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◆◆◆◆補給艦船事情
<◆◆◆テロ特措法関連
<◆◆日本のテロ対策
<◆テロ対策
テロリズムFAQ目次


(こちらより引用)


 【お願い】
 某所で,補給艦船に関する記述に関し,再反論があったようですが,言葉尻をとらえての叩きになっている印象が否めません.
 また,以前の御自身の記述を失念しておられるかのような記述も見られます.

 この再反論に対しての再々反論はすでに受けとっておりますが,あえて今は全ては掲載いたしません.
 このままでは単なる口論になると危惧するからです.
 しかもインド洋給油活動の是非という,本件の本筋から離れてきています.

 有益な情報もない,本筋から外れた口論は誰も望まないし,見ないでしょう.


 論争では無く,まして口論でも無く,あくまで情報交換のための,何らかの根拠に基づいた有益な議論をお願い申し上げます.
 編者個人といたしましては,新法についての御意見など賜れば幸いです.

 なお,本【お願い】は適当な時期を見て抹消します.


 【質問】
 インド洋で行動している主要各国が持つ補給艦(高速戦闘支援艦(AOE)及び給油艦(AO))は?

 【回答】
 現在,「海上阻止活動」(OEF-MIO)に参加している国は,米,英,仏,独,日,パキスタン,カナダ,ニュージーランド.

●アメリカ
サプライ級×4(満載4万9千トン)
H・J・カイザー級×15+1(満載4万トン)

内,カイザー級の二重底型は3隻.

●イギリス
フォート・ヴィクトリア級×2(満載3万6千トン)
ウェーブ・ナイト級×2(満載3万1千トン)

 他,艦隊随伴サポートタンカー(リーフ級×4,ローバー級×2)有り.
 但し小さい.

●日本
とわだ級×3(満載1万5千トン)
ましゅう級×2(満載2万8千トン)トン数は推定

 基本的に「とわだ」級は日本近海での作戦しか想定していない為,小さい.

JSF in mixi

 ※これら艦艇が現在,すべてOEF-MIOに参加しているというわけではないので注意.

『とわだ』 をこんなに間近に見たのは初めてだよ……@呉基地公開時

ベタ藤原 in mixi,2011年03月08日04:46
青文字:加筆改修部分

Supply級
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 補給艦を出している国は?

 【回答】
 増田好平・防衛事務次官によれば,
>始めは日本のほか,米,英,仏,独の5か国だったが,今は,日,米,英の3カ国
とのこと.

Combined Task Force 150
http://en.wikipedia.org/wiki/CTF-150
>Germany: Mecklenburg-Vorpommern (F218) (frigate), Rhon (A1443) (tanker)

 ドイツは以前,CTF150に給油艦A1443「レーン」を出していました.

 フランスがよく分かりません.スペインの補給艦の間違いでは.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
 麻生さんの本で
「米国などの艦船に対して海自がインド洋で給油活動をしており,海自は至難とされるパラレル・リフュエリングをいとも易々こなし,各国ネイビーから賞賛を集めております」
とありますが本当でしょうか?
 所詮は給油活動とみられているのではないでしょうか?

 【回答】
 洋上給油/補給はかなり難しい作業なので,それを易々とこなせば「凄いな・・・」という賞賛を受けられるのは必然.

 軍隊にとって後方支援は大切・・・というか近代軍隊にとって補給を初めとした後方支援活動こそが軍隊の全てで,戦闘は余興みたいなもの.
 弾がなければ戦えないし,燃料がなければ動けない.食料がなければ兵士は生きられないのだから.

 ・・・ただし,軍人が将校から兵卒まで全員その認識を持ってるとは限らないので,
「所詮あいつらなんかただの便利な洋上ガソリン屋じゃないか」
と思ってる「各国ネイビー」がゼロだとは言い切れない.

 日本で報道されて・・・されてはほとんどいないけど,それよりはずっと世界的には評価されてる筈.

軍事板

 また,古庄幸一・元海自幕僚長は以下のように証言している.

--------------
 二年前,練習艦隊司令官として世界一周練習航海をした柴田雅裕将補(現在は掃海司令)は報告書で次のような体験を述べています.
 フランスを訪問した際,フランスの海軍参謀長が柴田将補の表敬を受け,インド洋作戦のお礼と感謝の気持ちだと称して燃料の無償提供を申し出たのです.
「あのときはうちの船が世話になったから,今度はこちらがする番だ」
ということです.
 また,ドイツ訪問時にはドイツ統合作戦司令部の副司令官が夏季休暇中にもかかわらず,
「かつて世話になったシバタが来るなら受けないわけにはいかない」
と休暇を返上して表敬を受けてくれたと.
 そおのほかにも各国海軍の集まるレセプションにいけば,
「インド洋では大変お世話になっている」
というのが挨拶の枕詞になっているほどなのです.

―――(WiLLl12月号「テロ特措法中断で日本が失うもの」より)

 以下はジルダ・ル・リデック駐日フランス大使の評価.

[quote]

 [大使]フランス政府としては大変,高い評価をしており,そのことを日本政府に度々,様々な形で伝えています.
 ここ数週間では私から高村外相にニューヨークの国連総会で,国防大臣も石破防衛相にそれぞれ「対テロへの日本の支援は必要不可欠である」ことを伝えました.
 日本の防衛省の数字では最近(今年4月以降),日本からの給油は米へ30%,残り70%のうち48%はフランス向けでした.
 フランスは全体の33.6%で米国をしのぐ勢いです.
 日本の恩恵に浴しているということです.
 ですから,特措法の結果によっては(日本が撤退すると),フランスとしては,かなりダメージを受けます.
 コスト面でも給油が簡単にできなくなり,憂慮しています.
 私共はアフガンでの活動を続けなければならないので,日本からの給油の代替案を考えなければならないかも知れません.

2007年10月30日 メディア・レボリューション

[/quote]

 グレアム・フライ駐日イギリス大使の証言.

[quote]

[大使] 日本の補給艦は非常に重要な役割を果たしていて,もし,日本の補給艦がなければ,油の補給のために各国の船は港に入らざるを得なくなる.
 そうなると,当然,その間,元々の役割を果たせないという事になり,効果・効率は悪くなるという,直接の効果(影響)は出ると思います.
 そういう意味で(日本は)非常に貴重な役割を果たしています.

[/quote]
―――2007年10月30日 メディア・レボリューション

 「海自に対する技能面の評価」とは,ずれるが.


 【珍説】
 インド洋での洋上給油は,へっぴり腰の後方活動.

鳩山由紀夫・民主党幹事長代行

 【事実】
 本日(2007/8/23)21時のNHKニュースのなかで許せない発言があったため筆をとりました.
 発言の主は,民主党鳩山由紀夫幹事長代行で,内容はテロ特措法における海自のアンレップ(洋上給油)に対する侮辱です.

 発言主は,アンレップを言うに事欠いて「へっぴり腰の後方活動」と断言しました.
 これは,任務のために数か月も愛する家族,恋人,友人と会えず,ひたすらテロの危険がある海域にてテロ封じ込めの一翼を担い,頑張っている隊員たちへの侮辱に他ならない.
 海自には大型補給艦が少なく,すでに何回も任務に就いている隊員もたくさんいます.

 もともと,後方活動は人目につきにくく地味な仕事ですが,過去・現代において無くてはならないものです.
 そういうことへの無知で今後政権政党たろうとするなら,とんだお笑いです.

 話がそれましたが,訓練のための訓練をしている自衛隊にとってアンレップとハイライン(洋上補給)は「実戦」です.
 毎年,ミサイルも発射しますが,目標は無人機,ミサイルも訓練弾.射撃・アスロックにしてもしかりです.
 その中でアンレップ・ハイラインは実際に給油し,人貨を移送します.
 人と人,まして言葉の違う他国海軍との行動ですので海自艦艇どうしとは全くとは言わないまでも違いがあるはずです.
 その任務を「へっぴり腰」とは・・・

発言者に猛省を望みたい!!

 防衛省,特に海自は発言の撤回や謝罪を要求すべきです.
 実際に議員団を乗艦させて,いかなることが洋上で,しかも原速程度で航進しながら行われているのか「見学」させてやるべきだと思います.

 自衛隊を政争の具としないでもらいたい.

 乱文乱筆ですみません.どうしても許せなかったもので.

(元海自ミサイル員)

 ⇒ちなみに,二十一日から衆議院テロ防止・イラク支援特別委員会の浜田靖一委員長以下委員五名がUAE,クウェートを視察しており,現地の海自部隊の視察も行なっています.
 他の参加者は渡海紀三郎,石破茂(自民),神風英男(民主),赤嶺政賢(共産)です.艦に乗ったのでしょうかね?

