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(画像掲示板より引用)


 【link】

「2ch. 軍事板」◆(2003/10/03~) WWIIのマイナーな軍について語るスレ
 レス回収済
 回収基準はv.e.r.=8

「2ch. 軍事板」◆(2008/01/13~) 第二次大戦中の中小国の軍隊,兵器を語るスレ
 レス回収済
 回収基準v.e.r.=5

Axis History Forum

「BLOGOS」◆(2010.11.22) 第二次世界大戦前夜における欧州情勢をどう見ていたか ~外交時報1934.8.1より~

「My Modern Metropolis」◆(2010/07/30)The Ghosts of World War II's Past (20 photos)

Net Bunker」(2010/08/15)◆ワラノート:世界大戦中のプロパガンダ広告の画像ください(朝目新聞-asame.com)

Places of World War II(戦跡&博物館,英語)

PROLETARI DI TUTTI I PAESI E POPOLI OPPRESSI UNITEVI ! (スターリン画像他,伊語)

RKKA in World War II

Tapintható Tõrténelem(洪語)

The Normandy Campaign 1944

The Italian Campaign of World War2

Total War(WW2英軍)

World Political Leaders 1939-41(各国指導者顔写真,ただし小)

World War II: a British Focus(英語)

WW2 in Color

WWII in Europe

王立図書館(WW2資料館有,相互リンク)

欧州戦記資料

カナダで世界征服

「ストパン」■(2008-10-11)第二次大戦下のユーゴスラヴィア

「ストパン」■(2010/08/23)「歴史的先例」を云々する癖に,第二次大戦の流れも把握できてない御方

戦争経済

第二次世界大戦資料館

第2次世界大戦全戦線ガイド

「ニコニコ動画」:世界IDOL大戦(第二次大戦ネタ)

「暇は無味無臭の劇薬」◆(2013/03/09) 「外国人が第二次世界大戦にまつわる話で最も驚いた事実を挙げていくスレ」海外の反応

泡沫戦史研究所

「ワレYouTube発見セリ」:Superman - Eleventh Hour (1942)

「ワレYouTube発見セリ」:World War II video

●書籍

『The Music of World War II: War Songs and their Stories(第二次世界大戦の音楽 軍歌とその歴史)』について (2013/05/20)◆「集団音楽」の研究(軍歌ブログ)

『嵐の中の北欧 抵抗か中立か服従か』(武田龍夫著,中公文庫,1985.4)

 二度に渡るソ連との戦争を戦い抜き,独立を守り通したフィンランド.
 ドイツの侵攻に激しく抵抗し,征服された後も抵抗を続けたノルウェー.(本書ではノールウェーと表記)
 中立国の原則に抵触していても,戦闘に巻き込まれない事を目的に外交を行ったスウェーデン.
 戦闘開始直後に全土を占領され,降伏・服従を強いられながらも,後に対独抵抗を行ったデンマーク.
 第二次大戦に巻き込まれ,それぞれの道を辿った北欧諸国が戦前,戦中にどの様な経緯を辿り,それが戦後にどの様な影響を与えたかを纏めた一冊.

 ずいぶん前に購入して,今でも読み返して面白さが変わらない,素晴らしい一冊.
 著者は北欧を担当した元外交官で,その経験を生かして北欧諸国の大戦史を書いています.
(付記という形でバルト三国についても言及あり)

―――グンジ in mixi,2007年11月11日16:14

英語圏の戦略学系のサークルで優秀とされている本;

1,World War Two: A Military History (Warfare and History)
Jeremy Black


2,A War to Be Won: Fighting the Second World War
Williamson Murray&Allan R. Millett


3,Why the Allies Won
R. J. Overy & Richard Overy


4,A World At Arms: A Global History Of World War II
Gerhard L. Weinberg


5,The Oxford Companion to World War II
I. C. B. Dear & M. R. D. Foot


 とりあえず以上の五点が有名どころでしょうか.ちなみに私の先生のイチオシは,2です.
―――「地政学を英国で学ぶ」,2006-02-04 01:45

『今日の戦争 その計画・遂行・経費』(ポソニー著,岩波新書,1940)

 総力戦と戦時経済について,WW1の教訓というか生々しいトラウマに基き,時代の制約の中で述べた良書.
 良書だけに再読を繰り返さないと消化できそうにないので,今回は主題とあまり関係ない瑣末な部分だけ引用.

