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(画像掲示板より引用)


 【link】

「神保町系オタオタ日記」■(2010-11-12)[催眠術]アイヌ研究者吉田巌の催眠術修行日記

「ストパン」■(2010-02-13)[アイヌ否定論]アイヌ否定論批判のために

「ストパン」■(2010.3.10)[アイヌ否定論]的場光昭『「アイヌ先住民族」その真実』のデタラメ(1)

「ストパン」■(2010.3.11)[アイヌ否定論]的場光昭『「アイヌ先住民族」その真実』のデタラメ(2)

「ストパン」◆(2010/04/03)[アイヌ否定論]的場光昭『「アイヌ先住民族」その真実』のデタラメ(3)

「ストパン」◆(2010/04/04)[アイヌ否定論]学術的成果を悪用する回路――「純粋な民族はいない」論をめぐって

「ストパン」■(2010/04/09)[アイヌ否定論]的場光昭『「アイヌ先住民族」その真実』のデタラメ(4)

「ストパン」■(2010/04/13)[アイヌ否定論]アイヌ民族を否定するひとの認識はこの程度です

「ストパン」■(2010/04/14)[アイヌ否定論][デムパ]カジュアルな「単一民族」論

「ストパン」■(2010/04/16)[アイヌ否定論]砂澤陣氏の論説を読んで考えた

「ストパン」■(2010/04/18)[アイヌ否定論]砂澤陣氏への応答――他者の民族的帰属を否定するということ

「ストパン」■(2010-04-25)[アイヌ否定論]的場光昭『「アイヌ先住民族」その真実』のデタラメ(5)

「ストパン」■(2010/05/04)[民族]アファーマティヴ・アクション,或いは民族政策の対象をどう区画するか?

「ストパン」■(2010/05/30)[アイヌ否定論]問題なのは「歴史観の違い」ではない

「ストパン」■(2010/06/07)[アイヌ否定論]砂澤陣氏の誤謬を糺す

「ストパン」■(2010/08/28)[アイヌ否定論][民族]チェロキーとアイヌとの不適切な比較について――誰が「民族」を認定すべきか?

「我が九条 − 麗しの国日本」◆(2006/08/27)アイヌ勘定

『「アイヌ先住民族」その真実 疑問だらけの国会決議と歴史の捏造』(的場光昭著,展転社,2009/11)

 何度か『正論』にアイヌ民族を否定する文章を書いていた的場光昭とやらいう医者が,とうとうアイヌ否定論の本を出した.

 今のところ,このような議論はさほど目立ったものではない――南京事件否定論やホロコースト否定論に比べれば.
 だが,これをこのまま放置しておいてもいいものでは決してない.

 的場の主張は,小林よしのり,西村眞悟,鎌田告人といった否定論者たちの主張と連動している.
 実質,彼と小林が,この分野における最も影響力のあるイデオローグとみていいだろう.
 彼の主張がどれだけ馬鹿げたものであるかについては,本サイトの各項目参照.

 また,過去の的場のトンデモ史学については,以下を参照のこと.
要するに,明治日本は盗賊の論理で動いていた訳ですね - Danas je lep dan.

――――――「ストパン」■(2010-03-10)[アイヌ否定論]的場光昭『「アイヌ先住民族」その真実』のデタラメ(1)
青文字:加筆改修部分

『社会科教授用図書におけるアイヌ民族関係記述の生成と展開 養育実践者たちの軌跡とその背景』(吉田正生著,風間書房,2012/12/25)

『まつろはぬもの』(シクルシイ著,寿郎社,2010.11)

 「戦場の狗」の著者の新しい本が出ていたので読んでみた.
 まつろはぬ・・は従わざる者といった意味らしい.
 戦場の狗が戦闘詳報的なものとするとこちらは,人間の会話,心の動きといった,前著を補完するような内容.
 個人的には大変ウレシイ.

 「戦場の狗」では,著者にあまり人間味を感じなかったが,今回のは全然違う.
 あとがきにもあるが,本の内容って編集者の匙かげん一つで,結構変わってしまうものなんだねぇ.
 まあ,当たり前か.
 ある種,映像制作なども一緒なのだろうが.

――――――軍事板,2011/03/06(日)

 【質問】
 なぜ本サイトでアイヌ問題を扱うのですか?

 【回答】
(1) リクエストがあったため.
(これが最も大きな理由)

(2) トップページの「本サイト問い合わせ上の注意」にある,「グレー・ゾーン上の項目」に該当すると考えられるため.
 別項目にて詳述されているように,最大の民族集団が人口に占めるシェアが,45〜90%の範囲にある社会では,内戦が発生するリスクが50%高くなる.
 2010年現在,アイヌ人との間で紛争が発生する兆候は全く無いが,将来もそうだとは誰にも断言できない.
 少数の優れた煽動者は,社会をたちまち憎悪で沸き立たせることができるからである.
 その点で,旧ユーゴなどで起きた事例を,反面教師としなければならない.

(3) 日本国内の極右勢力は,アイヌ人のアイデンティティを否定するかのような発言を繰り返しているため,極右テロリズムとの関連においても,情報蓄積は重要と考えられるため.
 そしてそれには,何らかの事件が発生してから,あわてて情報収集を行うより,普段から少しずつ収集していたほうが,作業上効率が良いと考えられる.

2010.9.19


 【質問】
 アイヌとは?

 【回答】
 アイヌとは,「人間」という意味で,北海道,本州北部,樺太南部及び千島列島に居住していた民族の呼称です.
 北海道に限定すると,行政が把握しているその数は2008年現在で23,782名とされており,道内73の市町村に住み,日高支庁管内と胆振支庁管内で約60%を占めています.
 但し,民族的差別が大きいこの国で,アイヌを名乗る事が出来ない人も多く,実数は5万とも6万とも言い,全国に拡大すると更に増えることになります.

 日本と言う国には,大和民族というか日本人しかいないと思われがちですが,実際には相当数のエスニック集団が存在しています.
 昨年だったか,日本全国の言葉を正確に分類すると20数語に分かれると言う調査結果もあったりするので,言語面で分類するならば,本当は自らが気にしていないだけで,相当数の民族が混交して生活している国だったりする訳です.

 ですから,
「純血のアイヌは今何人いるのですか?」
と言う問いは凄く愚かな問いで,逆に,
「純血の日本人っているのですか」
と問い返されるのがオチです.
 そもそも,南北に長い日本には,古来から様々な民族が渡ってきているので,様々な民族のDNAが混交して,どれが正当な日本人かは判らなかったりします.

 それはさておき,アイヌ最大の民族団体である,北海道ウタリ協会に於けるアイヌの認定基準は,以下の通りです.
 即ち,まず,アイヌの血を引く者,次いで,アイヌの血は引かないが,アイヌとして育てられた者,それからこうした人たちと婚姻関係にある者の3つです.
 まぁ,ユダヤ教徒やキリスト教徒と同じく,アイヌのアイデンティティを備えている人々は全てアイヌであると言った方が,すんなり行くのかも知れません.

 現在,アイヌ文化は現状のマスプロ文化に益々取って代わられ,葬儀にしても,古式に則った葬儀は,1992年の貝澤正氏以降,少なくとも公式記録ではありません.

 因みに,「和人」と言う言葉自体も,アイヌと区別する大和民族の優越さを含んだ呼称です.
 アイヌの方から見ても,元々和人を指す言葉は,シ・サム・ウタラ(良き隣人)だったのですが,コシャマインの反乱など100年周期に起きたアイヌの反乱で,アイヌが悉く押さえ込まれてからは,シャモと呼ばれ,悪い意味で使われる様になっています.

