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◆予算
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(画像掲示板より引用)


 【質問】
 複数の国の国防費の高い低いを比較するには,どんな指標が目安になるでしょうか?

 【回答】
 例えば,
(国防費)÷(国境線)で,1km当たりいくら
とか.
(国防費)÷(国民)で,一人当たりいくら
とか.

 ちなみに,
http://www.epa.go.jp/99/d/19990603seikei/menu1.html
で,内外価格差がわかります.
 (比較国の国防費)×(比較国との内外価格差)で出た数字を,日本の国防費と比べれば,高いか安いかわかります.

 「内外価格差」だと,円建てで計算します.
 例えば,M16がアメリカで10万円.対米内外価格差が1@`08とすると,M16は日本で10万8千円となります.
 一方,「購買力平価」だと,ドル立ての金額で直接.例えば,M16がアメリカで1千ドルとすれば,購買力平価が141で,日本では14万1千円になります.

 でも,最近ではGDPの方が主に使われています.

ぽぽい in 軍事板

 【参考画像】
.「全世界のいろいろなデータを可視化して図示すると真実が見える」より

小専用 in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

予算以外による各国軍事力比較の一例


 【質問】
 どこの国の軍もその年に割り当てられた予算で運営されるのだと思いますが,戦争状態のような予算措置があらかじめとられる場合を除いた,災害出動や,警備出動,スクランブル,機材の故障,事故などで費やされる費用については,どうなのでしょうか?
 ある程度,予備費のようなものが予算に含まれているのですか?

 【回答】
 はい.
 というか,当然それらを予想し,発生頻度を考えて年あたりの蓄積を行います.退職金支払準備費みたいな(笑).

 それでもアメリカみたいにイラク戦争に金注ぎ込んで三軍大貧乏状態に突入,なんてこともざらにあります.
 どちらかといえば,戦争状態の方が頻度の推測も費用の推定も困難であり,そこで軍人は高官になるほど戦争を嫌う,という話になるわけです.


 【質問】
「それとは別に、軍需とりわけ正面装備というのは需要弾性値が高いという面があります。
 つまり機械製品ですから,自動車のように(下請け・購買などの)裾野が広いんです。
 更に設備投資の面が全くありませんから、過剰設備の不安がありません。
 つまりランニング・コストで首が絞まることがないわけです。
 この結果、国家の支出としては、土木・箱よりも、軍需の方が経済に好影響を与えます。
 軍備拡充というのは、新規技術の固まりですから、景気浮揚の効果は大きいでしょう。」
とありますが、軍拡で景気回復は可能なのでしょうか?

 【回答】
 不可能ではありません。ケインズ先生の説によれば、単に穴ほって埋め戻すという公共事業でも効果があるそうですから。
 ただ、一般の公共事業にくらべて、乗数効果は低くなります。市場への波及が相対的に弱い。
「土木・箱よりも、軍需の方が経済に好影響を与えます」という説はトンデモにすぎません。
 さらには、現在の日本の不況は、公共事業を増やすことで何とかなるもんじゃない。それで何とかなるものであるのなら、不況に突入してから山ほどやってるんで.

 軍需産業の裾野は民生品に比べて裾野が狭い,というのも周知の事実です。
 開発コストが莫大なわりに、生産数が少ないから生産コストも高い.当然、手作業が多く生産性も悪い。
 オマケに軍事機密の保全の問題もあり,さらに非効率化してしまいます。
 また民生品の様に頻繁なモデルチェンジが出来ない為,同分野の民生と比べると、技術レベルが廃れやすい。
 軍需産業にとっては輸出以外には、経済的にプラス要素はありません。

 また,我が国の国防予算の内の人件費が占める割合を見れば,「ランニング・コストで首が絞まる事が無い」とはとても言えません。

 言うなれば軍備は掛け捨ての保険と一緒で,その国の国力、経済力によって,破綻せず払い続けられる(支出しつづけられる)限界が当然あるのです。

 【格言】
「軍事力を育てて使っても,まったく儲からない.しかし軍事力がなければ,もっと儲からない」(古代ギリシア人の言葉)

松村劭著「新・戦争論」


>現在の日本の不況は,公共事業を増やすことで何とかなるもんじゃない.
については,以下のような異論もある.

 今の日本はバランスシート不況で需要ギャップが発生しています.

 積極財政が行われた小渕内閣と,まだ需要ギャップが収まっていないにも拘らず緊縮財政を行った橋本・小泉内閣.
 このグラフを見ていただければ分かると思います.
http://www.tek.co.jp/p/bitmap/070801_chart.gif

 今の需要ギャップがある日本には,積極財政(公共事業)が必要なのです.
 その事が分かれば,この表記はどうかと思います.
 この部分だけ削除ないし書き直したほうが良いかと.

 ちなみに私はケインジアンではないのであしからず.

需要不足の日本経済を考える
http://www.adpweb.com/eco/eco47.html

需給ギャップと景気回復
http://www.adpweb.com/eco/eco116.html

減税の経済効果
http://www.adpweb.com/eco/eco49.html

橋本総理退陣を考える
http://www.adpweb.com/eco/eco75.html

保守 in FAQ BBS


 【質問】
 軍事への支出は非生産的であり,道路建設のような公共事業への支出より経済への貢献度は低い,と他の板で見ましたが事実ですか?
 なんか「道路建設」としてる点で,族議員の人が道路を造りたい為に言ってるような気もしますが.

 【回答】
 軍隊と言うものは,現代においては健康保険のようなもので,自国を仮想敵国とする仮想敵国に対する抑止力としての存在です.
 過剰な軍備は財政の負担になりますが,国家が無くなればそれどころでは無くなります.

 また道路などのインフラストラクチャーも,造った以上は維持するにも費用が掛かりますし,耐用年数を経過して寿命が来れば,解体し再度構築する必要があります.

 これらが無用である,と言う考え方は,社会資本について何も知らないと言っても過言では有りません.

三等自営業 ◆LiXVy0DO8s in 軍事板

 「戦争」への支出が非生産的なのは確かだが,「軍事」への支出は似て非なるもの.
 軍事部門への投資で得られた技術が,民生部門に転用されたりして産業への貢献は相応にある.
 たとえばどの国も,航空宇宙産業は軍事産業と表裏一体.
 国によっては,軍事兵器の生産輸出はその国の重工業の何割かを支えてたりもするので,道路作るよりも重要だろう.

 でも,国家予算を投じて行われる「軍事支出」は,一般論として経済にそれほど貢献しない.
 軍事支出が転用されて民需に生かされた例は多いが,それだって「民需の為に」やったわけではないので.

 技術のスピンオフどうこうは軍需産業の言い訳.
 基本的に軍事機密で自由にならないのだし,最初から民生目的で政府が援助してれば,もっと安くできる.
 公共投資云々も同様で,雇用が目的ならもっと少ない予算で多くの人間を雇用し,なおかつ生産財への投資ができる.

 軍事支出は「無駄だけどやらないわけには行かない」からやっているのであって,生産的だからやっているわけではない.
 そういう意味で軍事支出ほど非生産的な支出もそうそうない.
 だからといって減らせばいいというものでもない.

 ちなみにケインズの有効需要の原理では,公共投資の内容が何であれ,雇用が拡大できれば経済効果は同じ.
 恐慌対策としてアメリカで行われたニューディール政策は,この原理に基づいていた.
 もっとも新自由主義の流行で,ケインズ批判も高まってきたが.

軍事板


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