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兵器FAQ目次


(画像掲示板より引用)


 【link】

「gigazine」:地雷を探す訓練を受けたネズミに注目が集まる
「ザイーガ」:【MOVIE】巨大ネズミを使った地雷の撤去作業

「Strategy Page」◆(2013/04/25) PEACE TIME: Eternal Landmines In Central Asia
 中央アジアでは,地雷はますます増えている

「Time」◆(2013/05/20) Honeybees trained in Croatia to find land mines
「朝目新聞」(2013/05/26)●ミツバチを使って地雷探査:クロアチアと米国

「エルエル」●イギリスの研究者が地雷に光るバクテリアを開発

ゴシップス編集部 @GOSSIPS_Japan 25 10月 in twitter
風さえあれば転がるという地雷除去道具Mine Kafonに注目.
主に竹で作られたこの道具は,14歳の時に戦乱のアフガニスタンを脱出し,その後ヨーロッパでデザインを学んだ男性が発明した.
youtu.be/QJQLuT7yZhE

「週刊オブイェクト」:対人障害システム,指向性散弾では対人地雷を代替しきれない理由
コメントno.92まで回収完了


 【質問】
 地雷がなかった頃の戦争ではどのような罠をしかけたんですか?
 落とし穴やトラバサミ?

 【回答】
 地雷原のような野戦用の障害物としては,杭を埋め込んだ落とし穴を並べたり,先を尖らせた枝付きの木を地面や壕の側面に埋め込んだりした.

 ブービートラップとしての罠では,落とし穴や,上向きに埋めたスパイクなど.
 紐と弓矢(または弩)を組み合わせた罠も用いられました.
 この罠は,引き絞って矢を番えた状態の弓の弦にフックなどを引っ掛け,それに紐をつなげて目立たない足元などに張る.
 敵が紐に引っかかるとフックがはずれ矢が放たれる,というもの.

ユリウス・カエサルのガリア平定作戦の大詰めとなったアレシア包囲戦でも,ローマ時代からこんな感じでトラップやら落とし穴やらが使われてる.

 トラバサミは意外と歴史が浅いものだったはず.
 よく使われたのは19世紀だったかと.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 榴弾やクラスター弾は攻勢にも守勢にもどちらにも使えるけど,地雷は防御戦闘用の兵器だよな?

 【回答】
 ところがどっこい,80年代のアフガン戦争ではソ連軍は空中散布地雷PFM-1「バタフライ」を大量に散布し,反政府軍の迎撃ルートを封鎖した上で,速やかに戦略拠点の占領に成功してしまった.
 おかげで反政府軍は,専ら山岳地帯などで局地戦闘を続けるしか出来なくなった.

 もし外国が日本本土に上陸するなら,空中から地雷を散布して,日本の地上部隊の移動を妨害した上で,速やかに拠点を占領するだろう.
 兵器とハサミは使いようなのだよ.

軍事板


 【質問】
 ある雑誌で,自己鍛造弾頭(SFF)というトップアタック攻撃時の弾頭のことが書かれていたのですが,どなたか詳細お教え願います.

 【回答】
 SADARM弾(対走行探知破壊爆弾)から飛び出す子弾の一つ.
 飛び出した子弾が,それぞれ適当な目標を探知し,これに向かって自己鍛造弾を発射し,目標にトップアタックをかける.
 目標を探知した自己鍛造弾は,爆薬レンズもしくはそれに準じた機構を用いた平面衝撃波によってコニカルコーンが変形されます.
 すなわち,爆薬によって発生させた衝撃波を,微妙なカーブ――多次の放物線型方程式が主流のようです――をもつ曲面コーンに透過させることにより,コーン内部に独特の速度分布を作ってやることで,最終的にバドミントンのシャトル状の鍛造破片(このタイプはフレア型と言います)に変形させ,HEATではありえない長大なスタンドオフ(HEATは弾径の2〜3倍に対しSFFは1000〜2000)攻撃能力を実現させるものです.

 速度的には3.5〜5.5km/s程度と言われています.
 この速度は衝撃工学的には極めて面白い領域なのですが,ここでは割愛します(^_^;).

 大きささえ気にしなければもっと機械的な方法――平板を衝突させる等――でも鍛造破片変形の実現が可能です.
 爆薬を用いるのは,爆薬レンズ等を用いることで,より大面積の平面衝撃波が発生させやすいという理由からです.ただし,爆薬を用いることで実現できる衝撃波は,機械的な発生方法よりも平面度の点で劣り ます.ちなみに,HEATも同様の理由で爆薬が用いられています.

 SFF弾頭の要は主に三つです.一つ目は平面衝撃波発生機構.二つ目は3次元シミュレーションコードを用いた金属コーンの設計.そして最後に高精度な数値研削機械です.
 この一つでも欠けると,SFF弾頭を開発・製造することが不可能です.