眠い人 ◆gQikaJHtf2,2010/10/02 22:37


 【質問】
Mukke 2010/06/02 21:57

 〔略〕

 僕が過去に読んだアイヌ史関連図書は,
秋月俊幸『日露関係とサハリン島』(筑摩書房,1994)
植木哲也『学問の暴力』(春風社,2008)
ブレット・ウォーカー『蝦夷地の征服1590-1800』(北海道大学出版会,2007)
宇田川洋編『クマとフクロウのイオマンテ』(同成社,2004)
小川正人『近代アイヌ教育制度史研究』(北海道大学図書刊行会,1997)
上村英明『先住民族の「近代史」』(平凡社,2001)
樺太アイヌ史研究会編『対雁の碑』(北海道出版企画センター,1992)
菊池勇夫『エトロフ島』(吉川弘文館,1999)
河野本道『アイヌ史/概説』(北海道出版企画センター,1996)
小坂洋右『流亡』(北海道出版社,1992)
児島恭子『エミシ・エゾからアイヌへ』(吉川弘文館,2009)
佐々木利和『アイヌ文化誌ノート』(吉川弘文館,2001)
ザヨンツ・マウゴジャータ『千島アイヌの軌跡』(草風館,2009)
瀬川拓郎『アイヌの歴史』(講談社,2007)
多原香里『先住民族アイヌ』(にんげん出版,2006)
東京アイヌ史研究会編『≪東京・イチャルパ≫への道』(現代企画室,2008)
東村岳史『戦後期アイヌ民族―和人関係史序説』(三元社,2006)
的場光昭『「アイヌ先住民族」その真実』(展転社,2009)
ぐらいです.
 これらの内,的場の本は論外で,河野氏の本も微妙というのは聞いておりますが(実際古くさい),他に「今の水準からいくとおかしい本」などはありますでしょうか?
 ご指摘願えれば幸いです.
 あと,専門外の分野を体系性とかを無視して,気分で読んでる感じなので多分,必読書が抜けてたりすると思いますが(汗),もしよろしければそちらもご教授下さい.

 個人的な意見としては,本質主義的民族観が蔓延する社会においては,少数民族集団の主張がある程度,本質主義寄りになってしまうのも「仕方ない」現象だろうと思います.
 E氏がどうかはわかりませんが,アイヌ協会に対して僕はそう感じます.

 【回答】
Wallerstein 2010/06/02 22:19

 私からすれば,そうおかしいものは的場氏と河野氏以外には見当たりません(笑)
 菊池勇夫さんも,私の周囲では今一つですが,これは人間関係も絡んできますので,一概には言えないかと(苦笑).
 菊池氏や榎森進氏,海保峯夫氏,岩崎奈緒子氏の議論と,アイヌ史研究の主流はかなり食い違っていて,特に榎森氏の感情的な岩崎氏批判は,一読の価値があるかと思います.
 榎森氏の姿勢が窺えて面白いです.
 何が何でも和人とアイヌを二項対立で捉える図式に疑義を呈した岩崎氏に,感情的に反発する榎森氏という図式で,菊池氏も岩崎氏の議論にはかなり反発していらっしゃいます.

 しかし近年の研究では,少しずつアイヌと和人の二項対立を相対化する研究視座が導入されつつある,という段階かと思います.
 児島恭子氏の著作は,非常に優れた研究だと私は思っています.
 菊池氏の『エトロフ島』も,非常に評価の高い本だと思います.
 〔略〕


Mukke 2010/06/02 23:39

Wallersteinさん>

 丁寧にご教示いただきありがとうございます.
 岩崎氏の本は,読もうかどうか迷いつつもまだ読んでいなかったのですが,時間があれば読んでみますね.
 菊地氏については,『アイヌ民族と日本人』という本に興味があったのですが,それも評価は微妙でしょうか?
(タイトル的に地雷臭が漂っていたので,中々手を伸ばせずにいました)

 〔略〕


Wallerstein 2010/06/03 00:02

 菊池氏の本は,そう悪くはないと思いますよ.
 ただ,菊池氏の岩崎氏評には,首肯できない点が多いですが.
 もっとも岩崎氏も,和人の「新技術」を高く評価しすぎる嫌いがあると私は考えています.

 〔略〕

 榎森氏の新谷氏批判は,それはそれで非常に正しいと私は考えていて,新谷氏のあまりにもアイヌに入れ込んだ『アイヌ民族抵抗史』を弁護する花崎皐平氏はちょっと,と思います.
 新谷氏と一緒に行動していた結城庄司は,ウタリ協会のあり方を大きく変えた人物として,私は理解しています.
 〔略〕

「ストパン」■(2010-05-30)コメント欄
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 アイヌ民族の人達は,侵略者の日本人に対して,地の利を生かしたゲリラ戦を展開しなかったのでしょうか?

 【回答】
 結構抵抗はしている.
 「シャクシャインの乱」で検索してみるべし.

 ただ,いわゆる「アイヌ人」には,統一された”民族意識”というものが出来上がらなかった.
 そもそも”アイヌ”というのも「人間」という意味で,
「アイヌ民族で団結して和人と戦おう!」
というような民族自決意識が定着せず,結局,蜂起の指導者であるシャクシャインが暗殺されたらそれ以前の
「山を越えたら隣の村.隣の村の奴は一応人間だけど自分たちとは違う存在」
という世界に戻ってしまったので,統一勢力として抵抗することができす,そのまま和人によって征服されていった.
 この辺はネイティヴ・アメリカン(インディアン)と似たところがある.

 あと,坂上田村麻呂の東征では.宣撫工作も使って平定せしめている.

軍事板,2006/11/20(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
観客 2008/12/04 23:15

 小林よしのりと国家を批判するために,アイヌの民族性をあおってるんですね.

 【回答】
Mukke 2008/12/04 23:31

 いやー,むしろ小林や国家がアイヌの民族性を剥奪しようとしている,或いはしてきた過去があるからこそ,それらを批判しているのだけど?
 国家を叩いてるというよりも,国家を出鱈目な方法で弁護する歴史修正主義を叩いてるんだが.

「ストパン」■(2008-11-06)コメント欄
青文字:加筆改修部分


 【反論】
――――――
 確かに,小林先生や的場先生と私の歴史認識の相違点はあろうが,それが何だというのだろうか?
 相違点が無く全てにおいて合致しているほうが,不自然ではないだろうか・・・・?
 相違点があることを認識しあいながら論議できる環境の方が,どれ程に健全かと思う.
 何十年にも及ぶ,行政との癒着に胡坐をかいた不正問題に一石を投じることと,「差別」「人権」「先住」という言葉が安易に使われ,不用意に政策に取り組まれ,税金を無駄に使っている現状では,タブーといわれてきた「アイヌ問題」に,多方面から論議されるというのは良いことではないだろうか?
 特に客観的な歴史の見解が必要な場面で,こうした人達の意見は重視されるべきだと私は思う.
 主観的な歴史見解に偏ってしまっている「アイヌ史」は,客観的冷静な見解があってこそではないだろうか.

北海道アイヌ協会の不正について - 後進民族 アイヌ
――――――

 【再反論】
 ええ,あなたと的場や小林の間に横たわっているものが「歴史観の違い」程度なのであれば,僕は何も言いません.

