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◆◆戦闘機
<◆航空
ロシアFAQ目次


(画像掲示板より引用)


 【link】

D.B.E. 三二型」(2010/12/02)◆ 特集・赤い星の戦闘機 ミグ&スホーイ

「Novosti」◆(2010/10/11)Russian Navy to get fifth generation carrier fighter after 2020

「Strategy Page」:NAVAL AIR: MiG-29 Shuts Down The Su-33

「VOR」◆(2013/04/18) 世界で増えるロシア製戦闘機への需要

「レジデント初期研修用資料」:ロシアは鉛筆を使った

「ワレYoutube発見セリ」:Russian Military Jet Fighters

●スホーイ

「FlyTeam ニュース」◆(2012/12/31) スホーイ,Su-35S高機動多目的戦闘機6機をロシア空軍へ納入

「FlyTeam ニュース」◆(2012/12/31) ロシア空軍アクロチーム,Su-30SMとSu-35Cに機種を更新

「Kojii.net ココログ別館」◆(2010/05/22) PAK-FA/T-50 の試験飛行

「militaryphotos.net」:Su 34 video

「paralay.com」:Су-34
 画像欄に注目

「Strategy Page」◆(2013/05/23) LEADERSHIP: Shut Up You Whore,
 Su-27パイロットに,飛行手順遵守違反で有罪判決

「The Aviation Forum」:The real cockpit of the Su-34 Fullback?

「zvezda」:ВВС России получат дополнительные бомбардировщики. Заказ от Минобороны

「zvezda」:Модернизация Су-34. Крупный заказ от Минобороны

「НИИЛ」◆(2013) Система управления вооружением СУВ-ВЭП ≪Меч≫ для истребителей серии Су-27, Су-30
極東に配備されている近代化改修型Su-27SMの火器管制システムの詳しい資料

「Strategy Page」:PROCUREMENT: U.S. Firm Selling Su-27s To Civilians

「Topix」◆(2010/10/02)Sukhoi completes flight test of Su-30M2 fighter for Russia

「ロシア・ソ連海軍」:艦上戦闘機Su-27KUB「21」号機

「ロシア・ソ連海軍」:ロシア海軍のSu-27UB(サキ飛行場)(2)

「ワレYouTube発見セリ」:Su-27 Family Knaapo- Su-30MK

「ワレYouTube発見セリ」:Su-27 Ram-K

「ワレYouTube発見セリ」:Сухо? Су-27- Sukhoi Su-27: Testing, Flight & Demonstrations

スホーイ27戦闘機が墜落,観客に突っ込み大惨事[ショッキング注意]

「ワレYouTube発見セリ」:Су-27 - Су-35

「ワレYoutube発見セリ」:Su 30 factory

「ワレYoutube発見セリ」:Sukhoi Su-30 Flanker

「ワレYouTube発見セリ」:Sukhoi SU-32 (SU-34) Fullback fighter-bomber

「六課」◆(2010/1/20)艦上戦闘機Su-33の輸出交渉は「死亡した」

「六課」ACS◆(2013/05/23) 艦上戦闘機Su-33は空対空ミサイル発射訓練を行なった

「六課」ACS◆(2013/08/23) ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33はロシア空軍の戦闘機Su-27と合同演習を行なった

「六課」ACS◆(2013/12/09) ロシア海軍の艦上戦闘機連隊は創設40周年を迎えた

「六課」ACS◆(2014/01/16) ロシア海軍航空隊の為に戦闘機Su-30SMと練習機Yak-130が購入される

「六課」ACS◆(2014/01/17) ロシア海軍は50機のSu-30SMと10機のYak-130を購入する

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/7/23) 3機の多用途複座戦闘機Su-30SMがロシア海軍へ引き渡された

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/10/25) ロシア第5世代戦闘機T-50(PAK FA)の艦上戦闘機型が開発される

「ワレYouTube発見セリ」:Su-34 Platypus

「ワレYouTube発見セリ」:Sukhoi Su-34 (export Su-32, Fullback ) fighter-bomber 4/4 RU

「militaryphotos.net」:Su-35BM Weapons and Technologies

「Strategy Page」◆(2013/04/11) MURPHY'S LAW: In Russia Everything Is For Sale
 ロシア,中国へのSu-35売却に合意

「VOR」◆(2012/12/23)2013年3月 ロシアの第五世代戦闘機 実験開始

「VOR」◆(2013/04/26) プーチン大統領,新型戦闘機の軍備導入期限を明らかに

「VOR」◆(2013/08/27) ロシア 第6世代戦闘機の開発を開始

「ワレYouTube発見セリ」:NPO Saturn 'Article 117S' - Su-35-1&PAK-FA Prototype Engine (サターン社117Sエンジン)

「ワレYouTube発見セリ」:The Su-35

「ワレYouTube発見セリ」:Su-35 (Su-27BM) Maiden Flight - February 19, 2008

「ワレYoutube発見セリ」:Su-47ベールクト戦闘機

「ワレYouTube発見セリ」:Sukhoi MAKS 2005 Pride of Russia Российская Федерация(スホーイの各種戦闘機)

「ワレYouTube発見セリ」;Sukhoi Fighters - Virgin’s high! -

「an Arms Watcher」◆(2010/06/23)安価でF-22に勝る性能? ロシアの第五世代戦闘機

「週刊オブイェクト」◆(2010年06月26日)ロシア機のリベットは計算し尽くされている

「六課」◆(2010.2.22)塗装されたT-50(PAK FA)試作機

「六課」◆(2010.3.3)製造中のロシア第5世代戦闘機T-50試作機

「六課」◆(2010/03/09)スホーイT-50とSu-30M3(Su-35UB)

新「六課」◆(2012/09/02) ロシア第5世代戦闘機T-50(PAK FA)の海軍版が開発される?

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/9/18) ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33はバレンツ海上空で空中戦闘訓練を始めた

●ヤコブレフ

高町紫亜 in twitter(2012/05/17)
 RIAノーボスチより「国防省はYak-130の軽戦闘機案を拒否する」
ロシア国防省は,ヤコブレフから提案されていた練習機Yak-130の軽戦闘機タイプを拒否した
http://pic.twitter.com/VM3xsltg

「ロシア・ソ連海軍」:ファーンボローのYak-38M(38号機)

「ロシア・ソ連海軍」:ヤコブレフYak-38U・24号機

「ロシア・ソ連海軍」:現存するヤコブレフYak-38・その1

「ロシア・ソ連海軍」:現存するヤコブレフYak-38・その2

「ワレYouTube発見セリ」:Yakovlev Yak-130


 【質問】
 よく旧ソ連,ロシアの戦闘機のエンジンはすぐだめになると聞きますが,これは工作精度が悪いのか,そもそもの設計に問題があるのか,どっちでしょう?
 前者である場合,ロシア製のエンジンを日本でライセンス生産すれば,信頼性は向上したりするでしょうか?

 【回答】
 西側のものに比べれば工作精度や材質で劣っている,というのは絶対的にある.

 でも根本的な理由は,使い捨てが前提だから.
 ロシア(ソビエト)の航空機用エンジンは,修理し部品を交換して長く使うよりは,耐用時間が過ぎるまで使い倒し,限界が来たらエンジンごと交換する,という発想で設計されている.
 大量に生産し大量に配備し大量に運用するのが基本理念だったソビエト兵器は,そのほうが合理的だしコストも安く済むから.

 ソビエトは,一部の金属工学や金属加工技術ではむしろ西側よりも進んでいた.
 だけど,大推力が出せて,かつ,耐久性があるエンジンを,ソビエトの軍事ドクトリンに合わせて安価で大量に生産する事は不可能だった
(別にソビエトが遅れていたからではなく,アメリカにだって不可能だったろう).

 アメリカは
「高性能の兵器を,財政の限り生産する.数が揃えられなければ少数精鋭で」
という考え方をしたけれど,ソビエトは
「ある程度性能が低くなってもいいから,自軍の求める数を揃えられる方法」
を選択し,それにはエンジンを使い捨てにする替わり,ある程度の高性能が出せ尚且つ大量生産が可能,という方法を選択した,ということ.

 だから,仮に設計をそのまま日本で生産しても,その部分は変わらない.
 それを変更したら,エンジンを一から設計し直したのと同じになる.

 ちなみに,西側の戦闘機エンジンは機体寿命,運用寿命が終わった後もムダに(数倍とか)残っており,過剰品質というか,実用を考えていない作り方だったという反省が,西側内部で出ています.
 過剰品質は重量増につながり,カバーするために全体が大型化し,高価にもなりました.

 最近は過剰寿命とならないよう設計が最適化されてきていますから,西側エンジンの寿命はロシアに近づいていくでしょう.

 メンテ頻度はまた別の問題ですが,ロシアの最新のエンジンは西側水準に匹敵しつつあるようです.

軍事板,2006/04/03(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ロシアの戦闘機って他国に比べてややでかい感じですが,なぜですか?

 【回答】
 概算値;

機種  空虚/全備
Su-27 16/30
Mig-29  8/18
Mig-31 22/41

F-15 13/30
F-16 9/19
F/A-18 10/24

タイフーン 10/21
ラファール 9/14
グリペン  7/13

 あんま変わらんよ?
 おそらく,双発機が多いことと,写真写りが大きく見えるだけで,気のせいかと.
 むしろアメリカのものに比べると,ソビエト/ロシアの戦術戦闘機は総じて小さい.
 これは欧州の戦場に合わせて設計されているから
(戦域がそんな広大じゃないので,航続距離がそれほどには要らず大型にする必要性も小さい)

 Su-27・Mig-31がでかいのは,元々,大型戦闘機として作られたから.長い国境線を守るために必要なものを詰めたらでかくなった.
 Su-27は特に,増槽を吊るさなくてもいいように機内タンクを大きくした.
 MiG-31は特に,大出力大馬力のエンジンがでかいので必然的に大型になった.

