c

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ戻る

◆◆◆◆代案関連
<◆◆◆テロ特措法(平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法)関連
<◆◆日本のテロ対策
<◆テロ対策
テロリズムFAQ目次


 【質問】
 自衛隊がアフ【ガ】ーンのISAFに参加したら,本当に死人が出るの?

 【回答】
 その可能性が非常に高いと考えられます.
 仮に小沢一郎が言うように,自衛隊の活動を後方支援に限定したとしても,です.

 ISAFに参加している各国部隊は,その規模に比して高い割合の死傷率を出しています.
 イラクのサマーワとは比べ物にはなりません.

 たとえばカナダ軍の戦死者ですが,最新の数字で 71 名です.
 その大半が IED によるものです.

http://www.defensenews.com/story.php?F=3083375&C=america
の記事の,真ん中より少し下のあたりに出てきます.

 またドイツ軍ではこれまで死者21名を数えています.
 以下引用.

http://www.newsdigest.de/newsde/index.php?cucoaction%5B0%5D=edit&option=com_content&task=view&id=313&Itemid=27

 ドイツは,北大西洋条約機構(NATO)の一員として他の国々とともに,アフガニスタンの復興を支援するために,平和維持部隊,国際安定化軍(ISAF)に約3000人の将兵を派遣している.
 任務遂行中にテロなどで死亡したドイツ兵の数は,これで21人になった.
 テロに遭って生き残った兵士たちの中には,精神的に強い衝撃を受け,いわゆるポスト・トラウマ症候群(PTSD)で通常の生活を送れなくなった者もいる.

 ちなみにドイツ軍のPRTは,PRTの中でも, 「現在のアフガーンで最も危険の少ない」 部類の任務です.
 別項参照のこと.

 もちろん政治家たるもの,ときには国益のためにあえて兵士を死地に送るという辛い決断をしなければならないときもあります.
 しかし政争の具とされた挙句に死傷者を出すのであるなら,これは言語道断です.
 これでは自衛隊員の命が虫けら同然に扱われているに等しい.
 小沢一郎にとっては,自衛隊員の命は虫けら同然なのでしょうか?

 もしそうなら,そんな政治家こそ虫けら党の虫けら代表同然であると言えるでしょう.

井上@Kojii.net(水色)および
ゆきかぜまる(黄色)に加筆

以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より

 わずかにこの案にとって肯定的材料があるとすれば,伊勢崎賢治によれば,日本は加害者ではないという「美しい誤解」が,アフ【ガ】ーニスタンにはあるということだという.
 以下引用.

[quote]

 伊勢崎氏はまた,日本にはその分野,つまり非軍事の分野でも,貢献できることが少なくないとも言う.
 現在アフガニスタンはOEFによる二次被害(一般市民への被害)が広がる中,米軍をはじめとするOEF参加国に対する市民の怨念が蓄積している.
 しかし,アフガニスタンから遠くの彼方にあるインド洋での無料ガソリンスタンドしかやっていないため,アフガニスタン国内では日本は加害者ではないという「美しい誤解」があると伊勢崎氏は言う.
 警察の強化や軍閥との交渉など,アフガンでも手を汚していない(と誤解されている)日本だからこそ,貢献できる非軍事部門の活動は多いと伊勢崎氏は指摘する.

 〔略〕

伊勢崎:
 私は「美しい誤解」と呼んでいるが,日本はアフガン国内で体よく誤解されている.
 つまり,日本は親米でありながら,アメリカと対等な経済大国であり,なおかつ軍事的なものを背景とせずにアフガンに接してくれると思われている.
 特にアフガンは軍事に翻弄されてきた歴史があるため,国民は各国の思惑に敏感になっている.

 日本は給油問題から安倍首相の辞任まで話が発展し,自らが騒いだことで「美しい誤解」は解けてしまったが,まだ遅くはない.
 軍事との決別を宣言すればいい.

 具体的にできることとしては,政治浄化のためにSSRを理解している人間を送ることだろう.
 国際社会が一枚岩であることを演出しながら,アフガン政府,特にSSRの担当省庁の浄化を促せるような,ロビー力のある人間を送ることだ.

 そして,自分や部下の行動も含めて判断できる権限を与えて,その人がお金の采配も取れるようにすることだ

[/quote]
―――2007年11月1日 ビデオニュース・ドットコム

 ただ,そんなものはターリバーンが悪宣伝を行えば,簡単に覆される可能性がある.
 なんと言ってもアフ【ガ】ーン人にとっては,日本は「ケターブ(聖典)を持たない国」,キリスト教徒やユダヤ教徒よりさらにヒエラルキーの低い民族であることを忘れてはならない.

 同様に「誤解」のあったイラク・サマーワでも,IEDによる攻撃を自衛隊は受けている.
 運良く2発目が不発だったから良かったものの,そうでなかったら死傷者が出ていただろう事を忘れてはならない.
 運に任せるような危機管理は禁物である.


 【質問】
 自衛隊ISAF参加案の問題点は?

 【回答】
 左翼リベラリストで軍事に詳しい戦略論家のfurukatsu氏による,陸自をアフガニスタンに出すべきでない理由の紹介です.

陸自をアフガニスタンに出すべきでない10の理由 - furukatsuの軍事

--------------------------------------------------------------------------------
1.アフガンは戦闘地域である.

 普通にゲリラ戦を展開してます.

2.そもそも自衛隊の仕事じゃない.

 そもそも自衛隊の主な仕事は日本に対する侵攻の排除です.

3.海上給油で済む話で,内陸部に部隊を派遣する必要性が薄い.

 目的に対する手段として必要性が薄いです.

4.給油が実績として海外で認められている.

 アメリカのごり押しで認めさせました.まぁ,アフガン関係での存在感はそれなりにあります.

5.戦闘補給艦を5隻,有している国は米国と日本だけ.

 俺がやらなきゃ誰がやる.普通に考えて向いていることをやるほうがいいです.

6.アルカイダとの直接戦闘は,国内テロを誘発する危険性がある.※

 皆さんその覚悟はあるんですかね?

7.海外での武器使用に関わる問題も山ほどある.

 陸上では普通に戦闘が起きる可能性が高いのに,海外での武器使用に法的問題が大きいです.

8.そもそも後方が海外展開出来るように作られてない.

 当たり前ですが,国内戦用の補給処と野整備です.余裕無いです,カツカツです.

9.パキスタンを通しての後方連絡線の距離が非常に長い.

 カラチから何キロあるのかと.

10.さらにパキスタン国内で襲撃される可能性がある.

 治安悪いです,敵対勢力多いです.普通にGF活動が活発です.
--------------------------------------------------------------------------------

 私も概ね,賛同します.
 アフガニスタンではISAFの戦闘以外でも地方復興支援チーム(PRT)ですら頻繁に襲撃されていますし,PRTチームによる反撃でタリバン側のアフガニスタン人が射殺されたケースも多々有りますが,果たして自衛隊にそれが出来るのか,殺し,殺される覚悟を決めた上で送り出せるのか・・・
 海上で支援が出来るならそれで良いじゃないかと思います.
 我が国は海洋国家なのであり,海からの支援が得意分野なのですから.

 ただ間違いを指摘するとしたら以下の点です.

