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兵器FAQ目次


 【Link】


 【質問】
 単座機と複座機のメリットとデメリットって何ですか?

 【回答】
 一人の人間に可能な作業量は限られているので複数人を載せる.
 正確な爆撃,綿密な偵察など,作業量の多い任務を要求される機体については多座となる傾向が強い.
 多目的機になってから,メカのアシスト以上にパイロットの作業量が増え,誤爆の原因にもなっていると言われている.
 米軍みたいに,原則として制空役と攻撃役を分けて運用できるなら,それでも一人パイロットで回せる.
 しかし機数に限りがあるところでは,そんな贅沢はできず,複座機にしてなんでもやらせることになる.
 イスラエルがいい例だし,インドも複座機好み.

 デメリットは当然複数人を載せる必要性に伴うスペース・重量の増大.
 飛行性能の悪化に直結するパラメータなので,基本的に載せる人員は少ないほど良い.

 近年ではコンピュータ制御能力の向上により,以前より少人数で運用できる機体が増えている.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 パイロットが戦闘機に乗る際のスーツについての質問です.
 動画や写真で『戦闘機』のパイロットが着る戦闘服の色が

・米軍 緑
・自衛隊 緑,古い写真などではオレンジ色?
・ロシア 水色(記憶にあるのはSU-37のテストパイロットが着ていた)

の物を見かけるのですが,これら服装の色が異なるのは,何か各国それぞれ理由があるのでしょうか?

軍事板

 【回答】
 最初に,一口に戦闘機パイロットの服装といってもフライトスーツだけでなく耐寒服,耐Gスーツ,フライトジャケット,サバイバルベスト等を合わせて着用するものであり,その色は国によって,又装備の更新の移行期間等によって必ずしも全体として統一されているものではない事をお断りしておきます.

 目立つ色のスーツを採用していた所では,視認性から来る多少のデメリットに目を瞑ってでも救難時のメリットを優先しました.
 しかし救難装備の充実により,特に目立つ色である必要が無くなりました.

 目立たない色を採用していた所は,少しでも目立たないことを優先しました.
 敵地で墜落した時も敵の地上部隊に発見されないよう,目立たない色が望ましいので.

 ロシアに関しては分かりません.

SÜPEЯBiRD in 「軍事板常見問題 「軍事板常見問題 mixi支隊」」


 【質問】
 戦闘機のパイロットについて質問です
 高いところに上がると当然寒いと思うのですが,コックピット内は暖房が効いてたりするのでしょうか?
 それともパイロットスーツが暖かくなるのでしょうか?

 また,映画やアニメだと空戦中はマスクをしてて,何もないときはしてなかったりしますが,空戦中マスクをしてないと何が起こるのでしょうか? マスクを外すな! みたいなのが良くあるので,空気が薄いところを飛んでないなら,あんまり関係ない気がするのです.

 【回答】
 暖房はありません.
 というか旅客機のように気密してない機がほとんどなので,高空に上がれば上がるほど室温?は下がります.
 高度数千メートルなんて世界に上がれば外気温はマイナス30度の世界に.当然機内も極寒の世界です.

 昔のパイロットスーツには電熱線が仕込んである防寒服がありました.今も基本的にはそうです.
 あと,暖房とは違いますが,キャノピー(窓ガラス)が雲らないようにするための暖気吹きつけ機能があり,これは逆に夏低空を飛んでいると暑くてしかたがないとか….

 ただし,最近の戦闘機はエアコンはあります.
 これは電子機器の温度管理が主目的ですが,乗員も恩恵を受けます.

 で,高空は当然空気が薄いので,酸素マスクをしていなければ酸欠になってしまいます.
 脳が酸素不足になるので判断力が落ちる等の問題が起きます.
 空戦中は,パイロットの肉体にかかる負担が凄まじいので,普通に呼吸するよりも酸素が必要になります.
 空戦中に酸素マスクをしてないと酸欠の恐れも.
 イーグルを例にすれば,レギュレーターから供給される加圧酸素濃度は90%以上です.

 ついでながら映像作品ではゴーグルやバイザーもしてないことが多いですが,あれは勿論「人の顔が見えなくなる」からで,高空に上がってバイザーやゴーグルをしてないと,あっという間に紫外線で目をやられます.

