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<◆日本FAQ目次
<東亜FAQ目次
(画像掲示板より引用)
【質問】
ニュー速+で盛り上がっていたんだが,巨大タンカーを空母に改造するのは容易で,日本のタンカーはすべてそれを前提に作られている,てのはマジですか?
【回答】
嘘です.
タンカーなんて経済効率のかたまりみたいな船で,それこそエンジン出力に至るまで一切無駄がない.
(最高速度=巡航速度)
設計思想も動力も全然違うし.
安く上げるために民間船構造にした空母ならあるけど,それでも最初から空母として設計されているし,手間も価格もタンカーとは大違い.
タンカーと空母の動きかたの違いを考えれば,無駄な改造と一目でわかる.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
「おおすみ」の甲板では(スキージャンプつけても)ハリアーやF35は発着できないんでしょうか?
もし,だめだとしたら強度の問題ですか?
JETの温度のせいですか?
【回答】
できません.
以下の理由により,「おおすみ」級では空母運用は不可能です.
・甲板強度が脆弱でジェット噴流に耐えられない
※無理に甲板を分厚く強化すると,艦全体の重心が上にあがって転覆する危険がある
・艦内に航空機の整備スペースや予備の部品/弾薬/燃料を格納するスペースがない
※艦体内の大きな空間は,前方が全て車両格納庫で,後方が全てLCAC格納庫
・エレベーターが小さすぎるので航空機の艦内への出し入れ自体が出来ない
※特に後方のエレベーターなんてローターたたんだヘリコプターですら無理
・速度が22ノットと戦闘艦に比べて非常に遅いので,艦隊運動に加えられない
※主機を入れ替えようとするなら,全面的な設計刷新が必要=新造と大差なし
「おおすみ」について言うならば,輸送艦以外の何物でもないと思っています.
(海自も艦種をLST(輸送艦)としている事は別として)
先ず,20ノット程の速力では,護衛隊群との作戦に支障をきたす事は間違いありません.
それにエレベーター.
・艦首に20t.
・アイランド後方に10t(15t?)
の2箇所にありますが,いずれも車両用で航空機用ではありません.
また,車両甲板,LCAC用ドックの配置から考えても.航空機を搭載する場合は,甲板で雨曝しで繋止するしかありません.
当然,整備上の問題も発生しますし,攻撃を受けた場合の脆弱性も高まります.
(もっとも戦前の米海軍はこれをやって搭載機数を稼いでいましたが)
また,艦首にエレベーターがあると言う事は,V/STOL機の運用には大きな支障が発生します.
もしジャンプ台を設置するならば,艦首エレベーターは完全に使用不能になる位置にあります.
実際,全通甲板を持っていると言っても「タラワ」級や「オーシャン」とも同列には扱えない艦なのです.
▼>○小さくなる米国に,変わるアジアの安全保障-日本経済新聞社編集委員 鈴置高史さんに聞く朝鮮半島情勢【番外編その3】-
>日本の輸送艦「おおすみ」は,国際基準で言えば,むしろ軽空母にあたります.
> 艦橋が端に配置されていて,ヘリコプターが着陸できるようになっています.
>甲板は真っ平ら.(池上彰)
いや,そんなわけありませんって.
ヘリコプターが発着できる全通甲板を持ってたら軽空母って,ドンだけな基準ですか?
「おおすみ」型で,ハリアーのような垂直離着陸機が運用できると思ってるのですか?
無理ですって.
発着時のジェット噴流に甲板がもちませんよ.
全通甲板があればいいってもんじゃないのに.
国際的的基準で見ても揚陸艦でしかありません,おおすみ型は.
ヘリの発着は出来ても,VTOL機は無理です.
鉄底海峡 in mixi,2012年05月19日15:28
青文字:加筆改修部分
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【質問】
自衛隊で建造が計画されているヘリ空母の重要性を教えてください.
なんで戦闘機を搭載できる艦を造らないんですか?
【回答】
とりあえず,法律的,政治的に問題が有ります.
1988年4月6日の参議院予算委員会で,瓦力防衛庁長官(当時)は,
「政府が従来から申し上げているとおり,憲法第九条第二項で我が国が保持することが禁じられている戦力とは,自衛のための必要最小限度の実力を超えるものを指すと解されるところであり,同項の戦力に当たるか否かは,我が国が保持する全体の実力についての問題であって,自衛隊の保有する個々の兵器については,これを保有することにより我が国の保持する実力の全体が右の限度を超えることとなるか否かによって,その保有の可否が決せられるものであります.
しかしながら,個々の兵器のうちでも,性能上専ら相手国の国土の潰滅的破壊の為にのみ用いられるいわゆる攻撃的兵器を保有することは,これにより直ちに自衛の為の必要最小限度の範囲を超えることとなるから,いかなる場合にも許されず,遵って例えばICBM,長距離戦略爆撃機,あるいは攻撃型空母を自衛隊が保有する事は許されず,この事は累次申し上げてきているとおりであります」と発言しています.
大型空母を保有する場合は,この“解釈”を“撤回”したと,国会なりで“表明”しなければなりません.(最大の障害は内閣法制局を説得する事でしょうね.役人は前言撤回をする事を,死ぬほど嫌がりますから)
次に日本にとって,空母保有が得であるか,軍事学的に考察してみたいと思います.
まず,艦載機と空母航空部隊,そして空母戦闘群の軍事的地位の変遷について,軽くまとめてみたいと思います.
(ネタ元は,「世界の艦船・2005年4月号・空母の海戦史」です)
<WWⅡ開戦後>
・日米海軍ともに戦艦を過去のものにしてしまう圧倒的な攻撃力を実証したものの,撃たれ弱さも同時に確認した太平洋戦争序盤.
・壊滅から再起したとき,米海軍はそれまでの空母部隊の単なる拡大再建ではなく「空母戦闘群」を誕生させた.
これは艦載機を攻防両用し,また艦艇との情報ネットワーク,対空火力ネットワークによって日本空母部隊はおろか,日本陸海軍の陸上航空部隊の(空母航空部隊の常識に比べれば)強大な打撃力に対しても生残性を持つ.
・攻勢局面においては,日米共にリソースを集中する事により,攻勢時に必要な航空優勢を確保する事が出来るが,防衛局面においては長期間の航空優勢を確保する事は困難である.
(脆弱性や,補給,整備能力の限界より.策源地から遠ければ尚更)
<WWⅡ終結後>
・朝鮮戦争では航空優勢の争奪にはほぼ関与せず,対地打撃に専念.
・ベトナム戦争では航空優勢確保の助攻戦力を兼ねる.
・湾岸戦争,アフガン,イラク戦争でははっきりと脇役になった.
てなところです.
登場以来半世紀,米空母戦闘群(空母打撃群)は,
常に陸上航空部隊の攻撃にも生存できる事=艦隊周辺の航空優勢を保持できる事
を求めてきましたし,今でもそうです.
しかし,今日の米空母打撃群の火力とて,空軍のそれと比較すれば貧弱そのものです.
が,比較対象が米空軍でないならば?
依然として,強大な戦力であると言えます.
逆に言えば,ジェット化して大型化,高性能化した航空機の発達により,中規模クラスの空軍に対しても優位を保つ為には,米空母戦闘群並みの規模が必要と言えるのです.
搭載機の構成ですが,仮に中国や韓国などの強敵と敵対するケースを想定するならば,自艦(自艦隊)を自衛するためのAEWや防空戦闘機,対潜哨戒機を沢山積まないと駄目でしょう.
本格空母ならば,自衛用の機種を積んでも余力があり,攻撃用の機種も積めますので,それが可能な訳です.
ちなみに,ニミッツ級航空母艦の場合,
VFA(戦闘攻撃)F/A-18C/D/E/F 12機×4飛行隊
VAW(早期警戒)E-2D 5機×1飛行隊
VAQ(電子戦)EA-18G 5機×1飛行隊
VS(対潜ヘリ)SH-60F 8機×1飛行隊
HS(ヘリ)MH-60R 4機+救難HH-60H 2機
VQ(電子偵察分遣)ES-3A 2機
VRC(輸送分遣)C-2A 2機
この編成だとすると,艦隊防空用にVFA×1飛行隊を割当てたとしても,最大,戦場防空にVFA×1飛行隊,攻撃(対艦,もしくは対地)攻撃部隊にVFA×2飛行隊の攻撃部隊を編成する事が出来ます.(実際は稼働率100%は有り得ませんので,もっと小規模に成りますが)
その場合,軽空母なら,搭載機の大部分,若しくは全てを自衛の為の機種にせざるを得なくなると思われます.
例えば,インヴィンシブル級SVTOL軽空母でシミュレーションしてみますと,
VFA(戦闘攻撃)F-35B 12機×1飛行隊
VS(対潜ヘリ)SH-60K 6機×1飛行隊
VAW(早期警戒)V-22 6機×1飛行隊(架空.早期警戒タイプ)
で24機の搭載機枠が満杯に成り,艦隊防空用にVFA×1飛行隊を割当てると,とても攻撃部隊の編成や,戦場防空を行う部隊の編成は不可能に成ります.
