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◆総記
テロリズムFAQ目次


 【link】

「Rewards for Justice」
 指名手配中のテロリスト情報

South Asia Terrorism Portal(英語)

「Strategy Page」◆(2013/03/30) INFORMATION WARFARE: The Importance of FUD
 マスメディアのおかげでテロが効果的である理由

Terrorismus in Deutschland(独語)

「VOR」◆(2012/12/12)「テロ脅威度の高い国」ランキング発表,ロシアワースト10入り
> テロ脅威度1位とされたのはイラクで,パキスタン(2位),アフガニスタン(3位),インド(4位),イエメン(5位),ソマリア(6位),ナイジェリア(7位),タイ(8位),露(9位)が続いている.
> 欧州で最も高かったのはブレイヴィク事件が発生したノルウェーの21位で,英は28位,伊は57位,独は62位.米は41位.
> この一方で過去10年間で一度もテロ事件が起きていない国が31カ国あり,この中には南北朝鮮,ベトナム,キューバ,リベリアなどが入っている.

「wikipedia」◆ List of terrorist incidents

「WP」:Terrorist recruiters leverage the Web

Yahoo!ニュース - テロリズム

「いちらん屋」◆(2013/11/2) テロ組織・ゲリラ・過激派・武装組織一覧

「ゴールデンタイムズ」:コミケがテ○リストに占拠されたらどうなるの?

「スパイ&テロ」◆(2010/12/09) 国際テロ問題を学ぶ道

テロリズム研究センター

「公安調査庁」◆ 世界のテロ等発生状況
 随時更新

叛乱Online(主要テロ組織リスト)

遊撃インターネット

「ワールド・インテリジェンス」(旧名「スパイ&テロ」)

●書籍

『今世紀で人類は終わる?』(マーティン・リース著,草思社,2007.5)

『テロ・マネー』(ダグラス・ファラー Douglas Farah 著,日本経済新聞社,2004.9)

『テロマネーを封鎖せよ』(ジョン・B・テイラー著,日経BP,2007.11)

『マネーロンダリング入門 国際金融詐欺からテロ資金まで』(橘玲著,幻冬舎新書,2006.11)


 【質問】
 テロの起原は?

 【回答】
 紀元前400年頃の古代ギリシャ時代にまで遡る,という.
 以下引用.

------------
 当時のテロリズムは政治的主導権の獲得,民主主義に対する恨み,ギリシャの凋落に対する危機感が理由とされ,テロリスト側の考えに反対する人々を多数殺害したという.

------------『大人の参考書 「中東問題」がわかる!』,青春出版社,2001/11/10,p.36)

▼ ただし,ここで述べられている「古代ギリシャのテロ」は,おそらくアテナイでの「三十人政権」による恐怖政治のことを指していると思われる.
 これは紀元前404年に,スパルタの強い影響下に生まれた,親スパルタの寡頭政政権で,貴族,富裕層や対立勢力を次々と粛清して財産を奪い,仲間内でも穏健派のテラメネスを殺害したりしたため,翌年,民主主義勢力によって打倒されている.
 したがってこれは,語源の「テラー」寄りのものであって,今日認識されているところのテロとは意味合いが違うように思われる.

2013.6.1


 【珍説】
――――――
 企業へのテロは,当初は,ベトナム反戦運動の中で自然に発生した.
 〔略〕
 なかでもアメリカ社会を震撼させた事件が,1982年のタイレノール事件であった.
 〔略〕
 この事件自体は犯人がわからないので,犯意の真相は不明だが,企業へのテロリズムと最初に言われた事例となった.

――――――首藤信彦著『現代のテロリスト』,p.34

 【事実】
 書いていることが矛盾していませんか?
 ベトナム戦争は1965~1975年の話であり,タイレノール事件はその7年も後の話になります.
 タイレノール事件が「企業へのテロリズムと最初に言われた事例」であるなら,企業へのテロは「ベトナム反戦運動の中で自然に発生した」ものなどでは全然ないことになります.

 そもそもタイレノール事件はgoogle検索〔2009.11.11〕した限りにおいては,犯人不明の刑事事件としてジャンル分けされており,犯行声明も出ておらず,テロかどうかすら不明の事案です.


 【質問】
 どうすればテロリストが勝利できるのか?

 【回答】
 ヘリテージ財団のJames Carafanoは,
「テロリストが失敗するのは戦略が誤っているからである.
 テロリストが勝利できるためには,テロリストの望む政治的な願いを実現する方法を示す理論が必要.
 したがって,テロリストはテロを,テロそのものではなくて何かしらそれ以上のものに転化させなくてはならない」
と解説している.
 以下引用.

テロリストにとって,勝利が可能な場合の理論

 歴史的にみて,テロリストが勝利を収める例は大変少ない.テロリストは殺戮や破壊を成功させ,混乱や悲惨を巻き起こすことは出来るが,それはテロリストの最終目標ではない.
 テロリストの定義は,政治的な目的を達成するために犯罪行為を行う人である.

 テロリストがテロに走るのは,彼等が力に満ちているからではなく,絶望に満ちている為である.