 カトカン教授や故ロック氏の著書などに記述があったかと.

軍事板


 【質問】
 F-22等,一部の航空機のアクリル・キャノピーが金色に見えるのは何故ですか?

 【回答】
 機体のステルス性を損なわないよう,特殊なレーダー反射コーティングをしてるかららしい.

http://www.f5.dion.ne.jp/~mirage/message00/raptor.f22.htm
から引用.

――――――
「操縦席を覆うキャノピーはシエラシン社製(Sierracin Corporation)で耐衝撃性,機械的強度が大きく,光透過率が高いポリカーボネート(Polycarbonate)が使用されている.
 また,キャノピーに限りステルスデザインが施し難い為,酸化イリジウムをポリカーボネートにコーティングしレーダー波を反射させているCoated Canopyと呼称されている.
 また,キャノピーに限りステルスデザインが施し難い為,酸化インジウムをポリカーボネートにコーティングしレーダー波を反射させているCoated Canopyと呼称されている. ▲〔2009.5.19訂正〕
 このレーダー波反射コーティング・キャノピーは全体の反射率を均一にする為,支持枠が無く操縦席全体を覆い分割して開閉されないAll Cover Canopy(全蓋タイプ)となっている」
――――――

軍事板
青文字:加筆改修部分

▼※ イリジウムではありません.
 インジウムです.
 参照先のサイトが間違えています.

 正しくはこんな感じ.

 電波ステルス性および/または電磁波シールド性を有する窓の製造方法並びに電波ステルス性および/または電磁波シールド性を有する窓材
http://www.j-tokkyo.com/2005/B64C/JP2005-104310.shtml

 従来,航空機,特にステルス機の電磁波シールド窓としては,金やITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電膜を透明樹脂や無機ガラスからなる,窓部材の表面にコーティングしたものが知られている.
 透明導電膜を採用することで,可視光線の透過性を維持しつつ,電波を均一に乱反射させてレーダーに探知されないようにする電波ステルス性や,可視光以外の有害な電磁波が航空機外から機内に侵入することを防ぐ電磁波シールド性を両立させることとしている.
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=16589000&comm_id=342133

JSF in 「軍事板常見問題 「軍事板常見問題 mixi支隊」」

 ITOと聞いて探したら,案の定市ヶ谷で撮ったのがあったモサリ.
写真その1
写真その2

モッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 「軍事板常見問題 mixi支隊」」

写真その3
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 軍用機のキャノピーについて質問です.
 戦闘機以外の軍用機,爆撃機や輸送機,軍用から外れますが,旅客機などのキャノピーは,戦闘機のように全周式にはなっておらず,前が見えるだけという感じですが・・・.
 あれらは,何故あのような形式なのでしょうか?
 戦闘機のように機首の上に飛び出したような全周式の風防のあるコクピットにした方が,視界がよいのではないかと思うのですが・・・.

 【回答】
 それは,視界の広さと空気抵抗の削減とどっちを優先するかという話,
 速度出すとキャノピーが溶けるし,突起物は小さく無い方がよいと.
 後ろのや下の視界を確保しようと思ったら,その分コックピットの背が高くなるっしょ?
 これの分だけ抵抗が増える,となる.
 昔の戦闘機には,空気抵抗を減らすことを優先して視界を犠牲にしたデザインのもある.
 多分一番すごいのがRepublic XF-103.

 戦闘機以外のコックピットは,あれで事足りてると理解していただければよいかと.
 強度はオープンカーを想像してもらえばわかると思われる.

軍事板

 一時期,Douglasは戦闘機並みの視界のコクピットというので,突出型風防を用いたC-74とかXB-42,B-43などを製作しましたし,民間用にXB-42から発展したDC-8(傑作機じゃない方)のモックアップを作りましたが,爆撃機(XB-42,B-43)パイロットからブーイングが出た上,モックアップを見た,民間パイロットから総スカン,更にC-74のパイロットからも居住性が悪いとの指摘を受け,あえなく方針転換,DC-8やC-124では従来型に戻しています.

 また,BoeingもXB-52では同じように戦闘機型のコクピット(B-47とほぼ同じ)を採用していましたが,こちらも,「長距離飛行するのに,座席に縛り付けるんか,ヽ(*`Д´)ノゴルァ(意訳)」と言う意見が出て,量産型YB-52以降は旅客機型のコクピットに戻しています.

