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「VOR」◆(2012/12/20)東電,柏崎刈羽原発に事故があったことを発表
「VOR」◆(2013/05/16) 敦賀原発 2号機の真下に活断層
「ZAKZAK」●(2013/01/15) 責任逃れする滑稽な原子力規制委員会 ただ活断層ほじくり回すだけ
「痛いニュース(ノ∀`) ◆(2013/05/13) もんじゅ,無期限の停止命令へ 機器1万個の点検放置で
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2013/02/28) 東通原発の「クロ」判定で 業界が恐れる“活断層ドミノ”
「日経」●(2013/01/28) 活断層「40万年前」は限定適用 規制委が新安全基準骨子案
「日経」●(2013/01/06) 原発,活断層が「淘汰」 安全立証責任は電力各社
【質問】
四国電力伊方発電所2号機出力調整運転試験について教えてください.
【回答】
原発がこれまで一定出力で運転してきたのは,出力変動に伴う熱的変動によって燃料の被覆管にひびが入り気体状の放射性核分裂生成物(キセノン,ヨウ素等)が原子炉冷却水中に洩れてくる等の懸念があったからだが,近年は被覆管の改良が行われるなどの対策がとられ,これらの懸念も解消されているため,加圧水型原子力発電所(PWR)を持っている電力会社とメーカーとの共通研究として,伊方発電所2号機で行われた,出力調整運転の試験(昭和62年10月
& 63年2月)
この出力の調整方法では,100%出力で12時間一定運転した後3時間かけて50%まで出力を下げ,6時間一定運転した後再び3時間かけて100%出力に戻す「12-3-6-3運転」という,代表的な方法がとられた.
原子炉燃料に異常が生ずると,原子炉冷却水中のヨウ素濃度が上昇するが,この試験では,前後に測ったヨウ素濃度には変化がなく,燃料の健全性が確認でき,現在の原発で「12-3-6-3運転」による出力調整運転は実施可能なことが確認できた,とされている.
他方,
「チェルノブイル原子力発電所事故の際行われていた実験と,同種の実験ではないか」
として反対運動が起こり(「出力調整試験」というキーワード1点だけで勘違いしたらしい),中村政雄(元読売新聞社科学部記者)によれば,実験より約1ヶ月ほど前から,テレビのニュース・キャスターも,ニュースのあとに「心配ですね」という言葉を添え,不安を煽ったという.
そこでテレビ局のキャスターを対象に,専門家から話を聞く食事会も企画され,各局から一人ずつ出席することになったものの,直前になって全員がキャンセル.
また,中村が「出力調整は技術的に不安なことではない」と社説に書いたところ,非難の当初や電話が殺到.
投書には,同じ文面のものがかなりあった,と彼は回想している.
【参考ページ】
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=02-08-01-01
http://www.nsc.go.jp/hakusyo/S63/S1-6.htm
『原子力と報道』(中村政雄著,中央公論新社,2004.11),p.36-38
atm110618.gif
(http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=02-08-01-01より引用)
【ぐんじさんぎょう】,2011/06/22 20:30
を加筆改修
【質問】
伊方原発2号機出力調整運転試験は,チェルノブイリ事故の原因となった試験と,どこがどう違ったのか?
【回答】
ほとんど何から何まで違う.
当時チェルノブイリで実施されようとしていた試験は,外部電源が喪失した場合に,タービン発電機の慣性回転エネルギーにより,主循環ポンプと非常用炉心冷却系の一部を構成する給水ポンプに,電源を供給する能力を調べる試験.
つまり福島第1原発で起きたような,外部電源が絶たれた場合に,自前でどの程度電力が得られるかを試すという実験だった.
一方,伊方原発で行われたのは,100%出力で12時間一定運転した後,3時間かけて50%まで出力を下げ,6時間一定運転した後,再び3時間かけて100%出力に戻す試験.
また,チェルノブイリのほうは,高出力運転のあとにすぐ実験に入る予定だったのが,給電指令所からの要請により,かなり長時間に渡り,低格出力の半分の出力での運転を余儀なくされた.