 鳩山さん,さくらパパの賭博事件もみ消しに,物言えぬ自衛隊を利用ですか?
 隊員はもちろんですが,耳にすることになる隊員のご家族の気持を考える余裕がないほど,切羽詰っているようですね.

(エンリケ)

おきらく軍事研究会,平成19年(2007年)8月27日

▼ 【追記】
 鳩山さんは懲りていないようですね.
 2009年1月のメルマガでも,こんなことを言ってますね.

――――――
 その概略を申せば,アフガニスタンとパキスタンの国境付近のある地域を対象に経済特区を作り,その地域に非武装の国連軍事監視団を派遣して安全を構築しつつ,将来的にこの地域の経済を発展させて平和の拠点とするものです.
 犬塚議員の話では,この提案は両国の政府要人にみな,喜んで受け入れられたとのことです.

 私はこの提案を実現させて,日本の支援が単なるへっぴり腰の給油支援というあり方ではなく,たとえ危険が伴うものであっても,実際にアフガニスタンやパキスタンの国益になるものにしつらえたいのです.
 オバマ大統領,この提案はいかがでしょうか.
――――――

 好きなんですかね,へっぴり腰って言葉が.

kitamoto@潜伏中 in 「軍事板常見問題 mixi支隊」,2009年07月21日 00:22

 「丸腰」大前提とは……
 では,まず民主党議員で有志を募って,御自分で「丸腰」でボランティアを行ってみてください.


 【質問】
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20071022-02-0801.html
には
>一回の補給作業は1.2時間から4時間
って書かれてますが,一回の作業時間が4時間もかかって,作戦行動うまくいくのですか?
 4時間もかかってたら臨機応変な対応とかできないんじゃないんですか?

 【回答】
 港まで戻って補給することを考えたらずっと早い.
 補給はローテーションを組んで行うので,補給作業に掛かる時間も
計算に入れて作戦計画は立てられる.

 作業中は一応,他の艦艇が護衛に付いてるし,緊急事態になったら給油を中断して,回避なり反撃なりできる.
 最前線で戦闘しながら補給作業している訳じゃないので.

軍事板


 【質問】
 政治系の板やブログなどで以下のような説が唱えられているのですが,どうなのでしょうか.

http://tmp6.2ch.net/test/read.cgi/asia/1190136497/7
>さて,「高速戦闘支援艦」を持っているのは,以下の5国しかありません.
>そして,日本の高速戦闘支援艦保有数は,世界最多です!

> ・アメリカ  4隻(2004〜5年に旧式艦4隻が退役し,数が減っています)
> ・スペイン  1隻(他国と共同で追加建造中)
> ・英  国  2隻
> ・ド イ ツ  2隻(ただし低速低性能)

> ・日  本  5隻

 海外派遣を今まで考えていなかった日本が,アメリカやイギリスなどより洋上補給体制が整っているとは思えません.
 けれどこのコピペはあちこちに貼られて,信じられているようです.

 【回答】
 アメリカの場合,サクラメント級がすべてリタイアしてしまったので,現時点では事実.
 海自の給油問題がらみだろうが,アメリカは給油艦やら他の補給艦も含めれば結構沢山持ってる.
 給油艦ならアメリカは15隻(他予備艦1隻).

 てか,「高速戦闘支援艦」をテロ特措法の理由としてこじつけるのはどうかと思うがな(笑)

軍事板

>3隻(H・J・カイザー級改)は民間業者に運営させているので,
>インド洋のような危険海域には投入できません.

 嘘.
 民間人による運営は確かだが,カイザー級はペルシャ湾にすら入っている.
 もちろん,インド洋でも行動している.

>英国は1隻を派遣していますが,自国艦船の補給で手一杯です.

 いいえ,現在インド洋に2隻派遣しています.

>日本海の荒波にもまれた海上自衛隊は,今回の任務に最適な艦を5隻も保有しています.

 その5隻は小さいので,サプライ級2隻よりも合計トン数は軽いですよ.

>また,このクラスの最大速度は〜〜

 速度差は米海軍相手以外では意味が無い.
 パキスタン海軍を相手に給油をする場合,どちらみち相手の巡航速度は14〜16ノット.
 巡航速力20ノットという海軍は日米以外に存在しない.

軍事板

 米海軍は一度に4隻の空母を一つの海域に短期間のうちに送り込む能力があったりします.
 当然,空母群を作って送り込むわけですから,それを支える補給艦もそれなりに動ける態勢にあることは明らかですね.
 インド洋の多国籍軍の任務部隊を支援する能力が無いという主張は,些か妥当性を欠くように思われます.

 また,英国海軍補助艦艇部隊のウェーブナイト級2隻はそれぞれ就役してから数年内の新しい船です.
 最高速力こそ18ノットですが,これは高速で走りながら給油する必要を感じていないためでしょう.
 こちらの見出しではウェーブ級としていますので参考までに.
http://www.naval-technology.com/projects/wave/

 ちなみにイタリア海軍には,少なくとも3隻以上の給油艦がいるようです.
http://en.wikipedia.org/wiki/Marina_Militare#Auxiliaries

 このうちのエトナについては以下に記述あり.
http://www.naval-technology.com/projects/etna/

 ヴェスビオは一番下の写真に登場しています.
 ストロンボリは艦番号からすると略同型か同型なんでしょうか?

 まぁ,詳しいことはお近くの大学図書館なのでJanesの最新か2,3年内の年鑑をみると出ていると思いますが,
 外洋で航走しつつ給油できる能力を有する船を持つ海軍は多いと思います.

 インド洋や紅海での給油支援については米海軍や他国の海軍の能力の問題ではなくて,日本の政治の決断の問題です.

軍事板

 上記問題に関連して,地球の裏側 ◆/lYVcP7um2 氏(南米海軍軍属)のコメント三点出ていました.
 なお,各艦の片舷あたりの給油能力比較,他国の給油艦及び高速戦闘支援艦の動静も指摘されていた模様です.
 転載しますので軍板的にチェックして頂ければ.

--------
 〔略〕
 単に給油が出来れば宜しいと言うのなら,ULCCに燃料油を満載してインド洋に浮かべ,停泊横抱きで給油すれば良い.
 別にAOEもT-AOも必要ない.
 そういう給油は漁船などでは極普通に行われている.
 それができない事情があるから,AOEが必要になって来る.
 それを勘案せず,単純な数合わせで,何かを誘導するのは,無駄ですね.

 さて,米海軍カイザー級T-AOの問題は2重底改造が3隻しかないため,艦隊随伴で,米本土か在外基地からの発着で運用する以外に無い.
 単独でステーションして補給活動を行い,補給燃料が無くなったら,最寄りの一般港湾に入港,燃料積み取りして,再度ステーション位置に戻る,っていう運用が上記3隻以外できない.

 海洋汚染に関する国際条約の改訂で,タンカーのダブルハル化が前倒しされ,最短では2005年4月5日,最長でも2010年の引き渡し日までに,ダブルハル化が義務づけられた.
 仮に載貨油重量でカテゴリー3にカイザー級が分類されたとしても,2010年までには,全てダブルハル化しなければ航海ができなくなる.
(ただし,軍艦には適用されないかも知れない.)

 それとは別に,この改訂を受けて,各港湾では,規制前倒しの形で,シングルハルタンカーの閉め出しを始めてる.
 アジアではシンガポールが例として挙げられるし,去年からパナマもシングルハルタンカーの通峡を認めて無い.
 つまり,カイザー級の場合,航海は可能かも知れないが,補給物資積み取りのための寄港が不可能な処があるという事.
 イラク戦にカイザー級が随伴しても何の不思議も無いが,今の自衛隊補給艦のような運用はできない.
 カイザー級を随伴させてる米艦隊は,作戦継続の為には自衛隊補給艦から燃料を洋上補給の形で融通してもらう他は再補給の方法が無い.

 これを言い換えれば,現在の兵站作戦での鍵を自衛隊補給艦が握っている事になる.
 この仕事は英艦隊タンカーも可能だが,なんとしても速力が遅い.
 ガスタービンに供給できるレベルの燃料を精製している処は多く無いから,場所によっては2日とか3日/1再補給の差ができる.
 これは現在展開中のフリゲート/駆逐艦の燃料搭載量VS燃料消費量を勘案すれば,かなり怖いし,行動にも制約が大きくなる.

 つまり,カイザー級を投入しても,現在展開中の作戦における問題解決には寄与しない事になる.
 もちろん艦隊随伴として,米本土もしくは海外基地からの発着運用は可能だが,それで,切れ目無い補給を継続する為にはどれだけの数が必要か,考えてみたら良い.
 確かにディエゴガルシアには米軍基地があり,カイザー級の再補給もそこで可能だが,ディエゴガルシアの燃料は備蓄物であって,外部から搬入しなければならない事を忘れては困る.
 結局,上で述べた,根拠地発着の運用と同じ事になるのは判るだろうか?

