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◆◆◆日米安保 U.S.-Japán Biztonsági Szerződés
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東亜FAQ目次


 【link】

「Atlantic Mobile」◆(2012/09/27) Japan and the U.S.: It's Time to Rethink Your Relationship
 日米同盟再考論,というか日本に独立させろ論.
 コメント欄での議論が大変参考になる.

「Carnegie Endowment for International Peace」◆(2013/05/03) China’s Military and the U.S.-Japan Alliance in 2030: A Strategic Net Assessment

「Defense News」◆(2012/08/16)U.S. Report Warns of Japan ‘Drift,' Urges Defense Boost

「VOR」◆(2012/12/18)米日 安全保障分野における協力強化へ

これでわかる日米安保 (元統幕議長・西元徹也,江畑謙介の識者談話もあり)(リンク切れ)

「スパイ&テロ」◆(2010/11/02)アメリカは頼りになるか?

「中央公論」◆(2010/06/14)外交崩壊の裏にある同盟の落日(その1)=如月 遼

「東京の郊外より・・・」◆(2013-03-22) 謎? なぜ防衛省はカーター副長官来日を報じないのか
> 日本の当面の課題は,ますます内向きになる米国を如何にアジアに引きつけ,日米同盟の中身を強化するかにあります

「東京の郊外より・・・」◆(2013-04-30) 小野寺・ヘーゲル記者会見の概要

日米安保条約全文

『同盟国としての米国』(太田文雄著,芙蓉書房出版,2009年10月5日)

■本当の専門は

 著者の太田さんは海自ご出身で,最後の補職は情報本部長でした.
 そのため「インテリジェンスの専門家」というイメージがあります.
 しかしこれは的を射た見方ではないようです.

 太田さんは本著のまえがきで
<・・・私には,これまで3冊の和書があり,そのいずれも「情報(インテリジェンス)」をテーマとしていることから,インテリジェンスを専門としているかのように思われがちですが,私の博士論文のタイトルは,冷戦後の日米同盟を扱った「同盟の合理性」でした.(以下略)>
と書いていらっしゃいます.
 まえがきで書かれている詳細なご履歴を見る限り,太田さんが数十年にわたって継続して,内から外から見てこられたのは日米同盟であり,あえて専門をいえば「日米同盟の専門家」が妥当に思えます.

 その専門家が,「日米同盟の意味するもの」「米戦略を理解するためのインテリジェンス」を惜しげもなく公開しています.

■米戦略の入門書でもある

 本著は,米の戦略を理解できる非常に優れた日本人向け入門書です.
 理解に必要な概念や方向性等を,素人でも分かる形で有機的に記した啓蒙の書です.
 文章が非常に読みやすいので,つっかかることなく最後まで読み進められます.

 特に興味を惹くのは,日米同盟に関わってきた米人の姿が,実際に接した経験から,また対話を通じて描きだされている点です.
 彼らと直接接してきた太田さんならではの内容といえましょう.
 私が特に印象に残っているのは,海兵隊のグレグソン将軍の話でした.

 「己を知り敵を知れば百戦危うからず」という言葉がありますが,わが国内では,米を敵視する人も同盟相手として信頼する人も,いずれも米戦略の何たるかを知るところ浅いと思います.
 QDRやシナ観,シンク・タンク,トランスフォーメーション,統合軍といった項目で展開される解説を読み,読了することにはすべてが総合され,米戦略の何たるかがくっきり見えてくるでしょう.

 米の世界戦略・安保姿勢はいったいどういうものか?
これからどういう方向に向かってゆくのか?
何を意図しているのか?
日米同盟はなんなのか?
が把握でき,米戦略の現状と方向性,わが国の戦略的活き筋も手にとるようにつかめることでしょう.
 この理解をわが国益につなげていきたいものです.

 21世紀の世界政治の中心が米であることに,疑問の余地はありません.
 多極化という言葉の裏にある「弱肉強食社会への突入」という意味合いを把握できないまま,国防安保姿勢の脆弱なわが国が,自国の潜在能力のみをあてにして,同盟維持のレベルでふらふらしているようではだめだと思います.
 今こそ,「日米同盟理解」と「米国戦略研究」の内容をもつ本著を紐解く秋ではないでしょうか.
 本著はあなたにとり,日米同盟を考えるとき,常に立ち戻る本になることでしょう.

――――――おきらく軍事研究会,平成22年(2010年)4月14日(水)

『日米安保と極東有事』(田村重信著,南窓社,1997.3)

『日米同盟の正体』(孫崎享著,講談社現代新書)<「たむたむ」

『日米同盟の制度化 発展と深化の歴史過程』(吉田真吾著,名古屋大学出版会,2012/12/10)


 【質問】
 何で安保条約が必要になったのでしょうか?
 日本を,自衛隊だけで防衛することはできないのでしょうか?

 【回答】
 ごっつおおざっぱに言うと,まず東西冷戦という背景があり,日本は対ソ連・対中国という共産大国に対する(特に前者)防波堤としての役割をアメリカに期待されるようになりました.
 共産勢力が太平洋で好きかって出来ないように,日本でにらみを効かせるってこと.
 そこで,アメリカは日本に自国軍を駐留させ,なおかつ有事に速やかに行動できるように,日米安保条約を提案したわけです.

 一方,日本もソ連の脅威を感じながら,当時の国力では単独でソ連から身を守れる軍備を揃えたりしたら,経済成長が大幅に遅れるのは自明でした.
 そのため「必要最小限の軍備で,足りないところはアメリカに頼る」ということができる安保条約は渡りに船.
 こうして,日米同盟が発足したのでした.まる.


 【質問】
 恥ずかしながら沖縄の海兵隊は,日本・朝鮮半島有事の為に存在するのだと思い込んでおりました.
 25師団が第1次援軍であるとすると,日本有事の際にはどれほどの米軍部隊が来援する予定なのでしょうか?
 来援までの時間など,援軍派遣の『段取り』についてどなたか教えていただけないでしょうか.
 よろしくお願い致します.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月23日 02:11:01

 【回答】
 増援は攻め込んでくる相手によって変わるので,何ともいえないが,陸軍は第1軍団の司令部が座間にあるので,韓国の第2歩兵師団と,アメリカ本土の第75&91師団(75と91は予備役)
 海軍は第7艦隊が横須賀や佐世保に空母含め10隻いる,
 足りなければおそらく,東太平洋担当の第3艦隊が来るし,それでも足りなければ他からも来る(イラク戦争では空母だけで6隻)
 他は申し訳ないが良くわからない,
 到達時間はアメリカ本土からなら約1週間で,ハワイ辺りからなら3~4日(船速で計算)というところだろう.

Posted by 名無しT72神信者 at 2009年12月23日 12:02:42

「週刊オブイェクト」コメント欄,2009年12月21日付より
青文字:加筆改修部分

▼ 米軍来援まで,日本が侵攻を受けてから40日と見積もられている.
 それも米予備役歩兵師団2コが日本来援用に定められている.
 それまで単独で敵を排除しなければならない.
 明日にでも米軍がくるなどということはない.

 詳しくはいえないが,HQと一部先発部隊がこの日数で日本に入る.
 ちなみに,入った米軍は最前線には立たない.
 自衛隊部隊が対処で出動して空白になった駐屯地に入り,その空白地域の警戒任務にあたる.

270式 ◆3rppPq3YvU in 軍事板,2004/01/07
http://www10.atwiki.jp/fsx375/より孫転載)
by 因幡 in FAQ BBS,2010/4/21(水)


 【質問】
http://togetter.com/li/53950
によれば,日米安保ではアメリカに,日本の島嶼部を防衛する義務はないとのことですが,本当ですか?

 【回答】
 そうですね,私も法律は詳しくありませんが,
「島嶼部の防衛義務はない」
と言うのは,何が根拠なんですかね?
 日米安保こと「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/pdfs/jyoyaku.pdf
を見る限り,そのような箇所は無いのですが.

 その根拠らしきものは,以下に出てくる,「日米同盟:未来のための変革と再編」のようです.

――――――
「Ttogetter」◆とある安全保障認識の一例」
『日米同盟の根拠となる文書,「日米同盟の変革と再編」には,日米の具体的な役割,任務,能力について基本的考え方が示されており,「日本は,(中略)島嶼部への侵略といった,新たな脅威や多様な事態への対処を含めて自らを防衛し周辺事態に対応する」とあります.』
――――――

 上記に該当するのは,
「日米同盟:未来のための変革と再編」の原文(仮訳)
では,
『2.役割・任務・能力についての基本的考え方』
の一部で,冒頭で
『双方は,二国間の防衛協力に関連するいくつかの基本的考え方を確認した.
 日本の防衛及び周辺事態への対応に関連する,これらの考え方には以下が含まれる.』
と記されている.
 具体的には
『日本は,弾道ミサイル攻撃やゲリラ,特殊部隊による攻撃,島嶼部への侵略といった,新たな脅威や多様な事態への対処を含めて,自らを防衛し,周辺事態に対応する.
 これらの目的のために,日本の防衛態勢は,2004年の防衛計画の大綱に従って強化される.』
とあります.
 一体これの何処が,
『アメリカ軍に島嶼部の防衛義務はない』
となるのでしょうか?
 そんな事は微塵も記されておりませんが?
「国防の第1義的責任は,当該国にある」
と言うことを再確認しているに過ぎません.
 アメリカが島嶼部の防衛に責任を待たないという旨は,記されておりません.

 それどころかその直後に,
『米国は,日本の防衛のため,及び,周辺事態を抑止し,これに対応するため,前方展開兵力を維持し,必要に応じて兵力を増強する.
 米国は,日本の防衛のために必要な,あらゆる支援を提供する』
と記されているのだけどなぁ.

 「日米同盟:未来のための変革と再編(仮訳)」は,防衛庁のHPに乗っております.
 私の場合ですが,素のままでは文章の右端が切れてしまいましたので,プラウザの
「表示」→「スタイル(Y)」→「スタイルなし(N)」
を選択したら,キチンと読めるようになりました.

○日米同盟:未来のための変革と再編(仮訳)
http://www.mod.go.jp/j/approach/zaibeigun/saihen/1029_2plus2/29_03.html

 そもそも一般論として,同盟国が攻撃を受けたのに,それを黙ってみていたりしたら,アメリカの信用に関わると思いますが.
 また,中立と言うのは,主権(領有権)についてではなかったかな?

鉄底海峡 in mixi,2010年12月29日21:08
青文字:加筆改修部分


 【反論】
――――――
米国はもう日本を守らない?!

