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(引用元:朝目新聞)
Bajonette des deutschen Kaiserreich 1871-1918
「D.B.E. 三二型」◆3万年前の隕石で作られた剣 「隕星剣」来年公開!/情報源HK-DMZ PLUS.COM
「D.B.E.三二型」◆【農民だって】ヨーロッパ武器テクニック絵巻【騎士だって】
「D.B.E. 三二型」(2011/05/18)◆9割女子の高校に刃物男,先生がさすまたで応戦
「D.B.E. 三二型」(2012/12/24)◆今日の刀剣日記
カオス…
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「朝目新聞」(2010/09/30)●・・・ふ・・・刀か・・・
「火薬と鋼」■[ナイフ] 米軍の新しい銃剣ZT Bayonet D9
「火薬と鋼」◆(2012/09/11) 現代戦の武器としての斧
「メガとんトラック」◆「岩に突き刺さった剣」はイタリアに実在する - GIGAZINE
【質問】
鎧武者殺すなら,倒した後に刀でトドメになるわけだけどさ,獲物を持った状態での投げ技とかを扱ってる武術ってあるんかね?
【回答】
日本の組手術は,武器を持った状態を意識する柔道という形で残ったけど,欧州の組手術はスポーツ・レスリングだけ残って,剣術や白兵武器の技術が一時完全に失われてしまった.
なので,「中世の武術というのは力とスピードに頼るだけの粗暴なもの」とずっと思われていた.
が,ここ30年ぐらいで中世の武術の教本などがいくつも発見,解読され 欧州にも高度な剣や槍等の技術,そしてそれと連動した戦場用のレスリングの技術があったことが明らかにされている.
新紀元社の『中世ヨーロッパの武術』という本に,それらがいろいろ載ってるが,多すぎて紹介できないぐらい.
なお,この本には中世に鎧を着たまま軽業をする一座がいくつもあって,あちこちを回っていたことにも触れてる
漫画板,2014/
青文字:加筆改修部分
【質問】
西欧の軍隊で歩兵の多くが槍を装備していたのは,いつ頃までなのでしょうか?
【回答】
これは18世紀初頭まで.
銃剣が発明されたことにより,弾を発射したあとも,ある程度自衛する力が小銃部隊にも与えられたからです.
つまり,銃剣が槍にとってかわったということです.
当時の銃は単発でした.
それで銃剣発達以前は,小銃は一発撃つと無防備になってしまい,次弾を込める前に攻撃されると殺られてしまいました.
銃兵も3段撃ちなど射撃速度の向上に務めますが,それにも自ずと限界がありました.
そこで,小銃部隊が無防備となった瞬間に小銃部隊と入れ替わり,次弾装填までこれを援護するのが槍部隊の任務でした.当時は.
しかし銃剣の発明によって,小銃部隊は一発撃った後も,一応の自衛力を持つことになったので,援護の槍部隊は不要になり,槍部隊は消滅したのです.
陸自の64式銃剣
(画像掲示板より引用)
【質問】
日本では槍はいつごろ使われたの?
【回答】
日本での槍の歴史は,かなり短い.
平安期以前に使われてた槍のようなものは矛.
南北朝に原型ができて,太刀や長巻と入れ替わって花形に踊りでたのは戦国時代.
しかし,江戸期には殆ど無用のもの.
江戸時代の武家には,家の中で戦うための短めの槍が常備されてはおり,また,戦場で使えば槍が刀より強いのは自明だったから,江戸時代になっても(上級)武士の嗜みとして槍の訓練は奨励されたけど,何しろ日常で槍を持って歩くなんてことは殆どなくなったから,刀を使う技の方が圧倒的にもてはやされた.
漫画板,2015/01/31(土)
青文字:加筆改修部分
【質問】
パイクと銃の混合戦術について教えてください.
【回答】
パイクと銃の混合戦術は,古い時代はパイクがメインで銃は補助.
時代が発展するにつれて銃のほうがメインになって,ソケット式銃剣(着剣したまま射撃できる)の普及でパイクが消滅する.
あと,銃剣が無い時代のマスケット兵は剣を持ってるから,どうにもならないとなったら銃を捨て,抜刀して戦闘に参加することになる.
これは槍を失ったパイク兵も同じ.
パイク+銃に対して剣をメインとした歩兵が勝利した事例としてはスコットランド高地人の「ハイランドチャージ」がある.
これは剣と盾を装備した歩兵がパイクの密集陣に正面から突撃,パイクを盾で受け止めてから穂先を剣で切り落として無力化するという豪快な戦術だ.
これも銃剣の普及で有効性が低下した.
【質問】
パイクや槍ぶすまといった対騎兵用の武器や戦術って,一体どれだけの有効性があったのでしょうか?
重装騎兵には質量差で蹴散らされてしまう気がします.
【回答】
騎兵と歩兵の関係は時代や地域によって大きく変化するので,一概には言えないけど・・・
パイク等の対騎兵槍は,非常に有効だと考えて良い.
長槍で組まれた堅陣の正面に,重装騎兵をぶつけるのは自殺行為.
横陣・縦陣の側面を突くか,敵の陣形が乱れた箇所に投入するのが基本.
いかに槍を有効利用するか,敵の槍を無効化して騎兵を用いるか,というのが近世までの戦術の主要テーマと言ってもいい.
なお,パイクや槍で騎兵に対抗するときは,手持ちでなく,柄を地面に突き刺して穂先を敵に向ける.
質量差でいうなら,重装騎兵と地球のどっちが質量が大きいか?という問題になる.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
槍を持たない近世や古代ローマの騎兵などの剣やサーベルって,どうも馬体と比べると小さすぎるような気がするのですが,あれって実際に攻撃するときはどんな姿勢なんでしょうか?
【回答】
馬が今みたくでかくなったのは17世紀以降なのよ.
