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「VOR」◆(2013/06/07) 日本の国家機関に対するサイバー攻撃の半分以上は中国から

「数多久遠のブログ」◆(2013/03/21) 防衛省職員なりすましメールは中国によるサイバー攻撃

清朝時代の処刑写真を日本のものとして展示しているサイト

「選択」◆(2010/05/18)海自と中国海軍が沖縄東方海域で激しい情報戦

「ワールド&インテリジェンス」◆(2012/07/07) 事故調HPにサイバー攻撃?
「ワールド&インテリジェンス」◆(2012/07/10)国会サイバー攻撃,中国軍関係者が関与か

●書籍

『中国が仕掛けるインテリジェンス戦争 国家戦略に基づく分析』(上田篤盛著,並木書房,2016.4.11)

 もしあなたが,支那の中共による対日インテリジェンス戦争にいかに対処するか?について教訓を得たいなら,この本を手に取らない理由がありません.

 つぎのような構成です.
 第1章では,中国情報機関が設立されるに至った歴史的背景や当時の活動状況について解説しています.
 第2章では,今日の中国情報機関の概要および特性について解説し,インテリジェンス戦争を行なう主体について考えます.
 第3章と第4章では,今日の中国の国家戦略を推察し,そこから情報活動の役割,活動内容,秘密工作の実態・特徴などをひも解いています.
 第5章と第6章では,それぞれ軍事におけるインテリジェンス戦争と対日インテリジェンス戦争をトピックとして取り上げ,中国がわが国に仕掛けるインテリジェンス戦争の実態に対する脅威認識を深めます.
 第7章では,予想される日中衝突シナリオを想定し,その中で展開されるであろう対日インテリジェンス戦争の実像に迫っています.
 終章では各章の主要点を総括しつつ,中国のインテリジェンス戦争に対する対応策について,主としてインテリジェンスの観点から筆者の私見を提示しています.

 
 特徴は,次の3点です.
1.すべて公開資料(オシント)を基に記述している
2.「センセーショナリズム」や単純で一方的な「支那悪玉論」を排除している
3.国家戦略の一環として中共が展開中のインテリジェンス戦争の実像に,戦略的思考をもって迫ることを意識している

 歴史検証を目的とせず,支那の中共によるインテリジェンス戦争の実態を戦略的に把握し,現在支那の中共が仕掛けている対日インテリジェンス戦争への対処法に関する教訓を得ることを狙いとする書です.
 だから読まずにはいられません.

-----------おきらく軍事研究会(代表・エンリケ航海王子),2016.4.16

『中国対日工作の実態』(福田博幸著,日新報道,2006.11)

感想を一言で申し上げると「日本は大丈夫なのか」との一言に尽きますね.
おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)11月27日

『「日中友好」のまぼろし』(古森義久著,小学館,2002.1)

『「反日」以前 中国対日工作者たちの回想』(水谷尚子著,文藝春秋,2006.7)


 【質問】
 中国の対日工作は,どんなものか?

 【回答】
 古森義久によれば,中国は1970年ごろから,日本のアジアでの影響力拡大を防ぐため,日本の内政に干渉し,日本の軍国主義や帝国主義の復活を宣伝するプロパガンダ(政治宣伝)工作を本格的に開始していたことが,解禁された米国中央情報局(CIA)の秘密文書から,明らかとなったという.
 以下引用.

 CIAは,中国の1948-76年の内政や外交を詳しく分析した国家情報評価の秘密文書約500
ページを18日に解禁したが,その中には中国の日本に対する政策や工作に関する記述も含まれている.

 70年11月の「共産中国の国際姿勢」と題する文書では,
「北京政府は,日本の内部問題への限定的な干渉を進めることを決め,軍国主義復活という帝国主義的な日本の亡霊を掲げる集中的なプロパガンダを開始した」
と述べ,この宣伝工作は
「アジアの伝統的な日本への恐れを煽り,日本の影響力を断つことも目的とする外交政策上の策略」
だと断じている.
 つまり,米国としては中国の対日宣伝の非難は,事実に反する「亡霊」作りと見ていたことが明らかにされている.

 文化大革命の最中にあった当時の中国共産党首脳が,日本に対し,そうした動きをとるようになった背景の説明として,この文書は
(1)日本は顕著な経済実績とアジアでの積極的役割拡大に向けた米国の支持により,北京にとりアジアで特別な存在となった
(2)北京は日本の潜在的な軍事力と大東亜共栄圏復活への意図に懸念を抱き,とくに69年11月の佐藤・ニクソン共同声明での沖縄返還と日米同盟強化でその懸念を高めた
(3)北京は,この声明が日本のアジアでの影響力拡大を奨励したとみて,日本が米国がアジアから撤退した場合に,経済や軍事で中国を抑えてアジアでの主導的立場に立つことを恐れ,特に台湾の保護者となることを阻止したいとしている
――などを指摘している.

 文書は中国の対日工作の内容については,
「日本の指導者,政治,アジアでのいわゆる野心などに対する硬直的で,口汚い攻撃的なプロパガンダ」
と述べる一方,中国が日本への非難を激しくするのは
「日本国内での中国側の政治的資産やテコが大幅に減り,文革の過激な言動のために中国のイメージも極端に悪化したため」,プロパガンダが日本国内であまり効果をあげないからだ,
と分析している.
 中国の「日本国内での政治的資産」について,CIAの別の中国評価文書は,60年代の状況として
「中国への支援は,日本共産党内の少数派の一部勢力や特定の過激派学生や労組の間に存在する」
と述べながらも,日本共産党の親ソ連派に押されて大きな力はない,としている.
 中国の対日宣伝の総括的な効果について,七〇年の文書は
「北朝鮮の他には東南アジアの一部の人たちを印象づけたかもしれないが,日本人への影響は少なかった」
と総括している.

(産経新聞,2004/10/22)


 【質問】
 中国はドイツにおいてどのような反日工作を行っているのか?

 【回答】
 留学生などを使って反日デモを行わせるなどしたが,完全に空振りに終わったという.
 以下引用.

 〔中韓〕両国は,国内の反日政策の延長線上として,海外でも日本のイメージダウン,反日工作を画策している.
 それらには大きく分けて,日本国内の東京特派員をはじめとする海外メディアへの働きかけと,欧米諸国などで出先の公的機関から留学生までを使って行われる活動の2つがある.

〔略〕

 ドイツ各地では,〔2006年〕4月の同時期にナチスからの解放60周年を期した犠牲者追悼記念式典が開催されていた.中国としてはこれに乗じて,「ドイツは素直に謝っているのに日本は謝らない」というプロパガンダを世界に流布すれば,日本は必ずや非難の矢面に立たされ孤立する.そうなれば当初のもくろみはほぼ完璧に達成されるというわけだ.
 それだけではない.中国は本国での反日デモに合わせ,ミュンヘンやデュッセルドルフでも在独中国人留学生を扇動して,韓国人留学生も含めた反日デモを仕掛けたのだ.

 ところが,そうは簡単に「問屋が卸さない」のが世の常である.
 意外にもこの仕掛けは,完全な空振りに終わった.反日デモがプロパガンダ戦略の一環であることを見抜いた一部ドイツメディアでは,客観的かつ冷静に受け止められ,中国に対する批判の声まで上がったのだ.
 流れはかわりつつあるのである.
 ドイツ国内で高まったデモの動きにしても,中韓両国共同で実施し盛り上げるはずだったフランクフルトでは,私の知人であるドイツ人の
「中国政府によるヤラセデモに協力して,一体彼らは何なのだ.それでも学生か.政府の犬ではないのか」
という発言にみられるように,ドイツ人には冷ややかにしか受け止められず,道ばたで迷惑だと自動車のクラクションを鳴らす人まで現れる始末.
 結局,警察が出動した効果もあって,尻すぼみになってしまった.

 流れが変わった要因はほかにもある.この頃,バチカンでは前法王の葬儀と新法王の就任という世紀の式典が行われていた.4月8日に前法王の葬儀が行われ,19日には新法王ベネディクト16世が誕生した.
 この際に中国は,「反国家分裂法」の標的となった台湾の陳水扁総統がこの式典に参列したことを理由に,自らの参列を拒否してしまった.
 それだけではない.偶然とはいえチベットのダライ・ラマが来日していたのだが,これに対し中国は猛烈な反発を繰り返し,妨害工作を行っていた.
 このことが,世界の宗教関係者,とりわけカトリック教信者に,中国における熾烈な宗教弾圧と悲惨な人権侵害をあらためて想起させてしまった.

 〔略〕

 もう一つ,この問題において期待すべき動きがある.
 最近,日本側で,中韓両国に対する巻き返し戦略を本格的に開始したことだ.例えば,日本の在外公館では,各国のメディアにおいて,歴史認識問題で事実誤認があるもの,表現などが不適切で著しくバランスを欠くものに対しては即反論し,日本に対する正しい歴史認識を紹介するようにしており,それが少しずつ効果をあげはじめている.

 〔略〕

クライン孝子 from SAPIO 5月24日号 PP 82-84
ただし,「SAPIO」は反中カラーの雑誌であるため,
その点,留意が必要.


 【質問】
 中国の諜報員は,日本にどれだけいるのか?

 【回答】
 ニュース・サイト「大紀元」によれば,中国は日本にも多数の諜報員を派遣し,法輪功の監視などに当たらせているという.
 以下引用.

前中国国家安全局警官:日本にもスパイを多数派遣

 【大紀元日本7月31日】中国の海外スパイ事情に関する秘密文書を持ち出し,オーストラリアに逃げ出した前中国天津市国家安全局警官,元中共天津市公安局610オフィス職員・●鳳軍氏(32)は7月17日,オーストラリアのテレビ局の特集番組『中国の赤い壁の裏(Behind Chinese Walls)』に出演し,米国,カナダ,オーストラリアのほか,日本も法輪功取締本部(通称610オフィス)の主要活動地域に指定されていると暴露した.
 ●鳳軍氏は先日,日本大紀元の電話インタビューに応じ,日本が中共と近い関係にあること,法輪功取締本部のスパイが日本全国で活動しているなどのことから,日本を亡命先として最初から考えていないと話した.

 ●氏によると,2001年6月26日,天津で開かれた「全国秘密勢力3ヵ年計画」の会議で,日本も北米やヨーロッパと同様に,法輪功及び反体制派の主要監視国として指定されたと証言した.
 ●氏はオーストラリア地域を担当していたので,日本からの情報に関わっていなかったが,他の国より大量の情報が送られ,日本に多くのスパイが活動していると察したという.