 SFF弾の直接的な先祖である(根っこはHEATですが),底板貫通型対戦車地雷の初期のモノに平板を用いているものがあったようです.
 ただし,SFF弾の様なフレア型でかつ弾長の長いものではなく,短く,飛翔体径が極めて大きい(=L/Dが小さい)飛翔体を作りますので,空気力学的に極めて不安定で,かつ,侵徹威力もSFF弾に比して低いものでした.

 まぁ,地面から戦車底板までの距離はどんなに遠くても50cm以上にはなりそうにない(一般的な走行状態では)し,底板は上面や正面に比して軽い装甲構造が用いられているはずので,あながち間違いで はないデザインだったと思いますけどね.

 ただし,最近のデザインでは侵徹威力を向上し,かつ,貫通後に爆薬の燃焼ガスを車内に吹き込むことで乗員の殺傷力を向上している形状に変化しているようです.

 以下のリンクはSFF型対戦車地雷に関するIDRの記事の一つです.
http://www.janes.com/defence/editors/idr9603/dr963051.html

 EFPはExplosively(?) Formed Projectileだから「飛翔体」という訳でで充分.
 SFFはSelf Forging Fragmentですね.

(?他)


 【質問】
 いかにも地雷が埋まっていそうな場所を部隊が通過しなければならない場合,どのように進むのですか?

 【回答】
 どこの軍事組織かによって違う.

 地雷対策の工兵部隊が充実している軍隊なら除去を考える.
 地雷探知機が無い時は銃剣やナイフでゆっくり浅く地面を突き刺していき,何かに当ったらその周りを掘る.
 ある程度露出させて地雷であることが確認されたら,目印を置いてそこを迂回するようにする.
 時間は掛かるし危険も大きいが,無策で地雷原を進むよりはマシ.

 あと,時間がどうしても無い時は,何台か犠牲が出る事を承知で,地雷に構わず車両で駆け抜けるという手もあり.

 高部正樹氏の著書を何冊か読んでみると,アフガン傭兵時代の行軍ではベテラン兵士が先行して地雷やトラップワイヤーを探索し,後続はその後を付いていく描写が何度か出てくるね.

 第2次大戦のソ連軍では,地雷原があろうがなかろうが,懲罰部隊を突入させてみたり.

軍事板

>地雷探し

 殉教志願者を募り,重りを背負わせ,地雷原を走らせればよいではないか.

イラン前国防相 ◆2ahDXUlKbw

地雷除去中のイギリス軍工兵

CRS in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
 一般的に,地雷除去装備(導爆索,地雷除去車など)が全く無い場合,地雷原突破はどうやるのでしょうか?
 歩兵を散開させて前進させるのですか? それとも,諦めて迂回するのでしょうか?

 【回答】
 砲兵の支援が得られる場合は,砲兵に地雷原を砲撃してもらう.
 それも出来ない場合は,兵士が銃剣で地面を突ついて地雷を探しながら前進,除去する.
 かのロンメル元帥が地雷原に遭遇したとき,元帥自らスコップで一つ一つ撤去を始め,将校以下も皆これをマネて,遂には地雷原を突破した,なんてエピソードも.

 急いで前進する必要が有り,手探りでの除去をやっている時間がない,と判断された時には,
無視して前進 (踏んだら不運と諦める)
という手段がとられることも.

 他に,手榴弾を投げる,適当に徴発した車を無人で走らせる,等.

 動物を地雷原の方にけしかけて踏ませる,という方法もあるが,これはあまり上手くいかないとのこと(望んだ方向へ歩いてくれるとは限らないし,爆音で逃げちゃうから).

 捕虜や一般市民を一列に並べて踏ませる(当然,背後から銃で脅す)という方法もあり,ソビエト軍やドイツ軍が実際にやっていましたが,これも対人地雷にしか効果がない(対戦車地雷は人が踏んだくらいでは爆発しません)の,であまり意味がないとのこと.
 ユーゴ内戦では,虐殺された死体を投げ込んで,それを一直線上にならべて通路を作り,兵士はその上を歩いた,なんてこともやっていました.


 【質問】
 正規軍同士の戦いじゃなくたって,陣地周りとか重要な拠点や敵が使いそうな道・建物以外のそこら辺の森や草原に適当にホイホイ設置って事は考えにくい気がするんだよね.

 民間人や子供の被害がよく世間でアピールされるけど,それは地雷原を知らないとか,地雷やトラップに対する警戒心の問題かなぁ・・・

 【回答】
 敵勢力がその一帯を使うのを拒絶するために,無差別にばら撒く事例がある.
 井戸の傍や畑,牧草地などに撒いておけば村に住めなくなる.

 また,軍が設置したものであっても,傾斜面に設置したり,雨で流されたり,木の根に掘り返されたり,爆風で吹き飛んだりして時間が経つにつれて位置はずれる.
 雪原に板を敷いて仕掛けた場合なんかもある.
 雪が解ければ動く.