そのため炉内は,キセノン毒作用により反応度が大きく低下していた.
もちろん伊方原発では,そのようなことは行われていない.
しかも,深夜になって実験を開始したが,運転員の誤操作などのため,原子炉の出力は安定せず,運転継続を禁止されている低出力で,実験に突入することになった.
その後,原子炉出力を上昇させるため,運転員は,自動および手動の制御棒を,制限値を超えて上限近くまで引き抜いた.
すると,一部の圧力管内で冷却水の沸騰が起こり,正のボイド効果のゆえに,その部分の出力が急上昇,その現象が全炉心に波及して,壊滅的な事故に至った.
ゆえに,たとえば
> 原子炉も,出力を落として運転しようとすると,とても不安定な状態になります.
> そのような運転の仕方を「出力調整運転」といいますが,「出力調整運転」の
>試験をしていて事故になってしまったのが,あのチェルノブイリ原子力発電所の
>事故(1986年ウクライナ,当時のソビエト)です.
http://www.nuketext.org/mondaiten_tsukurisugi.html#genpatsu
などという記述は,どう考えても「間違い」としか言いようが……
【参考ページ】
『原子炉入門』(鶴田隆雄著,通商産業研究社,2009.3),p.117
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=02-07-04-11
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=02-07-04-12
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=02-07-04-13
atm110626.gif
atm110626b.gif
(http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=02-07-04-13より引用)
【ぐんじさんぎょう】,2011/07/02 20:10
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【関連項目】
【質問】 ボイド係数って何?
【質問】
キセノン毒作用って何?
【回答】
核分裂生成物の中には,中性子に対する吸収断面積が大きい核種が存在し,原子炉の反応度を減少させる.
キセノン135やサマリウム149が,その代表的なものであり,熱中性子に対するこれらの吸収断面積は,それぞれ3.5×10**6バーン,5.3×10**4バーンである.
それらによる反応度低下作用を,キセノンの毒作用,サマリウムの毒作用という.
原子炉を定常的に運転している場合,Xe135やSm149は,その生成と,中性子吸収による消滅が,ある程度釣り合いを保ち,両物質の量は一定の値に収まっている.
しかし,原子炉をいったん停止させたり,出力を大幅に低下させたりすると,中性子を吸収して消滅する効果がなくなるか,または低下する.
そのため,急速にその量を増やすことになり,炉心の持つ超過反応度を大きく低下させる.
吸収断面積の大きさと,生成量の多さとにより,Xe135のほうがSm149より,反応度に与える影響は大きい.
出力の高い原子炉では,原子炉の停止から一定時間の間は,Xe135の毒作用により,原子炉を再起動できないという状態になることがある.
【参考ページ】
『原子炉入門』
(鶴田隆雄著,通商産業研究社,2009.3.10),p.78-79
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=03-06-04-10
atm110628.gif
(http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=03-06-04-10より引用)
【ぐんじさんぎょう】,2011/07/05 20:30
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【質問】
超過反応度って何?
【回答】
制御棒を全部引き抜いた状態で,原子炉が持っている反応度のことで,超過反応度,または過剰反応度,あるいは余剰反応度と呼ばれる.
反応度とは,原子炉が臨界の状態にあるか,また,臨界にないとすれば,状態がどれだけ臨界から離れた状態にあるかを示す指標で,
反応度p=超過倍率⊿k÷実効増倍率(中性子がどれだけ増えたか)k=(k-1)÷k
で現される.
⊿k=0,すなわちp=0,k=1のときが臨界,つまり中性子の数が増えも減りもしていないときが臨界で,
⊿k>0,すなわちp>0,k>1のときが臨界超過,つまり中性子が原子炉内で増えていっている状態.原子炉の出力は上昇する.
⊿k<0,すなわちp<0,k<1のときが臨界未満,つまり中性子が減っていっているので,出力も減っていく.