 Mig-29が小さいのは,局地戦闘機として開発されたので,小型軽量・航続距離短くてもOkだったから.

 ヨーロッパ勢が軒並み小型なのは,国土がそれほど大きくないので,航続距離がいらない=小型で十分.

 F-15も必要なもの詰めたらでかくなった.

 それだと高価になっちゃったんで,廉価な軽戦もつくろうってことで,F-16を作った.

軍事板


 【質問】
 旧ソ連の戦闘機はアメリカの戦闘機より運動性が高い傾向にあったと聞いたんですが,本当でしょうか?

 【回答】
 一概にそのような傾向があるとは言えない,
 というより多くの期間において,米製戦闘機の方がソ連製戦闘機より運動性が高い傾向が見られる.
(戦後,ソ連で空対空戦闘を主眼に開発された戦闘機は少ない,
 多くの機種は迎撃任務を主眼に設計され,高い上昇力・高速性が空対空戦闘にも役立ったというパターンが多い.)
 速度性能に関しては米を凌駕していた
 冷戦中米ソ両陣営が最も力を入れてたのは,敵陣営の超音速長距離核爆撃機をいかに早い段階で迎撃するかって事だった
 ソ連が西側陣営からの長距離核攻撃に対応するには,ソ連の領土は広すぎるので,いち早く会敵する為,迎撃機には自然と最高速性能が求められる事になた.

 質問の様な言説が流れる原因に,
・朝鮮戦争におけるMiG-15ショック
・ベトナム戦争におけるMiG-17/19/21などの善戦
が挙げられるが,どちらも軍特有のオーバーエスティメイトな傾向が見られる.

 前者はとにかく出現時の衝撃(その時点で国連軍側に後退翼戦闘機は未配備),高い上昇性能と高速性を用いた一撃離脱戦法が恐れられたが,純粋にMiG-15とF-86を比べれば,上昇力を除けば運動に制約の多いMiG-15より,F-86の方が空対空戦闘における運動性では有利であったとされる.

 後者に関しては,超音速とミサイルの時代に入っていた米軍戦闘機に対し遷音速における格闘戦に優れたMiG-17/19が健闘を見せ(それを可能とする条件があったとはいえ)
 また,後期にはMiG-21が良い戦いを見せた.
(とはいえ空対空戦闘において米軍は終始圧倒していたが)
 結果,米軍は戦闘機の設計方針や教育体系・ROE等多方面において大きな刷新を行う事となる.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 Tu-128「フィドラー」について教えられたし.

 【回答】
 爆撃機の出来損ないと揶揄される巨大迎撃機.全長30m近く,戦闘機としては世界最大.全備重量40t.
 B-52迎撃用として開発され,1961年に初飛行.
 上記のように揶揄されるのも根拠ないことではなく,不採用となったTu-98爆撃機から発展している.
 当時,ソ連軍迎撃戦闘機は航続距離不足のせいで,広大な領土をカバーする能力がなく,戦闘機隊は各地の飛行場を巡回することで防空任務を遂行していたし,東シベリアのような,基地と基地の間の距離の長い地域では,巡回でもカバーしきれなかった.
 本機の登場は,その問題を解決することになった.

 なお,FiddlerはNATOコード.英語で「ペテン師」の意味.
 正式呼称はTu-28らしい.

Tu-128「フィドラー」
(こちらより引用)

written by 掘越二郎(うそ)


 【質問】
 スホーイSu-7について教えてください.

 【回答】
 スホーイ Sukhoi Su-7 は1955年に初飛行した戦闘攻撃機.
 当初,戦闘機として開発されたが,1958年,戦闘攻撃機として生産命令を受けた.
 後退角の大きな,中翼の主翼と,その前縁が主翼と殆ど平行に後退した水平尾翼とを持つ.
 胴体は円形断面で,主翼上では面積法則にしたがってくびれている.
 MiG-21を凌ぐ機動性や低空での運動性・安定性は群を抜いており,また,高度11,000mではマッハ1.6を出す.
 他方,搭載能力が低く,低空での燃費も非常に悪かった.
 輸出型Su-7BMKは,ソ連の衛星国へも多数輸出された.
 Su-17, 20, 22といった派生型もある.

 【参考ページ】
佐貫亦男「飛行機のスタイリング」,『航空ファン』1995年4月号,p.155
http://www.eurus.dti.ne.jp/~freedom3/newpage214.htm
http://military.sakura.ne.jp/aircraft/2_su-7.htm

三面図
(こちらより引用)

【ぐんじさんぎょう】,2013/03/23 20:30
を加筆改修


 【質問】
 スホーイT-50(PAK FA)とは?

 【回答】
 2010年1月29日に初飛行した,ロシアの第5世代戦闘機.
 日本では「PAK FA」(前線航空隊将来航空複合体)と呼ばれる事が多いようですが,ロシアでは,スホーイの設計番号である「T-50」の方が多く使われています.

ロシア第5世代戦闘機スホーイPAK FA初飛行

ロシア第5世代戦闘機T-50(PAK FA)は,新型エンジンを装備して初飛行した

RIAノーボスチ英語版のニュース動画
[Russia's fifth-generation fighter conquers the skies]

 ロシア通信社ノーボスチ"Infografika"(情報グラフィック)より.
[ロシア第5世代戦闘機T-50の特徴]
http://www.rian.ru/infografika/20100212/208888584.html

 この図によると,T-50の要目は,こうなっています.

全長:22m
全幅:14.8m
全高:5.45m
翼面積:78.8平方m
エンジン:2基
持続飛行時間:3.3時間
乗員:1名(インド用ヴァージョンのFGFAでは2名)
巡航速度:マッハ1.7〜1.8
最大速度:マッハ2.45
機内燃料による飛行距離:2,000km
実用上昇高度:20,000m
最大離陸重量:37,000kg

 固定武装はГШ-301(Gsh-301)30mm機関砲の改良型です.
 Gsh-301は,第4世代戦闘機Su-27系列機およびMiG-29系列機にも装備されています.

 機内には,10基の爆弾(兵装)懸垂装置が有ります.

 この他,機外にも各種装備を吊り下げて搭載する事が可能です.
 ただし,この場合は,ЭПР(Эффективной Площади Рассеяния 有効分散面積,いわゆる「レーダー反射面積」RCS)が増大します.

 T-50の価格は1億ドルくらいで,アメリカの戦闘機F-22よりも安いとの事です.

 参考までに,2月13日現在,1ドルは約90円です.

 なお,ロシア国防省発表によると,2月12日,T-50は,2回目の試験飛行を実施しました.

第5世代戦闘機は,2回目の試験飛行を実施した
モスクワ,2月12日(ロシア通信社ノーボスチ)
2010年2月12日11時14分配信

 場所は前回と同じコムソモリスク・ナ・アムーレ,パイロットも前回と同じセルゲイ・ボグダン氏です.

スホーイT-50

「ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課」
2010/2/13(土)

スホーイT-50
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 【関連リンク】

Выездное заседание ВПК. Новый истребитель взлетит раньше срока
ロシア第五世代戦闘機,今年中にテスト飛行開始

「militaryphotos」:Sukhoi T-50 PAK FA
 ロシア軍が開発中の新型戦闘機 PAK FAについて語るスレッド

朝目新聞」●ロシアの第5世代ジェット戦闘機「PAK FA」の完成予想図

「週刊オブイェクト」◆(2010年01月29日)ロシア新型ステルス戦闘機"PAK FA"初飛行に成功

「週刊オブイェクト」◆(2010年01月31日)PAK-FAのキャノピーとリベットの件

「六課」◆(2010/1/29)ロシア第5世代戦闘機スホーイPAK-FA初飛行


 【質問】
 PAK FA試作機のエンジンは新型エンジン?

 【回答】
2010年1月29日,ロシア第5世代戦闘機スホーイT-50(PAK FA)試作機が初飛行しました.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/40810800.html
http://brrs.exblog.jp/12746899
http://www.youtube.com/watch?v=sRlQV5tPxlk

 PAK FA試作機は,本来搭載予定の新型エンジンが間に合わず,既存のエンジン(Su-35が搭載しているAL-31Fの派生型,AL-41F1A/117S)を装備して飛行したと言われています.

http://www.afpbb.com/article/politics/2688946/5251726
>リベラルな論調で知られるロシア紙独立新聞(Nezavisimaya Gazeta)は,
>試作機は従来からあるエンジンを積んだ試作機にすぎず,
>今後どのような武器を積むのかも分からないとして慎重な見方を示した.

 しかし,PAK FAのエンジンを製造する科学・生産連合「サトゥルン」は,これを否定しました.

――――――
第5世代戦闘機は,新型エンジン搭載による飛行を完了した
モスクワ,1月29日(ロシア通信社ノーボスチ)
2010年1月29日14時45分配信


 金曜日の第5世代戦闘機の初飛行は,ロシア科学・生産連合(NPO)「サトゥルン」が製造した新型エンジンを装備して実施された.
 同社広報サービスは発表した.

「飛行実験機で必要な量の試験を完了した後,新しいエンジンを搭載して第5世代航空機の初飛行が行なわれました」
 広報部は伝えた.

 「スホーイ」広報サービスが金曜日に伝えたように,前線航空隊将来航空機複合体PAK FA試作機は,コムソモリスク・ナ・アムーレ工場飛行場を離陸,47分間に渡って飛行し,同飛行場へ着陸した.