 『改良された空中防衛』と『空軍の攻撃力を増すもの』,並びに『空軍と他種の兵器との間に出来得べき結合の結果』.
・阻塞気球に代わって空中にネット(爆弾付き)を張り巡らすヘリコプター
『それは七人乃至十人の人を乗せ,三噸の積荷をなし,三万フィートの上昇力を持ち,四センチメートル乃至七センチメートルの砲を二門乃至三門と,機関銃を四台乃至五台と爆弾掛と,投下器をとをもっていなければならない』

・迎撃戦闘機搭載飛行船
『ツェッペリンを改造して母船として行動せしめ,(中略)戦闘機をそれに繋留することが出来るようになると,
(中略)
いざ出発せよとの命令が来る前に,戦闘機は必要な高さに上っていることが出来るであろう』

・ガンシップ
『飛行機に防御のためでなく,地上の目的物を攻撃するための砲を備える(中略).
こういう飛行機は防空設備にひっかからずに,また防空網を破る必要もなく,都市を砲撃することが出来るであろう』

・飛行戦車
『クリスティは戦車と飛行機の複合したものを考案しつつあり,多くの国においてすでにそのモデルが用いられているが,(中略)他の人はまたオートジャイロを戦車に結び付けることを考えている.
 (中略)飛行戦車を用いる時には敵の防御線を背面から襲い,それを両面から攻め立てることを得せしめるから,これによって戦線突破の問題が大いに変化するであろう.
 (中略)
 都会の空中攻撃に際しては,この機械はすこぶる有力である.
 (中略)
 即ちこの機械は,飛行機の遠距離性と大砲の確実性を合せもつものである』

・飛行潜水艦
『飛行機と潜水艦の合一体が出来ることになるのである.
 (中略)
 それが出来るようになれば,潜水艦は網や水雷の敷設せられている海を突破する必要がなく,極めて簡単に敵の運送船に達することが出来,また極めて容易に海戦に参加することが出来るのである』

 迎撃戦闘機搭載飛行船 だが,イギリスでは実際に構想があった.
 空中空母として,あるいは兵員輸送船として,あるいは対潜哨戒に,と活躍する,「魔法スレスレの高性能」を持った飛行船を開発する予定だった.
 競争試作として,「資本主義者号」と「社会主義者号」の二機が製作されたが,片方は飛ばず,片方は事故で墜落.
 魔法どころか,地面スレスレしか飛行できなかったという残念な結末に.

 もっとも本書では,
『戦闘機は敵の爆撃機の到達前に空中高く飛んで居なければならぬ筈である』
と,戦略爆撃機の迎撃が主目的らしくて.
 防空空中空母?
ヘリコプターといいガンシップといい,後に似たものが実用化した兵器であっても,「何か違う」感を漂わせています.

 本の主題は,
「総力戦はヒト・モノ・カネだよ兄貴!
 だから勝っても儲りっこないのが,WW1で身に染みたから,もう起きないと思うけど(希望的観測),もし起きたなら野蛮なる資本主義自由経済に,全体主義統制経済とか社会主義計画経済が敵うわけないよ!」
という,それなりにまともなものですが.

――――――軍事板,2009/11/17(火)~11/26(木)

『最後の特派員』(衣奈多喜男著,朝日ソノラマ文庫,1988)

 昭和16年,朝日新聞の特派員としてヨーロッパへ渡った著者が,戦時下のヨーロッパを駆け巡って見聞した事柄を記録文学風に纏めた一冊です.
 イタリア方面軍で指揮を執るケッセルリング元帥にインタビューをした時の話.
 ノルマンディーに上陸した米英軍の攻撃の矢面に立たされるカーンに潜入した時の事など,戦地を縦横に行き来した時の話.
 ドイツ占領下の国々の庶民が,どんな生活をしていたか?なんかが書いてあり面白かったっす!

------------ ベタ藤原 ◆MNjfnp0E :軍事板,2002/05/09
青文字:加筆改修部分
 衣奈多喜男って誰かと思ったら,朝日ソノラマの社長やってたのね.
 しかしこの人,凄い体験してるな(笑)
 ローマではムッソリーニの失脚,
中部イタリアではドイツのPKと行動を共にし,
ノルマンディーでは前線に向かうティーガーやパンターとすれ違い,
ベルリンから終戦前のスウェーデンへ.
 こんな体験した日本人,他にもいるのかな?

――――――軍事板,2009/06/28(日)

『戦争の記録と表象―日本・アジア・ヨーロッパ』(増田周子著,関西大学出版部,2013/04)

『第二次世界大戦 全作戦図と戦況』(ピーター・ヤング編著,白金書房,1975.10)

 本日着.
 やられた・・・でかい・・・
 箱入り凶器の部類だったか…

 編者は英サンドハースト陸軍士官学校 戦史部長(退役准将...あはは,あのデュエップからの生還者だと)

 まれに,
「WW2各作戦全体を1冊で解説した,良い本ないですか?」
という質問を見かけますが,その回答にしても良いかも…
 欧州~太平洋まで網羅.

 なお,もともとの定価が8800円(消費税がない頃)なので,古本もそこそこの値段は覚悟がいるので,そういった意味では初心者には勧めずらそうですが…

 なお,白金書房亡きあと,原書房から再刊されたので,美本を手に入れたいなら,そちらを狙った方が良いかもしれません.
 私のはAmazon最安値の可ランクだったので,化粧箱はガムテープで補修されているというありさま.
 中身は美本ですが.

