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◆◆WMD(大量破壊兵器)
<◆イラク 目次
<中近東FAQ目次
(画像掲示板より引用)
「VOR」◆(2013/03/18) MI-6とCIAはイラク攻撃前に大量破壊兵器が存在しないことを知っていた
「WP」:Hussein Pointed to Iranian Threat――Specter of Arms Allowed Him to Appear Strong, He Told U.S.
「駐日米国大使館」:国連安保理決議に対するサダム・フセインの抵抗
【質問】
イラクの生物兵器開発は,いつ頃から始められたか?
【回答】
吉田一彦〔第2次大戦情報戦史家〕によれば,以下の通り.
1972年,イラクは生物兵器協定に調印したが,1979年に政権の座に着いたフセイン大統領は,それを批准することなく,1981年,秘密裏に生物兵器を開発する決定を下した.
そして,バグダッドの南,25マイルにあるサルマンパクに秘密の研究所を建設,技術研究センターという政府機関の管轄下に置いている.
ここにイラクの選りすぐりの生化学者をフセイン大統領は集め,広範囲に及ぶ攻撃型生物兵器開発に乗り出した.
集められた生化学者の中には,西側情報基間によって「ドクター病原菌」とか「毒性タハ」との異名を奉られているリハブ・タハ博士も混じっていた.彼女はイギリス,ノーウィッチにあるイーストアングリア大学のジョン・イネス研究所で博士号を獲得した微生物学者である.
イラクの生物兵器開発計画に含まれていたのは,炭疽菌・ボツリヌス毒素・コレラ・ペスト・サルモネラ・リシン・葡萄球菌・エンテロトキシン・アフラトキシンなどであり,「中東において最も規模が大きく,最も進んだ生物戦計画」という評価だった.
生物兵器生産は,砂漠の奥深くにあるアル・ハカムで行われた.
湾岸戦争が開始された1990年までに,このアル・ハカムの生産工場は,年間1300ガロンの凝縮ボツリヌス菌と1800ガロンの炭疽菌を作り出していたが,生産余力はまだ充分に残されていた.
また別のところでは,小規模ながらペスト菌生産も行われていた.
湾岸戦争で多国籍軍の爆弾が,このペスト菌保管所に命中したら大変だと心配していたのは,多国籍軍司令部ばかりではなかった.実は,イラク軍首脳部も極度の恐れを抱いていたのだった.
イギリスは,参戦兵士にペストのワクチンを投与する決定を下している.
湾岸戦争開始直前の1991年1月の時点で,生物化学兵器を搭載した爆弾並びにミサイルの弾頭が,サウディアラビアとイスラエルの隣接したイラク空軍基地4ヶ所に配備された.
アメリカとイスラエルの核攻撃によってバクダッドとの通信が途絶した場合には,時を失せず,それらを使用すべしとの命令が基地司令官に伝達されていた.
しかし,これらの兵器が実戦で使用される事はなかった.
(吉田一彦〔第2次大戦情報戦史家〕 from 「疫病最終戦争」,
ビジネス社,2001/12/20,p.68-69, 抜粋要約)
【質問】
湾岸戦争時,イラクはどんな生物兵器をどれだけ保有していたか?
【回答】
吉田一彦〔第2次大戦情報戦史家〕によれば,以下の通り.
アンソニー・レイクの「6つの悪夢 6 Nightmares」,31項によれば,
・炭疽菌 2245ガロン
・ボツリヌス菌 5125ガロン
・VXガス 4千kg
国連と区別委員会 United Nations Special Commission on Iraq = UNSCOM による査察は,度重なるイラク側の妨害に出くわし,1998年には査察中止の事態に至った.それにより,上記兵器の行方が分からなくなった.
この他に行方知れずになっているものに
・細菌兵器を装填した航空機用爆弾が,少なくとも157発.
・細菌兵器を装備した弾頭つきのミサイルが,少なくとも25基.
・化学兵器を装填した各種弾薬が3万発以上
・前駆物質 precursor chemicals が4千t.
このリストを見ただけでも,並々ならぬ決意でイラクが生物化学兵器開発に取り組んでいたことが分かる.
(吉田一彦〔第2次大戦情報戦史家〕 from 「疫病最終戦争」,
ビジネス社,2001/12/20,p.67, 抜粋要約)
【怪説】
大量破壊兵器は,湾岸戦争後の査察で大部分が破棄されている.
スコット・リッター Scott Ritter 氏によれば,90〜95%は破棄されているとのこと.
ブリクス Hans Blix 委員長も,今年2月頃未解決の問題としてあげていたのは30項目ほどで,かつてのイラクの保持していた武器からみれば一部だといっていいのでは?
イスラエルを攻撃した,かの有名なスカッド・ミサイルなどは,全て廃棄されている.
【事実】
スコット・リッター氏といえば,米国在住元国連主任査察官で,,日本を始め,世界中のテレビに出演してイラクを擁護し,反米派最強の味方になっていたが,最近になってフセインから40万ドル受け取っていたことがわかり,卑怯者扱いにされていることはご存知かな?
にも拘らず米国政府は寛容だな.さすが,自由の国だ.
http://www.worldtimes.co.jp/itenews/sample/2003/030504/04men/hired.html
(リンク切れのときはこちらへ)
(また,04年4月には,アル・カファジがスコット・リッターへの贈賄の事実を認めている)
「90〜95%は破棄されている」というのは,彼の都合のいい憶測であって,確認されたわけではない.
ブリクス委員長は,化学兵器3万発とか1千トン,生物兵器数千リットルとかが,廃棄された確認ができていないと言ってたね.
テロには十分な量だ.
ブリクス委員長は,自分たちの出る幕がなくなり,最近はつんぼ桟敷におかれて批判めいたことを言ってるようだが,以前の国連報告との辻褄を合わせるために,
「フセインは自分を皇帝と思い込んだところがあって,力を示すために大量破壊兵器の存在を仄めかしていたのではないか」
などと言っている.
それとて裏を返せば,米国が武力行使に踏み切るに足る危険性を感じるのも無理はない,と言ってるようなもの.
http://www.imd-g.com/Debate_on_Iraq.htm
【珍説】
'02年11月8日に国連安保理が満場一致で採択した決議1441号を,フセイン政権は無条件に受け入れた.
【事実】
実際には,色々条件をつけているという.
以下引用.
「13日にナジ・サブリ外相が,国連のアナン事務総長に提出した回答書簡では,ブッシュ大統領を『暴君』,ブレア首相を『従僕』と呼び,さらに『悪の枢軸』に倣い,決議1441号を『邪悪な内容』としつつも,イラク国民に危害を与えないようにするため,『決議に対処する』となっている.
つまり,イラク側は大量破壊兵器の査察制度を強化した決議1441号を『受諾』したという表現はとっておらず,UNMOVIC(国連監視検証査察委員会)の査察についても,『行動を注視する』と述べており,明確な無条件受け入れではないということに注意すべきである.
決議1441号では,採択から30日以内(12月8日まで)に大量破壊兵器(NBC兵器・弾道ミサイル)の開発計画の全容を,安保理に申告しなければならないことになっている.
しかしイラクは,データ整理の時間がない『邪悪な内容』の決議であることを理由に,期限延長を求めるなどしている」
(恵谷治 from "SAPIO" '02 Dec. 11)
国連安全保障理事会決議1441(全訳はこちら)より抜粋
六七八決議は,一九九〇年八月二日の六六〇決議やそれ以降のすべての関連する決議を支持,実行し,その地域に国際の平和と安全を回復するため,国連加盟国にあらゆる手段を行使する権限を与えたことを想起し,
国連憲章第七章にのっとって行動し,
※国連憲章第七章とは「平和に対する脅威,平和の破壊及び侵略行為に関する行動」
13,これに関連し,安全保障理事会がイラクに対し,義務違反が続けば同国は重大な結果に直面するであろうと,再三警告してきたことを想起する.
【珍説】
フランス,ロシア等が決議1441の要件を満たしたと認めず,査察の延長を主張した以上,一方的に期限を設定し攻撃したブッシュの勇み足は免れようがない.