× 5.戦闘補給艦を5隻,有している国は米国と日本だけ.

 アメリカはサプライ級4隻ですし,何も戦闘補給艦(高速戦闘支援艦)に拘る必要はありません.

 高速戦闘支援艦(AOE)という括りで考えるなら,海上阻止行動に参加中の国ではアメリカ4隻(サプライ級),日本5隻(とわだ級,ましゅう級),イギリス2隻(フォート・ヴィクトリア級)になります.(スペイン,オランダ,イタリアなどもAOEを保有しているが参加していない)AOEとは給油,給兵(給弾),給糧など全ての補給が可能な艦で,尚且つ高速を発揮できます.

 ただし給油と給水に限定するなら給油艦(AO)でも可能です.
 タンカーがベースの船になるので速力は遅いのですが,作戦区域がイエメン,オマーン沿岸で範囲は1000海里程度なので,速力の差は大きな問題とはなりえないでしょう.
 海上阻止行動は弾薬を大きく消耗する事は無いので,洋上補給で必要なのは給油,給水,給糧(食料等の生活物資)となります.
 海上自衛隊の任務は給油と給水です.
 AOEでなくてもAOでも可能な任務です.(給糧艦はアメリカが派遣)

 つまり給油艦(AO)を入れるならばアメリカのヘンリー・J・カイザー級やイギリスのウェーブ・ナイト級も数に加わり,それだけでかなりの数になります.
 また日本の「とわだ」級AOEは比較的小型ですし,インド洋での遠征任務は正直言ってキツイものがあります.
 より大型の「ましゅう」級が就役して少しは楽になりましたが,今まで海上自衛隊そのものが日本近海(小笠原諸島周辺海域)までの作戦しか想定していなかったので大変です.

 それでも各国海軍に比べれば,海上自衛隊以上に補給能力が充実しているのはアメリカとイギリスくらいで,日本が果たすべき役割というものは大きい筈です.

「週刊オブイェクト」,2007年10月20日

 えーっと,自衛隊の予算5000億削減とか言ってるアホ政党が,金かかるISAF参加なんてほざくな.ですね.
 飯も弾も装備も削るし,手足がっちり縛ってから,情け無用の戦場に送り込む.というんだったら,ゴミンスはただの自衛官殺しです.
 明らかな人殺し,というか虐殺犯を尊敬することはできんなあ.

 そりゃあ,民主党としては出してもらった方が良いでしょうねえ.
 自衛隊員に死者が出たら,堂々と与党自民党を叩くネタに出来るから.

 あのさあ.海上警備行動にせよ,サマワでの復旧支援活動にしても,「憲法の制約」と「軍事音痴のテロ市民団体」とかの「日本の特殊事情」を考慮してもらったギリギリ妥協の産物な訳.
 だって自衛隊が対外戦闘できるような能力も余裕もないから.

 言っておくけど,小沢案じゃテロリストに「どうぞ殺してください」って生け贄送り出すようなモノなんだよ.
 はっきりいって他国のISAFの足引っ張らせて邪魔させたいのかと思うくらいに.

 それにそっちに引き抜かれた分の日本の防衛の穴は,どうやって埋めるのさ?
 民主党が自衛隊の予算と人員増に賛成してくれるの?

 また,参加するためには,陸自の装備やら武器携帯の制限やらを,まず見直さなくては,活動自体が不可能なのです.
 石破大臣が,「この場合,他の法もセットで出さなければ無理ぽ」といっていたのはそのことです.

 それには時間もかかるし,国会での審議も必要でしょうし,
 本来,法案の成立まで空白期間を作るわけにはいきませんから.
 海上阻止活動を継続しながら,ISAF参加を議論するのならば,可能だったでしょう.

 民主党の主張する海上阻止活動を中止してISAF参加となると,まず,その空白期間が問題になると思います.

 さらに,歩兵なら持たせられるだけの最新装備,車両が入れるなら戦車持ち込むくらいの勢いがなけりゃ,陸戦参加なんて無理っしょ?
 国内配備分を減らすわけにも行かず,増員必至.
 それだけの覚悟が,今の政府にあるとは思えん.
 どっかの国もうるさいだろうしな.

 ついでに.まともな状態で自衛隊をISAFに参加させたいというのなら,ロジスティックスの整備とROE(交戦規定)を明確にしておかなきゃいけない.
 ROE(交戦規定)ってのは要するに
「こういう状況なら先制攻撃して叩きつぶしてよし」
という規定な.
 ロジスティックスについても今の陸海空自衛隊にそんな余裕はないから,他国に頼ることになるだろうね.

 つまりこの辺の話をちゃんと整備しようと思ったら,「集団自衛権」と「有事法制」と同じ事をやれと言うことになる.
 でも,どこかの馬鹿は,集団自衛権の議論も有事法制の成立に大反対してるよなあ.
 まったく.アホかと,馬鹿かと.

 だから,手足縛って戦えない状態の自衛官を送り出して,予想通りに犬死にさせるのは虐殺だ,と言ってるんだがね.俺.

 法律や装備の話を全て置いておくとしても,そもそも人数が足りねー.
 海自の給油活動だって陸自出すよりはずっと楽なのに,それでもインド洋のローテーションで結構ボロボロな状態になってしまってる.
 海外展開しやすい海自でこれだぜ?

 そもそも任務として他国での戦闘活動なんか毛頭想定していない陸自を ,アフガンに出したらどうなるか想像できるだろ?
 大体,あの辺りの言葉を使える人材を日本国内で調達できるのか?の時点から難問だと思うんだが.

 あと予算も足りねー.
 自衛隊も役所なんで,事務仕事しなきゃならんのは他の省庁と同じなのに,
自衛隊ではコピー代は自腹
だということを覚えておいてくれ.

 こんなアホな状態でISAFに参加しても,馬鹿にされて終わるぞ.
 ISAF事態の参加は望ましいと俺も思うが,現状じゃ自衛隊員を犬死にさせるだけで,国際的な評価はゼロどころかマイナスに突入するわいボケ.

 今の日本の状況だと,給油が最良でしょ.
 後は,如何に各国の仲介役をやるかってに期待されてるかと.

ニュース極東板


 アル・カーイダは以前から日本も標的にしており,逮捕者の供述によれば,たとえば先のサッカー日韓ワールド・カップも狙われていたとされるので,日本のISAF参加により国内テロが誘発されるか?と言えば大差ない可能性もある.
 アル・カーイダにとって日本をテロる優先順位は上がるかもしれないが,確たる根拠があってそう言えるわけではない.



 「諸君!」 2007年12月号も,以下のような矛盾を指摘する.

[quote]

 その日(10月15日),小沢は連合の高木剛会長に会った.
「武器使用など二度と言うなよ」
と脅されたのだろう.
 大切なスポンサーである.
 帰って記者会見で,ISAF参加はテロリスト掃討といった治安維持活動ではなく,食糧支援など民生分野の支援に限定すると言い変えた.
 支離滅裂である.“治安”維持活動はしないと言ったって,それは“治安”支援部隊なんだよ.
 インド洋で給油するのは悪いが,ISAFに入って食糧支援する海上自衛隊が給油してもらうのは良いと,ヘンな論理になる.

