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青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※荒れ過ぎにつき,レス回収基準は「Ver.8」


●初心者歓迎 スレ立てる前に此処で質問を 726

目次


** 【質問】
 今Wikipediaを見たところ,原潜には3種類あるのですね.
 攻撃型弾道・巡航ミサイル型・・・それぞれどう違うのですか?

 【回答】
*攻撃型:
 敵の潜水艦を捜索,発見して「攻撃」し,また敵の攻撃型から味方の潜水艦を護衛するための潜水艦.
 味方艦隊の周辺警戒や哨戒にも使われる他,巡航ミサイルを積んでの対地攻撃にも使われる.

*弾道ミサイル潜水艦:
 大陸間弾道弾を搭載して,来るべき(来てほしくないけど)核戦争に備えるための潜水艦.
 海に潜ってる潜水艦は簡単に発見できないし簡単に攻撃できないので,先制攻撃を受けづらいために報復用の核戦力として使われる.
 大型で重い弾道ミサイルを沢山積んでいるので大柄で鈍重なため,対艦戦闘には不向き.

*巡航ミサイル潜水艦:
 主にソビエト(ロシア)が整備してきた,敵艦隊(ハッキリ言うと,空母)を遠距離から攻撃するための巡航ミサイル(核弾頭付き)を大量に積んだ潜水艦.
 やはり大型の巡航ミサイルを沢山積んでいるので,大柄で鈍重のために遠距離ミサイル攻撃以外の対艦攻撃には向いてない.
 アメリカは削減した弾道ミサイル潜水艦の一部を対地攻撃用の巡航ミサイルを大量に積んた,対地攻撃潜水艦改修して使っている.

 この他に,やはり削減した弾道ミサイル潜水艦を改造して再利用した,特殊部隊母艦潜水艦,というのもある.

軍事板,2011/11/30(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 日本軍の記録読んでると,毛沢東の共産党軍の将校には,優秀で士気の高い人材国民党軍よりかいたみたいだけど,共産党軍の将校ってどこの教育機関で養成されてたの?
 やっぱモスクワとか?
 でも,少尉とかの将校とかはどうなんだろ…

 【回答】
 児島襄の「日中戦争」によれば,共産党軍(紅軍)の士官は,もともと国民党軍のが左傾化して合流したものがほとんど.
 また,党内においてソ連留学組が権力闘争に敗れ,ソ連的な思想が排除されることになった.
(とはいえ,朱徳などのように.ソ連で軍事学を学んだ者も残ったが)
 だから士官教育は紅軍内で行われ,教育内容も国民党のもの(つまりはドイツ・日本式)が引き継がれた.

 国民党軍は私兵だったので,士気も能力も低い者が多かった.
 で,国民党から左傾化するのは,国と民衆を憂い,かつ共産党の教義や理論を理解することができる者だったので,優秀で士気の高い士官が多かったと.

軍事板,2011/12/01(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 ソビエトはクロスロード作戦のように,軍艦を標的とした核実験を行った事はあるのでしょうか?
 敵対していたアメリカの海軍力を考えれば,行っていても不思議は無いと思うのですが……

 【回答】
 行われています.
 米のOperation Crossroadsから遅れること10年以上になりますが,1957年9月7日に,例のノバヤ・ゼムリャで軍艦を含む標的を対象に,海岸から100m入り込んだ所の,高さ15mの塔の上に設置された,32キロトンの核弾頭を使用して行われています.

 また,1962年8月22日には,核弾頭装備の対艦ミサイル(出力6kt)による水上標的(艦種不明)相手のテストも行われており,ミサイルは標的の5m以内で起爆したと記録されています.

 Operation Crossroadsほどの規模の,海上標的メインの実験記録は見当たりませんが,行われなかったのか,必要と判断されなかったのかは不明です.
 私は後者と推測しますが.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2011/12/01(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 ツァーリ・ボンバは,60年代半ばにソ連が実験した史上最大の水爆ですが,それについていくつか質問です.

 ・これが出来たのは今から半世紀近く前ですから,やろうと思えば,これの数百倍の核を作ることは現代でも可能ですか?

 ・こんな超兵器を作られて,アメリカもさぞかしビビりましたよね?
 アメリカはどういう反応を見せたのでしょう?

 ・北朝鮮もこれくらいの核を作ったり出来るのでしょうか?