ギリシャローマはもちろん,中世でも肩高は1mぐらいで,現代の家畜でいえば羊ぐらいの大きさ.
大柄なポニー並みっていうべきかな.
日本古来の木曾駒なんかは,それよりちょっと小さいね.
そして古代ローマの騎兵の主武器は槍.剣はあくまでサブウエポン.
(王制時代と共和制初期の軍備は自弁だったが,それでも槍を装備すべきとされていた)
つうか,あの当時の地中海世界は,歩兵も騎兵も尽く槍装備(投げ槍含む).
まあ,一部例外もあるけど,長くなるからここでは置いておく.
もともとローマ軍が採用していた剣は,それほど長くはなかったのだが,第二次ポエニ戦争後半以降,帯びる剣の短さは特筆すべきものになる.
スキピオ・アフリカヌスが乱戦に極めて強いスペイン剣を考案した為.
そしてまた,古代には鐙(あぶみ)が存在しませんでした.
騎乗する場合,裸の馬体を両腿で締め付けてバランスをとるという不安定なものでした.
したがって鐙で体を安定させることが出来ず,
中世後期のようなランスチャージなどは出来ませんでした.
もしそんなことをすれば,あっという間に落馬してしまいます.
騎兵というと,敵歩兵集団に突進してその勢いのまま蹂躙する,なんてのをイメージしがちですが,古代においてはこのイメージは当てはまりません.
鐙がなかったことに加え,古代は歩兵は堅固な隊列を組んでいましたので,馬はその障害物の中を駆け抜けることは不可能です.
古代の騎兵の戦いというのは,騎兵は歩兵集団に駆け寄るが突入はせず,自分の腕の力で槍や剣を振るい,歩兵を突いて倒していました.
古代における騎兵の威力とは,馬の物理的な突進力ではなく,馬と騎兵の外見が持つ精神的な衝撃力にありました.
次に,近世の騎兵がもつサーベルがそんなに長くないのは,銃の発達により中世式のランスが影を潜めたから.
ピストル撃って敵を乱す⇒サーベル握って切り込む
のコンボじゃ,長さより取り回しの方が重視されるのも当然だわな.
槍を装備した騎兵もいたけど,いかにも騎士って感じのランスではなく,もっと手軽で扱いやすいものになっている.
【質問】
それまで直剣が主流だった欧州で,近代になってサーベルのような曲剣が生まれたのは何故ですか?
【回答】
ルネッサンス期までヨーロッパの騎兵の主流は中世騎士のなごりの胸甲,手甲,冑に身を固めた重装騎兵だった.
武器は甲冑ごしに打撃を与えるための槍と重い直刀だった.
14-15世紀ごろ,オスマン帝国がハンガリーに侵攻.
鎧をつけず,シミターという湾曲刀を主武器として軽快に機動するオスマン騎兵に,ハンガリー軍は苦しめられた.
騎兵突撃の際に剣を使用する場合,肘を畳んで肩に乗せて保持する姿勢を取る.
この場合,両刃の直剣では肩を傷付けるし,振って使用する場合,鈍器の如く扱う直剣では武器を落としたり,突撃の勢いが止まるだけでなく落馬の危険がある.
曲剣ならこれを解決できた.
そこでハンガリーは,自らもオスマン式のフサール騎兵を編成.
このときトルコ式湾曲刀も採用した.
これがヨーロッパにおけるサーベルの起源とされる.
鉄砲が普及するにつれて鈍重な重装騎兵の役割は減り,機動力の高いフサール軽騎兵が主力となるにつれてサーベルも西欧列強の間に広まり,18世紀に入って全ヨーロッパの騎兵の標準的武装となった.
もっとも活躍したのはナポレオン戦争時代で,軽騎兵突撃の主役となった.
しかし射程が長く精度の高い施条ライフル銃,さらには連発ライフル銃の出現で騎兵突撃が時代遅れとなり,サーベルももっぱら儀礼的存在となった.
【参考サイト】
サーベルの歴史.少々長い論文だが図版多数.おもしろい.
http://www.vikingsword.com/vb/showthread.php?t=108
軍事板,2005/07/13(水)
青文字:加筆改修部分
Hungarian Hussar
(画像引用元:http://www.hung-art.hu/english/s/szemler/muvek/huszar.html)
【質問】
小畑健が逮捕されたそうだけど,刃渡り8.6cmで逮捕
http://www.sanspo.com/sokuho/0907sokuho021.html
って,マジなの?
おもちゃ程度なんじゃない?
【回答】
アーミーナイフであっても刃渡り8.6cmでは充分逮捕要件にあたります.
ましてや裸でグローブボックスに放り込んでいたなら尚更ですね.まさに携帯していると見なされます.
三等自営業 ◆LiXVy0DO8s
最近都心でよく行われている,警察による刃物狩りでは,それを理由にしょっ引かれる人が沢山いるので気を付けましょう.
この法律において「刀剣類」とは,刃渡15センチメートル以上の刀,剣,やり及びなぎなた並びにあいくち及び45度以上に自動的に開刃する装置を有する飛出しナイフ
(刃渡り5.5センチメートル以下の飛出しナイフで,開刃した刃体をさやと直線に固定させる装置を有せず,刃先が直線であつてみねの先端部が丸みを帯び,かつ,
みねの上における切先から直線で1センチメートルの点と切先とを結ぶ線が刃先の線に対して60度以上の角度で交わるものを除く.)をいう.
銃砲刀剣類所持等取締法より
つまりあいくちと飛出しナイフは刃渡15cm以下でも規制の対象.
http://www21.tok2.com/home/tokorozawa/faq/faq46b10.jpg
http://www21.tok2.com/home/tokorozawa/faq/faq46b12.jpg
http://www21.tok2.com/home/tokorozawa/faq/faq46b12b.jpg
(画像掲示板より引用)
【外部リンク】
小畑健逮捕に見る,ナイフ所持に言い訳が出来ない現実について
【質問】
戦斧(せんぷ)って何?