[/quote]

 なんでTVメディアは誰も,それを小沢一郎に突っ込まないの?

▼ 本来ならばアフガンには行くべきだと思います.
 行っておかねばならないとも思います.
 しかし,何か起きたり行動が裁判沙汰になったら,大臣や首相がすぐ逃げるということでは,部隊指揮官は後顧の憂いなく現地で活動し,各国軍と交際できませんよね.
 だから行ける状態ではないと,涙をのみつつ思います.

 アフガンでの作戦は基本的に連合(ある国の指揮官の指揮下に,複数国から拠出された部隊が入る.
 部隊は,指揮官命に従い作戦行動にあたる)であり,憲法がある限り,最大で共同までしかできないのがわが国の害になっています.

 一方で,世界平和のためアフガン安定は地政学的に極めて緊要である,との常識さえ理解できておれば,憲法の精神にのっとる世界平和の伝播者として,自衛隊は現地に出向くわけで,連合作戦に参加しようが,憲法の意志に反することなど,いささかもないと思いますね.

 「国権による軍事力発動はしない」の前提には,「侵略目的」というのがついてるわけですしね.(笑)

 現実的には,海外派遣基本法でも作って,現地指揮官に軍事的意思決定のフリーハンドを委ねることが,絶対条件になるでしょうね.

おきらく軍事研究会,平成20年(2008年)9月29日

▼ なによりの問題点は「停戦合意」です.
 これ自体が「テロとの戦い」の本質を理解できていない人達の良くクチにする意見ですね.

 テロとの戦いは戦争ではありません.紛争・争乱です.
 相手は主権国家ではなく賊集団です.
 彼等は単一の統制された組織ではなく,離合集散を繰り返している雲のような集団です.

 仮に「停戦合意」がその内の誰かと結べたとして,それで安全が保証されたことになるでしょうか?
 そんなことが出来るぐらいならパレスチナ問題など,とっくの昔に解決できているはずです.
 テロとの戦いでは「“全般的な”停戦合意」など百年河清を待つような空論です.

 テロの生まれる動機は,個人にせよ,民族にせよ,宗教にせよ,「怒り」です.
 これは善悪とか正邪の問題ではありません.
 戦いの正義は常にどちら側にもあります.
(当事者達はそう信じているのです)

 テロは,多くの人達の怒りを抑えて彼等の希望の星になるリーダーが出るまで続くでしょう.
 テロとの戦いを終わらせようと願うならば,そのリーダーを育てて民衆を統制する力を持たせねばなりません.
 それには,危険地域に分け入ってその芽を支援してやる必要があります.
 当然,危険が伴います.

 アフガニスタンでは今でも毎日のように,殺したり,殺されたり,が続いていると聞きます.
 軍属でもない民間人がノコノコと行けるようなところではありません.

 その中にあってインド洋における給油は,リスクの少ない希有な活動でした.
 実に惜しい活動を失いました.

 挙げ句の果てが,今度はわざわざアフガニスタン本土で火中のクリを拾う案です.
 民主党案は,小沢氏のかねてよりの主張に辻褄を合わせるために無理矢理こじつけたもので,おそらくこれを作った民主党の議員さん達も,本気で停戦合意が実現出来るなどとは思っていないでしょう.
 つまり民主党案は「無い物ねだりの願望法案」「無責任の当て馬法案」だと思います.
 屁理屈の綺麗事だけで現実が見えない(見ようとしない)平安殿上人のような議員さん達で作った民主党案は(武器使用について多少マシな部分もありますが)今後論議が進めば早晩破綻するのではないでしょうか.※

 以上,ヨーソロの管見でした.

ヨーソロ in おきらく軍事研究会,平成19年(2007年)12月31日

>給油活動を含めた海上阻止活動に関しては,国連決議に基づけば
>「要否を含めて検討」するとしている.

 海上阻止活動参加は国連決議で追認されていたようだが・・・
 しかも「国連決議が出れば検討」だから,決議が出ても賛成するとは一言もいってない.

>民主党の対案は,活動内容を医療や生活物資配布など
>人道復興支援に限り,アフガニスタンに自衛隊を派遣する
>内容.武力行使を伴う国際治安支援部隊(ISAF)本体への
>参加は見送る.

 もう正気ではないんだな>小沢
 拉致された韓国の宗教団体みたいに,自衛隊員が誘拐されたらどうするの?
 他国の軍隊に助けてもらうの?
 そうならないように重武装の自衛隊を送り込むの?
 それこそ戦争だな(笑)

 まあ左右入り乱れたパッチワーク集団じゃこれが限界でしょうな.
 結局何もやらずに撤退するだけですって言ってるのと変らないかと.
 落ち着いたらこっそり行きますって事だな.

ニュース極東板

 ※破綻がばれないよう議論を避け続け,2008/1/11に参院にて可決されましたとさ.衆院では当然否決.
 逃げ回り説は,以下のような記事にも伝聞の形で紹介されている.

[quote]

小沢代表 テロ法より中国,ですか

 臨時国会の会期末が15日に迫る中で,新テロ対策特別措置法案をめぐる論議が一向に深まらない.
 原因の一つは,民主党が対案を出し渋っていることにある.党内の意見がまとまらないためである.
 〔略〕

 小沢代表がシーファー駐日米大使と会ったのは8月初めだった.
 給油を続けるためのテロ対策特措法延長に反対する考えを伝えている.
 以来,給油問題やアフガン支援に民主党がどんな対応を示すかが注目されてきた.

 民主党は先月,対テロ新法の対案骨子を決めている.
▽アフガンの停戦合意を支援する
▽民生支援のために自衛隊を派遣する
−などがその内容である.
 ところがこの骨子に党内から異論が噴出,法案化の作業がストップしたまま今に至っている.
 小沢執行部が法案化を進めないのは,法案への与党の質問で答弁に窮するのを心配しているのではないか−.そんな声も聞こえてくる.

 〔略〕

 小沢代表はいま中国を訪ねている.
 国家議員を含め約450人を引き連れての訪中だ.
 7日には胡錦濤国家主席との会談も行われた.
 野党党首が外国の首脳と意見を交わす意味は大きい.
 小沢代表が意欲的に臨むのは当然である.
 ただし,国会審議が大詰めのこの時期に,多数の国会議員を伴って外国を訪ねることが適切かどうかは別問題だ.
 〔略〕

[/quote]

 ちなみに古森義久ブログ『小沢一郎氏はなぜ媚中に変身したのか』(2007/12/17/01:42付)では,この訪中は酷評されています.
 以下引用.

[quote]

 日本側でのさまざまな反応のなかでも圧巻は,週刊新潮の特集記事「卑屈な小沢一郎」でしょうか.
 副題には「『胡錦濤皇帝』に拝謁を賜った」とあります.