【事実】
査察の延長によって憂慮されていた核兵器が開発されてしまえば,国際社会はイラクに対して武力制裁が簡単にできなくなります.
また,過去虐殺事件で実際に使用された大量破壊兵器についても,現在に至るまで所在が判明していないものがまだありますからね.
これはどこに行ったのでしょうか? クルド人の圧殺に全て使用されたのですか? それとも他のテロ支援国家に持ち出されたのでしょうか?
そうであればそれで由々しき問題ですが,そのような報告は査察団によってなされていませんし,彼らの目的の一つに,この大量破壊兵器の発見と無力化と言うのもあったわけですが,時間切れが来るまでそれすら満足にできていませんでした.
つまり,そこまで周到に隠蔽されているというわけです.
追い詰められたフセインがイラクや周辺諸国へ,これら発見されなかった大量破壊兵器の使用を恫喝材料にして強硬な要求を行う可能性のほうが高いのですから,フセインは大量破壊兵器を廃棄した確証を査察団に明示する必要があったという事です.
これは北朝鮮にも言えることですがね.
対テロの戦いをアメリカに決断させたのはテロリスト自身の行動です.
イラクに対する開戦を決意させたのは自己の人道的責任を明確にしなかったフセインの責任でしょう.
ラディン,フセインへの懲罰によって多くのテロ支援国家の指導者が態度を改め,その元で暮らす市民達の血が流されずにすみそうなのは勝瑞です.
もちろん,一国の独断専行を許容するべきものではありません.
ですが,アメリカの行動に賛成している国があるという点で,一国による独断専行と言うものではないことは証明されてしまっています.
残念ながら世界には自国の犯罪的行為によって,悲しむべき孤立主義に陥リつつある国がいまだ存在し,国民は支配者の主張に無条件で従うしかない状況にあります.
米国が開戦を決意した時,米国国内やわが国においても反戦デモが起こりました.
イラクがクエートに侵攻した時,イラク国内で同じことが起きたでしょうか?
北朝鮮国内で,軍事パレードが行われているとき,その沿道に反戦,反体制の横断幕やプラカードがたったでしょうか?
どのように賛美しても戦争は忌むべきものであり,それに抗う精神を悪戯に貶めてはいけません.
しかし,少なくとも私の中において,テロ国家が私達に行う行動には口をつぐんで自らその誠心を貶めてしまうような人は,自己が属する民主主義の精神に基づいた自主独立のあり方について自己が評する言論について,何の説得力も持ち得ません.とても残念なことです.
【反論】
化学兵器じゃなく核兵器の話だというのに.
【再反論】
大量破壊兵器と核施設は別々に査察を受けていたんですよ.
それぞれ技術供与とIAEA協約の適切性と,国連軍によるイラクのクエート侵攻撃退後の戦後処理.及び人権問題調査です.
【珍説】
想像力を働かせすぎ.
同委員会のシャキール・アルジョバ応用核物理部長によると,精錬ウランは,核開発を目指していたイラク政府が78年にナイジェリアとポルトガルから輸入したものなどから作ったもので,ドラム缶約300本分を貯蔵.
その後,20年以上も貯蔵庫に眠っていた.
今年1月と2月にも国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)と国際原子力機関(IAEA)が査察に来たが,施設の安全性には問題はないと伝えられていたという.
http://www2.asahi.com/special/iraqattack/TKY200305060232.html
つまり,まずは濃縮施設を作らなきゃいけなかった訳だが.
イエローケーキなんてしょぼい話を大げさに書いて,恥ずかしくないのか?
イラク侵攻後,アメリカが貯蔵施設の管理をさぼっていたことの方が,よほど問題だ.
ちなみに,1981年イスラエルと91年の湾岸戦争の爆撃で原子炉は破壊された.
その他の国内関連施設3ヶ所も同様に,稼動できるような状態にないということで,イラク=イラク戦以前に精製された放射性物質が,用途を失ったまま長期間貯蔵されていたことになる.
このくらいの施設のプロフィールをIAEAが把握していないことなど,ありえない.
そうでなければ,襲撃事件はさぞアメリカの正当性を確実に優位にしていたと思われるが,その後略奪を放置した米軍のほうが逆にIAEAの被爆調査を妨害しておるわけです.
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/DU/no_du_report4.htm
【事実】
何をどう取り違えたか知りませんが,IAEAの要求は,『全ての核関連施設の常時監視』です.UNMOVICは核兵器も含む大量破壊兵器を調査していました.
またイエローケーキは,JCAサイトにおいて問題となっている劣化ウラン弾より放射能レベルが高く,そんな施設に管理の空白が数日できたとはいえ,一般人がやすやすと侵入して略奪が行えるような状態で,施設の安全性に問題が無いといえるわけが無い事は明白ですね.
また,同じ1月にUNMOVICのブリクス委員長,IAEAのエルバラダイ事務局長によって国連安保理で行われた『過去2ヵ月間の査察活動』について,イラクは「大量破壊兵器廃棄の要求に応えていない」と報告されている事については無視ですか?
それを受けて米国は態度を硬化させ,フランスは平和的解決のためにイラクへの国連査察の継続を呼びかける共同宣言を行ったわけです.
ここでやっと事態の深刻さに気付いたイラク側が生物化学兵器弾頭1発の存在を申告したり,ミサイル4基が解体されましたが,過去の事実を鑑みれば,それがイラクの全大量破壊兵器ではありえません.
その結果を受け,3月7日に最終期限が設定され,3月17日ブッシュ大統領がイラクに対してフセイン大統領の退陣などを求める48時間の最後通告を行い,ここにいたってフセイン政権にとっての悲劇が来たわけです.
ま,それより深刻なのは自分で『核開発をしている』とのたまう北朝鮮なわけですがね.
ちなみに,JCAサイトなんて客観性ゼロのサイトなんか,全然ソースとしての信頼性がないわけで.
【珍説】
イラク戦争開戦後,核開発施設さえ見つかっていない.
【事実】
IAEAが査察しようとしていたのは,そのものずばりの核施設だったわけですが.同団体が技術供与したんですから,当たり前なわけですがね.
それに例えば,イラク戦争後,全く注意されていなかった施設からイエロー・ケーキが発見されたことは,ご存知の方も多いでしょうが,原料段階とはいえ核物質であることに変わりはないわけです.
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/nybomb/iraq/wide/
IAEAの保障措置協定には,平和的な原子力活動に係る全ての核物質について保障措置を受け入れること(フルスコープ保障措置)を義務づけています.
つまり件の核物質がIAEAに報告され,そこに核物質があることが予め判明していれば全く問題なかったわけですが,施設確保後もIAEAから注意が行われておらず,住民等に被爆者まで出たわけで,この施設がIAEAに報告されていなかったことは明白です.
重大な国際保障措置制度違反ですわな.
これ一つとってもイラクがIAEAに対して不誠実だったという十分な証拠といえるのですがね.
【質問】
イラク戦争のそもそもの原因だった「イラクの大量破壊兵器」とやらは何時になったら見つかるのか? アメリカのやった事は,理不尽ではないのか?
【回答】
大量破壊兵器なんてただの口実だからねえ.WMDは有無そのものが開戦理由なのではなく,「これはWMDテロ予防戦争である」という主張の論拠の一つに過ぎないし.
過去フセインは隠れてNBC兵器を作っていたし,今後,絶対に作らないかと言えば,作らないと断言するほうが難しい.
それがテロリストに渡る可能性は「高い」
「なら,やっちまえ」がアメリカ的判断.
フセインは,911テロを歓迎する声明を直後に出しており,これは,アメリカ人にとっては,アルカイダの仲間だと告白したようなものだろう.
少なくとも,今は組んでなくても,これからアルカイダと手を結ぶつもりだとは解釈されるだろう.
あのときのアメリカ人に,「だからといって,そうとは限らない」とかいう理屈はごく一部の人にしか通じないだろうし.
で,今,批判されているのは,この「高い」の根拠になったデータが,恣意的にゆがめられたことではなかったかってこってす.
化学兵器なんて証拠隠滅は簡単だから,出てこなくても少しも不思議ではないです.
なお,「根拠になったデータが,恣意的にゆがめられた」かどうかについては,否定的な見解もある.