 田母神氏が言ってたよね.
 米国の司令長官と対話した時に,日中戦争になった時,「米国がもし日本に援護したら,中国は米国本土に核攻撃をする!」と言って来たら,それでも米軍は日本を守るのか,と聞いたら首をかしげて黙ったと.
 日米安保条約から行くと,答えはYESとしか返せないはずなのに,首をかしげて黙りこくるとは,もうおかしいじゃないか.
 だから米国は,自国を犠牲にしてまでは日本を守るつもりは無いと思っていい.

――――――

 【再反論】
 よーめんさんの願望(?)も虚しく,アメリカ政府は尖閣諸島防衛では,日米安保の適用対象と明言しました.
 当然でしょう.
 尖閣諸島は,台湾有事における米軍の介入に必要な兵站ルートの,真ん中にあるのですから.
「尖閣は日米安保適用対象」クリントン長官,明言 日米外相会談で:産経新聞

 しかもソースは田母神・元航空幕僚長・・・.
 もう,ぶっ飛んで,何も言う事がありません.

 その他については,腰痛で突っ込むほどの気力もないので,止めてしまいました.

バルセロニスタの一人 in mixi,2011年01月03日11:41
青文字:加筆改修部分

 ま,程度問題でしょ.


 【珍説】
 日本は米軍なしでも充分国防は成り立つヨ.

 どの程度の防衛費が適当かというのは難しい問題です.
 私はここ5年くらいで今の半分程度に減らすのを第一目標にすべきだと考えます.

タケル in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 その前提からして「妄言」なんですよ.

 日米安保破棄,という事は,日本の第一仮想的は米国となるわけで.

 て言うことは,「米国に対抗するための防衛」というテーマが真っ先に来るはずなのに,出てくるのは「日本軍縮論」

 現状で米国に余裕で対抗できるというのであれば「じゃあ,減らしましょうか」という結論になるのは当然.しかし,現状で米国に対抗できるのか?と問えば100人中99人は無理という回答が帰ってくるでしょう.
 徴兵で陸上自衛隊をいくら増やしたところで,太平洋戦争の二の舞です.
 対抗できないような仮想敵国を増やすような外交方針を示唆する時点で妄言.

 更に,軍事力は相対的なものという事を理解していない.
 これは,自衛隊の防衛力を比較すべき対象を示さず,いきなり「減らすべき」としている時点で明白.
 何処の誰から日本を守らなきゃ如何のか,という視点が全く欠けている時点で妄言.

ゆきかぜまる in mixi


 【珍説】
 専守防衛なんで,一切の渡海能力は排除.
 そもそもソ連軍の上陸に備えて作ったもんは一切いらん.
 現在最大の問題は,米軍の世界戦略を支える部隊になってることやね.

 なにせ,米軍支配を終わらせましょ.
 でもって,
3軍は統一して,別に災害救助隊と,国連待機隊を持つ.
3軍の配備は今の三分の1くらい.
18歳から年に3ヶ月を2回の徴兵制.男女同じ.

タケル in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
>専守防衛なんで,一切の渡海能力は排除.

 シーレーン防御は?

>3軍は統一して,別に災害救助隊と,国連待機隊を持つ.

 重複する組織を持つのは税金の無駄です.
 それを上回るメリットを示してください.

>3軍の配備は今の三分の1くらい.

 「どこをどう」三分の一にするのですか?
 そして,どこにどれだけ貼り付けて,どうやってそれで防御を行うのか?
 画期的な機動防御方法でも思いついたんですか?

>18歳から年に3ヶ月を2回の徴兵制.男女同じ.

 徴兵は日本には不要です.
 また,そんな兵隊に日本の防衛は不可能.

ますたーあじあ in mixi

 これから明らかに労働力人口の減る国で徴兵制とは笑止

腹黒紳士 in mixi

>専守防衛なんで,一切の渡海能力は排除.

 つまり「海軍はイラネ」ってことですか?
 シーレーンの防御はどうするのでしょうか.

>18歳から年に3ヶ月を2回の徴兵制.男女同じ.

 徴兵制なんて今の日本じゃ必要ありません.
 不要な軍備に税金を投入するのは,あなたの思想に反すると思うのですが.

使徒むーちゃ in mixi

>そもそもソ連軍の上陸に備えて作ったもんは一切いらん.

 なんでですか?
 中国・ロシアへの抑止力になってるじゃないですか.

ぉ拓 in mixi

 アホだろ君?
 海洋国が渡海能力排除?
 寝言は寝てから言ってください.

 米軍支配を終わらせましょう?
 米軍と手を切るメリットって何だよ?
 コレ,何度も何人も聞いてるが,答え見た記憶が無いぞ?

 国連待機部隊?
 コレもだからメリットを提示しろっていった記憶があるんだがな?

 徴兵制?
 気は確かか?
 中国やロシアでさえやめてる事を先進国でやるのか?

RADYUS in mixi

>専守防衛なんで,一切の渡海能力は排除.

 アウト.
 離島を占拠された場合,取り返す手段がなくなるので却下.
 それともアレですか,離島は日本では無いと?

>18歳から年に3ヶ月を2回の徴兵制.男女同じ.

 たった三ヶ月の訓練で現代戦に適応できるのかと小一時間問い詰めたい.
 …むしろ,Cpt.hige氏に説教してもらいたい.

ゆきかぜまる in mixi


 【質問】
 昨日居酒屋で会ったおっちゃんに聞いたんだが,
・アメリカの兵器は日本の工作機械使ってるから,アメリカは絶対日本は見捨てられない
ってホント?

 【回答】
 日本向けの工作機械は世界最高峰の技術を持つものが多々あるので,米国限らず世界各地で広く使われてる.
 同じ技術を日本製以外で代用しようとしてもコストが高くつくか,あるいは開発しさなければならなかったりするので,軍事の世界でも日本の存在はそれなりに大きい.

 まあ,アメリカの覇権における日本の重要性については,米国由来の債券や資産,日本が持ってるドル建ての資本などの方が,重要な問題だと思われるがな.
 軍事といえどもあくまで経済活動の上に成り立ってるものだから.

 また,かなり極端にはしょって書くと,アメリカの覇権というのはするに国際自由貿易体制と,それを担保する各国との軍事同盟(特にNATOと日米安保)
 アメリカが日本を切るということは,西太平洋でのもっとも重要な軍事拠点を失うということを意味するし,そうす ると現在の国際秩序やら自由貿易体制やらを,(少なくとも自国に有利なように)維持できなくなる可能性が高まる.

軍事板


 【質問】
 アメリカが必ず日本を助けてくれるとは限らないのでは?

 【回答】
 理屈で言えば,確かにその通り.
 以下引用.

 個人的に最悪だと思っているのは,
「自身の願望,感情が反映された事項を,
『形而上の要素を廃した理性的な事項』
であると思いこむ」
ことである.

 典型例として,北の暴発に対して
「日本が攻撃されればアメリカは動く」というのが「既定の事実」であり,「方程式に組み込まれた定数」であると考えているような者たちだ.
 例えば,彼らは
「もしも北が日本にミサイル攻撃すればアメリカが黙っていない.日本は同盟国であるし,日本が大被害を被ったらアメリカも放置出来ない」などという.

 これは,全てが己の願望を投影したものに過ぎない.
 例えば「大被害」であるかどうかは,主に「アメリカの被る損害」と天秤にかけて判断すべきもの.
 特に,「アメリカの被害に対してアメリカの民意はどう反応するか」で考察しなければならない.
 日本にミサイルが落ちた.300人が死傷.日本側としては「大被害」である.
 しかし,アメリカにとってはどうか.
 天秤にかけるのは「日本の死傷者300名+日米安保の存続への影響」と「自国兵士の死傷」である(本来は,中国との関係やら戦後の体制やらもっと沢山あるだろう).
 極端な話,
「日本の死傷者300名? これなら,自国兵士の損害の許容限界は3名だな.北韓を攻撃すれば20名は確実に死ぬ.北攻撃なんて出来ないよ」
とアメリカの民意が結論を出すことも考え得るのだ.

(「ミリ屋哲の酷いインターネット」,2005/5/25)

 ただ,現実的に観て,日本列島は米軍にとっても重要拠点である以上,その同盟関係をないがしろにすることは得策でないと,米軍は当然考えるだろう.

 どれだけアメリカが在日基地を重要視しているかについては,以下の通り.

アメリカは20世紀にも,そして21世紀に入ってからも,明らかにマハンと同じ考え方をしています.
 根拠地にふさわしい国に必要な足場をまずは借り受け,その後はなし崩し的に占拠しようという考え方です.
 その根拠地を足場に,強大な海軍を7つの海に展開していくわけです.

 アジアにアメリカが置いた戦略的根拠地は,太平洋戦争で日本軍が占領するまでのフィリピンであり,日本が無条件降伏した1945年8月15日以降は日本列島になったのです.
 アメリカは戦後,冷戦が始まってソ連との対立が強まると,日本に再軍備を促し,日本を反共の防波堤にしようと考えた,と説明されますね.
 だから日本列島には在日米軍が存在し,ソ連や中国や朝鮮半島を監視していたのだといえば,多くの人は「その通り」と納得するでしょう.
 しかし,アメリカは日本の敗戦を機に,アジアの戦略的根拠地(戦力投射のための根拠地)をフィリピンから日本に移したのだと考えれば,在日米軍基地は戦後60年に渡って,冷戦の開始や終結,ソ連邦の崩壊とは関係なく,アメリカの世界戦略を大本から支えてきたといえるわけです.

 東西冷戦が終結したからといって,日本から米軍が引き揚げないのには理由があります.
 むしろ,冷戦が終わって,これまで米ソ超大国(とりわけソ連)が締め付けてきたタガが外れ,世界各地で民族紛争や宗教紛争など複雑な問題が噴出してきましたから,日本の戦略的根拠地としての重要性が,かつてと変わらないか,ある意味では一層大きくなっているからです.

小川和久著『日本の戦争力』(アスコム,2005.12.5),p.112-113

 そしてそれゆえに,日本防衛のために米国政府は強く議会や世論に働きかけるだろう.
 その「売り込み」ぶりは,湾岸戦争や先のイラク戦争を見ても分かる通り.
 そしてまた,対日印象がアメリカ国民にとってよほど悪くなっていないかぎり,説得されるだろうことは,瞬く間にクウェイトが同情されるべき対象――政体を見れば,とてもそうは言えない存在なのだが――となったことを見ても,容易に推測できる.

 ミサイルの落ちどころにもよるけどね.
 離島ならシカトも十分ありうる.