 国会の審議の最中に,民主党議員45人がぞろぞろ北京詣でという異常も,もっぱら小沢氏の主導です.
 週刊新潮の記事は,小沢氏が胡主席に会ったときの様子を,明らかに目撃者の報告を基に以下のように報じていました.
「ちょこんと椅子に座った小沢氏は,媚びたような笑いを浮かべ,
『ただいま主席閣下自らですね,今回の参加者の団員のものと写真を撮っていただきましてーーーそしてまた,みんなと握手までしていただきましてーーー先例のないサービスをしていただいて,本当に感謝しております』」

 週刊新潮のこの記事は次のようなコメントをも載せていました.
「中国というのは,家来のような態度をとる者を優遇します.
 小沢氏はそれに嵌った.
(中略)
 小沢というのは,弱いものに対しては威張りますが,強いものにはダメ」(政治評論家の屋山太郎氏)

「小沢氏の訪中は,銀座のホステスがお客さんの気を引くために皆で出張したのと何も変わりません」(在日中国人ジャーナリストの石平氏)

 ここまで酷評されても仕方ないでしょう.
 小沢氏は日本の政治指導者として中国へ出かけ,国家元首に会いながら,日中間で懸案の東シナ海のガス田紛争も,尖閣諸島の問題も,抗日記念施設などの反日教育や歴史の問題も,チベットやウイグルにからむ少数民族弾圧,人権抑圧の問題も,まったく触れなかったそうだからです.
 日本国民の懸念案件をまったく無視する日本の政治家というのは,なにやら不気味でさえあります.

 しかも小沢氏の率いる民主党は,このブログでも取り上げたウイグル民族の人権活動家ラビア・カーディルさんを招いての研究会を突然,キャンセルしています.
 小沢訪中にからんで日本の中国大使館からの圧力に,小沢・民主党があっさり屈した結果でした.

 〔略〕

 しかし小沢一郎氏はかつては中国に対してはこんな卑屈で,媚びた態度はとっていませんでした.
 いったいなにが彼を変身させたのか.
 私が産経新聞の中国総局長として北京に在勤していた1999年の2月末,当時,自由党の党首だった小沢一郎氏が訪中してきて,中国共産党中央政治局常務委員の尉健行氏と会談しました.
 このときの小沢氏の発言を,実際にその場にいた人たちから聞きました.
 その内容は私の著書『「日中友好」のまぼろし』などで詳述しました.

 ここでもう一度,その概略を紹介しますが,要するに小沢氏はそのときは,それまでの日本の政治家たちよりも強固かつ明確に日本側としての自己の主張を中国当局にぶつけていたのです.
 決して媚中ではなかったのです.
 小沢氏はたとえば
「歴史認識は反省の上に立ってきちんとすべきだが,それは中国のみなさんも同じことだ」
と尉氏に対して述べました.
「日中友好を阻害するようなことは慎むべきだという尉先生の言葉があったが,それはおたがいに慎むべきだ」
とも発言しています.
 小沢氏はさらに尉氏に対して
「日中両国は率直に意見を交換できる関係ができなければだめだ」
とも告げました.
 そして当時,中国側が反対していた日米防衛共同ガイドラインや,そこでうたわれた「周辺事態」が台湾に適用されるか否か,など,小沢氏は中国側の主張に堂々と反論さえしていました.

 〔略〕

[/quote]


 【質問】
 サマワ派遣でも,おなじこと〔自衛隊員に危険がある〕が言われていましたが,結局派遣しましたよね?
 〔ISAF参加とは〕どう違うんでしょう?

小沢信者 ◆gxRqfAIF.M

 【回答】
 サマワの時は「比較的安全な後方での復興支援」活動.
 オランダ軍が守ってくれてたのもあるし,比較的治安はよかった.
 自爆テロの危険も,ファルージャとかに比べたら全然低かった.

 ISAFに参加すると言うことはバリバリの 戦闘活動やると言うこと.
 自爆テロが横行してるから,安全な「後方」なんてありはしないのよ,サマワと違って.

 完全装備で切り捨て御免なドイツ軍・カナダ軍ですら死者を出し続けているところに,民主党と小沢が言うとおり,非武装の自衛隊と民間警備員・ボランティア送り込む気か?

 ISAFで何をやってるか知らん人は,とりあえずちょっと↓を見てくれ.

http://www.youtube.com/watch?v=Id3fN1JZU0U
http://www.youtube.com/watch?v=ZqJde4YuVjU
http://www.youtube.com/watch?v=sd0osZoVjhU

 民主党案を見たとき,民主党に対して自衛隊隊員の命はどうでもいいと考えているのか?と聞きたくなった.
 また,民間人やボランティアを派遣すると聞いて,民主党は民間人やボランティアの人たちの命はどうでもいいのか?,と聞きたくなった.
 ついでに,現地でアフガン人の護衛を雇うと聞いて,じゃあアフガン人の命はどうでもいいのか?,と聞きたくなった.

 民主党は人の命をなんだと思っているんだろうか?
 政権奪取の道具くらいにしか考えていないのではないか?

 ・・・・・・こういう小沢みたいなのによって若い人間がたくさん殺されたのが,太平洋戦争だったのかも分からんね.

ニュース極東板


 【質問】
 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律に従って,自衛隊は活動しているのですよね.

 自衛隊って危険とか死者がとか当たり前じゃないのでしょうか?
 このような議論になると「危険だから」?
 当たり前でしょ!議論する意味さえ分かりません.
 警察官の殉職者と比べても圧倒的に少ない自衛隊,死して当たり前の準軍隊が「危険だから」?
 国連を脱退するか,国連軍に加わるか,どちらかにしたら?
 中途半端な給油はいりません.

遊撃隊長 in mixi

 【回答】
「給油活動で国際貢献してるのに,わざわざその給油を打ち切ってISAF参加っつーのが,論理としておかしい」
ってのが分からんのかね?
 与党に反対するために,無茶苦茶なことを小沢さんが言ってるってことなんだが.

 第一,無闇に死傷者出るようなことする必要性もない,
 給油活動で感謝されるのだからそれでいいじゃないか.
 無論,血ぃ流せばそれはそれで多大な感謝はされるが,給油活動打ち切って血ぃ流してもとんとんってところだろ.

 0か1かの二元論で物事語るのは小学校までにしておきましょうね.

竹輪 in mixi


 【質問】
 日本が果たすべき責任が大きいなら,海上でのんびりやってないで陸上まできてもっと責任果たせよ,ってのが筋じゃないですか?
(別に民主党案に賛成じゃないけど)

ニュース極東板

▼ 今,民主党の小沢代表が主張している海上給油に代わる国際貢献策は,NATO軍の指揮下にあるISAF(国際治安維持部隊)に参加して,アフガニスタンの民生支援活動に日本が協力することである.
 つまり小沢代表の主張は,年の初めに安倍前総理がNATO本部で演説した内容と基本的に変わらない.
 日本はアメリカとだけでなく,マルチな国際貢献活動を世界の中で行っていかなければならないという考えである.
 それなのに安倍前総理を支持する人たちが海上給油に賛同して,小沢代表が主張するISAFに自衛隊を送る考えを批判しているのははなはだ合点がいかない.

田中良紹 in 「The Commons」,2007年12月17日

 【回答】
 いや,だから世界〔の指導者層〕も,日本が平和憲法なんていう厄介なものを背負っていることを理解していて
「それじゃあ海上で給油してくれればいいよ,俺らにはできないし」
と,大幅にまけてもらってるのが現状なんですよ.

 その,大まけにまけた国際貢献をさらに拒否しようってのが民主党の姿勢なんです.
 んで,実行できるわけがない違憲行為を「対案」と称していると.