 【回答】
 理論的には製造可能です.
 しかし,運搬手段が脆弱なので,実戦には適していません.

 当時のアメリカも数10メガトンの水爆を保有していたので,別にびびりませんでした.

 北朝鮮の現在の技術水準では,水爆はまだ作れません.
 また,運搬手段(爆撃機)もありません.
 テポドンに搭載するには,核弾頭が大きき過ぎて無理です.

軍事板,2011/12/02(金)
青文字:加筆改修部分

 蛇足しますと.

 熱核爆弾はステージング,つまり多段階にしてどんどん威力を増すことが可能です.
 通常の熱核爆弾自体,核分裂爆弾の2段目として熱核反応を起こさせています.
 その反応から放出される中性子を使用して,3段目の,より大きな熱核反応を起こすことができ,理論上は,無限に大きな出力を得ることができます.
 ただ,周辺(自分も含む)被害が大きすぎて,地上では軍用にせよ使えません.

 Winterberg の著書によれば,20ktの核分裂爆弾を一段目として,2段目以降はすべて熱核反応にすると,2段目で8Mt,3段目で70Gt,4段目では50ペタトンが得られる計算になるようです.
 これにはタンパーやケーシングの核分裂物質による出力は含まれていません.
 4段目はさすがに莫大な核燃料が必要でしょうが,3段目までは実用可能な範囲であり,米露に加えて,フランス,おそらくイギリスも製作可能でしょう.
 中国,イスラエルも作れるのではないかな.
 1段目の核分裂爆弾すら満足に作れない北朝鮮には,無理無理ですが.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2011/12/02(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 M2ブラッドレーは湾岸戦争で,M1エイブラムスよりも多くのイラク軍車両を破壊したと,wikiに書いてありますが,機関砲と対戦車ミサイルの撃破比率は,どの程度なのでしょうか?
 対戦車ミサイルは撃つのに時間がかかり,あくまで自衛用と聞いたので,気になりました.

 【回答】
 車体側面を25mmで貫通させ,T-72を撃破した例が,確か2〜3例.
http://www.strategypage.com/militaryforums/2-6630.aspx
 タレットリング抜かれたT-72もあったはず.
 旧式のT-55とかT-59とかだと,砲塔でも正面以外はブッシュマスターのAPFSDSで貫通できたというので.

 T-62ははっきりタレットリング抜かれたのがありますが,この記事
http://yarchive.net/mil/t62_kill_25mm.html
にあるように,ブッシュマスターは数撃って,何発かが弱点に当たる,といういい加減なことができる.

 破片が飛び散る(断片,装甲片とも),劣化ウラン弾では焼夷効果も出る,破片などが車載の弾薬に当たれば発火して大火災,もちろん人に当たると痛い,といった感じで,T-62も正面から撃たれて,タレットリング抜けた弾が.中を燃やしてアボン.

 とはいえ,基本的には軽装甲車両を担当したため,数も多かったということでしょう.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2011/12/02(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 フラッシュサプレッサー フラッシュハイダー マズルブレーキ…,もっとあるかも知れないけど,これらの違いがよくわかりません.

 【回答】
 フラッシュサプレッサー,フラッシュハイダーは共に銃口炎を低減する,と言う意味で,「軽減する」サプレスと「隠す」ハイドを,機能を表す商品名,部品名称として考えられたものです.

 フラッシュハイダーはフラッシュ,つまり発射時の閃光を射手からハイド,つまり隠すことが目的です.
 発射炎で銃手の目が眩むことを防ぐのが目的なので,音を隠すとか,敵から発射炎を隠すとかは無関係です.
 いくら派手に発射炎が見えても,射手から見てまぶしくなければOKなのがフラッシュハイダーです.
 ちなみに,発射炎の軽減はむしろ発射薬,弾薬の方で行うのがたしなみです.

 マズルブレーキは砲口(銃口)制退器と言い,発射ガスの一部を制御する事で,発射反動を軽減するものです.
 従って,質問2は意味を失います.

 フラッシュハイダーとマズルブレーキは,銃の設計思想によって,消炎機能と制退機能を組み合わせたり,それぞれ単体で装備したりと,小銃設計の多様化により一概には言えません.
 ラッパ型のフラッシュハイダーは,発射音が大きくなると言う特徴があり,また,これを内臓したノベスキー型のものが,近接戦闘用の小銃に良く取り付けられて居ます.