 さらに,反日デモについて意見を伺ったところ,●氏は,日本の国連常任理事国入りを阻止するために,中国政府が裏で指図して行われたことだと明言した.
 ●氏によると,中国では関係部門の許可なしでは街に出て堂々とデモ行進することは不可能.
 また,●氏は,最近日米安全保障条約問題にめぐって,日中関係に多少の摩擦があったが,日本は中共と親密な関係にあると感じているという.
 〔略〕

 ●氏はインタビューの中で,中共の海外監視3カ年計画について詳しく紹介した.
 2001年6月26日,天津で開かれた全国規模の会議では,全国各省,市の海外と連絡のある部門及び海外情報網が全て法輪功の監視へ切り替える指示が出されたと話し,3年間で海外の法輪功に関する情報を徹底的に収集するようにと要求された.
 この計画は2004年6月26日に終了し,各省,市は当初の計画通りに海外の法輪功の監視任務を遂行したはずだと述べた.

 また,3ヵ年計画については上部からの正式な指示はあるが,具体的な活動内容は各省,市に任せられている.
 例えば,法輪功の活動の現場に必ずスパイを派遣しれ,その活動を監視する.
 または法輪功学習者に成りすまして情報収集に当たるなどはよく見られる手口である.
 中国政府に反体制派や他の宗教団体などに対しても同じ手口で監視している.

 日本での監視方法は他の国とほぼ同様.主にビジネスマンに成りすまし,架空の会社を利用して日本へ派遣するなど方法を取っている.
 現地駐在スパイの他,地元のビジネスマン,華人,中国と貿易を行っている日本人まで買収し,監視対象となるグループに潜伏させ,各種の情報収集に当たっている.

 ●氏はまた,海外の監視活動は個人情報の収集に重点を置いていると述べた.
 法輪功学習者の場合,法輪功の活動に積極的に参加しているかいないかに関わらず,パスポートに記載された氏名,住所,電話番号,年齢などの情報を収集することが要求される.さらに,これらの情報を中国国内へ送られ,現地の610オフィスを通じて北京公安部へ転送され,そして,外務省を通じて各国大使館へ通知される.
 各国の大使館はこのように法輪功学習者リストを入手したという.

 また,法輪功学習者のリストは中国の各空港にも送られ,コンピューターに登録される.リストに載っている人が通関すれば,直ちに逮捕され,公安局へ引き渡される仕組みになっている.

 ●氏は更に,海外のスパイに課せられたもっとも重要な任務のひとつは,海外在住の法輪功学習者が中国に帰国の際,帰省先の610オフィスに知らせることであると述べた.
 日本に住む法輪功学習者が中国へ帰省した際,地元の国家安全局に拘留されたり,尾行されたりした事件がこれまで何度も起きたが,これはまさに中国政府が海外で広げたスパイ活動と関係しているという.

(月川真理 from 「大紀元−日本」,2005/7/31)

 ただ,このニュース・サイトは中国人による中国人の為の反中共寄りのものにつき,その点は割り引いて考える必要がある.

●=「赤」におおざと


 【質問】
 元防衛相・小池百合子が壊れた模様.
 これって本当に小池百合子?

http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20091130
>日本人の国家意識が希薄なのは,今から37年前の中国共産党の工作の成果であり,
>それを達成したのが民主党だそうです.

 下野したのがよっぽどショックだったんすかね?

バグってハニー,2009年12月01日 03:01


 【回答】
 その伝で行くと,そこまで達成させちゃった,小池百合子はじめ自民党・公明党は「腹を切って死ぬべきである」じゃないっすかね(笑).

HASU,2009年12月01日 04:03

 小池百合子でも,地政学に関する基本的な認識を持ってないんだなあ.
 中国と日本が陸続きみたいに勘違いしとる( ・・)/

緑川だむ,2009年12月01日 07:34

 その小池百合子の根拠を調べたら,twitterで「日本解放工作要綱」と言ったらしいですね.
 「日本解放第二期工作要綱」が正式名称なんだけど,「第二期」が抜けているので,小池(元)センセイは新文書でも発見なされたのでしょうか.
(「第二期」しか発見されていない)

 そもそも,日本解放第二期工作要綱なんて,偽書に等しい扱いで研究対象にもならんものに,そんなんに引っかかるだなんて……

dragoner.2009年12月01日 21:04

 田中上奏文みたいなもんですか.

ゆきかぜまる,2009年12月01日 21:22

 わが愛しのクライン孝子さんが,素で信じている偽書ですね.
 はて,二人は犬猿の仲だったはずだが,実は近親憎悪だったのか.

ぴぴ,2009年12月01日 22:05

以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 中国の歴史資料館には,どのような歴史歪曲があるのか?

 【回答】
 たとえば「米国が日本と戦ったことを教えていない」という批判が,アメリカ国務副長官からなされたことがある.
 また,ニセ文書を堂々と教科書や反日記念館に展示してもいるという.

 以下引用.

 二〇〇五年九月二十一日,ゼーリック米国務副長官は
「中国はResponsible Stakeholder(責任ある関係者)たれ」
とする有名な演説を行った.
 この言葉はその後,国防総省の「四年ごとの国防報告書(06QDR)」や,ブッシュ政権第二期の「国家安全保障戦略(NSS)」にも盛り込まれ,米国の対中政策のキーワードとして定着した感がある.
 台頭する中国をいたずらに警戒することなく,国際社会の一員として責任ある行動を促すという現実主義的な外交姿勢を示す言葉である.

 あまり知られていないことだが,ゼーリック氏は同演説の中で,中国の歴史認識には偏りがあると批判している.
 かつてゼーリック氏が満州事変の地の歴史資料館を見学した際に,
「第二次世界大戦の記述が,一九四一年の真珠湾攻撃から一九四五年のソビエト参戦まで飛んでいた」
(すなわち,米国が日本と戦ったことを教えていない)
という.
 なるほど,このような振る舞いは,「責任ある関係者」のとるべき態度ではないだろう.

 〔略〕

 この手の広報活動になると,あいかわらず中国の出方は素早い.
 たとえば盧溝橋の抗日記念館は,戦後六〇周年を記念して二〇〇五年七月に改装され,蝋人形などの残虐な展示を撤去する一方,「連合国の抗日戦協力」のコーナーを新設している.
 西側メディアの目を意識していることは言うまでもない.

 〔略〕

吉崎達彦=双日総合研究所副所長 in 中央公論,2006年6月30日

 田中上奏文は,全国の子供の教科書と,全国の203ヶ所もある反日記念館や新たに7ヶ所追加された抗日人民戦争記念館で,堂々と写真を展示していますよ.
 ニセ文書を堂々と教科書や反日記念館に展示して,「我々は反日教育をしていない」とチャイナの政治家は言うのです.

≪ WEB 熱線 第836号 ≫2007/03/12_Mon

 さらには広告代理店まで雇っているとする情報もある.

 中国が契約した米国広告代理店の正体は,かのミロセビッチを悪役とした凄腕のプロダクションだった.
 ボスニア&ヘルツェゴビナをめぐる民族戦争で,セルビアのミロセビッチを一方的な悪玉に仕立て上げて,爆弾事件を演出させた疑惑もある米国の「戦争広告屋」の存在は,識者の間に広く知られる.その広告代理店と中国の政府機関の代理人が契約し,「反日キャンペーン」をはらせている疑惑が浮かんだ.

 中国は最近,南京に「ラーベ記念館」を開設した.
 さらに九月頃に南京の抗日記念館(反日教育のメッカ)を三倍規模に拡充して再開するほか,今度は「東京裁判」の映画をつくり,またもでっち上げ歴史観を獅子吼して反日キャンペーンを拡大持続する方針という.

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」,2007年5月9日(水曜日)

 そのうち,「宇宙からの侵略者を中国が撃退した」などと言い出しても不思議じゃないな.

 こうなる原因について,事実よりもまず「宣伝ありき」であるからだとする説明がある.

 〔略〕

〔国標=中国国内で情報統制を告発,大学を追われた元助教授〕

 確かに中国共産党には,重大なものから軽いものまで程度の違いはあっても,事実を曲げて伝える,あるいはでっち上げるという「宣伝」の歴史が存在しています.

 たとえば1958年からの「大躍進」時代には,実際には農民たちの製鉄運動への駆り立てや人民公社化による効率低下で農作物は不作になっていたのに,それまで1畝あたり200斤(100kg)程度しかとれなかった小麦が2100斤,つまり通常の10杯も獲れたとか,稲が約3万7千斤とれたなどという常識外れの数字が,党機関紙の「人民日報」などで競うように報道されました.

 彼らにとってはまず「宣伝ありき」なのです.
 客観的な事実を知らせる,報道するよりも,政治的な宣伝のほうがはるかに重要だと考えているのです.

 私がこれまでいた北京大学の新聞伝播学院でも,記者にとって最も大切なのは政治の素質であると教えていました.
 文章を書ける,きちんとした取材ができるといった他の素質,クオリティは二の次,三の次….

 〔略〕

in 『正論』 2006年5月号,p.58


 【質問】
 以下の記事に出てくる世界抗日戦争史実保護連合会って,どんな団体?

日本の常任理入り反対 国連に請願書提出 米団体   朝日(人民日報) 7月02日
ttp://www.asahi.com/international/jinmin/TKY200507020220.html
 米国の人権団体,世界抗日戦争史実保護連合会は30日,第2次大戦中に日本が犯した罪について謝罪と賠償を求め,日本の国連安保理常任理事国入りに反対する請願書をニューヨークの国連本部に届けた.
 請願書は,世界41カ国の4200万人が署名したもの.
 米紙「サンノゼ・マーキュリー・ニューズ」は,「史上最大規模の請願行動だろう」と報道している.
 世界で正義を訴える人々の国連改革への関心を表し,日本の常任理事国入りに反対するため,世界抗日戦争史実保護連合会(本部・米カリフォルニア州)は昨年,請願書への署名活動を始めた.
 請願書は,日本軍国主義による戦争の罪を美化し,歴史を改ざんするという日本政府の行為を非難し,国連加盟国に対して日本の常任理事国入りに反対票を投じるよう呼びかけている.

 署名活動は韓国で始まり,アジア諸国からも積極的な反応を得た.電子メールや携帯電話のショートメッセージ,インターネットを利用したオンライン署名などを通して,日本の常任理事国入りへの不満を表した.
 署名活動の発起者は,同一人物の署名が重複しないよう対策措置を取っている.
 「サンノゼ・マーキュリー・ニューズ」紙は,
「日本は中国侵略期間に,暴行・殺人・迫害を行い,生物兵器を使用した.署名活動は中国市民の中で広く反響を呼んでいる」
と伝えた.