 【反論】
――――――
★【驚愕の真実】 日米安保はアテにならない ! 【マスコミに騙されるな !】 :草莽崛起 ★日本の学校で教えられる近代史は嘘です★

(参考)
日米安保条約
第五条
 各締約国は,日本国の施政の下にある領域における,いずれか一方に対する武力攻撃が自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め,自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宜言{宜はママ}する.
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/docs/19600119.T1J.html

>自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動する
  ↑
ここがポイント.
つまり,アメリカの憲法に従って行動するという事.
つまり,

日本が攻撃されても,それが米国の国益に成らなかったなら米軍は行動をしなくても条約違反にはならないという事である.
――――――

 【再反論】
 明らかに間違いです.
 アメリカ合衆国憲法では大統領は陸海空軍と海兵隊,沿岸警備隊の最高司令官と定めており,宣戦布告や軍事予算は議会が決めるものの,軍の指揮権については大統領が独断で動かせるとされています.
アメリカ合衆国大統領 - Wikipedia

 アメリカ大統領は,この指揮権を根拠に軍を動かし,武力攻撃をする事が出来ます.

 その後,ベトナム戦争の反省から,米議会は戦争権限法を制定しました.
 これは武力行使から60日までに議会に,宣戦布告と軍隊を使用するための特別立法を制定するべく,報告を行う事を義務付けています.
 また,軍隊の早期撤収を行う過程で,その継続使用が必要な報告をすれば,30日の報告義務期間延長が可能となっています.
 つまり武力行使から60日から90日間は,自由に武力行使が出来る権限が与えられます.
 現代戦なら,これでもむしろ長いほうでしょう.
 イラク戦争はこの日数内で,バクダッドを陥落させる事が出来たのですからね.
アメリカ連邦議会の戦争権限-アメリカ合衆国憲法と戦争権限法を中心に-

 さらに軍事同盟条約を結んでいる国が,国益に合わないという理由で,軍事支援をしなかった場合,別の軍事同盟締結国から不信がられてしまいます.
 もしNTT食品氏のように,日本だけは武力攻撃されても国益に合わないからと参戦しなかったら,NATO諸国から不信の目で見られてしまい,NATOは崩壊してしまう可能性もあるから,「国益に合わないのなら参戦しない」などという詭弁は通用しません.

 なお,この戦争権限法については,ニクソン以降歴代大統領は,憲法違反であるという事でその効力を認めておらず,また,大統領による権限での全軍の動員は,戦争権限法でも認められており,どちらにしても戦時予算獲得は可能だと,名古屋大学の大屋雄裕准教授は述べています.
議会の承認なく動ける云々は別に海兵隊だけに限った話ではない:週刊オブイェクト

バルセロニスタの一人 in mixi,2011年04月27日08:52

また,ベトナム戦争でパリ和平協定以降,旧南ベトナムを見捨てた事を以て,アメリカは同盟国を見捨てるという事を考えている人もいるのでしょうが,アメリカは軍事援助を削減しただけで,援助を停止したわけではありません.
 ニクソン大統領退任以降も,援助はドル危機やオイルショックにより,削減はされたものの,援助そのものは続けられています.
サイゴン陥落(22) 終幕の始まり

 この当時,南ベトナム軍はヘリ部隊や輸送部隊,戦車部隊が充実しており,アメリカからの援助が削減されたら総崩れになる事自体,ちょっと常識では考えられず,その程度の軍でしかなかったと言わざるを得ません.
 ですからこれでアメリカが見捨てたと言うのは,言いがかりも甚だしいです.

 なお,日本ではむしろ,アメリカからの軍事援助は削減を希望しているほどでした.
 岸信介首相(当時)はアメリカのアイゼンハワー大統領との会談で,「主権平等」を訴えて,在日米軍の地上軍撤退の声明を出しています.
【文書資料 1:冷戦期の日米首脳会談における声明】(Googleクイックビューより)

 在日米軍地上部隊は1958年に撤退しましたが,何の混乱もなく陸自は粛々と部隊を強化し,かつての米軍が駐留していた駐屯地に駐屯しました.
 もちろん,日本と南ベトナム,韓国のような最前線を持つ国とは,事情は違うものの,宗谷海峡の向かい側のサハリンや根室沖の歯舞諸島や色丹島には,ソ連軍の基地が存在し,いつ北海道へ侵攻されてもおかしくはありませんでした.
 当時のソ連軍の海上戦力は,当時の海自の戦力を上回っており,渡海侵攻能力も北海道限定なら多少はありました.

 それでも在日米軍地上部隊の撤退が進められたのは,アメリカ側の財政負担になっていただけでなく自衛隊発足後,MSA協定によるアメリカからの援助が充実し,さらに経済復興も成し遂げて軍事に回す余裕ができた事もあり,また独自の軍事力による抑止力を身につければ,ソ連に対する抑止にも繋がるだけでなく,国際社会への復帰にも繋がるからです.

 NTT食品氏は,ブログの最後で核武装と言っていましたが,この方もBMD不要論者でしたか.
 まぁ,想像はついていましたが.

 よくも調べずにこんな記事を書くと,萎えますよ,ホントに・・・.

バルセロニスタの一人 in mixi,2011年04月27日09:12


 【質問】
 子どもの頃からずっと疑問だったのが,何故我が国は先の大戦でアメリカに空爆され原子爆弾を落とされ戦争犯罪を受けたにも関わらず,どうして我が国の国民は基地の駐留を支持し親米なのか.
 仮に先の大戦でアメリカが日本に敗北しワシントンを占領されたとしても,米国民は間違いなく日本軍に抵抗しただろう.
 分からない.どうしても分からない.
 人類史上類を観ないことだし,常識的に考えても到底理解が出来ない.
 当時国民は日本に生まれたことを誇りに思っていたし,愛国心は世界中何処の国にも劣っていなかった.
 この疑問は解決出来ないのだろうか.

 【回答】
 元々日本はアメリカが好きだった.
 野球に見られるような西洋文化の移植者であり,政治・経済の多くを学んだ.
 日露では調停役になってもらい,工業原料のほとんどをアメリカに依存していた.
 アメリカという国は明治以来,日本人の憧れであり,お隣の頼れるお兄さんだった.
 実際にやってみて,納得しちゃったんだよ.
 やっぱ兄貴強えわって.

 戦後,隣の大陸の連中の酷さが,その頼れるお兄さんの存在感を更に強調した.
 日本人の多くは第二次大戦で,日本の戦争が終結したと思っている人間が多いが,実際は違う.
 共産主義との戦争がまだ継続中で,宿敵ロシアが日本を陥落するために,中国共産党に多大な支援をしていた.
 日本が共産化すれば,せっかく明治以来培ってきた産業構造が根こそぎ破壊されてしまう.
 それは国民全員が生活基盤を失う事を意味していた.
 疲弊しきっていた日本にはもう,アメリカに守ってもらう意外の選択肢は無かったんだよ.

 もちろん,アメリカは計算づくだっただろう.
 しかし日本人は,それを恩に感じた.
 そして大戦後に更に飛躍を始めた兄貴に,さらなる憧れを持ったんだよ.
 アメリカは容赦のない鉄拳と寛容な統治を行なう,いわば日本人好みの親分肌だった事も大きいだろう.

>仮に先の大戦でアメリカが日本に敗北しワシントンを占領されたとしても,
>米国民は間違いなく日本軍に抵抗しただろう.

 そのアメリカを占領した日本軍が,フィリピンやシンガポールでしたように,高圧的な軍政を敷いたり,敵対する恐れがあるからと特定の集団を殺害(華僑とか)すりゃ,そりゃ抵抗活動の一つや二つはでるだろう.
(占領軍司令官が,ジャワの善政で有名な今村将軍なら,話は別かも知れんが)

 少なくとも,日本降服後に進駐した米軍は当初,日本人が考えていたような過酷な軍政や報復を全く行わず,逆にふんだんな食糧支援や農地解放(これは特に,国民の大半を占める零細農民層に喜ばれた)といった改革を行い,終戦後の絶望的な日本国を下支えしたことは大きい.
 今まで散々に
「米英は鬼畜だ.
 連中が上陸してきたら男は殺され,女は犯される.
 だから本土決戦の際には全員討ち死にするのだ」
と言われて,戦々恐々(実際に連合軍が進駐するときには女性が襲われないよう,女子供を避難させた地方もある)していた所に,これだもの.
 今まで散々苦しい思いを強いてきた軍より,連合軍の統治のほうがよっぽどましだったんじゃあ (おまけに誰も彼もが食糧不足で明日の生命も分からなかった状態),そりゃ大半の国民が今までの軍首脳部を見捨てて寝返るわ(天皇陛下は別だけど).
 天皇陛下も「耐え難きを耐え」で有名な玉音放送で,全員武器を置け,これからは復興だとと仰って(特にこれは各軍部隊への影響力は絶大だった)お墨付きを与えてからねぇ.

 連合軍の戦争犯罪だって

>何故我が国は先の大戦でアメリカに空爆され原子爆弾を落とされ戦争犯罪を受けたにも関わらず,

”戦争だったからしょうがない”の一言でほぼ解決よ.(耐え難きを耐え・・・・・)
 少なくとも,戦争がいきなり終わって茫然自失,混乱した当時の状況下(おまけに国民の殆どが国際法の知識が無い.東京裁判が正当なものであるかも判別できる人間は少なかったし,殆どの人間は今日のご飯を得るだけで精一杯だった)においては,官軍にどうこう(陛下の身の安全も保障されていたし)言おうと考える奴はいなかったし,それよりも
「どうしてこんな悲惨な戦争を長々と続けたんだ.
 大本営発表やら嘘で散々騙し続けて戦争を継続させ,多くの国民を死地に追いやりやがって.
 米英軍だってちっとも鬼畜じゃねぇじゃねぇか」
と言う反応のほうが大きかった.
(おかげで連合軍のいい加減な裁判で,戦犯扱いされた無実の兵士の家族が,日本各地で村八分にされるという悲劇が起きた.
 彼らは日の丸で応援されて戦地に送られたのに!)

>人類史上類を観ないことだし,

 へ?
 WW2後のドイツとか,イタリアは?
 確かに敗戦国が戦勝国に敵意を表面的に出さないと言うのは,歴史的に少ない(無いことはない)とは言え,
「戦勝国が敗戦国から賠償金を要求せず,それどころか戦後復興を支援して独立させる」
という戦争終結方法がもっと少なく,また日本がその適例であるということのほうも,頭に入れたほうが良いかと.

>当時国民は日本に生まれたことを誇りに思っていたし,
>愛国心は世界中何処の国にも劣っていなかった.

 ”日本”にはね.
 ただし,その大事な大事な日本を終わりなき戦争に導いた,軍首脳部を始めとする日本国指導層は,また別の話よ.

「悪いのは軍部(政府),色々あったが,連合軍のが旧政府より何ぼもましだ」

 旧枢軸三カ国の国民がまともな抵抗運動のひとつも起こさなかったのには,これによるところが大きい.

