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●初心者歓迎 スレを立てる前に此処で質問を 838

青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※レス回収基準は初の「Ver.9」.この値の直接の原因であるカスミン恐るべし.

※既出Q&Aの関連記述は,「追記」で処理.

※編集に手間取りそうなもの,または,調査が必要なもの等は,<保留>として後日回し.

目次


** 【質問】
 日本で全ての原発を廃炉にし脱原発したあと,仮に核武装の必要性が生じたとして,核武装は可能でしょうか?
 この場合,外交的な問題や国内政治は度外視し,これまで蓄積したプルトニウムを活用してでの主に技術的な話とします.
 ただ,一部は英仏に保管を委託しているそうですが,これは核武装を決定した場合,日本が活用することは困難ですか? 容易ですか?

 【回答】
 確かにプルトニウムを作るには原子炉が必要ですし,プルトニウムを使用しない場合は,大変な規模のウラン濃縮工場が必要になります.

 ただ,プルトニウムと言っても,兵器級のプルトニウムは通常の原発運転では作れず,発電としてはムダの多い運転方法で運用する必要があります.

 委託したプルトニウムを日本に持ってくることは外交的,条約的に困難です.
 というか,一定量以上のプルトニウムを蓄積することが問題になります.
 これは技術的な話だけには絞れません.
 核関係の話は外交的な問題や政治を度外視して議論することは不可能なのです.

system ◆system65t. :軍事板,2015/04/17(金)
青文字:加筆改修部分

 英仏にある日本のプルトニウムについて言えば,これはMOX燃料への加工委託をしているもので,保管委託ではありません.
 処理済分は随時持ち帰ってます.
 条約により,核廃棄物の海外への保管や処分は原則禁止で厳しい縛りがあるので,加工が済んだら貯めずに持って来ないと非常にマズいのです.
 日本の原発が全停止状態の最中な2013年に,仏→日で処理済分の返還輸送が行われたのもこのため です.

軍事板,2015/04/17(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
・APFSDS弾は徹甲弾の正当進化形で,弾道安定用の羽がついている
・HEAT弾は装甲に衝撃した時点で装甲内部(戦車内)にメタルジェット噴流で乗員を焼き殺す
って認識でいいのですか?

 【回答】
 APFSDSはそうです.
 炸薬は入っていません.

 ただし,APFSDSが装甲を貫く原理は超高圧状態で弾心と装甲双方が流体化することによるので,通常の徹甲弾とは少し異なります.
 こちら参照.

 HEATについては誤りです.
 APFSDS同様,貫通した弾体(メタルジェットといっても貫通後には金属の棒)が直接,あるいは車内で反射して危害します.

 こちらより引用.

------------
 進行するジェットはやがて速度と圧力が減少し,フラグメンテーションを起こし侵徹能力を失う.
 最後にジェットに成りきれなかったライナーが,スラグとして飛んで行くが,既に実用上の効果は失った残滓である.
 このことから,ジェットが装甲を貫徹して内部に侵入しても,ジェットの軸線周囲しか加害できない.
 内部を十分に破壊するためには,ジェットの侵徹口から,爆風や弾片などが噴き込む事が必要である.

------------

 イラク戦争でもHEATでエイブラムスが車体に穴を空けられたけど,中のクルーはほぼ無傷で脱出,戦車も後で回収されたという事例があります.

 もっとも,どちらも運よく(運悪く)車内の弾薬などに当たれば引火,誘爆することもありますが.

 狙うのは見えているシルエットの中央が普通です.
 当たらないことに始まりませんから.

system ◆system65t.(黄文字部分)他 :軍事板,2015/04/18(土)
青文字:加筆改修部分


** 【珍説】
579 :霞ヶ浦の住人 ◆1fZtWSiFl2 :2015/04/20(月) 13:32:26.78 ID:Oxy+ObPI
>57 :26:2015/04/12(日) 12:36:07.33 ID:UwsQW3Gj
>回答してくださったみなさん,ありがとうございました
> ずっと,なんで世界中のゲリラがAK使ってるのかがわからなかったのです.
>すぐ錆びるような弾しかつかえないんじゃ,むしろ補給に困るゲリラには使
>いにくいんじゃなかろうかと思ってたのですよ
>防錆加工してあれば真鍮薬きょうと同じように使える,くらいの解釈でいい
> でしょうか?
>そのうえでまた質問です
>AKというと世界中で出回っているのは47かAKM,あるいは中国製の56式
>とか,とにかく7.62ミリモデルですよね
>AK-74のような5.45ミリモデルが流行らないのはナニか理由があるのでし
> ょうか?威力がある弾でも当たらなければどうと言う事はない,と思うの
> ですよ.