------------------Lans ◆xHvvunznRc : 軍事板,2011/10/18(火)
青文字:加筆改修部分

『第二次世界大戦下のヨーロッパ』(笹本駿二著,岩波新書,1995)

 第二次世界大戦中,日本公使館員と朝日新聞社特派員として,ベルン,ブダペスト,イスタンブール,ベルリン,チューリッヒに滞在していた著者が,自分の体験談を交えながら欧州戦線を概説した本.
 概説の方は,まあ類書が多いし,年代も古いので,特筆すべき点はないが,こと戦後処理について少々ルーズベルトやソ連(スターリンではない)の肩を持っている気はするものの,論争的な話題(独ソ開戦やホロコースト責任問題など)については安易に断定せず,マルク・ブロックなどの歴史家の著作や個人の回顧録,公刊戦史などからいくつかの見解を引用したうえで,自らの考えを述べている点は好感が持てる.

 個人的な体験談はやはり貴重で,ベルン-ベルリン間の鉄道から見た「ファニー・ウォー」の様子や,枢軸入り前後のブダペストの微妙な空気,ハンガリー軍宣伝中隊に随伴して赴いた前線(ブラウ作戦の序盤)の様子,さらに連日空襲に晒され,戦局がひっ迫するにつて暗澹としていくベルリンの様子などが描かれる.

 ちなみにこれの前日譚として,『第二次世界大戦前夜 ヨーロッパ1939年』(岩波新書,1979)も出ているようだ.

――――――軍事板,2010/06/08(火)

『第二次世界大戦戦争指導史』( 新見政一著,原書房,1984)

 第二次大戦時の連合国(米英)の戦争指導体制を調べる上では必読と言えるのではないでしょうか.
 戦争指導のための機構の変遷と,その実際の運用について詳細に記述されています.
 文華堂に行くと1万2,3千円ぐらいで売っています.

------------軍事板,2001/09/13

『第二次世界大戦 あんな話こんな話』(ダニガン&ノーフィ著,文春文庫,1995)

 内容は二次大戦のこぼれ話,
 例えば,富士山を赤く染める計画が米軍にあったが実行されなかった,のようなのから,もうちょっと普通の話,あるいは豆知識まで多岐に渡っていて面白い.
 が,固有名詞の訳に問題がある.
 お約束の「パンツァー戦車」や「鉄拳」(たぶんパンツァーファウスト)は味わい深い訳と強弁できないことも無いが,「九十四ミリ口径砲」や「五・三八インチ二重目的速射砲」は弁護の余地が無い.
 内容が良かっただけに,こう言うところが悔やまれてならない.

------------軍事板,2001/05/13(日)
青文字:加筆改修部分

『第二次大戦の政治と戦略』(赤木完爾著,慶応義塾大学出版会,1997.7)

 政戦略レベルならこれ.
 イーデンの回顧録なんかよりは安価
(あれは価格が別格ですが).
 赤木氏は防衛研究所で,只読みできる研究論文もあります.
 後は太平洋学会誌で90年代当たりに,英海軍の太平洋戦線参戦問題のセッションをやっていた.
 30ページ位あったかな.

――――――岩見浩造 ◆Pazz3kzZyM : 軍事板,2011/09/26(月)
青文字:加筆改修部分
 ただし,岩見浩造なる人物の情報は,鵜呑みは避けたほうが賢明な模様.
 その信頼性についての考察は,こちらを参照されたし.

『第二次大戦の特殊作戦』2(白石光著,イカロス出版,2012.12)

『ナチ略奪美術品を救え 特殊部隊モニュメンツメンの戦争』(Robert M. Edsel著,白水社,2010)

 今般のウクライナ侵攻でもそうですが,侵攻を受けた地域では防衛側は敵側に寸土たりとも奪われまいと建物に立て籠り,侵攻側は味方の人的損害をなるべく少なくするべく,侵攻に邪魔な建物を破壊して回ります.
 それが歴史的建造物であろうが,その中に貴重な芸術作品が入っていようがお構いなしです.

 また,侵攻側は領土侵略後,自国の優位さを敵国に知らしめるために,敵国が大事にしていた芸術作品を自国に持ち帰ることも良くします.
 近世とかの戦争でも,そういった略奪行為が多数行われ,数多の芸術作品が侵略者に奪われました.

 第2次世界大戦でも同じで,特にドイツではヒトラーの芸術的傾倒とゲーリングの成金趣味によって,欧州各占領国からの美術品略奪が公然と行われます.
 また,逮捕し,収容所に送り込んだユダヤ人達の財産も奪い去って自分達のものにしました.
 それらの作品群は専用の貨車などで或いはリンツの帝室美術館予定地近くに運ばれたり,或いはゲーリングやヒトラーなどの幹部の私邸に運び込まれていました.