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A64626-2004Jan30.html
No Evidence CIA Slanted Iraq Data Probers Say Analysts Remained Consistent CIAのイラクWMD諜報の査察報告ではCIAが大統領府の圧力に影響されたことはなかったとの結論
議会とCIAが行っていたイラクのWMDの諜報情報の検証作業の結果(CIAのWMD情報は結果的には正確ではなく,過大評価だったが),諜報情報の解釈や結論の引き出しにおいて,ホワイトハウスなどの外部からの圧力に影響されてホワイトハウスの求める戦争を正当化するような歪曲を行うようなことはなく,そうした証拠やそれを示すものはなかったとの結論が出された.
CIAのスポークスマンは関連して,イラクでのWMD捜索は終了しておらずWMD存在の可否の最終的な結論を出す時期ではないとも述べた.また「CIAのアナリストと言うのはとても独立性の高い存在なので,圧力をかけたりすればそれに逆らうように反応する.そういう文化なのだ」とコメントした.
CSMが明確に書いていることなのだが,WMD問題では,二つの異なる問題が混同されているのが問題.
@WMDについての諜報機関の情報に誤りはあったか・・Yes.これはほぼ全ての人が,ブッシュ政権やブレア政権を含めて認めることで,改善が必要.
しかしWSJの言うように第一次湾岸戦争やリビアやイランでは過小評価,イラク戦争では過大評価だったわけで,完全に正しいものが可能なのかというのはディベータブル.
AWMD情報を歪曲したり圧力をかけて捏造したのか・・No.これはハットン報告が否定し,ディビッド・ケイも否定している.これがあればブッシュ政権ブレア政権の大きな問題になるわけだが.
また,以下のような報道もある.
これらの報道が正しいとすれば,大量破壊兵器を保有する気はフセインにじゅうぶんあったことは間違いないだろう.
イラク:大量破壊兵器,フセイン氏も実態知らず? 米誌報道
米国がイラク戦争の理由の一つとした大量破壊兵器開発について29日発売の米誌タイムは,当時のサダム・フセイン大統領も部下らにだまされて実際にはない兵器が存在すると信じていたのではないかとの見方を報じた.
同誌は,イラクでの大規模戦闘終結後も見つからない核・化学・生物などの大量破壊兵器の行方を求め,3カ月にわたってイラクの兵器科学者,関係業者,旧フセイン政権当局者らに話を聞いた.その結果,ほぼ一致して(1)大量破壊兵器計画は90年代に中止され,再開されなかった(2)計画に関する文書は破棄されたか,または保管されていない―としている.
また,フセイン元大統領は保有兵器の実態を知らなかった可能性があるという.
軍内部の証言によると,兵器関係の当局者は上から下まで,資金を絶やさないために兵器計画や実験結果をねつ造,計画の失敗などは元大統領に伝えていなかったという.(ニューヨーク共同,2003年09月29日)
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20030929k0000e030053000c.html
フセイン元大統領,イラン恐れ大量破壊兵器保持装う=CIA
[国連 24日 ロイター] イラクのサダム・フセイン元大統領は,イランからの攻撃を避けるため,大量破壊兵器を保持しているように装っていた可能性が高い.
米中央情報局(CIA)イラク調査団のチャールズ・デュエルファー団長が明らかにした.
同団長は,元大統領にとってイランの脅威は極めて現実的で,軍備の規模を実際以上に大きく見せる必要があったと説明.「イランの脅威に対する恐怖は,ワシントンにいては想像もつかないくらい大きかった」としている.
(ロイター通信,2005/5/25)
イラクの大量破壊兵器 『前線に配備あった』 (12月8日 中日新聞)
【ロンドン=沢田敬介】七日付の英紙サンデー・テレグラフは「イラク戦争前,フセイン元大統領が前線部隊に大量破壊兵器を配備していた」とする元イラク軍中佐(40)=現イラク統治評議会顧問=の証言を掲載した.
元中佐はこの中で,英政府が昨年九月に公表した報告書の関連部分について「百パーセント正確であり,情報源は自分だと思う」と述べた.
証言によると,イラク軍は昨年暮れ,大量破壊兵器の弾頭を元中佐の部隊や民兵組織サダム・フエダイーン,共和国防衛隊などに,バグダッド近郊の工場から運び込んだ.
これらの兵器は現在もサダム・フェダイーンが極秘の場所に管理しており,元中佐は「元大統領が拘束されれば初めて関係者が口を開くだろう」と指摘.
兵器が実戦で使用されなかったのは「イラク兵の大半が元大統領のために戦うのが嫌だったから」と明かした.
一方,誇張が指摘された英政府報告書が「四十五分以内に実戦配備できる」とした点に関しては,弾頭が携行型のロケット砲で発射される形式のため「四十五分どころか三十分以内で配備可能」とした.
元中佐は,ロンドンを拠点とするイラクの反体制運動組織を通じ,昨年初めから数回,英情報機関にイラク軍などの情報を流していたという.
なお,パウエル国務長官は2004/9/13の議会証言において,大量破壊兵器について「この先も発見されることはないだろう」と明言している.
また,イラクの大量破壊兵器に関する米調査団の最終報告書によると,99年の終わりにフセイン元大統領の側近だったアベドハムード・マハムード氏=03年6月に拘束=らが,北朝鮮との貿易関係の樹立を検討.同年12月に北朝鮮側の使節を招き,00年10月にバグダッドで協議することで合意した.ノドンとみられる射程1300キロの弾道ミサイル,沿岸警備用の射程300キロのミサイルの輸入,北朝鮮ミサイル技術者の派遣などが議題に上った.
00年末にイラクは,北朝鮮と少なくとも900万ドル(約9億9000万円)分の契約を結び,頭金として130万ドル(約1億4000万円)を支払った.01年後半にも北朝鮮側とミサイルの誘導制御の関連部品で調達契約を結び,シリア経由で運ばれる予定になっていたという.
それが実施された証拠は確認できなかったとしている.
日本の企業については,99年以降,ミサイルの推進燃料関連の材料を輸出したという.イラク企業を通じて推進燃料などに使われる末端水酸基ポリブタジエン(HTPB)や,潤滑剤のジオクチルアゼレートの購入契約を結んだ.企業名については明らかにされていない.
そして最終的に,捜索活動は2004/12に打ち切られている.
以下,ソース.
イラクの大量破壊兵器捜索を打ち切り
【ワシントン=菱沼隆雄】マクレラン米大統領報道官は12日の記者会見で,イラクでの米政府調査団による大量破壊兵器捜索活動が昨年12月に終了していたことを明らかにした.
ブッシュ政権がイラク戦争の大義の柱に掲げながら未発見となっていた大量破壊兵器の捜索は正式に打ち切られた.
報道官は,昨年10月に同調査団がまとめた最終報告書を補足する文書が,2月に公表される予定であることも明らかにした.
報道官は
「捜索活動は終了し,(収集した)文書を通した作業が続けられる」
と述べた.
また,
「現時点で手にしている情報に基づいても,大統領は同じ行動をとった」
と,開戦の正当性が失われたわけではないことを改めて強調した.
同時に,CIAも情報を今になって修正している.
CIA,イラク兵器情報の修正に着手=「北朝鮮・イランも見直しを」と議員
【ワシントン1日時事】米中央情報局(CIA)は最近,イラクの大量破壊兵器に関する情報評価を修正する報告書の作成に着手した.ロイター通信が1日伝えた.
それによると,1月18日付の報告書は「フセイン大統領は1991年の湾岸戦争後,大規模な化学兵器計画を放棄した」と結論付けている.
今後,核兵器や生物兵器に関しても,従来の情報を見直す内容の報告書が出る見込みという.
米調査団は昨年10月,イラク戦争の大義名分となった大量破壊兵器は,実際には存在しなかったと結論付ける報告書を発表したが,CIA自身による情報修正は初めて.
ハーマン下院議員(民主)はこれに関して声明を出し,
「CIAは大量破壊兵器に関する情報評価が間違っていたことをようやく認めた」
と指摘.北朝鮮とイランの大量破壊兵器に関する情報も,見直しが必要だと強調した.