 航空機は,ロシア連邦試験飛行士セルゲイ・ボグダンによって操縦された.

 科学・生産連合「サトゥルン」広報サービスは,第5世代航空機の為のエンジンは,飛行実験機Su-27Mに搭載され,1月21日,モスクワのジューコフスキーで初飛行に成功したと発表した.
 飛行は45分間に渡って成功裡に行なわれ,エンジンの動作が観察された.
――――――

 更に,第2報.

――――――
戦闘機T -50のエンジンは,ロシアにも世界にも同じ物が無い
モスクワ,1月29日(ロシア通信社ノーボスチ)
2010年1月29日16時39分配信


 金曜日,第5世代戦闘機前線航空隊将来航空機複合体(PAK FA)T-50は,ロシアにも世界にも同じ物が無い全く新しいエンジンにより初飛行を終えた.
 科学・生産連合(NPO)「サトゥルン」総務部長,統合エンジン製造会社(ODK)のPAK FAプログラム主任イリヤ・フョードロフは,ロシア通信社ノーボスチに伝えた.

「これは最新のエンジンであり,複数のメディアや"専門家"が言っているような,Su-35と同型のパワープラントの改良型では有りません.
 それは,スホーイ商会の為に,全ての条件を満たしております」
 フョードロフは話した.

 (新型エンジンは)超機動性を含む航空機の新しい特徴の為に,Su-35のエンジンと比較して高推力,自動制御複合システムといった特徴を有する事にフョードロフは注意を促した後,今,エンジンのより詳しい性能を明かす事はできないと強調した.

 彼は,エンジンが,この4年間で開発されたと伝えた.
「既に,全ての複合体は,充分な量の試験を経ています」
 総務部長は話した.

 同時にフョードロフは,現在,別のユニットが試験を経て改善されている事を強調した.
――――――

株式会社「科学・生産連合(NPO)サトゥルン」公式サイト
株式会社「スホーイ商会」公式サイト

第4世代戦闘機用エンジンAL-31F/AL-31FN/AL-31FP
第4+世代戦闘機用エンジン117S(AL-31F改)
第5世代戦闘機用エンジン

 ロシアが何らかの新型兵器・機器などを開発した場合,「世界に同じ物が無い」という表現が使われる事は有りますが,
「"ロシアにも"世界にも同じ物が無い」
という表現方法は,極めて異例です.

 新たに航空機(戦闘機)を開発する際,本来搭載予定の新型エンジンが間に合わず,既存のエンジンを試作機に装備して初飛行を行なったケースは,これまでにも幾つか存在します.

・Su-27原型機T-10:Su-24のエンジンAL-21Fを付けて初飛行
・S-37ベルクト:MiG-31のエンジンD-30F6を付けて初飛行
・ラファール(フランス):F/A-18のエンジンGE F404を付けて初飛行
・テジャス(インド):F404-GE-F2J3を付けて初飛行

 特に,スホーイが以前に設計したS-37ベルクトとSu-27の試作機が,共に既存のエンジンを装備して初飛行を行なっている事も有ってか,T-50も「Su-35と同型のパワープラント」であるAL-31Fの派生型117Sを装備していると見られていたようですが,今回,新型エンジンは間に合いました.

 新型エンジンは,1月21日,実験機Su-27Mに搭載されて試験飛行を行ないました.
 この「実験機Su-27M」は,ジューコフスキーで新型エンジンのテストベッドとして使われている,カナード付きの旧Su-35の710号機(2枚目の写真)の事でしょう.

 ただし,この件を科学・生産連合(NPO)「サトゥルン」が公表したのは,1月27日です.

飛行実験機は第5世代戦闘機のエンジン試験を行なった
モスクワ,1月27日(ロシア通信社ノーボスチ)
2009年1月27日18時57分配信


 〔略〕

「ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課」
2010/1/31(日) 午前 6:38

 航空雑誌『航空ファン』2010年4月号と『Jウイング』2010年4月号では,共にロシアの第5世代戦闘機スホーイT-50(PAK FA)初飛行(2010年1月29日)が取り上げられています.
『航空ファン』2010年4月号
『Jウイング』2010年4月号

 内容は,両誌とも,初飛行直後にネットでリリースされた既出の写真にライターの解説を加えたものです.
 そして,予想していた事ですが,両誌とも,T-50試作機は,Su-35のエンジン117Sを付けて初飛行したと書いています.

 しかし,当ブログでも指摘しているように,初飛行当日の1月29日,T-50のエンジンを製造するロシア科学・生産連合(NPO)「サトゥルン」は,これを否定する声明を発表しています.

[ロシア第5世代戦闘機T-50(PAK FA)は,新型エンジンを装備して初飛行した]
「これは最新のエンジンであり,複数のメディアや"専門家"が言っているようなSu-35と同型のパワープラントの改良型では有りません」

 ここで言う「Su-35と同型のパワープラントの改良型」は,サトゥルン117Sの事です.

 同社公式サイトより.
第4++世代エンジン117S(Su-35のエンジン)

 基本的には,第4世代エンジンAL-31Fの改良型です.

 『航空ファン』2010年4月号と『Jウイング』2010年4月号は,1月29日に初飛行したT-50試作機が,↑このエンジン(117S)を付けていたと書いています.
 むろん,それは全くのデタラメです.

 1月29日に初飛行したT-50試作機に搭載されていたのは,このエンジン↓です.
サトゥルンの第5世代エンジン

 このエンジンは,2006年12月22日に正式に開発がスタートしました.
 むろん,AL-31F系列とは全く別の新規開発です.

 ロシアでも,T-50試作1号機には,この新型エンジンは間に合わないだろうという見方は有りましたが,今回,「専門家」の予測は外れました.

 繰り返しますが,T-50試作機が新開発のエンジンを搭載して初飛行したという情報は,ネット上で,ごく普通に公開されており,誰でも閲覧する事が出来ます.

第5世代戦闘機は,新型エンジン搭載による飛行を完了した
モスクワ,1月29日(ロシア通信社ノーボスチ)
2010年1月29日14時45分配信


戦闘機T -50のエンジンは,ロシアにも世界にも同じ物が無い
モスクワ,1月29日(ロシア通信社ノーボスチ)
2010年1月29日16時39分配信


NPOサトゥルン公式サイト
NPOサトゥルンの新型エンジンを搭載した第5世代戦闘機は,正常に初飛行を完了した

 にも関わらず,『航空ファン』2010年4月号と『Jウイング』2010年4月号の体たらくは,一何なんだろうね?

 「その情報はロシア語で公開されており,日本語や英語では公開されていない」というのは,言い訳にならない.
 ロシアの最新鋭戦闘機に関する詳細な情報を入手したければ,当然,ロシア語で書かれている情報源を読む必要が有る.
 PAK FAは,どこの国が開発したと思っているのか?

 現に,『エアワールド』2010年4月号では,ロシア語で書かれている情報源を読んでいる方が,PAK FAに関する記事を執筆されております.
 『★くろいあめ,あかいほし』より.

 『Jウイング』のT-50(PAK-FA)記事は,かの有名な航空ジャーナリスト青木謙知が書いているんだけど,その青木謙知にしても,エンジンに関する正確な情報を知らなかったわけだ.

 これが,日本の「専門家」「専門誌」の限界でしょうかね.
 特に,ロシアとか中国に関する事になると,情報不足というかリサーチ不足が目立つ事よ.

「ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課」
2010/3/3(水) 午後 11:39

T-50と,そのエンジン
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Su-27M
(いずれも,上記ブログより引用)


 【質問】
 スホーイT-50艦戦型について教えられたし.

 【回答】
 T-50(PAK FA)はロシア空軍の次期主力戦闘機ですが,ロシア海軍が計画中の新世代原子力空母にも,T-50艦載機型が搭載されるようです.

ロシアは,5〜6万トンの新世代原子力空母を建造する
>航空母艦には,現在運用されているSu-33に代わる新しい艦上航空機が搭載される.
>「これは,正統的な水平離着陸の第5世代航空機になります」
>提督は言った.

ロシアは,新たな空母建造を設定する
>第5世代戦闘機の艦載バージョン,即ち,現在,
>スホーイ設計局が開発している前線航空隊将来航空機複合体(PAK FA)は,
>これまでのところ,依然として最善の可能性を有する選択肢のままである.

 「正統的な水平離着陸」というのは,要するに,VTOL(垂直離着陸)ではないという事です.

スホーイT-50艦戦型

「ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課」
2010/1/31(日) 午前 6:38


 【質問】
 ラプターはSu-50に勝てる? あとアメリカ空軍は,その戦闘機に勝てるか心配してますか?

 【回答】
 Su-50は間違いでT-50が正解.
 存在してる機種同士の比較も難しいのに,完成してもいない機種との比較なんて無理です.

 T-50(PAK-FAの方が最近は一般的なようだ)は,F-22みたいなのを作れたらいいな,的な戦闘機.
 そもそもプロトすら飛んでいないし,ロシアの技術でF-22「みたいな」すら作れるかどうか疑問といわれている.
 特に高度なネットワーク機能(F-22間は,探知されにくいデータ通信でリンク可能)や,AESAの活用は困難だろう.
 AESAの素子自体も,戦闘機のレーダー・クラスになると最近まで,(ひょっとしたら今でも)ロシアでは自製できなかった.