 日本に平和憲法がないとしたら, 陸上兵力の投入と,海上活動の両方をやらなきゃいけないのが筋だと思います.
 陸上をやったから海上をしなくていいとかいう話ではないはずです.

ニュース極東板


 【質問】

        ,..--‐‐‐‐‐‐‐‐---..  
      /::::ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)     
      |::::::::::/        ヽヽ   
     .|::::::::::ヽ ........    ..... |:|  
      |::::::::/     )  (.  .||    
     i⌒ヽ;;|.  -=・=‐  .‐=・-.|    ISAF参加の何がおかしい!
     |.(    'ー-‐'  ヽ. ー' |    
     ヽ.      /(_,、_,)ヽ  |   平和を乱す悪者には,
      |.    / ___    .|   武力を使ってでも制裁すべきだろ!
       ヽ    ノエェェエ   |  
        ヽ    ー--‐   /|:\_       (・ω・)
        / \  ___/ /:::::::::::::      ノ( ノ)
      /::::::::|\   /  /:::::::::::::::::       く く

        ‐‐‐‐‐‐‐‐---.
       (;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::\   
       //        ヽ::::::::::|  
     . // ...     ........ /::::::::::::|  
      ||   .)  (     \::::::::| 
      .|.-=・‐.  ‐=・=-  |;;/⌒i  でも,給油活動はダメ. 
      .| 'ー .ノ  'ー-‐'    ).|  
      |  ノ(、_,、_)\      ノ  理由は,戦争する車に給油することは
      |.   ___  \    |_   .戦闘行為と一緒だから.
      .|  くェェュュゝ     /|:\_
       ヽ  ー--‐     //::::::::::::         ズコー
       /\___  / /:::::::::::::::       ヽ(・ω・)/
     ./::::::::|\   /  /:::::::::::::::::       \(.\ ノ


 上記の理屈がよく分からないのですが.

軍事板

 【回答】
 太田コラム#2115から抜粋.

 このISAFの司令部機能は国別に6ヶ月交替で担われていましたが,2003年8月からはNATOが恒久的に司令部機能を担うことになりました.
 これは,NATOが史上初めて欧州・北米以外に配備されたことを意味します.
(中略)
 他方,不朽の自由作戦の海上阻止行動(OEF‐MIO)は,このどちらでもなく,国連のオーソライズはあるけれど,組織されていない,各国がバラバラに参加している軍事的活動です.
(組織されているか否かのメルクマールは,単一の指揮官・司令部の存否です.)
 日本の給油活動は,この海上阻止行動の後方支援なのです.
(中略)
 それでもなおかつ小沢氏は,ISAFに参加した場合の自衛隊部隊の行動は,日本による軍事指揮権の行使,すなわち日本の主権の行使ではないので集団的自衛権の行使にはあたらないのに対し,OEF‐MIOに従事している自衛隊部隊の行動は日本による軍事指揮権の行使,すなわち日本の主権の行使であって,集団的自衛権 の行使にあたるので許されない,と抗弁することでしょう.
――――――――

 おそらく,小沢氏がISAFは憲法に抵触しないというのは,国連の指揮下なので日本の主権の行使に当たらないから,ということなのでしょう.
 ただ,CTF150でもISAFと同様にいずれかの国が指揮権を持って,ISAFのように6ヶ月くらいで交代していますよねえ,確か.

 また,日本も他国の指揮下にあるのであれば,小沢氏が唱えるハードルを乗り越えていることになり,小沢氏の主張に沿ったとしても,海上自衛隊の給油活動は合憲ということになりますよね.

バグってハニー in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
「小沢代表,疑問に答える 民主党はなぜ自衛隊の給油活動継続に反対なのか」
http://www.dpj.or.jp/special/jieitai_kyuyu/

 これって軍事的に見てどの程度,正確なんでしょうか?

軍事板

 【回答】
・同意する部分.

−−−
Q:政府は海上自衛隊の給油活動は,集団的自衛権の行使ではないと言っていますが.

A:全くの詭弁です.後方支援であって,戦闘行為ではないというのがその理由ですが,後方支援,兵站線は,戦争の行方を決する最大の要素です.後方支援は武力の行使と一体というのが世界の常識なのです.
−−−

・激しく疑問に感じる部分

−−−
Q:では,テロとの戦いで国際貢献,協力をやめるのですか.

A:(前略)国連の決議によってオーソライズされたもの,アフガンで言えば,ISAFは憲法に抵触しないので(中略)国連の平和活動に積極的に参加することは,たとえ結果的に武力の行使を含むものであっても憲法に抵触しない,
−−−

 何ゆえにISAFは憲法に抵触しないのか?
 「国連」という錦の御旗に思考停止させているだけのような.

バグってハニー in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

>たとえ結果的に武力の行使を含むものであっても憲法に抵触しない,
>むしろ憲法の理念に合致すると考えています.

 うはあ,『他国の部隊を助ける』事態になったら,どう言い訳するつもりだ?,小沢は.
 それとも,「他国の部隊への応援は集団的自衛権の行使になるからやらない」とでも言うつもりだろうか.

 ISAFの展開地域はサマワよりもよほど危険なんじゃ?

ゆきかぜまる in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 DoD のニュース発表を見ると,南部や東部では結構な頻度で戦闘が起きているようですね.

井上@Kojii.net in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 記憶モードで書くのをお許しください.

 私の主観ではISAFは「めちゃくちゃ」戦闘を行っていると思います.
 戦死者もよく出ます.
 確かカナダはそれで撤退議論が沸き起こったはず.
 それで,日本と同じ敗戦国のドイツは戦闘には加わらず,現地で治安部隊の育成に携わっています.

 今の日本に戦死者まで許容できる総意があるかは,私にははなはだ疑問です.
 うかつに手を出した結果戦死者を出し,即時撤退というような事態になればむしろ国際貢献にとって有害であると思います.
 国内世論的にも許容され,なおかつ国際的にも感謝されるということで,海上自衛隊の給油活動が今のところベストだと私は考えます.

バグってハニー in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

---------------------
 ことの始まりは,2001年の9・11テロに対して米国が「自衛の戦争」と宣言してアフガニスタン政府(当時はタリバン政権)を武力攻撃したことです.米国の自衛権の行使に,日本が参加することは,集団的自衛権の行使をほぼ無制限に認めない限り,憲法上できません.
 ところが,日本国憲法は集団的自衛権を認めていないというのが,政府の解釈です.
 当時の小泉首相は,「国際常識論」,「憲法の隙間論」を振りかざして,憲法論議を封殺して,強引に特措法を制定したのです.
 〔略〕
 憲法第9条は,国権の発動たる武力の行使を禁じています.
 国際紛争を解決する手段として,武力の行使を認めていません.
 私は,日本が自衛権の行使,つまり武力の行使ができるのは,我が国が直接攻撃を受けた場合,あるいは我が国周辺の事態で放置すれば日本が攻撃を受ける恐れがある場合に限る,と解釈しています.
--------------------

 911では日本人も犠牲になっているのですが,それでも何も反撃しない,というのでは,無策にもほどがあるでしょう.
 また,アル・カーイダは文字通りの国際テロ組織であり,その攻撃対象には日本も含まれています.
 日韓ワールド・カップに対するテロが計画されていた事実もあります.
 まさに「我が国が直接攻撃を受け」そうな事態ですね.