 カンボジアなんかで問題になってるのは,すげぇいい加減に地雷撒きまくって記録も取ってないから.

 そういうわけで地雷は,なかなか厄介な問題を抱えている.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【珍説】
 地雷が埋められている国を,まだら模様で表した世界地図を開く.インドシナから中東,バルカン,アフリカに至る範囲で,まだらが目立つ.
 世界の埋蔵地雷は1億個以上で,20分に1人が死傷しているとの推計もあった(『地雷問題ハンドブック』自由国民社).

 次に地雷を製造する国を塗り分けた地図を見る.地雷は埋まっていないが製造している国が分かる.目につくのは米,英,仏,そして日本だ.
 しかし,日本製の地雷は自衛隊が保有している.これまで海を渡っておらず,どの国の人も殺傷していない.

 日本の武器輸出を事実上,全面的に禁止してきた「武器輸出3原則」の見直しを求める提言を,日本経団連がまとめた.提言は国際的に装備・技術の高度化が進む中での立ち遅れなどを懸念する.
 しかし一般の産業と同じように立ち遅れを問題にしていいのだろうか.
〔後略〕

(朝日新聞 《天声人語》 2004/7/22)

 【事実】
 正規軍が埋めた地雷と,ゲリラ組織が埋めた地雷とでは,扱いの難しさが全然違うのですが,その辺は報道してくれないのですね...

 地雷輪出大国の中国様は目に付かないのか,それとも地図が捏造なのか,どちらにしてもいかにもアカピですね.

 ちなみに,
「地雷は一定時間経つと無効化されるような,知能化ハイテク地雷に限定する条約つくろーぜ」
とアメリカが言ったら,
「それじゃ,俺んとこの地雷が売れなくなっちゃうじゃん」
と反対したのも中国.

 だいたい,「武器輸出3原則」の見直しは,兵器開発が一国では難しくなっており,共同開発の障害になっていることが,国防上の不安要素となっていることによるもの.
 例えどんな紛争地域であろうが,じゃんじゃん兵器を輸出しようという,中国のような国になろうとするためのものではない.

 なお,ソースは不確かだが,朝日はこんな言い訳をしたという.

348 名前: 文責・名無しさん Mail: sage 投稿日: 04/07/22 21:53 ID: baiig0LM

 あんまり頭にきたので出した,
「英,仏,日本はオタワ条約に加盟しているはずでは?」
という内容のメールの返事が来ました.
 それによる朝日の回答は

『 本 に そ う 書 い て あ っ た か ら 』

だそうです.

 朝日よ,お前さんは新聞という自覚があるのか? 裏も取らないでよく記事が書けるな.

 ちなみに参考にしたのは1997年出版の本.オタワ条約は1999年w

 そんで,言い直したものの……,

07月22日付

 地雷は埋まっていないが製造している国が分かる.目につくのは米,英,仏,>そして日本だ.しかし,日本製の地雷は自衛隊が保有している.


07月25日付

 日本では,研究・訓練などのために保有しているものを除いて,既に廃棄された.
 世界では,まだ2億個が保有されているという.英,仏などが生産と保有をやめる一方で,米,中,ロシアなどは作り続けている.

 対外輸出を禁止してる米と,それにより外貨を得てる中国を,同等に扱うんですか.そうですか…….

(軍事報道スレッド in マスコミ板)

 なお,上の文では「地雷を作っている」が「地雷が埋まってない」国と解釈することも可能.
 この場合,「地雷をつくっていて」かつ「自国内に埋めてる」中国とか露西亜は外れる.

 あと,日本が製造国に挙げられているが,自衛隊が保有しているのは「対戦車地雷」であって,禁止されてる対人地雷じゃない.

 朝日のこの文は,嘘は言ってないが,意図的にミスリードさせる気が満々.

(城庵 in FAQ BBS)


 【質問】
 クレイモアはオタワ条約の対象外なのですか?

 【回答】
 クレイモア自体は,人が起爆操作するのであれば条約対象外
 「地雷」としての使用は禁止になっている.

 条約では,
「「地雷」とは,土地若しくは他の物の表面又は土地若しくは他の物の表面の下方若しくは周辺に敷設されるよう及び人又は車両の存在,接近又は接触によって爆発するように設計された弾薬類をいう」
と定義されている.


 【質問】
 今,対人地雷が使えないから暫定的に?指向性散弾とかいうの使ってるらしいのですが,これは,対人地雷にくらべると非常に劣るものなのでしょうか?
 自衛隊も,なるべく早く対人地雷に変わる物を・・ みたいなこと言ってますが.