結局,
「計画は頓挫していたが,フセイン大統領は,WMDが存在しているかもしれないよう見せかけた」
が,真相に近いと思われる.
【質問】
化学兵器の証拠隠滅は,簡単なんですか?
【回答】
オウム真理教レベルの組織でも,サリンそのものは簡単に隠せたでしょ?
サリン sarin やタブン tabun は殺虫剤の開発中に副産物として出来たものだし,エゼリン eserine なんか本来緑内障の治療薬だったりするので,”ヨーロッパ薬剤メーカーの支援”で作られたイラク内のBC兵器プラントも,24時間以内に通常の薬剤研究施設に完全な偽装が可能との調査結果が出てる.
査察なんかも抜き打ちで即日決行じゃなきゃ何の意味もない.
【質問】
イラク側は開戦前から,その種の化学兵器は全て処分したと説明してた訳だが,その説明通り,既に処分済みと考えてるんですね? つまりイラク側が正しかったと?
アメリカは信用せずに戦争を仕掛けて,しかし未だに見つかってないけど.
【回答】
お手軽に大量破壊兵器を製造・使用して自国民(クルド人・南部シーア派のイラク国民)やイラン兵を大量虐殺した前科が有り,契約違反を屁とも思ってない独裁者の自己申告を信用するほど,アメちゃんは甘ちゃんでは無かったと言う事ですな.
まあ,「殺られる前に殺れ」と「一発目は誤射かもしれない」の間で右往左往するのが外交ってもんよ.
査察制度に対する態度を見るに,フセイン政権が存続する限り,大量破壊兵器問題は本質的解決を望めないので,それゆえ打倒する,というのがブッシュ政権の論理です.
この論理を正当化できないとするなら,戦争しなくても査察の継続によって最終的な解決が可能だった,と証明することが必要になります.
【質問】
それは,要するに「アメリカ様の御意向が,世界の法律だ!!」,と?
「疑わしきは罰せず」が法の精神ではなかったろうか.
フセインが気に食わず信用できないのは良いが,だから戦争を仕掛ける理由にはならない.
国連の査察も継続されていて,フランス・ドイツ他各国がアメリカのイラク戦に反対してた.
【回答】
「アメリカ様の御意向が,世界の法律だ!!」なんて,誰も言っとりゃせんがな.
まずね,サダム・フセインの約束は,これまでの前科から考えれば,空手形に終わる可能性が高い.
空手形を空手形で終わらずに済ませるには,誰かが手形に裏書きして,信用保証せにゃならんの.
ところが,裏書できるに足る保証人が,誰もいなかったわけよ.
国連は,1年間で終わらせるはずの査察をずるずるとフセインによって引き延ばされた上,フセイン・カーミル亡命事件によって,査察の間も極秘にNBC開発やってたってことが発覚したりしている.
上で述べられている抜き打ち査察だって,開戦が近付くまで全然できなかった.
これじゃ保証人失格だわな.
仏露が反対していたのは,要するに,ここでフセイン政権が倒れると,債権回収ができなくなるからという,実に下世話な理由.
しかも彼らも,はっきり「ない」とは断言していないし,
この2国が,フセイン政権の信用保証してくれるか?,
フセインが約束破ってNBC兵器作ってテロリストに渡して米国を攻撃したときに,この2国は米国へ損害を補填してフセイン政権を米国の代わりに叩き潰してくれるか?,
と言えば,そんなことはしてくれないし,できもしない.
(仏なり露なりが核を使えば,フセイン打倒自体は簡単にできるけど,国際世論が核使用を許すとも思えない).
じゃあ,国際法は保証になるかっつったら,この法は全然強制力ないんで,フセインが破っても,フセインが一国の権力者である限りは彼に何らペナルティはない.
いくら「疑わしきは罰せず」といったって,実際に被害を受けてからでは遅いし,そんなことになったらたまったもんじゃない,ってのがアメリカの立場だし,このアメリカの過剰な危機意識を和らげるくれるべき,保証人のある約束手形が存在しなかったってのが,開戦に至る一つの理由だろうね.
まあ,ネオコンがいなかったら,ミサイル攻撃だけで終わったかもしらんが,そのへんの「IF」は,神のみぞ知る,だわな.
【質問】
○○市在住の××氏は,「前科があって疑わしい」.家宅捜査を行ったが,証拠が出てこない.と言う事は,よっぽど上手く凶器を隠してるに違いない.
よって警察が急襲して,家を破壊し,抵抗する家人を殺傷し,家に火を付けて・・・で良いの?
あくまでも,今回のイラク戦争の理由は,こうだったはずだ.
「国連の査察でも見つからないが,フセインは大量破壊兵器を隠しているはずだ!
それがテロ組織に渡る危険性があるはずだ!
今すぐではないが,何年か後,あるいは何十年か後に,その危険があるように思えて不安でならない!
だからアメリカとしては国際的に承認を得ないままで先制攻撃してしまって構わない!」
こんな曖昧な身勝手な理由で,他国の政権を破壊し,自分の都合のいい政権をでっち上げることに,正当性や道義性があるのか?
(小林よしのり from "SAPIO" 2003/5/14,P.56,抜粋要約)
【回答】
「前科があって疑わしい」だけではなく,
「××氏は,密かに犯罪者とつるんで,犯罪者の銃口をこちらに向けさせている.
××氏をきちんと監視し,銃口を下げさせてくれる保安官は,町内(国際社会)には見当たらない.
だったら撃たれる前に撃て」
が,ブッシュ政権的見方.
その辺の外交的正当性は,上述の通り.
ちなみに,フセイン政権が存続していた場合,小林の書いている「あるいは何十年か後」より遥かに早く化学兵器を開発できただろう事は,オウムが何年でサリンを作れるようになったかを考えれば,簡単に推測できる.小林の言説は,明らかに詭弁めいている.
国際社会が刑法の論理で動いているというならば,米国が「アンタとは取引できん」と商売を切っただけで殴り込みをかけた日本なんか,一切弁護できないわけだが(笑). 湾岸戦争以来,イラクは大量破壊兵器に関する国連査察を欺き続け,16回に及ぶ国連決議違反を繰り返してきた.
査察で発覚した大量破壊兵器が一部廃棄されたと確認されたことは事実だが,政府が隠そうと思えば,広大な国土のどこかに隠せるのは当然で,パウエル国務長官の機密情報開示によって,イラク軍将校の会話が公開され,イラクがそのような意図を持っていることは,ほぼ確実だとアメリカ国民は思っただろう.
【国連査察団の査察開始前日の昨年11月26日に,二人のイラク軍将校同士が交わしたとされる通信内容】
大佐 「ちょっと質問があるのですが」
准将 「何だ」
大佐 「あしたの委員会(査察)ですが」
准将 「何だ」
大佐 「モハメド・エルバラダイ(国際原子力機関事務局長)と」
准将 「何だ?}
大佐 「改造車があります.彼らが見たら何と言えばいいのでしょう?」
准将 「改造なんてしていないし,そんなものは持っていないだろう?」
大佐 「一台あります」
准将 「どれだ.作業場からか?」
大佐 「(禁止されている武器を製造する)アルキンディ社からです」
准将 「午前中に会いに行く.心配だ.お前は全てを残しているのではないか」
大佐 「我々は全てを移動しました.何も残っていません」
准将 「あす会おう」
大佐 「わかりました」
准将 「本部で会議がある.その前に会いに行く」
【二,三週間前に傍受された共和国防衛隊の司令官同士の通信内容】
大佐 「これを書き取れ」
大尉 「了解」
大佐 「イブラヒム大尉か?」
大尉 「聞いています」
大佐 「使うな」
大尉 「(復唱して)使うな」
大佐 「あの表現を」
大尉 「あの表現を.了解」
大佐 「神経ガス」
大尉 「神経ガス」
大佐 「どこであろうと」
大尉 「了解.どこであろうと」
大佐 「無線の指示の中で」
大尉 「指示の中で」
大佐 「修正.無線の指示」
大尉 「無線の.了解」
大佐 「わかったか」
大尉 「了解しました」
しかも,日頃の演説内容や米国大統領暗殺未遂事件でもわかるように,フセインが米国に敵意を持っていたことも明らかだった.