歴史にはテロリストのキャンペーンは多くの例があるが,殆どが失敗している.民間人の殺戮で大義を唱えることは,かなり難しい.
 イラクの例ではテロリストは(外国人の駐留軍を追い出すという)大義を持つのだけれど,民間人の大量殺戮がその大義を怪しませる.多国籍軍がイラクの民主主義を推進していることは,さらにテロリストの大義を疑わせる.

 テロリストが失敗するのは戦略が誤っているからで,テロリストが勝利できるためには勝利のための理論が必要なのである.それはテロリストの望む政治的な願いを実現する方法を示すものである.
 その理論から言えば,テロリストはテロを,テロそのものではなくて何かしらそれ以上のものに転化させなくてはならない.

 歴史的に見て,テロリストが,そうしたテロ犯罪行為をより崇高なものに転化出来るため には,四つの方法があって,イラクの場合もそれらのどれかを使う必要がある.

①テロリストが占領地域の正規軍になる

 これは中国の共産党革命で起こったことで,アフガニスタンのムジャヒディーンがロシア軍に対抗したときの方法でもある.
 ヴェトナム戦争でヴェトコンが採用した手法でもある.
 しかし,イラクの場合,テロリストがそうした占領地域を支配することは,ファルージャに見られるように成功しておらず,今後も極めて困難である.

②テロリストが国民的政治運動の核になる

 これはアルジェリアの独立のときに起こったことで,国民の運動の前にフランスは植民地を諦めざるを得なかった.
 イラクの場合,この可能税はゼロに近い.
 テロリストは国民の支持を得ておらず,政治運動に失敗している.

③反対する全ての勢力(特に指導者)を殺戮する

 これはフランス革命のときの手法であるが,お勧めできない.
 イラクでテロリストがイラク政府高官や警察官や宗教指導者を暗殺しているのはこれに近いとも言えるのだけれど,すぐに代わりが現われるので効果はない.

④テロを中止して政治勢力になる

 イラクでスンニ派の一部がそうした動きを見せていて,これは成功の可能性がある.
 しかし,テロリストであることをやめれば,それはもうテロリストの活動ではないのだから,テロリストの戦略としては失敗ということにもなる.

 成功のための理論や戦略無しに,絶望的な犯罪行為を続けるテロリストは,そのWebサイトを見てみれば解るのだが,政治的なプロパガンダを掲げて,永遠の戦いへの犠牲と献身を要求している.
 しかし,イラクの普通のイスラム教徒は理解するのだが,イスラム教徒とイスラム教徒の殺戮合戦に意味はなく,時間や資源やお金や生命の無駄使いがあるだけである.
 イラクの国民は,それよりは社会の安定化,民主主義や法治,経済発展や繁栄のほうを選択するに違いない.

("The Terrorist Theory of Victory", 2005/7/20,
軍事板転載)

 一方,新潟青陵大学福祉心理学科教授(心理学博士)の碓井真史(うすい・まふみ)は,犯罪心理学的アプローチから次のように述べている.

 戦争の場合は、基本的には、自国の軍服を着て、自国の旗を掲げ戦闘を行います.しかし,テロは、誰がいつ起こすのかまったくわかりません.誰がいつ被害を受けるのか、予想は困難です.
 これは,場合によっては戦争以上の、恐怖と不安を引き起こします.そして,戦争被害以上の、激しい怒りが引き起こされることもあるでしょう.

 テロは場所を選ばず、対象を選ばず、終わりもありません.
 その恐怖と不安は人々の心を締め付けます.
 その結果、時にはテロリスト達の要求をのむことにもなってしまします.

 そうなれば,テロリスト達の勝ちです.
 一方、テロの被害を受けた人々が、怒りに我を忘れてしまうこともあります.世界の指示が十分いえられないまま、巨大な軍事力や経済力を駆使して、戦争行為を始めることもあります.
 そんなことになれば,国際世論が離れます.被害を受けた国が、世界から孤立します.

 そうなっても,テロリストの勝ちです.
 彼らは、ことさら相手を怒らせる行為をします.相手国の反撃でこちら側の国民に被害が出たとしても、それでも,相手国が世界から激しい非難を受け、世界の中で影響力が弱くなっていくとしたら,それでよいのです.
 あるいは,テロにおびえ、怒り、テロリスト達と同じ民族、宗教の人々への差別を激しくするかもしれません.
 そんなことをする国を世界は非難するかもしれません.
 あるいは,もともとはテロ行為など支持していなかった同民族、同宗教の人々が、テロリスト側に荷担するようになってしまうかもしれません.

(「ロンドン同時多発テロの犯罪心理」)


 【質問】
 どうしてテロリストは「師団」でも「連隊」でもなく,「旅団」を名乗るのでしょうか?
 「赤い旅団」の頃から不思議に思っていたのですが.「旅団」には特別な意味があるのでしょうか?

 【回答】
 英和辞書でBrigadeを引いてみ.旅団の他に,団体とか,組とか,隊とかも載ってる.
 赤い旅団でも,赤色団でも,赤組でも,赤隊でも,どう訳しても間違いとは言いきれない.