【回答】
読んで字のごとく,戦場で兵器として使用される斧のこと.
小型で投斧としても使われる片手斧と,両手で扱う大斧に大別される.
先史時代からすでに,斧が白兵戦での主要な武器となっており,ほぼ世界全域で用いられている.
とある特殊な条件下においては,普通の斧を金または銀の斧にクラスチェンジできるらしい.
【参考ページ】
http://www5f.biglobe.ne.jp/~ssbohe/pole_axe.htm
http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E6%96%A7
http://en.wikipedia.org/wiki/Battle_axe
http://www.medieval-weaponry.co.uk/acatalog/denix-axes.html
11世紀ドイツの戦斧
(http://www.medieval-weaponry.co.uk/acatalog/denix-axes.htmlより引用)
(朝目新聞より引用)
【ぐんじさんぎょう】,2010/08/11 21:00
を加筆改修
ついでに余計なことを書くと,かつて英海軍の 22 型フリゲート (バッチ 1) で, HMS Battleaxe というのがいましたねえ.
井上@Kojii.net in mixi,2010年07月31日 06:31
【質問】
蛇矛って武器として何かメリットがあったからああいう形してたの?
それとも見た目がいいとかそういう理由?
【回答】
水の精と信じられた蛇(神または妖怪のようなもの),もしくは水そのものを象ったという神秘的な意味と,傷口が複雑になり縫合しにくくなる意味,そして視覚的な美しさなどの意味があった.
波うった刃で切られると傷が治りにくい.
ちなみに西洋には,刀身が同じ形状のフランベルジュという長剣がある.
また,折れにくい.
ちょっとしたソードブレーカーのようなものだ.
日本刀やレイピアや槍のような貧弱な武器なら簡単にへし折れる.
あと人間の骨も.
千人くらいなら余裕で叩き殺せる.
勘理人 ◆Ilfjq2eTG2 in 軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ジャマダハルのような形の刀剣はあまり一般的ではないように思えますが,どんなメリットとデメリットがあるんですか?
【回答】
カタール(誤)のことね.
あれは一般的な刀剣と違って,握ると手首を捻ったり,体の横方向に剣を突き出すようにしなくても「突き」が繰り出せる.
なので,拳闘の修練を積めば,特に剣の扱いを修練しなくても,拳を突き出す動きをそのまま刺撃に変換できた.
そして,普通の刀剣と違い,腕を動かせば,腕の動きと斬撃の方向が一致する.
チョップがそのまま剣で斬りつける動きになるわけだ.
ということで,拳闘の修練と剣術の修練を別々にしなくてもよい,という点で拳闘術を修めた人にとっては便利な武器だった.
一方,デメリットは明瞭で,手首のスナップをまったく利用できないこと,嵩張ること,利き手を利用できない(腕は伸側,縮側の力が対称ではない)ことなど.
つまり短剣の訓練を受けた人間相手に,同じ時間の訓練を受けたジャマダハル使いは,自動的に劣勢になる.
刺突に限定したとしても,ナイフなら順手にも逆手にも持って刺すことができるから,言わば裏拳の位置から相手を刺すことができる.
しかし,ジャマダハルでは朴訥に正面突破しかない.
拳なら正面突破でないと十分なダメージを与えられないが,ナイフは「効果」判定であっても,相手の動きを止めることができる.
ジャマダハルは刃物の特性を利用できない刃物なわけです.
とはいえ,刃物+拳のパワーを持つことは事実なので,通常の刃物では傷害出来ない相手に対して,効果を発揮出来る長所はあります.
並みのナイフに耐える防刃ジャケットも貫通するとか.
ちなみになんで「カタール」と呼ばれてたかというと,文献に記載されるときに編集してた人が,説明書きを一つずらして本を作ってしまったから.
そのため本来「ジャマダハル」と呼ばれるべき武器が,「カタール」の名前で文献に紹介され,そのまま誤りが定着した.
【質問】
トライデントって何?
【回答】
トライデント Trident とは,先端が3つに分かれた武器の一種で,和名・三又銛.または三叉槍(さんさそう).
漁師が魚を獲るために使っていた漁具が,武器に転用されたものだと考えられており,ギリシア神話の海神ポセイドンが使用することで知られています.
刃が全部で三つあるのは命中率や威力が向上するだろうという考えからであり,先端が戟(げき,ほこ)となっている三叉戟などのヴァリエーションもあります.
ちなみに湘南ベルマーレのマスコットが持っているのも,これ.
【参考ページ】
http://www.alphamotors.co.jp/episode/epi_mase.htm
http://arms.cybrary.jp/db/longhandle/spear/trident.html
http://park10.wakwak.com/~munnin_b/ebs/eb-bukimei.html
http://r25.jp/b/wp/a/wp/n/%91%84/i/%97%F0%8Ej%81E%93%60%8F%B3%81E%88%ED%98b%81E%90_%98b
http://ext.dictionary.goo.ne.jp/leaf/je/33634/m0u/%E3%81%BB%E3%81%93/
画像と日記の内容から,「パルテノン神殿」とか「臨界」を連想するのは,ちょっと古いJリーグ・オタクですね(もっとも,違うクラブですが…)
ぎんなんそう in mivi, 2009年04月04日 04:04
スプリガンは面白かったなー(違)
koz@ in mivi, 2009年04月03日 22:02
歯学用語かと思いました.
割れ煎 in mivi, 2009年04月04日 00:17
シュガーレスでママもOK!(うろ覚え)
コタロ in mivi, 2009年04月03日 22:06
イタリアではトリデンティーナ(小さなトライデント)という山が在りますが,三つのピークがあってまさにコレ.