 こんな説明で判るかな?
 カイザー級16隻あっても全部は使えないのが判るだろうか?
--------

他板のROM in FAQ BBS

>というわけで,事実上,インド洋を西から東へ駆け回って補給行動を出来るのは,17隻しかない.
 そのうち,本来のAOEと呼べるものは,11隻.全西側世界でだ.
-----

 パキスタン海軍のオランダ製プールスター級補給艦「モーウィン」はその中に入れて良いはずです.
 少なくとも6月に晴海埠頭で見掛けた時は健在でした.

 また,海上自衛隊は給油と給水を行っているわけで,給弾や給糧を行っていないのなら,何もこの任務はAOE(高速戦闘支援艦)でなくてもAO(給油艦)で可能な任務です.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 以上,両説ともソース不明の部分が多く,真偽がはっきりしないため,両論を併記する形にしておくものとする.

 ただし,海自撤収によって作戦効率が低下するだろうという意見は,確かにある.
 以下引用.

[/quote]
海自撤収で作戦効率低下=停泊補給増加,「テロの危険も」−米高官
2007年10月31日8時1分,時事通信


 【ワシントン30日時事】米国防総省高官は30日,インド洋で給油活動を実施している海上自衛隊の艦艇が現行のテロ対策特別措置法の期限切れに伴い撤収する見通しとなったことについて,
「他の艦艇が港に停泊して補給を受ける時間が増え,柔軟性が損なわれる」
と述べ,作戦の効率性低下は避けられないとの懸念を表明した.
 同高官はまた,2000年にイエメンのアデン港で燃料補給中だった米駆逐艦「コール」が爆破された事件に触れ,「港での停泊が増えると,それだけテロ攻撃の標的となる危険性も増す」と指摘した.
 ただ,国防総省のモレル報道官は記者会見で,「米軍が必要とする燃料は代替手段により確保していく」と述べるとともに,対アフガニスタンの「不朽の自由作戦」全体に大きな支障は生じないとの見方を示した.
 〔略〕
[/quote]

 【質問】
 英海軍のウェーブ級は確かに新造艦であり,搭載量も大きいが,ハイラインポストが左舷2基,右舷1基と少ない事から,艦隊随伴補給艦としては機能するが,インド洋での補給作戦では少々厳しいのでは?

 【回答】
 この説明は理解できない.
 艦隊随伴艦として艦隊内の多くの艦に短時間で補給するならばポストが多い事は有利な点だが,今回の作戦はそうではない筈.
 MSOは大艦隊を組まず洋上警戒行動をしているのだから,補給活動はインド洋上に分散した味方艦艇に行う事になるわけで,ウェーブ級がましゅう級よりハイラインポストが半分だからといって問題になるとは思えない.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【珍説】
 フォート・グランジは既に退役した筈だ.
 2003年版The Royal Navy Handbookにすでにその名は記載されていない.

 【事実】
 フォート・グランジは名前を変更してフォート・ロザリーになっています.
http://ships.toysoutofthepram.com/html/rfa_fort_rosalie_a385.html

 新型補給艦フォート・ジョージと名前を混同して郵便誤配事故が多発したため,古い方のグランジは改名させられました.
 まだ現役です.

 でも,そもそもこのクラス(A385ロザリー,A386オースティン)は給油艦ではなく給兵・給糧艦であり,真水は補給できても給油能力は無い筈です.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
----- ----- ----- -----
 説明:ヘンリー・J・カイザー級は全16隻あるが,このうち2重底改造を受けたのは,「ララミー」「パタクセント」「ラパハノック」の3隻のみ.
 米国内においての再補給ならば問題無いかも知れないが,インド洋で,最寄りの港での再補給は,2重底でないタンカーの場合,事実上再補給寄港は不可能.
 従って,インド洋の作戦に派遣出来るT-AOは上記3隻のみ.
----- ----- ----- -----

……という記述を見たのですが,「インド洋で,最寄りの港での再補給は,2重底でないタンカーの場合,事実上再補給寄港は不可能」というのは本当ですか?

 【回答】
 上記説明を否定する内容が出てきました.
 ただしピースデポの主張ですが.

http://www.peacedepot.org/media/pcr/mediarelease4/oil2.htm
>◆要点2.キティホーク,カウペンスに給油した後,
ペコスは直ちにフジャイラ港で大量の油の補給を受ける.

 カイザー級で一重底の給油艦ペコスが,最寄のフジャイラ港で給油したとあります.

>●調査の方法
>2004年から2006年にかけて入手した米海軍給油艦ペコス
>(T-AO197)の航海日誌を主として分析,艦位に関する情報を
>得るために米空母キティホーク(CV63)の航海日誌を援用した.

 根拠がこれであるならば,引用が正しいならば信用が置ける情報です.
 引用が正しいならば.
〔航海日誌全文も同サイトにPDFファイルで掲載されているが,それを読んだ限りでは,特に不審な点は無し〕

 したがって,2重底の有無は寄港可能かどうかには無関係です.

以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より


 【質問】
 リーフ級は今回の作戦には使えないの?
 以下のようなレスを見かけたんだけど.

豪州海軍:
ゼロ

 説明:豪海軍が所有するAOEは旧英海軍のリーフ級,「アップルリーフ」に他ならない.上記理由で無理.

 【回答】
 ピースデポの主張によれば,

http://www.peacedepot.org/media/pcr/mediarelease4/oil2.htm
 それ以後,ペコスは3月4日にはジェベル・アリ(アラブ首長国連邦)で油を補給したり,英海軍のタンカー「オレンジ・リーフ」から給油を受けたりしながら,3月15日までずっとペルシャ湾内における給油活動を継続した.
----

 イギリスはウェーブ級どころかリーフ級まで投入していた事が分かります.

●調査の方法
2004年から2006年にかけて入手した米海軍給油艦ペコス(T-AO197)の航海日誌を主として分析,艦位に関する情報を得るために,米空母キティホーク(CV63)の航海日誌を援用した.

 根拠がこれであるならば,引用が正しいならば信用が置ける情報です.
 引用が正しいならば.
〔航海日誌全文も同サイトにPDFファイルで掲載されているが,それを読んだ限りでは,特に不審な点は無し〕

 また,リーフ級は湾岸戦争でもイラク戦争でも投入されています.
 まるで使えないかのような言い方はおかしい.

http://hush.gooside.com/Text/0A/05O/O84aOre_.html
 キャメル・レアード/バーケンヘッド造船所で建造されたイギリス民間タンカー,ハドソン・プログレスorバルダー・ロンドンを1982.4,海軍が徴用しアップルリーフ級給油艦(/,A110)オレンジリーフと改名
84.3/26購入
5/2再就役
85艦隊支援部隊に移管の上近代化改装
86.5/2再就役
90湾岸戦争によりペルシャ湾進出
91.3/22ポーツマス帰投.

http://www.peacedepot.org/media/pcr/mediarelease4/oil2.htm
 それ以後,ペコスは3月4日にはジェベル・アリ(アラブ首長国連邦)で油を補給したり,英海軍のタンカー「オレンジ・リーフ」から給油を受けたりしながら,3月15日までずっとペルシャ湾内における給油活動を継続した.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【珍説】
豪州海軍:
 〔インド洋で活用できる補給艦は〕ゼロ

 説明:豪海軍が所有するAOEは旧英海軍のリーフ級,「アップルリーフ」に他ならない.上記理由で無理.

 【事実】
 リーフ級については別項参照.

 また,オーストラリア海軍には昨年,新型艦補給艦シリウス級が就役している筈ですが.
http://www.navy.gov.au/ships/sirius/
http://en.wikipedia.org/wiki/HMAS_Sirius

 そもそもオーストラリア海軍はOEF-MIOに参加していないですね.
 持ち出すこと自体が無意味かも.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
 インド洋では一重底タンカーが「現在では」活用できない理由として,国際条約による汚染防止条項もあると聞きましたが?

 【回答】
 これのことかな?

「国土交通省」:タンカーのダブルハル化促進に関する検討会

 平成14年11月にスペイン沖にて発生した油タンカー「プレステージ」号の大規模油流出事故を契機に,平成15年12月4日,国際海事機関(IMO)において,ダブルハルタンカーの導入促進等を内容とする海洋汚染防止条約の改正が採択され,平成 17年4月5日の発効が予定されています.