 【回答】
 指向性散弾は基本的に人が起爆させます.
 このため一定の地域をカバーするには一定の人員が必要となります.
 対人地雷は勝手に爆発しますから,人手は要りません.砲や爆弾で撃ち込むことすらできます.
 指向性散弾も起爆ワイアーなどを仕掛けて同様の使い方ができますが,敷設には人手と時間がかかりますし,そのまま放置すると対人地雷扱いとなり,条約に違反することになります.
 このため,指向性散弾+ネットワークを用いて,無人指向性散弾システムで面積をカバーする(areadenial:一定地域への敵進出阻止)という考え方が登場しており,この一環にメタルストームのような新兵器も顔を出しています.


 【質問】
 よく映画とかに出てくる,「踏んで離すと爆発する」タイプの地雷は,実在するのでしょうか?
 カンボジアの地雷掘り職人に聞いても知らないと言うし,こないだ実家の鯨連隊にいたジイちゃんにきいても「そんなモンは見た事ないわ」だそうです.

 【回答】
 実在しますが,ほとんどが「踏んで即爆発」タイプで,「離したら爆発」タイプは,全体の中では極少数です.

 後者の代表にSマインがあります.
 これは
信管が作動(踏んだ後)すると,地上1mまで飛び上がり,周囲にボール・ベアリングを撒き散らします.
 Sマインのコピー商品は,旧社会主義国(主にソ連・中国)で大量に生産して,インドシナ,中東,アフリカでブラックマーケットから流れて使用されてます.


 また,指向性対人地雷で有名なクレイモアは,1950年代に開発が始まり,1960年代に実用化されベトナム戦争で使用されました.
 コピー商品は同様に生産され使われてます.
 地雷廃絶リストからクレイモアは除外されてます
ので,対人地雷撤廃条約に署名した日本でも,ライセンス生産しております.

一等自営業 ◆JYO8gZHKO.(黄文字部分)他: 軍事板,2004/10/13
青文字:加筆改修部分

▼ 映画,ドラマ,漫画などフィクションの世界で,足を持ち上げなければ爆発しないかのように描写されていることが多いのは,そういう構造のものも実在したが,対人地雷で大型のものは大概,作動してもすぐには炸裂せず,一呼吸置いてから爆発するようになってるトコから来た誤解だろう.
 隊列組んだ相手に地雷踏ませた場合,踏んだ瞬間に爆発すると,先頭の人間だけが吹き飛ぶが,一呼吸置いてから爆発するようにすれば,隊列の真ん中で爆発するからうまくやれば複数の人間を一発で巻き添えに出来る.
 あとは演出上の要求か.

 ちなみに,「一旦踏んだあと,足を持ち上げたらで爆発する」タイプのものも,「踏んだ先頭のやつだけ」が吹き飛ぶのではなく,踏んだやつの後ろにいる人間を,巻き添えにして吹き飛ばすため.

 これに限らず,地雷の設計はこういう,「どれだけ効率的に人間殺すか」の工夫に満ち満ちてて,仕掛け方と合わせて,人間の知恵と悪意を堪能できる.
 現用の地雷の詳細については,ほぼ例外なく機密なので,軍外には詳細がわからないことが多いが,今現用のほとんど全ての地雷は,信管の作動方法をある程度任意にいじれるようだ.
 「踏んだら作動」するか「踏んだあとで作動」するか,また,「信管が作動したら何秒後に爆発するか」は可変できるのが普通のようで,「同じ地雷が埋められていても,作動方式が全て同じとは限らない」ものだと思った方がいい.
 カウンタ付いてて,「1回踏んでも爆発しないが,x回踏むと爆発する」なんてのも普通にある.

軍事板,2009/07/22(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 日本が最後に作った対人地雷,80式のように,跳躍式のものとその場で爆発する従来のもの2種類ありますが,これはエアバーストの方が破片の散布範囲が大きい為,跳躍式の方が対人地雷としては有効的と言うことなのでしょうか?

 【回答】
 一度に多人数を吹き飛ばしたいなら跳躍式の方が優れる.

 でも,跳躍式の地雷は運用が面倒(普通の地雷以上に,地面がしっかりした場所に埋めるか,下に板や石を敷かないとちゃんと跳び上がらない)だし,単純な地雷に比べると大きく,構造が複雑になるしコストも高くなる.
 何万個も埋めて地雷原を作ろう,なんて時はその辺の面倒が出る.

 あと,空中散布式にし辛いということもある.
 これは高速に広範囲に地雷を設置したいときには,いなる難点となる.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 以下のような言説は正しいのでしょうか?

- - - 引用開始 - - -
>  対人地雷禁止条約にも米国は参加していないが,
> イラク戦争では使わなかった.
> 条約が国際ルールとして定着し,地雷は使えなくなってきた.
> 大国が自分の思惑だけで世界を動かした時代は変わりつつある.
- - - 引用終了 - - -
以上,引用は毎日新聞2008年6月1日朝刊大阪本社13版「社説ウォッチング」より

 イラク戦争でアメリカが対人地雷を使わなかったとしても,それは戦術上,対人地雷使用を要求される状況にならなかったためなのでは?
 地雷,特に対人地雷使用が戦術上要求される局面も併せて教えて下さい.