 確かイタリアに「赤い旅団」というのがいて,そもそも「ぶりがって」とか「ぶりげーど」には「愚連隊」みたいな意味合いがあったはず.

(海の人 ◆STEELmK8LQ他)


 【質問】
 ローンウルフ・テロって何?
 3行以上で教えて!

 【回答】
 ローンウルフ・テロ Lone Wolf Terrorism ,「一匹狼型テロ」とは,テロ・グループに所属することも支援を受けることもなく,単独またはごく少数で計画または実行されるテロのこと.
 それまでテロと何の関わりもなかった個人が,社会への不満などをきっかけに,メディアやインターネットなどを通して過激思想にかぶれた末の行動であるケースが多い.
 社会に潜在したまま過激化するため,組織型テロに比べて予兆を治安当局が探知しにくく,予防がより困難であると言われている.

 単なる個人的不満から起こる凶悪犯罪との線引きが非常に難しいのだが,FBIが「ローンウルフ」を犯罪人類型に加えたのは,ユナボマー事件(1978~1995年)の後.
 ただしここでは,あくまで「犯罪人類型」分類の話であり,ユナボマー事件がテロと言えるかどうかは疑問の余地がある.
 テロらしいテロとしては,1995年のオクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件が嚆矢.
 ただ,テロとさえ社会に認識されていないような規模のミニミニ・テロが,それ以前にも発生していた可能性は高いと思うけどね.

 それより先の1990年代,白人至上主義者のアレックス・カーティスとトム・メッツガーが,「匿名の単独または少人数グループが,日常的に政府または特定の標的に対して攻撃する」というテロの形態を提唱している.
 これはまあ,「白人至上主義グループはもはや組織としてテロを起こすだけの力がありません」と告白しているようなものでもあるけどね.

 他にこの種のテロの代表的なものとしては,
2014年3月のフランクフルト国際空港米兵射殺事件
同年11月摘発のニューヨークにおける爆弾テロ計画(未遂)
などがある.

 宗教や人種をめぐる激しい対立がない日本では,ローンウルフの行動原理も絞り込みにくくなるため,海外のローンウルフは海外と違った予防の難しさがあると,日本の警察は警戒しているらしい(報道によれば)
 だが,まあ,ルーピー鳩山のときも舛添のときも,国民の怒りの度合いは高いにもかかわらず,テロどころか襲撃する暴漢一人出てこないのだから,いわゆる「政治的対立」に起因するテロが起きるかどうかと言えば,私見ではかなり微妙.
 可能性はゼロではないけどね.
 しかし,むしろ愉快犯じみたテロのほうが,日本では警戒されるべきだと思うよ.
 2015年4月の首相官邸ドローン事件や,同年8~9月のJR東日本連続放火事件など見ると,そんな気がする.

 あと,狼に対する風評被害(ry

 【参考ページ】
http://www.npa.go.jp/archive/keibi/syouten/syouten280/pdf/p06.pdf
http://archive.adl.org/learn/ext_us/tom-metzger/default.html?LEARN_Cat=Extremism&LEARN_SubCat=Extremism_in_America&xpicked=2&item=7
http://www.sankei.com/premium/news/160109/prm1601090022-n1.html
http://agora-web.jp/archives/1663198.html

【ぐんじさんぎょう】,2016/06/14 20:00
を加筆改修


 【質問】
 テロの標的になり易い場所は?

 【回答】
 多くの外国人観光客が集まる娯楽施設だ,と大泉光一=日本大学国際関係学部教授は述べる.
 その論旨は次の通りである.

 かつては交通機関,あるいは政府関係の建物だったが,最近では多くの外国人観光客が集まる娯楽施設が狙われるケースが増えている.

 この最大の理由は,不特定多数の人間が集まり,警備が手薄――つまり,計画・実行のリスクが低いということにある.近年のテロの目的は,敵対する人物や組織の派焼きよりも,人々を恐怖に陥れ,テロリストの言い分を呑ませる事に移っているからである.

 さらに,途上国を訪れる外国人を標的にするテロは,心理的高価が高い.途上国の娯楽施設を訪れる外国人は,裕福な「強者」である.外国で我が物顔で遊びまわるという傲慢なイメージを持つ外国人を,「弱者」が襲うという構図は,大義名分を成立させられ易い.

(from "SAPIO" 2003/4/23, P.22,抜粋要約)


 【珍説】
テロリストの目的というのは,市民を恐怖に陥れて社会を混乱させたり民主政治を動揺させたりすることです. (まいか.

 【事実】
 それは手段と目的を取り違えています.

 市民を恐怖(テロル)に陥れて社会を混乱させたり,民主政治を動揺させたりするのは『戦略目的』を達成させる為の『手段』です.
 けっして目的ではありません.恐怖を作り出す事はテロリストの『戦術手段』です.

IRAは北アイルランドのイギリスからの分離を目的にテロを繰り返しました.
ETAはバスク地方のスペインからの独立を目的にテロを繰り返しました.
日本赤軍は日本政府と天皇制を転覆し,世界同時革命を起こす事を目的にテロを繰り返しました.
PLO反主流派はパレスチナ解放を目的に,PLOが武装闘争を止めたにも関らずテロを繰り返しています.