 【回答】
 世界抗日戦争史実保護連合会はとても有名な,中国共産党の息の掛ったアメリカの宣伝の拠点.
 こんなトンデモ団体を堂々と記事に出来る朝日は,リアル基地外.
 そのマンセー記事がサンノゼ・マーキュリー掲載と言うのは,いつものお約束.
 それを朝日が日本国内で宣伝するのも,いつものお約束.

(通称「外電さん」 in 極東板転載)

 また,同一組織かどうかは不明だが,報道によれば,カルフォルニアでは以下のような活動があったという.

シュワ知事の拒否で,加州の「反日教科書」法成立せず

 いわゆる「南京大虐殺」など,旧日本軍の残虐行為をカリフォルニア州の教科書に書き込むことを目的とした法案に,シュワルツェネッガー知事が署名を拒否しました.
 この法案は,州の中学高校で使用される教科書について,第二次大戦中にアジアで起きた出来事に,もっと分量を割くことを求めるもので,先月,州議会を賛成多数で通過していました.
 提案者の議員は,教えるべき具体例として,いわゆる「南京大虐殺」を挙げていました.
 法案を後押ししたのは,日本の常任理事国入り反対の署名活動を展開した在米の中国人団体らで,「南京大虐殺」などの旧日本軍の残虐行為をアメリカで歴史的事実として定着させることが,推進派の最大の目的でした.
 しかし,拒否権を持つシュワルツェネッガー知事は7日,
「アジア諸国の役割について学習することは,すでに認められている」
として署名を拒否し,法案は成立しませんでした.

(TV朝日,2005/10/9)


 【質問】
 「世界抗日戦争史実維護連合会」とは?

 【回答】
 古森義久によれば,カリフォルニア州に本部を置く世界規模の華僑組織であり,中国政府とも密接なきずなを保つとされるという.
 「レイプ・オブ・南京」の宣伝,「クリント・イーストウッド監督の南京映画制作」というデマの流布,南京事件・731部隊・米軍元捕虜など一連の戦争関連案件での対日損害賠償要求などを行う.
(同会は日本の対日講和条約での賠償などを認めていない)
 2005年春には,日本の国連安保理常任理事国入りに反対する署名を,全世界的に4200万人分集めたと言明し,中国各地での反日デモをあおった.

 同会はホンダ議員との結びつきがとくに緊密で,ホンダがカリフォルニア州議員だった1999年には,南京事件などで日本糾弾決議案を同連合会の幹部たちが同氏と共同で書いたことや,ホンダが連邦議会下院選挙で出た際は同幹部たちが政治献金を集中的に贈ったことが明らかになっている.

 ちなみにホンダ議員は自称「人権擁護派」だが,同年,下院に出たダルフール虐殺での中国政府非難の決議案にホンダ議員は賛同しておらず,多数いる共同提案者には名を連ねていないという.
 中国を非難はしたくない,非難はできない,ということらしい.

 2007年の,米国下院における慰安婦決議案推進では,「ワシントン慰安婦連合」という韓国系組織の背後に隠れていたが,2007/5/28付,「ニューヨーク・タイムズ」第19面の右下半分に,米国下院に出ている慰安婦決議案への支持を訴える意見広告を掲載させた.

 公式サイトは
http://www.global-alliance.net

 詳しくは古森義久ブログを参照されたし.


 【質問】
 「第二次大戦アジア史保存連盟」(ALPHA)とは?

 【回答】
 以下の報道を信頼するならば,反日宣伝工作に携わる在米中国系組織.中国当局が明確に関与する「世界抗日戦争史実維護連合会」という日本糾弾の組織の傘下にあるという.
 1998年ごろにはアイリス・チャン著「レイプ・オブ・南京」を米国内で大々的に宣伝.
 2005年12月には,「ハリウッドがついに『南京・クリスマス・1937』という映画を製作することになった」というデマ発表を行っているという.
 以下引用.

【日中】イーストウッド「南京映画」と情報戦略/中国当局が関与する反日組織の活動

 南京事件に関する「ハリウッド映画」の虚報の源を探っていったら,日本の国連安保理常任理事国入りへのグローバルな反対運動に突きあたったので驚いた.
 だが,そんな思わぬつながりに改めて認識させられたのは日本にとっての対外的な情報戦略の重要性だった.
 発端は読売新聞1月19日付朝刊に載った上海発の記事だった.上海紙の「文匯報」に出た南京事件ハリウッド映画製作の報道をそのまま転電していた.
 記事は,
「米国の有名な俳優兼監督のクリント・イーストウッドが,旧日本軍の南京での中国人虐殺を米国人宣教師の目を通じて描く『南京・クリスマス・1937』という映画を,女優メリル・ストリープの出演で製作し,来年12月の南京事件70周年に合わせ,全世界で同時公開する」
という要旨だった.
 この報道は当然,日本側の各方面に懸念を引き起こした.
<中略>
 本紙正論コラムでも,田久保忠衛・杏林大学客員教授が「気がかりな問題がある」として,この「南京ハリウッド映画」を取り上げ,
「中国の新聞や企業が後援しているとなると,日本悪者論が世界中に広がる可能性が少なくない」
と論評した.
 作家の深田祐介氏も
「米国で映画化され,世界公開されれば,どんな話でも『事実』として刷りこまれてしまう」
という警報を発した.
 日本側の懸念もここまで広まると,当のハリウッドを抱えた米国駐在記者としてこちら側の取材をせねばならないと感じた.
 そしてクリント・イーストウッド氏に連絡をとった.本人には直接,話せなかったが,同氏の仕事を取り仕切るエージェントのレオナード・ハーシャン氏に電話で問い合わせることができた.
 すると,なんのことはない.ハーシャン氏は「イーストウッド氏が南京事件映画にかかわるというような話はまったくのウソ」と答えた.
 しかもよく聞いてくれたという感じで,そんな「報道」がデタラメであることを日本や中国の人たちに幅広く伝えてほしいと,こちらに要望するのだった.
<中略>
 さてさらに調べると,「南京ハリウッド映画」の情報は,ロサンゼルスに拠点をおく「第二次大戦アジア史保存連盟」(ALPHA)という在米中国系組織が,文匯報より早い昨年12月にプレス発表していたことがわかった.
「ハリウッドがついに『南京・クリスマス・1937』という映画を製作することになった」
という対外発表だった.イーストウッド氏らの名こそないが,情報の骨子は文匯報の記事と同じである.
 ALPHAというのは1998年ごろにはアイリス・チャン氏著の「レイプ・オブ・南京」を米国内で大々的に宣伝した組織だった.
 常に日本を攻撃する一貫性から,はっきり反日団体と呼べる.
 しかも中国当局が明確に関与する「世界抗日戦争史実維護連合会」という日本糾弾の組織の傘下にある.
 さらに興味深いことに,ALPHAの昨年12月10日付の同じ「プレス発表」には,自組織が昨春,
「日本の国連安保理常任理事国入りへの試みに反対して,他の団体とともに5週間足らずの間に全世界で合計4千2百万人分の反対署名を集めた」
と誇らしげに記されていた.日本の「過去」だけでなく現在の言動にもとにかく攻撃をしかけるという反日の本質をあらわにする記述であり,組織の存在目的だといえよう.
 こうした組織が「南京ハリウッド映画」のプロパガンダ拡散に明らかに関与していたわけだ.
 「イーストウッド,ストリープ共演の南京虐殺ハリウッド映画」などという日本側を動揺させる虚報の背景を探っていくと,中国から米国へ,南京事件から国連常任理事国入り問題へ,政治意図に満ち満ちた黒い情報戦略を感じさせられた次第だった.
 日本側としても中長期の効果的かつ敏速な対応が不可欠なことを証する典型ケースだと思った.

古森義久 from 産経新聞(2006年4月15日付)

南京攻略描く米映画制作情報 在米反日団体が昨年流布

≪中国当局と密接に連携≫
 【ワシントン=古森義久】日本軍の南京攻略を描く映画が米国ハリウッドの著名俳優,クリント・イーストウッド氏の監督で制作されるという中国発の報道が同氏の代理人によって否定されたが,その情報は最初,米国内に拠点をおき中国当局と密接に連携する反日団体から公式の「プレス発表」として宣伝されていたことが判明した.
「南京虐殺を題材とするハリウッド映画が『南京・クリスマス・1937』というタイトルでイーストウッド監督,女優メリル・ストリープ出演で制作される」
との情報は上海の新聞「文匯報」が一月十八日付で報じたが,米国内の中国関連動向に詳しい専門家は,同趣旨の情報が「第二次大戦アジア史保存連盟」(ALPHA)という組織のロサンゼルス支部が公表した昨年12月10日付の「プレス発表」に記されていると指摘した.
 ウェブサイトに残る「発表」には
「ハリウッドがついに『紫金山が燃えるとき』という小説を原作に『南京・クリスマス・1937』という映画を制作する」
とある.
 在米中国人を主体とするALPHAは活動目的について
「日本は侵略や虐殺に対し公式謝罪も賠償もしておらず,その実行を求める」
としており,中国当局が関与する「世界抗日戦争史実維護連合会」傘下にある.日本政府や企業を常に糾弾し,事実に反する主張で日本を攻撃する点では明確な反日団体といえる.
 母体となる「連合会」は中国国営の新華社通信につながるサイトを持ち,中国主要都市で当局の支援を得て集会を開くなど,中国政府と密接なきずなを持つといえる.
 ALPHAは90年代後半,アイリス・チャン著の「ザ・レイプ・オブ・南京」の宣伝・販売に協力した実績もある.
 こうした政治的組織が「文匯報」より1カ月以上も前に「南京事件のハリウッド映画制作」の情報を流していたことは,この虚報が中国当局の意図をにじませたプロパガンダだった可能性をさらに高めることとなった.

 なお,日本軍の南京攻略を主題とした「紫金山が燃えるとき」は昨年夏に米中両国で出版されたが,著者で南京出身の在米中国人文学者,祁寿華氏自身は,ALPHAの「発表」は事実に反すると強調していた.@ネットビュー【2006/03/07東京朝刊から】

産経新聞朝刊 2006/03/07/08:17


 【質問】
 インターネット論壇「NBR JAPAN FORUM」の不審点とは?

 【回答】
 古森義久によれば,NBRには事前チェックがあるにも関わらず,しばしば日本に対して悪意ある論説が載り,一方,それらに対しての反論は事前チェックで撥ねられる場合があるという.