ゆきかぜまる

 一方,
シングルハルタンカーのフェーズアウト規制内容の推移(MARPOL条約付属書I13G規則)
によれば,H・J・カイザー級はカテゴリー2に相当.2010年まで猶予がある,とも読めます.

JSF

以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より

 米海軍サイトのPhotoページで検索かけると,インド洋やペルシャ湾,紅海,地中海などで給油活動している一重底AOの写真が出てきます.

USNS Leroy Grumman (T-AO 195) 2007年9月 インド洋

USNS Kanawha (T-AO 196) 2007年5月 インド洋

USNS Tippecanoe (T-AO 199) 2005年 ペルシャ湾

USNS Walter S. Diehl (T-AO 193) 2005年 ペルシャ湾

 とりあえず2005年まではペルシャ湾で,2007年にもインド洋で一重底AOが給油活動中.

BMP in FAQ BBS

 なお,「地球の裏側氏のサイトより転載された」記述によると,各港での対応は,規則と言うより,ポート・オーソリティーの判断の方が大きく,ポート・オーソリティーが入港不適と判断したら入港できないという.


 【質問】
 速力が低い給油艦(AO)では,速力の速い高速戦闘支援艦(AOE)に比べ性能に大きな差があり,インド洋補給作戦には向いていないのでは?

 【回答】
 ガスタービン機関を積んだ「サプライ」級や「ましゅう」級のようなAOEならば最高速力24〜26ノット,巡航速力20ノット以上を余裕で出せます.
 ディーゼル機関のAOE,「フォート・ヴィクトリア」級や「とわだ」級は最高速力22ノット,巡航速力18ノット.
 それに比べディーゼル機関のAOである「H.J.カイザー」級や「ウェーブ・ナイト」級は最大速力18〜20ノット,巡航速力14〜16ノット.

 (ディーゼル機関の特性上,巡航速力を落とした方が燃費は良い.
 ガスタービン機関の場合は出力を抑えても全開にしても大きく燃費は変わらないが,艦隊速力20ノットという海軍は日米だけなので,これ以上速くしてもあまり意味は無い)

 AOEとAOでは巡航速力に5ノットの差があるとして,1日で120カイリ.20ノット移動ならば6時間で行ける距離の差です.

 そして海上自衛隊が活動している領域は,インド洋の中でもアラビア海付近(パキスタン,イエメン,オマーン沿岸)で,ベンガル湾は関係無いですし,インド洋中央のチャゴス諸島周辺はディエゴガルシアの米英が居るので出張る必要がありません.
 海上自衛隊の担当する作戦海域そのものはインド洋の一部に限定されています.
 面積からいけば日本海よりもすこし広いくらいです.
 インド洋全てを縦横無尽に走り回るなら速度差は大きく影響してくるでしょうが,今回の作戦でそれほど問題になるとは思えません.

 また,前述したように「とわだ」級は元々日本近海(小笠原周辺海域まで)での艦隊行動を想定して建造された為,船体規模そのものが小さく,「サプライ」級の三分の一以下の大きさしかありません.
 つまり両方とも洋上補給を受けないで活動したとすると,「サプライ」の燃料が空になるまで活動している間に「とわだ」は三回以上,陸地の港で燃料を補充する必要があります.
 一回,陸地の港で補給して現場に復帰するまでに三日以上は掛かりますし,それが三回ならかなりの日数です.
 また,港に居る間が最もテロ攻撃に弱い状態であり,頻繁に入港せざるを得ない小型艦はテロに遭う危険性が高いといえます.

 「ましゅう」級についてはまだ2隻と数が少なく,常時1隻をインド洋に送り込むには数が足りません.
 遠隔地で海上自衛隊の補給艦を活動させ続けるには,「とわだ」級3隻を含めてローテーションさせても,正直厳しいものがあります.
 船の数も足りないのですが,乗組員の数がまるで足りません.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 【珍説】
 5Kt差で120海里,20Ktで6時間だそうで・・・その6時間でタービン艦はどれだけの燃料を消費する?
 補給を受けなければ,作戦継続ができない艦が,6時間,20Ktで走り続けられるのかね?
 仮にそれが出来ても,天候や海況で補給が出来なかったら,補給が可能になるまでの燃料はあるのかね?
 補給艦の速度が重要な意味を持つという論旨をずらそうとしてもだめだね.

軍事板

 【事実】
 いえ,そういう話をしているのでは無いんです.
 単純に「作戦海域がそれほど広くない」ので,高速巡航性の利点は薄い,と言っているんです.
 AOEなら早くて確かに便利だけど,AOでも十分に任務を行えるよ,という話です.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
 別項目では,イタリアの補給艦に付いて.

>ちなみにイタリア海軍には,少なくとも3隻以上の給油艦がいるようです.

と書かれてますが,エトナ級やストロンボリ級は給兵艦では?

 【回答】

 いいえ,補給艦です.
 イタリア海軍は給油艦を7隻保有していますが,その中でも

・エトナ Etna (A 5326)
・ストロンボリ Stromboli (A 5327)
・ヴェスビオ Vesuvio (A 5329)

を主力補給艦として運用しています.
(エトナ級×1,ストロンボリ級×2 ヴェスビオはストロンボリ級)

 分類としてはエトナがAOE,ストロンボリ級がAOに相当します.

 エトナ級は満載排水量約13500トン.最大速力21ノット.日本の「とわだ」級AOEより若干小さめの補給艦で,代わりにヘリ格納庫があります.

 ストロンボリ級は満載排水量約9000トン,最大速力18ノットの小さ目の給油艦です.

 余談ですがストロンボリ級にはストロンボリ,ヴェスビオ以外にもう1隻あり,これは新規発注でイラク海軍に売れました.
 ですがイラン・イラク戦争の影響で回航途中にアレキサンドリアで拘留され,引き渡されていません.

・パナレーア Panarea (A 5370)
・リノザ Linosa (A 5371)
・ファヴィニャーナ Favignana (A 5372)
・サリーナ Salina (A 5373)

 これらの補助タンカーはストロンボリより能力が低いので,インド洋への投入は難しいでしょう.

 しかしエトナ級を給兵艦扱いされたらイタリア海軍,泣くぞ.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 【質問】
 航続7600海里と4000海里の艦で何をするつもりかね?

 【回答】
 給油艦ですから,給油用の燃料を使えば幾らでも航海可能な気もしますが・・・
 7600海里や4000海里で何が不満なんです?
 イージス艦で大体,航続距離4000海里くらいです.

JSF in FAQ BBS

 【珍説】
 航続7000海里じゃ,〔エトナ級は〕インド洋縦横に走り回るわけにも行かんだろ.
 〔だから今回のMSOには使えない〕

軍事板

 【事実】
 〔航続7000海里は,〕とわだ級と同程度ですが何か?

軍事板

 じゃあ,同じくらいのとわだ級も駄目ってことになりますね.
 ましゅう級でも(巡航速度によりますが)9000海里くらいです.

 それと作戦海域なんですが,実際に見てみるとそんなに広いわけじゃないですよ.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 【質問】
 ストロンボリ級は確かにタンカーって言っても良い.
 でもね,ちゃんとバートレップやるって書いてあるんだけど?
 スペックには無いが,バートレップするだけのカーゴは持ってるはずだよね?.8700tの艦に.

軍事板

 【回答】
 図面見れば基本タンカー設計に,限定的にバートレップでドライカーゴ輸送できる艦だとすぐ分かります.
 基本は給油艦(AO)です.
 アメリカのヘンリー・J・カイザー級給油艦も限定的なバートレップ輸送,出来ますね.

軍事板

 ええ,カイザー級AOにだって限定的なドライカーゴ輸送能力はありますし,珍しい話じゃないでしょう.
 ストロンボリ級は分類的にはAOです.
 給兵を主にやる船ではない以上,本来の主任務である給油艦(AO)と分類されます.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 【質問】
 で,AOEってなら,艦隊随伴程度の速度は必要.18Kt最大でどうするのよ.
 おまけに航続4600海里だよ.
 イタリア海軍の支援艦としちゃ有用だけど,多国籍の艦艇に広いインド洋で走り回って補給できる艦じゃないよね.

軍事板

 【回答】
 1万トン級のタンカーベースなら平均的です.普通の航続距離でしょう.

 また,「広いインド洋」っていっても,今回のインド洋派遣任務の作戦海域はオマーン,イエメン沖です.
 端から端まで1000海里程度なんですけどね.
 なにもインド洋の中央や東の方まで行くわけじゃない.

軍事板

 私はストロンボリを給油艦AOと言いました.AOEとは言っていません.
 航続4600海里についても,あのクラスの大きさのタンカーなら普通でしょう.
 また,作戦海域が東西で1000海里未満みたいですし,沿岸ですし,特に問題はないかと.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【珍説】
 満載排水量か基準排水量かなど,数値比較する上での違いはあるが,海上自衛隊の給油量能力は,米軍の持つ給油能力の1パーセントにも満たない.