 勿論,こうした行為に表立って反論するのは自殺行為です.
 しかし,占領国の美術関係者の一部は,自分達から奪い取られた作品がどの様な経路を辿って,何処に運ばれたのかと言う記録を,占領軍の目をかいくぐって残していました.

 戦争では敵味方とも,民間の被害に全く頓着しません.
 とは言え,戦場から遠く離れた米国では,美術関係者を中心に,占領国の美術品やユダヤ人から没収した美術品の在処について非常に関心を呼んでいました.
 そこで,米軍は参戦と同時にそうした歴史的建造物,美術品などを保護するためのセクションを作ります.

 最初はアフリカ戦線で,ローマ帝国やカルタゴ時代の遺跡を保護する作業に携わり,イタリアでもローマ帝国時代の史跡を救う事に努力を払いました.
 但し,モンテ・カッシーノ寺院の破壊はこの地域の彼等の活動に汚点を残しました.

 その後もノルマンディーで連合国軍の前線と共に進み,歴史的建造物の保護,芸術作品の保護などの活動を進めています.
 パリに着くと,ルーブルの関係者と共に,フランスから略奪された美術品の行方を追う活動も加わり,それはパットン将軍の第3軍と共にオーストリアの岩塩鉱山に隠された膨大な財宝,金塊,公文書,美術品に辿り着くまで続きました.

 こうした活動は通常戦線が落ち着いた時に行うと考えられがちですが,彼等の活動は直接戦闘しないまでも,かなり前線に近い場所で行われ,60名の構成員の内,2名の戦死者を出しています.
 戦争が終わっても,美術品を隠し場所から発見する,或いは隠し場所から運び出す仕事が加わり,1946年までこの組織は維持されていました.

 しかし,余り表舞台に立つことは無く,戦後,美術界の大立者や名門美術館館長を務めた構成員の大部分は,自らの功績を誇ること無く,静かに人生を終えています.

 その終幕の頃に偶然このエピソードを知ったのがこのEdsel氏で,彼は実業界を引退して,この活動の顕彰に打ち込み,結果として,多くの人々を日の光の下に導きました.
 21世紀になってやっと米国議会も彼等の活動を称えた訳です.

 皮肉にも,同じ時期に米軍はイラクに侵攻します.
 その時,バグダッドにあったメソポタミア文明の遺物の略奪に対して,米軍は手を拱いて見ていたと言います.
 彼等モニュメンツメンにとっては,如何ばかりの思いだったか.

 更に,今般のロシアによるウクライナ侵攻.
 正に歴史は繰返すと言うべきなのかも知れません.
 第2次世界大戦よりも人類は退化しているのでは無いか,そんな思いをこの本は訴えかけてきます.

------------眠い人 Álmos ember ◆gQikaJHtf2,2022-06-16

『不必要だった二つの大戦』(パトリック・J.ブキャナン著,国書刊行会, 2013.2)

『フランス敗れたり』(アンドレ・モーロワ著,ウェッジ,2005.5)

 当時の英仏高官とも交流があり,英軍連絡将校をやっていた著者が,フランス敗戦直後の1940年に書いた本.
 随所に悔しさがにじみ出ている.
 ちなみに翻訳の初出は同年で,たったひと月ほどで翻訳連載がサンデー毎日誌上で始まり,単行本化されて売れに売れたらしい.

――――――軍事板,2010/05/31(月)

 フランス崩壊の過程をきれいに纏めた良書だなーっと思って巻末を読んだら...
 フランス陥落直後にアメリカで出版!?
 しかもすぐに邦訳され(1940年11月2日,日本語版出版)五か月で200版を超えるベストセラーとなっただと!?(最終的には300版まで刷られた)

 戦争が終わって10年近くたって,ほとぼりがさめてから書いたような冷静で安定した文章を,まさか自国が崩壊した直後に書き上げるだなんて,アンドレ・モーロア化け物すぎるだろ・・・・.
 おまけにあんなに民主主義を擁護した,リベラル的な内容の書物が,太平洋戦争勃発直後の日本で大ベストセラーになるだなんて・・・・・.

 世代的カルチャーショックを強く受けました.
 戦前に対するイメージがかなり変わりましたし,世の中はまだまだ広いということを強く実感しましたわ.

――――――軍事板
青文字:加筆改修部分

『膨張する帝国 拡散する帝国 第二次大戦に向かう日英とアジア』(石田憲著,東京大学出版会,2007.4)

『連合軍の傑作兵器駄作兵器―究極の武器徹底研究』 (広田厚司著,光人社NF文庫,2001.9)

 良くある新兵器羅列本かと思いきや,さに非ず,なかなか詳細なハード面での解説があります.
 特に英独の電波戦については,技術的な面で良く書いてあります.
 参考資料で紹介されている文献が,全て海外物なのも好感度高し.
(なんせ,あちらの兵器の話ですから)
 ただ,ビギナーは眠くなるから止めた方がいいでしょう.
 シニア以上向け.