 しかし,それと空戦の勝ち負けは別.
 米空軍がもっとも怖れているのは,F-22の数が圧倒的に足らず,実戦となった場合に十分な数を飛ばせないという点.
 はっきり劣るが,そこそこの性能を持つ機体,やたらな数やってこられると,いくら単機で優秀であっても,空戦には負け,侵入を許すことになりかねない.
 その意味で,米空軍も安心してのんびり寝てるわけじゃない.
 でも金がないんだよね,
 イラクやアフガニスタンのせいで.

軍事板
青文字:加筆改修部分

 中国で開催中の珠海航空ショーに出展中のロシアのサチュルン社のブースで放映されている動画に登場したT-50
faq01x01p.jpg
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faq01x01p03.jpg
(こちらより引用)

 ・・・エンジン部分が垢抜けてないというか,ロシアらしさが漂っているというべきか.
 ほぼデザイン的にはコレで決まりなのかね?

軍事板
CRS@空挺軍 in mixi,2008年11月08日23:26に転載


 【質問】
 中小国ではフランカーをちょっとだけ調達している例がいくつか見受けられますが,人件費の安いところなんだから,もっと安い戦闘機をもっと多く調達する方が合理的に思えます.
 なぜこういうことをするんでしょうか?

 【回答】
 フランカーをちょこっとだけ採用している国をよくみてみるといい.
 全部といってよいほど世界でもっとも貧しい国々だ.
 そんな国だから自国で自国人のパイロットの養成ができず,戦闘機に乗るのはお雇い外国人にならざるを得ない.
 きみのいう「安い人件費」は,この問題では意味がないわけだな.

 どうせ金がかかるんなら最新鋭機の方が外聞もよいし,ソ連/ロシアなどの軍事援助が受けられれば,自分達の実質的負担は当初予想より少なくてすむ.
 だから貧乏国が,国力からみると不釣り合いな高性能最新鋭戦闘機を少数装備するなんて状況が発生する.
 ま,よくしたもので,そんな国では軍事援助は高官の懐に入るだけなので,フランカーは格納庫から出ることはなく,周辺の国の脅威にはならんわけだ.

軍事板

もちろん旧式化しても大事に使い続けます.
MIG-23BN@エチオピア共和国空軍
(画像掲示板より引用)


 【質問】
http://www.k2.dion.ne.jp/~konjyo/su27/type.htm
では,SU-27SM2はSU-35BMと統合していく予定,と書かれてあるのですが,これからはロシア空軍のフランカー系(SU-32を除く)はSU-35BM一本になっていくということですか?

 【回答】
 あまり先のことはわからないが,ぐぐった限りSu-27SM2は単にSu-35BMの別称に過ぎない.
 Su-27SMのほうはロシア空軍に配備されているというし,統合という言葉はSu-27SM2のみについて言及しているだけではないか.

 あと,Su-35は輸出向けに新型イメージを醸す為の,スホーイ社の呼称の気が.
 だからロシア軍はSu-27SM2の方を呼称に使うと思うんだが.
 Su-27無印改造のSM2と新造機で,構造とか仕様が大きく違う可能性もあるけど.

 Su-27は初期のモデルでも,簡単な無誘導ロケットや自由落下爆弾は搭載できたので,マルチロールといえなくは無い.
 Su-35も同様.
 どちらもSu-27もSu-35も対地兵装は搭載可能だが,本分は対空戦闘であることはいうまでも無い.

軍事板,2008/12/14(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 Su-27SM2は,対地攻撃もできるけど,本分は対空戦闘.どっちもできるから,分類上は多用途戦闘機という感じになるのでしょうか?

 【回答】
 少なくとも無印(?)Su-27は,制空(防空)専門機に分類される戦闘機だと思う.
 そりゃ爆装も出来るけど,それ言ったらF-15A/Cだって爆装も出来るけど,普通は「多用途戦闘機」「マルチロール機」とは呼ばんでしょ.

 一方,Su-27SM2については,Wikipediaをもとに,Specをまとめてみた.
         Su-35BM  Su-27
諸元
乗員:         1      ←
全長:       21.9 m.    ←
全幅:       15.3 m.   14.7 m
全高:       5.90 m.   5.93 m
空虚重量:   17,500kg  16,380kg
運用重量:   25,300kg.. 23,000kg
最大離陸重量:34,500kg. .. 33,000kg
動力:2×サトゥールン
      117Sターボファン  AL-31
推力 ドライ: . 各8,800kgf . 各7,600kgf
.    A/B : 各14,500kgf 各12,500kgf

性能
最大速度:高々度
         Mach 2.25 Mach 2.35
航続距離:高々度 3,600km 3,530km
       低高度 1,580km 海面高度 1,340km
実用上昇限度:18,000 m 18,500m
上昇率:     280 m/s  325m/s
翼面荷重:408 kgf/平方m 371kgf/平方m
推力重量費:   1.14    1.09

> 4++世代機,制空,攻撃,偵察マルチロール機.
> 低RCS,軽量,高剛性,長寿命,低ライフコスト,高性能アビオ,対地対艦攻撃能力が売り
だそうだ.

軍事板,2008/12/14(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 何故,Su-27シリーズにはF-15シリーズを超えるマルチロール性があったのですか?

 【回答】
 Su-27の方が,機体デザインそのものの発展性や汎用性が上だったから.
 イーグルは純粋に空戦能力を追求して開発され,フランカーはイーグルに対抗することと長距離を進出するために大型で余裕のあるデザインとなった.
 そこがイーグルとフランカーの命運を分けたのだろう.
 ちなみに,フランカーはストライクイーグルよりも重い鈍重な機体.
 イーグルとドッグファイトをしたら負けるだろうな.

軍事板
青文字:加筆改修部分

(画像掲示板より引用)
faq061105n.jpg
faq061105o.jpg
faq061105p.jpg


 【質問】
 Su-27は実戦経験あるの?

 【回答】
 ある.

 1998年,アフリカのエチオピアとエリトリア(元エチオピアの一部.エチオピアの海岸部一帯)との戦争で,エチオピア軍がSu-27を実戦投入している.
 対してエリトリアの方はMiG-29を装備しており,この戦争ではSu-27 VS MiG-29という,フィクションみたいな構成の空中戦が行なわれた.

 これはモンキー・モデルのSu-27,MiG-29が使われ,まずエリトリアの猿MiG-29がエチオピアの猿Su-27に猿R-27中距離レーダー誘導ミサイルを数発発射→命中せず.
 その後エチオピアの猿Su-27が引き返して猿R-27を全弾発射→命中せず.

 結局カタがつかず,接近戦による格闘戦に持ち込まれ,エチオピアの猿Su-27がR-73短距離赤外線誘導ミサイルによって,エリトリアの猿MiG-29
撃墜した.

 尚,この空中戦の際Su-27を操縦していたのはロシア人の軍事顧問(航空教官)で,,MiG-29を操縦してたのはウクライナ人(エリトリアのMiG-29はウクライナの中古)軍事顧問だったので,元ソ連軍人同士がソ連機で空中戦した事になる,らしい.

 これまた
「どうみてもエースコンバットのシナリオです.大変ありがとうございました」
な話だぜ.

軍事板
軍事板(青文字部分)

 【関連動画】
「ワレYouTube発見セリ」:MiG-29 In Combat Action

Su-27@Eritrea

Su-27とそのパイロット@Ethiopia

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 ロスケの戦闘機が敵にけつにつかれたときに回避するのに,頭持ち上げて急激に減速する奴の名前ってコブラなんだっけ?

緑装薬4 ◆8R14yKD1/k in 軍事板

 【回答】
 プガチョフ・コブラ,テール・スライド・エッヂ・コブラ.

 あれは回避のためのマニューバと言うより,ショー的な演出.
 あれをするには高度な機体制御技術と強力な推力を必要とする為,兵器輸出対象国向けのデモンストレーションになるらしい.

 あれを実戦でやったら,途端に運動エネルギー失うから.敵の一機目はかわせても,二機目の良い餌食.

 Cy-27(Su-27)のデビュー当初なら,バックに付いた相手を
「!?」
と思わせることができるので,回避効果は高かっただろうが,今じゃ知られすぎて冷静に対応されそう.


203 :名無し三等兵:2007/06/30(土) 18:34:14 ID:???

 そこでこちらもコブラ機動で対抗ですよ(ぇ
「どちらが長くコブラ機動の状態を維持出来るか勝負だ!」

軍事板


 【質問】
 未だにMig-29とSu-27の見分けがつきません.
 どこを注視したら見分けられるのでしょうか?

 【回答】
 尻尾があるのがSu-27
 尻尾が無いのがMiG-29

http://www.combataircraft.com/aircraft/fmig29.aspx
http://www.combataircraft.com/aircraft/fsu27.aspx
に,MiG-29とSu-37の三面図と回転3Dグラフィックと写真があるから,じっくり眺めると良い.

軍事板


 【質問】
 フランカーとファルクラムって大きさが違いますけれど,最近のものだと航続距離は同じくらいですよね?
 それはなぜなのでしょう?
 確か大型機の方が,航続距離が大きいものなのですよね?

 【回答】
 「大型機の方が,航続距離が大きい」とは限らない.
 大型機のほうが重量が重いから燃料を多く食う.
 つまり燃費悪くなるので,燃料搭載量を増やしたわりに航続距離は伸びなかったりする

 ただ,大型機だと燃料タンクも多く取れるから,その兼ね合いで変わってくる.

 基本的に航続性能では,MiG-29はSu-27に大きく劣る機体.
 機内燃料での航続性能を比べると,MiG-29はSu-27の半分以下.
 MiG-29は, ルーバー廃止したり背中を膨らましたりして燃料容量の増加に努めてるとか,ハードポイントを増やして,増槽付けても抱えられる武装が減らないようにするとかして,航続距離の増加に努めてる.
 元々欧州機は長距離飛行をあまり前提にされないので航続距離はほどほどで,MiG-29もその流れ.
 もともと防空軍で使う機体だし.