山岳部隊トリデンティーナ師団の名前の由来にもなっています(^^;
よしぞうmaro' in mivi, 2009年04月03日 23:44
【質問】
特殊警棒って,やっぱり同じ重さのほかの棒とかと比べたら,やっぱ特殊警棒の方が強いでしょ?
それとも大して威力ない?
【回答】
伸縮式の特殊警棒は強度,使い勝手共々,木製警棒に劣ります.
護身用として使うなら最低でも体捌き,突き,小手打ち他の訓練が必要です.
本能の赴くままに使用すれば,大抵は過剰防衛と見なされる結末に.
棍棒のように使えば,高い確率で脳天に直撃しそうですね.
それでなくとも,携帯は少なくとも軽犯罪法に抵触します.
>軽犯罪法第1条
>左の各号の一に該当する者は,これを拘留又は科料に処する
>
>ニ 正当な理由がなくて刃物,鉄棒その他他人の生命を害し,又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
…まあ,敢えて隠さず振り回して歩けば,(その手のアブナイ人には)何人も近付かないかと(苦笑
強度等が劣るにも関わらず,特殊警棒があんなに木製警棒より値が張る理由は,携帯性と最低限の強度を兼ね合わせる加工の手間賃です.
加えて,一般人にとって警棒は,都市サバイバル・マニアの為の趣味の一品ですから.
格闘ヲタみたいな物言いは嫌ですけれど,リーチの長さを心理的にコントロールできる技術があれば,得物は扇子でも構いませんし,逆にそれが出来なければ護身用にはなりません.
破壊力の強さが必要な状況なら,FBIも日本警察も銃を使うだろうと思います.
軍事板,2003/02/15
青文字:加筆改修部分
【質問】
ファルシオンについて教えてください.
【回答】
ファルシオン(falchion)はノルマン人が使用した幅広の刀です.
(ゲーム)ファイアーエムブレムで有名になりましたが,ファルシオンは正式には剣ではなく,ルーツも製造工程も製造品質も,ゲルマン人の伝統的ナイフ(スクラマサクス)から発展した大型ナイフ・包丁のようなものなんだそうです.
西洋でも剣は他の武器とは違って,一種霊的なシンボルと見なされ,それなりの敬意を払って作られていたのですが,ファルシオンはそうではないため,握りなど剣と一体になった金属の柄に同じ幅の木の板が表裏に貼り合わされ,リベットで接合してある,ちょうど現代の包丁に見られる構造をしているとか.
刀身自体が一枚の鉄板を,刃の部分が薄くなっていくように火を入れて打ち延ばしていっただけ,のような斧などと同じ作りをしていることが多く,基本的に一般的な剣より安価な武器です.
上質なものは剣並に作られていることもあるが,低質なものは相当にひどかったようです.
漫画板,2015/01/21(水)
青文字:加筆改修部分
【質問】
槍と矛は,何がどう違うの?
【回答】
日本で通常槍というのは,刀の技術をフィードバックして作られた,長い中子を持つ穂先のある武器のこと.
中子っていうのは,槍の穂先から続く金属部分のうち,木の柄に埋まって見えない部分.
穂先が柄から抜けないようにする機能と,相手の穂先や刀の刃が当たり易い柄の付け根を強くする働きがある.
こんな構造なので,槍先を取るのは無理.
あと,日本刀原理主義者には,槍より日本刀が強いってやつがいるけど,日本の槍は前述の中子構造の上,更にけら首,太刀受けなどということさら強化した部分を柄の口にしてるので,「切り落とせるもんなら切り落としてみろよ」の世界(ただし世の中には例外があるのです)
槍が誕生する(南北朝)以前の,木の柄の先っぽに袋状というか蓋状の金属の取り付け部品があって,穂先がその部品から生えているのが(日本で言う)矛.
余談だが,倭寇の日本刀(太刀や長巻)に柄を叩き切られまくった宋や明の槍は,日本で言うと矛になる.
まあ,これなら切れるわな.
ただし戦国期でも簡単な槍には矛構造の槍があって,袋槍と呼ばれていた.
漫画板,2014/11/04(火)
青文字:加筆改修部分
◆◆◆◆銃剣
【質問】
銃剣って意味あるんでしょうか?
拳銃弾すらマッハ1ぐらいあってライフルだと秒速1000m.
銃剣なんてちんたら振ってる間に射殺されるのがオチだと思うんですが・・・
昔と違ってリロードも早くなってるし,マガジンの装弾数も増えてて,一方でブルパップやそうでなくても銃がどんどん小さくなってて,リーチは短くなり,余計に有用性が下がってますよね?
実際の戦争ではどのようなケースで使われるのでしょうか?
銃弾がなくなった時の悪あがき用?
【回答】
昔は純然たる接近戦用.
前装銃の時代はリロード間隔が長かったため,小銃は接近戦では役に立たず,そのため剣を携帯したり護衛がついたりした.
しかし銃剣が発明されてからは,小銃が槍としても使えるようになってお買得.
現代では銃剣は白兵戦の友であり,同時に便利ツールでもある.
ナイフにもスコップにもなる上に,いざというときは接近戦で大活躍.
引き金を引くより早く刺せる,味方を巻き込まず敵を倒せる,混乱してても操作簡単,原始的な動作で戦える,
一気に接近して脅せる,
L85でも勝てる!!11!!1
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
銃剣なんていう,大正よりずっと以前のしょぼい戦闘技術を未だにやらされているのが笑える.
リーチ長いだけで取り回しずらいだけだろあんなの.
そのナイフを手に持って戦ったほうが強いよね!
【回答】
銃剣道の有効性は,これまでの戦闘で立証されているでしょ.
世界最強の米海兵隊が白兵戦を嫌がって,島の形が変わるまで艦砲射撃して,戦車の後ろにコソコソ隠れて,穴って穴はすべて火炎放射器で焼き払いながら――じゃなきゃ危なくって歩けなかったんだから.