どのテロリスト集団とて,「社会を混乱させる事」そのものが目的であった集団はいません.それはあくまで目的を達成させる為の手段に過ぎないのです.目的を見失い,テロルを実行する事のみ繰り返す・・・そんな集団はテロリストですらない.ただの殺人嗜好集団です.

ただし個人レベルなら,手段が目的と化してしまった者もいます.手段の為ならば目的を選ばないという様な,どうしようもないテロリストが.それは時限爆弾を使ったテロリストに多く居ました.解体し難い時限爆弾を考案している内に,警察の爆破処理専門班との知恵比べを楽しむようになり,政治的主張よりも爆弾作りに没頭していく・・・小説や映画の話ではありません.現実に居たのです.

 ・・・ところで,まさかとは思うけど漫画の見過ぎって事は無い・・・よね? 
「テロリストは市民を恐怖に陥れて社会を混乱させることが“目的”
という手段と目的を取り違えた主張は,某吸血鬼漫画の某少佐や,某4コマ漫画の某武将,

 織田信長配下,松永久秀の居城――大和国信貴山城

「あー,このところ毎日のどかでうららかな日和が続いて気持ちがいいねえ」
「まったくでございますな,殿」

「……」

「謀反でもするか」
「(ビョーキだ……)」

(山科けいすけ「SENGOKU」1,竹書房,p.106)

とあまり変わらない気がするのだけれど・・・

 こんな奴ら,漫画の中にしかいねーよ.

(JSF他)

爆弾解体作業
(画像掲示板より引用)


 【珍説】
 食べすぎている!
 アメリカ人は食べすぎているからテロの標的になるのだ!

小林よしのり in 『SAPIO』 2005/6/22号,p.61

 【事実】


  ( ゚д゚)      ・・・
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /
     ̄ ̄ ̄

  ( ゚д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /


faq99bo.jpg
(こちらより引用)

▼ 両国国技館なんか,世界中のテロリストに狙われるな・・・.

軍事板


 【珍説】
 政治の側はテロに対処できなければ意味がないんです. (まいか.

 【事実】
 それは非常におかしな言い分です.

例えば,警察を例にします.
「警察は犯罪を完全に無くせていない.対処できていないのだから,意味が無い」
 ・・・変でしょう?

 テロも同様です.テロは犯罪です.そして犯罪同様,完全に無くす事はできません.
 ですから,対処療法は必ず必要となります.そして対処療法を「意味が無い」と言う事は,非常におかしな事です.

 もちろん,対処療法だけで良いとは言いません.
 しかし,絶対に必要なものである事は確かです.
 だから,「対処できていないから意味が無い」という貴方の主張は,完全に間違っています.

(JSF)


 【質問 kérdés】
 反社会性政党とは?

 【回答 válasz】
 その国の体制を動かすことよりも破壊することに主目的を置く政党のこと.
 「革命政党」と呼ばれる場合もあるが,そういう呼称は極左政党だけをイメージされがちであり,実際には極左・極右双方にこのような性格の政党が存在するため,「反社会性政党」と呼ぶほうが,より適切と考えられる.
(エドワード・ルトワックは「叛乱政党」と呼んでいる)

 この種の政党は,政治に公に参加している場合もあれば,非合法化されて地下活動を専らとしている場合もある.
 世界各国の共産党や極右政党は半合法的な存在が多く,細胞組織や"非合法的"な心情や,しばしば疑似軍隊的な要素を持っているものが多い.

 ルトワックによれば,反社会性政党の特徴は,
・明確なイデオロギー的信条への忠誠
・厳しい中央集権的組織
・政治目的達成のために直接的手段に訴えることに専念している
点などであるという.

 ちなみに反社会性パーソナリティ障害の特徴は
・社会的規範や他者の権利・感情の軽視
・人に対する不誠実さ
・欺瞞に満ちた言動
・暴力を伴いやすい傾向
点などであるという.
 反社会性党派である新左翼各セクトの構成員に概ね共通する欺瞞性,不誠実さ,暴力性を想起すると,一定の相関性があるように思われるのは筆者だけだろうか?

 そしてルトワックによれば,西側の社会的・経済的状態の下では,「叛乱政党」は数も少なく,体制への挑戦の仕方も非現実的なのが普通だが,ときとして国民生活の主流から疎外された一部の民衆の間で支持を集めることはある.
 また,第三世界では,経済的搾取の圧力を絶えず受けているために,民衆の間に広範に革命的信条が広がる可能性があり,叛乱政党はこれに方向付けをし,これを利用しようとする.
 ただし,叛乱政党にはそれだけの活動のできる組織のない場合が多く,中南米特有のゲリラ活動や東南アジアの騒動も,殆ど彼らの利用するところとなっていない――としている.

 詳しくは
ルトワック『クーデター入門』(徳間書店,1970), p.163-164
を参照されたし.

mixi, 2017.12.16


 【質問】
 極右・極左・宗教過激派などが,世間からなかなか受け入れられないのは何故?