VFA×1飛行隊を2つに割って6機づつにしたとしても,6機を艦隊防空に充てたとしても,攻撃部隊には戦場防空部隊を付けられませんし,離島の防空にしても3機づつでローテーションを組んだとしたら,とても手薄で穴だらけに成ってしまいます.
つまり,軽空母では,有事の際には潜水艦狩り以外は自分自身を守るのが精一杯で,他のミッションは出来ない状態になりますので,敵艦隊迎撃や離島の防空にはあまり役に立ちそうもありません.
強敵と単独で敵対するならば,軽空母ではほとんど役にたたないだろうと言う事です.
(帯に短しタスキに長し)
英仏の空母は,旧ソ連などのような強敵と対峙・交戦する場合は,NATO軍として一体で(つまりは米国と一体で)戦力発揮することを期待されているのでしょうし,逆に英国なり仏国なりが単独で何か事を構えるとすれば,それは彼らの旧植民地などのような弱敵を相手にするという前提であろうと思います.
もっとも,その英仏とて,軽,中型空母に限界を感じており,(実際に,英軍は1982年のフォークランド紛争では苦戦しましたし)ミッドウエー級とほぼ同規模の,クイーン・エリザベス級空母の建造を決めました.
で,我が自衛隊が空母を保有する場合はどうでしょうか.
上記のとおり,仮想敵である中国や韓国に対しては,中途半端な軽空母を1~2隻保有した所であまり役に立たないと思われ,
戦力化するためには,少なくとも自衛隊の運用に合わせると,3~4隻の大型空母と補助艦艇と合わせた数十隻を増勢する必要があります.
(整備・修理・休養・訓練のローテーションを組まなければいけないので,最低3隻は保有する必要が有ります)
これだけで,財政的にも人的資源的にも既存の運用の足を大いに引っ張ると思われます.
また,空自の戦闘機が400機程度なのに対し,空母に乗せる機体だけで新たに200機程度追加する必要が有ります.
(オーバーホール中の空母以外の訓練中の艦と,オンステージ中の艦に搭載する為,各100機づつとして)
とても現在の苦しい財政状況で許されるとは思えません.
しかし,現在建造中のDDH(対潜ヘリ空母)の保有には意味が有ります.
それは,護衛艦隊の対潜・観測ヘリを効率良く運用する為です.
現代の海戦で一番の脅威は潜水艦であり,それを駆逐する対潜ヘリの役割と,いくら対艦ミサイルの射程を延ばしても,水上艦からは水平線を越えた敵を発見・誘導出来ない事を解決する為の,艦隊の目となる観測ヘリは必須です.
護衛艦には,個別にヘリを搭載出来る艦も有りますが,重整備は無理ですので(除くDDH)自衛艦隊のヘリの洋上での整備を一括して行い,自身も複数のヘリを運用出来るヘリ空母は有用でしょう.
艦隊単独で航空優勢を確保する制空戦闘機や,敵地への侵攻爆撃を行う攻撃機を搭載する大型空母ですが,今の日本の防衛システムでは,自衛艦隊の活動範囲は,日本の近海,及び公海上であり,日本近海では日本の空自の支援を受ける事ができ,公海上で散発的に航空機による奇襲攻撃を受けた場合でも,イージス艦が対応出来ますので,敵勢力圏内での行動は想定していない自衛艦隊の場合,大型空母は当面必要無いと思われます.
だいぶ前にうちの本館で,小型空母では搭載機の数に加えて,燃料・弾薬の搭載量でもハンデが大きい,なんてことを書いた記憶が.
そのときに最後に書いたのは,軽空母の後方支援を担当する「航空母艦母艦」が要るんじゃないか,という話でしたね.
確か,INCATがウェーブピアサーにF-35やSH-60やUAVを積んだ軽空母の企画を売り出していて,それを見ながらつらつらと書いた話でしたっけ.
【質問】
兵器素人な疑問なのですが、ヘリ空母の防御力は考えなくてもいいんでしょうか?
空母は護衛艦とか防空能力が重要……と有ったので,何故ヘリ空母はそれを考えなくて良いのかなあと.
【回答】
もちろん,ヘリ空母にも防御力は必要ですよ.
大抵はポイント・ディフェンス用SAMを装備していますし.大型空母に関しては,大型空母のコスト(人的,物質的,金銭的)が,あまりにバカ高い為に,艦隊全体が,大型空母を防衛する為に“奉仕する”形で防御のフォーメーションを組んでいる事に比べ,ヘリ空母の場合は,艦の規模にも因りますが,艦隊の一ユニットに過ぎません.
何せ海自の場合,本来は“護衛艦”である筈のイージス艦が,艦隊の中で一番高価だったりします(人的資源を除く).16DDHが1164億円であるのに比べ,“あたご”が1453億円ですからねぇ.
19DDの建造目的の一つが,“イージス艦の護衛の為”なんてのたまってますから,海自は…(´・ω・`)
これは兵器の知識と言うより,戦略,戦術,用兵の分野ではありますが,そもそも,大型空母を中心とした空母打撃群と,ヘリ空母を中心とした護衛艦隊とでは,任務と求められる能力が違うって事です.
上記本論で述べました様に,陸上航空部隊の攻撃を排除し,艦隊周辺の航空優勢を保持しつつ,陸上,或いは海上の脅威に対して攻撃を加える能力が,空母打撃群には求められています.
一部水上艦からも行われますが,空母打撃群の戦力投射の中心は大型空母です.
もし大型空母が撃沈されれば,人的,経済的損失はもちろんの事,艦隊の存在意味が無くなってしまいます.
ですから,空母打撃群は空母中心の防御のフォーメーションを組む訳です.
また,その様な“高価な”ユニットを投入すると言う事は,それだけ脅威度が高いと言う事なので,中規模クラスの空軍に対しても優位を保つ能力が艦隊には求められ,その為の防空戦闘機と,複数のイージス艦を中心としたエリア・ディフェンスSAM搭載艦群,攻撃型原潜な訳です.
翻って,ヘリ空母を中心とした護衛艦隊には,そこまでの任務は与えられません(能力も無いですし).
中規模クラスの空軍機がブンブン飛び回る中,自軍の陸上機による援護も無く,単独で斬り込んで行って上陸作戦や艦隊戦,対潜戦を行う事は,まともな用兵者なら行わないでしょう.
(軽空母を使って,無理やり機動部隊を仕立てた英海軍は,フォークランド紛争で酷い目に遭いました)
自国近海では,自国の空軍の支援を受ける事ができ,公海上で散発的に航空機による奇襲攻撃を受けた場合でも,エリア・ディフェンスSAM搭載艦が対応出来ますので,敵勢力圏内での行動は想定していない護衛艦隊の場合,別項目にも有りますように,
“防空の為のイージス艦と,対潜ヘリのプラットフォームに特化したフネの二本立ての方が,総体で安く済む”
と言う訳です.
決してぞんざいに扱っている訳ではなく,役割分担をしている為に,価値が等価である,と言う訳です.
イメージ図
【諸元】
基準排水量:13500トン
全長 :195メートル
幅 : 32メートル
主機 :COGAG ガスタービン4機
出力 :不明(こんごう型で100000馬力)
速力 :30ノット
兵装 :Mk41VLS(16セル,ESSM(1セル4発)/新アスロック)
20mmCIWS・12.7mm単装機銃2~4基
HOS-303 3連装短魚雷発射管2基
対空レーダー兼FCS:FCS-3型改
水上レーダー :OPS-20改
ソナー :OQX-XX
ESM/ECM :ESMは不明・チャフランチャー4セット
搭載機 :SH-60K哨戒ヘリ3機・MCH-101掃海・輸送ヘリ1機
その他必要に応じて陸自の輸送ヘリも搭載可能
人員 :347名(艦運用322名司令部25名)
イメージ図最新版は世界の艦船2004年1月号
【質問】
自衛隊のヘリ空母でハリアーが使えないって色々な人が言ってますが本当ですか?
【回答】
まず整備,誘導をはじめとした運用インフラがない.
また,よく言われるように,甲板にジェット排気対策がされていない(少なくとも公表されていない).
だから一発限りの発着ならできるだろうが,戦闘力として運用する能力はない.
インフラを整えれば案外甲板が保つかも知れないし,さらに甲板まで改造すれば運用できるかもしれない.
ただ,それってかなり大変な「改造」になるわけで,ひとまずは「使えない」が「使える」より正解に近い.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ジェット機の離発着に必要な甲板の金属の厚さとか強さって,船の再設計が必要なほど凄いのか?
耐熱性のある素材で,金属と同等の重さか軽い素材なんてありそうなもんだけどな.
【回答】
むしろ逆で,耐熱構造を採用してないから,「ひゅうが」の甲板はあんな高い位置にあるのです.
あれを空母にした場合どういうことになるか・・・
ほぼ同大のインヴィンシブルと比較してみましょう.
また,ジェット機とハリアーは似て非なるもの.
ハリアーの最大の問題は,高熱排気をもろに甲板に叩きつけること.
固定翼機ほど重量はないハリアーだが,甲板に与える熱ダメージははるかにでかい.
ハリウッド映画でハリアーが路上に着陸するってシーンをロケする際,アスファルトを2m以上掘り起こす大掛かりな工事が必要だったらしい.