 コンペンセイターとは発射ガスを利用した発射反動を制御するものを指し,またマズルブレーキは制退機能のみを備えたものをそう呼びます.

system ◆systemVXQ2 :軍事板,2011/12/02(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 アメリカの空母で戦後,払い下げられて民間の貨物船となった艦があるそうなのですが,なんという艦で,改装後はどんな感じになったのかの資料ってありますか?

 【回答】
 カサブランカ級やロングアイランド級などの,アメリカが建造した護衛空母.
 元々が輸送船として建造予定の船体を,改造したり設計を利用して建造したので,貨物船や貨客船に改造するのは容易だった.
 機関も低速だが,燃費のいいディーゼルを積んでいたので,商船として使うのにも向いていた.
 戦後多くは保管状態の後スクラップになったが,一部がヘリ空母や揚陸艦,通信指揮艦などとして使われたほか,民間に払い下げられて商船になった.
http://www.ssmaritime.com/sevenseas.htm
 アメリカ海軍が最初に建造した護衛空母ロングアイランドの,空母時代と商船時代の写真.

 また,英海軍は客船プレトリアキャッスルを,船主から購入して武装商船として使用したのち,空母に改造.
 戦時中は練習空母として使用したが,戦後に売却.
 購入した船会社は,再び客船に戻して運行している.
(wikipediaより)

 余談だが,英海軍が護衛艦として大量に建造したフラワー級コルベットの中には,戦後,日本に売却されて捕鯨船に改造されたものがある.

 資料としてなら,光人社NF文庫の「護衛空母入門」が,比較的容易に入手可能.

軍事板,2011/12/03(土)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 木製航空機ですが,接着せずに接木接合にすれば,強度も強くできて良いこと尽くめじゃね?

 【回答】
 木製飛行機を一回真面目に調べるといいですよ.
 木製飛行機に使われる木ってのは,木(セルロース繊維)に樹脂を浸透させたものと思えばいい.
 要するに今のFRPと基本的な考えは同じなんですよ.
 繊維にガラスを使うか炭素繊維を使うかセルロースを使うかの違い.

 強度が不均一になれば,そこから破断,破壊が起きるから,飛行機の構造材には使えない.
 強度を均一にするには,樹脂の浸透や硬化処理等かなり高度なノウハウが必要.
 可塑性材と非可塑性材の組み合わによる加工性と強度の確保が必要なため
 木だけじゃ強度を維持するには大きく重くなる.
 樹脂だけじゃ弾性率が低くて強度を保てない.
 夫々の欠点を補い,利点を前面に出そう,ってのがFRPの考え方.

 ただ,それを実行する為には,材料工学の知識と様々なノウハウが求められるわけで.
 その知識とノウハウが,決定的に欠けてたのが,戦前の日本だったわけ.
 太平洋戦争時の日本は,樹脂の製造技術,浸透硬化処理のノウハウ等が絶望的なまで遅れていた.
 おまけに使う木の乾燥すらマトモに出来なかったとか,まあ,悲しくなる様な話がてんこ盛りですよ.
 接木接合って(笑

 ま,立川とか,木製機に強いメーカーもあったんだけどな.
 そうでなきゃ,桜花とか簡単に作れない.

軍事板,2011/12/08(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 ナイキやSA-4といった大型の地対空ミサイルを,無誘導で発射して地対地ミサイル(というか,大型ロケット弾ですか) として用いることはできるのでしょうか?
 また,出来るとしたら,どのくらいの威力があるものなのでしょうか?

 【回答】
 安全装置に細工が要るかも知れませんが,無誘導で発射することは可能でしょう.
 確か,どちらも指令誘導ですから,ある程度の誘導すら可能かも知れません.
 信管は接触および近接信管が普通だから,安全装置さえ解除されていれば作動しそう.
 しかし,誘導が途絶えると,おそらく自爆装置が働くと思うので,そのあたりがどうなるかが問題か.

 威力はミサイルしだいで,SA-4は弾頭重量150kgですから250ポンド爆弾程度,ナイキアジャックスは同等,ナイキハーキュリーズは1000ポンド爆弾相当ということになります.
 どれもそれなりの破壊力を持ってますね.

軍事板,2011/12/08(木)
青文字:加筆改修部分


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