 以下引用.

NBR Censors 米国インターネット論壇の差別的検閲?

 グロゴリー・クラーク国際教養大学副学長が「拉致は捏造」という投稿をしたアメリカの日米関係に関するインターネット論壇「NBR JAPAN FORUM」に投稿をして,掲載されるためには事前の検閲を経なければなりません.エドワード・グリフィン(Edward Griffin)氏という元国務省外交官らがいて,寄せられるメッセージを事前に読んで,選択をするそうです.一部削除もあるようです.

 この検閲でつい最近,投稿を拒否されたという日本人論者がいます.ジェトロの元ニューヨーク所長の奥村準氏です.
 日米間で活発に発言している人のようです.
 奥村氏が上記のクラーク氏の拉致否定発言などに対し,論評を書いて送ったら,NBRから掲載を拒まれた,というのです.
 その結果,奥村氏はその投稿をご自分の英文のブログに全文,掲載しました.
 内容は明らかにクラーク氏の一連の発言に異論を唱えていました.
 なお私は奥村氏は存知あげず,氏の投稿が拒まれたという話も他の人から最初に聞きました.
 奥村氏はご自分のブログに,NBRへの投稿は「NBR側が掲載しないことに決めた」との通知があった,と明記しています.

 NBRのこの事前検閲はどういう基準なのでしょうか.掲載メッセージにまったくのデタラメ,他人の名誉毀損,ウソなどがないよう,事前に点検するという趣旨なのでしょう.
 しかしもしそうならば,この検閲の基準はきわめて一方的と言わざるを得ません.私(古森義久)に関するデマや中傷が堂々と掲載されています.
「テロリストを意識して煽っている」
「古森は安倍首相の政策顧問だ」(もし本当ならかえって光栄かも知れませんが,まったくの事実無根です)
など,氷山の一角,私が「ワシントン・ポストに800字の抗議の投書を送った(実際には400数十語です)」などというスティーブ・クレモンス氏の見てきたようなウソなど,検閲では決してひっかりません.
「古森は日本の敵」
「日本の恥」
などという記述が堂々と記載されているのですから,検閲には差別があると思いたくなります.

 同様にNBRでは
「超右翼の小泉も安倍も,国際規範に反する言動をとり続けている」
「右翼の小泉と安倍はジンギスカンのようだ」
「安倍の支持者は米側の支持者の目玉に指を突っ込んでいる」
などなど,民主的手順で選ばれている主権国家の長への誹謗など日常茶飯事のように記載されています.
 とくに自分と意見の異なる側をすべて「右翼」と呼ぶ幼稚な言葉づかいは,侮日専門家の特徴でもあります.

 NBRにはまじめで良識のあるアメリカ側の論者も多数,参加しています.
 しかしいまのところごく少数の左傾侮日の論者(とくに日本とのかかわりの少ない自称日本専門家)がハイジャックし,その一部の論者たちは事前検閲の面で優遇されている観が否めません.
 「侮日」とあえて書いたのは,日本という外国に対し,ああしろ,こうしろ,と命令調で高圧的な「意見」を述べる外国人の態度に対する日本人としての描写です.
 〔略〕
 ちなみにこのNBRの運営には日本政府関連の国際交流基金からも財政支援(公的資金)が出ているとのことです.

古森義久ブログ,2006/10/10 23:58

 なお,上記情報は本サイトでは未検証.


 【質問】
 この記事に出てくる高金素梅とは何者か?

台湾の先住民,合祀取り消し求める靖国訪問断念

 小泉純一郎首相が靖国神社を参拝したのは違憲で精神的苦痛を受けたとして,国などに損害賠償を求めている台湾先住民ら約60人が14日,戦死した台湾先住民の合祀取り消しを求めるため,靖国神社を訪れようとしたが,右翼が神社の周囲を占拠したとして,訪問を断念した.
 原告側の支援者によると,台湾先住民らはバスで靖国神社に向かったが,警察側の要請を受けて,神社の約300メートル手前で引き返した.
 靖国神社側は,神社を訪れることを拒否していないとしている.

 この後,先住民らは弁護士会館前で記者会見し,
「先祖の霊はわたしたちの方法で祭る.日本人がするのは間違い」
と話し,合祀を取り消すよう求めた.
 原告で台湾立法委員(国会議員)の高金素梅さんは,活動が中止に追い込まれたことに憤り,
「人権を重視しない日本の国連安全保障理事会の理事国入りは賛成しない」
と訴えた.

 警視庁は,台湾先住民が靖国神社を訪れた場合,右翼との衝突は避けられないと判断し,神社側と協議した上で,訪れないよう要請したとしている.〔共同〕 (14:01)

(日経新聞,2005/6/14)

 【回答】
 あー,どう考えても入れないことを念頭に入れたプラカードとか拡声器準備とか,みょーに怪しい「自称」台湾先住民族の遺族の方々でしたっけ.

 で,台湾ヤフーの記事です.

高金素梅抵日 台聯支持者抗議
http://tw.news.yahoo.com/050613/39/1xybi.html

↑台湾支持者の日本籍の台湾人達が高金素梅に抗議する記事

中共要求日本保護高金素梅在日的人身安全
http://tw.news.yahoo.com/050614/4/1y0w5.html

↑中国の駐日大使が,高金素梅を守るように要求(笑

そんな記事も
http://tw.news.yahoo.com/050614/195/1y1s3.html

>高金素梅無法代表所有的原住民,更不代台灣人.

翻訳 → 高金素梅はすべての原住民を代表することができなくて,更に台湾人に代わらない.

高金素梅には台湾原住民を代表する資格はなく,台湾人を代表する資格もない.

>支持?的是台灣國?的一部親中勢力而已

翻訳 → そんな彼女を支持してる奴は台湾の一部,親中勢力である.

 高金素梅氏が,日本基督教団信濃町教会で集会を持った際の主催団体である,「カトリック正義と平和協議会」は,朝鮮総連の日本赤化組織であることが判明しております.
 これは,『女性国際戦犯法廷』の主催者であるvaww-net-japanの出自を調べることから判明しております.

 詳細は以下のページをご覧ください.
http://www.nomusan.com/~essay/essay_vatican_17.html

『台湾の声』  http://www.emaga.com/info/3407.html

(極東板)


 【質問】
 なぜ西部邁や小林よしのりが利中(中国を結果的に利している)派と呼ばれるのか?

 【回答】
 例えば,

「日米安保条約は東アジアの不安定要因として反対する」
「日米同盟には断固反対する.この同盟がなければ東アジアは安定し,繁栄する」
「アジアの安全保障には日米同盟は不必要であり,多国間安保に替えるべきだ」

 西部さんの論文か,小林よしのりの放言かと思った人は,大ハズレ.

上は,王緝思/社会科学院アメリカ研究所・所長(当時)
中は,蒋立峰/社会科学院日本研究所・副所長(当時)
下は,朱程虎/国防大学戦略研究所・副所長

 つまり,小林や西部の主張は全部,中共の出前.

 また,とある北京で開かれたシンポにて.

「今の日本では日米同盟の枠内で軍国主義復活の傾向が有る」
「日本は国歌国旗法や憲法調査会,ガイドラインなどに加えてTMDの日米共同研究を進め,
政治大国から軍事大国へと歩を踏み出し,軍国主義復活の動きを見せて入る」

 これを再転向した西部や,野中・古賀あたりの発言かと思った人は,大間違い.

上は,蒋立峰/社会科学院日本研究所・副所長
下は,魯叉/北京外交問題研究会東アジアセンター教授

 そして古賀を評価しているのが小林.

 ちなみに,それに対して日本側反論.
「日本の軍国主義復活という誤った前提での研究は,まったくもって理解できない」
「貴方がたが主張する動きはふつうの国として当たり前の方針だ.
 そもそも,貴方がたは軍国主義をどう定義しているのか?
 かつてのプロイセンのように軍部が国家を動かす状態を言うのか?
 それとも対外政策で軍事力依存が強く,国内で軍事を尊ぶ状態を言うのか?
 もし日本の場合,戦前と同様の状態を軍国主義と呼ぶならば,現在の自衛隊の文官統制システム下では,その復活は夢にも考えられない.自衛隊は防衛庁の一局長の統制下にあり,その上に何層もの文官コントロールがあるのだ」
 両者の反論に中国側沈黙.

 反論者は,
上,大河内良雄/外交官.元駐米大使
下,田久保忠衛/杏林大学社会科学部長.

 その田久保を「原爆賛美」と,田久保の論文の文意を捻じ曲げて中傷したのが小林.

 小林については,他にも
・SAPIOで,尖閣諸島不法上陸事件をほぼスルー
(誌面全体では,中国批判だったのに,小林自身は1コマしか取り上げず)
・南京事件は日中離反させるためのアメリカの陰謀という発言
など近年,不審点が多い.

(エセ保守監視小屋)


 【質問】
 なぜ週刊「少年マガジン」は親中傾向があるのか?

----------------------------------------------------
「開けてビックリ! (マガジンアンケートで)10代は自民党を支持」

(クニミツ) 意外だな. 民主党のほうがフレッシュなイメージがあるのに.
 …うーん.ちょっと心配なことがあってよォ
 …みんなが支持してる政党と理由を見て思ったんだけど,今の日本の若エ奴らの中で「戦争」とか「人の命」ってもんが軽くなってる気がしてよぉ.
(明日香) どういうこと? クニミツさん
(クニミツ) 北朝鮮には食料を送る必要はない,見殺しにすべしとか,中国や韓国が嫌いだから自民党に入れるってな,人種差別じゃねーか?  なんとなく怖くねーか?
(明日香) これが一部の変な人だけってことならいいんだけど,もし全体的に,日本だけがよければいい,そのためには他の国の人の命は軽く見ていいっていうムードが強くなってるとしたら….

-------------------------------------------------

 本文はスゴイ長いので,ダイジェストするとこんな感じの記事.
 クニミツってのは,マガジンの政治漫画の主人公で,明日香っていうのは,妹的な存在のヒロイン系キャラです.

 【回答】
 チャイナ・スクールとの関係が密接だから,とする説がある.

 阿南惟茂駐中国大使は,チャイナスクールの親玉みたいなヤツで,中国のいうことは何でも聞き入れる中共の御用聞きみたいなアホ.
 こいつの実兄の嫁さんが講談社社長の野間佐和子.
 講談社といえば総力を挙げて小泉自民党を叩いている反日出版社.
 光文社を含めた音羽グループの根っからの体質なんだけどね.
 靖国批判や護憲バンザイの主張なんて常軌を逸してる.
 マスコミが何に操られているか,もうちょっと真剣に考えたほうがいい.
 国民の代表ヅラして振りかざす小泉&自民バッシングが,じつは中共の意を汲んだものだったら笑えないでしょ.