逆に固定翼機の重量は,それはそれでダメージでかい.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ホーネットのようなジェット艦載機は無理としても,零戦のようなプロペラ艦載機であれば,海自のヘリ空母型護衛艦でも運用できますよね?
零戦を復元して現代の海自に組み込むことは可能性として,ないでしょうか?
【回答】
旧海軍の空母とサイズ的にはあまり変わらない(約200m)
ただ日本では,零戦を動態保存していなかったような.
海自の星形エンジンの運用も昭和48年までかな?
レシプロ機は平成8年まで.
T-5の教官なら着艦できるのでは?
予備海士長 ◆0J1td6g0Ec in 自衛隊板
青文字:加筆改修部分
【質問】
海自が新たにひゅうがを上回る大きさのヘリ空母運用を計画していると聞きましたが,これはやはり中国の空母建造に対抗しようという動きが海自の中でもあると思うのですが,このヘリ空母,実際何に使うつもりなのでしょうか?
また対潜ヘリ,偵察ヘリばかり何十機も積むんですか?
護衛艦の絶対数が減らされている現在の状況で,周りにいくつもの護衛部隊が必要な空母は,艦隊の効率を悪くするだけではないでしょうか?
【回答】
ヘリ空母は対潜,着上陸戦,災害派遣,PKOと何かと便利なんですよ.
普通の護衛艦だとヘリの重整備できませんし,おまけに個別運用になるから,何かと効率が悪い.
中国への対抗?
中国の潜水艦隊への圧力をかけることはできますが,基本的にヘリ空母は正規空母とやり合うためのものではない
(勿論,24DDHに戦闘用固定翼機を積むのなら話は別だが,今のところ与太話でしかない)
>護衛艦の絶対数が減らされている現在の状況で,周りにいくつもの護衛部隊が必要な空母は艦隊の効率を悪くするだけではないでしょうか?
減らされているのは”地方隊”の護衛艦艇数ね.
日本領域全体を舞台に機動運用される,4護衛隊群からなる主力の護衛艦隊の定数は温存されるよ.
そしてひゅうが級,話題になっている次期ヘリ空母24DDHは,その4つの護衛隊群に配属されていた,ヘリ運用能力強化型の護衛艦である「はるな」,「しらね」型DDHの後継だから,護衛艦不足に関しては問題はない.
質問者の”空母の護衛部隊”のイメージはどうも米正規空母軍を念頭に置かれているようですが,あれは旧ソビエトの射程500kmオーバーの対艦ミサイル飽和攻撃を念頭に置かれて敷かれている,所謂”規格外”の護衛体制(防護半径の面積は日本海並み)なので,通常の艦隊防空であれば,護衛隊群の規模で十分(というより米機動部隊を除けば,艦隊防空に関しては世界でも最上位クラスの贅沢な編成.イージスDDG配備の上に全ての艦が個艦防御できるってそれ何てチート)です.
それにひゅうが級は,あくまで”DDH”(ヘリ搭載”護衛艦”)なので個艦武装,戦闘指揮能力共に並の護衛艦に負けない重武装(流石に対艦攻撃能力までは付与されていない.事故防衛専用)ですし,また海自にはそれにエスコートさせるだけの護衛艦も持っています(現在は)
なお,24DDHの兵装面ではいまだ不明.
然れども,ひゅうがクラスより艦が大型化しており,また陸上部隊も搭載できることから,現在世界各国で配備が推し進められている所謂”ヘリ搭載多目的艦”を念頭に置いたものになると思われる.
戦争・国防板,2009/09/04(金)
青文字:加筆改修部分
▼ 今回の震災では自衛隊も,被災地で災害派遣に従事しており,頑張っています.
そこで,これらの大震災に対応するための,機動力の整備を提案していきたいと思っています.
それは北大路機関のこの記事を読んで,とても痛感したからです.
東日本大震災という有事,やはり自衛隊の機動力はもっと整備すべきだった:北大路機関
私のマイミクさんの話ですと,自衛隊の災害派遣活動の支援に乗り出した米軍などは,空挺部隊が仙台空港に降下,部隊が空港を復旧させるという,騎兵戦ばりの支援活動を行ったそうです.
松島でも同じ事が行われた可能性はあります.
私が注目したのは米軍の機動力でした.
もちろん自衛隊に,米軍並みの機動力を持たせるのは,やや無理がありますが,被災地への迅速な救援部隊や支援物資の輸送には,やはり機動力の整備が必要を判断しました.
海自は未だに使用できない石巻市の海岸に,LCACを上陸させて物資輸送に成功しています.
離島防衛でもゲリコマにしても機動力は不可欠です.
そこで資料を基に,自衛隊に見合った機動力を考えていきたいと思います.
バルセロニスタの一人 in mixi,2011年03月29日00:27
海自の機動力向上に必要なものとすれば,おおすみ型輸送艦を増強すべきという声も出そうですが,それよりも,これから建造される22DDHの次のひゅうが型護衛艦に,揚陸能力を持たせる事が必要と思われます.
それもLCACを搭載する能力が必要になるでしょう.
というのも今回の東北関東大震災では,石巻港が廃材や建築物の材木などで入港できなかったという事を考えると,22DDHに備え付けられるであろうRORO機能だけでは,どうしても足りないという面があります.
また,ヘリでの輸送は人員や物資はどもかく,重機は港に停泊させないと降ろせませんし,ヘリからの輸送にしても,機能不全になった政府では,省庁から許可がなければ降りられないという事も,今回の事象で起きています.
22DDHは多目的空母として概算要求:週刊オブイェクト
そこで24DDHからは,スペインのカルロス級揚陸艦をモデルにした計画にしてみてはどうでしょうか.
まぁ,私がリーガ・エスパニョーラマニアだからというわけでもないのですが,カルロス級揚陸艦には今回の自衛隊の機動力増強のヒントになりえそうです.
フアン・カルロス1世 (揚陸艦) - Wikipedia
スペイン海軍の空母型揚陸艦「フアン・カルロス1世」は,LCMなどの揚陸艇を搭載出来る他,AV-8Bハリアーや哨戒ヘリなどの艦載機も搭載でき,揚陸艇を降ろせば,軽空母としての機能も持ちえます.
また,軽空母機能任務と揚陸艦任務では,艦艇の速度も違います.
軽空母任務だと,速度は向上します.
冷戦崩壊後,ボスニア紛争やアフガン戦争,そして現在発生しているリビア紛争など,地域紛争への対応と人道支援のために,軽空母を揚陸艦機能を持たせる試みが,日本を含めて海軍を持つ各国で進められています.
これは予算削減により,いちいち軽空母と揚陸艦を別々に持つ事が困難になった上に,タラワ級やワスプ級などのアメリカ海軍の強襲揚陸艦が,AV-8Bを艦載して軽空母の機能を持たせた事も参考になったからです.
そこで24DDHは,3万トン級にした上で,LCACを1~2隻ぐらい艦載が出来るタイプが望ましいでしょう.
また,護衛艦隊には「ひゅうが」と22DDHの他に,残り2艦隊にも配備をすべきでしょう.
LCACもさらに輸入しなければなりません.
そうすれば,海と空からの上陸作戦も可能になり,離島防衛や災害派遣にも対応する事が可能になります.
さらに,既存の「ひゅうが」や22DDH,さらにはおおすみ級揚陸艦と連動した作戦も可能になり,効率的な統合作戦も可能になるでしょう.
■訂正・追記
LM2500ガスタービン・エンジンを5基も搭載するよりは,LM6000ガスタービンエンジンを4基搭載した方が馬力も2倍の200000馬力になり,速度も護衛艦型と輸送艦型でも向上します.
ゼネラル・エレクトリック LM6000 - Wikipedia
形状・形態も同じながら,LM2500よりも馬力の出る同エンジンは,これからの多目的空母型護衛艦の主力になるかも知れません.
なお,LM2500を5基搭載すべきという点は訂正します.
誠に申し訳ありませんでした.
深くお詫び申し上げます.
転載する場合は,こちらを掲載して下さい.
バルセロニスタの一人 in mixi,2011年03月29日15:34
▲
完成予想図(手前が「ひゅうが」)
(画像掲示板より引用)
【質問】
日本近海で運用される,基準排水量2万トンのVTOL空母が,AV-8Ⅱ×12,HSS-2B×8を搭載するのって,やっぱ積みすぎですかね?
インヴィンシブル級の2割増しの大きさなんだから,何とかなるんじゃね?,とは思うのですが…
【回答】
大きさだけで考えるなら,満載2万トンに満たないプリンシペ・デ・アストゥリアスがハリアー,SH-3を共に12機ずつ運用しているので,問題ないと思われ.
同様に多目的任務を与えられ,満載24000~27000トン級のイタリア艦カヴール,スペイン艦ファン・カルロス一世が,普通に20機程度の運用を前提としているので,22DDH級の規模であれば,問題ないと判断して良いと思う.
後は『世界の艦船』等に出ている,艦内一般配置図なんかを見て,どの区画を格納庫に転用すれば良いかとかを調べてみるのがお勧め.
ただし,建造時にヘリの搭載機数が10機以下だった場合,改装時に格納庫の拡張等も行う必要性が発生する可能性が高い.