あと,実際に戦闘に使う技術は銃剣格闘で,こっちは突くだけじゃなくて切ったり殴ったり,銃のすべての部分を使用する今の新格闘のルーツだし.
無駄無駄言ってるけど,銃剣道の練習を通じて得られるものは,忍耐力とか戦闘精神とか,目に見えないものも沢山あるはずで,少なくとも銃剣道で使い物にならない隊員が,他の事で使えたって例はあまり知らないね.
硫黄島の時だって,日本兵は白兵戦にさえなってくれればって思ってたって言うし,今だってウチの会社(陸)貧乏だから,弾の備蓄は民間の人が考えている以上に少ないョ.
とにかく嫌でも何でも上がやれってんだから,ぐちゃぐちゃ言ってねえで,とりあえず頑張るのが自衛官としては正解じゃねえか?
文句言いたきゃ偉くなるしかないね.
自衛隊板,2009/09/26(土)
青文字:加筆改修部分
▼ ナイフのような短剣,馬手刺し,刺刀の類が 正面からリーチのある刀槍の類と向き合って勝つことはほぼ不可能です.
空手が剣道と対等に渡り合うのに段位が三倍でないとだめ.
剣道が薙刀に勝つにも,三倍の段位が必要とされているくらいなので....
現代の軍用小銃のような,比較的リーチが短いものでも,銃床で殴打や突きなど繰り出せるので,熟練者同志なら銃剣のほうが有利でしょう.
そもそもナイフなどは,組打ちなどの格闘戦に近い状態で使うか,素手の相手に使うべきものだと思います.
私なら,選択できるものならナイフよりスコップ,スコップより銃剣装備の小銃を選びます.
>そのナイフを手に持って戦ったほうが強いよね!
手および腕には重大な急所が幾つもあります.
手首 ひじの裏側 わきの下 などです.
また,蛙股と呼ばれる人差し指と親指の間 手の甲に傷を負っただけで,ナイフが握れなくなります,
コテや手甲などで守られていない,不用意に突き出された腕自体が,格好の攻撃目標であることをお忘れなく.
リーチの有利さは,肉体が傷つきにくいことも含まなければ意味がありません.
TVドラマや映画などの影響だと思いますが,ナイフはあくまでも非常用,または素手の相手用だと思ったほうがいいでしょう.
閻魔さくや in FAQ BBS,2009年12月13日(日)〜14日(月)
青文字:加筆改修部分
▲
【質問】
銃剣の発明とその普及っていつ頃からなんでしょうか?
【回答】
1500年代後半に発明されたと言われています.
当初の銃剣はプラグ式銃剣と言われて,短剣の柄を直接マスケット銃の銃口に,差し込んでいました.
仏国のバイヨンヌ地方が発祥と言う説も有り,故に銃剣をバヨネットという.
1700年代には,武器として制式に導入した軍隊が有ったそうです.
剣恒光 ◆yl213OWCWU
「戦略戦術兵器辞典3ヨーロッパ近代編」で,一五七〇年ごろに使われた銃剣の絵が載っていましたので,その辺りではないではないでしょうか……
以下引用
〜銃剣〜
マスケットの銃口に差し込んで使用する「銃剣」が17世紀中頃にパイク(槍)に代わって部分的に用いられるようになった.
だが,このタイプの銃剣は装着したままでは射撃が出来ないので,連続射撃をする時は,銃兵を援護するパイク兵の存在が依然として必要だった.
しかし,1680年ごろある人物(ウォーバン※と思われる)が環付きの銃剣を発明した.
これによって,この銃剣は着剣したままで射撃ができた.
これは間もなく,銃身にボタンで装着する取り外しのできるソケット式に改善された.
そして,この世紀の終わりまでにヨーロッパの全ての軍隊に採用され,パイク兵は消えていった.
※ウォーバン
フランス/軍人・戦術家・建築家
築城術を完成させ,攻城術を確立し,築城・攻城術の技術者を常備軍の一兵科とすべく努力した.
新形式の築城は,広くヨーロッパ諸国の範とされた.
このほか,水道・運河などの設計を行い,近代建築工学の開拓者の一人として重視されている.
極東の名無し三等兵◆5cYGBbCsjQ in FAQ BBS
銃剣
(画像掲示板より引用)
【質問】
銃剣が18世紀になるまで発明されなかった,乃至普及しなかった事は,何か理由があるのでしょうか?
槍が当時の主力兵器の一つである以上,長物+刃というのは発想としては簡単なようにも思えるのですが.
【回答】
銃剣が発明されたのが1570頃.
このころの銃剣は,銃口にナイフを突っ込んだだけの代物なので,銃剣を付けると射撃が出来なくなる.
密閉容器を利用して火薬の圧力で弾を飛ばす装置が実戦で使用されたのは,1300年頃の百年戦争が最初.
そのころは銃自体がそれほど発達していなくて,部隊配備数も少なかった.このころは弓の方が良かった.
1680頃,どっかのエロイ人が(たぶんヴォーバンというフランス人のオッさん)が,着剣したままでも射撃が出来る銃剣を開発し,それが一気に広まった,って流れだな.
偉大な発明というモノは,後から考えてみると簡単な発想だということが少なくない.銃剣の発明に関してもそう.
【質問】
銃剣の形状の変遷を教えてください.
【回答】
最初 : 差込型
丸い柄の短剣をそのまま銃口に差し込むタイプ
→当然,差し込んだままじゃ銃は撃てない
次 : エルボー型
銃身の外側にはめ込む輪っかから,鋭い槍の穂先みたいなのが出ている.
輪っかから穂先までは(ネジ止め等の場合もあるが)簡単には取り外せない事が多い.
http://www.chohoji.or.jp/blog/uploaded_images/mosin-nagant-762018.jpg
後 : アタッチメント型
穂先が簡単に取り外せるようになり,いろんな用途に使えるように多用途軍用ナイフに変わったタイプ.