戦争・国防板,2009/12/10(木)~12/11(金)
青文字:加筆改修部分

※ 要出典


 【珍説】
 戦後はと言えば,徹底した対米協力姿勢や,「国際関係とは日米関係のこと」と思いきって恥じることもないメンタリティが,保守本流の政治姿勢として大手を振ってまかり通る状況が長く続いてきた.

浅井基文 in 『自衛隊をどうするか』(岩波新書,1992/1/21),p.47

 【事実】
 保守がどうこうというのは,日米同盟とは大して関係ないですね.
 村山首相(社会党)だって,真っ先にやったことはアメリカ詣(もう)でだったでしょ?

 つまり,「保守だから」対米協力姿勢を徹底しているんじゃなくてね,現状では他に選択肢がないからなんだよね.

 まずもって地政学的に日本はどこかの国と同盟を結ばねばならず,その相手としてはアメリカが現状ベストだというのは,別項で述べられている通り.
 ロシアならまだ可能性は少しあるけど,中国は論外だからね.
 米露中3ヶ国の中で一番軍備が劣っているのが中国だし,尖閣諸島のエネルギー資源を巡る対立などもある.

 それに,諜報機関がないから情報も満足に取れなきゃ情報分析もうまくできない.
 その上,せっかく取れた情報を元に徹底分析を行い,外交方針を決めるというシステムも確立されていない.
 これで独自外交をやれと言ったって,無理な話なんだよね.

 むしろ,浅井の主張とは逆に,アメリカ依存を少しでも減らすための軍備増強やら諜報機関設置やらを反対してきたのは,保守では無く,野党側なんだけどね.
 スパイ防止法すら反対しているしね.

 現実と真逆のことを書いてもカネを貰えるなんて,気楽な商売だね.


 【珍説】
 なお,湾岸危機に際して,自衛隊の海外派遣に反対の野党に対して,
「自分さえ平和であれば,他のことを顧みない」
という意味での「一国平和主義」という批判が浴びせられた.
 しかし実は,対米べったりの戦後の外交が
「アメリカのことしか考えず,他の国のことを顧みなかった」
ことに国際批判の源があるのだ.

浅井基文 in 『自衛隊をどうするか』(岩波新書,1992/1/21),p.48

 【事実】
 いや,普通に考えてさ,それはおかしいでしょ?
 火事が起きてみんなが消しにかかろうというときに,一人だけ家訓(憲法)をタテにして知らんぷりするようなものだったから,「何そのジコチュー」と批判されたわけで.

 そもそも浅野の言うような
>「アメリカのことしか考えず,他の国のことを顧みなかった」
なんて批判,ソースは何なんでしょうね?
 そんな記憶はありませんし,湾岸戦争関係の書籍にも登場しません(トンデモ反戦の本のことは知らないけどね).

 湾岸戦争のおりに何故
>「アメリカのことしか考えず,他の国のことを顧みなかった」
などという国際批判が日本に来るのか,どうも不自然なのですが.


 【珍説】
体制内部からすでに反米ナショナリズムの傾向を明らかにする多くの人々は,日本の安全保障政策に関しては,対米追随主義ともいうべき流れと反米的ナショナリズムとの間の中間に位置し,今後の日米関係の動向いかんによっていずれの側にも傾く可能性を持っている.

浅井基文 in 『自衛隊をどうするか』(岩波新書,1992/1/21),p.53

 【事実】
 この一節では,親米は論外,日和見も問題とした上で,しかもナショナリズム反米もダメとしているわけですが,つまり,「浅井流反米主義」以外はいかなる対米関係も認めない,ということなのでしょうか.

 【質問】
 以下は本当ですか?

――――――
 ただ「日米同盟」が日本の生命線と構えるのがリアリズムだと,「リアリズム」という「保身主義」の中に逃げ込んで,国民の「戦意」を封じ込めている.

――――――小林よしのり「戦争論」3(2003/7),p.304

 【回答】
 「日米同盟」堅持路線は,それが最善であるという合理主義に基くものであり,保身とは何ら関係ありません.
 それを覆したかったら,他の選択が最善であるという合理的説明が必要です.
「特攻隊員の心に聞け」(p.305,要約)
などというオカルトに走っても,説得力はありません.


 【珍説】
 安倍首相に対する北朝鮮の意見です.

 〔略〕

「美しい国」論を非難 北朝鮮,日本と軍事衝突も
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20061030&j=0026&k=200610302678
----------------------------------------------------ここから引用----
北朝鮮の国営朝鮮中央通信は30日,安倍晋三首相が提唱する国家論「美しい日本」について,「日本の新内閣が本当に美しい国をつくろうとするなら,(対米追従の)悪い癖を直すべきだ」と論評した.
--------------------------------------------------------------------
 朝鮮労働党機関紙も同日の論評で「植民地支配の罪悪を清算しないで,美しい国をうんぬんするのは無意味」と非難.日本が米国の対北朝鮮敵視政策に「便乗」しているため,日朝間では「軍事的衝突が起こり得る険悪な情勢が生まれている」と指摘した.
--------------------------------------------------------------------
 北朝鮮メディアが,安倍首相の国家論を本格的に批判するのは初めて.
--------------------------------------------------------------------
 同通信の論評はまた,日本政府の拉致問題対策本部が16日の初会合で,北朝鮮への追加制裁検討の方針を取りまとめたことにも反発.拉致問題は「既にすべて解決した」とした上で,「拉致問題を騒ぎ執権に成功した日本の当局者たちは,政権維持や保守勢力の結集,米国との同盟関係強化も,同じ手法で実現しようとしている」と批判した.
-----------------------------------------------------引用ここまで---

 拉致問題が「既にすべて解決した」と言っているのは大問題だと思いますが,他の内容は,けっこう当たっているような気がするのですが(笑),そう思いませんか?

あつこば(小林アツシ) in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
>他の内容は,けっこう当たっているような気がするのですが(笑),そう思いませんか?

 思いません.
 どうも初歩的な事実関係が認識できていないようですが.

>「日本の新内閣が本当に美しい国をつくろうとするなら,(対米追従の)悪い癖を直すべきだ」

 日本に選択肢はありません.
 日本が米国に依存せざるをえないのは,誰のせいなのか考えましょう.

>「植民地支配の罪悪を清算しないで,美しい国をうんぬんするのは無意味」

 その交渉を閉ざしたのは誰か考えましょう.
 まぁ個人的には,そんなに朝鮮民族が大事なら.まずはお前の政権が消えろよと言いたいですが.

>日本が米国の対北朝鮮敵視政策に「便乗」しているため,
>日朝間では「軍事的衝突が起こり得る険悪な情勢が生まれている」と指摘した.

 原因と結果が逆ですね.

>「拉致問題を騒ぎ執権に成功した日本の当局者たちは,
>政権維持や保守勢力の結集,米国との同盟関係強化も,
>同じ手法で実現しようとしている」

 馬鹿げてます.
 危機があれば備えるのは当然で,この件で野党は完全に無能だから,自民党に支持が集まっているだけです.
 また同盟強化は当然でしょう,自力で解決する力が無いんですから.

使徒むーちゃ in mixi


 【珍説】
 私は,〔日本が〕アメリカと心中しなきゃいけないってのは,どうにも納得いかないのですが,
 皆さん,それでいいんでしょうか.

あつこば(小林アツシ) in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 誰が心中しなきゃいけないと言ってるんです?

「アメリカと同盟結ぶリスク>アメリカと同盟結ぶことによるリターン」
になったら,日本もアメリカ切り捨てるでしょうよ.
 というか国家ってのはどこもそういうものです.

竹輪 in mixi

 現状としては「米以外の国との同盟」も,「自主防衛」も,どちらも非現実的であるということに過ぎません.
 もし,日米同盟反対を主張したいのであれば,それに替わるグランドデザインを示さなければ,それはただの空想平和主義,空想反米主義でしかないのです.

 もちろん,あまりに頼り過ぎるのは,それはそれで好ましくないのではないか,という議論もあります.
 そこで,まずは自前の偵察衛星を打ち上げたり,自前の国家安全保障会議を持とうとしたりしているのが2007年初頭の日本の状況ですね.

 一方,日米同盟反対を掲げる人々の殆どは同時に,自衛隊増強にも反対しているのですから,わけが分かりません.
 アメリカに頼り過ぎないようにするには,自前の武力を増やさなければならない,というのが当り前の話です.
 その当たり前の事すら分かっていない,というのでは,単なる空想平和主義ですね.
 まあ世間には受け入れられないでしょう.


 【質問】
 これってマジですか?

――――――
「カマヤンの虚業日記」,2008/06/04

 国会方面にいろいろ聞く中で,
「国会議員はアメリカからの要請には全てイエスな人が多い」
という話が出て,
「なぜそうなんでしょうね?」
と尋ねたところ,
「横浜の米軍基地から東京に砲撃されたら日本はアウトだからね」
という返答が来た.
 日本はまだアメリカに占領されている.
 ゆえに日本においてはアメリカならびに米軍の存在はタブーとなる.

――――――

 【回答】
 うそぷーです.
 経済的結びつきが超高いからです.

 艦載砲が届くから占領下,ってのはあまりに強引な理屈に思えるがね.

軍事板


 【珍説】
日本に経済面で負んぶに抱っこ状態のアメリカの面倒を見るための出費

将来的には紙くず程度の価値になる米国債を買い続け,保有し続けるために 数百兆円

為替介入によって将来的には紙くず程度の価値になる米ドルを買い支えて多額のドル資産を保有しつづけるために 100兆円くらい

在日米軍のために多額の出費を強いられ,グァムの米軍基地や米軍再編成のために数兆円

アメリカが世界各地で始める戦争を資金面で支えるために 数十兆円

要するに,800兆円位と言われている日本人の借金の大半は,米国債の購入やドルの買い支えやアメリカの戦争支援のために使われてきた.

早くからアメリカから独立し,アメリカのために使ってきた数百兆円という資金を核武装を含めた自前の軍事抑止力保有のために使っていたら,現在の日本は,こんなていたらくな状態にはなっていなかった.

やすし in mixi,2009年12月22日 00:11
青文字:加筆改修部分

 【事実】
 嘘はいかんよ!嘘は!

 今現在の日本政府の外貨準備額は約1兆1000億ドル(約100兆円),米国債保有額は5800億ドル(53兆円)で,両方合わせても1兆6800億ドル(153兆円).
 どこをどう見ると,日本の国債発行額約800兆円の大半がアメリカの為に使われているのか,教えてくださいな!

 この1兆6800億ドル(153兆円)全てがドルであり,尚且つ120円/1ドルの時に購入したと仮定した場合,為替差損額は約38兆円になるが,残りの115兆円は有効な外貨資産であるのでお間違いなく!

