年4月10日0時54分,読売新聞(カイロ=田尾茂樹)
https://kotobank.jp/word/イスラーム・マグレブ諸国のアル=カーイダ
http://blog.livedoor.jp/abu_mustafa/archives/4486020.html
http://www.moj.go.jp/psia/ITH/organizations/ME_N-africa/AQIM.html
http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2011/2011/html/n1132000.html
http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2008/2008/html/k1111000.html
2011.9.11追記 utóirat
2017.10.8追記 utóirat &改訂 felülvizsgálat
【質問】
アル・カーイダはイランに基地を持っているのか?
【回答】
真偽はいまだ不明だが,2007.7.7の英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は,西側諸国の当局者の話として,アル・カーイダがイラン国内に基地を設け,イラクなどでのテロ活動に利用している疑いが浮上したと報じている.
この基地は,資金や情報通信の拠点として使われているとされるが,イラン政府がどの程度支援しているかは不明という.
ただ,米政府高官は
「イランはアル・カーイダが引き起こした騒乱により利益を得ており,イランが見て見ぬふりをしているとの見方には疑いがある」
と指摘したという.
だがイランの元政府当局者は
「イランはアル・カーイダを恐れており,イラク領内にとどめておきたい考えだ」
と反論し,イランはアル・カーイダに武器を供与していないと述べているという.
関連情報を見つけ次第,今後も情報蓄積に努める予定.
【参考ページ】
2007年7月7日21時0分,時事通信
【質問】
国際イスラーム救済機構(IIRO)とは?
【回答】
サウジアラビアに本部を置く慈善団体.
2006/8/3,米財務省は,IIROのフィリピン,インドネシア支部が,アル・カーイダやジェマ・イスラミア(JI)のための資金集めを行っていたとして,両支部の米司法権下にある資産を凍結したと発表.
また,サウジ国籍のアルムジルIIRO東方地域局長についても,長年にわたりアル=カーイダを支援,東南アジアでのテロ組織作りにかかわっていたとして,資産凍結などの措置を発動した.
【参考ページ】
時事通信 - 2006年,8月4日7時2分
【質問】
ドイツにおけるアルカーイダの活動状況は?
【回答】
2005/1/23に西部マインツなどで逮捕された,アル=カーイダのメンバーとみられるドイツ市民権をもつイラク人モハメド・K容疑者(29)は,自爆テロの要員として,リビア出身でドイツ市民権を持つパレスチナ人
ヤセル・S容疑者(31)を雇い,イラクで自爆テロを起こさせる計画をたてていたという.
また,アル=カーイダの活動指揮を作るため,ヤセル・S容疑者に80万ユーロ(約1億円)の生命保険をかけ,同容疑者が交通死亡事故に巻き込まれたとウソの申告をして保険金を詐取しようとした疑いがもたれている.
また,ウラン入手も企てていたという.
【質問】
2016年のイタリア・サルディーニャ島におけるアル=カーイダ系組織摘発事案について,3行以上で教えてください.
【回答】
2016.4.19までに,アル=カーイダ系テロ組織がイタリアにて摘発された事案.
不法移民ビジネスの捜査をきっかけに発見された.
同組織はヴァチカンへのテロを企てていたほか,2009年10月にペシャワールにて起きた爆破テロ事件への関与も疑われている.
* * *
テロ組織は爆弾を作るだけではなく,非合法ビジネスにも手を染める.
今回摘発された組織は,サルデーニャ(Sardinia)島を拠点に行われていたとされる不法移民ビジネスの捜査をきっかけに発見された.
警察当局によると,同組織は買収したビジネスマンを利用して短期滞在ビザを取得したり,民族・宗教的迫害を受けたと虚偽の難民申請の手助けをするなどして,パキスタン人やアフ【ガ】ーニスタン人をイタリア経由でヨーロッパに密入国させていた.
検察当局は,密入国に関わる活動やチャリティーで集めた資金は,アル=カーイダ系武装勢力やターリバーンなどパキスタンの過激派組織に送られていたとしている.
また,サルデーニャ島カリアリ(Cagliari)で記者会見したマウロ・ムーラ(Mauro Mura)検事は,同組織は2010年イタリアに来た自爆攻撃候補者2人と連絡を取り続けており,バチカンを攻撃する計画について話し合っていたと明らかにした.
グループがバチカンに対してテロを計画したとされるのは2010年3月.
この時期に自爆テロの候補者が一時,アフ【ガ】ーニスタンからイタリアへ入国していたという.
ムーラ検事によると,2人の自爆攻撃候補者は監視されていることを察知してイタリアから出国したため,今回逮捕された容疑者らはバチカン攻撃計画についてはこれ以上捜査されていないという.