こんな感じ.
ちなみに,弓の先っぽに穂先を取り付ける弭槍(はずやり)なんて代物もあった.
あれ装着するのと刀抜くのと,どっちが速いんだろ?って思うけど.
漫画板,2014/11/04(火)
青文字:加筆改修部分
【質問】
赤黒く変色した銃剣を入手したのですが,警察に届けたほうがいいですか?
【回答】
まず,着剣装置の生きている本身(刃物用鉄鋼で作られているもの,「刃」が付いているかどうかは問わない)の「銃剣」は銃刀法違反なので,国内では所有出来ないことに注意.
本身で着剣装置が可動するなら,刀身が切断されてなければ違法になる.
また,着剣装置が殺して(無稼動改造して)あっても,刀身先端の両刃の部分が5cm以上あるものは,「ダガーナイフ」として,改正された銃刀法の規制の対象になる.
2009年6月現在では個人は販売や譲渡は出来ないし,7月からは所持も違法になるので注意.
血が付いているとしても,つい昨日人を刺したとかいうのでもなければそんな色に錆びつく事は普通ない.
単純に古いもので,手入れが悪いから錆びただけだろう.
軍事板,2009/06/01(月)
青文字:加筆改修部分
【質問】
米軍の新型バヨネット「オンタリオ 3S」とはどんなものか?
【回答】
これは,ベトナム戦争当時から現在まで使われ続けてきたM7バヨネットに代わり,2003年に
米国海兵隊に正式採用された新型バヨネットです.
陸軍でM9バヨネットが採用されてからも,M7バヨネットとケイバーと通称されるファイティングナイフを
装備していた海兵隊ですが,この新型バヨネットはその二種類の刃物を統合するものとして
デザインされたようです.
ブレード長は8インチとM9より1インチ長く,強度を重視したためかM9のようなワイヤーカット機能は
オミットされています.
現在,全隊員にガーバーのプライヤーナイフが支給されていますので,
ワイヤーカット等の作業はそちらで行なうのかもしれません.
ハンドルはDYNAFLEXという硬質ラバーのような素材で出来ており,100種類のパターンを
シミュレーションして決定された人間工学的なデザインにより,ファイティングナイフとして使用する際にも
グリップを確実なものとしています.
スキャバードにはPALS(Pouch Attachment
Ladder System)テープが上下に二本付属しており,
ピストルベルトはもちろんのこと,MOLLE/SPEARなどのベスト,ボディーアーマー等にも装着することが出来ます.
また,スプリングが内蔵されていますのでストラップを外した状態でもバヨネットを保持することが出来,
騒音をたてることもありません.
スキャバードの裏側にはセラミックコーティングされたアルミ合金製タッチアップ
シャープナーが装着され,カッティングエッジ消耗時のタッチアップが可能です.
現在は海兵隊に10万本を納入中ですので,あまり市場には出回っていないようです.
以下は,64式氏による「オンタリオ 3S」の説明文です.
Ontario Knife Compay
ブレード長/ブレード厚/全長:約205mm/5mm/338mm(実測値)
ブレード材質/硬度:カーボンスチール/HRc 53〜58
ブレード表面処理:パーカライズ
【質問】
銃剣で突き合うような白兵戦って現代戦で起こることがあるのでしょうか? あるとすれば,どのような状況下で起こりうるのでしょうか?
小学生のとき,剣道の先生に自衛隊の銃剣道の練習の見学に連れて行かれ,その練習のあまりの激しさにびっくりしたのですが,あの練習って実戦で意味があるのかなあ?と思って質問しました.
【回答】
現在では銃剣の役割は塹壕などのクリア,それも死体が死体であることを確認するために突く,というのが主体です.まあ,せっかく付いてるんだから上手に使う訓練しても悪くない,みたいな.(HN
"System")
南北戦争の時代でも銃剣でやられた兵士の割合はコンマ数%であり,今日ではそのような戦闘の機会はないに等しいでしょう.
もっとも,全く無いとは言いきれないので,どこの国の小銃にも銃剣はつけられるようになっています.散弾銃にすらウィンチェスターM12,レミントンM31ほか多数に着剣可能です.
1941年に行われた米軍の新ショットガン開発では,複数のショットガンに装着するため,2パターンの着剣装置つきバレルジャケットが開発され,このバレルジャェット装備の数種のショットガン全てが銃剣装着可能なものとなりました.
近年の例では,フォークランド紛争において,英軍歩兵部隊がアルゼンチン軍守備陣地に対し,銃剣突撃による夜襲を敢行しました.その攻撃はアルゼンチン軍兵士を恐慌状態に陥らせたほどです.
最近は対テロでの,CQBにおける銃剣の重要性が見直されてきています.
間違った銃剣の使い方
(画像のは,もはや銃剣ですらないが)
【質問】
銃剣術って伝わってないのかな?
【回答】
銃剣配備してる国ではまだ軍で教えるし,日本の武道としての銃剣道もまだ残っている.銃剣道では斬撃技はなくて刺突のみだが.
国体ではやってるけど,マイナーだから知られてない.
銃剣道クラブは社会人以外では大学が多く,中高でやってるところもある.
もちろん防衛大にはある.
ちなみに,短剣道というのもある.これは,銃剣道とやってるクラブ・団体がかぶってることが多い.
【質問】
映画「西部戦線異常なし」で古参兵が新兵に,銃剣よりスコップを武器にする事を奨めていましたが,理由が分かりません.
【回答】
白兵戦にはスコップが一番.
ただしベルト(サスペンダーってのはベルト吊りのことだよ,お間違えなく)から折り畳みスコップ外して展開する暇があればだけど.
実際には白兵戦が予想される場合は事前に着剣しておくのが歩兵のたしなみだから,まずは銃剣付きの小銃で突つく,という事になるだろうけど.