 僕が問題視しているのは,的場たちが嘘をついていることです.
 嘘,というのが不穏当な言い方であるのなら,彼らは学問的にまったく価値のない主張を繰り返している,と言いましょう.
的場光昭『「アイヌ先住民族」その真実』のデタラメ(1) - Danas je lep dan
的場光昭『「アイヌ先住民族」その真実』のデタラメ(2) - Danas je lep dan
的場光昭『「アイヌ先住民族」その真実』のデタラメ(4) - Danas je lep dan

 学問的に価値のない主張が,果たして「客観的冷静な見解」なのでしょうか?
 僕は疑問に思います.
 「江戸幕府はあった」というひとと,「江戸幕府はなかった!」というひととの歴史をめぐる議論は,果たして有益な対話でしょうか?
 僕はそうは思いません.
 そんなものはただのノイズです.

 真面目な議論においてノイズを「重視」すべきではなく,そういう意味では,的場の主張を歯牙にもかけぬ政策担当者の見識に,僕は敬意を払います.

「ストパン」■(2010-05-30)[アイヌ否定論]問題なのは「歴史観の違い」ではない
青文字:加筆改修部分

>相違点があることを認識しあいながら論議できる環境

 小林よしのりなんぞは,ちょっと批判されると途端に,相手を醜悪に描いて(川田龍平の例など),相手の言葉をわざとかどうかしらないが曲解して印象操作し,なおかつ罵倒の限りを尽くしますが.
 それのどこが
「相違点があることを認識しあいながら論議できる環境」
なんでしょう?
 相手にそういうものを求めたいのなら,まず御自身が小林と距離を置くなどして,そういう環境を整えるべきでしょう.

「ストパン」■(2010-05-30)[アイヌ否定論]問題なのは「歴史観の違い」ではない
青文字:加筆改修部分



 【反論】
――――――
 色々なメールや感想を多くいただきます.
 でも,読んでいて不思議に思うのが,アイヌ協会の不正よりも
「何処で意見するのは間違っている」
「何の本は右寄りだから変だ!」
「アイヌを絶滅させたいのか?」
とか,
「誰の本は間違っている」
「誰の見解は腐っている」
とか.
 そうした意見も解らなくはないのですが,一つ質問したい.
 貴方ならどうするというのだ?
 貴方ならどうできるというのだろうか?

北海道アイヌ協会の不正について - 後進民族 アイヌ
――――――

 【再反論】
 僕であれば,嘘や無価値な主張を平然と続ける輩からは距離を置きます.
 自分の主張がそのような主張と同列に見られてしまうというのは,耐え難いことだからです.
 無能な味方が一番厄介なのですから.

 僕は,過去にアイヌ協会の不正に対する「タブー」のようなものがあったかどうかは知りません.
 けれど,もしも過去にそのようなものがあったのだとしても,現在,協会の不正は北海道新聞や道議会でも取り上げられ,問題にされています.
 風向きは変わったのではないでしょうか.
 不正を問題にしたいのであれば,そのためのお膳立ては整っているように思えます.
 わざわざ彼らと手を組まずとも,それはなせるのではないでしょうか?
※ 「耐え難い」ばかりではなく,第三者から見れば,そうした嘘や歪曲のため,主張全体が胡散臭く見られる効果を生む可能性が高い.
 つまり,世論に訴えかけようとする上で,かえって逆効果になりかねない.
 たとえば,ネオナチやKKKと行動を共にする人物の言葉が,社会に対してどれだけの影響を与えられるか,考えてみるとよいだろう.

「ストパン」■(2010-05-30)[アイヌ否定論]問題なのは「歴史観の違い」ではない
青文字:加筆改修部分


 【珍説】
――――――
 そこで読者諸君に頼みたい.
 この問題の経緯をつぶさに説明していくから,どうかわしを応援してほしい.
 わしがやらなければ誰もやらないぞ!
 わしは『弱者権力』と『大マスコミ』の怠慢に挑む!

――――――小林よしのり in 『SAPIO』 2008/11/12号,p.64

――――――
 直ちに河野氏にアポを取って,宿泊していたホテルまで足を運んでいただき,話を伺った.

――――――同,p.63

――――――
 北海道ウタリ協会のアイヌ史編集委員も務められた河野氏の話を聞いて,やっとわしは被害者史観で書かれたアイヌ史の矛盾点を整理できた.

――――――同,p.63

 【事実】
 アイヌの「弱者権力」に挑む小林センセイは,どうして河野本道氏がアイヌから訴えられた過去を持つ事について言及しないの?
http://www.alles.or.jp/~tariq/trial/kouno020627.html

 さて,「被害者史観」とあるが,いったいどこを指して彼は言うのだろうか.
 幕藩体制下での過酷な対アイヌ政策?
 生業を,土地を奪われた過去?
 差別に晒さらされ続けた/続ける事?
 少なくとも河野氏は,以上のすべてを肯定してるよね?※2

※2:河野本道『アイヌ史/概説――北海道島および同島周辺地域における古層文化の担い手たちとその後裔』北海道出版企画センター(北方新書),1996,p.98,p.131,pp.165-166.

「ストパン」■(2008-11-03)[アイヌ否定論]小林よしのりが今更ながらおバカすぎる件(3)
青文字:加筆改修部分



 【反論】
Mukkechimpo 2009/01/29 18:29

 河本さんの裁判に小林もわざわざ触れておいた方が良かったですかね.
 アイヌの訴えが棄却されました.って.
 別にそれでもいいんでしょうけど,あなたってなかなか残酷ですね.

 【再反論】
Mukke 2009/01/29 22:48

 河本って誰だよ(笑)
 それはさておき,いや,だって触れてない方がおかしいだろ?
 小林にとっては,
「アイヌが弱者権力を行使しようとした一例」
じゃんか.

 それに何故,河野氏と会ってそれを漫画にまでしているというのに,彼の裁判には触れていないんだ?
 これは小林の知的誠実さを凄く疑わしいものにさせるのだが.
 知らないのなら,そりゃ勉強不足だし,河野氏に対する否定的な評価をチェックもせずに,彼の言説を鵜呑みにした事になる
(勿論,河野氏の側が全面的に正しいかもしれない.
 でもそれは,チェックしないとわからない).
 知ってて書かなかったなら,なお不思議だ.
 これこそ「弱者権力」が行使された一例であって,その「被害者」と会っているというのに,小林は何故それに触れようとしないんだ?
 不自然だとは思わないのか?

「ストパン」■(2008-11-03)コメント欄
青文字:加筆改修部分


 【反論】
243 :名無しさん@九周年:2009/01/11(日) 14:44:40 ID:+h36GJpm0

新しい差別を作り出そうと必死ですね.

狙いは分断ですか?利権ですか?反日なのは間違いないですね.

859 :名無しさん@九周年:2009/01/11(日) 15:19:25 ID:l8NS3qKf0

>>821

68年は長すぎだろwww

ぶっちゃけ,もうほとんど融和しちゃってるし

いまさら差別する理由はなんも無いんだけどね…

966 :名無しさん@九周年:2009/01/11(日) 15:26:48 ID:6nP3nwh20

こうやって過去の事を蒸し返して日本人同士を対立させるのが

毎日新聞の目的なの?

【毎日新聞】 「お前アイヌだろ.気持ち悪い」「あそこの家はアイヌなんだよ」…今なお消えぬ格差,「血」隠す苦悩…北海道 - 痛いニュース(ノ∀`)

 【再反論】
 ここで言われている「分断」とは何なのか?