余剰反応度は原子炉の運転により変化するが,制御棒,冷却材中のホウ酸などによる負の反応度印加量の調整によって,反応度が過剰とならないよう制御されねばならない.
【参考ページ】
http://www.rist.or.jp/atomica/dic/dic_detail.php?Dic_Key=636
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=03-06-04-10
http://www.rist.or.jp/atomica/dic/dic_detail.php?Dic_Key=715
【ぐんじさんぎょう】,2011/07/06 20:10
を加筆改修
【質問】
JCO事故って何?
【回答】
1999年9月30日,ウラン加工施設である(株)ジェー・シー・オー(JCO)東海事業所転換試験棟にて,濃縮度18.8%のウラン溶液を沈殿槽に入れたところ発生した,日本初の臨界事故.
10月1日午前,緊急技術助言組織の助言を受け,沈殿槽外周のジャケットを流れる冷却水を抜く作業を行い,10月1日6時半ごろ,約20時間続いた臨界状態が終息した.
この事故では,3名のJCO社員が重篤な放射線被ばくを被り,うち,2名が死亡した.
柴田俊一はこの事件に関し,以下のように述べている.
--------------------------------------
ところで筆者はかねてから,学生もさることながら,先生方にも原子炉実験を体験していただきたいと考えている.
機会あるごとにこのことを勧めているが,原子炉理論とか原子炉工学といった専門の先生以外の参加が,なかなかない.
教育面だけでなく,ご自身の研究のためにも,現在原子力の主軸となっている原子炉についての一般常識を習得し,展望を広くする意味は大きいと考えるのだが,聞いてもらえない.
それどころか,原子炉,研究炉などなくても原子力の研究教育はやれる,と反発がある.
やれることはたしかだが,東海村のJCO事故は,こういう考え方に対する痛烈な警告と考えられる.
その証拠に,事故の後始末や,今度何か起きたらどうするか,という話ばかりで,予防の具体的技術的な方法の議論がない.
全く専門外の人たちが心配して,オロオロしているのと殆ど差がない.
米国では,原子炉は工学全般のみならず,理学の分野までも含めた総合的技術の所産で,教材として他にない特徴があるという理由で,工学部の全学生に実験,実習の機会を与えている大学さえある,と聞いた.
この際よく考え直していただきたい.
今までの,日本で起こった,機械的欠陥,故障,破損のたぐいと違って,JCO事故は他分野では起こり得ない,核的反応の事故なのである.
そして紙の上だけの教育では,実感を得させることができず,的確な措置もとれないということである.
--------------------------------------『新原子炉お節介学入門』(柴田俊一著,一宮事務所,2005.3.25),p.146
【参考ページ】
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=04-10-02-03
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=04-10-03-02
http://www.iae.or.jp/energyinfo/energydata/data3012.html
【ぐんじさんぎょう】,2011/01/01 20:50
を加筆改修
▼
――――――
「安全審査」といっても,実は設計図面が審査されるわけではない.
簡単にいうと,こういうようにします,こうなっています,という言葉だけの申請で,図面は言葉だけで表現できないことを,補足して説明するための概略の形を書いたものだけで,細部の形や寸法などは入っていない.
図面だけから安全かどうかを判定するのは,確かに困難なことであるが,実物を作る前なら,何もないよりましである.
しかし,なかなか実現しない.
理由として,企業秘密の漏洩防止とか何とでも付けられる.
しかし,その「企業秘密」の実態は,上述の向坊先生のお話から,おおよそ理解できよう.
新しく考え出した構造・機器が,予定通り作動し,機能を発揮するかどうかの判断には,おそらく何かの形の予備試験などが必要になると思われるが,少なくともJCOの事故のように,激しい反応が繰り返して長時間続くような構造は,一目で分かる.
しかし,何年に一回か,いや,もっと確率の小さな事故を防ぐために,そういう図面を提出させることになると,自動的に他の細かいトラブルまでが全て,許可する側の責任範囲に入る可能性がある.
こういうことは(自分たちの立場が)危険であると考えられているのではないか.