(ニュース極東板)

 ただし,これには否定的な情報もある.
 以下引用.

 某出版社幹部が語る.
「通常,週刊誌を抱える出版者は,経営と編集を明確に分けている.簡単に言うと,経営者が編集権に介入することは,よほどのことがない限りありえない」

(「東京三菱銀行が講談社に圧力 怒る『週刊現代』は反撃体制へ」
from 「財界展望」2005年6月号,財界展望新社,p.24)

 なお,「クニミツ」自体,相当いい加減な漫画であるらしい.
http://d.hatena.ne.jp/utumi_k/20050113#p1
http://d.hatena.ne.jp/utumi_k/20050119#p3
および
http://blog.livedoor.jp/f_117/archives/12699330.html
http://blog.livedoor.jp/f_117/archives/12771040.html
参照.

 また,クニミツは以前は農薬ネタで電波飛ばしてたそうです.

・クニミツのインフルエンザ・ネタ
 インフルエンザ脳炎(主に小児以下の)の原因とされているが,野放しにされていると,薬品名を挙げている所がありました.

 部屋にあった10年前の「医者の薬」の本で引くと,「小児には投与しないか慎重に投与するべし」と書いてある.
 コレも講談社の本(笑
(キャプっておきました)
 厚生省のサイトでも,あきらかに以前から危険性を指摘している所が見つかったり.

 なお少年マガジンは,だいぶ以前から集団担当制という,漫画家に複数の担当が付いて,漫画家でなく編集サイドが原作を作る体制に移行しています.

(キルロイ◆dtIofpVHHg in FAQ BBS)


 【質問】
 尖閣諸島を巡る中国のプロパガンダ工作にはどんなものがあるのか?

 【回答】
 おきらく軍事研究会の記述を信頼するとするならば,ガス田に関する初期の日本国内報道において,ガス田の名前をすべて中国名で伝えさせることに成功したという.

 以下引用.

●シナがわが海洋の諜報活動を行なう

 四日〇九時三十分頃,尖閣諸島の魚釣島西北西約三十キロのわが排他的経済水域(EEZ)内で,シナの海洋調査船「東方紅2号」が潜水艦作戦に必要な海水採取をしているところをわが海保巡視船が発見し,調査の中止を警告したそうです.
 しかしシナ船は警告を無視し予定通り海水採取を続行.同日二十二時〇八分にEEZの外に出て行きました.

 わが国は,この某国による明白な敵対行動を,十三時間にわたってただ見つめていたようです.彼らは海保巡視船を屁とも思っていないんですね.

 〔略〕

 ちなみに尖閣諸島は以下で構成されています.
 うち3つにはすでに某国名も存在しています.

【Wikipediaより】

「魚釣島(うおつりじま,中国名:釣魚台)
久場島(くばじま,中国名:黄尾嶼)
大正島(たいしょうじま,中国名:赤尾嶼)
北小島(きたこじま,中国名:なし.日本名を使用)
南小島(みなみこじま,中国名:なし.日本名を使用)
沖の北岩(おきのきたいわ,中国名:なし.日本名を使用)
沖の南岩(おきのみなみいわ,中国名:なし.日本名を使用)
飛瀬(とびせ,中国名:なし.日本名を使用)」

 日本海のわがガス田に関する初期の国内報道では,ガス田の名前をすべてシナの呼び名で国民に伝えていました.
 これはシナの謀略なんですね.
 敵さんは,日本人の感情に「ガス田の名前はシナ名以外受けつけない」という条件反射を作りたかったわけです.

 ネットメディアの指摘などを通じ,マスメディアもさすがに気づいたようで,誰が謀略の手先であったかも分からないまま,うやむやのうちに正当な呼び名で報道されるようになっています.

 某国は既に,放射能,ダイオキシン,環境問題,中国,従軍慰安婦,南京事件,過去の歴史といった言葉で,わが国民の感情操作舵を得ることに成功しています.
 謀略を仕掛ける側は,言葉自体にまったく意味を求めていません.
 うそでもなんでもいいんです.
 言葉の中に敵国の世論操作ができるだけの「感情を揺さぶる何か」があればそれだけでいいんです.
 言葉という舵を必要なときに使うだけで相手国を弱体化できるんですから楽なものです.

 こういうことがあるので,ことばの防諜には神経を遣う必要があると思います.
 個人レベルでできることなので,うっかり敵の工作用語を使う癖をつけないよう,心がけたいものです.

【参考記事】
『排他的経済水域(EEZ)・領海に関する疑問』
 →< 2006/09/post_224.html

おきらく軍事研究会,平成19年(2007年)2月12日

 編者はこれを肯定する材料も否定する材料も,今のところ持ち合わせていない.


 【質問】
 橋本龍太郎首相に対する中国機関の工作はあったのか?

 【回答】
 ジャーナリスト・加藤昭はそのように主張している.
 加藤によれば,橋本は首相就任当時,「通訳」の朱連平と不倫関係にあったが,朱の素姓はODAを引き出すための工作員だったという.
 複数の中国側関係者も,実名でそのように証言しているという.

 詳しくは,『諸君』 1998年6月号,p.26-43を参照されたし.

 もしこれが本当だとすれば,「ODAだけ」だったとはとうてい思えないが.


 【質問】
 アルベルト・フジモリ逮捕をきっかけとして,なぜペルーで反日運動が盛り上がったのか?

 【回答】
 おきらく軍事研究会は,これは中国の策動であると主張している.
 以下引用.

 ●中共とチリが18日,貿易自由化協定(FTA)に調印しました. 中共にとってはじめてのFTA調印です.

 →南米におけるプレゼンスを図るため,ペルーのフジモリ大統領の件を利用し て情報工作活動を展開しています.新華社や人民日報,中共国内メディアも火 がついたようにこのことを伝えました.
 一段落したようにみえますが,これは 出発点に過ぎません. 中共は,ここからスタートし,南米で人気が高い我が国の存在感を一掃したい と狙っています.

 ただし,この話の原ソースは,当サイトでは未確認.


◆◆◆◆アメリカにおける反日工作

 【質問】
 アメリカで反日工作を行っているのは,全て中国サイドの人々なのか?

 【回答】
 古森義久によればそうではなく,複数のグループに類別できるという.
 以下引用.

[quote]

 アメリカで「日本叩き」を発信するのは,大きく分けて中国系,韓国系,中国や韓国の日本非難に同調するアメリカの一部の人たち――の3グループである.

 〔略〕

 2002/10/24,カリフォルニア州サンフランシスコ市立大学で『天皇ヒロヒトの反人道的犯罪に対する青年会議と模擬大陪審』と銘打ったシンポジウムが開かれた.
 主催はサンフランシスコに本部を置く『南京虐殺賠償請求連合(RNRC)』という団体で,代表はリリアン・シンというサンフランシスコ地方上級裁判所の現職判事である.
 この女性判事は中国系で,近年,中国本土にたびたび長期滞在している.
 その間,北京の最高人民法院(最高裁判所に匹敵)や上海の高等裁判所で法律顧問や講師を勤めてきた.

 やはりサンフランシスコに本部を置く『中日戦争真実保存同盟(APTSJW)』が2002年4月にサンフランシスコ大学で『日本の戦争記憶問題と対決する』というシンポジウムを開いた.
 ここには基調演説者の一人として,中国政府のサンフランシスコ駐在総領事・王雲翔氏が招かれ,次のように述べている.
「1931年から45年までに日本軍は中国人民合計3500万人を殺した.
 37年に南京を攻略した日本軍は,6週間で中国の民間人30万人以上を殺した.
 この残虐行為はホロコーストに匹敵する」
 虚偽だらけの演説だが,この内容はアメリカ国内で活動する中国系反日団体の主張と全て一致するというのは,当然のように響くだろうが,実は重大なのだ.
 ちなみにこのシンポジウムでは,『ザ・レイプ・オブ・南京』の著者,故アイリス・チャン氏も演説をした.

 こうして見てくると,アメリカ国内の反日団体が中国政府と連携していることが明確になってくる.
 RNRCのリリアン・シン女史の中国政府との絆は極めて緊密である.
 APTSJWのシンポジウムで中国政府代表のサンフランシスコ総領事が主要スピーカーの一人だったことも,中国政府のアメリカでの反日活動への関与を際立たせる.

 このような中国系組織の反日活動の主要目標は何かといえば,反日のシンボルとして「南京大虐殺」の記念碑を首都ワシントン地区に建てることだ.
 「南京ホロコースト記念碑」というわけである.

 第2に,韓国組織では象徴的な存在として『ワシントン慰安婦問題連合(WCCWI)』が挙げられる.
 アメリカでの韓国系住民の数は百万近くだが,本国が民主主義の生態だけに,中国のケースのような遠隔操作は少ないようだ.
 また伝統的に韓国系米人が全体としてまとまり,政治的な動きを示すことはほとんどない.
 しかし盧武鉉大統領の就任以来,アメリカでも本国と連動しての反日活動が高まる兆しも伺われるようになった.

 第3は「アメリカの中のアメリカ」による反日の動きである.
 具体的にはアジア研究,日本研究をしているアメリカ人学者の間に,歴史問題で中国側の主張に与して,日本を叩く人たちが少なくない.

 その代表格といえるのが中国と同様の「昭和天皇戦犯論」を唱えるマサチューセッツ工科大学のジョン・ダワー教授だ.
 彼は一連の著書や講演で
「戦争責任のある昭和天皇が退位しなかったことはけしからん」
と糾弾してきた.
 また,ニューヨーク州立大学のハーバート・ビックス教授,若手ではボストン・カレッジのフランジスカ・セラフィン助教授,コネティカット大学のアレクシス・ダデン助教授などが中国と韓国の反日運動に影響を与えたと見られる.
 彼らはアメリカの基準でも左寄りの超リベラル派だが,その主張が時として中国や韓国の反日運動と重なり合うことには注意しておく必要があるだろう.

 〔略〕

 アメリカ国内の中国人,韓国人はあくまで少数派だが,そんな少数派からの発信でもアメリカからの発信となるところに重大な意味がある.
 アメリカの超大国としての存在の大きさと,特にアメリカが日本に対して持つ影響力の大きさによって,発言の重みはぐんと拡大してしまうのだ.