考察するのには改装後の能力も必要だけど,改装前のデータも合わせて書いて貰えるとありがたい.
基準2万tって事は,22DDHを念頭においているのかも知れないけど,あれは多目的に運用する事が前提となっているので,艦のサイズに比して格納庫面積が狭い.
多目的区画を全部潰し,車両甲板を兵装庫や燃料庫に転用するのなら,相応の搭載機数増加は可能と思われ.
ただ,対潜ヘリ護衛艦を改造するのを想定してるなら,インヴィンシブル級が精一杯だな.
元の構造はそうそう大きくいじれない,いじるくらいなら新造した方が早かったりする.
それでも甲板が広いから,実戦では5割増し運用可能なんで問題ないでしょ.
ちなみに「いせ」だが,中の人が
「あれは空母主体じゃなくて,指揮機能主体のコンセプトだ」
と言ってた.
あれは空母のつもりじゃなく,どっちかつうとブルーリッジの方だ,とかそんな感じで.
軍事板,2010/10/17(日)~10/21(木)
青文字:加筆改修部分
【質問】
しかしはるな型,しらね型計4隻のDDHが,イギリス風に2万tクラスの軽空母に代替されたとして ,ハリアー十数機で艦隊防空の役に立つんだろうか,と疑問には思う.
何がややこしいかって,統幕議長(元海幕長)はじめ海自の中に,
「軽空母にVTOL積んで,バックファイア迎撃できるんじゃね?」
って,かなり真面目に考えてる人が大勢いたんだよね.
(ポシャった理由は,米軍と政治サイドの反対だったし)
それを考えると,単なる机上の空論とは言い切れないと思うんだが,どうだろう?
▼
【回答】
フォークランド紛争なんかを調べればわかりやすいけど,艦隊が戦闘機を持つ最大のメリットは,相手の”航空偵察”を妨害できることだよ.
常に機動する水上部隊を捕捉するには,かなりの数の偵察機なり哨戒機が必要であり,また各々の哨戒機は分散して哨戒しなければならないので,彼らを戦闘機で援護することは難しい.
もし捜索する敵艦隊が,少数でも戦闘機を持っていた場合,各哨戒機に十分な数の護衛戦力をつけるか(例え相手の艦隊が,戦闘機を10機しか持っていなくても,こちらは10機の哨戒機に,それぞれ10機の護衛をつけなければならない),或いは攻撃を受けそうになったら,すぐに退避・味方戦闘機部隊の掩護を受けられるように,進出距離を味方基地近くに設定する羽目になり,哨戒範囲を大幅に狭めなければならない.
フォークランド紛争で,アルゼンチン海軍はイギリス軍の10倍の航空戦力を保有していたが,イギリス軍の辻斬り的な哨戒機襲撃によって,ついに最優先目標たる空母を見つけ出して攻撃することができなかった.
彼らが攻撃できたのは,基本的に陸上から観測できた上陸支援部隊と,イギリス軍の対空ピケット部隊だけだよ.
もし,機動部隊が存在しなかったら,英フォークランド派遣軍は,フォークランド奪回に失敗していたろうねぇ.
▲
他にも,哨戒機のみならず,艦隊に襲い掛かる攻撃機を防ぐ事にも役立つ.
射程の延びた艦対空ミサイルという扱いができるわけで,艦隊防空がより厚くなる.
甲板が大きいという事は,ヘリの運用能力も向上するわけで,VTOLやヘリを使って策敵哨戒させる事で,艦隊の攻撃・防御をも向上できるわな.
陸上基地からの航空機支援のデメリットは,飛ばしたい時に飛ばせるとは限らないし,陸上基地から遠く離れてしまったら,全く支援が受けれないという制約を受ける事なんだな.
ただ,まあ,米海軍からしたら,
「どうせ有事になったら,護衛艦隊は第7艦隊と共同で動くんだから,そんなことはキティホークの艦載機に任せてイージス買えよ」
って言いたくなるだろう(し,実際そうなった)けどな.
それに日本には,本土決戦という前提がある以上,対馬と津軽を封鎖するとしたら,それぞれ空自のエアカバーの圏内だし,尖閣だって軽空母より,那覇基地を移設したほうが安上がりになるだろうし.
仮に冷戦時代の海自が,実際より予算をもらえたとしても,VTOL空母単艦よりは,ヴィットリオ・ヴェネトのようなヘリ巡洋艦を,多数保有する方を選んだだろうね.
(別に憶測でいってるんじゃなく,はるな型を大型化して,基準排水量9,000トンのDLHを建造する計画はあった.
ポシャった理由も政治的配慮というより,オイルショックの余波だし)
軍事板,2010/10/17(日)~10/21(木)
青文字:加筆改修部分
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【反論】
> フォークランド紛争なんかを調べればわかりやすいけど,艦隊が戦闘機を持つ最大のメリットは,
>相手の”航空偵察”を妨害できることだよ.
> フォークランド紛争で,アルゼンチン海軍はイギリス軍の10倍の航空戦力を保有していたが,
>イギリス軍の辻斬り的な哨戒機襲撃によって,ついに最優先目標たる空母を見つけ出して
>攻撃することができなかった.
1990年1月9日発売の,「週刊エアクラフトNo.64」を信じるならば,そのような事実はなかったようです.
同書によれば,1982年5月4日,アルゼンチン軍のP-2ネプチューンは,ポートスタンレー南約160kmに大型目標1隻と小型目標2隻を探知し,この情報に基づいてシュペル・エタンダール2機はエグゾセ攻撃を行っています.
HMSシェフィールドが被弾したあの有名な戦闘です.
P-2ネプチューンは5月15日,老朽化を理由に引退しています.
1機も(と,いっても2機しかありませんが)撃墜されてはいません.
この後,アルゼンチン軍はS-2Eトラッカーを代役に立てようとして失敗し,以後は推測に基づいた偵察攻撃を行っています.
彼らはCAPに飛ぶハリアーの動きを島のレーダーで観察し,英側も発艦後80kmは低空飛行するなどして欺瞞を試みていますが,いくつかの飛行経路を照合すれば,母艦の位置を割り出せたとのことです.
実際,5月25日には空母に接敵することに成功しています
(同書によれば.
「スミソニアン 現代の航空戦」によれば空母への攻撃は5月30日)
また,「スミソニアン現代の航空戦」によれば,
・アルゼンチン空軍のプカラと海軍航空隊のアエロマッキMB-339Aは,多くの偵察作戦を行った.
・アルゼンチン軍の輸送機と偵察機は,英艦隊の追尾,攻撃機に対する航法支援,島に対する補給など多くの支援任務に活躍した.
と,あります.
ハリアーが航空偵察の妨害に役立ったという話は,「週刊エアクラフト」にも「現代の航空戦」にもありません.
さらに,ソ連がTu-95RtsベアD,すなわちウスペフ偵察システムをどのような目標に使おうとしていたのか,を考えますと,哨戒機が戦闘機の護衛を必要とするかどうかについては疑問を感じます.
必要なのは戦闘機ではなく,少しくらい機体と人間を使い捨てにしても揺らがない,軍の規模と"本気さ"ではないかと思えます.
ベアはもちろんバックファイアでさえ,米空母の防空システムの前には儚い命であったわけですから,生還を前提としては作戦など立てられないのではないでしょうか.
WW2の時代であっても哨戒機は,敵艦隊発見の通報と引き換えに命を失う(あるいは,未帰還となることで敵艦隊の接近を知らせる)危険な任務をこなしていたはずです.
もちろん失われない方が望ましいのは当然ですから,ソ連はレゲンダ・システムの構築に進んだわけですが.
長々と書きつづってしまいました.
当方としても調べて書いてはいますが,本文に反映する際には,内容を精査の上でお願いします.
失礼しました.
因幡 in FAQ BBS,2011/6/20(月) 0:31
青文字:加筆改修部分
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▼
>実際,5月25日には空母に接敵することに成功しています
同じ著者が,同書より古い1988年に出した『現代航空戦史事典 軍事航空の運用とテクノロジー』によれば,25日にアルゼンチン空軍は,空母と思われる目標に対し,ミサイルを発射したが,それは空母ではなくコンテナ船アトランティック・コンベヤーであった,とありました.
著者が空母接敵の件を省略しただけかも知れませんが,参考までに.
MHK in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2011年07月03日
00:09
青文字:加筆改修部分
▲
【質問】
海自ヘリ空母搭載のヘリは,非戦闘用ですか?
アパッチのような攻撃ヘリを積んでも,あまり意味は無いのですか?
【回答】
哨戒掃海ヘリで十分です.
ヘルファイアにフレア,機銃あればいいだろ.
エアーウルフなみにレーザーでも付けろってっか?
自衛隊板
青文字:加筆改修部分
なお,一応,陸海空のすべてのヘリが着艦可能になるので,輸送艦と共に陸自支援で,攻撃ヘリを輸送することは可能かと.
エレベーターに入れれば格納も可能だけど,タイヤが無いんだよね.
移動に練習が必要かな?
中央即応の木更津から訓練に来るのかな?