インド洋海自給油支援の貢献度 - 軍事 - 東長崎機関

 【事実】
 基準排水量と満載排水量をゴッチャにして計算するだなんて問題外もいいところ.
 海自の補給艦を基準排水量で計算して米海軍の補給艦を満載排水量で計算するだなんて,あまりにもズル過ぎる.
 正しい比較なんて出来る筈が無い.

 しかも,その記事で説明されている米海軍のサクラメント級,シマロン級は既に退役している.
 退役した艦までカウントして水増しとは,幾らなんでもズルい.

 現役艦だけを数えて,満載排水量で統一して計算すると以下のようになります.

サプライ級×4,H・J・カイザー級×16(現役15隻)で合計約80万トン(満載排水量)
日本海上自衛隊は「とわだ」級×3,「ましゅう」級×2で合計約10万トン(満載排水量)

 つまり海上自衛隊の給油能力は,米軍の持つ給油能力の10数パーセントくらいにはなる.

 ただし米海軍のカイザー級は給油艦であり,高速戦闘支援艦より速度は遅い.
 他にルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦には限定的な給油能力がある.
(容量18000バレル,これはカイザー級の燃料タンクの約十分の一)

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【珍説】
 〔海自の補給艦の数は,〕小泉政権になってから,2隻増えています,
 とわだに比較して設備も,排水量を大型化しています.
 医療を行う集中治療室まであります.
 自衛のためにこれほどのものが必要なのでしょうか?
 自衛のためではありません,
 小泉政権後,米海軍の戦争を支援するために作られたのです.

 【事実】
 事実と異なる.

 阪神淡路大震災の際の災害派遣の教訓から45床のベッドを備えた病室,
 外科・内科・歯科・集中治療室が設置された.
 病院船取得が諸々の事情から出来なかった為,補給艦の大型化と医療設備の充実が求められた.

 これはましゅう型補給艦の建造時の政策評価で求められており,ましゅう型は初期の計画より大型化している.

ゆりりん ◆tx8IiMF52M in ニュース極東板


 【珍説】
〔2007/8/3の朝日新聞等の取材に対し〕
「パキスタン海軍の駆逐艦には高品質な燃料が必要だ」

シーファー米大使 in 朝日新聞,2007/9/11

〔2007/9/10の記者会見で〕
「パキスタン海軍の船は,自動車で言えばハイオクを使わなければいけない艦艇で,これを提供するのは自衛隊の補給艦しかない状況だ」

谷内正太郎外務次官 in 同紙

 【事実】
 パキスタン海軍のタリク級駆逐艦は,元イギリス海軍のタイプ21フリゲート(アマゾン級)の払い下げ艦です,
 機関はガスタービンです.
 ロールスロイス社製で,巡航用にタインRM1C×2基,ブースト用にオリンパスTM3B×2基というCOGOG方式です.

 つまり海上自衛隊の「はつゆき」級護衛艦と全く同じ機関構成です.
(RM1C,TM3Bともに川崎重工がライセンス生産)

 特別な燃料が必要だとは聞いた事がありませんが・・・

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 もしや,ロールスロイスという単語から高級イメージを勝手に思い描いたんじゃ……

消印所沢

 いろいろ調べても結局分からなかったのですが,艦艇用燃料は貧乏なパキスタン海軍にとっては高価で,日本から提供されなくなったら〔財政的理由により〕OEF-MIOからパキスタンが脱落する,という意味にはとれないですかねえ.
 要するに「上質な燃料」というのは「パキスタン海軍の身に余る高価な燃料」の言い換え.

[quote]

特別企画「テロ特措法延長問題での各国大使インタビュー」シリーズ/カムラン・ニアズ駐日パキスタン大使
2007年9月25日 メディア・レボリューション


 〔略〕

「費用,コスト面も難題」

 続けて,現実問題として11月1日には間に合わない.例えば(海自が)一度帰って3か月,半年後に復帰することの可能性について踏み込んで聞いてみた.
 大使は「(数か月後の)再派遣はパキスタンにとって大変困難な状況に陥ることに変わりは無い.
 現在,パキスタン海軍の艦船は日本から無料で給油,給水を受けている.
 一時的にせよ,これが無くなると,新たなコストが生まれる.代りの入手方法の問題も発生する」
と,コストという本質部分が披瀝された.

[quote]

 結構,正直なところが好感持てます.

 以下はシーファー大使の発言集(原文).

ブルームバーグ
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601101&sid=aSVkn0powBNM&refer=japan

Schieffer said Japan's continued naval deployment is crucial to maintaining the involvement of Pakistan's navy in coalition operations due to the higher grade of fuel Japan supplies to Pakistani ships.

 確かにパキスタン海軍には日本の高品質燃料が必要だと言ってるようですね.

 次にWP

http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/09/07/AR2007090702613_pf.html

"If Japan decides not to continue this operation, you will basically knock Pakistan out of the coalition,"
 日本が手を引けば,パキスタンは有志連合から脱落する.

"We think it sends a tremendous message to Afghanistan and all of the Middle East that a Muslim nation is prepared to undertake this effort against terrorism."
 これ(パキスタンの協力)はアフガンと中東の国々に対するとてつもないメッセージである.イスラム教国も対テロ戦争を引き受けることができるのだと(※).

 この発言の引用直前には次の文章.

Pakistan, the one Islamic country in the coalition of naval forces operating in the Indian Ocean, has said that without the Japanese fuel -- which has cost taxpayers here close to $190 million -- it would have to withdraw its destroyer from patrolling in the region.
 パキスタンは日本から燃料が提供されないのであれば(米国では納税者が一億9千万ドル近くを負担している),この海域から自軍の駆逐艦を撤退させざるを得ないだろうと主張した.

 まあ,やっぱりパキスタンにとっては品質というよりもお金の問題じゃないですかね.
 日本以外の国が肩代わりすることは可能でしょうが,日本ほど気前のいい国はないですよね.

(※)非常によく似たシーファー大使の別の発言.デイリー・タイムズ

“We believe it is very important to keep Pakistan, the only Muslim country in this coalition, in the coalition,” he said. “I think this sends a strong message to everyone in the Middle East. The war on terrorism is not a war on Muslims.”
 有志連合の中で唯一の回教国であるパキスタンを引き止めるのは非常に重要.
 これは中東各国に対する力強いメッセージになる.
 対テロ戦争はムスリムに対する戦争ではないのだと.

バグってハニー in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 とはいえパキスタンは自国内で既にタリバン・アルカイダと戦闘中で,足抜けなんてそもそも出来やしないでしょう.
 国境線はおろか,ワジリスタンでは深部まで食い込まれています.

 それにアフガンISAFにはトルコ軍も居るのでしょう?

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 いや,シーファー大使が言う"The coalition" とは文脈からISAFではなくてインド洋でOEF-MIOに参加している有志連合"The coalition of the willings"のことを指しますから,やはりその場合はパキスタンは唯一の回教国です.
 パキスタンはフリゲート艦1隻出しているだけなので,戦力的にはどうということはないのでしょうが,やはり政治的には大きな意味を持つということなんでしょう.

バグってハニー in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 パキスタンは自国の目の前が作戦海域ですから,本来は給油艦無しでも作戦参加は可能です.
 2〜3隻でローテーションを組めばいい.
 それに加え,補給艦が2隻ある.能力的には問題は無い筈です.

 結局は政治的な意味合いなのでしょう.
 ですがパキスタンが海上阻止行動から抜けても,自国国境線とワジリスタンでの対テロ戦争から足を洗う事は出来ません.
 これはISAFとかいう問題ではなく,自国にタリバンが浸透しているのですから.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 ただし以下のような事実もあるという.

テロ特措法失効 補給活動中断1カ月 監視の網の目は… 情報収集にも影響
2007年12月2日9時33分,産経新聞(加納宏幸)


 〔略〕

 ■受け取り拒否

 11月2日未明に海自の補給艦「ときわ」と護衛艦「きりさめ」が日本に針路を向けた後も,パキスタン海軍の 駆逐艦は活動を続けている.
 最大のパートナーだった日本の代わりに,現在は米英両国が洋上給油を実施している.

 しかし海自の撤収直後,パキスタン艦が英補給艦からの艦船用軽油の受け取りを拒否するトラブルがあった.
 海自は提供する燃料を複数のフィルターでこしたうえで相手艦に提供してきた.
 老朽艦にとって,燃料に含まれる不純物はエンジンの不具合を起こしかねず,パキスタン側は神経をとがらせる.
 英補給艦の燃料のサンプルをみて,給油は受けられないと判断したパキスタン艦は母港に引き返した.