------------60式ファン倶楽部:軍事板,2001/10/03

 【質問】
 「第二次世界大戦」を英訳すると?

 【回答】
*正解:
World War II, WW2 (the がつかない)もしくは
the 2nd world war (theがつく)

*誤訳(誤訳というより文法的な間違い)
the WW2, Second World War

Fabius (KT) in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 第二次世界大戦当時,世界には60数カ国が存在していたようですが,参加国の一覧ありますか?

 【回答】
 「はてな」によれば,第二次世界大戦で参加した,もしくは大きな影響を受けた国は61カ国.
 61ヶ国の内,枢軸国は,日本,ドイツ,イタリア,アルバニア,タイ,ハンガリー,フィンランド,ブルガリア,リトアニア,ルーマニアの11ヶ国.
 それ以外が連合国側.

▼ 一方,ウィキペディアによれば,以下のような国名が挙げられている.

――――――
[編集] 主要5か国
アメリカ合衆国
イギリス
ソビエト連邦
中華民国
フランス
自由フランス

[編集] 1944年以前からの参戦国
ポーランド
オランダ
ベルギー
ルクセンブルク
ノルウェー
デンマーク
ユーゴスラビア
ギリシャ
カナダ
オーストラリア
ニュージーランド
南アフリカ
コロンビア
エル・サルバドル
コスタリカ
ドミニカ共和国
ニカラグア
ハイチ
グァテマラ
ホンジュラス
パナマ
メキシコ
キューバ
イラク
リベリア
アイスランド - 1944年6月17日独立

[編集] 1945年の新規参戦国
エクアドル
ペルー
パラグアイ
ベネズエラ
ウルグアイ
トルコ - 1945年2月23日参戦
シリア - 1944年1月1日独立,1945年2月26日参戦
イラン
サウジアラビア
アルゼンチン
チリ
ブラジル
モンゴル

[編集] 連合国へ立場を変えた国
イタリア王国
ルーマニア
ブルガリア
スロバキア
フィンランド

[編集] 枢軸国
詳細は枢軸国を参照

ナチス・ドイツ
大日本帝国
イタリア王国 - 1943年に降伏
イタリア社会共和国
ハンガリー
ルーマニア
ブルガリア
スロバキア
フィンランド - 対ソ単独講和
クロアチア独立国 - 大戦中に一時独立
ヴィシー政権
タイ王国
満州国
汪兆銘政権(中華民国(南京)国民政府)
ビルマ国

[編集] 主な中立国
ポルトガル
スイス
スウェーデン
バチカン
アイルランド
アフガニスタン
スペイン 1945年に日本との国交を断絶するも参戦はせず.
――――――

 ただ上記のリストには,ビルマなど独立していない国や,満州国,汪兆銘政権など国際承認を受けていない「国家」も挙げられているので要注意.
 はっきり言って,あまり信頼性が高いリストではない.▲


 【質問】
 第二次世界大戦について詳しく知りたいのですが,何か良い入門書があったら教えてください.

 【回答】
 実録第二次世界大戦シリーズは読み物としても面白くまとまってるので初心者にお勧め.

 漫画「世界の歴史/日本の歴史」は,初心者にも読みやすいけど内容片寄ってるので,クロスチェックしないと,概要を知る以上の役に立てるのは危険.
 つまり,本を読む事自体の初心者を除いて,ほとんど意味がない.

 あと,「面白いほどよくわかる」シリーズで,何冊か出てるけど,最初の1冊にはならんでもない.

 日本視点なら,『太平洋戦争全史』が手軽に手に入っていいんじゃないかな.
 詳しく知りたいなら,まず戦史叢書にあたるのが鉄板.
 絶版だが,大抵の図書館で置いてるか取り寄せ圏内だし,オークションでも結構みかける.
 ただし詳しすぎるので,初心者にいきなりお勧めするのはちょっときつい.

 読みやすく,かつ,戦後に陸上自衛隊の礎を築いた世代が考える,歩兵戦闘の雛形のようなものをさがすのであれば,佐々木春隆の日中戦争戦記シリーズは外せない.
 ただ,表題から分かるとおり,第二次世界大戦全般の話ではない.
 あくまで1つの作戦軍,1つの師団,1つの歩兵連隊,1つの大隊,1つの中隊レベルでの,日中戦争の実相を伝えてくれる.
 けれど,第二次世界大戦全般を知るならば,日中戦争は欠かせないし,日本がどのような関わり方をしていたのかを知る上で,好適といえる.
 同じ戦史でも,沖縄ペリリュー戦記とかとはまた違った視点であり,違った見方があるように感じられて面白い.