「テロ事案」などの捜査を行うDIGOS(国家警察統合捜査特別作戦部)のマリオ・カルタ(Mario Carta)によると,捜査の一環として行われた電話盗聴で容疑者らがローマ法王について会話をしているのが把握されており,法王暗殺を計画した「強い疑い」はあるが,明確な証拠は発見されていないという.
バチカンのフェデリコ・ロンバルディ(Federico Lombardi)広報局長は報道陣に対し,「計画されたものの実行されることはなかった2010年のシナリオに関するものであり,今となっては重要なことではなく,懸念する必要はない」と述べた.
過去6年間にわたる捜査の末に18人に逮捕状が出され,CNN(日本語電子版)によると,イタリア警察は24日,サルディーニャ島など同国内7州で一斉捜査を実施した.
しかし,24日午後までに逮捕されたのは9人にとどまっている.
(6~10名逮捕という報道もある)
ロイター通信によると,容疑者は全員パキスタン人かアフ【ガ】ーニスタン人.
イタリアの警察当局の発表によると,盗聴した電話の録音から,今回摘発された組織のメンバー2人が,2011年5月にパキスタンで米特殊部隊に殺害される前のビンラディンの警護を務めていたことが判明.
その他のメンバーは,ビンラディンの死後も同の親族と連絡を取り合っていた.
さらに,逮捕された,または行方が追われている者のうち一部は,2009年10月にパキスタン・ペシャワル(Peshawar)のミーナ市場(Meena
Bazaar)で発生し,100人以上の死者と200人以上の負傷者を出した爆破事件に関与した疑いももたれている.
カルタによると,この爆破事件の計画立案と資金集めが実質的にオルビアで行われ,イタリアを拠点とする過激派が関与した証拠があるという.
当時,パキスタン当局はこの事件を,パキスタン軍の掃討作戦に対するターリバーン(Taliban)の報復と非難したが,ターリバーンは関与を否定していた.
逮捕者の中の主要な一人が,サルデーニャ島のオルビア(Olbia)に長年暮らしていた商店主のカーン・スルタン・ワリ(Khan Sultan Wali)
ワリは,セレブを含む世界中の大金持ちが休暇に訪れるサルデーニャ島にある,小さなイスラーム・コミュニティーのリーダーの1人だった.
また,もう一人の主要な逮捕者が,イタリア北部のブレシア(Brescia)やベルガモ(Bergamo)で布教活動を行っていたイマーム,ズルキファル・ハフィズ・モハメド(Zulkifal
Hafiz Mohammed).
イタリアは,イスラーム過激派が目の敵にするキリスト教最大派のカトリックの総本山・バチカンを擁すると同時に,重要な文化遺産に満ち溢れているこの国は,宗教のみならず欧州文明も破壊したい,と渇望するテロ組織の格好の標的になっている.
そして彼らはそんな暗い渇望のために,今日も違法ビジネスにいそしむのである.
【参考ページ】
http://www.afpbb.com/articles/-/3046429
http://blog.livedoor.jp/aokichanyon444/archives/55230587.html
http://www.express.co.uk/news/world/572634/Al-Qaeda-terror-group-Vatican-Italy-arrests-Islamic-State
http://www.christiantoday.co.jp/articles/15922/20150425/al-qaeda-vatican-terror-italy.htm
http://bylines.news.yahoo.co.jp/nakasonemasanori/20150429-00045249/
逮捕されたメンバーの一人,ズルキファル・ハフィズ・モハメド
(こちらより引用)
逮捕時の様子
Italy EPA 撮影
(こちらより引用)
【ぐんじさんぎょう】,2016/05/29 20:00
を加筆改修
【質問】
アブドラ・アッザム旅団って何?
【回答】
アブドラ・アッザム旅団(Abdullah Azzam
Shaheed Brigade;AASB)は2009年7月,レバノンからイスラエル北部へのロケット攻撃と称するビデオをメディアに送ったことで,初めて探知された組織.
2004年と2005年の2回シナイ半島で爆弾テロが起きた時,同じ名称で犯行声明がだされているが,どのようなつながりがあるのか不明.
指名手配中のサウジアルカーイダ幹部カルウィ(Salih
Al-Qar'awi)が,2010年4月のインタビューで,アブドラ・アッザム旅団の上級指揮官であることを明らかにしている.
インタビューのなかでカルウィは,旅団がレバノン支部(9/11事件実行犯のひとりの名をとってZ'yad
Al-Jarrah隊と称する)だけに限定された組織ではなく,ほかにいくつも支部があり,〝極めて近い将来〟レバノン以外の地をターゲットにした攻撃がある,と語った.