 〔以下略〕

 これが事実だとすれば――2007年の産経新聞は,軍事問題に関してはトバシが多い――,シーファー大使らの言っていた「高品質」の意味は,ハイオクとかローオクとかの問題ではなく,単に不純物の問題を述べたに過ぎないと思われる.


 【質問】
 パキスタンの補給艦はかなり老朽艦なんですけど,大丈夫なんですかね?

祥平



 【回答】
 既に述べているように,「海自艦がインド洋から去ると,補給艦の給油に依存しているパキスタンの艦船が撤退せざるを得なくなる可能性が高い.」という質問に対しては,
「軍事的に考察するなら,パキスタン海軍は自前の補給艦でじゅうぶんに対応できる.」

 パキスタン海軍は海上阻止行動にタリク級駆逐艦を1隻を投入しており,その補給を自国海軍の補給艦でまかなえないということは無い.

 今,海上自衛隊が行っている補給活動全てをパキスタン海軍に任せる事には無理があるにしても,パキスタン海軍自身で自分達の駆逐艦は動かせるし,それ以外の穴埋めは米英海軍やその他で埋めようと思えば埋まる.
(ただし,かなり苦しくなる事は事実)

JSF

以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より


 【珍説】
 インド洋補給は日本の民間タンカーがやれ!

神浦元彰 in 『J-Wing』

 【事実】
 民間タンカーに洋上給油プローブやドライカーゴ,ヘリによるヴァートレップが出来るのか.
 知らなかった(笑)

 中国が補給艦「南倉」を造った際は,ウクライナ製タンカーを洋上給油可能なように改装するまで,3年も掛けているわけで,今から調達していたんじゃ全然間に合わない・・・
 神浦さんは,普通のタンカーがハイライン補給できると勘違いしている?

 つーか,民間船舶を使うんなら給油してもいい,って言い種,テロ特に反対する立場の人としては根本的におかしくね?

軍事板

 また,「地球の裏側氏のサイトより転載された」記述によると,民間タンカーでも給油だけなら可能だが,それでは間に合わない可能性があるという.
 以下引用.

 防舷材(直径が3mくらいあるゴムの浮きね.)入れて,横抱きにしちゃえば,
 ハイラインもバートレップもクソも無いわ.
 無茶苦茶波が大きく無い限り,道板だって渡せる.
 もちろん,双方共停止状態でね.
 水深が浅い所ならタンカーが錨打っても良い.
 10万t超えるようなVLCCなんかなら,軍艦は埠頭に係留するようなもんだ.
 これ,5万t級のタンカー同士ですらやる方法ね.

 で,問題は,この方法をなぜやらないのか,ってこと.おいら的には理由はただ一つだね.
 それは,この方法じゃ「間に合わない」多分,監視に給油のための穴が開くんだろうと思う.
 ただ,これ,補給艦相手に限れば,結構有効だと思うんだけどね.ULCCでも洋上ステーションさせといて,補給艦を横抱きで給油,
 補給艦が各艦に,ってやり方.これならシングルハルの問題も回避出来るし,積み取り時間も短縮出来る.
 ま,横曳きハイライン よりも天候,海況の影響は受け易いけれどねぇ・・・・
 やらないって事は,インド洋の海況がそんなに生易しく無いって事かも・・・

 インド洋の海況については情報不足により不明.


 【質問】
 うちのかーちゃんがニュースで海自の洋上給油シーンを見て
「危ないから停まってやれば良いのにねぇ」
 と言っていた.その通りだと思いました.
 何で走りながらやらなきゃいけないの?

 【回答】
 そもそも海の真ん中で「静止する」ということ自体が実は不可能.
 何故なら海流というものがあるから.
 仮にスクリューを廻さずに海の真ん中で泊まってたら,気がつくともの凄い距離を流されることになる.
 海洋調査船や海底掘削船のような一箇所に留まり続ける必要性あるフネは,実は動くことで位置を修正し続け,同じ位置をキープしてる.

 で,それならお互いある程度の速度で動きながら物を受け渡しする方が,実は安全で楽.

軍事板


 【質問】
 1回の補給作業には何時間かかるのか?

 【回答】
 増田好平・防衛事務次官によれば,1〜4時間かかるという.
 以下引用.

[quote]
 多ければ4〜5時間,少なければ1〜2時間.長かったのは2隻連続で10時間.
 作業では双方の船が併走しなければならない技術が必要.
 そして(油の入った)菅を結ぶ作業だけでも暑い中,80度になることもある中で,長袖,完全武装での作業です.
 相当,体力も消耗する.

2007年10月22日 メディア・レボリューション
[/quote]

 【質問】
――――――――――――――――
 灼熱(しゃくねつ)のインド洋でいまも,海上自衛隊員が黙々と補給艦から外国艦船への給油に汗を流している.
 この海自艦がインド洋から去ると,補給艦の給油に依存しているパキスタンの艦船が撤退せざるを得なくなる可能性が高い.

――――――――湯浅博 in 産経新聞,2007/9/27

……というのは本当なのか?

 【回答】
 軍事的に考察するなら,パキスタン海軍は自前の補給艦でじゅうぶんに対応できる.
 出来る出来ないの実務能力よりもむしろ,パキスタン側が「この条件ならやる,やらない」という政治的なものが強いと思われる.

***

 補給艦問題について言えば,パキ海軍の自前の補給艦があるでしょう.
 それにパキ海軍はタイプ21フリゲートが主力なのだから,英海軍の給油艦を回せば済むような.

http://d.hatena.ne.jp/Blueforce/20070615/
>6月12日,晴海埠頭にパキスタン海軍の駆逐艦,バブールBabur F182と給油艦モーウィンMoawin A20が寄港した.

 今年の6月に日本に来てますよ.給油艦も連れて.
 んで,秋葉で水兵さんが脱走して艦に戻ってこなかったあの事件・・・

http://d.hatena.ne.jp/Blueforce/20070615/
 続いて,給油艦モーウィンが通過.
 こちらは旧オランダ海軍の給油艦,プールスターPoolster A835を譲受して1994年に再就役したもの.
 満載排水量1万6,800t,燃料8,000tを含む貨物1万300tを搭載する能力があるとされる.
 こちらもヴァートレップ用にヘリ格納庫を持ち,ウエストランド・シーキングMk45を搭載する.
----
http://www1.cts.ne.jp/~fleet7/Info/Info124.html

A20 Moawin (ex-Poolster, A835)
プールスター級補給艦「モーウィン」(MOAWIN)
オランダ Poolster 級
16,836t,21 kt,168.41m × 20.33m × 8.24m

 とわだ級と同程度のAOEですね.
 むしろヘリ格納庫が有る分,優秀かも・・・
 そして「World Navy Today」によれば,パキ海軍にはモーウィン以外に以下の給油艦があります.

Gwadar級 油槽艦 2隻
Attock級 油槽艦 1隻
Nasr級 給油艦 1隻

 「日本周辺国の軍事兵器」によれば,ナスル級給油艦は元中国海軍の福清(フーチン)級給油艦です.
 また,Gwadar class は1400tonの小型タンカーで,洋上給油能力は無さそうです.
 しかし,パキスタン海軍は自前の補給艦モーウィンとナスルだけでも,十分に自国のタイプ21フリゲートを海上阻止行動に就かせる事が出来る筈です.

 そもそも「インド洋作戦で手一杯」のはずにしては,遠洋航海で日本にまで来ている余裕を突っ込まれたらどうするんでしょうね.湯浅は.

 「やばいぞ日本」シリーズ連載は,F-2戦闘機の件もそうでしたが,煽りが酷すぎます.

JSF
& メッサー=ハルゼー(World Navy Today リンク部分)

 パキスタン海軍幹部は自国海軍撤退について否定的見解.

〔略〕
海自艦船が参加している任務部隊の司令官を務めるパキスタン海軍のハシャム准将は,
「海自が活動をやめればパキスタン海軍が一番損害を受ける.
 任務部隊の艦船の活動は4割程度低下する見通しだ」
と述べた.
 一方で,
「パキスタンのこの地域の安定に対する責任は長期に及ぶものだ」
と述べ,海自が撤退した場合,パキスタン海軍が即座に活動をやめることには否定的な認識を示した.

毎日新聞 2007年9月11日 21時04分
http://www.sankei.co.jp/seiji/seisaku/070823/ssk070823000.htm

 大統領は「自衛隊の活動がパキスタンの(対テロ作戦)参加継続には不可欠だ.ぜひとも活動の延長をお願いしたい」と特措法の延長を要請した.