軍事板,2010/12/29(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 第二次世界大戦物で日中,日米ならいくらでもあるんですけど,ドイツとかヨーロッパに関する定番本とかってありませんか?
 歴史系と軍事系で,それぞれ教えていただけますと幸いです.

 【回答】
児島襄「第二次世界大戦ヒトラーの戦い」
パウル・カレル「バルバロッサ作戦」「焦土作戦」
歴史群像シリーズ欧州戦線編Vol.1~10

 あとは色んな本を読んで,相互に記述チェック.
 色々作者の思想や政治的背景とかで,記述にバイアスかかるのはめずらしくないから.

軍事板,2010/08/20(金)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 当時の庶民の視点からWW2を描いた本はありませんか?

 【回答】
 淡徳三郎の「抵抗~レジスタンス・ドイツ占領下の4年間」なんかが近いかな.
 左翼思想の論客が著した大戦下のフランス.
 著者は3・15事件に連座して市ヶ谷刑務所に収監され,35年にフランスに亡命.
 35年から44年の大戦中をパリで過ごし,後ベルリンで終戦を迎えているので,雰囲気は掴んでると思われ.
 ただ,抵抗運動はしてないだろうけど.

名無しの愉しみ in 軍事板
青文字:加筆改修部分

 富裕層かどうかは別にして,三省堂から出ていた『バスク大統領亡命記』なんてのは結構お勧め.
 後,光人社NF文庫に収められている佐貫亦男さんの著書とか.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板
青文字:加筆改修部分

 そういえば,過去にドイツ国内で外交官やってた日本人の文章を読んだ覚えがある.
 下宿暮らしとか,戦時中に訪欧する潜水艦で逃げようとして,
 ロリアンだかに向かうが途中で引き返し,車でウロウロする記述があったような.
 『深海の使者』・・・かな?

 それと,アンネの日記.
 編修過程でカットされていた記述を採録した完全版が,文庫になっている.

アンネの日記 (文春文庫) (文庫)
http://www.amazon.co.jp/AF/dp/4167651335/

軍事板
青文字:加筆改修部分

▼ 日本だと山田風太郎先生の,『戦中派不戦日記』なんかが良いのでは.
 もっとも戦前の日本では,作家は現在とは比べ物にならないほどの裕福層の部類に入りますが.

774 in FAQ BBS
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 WW2の頃のアフリカ(北アフリカやエチオピア)にはどのような価値があったのでしょうか?

 【回答】
 北アフリカを制すれば,地中海の制海権を握れる.
 エジプトを制すればスエズ運河を手にできるし,エチオピアを制すれば紅海の制海権を脅かせる.

 結果,イギリスにとって重要な地域であるインド-オーストラリア&ニュージーランドからのインド洋地中海ルートを断てるから,イギリスの戦争継続能力を弱めるには重要なポイントだった.

 もっとも北アフリカ戦役は,イタリアが自分の支配地域を確保しようと何も考えすに始めたところが大きいが.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 第二次大戦中の北アフリカ以外のアフリカは,どうなっていたのですか?
 フランス領やベルギー領などあったと思いますが.

 【回答】
・南アフリカ連邦(含ナミビア)
 第二次大戦参戦に当たっては,ボーア人との確執が有るも,結局対独宣戦を行う.
 空軍は,第二次大戦参戦後は,英国空軍に協力し,東アフリカ戦線,北アフリカ,中東,地中海,バルカン半島の各戦線で主に戦闘を行う.
 また,空軍要員の育成の拠点となり,1944年2月までに操縦士5,000名,観測員5,000名,航法士2,000名,爆撃手2,000名,機銃手2,000名を養成.
 海軍は,南大西洋地区,インド洋地区の対潜警備を実施.
 陸軍も,空軍と同様に東アフリカ,北アフリカ,イタリア各戦線で戦闘を繰り広げる.

南アフリカ軍のSexton対戦車自走砲
(画像掲示板より引用)

・南ローデシア
 南アフリカと同じく,空軍兵士の養成拠点として機能.
 なお,此処では,英国だけでなく,英国のアフリカ植民地,ベルギー領コンゴ,中東,連合国各国から初等教育を受けに,この地にやってきている.
 空軍は,西部戦線に2個スコードロン(爆撃機,戦闘爆撃機),中東戦線に1個スコードロン(戦闘機)を展開.

・英国領ケニア
 1940年のイタリア参戦時に,アビシニアのイタリア軍の侵攻を受けるが,これを撃退.
 その後,アビシニア侵攻の拠点の一つとして,南アフリカ軍が展開.
 アビシニア解放後は英国の空軍要員養成拠点として機能.