 Su-27は元々は防空/制空戦闘機なので,高速性能が求められるためにエンジンが大きく,速度出す時に邪魔になる増槽を吊るさなくても十分な燃料搭載量があるように設計され,それもあって欧州機としては大柄.
 そのためSu-27は,ソビエト機にしては珍しく発展性が大きかった.

 MiG-29も海外セールスの為の発展性を考えると,小型軽量よりは大型汎用の方がいいと考え直され,最近の改良型はコンセプトがSu-27と同じになってきている.

軍事板
青文字:補修部分

MiG-29K
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(画像掲示板より引用)


 【質問】
 ファルクラムとフランカーってwikiなどのカタログデータ(公表されている最新モデルくらいの)を見る限り,大きさとペイロード以外は,ほとんど性能差(航続距離など)がないように見えるのですが,ファルクラムはあんまり売れてなくて,フランカーばかり売れるのはなぜなのですか?

 【回答】
 正にその
>ペイロード
がSu-27シリーズの方がでかいから.

 大量に機数を揃えられないなら,搭載能力に余裕があって「一機でいろんな任務ができる」機体の方が売れるのは必然.

 あと,ソビエト時代から政府の覚えがめでたく,優遇されてて「親方赤旗」の体質が強いMiGと違い,冷遇されてたスホーイは外国への売込に熱心だった.
 ロシア的に言えば「資本主義経済への意志」が強かったということ.

軍事板

まあ,MiG-29も全く売れていないわけではありませんし……
MiG-29@Belarus
MIG-29@Bulgaria
MIG-29@Malaysia
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 艦上戦闘機Su-27KI「モルニヤ」について教えられたし.

 【回答】
 現在,ロシア海軍の主力艦上戦闘機となっているSu-33(Su-27K)
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/6927336.html

 Su-27艦上戦闘機型の設計は,1984年に始まったと言われていますが,実は,1970年代末期に,もう一つの「Su-27K」が存在していました.
 それが,艦上戦闘機Su-27KI「モルニヤ」です.
(Корабельный Истребитель Су-27КИ"Молния")

 Su-27KIは,艦上攻撃機Su-27KSh「グローザ」と同時に計画されました.
[艦上攻撃機Su-27KSh「グローザ」]
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/40897544.html

 Su-27KShは,Su-27原型機T-10に近い形状の機体でしたが,Su-27KIは,全面再設計されたT-10Sをベースにした為,後のSu-27K(Su-33)に近い形状の機体となりました.

 しかし,カナードが無い点と,胴体(エンジン部)下にベントラルフィンが付いている点,そして垂直尾翼の形状は,実際に製造されたSu-27K(Su-33)とは異なります.

 兵装は,短距離空対空ミサイルR-73,中距離空対空ミサイルR-27は実際のSu-33と同じですが,この他,胴体下に,長距離空対空ミサイル R-33(AA-9 Amos)を搭載する事になっていました.

 Su-27KIの搭載ミサイル
・短距離空対空ミサイルR-73×4
・中距離空対空ミサイルR-27×4
・長距離空対空ミサイルR-33×4

 艦上襲撃機型のSu-27KShが同時に計画されていた為,Su-27KIは空対空任務だけを考慮しており,マルチロール能力は有りませんでした.

 Su-27KIの構想当時,搭載母艦は,プロジェクト1153,或いは,プロジェクト11435初期案が想定されていました.
原子力空母プロジェクト1153
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/26955784.html
プロジェクト11435初期案
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/11319412.html

 いずれも蒸気カタパルト付きの「空母」であり,Su-27KIも,カタパルト射出発艦を前提にしていました.

 しかし,これらの「空母」設計案が,ウスチノフ国防相によって次々と「撃沈」されていった為,Su-27KIも自然消滅しました.

 カタパルト装備の原子力空母は,結局,スキージャンプ台装備の「航空巡洋艦」になり,スホーイは,1984年に,改めてスキージャンプ台発艦を前提とするSu-27艦載機型の設計を始めました.
 これが,後のSu-33(Su-27K)です.

 スキージャンプ台発艦の場合,大きくて重いSu-27は揚力を向上させる必要があると判断され,カナードが追加されました.
 つまりは,カタパルト発艦であれば,Su-27Kにカナードは必要なかったわけです.

 一旦はカタパルト装備空母を葬ったソ連でしたが,1980年代末,ようやく蒸気カタパルト付きの原子力空母の建造を開始しました.
原子力空母ウリヤノフスク
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/4820597.html
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/26392303.html

 しかし,ソ連邦解体により,建造は中止,解体されてしまいました.
 1990年代もソ連邦が存続し,ウリヤノフスク型の建造が続いていれば,Su-27KI(カタパルト射出対応のSu-27K)の開発が再開されていた可能性は高いでしょう.

Su-27KI「モルニヤ」
faq01x01s27KI.jpg
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「ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課」
2010/2/15(月) 午後 9:27


 【質問】
 Su-27KUBとは?

 【回答】
 Su-33(Su-27K)の並列複座型として開発されたSu-27KUB(Su-33UB)
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/6167080.html

 同機は,1998年10月21日に製造が認可され,1999年4月28日に初飛行しました.
 ただし,この時の試作1号機(T10KU-1)は,Su-27K増加試作機T10K-4を改造して造られました.
(Su-27K試作機)

 写真で見ると,ツギハギっぽいですが,黄色く見える部分が新造パーツ,金属の地肌が見えている部分がT10K-4からの流用です.

 1999年4月末に初飛行したT10KU-1は,同年9月3日,ウクライナにあるサキ飛行場の地上試験・訓練複合体「ニートカ」で初テストを実施.
 一ヵ月後の10月6日,ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフへ初着艦しました.

 2004年11月5日および6日にも,クズネツォフ艦上でテストされています.
http://www.sukhoi.org/news/company/?id=168

 Su-27KUBは,2006年初頭までに,総計260回のテスト飛行を行っています.

Su-27KUB
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Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/5/20(火) 午後 9:01


 【質問】
 ロシア海軍航空隊は地上型のSu-27も保有しているのか?

 【回答】
 ロシア海軍航空隊で,陸上用のSu-27「ジュラーヴリク」を保有しているのはバルト艦隊のみであり,
(北方艦隊には艦上機型のSu-33がある)
これらのジュラーヴリクは,第689独立戦闘機連隊の所属機です.

 同連隊は,ジュラーヴリクを28機ほど保有しております.
 なお,このジュラーヴリクは,空軍から移管された機体です.

 カリーニングラードの北西に位置するチカロフスクChkalovsk飛行場には,このバルト艦隊所属の海軍航空隊が駐留しております.
 google earthではSu-24×3機(偵察機型?),制空邀撃戦闘機Su-27×22機が見えます.

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/3/14(水) 午後 7:30

より再構成


 【質問】
 ロシア海軍のSu-33保有数は?

 【回答】
 ロシア軍総合情報サイト『warefare.ru』によると,ロシア海軍航空隊が保有するSu-33(Su-27K)艦上戦闘機は,約20機です.
<ロシア空軍/海軍のSu-27>
http://warfare.ru/?linkid=1604&catid=255&lang=

 同ページには,ロシア海軍のSu-33の機体番号まで記されています.
 これによると,Su-33は,2個中隊に分かれているそうです.

【ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ名称記念第279艦上戦闘機航空連隊】
(279-го Отдельного Корабельного Истребительного Авиационного Полка имени Дважды Героя Советского Союза Бориса Сафонова)
司令:ロシア連邦英雄イーゴリ・マトコフスキー大佐(Полковник Игорь Матковский)

[第1飛行中隊]
60号機,61号機,62号機,64号機,66号機,67号機,68号機,71号機,72号機,76号機

[第2飛行中隊]
77号機,78号機,80号機,81号機,83号機,84号機,85号機,86号機,87号機,88号機

 2005年9月5日,北大西洋上で演習中の空母クズネツォフにおいて,Su-33(82号機)が着艦の際にオーバーランして海中へ転落しました.
 パイロット(ユーリー・コルネーエフ中佐)は脱出に成功しましたが,同機は失われました.
http://tuku.military.china.com/military/html/2006-02-06/1020487_190407727.htm

 Su-33連隊司令マトコフスキー大佐は,2008年4月29日,当時のロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンから「ロシア連邦英雄」勲章を授与されました.
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-78.html

 ロシア連邦国防省の公式発表によると,同日,マトコフスキー大佐の他に,8名の第279艦上戦闘機航空連隊所属パイロットが「勇敢さに対する勲章」を授与されました.

ユーリー・デニソフ中佐
ボリス・カリムツスキー
ウラジーミル・コクーリン
ユーリー・レベデフ
セルゲイ・ペチェネフ
セルゲイ・サウシュキン
アレクサンドル・スレサレフ
アンドレイ・チュルーシン

 おそらく,デニソフ中佐は連隊副司令だと思われます.

 以前には,Su-33の試作機T10-Kが数機配備されていましたが
(http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/29185765.html参照)
全て退役したようです.

 現用のSu-33も,2015年頃には寿命に達しますが,ロシア海軍は,機体寿命を2025年まで延長する改修を行なうようです.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/40734012.html

Su-33
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「ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課」
2010/1/28(木) 午後 10:01


 【質問】
 Su-33試作機について教えられたし.

 【回答】
 現在,ロシア海軍の主力艦上戦闘機となっているSu-33.
 そのSu-33(Su-27K)の試験機,試作機と呼べる機体は,原寸模型も含め,これだけ製造されました.

