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青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.

※既に分類され,移動された項目を除く.

※荒れ過ぎにつき,レス回収基準は「Ver.7」


スレ立てる前に此処で質問を 647

目次

 【質問】 ヘビーマシンガンを胴体あたりにモロに食らうと,上半身と下半身が千切れちゃうんですか?

 【質問】 WW2ソ連軍は,なぜ人海戦術をとったんですか?

 【質問】 レシプロ機は,プロペラとの同調機構付きの機関砲を装備するより,翼に装備したほうが,無駄な部品を用意しなくて済むのでは?

 【質問】 戦列艦のように多数の砲を備えた艦のほうが,砲塔艦より強いのでは?

 【質問】 小銃とか突撃銃は,多少の性能より「故障をしないこと」を優先されるものなんでしょうか?


 【質問】
 アメリカ軍のブローニングM2や旧ソ連のDShK38,DShKMなどのヘビーマシンガンを胴体あたりにモロに食らうと,上半身と下半身が千切れちゃうんですか?

 【回答】
 2つに切るためには,まず脊椎を上下に分離する必要があります.
 12.7mmなら直撃すれば可能でしょう.
 しかし,周囲の筋肉や皮膚が残っています.
 よほど華奢な人間相手でない限り,12.7mmで生ずる空洞で,周囲まで切断することは不可能でしょう.
 脊椎に当てる弾ともう一発,できれば左右に2発ぐらい欲しいところです.
 このように上手に3発ぐらい当てれば,千切ることが出来そうです.
 爆裂弾じゃないんだから,一発だけでまっぷたつというのは,すばらしく条件をそろえないと無理です.
 20mmぐらいになってくると,そこそこ現実性が出てきます.

軍事板,2010/08/10(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 WW2ソ連軍は,なぜ人海戦術をとったんですか?

 【回答】
 ソ連軍の作戦で人海戦術と呼べるような物が行われたのは,第一次ソフィン戦争(いわゆる冬戦争)と,独ソ戦の序盤のみです.
 この頃の赤軍は,粛清によって士官が不足していました.
 第2次大戦期の軍隊は(現代もそうですが),30〜40人程度の小隊を,分隊支援火器を中核とした10名以下の分隊と,軽機関銃によって火力支援を行うグループに分け,機関銃掃射や榴弾砲で一掃される事が無いように,分散して行動する事が常識化していましたが,当時のソ連軍は士官の不足から,このような戦術を採る事ができず,中隊(200人規模)が一丸となって突撃するという,19世紀のような戦い方しかとれないような状態になっていました.
 独ソ戦以降,この状態は改善され,ソ連軍は物量を生かした火力主義・包囲殲滅主義に基づくドクトリンを完成させた事もあって,このような稚拙な戦術を取るような事はなくなりました.

 なお,人海戦術とは本来は,毛沢東の提唱したゲリラ戦術であり,敵の拠点を自軍シンパの住民で取り囲み,孤立させる事を「人民の海に敵を埋葬する」と表現した事に由来します.
 これが,数に物を言わせた無策な突撃戦術の代名詞となったのは,ソフィン戦争当時のソ連軍のように,20世紀型の軍隊を組織できていなかった,朝鮮戦争時の共産党軍の様相が広く知られるようになったためです.

軍事板,2010/08/10(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 思ったんですが,たしかレシプロ機は,プロペラとの同調機構付きの機関砲を装備してるんですよね?
 あれ,そうとう難しいギミックに見えますが,なんでそんな面倒な事をしたんでしょうか?
 普通に翼に付ければ,無駄な部品を用意しなくて済むのでは?

 【回答】
 翼につける方がデメリットが大きいのです.
 左右翼の片方ないし両方に物体が付いていると,その付いている部分だけ空力を生めなくなる事.
 単純に翼に負担をかけてしまう事.
 銃座から離れた位置にあるため,照準の難易度が上がる事.

 まだまだありそうですが,こういった問題が次々に発生します.

 他方,重量物を機体中心から離れた所に積むより,中心に近づけた方が運動性が良くなります.
 さらに集弾性・命中率も良くなります.
 大戦中のソ連機などは,機首搭載にこだわっています.

 それにそもそも,最初は布張りの複葉機なんで,翼に機関銃が搭載できませんでした.

 そうではなく,プロペラを機体の後ろに付ける,という研究開発はされていました.
 震電などが有名ですね.
 これらは推進式であり,牽引式の一般的なプロペラ機とは姿が違います.
 とはいえ,震電が開発される頃には,日本でもジェット推進の航空機が開発されていた位で,プロペラ機自体がもう古臭くなっていたのですが.

 ああ,一応言っておくと,推進式のプロペラ機自体は,震電なんかよりもずっと昔からありましたよ.

