c

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページに戻る

目次に戻る

青文字:加筆改修部分
(ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く)

※既に分類され,移動された項目を除く.


スレ立てる前に此処で質問を 580

目次

 【追記】 M5やH2Aは弾道弾に直接転用できる性質のものではない


スレ立てる前に此処で質問を 581

目次

 【追記】
>充分な(大体自分と同クラスの大砲に耐えられる位)装甲
 これ良く聞く説明だけど正しいとは思えないんだよね.


スレ立てる前に此処で質問を 582

目次

 【質問】 『そこに山があったからさ』の真実は何でしょうか?


スレ立てる前に此処で質問を 583

目次

 【追記】 C-1輸送機輸出打診の顛末

 【質問】 M1エイブラムスを開発するまで,アメリカは戦車後進国だったんですか?


スレ立てる前に此処で質問を 584

※荒れているため,レス回収量少量……

目次

 【質問】 ヴェトナム戦争で,身内が殺った「事故死」が多かったのは,どういう理由からですか?


 【質問】
 連合軍兵士は,ティーガーのような重戦車相手にどうやって戦ったんでしょうか?
 具体的な方法を教えてください.

 【回答】
 どうしても戦わなければならないときは,数の優位でなんとかした.
 具体的には,正面の戦車や対戦車砲が独戦車の注意を引きつけている間に,別の戦車が回り込んで装甲の薄い側面や背面を攻撃して撃破する.
 実際には独軍重戦車はもともと数が無い上に,燃料切れや故障で相当数が遺棄され,連合軍の航空攻撃に晒されて,戦場に十分な数がたどり着けないって感じだった.
 数の上の主力だった4号中戦車や3号突撃砲,ヘッツアー駆逐戦車などなら,十分正面から撃破できる.

モッティ ◆uSDglizB3o in 軍事板,2009/08/07(金)
青文字:加筆改修部分


 【追記】
378 :名無し三等兵 :2009/08/08(土) 05:31:34 ID:???
>>369
WW2頃だと色々ややこしい(対戦車自走砲があったり逆に対戦車戦闘を考えてない戦車が残っていたり.そうなると
>>370氏や>>372氏が言うように「保有国がどう見てるか」で判断するしかない)が,現代では大分すっきり.
戦車:直接照準で地上目標を攻撃する為の大砲と充分な(大体自分と同クラスの大砲に耐えられる位)装甲,
    更に機動戦闘が可能な運動性能を持つ,対地戦闘に特化した戦闘車両.
自走砲:野戦砲を即時発射可能なように車両に搭載したもの.遠距離の敵部隊に対する間接射撃が目的で,
     一般的には軽装甲を持っているが一部は砲基部がむき出しのものも.
無反動砲:車両の種類じゃなく砲の種類.文字通り発射時の反動を押えた砲.車両に搭載しない牽引式や
      歩兵が運べる携帯式のものもある.
装甲車:装甲を持つ車両の総称.兵員輸送車とか偵察車とか戦車ほどの戦闘能力を持たない戦闘車両とか.
     広義では戦車も装甲車の一種だけど普通は「戦車以外の装甲車両」を指す.

 【回答】
>充分な(大体自分と同クラスの大砲に耐えられる位)装甲

 これ良く聞く説明だけど正しいとは思えないんだよね.
 自らの砲に耐えれる装甲って言うのは,水に浮かんでいられる軍艦の考え方(砲戦の時代の).
 陸上兵器である戦車の場合,重量の制限が厳しいからそんな決め方はしない.
 また,軍艦には基本的に前線とか領域を占領するという概念が無いから,同クラスの敵と殴りあう事が主題になってくるけど,戦車は陣地を突破する為に生まれた兵器なんだよね.
 戦車も主力戦車の時代になって,戦車同士の戦いをして当たり前になってはいるものの,戦線を突破し,歩兵を援護する兵器と言う本質は失われてないんだよね.

 あくまで敵が対戦車火力,特に同クラスの戦車を持ち出してくる事が予期されるから,それに対抗するだけの正面装甲がないと,突破できないというような考え方をする.
 だから普通は正面以外は薄いし,市街戦用の戦車は追加装甲をたくさんつけたりする.
 第二世代戦車は自分の砲に耐えられないが,だからといって戦車じゃないということには成らないし.

 wikipediaなんかでも,自分の砲に耐えられる装甲を備える論を信じて疑わない人らが多くて,なかなか直らない.

モッティ ◆uSDglizB3o in 軍事板,2009/08/09(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 友人の軍事マニアが,
『ドイツ人はとてもとても山登りが好きで,映画でも山岳モノが大好き,
 第二次世界大戦中にも戦争そっちのけで,連隊ごと未踏破の山に登って,なんでそんなことしたのか?と言われ,
『そこに山があったから』
と答えてヒトラーに激怒されたほど』
と,真しやかに語っていましたが,事実でしょうか?
 流石にありえねー気がしますが.

 【回答】
 ドイツ第1山岳師団は独ソ戦のブラウ作戦時にカフカスにあるコーカサス山脈のエルブルス――Эльбрус カタカナでどう表記するのかは,資料によって微妙に違う――山に登頂隊を出して,ソビエト軍山岳部隊と交戦しつつ見事,山頂を征服した.