 あくまで簡単な計算のみだが,損益は38兆円程度ということになる.

 それと,日本の国債発行額が多いのは,毎年税収の約二倍にもなる国家予算を組んでいる為で,別にアメリカに貢ぐ為では決してないのだが・・・・

 もういい加減,嘘を吐くのはやめてもらえませんかね~.

 ちなみに現在の米国債引き受け額は,中国が日本を抜いて6500億ドルほどですけどね.

 そもそもお前さんは「国債」が無利子・無期限のものみたいに言ってるけど,米国債にだって償還期限や利子があって,償還期限がきたらアメリカ政府は利子付けて米国債保有者に償還しなきゃいけないわけよ!
 お前さんは無理矢理円換算して,「損している」って言ってるけど,ドル建てのままなら価値は変わってないんだから,そのままドル建てで運用すればいいだけじゃないの?
 それに米国債は,日本の国債と違って利率が高いから,れっきとした優良金融商品として成り立つわけよ!
(当然,アメリカ政府が補償するわけだから,下手な株式よりよっぽど安心)
 だから多くの資本家やファンドが買って所有するのは,当たり前なわけ!

MOTORISTA in mixi,2009年12月22日
青文字:加筆改修部分


 【小林主体思想】(別名:マルチ・スタンダード)

 だが日米同盟を絶対化して,アメリカの行うすべての戦争を支持する親米派の人々も,

小林よしのり in 『SAPIO』 2005/4/13号,p.72

 【事実】
 そんな「親米派」見たこたねえよ.
 出してみせろや,具体例をよ.
 出せねえなら,ただのインチキ・アジテーターと同じだ.


 【質問】
 日米安保条約の「極東条項」は無視されているのか?

 【回答】
 無視はされていない.
 部隊の所属を転属させたり,元から所属を米本土の部隊に残しておき,沖縄の部隊に「運用を移譲する」という形をとっているという.

 詳しくは「航空ファン」 2006年4月号,p.62-63(安達一成著述)を参照されたし.
 この記事において安達は言う.

あえてこうした手続きをする理由は,極東条項への〝配慮〟以外にない.
 となると,このような手続きに際し,日本の働きかけがあったと見るのが妥当ではなかろうか.

p.63

 安達は,反米カラーで知られる新聞,毎日の記者である.
 それがこのような記述をしている以上,信頼性は高いと考えられる.


 【珍説】
 在日米軍は日米安保条約に基づいて日本国に駐留しています.
 そして,沖縄の海兵隊がイラク,ファルージャでの「掃討作戦」に参加しています.
 つまり,日米安保条約は逸脱されているのです.

あつこば(小林アツシ) in mixi
(軍事的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用)

 【事実】
>そして,沖縄の海兵隊がイラク,ファルージャでの「掃討作戦」に参加しています.

 日米安保条約より.

第六条
 日本国の安全に寄与し,並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため,アメリカ合衆国は,その陸軍,空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される.

 海兵隊とは描かれていない.※

 まあ,上記は言葉尻を捉えたジョークだが,〔略〕イラク戦争において,在日米軍の基地から直接何らかの攻撃は行われていない.
 すべて中東に移動してから行われている作戦だ.
 よって本件は日米安保には一切抵触しない.
 Q.E.D.

 あと,BaseとCampの違いが分かると,その意味が見えてくる.
 とりあえずwikipediaくらいは引く努力をしてください.

 海軍や空軍においては,平時に駐在する基地が作戦行動の拠点となる事が多いのに対し,陸軍は移動した先々が作戦行動の拠点となり,平時の基地が作戦行動時に基地とならない事から,特に区別する.

 ちなみに日本語訳では
Base:基地 (海空自衛隊)
Camp:駐屯地(陸上自衛隊)
となる.
 陸上兵力は拠点防御部隊ではないので,そのときそこに「たまたまいただけ」扱いになるということ.
 海兵隊は軍種上は陸上戦闘力(揚陸に特化しているが)なので,基地には所在していないということ.
(仮に基地にいても,彼らにとってはそこは仮住まい)

 理解の役に立ったかな?

Cpt.hige in mixi

 あつこばさんの論理を適用すれば,ベトナム戦争の時点で既に逸脱してる事になりますまいか.
 つか,日米安保のきっかけとなった朝鮮戦争が(ry

肥後守 in mixi

 1975年に発生した「マヤゲス号事件」の際,在沖縄海兵隊が出動しましたが,これがそのときの政府答弁です.
 これをイラクに当てはめると・・・

 沖縄→クウェートへの基地移動
 ↓
イラク展開

 となるわけですので,法解釈では通常の基地移動扱いかと・・・
 もっとも,米軍が基地移動のスケジュールを公開していない,するわけないので,憶測の域を出ませんが・・・

きのさき8号 in mixi

 ※〔海兵隊は〕制度上(軍政上)は海軍省管轄だから.軍令上,海軍とは別の指揮系統を持っている.
 ちなみに本件は英語からの翻訳に伴う紛らわしい表記の一例.

 原文では該当箇所は

For the purpose of contributing to the security of Japan and the maintenance of international peace and security in the Far East, the United States of America is granted the use by its land, air and naval forces of facilities and areas in Japan.

となっている.
 この場合正確な翻訳は,陸軍力,空軍力,海軍力の方がふさわしいのではないかと思われる.
 よって海軍力となった場合,海軍省管轄の海兵隊はそこに含まれるので,なんら矛盾はない.
(海軍の訳語はNavyであり,本件はNaval Forcesである)

Cpt.hige in mixi

以上,mixiより


 【珍説】
 日米安保条約上は,「アメリカは日本に基地をおいてそこから海外に攻撃に行っても良い」とは書いてありませんよ.

あつこば(小林アツシ) in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 同時に禁止されてもいないです.

http://list.room.ne.jp/~lawtext/1960T006.html
第六条(基地の許与)
1 日本国の安全に寄与し,並びに極東における国際の平和及び安全の維持の寄与するため,アメリカ合州国は,その陸軍,空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される.

 まあ,これは重箱の隅なのですが,
「沖縄の米軍がどこそこで活動している」
だから「沖縄は出撃基地だ」
という結論は正しくないのです.

 冷戦後に軍縮を行なったアメリカは兵力が足りず,各地域から,交替で海外に派遣しています.
 もちろん沖縄も例外ではない,ということです.

 さらにこれは豆知識ですが, アメリカ軍は統合運用が進んでいるので,最初に司令部だけを作っておき,必要になったらあちこちから部隊をもってきて,実戦部隊を編成します.
 大まかに言うと,歩兵部隊が3個,戦車部隊が1個,戦闘機部隊が2個必要なら,あっちこっちから,手が空いていて準備が整っている部隊を持ってこれば良い,という感じです.

ポポフ in mixi


 【質問】
 なぜ安保条約第6条に海兵隊の記述が無いのですか?

 【回答】
 制度上(軍政上),海兵隊は海軍省管轄だから.
 軍令上,海軍とは別の指揮系統を持っている.

 ちなみに本件は英語からの翻訳に伴う紛らわしい表記の一例.

 原文では該当箇所は

For the purpose of contributing to the security of Japan and the maintenance of international peace and security in the Far East, the United States of America is granted the use by its land, air and naval forces of facilities and areas in Japan.

となっている.
 この場合,正確な翻訳は,陸軍力,空軍力,海軍力の方がふさわしいのではないかと思われる.
 よって海軍力となった場合,海軍省管轄の海兵隊はそこに含まれるので,なんら矛盾はない.
(海軍の訳語はNavyであり,本件はNaval Forcesである)

 ちなみに日本語訳では
Base:基地 (海空自衛隊)
Camp:駐屯地(陸上自衛隊)
となる.
 陸上兵力は拠点防御部隊ではないので,そのときそこに「たまたまいただけ」扱いになる.
 海兵隊は軍種上は陸上戦闘力(揚陸に特化しているが)なので,基地には所在していないということになる.
(仮に基地にいても,彼らにとってはそこは仮住まい)

Cpt.hige in mixi

 wikipediaを用いて補足すると,

------------------------------------------------------
 海軍や空軍においては,平時に駐在する基地が作戦行動の拠点となる事が多いのに対し,陸軍は移動した先々が作戦行動の拠点となり,平時の基地が作戦行動時に基地とならない事から,特に区別する.
-------------------------------------------------------

といった,陸海空軍の基地を巡るスタンスの違いを理解しておく必要がある.


 【質問】
 日米安保があるなら自衛隊いらないんじゃない?

 【回答】
 クレジットカードだけで暮らせないのと同じ理屈で無理.

 完全に米の軍事力に頼ったとしても,即金が必要な事態はあるわけで.


 【質問】
 有事研究分野では,日本はどの程度アメリカに依存しているのか?

 【回答】
 以下のコラムによれば,殆ど米国に丸投げ状態.

“外交弱小国”日本,「北朝鮮難民」「日米安保破棄」に対処できるか

■有事を想定すること自体がタブーの日本

「日米安保条約が解消された――」
「天皇が中国訪問中に暗殺?―」
「北朝鮮と米軍が戦闘を始めた――」
「北朝鮮が崩壊し,難民が日本へ――」
 こんな危機が現実に起きたら,日本はどうするのか.
 いや,いまの日本ではこうした事態の想定はタブーだといえよう.絶対に起きてはならない事態は口にすると,起きてしまいかねないとするような風潮があって,そういう論議は忌避される.
 この種の安全保障上の危機を仮想することさえ,非難されかねないのが実情のようだ.

 ところがアメリカの日本研究では,以上のような仮想シナリオに基づく危機管理のシミュレーション(模擬演習)が頻繁に実施され,日本がそうした危機にどう対応するかが研究されるのである.
 安全保障というのは,国家にとっても,社会,あるいは家庭にとっても,起きてはならないことを起こさないようにする作業である.自明とさえいえる当然のことだろう.
 起きてはならないことを起こさせないようにするには,もし起きた場合にはどうするかを考えておかねばならない.
 禅問答のような回りくどい表現だが,これこそ安全保障の鉄則である.端的にいえば,「備えあれば,憂いなし」ということだろう.危機管理でも,その危機の現実を知っておくことが効果的な対応や防止の第一歩となる.
 安全保障でも危機管理でも,この原則をまず認識することが不可欠だとされるのだ.

 この点,日本の戦後の安全保障思考は消極的平和主義が基本であり,「備えなければ,憂いなし」に近い.アメリカをはじめとする他の諸国とは対照的な傾向が主流となってきたのだ.
 みずからが軍事や安保にかかわる予防的な措置はとにかく遠ざけ,「平和」を象徴する無防備,非軍事の姿勢を示せば,まわりもそれを理解して,同調してくれる,というのが戦後の日本の考え方だといえる.