予備海士長 ◆0J1td6g0Ec in 自衛隊板
青文字:加筆改修部分
【質問】
「ひゅうが」って,排水量14000トンもあるのに乗組員380人ってどういう事だよ 動かせるの?(´・ω・`)
by ネトウヨにゅーす
http://netouyonews.net/archives/3359321.html
>168 : リュウキュウアユ(岐阜県):2010/07/05(月)
23:26:31.26 ID:uK0AK+Hv
> 日本の自動化技術を持ってすれば,海自がニミッツ級レベルの空母を建造したとしても,
>恐らく乗員400名強ほどで事足りる.
日本スゲェェェーーーー(棒
2010年07月06日 20:25,ぴぴぷー
【回答】
動かせるかどうかだけじゃなくて,ダメコン要員としてある程度の頭数が要る,という視点が欠落しているような.
2010年07月06日 20:32,井上@Kojii.net
>日本の自動化技術を持ってすれば
よもや二十八の受け売り?
2010年07月06日 20:59,消印所沢
シュワちゃんみたいなターミネーターが,コマンドーみたいな戦いをするためのロボットですね.
わかりまーす.
2010年07月06日 21:11,バルセロニスタの一人
当方個人としては,「スター・ウォーズ」のバトルドロイドみたいなものを希望したいところ.
なんか可愛いので.
2010年07月06日 21:15,消印所沢
>自衛隊無人化
それ,現場の自衛隊の人には,笑えないジョークに聞こえるんじゃ…
2010年07月07日 00:31,koheimaniax
「無人化」と言わずに「省力化」と言えば通る不思議.
まぁ,建設重機の無人化省力化は進んでるんですがね.
初期設定さえ何とかなれば,自動で50mの盛り土も可能になりましたし.
切り土含めて.
2010年07月07日 04:58,Bernoulli
>省力化
お金に換算すると,もっとウケがいいというところが,とても嫌な今日この頃.
2010年07月07日 09:49,ゆずこせう
以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より
青文字:加筆改修部分
【質問】
VSTOL軽空母を海自が持つことの,有効性はどうですか?
【回答】
中国海軍の空母(元ロシア海軍のSTOBAR型空母「ヴァリヤーグ」)の,改装工事が完成し,いよいよ進水が近い状況になってきて,日本でも空母を入れようという話も,ちらほら聞かれているのですが,CTOL空母など論外だというのは,以前も書いた通りです.
では,軽空母(VTOL空母)はどうなのか.
これもあまり役に立たない,それこそ見栄でしかないのが実情でしょう.
1980年代に海自が軽空母導入を検討したら,米海軍に反対され,海自もこれを受け入れたのを見て,一部の反米保守の方々は,やれ「アメリカの陰謀」とか言っているようですが,どうも違うようです.
軽空母の有効性は,1982年のフォークランド紛争で「証明」されたと見られていますが,その「証明」というのがかなり怪しいシロモノのようでした.
■[「ひゅうが」は軽空母になれるか?]最新護衛艦「ひゅうが」(4)
現代戦における軽空母の戦力について:Lansenの現実逃避日記
ハリアーが23対0という,圧倒的なスコアを収めることができたのは,
・アルゼンチン空軍が旧式の対空ミサイルしか配備していなかったこと,
・航空基地から艦隊までの距離が遠く,空戦を行うのに十分な燃料がなかったこと,
・練度が相対的に低かったこと
などが原因であり,ハリアーが性能的に優れていたためではありませんでした.
アルゼンチン軍が,たとえばF-4ファントムのような有力な機体と,長距離対空ミサイルを運用していれば,撃墜スコアは逆転していたかもしれません.
また,アルゼンチン空軍はフランス製の対艦ミサイル「エグゾセ」を用い,前述の「シェフィールド」「アトランティック・コンヴェアー」を,それぞれ一撃で撃沈しています.
しかし,アルゼンチン軍のエグゾセ保有数はわずか5発しかなく,残りの機体は通常爆弾を用いて低空から接近攻撃を行いました.
このことがアルゼンチン空軍機に,多数の損害をもたらした原因となりました.
もし,アルゼンチン軍が潤沢なエグゾセを保有していた場合,イギリス軍は壊滅的な損害を蒙っていたと思われます.
軽空母に関する戦訓をまとめると,以下のようになります.
・少数の戦闘機を防空・対地攻撃に割く必要があるため,防空に使用できる機体はかなり少数となる
・低空から侵入する敵機の迎撃のためにはAEWが不可欠であるが※2,そのためにますます戦闘機搭載量が減る上,同時にAEWそのものの護衛機も必要となってしまう
・よって,軽空母による防空網は,弱体な航空戦力にしか通用せず,それでも多数の損害を蒙る可能性が高い
このように,アルゼンチン空軍・海軍の練度不足と装備の貧弱さが,イギリス軍有利に傾いたと言われています.
アルゼンチンではどうも軍事政権成立以降,せっかく軍事予算の自由裁量を得たのにもかかわらず,反体制派の弾圧に集中したり,隣国チリとの国境紛争や,ライバル国であるブラジルとの交戦にに備えたりしており,空軍や海軍の強化に乗り出す気はなかったようです.
空軍や海軍の強化もせずに島嶼奪取って,それ,何だか自殺行為のような・・・.
もしアルゼンチン海軍が,エグゾセを豊富に持っていたのならば,海戦では有利だったかも知れません.
もっとも,そのエグゾセも対艦運用のマニュアルが設定されていなかったので,不発が多かったようです.
また,シュペル・エタンダール攻撃機を用いた,駆逐艦「シェフィールド」やコンテナ船を転用した「アトランティック・コンヴェアー」への攻撃成功は,当時穀物輸出で反共軍事政権でありながら高く評価していたと言われる,ソ連からの衛星やTu-95からの情報を得ていたので,成功したとも言われています.
その証拠に,アルゼンチン海軍の巡洋艦「ヘネラル・ベルグラーノ」が,チャーチル級原潜「コンカラー」に撃沈された時,アルゼンチン海軍は
コンカラーを逃してしまったように,アルゼンチン海軍の洋上・対潜哨戒能力は大したものではなかったのが証明されています.
また,シーハリアーの空戦能力についてですが,VIFFをフルに使用して,空戦では勝利を得たなどと言われていますが,それはどうも事実に反しているようです.
シーハリアーも中途半端な機体だったらしく.あまりいい評価はありません.
【質問】 フォークランド紛争時,ハリアーが偏向推力を使って格闘戦で勝ったという話はガセ?
【質問】 フォークランド紛争において,シー・ハリアーはどのように評価されたの?
これでは米海軍も,拒否したくなるのも当然でしょう.
日本の空母を拒否したのは,以前にも日記で書いた時間以外の理由もあったようです.
つまり相手が貧弱な軍でなければ,軽空母といえど味方がいなければ,あまり役に立たないという事なのでしょう.
また,フォークランド紛争ではAEWがなかったから損害が出たとも言われており,シーキングAEWが戦後登場していますが,この探知能力も怪しい限りで・・・.
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軍事・兵器大事典
<シーキングAEW.Mk2>:
シーキングHAS.Mk1(Mk.2?)の胴体右に,ソーン・EMI対水上捜索レーダーを,外部レドーム式に搭載したもの.
レドームは地上では,90度後方に折りたたまれているが,使用時には下方に降ろされ,全周を捜索する.
探知距離は高度3050mで160km.
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高度3050m探知距離が160kmって,これ,E-2Cはおろか空警2000にも劣りそうな.
なお,イギリス軍はこの事を既に知っていたから,あえてハリアー空母を出撃させました.
アルゼンチンの電話回線は,イギリスの企業が受注して建設したものであり,その際に盗聴器なども設置したとも言われています.
また,アメリカからの情報もあって,アルゼンチン軍の情報や装備や練度などは,イギリス側に筒抜けでした.
つまりイギリス側としては,勝算を見込んでの軍事活動だったという事になります.
日本では海自は,味方のエアカバー外での戦闘は考慮しておらず,そのための計画もありません.
また,今ではイージスシステムの向上により,艦隊防空に無理して空母を入れる必要もなくなりました.
だからひゅうが級護衛艦も,VTOL戦闘機の運用を想定していません.
オーストラリアなど,キャンベラ級強襲揚陸艦に,F-35Bの運用を議会から持ち出されたのを,海軍が拒否したぐらいです.
まして,ハリアーのVIFFを用いた格闘戦がガセであり,単に旋回戦では強かっただけの話だった事,アルゼンチン空軍・海軍の装備も貧弱で,練度も低かっただけの話なら,なおさらでしょう.
空自は練度も装備も対艦ミサイル保有数も対艦運用マニュアルも揃っていますから,もし尖閣諸島に中国軍が上陸された場合には,イギリスの立場とアルゼンチンの立場が重複しますので,日本側には十分に勝機はあります.
相手が商船も使った上陸作戦を展開しても,事情は同じでしょう.
まして空母を出すなんて・・・
下手すりゃ第二のヘネラル・ベルグラーノになるだけでしょう.
■追記
調べてみたところ,V-22とE-2Cの形状はほぼ同じでした.
これならE-2CのAN/APS-138レーダードーム装着は,不可能ではないです.
となると,V-22AEWの搭載する価値はありますが,戦闘機まで載せる必要はないでしょう.
V-22AEWは怪しいというのは撤回します.