 【回答】
 彼らがなかなか受け入れられない理由は,実のところ,政府の弾圧のせいでもなければ,主義主張のせいでもない.
「すぐ暴力振るう人は,嫌がられるよね」
「偉そうなこと言うくせにダブスタな人は,嫌がられるよね」
という,ごくシンプルな話.

「すぐ暴力振るう人は,嫌がられるよね」
という点については,説明の必要もないと思うが,多少分析的に言えば,社会が許容する暴力の範囲というのは,本当にごく狭い.
 正当防衛すら,過剰防衛か否かを常に問われることを思い出してもらえれば,容易に納得できる話だろう.
 暴力や,その根源である怒りは,怒り丸出しでは社会に受け入れられないんだよね.
「我々の怒りが抑制され,制限されたときに,それは寛大で高貴なものであるとさえ認められるだろう」(アダム・スミス『道徳感情論』)

 たとえば,昨今のガザにおける紛争にしたところで,イスラエルが3少年殺害事件に対し,どう見ても過剰な軍事力という暴力を行使しているから,イスラエルが国際世論から叩かれているのであって,これがアイヒマン誘拐のときのように,犯人だけをさっとかっさらってきただけなら,これほどまでに批判されていないだろう.

 ダブスタについて言えば,実はたいていの人は,探せばどこかでダブスタをやっている.
 原理原則だけでは世の中は回らない,というのを皆知っているからね.
 さもなければ,例えば戦後直後に日本の法曹関係者は,山口良忠判事以外も全員餓死していたはずだ.

 だからこそ,原理主義者はよほど気を付けないと,自分の言葉が自分に跳ね返ってくる.
「ビン=ラーディンは,欧米批判を繰り返していた癖に,自分自身は隠れ家で,欧米物質文明の象徴みたいなエロDVD鑑賞三昧かよ m9(^Д^)プギャー」
てなことになる.

 そもそも,ジハードにしてからが,どのイスラーム解説書を見ても,
「ジハードには大ジハードと小ジハードとがあり,小ジハードとは己に打ち勝つ内面の戦い,つまり克己心のことだ」
とある.
  しかし,ジハードを叫ぶイスラーム過激原理主義者は,「己のどこに克己心があるんじゃ!」とツッコミ入れられそうな者ばかりだったりする.
 むしろ,内面の心の弱さが,他人への攻撃性となって現れているケースが多いように思う.
 
 しかも,原理という代物は突き詰めれば突き詰めるほど,解釈が様々に分かれてしまい,これが内ゲバの要因となる.
 極左セクト間の凄惨な殺し合い,仲間内でのリンチの例は,枚挙にいとまがない.
 例えば,戦後長期にわたり日本共産党のトップの地位にあった宮本賢治が戦前収監されていたのは,治安維持法違反の他に,リンチによる不法監禁・傷害致死・死体遺棄罪のためだ.

(余談; そういえば『モーニング』連載中の,山本直樹『レッド』は,何話にもわたって,連合赤軍による「総括」という名のリンチが描かれていて,読んでいて陰鬱な気分になる.)

 一部のイスラームの偉い研究家が,どれだけアラビア語の原書を読み込んだのかは知らないが,
「すぐ暴力振るう人は,嫌がられるよね」
「偉そうなこと言うくせにダブスタな人は,嫌がられるよね」
という社会の基本線を理解せず,テロリストを擁護しているのが,当方には不思議でならない.

 明末の儒学者,耿天台は,
「己我の蔽錮意累(へいこくいるい),すなわち己私を克治して日用常行における倫理的実践を宗としなければ,道徳的判断,是非善悪の別を昏昧にし,空談虚見に陥って,かえってその敦倫体物の真機を失うに至る」
としたが,まさに件のイスラーム研究者は空談虚見に陥っているようにしか思えない.

 まあ,要するに「実社会に照らして考えてみる」というは大事だよね,という話だったとさ.

(エンディング・テーマ)

twitter,2014/8/16
から加筆改修


 【質問】
 政治目的を達成したテロは存在するのか?

 【回答】
 「大人の参考書 『中東問題』がわかる!」(青春出版社,2001/11/10)によれば,イスラエルのイルグーンという組織によるテロを成功の代表例だ,としている.
 同書によれば,イルグーンの活動によってイスラエルという国家が誕生したという.

 成功した理由としては,
・国際世論の支持があった,
・国家の独立を獲得するという明確な動機があった,
・イスラエル市民の支持があった,
・敵対関係にあったイギリスの過剰報復を誘発,国際世論に訴える事に成功した,
といった理由が挙げられる.

 特に大きかったのが,国際世論の支持.つまり,国際的に同情が得られない限り,テロリズムの成功はまずないと言っていい.言い換えればそれは,世界人類がテロリスト側の考え方に正当性があると認めた場合と言えるだろう.

(p.38,抜粋要約)


 【質問】
 脱国家的テロリストは,なぜこんなに安全保障を脅かすようになったのか?