 ブラウ作戦全体にはなんにも寄与しない上に,戦略的意義は何もないこの登山作戦?に,作戦そっちのけで師団のリソースを割いた事を,ヒトラーに咎められた師団長は
「目の前に山があったら登る.それが山岳部隊というものです」
と回答し,ヒトラーを激怒させた.

 結局,
「そんな無意味なことに許可を出したのは誰だ!」
ということになって,A軍集団司令官であるリスト元帥のクビが飛んだ.

 尚,山頂には第1山岳師団が立てたナチスドイツ旗が翻っていたが,ドイツ軍がこの地域から撤退したら,スターリンから
「他のことは総て後回しでもいいから,山頂に登ってあの旗を降ろして来い!」
という命令が出て,ソビエトの山岳師団は総出で登って,何よりも優先して山頂のナチス旗を撤去した.
 勿論,山頂にナチス旗が立ってたからといって,ナチスドイツが領土権を主張し続けられるわけでもなく,戦略的には全く無意味だが,スターリンはそれを最優先命令にした.

「何故山に登るのか.
 そこに山があるからさ」

 言葉だけだと美しいんだが・・・.

 余談ですが,捕虜収容所で物資を蓄え,登山道具を自作してから脱走して,登山に成功して捕虜収容所に戻ったイタリア軍のことも,たまには思い出してあげてください.

軍事板,2009/08/12(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 M1エイブラムスを開発するまでアメリカは戦車後進国だったのですが,何故アメリカは戦車後進国から戦車先進国になれたんですか?
 MBT-70で西ドイツの優秀な戦車技術を得られたからですか?
 また,何故軍事超大国アメリカが,M1を開発するまで戦車後進国だったんですか?

 【回答】
 まず,西ドイツが優秀と言うこともありません.
 レオパルド1は,M48から技術的に習得した部分も多々あります.
 レオパルド1は高速で対戦車ミサイルを避けながら戦うなどと言った誤解もありますが,初期型はやはりステレオ測距器を用い,砲安定装置も装備しておらず,実はM48同様,行進間射撃には対応しておらず,開発途中でMBT70計画の参加も始まっており,実はレオパルド1の開発途中で既に西ドイツは運用・設計思想の転換を始めています.

 M48は,元々は朝鮮戦争でT34/85に対して有利に戦える戦車として,短期間で開発した戦車であり,その前に短期開発したM47の,さらなるバージョンアップのつもりの戦車に過ぎません.
 実際,自衛隊の61式開発時点でも,目標はT34/85であり,T54・T55は意識していないとされています.

 また,欧州では重戦車M103との併用しており,あくまで主力中戦車であってMBT思想で設計された戦車ではないし,JS3・JS4・T10などと比較しても仕方ありません.

 M60も登場時点の他国の戦車や,登場時点で考えていた運用期間(MBT70との交代を考えていた)からすれば優秀です.
 大柄な割にエンジン出力が小さいとも言われますが,当時のアメリカはステレオ測距器を使った停車戦闘を考えていたので,機動戦はしませんし.一応,軽合金の多用でドンガラの割には軽量に仕上げる努力もしています.
 そも,あのエンジンは航続距離の延伸を目指して突貫開発したものであり,本当に短期間しか使うつもりが無かったことが判ります.
 MBT70の失敗で延命させてしまったために,時代遅れなどと思われるのでしょう.
 M48もM60も配備時点では優秀な戦車です.

 むしろ迷走が始まったのは,M60A2やMBT70を開発し始めた時期です.
 当時のアメリカはT62の性能を極端に誤解してしまい,通常の戦車では優位に立てないと言う誤解が,あのような仕様の戦車開発に向かわせたと言われています.
(その後,イスラエルから現物を手に入れる前ぐらいには,誤解は解けていたようです)

 ちなみにフルシチョフ時代のソ連でも,ミサイル万能論によるミサイル戦車の開発や,成形炸薬弾による戦車砲の強化が実施されています.

軍事板,2009/08/18(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ヴェトナム戦争での,実は身内が殺った「事故死」って,そんなに多いんですか・・・?
 映画『プラトーン』でも,そういうシーンありましたね.
 それが本当だとして,どういう理由からそんな事になったんですかね?
 密林で視界が悪く誤射が多かった,異常な心理状態に置かれて狂った兵士が多かった,とかですか?

 【回答】
 あれだけの人数をあれだけの期間派遣して活動すれば,それぐらいの事故被害は出る.
 単純に「誤射」したものの他に,戦争が長引いて厭戦気分が蔓延してくると,兵士の心が荒んで来るので,ほんのちょっとしたトラブルで殺人が起きた.
 何せ戦闘中に後ろから撃って,「敵に撃たれた」ということにすれば,第三者に目撃されない限り,まず真相は解らない.
 「戦死」をいちいち検死したり,現場検証したりはしないからね.

 あと,「どうしようもなく無能な上官」や「横暴な上官や同僚」も,度が過ぎると仲間や部下によって「後ろから撃たれる」ことになった.
 まぁこれは,ベトナム戦争中のアメリカ軍に限ったことではないけれど・・・.

軍事板,2009/08/25(火)
青文字:加筆改修部分


目次に戻る

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページに戻る