イラク軍将校の会話や米国大統領暗殺未遂事件にどれほどの確証があるのかと言う者もいるであろうが,
(危険の程度)×(その危険が起こる確率)=危険度
において,感覚として得られる確率を非常に大きいものにすることに変わりはない.
しかも,大量破壊兵器が米国の大都市で使用された際の危険の程度は計り知れないものがある.
明白な証拠もなしに,そのような危険度で武力行使をするのは国際法違反だと言う人もいるだろう.
だが,他国であるという理由によって,FBIがやるような徹底した捜査ができない状況下では,証拠も示せない.
ならば,この種の危機に対し,無防備かというとそうではない.
そこに働くのは人間に生まれながらに備わっている危機回避のための予測に基づいた行動なのだ.
http://www.imd-g.com/Debate_on_Iraq.htm
「テロ戦争による臨戦状態を,アメリカの立場の理解という確度から眺めてみましょう.
アメリカは実際に,9/11テロで歴史上かつてないほどの傷を受けました.
テロの起きた後,何もしなければ,またこういう大打撃を受けるだろう,という懸念は,官民両方で広範に深まりました.現に政府高官がはっきりと,そう述べるのです.
『テロリストを放置しておけば,アメリカ社会はいつ,どうなるか,全く分からない』と.
だからそういう認識から,ブッシュ政権は,こちらに攻撃をかけてくる相手には,予防のための先生攻撃をしてもやむをえないという結論をだしました.
〔略〕
軍事超大国のアメリカでも,衝突の相手が国家ではなく,テロ組織となると,対応を根本から変えざるを得ません.従来の抑止という機能が効かないからです.
戦争や攻撃の抑止というのは,もし相手がアメリカに攻撃をかければ,その相手が確実に手痛い反撃を受ける.場合によっては攻撃の10倍,20倍もの反撃を受け,攻撃をかけた国は滅びるだろう.
もしそういう展望がはっきりしていれば,アメリカへの攻撃を考える国も,その攻撃は抑制してしまうわけです.この効用が抑止なのです.
ですから,抑止される側は,まずある程度の理性的思考と判断ができる主体でなければならない.でないと抑止という機能は働かないのです.自分が滅びても一向構わないと考える相手には,抑止は効きません.
しかも,抑止の働くもう一つの用件は,その相手の存在がはっきり目に見えて分かるということです.つまりは主権国家でなければならない.フセイン政権下のイラクであるとか,中華人民共和国であるとか,その存在がはっきり見えなければ,攻撃を受けたアメリカの側も反撃ができません.
ところがテロリスト組織は,抑止の機能に必要なこの2つの前提のいずれをも満たしていないのです.テロ組織は日頃目に見えない.しかも理性的判断をしない.自滅,自殺してもいいという場合が多いでしょう.
こういう相手だと,従来の抑止機能が作用しないのです.主権国家であっても,理性的判断をしないような国もあります.ブッシュ大統領が『悪の枢軸』と呼んだ3ヶ国などは,それに近いというわけです.
だからアメリカは,自国の安全保障のために,従来は反撃能力を誇示しておけば抑止が機能して,安全だったのが,反撃の態勢保持だけでは十分ではなくなってきたわけです.
〔略〕
目に見えないし,合理的な考え方もしない.こういう相手に対しては,相手がアメリカへの攻撃の準備に着手したと分かれば,その段階で先に攻撃し,相手の攻撃を防ぐという対応が必要になってきた.これがブッシュ政権のいわゆる先制攻撃の新戦略です.英語ではpremptive(=予防の)という言葉が使われます.プリエムプティヴ,まさに起きようとする事態を寸前に,前もって防ぐ,空洞化してしまうという意味,つまり予防攻撃です.
しかし,これもあくまで臨時の戦争状態の中での対応です.この状態がこれからもいつまでも続くというわけではありません.今の一種の臨戦状態の一部だけを見て,アメリカはちょっと異常だから,駄目だと断定して,反発しようというのは,木を見て森を見ず,という対応です.視野狭窄の,ためにする議論だと思います」
(古森義久 from 「反米論を撃つ」 恒文社21,P.236-238 )
【珍説】
国際法を考慮せずに戦争を仕掛けるような連中は,野蛮としかいいようがない.単なる馬鹿だ.
日本だって,幕末の頃には,竜馬は既に国際法の重要さを認識していた.
日清,日露を戦った日本政府とその軍は,国際法を常に意識しながら戦っている.
為政者なら,当然のことだ.
【事実】
国内では,ある人間がどんなに危険だと思われていても,確固たる証拠がない限り,刑罰を与えることはない.この原則を可能にしているものは,国内の場合は徹底的な捜査が可能であるということだ.
しかし,他国の場合はそうはいかない.
従って,各国は情報を基に危険度を予測して行動することになる.
もちろん,これを無制限に認めたなら,軍事大国がやりたい放題という世界になってしまう.
その辺の線引きが難しいのであるが,国際社会が国内裁判に匹敵するような証拠能力を求めるなら軍事大国は,端から国際世論を無視する姿勢をとることになる.
更に,当事国が感じる危険度というものが,他国にとっては過小に評価される傾向も考慮しなければならない.
以上のようなことを織り込んだ安全保障というものを考えないと,世界の真の安定は望めない.
http://www.imd-g.com/Debate_on_Iraq.htm
これらの条約〔国際法〕が無視されている兆候のほうが,遵守の兆候よりも各段に顕著である.
一つだけ例を挙げれば,1948年に制定されてから98年夏までの間に,ジェノサイド条約によって有罪とされた事例は一件もない.98年夏に初めて,ルワンダにおける集団虐殺の煽動者の一人が,アルーシャの国際法廷で有罪を宣告されたのである.
人権分野では条約の数は増え,各国における人権擁護活動家の人数も増加してはいるが,それでも酷い虐待がひっきりなしに繰り返されている.
戦争法規に関しては,戦場での道義は常態と言うより,以前として例外に留まっている.
実際のところ,我々は国際社会で,国家主権という古いドクトリンと国際的な相互依存および共同責任という新たに生まれた倫理との板挟みになって,どっちつかずの中間領域に留まっている.
(Michael Ignatieff, a writer & journalist,
「仁義なき戦場」,
毎日新聞社,1999/10/30,p.2-3,抜粋要約)
「戦争とは,敵を強引にこちらの意に従わせるための武力行為である.
武力には国際法とか慣習と呼ばれる,ことさら言うまでもないような,幾つかの自らの課した微々たる制限がついているが,それが武力を弱めることはまずない」
(カール・フォン・クラウゼヴィッツ)
【質問】
ケイ博士はWMDは無かったと言っている.戦争支持の根拠は?
平野達男議員(民主党)
【回答】
小泉首相:「ケイ博士はイラクは危険な国であり,米英の決断は賢明だったとも言っている」
平野議員:「ケイ博士がどう言おうと関係ない.根拠を聞いている.総理は関係ないことを言っている」
小泉首相:「ケイ博士が関係ないのなら,なぜ引用するのか」
平野議員:「私がどこで何を引用したというのか.引用したのは,WMDが無い,ということ.戦争支持の根拠を問うときには引用してない.私は大義の話をしている.もう一度答弁を」
小泉首相:「WMDが無い,って引用してるんでしょ? だから私も引用したんです」
平野議員:「じゃあもう一度お聞きします.大量破壊兵器…(以下,エンドレス)
上記該当部分を国会会議録より発見.
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/159/0079/15902090079005a.html
ボニャッキー in 「軍事板常見問題mixi支隊」
【質問】
サダム・フセインに対しては,
「大量破壊兵器がないということを示せなかった側に責任がある」
と言い,永田議員に対しては
「証拠がある,という側に挙証責任がある」
と言う小泉首相はダブル・スタンダードでは?
【回答】
イラク戦争直前まで,イラクに大量破壊兵器があるかどうかは
「持っている危険がある,そう疑う根拠もある」
と言うのがアメリカの主張だった.
それの真偽を確かめる為,欧州はイラクの施設査察を要求していたし,イラクが大量破壊兵器を
「持っていない」
と言うことを主張する為には,査察を受け入れるなり明白な証拠を提出するなりする必要があった.