■日本に代わって「有事」を研究し尽くす米国

 日本の都市を目がけて,北朝鮮の弾道ミサイルが発射される.中国の人民解放軍が尖閣諸島を侵略する――.こうした事態は決して起きてはならない.
 日本としてそんな攻撃を受けないために日ごろ全力をあげ,北朝鮮や中国に対する外交的,平和的な措置を講じておかねばならない.
 だが,それでも北朝鮮や中国の軍事攻撃が起きたら,どうするのか.そもそも攻撃をかける主体は日本ではない.
 当然ながら,北朝鮮や中国がその決定を最終的には下すのである.日本がいくら嫌がっても,決めるのは他国なのだ.
 だから攻撃を受けうる側は仮想のまた仮想であっても,最悪の事態が起きたことを前提とする対応を考えておかねばならない.
 北朝鮮や中国にそういう攻撃をかける能力がある限り,確率はいくら低くても,起こりうる事態だからだ.

 危機管理のシミュレーションというのも,起きてはならない万が一の事態にどう対処するかを考えておく作業である.アメリカではごくふつうに実施される.
 アメリカでの日本関連の模擬演習でもっとも広く知られているのは,ここ10年ほど,マサチューセッツ工科大学(MIT)の日本研究所が主催している「アジア・太平洋危機シミュレーション」である.
 隔年,開催されるMITのこの危機管理演習は,あくまで日本の対応を推測する日本研究の実技編である.アジア・太平洋地域で日本に影響を及ぼす危機を想定して,日本がどう対処するかを測定する.
 私も招かれて,何度か参加したことがある.

■数日かけて,専門家が徹底分析

 ちょうど10年前の1995年5月のMITシミュレーションでは,97年以降の12年間に――
(1)北朝鮮が経済悪化により内部崩壊して,10万人以上の難民が日本へ向かう一方,北の内部で核兵器数基が発見される
(2)インドネシアでイスラム原理主義勢力が政権を奪取し,日本の進出企業の施設を接収し,日本人多数を人質に取る
――という事態が起きるという設定だった.
 主眼はあくまで日本がどう対応するか,である.
 MIT政治学部の教授で日本研究所の所長のリチャード・サムエルズ氏が全体の進行係で,参加は合計100人以上,日本,アメリカ,中国,インドネシアなど各国の安全保障関連の学者,ジャーナリスト,元官僚,財界人らが各国の大統領,首相,外相,防衛庁長官などという役割を演じる.
 大学のビルの広大な一角を十分に取って,サムエルズ教授を中心とするスタッフが示す仮想の危機シナリオをもとに,日本の「首相」や「外相」「防衛庁長官」「野党党首」らが,その危機に対して実際の措置をとり,態度を表明する.
 その結果はまたコンピューターにインプットされて,新たな事態の展開が示される.

 このときの日本チームは岡崎久彦元駐タイ大使,舛添要一元東大助教授(現参議院議員),クリントン陣営の対日政策顧問のマイク・モチヅキ氏(現ジョージワシントン大学教授),それにジョンズホプキンズ大学の助教授だったマイク・グリーン氏(現国家安全保障会議のアジア上級部長)などという面々だった.
 それぞれが日本側の役割を与えられ,目前の危機への対応策を打ち出すわけだ.
 私も加わり,シミュレーションの出発時点での自民党代表の首相役にされたが,危機への対応が国内で反発を受け,次の総選挙で野に下るというシナリオになってしまった.
 この演習は仮想の12年間をカバーするために3日間も続くのである.

 1997年5月に開かれたMITシミュレーションでは仮想シナリオはさらに刺激的だった.
(1)日米安保条約がアメリカの意向で解消される(イランのバーレーン侵攻やインドネシアとオーストラリアの軍事衝突に対し,アメリカは日本の支援を求めるが,日本は憲法上の制約を理由に拒み続け,アメリカで日本非難が高まった結果,日米同盟の破棄となる)
(2)中国を訪問中の天皇に対し暗殺が試みられる(中国での日本の化学兵器処理が失敗し,中国側に約2000人の死者が出る一方,ちょうど中国を訪れていた日本の天皇への非難が高まり,暗殺事件にまでエスカレートする)
(3)中国とアメリカとが軍事的対決を高める(中国が軍拡を続け,台湾武力併合の構えをいよいよ強めて,アメリカがそれに対抗し,実際の海空部隊を台湾海峡近くに集め,一触即発の軍事緊迫が高まる)
 こうした事態に対して日本がどんな動きをとるかの演習だった.
 このときは2008年からの12年間の危機が想定されていた.
 私はこの97年の演習でも,前半の時期の日本の首相役にさせられたが,
「中国を訪問中の天皇が,中国の退役軍人に暗殺されかかり,日本政府が逮捕された軍人の身柄引き渡しを中国当局に求めたところ,中国側は拒んで,その軍人をすぐ処刑してしまう」
などという想定に日本政府としてどう対処するかなど,いくら仮想とはいえ,身がすくむ思いをさせられた.

古森義久 from "nikkeibp.jp SafetyJapan" 2005/8/30
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/flash/394554
http://nikkeibp.jp/sj2005/column/i/05/

 なお,小川和久によれば,日本には独立自営のシンクタンクが存在せず,紐付きのものしかないので,危機管理のシミュレーション以前に,完全に客観的な立場での戦略分析がそもそもできない,という.
 同氏著「頭脳なき国家の悲劇」を参照されたし.


 【質問】
 「2プラス2」って何?

 【回答】
(1)
 日米間で軍事問題を討議するための,外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会のこと.
 必要に応じて不定期に会合し,「日米防衛協力のための新指針」(新ガイドライン)や「再編実施のための日米ロードマップ」をとりまとめるなどした.
 米軍再編を主導してきたラムズフェルド前米国防長官の解任や,久間防衛相の対米批判連発以降,あまり機能していない模様.

 なお,日米安全保障問題に限らず,2カ国間で複数の閣僚・事務次官が参加する会議は,「2プラス2」と呼ばれることがある.
 例えばMDに関する2008.3.18の,米露外務・国防担当閣僚による会合も,「2プラス2」と呼ばれた.
 当時の記事を参照されたし.

(2)
 4

(3)
 「戦術君」の掲げていたスケッチブックに,よくあった常套句.
 戦術君追悼Flash

 【参考ページ】
http://www.sakigake.jp/p/manabu/y2005/news/news_07.jsp
http://www.election.ne.jp/10375/1326.html
http://www.mofa.go.jp/Mofaj/area/usa/hosho/kyogi.html

【ぐんじさんぎょう】,2008/12/3 21:00
を加筆修正


 【質問】
 本来仮想敵国とは友好的,非友好的を問わず自国を侵略する能力を有する国の事だと,何かの本に書いてあったのですが本当ですか?
 この場合,現代の日本はアメリカも仮想敵国と見なすべきなのですか?

 【回答】
 その通りです.
 実際にアメリカが日本を攻撃する意志を持つか,あるいは,侵攻してきたとして防ぐことが可能か,はまた別問題として,ね.
 なぜって,友好関係や同盟関係なんて明日ひっくり返らないとも限らない.
 相手が侵攻してきてから「まさか攻めてくるとは思いませんでした」なんて言うのは阿呆(…なんだけど,そういう事例はいっぱいあったりする).
 んでもって,アメリカが日米安保を破棄して日本を直接統治しようと思う可能性だってゼロじゃない.

 ただ,それを視野にいれた軍備拡張・既存戦力の配備・外交戦略の転換などはすさまじく非現実的.
 「仮想敵国」だっていろいろあるんであって,一緒くたにするもんじゃないよ.
 現実的に脅威度が高いところから,ちゃんと処理を考えていかないで
「アメリカも敵じゃー! 対アメリカ防衛が必要なんじゃよー!」
と言ってもしょうがない.


 【珍説】
 オイラは〔日本にとって〕一番の脅威はアメリカだと思ってます.
 軍事力は何てったってダントツの世界No1.
 地球の裏側にだって侵略する強い意志も持っています.

>「今」は在日米軍基地がありますから,日本を軍事的にどうこうする必要がないですよね.

 でも,ある意味何でも出来る,っていう側面もあるヨ.
 30年間も数千億円の思いやり予算を払い続け,米軍がグアムに行くのにその経費の75%も持たされる,っての見ると本当に脅威だと思うわ.
 軍事的支配というのは結局経済的支配のためにやるもんですよね.そういう意味では完全に支配されているよね.日本はアメリカに.
 長い目で見たときに本当にこのままでいいのかね・・・.

タケル in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
 しかし,北朝鮮のもたらす脅威とは質が違います.

 北朝鮮は「平壌合意」という話し合いの結果を無視しました.連中は話し合いもできんのですよ.

ゆきかぜまる in mixi

 タケルさんは,軍事力.この一点のみを取って,脅威というものを考察されているようですね.
 たしかに米軍は,世界の過半数の軍事力を保持していると言われ(公式な数字からみてと言う意味などで,正しい発表をしない中国軍事力などは,10分1以上過小評価されているという.),世界一の脅威でしょう.
 しかし,強大な軍事力を持つアメリカは日本経済を一部左右しる力をもっていますが,同時に日本に経済的に大きく依存しているとも言えます.
 たとえば,アメリカは国債の多くを日本政府に握られていますし,アメリカ人投資家は日本に資産を置いている場合も近年急増しています(その逆も).
 このことを鑑みると,アメリカはまず,経済の日本依存を断ち切らない限り容易に攻撃態勢には突入できないことになります.
 歴史的な流れの中で今後どうなるかは分かりませんが,このことから考えると,中国や朝鮮二国のように差し迫りつつある脅威とは全く違うと言えるでしょう.
 もし,それでもアメリカが攻めてくると言われるならば,マクロ経済学的に私にアメリカが日本に依存していないと証明して下さればよろしいかと思います.

たかk in mixi


 【珍説】
758 名前: 名無し三等兵 投稿日: 2008/08/20(水) 18:57:56 ID:JZn7DcCq
>>751
リチャードコシミズという信頼できる人から聞いたんだが
まあ日本を支配しているユダヤ米国を同盟国だと
思ってる奴なんて賎民ぐらいなもんですW
中国の毒餃子だってアメリカの諜報機関犯人説もあるというのにWWW

 【事実】
>リチャードコシミズ

  /'           !   ━━┓┃┃
-‐'―ニ二二二二ニ>ヽ、    ┃   ━━━━━━━━
ァ   /,,ィ=-;;,,, , ,,_ ト-、 )    ┃               ┃┃┃
'   Y  ー==j 〈,,二,゙ !  )    。                  ┛
ゝ.  {、  - ,. ヾ "^ }  } ゚ 。
   )  ,. ‘-,,'   ≦ 三
ゞ, ∧ヾ  ゝ'゚       ≦ 三 ゚。 ゚
'=-/ ヽ゚ 。≧         三 ==-
/ |ヽ  \-ァ,          ≧=- .
  ! \  イレ,、         >三  。゚ ・ ゚
  |   >≦`Vヾ        ヾ ≧
  〉 ,く 。゚ /。・イハ 、、     `ミ 。 ゚ 。 ・

 え?
 ろくに情報が出ていないときに脳内ソースだけでユダヤテロとか言い出したり,純粋水爆なんていう夢の技術を用いたと寝言ほざいてみたりする人が何ですって?