[/quote]
―――古森義久 in 『SAPIO』,2005/5/11号,p.16-17

 古森義久はアメリカ政界に詳しいため,比較的信頼性は高いと愚考する.
 しかし当サイトでは,この情報をクロス・チェックできるだけの情報を現在持たない.


 【質問】
 なぜしばしばNYタイムズにあからさまな反日記事が載るのか?

 【回答】
 在米邦人からおきらく軍事研究会へ届いたメールによれば, アメリカの多くの大学ではニューヨークタイムズを,無料新聞として大学内で学生に広く読ませており,かつ,一般の学生・教授はアジアに対して関心が薄いため,見たものをそのまま「事実」として受け止める傾向が強いからだという.
 以下引用.

 (第1便)
 〔略〕
 小生は,アメリカに,6年以上在住しており,その間,テキサス,カンザス,そして,ユタの3州の大学で,勉強している経験(現在,ユタ州のある大学で,勉強中です)を持っておりますので,その経験から,書かせていただきます.

 アメリカの多くの大学では,このニューヨークタイムズを,無料新聞として,大学内で,学生に,広く読ませております.
(ということは,日本について,何も知らない大学生や大学教授の多くが,この日本に対する偏向報道を,「事実」として知らず知らずの内に読まされ,日本への大変偏った意識や認識を育てられているのです.)

 一般の学生や教授連中は,ほとんどが,アジアに対して,関心無く,また,大変,無知であります.
 また,海外の新聞記事やニュースに関しても,自国の報道機関の報道と比較すらしない,または,できない人々が,大勢おり,その為,たとえ,新聞記者が,無知偏見,あるいは,故意に,悪意に満ちた偏向報道をしようとも,そのことに,全く気づかない,または,そのことを知らない人達が,大勢存在しているのです.(つまり,潜在的な反日予備軍が,量産されているのです.)

 〔略〕

 (第2便)
 一応,在米中に,できるだけ,日本の新聞,または,日本に好意的な新聞(例えば,台湾の台北時報等)の英字記事や,保守系言論人の英論文を,現地の学生や大学教授に持って行って,読んでもらっているのですが,海外の新聞の記事には,皆さん(教授級も含めて)ほとんど興味がないようです.
 しかも,リベラル,または,左翼系の教授(すなわち民主党員)ほど,海外の新聞記事など,「興味がない」,または,「忙しいから,読めない.」といって,読もうとしません.
 むしろ,小生の経験からすると,保守系の人のほうが,読んでくれる確率が,なぜか,上なのです.(そこで,保守系の人に重点的に配っております.)

 アメリカ人は,基本的に,海外の新聞と自国の新聞の記事を,比較検討するという考えが,あまり無いのかもしれません.
 また,自国の新聞は,他国の新聞より,信用できると考えているのかもしれません.
 そのため,以前,ある教授(リヴェラルな共和党員)と,そのことで話した時,彼が,
「インターネットで,海外の新聞のニュースが,流れてても,学生の多くは,読まないんだ.」
と嘆いていたことがあります.

 自発的に,海外の新聞記事を,読む傾向が,ないのですから,どうしても,身近なものから,情報を得る傾向が強くなります.
 特に,アメリカでは,最近,中国系と韓国系の流入が凄まじく,特に中国系は,相当な田舎にも,留学生,または,中華料理屋の店員として,入ってきており,しかも,しばらくたつと数が増えていたり,それまでとは違う人が,ある日突然働いていたりするなど,人口の流動が激しいのです.
 中華料理を食べ,また,中華料理屋の店員,または,留学生と日常的に接することで,一種の親近感が,アメリカ人の間で,広まっていることもあります.
 また,最近のアメリカでは,全国チェーンの大型スーパーマーケットだけでなく,片田舎の個人経営の小間物屋でさえ,ほとんどの商品が,中国製であるため,
「中国との関係が悪くなると,物が安く買えなくなる」
と錯覚する人が,出てきています.
 身近にある中国製の商品,中華料理屋のおいしい料理と愛想の好い店員,勤勉な留学生が,中国にとっては,今後,巨大な対米外交上での資産になっていくのは,まちがいないと思います.
 実際,ニューヨークなどではかつて,ヒラリー クリントンが,在米華僑の票目当てに,
「日本の南京大虐殺は許せない」
と発言したことがあります.

 これらのこと(アメリカ人の海外マスコミ軽視と中国系移民の流入増加)は,我々が今後,対米情報戦略を考える上で,大変,重要になってくるとおもいます.

2005/12/2

 ※ただし,当サイトではこれの事実関係は未確認.

 最近の欧米メディアに現れる日本の歴史問題についての評論は,奇妙にワンパターンで,日本の戦争犯罪=絶対悪=歴史教科書の不正確=靖国神社参拝,といった,論理的に明確でないものを幾つか並べてお団子のようにくっつけて,重大な問題だと決め付けるというもので,おかしな感じを受ける.
 Wa PoであれロンドンタイムズであれNYTであれ皆同じワンパターンで,筆者がわかってかいているとも思えないような不思議な評論になっている.
 恐らく,オリジナルテキストがあって,それに習ったものを作ると,こういう評論になるのではないかと思える.

 例えば,この論説.

Shinzo Abe’s Asian Challenge
安倍首相のアジアの挑戦


Nothing is more important to Japan’s prosperity and security than normal relations with its giant neighbor. An ugly, but increasingly distant, history of Japanese aggression and war crimes stands in the way.
 日本の安全保障と繁栄にとって,巨大な隣国との関係正常化以上に重要なものはない.
 日本の歴史の侵略と戦争犯罪が,隣国との間に醜く,また関係を遠ざけるものとして立ちはだかる.

Mr. Abe needs to extricate Japan from this destructive dynamic. The first step should be declaring that he will not continue Mr. Koizumi’s provocative practice of visiting the Yasukuni Shrine, where the spirits of convicted war criminals are honored. The shrine controversy, and the failure of Japanese textbooks to deal honestly with the wartime behavior of Japanese troops, complicate the nation’s ability to handle contemporary military issues, like the emerging debate over amending the pacifist constitution that America imposed on it after World War II.
There is no reason Japan should not be able to make that change. But unless it first comes to terms with its history and its neighbors, such a step would be poorly received by other Asian nations.
 安倍首相は日中関係の破壊的なダイナミクスから日本を開放すべきである.
 最初のステップは小泉首相の始めた挑戦的な靖国神社参拝を止めると宣言することである.
 靖国神社を巡る紛争や歴史教科書が戦争当時の日本兵の行動を正直に示していないことが,日本の軍事的問題を処理する能力を複雑化し,第二次世界大戦後にアメリカの与えた平和主義憲法の改正の問題に関する議論などを呼ぶ.
 日本が憲法改正を行なうべきでは無いという理由は無いが,日本が最初に歴史問題について隣国と和解しないなら,憲法改正はアジア諸国に理解されないだろう.

Japan has a great deal to be proud of, including an increasingly vital democracy, a revived economy and the difficult but necessary economic reforms that Mr. Koizumi began to push through and that Mr. Abe will now need to take further. It does not need to glorify the darkest period of its recent history and the war criminals most responsible for that terrible aberration.
 日本は活発な民主主義始め,小泉首相の下で,困難な経済改革を実現して復活した経済などを誇ることが出来,安倍首相は更に其れを進展させる必要があろうが,日本の近代史の最も暗い過去と異常な戦争犯罪について,それを賛美する必要は無い.

http://www.nytimes.com/2006/09/27/opinion/27wed2.html
Editorial Published: September 27, 2006

 このNYTの評論を 同時期ののロンドンタイムズ,WaPoの社説と読み比べてみれば,論理構造のワンパターンと内容のステレオタイプであることが余りにもそっくりで,とても偶然とは思われない.
 NYTやWaPoやロンドンタイムズにしてこの程度かと哂うべきか悲しむべきか.その同じ論理を,もうすこしワイルドに敷衍すると,同時期のガーディアン,マーティン・ジャックスの評論になる(基本的な論旨の骨格が全く同じ)

 これらに見られるワンパターンは:

a)非常に重要な日中関係が,靖国参拝と歴史教科書の問題で険悪化していると問題提起
b)日本は過去の侵略,犯罪の歴史を修正する,書き換える,あるいは賛美すると非難
c)歴史問題に真摯に取り組まないかぎリ,隣国,あるいは東アジア,あるいはアジアの理解が得られないと説く
d)靖国参拝や歴史教科書問題を改め,政策転換して和解に向かうべきだとする

 いずれの項目も具体的事実の指摘や説得力のある証拠の提示は無く,たまたま南京大虐殺などをあげても大変大雑把で不正確な記述になっている.
 歴史問題の修正主義というのも,「教科書が正しくない」というだけで,具体的指摘や詳細は一切無い.
 恐らく筆者は何を書いているのか,事実の具体的詳細を理解していないと思ふ.

軍事板?

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  ヽ Y   ∧     ,.   | ,'//
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      ヽ,,; |    //
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      !: : :,'r‐ァ : : ヽ
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    ヽ,_ : :_, 1:;:;'' : : : : : : : :ヽ.,
          i': : : : : : : : : : : : : ;`‐- .,
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.         | : : : : : : : : : : : ,;',;',;',;',;': :, '::.ヽ
         i: : : : : : : : : : ,; ; : ; : ;: ; : : : ; :
        名前 マタオオニシカ
        学名 Michelle Higgins Cervus
        英名 Cervus of Akahi
        分類 偶蹄目(ウシ目)シカ科売日属
        分布 The New York Times



 【質問】
 アイリス・チャン著『レイプ・オブ・南京』には,特定の政治的意図が働いているのか?

 【回答】
 米国の著名な歴史学者でスタンフォード大学歴史学部長のデービッド・ケネディ教授が,古森義久のインタビューに答えたところによれば,その可能性があるという.
 以下引用.

「(オランダ人の日本研究家の)イアン・ブルマ氏の著書などを読むと,南京事件にかかわったという中国側の人たちは皆奇妙なほど同一の証言をする.
 当時の回想でも日本側への要求でも,皆同じだ.
 その点に背後の中国の政治的な組織の存在を感じさせられる.
 チャン氏も米国内の中国系政治組織に支えられているようだ.
 この書の執筆にもそんな政治的な動因が大きいと思う」

1998年08月15日産経新聞東京朝刊社会面
(ブログ『ステージ発風』2006/12/03/14:28付に転載)


 【質問】
 アイリス・チャン著『レイプ・オブ・南京』にはどのような問題点があるのか?