それを拒んだ以上,冤罪であろうともその冤罪を晴らす機会を自ら捨て去ったフセインにも,責任の一端はあると言わざるをえないわな.
で,現在の永田疑惑に関してだが,むしろ永田こそフセインなんだよ.
「武部次男が堀江から金を受け取った証拠を持っている」
と主張して,それが嘘だと言う疑いに対して明確な証拠を出すなりメールの出所の検証を受け入れるなりする責任があるのにそれを拒んでいる.
まさにイラク戦争前のフセイン状態.
はっきり言って,本当に武部次男に金が渡っていたのが後に判明しても,現状のままでは
「捏造メールで一般人吊るし上げ」
と言う永田の蛮行が正当な行為だったと認められることはないだろうな.
フセイン「大量破壊兵器は破棄した!」
国連「・・・」
フセイン「早く制裁を解除したらどうなんですか」
ブッシュ「いや,先に施設を見せろよ」
フセイン「この施設は,最大限守ってあげたい」
ブッシュ「偽証なんじゃねえの」
フセイン「どのようにして,その先入観を打ち破る事が出来るのか.本当に悩ましい」
パウエル「査察団の立ち入りを拒否している間に証拠物件を持ち出してただろ」
フセイン「この一方的な攻撃.この風景.こんなところに施設を見せたらかなわないと感じるのは当然」
ブッシュ「だったら破棄したなんて言うなよ」
フセイン「一言聞いただけでガセだと決め付ける,言論封殺,もっとも恥ずべき行為」
パウエル「安保理決議で決めただろ.早く破棄しろ」
フセイン「どのような条件をクリアすれば,真性なモノと認める事ができるのか,知恵を貸してください」
ブッシュ「おまえが破棄したって言ってるんだろうが」
簡単に言うとこういうことですよね.
不正な金=大量破壊兵器,施設=銀行口座.
国連「大量破壊兵器無いって言うんだったらさ,一緒に見に行こうよ.ほんとに無かったら君が正しいんだからさ」
武部「本当にそんな振込みがあるって言うんだったらさ,一緒に見に行こうよ.ホントに有ったら君が正しいんだからさ」
黒木竜 in mixi 支隊
【珍説】
2004/5/25に発見されたサリン砲弾は,イラク戦争前にフセイン政権が意図的に保有していた大量破壊兵器の可能性は低い.
サリン含む爆弾と断定 イラク,湾岸戦争前に製造か
【ワシントン25日共同】
米国防総省は25日,イラクのバグダッド国際空港近くで発見された爆弾に含まれていた化学物質が猛毒のサリンだったと断定した.米CNNテレビなどが伝えた.
路上爆弾に転用された砲弾にサリンが含まれていた.製造時期を示す表示はなかったが,米軍関係者は砲弾の状態から1991年の湾岸戦争より前に製造されたとの見方を示した.
爆弾は15日,米軍の爆発物処理班が作業中に爆発,米兵2人が治療を受けた.現地試験の結果でサリンとみられていたが,同省は確認のためあらためて米国内で試験を行っていた.
イラク戦争前にフセイン政権が意図的に保有していた大量破壊兵器の可能性は低く,かなり前から放置されていた砲弾を,武装勢力がサリン入りと知らずに爆弾として利用したと見られる.
【事実】
「これはサダムが廃棄したといっていた化学爆弾が実際には廃棄されなかったことを示すもの」
という見解を米国防省は持っている.
事件をロイター(英文)が伝えると↓
U.S. Testing Confirms Sarin in Iraq Shell
国防省がイラクで発見の化学爆弾をサリンと確定
"This is likely to represent some of the stuff which he (Saddam) claimed to have destroyed and didn't," another U.S. official said.
"It doesn't demonstrate, doesn't prove at this point, new renewed production, but it is one piece of the puzzle and a not insignificant one," the official said.
国防省の高官は
「これはサダムが廃棄したといっていた化学爆弾が実際には廃棄されなかったことを示すもの」と述べた.「それは,今の時点で化学爆弾が(湾岸戦争後に)再生産されなかったと証明するものではないし再生産があったと証明するものでもない.これは謎のひとつであって,それは些細なことというわけではない」
なお,FOX NEWSによれば,
「イラク国内でもサダムがサリンなどの化学爆弾を使い,その被害にあったクルド族の地域では化学弾頭などがいまだにバース党員たちに秘蔵されていると疑う人は多い.
国連のクルド族代表,Howar Ziadは
『サダムの化学弾頭などが隠されていたり,隣国に運ばれている可能性がある』
という.
サダム政権は湾岸戦争後化学弾頭などのWMDを国連の指示より廃棄したとしているが
『サダムはこういう問題について,誰の指示にも従わない.彼は国民に化学弾頭を平気で使うような男だから.
それに,国連もWHOもクルド地域の化学爆弾被害には調査すらしていない』」
という.
ただし,Fox Newsは,報道の中立性に疑問もある.
【質問】
WMDの存在について,米諜報機関はなぜ情報分析を誤ったのか?
【回答】
情報源の不足と,9.11後の過剰反応,そして政権からの暗の圧力.
国連査察団がイラクを離れると,査察団に工作員を潜り込ませていたCIAは,貴重な情報源を失った.
最新の情報を入手できなくなったアメリカは,フセインの過去の記録を頼りに対イラク政策を考えるようになった.
代わって,イラク人亡命者やメディアが大きな役割を演じるようになった.
CIAの分析官はこうした報道の信憑性を疑問視したが,国防総省の情報部門はホワイトハウスに伝えた.
CIA自身も,新たな脅威を軽視するわけにはいかないと認識していた.9.11テロを防げなかった不手際をめぐって,批判に晒されていたからだ.
ブッシュ政権の高官が情報当局に圧力をかけた事実はないかもしれない.だが彼らは,国連の査察報告を軽視するなど,自分たちがどんな情報を欲しいのかを暗に示してきた.
(ニューズウィーク日本版 2004年2月11日号 P.22,抜粋要約)
情報機関に全ての責任を負わせるかのような論調には,Michael
O'Hanlonも,"Can the C.I.A. Really Be
That Bad?"と題する論文の中で,「責任転嫁である」と批判している.
以下,その全文(翻訳は機械訳).
WASHINGTON ―The Senate Intelligence Committee
has had its say on the debacles leading up
to the Iraq war, and America's intelligence
agencies have come in for the lion's share
of the blame. Some of the committee's findings
were useful and constructive. But over all,
the report's scathing indictment of American
intelligence is seriously unfair. Leave aside
the broader political issue, that of whether
the report was designed in part to find a
convenient scapegoat for the failings of
political leaders. Simply on the technical
merits of the case, the intelligence community's
performance, while far from superb, was hardly
as bad as the senators assert.
ワシントン―The上院情報委員会は,イラクの戦争につながる敗退の上にその発言権を持っていました.また,アメリカの情報局は,非難の大半のために中へ入りました.委員会の発見物のうちのいくつかは有用で建設的でした.しかしの上にすべて,報告書のアメリカの情報機関の痛烈な起訴はひどく不公平です.より広い政治的な問題(報告書が一部分政治的指導者のfailingsのために便利な身代わりを見つけることを目指したかどうかのそれ)を離れてください.単にその事件のテクニカル・メリット上で,知能コミュニティーのパフォーマンス,一方,遠くに,から,素晴らしい,上院議員が主張する同じくらいほとんど悪くありませんでした.
There are three main issues to consider.
Did Iraq possess chemical and biological
weapons in the period just before the American-led
invasion? Had it reconstituted its nuclear
weapons program? And did it have meaningful,
operational links to Al Qaeda?
熟慮するべき3つのメイン問題があります.イラクは,ちょうどアメリカ人主導の侵入の前の期間の化学・生物兵器を所有しましたか.それはその核兵器プログラムを再構成しましたか.また,それにはアルQaedaへの意味があり運用上のリンクがありましたか.
As we have been learning over the past 15
months, and as the Senate report has just
reconfirmed, the intelligence community indeed
did get its answers to the first two questions
wrong. But it clearly got the third right.