担当の人達は,色々と実際に調べることが必要だが,そういう機会は殆ど与えられていない.
不満だが,責任はとらなくてよい.
ことさら周りと争ってまで,責任をかぶることはない,と我慢辛抱する.
どうせ確率的には何百万分の一という計算である.
滅多に遭遇することはない.
こういう具合に,誰も責任をとる人がいない,反省する人もいない,責任の自覚もない.
これが本当の原因なのである.
――――――『新原子炉お節介学入門』(柴田俊一著,一宮事務所,2005.3.25),p.345-351
▲
>2名が死亡
この案件の法医学的所見を読んだのですが,染色体が粉砕された状況.
細胞分裂による回復が絶望的だったそうで…((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
コタロ in mixi,2010年12月23日 01:31
原子物理学科を出た師匠2号が,
「やっちゃだめって言ってるのに,手をかざして指とか片手亡くすバカが,数年後とに定期的に出る」
って言ってたから,それなりに危険な勉強はしているらしいと思っているのですが・・・
赤の9番 in mixi,2010年12月23日 02:51
まあ,JCO事故については,所見を論文で一つ書けそうなぐらい言いたいことがたくさんあるのですが,
「貴様,一体自分自身が何をしているのか(何を指示しているのか)分かっているのか?」
というのが,この事故の最大の教訓のように思います.
一つの要因として裏マニュアルの存在など,某財閥系列ならではと揶揄されるだけの凄まじい状態だったのですが,我が身を振り返ってみても,果たしてどのようなときも保守的(安全サイド)の判断を出来るのかどうか,改めて問われた一件であり,事故対応を行った当事者としても絶対に忘れられない一件でした.
ただ,機械系他の大学の先生を招くより,まずは近傍の研究者の再教育を,徹底的に行った方がよいように思います.
柴田先生や私個人のように,原子力系(特に原子炉物理学専門)の人間にとって見れば,臨界事故というのは極めて恥ずかしい事故に含まれるのですが,その事故発生後の対応が全くなっていなかったことに,愕然とした想いがあります.
我々の常識は,同じ原子力研究者の常識でもないとは痛烈であり,当時事故対応応援にあたった現JAEAの研究者も,
「臨界事故後に絶対に確認しなければならないことを,誰一人として確認しなかった(思いつきもしなかった)のは何事だ」
という考えが強いところで.
かくしてこのように,この件については考えさせられることがあまりにも多いところです.
へぼ担当 in mixi,2010年12月27日 01:19
【質問】
JCO臨界事故の後,どのような事故対策がとられるようになったか?
【回答】
JCOに業務上の過失があったとされたため,原子力事業に関連した国内の185施設を対象に緊急総点検を行うと共に,
・操作条件の変更があっても安全であるように操作条件を定期的に再点検すること,
・核分裂性物質の量と所在を確実に同定できるよう計量管理すること,
・万一の臨界事故に備えて緊急退避の方法を検討し,かつ警報装置を設けておくこと
とされたという(atomica)
一方wikipediaによれば,
・保安規定の遵守状況の国による確認
・定期検査,
・主務大臣または原子力安全委員会への申告制度(いわゆる内部告発)
が導入された――とあるが,原出典は同ページには記載されていない.
これについて柴田俊一は,以下のように批判している.
----------------------
JCOでは,現場の作業者が規則を守らなかったのが原因とし,利潤追求のために安全を犠牲にしたと非難された.
産業が利益を追求するのは当然である.
指導が不十分ではなかったか,規定が適当であったかどうか,という反省がないのが問題なのである.
臨界量を基にした1回の取扱量の制限が議論されたが,外国では研究炉用燃料では燃焼量も考えて,加えた臨界質量以上の量の高濃縮ウラン燃料を一体で組み立てる.
減速材の中に落とせば即,臨界超過で大惨事になる.
取り扱いは慎重に,定められた通りにしないと,自分の生命に関わる.
