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ロシアFAQ目次

ウダロイ型大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(手前)
2007年8月14日,ウラジオストクで撮影


 【link】

「六課」ACS◆(2013/10/26) 新型130mm砲カルタウン-プーマが開発される
 ※続報無し

「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/8/26) ロシア海軍は2016年から高射複合体パーンツィリ-Mを受け取る


 【質問】
 ロシア海軍の近接防御火器システムは?

 【回答】
 6銃身機銃AK-630をメインとして,その派生型や,近距離ミサイルと組み合わせた輸出型が作られている.
 以下引用.

 近接目標対処用に54口径30mm,6銃身機銃AK-630が,輸出も含めて大型艦から小型艦に至るまで大量に搭載されている.
 バス・ティルト射撃指揮レーダーで管制されるAK-630は,ガトリング方式による発射速度は3,000発/分で有効射程3kmである.
 AK-630の派生型としてAK-603(6銃身軽量型)やAK-230(2銃身型)などが小型艇用に開発されているが,西側海軍には見られない機銃とミサイルを組み合わせたシステムが1990年代初期に登場した.
 6銃身機銃2基と近距離ミサイルSA-N-11グリソン(9M-311,有効射程8km)8発にレーダー/電子光学方位盤を組み合わせた完全自律型のCADS-N-1(3M87コルティク,輸出名カシュタン)が開発されて,空母アドミラル・クズネツォフやキーロフ級巡洋艦(3,4番艦),インド海軍タルワー級フリゲイトなどに搭載された.
 さらに,CADS-N-1を小型軽量化したパルマ(電子光学方位盤付き)やヴィクルK(6銃身機銃1基とミサイル4発,方位盤なし)のような,輸出を目指した小型艇搭載システムも開発されている.

(多田智彦〔防衛技術研究家〕 from 「世界の艦船」2004年12月号,p.153)

AK-630 30mm機関砲?@対潜大型哨戒艦アドミラル・パンテレーエフ
ぎんなんそう in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2010年10月16日 23:41

 【関連動画】
「ワレYouTube発見セリ」:KASTHAN-M(ロシア海軍輸出型CIWS,CADS-N-1カシュタン)


 【質問】
 クリヴァクやウダロイ,ソブレメンヌイなどが装備してた魚雷は,「長魚雷」と呼んでいいのでしょうか?
 ロシアにはもっとデカい魚雷があるので,長短で言えば短魚雷の区分なのかも.

 【回答】
 533mm魚雷は「長魚雷」で宜しいかと.
 現用ロシア水上艦艇の533mm魚雷で一番ポピュラーなのは,「TEST-71MKE」対潜魚雷と「USET-80」多用途(対潜/対水上両用)魚雷.
 さすがに,ロシアでも主流は対潜任務だね.

 ロシア・旧ソ連で,西側で言うところの「短魚雷」に相当するのは400mm魚雷.
 「UMGT-1」「APSET-95」対潜魚雷などが有り,主に主に航空機搭載用して使われている.

>ロシアにはもっとデカい魚雷があるので

 アレ(650mm)は「(対艦)重魚雷」
 「65-73」「65-76」の2種類が有り,いずれも原子力潜水艦のみに搭載されていた.
 1990年代半ば,
「ロシア製のウェーキ・ホーミング魚雷(上記の650mm対艦重魚雷及びUSET-80多用途魚雷)が諸外国に拡散し,米艦艇にとって重大な脅威になる」
などと騒がれたコトがあった.
 その頃,米空母には324mm短魚雷発射管が装備されたが,これはウェーキ・ホーミング魚雷対策ではないかと言われた.
 だが実際には,650mm重魚雷は輸出されなかった.

 ただ,USET-80多用途魚雷は,キロ型潜水艦を購入した国は保有していると見られる.むろん,イランもね.

シア・クァンファ(夏光華) ◆23wgJy2eAo

533mm 4連装魚雷発射管@対潜大型哨戒艦アドミラル・パンテレーエフ

ぎんなんそう in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2010年10月16日 23:41


 【質問】
 53-VA型魚雷について教えてください.

 【回答】
 水上艦の旋回発射管,潜水艦の固定発射管のどちらからでも発射できる,ロシア海軍の533mm(21インチ)魚雷.
 誘導方式は,事前調定(直進航行)と音響ホーミングの2形式.
 弾頭は高性能爆薬と核の両方があり,核能力を備えたソ連海軍最初の魚雷である
―――という.

 もっとも,ソースはノーマン・ポルマー編の書籍なので,できればクロスチェックを.

 【参考ページ】
『ソ連海軍事典』(原書房,1988.12),p.569

【ぐんじさんぎょう】,2010/11/15 21:20
を加筆改修

来日した対潜大型哨戒艦アドミラル・パンテレーエフの魚雷発射管
手前は,ロシア海軍太平洋艦隊軽音楽部の皆さん(嘘)


 1時間経っても行列している日本人に飽きさせないように,音楽を続ける心意気にヤックデカルチャー!