 あと,同調機構はそんなに難しい構造ではなく,特に電気雷管式のものは簡単.

軍事板,2010/08/10(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 近世から近代にかけて,どうして海戦の最大戦力は戦列艦から戦艦に変わって行ったんですか?
 戦列艦の様な艦の方が,砲がいっぱい付いてて強そうな気もします,

 やっぱり

多砲<<<(越えられない壁)<<<巨砲

なんですか?

 【回答】
 装甲艦が出現したことが,非常に大きいです.
 装甲に対する攻撃は,「装甲を貫通できるかできないか」の二つに一つしかなく,装甲を貫通できない攻撃は,たとえ何発当てた所で無意味になります.
 これが顕著なのは戦車ですが,戦艦の場合,装甲化されているのは船体のごく一部でしかありませんので,兎に角多数の砲弾を撃ち込んで,非装甲部を破壊する事で戦闘力を奪うという考え方も無い訳でもありません.
 しかし,この場合においても,質量の大きい大口径弾の方が,炸薬の投射量が大きくなるため,有利になります.

 装甲艦に対しては,従来の砲じゃ,いくら頑張っても決定的なダメージが与えられなくなりました.
 鉄の壁に石つぶてを,いくら投げても無意味なように.
 そこで装甲艦を倒すために,巨砲の搭載が始まりました.
 これが戦艦の始まり.

 つまりあなたの質問への回答は
「装甲艦の登場によって,戦列艦の砲では勝てなくなったから」
となります.

 その証拠に,初期の装甲艦の砲は戦列艦と大して変わりません.
 戦列艦に装甲貼っただけって感じ.
 それが少し経つと,その装甲の威力がとんでもないものだとわかってきて,従来の兵装というものを根本的に考え直さなきゃならなくなったわけです.

 もっとも,初期の12インチクラスの巨砲は信頼性に乏しく,発射速度・命中率に大きな難点を抱えていたため,装甲艦はスムーズに戦艦へと進化できた訳ではありませんでした.

 以下は,イタリア砲塔艦『デュイリオ』の砲塔.

http://www.d3.dion.ne.jp/~ironclad/wardroom/TurretProgress/duilio.jpg

 巨砲の熕圧に堪えられる尾栓が作れなかったため,主砲はなんと前装式.
 甲板下に引き込んで装填する,奇怪な機構.
 同時期のイギリスの砲塔艦も,同様の機構を持っていました.

 衝角突撃や速射砲といった紆余曲折を経て,1889年に実用的な12インチ砲と広い射角を持つ砲塔 を備えた“ロイヤルサブリン”が登場した事によって,戦艦の時代が幕を開ける事になります.

http://www17.big.or.jp/~forlife/NewFiles/%83%8D%83C%83%84%83%8B%83%5C%83u%83%8A%83%93/roiyarumain2.jpg

 装甲を持った艦となると,最初の物は,フランスの「グロワール」(1859年進水)ですね.
http://hush.gooside.com/Text/1K/13Ku/GloireLine.jpg

 ごらんの通り,構造は旧来の木造フリゲートに鋼鉄の装甲を被せたもので,機走のための蒸気機関は持っているものの,構造は帆船そのものです.

 南北戦争のハンプトンローズ海戦は,「初の装甲艦同士の戦闘」です.
 この戦いでは当初,南軍側の装甲艦ヴァージニアが北軍の非装甲フリゲートを圧倒しましたが,北軍側のモニターが戦場に到着すると,お互い装甲のために,相手に有効打を与える与えることができず,戦闘は引き分けに終わりました.

軍事板,2010/08/10(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 兵隊が持つ小銃とか突撃銃は,多少の性能を犠牲にしてでも「故障をしないこと」を優先されるものなんでしょうか?
 というのは,ゴルゴ13という漫画で,カラシニコフなんたらとかいう突撃銃が故障しないから最高だという描き方をされていましたので.
 自分が兵隊なら,故障をしないこともいいですが,軽いのもいいなあと思いますが.

 【回答】
 故障をしない,と言う要求は,永遠に達成出来ない禅問答のようなもので,小銃と言えど機械である以上,使用すれば必ず故障します.
 カラシニコフの設計思想は,故障するまでの時間を可能な限り長く取り,また,他国の小銃に比較して短い射程内での火力と威力を重視しています.
 それは,ともすれば使い捨ての兵士に使い捨ての小銃を持たせ,兵士個々に求める能力を低く見積もり,戦術と戦略を組み立てる事になります.

 逆に現代の先進国の殆どは,兵士の能力をもっと高く,高コスト高効率の戦略を取っており,その中には,高精度の小銃を適時整備しながら戦闘を継続し,戦略を達成する事を求めます,
 それが現代戦の特徴であります.

三等自営業 ◆LiXVy0DO8s in 軍事板,2010/08/13(金)
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