大変申し訳ございませんでした.
そしてご指摘をされた緑川だむさん,ありがとうございました.
バルセロニスタの一人 in mixi, 2011年06月28日09:40
青文字:加筆改修部分
その後,別項のような理由により,VSTOL軽空母不要論を,上記項目筆者は撤回している.
2020.11.29
【質問 kérdés】
海自護衛艦にF-35を搭載する意味は何?
【回答 válasz】
我が国の場合,今後は限定的ながらも艦載航空兵力を投入する作戦想定が多く考えられるため;
2015年8月27日に海自のいずも型護衛艦の2番艦の命名・進水式が行われます.
これによりいずも型・ひゅうが型を含め空母型護衛艦は4隻となります.
平成24年度護衛艦の命名・進水式について:防衛省・自衛隊(PDF注意)
この話に合わせたというわけでもありませんが,米海兵隊のF-35Bブロック2BにIOC(初期作戦能力)が付与されました.
これは実戦配備されたという事になります.
Marines Declare F-35B Operational:Defence News
F-35Bを導入していずも型護衛艦やひゅうが型護衛艦に艦載させて運用するという話は一部マスコミでも報じられ,ネットでも話題になっています.
実際,「ひゅうが」に米海兵隊のV-22が発着艦した事があり,「ひゅうが」の航空甲板が耐熱仕様に改修されている事が確認出来ました.
今年の6月に当方は横須賀市で開催されたYYのりものフェスタで「いずも」を見学に行きましたが,航空甲板が耐熱仕様とされていると「いずも」のクルーの方からはっきりと聞いており,実際に甲板がザラザラしているのを確認しています.
しかし一方で,オーストラリアではスペインからキャンベラ級強襲揚陸艦を導入しましたが,空軍に納入される予定のF-35AがF-35B導入により削減される可能性と,艦載航空兵力を投入する作戦想定がオーストラリア軍には少ない事から,オーストラリア軍部内でF-35Bのキャンベラ級への艦載に反対の声があり,結局頓挫した事例があります.
Australia Abandons Proposal To Order F35B:Defense content from Aviation Week
では我が国の場合はどうでしょうか?
伝統的な三海峡や日本海,何かと火種が絶えない東シナ海だけでなく,インド洋まで視野に入れており,南シナ海の動向には注目しています.
これは海自の戦略方針の転換によるものです.
Japan Looks South: China’s Rise Drives New Strategy:Breaking Defense
これにより今まではDDやAOをインド洋やアデン湾に派遣していましたが,DDGやDDHも派遣される可能性も出てきました.
ちなみに2004年にはこんごう型護衛艦(DDG)が相次いでインド洋に派遣されています.
海自のDDGはイージスシステムが搭載されており,艦隊防空のみならずミサイル防衛においても運用されていますが,イージスシステムの要であるSPY-1レーダーも,地上の対空レーダーの例に漏れず,レーダー地平線により一定の距離と高度は探知出来ないという問題があります.
そこで英海軍が計画しているV-22のAEW型であるEV-.22の艦載する事により,レーダー地平線でSPY-1が探知出来ない洋上の監視をカバーするという案が考えられますが,2015年8月現在このEV-22は試作機すら完成しておらず,あくまでも計画のみに留まっています.
フォークランド紛争:総括と反省,評価と戦訓(後半 イギリス編):Monacoinを広めるための紛争解説
http://
そこで1200kmの探知距離を持つEODASを搭載しているF-35BをDDHに艦載させ,センサー機として運用するというのが現実的でしょう.
Photo Release -- Northrop Grumman Distributed Aperture System (DAS) for F-35 Demonstrates Ballistic Missile Defense Capabilities (NYSE:NOC)
東シナ海ならば那覇や新田原のF-35Aをセンサー機としてイージス護衛艦と連携した運用も可能ですが,インド洋や南シナ海だとF-35Aの派遣は場合によっては難しい可能性があります.
いずも型もひゅうが型も航空機運用を主任務した仕様となっており,また前にも記事で書いた事がありますが,ロシア海軍太平洋艦隊の脅威の低下により三沢の第3航空団には2個飛行隊も保有する必要性はなく,1個飛行隊は海外派遣用として運用すべきだと提案した事があります.
そこで空自でF-35Bを導入し,三沢の1個飛行隊をF-35Bにしてひゅうが型DDHやいずも型DDHに艦載してみてはどうでしょうか.
センサー機ですからキャンベラ級のように12機も艦載する必要もなく,前後左右1機ずつで計4機のみ艦載すればいいだけの話です.
統合任務部隊隷下の元,航空機の運用と整備は空自が行い,海自の護衛艦はあくまでもプラットフォームとしての役割を果たすという案です.
もちろんこれは傍から見れば空母保有という事になりますが,現状我が国が「空母保有」を行っても国内からも反発はあまりないでしょうし,国外でも韓国や北朝鮮を除くとそう反発はないでしょう.
中国は自分達が空母を保有したのだから日本も保有していると思っていますし,ひゅうが型を軽空母と認識していますから.
ベースライン9のイージスシステムを搭載した米海軍のミサイル駆逐艦と,AEWやF-35Cによるレーダーやセンサーで長距離対艦ミサイルを探知し,SM-2やその後継の艦対空ミサイルであるSM-6による迎撃するNIFC-CA構想が実現しようとしています.
米海軍はSM-6デュアルⅠとSM-2ブロックⅣによる短距離弾道ミサイルと巡航ミサイルの迎撃試験を行い,これに成功しています.
SM-6 Can Now Kill Both Cruise AND Ballistic Missiles:Breaking Defense
また,政府の国家安全保障会議(NSC)は飛来するミサイルの弾道などの情報を画像として表示するためのソフトウェアの対米輸出を決定しました.
EODASによる画像情報が転送可能なF-35にはうってつけのソフトと言えるでしょう.
「日経新聞」◆(2015/7/23) 政府,イージス艦部品やソフトを対米輸出 NSCで決定
以上のように,オーストラリアとは違って我が国の場合,限定的ながらも艦載航空兵力を投入する作戦想定が多く考えられる事から,F-35Bの艦載はすべきと考えます.
ねらっずーり in mixi, 2015年08月08日
青文字:加筆改修部分
2015年6月6日のDefence Newsの記事で空自の戦闘機不足が発生するという記事がありました.
Japan's Fighter Procurement Crunch:Defence News
航空宇宙ビジネス短信・T2 軍事航空,ISR,無人機,安全保障,最新技術: ★★★航空自衛隊>F-35導入しても戦闘機不足は避けられない見通し
この記事のテーマにあたる戦闘機不足に対する対策は,別の記事で取り上げたいと思います.
というのも,こちらの記事ではとても興味深い話を見る事が出来ました.
それは空自のF-35Aを海自のイージスDDGのセンサー機としての運用を防衛省が計画しているという事です.
防衛省ではF-35Aの他に,三自衛隊での共同運用が計画されているRQ-4無人偵察機と連動して海上戦闘に関する情報をDDGにデータリンクするという内容です.
実際,レーダーにはレーダー地平線により,ある距離からの高度だとレーダーでは探知できない事があります.
これはDDGのイージスシステムのレーダーにあたるSPY-1でも地上レーダーサイトのJ/FPSシリーズでもE-767のAPY-1でも,同じ現象が発生します.
だから空自ではE-2CやそのアップデートにあたるE-2Dを複数機運用して死角になる部分を穴埋めし,密な防空網を設置しています.
F-35にはAAQ-37 EODAS電子光学分散開口システムやAPG-81AESAレーダーが搭載されています.
APG-81は.前方120°約140kmの範囲内の空対空目標23目標に対して8.8秒で全目標を探知が可能です.
また,AAQ-37は接近するミサイルの探知,補足,追尾やミサイルの発射地点の特定が可能です.センサー機としてはE-2Dにも引けを取らないでしょう.
F-35 LightningⅡ:EAGLET
さらに現在建造中のDDGでは海自初の共同交戦能力(CEC)というシステムが装備される予定です.
具体的にはイージスシステムの最新型バージョンにあたるベースライン9が搭載される可能性が出てきました.
イージスシステムではこんごう型護衛艦はベースライン4~5,あたご型はベースライン7ですが,SM-2の後継にあたり,複数同時目標への迎撃や長距離からの軍用航空機や巡航ミサイルや対艦ミサイルの迎撃が可能なSM-6は,ベースライン9ではないと運用出来ないという問題がありましたが,これも解決する事になります.
CEC:ミサイル迎撃,海自艦に共同交戦装備 「集団的自衛権」念頭:毎日新聞
米海軍ではCECを効率よく運用するためにE-2DやF-35Cが索敵し,イージスDDGがSM-6で対艦ミサイルを迎撃するというNIFC-CA構想が出てきています.
E-2DやF-35Cからの膨大なデータを処理するために戦術ターゲッティングネットワーク技術 (TTNT)の開発が行われています.
NIFC-CA (ニフカ):超音速巡航ミサイルを超水平線で迎撃する構想 : 海国防衛ジャーナル
膨大なデータを送受信するには現在のリンク16やリンク11では帯域が不足してしまう事は,海自や空自でも予想されます.