 このような事態を1940年代生まれの憲法は想定していなかったのですから,隙間論もあながち間違いとは言えません.

 小沢一郎はテロに対する認識が甘すぎるようで.

 ※今や,直接つながりがなくても,共鳴するシンパが模倣犯的な犯行を起こす,「アル・カーイダ運動」とでも呼ぶべきものになっていると指摘する専門家もいる.

written by ジャッカル(うそ)

 最後に小沢一郎氏自らの著書『小沢主義』(集英社インターナショナル,2006.9)から,関連する箇所をピックアップ.

〜〜〜引用開始〜〜〜

「対米外交」について

 ・国際社会全体がアメリカのやり方を支持していなくても,日本の国益や世界平和の観点から,同盟国としてアメリカを支えるという判断がそこにあるのなら,それはそれで国家としての行き先であり,一つの外交政策となりうる.

「海外派兵」について

 ・従来の憲法解釈を変更し,我が国の安全と直接関係の無い事態であっても,日米同盟のもとにアメリカと集団的自衛権の行使が可能であると,日本政府として正式に決定した上で,堂々とイラクに派遣するのが筋であろう.

「国連に御親兵を」

 ・今の国連には残念ながら,平和の為の実力行使を行う自前の警察力,軍事力が無い.
 (略)
 国連が本当の機能を果たす為には,やはり常設の警察軍を自前で持つのが理想である.
 (略)
 日本が世界に先駆けて,国連にその力を提供すると言う事である.

「日本国憲法の精神」

 ・現在の自衛隊をそのまま国連に差し出すのは内外から誤解を受ける恐れがある.
 だから自衛隊とは全く別に国連専用の組織を編成し,これを提供するわけである.
 もちろんその場合,その部隊は国連事務総長の指揮下に入る.
 国連に部隊を提供することは,現行の憲法といささかも矛盾するものではない.
 それどころか,憲法の精神に合致していると言っても過言ではない.

〜〜〜引用終了〜〜〜

>「国際社会全体がアメリカのやり方を支持していなくても,日本の国益や世界平和の観点から,同盟国としてアメリカを支えるという判断がそこにあるのなら,それはそれで国家としての行き先であり,一つの外交政策となりうる.」

 ハア? そうなんですか? でも「テロ特措法には反対」?

>「国連に御親兵を」,「日本国憲法の精神」

 国連至上主義もここまでくると宗教じみてるね(笑)

 一方,『日本改造計画』(講談社,1993.5)ではこんな感じです.

〜〜〜〜〜〜
 日本が海外での武力活動に参加するのは,唯一,国連による平和維持に協力するためである.
 その限りにおいて,憲法第九条に違反するものではない.
 むしろ,憲法の精神に合致する.
 〔略〕
 国連が自ら常設軍を保持する場合に,日本が国連常設軍に自衛隊を提供することも,憲法に違反しない.
 日本国が国権の発動として自衛隊を指揮命令するのではなく,自衛隊そのものをすべて国連の指揮下にゆだねるものだからである.
〜〜〜〜〜〜

 だいぶ違いますね.

ニュース極東板


 【質問】
 「テロリストによる攻撃等に対応」として,6年間もアフガニスタンに対して,主に武力による鎮圧を行ってきましたが,それで何が変わったのでしょうか.
 アフガンに和平は訪れたのでしょうか.

小沢一郎 in 民主党公式サイト
http://www.dpj.or.jp/special/jieitai_kyuyu/index.html

 【回答】
 はて,最大野党の代表ともあろう人が,ターリバーン戦争の目的をそのように認識しているとは.
 これでは福島B-52$枢苺タみです.

 米国の攻撃目的は,
「アフ【ガ】ーニスタンからアル・カーイダを駆逐し,これ以上,同国を同組織の聖域とはならないようにする」
です.
 それまでのアフ【ガ】ーンでは,アル・カーイダがカーブル近郊で堂々とケシ畑を作っていたくらいですから,この点では大きな変化ですね.

 別に和平をもたらすために軍事行使したのではありません.
 アメリカがそんなお人好しに見えましたか?
 国連信仰にしてもそうですが,どうやら小沢一郎は,純粋な善意で動く国際組織や国家が存在すると思っているようなフシがあります.
 だとすれば,それは福島瑞穂と同レベルの「お花畑の住人」でしかありません.

 ちなみに,米軍侵攻以前のアフ【ガ】ーニスタンでは,北部同盟とターリバーンとの内戦が続いていたわけですから,それに比べれば,カルザイ政権誕生からしばらくは,結果的に平和になったといえますね.

 ……ところで,もしかして小沢一郎の主張のこの部分,ペシャワール会の「雨乞い」中村医師の受け売りですか?
 どことなくそれっぽいのですが.

written by ドスタム(うそ)



 【質問】
 ISAFを合憲とするのは,そういう憲法解釈にするという意味では?
 自民党もISAFを合憲に切り替えてのは知ってる?〔原文ママ〕

http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/asia/1208712599
青文字:加筆改修部分

――――――
(参考記事)
自衛隊のアフガン派遣,政府が「合憲」解釈

 政府が,アフガニスタン本土に展開する国際治安支援部隊(ISAF)本体への衛隊参加に関し,憲法上,可能との見解をまとめていたことが,21日,明らかなった.
 これまでの閣僚らの国会での答弁などでは,ISAF本体で自衛隊が活動するとは,憲法が禁じる武力行使にあたるとしてきた.
 今回,政府は,こうした答弁修正し,ISAF本体の活動が「国際法上の武力行使に当たらない」との見解をち出し,武器使用を伴う参加が憲法上認められる事例もあり得るとした.
 今後は,フガン本土での「非戦闘地域」の認定が,自衛隊参加の条件となるが,将来のSAF本体への参加には可能性を残した.
 現時点での参加については,憲法上の題が解消しても,アフガンの治安状況を見極めて慎重に判断する.

 政府は,国または国に準ずる組織との交戦が行われている場所を「戦闘地域」とて,そこへの自衛隊派遣は違憲だとの立場を取っている.
 今回,政府はアフガンでのISAFの治安維持活動について,
〈1〉アフガン政権の同意を得た,警察行為を補完するものと位置づけられ,国際法上の「武力行使」はない
〈2〉「武力行使」でない国際活動で,任務遂行のために武器使用が想定れる場合でも,国または国に準ずる組織との交戦が行われていない「非戦闘地域」認定できれば,その地域には参加できる
――との見解をまとめた.

 ただ,アフガンでは,過去に政権を掌握していたタリバンが反政府活動を展開ており,タリバンを「国に準ずる組織」と見なすのかどうかで,非戦闘地域の定が異なってくる.
 この点に関する政府内の見解は一致していないため,今後検討課題となっている.