【参考ページ】
http://memri.jp/bin/articles.cgi?ID=SP312710
http://en.wikipedia.org/wiki/Abdullah_Azzam_Shaheed_Brigade
http://www.alertnet.org/thenews/newsdesk/LDE6731OV.htm
【ぐんじさんぎょう】,2010/10/22 21:20
を加筆改修
【質問】
ワナ・モスク自爆テロ事件とは?
【回答】
2010/08/23,パキスタン北西部の部族地域,南ワジリスタン地区の中心的な町ワナのモスクで起きた自爆テロ事件.
BBC放送などによれば,標的となったのはターリバーンとつながりの深いスンニ派過激派組織に属する法学者で,犯人の男は法学者と握手した際に自爆した.
法学者が経営する病院では最近,治安部隊がアル・カーイダの関係者を殺害.
法学者が当局に密告したと疑ったアル・カーイダが,報復テロに及んだ可能性があるという.
AFP通信によると,少なくとも20人が死亡,40人以上が負傷したという.
【参考ページ】
2010年8月24日0時22分,時事通信
【質問】
パレスチナにおけるアルカーイダの活動は?
【回答】
従来,アル・カーイダはパレスチナには殆ど関心を向けていなかった.
彼らの関心は専らサウディアラビアと,それを支援するアメリカに向いていたからである.
ビン・ラーディンのブレーンであるザワヒリには,パレスチナ問題に付いての知識はなかったものと考えられる.
しかし2006年前後になって,レバノンおよびパレスチナへの進出を図りつつある.
動きとしては以下のようなものが見られる.
2006年9月23日,ネグロポンテ米国情報長官が,アル=カーイダのレバノン進出に懸念を表明.スンニ派系の同組織はレバノン進出を宣言しているが,シーア派のヒズボラとは仲が悪いと見られている.(Y)
2006年10月8日,ガザの難民キャンプで,アル=カーイダ系グループがインターネットカフェに放火.自分たちの道徳基準に従わない連中は殺すと警告した.アル=カーイダは3週間前にも自治政府高官ら5人を殺害している.(Y)
2006年10月4日,アル=カーイダのガザ支部と名乗る組織が5分のビデオを公開.現在の指導部はユダヤ人とクリスチャンの手先だとして「裏切り者は殺す」と宣言.ビデオに登場する人物は正体不明.(P)
2006年12月14日,イスラエル人の若者に人気があるインドのゴアで,アル=カーイダがテロを計画中か?として,政府は滞在者に即時帰国を呼びかけた.(P)
▼Mad Max Time in Gaza April 15, 2007:
ストラテジーページ:パレスチナのガザ地区が,また騒々しいわけだが
によれば,ガザ地区で2007年3月,西側ジャーナリストが拉致されたが,これは身代金目的ではなく,ヨルダンに拘束されているアル・カーイダとの人質交換交渉のためだという.
同記事によれば,ガザ地区ではイスラーム過激原理主義の連中が騒がしくなってきていて,ビデオ・ショップ,インターネット・カフェ,本屋(勿論キリスト教徒の経営するもの)などが爆破されているという.
イスラーム教の教えに反するとされるそれらの商売で,ビデオやネットの中の映像,画像などが目の敵にされているためだ.(ニュース極東板)▲
▼ 2008年7月20日(日)には,アル=カーイダの下部組織を作った,イスラエルのアラブ系市民をシンベトが逮捕している.
アラブ系市民の間でアル=カーイダの浸透が進んでいる模様だという.(H,Y,P)▲
▼ 2009/8/14には,パレスチナ自治区ガザの南部ラファで,ハマスと,アル・カーイダに共鳴する組織「神の戦士」が交戦.
目撃者らによると,「神の戦士」の指導者は同日,金曜礼拝で「ガザにイスラーム首長国を設立する」と宣言し,これに対して,ハマス治安要員がモスク(イスラーム教礼拝所)を包囲,メンバーと銃撃戦となったという.
AP通信によれば,少なくとも13人が死亡,100人以上が負傷したという.
(2009年8月15日11時44分,読売新聞【エルサレム=長谷川由紀】)▲
▼ 2009年9月13日(日)には,レバノンからイスラエル北部に2発の「カチューシャ」ロケットの砲撃があり,イスラエルも発射地点に向け砲撃を行った(双方とも被害は無し)(H,P,Y)が,この攻撃について,9月15日(火),アル=カーイダ系のグループが犯行声明を発表している.