 【回答】
 まず覚えておきたいのは「テロリズム」そのものは別に新しいものではなく,遥か昔から存在していた,ということ.
 フランス革命やスターリン下のソ連政府は,国民を支配するためにこれらを用いたし,19世紀には,アナーキストや脱国家的革命家によって用いられた.
 WW1では,部分的にではあるがテロ行為が戦争を引き起こす要因の一部となった.(フェルディナンド暗殺はきっかけのひとつにすぎない)

 近年の脱国家的テロリズムがなぜこんなに脅威視されるようになったかについて,ナイ教授は以下のように分析している.

-------------------------------------------------------------------------
 今日新しいのは,技術が,常軌を逸した個人や集団の手に,かつては主として政府にゆだねられていた破壊力を与えつつあることなのである.
 20世紀には,スターリンやヒトラーのような政府首脳は多くの人々を殺すことが可能であった.
 21世紀にもしテロリストが大量破壊兵器を獲得すれば,彼らは同様の能力を保持することになろう.
 だからこそ,一部の識者はテロリズムを戦争の民営化と呼ぶのである.
 さらに技術には,近代社会の複雑なシステムを大規模な攻撃に対してより脆弱なものにしてきた.
 ウォルター・ラカー(Walter Laquer)が指摘するように,
「インターネットがその傾向を加速させる以前から,脆弱性増大という傾向はすでに存在していた」
-------------------------------------------------------------------------

 911テロでは,3000人以上が一度のテロの犠牲になっており,殺傷性の増大を裏付けている.(攻撃の回数自体は減少しているが)

 過去のテロでは,1985年にインド航空爆破事件で325人が犠牲になり,オクラホマの連邦ビル爆破事件では168人が命を落としている.

 1970年代と80年代のテロは,主としてイデオロギーやナショナリズムに起因するものであったが,90年代に入ると,極端な宗教的信条がテロの温床となる事例が増えてきた.

 伝統的なテロリストは,左翼にしろ右翼にしろ,あるいは民族主義的分離主義者にしても,無辜の人々を殺害するのには,ある一定の良心の呵責を感じていた.

 だが,こうした制約は現在ほとんど重視されなくなり,自己犠牲(自己陶酔)の心情とあいまって,新しいテロは,恐るべき破壊力を持つに至ったのである.

 911に関与したテロリストたちは,ある種のイスラム原理主義に動機づけられてはいたが,覚えておかなくてはならないのは,アメリカでのそれ以前の最悪のテロは国内で起きた(オクラホマ連邦ビル爆破事件)ことである,
 テロに走る集団は,世俗的な集団でもあり,カルト的な集団でもあり,宗教の分派的な集団でもあり,つまりは,たやすくこれらの集団がパワーを持てるということだろう.

<まとめ>

・テロは昔から存在してはいたが,近年のテロは,個人的な集団が技術を持つことにより,飛躍的に破壊力を増したことにある.

・近年の脱国家的テロリストは,一般市民を巻き添えにするのにあまり良心の呵責を感じない.

・あらゆる集団が,大きな破壊力を持つテロリストになる可能性がある.

 ・・・技術革新・グローバリゼーションの功罪を考えずにいられない.
 もっとも,この流れは止まらないと思うが.

 詳しくは,ジョゼフ・S・ナイ教授『国際紛争』(有斐閣,2005.4),第8章を参照されたし.

 また,田中明彦氏は非国家,国際的テロリズムの脅威について以下のように記している.

-------------------------------------------------------------------------
 その政治目的は,アメリカを中心とする政治経済体制への根本的否定というような根源的なものか,あるい単なる破壊のための破壊という虚無的なものなのかもしれない.
 もし目的があまりに根源的あるいは虚無的であるとすれば,このようなテロ組織との交渉の可能性は殆どないであろう.
(中略)
 このような脅威への対処はきわめて困難である.
 テロに対する戦争として,アメリカはアフガニスタンで武力攻撃を行いタリバン政権を崩壊させたが,これはあくまでも,現在その存在が明らかになったアル・カーイダの根拠地を破壊したに過ぎない.
 国家でないネットワーク組織であるアル・カーイダは,根拠地を破壊されたからといって直ちに消滅するわけではない.
 徹底的な情報戦略と多国間の警察などの協力なしに,この「戦争」を遂行することは困難である.
 つまり,「新しい戦争」において,圧倒的に重要な活動は戦場ではない場所で行われることになる.

 さらに,このような脅威に対して,通常の意味の「抑止」も「防衛」もきわめて難しい.
 どこを攻撃されるかわからないため,防衛措置を取ることも困難だし,また相手がどこにいるのかもわからないのであるから,「攻撃すれば大規模の反撃をするぞ」という「抑止」によって攻撃を防ぐことも難しいのである.
 また,自爆を覚悟するほどの根源的あるいは虚無的な実行犯に対しては,そもそも「抑止」は意味を成さない.