 ISAF本体への自衛隊参加については,民主党の小沢代表が10月初旬に提唱したが,この際,町村官房長官,高村外相,石破防相らは相次いで,憲法違反になるとの見解を示していた.
 その後,政府内では,こうした答弁が国会で定着すると,将来,国際平和協力活動を拡大する道が閉ざれかねないとして,外務省,内閣官房,内閣法制局などで対応を協議していた.
(2007年12月22日3時2分 読売新聞)
――――――

 【回答】
小沢語録をいくら読み返してみても,彼が「そういう憲法解釈にする」ということを主張しているとは思えませんが.

小沢(民主党ホームページ)>>国連の決議によってオーソライズされたもの,アフガンで言えば,ISAFは憲法に抵触しない

小沢(同)>>日本が参加するテロとの戦いの枠組みを,米軍中心の活動から国連活動に転換しよう

小沢(小沢主義)>>自衛隊とは全く別に国連専用の組織を編成し,これを提供するわけである.もちろんその場合,その部隊は国連事務総長の指揮下に入る.

小沢(日本改造計画)>>国連が自ら常設軍を保持する場合に,日本が国連常設軍に自衛隊を提供することも,憲法に違反しない.日本国が国権の発動として自衛隊を指揮命令するのではなく,自衛隊そのものをすべて国連の指揮下にゆだねるものだからである.

 彼が一貫して主張しているのは

「日本の部隊は国連の指揮下に入る
→そのような武力行使は日本の国家としての主権の行使に当たらない
→だから,そもそも合憲かどうか判断する必要もない」

というようなことであって,「ISAFを合憲に切り替える」というようなことではないでしょう.

 国連や事務総長が日本の部隊を指揮するという小沢氏の主張は,現実味がほとんどないです.
 民主党のホームページにも書いてあるとおり,ISAFは「NATO指揮下」にあります.
 以前紹介したとおり,アフガン戦争に関しては,米国への攻撃に対してNATO有志が集団的自衛権を行使し,後にこの活動を国連安保理が承認してISAFへと至る,という経緯があります.
 ISAFには国連は深く関与はしているものの,それを主導しているのはNATOであり,日本が参加することになれば,日本の部隊はもちろんNATOの指揮下に入ることになるでしょう.

 そしてNATOは集団的自衛権の枠組みにほかならないです.
 こういう仕組みを日本一国で変えることなんて,できるはずがないです.

 この新しい政府の解釈というのは
「他国と一緒に敵国と戦わないのであれば,集団的自衛権の行使には当たらない」
というふうに,集団的自衛権を限定的に解釈し,戦闘が行われていない地域で戦闘以外の活動に従事するのであれば合憲,というようなものなのでしょう.
 読売の記事からは,それでもなお日本政府は,狭い意味での集団的自衛権は違憲と考えていることが読み取れます.

 前にも書きましたが,日本以外の国では個別的・集団的自衛権を厳密に区別するということは普通しなくて,まあこういう日本政府の事細かな解釈も,あんまり意味があるとは思えないですけど.

バグってハニー in 「軍事板常見問題 mixi支隊」



 【珍説】
>うはあ,『他国の部隊を助ける』事態になったら,どう言い訳するつもりだ?,小沢は.
>それとも,「他国の部隊への応援は集団的自衛権の行使になるからやらない」とでも言うつもりだろうか

 現在のテロ特でも,戦闘に入れる.
 集団的自衛権ってのは,国家に対して使う言葉だよ.
 「憲法解釈」「集団的自衛権」の意味を理解できてないということだね.

http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/asia/1208712599/

 【事実】
 このFAQの項目がアップされた当時のイラク特措法では,自衛官自己もしくはその管理下に入った者の防衛のためにしか,武器は使用できないとされており,『他国の部隊を助ける』ため,『他国の部隊への応援』のために自衛隊員が武器を使用すること,いわゆる「駆けつけ警護」は禁止されていました.

 だからこそ,ヒゲの隊長こと佐藤正久氏が
「もしオランダ軍が攻撃を受ければ,『情報収集の名目で現場に駆けつけ,あえて巻き込まれる』という状況を作り出すことで,憲法に違反しない形で警護するつもりだった」
と発言したときに物議を醸したわけです.
 wikipedia参照.

 ちなみに

2ch>現在のテロ特でも,戦闘に入れる.

は激しく意味不明です.
 テロ特措法はインド洋での補給活動を規定したものであって,「戦闘に入れる」とかいった類の法律ではないですけど.
 2008年の新テロ特措法でも,武器使用の基準はイラク特措法に準じていますが.

 「テロ特措法」の意味を理解できてないということだね.

バグってハニー in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
 国連決議は憲法に優先するものなんでしょうか?
 日本の法律においてその様な法も判例も記憶に無いのですが.
 それとも,戦後に連合国の意識決定に絶対遵守的なものは設けられていたのでしょうか?
 あるいはポツダム宣言受諾がこれに相当する気がしないでもないんですが,どうなんでしょうか?

武装難民 in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 【回答】
 小沢先生は集団安全保障にはYes!集団的自衛権にはNo!と言っているわけで,一応,湾岸戦争の時と首尾一貫しているとも言える.
 ただ,この二つは明確に区別できる概念というわけでもないんですよね.

 集団安全保障の典型例は国連,集団的自衛権の典型例はNATO.
 それで,ISAFは前者なので日本国憲法的にはOKということなのですが,そもそもそのISAFの主体はNATOなわけで.それでいて,なぜNATO諸国がアフガンに派兵するかというと,NATO加盟国の米国(※)が攻撃を受けたからであって,これはまさしく集団的自衛権の行使であるわけです.

 (9/11では)北大西洋条約機構(NATO)は,その歴史上初めて,NATO憲章第5条(註:集団的自衛権の規定)を発動した.
http://tokyo.usembassy.gov/j/p/tpj-jp0058.html
 ※:正確には欧州あるいは北米に対する武力攻撃に対して全加盟国が対処することを求めている(フォークランドは対象外).

 参考になるのは日本国憲法第98条でしょうか.

−−−−
 第一項.この憲法は,国の最高法規であつて,その条規に反する法律,命令,詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は,その効力を有しない.
 第二項.日本国が締結した条約及び確立された国際法規は,これを誠実に遵守する事を必要とする.
−−−−

ウィキペディア『日本国憲法第98条』によると

・現在は判例はない
・(しかし)厳格な改正手続きを要する憲法が条約によって容易に改廃できることとなるのは背理であるから憲法優位説がほぼ一致した通説となっている
・慣習法を含める国際法・条約の効力は国内法のそれよりも上位である

ポツダム宣言と日本国憲法

ポツダム宣言には「平和的傾向ヲ有シ且責任アル政府(平和主義)」(第12条)
「民主主義的傾向ノ復活強化(主権在民)」「宗教及思想ノ自由並ニ基本的人権ノ尊重(基本的人権)」(ともに第10条)

というように今の憲法の理念がすでに現れています.
 ポツダム宣言と日本国憲法とどちらが上位にあるのかは知りませんが,宣言が憲法の出発点になったことは間違いないですね.

参考サイト:日本国憲法の誕生
http://www.ndl.go.jp/constitution/index.html

バグってハニー in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 大局的なことは難しくてよく分からんのですが,陸自のイラク派遣で問題になった(ヒゲの隊長も言及してた)
「他国の部隊が攻撃を受けたら,隣にいる陸自が,直接的武力行使をもってこれを応援した(陸自は直接攻撃を受けていない)」
という状況は,集団的自衛権の行使に他ならないと思います.