 英国のパイロットはその点我慢強く(と言うか,爆撃機の操縦士が1名というのを貫いていた)為,Canberra爆撃機の様に並列複座から戦闘機型のキャノピーを採用しています.

眠い人 ◆gQikaJHtf2


 【質問】
 昔の戦闘機パイロットは,風を感じるために風防を開けていたそうですが,現代の戦闘機で同じことをするとどうなりますか?

 【回答】
 死にます.
 よほど低速飛行中でなければ.

 まずキャノピーがふっとびます.
 また,パイロットは,強烈な風圧で,心身の機能が低下します.
 超音速時にキャノピー開けたら,衝撃波でスプラッタします.

 あと,音速とかに比べれば「よほど低速」といえば低速だけど,けっしてノロノロ失速間際の速度で飛んでるわけでもないんで,その状態でも結構風圧はきつい.

 なお,昔のパイロットが風防を開けたのには,風を感じるという他に,視界を良くするためというのもあった.
 欧米機はガラス加工が発達してたんで,邪魔な枠の少ないキャノピー作れたけど,その点から言えば,現代戦闘機のキャノピーは(一部機種は除き)視界は問題にならない.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ジョージクルーニー主演の「ピースメーカー」って映画で,ヘリコプターがミサイルにロックオンされたシーンで,字幕では「ロックオンされた!」とあり,英語台詞で「〜クリスマスツリー!」って聞こえたんだけど,何か俗語みたいなものでしょうか?

▼  【回答】
 このシーンは,テロリストに強奪された核爆弾を取り返すために,ジョージ率いる平和部隊がヘリに乗って追跡に入るシーンです.
 一刻を争うためにやむなくロシア領を横切るのですが,無論向こうはそんな事情は知りません.
 3機のヘリは地上にある防衛線のミサイル発射台のレーダーに次々とロックオンされ,モニター上にはそれを示す赤々とした3点が光ります.
 そして向こうがロックオンしたことはヘリ側にも探知できます.

 その際のヘリ搭乗員のセリフが
"We're lit up like a Christmas tree!"

 いわゆる丸見え状態,意訳するなら
「ロックオンされた! これじゃ俺達はクリスマスツリーの電飾だぜ!」
といったところでしょうか.

映画好き in FAQ BBS(臨時疎開),2016/05/23 10:45:43

 ちなみに軍事的な俗語としての▲「クリスマス・ツリー」とは,インディケーターが点灯する事.
 余談ながら,原子力発電所で炉心に問題が発生し,短時間で連鎖的に被害箇所が拡大して,中央制御室の警告ランプが一斉に点灯することも「クリスマスツリー」と呼びます.
 原子炉の操作員はシミュレーターを用いて,クリスマスツリーになっても安全に原子炉を停止できるように訓練を行っています.

 さらに余談だけれど,民間航空機でも同じようなことが問題になった時期があった.
 航空機の場合は操縦者(原発で言えばオペレーター)が少ないので,情報を処理しきれないことがある.

軍事板,2006/04/19(水)
青文字:加筆改修部分

※>「クリスマス・ツリー」
 原子力発電所のオペレーター経験者ですが,俗語でも聞いたことがないですね.原潜やPWRでの通称なのでしょうか?

 ちなみに,中央制御室の警報ランプが一斉に点灯するような場合は,先に炉心の方に問題があることは少なく,その他の要因で周囲から攻められる方が圧倒的ですね.
(どのような状況かは防護上余り詳しくお話しできませんが,照明も切れて真っ暗な中,警報ランプが点滅・点灯する状況はあります.まあ,それが最も近いのでしょうが.)
 先に炉心に問題が起これば,スクラム(原子炉緊急停止)してそれで終わり.後は,かたづけをすればいいだけで,簡単なことです.本当に難しいのは,そんな物ではありません.

 なお,中央制御室の警報ランプが一斉に点滅・点灯したからと言って,情報の重要度判断,取捨選択ができず,冷静さを保てないような人間はとっくの昔に排除されるか,徹底的な訓練で完全に克服できていますので(じゃないと危なくて任せられない),どうかご心配なく.