 例えば,アイヌ独立国家論は少数派である.
 大方の人は,「日本国」という枠組みの内部での解決を求めている.
 国家を分断する,などというのは杞憂というか妄想に近い.
(そもそも論として,何故「日本国」という枠組みを無条件で承認せねばならんの?――というのもあるが,ここでは触れない)
 今時,ひとつの民族の承認が即,その民族の分離独立に繋がるなんてのは有り得ない.
(身近な例でいえば,台湾を見よ)

 では彼らが恐れている「分断」とは何か.

 ひょっとすると,彼らは「均質で単一な日本民族」像が破砕される事を恐れているのではないか?

 ぼくが今更言うまでもないように,「単一民族」なんてのはエスノサイドの肯定でしかない.
 もしくは,おぞましい血統主義の現れでしかない※2
 エスノサイドの完了した状態を指して「融和」といい,それを掘り崩そうとする営みを「分断」というのなら,それはなんという強者の傲慢だろうか.
 「分断」という言葉は,かつてアイヌに対するエスノサイドを繰り広げたのと,同一のメンタリティの現れである.

 「差別には反対だけど」という前置きで語られる,それらのエスノサイド肯定論は,パフォーマティヴに差別を肯定しているのだ.
 そしてその暴力性が,自覚されずにいる事が問題なのだ.

 「風化」を望む言説――それは,善意から出ているのかもしれないが,しかし差別者,抑圧者の片棒担ぎにしかなっていないのである.
 「風化しかけた」差別.無論差別は根絶されるべきものである.
 しかし上記のような文脈における「風化」とは何か?
 それは,「アイヌの根絶」といったい何処が違うというのか?

 アイヌ語やアイヌ文化が滅びていくのは「仕方のない事」であり,それらは博物館の中には残されるべきだが,という主張もある.
 しかし,アイヌ語なんてどうせ滅びるべきものだから放っておけ,けれど貴重なのでアーカイヴには残させてね,なんてのは無慈悲な搾取に他ならないと思うのだがどうか.
 それはアイヌ語を「化石/標本あつかい」※3している.
 われわれは,やろうと思えば言語を復興させる事ができる.
(欧州各地の少数言語復興政策を見よ)
 それなのにそのような搾取を強いるというのは,植民地支配と変わらない.

 ちなみに誤解している人もいるが,公用語というのは必ずしも話者数の多い言語ではない.
 例えばポルトガルにおけるミランダ語もそうだ.
 1999年に公用語に指定されたミランダ語は,都市部を除くと2000人ほどの,60歳以上が多数を占める人びとによってしか話されていない※4
 にも関わらず,ポルトガルはミランダ語を公用語と認め,教育の普及がはかられている.
 要するに,公用語認定というのは,われわれが少数者を尊重するという姿勢の現れなのだ.

<1/24追記>

 ミランダ語は,確かに国内で使用できる言語として認められてはいますが,「公用語」とまでは認められていないようです※5
 ポルトガル政府は,ミランダ語言語法制定の3年後,憲法を改正しポルトガル語を公用語にしており,現在のポルトガルの公用語はポルトガル語のみのようです.
 不正確な記述をしてしまった事を訂正し,お詫びします.

 だいたい,「アイヌ語を公用語に」という叫びの,どこに非難されるべき要素があるのか,ぼくにはさっぱりわからない.
 祖父母の言語を学校で教えられるようにしてくれ,という要求は,本来保守派・民族派こそが首肯するべきものではないのか.
 けれどアイヌや沖縄に関しては,そのような人たちが「新しい利権をゆるすな!」とか何とか言っている.
 「日本語で画一的に行われる教育」という,自明性を脅かすものへの攻撃――それは繰り返すがエスノサイドの肯定である.

 「アイヌ差別には反対だけど」――このような枕詞でもってエスノサイドは肯定され,無条件で“国民国家・日本”の枠組みは承認される――「過去の事を蒸し返すな」「寝た子を起こすな」※6

 このような論理を克服できた時,われわれは真に「差別を克服した」と言い得るのではなかろうか.

※2:血液型がどうとかDNAがどうとかいうアレね.
 この平成の御代にもまだ「血」のみで民族を推し量ろうというナチス的心性の持ち主がいるというのには空恐ろしいものがある.

※3:ましこ・ひでのり「『沖縄方言論争』というアリーナのゆくえ」『ことばの政治社会学』三元社,2002,p.114.

※4:浅香武和「消滅の危機にある公用語・ミランダ語」『月刊言語』2008年4月号,pp.82-83.

※5:寺尾智史「ポルトガルの少数言語ミランダ語――その特徴と保全の現状」『月刊言語』2008年7月号,pp.94-95.

※6:これは,時として少数者の側から発せられる言葉でもある.それを「ほら,彼らも納得しているじゃないか」などと解釈する人がいる,というのが困りものだが.

「ストパン」■(2009-01-17)[民族]「アイヌ差別には反対だけど」「過去の事を蒸し返すな」
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 以下の意見はどうでしょう?

――――――
 差別は断固としていけない!
 〔略〕
 アイヌと云う概念が,我々,内地の者にとっても新しくよい概念になるように受け取るためには,どうすればいいのか?
 それは,あいつらは抗議してくるから触らぬ神に祟りなしだと偽善を決め込むことではあるまい!
 それは結局は差別の再生産に繋がるだけなのだ!

――――――小林よしのり in 『SAPIO』 2008/11/12号,p.66

 【回答】
 小林は一見,マトモな事を言っているかのように見える.
 だが今までのエントリで見てきたように,彼の用いる論拠はデタラメなものであるし,彼の言動からはアイヌへの侮蔑が透けて見える.
 そしてこの言葉も,アイヌの側に与する人間を,「偽善」「触らぬ神に祟りなし」などと切って捨てるものだ.
 小林のアイヌ認識は,かようにデタラメなのである.

 この醜悪な言説がスタンダードとして扱われるようになってはならない.
 小林を論拠にしてアイヌ問題について語る輩への反論は,逐一なされる必要がある.
 デマは放置するのではなく,叩き潰すべきである.
 そのようなデマが生まれる根は,徐々に根絶されるべきである.
 このような妄論が跋扈しないような言論空間を,ぼくは欲する.

「ストパン」■(2008-11-03)[アイヌ否定論]小林よしのりが今更ながらおバカすぎる件(3)
青文字:加筆改修部分


 【反論】
大江ヒカリ 2009/07/03 14:34
 「土人」は差別用語ではありません.
 単に「その土地に住む人」の意(当時).
 広辞苑参照の事.

 【再反論】
Mukke 2009/07/05 20:36

「あらゆる語は差別に用いることができる.
 言いかえれば,あらゆる語は潜在的に差別語である」
(田中克彦『言語からみた民族と国家』岩波現代文庫,2001,p.317)

「ストパン」■(2008-11-02)コメント欄


 【反論】
――――――
 ちょうどその頃だったと思うが,NHKでも,東京で暮らすアイヌの若者が自らの出自をカミングアウトして,誇りを持つ活動をやっている姿を追うドキュメンタリーをやっていた.
 少なくとも東京では,黙ってりゃ誰も気付くはずのない容姿の若者だった.
 今どき平井堅くらいの濃い顔の者はいるし,ハーフやクォーターの方がモテる時代だ.
 だが,その番組に出た姉弟は,容姿が他人と違うと思い込んでいたらしい.
 アイヌの誇りに目覚めた姉が,出自を隠していた頃も,友人がアイスと言っただけでアイヌと言われているような気がして緊張したと,苦悩の体験を語っていた.
 出自を隠すと罪悪感が募るらしい.
 部落問題に似ている.