 まずは,Su-27K開発に至るまでの各種試験機

T10-3:陸上テスト機,カナード翼なし,1982年8月22日,初のスキージャンプ離陸
T10-24:1985年5月初飛行,初のカナード翼装備機
T10-25:カナード翼装備陸上テスト機,1985年9月1日初飛行
T10U-2(02):Su-27UBベースのテスト支援機
T10-K20(KTM):Su-27Kの原寸模型(モックアップ)

 そして,本格的なSu-27Kの試作機T10Kが,まず2機製造されました.

T10K-1(37):1987年8月17日初飛行,1988年9月28日,事故で廃棄
T10K-2(39):1987年12月22日初飛行,1989年11月1日,空母初着艦

 T10K-1は,当初,翼を折り畳む機構は未装備であり,1988年8月25日,折り畳み機構を追加する改修を終えましたが,それから一ヵ月後,事故を起こして廃棄されました.

 さらに,Su-27K(Su-33)先行量産型とでも言うべき増加試作機,T10K-3〜T10K-9の7機が,コムソモリスク工場で製造されました.

T10K-3:1990年2月17日初飛行
T10K-4(59):1991年9月20日,複合体BS-2による初の自動着艦
T10K-5(69)
T10K-6(79)
T10K-7:ソヴィエト解体後,ウクライナへ譲渡
T10K-8:1991年7月11日,チムール・アパキージェ隊長が操縦して飛行テスト中に墜落
T10K-9(109)

 これらの試作機は,ウクライナのサキ飛行場で各種テストを行なっていたのですが,ソヴィエト解体後,T10K-7以外はチムール・アパキージェ隊長に率いられ,ロシアへ行きました.

T10K-4(59)は,1998年,Su-27KUB(Su-33UB)の試作機・T10KU-1に改造されました.
T10KU-1は,T10K-4の胴体部をベースに,機首,主翼などを新造パーツにした機体です.
 改造されたT10K-4改めT10KU-1は,1998年4月に初飛行しました.

 そして現在,少なくとも3機のT10K試作機(T10K-5,T10K-6,T10K-9)が空母「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」航空隊,「2度に渡ってソヴィエト連邦英雄になったボリス・サフォーノフ名称記念・第279艦上戦闘機航空連隊」に配備されています.

 この内,T10K-5(69)は,モスクワ航空ショーなどの航空機イベントで展示される事が多い機体です.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/23837216.html

 2007年,中国はウクライナからSu-33の試作機であるT-10Kを1機輸入したといわれていますが
(『日本周辺国の軍事兵器』中国海軍・Su-33艦上戦闘機の【追記】参照)
これは,おそらくウクライナへ譲渡されたT10K-7の事でしょう.

Su-33試作機
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Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/2/11(月) 午後 11:29

 【関連リンク】

「Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜」:サキ飛行場のSu-33(61,72,79号機)

「Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜」:サキ飛行場のSu-33(60号機)

「Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜」:サキ飛行場のSu-33(80号機)

「ワレYouTube発見セリ」:Su-33 "Flanker-D"


 【質問】
 Su-33の後方監視用レーダーについて,日本語以外のソースが無いのでその信憑性に疑問があるとの話がありました.
http://www.milavia.net/aircraft/su-27/su-27_var.htm
によるとN012を搭載しているのは,Su-27M/27IB/32/32FN/34/35のみとの記述がありました.
 手持ちの日本語や中国語の書籍を見ると後方監視用レーダーはSu-35からの搭載となっていました.
 確たるロシア語や英語の記述が無いかと探してみましたが,語学力の不足から見つけ出すことが叶いませんでした.

 もし,お分かりになることがありましたらご教授いただけましたら幸いです.

LM

 【回答】
 「Su-33の後方監視用レーダー」とは,エンジンの間の突起(テールコーン)に収められている,と一部で言われているものです.
(写真参照)

 ここでLM様が言うところの「日本語のソース」の代表格は,コレでしょう.
http://www.masdf.com/spec/air/russia/su33.html
より.
 同ページの「性能諸元」の「アビオニクス類」には,「N012警戒レーダー」と書かれています.

 そこで,LM様の御指摘に従い,外国のサイトを見てみました.

<Jane's Intelligence Review1999年11月1日
http://www.aeronautics.ru/nws002/janes013.htm
N012は,Su-35から装備されたと記述されています.

 ロシア語のページを見ても
http://www.paralay.narod.ru/bm.html
「Н012」は,「Су-27M/Су-35」から装備されたと書かれています.

 他のサイトも同様でした.

 確かに「Su-33が後方監視用レーダーを装備している」という情報は,「信憑性に疑問がある」でしょう.

 従って,LM様の仰る通り,Н012(N012)は,Су-27К/Су-33(Su-27K/Su-33)には装備されていない,と見て宜しいでしょう.

 では,Su-33の尾部突起(テールコーン)には何が入っているのかというと・・・

http://www.aeronautics.ru/archive/vvs/su33-01.htm
より.

――――――

"brake parachute replaced by SPO-15 (L-006) Beryoza RHAWS relocated from the intake sides"
ブレーキ・パラシュートは,インテーク側から再配置されたSPO-15(L-006)ベリョーザRHAWS(Radar Homing And Warning System,レーダー追跡/警戒システム)と取り替えられた.

――――――

 Su-27初期型は,テールコーンにブレーキ・パラシュート(ドラッグシュート)が収納されていましたが,艦上機型Su-33では,これが廃止され,代わりに,Su-27初期型ではインテーク付近に有ったSPO-15(L-006)ベリョーザRHAWSが装備されているとの事です.

 つまり,上記
http://www.masdf.com/spec/air/russia/su33.html

―――――――

"その際に「F-16に追尾されているのに,Su-33のパイロットは自機の翼端に並ばれるまで存在に気づかなかった」と言う一部のパイロットの話が,後々にはイスラエル空軍内全体に広まり話題となった.
 その後,スホーイ設計局の会見で「警戒装置には重大な欠陥がある」と発表し,その話が作り話ではない事が判明した.
 原因はテールコーン縮小のため後方警戒装置を機内スペースを潰して奥に設置した事らしいが,改修され問題が解決されたかは不明である."

――――――

と書かれているのは,インテーク付近からテールコーンに移設された「SPO-15(L-006)ベリョーザRHAWS」を指しているわけです.

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/3/29(土) 午前 1:22


 【質問】
 月「丸」11月号 p62に,
「Su-35BMは性能面でF-22に対抗できる第5世代機」
との表現があるのですが,これは妥当ですか?
 また,事実ならば我が国の国防に大変な脅威となると思いますが,この認識は正しいですか?

 【回答】
 全然妥当でない.
 ステルス性がまったく違うし,AESAの成熟度,データリンク能力も違う.
 エンジン一つ取っても,効率が違う.
 そもそも,Su-35BM搭載用のAESA自体,未だにプロトタイプが出来たか出来ないかじゃなかったっけ.

 「丸」は懐旧談を楽しむにはいいかもしれないが,先端技術を知るには不向き.
 「月刊軍事研究」誌の購読を薦めます.

 とはいえ,F-15J頼りのわが国には,確かに大きな脅威ではあるよ.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ザスロンレーダーを搭載しているMiG-31が,ミニAWACSとして使えるということは,同程度の探知距離を誇るイルビスレーダーを搭載したSu-35BMも,ミニAWACSとして使えるのでしょうか?

 【回答】
 言いたければそう言えるだろうが,あの手のレーダーは警戒用としては視野が狭い.
 AWACSみたいに,全周常時スキャンできるわけじゃないから,探知距離の短いAWACSってわけにはいかない.
 もしそのように使いたければ何機も組み合わせて,それぞれ違うトラックパターンで飛ばし,各機の情報を統合しなければならない.
 これはF-22やF-35でも同じ.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 「ベルクト」原型機について教えられたし.

 【回答】
 スホーイ試作設計局が1990年代に開発した試作前進翼戦闘機S-37(Su-47)ベルクト
(1997年9月25日初飛行)
 同機の開発は,1980年代初頭に遡ります.

 1980年代初頭の計画開始時のベルクト
Su-27KM(Су-27КМ)
 元々は,ロシア(ソ連)海軍の空母艦載機として計画されました.

 ソ連海軍は1970年代に,蒸気カタパルトを備えた本格的な原子力空母の建造を計画しました.
 スホーイ試作設計局は,この計画に対応して,Su-27の艦載機型を計画していました.

 しかし,1970年代に計画された「原子力空母」計画は,全て国防省やソ連邦軍上層部に「撃沈」され,1980年代初頭に建造が認可されたのは,スキージャンプ台を備えた「重航空巡洋艦」プロジェクト11435/11436の2隻でした.
 当然ながら,この「重航空巡洋艦」はアメリカ空母に比して寸法が小さく,これに伴い,搭載機数も少なくなっていました.
 しかもSu-27は大型双発戦闘機であり,主翼と水平尾翼を折り畳んでも,格納庫に収容出来る機数は限られていました.

 Su-27Kと同時期に,より小型の戦闘機であるMiG-29の艦載機型も試作されていましたが,同機だけでは制空・防空能力が不足すると考えられていました.

 この問題を解決する為には,主翼をコンパクトに折り畳める大型戦闘機を,新規に設計する必要があるとスホーイは考えました.
 そこでスホーイが目を付けたのが,前進翼でした.
 当時,ソ連でも前進翼機の研究は進められており,これを艦上戦闘機で初採用しようとしたわけです.

 1980年代初頭,Su-27KMの設計がスタートしました.
 名称こそSu-27Kですが,全く新規設計の機体でした.