真偽のほどは不明.(H,P,Y)▲
▼ なお,2010年4月6日(火)には,アル・カーイダ幹部が,ヒズボラを「イスラエル攻撃を妨げている」と批判している.
曰く,「アル・カーイダにイスラエルを攻撃させないばかりか,自分たちもイスラエルを攻撃しない」と,不満を表明しており(H),ハマスとの関係ばかりでなく,ヒズボラとの関係も悪化している模様.▲
上記,短信ニュースについては,http://www.zion-jpn.or.jp/p0404.htmより引用
[情報源略号表]
P=エルサレム・ポスト http://www.jpost.co.il/
H=ハアレツ http://www.haaretz.com/
7=アルツ7 http://www.israelnationalnews.com/
I=イスラエル・トゥデイ http://www.harvesttime.tv/israel_today/
Y=イディオット・アハロノット http://www.ynetnews.com/
【質問】
サウディアラビアでのアル・カーイダの現状は?
【回答】
報道によれば,メンバー400~500を逮捕,サレハ・アウフィなどの指導者の殺害にも成功している.
現在でも摘発は続いており,同国でアル・カーイダは衰退しているという.
一方,さほど大規模なテロは発生しておらず,封じ込めには成功しているといえる.
ただ,こうした摘発は,アル・カーイダが一つの新興宗教のごときものになっている現状では,あまり根本的な解決にはならない.
穏健派イマームによる教化や,社会問題の解決が,「根治治療」のためには必要だろう.
***
報道によれば,メンバー400~500を逮捕,同国でアル・カーイダは衰退しているという.
以下引用.
米シンクタンク,戦略国際研究センター(CSIS)の報告によれば,サウジアラビア治安当局は2004年末までに,アル=カーイダ系の過激派メンバー400―500人を殺害または逮捕し,同国でアル=カーイダの勢力は衰退しているという.
しかし,CSISは,アフガニスタンやイラクに潜むサウディ人アル・カーイダ・メンバーが帰国する可能性もあるため,サウディアラビアは依然「テロとの戦いにおいて危機的な情勢」にあり,この状況は数年は続きそうだとしている.
同報告によると,サウジに今も残るアル=カーイダメンバーは約250人.組織は5つのグループに分かれていたが,昨年末までに,4グループが壊滅した.
2005年7月には,国営サウジ通信は,サウジアラビア治安部隊が,リヤドで銃撃戦の末,
アル・カイーダネットワークのひとり,ハヤリ氏(モロッコ国籍)を射殺したと発表.
同氏は爆弾のプロで,サウジ内務省が最重要容疑者として6/28に指名手配し
た36名の筆頭にあげられていた人物.
2005/08/18には,アル・カーイダのサウディ国内指導者殺害に成功している.
以下引用.
アル・カーイダ国内指導者を殺害=サウジ治安当局
アラブ首長国連邦(UAE)の衛星テレビ「アル・アラビーヤ」によると,サウジアラビア治安当局は18日,首都リヤド,イスラーム教聖地メディナの両市内各所でイスラーム過激派の一斉摘発を実施した.
リヤドで過激派4人を殺害したほか,メディナで発生した銃撃戦では,国際テロ組織アル・カーイダの在サウジ組織指導者と目され,当局が過激派の最重要人物の一人として手配していたサレハ・アウフィ容疑者が死亡した.
今月初め,ファハド前国王の死去を受けアブドラ国王が即位して以降,初の大規模過激派摘発作戦で,治安当局は「戦果」を挙げた形だが,アル・カーイダも別の指導者が直ちに後を継ぐと見られ,戦いはなお続きそうだ.
メンバー摘発も続いている.
サウジのテロ組織系勢力摘発,3か月で136人逮捕
【カイロ=柳沢亨之】サウジアラビア内務省は2日,同国営通信を通じ,過去3か月間にわたる国際テロ組織アル・カーイダ系武装勢力摘発作戦で,計136人を逮捕したことを明らかにした.
国内での自爆テロ計画や武装要員の出入国支援などに関与していた疑いが持たれている.
逮捕者のうち21人は外国人.
10月下旬に首都リヤドや石油施設の多い東部州で一斉に行った最大作戦で逮捕した計44人は,若者を「複数の海外紛争地」に送り込む組織を結成していた.
同月中旬の作戦で逮捕した16人は,外国で訓練した要員を国内に潜入させる活動に関与していたという.
容疑者の名前や国籍などは明らかにされていないが,外国人の拘束者については,サウジ国内での攻撃を実施させるため,巡礼者を装ってメンバーらに国外で訓練を受けさせていた疑いなどがあるとしている.