銃剣は先端以外刃がついてないのが基本で,自分で砥がないと「刃物」としては使えない.
さらに,ものによっては銃剣というのは「先端の尖ってるただの鉄の棒」だったりした(昔のロシア/ソビエトやイギリスの銃剣はそう)ので,ナイフのように「斬りつける」という事ができない.
さらにそういう棒状(スパイク型と呼ぶ)の銃剣でなくても結局ただの長めのナイフなので,思いっきり人を斬りつけたり突ついたりすると,すぐに折れたり曲がったりする.
ゆえに,至近距離で降りまわすなら頑丈で重いスコップが最強.
尚,アメリカやイギリスが戦例を研究したが,なぜか人間は「相手の眼が見えるような」至近距離になると,銃を持っていても殴り合いがしたくなってしまうらしい.
拳銃を持っていても装弾した小銃を持っていても着剣した小銃を持っていても,まず「殴りかかる」という行為に出るとか.
またたとえば,WW1のソンムの戦いでは塹壕に突入しての白兵戦が行われたが,銃剣による負傷者は全体の1%にも満たなかったとジョン・キーガンは述べている.
至近距離で対面したドイツ兵とアメリカ兵が,武器持っているのにヘルメットを投げあい始める動画を見たことがある.
人間,興奮した状態で戦うと銃で「狙う」のは落ちついていないから無理だし,銃剣で「突く」よりは手に持っている”棒”を降り回したくなるらしい.
また,人間に刃物を相手に突き立てることに対する生理的嫌悪感があるからだともいう.
なので敵味方入り乱れたような至近距離の乱戦だと,「銃剣を着けた装弾済みの小銃を逆手に持って殴り合う」という光景が頻繁に現出することになるという.
実際の戦争ではないが,自分もサバイバルゲームで「弾が当った,当らない」で揉めた結果,口論からエアガンを降り回しての殴り合いに至ったケースを何回か見たことがあるので,「興奮すると手に持ってるもので殴る」というのは人間の基本行動,という説は実感がある.
さらに,「突撃銃」が主流になり,銃床が銃を被うような一体型の形状(ぶっちゃけて言えばボルトアクションライフルみたいな形)でなくなってからの「小銃」は,程度の差こそあれ,みんな”棍棒”として使うにも銃剣格闘するにも向かない.すぐ壊れるから.
銃床が一体型になってない銃は接合部から壊れやすいので,格闘に使うには向いてません.
M-16もFALも64式もG3も,突撃銃の第一世代(第2かな?)はみんな「降り回したり人を殴ったりするとすぐ壊れる」という評価がある.
64式はともかくそういう話が文献に載ってるってことは,やはりそれらの銃はみな「白兵戦で人を殴る」事に使われたことがあるということだろう.
それに,スコップなどは当たり所によっては十分致命傷になる.
どこで読んだか忘れたが,スコップで顔を真っ二つにされたというケースもあったようだ.
西部戦線異状なしでスコップが推奨されたのは,WW1が塹壕戦だったからだろう.
狭い塹壕内での格闘の場合,小回りの効く携帯スコップの方がとり回しがきく.
スコップは元々が土木作業用なので頑丈,尖った先端は勢いをつければ十分刃物の代わりになる.
ただし訓練では銃剣使用が基本的には推奨される.
銃剣が突き出されているところに突っ込みたがる馬鹿はいないから,敵の勢いをひるませることが出来る.
さらに銃剣を突き刺せば確実に相手を無力化できる.
斬撃というのはよほど深く切り込まないと致命傷を与えられないが,刺突の場合は腹に数センチ刺さっただけでも致命傷となる.
つまり銃剣の利点は心理的効果と確実な殺傷を可能にするという点にある.
ちなみに,『西部戦線異常なし』は第一次世界大戦の塹壕戦の話で,現代とは状況が違う.
当時はアサルトライフルはおろかオートライフルすら存在しない.
敵に接近を許すような状況では二発目を撃っている暇は無い.
そもそも泥や埃で銃がまともに動作しない事もままあった.
着剣している余裕があればそれで戦うが,激しい乱戦のさなか折れたり,深く刺さってしまい抜けなくなったりする事もある.
そうなったらとりあえず手近にあるものを振り回してでも戦うしか無い,という事.
また,1次大戦の時のドイツの突撃隊(シュトルムトルッペン)は,サブマシンガンと手榴弾に加え,近接戦闘用の武器として,先端を研いで刃をつけたスコップを背中にくくりつけていた.
軍事板
上記は,「戦争における『人殺し』の心理学」(グロスマン著,ちくま学芸文庫,2004.5),第三部 第17章に詳しく載っています.
刺突の場合は腹に数センチ刺さっただけでも致命傷となります.※
より効果的にするには,胃に刺して空気を送り込むらしいです.
そうすると悶え苦しみながら死ぬらしいとの事.
現代戦では銃剣突撃はほぼ無くなりましたが,イギリス軍はフォークランド戦の時にアルゼンチン軍の陣地へ銃剣突撃を敢行しており,イラクでも銃剣突撃していました.
以下引用.
2004年5月16日,我が英国陸軍Argylland Sutherland Highlanders の20名の部隊がアマラ近郊でランドローバー乗車でパトロールを行っていたところ,大規模な敵の待ち伏せに遭遇,機関銃及びRPGの猛攻を受けた.
形勢を不利と見た指揮官はフォークランド以来の銃剣突撃を敢行,結果英軍側は3名の負傷者のみであったにもかかわらず,敵は35名もの死傷者を出し撤退した.英国陸軍万歳!
( by 英国老人◆Uy1cjqnioo in 「軍@ふたば」,2006/06/14(水)23:39)
昔のアームズアガジンに「WW2のドイツ軍個人装備」の特集がありました.