 だが自らの差別体験を語る彼女の前に,出自を隠しようのない黒人と日本人の混血の子がいたのが,益々わしの違和感を拡大させた.
 黒人とのハーフの方が,もっと辛かったのではないだろうか?
 出自を隠せる者は,隠してたっていいじゃないか.
 日本国民であることには変わりないし,なんで後ろめたさを感じる必要がある?
 わしはそう思ってしまった.

 しかし今もまだ,部落や,在日や,アイヌ出身だからと,差別する者がいるのだろう.
 実に馬鹿馬鹿しい.
 そのような差別者は,よっぽどコンプレックスの強い,品性下劣な奴なのだ.

――――――『わしズム』 2008/11/29号,p.0-2

 【再反論】
「黒人とのハーフの方が,もっと辛かったのではないだろうか?」
と,被差別体験を語るものに問いかける神経を,ぼくは疑う.
 何故差別の階層構造を内面化せねばならないのか.
 何故彼らの苦悩を,比較級で語らねばならないのか.
 何故「もっと悲惨な子がいるんだから我慢しましょうね」と,差別(もしくは,それへの恐怖)に悩む人に言わねばならないのか.
 彼らの苦悩は決して比較級で語り尽くせない,彼らだけのものだった筈なのに.

 こうして小林の中で,アイヌ差別の問題は相対化される.
 その相対化の眼差しは,
「どうしてこいつらは,こんな些細な事で騒いでいるんだろう」
というところにまで行き着きかねない.
 そしてその眼差しが,アイヌに対する新たな偏見を生むのだ.

 そもそも,「少なくとも東京では,黙ってりゃ誰も気付くはずのない容姿の若者」が,何故「友人がアイスと言っただけでアイヌと言われているような気がして緊張」するような精神状態に置かれたのか.
 過去に彼らが深刻な差別を,われわれ和人から被ってきたからだ.
 それがなければ,彼らは出自で思い悩まずにすんだだろう.

 さて,小林は「よっぽどコンプレックスの強い,品性下劣な奴」が差別をするのだと言う.
 彼の論理によるならば,逆に言えば,多くの「普通の人びと」はイノセントなのだ.
 彼の論理によるならば,差別者は社会の道を外れたケダモノなのだ.
 彼は差別者特殊論に,話を持ち込もうとする.

 だが,それも欺瞞である.
 社会的文脈と無関係で存在する差別なんてものはない.
 ナチズムと戦った筈の強制収容所からの生還者にすら,差別は宿っていた.※1
 誰にでも差別は宿り得るのだ.
 小林にも,あなたにも,無論ぼくにも.
 そして被差別者自身にも.
 小林の論は,差別者を矮小化する事で,そのような差別を引き起こすような社会構造を作り上げた政策を,免罪している.

 あと,「同じ日本国民」というけれど,大多数の日本人の中に「あるべき日本人像」というステレオタイプがあって,そこから外れていると見なされたからこそ,差別が起きた/起こる訳で.

※1:「生きるに値しない命」の選別と,その反復 - Danas je lep dan.

「ストパン」■(2008-11-06)[アイヌ否定論]小林よしのりは自分の主張の独善性に気付くべきだと思う

ちなみに,こんな映画もあり


 【珍説】
――――――
 また「アイヌ民族の墓を荒らした遺骨収集の経緯」の調査を[旭川アイヌ協議会は――引用者註]求めていますが,日本政府および日本の学者たちは決してアイヌの人骨を粗末には扱わなかったはずです.そのことは次の経緯から容易に想像がつきます.

 慶応元(一八六五)年,函館のイギリス領事官員[原文ママ――引用者註]とイギリス人博物学者がアイヌの墓を発掘して計十七体のアイヌ人骨を盗掘しました.アイヌの訴えで箱館奉行はイギリス領事ハワード・ワイスに盗掘事件の究明と人骨の返還を強く要求し,当該領事館員ら三名は処罰され,またハワード・ワイス領事も解任されています.またこの際アイヌ遺族には二百五十両(現在のお金に換算して約二千五百万円)の賠償金が支払われているからです.

 さらにアイヌ語保存のために調査に来た日本人学者たちは,多大の代価を支払ってアイヌの古老からアイヌ語の聞き取り調査をした事実からしても,北海道大学などに保存されているアイヌ人骨にも,遺族に同意のもと[原文ママ――引用者註],多大の代価が支払われたうえでの発掘調査だったと考えるのが普通ではないでしょうか.
――――――的場光昭『「アイヌ先住民族」その真実――疑問だらけの国会決議と歴史の捏造』展転社,2009,p.86

 【事実】
 実に素敵な論法すぎて眩暈がしてくる.
 「粗末には扱わなかったはず」「考えるのが普通ではないでしょうか」だそうですよ.
 史料の僅少な古代史であればともかく,きちんと記録も残っている近代史に関して,よくこんな台詞が吐けるなコイツは.

 以下の記述は,次の本に大きく依拠している.
『学問の暴力 アイヌ墓地はなぜあばかれたか』(植木哲也著,春風社,2008/6)

 まず,的場が扱う江戸時代の事件について触れておこう.
 的場は主語を曖昧にしているが,アイヌに250両の慰謝料を支払ったのは英国側である.
 そして,

――――――
 落部[盗掘が行われた集落――引用者註]では,この金を使って13名のアイヌの墓碑を建立した.
 ただし,アイヌは御会所の庭に土下座して座らされ話を聞かされただけで,誰も慰謝金を受け取らなかったという話が,[戦前に出版された――引用者註]『落部村郷土史』に記されている.
 慰藉金は村役人が処分したという噂だったが,役人が怖くて誰も請求できなかったそうである.

――――――植木哲也『学問の暴力――アイヌ墓地はなぜあばかれたか』春風社,2008,p.14

 明治期には,小金井良精という学者がアイヌの墓を盗掘している.
 彼はアイヌに無断でその墓地を暴いた.
 アイヌの若者が雇われて協力をしたこともあったが,基本的に彼はアイヌの許可を取らず,むしろアイヌの眼をはばかっていた※3

 明治から大正にかけて,清野謙次という学者もまたアイヌの人骨を蒐集した.
 彼もアイヌの眼を避けて盗掘を行っている※4

 どちらも学界では大物であり,その蒐集には和人の有力者が協力していた.
 また,アイヌに対しては人目を憚った彼らも,学界では堂々と発表し,受け入れられている.

 他にも幾つか例があるとは思うが,この2つを示せば的場の主張への反証としては十分であろう.
 〔略〕

 しかし,「はずがない」論法って無敵だよな.
 以下,応用例.
「中国は多民族国家であり,民族語教育など少数民族の文化を尊重する政策を行っています.
そんな彼らがチベットやウイグルで少数民族の宗教を軽んじたりするはずがありません!」

 ところで,的場のこの主張に対しては,既に砂澤陣氏がその誤りを指摘している.

――――――
 それに盗掘例は,これだけではありません.
 何処かのコレクションの例もそうですが,「盗掘」という行為自体が,研究という名目の為に多く行われた事実に当時の「差別」を私は感じます.