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 最近の新聞,読売新聞だったでしょうか?
 それによると,日本を軍事的に脅威だと感じてるアメリカ人が35%位いました.
 自分は正直,何でこんなに高いのか!?と驚きました.
 なんでアメリカ人は日本人に,こんなに軍事的な脅威を感じてるんですか?

 【回答】
 通常,自国以外の全ての国家は潜在的に仮想敵国と成っています.

 日米同盟があっても尚,亜米利加と日本の安全保障は片務的である,との批判もあり,日本が亜米利加の意図を無視して軍事行動などを起こす可能性が「ゼロではない」と言う意味において,亜米利加人の一部が日本に軍事的な脅威を感じる事は極自然であり,当然持って然るべき警戒心です.

 それは事実関係として,日本にその意図があるかどうかは無関係で,ただ「起こりうる危機」に対応しようと備える為の心構えのようなもので,これは日本人には理解し難いメンタリティではあります.

三等自営業 ◆LiXVy0DO8s in 軍事板
青文字:加筆改修部分

 しかも,自国に次ぐ世界第二の経済大国であり,爺さんの代にはガチで戦った国だぜ?
 日米同盟があるだけで盲信できると思う方が不思議だ.
 平和ボケした日本人の感覚で考えちゃいかんよ.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
「アメリカは血の結束で繋がった大金持ちの血族集団(=奥の院)によって全てがコントロールされていて,彼らマネージャーに奉仕するワーカーを養成すべく作られているのがアメリカの大学・大学院.
 彼ら『奥の院』の指示の下,世界を分割差配するサブマネージャー国家(ドイツ,英国,中国),更にその下に,それら国家に奉仕させられ,国富を奪われるワーカー国家というのがあって,日本はこのワーカー国家だ」
(原田武夫著「『NO』と言える国家」,ビジネス社,2006.6)
というのは本当ですか?

 【回答】
 これについては,以下のような文章を見付けたので,貼っておく.

 〔略〕
 まず,アメリカが「奥の院」に支配されているというものの見方だが,これは広瀬隆の本の読みすぎだろう.
 中公新書「華族」という優れた本があるが,血族支配なんて,大体どこの国でもこの本に書いてあるようなことが実態で,「支配」なんて幻想なんだな.
 それに,アメリカの大学院が「親米派育成装置」なのは,アメリカの社会とアメリカの高等教育機関が優れているからこそ出来ることであって,その優秀さを証明しているに過ぎない.
 国費を使って幾らロシアに留学させても,その連中がそろいもそろって「反露派」になってしまうロシアの現状を見れば,そのコントラストは一目瞭然である.

 世界をマネージャー国家=米国,サブマネージャー国家(英国,ドイツ,ロシア,中国),ワーカー国家(日本等)に分類すること自体,お笑いだが,日本が騙されてワーカー国家に成り下がって,その結果,日本のGDPが欧州のどの国と比べても2倍以上となり,有史以来最高の繁栄状態に今の日本があることを思うと,騙されるのも悪くないなあとさえ思ってしまうのは私だけだろうか.

 原田君は「ドイツを見習え」と繰り返し叫ぶが,原田君は知らないだろうから教えてやるが,先年,経団連の奥田会長がドイツを訪問したとき,
「ドイツの新聞・経済誌はドイツの現状をどのように描いているか」
調べさせたんだそうである.
 そうしたら,ドイツ人はドイツの将来を総悲観しており,「ドイツはお先真っ暗」と絶望していたんだそうな.
 なら,ドイツ人はどうしたら良いのかというと,ドイツの新聞・経済誌曰く「日本を見習え」とのご託宣.
 ドイツ人から見ると,日本人は休日出勤も厭わず,単身赴任も嬉々として受け入れ,強力な柔軟性と勤勉性を維持しており,アメリカと並び21世紀を勝ち抜く最強国家なんだそうだ.
 先日も土曜日の「ウェークアップ」で,反米音頭を得々と説く原田君を塩ジイが,「この大バカモノ!」とどやしつけていた.
 どやしつけたくなったのは,塩ジイばかりではあるまい.

塩津計 in bk1,2006/08/27/19:34:03
(転載許可取得済み)

 原田武夫は確か,北韓外交の人で,経済は畑違いだと思うんだが.
 ホームページ見ても,すっかりアメリカ陰謀論に染まっちゃってるし.
 日本の教育論争まで「アメリカに操られてる」とか言っちゃってるようじゃなあ……
 どうしちゃったんだろ?


 【珍説】
 海外演習の機会を〔自衛隊が〕増やすことは,武力攻撃事態や周辺事態を超えた海外における日米軍事協力の拡大のために,大きな意味を持つ.
 既に2006年1月,約200人の陸上自衛隊員がサンディエゴ(カルフォルニア州)で米海兵隊員から対テロ訓練を受けたことが報道されている.

梅林宏道著「米軍再編」 (岩波ブックレット,2006/5/30),p.50

 【事実】
 前後の文章に繋がりがありません.
 海兵隊から対テロ訓練を受けたことが,なぜ「武力攻撃事態や周辺事態を超えた海外における日米軍事協力の拡大」の証拠になるというのか,全く理解できません.
 これまで自衛隊では対テロ訓練など皆無に等しかったのですよ.
 対テロ戦術に長けた誰かに教わる必要がある.
 日本には,そのような「対テロ戦術に長けた」存在はない.
 ならば,外国の部隊に教えてもらおう,ということになるのは,ごく当然の発想のはずですが.
 幕末日本~明治新政府だって,最初は外国から色々教えてもらったでしょ?

 いったい,いつからピース・デポは攘夷思想の徒となったので?(笑)
 平成の生麦事件など起こさないように願いますよ.


 【珍説】
 となれば結論は明白である.
 つまり,「日本もグローバルな脅威がもたらす事態への対応能力を維持する」ことになる.
 すなわち日本は,米軍の世界再編への原動力となった「非正規戦争時代にグローバルに対応する米軍トランスフォーメーション」と同じ論理で,能力を開発し,維持し,協力することに原則合意したのだ.
 「弾道ミサイル(BMD)における協力」はその典型である.
 日本においては,この日米合意は間違いなく,自衛隊の海外派遣に対する一般法の制定のための伏線となる.

梅林宏道著「米軍再編」 (岩波ブックレット,2006/5/30),p.

 【事実】
 そもそも「グローバルな脅威」というのが何を指すのか,分かっていないんじゃないかな?
 まず米国が2006年現在憂慮している脅威ってのは要するに
(1)テロリストによるWNDテロ
(2)中国の覇権主義
なわけ(森本敏著「米軍再編と在日米軍」文春新書,第1章参照).

 そんで,グローバルってんだから(1)の意味でしょ,グローバルな脅威ってのは.
 だから
「日本もグローバルな脅威がもたらす事態への対応能力を維持する」
というのは,ぶっちゃけ
「日本も本腰入れてWMDテロ対策します」
ってな話なわけ.
 小川和久によれば,まだまだ心元ないレベルだそうだしね,日本のテロ対策は.

 で,これって何か問題?
 テロ対策するのは,ほんとだったらアメリカに言われる前にやらなきゃならないはずだよね.
 それを「『米軍トランスフォーメーション』と同じ論理」って騒ぐのは,飛躍しすぎだと思うよ.
 自衛隊が,米軍のようにテロリストの拠点まで出かけていってそこを叩き潰す,という能力を持っているわけでもないし.
 それどころか,日本国内に着上陸したゲリラ・コマンドに対処できるような能力を持とうと,慌てて方向転換しているような現状だしね.

 それと,
 「弾道ミサイル(BMD)における協力」
は,米軍再編とは別の話でしょ.北韓のミサイルにどう対処するかって話の中から出てきたことなんだから.

 余談だけど,反戦の人たちの中にBMDを目の敵にする連中がいるのは何でなのかな? 要するにこれは盾なんだけどね.盾も反対ってのは,非武装中立という夢想のなごりなのかな?

 自衛隊の海外派遣論議も,米軍再編とは無関係に出てきた話だよね.
 湾岸戦争やカンボジアPKOのときの「カネだけ出して人を出さない国際貢献ってバカにされるだけなんじゃね?」という議論から出てきたものなんだから.

 それにしても,無関係なものを強引に結びつけて「軍靴の足音が聞こえます!」みたいに煽る文章も,もう見飽きたなあ.
 しかも簡単にバレるレベルのアジテーションだし.
 昔の岩波なら,同じアジテーションにしてももっと上手くやってたもんだけど.
 岩波,劣化した?

written by ジャッカル(うそ)


 【質問】
 アメリカから日本に対する軍事上の要求には,これまでどんなものがあったの?

 【回答】
・1981年3月のワインバーガー国防長官発言
「グアム以西,フィリピン以北」の海上防衛を日本が分担するよう要請

・1981年6月の第一三回日米安保事務レベル協議での米側要求
「ソ連は欧州,中東,極東の三正面で同時に侵攻できる体制を整えた.中東有事の際には米太平洋軍を中東へスイングさせねばならず,その穴は日本の独自努力で埋めて欲しい」として,日本の1千カイリ防衛に必要な防衛力として
1:ミサイル護衛艦70隻,潜水艦25隻,固定翼対潜哨戒機125機
2:迎撃戦闘機14個飛行隊・約350機,早期警戒機2個飛行隊・約20機,輸送機(機雷敷設を兼用)5個飛行隊・約60機
3:地対空ミサイル「パトリオット」の導入,弾薬備蓄(ミサイル・機雷・魚雷含む)60日から90日分
の整備を求めた.

 参考:1976年10月29日に定められた防衛大綱別表に記された兵力は以下の通り.

1:陸上自衛隊は一二個普通科師団,一個機械化師団など計一八万人
2:海上自衛隊は四個護衛隊群,六個潜水艦隊(潜水隊?),二個掃海隊群など水上艦艇約六〇隻,一六個対潜機隊約二二〇機
3:航空自衛隊は一〇個要撃飛行隊,三個支援戦闘飛行隊,三個輸送飛行隊,二八個警戒群,六個高射群など作戦機約四三〇機

 んで,最終的にどうなったのかはご存知の通りなのですが以下略.
 100%達成した要求は,3:のパトリオット導入だけなんだろうなぁ.弾薬備蓄はどーか分からんから言いようが無いし.