・英国領西アフリカ
 ナイジェリア,ゴールド・コーストに連隊,シエラ・レオネ,ガンビアに中隊規模の兵力を展開.
 1941年のエチオピア解放に従軍し,帰国後,ナイジェリアに3個旅団,ゴールド・コーストに1個旅団,シエラ・レオネ,ガンビアに各1個大隊に増強され,自国防衛に当たる.
 なお,これらの都市はセネガル侵攻の拠点ともなっているし,南大西洋ルートの中継地点ともなっている.

・英領(半分エジプト領)スーダン
 エジプト軍,英国軍が駐屯し,1941年のエチオピア解放の拠点となった.

・フランス領西アフリカ
 拠点はダカールで,此処には1940年のフランス崩壊時に遁走した戦艦Richelieu,軽巡2隻,駆逐艦3隻,通報艦6隻,潜水艦3隻などが在泊していたが,戦艦は,英空母Hermesの雷撃機の攻撃を受け,行動不能となる.
 9月に英国海軍の指揮の下,自由フランス海軍による上陸作戦が行われたが,3日間の海戦で,潜水艦2隻,大型駆逐艦1隻と引き替えに,Richelieuの砲撃,Martin167攻撃機の爆撃も含めて,英戦艦Resolusion,英巡洋艦Cumberlandに損傷を与え,上陸作戦を阻止した.
 なお,この際,英国海軍はSwordfish8機,Squa2機,Wallus1機を失っている.
 11月上旬には,自由フランス海軍はガボンを攻略し,同型艦同士が戦闘を行った.
 最終的に,1943年までにアフリカの仏植民地が自由フランス側になる.

・フランス領ソマリア
 1940年にイタリアによって占領されていたが,1941年に自由フランス軍が英国の支援を得て解放し,後に,ジブチの封鎖を実施.

・フランス領マダガスカル
 1942年5月5日,英国軍が上陸し,占領.
 この時,補助巡洋艦1隻,潜水艦3隻,通報艦1隻撃沈される.
 なお,この間,マダガスカルの港に停泊中の英戦艦Ramilliesが日本の特殊潜航艇の攻撃を受け,大破着底すると言う出来事もあった.

・イタリア領東アフリカ(アビシニアまたはエチオピア)
 参戦時に,東アフリカの各国植民地に侵攻するが,英仏領ソマリアを除いて撃退される.
 エリトリアのマッサワに拠点を置いて,空軍機323機(うち飛行不能81機),海軍兵力は駆逐艦7隻,水雷艇2隻,潜水艦8隻,スループ2隻,砲艦2隻,魚雷艇2隻を保有していたが,大型艦は,1941年7月までに全て撃沈され,空軍機は1941年4月末の時点で,S.79が4機,Ca.113が4機,C.R.42が5機,C.R.32が1機のみ残存.
 連合軍は,1941年1月19日からスーダンより2個インド師団と亡命アビシニア愛国軍が,24日に南アフリカ軍3個師団と西アフリカ国境部隊からなる兵力がケニアからそれぞれ侵攻し,総勢7万人で3ヶ月の戦闘の後,最終的に5月19日に降伏.
 連合国側損害は500名で,イタリア兵5万名を捕虜とし,全土を占領(実際には散発的抵抗は11月まで続いているが).
 これにより,亡命政権は帰還.
 なお,エリトリアは1952年まで英国が管理している.

・ポルトガル領アンゴラ
 中立を保つ.

・ポルトガル領モザンビーク
 中立を保つ.
 特にロレンソ・マルケソ港は,日米,日英などの交換船が両国の国民を交換するための港として使用されている.
 日本の外交官は此処から欧州に赴任したケースもあり.

・リベリア
 長らく中立を保っていたが,末期に宣戦布告.

・ベルギー領コンゴ
 本国占領後は亡命政権の影響下に置かれる.
 なお,この地域で産出されたウラン鉱石1,250t以上が1940年10~11月に掛けて,ポルトガル領アンゴラのカビンダ港から米国に向けて輸出され,これらのウラン鉱石が,広島,長崎の原爆製造の原材料となった.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2005/10/20(木)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 第二次世界大戦前後に建国された国の一覧が見られるページをお教え下さい.

 【回答】
「古い国,新しい国」
というサイトに,世界各国の独立年が掲載されていますので,その中から,1940年から1950年くらいまでの国を,独自で抜き出してください.


 【質問】
 第二次大戦中にドイツの(日本や連合国でもいいです)各軍需会社が,どれぐらいの兵器や物質を生産し,どれぐらいの利益を上げたかが分かる書籍ってないですか?

 【回答】
 基本的な書籍としては,『日本戦争経済の崩壊』(アメリカ合衆国戦略爆撃調査団編).
 これは,日本の戦争経済全般についての資料を引いて書かれて居る報告書で,生産量とかは政府から提出された資料(但し,焼却した書類も多いので一部推定).
 大抵の此の種戦争経済関係の日本関係には,底本として引用されていますね.