Moreover, on the vital matter of chemical
and biological agents, the agencies' overall
assessments were entirely reasonable. Yes,
with the advantage of hindsight and complete
access to Iraqi territory we now know they
were largely wrong. But we did not have such
hindsight or access in 2002 and early 2003.
私たちが過去15か月の間学習していたとともに,および上院報告書がたった今再確認したように,知能コミュニティーは確かに最初の2つの質問悪へのその答えを得ました.しかし,それは明白に第3の権利を得ました.さらに,化学と生物学の代理人の重大な問題においては,機関の全面的な評価は完全に合理的でした.はい,後知恵およびイラクの領域への完全なアクセスの利点で,私たちは,それらが大部分は間違っていたことを今知っています.しかし,私たちは2002年および2003年の初めの中にそのような後知恵あるいはアクセスを持っていませんでした.
Let's face it, it would have taken an overwhelming
body of evidence for any reasonable person
in 2002 to think that Saddam Hussein did
not possess stockpiles of chemical and biological
agents. Admittedly, the intelligence community
was too quick to believe the Iraqi exiles
who told stories about mobile biological
weapons laboratories and the like.
それに面しましょう,サダム・フセインが化学と生物学の代理人に備蓄を所有しなかったと思うことは,2002年に任意の合理的な人のための証拠の圧倒的な集まりをとっていたでしょう.明白に,知能コミュニティーは迅速すぎたので,可動性の生物兵器研究所およびその他同種のものに関する話を話した,イラクの亡命者を信じることができませんでした.
But the basic facts still suggested strongly
that Iraq had plenty of weapons of mass destruction.
The United Nations and most European and
Middle Eastern intelligence outfits had the
same incorrect beliefs as our agencies, for
the same understandable reasons. Saddam Hussein
had used chemical weapons in war and against
his own people in the 1980's. For more than
a decade after the Persian Gulf war, he obstructed
international inspectors' efforts to find
and destroy such weapons, ensuring that United
Nations sanctions that cost his country more
than $100 billion would remain in place.
He had his underlings confront the inspectors
on several occasions in ways that led to
military strikes against his security organizations.
It certainly looked as if he valued chemical
and biological agents a great deal, and was
prepared to do a lot to hold onto them.
しかし,基礎的な事実は,イラクが多量破壊の多くの武器を持っているとまだ強く示唆しました.国連およびほとんどのヨーロッパと中東の知能用品は,同じ理解し得る理由のために,私たちの機関と同じ正しくない確信を持っていました.サダム・フセインは,戦争の中で,および1980年代の自分の人々に対して化学兵器を使用しました.ペルシャ湾戦争の後の10年間以上の間,彼は,彼の祖国に1000億ドル以上を要した国連の制裁が適所に残るだろうということを保証して,そのような武器を見つけて破壊する国際的な検査官の努力を妨害していました.彼は,下級者に,彼のセキュリティ組織に対する軍事攻撃に結びついた方法でいくつかの場合の検査官に直面させました.確かにあたかも彼が化学と生物学の代理人を大いに評価し,かつそれらを保持するために非常に行う覚悟をしていたように見えました.
As for the supposed links between Saddam
Hussein and Al Qaeda, the available evidence
points strongly to one conclusion, the same
conclusion that the intelligence community
consistently reached: the Bush administration's
frequent insinuations that Saddam Hussein
may have had an active collaboration with
Al Qaeda, perhaps even assisting the 9/11
hijackers in some way, are without foundation.
The intelligence community clearly stated
this throughout the debate over Iraq. Even
when Secretary of Defense Donald Rumsfeld
was talking about "bulletproof"
evidence of strong linkages in the summer
and fall of 2002, the intelligence community
demurred ? within the halls of the executive
branch and in public.
サダム・フセインおよびアルQaedaの間の想像されているリンクに関しては,利用可能な証拠ポイント,1つの結論に強く,同じ結論,それ,一貫して達した知能コミュニティー:サダム・フセインがある方法で恐らくさらに9/11人のハイジャック犯を支援して,アルQaedaと活発な共同作業を持ったかもしれないというブッシュ政権の頻繁な当てこすりは,基礎がありません.知能コミュニティーは,明白にイラクについての討論の全体にわたってこれを述べました.国防長官ドナルドRumsfeldが"について話していた時,偶数です;bulletproof"2002の夏および秋の強いリンケージを示す証拠,知能コミュニティーは反対しました?行政部門の,および公的にホール内に.
It is only on the nuclear question ? admittedly
a very important one ? that the Central Intelligence
Agency and other agencies truly dropped the
ball. They bought into the idea that Saddam
Hussein had reconstituted his nuclear weapons
programs largely on the basis of flimsy reports
of possible Iraqi efforts to obtain uranium
and centrifuge components from abroad. Even
if those reports had all been true, the imports
would have been nothing more than raw materials
for a nuclear program that would have required
several more years to produce even a crude
bomb.
それは核質問上にのみあります?明白に非常に重要なもの?CIAおよび他の機関は本当にボールを落としました.彼らは,サダム・フセインが大部分は外国からウラニウムと遠心分離機のコンポーネントを得る可能なイラクの努力に関する薄弱な報告書に基づく彼の核兵器プログラムを再構成したという考えを受け入れました.それらの報告書がすべて真実だったとしても,輸入品は天然のままの爆弾さえ生産することをさらに数かの年に要求していた,核プログラム用まさに原料でしょう.
Again, less-than-credible reports from less-than-credible
people were used to confirm assumptions that
intelligence analysts should not have allowed
themselves to believe so strongly in the
first place. It seems likely that the intelligence
community, which had been surprised in the
aftermath of the Persian Gulf war at how
far Saddam Hussein had gotten in his nuclear
programs before 1991, did not want to make
the same mistake again. So it overcompensated.
And the mistake by George Tenet, the director
of central intelligence ? letting the famous
16 words about Iraq's purported pursuit of
African uranium into President Bush's 2003
State of the Union speech ? made things even
worse.
再び,未満で確実な人々からの未満で確実な報告書は非常に強くまず第1に信じることを情報アナリストがそれら自身認めてはならなかった仮定を確認するために使用されました.知能コミュニティー(それは,サダム・フセインが1991年の前に彼の核プログラムの中でどれくらいの距離得たことがあるかでペルシャ湾戦争の後に驚いた)が,同じ誤りを再び犯したくなかったことはありそうに見えます.したがって,それは過補償をしました.またジョージ・テネット,中央の知能の管理者による誤り?ブッシュ大統領の2003年の一般教書スピーチへイラクのアフリカのウラニウムのうわさされる追求に関して有名な16単語をさせること?事態をさらに悪くしました.
But even on the nuclear issue, enough information
was available for others to reach their own
assessments. That the Bush administration
had a clear agenda and interpreted all intelligence
on Iraq in the most inflammatory way possible
was its failing. But members of Congress,
including those on the Senate Intelligence
Committee, had enough information to reach
their own conclusions, and yet the unnecessarily
hasty march to war went ahead.
しかし,核問題においてはさえ,十分な情報が自分の評価に(他のもの)達することができました.ブッシュ政権が明瞭なアジェンダを持っており,最も扇動的な可能な方法でイラクの知能をすべて解釈したことは,その短所でした.しかし,上院情報委員会のものを含む国会議員は,自分の結論に達するために十分な情報を持っていました.しかし,戦争への無益に急速な行進は進みました.
The point is not to excuse the intelligence
agencies for their failings ? a score of
33 percent is not a passing grade. They deserve
a stern rebuke for their sloppiness and gullibility,
and reforms are on the way. In particular,
the agencies' willingness to trust human
sources whose credibility should have been
much more suspect was a serious institutional
error. And, on the status of Iraq's nuclear
program, the agencies clearly stopped looking
at the evidence and bought into Washington
groupthink. Even if they were not directly
pressured by the Bush administration, many
analysts do seem to have wanted to please
the White House a bit too much.