そこでE-2DやF-35AとDDGの間の送受信をE-767を経由し,ミサイル防衛に置いては三自衛隊共通のC4Iシステムである空自のC4Iシステム・JADGEを通じて行うべきだと,当方のフェイスブックの友人の某軍事評論家の方のご意見があります.
また,空自のJADGEの他に,海自の戦術級C4IシステムであるOYQシリーズの三自衛隊共通システム化などを行い,帯域を増やすべきでしょう.
さらに海外派遣部隊においてはE-2DやE-767からのデータリンクを行うにもこれ等の機体の派遣は難しい事から,F-35Bのいずも型護衛艦やひゅうが型護衛艦の艦載も考えるべきでしょう.
そうなるとF-35Bの運用は空自が行う事になります.
以前,当方は三沢の第3航空団のF-2部隊はロシア海軍太平洋艦隊の脅威が薄れた事から,1個飛行隊を海外派遣用にすべきと提案しましたが,F-35Bを導入して海自のDDHに艦載するという手段も検討すべきでしょう.
実際,海自では高速哨戒機としてF-4やF-8,さらにはBAeシーハリアーの導入計画がありました.
いずれもP-3Cの導入等により実現しませんでしたが,センサー機として導入すれば実現したかも知れません.
防衛省,新艦載機F-35Bを検討 22DDH・ひゅうが型護衛艦の軽空母運用任務も視野 - 北大路機関
Japan's Fighter Procurement Crunchの記事は今後もフォローし続けます.
ねらっずーり in mixi, 2015年06月28日
青文字:加筆改修部分
【質問 kérdés】
護衛艦「いずも」について教えてください.
【回答 válasz】
2013年08月6日に海自史上最大の空母型ヘリ搭載護衛艦(22DDH)が進水し,またそれに合わせて艦名の命名式が行われました.
22DDHの艦名は「いずも」でした.
海上自衛隊:新型護衛艦は「いずも」 横浜で進水式:毎日新聞
「いずも」は平成22年度装備調達計画に基づく平成22年度計画19,500トン型ヘリコプター搭載護衛艦として,ジャパン マリンユナイテッド横浜事業所磯子工場で2012年1月27日に起工され,2013年8月6日に命名・進水.
2014年9月22日に公試開始.
就役同日,第3護衛隊群(舞鶴基地)に編成替えとなった「ひゅうが」に替わり,第1護衛隊群第1護衛隊に編入されました.
定係港は横須賀.
建造費1,139億円.
いずも型護衛艦は空母同様に全通甲板型で,同じ空母型護衛艦のひゅうが型護衛艦より全長が51m,基準排水量も6000t大型化されています.
これは米海軍の新型強襲揚陸艦「アメリカ」級とほぼ同じ全長で,就役当時,海上自衛隊史上最大の自衛艦です.
(アメリカ級は満載排水量が45000tで,いずも型の27000tより18000tほど大きい)
「いずも」就役 史上最大の護衛艦「ほとんど空母」(画像集):The Huffington Post
なお,22DDHは同じ空母型ヘリ搭載護衛艦であるひゅうが型護衛艦とは別の,いずも型護衛艦という分類になっています.
いずも型護衛艦 - Wikipedia
さて,このいずも型護衛艦ですがSH-60Kを7機,輸送・救難ヘリを2機搭載が可能で,最大14機が搭載可能と言われていますが,基本的にはSH-60Kは3機まで搭載する事になります.
そうなると,余ったスペースに別の機体という話も出てきます.
八八艦隊の日,いずも進水式!全通飛行甲板型護衛艦八隻・イージス艦八隻の配備案:北大路機関
F-35Bの導入は観測気球とも言われていますが,その前に海自にはF-35Bをいずも型に艦載して運用出来るだけの人材も予算もありません.
もしF-35Bの艦載を計画するのなら,最低でも今年から始めなければなりません.
しかし防衛省はまだ導入は決めていないという姿勢です.
というか,それ以前にF-35Bの運用のためのコストをどうするのか?
人材の育成のためのコストは馬鹿になりません.
また,どこでパイロットを育成するのか?
米海兵隊でもF-35Bの教育はスタートしましたが,それに関して米海兵隊と交渉しているのか,またそれ等のコストの分を防衛費に計上しているのか.
問題は指摘したら切りがありません.
そこでパイロットの育成の必要のないUCAV導入の話となります.
現実性の高いUCAVとしたら,北大路機関のはるなさんのいうX-47BのVTOL型よりも,ロッキード・マーティン社が開発しているVARIOUSでしょうか.
LOCKHEED’S “VARIOUS” UCAV CONCEPT REMAINS INTRIGUING | aviationintel
Lockheed Martin Introduces VARIOUS Concept UCAV:Defence Update
VARIOUSは以前にもこのページで紹介しましたが,その後各種の情報が入ってきました.
それによるとVARIOUSは350ノット(約658km/h)で速度はX-47Bにも引けを取りません.
また,各種兵装が可能であり,ヘルファイアやM61バルカン砲の搭載が想定されています.
機体はX-47B同様ステルス設計されており,VTOLにはF-35Bの技術を応用しリストファンが用いられています.
あるいはF-35BのUCAV型でしょうか.
ただ,このF-35のUCAV型は軍事ライターの井上孝司さんのお話によれば,誰かがアドバルーンを上げただけで具体的な計画も予算もないそうです.
F-35B 導入報道と防衛相の否定発言: Kojii.net ココログ別館
まぁ,前出のように可能性が高いとすればやっぱりVARIOUSですかね.
VARIOUSならSH-60Kと連動した運用を行えば,有人機と無人機による効率的な対潜・対艦作戦は可能になります.
VARIOUSの開発に日本も参加出来ないでしょうか.
VARIOUSならイタリアやスペインでも需要はあると思うのですが.
ところで北大路機関の記事に気になる話が.
>しかし,ハリアーのみを標的曳航機や訓練支援機として運用する模索は続けられ,実現こそしませんでしたが運用研究だけは膨大な資料蓄積が行われている,そう伝えられています.
海自は軽空母保有構想を創設当初からあったようですが,1980年代になるとハリアー搭載軽空母導入計画を立案しました.
これはイージス護衛艦導入で実現しませんでしたが,ハリアーの運用研究とそれのための膨大なデータを取得してたとは知りませんでした.
これが事実ならば,やはり固定翼機の空母型護衛艦での運用の可能性もあり得るでしょう.
それがF-35Bのような有人機なのか,VARIOUSのような無人機なのか,定かではありませんけどね.
ねらっずーり in mixi, 2013年08月10日
青文字:加筆改修部分
2015年3月25日に海自のいずも型護衛艦「いずも」が就役しました.
いずも型護衛艦は空母同様に全通甲板型で,同じ空母型護衛艦のひゅうが型護衛艦より全長が51m,基準排水量も6000t大型化されています.
これは米海軍の新型強襲揚陸艦「アメリカ」級とほぼ同じ全長で,就役当時,海上自衛隊史上最大の自衛艦です.
(アメリカ級は満載排水量が45000tで,いずも型の27000tより18000tほど大きい)
「いずも」就役 史上最大の護衛艦「ほとんど空母」(画像集):The Huffington Post
いずも型護衛艦は戦闘指揮所(CIC)と旗艦用司令部作戦室(FIC)の他に多目的室が設けられており,統合任務部隊司令部(幕僚等100名規模)を設置できます.
このため「洋上の司令部」としての機能も付与されます.
また,補給艦や病院船としての機能も付与された他,SH-60J/K哨戒ヘリ7機,輸送・救難ヘリ2機が搭載可能,最大搭載数は14機となっており,ひゅうが型よりも航空機運用機能が強化されています.
さらに,ひゅうが型では米海兵隊のMV-22の発着艦が可能でしたので,いずも型もV-22の運用が可能であるのは間違いありません.
このためかF-35Bの導入も可能で一部のテレビ局が海自がF-35Bを導入するという報道がなされましたが,防衛省は否定しています.
当方もページでそれを報じていますが,実は観測気球ではないのかという意見もあります.
F-35B 導入報道と防衛相の否定発言:Kojii.net ココログ別館
もし海自がF-35Bを導入するにしても,海自のパイロット養成システムを変更する必要がありますし,第二次世界大戦や1970年代までならいざ知らず,統合運用の時代にわざわざ海自が独自にF-35Bを導入する必要性もないでしょう.
実際,英軍では海軍艦隊航空隊所属のシーハリアーと,空軍でやはり戦時には空母から発着艦するハリアー部隊を統合し,空軍傘下のハリアー統合部隊として2010年まで運用されていました.
「いずも」には統合部隊の司令部が設置が可能ですので,空自にF-35Bを運用させるという手段もあります.
実際,いずも型はアメリカ級とほぼ同じ全長ですので,アメリカ級と同じ運用を行えば出来ない事はないでしょう.
空自はF-35Aの導入計画はありますが,F-35Bの導入計画は現時点ではありません.
ただ,航空戦術団が創設された事もあり,将来的にはF-35Bの導入も可能性としてはなくはありません.
ただ,それを何に使うのかという事.
対中対峙には空母は必要はありません.
那覇と嘉手納という尖閣諸島や先島諸島に近い空軍基地がありますし,大型艦艇だと空自のF-2や海自のP-3C,中国空軍や海軍航空隊の対艦ミサイルの的になるだけです.