ただ,こうした摘発はもぐらたたきのようなもので,アル・カーイダが一つの新興宗教のごときものになっている現状では,あまり根本的な解決にはならない.
それよりも,逮捕後の囚人への扱いが気になるところ.
エジプトのような,穏健派法学者による教育を行うことが望ましいのだが…….
【質問】
「アル・イッティハード・アル・イスラミ」(AIAI)とは?
【回答】
国際テロ組織,アルカーイダと関係があるとされるソマリアのイスラーム原理主義組織.
2002年にケニアで起きたイスラエル人に対する同時テロに関与した可能性も指摘されている.
【質問】
トルコのアル・カーイダ系組織を教えられたし.
【回答】
トルコにはアル・カーイダ系とされる「大東方イスラーム戦士戦線(IBDAC)」が存在し,2003年11月にイスタンブールのシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)2カ所,イギリス領事館と外資系銀行を狙った連続爆弾事件について,犯行声明を出している,
また,2008年には,イスタンブールの米国領事館がアル・カーイダ構成員と見られる集団に襲撃され,容疑者と警察官ら6人が死亡.
2011年6月には,アダナのインジルリク米軍基地襲撃を企てた容疑で,アル・カーイダ構成員とされる容疑者10人が逮捕されている.
【参考ページ】
アジアプレス,2011年7月15日(金)17時2分
【質問】
在トルコ外国機関襲撃未遂事件とは?
【回答】
2011.7.13のアナトリア通信によれば,
トルコ警察が,アンカラの米国大使館を含む外国機関の襲撃を計画したとして,アル・カーイダ構成員15人を逮捕したと発表したもの.
警察当局が爆発物製造に関与したとみられる容疑者を半年にわたって監視,追跡した結果,国内のアル・カーイダ組織網が判明したため,一斉摘発したという.
警察の対テロ部門による一斉摘発作戦は,アンカラ,ヤロヴァ,ブルサなどの都市で同時に行われた.
また,同時に行われた潜伏先の家宅捜索では,爆薬の材料の化合物700キロや自動小銃2丁,弾薬などが押収されたと報じている.
【参考ページ】
アジアプレス,2011年7月15日(金)17時2分
【質問】
南米にはアル・カーイダの拠点はあるのか?
【回答】
あります.
パラグアイとブラジル・アルゼンチンの国境地帯には約3万名のアラブ系移民の居住地が点在しており,95年ごろアルカイーダのビンラディン氏が滞在していたとされています.
米は同時多発テロ以降,この地域での麻薬・武器取引
がイスラーム過激派国際テロ組織の資金源になっているとの見方を強めており,
パラグアイ治安当局の能力向上,関連情報共有を計っていく考えのようです.
FBIのモラー長官は,07年に米大使館内にFBI事務所を設置することでパラグアイ政府と合意しています.
また,7月より米・パラグアイ軍は合同 軍事訓練を実施しています.
おきらく軍事研究会
青文字:加筆改修部分
【質問】
英国の元外相が「アル・カーイダは諜報機関の作り物」と発言したというのは本当?
【回答】
某コミュでかような書き込みを見かけたのです.
――――――
昨年末には,英国のロビン・クック元外相が「アル=カーイダというテロ組織は,もとから存在していなかった.米国が,テレビを見ている人々に政府を支持させるため『悪役』を用意するプロパガンダ戦略としてアル=カーイダを作った.このことは,事情に通じた諜報部員なら誰でも知っていることだ」という趣旨の発言を行っている.私が以前に書いた記事「アル=カーイダは諜報機関の作りもの」の筋とだいたい同じだ.
>http://www.asyura2.com/09/wara8/msg/291.html
――――――
この記事が書かれたのは 『2009年4月14日』 で 『昨年末』 と云うのは 『2008年末』 のことになりますわな……
∧_∧ ……
(・(・・)・U
/JベタJ
いや~ロビン・クック元外相って
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(・(・・)・U < 2005年にお亡くなりになったのですが……
/JベタJ \__________
ど~やって,その話聞いた? (w`;
イタコか?
コックリさんか?
どうなんだ,田中宇!!
と,云うぐらい当てにならんのです,田中宇ってば……
ベタ藤原 in mixi,2009年04月15日19:53
とりあえずお約束の奴を.
,. -‐‐‐- ,
/ \
{ ,.-、___ノノノハ )
! ,.-、j _ ノ
ゝ6 ' ` '⌒( だ~れがころした
ゝ.ー-‐‐v‐一 ) n/ノク'j
i⌒ヾヽn‐-‐ハ,ij { ゝ( ノ
ト、 ,ゝ )V <,ij/ヾ、/
l \二ンヽ,/ハ____ノ
___l------i二i---|_
\  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /
` iー‐-------一i'
| i |
l l !