ところが我が国では,十分すぎる余裕のある量に制限されているから,少々手順を乱してもなお安全であることを作業者は知っており,その上,基本的な操作の原則と,なぜそうするかという根拠については,殆ど教育されていないし,教育する力もないようだ.
バケツで取り扱う杜撰さと評されたが,バケツであろうとポリタンクであろうと,燃料追加の操作の原則的な注意を守り,さらに緊急時の応急措置を間違いなくやれば,大事故にはならないのである.
そして作業能率も,大して変わらない.
その辺りの議論がない.
結局「防災」のために多額の経費を使い,多くの人員を増やし,重要な原子力産業の一分野を,壊滅に追い込む形で決着を付けた.※
この「つけ」は全て国民に回ってくる.
こんなことでは経済的に上向きになるわけないし,より安全になるわけでもない.
危険なことが起きたときだけにしかいらない公務員の定員と設備を,増やしただけである.
----------------------『新原子炉お節介学入門』(柴田俊一著,一宮事務所,2005.3.25),p.212
※ おそらく,JCOに対する加工事業許可取り消し処分を指すと思われる――引用者注
----------------------
何か事故やトラブルがあると,わっと集まって,これが悪かった,あれもやろう,などといっぱい改善案が出る.
しかし忘れてならないことは,要員数も,お金も,無限に使えるわけはない.
特にどこか知らぬところで起こった事故のためにやらされるのは,庶民として納得できない.
あれもこれも,ついでにこれも付け加えて励行させよう,という考え方はやめて,従来の規則の中で,これだけは絶対やれ,あと,できればこれこれもやれ,そして,さらに余裕があればこういうこともやるほうがよい,というように差をつけることを考えるべきではないか.
〔中略〕
いっぱい要求を並べて,実質的には作動検査もできないようなことになるのはよくない.
何か起きたときに遵守されていないことが,必ず一つや二つ見つかるので,そのせいにして,規制する側は「安全確保」を図る,ということなら話は別だが.
規則,定めはあっても,予告しての検査しか行わず,実質的に野放しの状態にしておきながら,ひとたび事故が起こると「規則違反」と目くじら立てるようなことが多いが,こんなことを繰り返していては,もっと大きな間違いを犯すことにもなる心配がある.
規則・基準にも必修と選択,課外と区分するのが,現実に最も効果が上がる方法と考える.
----------------------『新原子炉お節介学入門』(柴田俊一著,一宮事務所,2005.3.25),p.215-216
【参考ページ】
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=04-10-02-03
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=04-10-03-05
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E6%9D%91JCO%E8%87%A8%E7%95%8C%E4%BA%8B%E6%95%85#.E8.84.9A.E6.B3.A8
【ぐんじさんぎょう】,2011/04/10 20:30
を加筆改修
【質問】
敦賀原発1号機放射性廃液漏洩事故とは?
【回答】
1981.3.7頃,敦賀原発1号機において,廃棄物処理旧建屋内のフィルター・スラッジ貯蔵タンク室から,放射性廃液が一般排水路へ漏洩した「事故」.
配管の洗浄作業において,洗浄系弁を開状態のまま放置したため,洗浄に伴って生ずる廃液が同室の床にあふれ出し,大部分は地下の廃液中和タンクに回収されたものの,一部が電線管床埋込部周辺の細孔等を経て,床下に埋設されていた一般排水路へ漏洩したために起きた.
同年4.8,福井県衛生研究所が浦底湾明神崎F地点で採取したホンダワラ(海藻)から,平常値より高い放射能が検出されたが,一方,放射能が海産食品に取り込まれたという事実は,測定結果からは示されておらず,また,海産食品を介して人間が摂取すると仮定した場合,50年間の全身預託線量は,1000分の3ミリレムとなり,安全上問題となるものでないとされた.
一方,通産省が深夜,マスコミ各社に「明朝5時に重大発表がある」と連絡を入れて,これを発表したため,新聞一面トップで大きく報じられることになった.
その後,「日本原子力発電株式会社」は地域漁民に対し,風評被害賠償金3000万円を支払った.
……支払うべき人間は,他にいるような気がしてならないのだが.