[―{}@{}@{}-] 質問 ◆lBsVac6NRo

 【回答】
 地雷は基本的に防御用に用いられます.イラクではアメリカは攻勢に出ていたわけで,地雷を使うシーンは考えにくいでしょう.急速に移動する中で地雷を敷設する必要はありませんし.

 現在であれば基地周囲に対人地雷を敷設して防御と言うことも考えられますが,米軍への攻撃は離れた場所からの迫撃砲やロケット,あるいは車両に対するIEDや公道での自爆テロの形で行われており,これまた対人地雷を使用しても意味がありません.

 たとえば国境警備や大規模な基地警備,或いは主要幹線道路の警備などで対人地雷があれば敵の侵入を防いだり,敵が爆弾を仕掛けるのを拒絶できるという考えはありえます.
 大規模な基地となると,周囲の長さもかなりのものとなりますから,警備塔と警備塔の間を埋めるのに対人地雷を使えれば,という考えは出てくるでしょう.

 対人地雷の使用が戦術上要求される局面は,対戦車地雷を使用して地雷原を作るときに対人地雷を混ぜるなどでしょうか.

 ちなみに,フランスのアルジェリア独立戦争や,南アフリカのアンゴラにおける活動やソ連のアフガニスタン戦争をみれば,国家が設置した対人地雷がその後も残っている例は簡単に見つかると思います.

 米軍も例えばベトナム戦争時のように,相手が基地に対して直接攻撃をかけてきた場合には対人地雷を多用していましたから,イラク戦争で使用しなかった〜使用していない理由を「国際ルール」から説明するのには無理があります.
 国際的,政治的な圧力が存在するのは事実ですが.

 また,アフガニスタンでは長らく国家というものよりも,部族や氏族の世界だったわけで,紛争の主体としてそれらが登場するのも無理からぬことです.

軍事板


 【質問】
 なぜ対人障害システム,指向性散弾では対人地雷を代替しきれないのですか?

 【回答】
 陸上自衛隊がスウェーデン製の指向性散弾「Fordonsmina13 (FFV013)」を導入したのは,1998年に対人地雷が禁止されるよりも前の話です.
 導入当初は「指向性散弾地雷」と呼称していましたが,対人地雷禁止条約成立後は「指向性散弾」とだけ呼んでいます.
 兵器としてはアメリカ製のクレイモア散弾地雷のように,昔からある類のものです.
 遠隔操作で起爆し,扇状の広範囲にベアリング弾を撒き散らします.

Fordonsmina 13 - Wikipedia

クレイモア地雷 - Wikipedia

 なお,対人地雷禁止条約では手動の遠隔操作で起爆するものを規制の対象外としてある為,既に保有していたFFV013は廃棄する必要がありませんでした.
 しかしこれは操作を行う兵士が現場に近い場所で監視していないと使えない為,監視センサーと無線指令を組み合わせたシステムとして新たに再構成し,対人障害システムとして進化させています.

対人障害システム - Wikipedia

 「障害T型」は80式対人地雷(地中埋設後,起爆するとスプリングにより弾体が飛翔し,空中で炸裂する跳躍地雷)を遠隔操作式にしたもの,「障害U型」はFFV013をそのまま利用しています.
 どちらも監視センサーと無線装置,中継器を経て指令装置で起爆制御します.

 これ等は禁止された対人地雷の代替として扱われていますが,限定的な補完にしかなりません.
 相手が歩兵と軽車両だけなら,この役割の代替はある程度可能です.
 ですが対人地雷はそれだけが役割なのではなく,「対戦車地雷の除去作業を妨害して遅らせる」という目的が有ります.
 というよりは大部隊の敵に対する対人地雷の使い方とは,正にこれこそが主要な役割と言ってよいです.
 対戦車地雷は対人地雷よりも発見が容易ですし,人が踏んでも起爆しませんから,人の手による除去作業は比較的安全に行えます.
 近年の対戦車地雷は不用意に解体しようとすると自爆する構造になっていますが,それでも対戦車地雷の周囲に対人地雷が埋まっている場合より,何も無いほうが除去作業は格段に楽です.

 しかし指向性散弾ではこの役割が出来ません.
 指向性散弾は剥き出しで設置する必要があり,しかも指令爆破でないと対人地雷禁止条約に抵触します.
 つまり発見されやすく,発見される前に起爆してしまわないと敵に打撃を与えられません.
 効果範囲がかなり広いので,どんどん早めに起爆させる運用になります.
 これでは対戦車地雷の周囲に指向性散弾を設置しても,直ぐに先に無くなってしまいます.
 これが対人地雷なら何処に埋まっているか分からない恐れがあり,安全確認の為に大きく時間を取る必要が出てきます.