そこにスコップが載っていまして,柄の部分の3本の切れ込みがありました.
要するにキルマークです,そのスコップで3人殺したと言う意味です.
アレには驚きましたよ・・・
CRS in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
※
『斬撃というのはよほど深く切り込まないと致命傷を与えられないが,刺突の場合は腹に数センチ刺さっただけでも致命傷となる』 について.「戦争における『人殺し』の心理学」で引用されていた古代の文献が,英文で公開されています.
NOT TO CUT, BUT TO THRUST WITH THE SWORD
They were likewise taught not to cut but to thrust with their swords. For the Romans not only made a jest of those who fought with the edge of that weapon, but always found them an easy conquest. A stroke with the edges, though made with ever so much force, seldom kills, as the vital parts of the body are defended both by the bones and armor. On the contrary, a stab, though it penetrates but two inches, is generally fatal. Besides in the attitude of striking, it is impossible to avoid exposing the right arm and side; but on the other hand, the body is covered while a thrust is given, and the adversary receives the point before he sees the sword. This was the method of fighting principally used by the Romans, and their reason for exercising recruits with arms of such a weight at first was, that when they came to carry the common ones so much lighter, the greater difference might enable them to act with greater security and alacrity in time of action.
by mailform
なお,「西部戦線異常無し」では正確にはスコップを,ではなくて,縁を研いで刃物みたいにしたスコップをもっていけ,って書いてたような気がします.良く研いだスコップで敵兵の頭をぶん殴ると,頭蓋骨半分分くらいざっくりいくので好都合とあった記憶がありますね.
あと,
「ピストルは駄目,あまり役に立たない」
「銃剣はともかく,銃剣の背にノコギリ状のぎざぎざをいれたものは絶対にそれをもって敵陣に行ってはいけない」
ともあった記憶が.
onom in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
「銃剣はともかく,銃剣の背にノコギリ状のぎざぎざをいれたものは絶対にそれをもって敵陣に行ってはいけない」
峰が鋸歯状になった初期の銃剣を持っていたために,無残に殺されて見せしめとして放置されたドイツ兵捕虜の話があります.
ホームズによれば珍しい事じゃなかったようです.
このような銃剣を持っていたドイツ兵は,WW1&2の両大戦でも嬲り殺しにあったようです.
CRS@КГБ in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
スコップを持つドイツ軍兵士(第1次大戦)
(画像掲示板より引用)
【質問】
銃剣はナイフみたいなものと,大きな針みたいなものがありますが,これはどんな性能差があるのでしょうか?
【回答】
ナイフみたいなものは刀剣型といわれるタイプ.
旧軍が戦争前にグラインダーで刃を付けてたってやつ.
現代は汎用ツールとしての使えるので,刀剣型の方が主流.
欠点はスパイク型に比べて攻撃力や耐久力で若干劣ること.
大きな針のようなものは,スパイク型銃剣と呼ばれるもの.
銃剣の機能を突き詰めれば刺突重視になるので,そう言う形になる.
初期の銃剣はこの形のものが多い.
簡単に作れるしね.
欠点は銃剣以外に使い道がないこと.
なのでこっちは廃れ気味.
軍事板
青文字:加筆改修部分
銃剣としての機能から見れば,刃付きのものは斬撃ができるけど,強度や量産性(価格)は単純な針型が有利.
ナイフの良さは着剣しない時にナイフとして使えて便利なこと.現代で銃剣突撃は稀だからこっちが重要になってきてる.
いろいろな機能を追加してみたり,ヘラとして穴を掘るのに使うことを期待したりさ.
あと意外なところでは平時から刃をつけてると事故のもとだし,寿命が短くなるから旧日本では戦争になるまで刃をつけなかった.
モッティ ◆uSDglizB3o in 軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
なんで背がギザギザした銃剣を持って行っちゃいけないんですか?
【回答】
ギザギザので刺されたらケガがひどくなる.要するに残酷だから.
戦争の中で残酷というのも奇妙に思えるかもしれないけど,人間の心理ってまぁそういうものなんで.
「ノコギリ状の銃剣を持つ兵士は,残酷に我々を殺すつもりだ!」
↓
「ならば,われわれも残酷に対応しよう」
と.
皆さん,死と隣り合わせの青春を生きていると,他人の不要な悪意に対して敏感になるので注意しましょう.
軍事板
ぎざぎざを入れた銃剣を装備した兵士
http://www21.tok2.com/home/tokorozawa/faq/faq51g.jpg
http://www21.tok2.com/home/tokorozawa/faq/faq51g02.jpg
(http://www.bajonett.de/より引用)
CRS in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
【質問】
刃渡り15cm以下にしてある銃剣は,所持していても逮捕されませんか?
【回答】
所持はOKとされる.
銃剣刃扱いがやや困難で,性質上の武器とされるゆえ,刀剣類に分類され,15センチ以上は違法とされますが,15センチ未満であれば所持は問題ないとされる.
着剣装置の有無は関係ないと言う話も有るが,完全に着剣できなくしたものは用法上の武器に分類されることになり,刀剣類からはずれ,15センチ以上も良いとされる.
詳しくは
「2ch.刃物板」:刃物関連法規総合スレ 03
剣恒光@Free Tibet ◆yl213OWCWU in 軍事板
一方,
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/seian/hamono/hamono.htm
によれば,
「銃砲刀剣類所持等取締法第22条 は,刃体の長さが6cmをこえる刃物については,
『何人も,業務その他正当な理由による場合を除いては,これを携帯してはならない.』
と定め」 られているので,持ち歩くなら6cm以下に切り詰める必要がある.
単なるフルーツナイフやカッターを持ち歩いていて,点数稼ぎのお巡りに挙げられたって話は,枚挙にいとまがないってやつ.
軍事板
青文字:加筆改修部分
44式騎兵銃銃剣中期型
(画像掲示板より引用)
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