霞ケ浦の住人の回答

7.62ミリの方が性能が良いからです.

説明

ソ連軍は,アメリカ軍が小口径銃を採用したのを見て,それを真似ようとしました.
しかし,小銃の開発者のカラシニコフは反対しました.
7.62ミリの方が性能が良いと考えたからです.
しかし,軍に押されて,AK-74の5.45ミリモデルを開発しました.
ソ連軍の制式になりました.
ソ連軍は口径の統一のため,7.62ミリのAK−47やAKMを放出しました.
それが,世界中に出回ったのです.
日本人で海外の傭兵になった人の本で,AK−47やAKMを褒めていました.
AK-74を劣っているとしました.
突撃銃でも,フルオートで射撃することは少ないのです.
携帯する弾丸の数よりは,弾丸の威力が大事です.

580 :霞ヶ浦の住人 ◆1fZtWSiFl2 :2015/04/20(月) 13:33:19.86 ID:Oxy+ObPI「AK-74 - ウィキペディア
ja.wikipedia.org/wiki/AK-74
AK-74(露:Автомат Калашникова образца 1974 года,ラテン文字転写:Avtomat Kalashnikova-74,「カラシニコフ ...
た.7.62mm口径の銃にはまだまだ改良の余地があったのに残念」,と反対の立場であったが,軍の要求に応えてAK-74を完成させた.」

 【事実】
 またぞろ出鱈目な嘘解答を並べて自画自賛しているようですが,カラシニコフ,実態としては所謂五六式が第三世界で普及している理由としては,確かに性能差は大きな要素ではありますが,小口径弾が役に立たない訳ではありません.
 7.62mm×39と言う弾薬の特性上,5.56mm×45に対して射程で優っていると言う点において,アメリカを始めとするNATO諸国と敵対し戦闘に使用する上で利点があるが故に普及しているのです.
 これは兵站の単純化にも寄与しており,性能と補給の継続性において次善の選択である事は言うまでもありません.

 かつてソビエトが代理戦争を遂行させるために「最初にAK47をばら蒔いた」事により,大きな不具合も無く,その後も継続して五六式と7.62mm×39弾が供給されているわけですが,それは奇しくもNATO諸国において5.56mm×45から別の弾種に更新出来ない理由ともなっています.

三等自営業 ◆LiXVy0DO8s :軍事板,2015/04/20(月)
青文字:加筆改修部分

 おまけに中国だの北だのがさらにばら撒いたり密造されたりしてるんだから,なおのこと拡がっちまったと.
 世界規模で普及しすぎて,うっかり他のもので更新できない,という点では,インテル系CPUとMSウィンドゥズに似てるかもしれないね.

軍事板,2015/04/20(月)
青文字:加筆改修部分

 もし口径がタダで変えられるなら,とっくに5.56mmNATOはなくなってるでしょう.
 実際には体系全部変るので,えらい金額が必要なのと,小火器なんてさほど見劣りしなければそれでOKな性質なのとで,現状となってるわけです.

system ◆system65t. :軍事板,2015/04/20(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 WW2での各種航空機関砲の口径は20mmが多いですよね.
 エリコンFFからの発展というのは分かりますが,23mmとか25mmとか30mmの間くらいの口径の機銃は,あまり開発されなかったのでしょうか?
 ソ連はVya-23やNS-23なんかを開発してますが,他国はどうだったんでしょう?

 【回答】
 戦前からマドセンの23mmがあって,P-38の初期の型とかに載せてみたが,具合が良くなかったようで,その後発展せず.
 25mmはオチキス系があるが,航空用としては重いし,箱型弾倉で装弾数も少ないので,地上用か艦載用ばかり.

軍事板,2015/04/24(金)
青文字:加筆改修部分

 第一次大戦になってしまいますが,イタリーのFIAT M1917は25x87mmですね.

 実験的なものでは,第二次大戦フランスのHS407(23x122mm)なんてのもあります.