 三菱に関しては,『第二次大戦と三菱財閥』が秀逸で,三菱財閥の造船,飛行機,金属,自動車関係の生産量と投資額,利潤などが豊富な資料で掲載されています.

 中島に関しては,『中島飛行機の研究』が同じ様に,中島飛行機の生産や利益などが掲載されていています.

 それ以外の企業のものであれば,『戦時経済と日本企業』で様々な企業を取り上げていますし,
『日英兵器産業史』,
『兵器鉄鋼会社の日英関係史』,
『鉄道車輌工業と自動車工業』
と言った日本経済評論社の本には,この手の研究書籍が多いです.
 造船関係では,『日本戦時造船史』がきっちり纏まった書籍で,自動車関係では,『太平洋戦争期日本自動車産業史研究』かな.

 米国の戦争関係で日本語の書籍としては,『第二次大戦期 アメリカ戦時経済の研究』とか,女性労働の日米比較であれば,『軍需産業と女性労働』が結構面白い.

 ドイツについては,多分掘り下げると出て来ると思うけど,手元にあるのは,戦前期ドイツ軍事産業関係の『総力戦時代のドイツ再軍備』辺りかねぇ.

 此処に挙げた本は,ほぼ全て古本だけど,大学の図書館とかだと結構あるかも.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 第二次世界大戦中,アメリカの石油会社が堂々とタンカーでドイツに石油を供給していた,という事件がありましたが,アメリカの情報機関はそんな事を百も承知のはずなのに,何故見過ごしていたのでしょうか?

 【回答】
 スタンダード石油が枢軸側に対し石油関連製品を輸出していたのは事実.
 航空燃料用の添加剤をドイツや日本に売っていた.

 ただし,ドイツに対して直接に石油を売ってはいない.
 中立国だったスペインに対して輸出されている石油の一部が,転売されていたという話はある.
 スペイン内戦中からフランコ政権とスタンダード石油の結びつきは強く,供給が続いてた.
 なおスペインは,連合国側との交易も盛んにやってたので,石油はその一例ともいえる.
 スペインの中立維持のために連合国側も気を使ってたのだ.

 スタンダード石油のこうした枢軸サイドとの結びつきは,もちろん米政府も把握してて,イギリスから苦情が出たりと,それなりに問題になってる.
 ただ,米軍は枢軸側以上にスタンダード石油に依存していたため,あまり厳しく追及するとかえって不利益ということで結局,うやむやで済まされたという.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 第二次大戦中にジブラルタルでは,スペイン絡みでいろいろごだごだがあったと聞きました.
 どなたか詳細を教えてください.

 【回答】
 英国が不利になって,ドイツの勢いが日の出の勢いだった時,ドイツの求めに応じてGibraltar占領作戦を計画し,実行しようとしますが,程なく戦況はドイツ不利となり,結果的にその計画は破棄され,スペインは中立を標榜するようになります.

 また,イタリアによるGibraltar空爆の際,誘導目標を準備して,英国から抗議されていますし,ちょっと資料が出てこないのであれですが,Gibraltar海峡周辺でのイタリアの小型潜水艦による通商破壊に際して,廃船となった船を改造して,潜水艦基地にしたものからの出撃を黙認していたりしています.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板


 【質問 kérdés】
 第二次大戦中の偽印刷物プロパガンダについて簡単に教えてください.

 【回答 válasz】
 第二次大戦における偽造作戦としては,連合国の経済混乱を狙った,ナチス・ドイツによる大規模な偽札作戦が有名だが,プロパガンダを目的とした偽物の印刷物も,枢軸国側・連合国側双方で行われた.

 たとえばナチス・ドイツでは,英国の新聞の偽物が作られた.
 記事は
「英空軍,大敗を喫す」
「政府,ロンドンから逃亡」
などデタラメを並べたもの.
 これをロンドン空襲の際に上空から撒き,市民にパニックを起こさせる計画だった.
 今日の「嘘ニュース」のはしりみたいなもんである.
 ただ,この新聞,作りが甘くてすぐウソと分かるようなものだったので,思索にとどまったという.

 一方,連合国側では偽の切手が作られた.
 切手偽造自体は第一次大戦時から行われている.
 だが,第一次大戦時のそれは,敵国内にプロパガンダ郵便物を送り付けるためのものだったが,第二次大戦では偽切手自体がプロパガンダを狙ったものとなった.
 アメリカで作られたものは,本物そっくりに作られたものの他,ヒトラーが髑髏に変わっており,また,ダビデの星が印刷されたものもあった.
 政府の管理能力に対する信頼性を貶め,ドイツ国内を撹乱する目的があったと考えられている.

 ただし,それが成功したかどうかは,客観的に計測するすべがないので,なんとも…

 【参考ページ】
『芸術新潮』1990年7月号
http://yosukenaito.blog40.fc2.com/blog-entry-1116.html

mixi, 2017.3.2


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