中国海軍も空母は南沙諸島など南シナ海や沿岸部におけるシーレーンの防衛用,それに国威発揚の見栄として空母を建造する計画はあります.
しかし対日戦は依然としてA2AD戦略を主軸としており,東シナ海での運用は想定されていません.
もし,いずも型にF-35Bを艦載し運用するとなれば,南シナ海でのフィリピンやベトナムの共同防衛か海外派遣でしょうか.
ダーイシュ(自称イスラム国)に対する空爆や海上テロへの広範囲の哨戒を考えると,F-35Bの艦載は決して必要ではないとは言えないでしょう.
ただ,それについては防衛省と海自は説明し,国民的に議論する必要があると dragonerさんは指摘しています.
当方も同感です.
「空母型」護衛艦いずも就役.空母になるの?:BLOGOS
一方,ヘリコプター搭載護衛艦「しらね」が35年間の歴史に幕を下ろし除籍しました.
艦艇としてはまだまだ運用可能で,せめて海外輸出してもいいとは思ったのですが,やはり解体されざるを得ないのでしょうか.
しらね除籍,35年間の歴史に幕 舞鶴基地にて自衛艦旗返納行事挙行:北大路機関
【参考ページ Referencia Oldal】
https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ddh/izumo/
ねらっずーり in mixi, 2015年03月28日
青文字:加筆改修部分
年明けから離島防衛に関する防衛省の動きが活発になっています.
海自のおおすみ型輸送艦が2014年度から大規模改修が行われる事になりました.
改修ではそれまで陸自のヘリ格納では翼を取り外す必要があるなど,ヘリボーン輸送では問題がありましたがこれを改修し,アスプリーが搭載出来るようになります.
防衛省:輸送艦を大規模改修へ オスプレイも格納:毎日新聞
さらにいずも型護衛艦も改修され,司令部機能が付与されます.
これによりJTF(統合任務部隊)が設置された場合,いずも型護衛艦の艦長がJTFの司令官を務める事が可能になり,統合運用が可能になります.
護衛艦「いずも」に司令部機能=離島奪還念頭,統合運用強化−防衛省:時事通信
さらに,いずも型護衛艦に艦載が可能で現在米海兵隊で運用されているMV-22アスプリーが,2018年度までに陸自に配備される事も決定しています.
当方はてっきり空自に配備されると思っていただけに,これは意外でした.
そうなるとUH-1Jの後継も兼ねるのでしょうか.
なお,護衛艦隊旗艦・直轄艦は2010年にDDG-170「さわかぜ」が退役した事により,旗艦・直轄艦は廃止されていますので,いずも型護衛艦が護衛艦隊旗艦に成る事はありません.
また,陸自の7師団・旅団を機動師団・機動旅団に改編し,以前から言われていた陸上総隊を創設,機動運用が図られる事になりました.
無人ヘリ(FFOS)や装輪装甲車,さらに機動戦闘車を重点に装備されて導入されていく事になるでしょう.
それまでの冷戦時代のソ連軍の大規模着上陸侵攻に備えた装備からなかなか脱却できていないと言われていた陸自ですが,実際は冷戦後に備えた計画を建てていたという事なのでしょう.
ねらっずーり in mixi, 2014年01月11日
青文字:加筆改修部分
【質問 kérdés】
護衛艦「かが」について教えてください.
【回答 válasz】
2015年8月27日にジャパンマリンユナイテッド磯子工場にて海自のいずも型護衛艦の2番艦の進水・命名式が行われました.
艦名は旧帝国海軍の正規空母名でもあった「かが」でした.
海上自衛隊24DDH,「かが」と命名 | FlyTeam ニュース
日本海軍 航空母艦 加賀
(Wikipediaの記事はうまくリンク出来ない事からFC2ブログにてリンクします.)
その後,2017年3月22日に就役しています.
「かが」は「いずも型護衛艦2番艦.
海自最大の護衛艦で,9機のヘリコプターを作戦に投入できます.
主任務は潜水艦の捜索で,他に艦隊の司令塔,水陸両用部隊の輸送,災害時救援などの役割が想定されています.
基準排水量:19,500t
長さ:248m
幅:38m
馬力:112,000Ps
最大速力:30ノット
乗員:520名
主要兵装 :高性能20mm機関砲×2 対艦ミサイル防御装置x2,魚雷防御装置×1 SH-60J/K哨戒ヘリコプター × 7 MCH-101輸送ヘリコプター
× 2 最大14機搭載可能
先代の加賀は当初は戦艦として就役が予定されていたものの,ワシントン海軍軍縮条約により,建造が中止され標的艦として使命を終える予定でしたが,関東大震災による加賀型戦艦「天城」が建造中に破損した事から,標的艦として横須賀に曳航されていた加賀は,天城と共に空母への改修がなされる事になりました.
そして空母に改修され,正規空母になってからは第一次上海事変,真珠湾攻撃に参加,1942年6月5日のミッドウェー海戦で米軍の奇襲を受け,沈没しました.
海自では艦名には旧帝国海軍の艦名を採用していますが,空母名は潜水艦には採用例(そうりゅう型潜水艦1番艦「そうりゅう」)があるものの,護衛艦では今回が初めてとなります.
また全通甲板のいずも型護衛艦に正規空母名を採用したという事は,実に興味深いものがあります.
つまり自衛隊は空母型護衛艦にF-35Bの艦載を想定しているのかも知れません.
実際,空自のF-35Aをイージスシステム搭載DDGのセンサー機として運用する構想は,以前にも当ページ(FC2ブログ記事より)でも書いた事があります.
安倍首相は
「他国の領域で大規模な空爆や攻撃を行うことを目的に自衛隊を派遣するのは海外派兵」
として,違憲である事から不可能だという見解を示す一方で,「公海上で弾道ミサイルを警戒している米艦の防護」を,
「わが国のミサイル防衛の一翼を担う米艦への攻撃であれば,新3要件に該当する可能性がある」
と述べており,米海軍艦艇を海自艦艇が防護の任務に入る事になります.
そうなると,潜水艦からの魚雷や対艦ミサイルのみならず,対艦巡航ミサイルや対艦弾道ミサイルから,海自艦艇はもとより米海軍艦艇の防護するためには,DDGの他にDDGの目となり耳となるセンサー機が必要になります.
東シナ海では空自基地からのF-35Aがその任務を担いますが,インド洋までの派遣ともなると,F-35AやE-2Dの支援は場合によっては難しく,そうなるとF-35Bを導入してDDGに艦載すべきというのが合理的な結論となります.
V-22のAEWはまだ試作機すら登場していませんからね.
【安保法制】朝鮮半島有事に自衛隊派兵せず 首相「憲法上できない」(1/3ページ) - 産経ニュース
(フジサンケイグループのソースは採用しない方針でしたが,今回の記事はとても有意義がある事からこの記事から,ソースの信用性を確認した上で再び採用します)
センサー機ならば4機程度で済みますので,何も10機も搭載する必要もありません.
いずも型ならばF-35Bを4機ぐらいの整備施設を含めても十分な格納庫を持っています.
また,統合運用の時代ですから空自にF-35Bを運用させても問題はないでしょう.
偵察航空隊がRQ-4の導入により解隊が予定されていますが,その人員とリソースをどうするかが未定の状態.
そうなるとこの人員とリソースを戦術航空団に編入し,F-35Bを導入してそれに充てるというのがもっとも合理的だと当方は思います.
また,軍事面だけでなく,大地震等の災害派遣などの戦争以外の軍事作戦では陸自のMV-22を艦載し,救難活動や被災者への救援物資の輸送などの任務にも就くと思います.
当然ですがMV-22を艦載する以上は,離島防衛の任務にも就く事になるでしょう.
関東大震災の復興途上に「加賀」が建造が開始されたように,東日本大震災での復興途上に艦名に「かが」が命名されたという共通点を指摘する声もあります.
新護衛艦かが/加賀 DDH-184 KAGA いずも型護衛艦2番艦として本日進水式を挙行! - 北大路機関
海自ではこれまで空母保有構想がありましたが,政治的理由や財政的理由から頓挫した経緯があります.
1954年の創設以来,61年後にようやく実現の可能性が出てきたという事でしょうか.
■追記
S2さんのご指摘で「横須賀に曳航されていた加賀は天城と共に空母への改修」とありましたが,正しくは「横須賀に曳航されていた加賀は加賀型戦艦天城と共に空母に改修され」でした.
大変失礼しました.
深くお詫び申し上げます.
■追記2
S2さんからのご指摘により,加賀型戦艦天城ではなく,天城型巡洋戦艦「天城」が震災で破壊され,代わりに「加賀」が「赤城」と共に空母に改造された,が正確です.
加賀型戦艦2番艦「土佐」が標的艦となりました,でした.
大変ご迷惑をおかけしました.
深くお詫び申し上げます.
【参考ページ Referencia Oldal】
https://www.mod.go.jp/msdf/4el/kaga_info.html
https://trafficnews.jp/post/82447
https://toyokeizai.net/articles/-/164266
ねらっずーり in mixi, 2015年08月30日
青文字:加筆改修部分
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