 このような判断が,アメリカの新しい安全保障戦略に反映し,「先制行動」の考えにつながっている.
 テロ組織の存在が一瞬でも見える状態になり,その意図が感知できれば,直ちに行動を取って危険を防ぐというのは,「新しい戦争」においては必要な措置である.
 ただし,先制行動は必ずしも先制攻撃を伴う必要はないし,無思慮な先制攻撃は,かえって国際秩序を破壊する場合が大きく,望ましくない.
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―――田中明彦/中西寛編『新・国際政治経済の基礎知識』(有斐閣,2004.7),P236

 抑止が難しい点については,軍事評論家・江畑謙介氏も以下のように言っていますし,ナイ教授も「国際紛争」の中で述べています.

[quote]
 脅威の対象としては国家による在来型(伝統型)のものよりも,テロリズム,大量破壊兵器によるテロ,武装勢力によるゲリラ攻撃,あるいはサイバーテロやレーザー攻撃などの新しい技術分野による非対称型攻撃などが重視されている.
これらの脅威の多くは「抑止」の概念が機能しない.
[/quote]
―――江畑謙介 <新版米軍再編 353ページより引用
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 従来,防衛力の基本的役割は「抑止力」であり,そのために日本でも最小限必要とされる「基盤的防衛力」の保持を防衛力整備計画の中心的考え方としてきた.
 抑止力とは,こちらがある力を保持することで,相手にこちらに対して無理難題を押し付けられたり,武力攻撃(によって問題の解決を図ろうとする方法)を行わせないようにしたりするというものである.
 この考えの基礎には,こちらがある程度の防衛力(軍事力)を持つから,相手は攻撃をかけてもそれ相応の被害を免れず,それは相手の目的達成に引き合わないと思わせる,という概念があう.
 これは目的達成に必要な犠牲と達成によって得られるものとをはかりにかけて,得るものの大きさを推量する,
 すなわち「費用対効果」を図るという合理的なかんがえがある点を前提にしている.

 ところが前述のようにテロリズムでは,このような合理的な考え方がほとんど存在しない.
 目的は相手に代償を問わず被害を与えることであって,そこにいかなる自分の犠牲が生じてもかまわないというのが多くのテロリズムの基本だから,これだけの軍事力をもっていれば,相手にそれ相応の被害を与えて・・・という考え方が通用しない.
 このような相手(テロリスト)に対しては,もちろん,そのテロリズムを実行させないための最大限の防止努力(情報収集による先手を打った逮捕,資金や武器入手経路の根絶など)を行うが,実行されてしまった場合(最悪の事態を想定して備えておくのが安全保障の基本である),その被害を最小限に食い止める対応措置を講じねばならない.
 その能力を持つ必要がある.
 これが対処能力である.
 「被害を最小限に食い止める」対応措置は「被害管理(カンセクエンス・マネージメント:Consequence Management:CM)」という.
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―――江畑謙介著『日本の防衛戦略』(ダイヤモンド社,2007.7),59-60ページ

ますたーあじあ in mixi


 【質問】
 所謂反政府系やテロリストと呼ばれてる所で傭兵になるような場合,正規軍で言えば入隊の前からアンダーグラウンドに徹しなきゃ行けないと思うんだけど,そういう組織の公式サイトとか,そういう思想を持ってる人間が集まるサイトで「○○行きたいんですけど~」とか,書いたりメール送ってやり取りしても大丈夫なの?
 ま,もう少し捻ると思うけど,要するに政府や諜報機関はどれ程監視出来ていて,どれ程そこから逮捕や調査の行動に出るのか?出られるのか?と聞きたいわけです.
 実際に逮捕者とかもいるみたいだけど,現状としては↓みたいに情報発信は勿論,メンバー集めや口座番号を乗っけて資金援助きぼんしても大丈夫なくらい,インターネット上のやり取りは厳密に監視されている訳でも,そこから取り締まりが出来てる訳でも無いの?
http://www.chikawatanabe.com/blog/2004/08/post_8.html
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0407/09/news027.html

 【回答】
 例えば日本の場合,所謂,過激派と呼ばれているような非合法組織でも,それ単独で活動しているわけではなく,合法活動や公然活動もしているわけです
 っていうか,過激派として名の知れてる組織が公然組織で,その裏には非公然な繋がりがあるわけですけど .

 そもそも,人が組織をつくるのは何らかの影響を社会に与えるためなのだが,非公然組織が非公然性を保つには社会に直接影響を及ぼすのは致命的なんだな.
 だから,本体とは別に公然組織を作る.
 その方法としては,看板掲げた公然過激組織を作ったり,擬装組織を作ったり,他の組織を乗っ取ったりするわけです.

 求人も,そういった公然組織でスカウトします.
 例えば労働組合や自然食品団体,環境保護団体などに擬装した組織を作る,あるいは乗っ取って,そこに集まる人を自らの思想に沿うよう誘導し,見込みのある者はスカウトする,と.
 こういった一連の活動をオルグと呼びます.

 非公然活動の人間と公然活動の人間の,唯一の接点だから,当然監視されてますよ.

 また,上記記事を読む限りでは,ある程度容疑者を絞り込み,国際指名手配の様な形で追跡監視してる様だ.
 そして,その容疑者の電話回線,ネット回線の傍受をしてる.
 ありとあらゆる所に網を張って監視してるわけじゃなくて,特定の人物に限定して監視してるんだね.