 ちなみにマンパワーも,古いプラントでも基本で4人いれば絶対十分(最新プラントならもっと減らしてもOK).通報連絡無視して,取捨選択して良いなら,炉心周りとそれ以外を担当の合計2人でも何とかなります.熟練した人間ならそれこそ1人でもの世界ですが,人手は多ければ多いほど楽なのは確かですね.
 ただ,応援の人間が来るとは想定していませんし,そのように楽を期待するのが間違っていますので.ある意味パイロット同様,厳しい世界です.

 なお,世界中にはヒューマンエラーによる被害拡大防止のため,ある一定の時間は操作員による緩和操作を禁止している設計のプラントも存在します.これも,まあ,ある程度落ち着いたら後かたづけに入るのですが,その点は設計と割り切り,合理性なのでしょうね.

 さらに民間航空機のお話しは,航空機関士がいるような古い機体(3メンクルー)から,自動化が進み,航空機関士が廃止され,最新の機体のように,機長と副操縦士の2メンクルー化されたばかりの時の問題でしょうか.
 まあ,何にしろ移行当初は様々な問題が懸念,発生する物で,時を追うごとに改良されていくのでしょうが,初めての場合は確かに心配するのは人情でしょう.
 ただ,この場合も労組がゴネた割には,航空機関士廃止という無理な人員削減が要因で事故を引き起こしたケースは寡聞にして聞いたことがないのですが,ご存じの方いらっしゃいますでしょうか?
 以上,ご参考まで.

へぼ担当 in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

そういえば,フラグが全部たったパケットによるネットワーク攻撃はルーターのLEDが全部光るからXmasアタックっていわれますね.

>航空機関士廃止という無理な人員削減が要因で事故を引き起こしたケース

 ないと思います...というか,因果関係の立証が難しそうですね.
 日本の航空機関士は一応パイロットになる道が一応開かれていますが(今の免許自費取得組のラインパイロットへの登竜門,エアフライトジャパンの前身は航空機関士をパイロットにする為の学校です)

Fabius(KT) in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

▼ なお,
『大図解 世界の潜水艦』(坂本明著,グリーンアロー出版社,1999.4.1),p.31
では,
>各バルブや弁の制御装置
を指して,
>クリスマス・ツリーと呼ばれる
としており,原潜内での通称だが,特段に「一斉に点滅すること」だけを指すのでもない模様.▲


 【質問】
 軍用機でも与圧は,コクピットに対して行われるのですか?

 【回答】
 外気との差を埋めるという仕組みは同じ.
 旅客機が8psiで,軍用機が5psi.
 旅客機は飛ぶ高さが決まっているが,軍用機はそうではない.
 飛行高度が高くなれば,与圧が無意味になるくらいに外気圧が下がる.
 旅客機が成層圏を飛ぶとき,機内は0.8気圧,外は0.3気圧.
 このくらいなら軍用機でも,酸素マスクをつけても行動できるが,これより高いところを飛んで気圧が下がると,通常の大気の5倍の酸素…純酸素を吸っていても肺胞が酸素を取り入れられなくなって,死ぬ.

 F-15の上昇限度が6万フィートであっても,4万5000フィート以上は耐圧服とか高高度与圧服とか言われる特注品を身に付けないと,そんな高さは飛べない.

ふみ in 軍事板,2007/06/27(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦闘機や攻撃回転翼機の操縦手などが装備しているHMDと言う物は,身体に悪そうに感じます.
 実際の所どうなのでしょうか?
 視力低下や電磁波による健康被害などがありそうですが.

 【回答】
 VR研究者の端くれである俺様が来ましたよ(下っ端だけどorz)
 HMD=身体に悪い,というのは民生用で使われているものから来る誤解が大きい.
 指摘されているのは,民生用のHMDが大体1〜2m先の所に焦点距離を置いているから生じている問題.

 軍事用に使われるものは,外部視界と重ね合わせて使う「シースルーHMD」と呼ばれる類のもので,基本的にHUDを頭部に持ってきたものと思ってくれると良い.
 HUDは,詳しい人は知っているけど,無限遠(もしくはそれに準じる長距離)に焦点があわせてあって,敵機に焦点をあわせるとちょうどHUD内のシンボルも同時に焦点が合うという仕組み.
 照準用HMDもこれと同じで,基本的には遠方を見る場合に重なって見える仕組み.
 なので,近くを見続けることによる目の疲れが生じるとは言えない.