アイヌ先住民・その真実・2 的場光昭著 - 後進民族 アイヌ
――――――

 これに対し,的場は

――――――
 的場光昭です.
 貴重なご意見有難うございました.
 砂澤様が体験された事例については,もし拙著改定の機会が与えられましたならば書き添えたいと存じます.
 イデオロギーに毒されていない,こうした建設的な意見の積み重ねが,真の意味で差別の実態を明らかにし,誤解を解消して問題解決へと向かう最良の近道だと思います.
 議論の勝ち負けではありません.
 それぞれの正しい部分はこれを明記し,それぞれの誤りは互いに改めるということからしか,百年の誤解や対立,差別をなくす方法はないと思います.

| 2009-12-01 | 的場光昭 #79D/WHSg
――――――

と回答しているので,将来,もしこの本に増刷がかかったとしたら(考えたくもない悪夢だが),この記述は訂正されるかもしれない.
 つまり,この本の当該部分は,現在,まったく無意味になったということだ.
 しかしながら,そのことをなるべく周知する必要があると考え,このエントリを書いた.
 的場が訂正せず放っておく可能性も,ないとはいえない,という理由もあるが.

 それにしても,「建設的な意見」をアンタが語るなよ(失笑)

※3:植木哲也『学問の暴力――アイヌ墓地はなぜあばかれたか』春風社,2008,pp.55-58.なお出典注記は略した.以下同様.

※4:同,pp.73-76

「ストパン」■(2010-04-23)[アイヌ否定論]的場光昭『「アイヌ先住民族」その真実』のデタラメ(5)
青文字:加筆改修部分


◆◆◆アイヌ協会


 【珍説】
――――――
 わしは疑問がいっぱいあったので,北海道ウタリ協会に取材を申し込んだ.
 初めはすんなりOKが出て,参考図書の指定もあったのでそれを読んでいた.
 すると突然,取材拒否の知らせが来た!
 取材者が小林よしのりだと協会内部の者が知った途端,態度が豹変したのだ.
 「小林よしのり及び『わしズム』への不信感」が取材拒否の主な理由だという.
 ウタリ協会は,その密接な関連団体である「財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構」に,国庫から,そして北海道からも,毎年6億から7億にのぼる多額の助成金が投入されている.
 いわば公的な機関のはずである.
 それが小林よしのりの取材だけは受けないと言うのだ.

――――――小林よしのり in 『SAPIO』 2008/11/12号,p.62

――――――
 わしはさらに念には念を入れて,『わしズム』誌上でのウタリ協会代表との対談を申し込んだ.
 だがウタリ協会は,これも「小林よしのりへの不信感」を理由に拒否してきた.
「こんな馬鹿な話ってあるか?」
「ウタリ協会は小林よしのりを差別しとるのか?」

――――――同,p.64

 【事実】
 助成金を受け取っていたら公的機関だったのか.
 初めて知った.
 助成金って,私学から中小企業から不妊治療にまで幅広くばら撒かれているんだけど,受け取ったらみんな公的なの?
 実に斬新な論理だね.

 あと,「小林よしのりへの不信感」は当然だろう.
 『沖縄論』で,琉球王国の併合を「民族の統一」と捉え,琉球民族など存在しないかのように語っていたのは,どこの誰だ?
 ウタリ協会の側からすれば,「単一民族」論を繰り返されるだけとも思えたのだろう.
 ぼくは,このような理不尽な喧嘩を売られねばならぬウタリ協会に,心から同情する.

 取り敢えず,お前は日頃の態度を少しは顧みろ,という事だ.

 そして引用した最後の文.
 〔略〕
 あまりにも醜悪である.
 〔略〕

 かつてアイヌは深刻な差別を味わった.
 「土人」「蛮族」と貶められ,見せ物とされ,「へえ,アイヌでも字が書けるのか」「あ,犬が来た」などと嘲弄の言葉を投げつけられ,「滅びゆく種族」「滅んだ種族」として扱われた.
 そのような来歴を持つ人びとの前で,「ウタリ協会は小林よしのりを差別しとるのか?」などという被害妄想を喚き散らす事がどれだけ醜悪か.

 これでようやく半分を過ぎた,と思う.
 コマごとに突っ込み所が次々と出てくる漫画というのも,ある意味斬新だ.
 正直読んでいて疲れ,もしくは眩暈を憶える.
 このような言説が広く流布されるようになったらと,想像するだけでも寒気がする.
 アイヌを,南京事件論争のような不毛な政治闘争に巻き込まない為に,わが国の誇りの為に,このような愚かな言説とその派生物は,徹底的に批判されてしかるべきであろう.

「ストパン」■(2008-11-02)[アイヌ否定論]小林よしのりが今更ながらおバカすぎる件(2)

 ちなみに,小林の北海道取材への協力者として,「的場光昭氏(医師)」の名が挙げられている(p.62).
 ああ,西村眞悟といっしょになってデタラメを書いていた,あの的場センセイですか.※1
 流石よしりん!
 協力者選びの段階からダメダメだぜ!

※1:彼の信頼性については,西村眞悟衆議院議員のアイヌに関する認識はデタラメだ - nasturtiumを参照.

「ストパン」■(2008-11-03)[アイヌ否定論]小林よしのりが今更ながらおバカすぎる件(3)
青文字:加筆改修部分

「小林じいちゃんも,もうイイ歳なんだから,区別と差別の違いくらい,ちゃんと覚えようね」
「そんな取材協力者では,不信感を増大されても無理ないよね」
というお話でした.


 【珍説】
――――――
「とにかく左翼のわしへの攻撃はすごい.」
「沖縄もアイヌも左翼の解放区だったのにわしに暴かれたことがよほど痛かったらしい.」(小林,p.55)

――――――『SAPIO』 2009.7.8号

 【事実】
 お前は何も暴いてねーよ(笑)
 河野本道や西村眞悟や的場光昭の主張を繰り返してただけだろ(笑)
 ひとの本に書いてあったことを漫画に起こしただけで,「わしが暴いた」って,どんだけ自意識過剰やねん.

 次の本に目を通して貰えれば,小林が単なるコピー機にしか過ぎないことがわかってもらえると思う.
『アイヌ史 概説―北海道島および同島周辺地域における古層文化の担い手たちとその後裔』
(河野本道著,北海道出版企画センター,1996/01)

 無論,他人の研究結果をより一般向けにわかりやすく紹介することは,学問の普及のために大切なことだろう.
 けれど,それは紹介者が紹介者としての分をわきまえている限りにおいてだ.
 己の分を忘れたら,それは単なる剽窃屋に堕したということだ.

「ストパン」■(2009-07-06)[アイヌ否定論]じゃあ,その「正統な学者」とやらを連れてこいよ

 そもそも小林が,ネットで言うところの「コピペ厨」に過ぎないことは,これまでも散々指摘されてきたところ.


 【珍説】
――――――
 小林よしのり氏が,「沖縄とアイヌの真実」のために取材を申し込んでも,なぜか拒絶されました.
 此処から,この団体の閉鎖性が見て取れます.
 この団体は言論に対して,恫喝によって対処するなど,まさにアイヌ版部落開放同盟と考えても良いでしょう.

国民が知らない反日の実態 - アイヌ問題
――――――

 【事実】
 「なぜか」って,理由ぐらいわかんだろ.
 あと,彼らの脳内では「抗議」=「恫喝」というのがデフォなのか?
 ちなみにアイヌ協会の抗議活動は,当の『沖縄とアイヌの真実』に掲載された記事によると,「常識の範囲に留まっており,暴力的な威嚇をしたことはない」※5らしいぞ.