/`ー-- 十‐‐‐'\
'ー------'`ー---一'
,. -‐‐‐- , くっくろびん~
/ \
_ /ヽ/ ,.-、___ノノノハ )
\{`/ ! __ j _ ノ
| l //>' 6` ` '⌒(
lてl l l/ _ゝー---‐v‐-‐ノー-,__
\{ ヾ!_/_ ヽー----‐‐'__(_三
\ ヾ、 ヽ(_三∨/'
`ー、ヾニニ[]ニニン
L{ ! /
! `ヾ_/
`ー'
井上@Kojii.net in mixi,2009年04月15日 19:58
◆◆◆思想
【質問】
ビン・ラーディンは,どんな世界を望んでいるのか?
【回答】
中村覚の言葉を信じるならば,子供じみた救世主出現伝説にビン・ラーディンは影響されている,という.
事実,具体的なビジョンは彼は何も持っていない.
ウサーマの父ムハンマドは,マフディー(救世主)が現れて,彼に導かれたイスラームが世界を支配し,かつての栄光を取り戻すだろうと40年もの間,信じ,待ち続けていた,という※.
ウサーマ自身も幼い頃からその影響を受けていたようである.
※ "Islamabad Pakistan, 18 May 1997"
(中村覚=サウディアラビア学者 from 「だれでもわかるイスラーム」,
河出書房新社,2001/12/31, P.97)
ウサーマは,民主主義体制はムスリムにとって利益とならないと考えている.
それを以下のように表現した.
「イスラームでは,『諮問(Shûrâ)』が重要であるが,『諮問』は,敬虔な賢人が支配者とならない限り,実現しない.
議会は反イスラーム的な法を制定し,ラムジー・ユースフのような人物を米国へ引き渡す※.
私の4人の息子は,米国の指示により,サウディアラビアで投獄された……民主主義は,ムスリムにとって何ら良い事がない※2」
「あなたの理想とするイスラーム国家とは,どのようなものか?」
というインタビューに答え,ビン・ラーディンは,
「イスラーム国家を樹立すれば,ムスリムは幸せになれる」
とだけ答えた※3.
以上の2つのウサーマの回答から伺えるのは,樹立すべき具体的なイスラーム国家のビジョンの話となると,饒舌さが失われるということである.
ウサーマは,ビジョンを描けるタイプのリーダーではなく,むしろ破壊を唱導する先導家としての性格を強く持っているように思われる.
ウサーマは,世界のムスリムが手を結び,強力で敬虔なウンマを建設できることを夢見ている.
「ラフサンジャーニー,フセイン,カッザフィー,アサドらの反米主義者をどう思いますか?」
という質問を受けたときには,次のように述べている.
「ムスリムは,彼らを統合し,敬虔なカリフを作ることができるような指導者を必要としている.敬虔なカリフは,アフガニスタンから現れるだろう」※4
さらに,イランとターリバーンの関係の緊張に関しては,米国への対抗のため,関係改善を訴え,以下のように述べた.
「米国は,イランとターリバーンの共通の敵であり,いつか両者の関係は改善するだろう.
私(ウサーマ)は,世界のムスリムが,ターリバーンを支援することを訴えたい.
アフガニスタン,パキスタン,イランと中国(のムスリム)が合体すれば,米国もインドも敵ではなくなる……来世紀は,ムスリムの世紀となるであろう」※5
ウサーマは,ターリバーンが,世界のムスリムを統合して導いていく,ムスリム世界の再生の旗手になるだろうと期待している.
この辺りのウサーマの世界観となると,世界の多数のムスリムが受け入れるような世界観ではないだろう.ターリバーンは,世界の多くのムスリムにとっても,「異端」と感じるような教義の適用を主張しているからだ.
また,現在の中東諸国体制・国際政治情勢をターリバーンがリードすることは,まったく夢物語である.
この点からも,ウサーマがイスラーム主義者を越えて広くムスリムにアピールしうる可能性は,ウサーマの反米論が多くのムスリムに受け入れられ易い点〔だけ〕である,と確認できるだろう.
※ パキスタン政府によって身柄拘束された後,ニューヨークのワールド・トレード・センター爆破に関する容疑で,米国にて裁判を受け,無期懲役に服役中.
※2, 4-5 "Islamabad Pakistan, 18 May 1997"
※3 Independent, 20 Nov. 1996
(同 p.97-98)
そんな中,唯一の具体的なビジョンといえるのが,「打倒サウド王家,打倒アメリカ」であるという.
以下引用.