 ただし,先に導入されているAH-64のIHADSS等では,FLIRと連動した夜間飛行等,使いこなしに相応の熟練が必要という話があるし,平衡感覚その他に悪影響がないとは言えない.
 この辺は,有名な駄作「APACHE」という映画にちょっと出てくるので,見てみるといいかも.
 ストーリーは糞だけど,このIHADSSのくだりは非常に参考になるはず.

 あと,目の疲れ云々以前に,古いタイプのHMDは大方が重くて大きく,ヘリはともかく,高G旋回で格闘戦を行う戦闘機乗りにはかつて酷く不評だったとか.航空自衛隊の場合,最近島○製作所の試作品を搭載して試験したらしいけど,こちらは軽くて結構好評だったという話.

 ただ,焦点が遠ければ問題解決というほど簡単ではなくて,例えばIHADSSの場合は「片目で夜間視界を確保しつつ,もう片目で計器をチェックする」という,日常生活ではありえない目の使い方をする.
 これは熟練が必要だし,適応できない人も出てくるはず.
 また,この場合はIHADSS側の焦点を近くに合わせておかないといけない.

 というわけで,近く/遠くをシームレスに見えるディスプレイが欲しい,という要求もあって,レーザースキャンで常にピントの合うディスプレイとかが試作されている.
 ただ,こちらはまだまだ研究段階で実用ではないはず.

軍事板


◆◆◆◆脱出装置


 【質問】
 パイロットの緊急脱出装置って,大怪我をするほど危険らしいですが,まず,機首部分だけが分離し,そのあとパイロットがピヨーンと出れるようにしたら良いのではないでしょうか?
 そういうのは非現実てきなのでしょうか?

 【回答】
 初期のジェット機にいくつかそういうメカのがあった,
 大型の戦闘機だとコクピット部分が脱出カプセルとして外れる方式もあった.

 ただ,緊急事態(だいたい,通常の飛び方はしていない)に機体の一部をいきなり切り離したら,確実に機体はバランスを崩す.
 それに,切り離された部分も何も問題なく分離して本体から離れられるとは限らない.
 切り離したはいいがバランスを崩して逆さまになり,そのままスピンして制御不能,ということも充分ありうる.

 また,分離システムや降下用のパラシュートが大掛かりになって重量とコストが増大する.
 特に小さな戦闘機ではメリットがない.

 そうなると,人間だけ外に放り出してパラシュート降下させた方が安全かも,ということになった.

 何度もいうが,素人が思い付く程度のアイデアは専門家がとっくの昔に試していて,多くは失敗に終わっている.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 射出座席には射出型の機体や突破型,爆砕型とさまざまな機種が採用されてるようですが,それぞれのタイプのメリット・デメリットはなんでしょうか?
 また,最近の傾向としてどのタイプが採用される傾向があるかも,ご存知でしたら教えてください.

 【回答】
 突破型,爆砕型と呼んでいるけど,それは主にキャノピーの排除方法の違い.
 基本的には,大型のキャノピーを持つ戦闘機は,キャノピーを緊急時に吹き飛ばす方法を取る.
 が,もちろん故障することも考えられるので,サブの方法としてキャノピー内に仕込んである爆砕コードや,座席先端の突起でキャノピーを強制的に突破する方法を取る.
 ただし,パイロットの人からすると,コックピット内で火花が飛び散る爆砕は,あまり好まれないらしいと聞く(見た目的にやばい)
 .あと,突破式の場合,完全にキャノピーを破壊しきれない場合があるので,怪我したり最悪首の骨を折るなどで死ぬ.
 ソースは失念したけど,脱出時にキャノピーの縁で深く手を切りつつ,敵地に下りてしまったA-6のパイロットの話を読んだことがある.

 射出方法自体は,今はほとんど座席単体での射出が主流.
 モジュール式の射出を行うのは,かつてマッハ2以上で高速飛行する機体がやっていた.
 F-111に名残として残っているくらい.
 座席の打ち出しは,かつてWWIIにドイツが最初に採用した方法は火薬式.ほかにも圧縮空気式があったけど,どちらもあくまで自機から身を守るための射出.
 高度を稼いで安全に射出できるようになったのは,ロケットモーターを使用する「ゼロ・ゼロ射出座席」になってから.
 今のACES2やK-36Dなどでは,座席姿勢を検出して真上に射出できるようになっている.
 また,K-36Dでは,ウィンドディフレクター(防風板)を展開することで,音速下での射出も可能になっていて,旧西側の座席に安全性で差をつけているとか.