※5:野村旗守「ウタリ協会とは何か」西村幸裕責任編集『沖縄とアイヌの真実』(OAK MOOK 270)オークラ出版,2009,p.103

「ストパン」■(2009-06-20)[アイヌ否定論][デムパ]アイヌへの支援を「反日」と呼ぶ醜悪さ
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 『正論』2010年5月号に掲載された,砂澤陣氏の論説「全国紙が書かないアイヌ利権の腐臭1――税金にたかるプロ・アイヌの実態」(pp.238-245)によれば,北海道アイヌ協会は腐敗しているそうだが?

 【回答】
 まず,先日発覚した北海道アイヌ協会釧路支部の不正がある以上※2,砂澤氏が指摘するような不正行為は,ある程度恒常的に行われていたと見るべきだろう.
 僕は道民ではなく,アイヌ協会と繋がりも無いので,実態が想像できないのだが,4万5000円のロープを75万円と請求したり,購入していない工具代金を請求していた※3,などというのは弁護の余地のない不正行為だ.
 架空請求や水増し請求なんてのはただの犯罪で,許されて良いことではない.
 砂澤氏がこういった方面でアイヌ協会を批判するというのなら,僕はそれを支持する.

 だが問題は,彼がアイヌ否定論を唱えるひとたちと手を組んでしまったところにある.
 これはおそらく,考えられ得る限り最悪の選択だろう.
 砂澤氏個人は,みずからを「アイヌの血を引く日本人」※4と規定する.
 無論,彼個人がどのようなアイデンティティを抱こうが自由だ.
 だが,自分を基準にして,他人のアイデンティティを否定するような行動を取ってしまってもいいのだろうか.
 砂澤氏が
「自分はアイヌ系日本人だ」
と表明することと,
「アイヌ民族などというものは存在しない.
 いるのは『アイヌ系日本人』だけだ」
と表明する人びとと手を組むのとは,全然違った問題だ.
 前者は本人の自由であり,何ら責められるべきことではないが,後者は,他者の民族的帰属意識を踏み躙っているという点で,当然に責められるべき行いである.

 さて,砂澤氏の論説にみられる幾つかの問題点について指摘したい.

 砂澤氏は,

――――――
 アイヌの言葉や刺繍,踊りなどの継承も,かつては親から子へ,先輩から後輩へと自然に引き継がれていたはずである.
 しかし協会のプロ・アイヌが絡むと,補助金対象の「アイヌ語教室」や「刺繍講座」となり,肝心なことは教えずに,気に入らなければ受講者を締め出すことさえする.※5
――――――

と言う.

 後段のそれらの教室の運営状況については,実態がわからないのでひとまずは何も言わない.

 指摘したいのは前段である.
 現代において,マイノリティ言語が組織的なてこ入れなしに生き延びることは殆ど不可能に近い.
 公用語やメディアで用いられる言語の力は,圧倒的である
(自治州においては圧倒的多数派であるはずのカタルーニャ語さえ,その地位を維持するのに多大な努力を払っている.
 スペインにおけるカスティーリャ語の力が非常に強いからだ).
 もはや少数言語は,「親から子へ」では守りきれない時代なのだ.
 少数言語を守り,維持し,その使用範囲を拡大していこうと願うのであれば,何らかの組織によるてこ入れが欠かせない
(たとえばドイツのソルブ語の場合,カトリック教会がその役割を果たしている).
 また,みずからをアイヌと自覚し,アイヌ語を学びたいと考えるひとの中には,既に親がアイヌ語を解さないひとだって多いだろう.
 そんな状況で,アイヌ協会が「アイヌ語教室」を開くことを批判するのは(その運営面を批判するのなら支持するが),アイヌ語は滅びろ,と言っているのに等しい.

――――――
 一方で,正しく継承されるべきアイヌの伝統文化が汚され,どんどん異質なものになっていくのを,私は憂えている.
 現代アイヌ文化か何だか知らないが,アイヌの唄をラップ風にして,「アイヌキモイとか言われた〜」などとわめいている自称アーティストもいる.
 それのどこが,誇りある文化なのか.※6
――――――

 伝統文化が,きちんとした形で継承されるのは大切だ.
 これまでに道がアイヌ協会に払っていた補助金は,それを目的としたものだろう.
 「正しい継承」が必要ということには同意する.

 だが,それは伝統文化の改変を排除するということではないはずだ.
 大和にも沖縄にも,先祖代々の伝統を「正しく」継承する人びとがいる一方で,伝統文化の「カッコイイ」ところだけを取り出して,ポピュラーカルチャーに流用しているひとがいる.
 それのどこがいけないのだろうか.
 アイヌだけ「純粋な文化」が求められる必要性があるとは思えない.

 参考:
学術的成果を悪用する回路――「純粋な民族はいない」論をめぐって - Danas je lep dan.

 砂澤氏は,
「恐ろしく不正が多く有り過ぎて,本当に困ります」※7
と言う.
 不正の告発は大切なことだ,というのは冒頭に書いた.
 だが,正当な批判と「言いがかり」を峻別することもまた,重要なことである.
 砂澤さん,あなたはアイヌに対して言いがかりをつけている連中に,荷担しているようにしか見えない.
 どうか,今一度,その姿勢を考え直してもらいたい,そう思う.
(※このエントリは,砂澤氏のブログにトラックバックを送っています)

※2:cf. http://h.hatena.ne.jp/Mukke/9234091294769743446http://h.hatena.ne.jp/Mukke/9234093263352375682
http://h.hatena.ne.jp/Mukke/9259268666167214954

※3:砂澤「全国紙が書かないアイヌ利権の腐臭1――税金にたかるプロ・アイヌの実態」,p.239.

※4:同,p.238

※5:同,p.244

※6:同,p.245

※7:正論5月号 - 後進民族 アイヌ

「ストパン」■(2010-04-16)[アイヌ否定論]砂澤陣氏の論説を読んで考えた
青文字:加筆改修部分


 【反論】
woodsmith 2010/05/30 22:24

世の中,そんなに簡単じゃないですよ.
君?が尊敬してる教授らが出している連中が不正に加担し
適当な資料を山の様に出しているのですよ.
風向きは変わってなどいないですよ.
少し外に出てリアルな社会体験をしてみて下さい.

 【再反論】
Mukke 2010/05/30 22:46

>君?が尊敬してる教授らが出している連中が不正に加担し
>適当な資料を山の様に出しているのですよ

 僕がアイヌ研究の成果だけを基にして発言しているとでも?
 違いますよ.
 僕は,アイヌとは無関係になされた,歴史学その他の人文系学問の成果をも基にして発言しています.
 そもそも僕のホームグラウンドは,アイヌ史でもアイヌ研究でもないですし.

 「仮に」アイヌを専門に研究している人の多くが,適当なことを言っているのだとしても,的場光昭の「民族」に関する理解やその他が間違っていることには,変わりありません.

 で,たとえばこれまでに出された学術的成果のどの部分が,具体的に「適当」なんですか?

>風向きは変わってなどいないですよ

 道新に記事が載り,道議会で追及が行われる.
 このような状況にあってもなお,不正を告発するのは「タブー」なのでしょうか?
 生憎と僕は協会関係者ではないし,道民でもないので,その辺にどれだけの闇があるのかはわかりませんが……

>少し外に出てリアルな社会体験をしてみて下さい

 あなたも,少しはちゃんとした,学問に関する本を読んで勉強なさった方がいいと思いますよ.