【参考ページ】
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=02-07-02-10
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=02-07-02-13
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=02-07-02-12
『原子力と報道』(中村政雄著,中央公論新社,2004.11),p.82-84
atm110622.gif
atm110622b.gif
atm110622c.gif
(http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=02-07-02-13より引用)
【ぐんじさんぎょう】,2011/06/27 20:00
を加筆改修
【質問】
「福島原発5号機が自動停止=原子炉内の水位上昇-東電」
について説明されたし.
【回答】
正式リリースはこちら
http://www.tepco.co.jp/cc/press/10110201-j.html
●現時点で可能な解説:
L-8 turbine tripは確実な様子.
L-4以下(原子炉水位低)なら原子炉の水が減ってくるために話は別だが,L-8(原子炉水位高),つまり原子炉に余計な水が溜まる方向
(安全側に行き過ぎる方の不調であり,問題となるのは高価な蒸気タービンを傷めないようにするための,機器・財産保護の面.)
だったため,原子炉がスクラムした事実は重いが,安全上の問題は比較的低い.
この程度のトラブルであれば,運転員としては一番最初に習う事故対応のレベルのため,手動介入が間に合わなかった(もしくは効かなかった)等の原因は不明であるが,各種ポンプの破損ではなく,常用系ポンプ制御の不調と考えるべき事項であろう.
これ以上は,原因調査に任せることとしたい.
報道はこちら
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010110200975
なお,上記報道では
「出力を一定に保つために,社員が制御棒の位置を変える作業に当たっていた」
と言うのが,極めて重要な点でありながら,肝心な点が不明確.
このような場合,原子炉の出力をずっと一定に保ちながら操作する方法と,トータルの出力一定を保つために,一時的に原子炉の出力を増減させる方法の2通り.
その2つの内でトラブルが起きやすいのは,「原子炉の出力に変化がある」後者の方.
後者であれば,原子炉の出力を変化させた際に,その変化に対応できないか,それとも行き過ぎて,このようなトラブルが発生するのは真っ先に考慮すべき事項.
一方,前者であればトラブルは起きにくい
(変化がなければそのままで良いため,転ぶことも少ない)
ため,原因調査が難しくなる.
以上,前者・後者かによって今後の対応が全く異なる.
とはいえ,現時点では発生当時の詳細な状況が分からない
(分かれば,原因を絞り込むのはかなり容易)
ため,これ以上の解説は控えたい.
以上,ご参考まで.
へぼ担当 in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2010年11月03日
01:07
青文字:加筆改修部分
【質問】
美浜原発2号機蒸気発生器伝熱管損傷事故とは?
【回答】
1991.2.9 13:40,関西電力・美浜発電所2号機(加圧水型,定格出力50万キロワット)が,定格出力で運転中のところ,復水器空気抽出器ガスモニタの警報が発信.
そのため出力を降下させたところ,13時50分,原子炉が自動停止するとともに,非常用炉心冷却装置が作動した.
蒸気発生器伝熱管の1本が完全に破断し,この損傷により一次冷却材が二次冷却系へ流出したのが原因.
これに対し,A-蒸気発生器( 損傷側蒸気発生器)の隔離,加圧器補助スプレイによる一次冷却系の減圧操作等を経て,2.10
02;37,冷態停止状態に移行した.
環境への放射能放出量は,
放射性希ガス:約2.3E10ベクレル(約0.6 キュリー)、
放射性よう素:約3.4E8ベクレル(約0.01キュリー)、
液体状の放射性物質:約7.E6ベクレル(約0.0002キュリー)
と,同発電所が定めた年間放出管理目標値を十分に下回り,周辺環境への放射能による影響は認められなかった.
【参考ページ】
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=02-07-02-04
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=02-07-02-02
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=02-07-01-03
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=02-07-02-03
atm110611.gif
atm110611b.gif
atm110611c.gif
(http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=02-07-02-03より引用)
【ぐんじさんぎょう】,2011/06/13 20:20
を加筆改修
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