ポイントは情報局にそれらのfailingsを許すことではありません?33パーセントのスコアは通過する等級ではありません.それらは,水浸しおよび間抜けのための厳しい非難に相当します.また,改革は途中です.その信用がはるかにより疑わしくあるべきだった人間の出所を信頼する機関の意欲は特に重大な制度上のエラーでした.また,イラクの核プログラムのステータスにおいては,機関が明白に証拠を見ることをやめて,ワシントン集団思考を受け入れました.圧力がブッシュ政権によって直接それらに加えられなかったとしても,多くのアナリストがホワイトハウスを少し非常に喜ばせすぎたかったように見えます.
But before we excoriate the work of our intelligence
analysts ? demoralizing their ranks and discouraging
recruits from joining organizations that
are being slammed by the right as well as
the left ? we need to take a deep breath.
Intelligence is a difficult craft, and getting
things wrong is an occupational hazard, not
necessarily a sign of negligence or incompetence.
しかし私たちが情報アナリストの仕事を擦りむく前に?連結する組織からのそれらのランクおよび悲観的な新人を堕落させること,それは左と同様に右によって閉められている?私たちは深い呼吸をつく必要があります.知能は困難な技術です,また,事態の誤解は必ずではなく職業上の危険です,不注意または不適当の表れ.
Blaming the intelligence community for the
government's (and most Americans') mistaken
views about the threat posed by Saddam Hussein
would seem to reflect a desire on the part
of Congress and the administration to pass
the buck. When the morale and effectiveness
of our intelligence organizations are at
risk, scapegoating is unacceptable and unworthy.
政府の(またほとんどのアメリカ人の)サダム・フセインによって持ち出された脅威に関する誤った見解のことで知能コミュニティーを非難することは,責任を転嫁する議会の側および政府の望みを反映するように見えるでしょう.私たちの知能組織の士気および有効性が危険にひんしている場合,犠牲は承諾しがたく価値がありません.
Michael O'Hanlon, a senior fellow at the
Brookings Institution,
from NY Times 2004/7/13
【質問】
大量破壊兵器が実在しないと困るという発言をいろんな所で聞きますが,発見できないと具体的にはどのように困るのでしょうか?
【回答】
「疑わしきは罰せず」
というのは法治社会の鉄則ですけど,国際社会においては,
「強い者が疑わしきでも罰すると言えば,罰するということがまかり通ってしまうのか」
というような世論の非難が巻き起こる可能性があるということです.
また,国連決議もその「疑わしき」というところで無視して,イラク攻撃をやってるから,国連というシステム上の慣行を破っているということになり,これもイラク制裁を非難する勢力に,世論上の力を与えることになります.
まあ,しかしながら,圧倒的な軍事力と政治力を持っていれば,居直り,開き直りはいくらでもできますけどね.
【珍説】
大量破壊兵器を持っていて,最後まで使わなかったのなら,フセインは理性ある指導者だったことになる.
ならば,国連の査察継続でよかったことになる.
(小林よしのり from "SAPIO" 2003/5/14,P.57)
【事実】
「理性ある指導者」と見なすべきかどうかは,こちらを参照.
したがって,「査察継続でよかった」ことには全然ならない.
また,査察に対して従順にイラクがなったのは,米軍が巨大な軍事力で威圧をかけて以降.
いくら米軍でも,永遠に威圧をかける国防予算なんかないから,米軍が撤退すれば元の木阿弥.
小林は米軍のカネに甘えすぎ.これじゃ「マナーとしての反米」じゃなくて,「甘えんぼの駄々っ子の反米」だよ.
それに,侵攻不可能になる砂嵐の季節が来れば,嬉々としてフセインはWMD開発を再開するだろう(とブッシュは見ただろう).
ちなみに,サダムが逮捕されるや,小林はてのひらを返したかのように,「大それた武器を使う度胸なんかないボケた独裁者」呼ばわり.
------------
しかもフセインは,遂に生物・化学兵器を使わなかった.
なんだ? 全然,危険な男じゃないじゃないか!
大それた武器を使う度胸なんかないボケた独裁者だ.
------------小林よしのり「新ゴー宣」199章,from SAPIO
【小林主体思想】(別名:マルチ・スタンダード)
イラクが今日,明日にでも,アメリカを大量破壊兵器で攻撃するという逼迫した危機はなかった.
(小林よしのり「戦争論」3,p.104)
【ツッコミ】
まず,イラクが攻撃されたのはテロ支援国家,いわゆる「悪の枢軸」だからです.
この見方によれば,イラクが直接アメリカを攻撃するものではありません.しかし,イラクはテロリストにWMDを渡すのではないか?と,アメリカは懸念していました.
そのテロについては,9.11以後も度々,発生警報が出されています.
その両者をアメリカ政府が結び付けて考え,WMDテロの発生に重大な懸念を持ったとしても,少しも不思議ではないでしょう.
2005年のデータですが,米国が核テロを相当の脅威と見ていることが,これからも分かります.
米国では核テロ攻撃に対する警戒感が益々高まっていますが,連邦議会上 院外交委員長のRichard Lugar議員が纏めた研究報告書によれば,今後10年 間に核攻撃が起こる可能性は29%,化学・生物兵器による攻撃の可能性は3 0%,「汚い爆弾」(放射性物質をばら撒く)による攻撃の可能性は40%.
また,核攻撃能力については,現在の8カ国(米,ロ,英,仏,中,印,パキ スタン,イスラエル)に加え,新たに4カ国が「核クラブ」の仲間入りをする だろうとしています.
米国を中心に世界各国の国際政治学者,政治家,外交官 などのアンケート調査結果に基づいた予測であるとのこと.
詳細はLugar議員 のHPでどうぞ.
「The Lugar Survey on the Proliferation Threats and Responses」
(2005/6/25 EEE会議 )
しかも,WMDテロが実は比較的容易であることが,我が国のサリン事件によって証明されてしまいました.
小林自身,「オウム真理教にVXガスで殺されそうになった」と主張しているではありませんか.
仮にこう例えたら,分かり易いかと思います.
過去にサリンを使ったオウム真理教という組織がある.
オウムはサティアンを査察させることを約束したが,実際の査察ではそれを妨害してばかりいる.
業を煮やした警察が機動隊で包囲したら,急にオウムは邪魔をしなくなった.そして,「サリンなどもう作っていない」と連呼している.
一方,本当にオウムと繋がりがあるのか,確たる証拠はないが,小林を狙った犯人は今も暗躍を続けている.
このような状況で,小林は機動隊のサティアン突入に断固反対するでしょうか?
ぜひ聞いてみたいものです.
【珍説】
今回の米国によるイラク攻撃は,疑いもなく「侵略」すなわち「予防的ならざる先制武力攻撃」だ.
相手が自国なり国際社会なりに武力先制攻撃を加えてくる恐れがある場合,それを予防するために相手を叩くことは,予防的先制武力攻撃であり,自衛行為と見なすことができる.
だが,イラク側には事前的にも事後的にも,大量破壊兵器を所有し,国際社会に先制武力攻撃を行う恐れはなかった.
すなわち米国の行為は予防的先制攻撃ではなかった.
紛れもなく予防的ならざる覇権的武力先制攻撃,つまり侵略であり,このことに関してはいかなる言い逃れも不可能である.
(西部邁 from 「SAPIO」 2003/12/24,p.28)
【事実】
典型的な後出しジャンケンですな.
あれほど疑惑が叫ばれ,それについては誰も否定できる材料がなかったというのに,もう忘れたのか,「ウソでも100回言えば……」とでも思っているのか,…….もし後者なら悪質ですな.
以下引用.
イラクの大量破壊兵器の多くは,「沙漠の嵐」作戦と国連の大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)によって破壊・廃棄されている.
UNSCOMは,国連安全保障理事会決議687の実施を目的に,1991年に創設された(同決議は,イラクの弾道ミサイルおよび大量破壊兵器の保持を禁じるものである).
それでもなお大半の西側アナリストが,イラクはUNSCOMの査察をかいくぐって製造施設を残し(査察官は1998年後半に強制退去させられた),限定的ながら生物・化学兵器の製造を再開することができると見ている.
Michael T. Klare著『世界資源戦争』(廣済堂出版,2002/1/7),P.106-107
さらに,延々とこんな妨害行為をサダムは続ていたわけで,こんな人物を「恐れはなかった」というのは,当時としては無理があり過ぎるでしょう.
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