Wallerstein 2010/05/31 14:09

 woodsmithさん,はじめまして.
 北海道から遠く離れて地で,一人で細々とアイヌ研究を片手間に行っております.
 本業は鎌倉幕府や室町幕府の対外関係史を専攻し,日本中世史を大学で講じております.

 多分,woodsmithさんが念頭に置いていらっしゃる歴史学系で言えば,E先生とかは,おそらくMukkeさんは誰か思いつかないでしょう.
 Mukkeさんが念頭に置いていらっしゃる研究は,woodsmithさんは誰か思いつかないでしょう.

 私の率直な意見を言えば,E先生は終わっています.
 woodsmithさんがE先生及びその周辺に対して批判するのは,非常によく分かりますが,アイヌ研究はそういう場所からはすでに離れております.

 woodsmithさんの「アイヌ研究者」に対する論難も分からないではありませんが,Mukkeさんと議論をしようしても,議論がずれています.
 woodsmithさんも
「少しはちゃんとした学問に関する本を読んで勉強なさった方がいい」
というのは正しいと思いました.
 woodsmithさんの民族論はすでに,アイヌ研究の常識とは大きくかけ離れております.
 そのような古い民族論を墨守しているのは,研究者で言えば河野本道氏と,woodsmithさんが批判しているアイヌ協会周辺の研究者位でしょう.
 最近出た「アイヌの歴史」なる大部の著作を見れば,古色蒼然たる民族論に唖然とします.

 もとよりMukkeさんは,そのようなものを相手にしてはいらっしゃいません.
 それどころかMukkeさんは,そのような研究者すらご存知ないかもしれません.
 その意味で的場光昭氏の議論も,古色蒼然たる議論でしかありません.

 そのような古色蒼然たる民族概念を基にした,E先生に対する評価は,私の周辺では20年前ほどから
「ウタリ協会のブレーンがEさんでしょ? ダメだよ〜」
となっていましたし,十数年前には
「Eの○○(罵倒後のため自粛)が」
と言われております.
 確かに開拓記念館に行けば,河野本道氏に対するひどい扱いがなされているのはよく分かります.
 今でも河野氏に対する個人攻撃は,開拓記念館で行なわれているのでしょうかね.
 あれはひどいと私も思いましたけどね.

 問題は運動論としての是非でしょう.
「無能な味方が一番厄介」
というのは,私もそう思います.
 太田龍という極左運動家(当時)に扇動された,70年代のアイヌと同じ轍を踏んでいるのではないか,と私は危惧しております.

「ストパン」■(2010-05-30)コメント欄
青文字:加筆改修部分



 【反論】
Pokerface 2010/06/03 15:48

 〔略〕
的場氏のように「デタラメ」が分かりやすければ良いですが,「学問」や「中立性」を標榜しながら,現状を固定しようとしている研究者たち(人類学者にも限られません)にも,大いに問題ありでしょう.
 しかし,それは一般の人にはもっと分かりにくいし,それを議論する言葉を教育・訓練されてこなかった,砂澤氏を含むアイヌの人々にも難しい問題でしょう.
 的場氏らに対する批判は,最近では研究者の間からも散見されますが,この後者の学者・研究者に対する批判は,ほとんど目にしたことがありません.
 Wallersteinさん,その辺の論文を期待しています.

 【再反論】
Wallerstein 2010/06/03 15:59

「「学問」や「中立性」を標榜しながら現状を固定しようとしている研究者たち(人類学者にも限られません)にも大いに問題あり」

 これは非常によく分かります.
 常に唯物史観の立場に立つ歴史学者は,史論史学や文明史学の後継を自認しながら,いわゆるアカデミズム史学に対する批判的視座を維持してきたわけですが,ご存知のように唯物史観の立場に立つ研究は,それはそれで問題を孕んでおり,また唯物史観の立場に立つ研究が,また一つの権威として確立してしまった側面もあります.
 アイヌ研究者がアイヌを学術対象としてしか評価せず,不信感を抱いてしまいがちな事情については,学術研究では常に意識はされておりますが,的場氏自身が,人類学者によるアイヌの人権侵害を隠蔽しようとして,その過ちを砂澤氏に正されていることが,Mukkeさんのエントリにありますが,「「学問」や「中立性」を標榜しながら現状を固定しようとしている研究者」には,的場氏が依拠した,アイヌを否定しようとする研究者にもあるわけで,研究者は一面ではない,ということも指摘しておきたいと思います.

「ストパン」■(2010-05-30)コメント欄
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 以下にもあるように,アイヌ協会は説明不充分なのでは?

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the_sun_also_rises [Mukke]id:Mukkeアイヌ協会の不正問題は逆にチャンスにしてほしい.差別問題の前進には差別者への非難よりも世間の無関心層をどう取り込むかが問題だと思う.真正直な反論は逆効果になる場合だってある.id:y_arimありがと(続く

はてなブックマーク - はてなブックマーク - 未ブックマークエントリー
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the_sun_also_rises [Mukke]id:Mukke id:y_arimアイヌ協会の場合必要なのはコンプライアンスの確保と広報活動だ.それが不十分だから非難を招く.まずは襟を正しその認知をえる活動に全力を尽くす.僕が責任者ならばそうする.反論はその後だと思う.

はてなブックマーク - はてなブックマーク - はてなブックマーク - 未ブックマークエントリー
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 【回答】
 無闇に攻撃的になるのは,世間の認知を得る上で好都合な戦略とはいえない,というのは一般論としては――僕も過去に「反日上等!」の件に関して散々言ってきたことなので――正当だと思う.
 そして不正問題で北海道アイヌ協会が襟を正す必要が,というのにも同意だ.
 あなたに対し攻撃的になってしまったことは,上でも書いたが申し訳ない.

 ただ一方で,あからさまな嘘や間違いについては,その都度指摘していくことが必要だと思う.
 これは僕が,小林よしのりや的場光昭に対して行ってきたことだけれども,その口調はともかく,内容は間違っていなかったと思うし,それはうっかり的場たちの主張を信じそうになってしまった「無関心層」に届けられるべきなのではないか,と.
 「真正直な反論」こそが,的場や小林に対抗する上では,必要なんじゃなかろうか.

 それから,アイヌ協会は広報を尽くしていると思う.
 ホームページもちゃんと作っているし,アイヌの権利向上に向けて様々な活動をしている.

 今回発覚した不正に関しては,これから糺されるべきだろう.
 それらを優先すべき,というのは確かに道理ではある.
 しかしそれは,「嘘や差別への反論を後回しにすべき」という結論を導き得ないのじゃないだろうか.
 両方大切にすべきなんだと思う.

 この件に関しては,有村さんが以下のような批判をしているので,そちらも.

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y_arim [メタブクマの翼]id:the_sun_also_rises 「説明が不十分」式の批判にはあんまり賛成しない.(1)自分たちに理解しようとする姿勢はあったか?(すなわちある種の責任転嫁)(2)的外れなイチャモンをつけるヤツの存在(3)人は見たいものしか見ない

はてなブックマーク - はてなブックマーク - はてなブックマーク - 未ブックマークエントリー
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「ストパン」■(2010-09-08)[独り言]id:the_sun_also_risesさんへの応答
青文字:加筆改修部分


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