 「障害T型」のような地中埋め込み式の跳躍地雷による指令爆破の場合でも,センサー部分は地上に剥き出しで,センサーと地雷は有線で繋がっています.
 秘匿性は剥き出し設置の指向性散弾よりも優れますが,やはり通常の対人地雷よりも発見は容易です.
 通常の対人地雷ならば金属部分をなるべく使わず探知機に引っ掛かり難く出来ますが,センサーと無線に金属部分を使わないなんて事は出来ませんし,地中に埋める事も出来ません.
 有線部分も発見を容易にしてしまいます.
 そしてセンサーを発見,破壊されたらそれと繋がっている地雷は無効化されてしまいます.
 また跳躍地雷自体も内蔵する散弾やスプリングなど金属部分が多く,発見されやすいでしょう.

 また手動指令爆破方式の為,管理できる数に限りがあります.それに監視装置で確認してから起爆させる為,目標と爆発物が触接している状態は望めません.
 その為,「障害T型」にしろ「障害U型」にしろ広範囲に散弾を撒き散らし,起爆した際の制圧範囲は通常の対人地雷(爆風のみで散弾を内蔵せず弾殻破片効果も無い)よりも広く,少ない数でカバーする事が求められました.
 しかしそれは,「敵に除去作業という手間を取らせて進撃速度を遅くさせる」という効果は,あまり期待出来ない事を意味します.

 つまり対人障害システムとは,少数の敵特殊部隊による浸透行動への対処ならば,警戒監視装置が組み込まれている事を含めて極めて効果的な兵器ですが,装甲車両を含む大部隊による敵正規軍の侵攻へ対処するものとしては,効果がかなり限定されてしまう兵器です.
 対人地雷を対戦車地雷と組み合わせて使う兵器としてみた場合,対人障害システムはこれを代替できるものではありません.

地雷 - Wikipedia
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 ただ,外国などからの侵略行為に対し,日本の長い海岸線を対人地雷なしに(対戦車地雷を高感度で使用する方法もあるが),どのようにして守るかについては,自衛隊をはじめ新たな防衛方法が模索されており,予てより航空自衛隊等が保有しているクラスター爆弾,乃至,新たに開発した対人障害システムを対人地雷の代替とするようであるが,これも極めて限定的な補完にしかならないため,防衛力の空白が懸念されている.
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 現時点のウィキペディアの地雷項目で
「対人地雷の代替としては極めて限定的な補完にしかならない」
と記述されている理由を説明したのが,今回のエントリーの主旨です.
 えらく長くなりましたが,
「どうして極めて限定的な補完にしかならないのか」
という説明を行ったサイトは何処にも無く,解説してみました.
 ある程度の軍事知識を持った人ならば,感覚で
「指向性散弾では対人地雷を代替しきれない」
と直ぐに理解できるのですが,理由を並べて見ると結構理解しなければならない要素が多く,軍事に関心のない人がこのエントリーだけで理解できるかどうかは難しいかもしれません.

 フィンランドはオスロ・プロセスの会議上で
「クラスター爆弾を対人地雷の代替として使い続けたい」
と発言していました.
 日本もそのつもりでした.
 対人障害システムのような兵器は,対戦車地雷と組み合わせて使うには対人地雷よりも相性が悪く,敵装甲部隊相手に効果が薄い為,クラスター爆弾で敵装甲部隊を直接広範囲に渡って打撃を与えてしまおうと考えた為です.
 つまり対人障害システムの欠点部分をクラスター爆弾で補おうとしたのです.
 この二つを併せても対人地雷を代替しきれるものではありませんが,無いよりはマシです.

 しかしご存知のとおり,クラスター爆弾は廃棄される事になりました.

 そうなると別種の面制圧兵器でクラスター爆弾を代替するか,既存の対人障害システムを上回る新兵器を考案する必要が出て来ます.
 しかし制約の中で効果の高いものを考案するのは容易ではありません.

2008年06月16日付「週刊オブイェクト」
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 跳ね上がって自己鍛造弾の雨を降らせるばけもんみたいな対戦車跳躍地雷とかダメかな?

Posted by ハインフェッツ at 2008年06月16日 18:58:49

 【回答】
今アメリカが開発中.
「Intelligent Munition Systems 」
http://jp.youtube.com/watch?v=9QO_RG_LZuY
http://jp.youtube.com/watch?v=Lr-EH8cDdd0

 FCSの企画の1つ.

Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月16日 21:25:02

 さすがはアメリカ,ネタで言ったのに…

Posted by ハインフェッツ at 2008年06月16日 22:17:14

 自己鍛造弾の水平撃ちじゃあ照準も付け難いし戦車の装甲を貫き難い,真下から真上に打ち上げるのでは単なる埋設地雷と同じ,そこで真上に打ち上げた後で下方に自己誘導,突入とは・・・

Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月16日 22:24:38

 ただし対人障がいシステムにしても指向性地雷にしても,本体やセンサーが露出しているのが問題な訳で,最悪察知された物全てが対物ライフルでアウトレンジから排除されてしまうことも考えられる訳ですが….

 ならば条約対象外となる竹筒地雷で…(マテ)
 正直なところ,やはりブービートラップ紛いのギミックしか思い付かんですなぁ….

Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月16日 19:49:02

2008年06月16日付「週刊オブイェクト」コメント欄
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 敵に行軍障害処理されたり地雷で固めた陣地奪回したりっていうような戦争やってたら,日本が滅ぶ一寸前段階だから,別に対人地雷とか戦術上は別として,国策としてはぶっちゃけイラなくね?

Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月18日 02:05:00

 【回答】
 強行上陸作戦は相手が滅んで無くても試みられる.
 これは歴史が証明しているので別に不思議は無い.
 また,相手の陸上戦力が乏しければ乏しい程,強行上陸を試す価値が出てくる.

 そんな博打をされてもしどこかに上陸された場合,近隣の町が荒らされるのは見たくないものだね.

Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月18日 07:08:00

 戦争が発生しそうになった時点で,要所要所に地雷原設置するだけで,防御を固められる.
 そうすると敵は少ない上陸部隊で地雷原を突破させるか,自衛隊と真っ向勝負するか,しかなくなる.
 これで価値としては十分だろう.

 爆撃で済ませようとすると,敵が一般市民の居る都市に侵入した時点で敵の勝利だ.

Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月18日 09:40:08

2008年06月16日付「週刊オブイェクト」コメント欄
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 対人地雷にIFFをつければいいのでは?

http://www.acq.osd.mil/dsb/reports/combatidentification.pdf
http://www.globalsecurity.org/military/systems/ground/cid.htm
参照.

Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月18日 23:38:49



 【回答】
 対人地雷にIFFを組込むのは現時点では無理.
 サイズの問題は抜きにしても,質問電波のためのアンテナの露出や,その電波を逆探知できることなど,いろいろデメリットが多いので.

Posted by 名無しコメット神信者 at 2008年06月18日 22:11:48

http://www.acq.osd.mil/dsb/reports/combatidentification.pdf
http://www.globalsecurity.org/military/systems/ground/cid.htm

 そのシステムは友軍への誤射を防ぐシステムであって,敵兵と民間人,国連軍兵士とかの見分けは出来ない.
 単純な識別で構わない空と違って,陸でどうやって区別するんだよ.

Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月18日 23:58:39

 仮に対人障害システムを自動戦闘システムにして起爆させるとする.
(手動の起爆じゃないので,この時点で条約違反だが)
 で,その場合,味方兵士ならIFFで識別は出来る.
(故障していたらサヨナラだが)

 ところがIFFでは敵兵士と民間人,第三勢力(国連の治安維持軍)などの区別は出来ない.
 基本的に空の上ならそんなことは気にしないでいいが,敵味方・中立者が複雑に入り乱れる陸では,このようなシステムは使えない.
 結局,IFFの活用は味方への誤射を防ぐという意味しかない.

Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月19日 00:04:11

2008年06月16日付「週刊オブイェクト」コメント欄
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 壮大な自壊機能がついた特大戦場監視装置,戦略障害1型というのはどうでしょう?

 【回答】
 その戦略障害1型とやらの存在意義である「壮大な自壊機能」は,単なる燃料気化爆弾に過ぎないんだろ?

Posted by 名無しコメット神信者 at 2008年06月19日 00:35:20

 燃料気化爆弾は原理上,大型化しても加害範囲がそうデカくならない.
 単位面積あたりの威力も大して上がらない.
 特大ってのがどれくらいの物を指してるのか知らんが,なんとも非効率だわな.

Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月19日 03:47:42

 被害半径を倍にするには,その3乗根・・・8倍の燃料を用意しないといけないからな.
 というか地中に超大型の物体を収納するだけで大変なのに,一度打ち上げないと燃料の散布なんてできやしない.
 どうやって打ち上げる気だ?

Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月19日 06:17:49

 もちろん,燃料そのものが嵩張るのもあるけど,そもそも蒸気雲爆発では気化した燃料が飛んでいける範囲ってのが限度がある.
 その限度の中で飛び散った燃料が着火して爆発するから,単純に燃料増やしても,ちゃんと全部燃えてくれない.
 飛び散った範囲内にある酸素は一定の範囲内だし,燃料気化爆弾は自前の酸素持ってないから,燃料を増やしただけでは酸素と出会えずあぶれる燃料が出てくる.
 そして燃料気化爆弾の成分は殺虫剤の成分でもあるので,これを大量に燃え残らせるような兵器は・・・あまり国内で使って欲しくない.
 酸化剤を搭載したらさらにでかくなって,ポップアップさせるのがさらに難しくなる.

Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月19日 06:40:30

2008年06月16日付「週刊オブイェクト」コメント欄
青文字:加筆改修部分



 【珍説】
あほの子に理解できるよう戦略障害1型クンについて細かくいうとこいつは対人地雷の類じゃなく部隊単位機動を阻害すん大きな知能化障害なんよ
だから車両感知に複合でなく音響と画像あるいは電波系含めた多元センサーとサブにIFFの類もたしてセル中枢で管制や人力遠隔操作できるようして戦場監視もさせれ言うてんだな
そんで気化爆弾なんで当然跳ね上げるが装薬跳躍式の上限は50キロって感じかな?この手の装備にはありえないが背嚢は無理だから車載化は必須かな
〔上記,原文ママ〕

Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月19日 12:52:25

 【事実】
 お前,敵は棒立ちの木偶だと思ってないか?
 ガンダムSEEDか何かみたいに.
 敵がスカウトを出したらどうするんだ.
 航空偵察からの目を欺くだけならともかく.

 しかも50s?
 破片が散らない燃料気化爆弾,たった50sで何ができる?
 50sやそこらの「小型」燃料気化爆弾の攻撃範囲内に,多くの敵を捉えられる様な密度と距離で,地上からの偵察の目を誤魔化せる訳あるか.

Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月19日 18:13:26

 ロシアのFOABですら重量9tで殺傷半径300mなのに,この戦略障害1型ときたら重量たったの50kg!!!11111!1
(ショック死)



↑こういうメカニズムですね,わかります.

Posted by 名無しコメット神信者 at 2008年06月19日 17:00:11

2008年06月16日付「週刊オブイェクト」コメント欄
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 日本の民間企業が開発している地雷探知機について教えてください.

 【回答】
 google検索では以下のようなものが見つかりますね.

(1)地雷探知機「マイン・アイ」

 JAHDS(人道目的の地雷除去支援の会:ジオ・サーチ,日本IBM,オムロン,ライム,シャープの共同体)による開発.
 携帯式.

(2)Mine Hunter Vehicle(MHV)

 東北大学,電気通信大学,千葉大学,富士重工業(株),(株)タウ技研,東京ガス(株)の共同開発.
 遠隔操縦.車輛型.
 電気通信大学荒井研究室で開発された地雷探査エクスプローラにて運用.

(3)Advanced Mine Sweeper(AMS)

 名古屋大学,(独)産業技術総合研究所,東北大学,(株)タダノ,三井造船(株)の共同開発.
 20m級長尺アーム搭載.車両型.
 遠隔操作可能.


 【質問】
 今まで地雷の歴史で,石の形をした偽装地雷はなかったのでしょうか?
 埋める手間が省けて,ウマーと思うのですが?

 【回答】
 イラクでは実際に岩を偽装したり,岩の間に隠したりする路傍の爆弾があります.

 地雷としては,踏むほど小さな石では爆発力がなく,大きな岩は避けて通られてしまいます.
 もちろんムダなサイズ,重量増もありますし,信管の機構が難しく,作動も不確実になるおそれがあります.

 手間暇かけて効率悪い割りに,なかなか踏んでくれない地雷になりそうです.
 さらに,例えば占領後の撤去もたいへんな作業になるでしょう.


 【質問】
 地雷って誘爆とかしないのでしょうか?
 残留地雷があちこちで問題になってるようですが,地雷原に爆弾でも撃ち込んで全部吹っ飛ばせば,簡単に全部除去できるように思えるのですが.
 これは素人考え?

 【回答】
 理論上はそれである程度誘爆する.
 砲撃で地雷原吹き飛ばしたり,大型の爆弾で地雷原吹き飛ばしたり,というのは可能であり,実際にいろんな戦場で行われ,日本もそのための機器を持っている.
(92式地雷原処理車)

 ただし,誘爆するのは砲弾が当たった地雷だけ.
 地雷を設置するほうも,他の地雷の爆発で誘爆しないように間を離して設置する.
 上記の砲撃で撤去する例も,地雷原を穿り返すほどの大量の砲弾を放った.
 撃った砲弾が丁度地雷に命中するとは限らないから,一発の砲弾や爆弾では運がよければ1つの地雷を誘爆させられるが,せいぜい見当違いのところで爆発し地雷は無傷となる.

 残留地雷処理で問題になるのは,一般の人が生活しているところに地雷があり,地雷原爆破という方法を選べないこと.
 また問題となっているのは小型対人地雷で,これはあちこちにばら撒くことができ,水飲み場や漁場・田畑といった生活空間に入り込んだ小型対人地雷の除去は,かなり厄介なことになる.

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