軍事板

射出
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 戦闘機の脱出装置について質問です.
 最新のものは高度ゼロ,速度ゼロでも安全に脱出できるとのことですが,逆に上限高度,上限速度はどれくらいなのでしょうか?
 いくつか種類があるのでしたら,最も高性能なものでお願いします.

 【回答】
 ロシアの射出座席 K-36DMの射出可能条件は,最大でマッハ3,高度24000メートル以内と言われており,K-36DMは対気速度800Km/h以上での脱出の場合,ウィンドウブラストディフレクター(風圧防御板)が展開し,気流が直接パイロットに受けないよう整流し高速時の風圧を防ます.
 また,超音速の場合は,意図的に衝撃波を作り出すことによってパイロットを保護します.

軍事板

▼ 【追記】
墜落直前に間一髪で脱出 カナダの航空ショー

 無事で何より.
 あんな低高度でも,ちゃんと脱出出来るモノなんですね……

2010年07月25日 07:29,Ai

> 墜落直前に間一髪で脱出 カナダの航空ショー
写真1
写真2
写真3

2010年07月25日 10:39,CRS@空挺軍

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
1. 現代のジェット戦闘機には射出座席が必ずついてますが,射出後のパラシュートは自動的に開くのでしょうか?
 それとも手動ですか?

2. 射出する時は戦闘機の状態を一定の条件に合わせてから射出するのでしょうか?
(頭を地面に向けてるときに射出したら多分死にますが,機体を一定の角度に向けたりとか,速度が一定以下になってからとか)

 【回答】
1. 自動.
 そうでなければ,射出時にパイロットが気絶したりしたら(結構ある)終わる.
 それでは脱出させた意味がない.

2. 勿論,できる限り安全な状態で脱出するようにはするけど,緊急時にそんなことは言ってられない,という場合も・・・.
 例え下向きに射出しても,地上10mとかでもない限りは大丈夫.
 あと,最近の射出座席は「ゼロゼロ式」と言って,上向きに射出する限りは,高度0m速度0kmで作動させても安全にパラシュートで着地できる設計になっている.

 以前のも射出そのものはちゃんとできたが,今のは背面で射出されたら座席が自動で上向いて,ある程度上昇してからパイロット(おそらく失神してる)を切り離す.
 横向きだと安全度はやや下がるらしい.

 ディアゴディスティーニから射出座席の発達史をまとめたDVDが出てるから,見るといい.
 ディアゴ(ディスカバリTV)にしては珍しくちゃんとしてる.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ベイルアウト経験者のことを俗に「なんとかの会会員(かなり不確か)」と呼んで仲間内で茶化すらしいんですが,どういうのか教えてください.

 【回答】
 多分「キャタピラー・クラブ」のこと.
 パラシュートの開発・製造を行ったアーヴィン社が,自社のパラシュートで生還したパイロットのために作った親睦組織.
 昔のパラシュートは絹でできていたので,それにちなんでキャタピラー(芋虫=蚕のこと)の名がつき,会員には芋虫(蚕)の形をしたタイピンが贈られた.
 タイピンの写真はここにある.
http://www.caterpillarclub.org/irvin/irvin.htm

軍事板

 キャタピラークラブの他に「マーチン・ベーカー・タイ・クラブ Martin Baker Ejectee tie club」というのも聞いたことがあります.
 航空ファン(何年何月号かは失念)の中にも出て来ます.

もー in FAQ BBS

 同クラブは,射出座席トップメーカのMartin Bakerが,自社製品で脱出したパイロットに記念のネクタイとともに入会資格を与えるとのこと.
 現在会員数は5270人だそうです.

 詳しくは公式サイトで.
http://www.martin-baker.com/ejject_tie_club.html

アドバンスト杜聖 in FAQ BBS


 【質問】
韓国空軍 F-15Kがまた地上で撃墜 試乗した将軍が射出レバーを引きベイルアウト

 射出座席って複座でも片っぽがレバー引けば,両方射出されるもんだと思ってたんだけど,違うのかな?