 なお,日本の曲(唱歌)も歌っていたけどロシア民謡っぽく聞こえる…

 ちなみに,私が帰るときは「翼をください」を歌っていました.
 もちろんアレを連想しましたよ,ええ…

ぎんなんそう in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2010年10月16〜17日


 【質問】
 TEST-71魚雷とは?

 【回答】
 写真は,2008年5月20日,セヴァストーポリで撮影されたものです.
 見ての通り,クレーンで吊った魚雷を,艦首魚雷発射管口から挿入しています.
 艦はロシア海軍黒海艦隊所属のプロジェクト877V,ポンプジェット潜水艦B-871「アルローサ」(Б-871"АЛРОСА").
 この魚雷は,外見から見て,おそらくTEST-71(ТЭСТ-71)です.

 TEST-71は,ロシアでは潜水艦用魚雷として1970年代から使用され続けております.

[TEST-71]
口径:533mm
全長:7.9m
重量:1,750kg
弾頭重量:205kg
速力:35〜40ノット
航続距離:15km(40ノット)/25km(35ノット)
最大深度:400m

 TEST-71系列魚雷は,
改良型のTEST-71M(ТЭСТ-71М),
そのまた改良型のTEST-96(ТЭСТ-96)
が有ります.

 ロシア海軍の533mm長魚雷には,このTEST-70の他に,より新しいタイプとしてUSET-80(УСЭТ-80)やUGST(УГСТ)が有ります.
 TEST-70は対潜魚雷ですが,USET-80とUGSTは対潜/対水上艦両用魚雷です.





Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/5/22(木) 午後 9:43


 【質問】
 単装100mm/70口径・両用砲について教えられたし.

 【回答】
 『ソ連海軍事典』(ノーマン・ポルマー編著,原書房,1988.12.20),p.536によれば,これは水冷式の速射砲で,1970年代中期から
キーロフ級,
ウダロイ級,
クリヴァクII型およびIII型
に搭載されているという.

発射速度 毎分80発
最大射程 1万5000m
有効射程 8000m
射撃管制 
レーダー
カイト・スクリーチ

消印所沢

ウダロイ級「アドミラル・パンテレーエフ」の100mm砲射撃(2007年8月末頃)


Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/11/30(金) 午後 8:17


 【質問】
 AK-100 100mm単装速射砲の性能緒元は?

 【回答】
重量 34,940 kg
要員数 砲塔内無人
砲弾 15.6 kg
口径 100 mm口径 / 70口径長
銃砲身 単装
仰角 -10°/+85°
俯仰速度:30°/s
旋回角 360°
旋回速度: 20°/s
発射速度 最大60 発/分
初速 880 m/s
最大射程 21,000m
最大射高 10,000m
装填方式 弾倉方式,即応弾175発+200発 使用砲弾A3-UZS-58R*[1]
照準 FCSによる方位盤射撃(緊急時には砲側照準可能)

 【参考ページ】
http://ja.wikipedia.org/wiki/AK-100_(両用砲)
http://ru.wikipedia.org/wiki/АК-100

【ぐんじさんぎょう】,2010/11/12 21:20
を加筆改修

100mm単装砲@対潜大型哨戒艦アドミラル・パンテレーエフ


その側面


その説明文

ぎんなんそう in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2010年11月05日


 【質問】
 A-192-5P-10/「アルマート・プーマ」速射砲について教えられたし.

 【回答】
 A-192-5P-10(А-192-5П-10)は,プロジェクト22350に搭載される,新開発の130mm速射砲です.
 輸出用はA-192-5P-10E(А-192-5П-10Э)と呼ばれ,「アルマート・プーマ」Армат-Пумаというニックネームが付けられています.
 対空・対水上両用砲であり,対艦ミサイル迎撃にも使えるようです.

[A-192-5P-10]
口径:130mm
最大射程:23km(対水上)
最大射高:18km(対空)
仰角:上下・+80度〜−15度
旋回角度:170度
発射速度:毎分30発
操作要員:5名
砲塔重量:25トン

 A-192は,2,000トン以上の艦艇ならば搭載可能です.

 射撃管制用レーダーは5P-10と呼ばれ(2枚目の写真),重量は37トン,最大探知距離は60km.
 同時にコントロール可能な砲塔は2基まで.
 なお,この5P-10型レーダーは,A-192だけではなく,他の砲でも使えます.