 前進翼は,以下のような長所をもたらすと考えられました.
・低速域での空力効率が増加
・揚力の増加
・亜音速での航続距離の増加
・亜音速での良好な操縦性
・着陸距離の短縮
・低速度の失速
・アンチスピン性能の改善
・機体容量の増加

「重航空巡洋艦」2隻が起工された後,1980年代後半には,拡大型で蒸気カタパルトを備えた「原子力重航空巡洋艦」プロジェクト11437の建造が決定され,1988年に1番艦が起工されました.
Su-27KMは,プロジェクト11437の艦載機としても期待されました.

 しかし,1989年5月,ソ連軍事産業委員会は,Su-27KMの開発中止を決定しました.
 こうして,ソ連海軍の前進翼艦上戦闘機は,幻と消えました.

 その後,ソ連邦は解体され,ソ連海軍の「空母」も幻と消えましたが,スホーイ設計局は,自力で前進翼戦闘機の開発を続行,艦載機としての機能を省き,MiG-31のエンジンを搭載した試作機が完成しました.

 これが,S-37「ベルクト」です.

 『軍事研究』1998年5月号ミリタリー・ニュース,「ロシア海軍-S37先進機は単なる実証機か」より抜粋.

――――――
・ロシア人は同機に言及するのをためらったが,S37,またの名ベルクートの派生型が初めて,そしておそらくロシア海軍の作戦主体となるという西側の見方を崩せなかった.
 スホイ設計局長ミハイル・シーモノフも同機は海軍の要求に合わせたものとすることに反対したものの,結局はロシア空母における役割を果たすことを認めた.
・ロシア空軍関係者は,1997年10月のモスクワ郊外ジューコフスキー飛行テストセンターにおけるS37特別実証デモ飛行に臨席しなかった.しかしロシア防空軍と海軍の両代表は出席した.
・1980年代初期に空母との適合性をテストされたMiG-23変型機,その他の航空機に対して,FSW(前進翼)タイプの機をロシア海軍が評価したものと,JDW(ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー)は見ている.
――――――

 もともとは海軍の艦上戦闘機として計画された機体ですから,海軍関係者がデモフライトに臨席したのは当然でしょう.

 なお,安彦良和氏のコミック『韃靼タイフーン』において,S-37ベルクトが空母に着艦するシーンが有ります.
 これが,ベルクトの本来の姿だったのです.

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「ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課」
2010/3/23(火) 午後 7:37


 【質問】
 ヤコブレフYak-141とは?

 【回答】
 Yak-38の後継機として開発された超音速VSTOL戦闘機です.
 しかし,ソヴィエト連邦解体直前に開発は凍結され,その後も再開される事は無く,唯一残った試作機(141号機)は,2000年代初頭,博物館入りしてしまいました.

 ちなみに,ロシアでは,VTOL機を「СВВП」
Самолет Вертикального Взлета и Посадки(垂直離陸及び着陸航空機)
と呼びます.

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/5/15(木) 午後 8:46

 Yak-38襲撃機の後継として,1975年から開発がスタートしました.
 当初は「Yak-41」(Як-41)と呼ばれておりましたが,改設計されて「Yak-41M」(Як-41М)となりました.

 Yak-41Mは,試作機が2機(「75」,「77」)製造され,1987年3月9日,テスト飛行士アンドレイ・シニツィン(Андрей Синицын)によって初飛行しました.

1989年12月29日,初のホバリング飛行.

 その後,「Yak-41M」は「Yak-141」と改称されました.

 陸上テストをひとおおり終えたYak-141は,1991年秋から艦上テストを開始しました.

1991年9月21日,シニツィンが操縦するYak-141試作機は,重航空巡洋艦「アドミラル・ゴルシコフ」へ初着艦.

 しかし,それから2週間後の10月5日,テスト飛行士ウラジーミル・ヤキモフ(Владимир Якимов)が操縦する75号機は,ゴルシコフへ着艦中,減速に失敗して甲板に激突,炎上して全損してしまいました.
 この事故以降,Yak-141の艦上テストが実施される事は無く,Yak-141プロジェクト自体が中止されてしまいました.

 Yak-141は,Yak-38の後継機としてキエフ級重航空巡洋艦への搭載が意図されていましたが,この当時,ソ連海軍に4隻が就役していたキエフ級のうち,動ける状態にあるのは4番艦「アドミラル・ゴルシコフ」だけでした.

 当時,Su-27やMiG-29を運用できる「正規空母」の整備を着々と進めていたソ連海軍には,「前世代艦」キエフ級を修理・改装して使い続ける気は失せていたようです.
 しかもキエフ級4隻のうち,1,2番艦は建造時にYak-141搭載を考慮しておらず,同機を搭載・運用する為には,大規模な近代化改装を実施する必要が有りました.
(ちなみに3番艦は,将来的にYak-141の搭載を考慮,4番艦は,当初からYak-141搭載を予定して建造)

 だが現実的問題として,そのような大規模改装を行なう為には,建造元であるウクライナのチェルノモルスキー造船所まで回航しなければならず,たとえ回航したとしても,「正規空母」の建造で手一杯のチェルノモルスキー造船所に,ドックを長期間(おそらくは5年以上)に渡り占領するような改装工事を行なう余裕など,有る筈が無かった.

 更には,アドミラル・クズネツォフ級やウリヤノフスク級空母を建造しているソ連海軍に,キエフ級の改装費用を拠出する余裕は無いでしょう.
 予算だって無限に有る訳じゃ無いし・・・

 このような当時の事情を考慮すれば,どのみち,Yak-141に未来は無かったでしょう.

 たとえソヴィエト連邦が存続したとしても,せいぜい,「アドミラル・ゴルシコフ」用に少数機(約20機)が調達されれば「御の字」だっただろうね.

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/5/19(月) 午後 7:35

モスクワ郊外のモニノ空軍博物館に展示されているヤコブレフYak-141(141号機)
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Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/5/15(木) 午後 8:46

 【関連リンク】

「ロシア・ソ連海軍」:ファーンボローのYak-141

「ワレYouTube発見セリ」:Yak-141 Freestyle

「ワレYouTube発見セリ」:Yak-141 FreeStyle


 【質問】
 「ロシア語で考えるのだ!」
の元ネタって何ですか?

 【回答】
 映画「ファイアーフォックス」から.

 クリント・イーストウッドが旧ソビエトから超ハイテク戦闘機を奪取する,というシナリオで,この戦闘機がサイコミュっぽいシステム搭載のスゴいやつだったが,攻撃するのにロシア語で思考しないとFCSが動かないって言う設定だったことから来たセリフ.

 【参考サイト】
http://thinkinrussian.org/

軍事板


 【質問】
 ロシアはステルス戦闘機開発に関して何か研究はしているんでしょうか?

 【回答】
 Sukhoi T-50というものを開発中.
 PAK-FAがロシア的には通称でしょうが,ロシアでもT-50が通りやすいらしい.

 とりあえず,F-35以上,F-22以下,ただしネットワーキングと情報収集能力については知らん,という機体に成長しつつあります.
 配備予定は楽観的にはF-35と同時期.
 ということは,まあ2020年あたりから飛び始めるような.

 最大の問題はAESAの素子(ガリウム砒素だっけ)をちゃんと作る能力が,今のところロシアにはない,つまり,基幹部品を「西側」から買うしかないという点.

 少ないバッチなら作れるそうですが,工業的に,しかも品質を管理して高性能AESAを国産できないらしい.
 しかもAESAの能力をフルに発揮するソフトウェア/システム能力は,アメリカですらまだ開発中なわけで.

 ステルスとか運動能力ならともかく,戦闘機の数だけU-2やEA-6が飛んでいるのと同じ,といわれる米のF-22,F-35と比べると,見劣りはします.
 もっとも,そのような高度な能力は持っているだけでは使いこなせるものではなく,であれば,F-35もT-50も同じという話がありますが.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 イゴール・トカチェンコとは?

 【回答】
 1964年7月26日,クラスノダール近郊の小さな村で生まれる.
 1985年,ボリソグレブスク高等軍事航空パイロットスクールを卒業
 2000年,ガガーリン記念空軍アカデミー卒業.

 搭乗した機体は, L-29, MiG-21, MiG-29, Su-27, Su-35.
 総合飛行時間は2300時間.
 他にもMirage2000, F-16.にも搭乗経験がある.

 1991年4月5日に展示飛行チームが創設されると,その隊長として展示飛行チームを支え続けた.
 2009年8月16日訓練飛行中による事故により殉職.
 最終階級:親衛大佐.

 彼の死は関係者に強いショックを与え,ロシア連邦大統領を始め多くの人から哀悼の意を表した.
 ロシア国防相アナトリー・セルジェコフは,彼のこれまでの偉業を讃え「勇気と英雄」(ロシア連邦英雄のことか?)を与えることを審議していると発言した.

 2009年8月19日飛行場駐車場にて葬式が行われ,関係者が大佐の冥福を祈った.

 なお彼は結婚しており,息子と娘がいた.

<受賞歴>
勇気勲章
軍事功労勲章
モスクワ850周年記念メダル
ソ連軍70周年記念メダル
勤務優等一級・二級・三級メダル
ロシア連邦名誉パイロット
ティンダ名誉市民

「Wikipedia」:Ткаченко, Игорь Валентинович
Igor Tkachenko last flight video(彼の最後のフライトを撮った動画)
Funeral ceremony for Russian Knights aerobatics team leader(彼の葬式の画像)

イゴール・トカチェンコ

CRS@空挺軍 in mixi,2009年08月23日12:58
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 チムール・アパキージェ少将について教えられたし.