こうした事件に関わっている組織〔アル・カーイダ〕の最終目的は,サウジアラビアの現体制を転覆して,さらに保守的なイスラーム政府を樹立することだと,大半のアナリストは見ている.
サウジアラビアの反体制派は,石油収入による莫大な富と西側との繋がりで腐敗したサウド王家は,もはや統治者とは見なされず,したがって革命が必要だと主張している.
彼らは腐敗の一例として,サウジアラビアがイスラエルに対し,また聖なるイスラームの地に異教徒の石油業界関係者と兵士が存在することに対しても,明確な反対姿勢を取っていないことを挙げる.
こうした不正義を正すためには,ジハードすなわち聖戦によって現体制を追放するしかなく,さらに現体制の後ろ盾であるアメリカも,ジハードの標的であらねばならないのだという.
たいていの場合,こうした見方は仲間内の会話,あるいは私的な宗教的集まりで口にされるに留まっている(サウジアラビアではオープンな政治論議は許されておらず,反政府思想の持ち主と見なされれば,逮捕・投獄される).
それでも,〔過激〕原理主義勢力内のごく少数派ながら存在力の大きい一団が,基地や政府機関への攻撃など強硬な行動を支持している.
「過激派の論理では,彼らが政府の正統制を否定すれば,政府は異端だという『事実』になる」と,サウジアラビアのジャーナリスト,ジャマル・ハショギは説明する.
「そして,『異端の政府』であると宣言した瞬間,彼らはそれと闘う権利があると確信する」
Michael T. Klare著「世界資源戦争」(廣済堂出版,2002/1/7),P.114-115
なお,M. T. Klareは「平和と世界安全保障に関する5大学研究プログラム」理事
要するに,ビン・ラーディンとは,サウド王家とアメリカさえ倒せばなんとかなると思っている,「いい歳をして,いつまでもマンガチックな夢想を持ち続けているトッチャン坊や」であると言えよう.
そんなのを擁護する奴が,日本にも僅かだがいる(例:西部邁)なんて,そいつら正気とは思えないんだが.
【質問】
ビン・ラーディンが「敵」と認識している対象は?
【回答】
イスラーム教徒以外は全部敵!ってな御様子.
以下,根拠.
ウサーマが支援したアフガン義勇兵の活動が広い範囲で展開されたということは,ウサーマの想定する敵が,「キリスト教徒」「ヒンズー教徒」「ムスリムの独裁政権」と非常に多岐に渡ることを示している.
アラブ義勇兵達が,反ソ・ジハードの終了後も戦い続けた理由を知るため,ウサーマ〔の解釈〕による現代のムスリムの状況を引用する.
「ユダヤ教徒とキリスト教徒の結束した敵意によってムスリムが攻撃され,パレスチナ,イラク,レバノン,タジキスタン,ビルマ,カシミール,フィリピン,ソマリア,エルトリア,チェチェン,ボスニア・ヘルツェゴビナで流されたムスリムの血が,最も安い血と成り下がってしまったことは,隠すことができない…」※
ウサーマは,ムスリムは世界の各地でキリスト教徒やユダヤ教徒によって抑圧を受け続けている,と考えている.
※ビン・ラーディンの声明(1996年8月22日付)
(中村覚=サウディアラビア学者 from 「だれでもわかるイスラーム」,
河出書房新社,2001/12/31, P.94)
さらに,アル・カーイダの影響下にあった頃のターリバーンのやり方を見ると,
「俺様解釈のイスラームに逆らう奴らも敵だ!」
といった感じでシーア派などを迫害していたことから,ビン・ラーディンの「敵」とはぶっちゃけ,
「俺様の考えに合わない奴ら全部」
ということになりそうだ.
つーことは,地球人口の99%が「敵」に該当しそう.♪私もあなたもみんな「敵」.
【珍説】
テロ行為は復讐であっても決して許されるものではない.
だが,アメリカ人にとってムスリムは虫けらだというビン・ラーディンの叫びには,耳を傾ける必要がある.
かつてイスラエル人とパレスチナ人が捕虜交換されるときには,1人対数十人という,人間の生命の「不等価交換」が平然と行われたこともあった.
(臼杵陽 from 「ポストコロニアリズム」,作品社,2001/11/25,P.166,抜粋要約)
【回答】
この不均衡は,
「たとえ死体であっても,仲間の救出にはイスラエル軍は全力を尽くす」
という性格の足元を見た,パレスチナ・ゲリラ側の交換比率吊り上げの結果なのだが…….
【質問】
ビン・ラーディンに過激ジハード思想を植え付けたのは誰か?
【回答】
エジプトのイスラーム過激派メンバー達だと考えられている.