(写真1)
(写真2)

Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/4/27(金) 午後 8:38

▼ この砲はプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・ ゴルシコフ」に搭載される予定だったが,開発と製造は遅延に遅延を重ね,この為,「アドミラル・ ゴルシコフ」就役も当初計画より大幅に遅れる事になった.
 ソヴィエト連邦時代の1980年代末に計画され,1990年代初頭から設計が開始された砲であるから,20年以上を開発に費やしている計算になる.
 「小児疾患」Детские болезни,すなわち兵器の開発試作段階における初期不良があったという.
 「アルセナル」の砲装置は過去にも2012年,砲装置の問題が故に,海軍への2隻の艦-「見えない」コルベット「ボイキー」と小型砲艦「マハチカラ」-の引き渡しが延期を余儀なくされている.

 この遅延の背景には,設計局「アルセナル」によれば国防省から十分な開発予算を得られていないことがあるという.
 ちなみに,連邦宇宙庁(ロスコスモス)に加わっている設計局「アルセナル」は艦砲の他,人工衛星などを開発・生産している.

 一時は前海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー大将が,開発中止とOTOメラーラからの艦砲の購入の可能性について検討したほどだが,2014年9月,A-192Mはようやく「アドミラル・ゴルシコフ」に搭載されたという.

 【参考ページ Referencia Oldal】
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-1742.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-1724.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-1140.html ※写真3引用元
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-519.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-521.html

(写真3)

mixi, 2017.11.20


 【質問】
 「パラシ」とは?

 【回答】
 高射ロケット・砲複合体「パラシ」
ЗРАК(Зенитно-Ракетно-Артиллерийский Комплекс) "Палаш"
は,ロシアの新型近接防御システム(CIWS)です.

 「パラシ」は,AK-630M 30mmガトリング砲2基と,ソスナ-R(Сосна-Р)近接防空ミサイル8基,管制レーダーで構成されます.

 試作品は2005年,黒海艦隊所属のプロジェクト12411(タランタル型)ロケット艇R-60(Р-60)に搭載され,海上テスト中です.
 ただし,この試作品(上掲写真1〜4枚目)は,30mmガトリング砲しか装備されていません.
 「フルスペック仕様」の場合,30mmガトリング砲の上に近接防空ミサイル発射筒が装備されます.

 「パラシ」は,ロシア海軍の新型フリゲート・プロジェクト22350に搭載される予定です.

「パラシ」


「パラシ」フルスペック仕様

Небесный бытьネベスニィ・ビィチ〜ロシア・ソ連海軍〜
2008/6/21(土) 午後 7:16


 【質問】
 CIWS「ファイアスワーム」について教えられたし.

 【回答】
 AK-630M1-2「ファイアスワーム」30mmCIWSは,ロシア海軍の30mmガトリング砲AK-630の発展型AK-630M1-2.
 御覧の通り,AK-630の30mmガトリング砲(6連装)を上下二段に重ね,12連装にしたCIWS(近接防御システム)です.
 西側にも類似の兵器として,スペインの「メロカ」20mmCIWS(20mm機銃12連装)が存在します.

 開発はソ連邦時代の1983年にスタートし,1984年には試作品が完成.
 プロジェクト206.6(マトカ型)ミサイル艇R-44に搭載され,黒海において1989年まで洋上テストが行われました.
(1枚目の写真)

 このAK-630M1-2には,「ロイ」Рой(多数)というロシア名が付けられました.

 しかし,同時期に開発された30mmガトリング砲&近接防空ミサイルのハイブリットCIWS「コールチク」(輸出名カシュターン,西側コード名CADS-N-1)と競合して敗れ,ソ連(ロシア)海軍に採用される事はありませんでした.

 ソ連邦解体後,1990年代後半には,輸出兵器のリストに入れられ,「ファイアスワーム」"Fire Swarm"の名で海外への売込みが図られました.
 が,ロシア海軍で不採用なった為か,どこの国も購入しませんでした.
 加えて「勝者」の「カシュターン」(コールチク)も輸出に供されるようになったし・・・

 それでもロシアは売り込みを諦めず,2007年6月27日〜7月1日までサンクトペテルブルクで開催されたIMDS-2007には,砲塔をステルス仕様にした「ディエト」Дуэтが展示されました.
(2枚目以降の写真参照)

 AK-630M1-2の公表されている要目は,砲塔重量2,500kg,発射速度は毎分10,000発,携行弾数は4,000発となっております.

 それにしても,同じIMDS-2007の会場には,AK-630M1-2と競合して「勝利」したコールチクCIWSと,ノーマルタイプのAK-630Mを装備するロシア海軍最新鋭コルベット「ステレグシュチィ」Стерегущийが展示されているのに,
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/21903839.html
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/21860144.html
果たして「競作に敗れた」AK-630M1-2を購入したがる国が有るのかどうかは疑問ですが・・・

 つーか,売る気あるのか?(^^;



Морские Силы〜ロシア・ソ連海軍〜
2007/7/13(金) 午後 7:14


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