▼ 【回答】
 チムール・アヴィタンジオヴィッチ・アパキージェТимур Автандилович Апакидзеは,1954年3月4日,ソヴィエト連邦グルジア共和国のトビリシに生まれました.
 幼少時,家族と共にレニングラード(サンクトペテルブルグ)移住.
 翌1955年には家族と共にレニングラードに移住.

青年時代のアパキージェ
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1975年にソ連海軍へ入隊した彼は,海軍航空隊パイロットの道を歩み,
 1971年,レニングラードのナヒーモフ海軍高等学校へ入学.
 1975年にはV.M.コマロフ記念エイスク高等軍事飛行士学校へ進みました.
 1975年に少尉任官後,バルト艦隊の海洋襲撃機航空連隊へ配属され,Su-17Mに乗りました.
1983年までには,バルト艦隊海軍航空隊において,最良のテスト・パイロットの一人としての評判を獲得した.
 同航空隊において,最良のテスト・パイロットの一人としての評判を獲得.
 1983年には,同連隊の司令代理に昇格しました.

 1983年,彼は,当時建造が始まったばかりの新型航空母艦(後の「トビリシ」「アドミラル・クズネツォフ」)に搭載予定の航空部隊の指揮官に任命された.
 奇しくも,この新造空母には,彼の生まれた街の名前(トビリシ)が付けられた.
 彼は,黒海でスホーイSu-27K(Su-33)艦上戦闘機を操縦し,各種テストに従事した.

 1986年にA.A.グレチコ記念海軍大学校を卒業し,ウクライナのサキ飛行場に在る海軍艦上航空センターの第100艦上戦闘機連隊司令に任命されました.
 この航空隊は,当時建造中の新型航空母艦に搭載予定のものでしたが,奇しくも,この空母には,彼の生まれた街の名前(トビリシ)が付けられました.
(のちにクズネツォフと改名)
 彼は,黒海でスホーイSu-27K(Su-33)艦上戦闘機を操縦し,各種テストに従事しました.
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 1990年代,アパキージェは北方艦隊において,ロシア海軍唯一の艦上戦闘機部隊を率いていました.

 1991年9月26日,海軍航空隊のパイロットとして初めて重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」へ着艦しました.

 1991年7月11日には試作機T-10K-8の墜落事故に遭いましたが,脱出しています.

 ソヴィエト連邦解体時,ウクライナのクリミア半島サキ飛行場に駐留していた彼の飛行部隊は,新たに創設されたウクライナ空軍への編入を拒否した.
は,
 1991年12月末にソヴィエト連邦が解体された後,ウクライナのクリミア半島サキ飛行場に駐留していたアパキージェ司令と彼の飛行部隊は,新たに創設されたウクライナ空軍への編入を拒否.
 翌1992年6月までに部下を纏めてロシアへ脱出しました.
 アパキージェには,彼が生まれたグルジアから,空軍司令官のオファーも有ったが,これも断った.
 アパキージェと彼の部下は,あくまでもロシア海軍に忠実であり続け,母艦クズネツォフの後を追ってセヴェロモルスクへ向かう道を選びました.
 18名のパイロットと約100名の地上整備スタッフが彼に付いて行き,彼らがロシア海軍艦上戦闘機隊の中核となりました.

 1994年に第279独立艦上戦闘機航空連隊司令に任命されました.

 1995年8月17日,チムール・アパキージェは,ロシア海軍航空隊への多大な貢献により,「ロシア連邦英雄」勲章を授与されました.

 2000年,アパキージェは,少将に昇進,海軍航空部隊司令官代理に任命されました.
 2000年に少将へ昇進し,ロシア海軍航空隊司令官代理に任命されました.
 この時までに13種類の航空機に乗り,飛行時間は3850時間,重航空巡洋艦の甲板へ283回の着艦を行なっていました.
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 2001年7月17日,チムール・アパキージェ少将は,プスコフ州オストロフで開催された航空ショーで,Su-33のスティックを握り,展示飛行を行った.
 しかし,飛行中に乗機が故障して墜落,47年の生涯を閉じた.
 2001年7月17日,プスコフ州オストロフ市で開催された海軍航空隊創設85周年記念式典でSu-33に乗り展示飛行を行ないましたが,その最中に乗機が故障.
 彼は最後まで脱出しようとはせず,墜落して行く機体を出来るだけ人里から遠ざけようとしていた・・・
 彼は最後まで脱出しようとはせず,墜落して行く機体を出来るだけ人里から遠ざけようとして,乗機を郊外まで持って行き,そこで墜落しました.
 墜落時には生存していたのですが意識は無く,救急車で病院へ運ばれる途中に死亡しました.
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 ロシア人は,彼の死に涙し,彼が殉職した現場には,記念碑が建立されました.
http://www.airforce.ru/memorial/russia/apakidze/index.htm
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▼ 他にもチムール・アパキージェの記念碑は幾つか建立されていますが,最近では,2013年7月17日に極東コムソモリスクナアムーレ市の航空機製造工場(艦上戦闘機Su-33を製造した所)にSu-33記念碑が建立されています.
『ロシースカヤ・ガゼータ』より
2013年7月17日11時07分配信
【コムソモリスクで伝説のSu-33記念碑が公開された】

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜2007/7/20
「六課」ACS,2014/03/05

 【関連動画】
Timur - The last flight
http://militaryvideo.ru/eng/index.php?ind=news&op=news_show_single&ide=145
 チムール・アパキージェ少将の最後のフライトを追ったドキュメンタリー(露語)

CRS@空挺軍 in mixi,2007年12月09日16:27


 【質問】
 ロシア海軍北方艦隊「独立艦上戦闘機航空連隊」について教えられたし.

 【回答】

 正式名称は「ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ名称記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」と言います.
 同連隊は,2個飛行中隊で構成されています.
 機体は全て艦上戦闘機Su-33です.

[第1飛行中隊]1-я Эскадрилья
 60号機,61号機,62号機,64号機,66号機,67号機,68号機,71号機,72号機,76号機

[第2飛行中隊]2-я Эскадрилья
 77号機,78号機,80号機,81号機,83号機,84号機,85号機,86号機,87号機,88号機

 第279航空連隊は,北方艦隊主要基地セヴェロモルスク軍港の南方に位置する,セヴェロモルスク-3基地に駐留しています.

 独立艦上戦闘機航空連隊の戦闘機飛行士の飛行技量は,トップクラスとされています.
 彼らは,世界で唯一,極地緯度という環境下において重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」の甲板への着艦を実行することができます.
 北方艦隊海洋航空隊の最新世代の6名の艦上飛行士は,飛行技量の改善において示された勇敢さと剛毅さに対し,ロシア連邦英雄の称号を授与されています.

「六課」ACS◆(2013/07/03) 艦上戦闘機Su-33はバレンツ海で戦闘訓練を行なった
より再構成


 【質問】
 第279独立艦上戦闘機航空連隊とは?

 【回答】

 「ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ名称記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」は,北方艦隊主要基地セヴェロモルスク軍港の南方に位置するセヴェロモルスク-3基地に駐留しています.
 同連隊は,2個飛行中隊で構成されています.
 機体は全て艦上戦闘機Su-33です.

[第1飛行中隊]1-я Эскадрилья
60号機,61号機,62号機,64号機,66号機,67号機,68号機,71号機,72号機,76号機

[第2飛行中隊]2-я Эскадрилья
77号機,78号機,80号機,81号機,83号機,84号機,85号機,86号機,87号機,88号機

 この他,艦上練習機Su-25UTGも保有しています.

 その第279航空連隊は,1973年12月に艦上襲撃機Yak-38の部隊として発足しました.
 同連隊のYak-38/Yak-38Mは,北方艦隊の重航空巡洋艦「キエフ」に搭載されました.

 1980年代後半には,重航空巡洋艦プロジェクト11435(アドミラル・クズネツォフ)の搭載機として艦上戦闘機Su-27K(Su-33)が開発され,1990年代には同連隊の新たな翼となりました.

 Su-27K試験隊チーフだったチムール・アパキージェは,1990年代には司令として艦上戦闘機航空連隊を率いていました.
[ロシア空母航空隊司令チムール・アパキージェ少将]
 イーゴリ・コジン少将は,アパキージェ氏の後任の艦上戦闘機航空連隊司令を務めました.
[ロシアの空母は軍事基地を代替できる]

 現在の航空連隊司令は,母艦と同じ名前のエフゲニー・クズネツォフ大佐です.

 第279航空連隊には,2013年から新たな機体-艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBが加わっています.
[ロシア海軍は最初の艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUBを受領した]
[新たな艦上戦闘機MiG-29K/KUBはロシア海軍現用艦載機と共に運用される]

 現在,第279航空連隊では合計14機のSu-33が飛行可能状態に在り,それ以外に7機が予備機として保管されているとの事です.

[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの地中海遠征に参加]
62号機,66号機,68号機,76号機,77号機,78号機,79号機,80号機

[セヴェロモルスク-3飛行場に残留]
67号機,84号機,85号機,86号機,87号機,88号機

 予備機として保管されているのは,この7機になります.
60号機,61号機,64号機,71号機,72号機,81号機,83号機

 Su-33はコムソモリスクナアムーレ航空機工場で順次修理及び近代化改修が行なわれており,今月,85号機と88号機の近代化改修が完了しました.

 ロシア海軍は新たな艦上戦闘機MiG-29Kを導入しますが,近代化改修されたSu-33は,MiG-29Kと共に今後も運用が継続されます.
[新たな艦上戦闘機MiG-29K/KUBはロシア海軍現用艦載機と共に運用される]

「六課ACS」
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