 【回答】
 米国の著名な歴史学者でスタンフォード大学歴史学部長のデービッド・ケネディ教授が,古森義久のインタビューに答えたところによれば,説明や分析の試みがなく,事実の裏付けも不十分な,センセーショナリズムの産物であるという.
 以下引用.

「主な問題点が三つある.

 第一は,この書は南京での残虐行為を毒々しい描写でくどいほど繰り返しているが,もしそんなひどい行為が起きたのなら,なぜ起きたのか,説明や分析の試みが皆無の点だ.
 日本軍の指揮系統がどうなっていたのか.
 日本軍将兵は何を考えていたのか.

 第二は,この書は毒々しい残虐行為をセンセーショナルに拡大し,読者の側に残虐性へのゆがんだ好みをあおろうとしている点だと言える.

 第三は,事実の裏付けの不十分さ,記述の不正確さだ.
 例えば日本の政府や国民が南京事件を隠し,反省もせず,若い世代に教えないという断定は皆,私の知る事実とは反する」

 〔略〕

「描写だけの本自体が悪いことはない.
 ただし残虐だけの果てしない誇大描写を読んだ後,不快な感じだけが残る.
 残虐性をのぞき見ることへの人間の下劣な欲望をあおられただけ,という感じなのだ.
 そんな残虐がなぜ起きたか,防ぐ方法はなかったのか,というもっと大切な問題には本は何も触れていない.
 その点は残念だ」

 〔略〕

「全く価値のない本というわけではない.
 だが極めて不適切な本だと思う.
 人間には残虐行為を働く潜在能力があること,中国では数多くの犠牲者が出たこと,などを伝える点は意味もあろう.
 だがなぜそうなのか,一切何も意味付けや分析,解明をしないのはあまりに不適切だ」

1998年08月15日産経新聞東京朝刊社会面
(ブログ『ステージ発風』2006/12/03/14:28付に転載)

 まあ,小林よしのり著『ゴーマニズム宣言』のような手口の本,と言えば分かり易いだろう.


 【質問】
 南京事件とホロコーストとは,同一視されていいものなのか?

 【回答】
 米国の著名な歴史学者でスタンフォード大学歴史学部長のデービッド・ケネディ教授が,古森義久のインタビューに答えたところによれば,まるで異質なものであるという.
 以下引用.

「この本〔アイリス・チャン著『レイプ・オブ・南京』〕のそんな同一視は極端な行き過ぎであり,不適切だ.
 もし南京事件が日本政府の最高レベルでの決定による残虐行為で,中国民族を絶滅しようとする組織的な殺りくであれば別だが,そうではない.
 ホロコーストは事前に計算され,決定された政府の政策の結果で,近代国家の最新の技術力や組織力を総動員しての大量殺害だった.
 だが南京ではそんな要素はない」

1998年08月15日産経新聞東京朝刊社会面
(ブログ『ステージ発風』2006/12/03/14:28付に転載)

 まあ,ぶっちゃけ,民間人が死んだだけで「虐殺だ!」と騒ぐような,あまり知識水準お高くない人向けということだろうか.
 
 

 【質問】
 アイリス・チャンは,70年代,アメリカで出版された『天皇の陰謀』(デービッド・バーガミーニ著)を根拠に南京事件への日本指導層の関与を指摘しているが?

 【回答】
 米国の著名な歴史学者でスタンフォード大学歴史学部長のデービッド・ケネディ教授が,古森義久のインタビューに答えたところによれば,『天皇の陰謀』は完全否定されており,根拠とするには不適当だという.
 以下引用.
「その書は,米国の専門家の間では完全に否定され,論破され,証拠なしとされてしまった.
 だがチャン氏はその内容を引用し,依存して,南京事件を昭和天皇の意思による国家の最高方針の結果というふうに論じている.
 この点は米国内の歴史学者はだれも信じないだろう.
 なぜそんな理不尽な主張が出るのか不思議なくらいだ」

1998年08月15日産経新聞東京朝刊社会面
(ブログ『ステージ発風』2006/12/03/14:28付に転載)


 【質問】
 イグネイシアス・ディンとはどんな人物か?

 【回答】
 中国系市民団体「抗日戦争史實維護會」発起人.
 コンピュータ技師.

 在米ジャーナリストの高濱賛によれば,子供の頃,中国革命から逃れて台湾に移り,台湾の大学を出た後に渡米.
 ミズーリ州立大学大学院で数学を学んだ後に,コンピュータ会社を渡り歩いてシリコンバレーに移り住んだという.
 そして90年代初めから日本の戦争責任追及運動を始め,94年には「抗日戦争史實維護會」のホームページを立ち上げ,全米各地の大学キャンパスにネットワークを広げたという.
 またディンは,無名時代のアイリス・チャンの取材活動を全面的に支え,『レイプ・オブ・南京』で彼女が有名になった後は,彼女を広告塔に仕立て上げ,全米各地に彼女を連れ回して反日運動の幅を広げてきたという.

 詳しくは『SAPIO』 2005/6/8号,p.64-65を参照されたし.

 一介のコンピュータ技師が,という点はいかにも不自然であり,さらに大きなバックの存在を想像させる.

 ただし『SAPIO』は反中カラーが強い雑誌なので,その点は留意されたし.


 【質問】
 リンチ・ワンとはどんな人物か?

 【回答】
 カリフォルニア大学バークレー校少数民族学部教授.元学部長.

 在米ジャーナリストの高濱賛によれば,福建省厦門出身で,香港経由でアメリカに留学.
 歴史問題や民族問題については素人に過ぎなかったアイリス・チャンやイグネイシアス・ディンに,反日活動理念を授けてきた人物だという.
 「抗日戦争史實維護會」が設立された際にも,ブレーンとして戦略を立ててきたという.

 詳しくは『SAPIO』 2005/6/8号,p.65を参照されたし.

 ただし『SAPIO』は反中カラーが強い雑誌なので,その点は留意されたし.


 【質問】
 いわゆる歴史認識問題においては,どのような対抗プロパガンダ工作が有効なのか?

 【回答】
 例えば靖国問題を例にした,以下のような主張がある.
 すなわち,
・ウソのある有能さは,ウソのない無能さには及ばない.
・「正直で真面目な日本外交」という評判を失うような行為は避けろ
・問題を説明するときも,シンプルで分かりやすく,なおかつウソのないストーリーとして組み立てろ.
・国内を説得せよ
というものである.

 以下引用.


(1)正直は最良の方策なり

 これこそ広報における鉄則である.
 ウソのある有能さは,ウソのない無能さには及ばない.
 幸いなことに,歴史問題を語る際には総じて日本側は正直である.
 逆に中国外交はかなり強引であり,歴史問題を挑んでくるわりには歴史を知らないことがある.
 靖国神社に関する認識もかなり初歩的な勘違いが目立つ.

 ある外交官は,中国外交を「イグノランス・イズ・パワー」(無知は力なり)と形容する.
 中国は国際的なルールやマナー,前例の踏襲といったことを無視して,大胆に自国の利益を追求してくる.
 中国外交は無知であるがゆえに(あるいは無知を装うことによって),常識にとらわれない行動が可能となる.
 目標に対して迷いがなく,上層部の指示に忠実に,相手国の都合を考えずに行動する.それだけに短期間に効果を発揮するが,「中国の外交官は,必要とあれば平気でウソもつく」といった評判が国際的に定着すれば,こうした強引な外交スタイルはマイナスとなるだろう.

 これに対し,日本外交のスタイルはいわば「イノセンス」である.
 もとより日本外交には,「こうしたい」という明確な意志が存在せず,外から来る課題に対して仕方なく対応するといった消極性がある.
 強い目的意識がないだけに,あくどい手段を使うこともない.
 日本を国際的にPRすることについても,「こんなイメージを作りたい」というコンセンサスがなく,結果として「控えめで無害,ナイーブな国」といった印象に終わっている.
 他方,戦後六〇年の歴史で際立って悪い評価を得ていないのは,貴重な財産であると言える.

 最近の日中関係は,「イグノラントな中国が,イノセントな日本を翻弄する」形となっている.
 このことが日本国内における対中感情を一層悪化させ,「中国になめられている」「日本政府はもっと毅然とした対応を」といった声が増える傾向にある.
 しかし,日本が強硬な世論を背景に,中国に対して闇雲に強い態度を取ることは,ひとつ間違えば「ヤクザにからまれた紳士が,ヤクザの真似をして紳士でなくなってしまう」危険性を秘めている.

 自由な先進民主主義国である日本外交には,中国とは別の次元のモラルが求められよう.
 また,過去に積み上げられてきた「正直で真面目な日本外交」という評判が失われることは,厳に避けなければならない.
 いわば日本外交にとっては,「イノセント」な過去を否定することなく,「イグノラント」な外交に打ち勝つための知恵が求められている.

(2)ストーリーテリング

 情報を受け止める側は,かならずしも知的にタフで誠実な人間ばかりではない.
 むしろ人間は,単純で分かりやすい話を好むものだ.
 あるいは,すでに頭の中にある話を補強するような情報は,すんなり受け止められるものである.

 たとえば「日本人にとって靖国神社とは何か」といった複雑な問題を説明するときも,シンプルで分かりやすく,なおかつウソのないストーリーとして組み立てる必要がある.
 説明に使う資料が何ページも必要であるとしたら,広報はその時点で失敗している.
 また,神道の教義がどのようなものかとか,合祀はできるが分祀はできないといった話は,そもそも外国人に英語で説明しきれるものではないと心得たほうがいい.

 仮に筆者が日本政府の主張を説明する立場にあるとしたら,以下のような筋書きを考える.

 (a)日本国民は先の大戦を反省しており,日本政府は東京裁判の結果を受け入れている.
 そのことは,戦後六〇年の平和国家としての歩みが示している.

 (b)現在の靖国神社は一宗教団体となっており,戦前のものとは連続性がない.
 また遊就館が示す歴史観は,日本政府のそれとは違う.

 (c)政治家が靖国神社に参拝することの是非については,国民の中でも意見が分かれている.
 これは民主主義国である以上,当然のことである.

 (d)ただし政治家が個人の意思として神社に参拝する場合,それは信教の自由に基づくものであり,守られてしかるべきである.

 (e)ましてや他国が参拝の是非をとやかく言うのは,内政干渉以外の何ものでもない.

(3)前よりも後ろに注意

 最後に,企業広報の担当者にとってもっとも悩ましい相手は,ライバル会社でもなければメディアの担当者でもない.
 「わが社はもっと良い評価を得られるはずだ」と信じている,愛社精神の強い同僚が強敵なのである.
 彼らは,自社に対する評価にけっして満足することがなく,ほとんどの問題は広報担当者の無能に帰せられる.
 広報担当者にとって,後ろから弾が飛んでくるのは辛いものであるし,まして相手は好人物であることが多い.