 小池氏は「政府として野党に理解してもらう努力を続けていく」と,秋の臨時国会で延長実現に努める考えを示した.

 アジズ首相は「日本が活動を中止すると国際社会にネガティブなメッセージを与えることになる」と強調.イクバル国防相は「日本の支援がなければパキスタンが活動を続けることは難しい」と述べ,インド洋での連携を踏まえ,防衛交流を強化させたい意向を示した.

--------引用終--------

 これじゃないですかね?>パキスタン
 実際にパキスタンに出来る出来ないの実務能力よりも,パキスタン側が「この条件ならやる,やらない」という政治的なものが強い気がします.
 その上での駆け引き,というか日本が脱落したらそれを口実に手をひこう,みたいなところも少し思わなくもありません.

きゃろ

以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より

 【珍説】
 コメント追加きました.

>パキスタンの補給艦なんだが,これが今,海自がインド洋で
>やってる事と同じ事を出来ると思ってるバカがいる.

通行人 in FAQ BBS

 【事実】
 この方〔引用元のコメント主〕は,もう少し言葉を選んで発言されてはいかがでしょうか.
 それとかなり誤解されてないですか?

http://mltr.free100.tv/faq10c02c02.html#09863
>「軍事的に考察するなら,パキスタン海軍は自前の補給艦でじゅうぶんに対応できる.」

 つまり
「パキスタンの補給艦で海自の補給艦のやっている事と同じ事が出来る」
と言っているのではなく,
「パキスタン海軍は自国の駆逐艦の行動を自国の補給艦で面倒を見ることができる」
と言っている訳です.

 今,海上自衛隊が行っている補給活動全てをパキスタン海軍に任せる事には無理があるにしても,パキスタン海軍自身で自分達の駆逐艦は動かせるし,それ以外の穴埋めは米英海軍やその他で埋めようと思えば埋まります.
(ただし,かなり苦しくなる事は事実)

JSF in FAQ BBS

 【珍説】
 政治的って言うなら,それはパキスタン側の話じゃ無いわな.
 反対に米英は,「政治的」にパキスタンの参加が必要だわ.
 で,それには日本の補給艦が必須だって事だわな.
 ま,政治的ってなら,パキは日本からなんか供与される事には抵抗が無いって事くらいか?

軍事板

 【事実】
 「対テロ戦争」ならパキスタンは自国内でタリバンと戦闘している.
 その意味ではインド洋作戦に参加していなくても,パキスタンは参加し続けている.
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200710100001.html

軍事板

 政治的にパキスタンを海上阻止行動に参加させつづけたい,という一点だけでよいなら,上記の対処で問題ありません.
(この場合は日本の置かれた政治状況は無視)
 元々,どうせパキスタンは対テロ戦争から抜け出せません.国内でタリバンと戦闘しているのですから.
 ワジリスタンには深く浸透されています.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【反論】
 エトナ級が「とわだ」級と同じ? まさか.
 2100m3もドライカーゴどころか,弾薬まで補給可能,
 おまけに電子機器,メカニカル,エレクトロメカニカと,三つも独立した工作部を持ってる艦だよ.
 給兵艦って言い方悪ければ,高速支援艦だな.

軍事板

 【再反論】
 時系列は無視しないように.
 エトナは給兵艦ではなくAOEだとしたのはFAQが先です.

http://mltr.ganriki.net/faq10c02c02.html#09930
「分類としてはエトナがAOE,ストロンボリ級がAOに相当します.」

 FAQ側の見解は「エトナはAOEであり,給兵艦ではない.給兵艦と主張した床屋スレッド〔への転載〕は間違い」でした.
 それなのにそれを指摘された後で
「給兵艦って言い方悪ければ,高速支援艦だな」
という返答は理解に苦しむ.

軍事板

 貴方はエトナを「給兵艦」と呼んでいたので,私はそれは違う,分類的にはAOE(高速支援艦)でしょう,と訂正した側なんですが・・・話の流れがおかしくないですか?

『エトナ級もストロンボリ級も給兵艦だと思う.』←これに対し,

http://mltr.ganriki.net/faq10c02c02.html#09930
>分類としてはエトナがAOE,ストロンボリ級がAOに相当します.
>エトナ級は満載排水量約13500トン.最大速力21ノット.日本の「とわだ」級AOEより若干小さめの補給艦で,代わりにヘリ格納庫があります.
>しかしエトナ級を給兵艦扱いされたらイタリア海軍,泣くぞ.

 エトナはAOEです.
 しかし以前,貴方は「給兵艦」呼ばわりしていたので,それは違うよと言ったわけですが・・・

 話の流れが理解できてますか?

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【反論】
 何だか知らんが,やたら補給時速度にこだわってるね.これはすでに明確にしたはずで,12Ktだ.

軍事板

 【再反論】
 給油時の速度ですよね,これは私もかなり前から言ってます.

http://mixi.jp/view_bbs.pl?page=1&comm_id=342133&id=23462953
>2007年10月01日 09:40 JSF
>パキスタン海軍相手なら12ノットくらいで補給している.

 12ノットは最初からお互いに共通見解なのでは?

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【反論】
補給艦の大きさ:
 「とわだ」級と「サプライ」級を比較して,3倍だから,云々.で,そのサプライ級は何隻インド洋に派遣出来るのかね?
 「サプライ」級は4隻,空母任務群は米国にいくつある?
 「とわだ」級は3隻あって,現在その3隻がすべてローテーションしてる.他の任務に就く事は,基本的に無い.
 3隻の「サプライ」級が「とわだ」級と同様にローテーションしてるなら,成り立つ理屈だが,居なけりゃ話にもならんわな.
 ところで,「サプライ」級は最低,常時1隻,この作戦のための補給ステーションに就いてるのかい?
 そこから話を始めようじゃないか.

軍事板

 【再反論】
 サプライじゃなくても,カイザー級だろうがフォートビクトリア級だろうがウェーブナイト級だろうが, どれもこれも「とわだ」型より大きいんですけど?

>ところで,「サプライ」級は最低,常時1隻,この作戦のための補給ステーションに就いてるのかい?
>そこから話を始めようじゃないか.

 なんでサプライだけに限定してるの?
 そこが先ず詭弁だと思うんですけど.

軍事板

 別に比較対象は何だって良いですよ.
 フォート・ヴィクトリアでも「とわだ」の倍以上,
 ウェーブ級やカイザー級でもそうです.
 大きな艦は長い時間,任務に留まっていられる.
 小さな艦は頻繁に港に補給に行かないといけない.

 大きな艦の役割を小さな艦で賄うには,数を増やさないといけません.

 そういうことなんです.

>そこから話を始めようじゃないか.

 現状,展開している中では,何と比べたって「とわだ」は小さいです.
 先ずそれを認めましょう.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【反論】
 パキスタンの補給艦を挙げて,性能的には自衛隊と変わらないって言ったのは誰?
 43年前に建造された船の現状ってのがどういうもんか知らなければ言えないやね.
 44年前に作られた操舵用油圧サーボのオイルシールって,今でも同じ物が売ってると思うか?

軍事板

 【再反論】
 大きさは「とわだ」と同程度で,分類的にもAOEという事.
 そして如何に老巧艦であろうと,今年の6月に日本まで遠洋航海に来ているように,まだ十分に使えます.
 別項参照.

 自国の駆逐艦の給油も出来ない補給艦なんてあり得ない.
 実際,6月に晴海に来た時はタリク級逐艦を連れていた.

軍事板

>で,パキの補給艦を上げて,性能的には自衛隊と変わらないって言ったのは誰?

 大きさ的に「とわだ」と同程度という話ですね.
 分類的にAOEです.そういうお話です

>43年前に建造された船の現状ってのがどういうもんか,知らなければ言えないやね.
>44年前に作られた操舵用油圧サーボのオイルシールって今でも同じ物が売ってると思うか?

 そのような艦でも,「自国の駆逐艦の面倒くらいは自前で見る事が出来る」というお話です.
「軍事的に考察するなら,パキスタン海軍は自前の補給艦でじゅうぶんに対応できる.」

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【珍説】
 なんかごちゃごちゃ言ってごまかしてるが,パキは自衛隊の補給が無ければ,参加できないよ.
 自前燃料での参加は戦略備蓄の取り崩しって意味だからね.
 最近は良くなったにせよ,インドとの関係を考えれば,純軍事的に戦略備蓄を取り崩してまで,参加する必要性は無い.
 パキはそれほど石油精製能力があるわけじゃ無いから,精製度の高い,クリーンな燃料は数量的に多くは生産できないし,事実,航空燃料なんかではシンガポールで委託精製してるくらいだしね.