 第一次大戦と第二次大戦の間に開発された(普及しなかった)もので,英の.90 T2(23x139mm)なんてのもあったようです.
 23mmマドセンも第一次大戦と第二次大戦の間ですね.

 とはいえ少数派ですね.
 半端って事かな.

system ◆system65t. :軍事板,2015/04/24(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 140mm径の西側肩持ちATMより,125mmの東側砲発射ミサイルの方が高い貫通力を持つとされるのは何故ですか?

 【回答】
 他が同じならHEATの貫通力は基本的に口径に依存しますが,肩撃ちミサイルはどうしても重量に制限がかかります.
 例えば01式軽MATは口径140mmですが,上記の理由でミサイル重量は11.5kgに抑えられています.
 対するに125mmの戦車砲用ミサイル9M119M(Refleks)はミサイル重量17.2kg,弾頭重量4.5kg.
 軽MATの弾頭重量は知りませんが,ミサイル重量の1/3〜5程度が普通なので3kg程度でしょう.

 となると,最初に書いた「他が同じなら」という前提はまったく崩れていますから,口径は少し小さいが5割増しの重量を持つ125mm弾頭の方が,貫通力が強いのは自然でしょう.

 HEATの場合,口径が決まればそれ(と起爆時のセットオフ距離)に対して最大の貫通力を発揮できるライナーの材質,厚さ,それを加速するのに必要な炸薬量をある程度決定することができます.

 しかしライナーが厚いと当然重くなる上,ライナー重量に見合う炸薬量が必要になります.
 またライナーの比重が大きければこれも重量増,炸薬量増につながります.

 このため,最適ではないと分かっていても,ライナーの厚さを減らして軽量化する,ライナーの材質を軽くして軽量化する(アルミ製ライナーのHEATもありました),といった妥協が必要になります.
 軍事の常で(あるいは実用工学の常で),理屈ではこれが理想,の解と,現実に生産,購入,運用する上で最適の解とは異なるわけです.

system ◆system65t. :軍事板,2015/04/25(土)
青文字:加筆改修部分



** 【質問】
 HEATは口径より爆薬柱の長さに依存するのでは?
 銃身が長いと初速が上昇するのと,同様流体にかかる圧と速度が増し,結果,貫通力が増すと思うのですが.

 【回答】
 おっしゃるとおり貫通体の長さと速度が問題になりますが,口径が小さいのに無理に速度を増すと,貫通体が前後に分離していって,棒の代わりに液滴の連続になってしまい,結果,貫通力が低下してしまうのです.
 装甲貫通力(浸徹長)は基本的に貫通体の長さと速度に依存します.
 浸徹に伴って貫通体は先端から消耗していくので,これがゼロになると浸徹停止.
 また貫通体の長さが残っていても速度が失われれば当然そこで停止.
 HEATの場合,これに加えて貫通体がAPFSDSのように全長にわたって同じ速度になっておらず,部位によって速度が違うという問題が加わります.
 この速度差は主にライナーの形状,厚さと爆発による衝撃波の速度に依存します.
 貫通体(メタルジェット)各部位の速度差が小さければAPFSDSに近い状態となり,一体として振る舞います(自己鍛造弾).

 速度差が大きいと装甲に当たる前にメタルジェットが前後に分離してしまい,貫通力が低下します.
 一般にライナーの頂点角が小さく(コーンが深く),ライナーに到達する衝撃波の速度が大きいほどメタルジェットの速度は増しますが,各部位の速度差が大きくなり,分離しやすくなります(いま手元に文献がないので詳細は要確認).
 なので「爆薬柱の長さ」を増しても貫通力が増すとは限りませんし,そもそも衝撃波の速度はある長さで一定になってしまいます.
 十分な速度を持つメタルジェットでは,分離しない最大長が貫通力につながり,これは基本的に口径に依存するのです.
 逆に速度を落とすと分離しにくくなり,セットオフ距離(起爆点から装甲表面までの距離)に余裕ができます.
 爆発点から目標までの距離がかなりあり,しかも一定しないIEDなどで,鋭いコーンではなく,鈍い凹面のようなライナーを使うのは,ひとつはこのためです.

system ◆system65t. :軍事板,2015/04/25(土)
青文字:加筆改修部分


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