 これを国家レベルに置き換えると,戦略的広報外交を推進するに当たっては「愛国者の善意」こそが強敵ということになる.
 おそらく彼らの手にかかれば,上述の(a)〜(e)のような議論は,即座に粉砕されてしまうであろう.

 とはいえ,これは広報という仕事にとっては宿命のようなものである.
 広報担当者にはもちろん愛社精神が必要だが,自社を客観的に見ることが必要であるとともに,ときには社内の敵を説得しなければならない.
 戦略的広報外交においても,国内を説得することに対して,けっして臆病であってはならないと思うのだ.

吉崎達彦 in 『中央公論』,2006年6月30日

 上述主張の信頼性だが,比較情報は本サイトにはまだ存在しないものの,リンク先にある
>筆者はかつて日商岩井の広報室で七年間勤務したことがある
という経験,
元米国ブルッキングス研究所客員研究員であり,現・双日総合研究所副所長であるところから推察される見識量,
から考えて,比較的高いと愚考する.

▼ 少なくとも無策はやめるべきだと述べるのは古森義久である.
 古森によれば,戦後日本の外交は対決を避ける外交であり,また,明確な政策もなく,しかもサンフランシスコ総領事などは腰掛けポストでしかなかったという.
 以下引用.

[quote]

アメリカ国内における反日活動に対して,日本政府はどのような対応をしてきたか.
 一言で言えば,全く何もしてこなかった.

 色々な理由が考えられるが,主要点は,いわゆる日本の戦後外交が対決を避ける外交だったということだろう.
 特に歴史問題は外務省として最も顔を背け,沈黙を保ち,避けてきた課題である.
 制度としての欠陥もある.
 まずアメリカだけでなく海外一般で「日本」が地元マスコミなどで不当に叩かれ,日本側から何らかの対応をしなければならないとき,誰が出るべきなのかがはっきりしない.
 外務省の外交官なのか,政治家なのか,学者なのか,あるいはマスメディアの人間なのか.
 この点での明確な政策がない.
 だが常識で考えれば,その責務はまず「日本」の代表として外国に駐在する日本人外交官だろう.

 しかし日本人外交官は,対立案件ではいつも及び腰なのだ.

 しかも,アメリカ国内で最も反日運動の激しいサンフランシスコの日本の総領事は,1年半とか2年という短期の腰掛け≠ナ,すぐ次のポストへと去っていく.
 外務省の中枢に昇る外交官も多く,そんな彼らにしてみれば,歴史の問題には全く触れず,ただ黙って放っておくことが保身の知恵となる.

 しかし,より根本的な問題は,戦後の日本外交の基本姿勢にある.
 日本では「全方位外交」とか「等距離外交」というのがスローガンだった.
 自国の価値観や主張を強く出すことはせず,ただ相手国との表面的な強調を目標とし,相手の嫌がることは口にしない.
 日本の価値観を打ち出すことは避ける.
 対立や摩擦にはとにかく顔を背ける.
 いわば「逃げの外交」である.

 〔略〕

 今回の中国の反日デモも「逃げの外交」の結果という印象が強い.
 とにかく日本側は日頃中国に向かっての自己主張をせず,中国から非難されると,すぐ「反省すべきだ」とか「中国を刺激するな」という逃げを見せてきたことのツケが回ってきたようなものだ.
 今回〔2005年〕の反日デモの参加者たちは当初
「日本の国連常任理事国入りに抗議する」
と言明していた.
 その後に「歴史問題」を付け加えてきた.
 だが主標的はあくまで「国連」だった.
 しかもその後,中国政府は反日デモの「原因」として「台湾問題」や「人権問題」での日本の態度などと言うことまで持ち出してきたのだ.

[/quote]
―――古森義久 in 『SAPIO』,2005/5/11号,p.17-18



 まあ,要は「強い目的意識」が最重要かと.


 【質問】
 カウンター工作における「村山談話」「河野談話」の価値は?

 【回答】
 以下のブログを信頼するとするならば,「『日本は謝罪していない』と主張する中国などが恫喝外交に使ってきたカード」を消すという面で,効果があったという.

 以下引用.

 〔略〕
「かみぽこ政治学レビュー」
 今回はこの記事から.

--------------------------------------------------------------------------
従軍慰安婦問題,下院決議案に反対…駐米大使が書簡

 米下院に提出された,いわゆる従軍慰安婦問題をめぐる決議案に関して,加藤良三駐米大使が米下院外交委員会アジア太平洋・地球環境小委員会のファレオマバエガ委員長に採択に反対する書簡を送ったことがわかった.
 日米関係筋が15日明らかにした.
 米議会で審議中の案件をめぐり,駐米大使が反対の立場を書簡で表明するのは異例だ.

 書簡は,日本政府がすでに慰安婦問題に関する責任を認め,謝罪を表明してきたことなどを説明.
 決議案には事実に基づかない内容が含まれており,採択に反対する考えを伝えているという.
 決議案は,民主党のホンダ議員ら民主,共和両党の7議員が提出したもので,15日に同小委員会で公聴会が開催される.(読売)
--------------------------------------------------------------------------

うん...

これね,なんてことない記事の
ようなんだけれども,
結構重要なポイントを
含んでいるんだよね.それは

「米議会で審議中の案件をめぐり,
駐米大使が反対の立場を書簡で表明するのは異例だ.」

これね,こういうこと
これまでの日本政府は
ほんとやらなかったよ.

それに,まだ政府が
反対の立場を表明したというなら
わからんでもないんだけど,
これが

「加藤駐米大使というお役人」

が反対の書簡を送ったというんだから,
これはえらいことである.(苦笑)

皆さんよくご存知の通り,
役人さん,特に外務省の方々というのは
事なかれ主義というかね,
できるだけ担当してる国と揉め事が
起きないように,起きないようにと
気を遣う方々だからね.

それはこれまで,

「土下座外交」

とも呼ばれて,
批判されてきた部分も
大きいんだけれども,
僕はこの「土下座外交」については,
一定の評価を与えてきたんだけどね.
( 外務省とは何なのか.(前編)
外務省とは何なのか.(後編))

まあ,土下座外交の是非は
今日の話とは関係ないので
興味のある方は
上に貼り付けた
エントリーを見ていただくとして,
今日は,加藤駐米大使が
米議会で審議中の案件に対して
反対の書簡を出したということに
注目したいのだけどね.

なぜ,外国に気を遣いがちな外務省に
こんなことができたのかと
いうことなんだけどね.

答えは,このエントリーに書いてます.(笑)
(2006年11月13日
政局抜きで小泉政治を総括する:小泉外交・後編)

ちょっと長くなるけど,
大事な部分を引用しますね.

『最後に,小泉さんの隠れた功績というものを
紹介してみたいと思うんだよね.それは

「『村山談話』を世界に知らしめた」

ということだと思う.(笑)

(中略)

これ村山富市さんという
世界的に極めて影の薄い首相が
発表したせいなのか,
実はあんまり世界の人々に
知られてなかったんだよね.

英国のマスコミにも
日本政府は公式に謝罪していると
取り上げられたのは
少なくとも私の記憶にはないし,むしろ

「謝罪が足らんのが日中関係悪化の根本原因」

みたいな評論記事を
読んだことは何度もあったように思う.

(中略)

それ以前に,そもそもだけど
この「村山談話」について
よく知らなかった日本国民が
多かったように思うしね.(苦笑)

(中略)

小泉首相がAA会議での演説で
村山談話を踏襲すると発言して以来,

「日本政府が戦前・戦中に行ったとされる
『侵略』や『植民地支配』について
公式に謝罪していること」

が,世界中に広く浸透することになったと
私は感じているんだよね.

小泉演説以後,明らかに
日本が謝罪していないという論調が
欧米のマスコミから消えたと思うのは
(少なくとも,まともなマスコミからは=苦笑)
私だけでしょうか?(笑)

いまや,この「村山談話」の存在,
日本国の戦争に対する公式な謝罪は
世界の常識になりつつあるのではないかと
私は考えている.

これは,世界的にも知名度が高く
その動向の注目度が高い
小泉さんが発言したことが
大きかったんだよね.

私は,「村山談話」の内容について
ここで正しいとか正しくないとか
言うつもりはない.

そういうのには興味がない.(爆笑)

ただ,1つだけ言うと,
このAA会議での小泉演説によって,

「『日本は謝罪していない』と主張する
中国などが恫喝外交に使ってきたカード」

が,その後消滅したという事実だけを
淡々と指摘しておきたいと思う.(苦笑)

だって,すでに謝ってるのに
謝ってないから悪いとは
言えないでしょ,普通...(苦笑)

これが小泉さんの隠れた功績である.』

うん...

ここでもう一度,
最初に紹介した記事を
読み返してもらいたいんだけど,

「書簡は,日本政府がすでに
慰安婦問題に関する責任を認め,
謝罪を表明してきたことなどを説明.」

まさに,日本政府はすでに
謝るべきところは謝り,
やることはやってますよということを
きっちり説明する内容に
なっているわけだ.

これってやっぱり「小泉演説」後に
日本が先の対戦について
きっちり謝罪しているという
「村山談話」の存在が
広く世界に知られるようになったから
外務省も堂々とそれを
主張できるようになったのだ.

小泉さんが「村山談話」「河野談話」を
はっきりと認めることで,

「先の大戦について
日本に謝罪を求める」

という,対日外交カードを
無力化することに成功したのである.

だから今,「河野談話を見直す」とかいう
議連の人たちがアメリカに行って,
日本の立場を説明するとかいうのは,
はっきり言ってアホである.

日本の立場って言ったって,
従軍慰安婦で日本が悪くないって
言ったところで,
大多数の人は
理解してくれるわけがないのだ.

わざわざ無力化している
相手の外交カードを
蘇らせようとするだけのことだ.

アホらしい...(苦笑)

いや,僕は日中韓の歴史の専門家が集まって,
従軍慰安婦の真実はどこにあるのか
きっちり調査するというのは賛成ですよ.

ぜひやるべきだと思う.

しかし,それと現実の
政治的駆け引きの問題は,
まったく別の話だと思うんだよね.

 〔略〕

「かみぽこぽこ」,2007年02月24日 12時48分10秒

 なお本サイトでは,この見解を肯定も否定もするものではない.
 それをするには材料が不足している.
「粘土がなければレンガは焼けません」


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