軍事板

 【事実】
 それって軽油を民間タンカーでパキスタン本国に送れば,参加は継続できると言う事.

軍事板

 それって,資金供与で軽油の備蓄を増やさせれば解決します.

>パキはそれほど石油精製能力があるわけじゃ無いから,精製度の高い,クリーンな燃料は数量的に多くは生産できない

 それを民間タンカーでパキスタンの港に日本が持ち込めば解決です.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【珍説】
 米海軍司令官のこんな発言があります.
----------------------------------------------------ここから引用----
 中央海軍副司令官のスウィフト准将は,軍人らしからぬ極めて政治的な言葉を口にした.
「海自が撤退しても大した影響は出ないし,燃料も何とか措置できるだろう.
 しかし本当の問題は,日本がいま享受している中東地域での対話の機会を失うことだ」
-----------------------------------------------------引用ここまで---
http://www.sankei.co.jp/seiji/seikyoku/070919/skk070919001.htm

あつこば(小林アツシ) in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 それにしてもまあ,あつこばさんは自分に都合のよい記事を良く引っ張ってくること(笑々)
 
 毎日新聞によれば,同じ人の同じ発言が全く異なる言葉で伝えられていますよ.

 また,同記事中にパキスタン海軍のコメントも出ています.

 以下,引用.

------------------------------------
米海軍幹部:「補給より参加に意義」海自の活動継続に期待
毎日新聞 2007年9月11日 21時04分


 米中東海軍副司令官のスイフト准将は,
「海上自衛隊による補給がなくなることの損失は大きいかもしれないが,何とか対応可能だ」
とした上で,
「本当の問題は日本が(有志連合に)関与しなくなることだ」
と指摘.
 注視しているのは活動内容よりも日本が参加していることの意義との認識を示した.

 また,海自艦船が参加している任務部隊の司令官を務めるパキスタン海軍のハシャム准将は,
「海自が活動をやめればパキスタン海軍が一番損害を受ける.
 任務部隊の艦船の活動は4割程度低下する見通しだ」
と述べた.
 一方で,
「パキスタンのこの地域の安定に対する責任は長期に及ぶものだ」
と述べ,海自が撤退した場合,パキスタン海軍が即座に活動をやめることには否定的な認識を示した.
------------------------------------

ゆきかぜまる in mixi

そして事実,報道によれば,自衛隊のインド洋撤収により,決して小さくない影響が出ている模様.

給油中断 各国の活動に影響も
NHK,2007年11月16日 17時9分


 海上自衛隊がインド洋で行ってきた給油活動が今月1日で中断したことに伴い,インド洋に展開している艦船の活動できる日数が,国によっては1か月当たり10日程度減るなどの影響が出ていることがわかりました.
[/quote]
テロ特措法失効 補給活動中断1カ月 監視の網の目は… 情報収集にも影響
2007年12月2日9時33分,産経新聞(加納宏幸)


 〔略〕

 海上幕僚監部の河野克俊防衛部長は
「作戦の調整で日本が脱けた穴は埋められているため,海域が危なくなったことはないだろうが,他国補給艦が日本の肩代わりをしたり,補給のために一時寄港を余儀なくされたりで,作戦効率に影響は出ていると思う」
とみている.

[/quote]

 2007年の産経新聞の軍事関連報道は,トバシが多いが,この箇所に関しては,具体的に発言者が特定できるので,比較的信頼できる情報であると愚考する.


 【質問】
 以下の話の信憑性は?

【湯浅博の世界読解】中国は海自の穴を埋めるか(産経新聞)

[quote]

 11月1日に日本のテロ対策特別措置法が期限切れになると,海上自衛隊の補給艦が撤収しなければならない.
 その穴を中国艦が埋める可能性が現実味を帯びてきたというのだ.
[/quote]

 【回答】
 馬鹿げている.政治的,軍事的に有り得ない.
 もし中国が行くなら,陸地に工兵ないし医療班を派遣するだろう.

 中国海軍の展開能力からいけば,まだ韓国海軍が補給艦を出す方が現実味がある.
 韓国の補給艦は3隻しかないので,常時出し続けるには無理があるし,満載9000トンなので能力は低いが,自衛武装が強力なので護衛艦が必要無いというメリットがある.

軍事板

 馬鹿らしい.産経の煽り記事もここまで来たか.

福池級補給艦(フーチー級) - 日本周辺国の軍事兵器 -

>これまでの中国艦艇の行動からも洋上補給を重視している傾向は無く,
>福池型にしても洋上補給能力は従来に比べて特別強化されてはいない.

 中国海軍は最新鋭艦ですら,泊地での補給を重視した沿岸海軍向きの設計.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 まあ,考えてみれば,スーダンPKFでも陸軍を出しているわけですし. 「もし出すなら陸軍」という意見が妥当かと.

 中国海軍説の発信源は,このあたりではなかろうかと.

http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/20071021
[quote]

 昨日は,日本文化チャンネル「桜」の収録に出かけた.
 「日本よ,今・・・闘論!倒論!討論2007」「テロ特措法中断と東アジア」という題での3時間番組.
 パネリストは井上和彦(ジャーナリスト),金田秀昭(元海将),北村淳(米海軍アドバイザー),松島悠介(元陸将),松村劭(元陸将補),三宅教雄(元海上保安大学校校長),山本誠(元海将),それに私,司会は水島代表という“豪華キャスト”であった.

(中略)

 米海軍顧問の北村氏は,
「海自が抜けた後に中国海軍が手を挙げる危機」
を指摘したが,それこそ最悪のシナリオであろう.
 それに加えてヒラリー女史が大統領にでもなれば,またまた日本は「パッシング」され,米中蜜月時代という悪夢到来である.
[/quote]

 上まあ国家戦略上の都合により,補給艦の性能の不利をしのんで,あえて中国がここぞとばかりに派遣してくるというシナリオを想定しているのではないかと愚考.

消印所沢 in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 政治的にありえないというのは同意しますが,こういう記事もあります.

http://news.livedoor.com/article/detail/3256692/

−−−
 新華社総合:中国海軍の補給船が2日,インド洋で同軍の弾頭駆逐艦に対し,燃料や食料品を補給した.
 任務遂行に十分な蓄えを備えた駆逐艦は,インド洋を通過し,紅海,地中海へと向かう.
【翻訳編集:JCBB(N.N)/ G-SEARCH】
−−−

 写真からするとフーチー級二番艦「微山湖」ですね.
 能力的には中国海軍も外洋で給油できるのではないですか?
 海上自衛隊の肩代わりまでできるのかは知りませんが.

バグってハニー in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 外洋での給油自体は出来ます.それこそ韓国海軍にだって出来る事でしょう.
 ただ,中国海軍は洋上補給を重視しておらず,向いていないと言う事です.
 新型補給艦ですら前クラス(ウクライナから買ったタンカーではない,古い方)と大して代わり映えがしない,
 むしろ装備面からすると洋上補給能力が低下,泊地での補給重視というのは,まだ彼等は本格的に外洋に乗り出す意思が無いということなのでしょう.
 現状の運用では沿岸海軍に適したものでしかありません.

 あと政治的には,ロシアと同じような理由でやっている対アメリカ反対戦略を崩す事は,時期的に見ても不適当であるということ(MSOへの参加はアメリカとの対テロ戦争参加と同義)
 他には現地情勢に火に油を注ぎかねないということですね.

 既にテロの標的ですから,海に出しても陸に出しても大事ですよ.
■パキスタン:中国人技術者3人射殺「頻発する襲撃」

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

フーチー級



 【質問】
 インド洋の給油活動は,海自にとってどのくらいの負担になっていたと思われますか?

 【回答】
 個人的には海自の能力として補給線が伸びきっていたように考えます.
 これで地方隊などの正面戦力を削っても,補給能力の増強を目指すのであれば別でしたが,国家財政も考えるととてもそうはいかず.
 そうなれば,ある程度の段階で限界を迎えるのは明らかだったと考えます.
 まあ,当事者のえろい人は絶対に認めないと考えますが,補給艦第一線の人間及び留守家族にとっては,あまりにも負担が偏りすぎたのは事実でしょう.

 ただ,皆さんご指摘の様に代替案を求められた時にどう答えるか,厳しく監視すべきかと考えます.
 まあ結局は,命知らずのNGOが他国軍隊に護衛されながら活動する,という悪い冗談に落ち着くものと考えています.
 しかし,左バネが最悪の状態で作用し,自衛官の手足を完全に縛った状態で生け贄として差し出すのであれば,留守家族の経験からも,極めて厳しい強力な批判を加えるべきと考えています.

へぼ担当 in 「軍事板常見問題 mixi支隊」,2009年09月17日 23:57
青文字:加筆改修部分


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