例えば,イスラーム地域研究家の宮田律は,次のように述べている.
もとよりビンラディンなど80年代にアフガニスタンでソ連軍と戦ったアラブ義勇兵たちには,「反米」や「反イスラエル」などの目標はなかった.
そこに「ジハード」や「殉教」などの概念を植え付けたのは,エジプトのイスラーム過激派のメンバー達だった.
1993年に起きたニューヨーク世界貿易センター爆破事件の犯行の教令を出したとされるオマル・アブデアル・ラフマーン師も,1980年代中期からアフガニスタンに出入りし,「ジハード」の概念を説いていった.
ソ連軍に対して「ジハード」を説くエジプトのイスラーム過激派は,米国の好感を得るものだったことは間違いなく,米国はラフマーン師に「グリーン・カード」を与えたりしている.
( from 「だれでもわかるイスラーム」,河出書房新社,2001/12/31, P.83)
米国の外交施策が「場当たり的」と批判される所以である.
【質問】
「ムハンマドのフィクフ」とは?
【回答】
内容は不明だが,アル・カーイダのメンバーだけに通じる教義である可能性が高いという.
なお,「フィクフ」は通常「イスラーム法学」と訳される.
詳しくは朝日新聞アタ取材班著「テロリストの軌跡 モハメド・アタを追う」(草思社,2002/4/25)p.96を参照のこと.
▼ また,
保阪修司「オサーマ・ビン・ラーデン主義は存在するか」
によれば,オサーマは2002年12月13日に放映されたビデオで次のようにいっているという.
>「彼ら(実行犯)達には,今日の通常の意味での知識やフィクフがない.
> しかし彼らは,預言者ムハンマドがもたらした意味でのフィクフをもっていた」
そして保阪は,以下のように推測している.
――――――
おそらく常識的な意味でのフィクフとムハンマドのフィクフというのは異なるものなのであろう.
そして,オサーマ的には後者のほうが明らかにより正しく優先すべきものであったにちがいない.
彼らの目的を達成するためには,通常のイスラームの戒律を遵守する必要はなく,より重要なムハンマドの法――それが何なのかは具体的に明示されていないが――を守るべきだということだ.
オサーマの理解では,ムハンマドのもたらしたフィクフでは,報復として数千人の無辜の民を殺害することが許されるのであろうか.
これは多くの日本人には,オウム真理教が,無差別殺人を正当化する根拠とした秘密金剛乗を思い起こさせるだろう.
〔略〕
もし,ムハンマドのフィクフが,オウムの秘密金剛乗と同様な役割を果たすのであれば,これこそがイスラームでも,ワッハーブ派でもなく,またムスリム同胞団でもない,オサーマ・ビン・ラーデン主義であるのかもしれない.
――――――
どっちにしろ,狂気じみていることに違いはない.▲
【珍説】
平等主義で,快楽否定で,大国の侵略には武装闘争も辞さぬ構え…
なんだこりゃ,アメリカが今,戦ってる相手に似てるじゃないか!
〔ビン・ラーディンの顔と,AK突撃銃やRPGを構えるアラブ人達の絵〕
(小林よしのり from SAPIO 2004/2/25号,p.66)
【事実】
アル・カーイダが事実上ターリバーンを乗っ取っていた頃の,アフガーニスタンにおけるターリバーンの政策を観察すれば,あるいはスーダン政府の現在の政策を見ればすぐに分かることですが,小林の見方はアル・カーイダについて何も知らないに等しいようです.
まず,アル・カーイダは平等主義ではありません.
末期のターリバーン政権を見れば分かるように,ほぼオマル独裁に等しい状態でした.翼賛的な評議会しかなく,しかもメンバーは殆どパシュトゥン人でした.
また,彼らにとって異端と見られたシーア派は酷く迫害されていました.
スーダンのバシール政権も独裁を行っていますし,民兵を使い,ダルフールで虐殺を行っているのは広く知られた事実です.
さらに,「コーラ買ってこい」の一件からも分かりますように,黒人差別すら存在するようです.
ビン・ラーディンが敵としているのは,大国の侵略というわけでもありません.
別項に示すように,彼がこうだと見なす範疇に納まるイスラーム教徒以外は,全て敵だというのが彼の姿勢です.
それは大国アメリカだろうが,そうでないジャマイカだろうが変わりません.
実際,アル・カーイダ「イラク支店」のザルカウィ・グループは,小国フィリピンの人間だろうが,イスラーム国イラクのシーア派だろうが殺しまくっておりますし.
総じて小林のこの見解は,ビン・ラーディンを美化し過ぎですな.
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