1:の要求の多さにビックリ.
 護衛艦70隻って最盛期の護衛艦数より10隻多いのだし,潜水艦25隻ってことは,教育分抜いて現状+9隻.
2:は2:で,あと支援戦闘飛行隊回しても,最低1個飛行隊の増設が必要だし,輸送機は輸送機で+2個飛行隊必要.

 まぁ,79年のソ連軍アフガン侵攻を,中東産油地帯とインド洋への進出を模索し始めた兆候として米が危機感募らせてたから,かなぁ.要求の前提は.

邪夢 in mixi,2008年02月27日16:37


 【質問】
 日米安保は日本がただ乗りしているという批判がなされることがあるけど,日本が独立した体制で国防に参加させないようにしてきたのはむしろアメリカのほうなのであって,もし日本側が進んでやるようになると,アメリカの方が慌てるのではないでしょうか?
 マイケル・グリーンとか,日米安保に関わっている人のインタビュー記事を見ると,内心では日本が動き出すことを嫌がっているように感じます.

軍服隊長 in 軍事板

 【回答】
 日本がアジアのパワーバランスを崩す過剰な軍拡を進めればと言う仮定でなら肯定するが,それは現実的ではない.
 彼等の真意は別にある.

 彼等が望んでいるのは冷戦時に米国が日本を守る一方的な関係ではなく,日米がmutual national interest(相互の国益)を守ると言う事である.

 米国は日本が基地の提供にとどまらず,極東有事の際に実際に行動出来ることを望んでいる.
 その理由として,将来朝鮮半島が統一された場合,統一朝鮮が駐留米軍の削減を求める可能性があり,極東に於ける米軍のプレゼンスが減少した場合に於いても,日本の防衛力でアジアのパワーバランスの安定化を図るためである.

 米国は日本に対し,双務的な同盟関係を求めているが,これは主として「日本側の政治的事情」から早急には無理であり,現段階に於いては周辺地域有事の際に,日本が後方支援という形で米国に対する防衛協力を行う事のみ求めている.
 具体的には97年に日米が合意したガイドラインがその一例であり,日米同盟関係が双務的なものに生まれ変わる最初の一歩であるというのが,日米共通の認識である.

 M.Greenが日本に求めているのは双務化の第一段階として,紛争当事国領内における後方支援が出来ることであり,決して最終目標を米国のsubsystemとしての後方支援に置いている訳ではない.
 むしろ,最終的に日本が集団的自衛権を行使し,積極的に極東地域の安定に寄与する事を望んでいる.

 日本の積極的な地域安全保障への関与により極東の安定が確保された場合,米国は遠い将来的に極東への米軍駐留規模・駐留費用を削減できる.
 これは米国の利益にかなったものである.

追加@海 in 軍事板


 【珍説】
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20080512
 〔略〕
 以下は陰謀論なんだけど,2000年に沖縄でサミットが行なわれたとき,小渕恵三はクリントンに何か要求するための伏線を張ろうとしていたように私は思うんだよね.
 たとえば米軍撤退の要求みたいな.
 それを気に入らない勢力が小渕恵三を殺して(小渕恵三の死に方は変だったでしょ?),阿呆でアメリカの言いなりな森喜朗に挿げ替えて(森喜朗の就任は謀略的だったでしょ?),全然意味のないサミットに変えたんじゃないかなあ,と想像しているんだけど,どんなもんだろうね.
 この程度のことはありえると思うんだけど,

(軍事板に転載)

 【事実】
 (爆笑).微塵もありえません(笑).

 第1に,米軍撤退を要求するからには,その代替案を考えなければなりませんが,それには国防予算を何倍増にもしなければ間に合うものではありません.
 小渕政権時代には,その痕跡すら伺えません.

 「小渕恵三の死に方が変だった」という点についても,何の根拠もありません.
 佐野真一著『凡宰伝』(文藝春秋,2000.5)によれば,ブッチホンを始めとして,猛烈な過労状態が続いていたそうです.
 意識を失って床に伏す毎日だったそうですから,よほど頑丈な人間でない限り,早死にしても不自然ではないでしょう.

 結局,同記事はデマ以外の何物でもありません.
 想像なら何を言っても許されるというものではありません.
 このブログ主は塾講師だそうですが,人にものを教える前に,自ら学ばねばならないことがあるようですね.


 【質問】
 21世紀に入ってからの,日米関係の危機の原因は?

 【回答】
 森本敏によれば,日米双方に原因があるという.
 アメリカ側の原因は,ブッシュ政権の単独行動主義や,北韓へのテロ支援国家解除などのミス・マネジメントであり,それに対する反米感情が高まったという.
 一方,日本側の原因は,自分は犠牲を払うことなく,国内政治を理由にアメリカの要請は断るが,その一方で,必要とすれば依頼したり要求したりすうる,同盟問題に対する場当たり的な態度であるという.
 たとえば,アフ【ガ】ーニスタンでの活動について,アメリカは日本に各種の協力を要請してきたが,日本は全く動く気配がなかったり,日本側の消極的態度のために,極東における米軍再編が進んでいなかったり,HNS減額要求をして国防総省を失望させたり,さらに,停滞したままの集団的自衛権問題や国家安全保障会議問題,防衛省の情報管理,防衛費や防衛力整備などにも,アメリカは不満を持っているという.

 詳しくは『オバマで変わるアメリカ』(アスペクト,2009.3.13),p.88-90を参照されたし.


 【質問】
 民主党は「対等な日米同盟」を掲げるが,これは日米関係にどう影響するだろうか?

 【回答】
 ジョセフ・ナイは以下のように述べている.

――――――
 それが何を意味するのかは明確ではないし,選挙キャンペーンと政権有縁英では大きな違いがある.
 実際,どうなるかを見るまでは判断が難しい.

――――――読売新聞(大阪版)9/1朝刊13面
(邪夢@蛸神教 in mixi,2009年09月01日23:52より孫引き)

 他方,古森義久のように,盛んに日米関係の行く末を危惧する意見を発している者もいる.

 まあ実際のところは,事実上の政権のトップである小沢一郎が,実は議論や恫喝に弱いという可能性が比較的高いので,アメリカの恫喝には一たまりもないだろうと愚考する.

▼  【追記】
 あーあ.
 何が「緊密な日米同盟」なんだか.

――――――
鳩山外交,はや火種 インド洋給油,米が継続求める

「いつも言っている話だ.役所だから今まで言っていることは変えられないんだろう」.
 民主党幹部は10日夜,米国防総省の報道官が来年1月以降も給油活動を継続するよう日本側に促したことについて,こう分析してみせた
――――――

ゆきかぜまる in 「軍事板常見問題 mixi支隊」,2009年09月12日 05:14


 【質問】
 「対等な日米関係」とは?

 【回答】
 これは人によって様々な解釈があるだろうが,例えば佐々淳行によれば,
・「集団的自衛権」の内閣法制局解釈を改め,日米安保条約第5条を攻守同盟に変え,第6条の基地提供,思いやり予算など,世界に例のない条約上の義務としてのホスト・ネーション・サポート(駐留国支援)を軽減しなければならない.※
・オバマ大統領に「核の傘」についてのコミットメント(確約)をはっきりと求めるべき
だという.

 それ以上を望のは,軍事力にて圧倒的に差がある以上,高望みというものだろう.

 【参考ページ】
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/1272203/

▼ まあ,日本が普段から米国の同盟国としてふさわしいだけの軍事的役割を果たすようにすれば,米国も日本をむげには出来ないだろう.

 ちなみに世界標準で言うと,軍事予算はGDP比3~4%.
 一方,日本は1%しか使っていなく普通じゃない.
 これは足りない分をアメリカに肩代わりしてもらってるから.
 日本もGDP3~4%まで軍事費を引き上げる努力をすれば,対等なパートナーとして認めてもらえるかもね.

 ちなみに3~4%っていうと12~16兆で,国の税収の3~40%ってところだな.

軍事板,2010/02/11(木)
青文字:加筆改修部分

 以下随時,収集・追加予定.

※実際は他国にもある

 【質問】
 21世紀以降,日米同盟を立て直すには,どのようにすべきだろうか?

 【回答】
 これには様々な考え方があるだろうが,まず最初に森本敏の主張を紹介したい.

 彼によれば,日本がアメリカの不測を補完するという従属的な同盟関係から,日米双方が同盟協力なしではやっていけない存在に発展することを目標とした,主体性の強い同盟関係に変えるべきだという.
 そのためには日本はまず,国家安全保障会議を設置し,国益の定義と国家戦略構築の枠組を構成することだという.
 次いで,国際社会安定のために日本が取り組むべき方針と方策を確立すべきだという.
 第3には,緊密な同盟協力を可能とする制度・機構・インフラを確立し,同盟国として価値観と国益を共有できる分野については,コストと犠牲を払ってでも共同活動を行うために最大限努力すべしとしている.
 第4には,日本が危機管理に独力で対応できる防衛力を構築し,日米防衛協力なくしてはやっていけない場合を,国家存亡時に限るようにすべしと主張している.
 さらに対中戦略では,アメリカの進める関与戦略とヘッジ戦略に同調し,協力すべしと述べている.

 詳しくは,『オバマで変わるアメリカ』(アスペクト,2009.3.13),p.91-94を参照されたし.

 以下随時,収集・追加予定.


 【質問】
 日米同盟強化は日支関係悪化を招く,と中共が警告したそうですが.

 【回答】
1.2010.2.26に中共国防部は,
「軍事力強化を図る中共に対抗するには,日米同盟強化に向けた努力が必要」
とするわが政治家の最近の発言を取り上げ,
「中共政府の日本政府への信頼を損なうもの」
と警告した.

1.わが政治家の発言には,わが政府が,日米同盟を新たなステージに引き上げる決心をしたことが背景にあるとされる.
 中共は探りを入れてきた模様.

1.国防部報道官の黄雪平上級大佐が
「日支の戦略安保関係はこれまで前向きに発展してきた.
 このような発言は両国間の相互信頼関係に大きな打撃を与える」
と定例会見で警告したもの.

⇒中共は,常に同じパターンで内政干渉します.
 予想通りというところでしょう.
「日本社会党[現在の社民党]が賛成することすべてに反対しておけば,とりあえずわが国の安泰は保障される」
という正鵠を射た言葉がありますが,中共についても同じことが言えますね.

おきらく軍事研究会,平成22年(2010年)3月1日(月)
青文字:加筆改修部分


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