軍事板
青文字:加筆改修部分

▼ ただし,実際にSNSを使った勧誘の手口は,報告されている.
 以下引用.

――――――
「テロ組織がフェイスブックでスパイ募集」とイスラエル
2009年5月19日15時45分,CNN.co.jp


 エルサレム(CNN) イスラエル政府は18日,テロ組織が米大手ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のフェイスブックなどを使ってスパイを募っているとして,国民に注意を促した.
 同国の情報機関シン・ベトは「テロ分子がインターネットを使ってイスラエル国民に接触し,金銭と引き換えにテロ行為に加担したり,情報を提供するよう持ちかけているとの報告が多数ある」との声明を発表した.
 情報が流出すればイスラエルの治安が脅かされるばかりか,情報受け渡しのために出国した国民はテロ組織に拉致される恐れもあるとシン・ベトは警告.
 金目当ての情報受け渡しは危険だと説いている.

 シン・ベトに最近通報があった事例では,イスラエル国民がレバノン商人を名乗る人物からフェイスブックを通して接触され,金銭と引き換えに秘密情報を渡して欲しいと頼まれたという.
 これは多数ある事例の1つにすぎないとシン・ベトは強調している.
――――――

▼ 危なそうなところには,近付かないのが吉.▲


 【質問】
 インドはテロ大国なのか?

 【回答】
「フォーリン・アフィアーズ日本版」:インドにおけるテロの新しい流れ
を読めば,そう言えることが分かるだろう.
 インドには数十のテロ組織が存在すると考えられており,イスラーム過激原理主義以外にも,分離主義勢力,カシミール紛争関係組織,マオイストなど種類も多岐にわたる.
 そして2006年だけで,インドでは2750人を超える人々がテロで命を落としているという.

 詳しくは同論文を参照されたし.


 【質問】
 インド・ブータン国境では,どんなテロ組織が活動しているのか?

 【回答】
 現在,インド北東部では,約30の分離独立派の武装組織が活動しています.
 90年代末以降,インド軍に追われる形でULFAやボドランド民族民主戦線(NDFB)などの過激派組織はブータン南部の森林地帯に侵入し,基地を設置しました.
(ちなみにULFAは米政府からもテロ組織の指定を受けています)

 それに伴い,インドからブータンに入るブータン人や国軍が過激派組織に襲われる事件が発生し,ブータンは03年12月,国軍に過激派掃討作戦を命じ,作戦は成功しました.
 それにより過激派勢力は同国内から完全に掃討され,ブータン国内の治安は基本的に回復しています.

 しかし04年9月にインド国境に近いサルパン県ゲレフーで爆弾テロが発生.本年1月にも,サムドゥルプ・ジョンカール県で陸軍治安部隊が過激派に襲撃される事件が発生していました.

 ブータン南部地域には,国の重要な外貨獲得源「木材」の主要な供給地の大規模森林があります.
 また,ネパール系住民が多く居住しており,他の地域とはことばが通じない「国内異国」的な地域といわれています.

おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)10月2日


 【質問】
 ウィキリークスによる,重要インフラ情報流出について教えられたし.

 【回答】
 テロや自然災害で被害を受けた場合,アメリカに重大な影響をもたらす可能性のある,各国の施設や設備を記した,アメリカ国務省作成のリストが,ウィキリークスを通じて流出した事案.

 ウィキリークスがインターネット上に公表した文書は,アメリカ国務省が,2009年2月,各国のアメリカ大使館宛に送ったもので,各国にあるインフラ設備や企業の施設など,テロや自然災害による被害を受けた場合,アメリカの経済や安全保障に重大な影響をもたらすものについて調査するよう指示している.
 そしてこの文書には,参考として,2008年に作成されたリストが添付され,各国のパイプラインや通信網の所在地,それに 医薬品関連の企業名など,数百か所が挙げられていた.

 このうち,日本関係では,愛知県や沖縄県などにある海底ケーブルが陸に上がる場所や,神戸や横浜など,4か所の港の名前も記されていた.

 これについて,アメリカ国務省は,これらのリストが,流出したものであることを認めたうえで,クローリー次官補が
「テロの標的にされかねない」
と強く批判した.

 これら施設が実際にテロ攻撃を受けた場合,ウィキリークスはどのような責任をとるつもりなのか,多いに疑問に感じる次第.

 【参考ページ】
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20101207/t10015686601000.html

▼ なお,この流出情報について,専門家は以下のような見解を示している.

――――――

 ツイッターに日本が関係する重要施設のリストが出ているが,よく分からないが,米国との間の海底ケーブルの揚陸地点と日立などの発電製作工場,40MVA以上の開閉所など,のように読める.
 電力企業などは,一応チェックしておく必要があろう.
 ツイッターのコピーは,私のツイッターにも落としている.
 ピックアップした機関はどこか分からないが,ちょっとピンぼけのような気もする.

――――――「日刊 アジアのエネルギー最前線」,2010.12.7付

(画像掲示板より引用)


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