2010年07月27日 18:27,D.B.

 【回答】
 普通は,両方飛ぶはずです.
 しかし,(うろおぼえなんだけど),射出座席には安全装置かロック機構があったかと.
 これが前後で別々だったので,片方に安全装置をかけたまま射出レバーを引くと,残った片方だけ飛び出します.

2010年07月27日 18:44,極東の名無し三等兵

 「ファントム無頼」に,そのような描写がありましたなあ.

 片方だけわざとベイルアウトする必要があって,レバーを引くと,前席・後席とも作動して,もう片方はキャノピーに頭を打って「いてー」だけで済むという(笑)
 あれって,キャノピーで頭を打ったら相当重症(少なくとも機上任務からはずされる)な鞭打ちになると思いますけど(笑)

2010年07月27日 22:45,ゆきかぜまる

 実際,スルーキャノピー方式の機体だと,脱出時に怪我した事例が少なくなかったような.
 だから,キャノピー爆砕用の火薬を組み込む事例が出てくるわけです.

2010年07月27日 22:50,井上@Kojii.net

 ハリアーのキャノピーにうねうねとのたくっている奇妙な線が,ソレでしたっけ?

2010年07月27日 22:53,ゆきかぜまる

 ええ,そうです.
 確か A-6 はスルーキャノピーだったと思ったけど…

2010年07月27日 23:07,井上@Kojii.net

http://minkara.carview.co.jp/userid/227121/blog/15561894/
T-45もスルーキャノピーでしたね.

2010年07月27日 23:16,バルセロニスタの一人

 衝撃の事実!前席はカラであった__

 いや,夏だし.
 少し怪談ほしいし.

2010年07月27日 19:16,ゆずこせう

「おやかりいただけたであろうか.何か意思を持ったようにF-15がベイルアウトする姿を.
 この基地には特に因縁はないのだが」

by本呪のおやかり

2010年07月27日 20:20,バルセロニスタの一人

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より
青文字:加筆改修部分

▼ 気になったので,「技術指令書 操縦指令」を調べてみました.

F-15DJの場合
 後席から射出を開始する場合のejection sequence,または単独飛行時の単独の射出を選択するために,後席に「ejection seat command selector valve」がついている.

「NORM」
 後席で操作したときは,後席の単独の射出となる.
 前席で操作したときは,両席射出(後席が最初)となる.

「AFT INITIATE」
 前席または後席のいずれで操作しても,両席射出(後席が最初)となる.

「solo」
 前席からの単独の射出だけである.
 後席の射出はできない.

F-2Bの場合
「EJECTION MODE SEL handle」は,コンソール上に配置される.機能は次のとおりである.

「NORM」
 後席からejection systemを起動すると,後席のみ射出される.前席からejection systemを起動すると,後席・前席の順で両方とも射出される.

「AFT」
 前/後席いずれからejection systemを起動しても,後席・前席の順で両方とも射出される.

「SOLO」
 前席のみ搭乗する場合に使用する.
 前席がejection systemを起動すると,前席が射出される.

F-4EJの場合

「Dual Ejection Initiated From the Front Cockpit」
 前席搭乗員が face curtain handle または lower mounted ejection handle を引くと,前席射出の前に後席を射出させる.

「Dual Ejection Initiated From the Rear Cockpit」
 後席搭乗員が command selector valve を開き face curtain handle または lower mounted ejection handle を引くと,両席射出が行われる.

「Single Ejection Initiated From the Rear Cockpit」
 command selector valve が normal(閉じた位置)にある場合に後席搭乗員が face curtain handle または lower mounted ejection handle を引くと,後席単独射出が行われる.

T-4の場合
 ejection mode selector valve は,後席に装備されており,DUAL と SINGLE の mode の選択を行うことができる.

「DUAL」
 前後席のいずれが射出操作をしてもまず後席が,続いて0.4秒遅れて前席が射出される.

「SINGLE」
 射出操作をした座席のみが射出される.

 表現は,機体の操縦指令によってやや異なりますが,操作方法と射出座席の作動は,ほぼ同じといえます.

しろくま in FAQ BBS,2010/8/18(水) 22:30
青文字:加筆改修部分


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