ゆきかぜまる in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 ゆきかぜまるさんの仰るとおり,集団的自衛権と集団安全保障を厳格に区別することには意味がないです.
 小沢先生がしているのは「ためにする議論」ですよね.

バグってハニー in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 ちなみに古森義久は,国家主権より国連の承認が優越するという考え方を,「こんな考えを受けいれている主権国家は全世界,どこにも存在しません」と一蹴している.

 以下引用.

小沢一郎氏の国連についての重大な誤解?――亡国の国連至上主義
2007/10/10 13:09


〔略〕
小沢氏の「論理」は明らかに日本という主権国家の憲法や規則や政策よりも,国連の承認が優先する,という途方もない考え方に基づいています.
 日本の主権よりも国連の決議が強く,上にあるというのです.
 日本が主権国家として決めたことよりも,国連の決議がより強い権限を有し,日本国はその国連の決議に従わねばならない,というのです.

 こんな考えを受けいれている主権国家は全世界,どこにも存在しません.

 アメリカの実例をみましょう.

 ブッシュ政権にも近い大物政治評論家のジョージ・ウィル氏は国連の存在自体をしりぞけるような主張を繰り返し述べています.
「アメリカの保守主義の核心となる原則は国連を排することによりアメリカという国家の主権と行動の自由を保つことだ」

 自国の主権は国連のすべてに優先するという認識はとくに保守派に限りません.
 全世界で話題となった書「歴史の終わり」の著者として知られる国際政治・歴史学者フランシス・フクヤマ氏(ジョンズホプキンス大学院教授)は,最近ではブッシュ政権の対外政策を激しく批判する中道派ですが,次のように解説しています.
「アメリカ国民の大多数は保守もリベラルも,人間集団に対し権力,権限を行使できる唯一の存在は民主的手順で選ばれた政府だけだと固く信じている.
 民主的選挙で生まれた政府に代表される主権国家こそが正当なパワーを有する機関であり,世界秩序も国際パワー政治もそうした主権国家に従属するという考え方だ.
 国連がその主権国家の正当なパワーを奪うという印象があれば,アメリカ人は激しく反発することになる」

 世界秩序と国家主権というのは新世紀のこれからの国際社会でも最も重要で最も難しい課題ではあるでしょう.
 フクヤマ氏はそのへんの国際的な現実を次のように述べています.

「現実の世界では強制的パワー,つまり軍事力も,その行使も主権国家が独占している.
 その主権民族国家が予見しうる将来,なくなるという考えはナンセンスだ.
 だから民主主義の正当性を有する主権国家が国連のような多国間機関に自国の生死である安全保障を委ねることはできない.
 この点で冷戦の終結後,アメリカも含めて世界にはある種の幻想が生まれていたようだ」

 要するに世界の個々の主権国家にとって,自国の政策も行動も,決定する究極の当事者は自国の国民であり,その国民が選んだ政府であり,国家機構である,ということなのです.
 〔略〕
-----------------------------

 【珍説】
「世界秩序を維持できる機能を有する機関は国連しかない」

小沢一郎 in 日本の安全保障と国際協力に関する「基本原則」文書

 【事実】
 それは現実を何も見ていない考え方であることくらい,中学生でも分かりそうなものですが…….

 古森義久も自身のブログ(2007/10/14/13:35)の中で,そんな考え方は「まぼろし」だと指摘しています.
 以下引用.

[quote]
 国連は理論的にはそうした機能を有しているかも知れません.
 しかし現実には国連は誕生してから62年,いまだかつてそんな機能は有していません.
 国連は戦争を防止もできません.〔⇒たとえばイスラエル・ヒスボラ紛争〕
 紛争の抑止にも無力です.〔⇒たとえばユーゴ内戦
 平和維持にもさんざん失敗しています.〔⇒たとえばシエラレオネ〕
 虐殺を防止できないだけでなく,目の前で座視した事例も多数あります.〔⇒たとえばユーゴ内戦

 小沢氏の国連至上主義の虚構のひとつは,「国連軍」への態度です.
 小沢氏は「基本文書」で次のように述べています.

「将来,国連が自ら指揮する『国連軍』を創設する時は,我が国は率先してその一部として国連待機部隊提供し,紛争の解決や平和の回復のため全面的に協力する」

 この記述は,いかにもこれから「国連軍」という部隊が創設されるように書いています.
 しかし現実には「国連軍」の構想はとっくに破綻しているのです.
 もうその創設をうたった国連憲章も死文化しているのです.その経緯と実態を国連の歴史をさかのぼって報告しておきましょう.小沢氏の国連論の虚構を説明するためです.

 〔略〕

 「国連軍」の構想は国連憲章の第42条から47条あたりまでの規定できわめて具体的に決められていました.
 国連の必要に応じて加盟各国が随時に出す平和維持軍とは異なり,国連指揮下の常設の平和と安全のための軍隊が「国連軍」だという構想だったのです.

 この国連軍は軍事参謀委員会により結成され,運営されることになっていました.
 軍事参謀委員会は安保理常任メンバーの5大国の参謀総長により構成されるはずでした.
 5大国から空軍,陸軍,海軍それぞれどれほどの兵力と装備の部隊を募り,全体としてどんな国連軍を編成するかはこの委員会で決められることになっていたのです.
 
しかし国連の発足1年あまりでアメリカやソ連によるこの軍事参謀委員会の討議は完全に破綻してしまったのです.

 以来60年,国連軍というのは,その創設が語られることもなく歴史は流れました.
 唯一,「国連軍」が結成されたのは1950年6月に起きた朝鮮戦争のときだけ1回でした.北朝鮮の侵略を国連が非難し,武力行動をとることが合意されたのですが,この動きは当時,ソ連が中国にからむ問題で国連安全保障理事会をボイコットしていたという特殊な理由からでした.
 例外中の例外というケースです.
 ましてその「国連軍」の実体は米軍であり,歴史上でも最も血なまぐさい戦闘の一つを展開したわけです.

 小沢氏は上記の歴史を知ったうえで,国連を世界の最高至上の平和維持組織とあがめ,国連軍が来年にでも創設されるかのように語るのでしょうか.

 国連軍というのは,まぼろしなのです.
[/quote]

 補足すれば,朝鮮戦争の時の国連軍は事実上,現状の追認に過ぎず,国連憲章に基づいた形のものではありません.
 簡単に言えば,湾岸戦争の時の多国籍軍に,国連の名前を冠させたようなものです.
(詳しくは別項参照)

 国連の価値については,ジョセフ・ナイ教授は「政治的コストを下げる機能がある」ことを指摘しています.
 逆にいえば,それ以上は期待できない,ということでもあります.

 過剰な信仰は毒にしかならないという点では,宗教でも国連でも(そして憲法9条でも)変わりはないようですね.


 【質問】
 テロ特措法に対する小沢一郎の態度は変節ではないのか?

 【回答】
 古森義久は,まさにそのように批判している.
 彼によれば,かつての小沢は反米を「アメリカへの甘え」として酷評していたが,今や180度,変わったかのような動きをみせているという.

 以下引用.

----------------------
小沢一郎氏にとって「反米」とは何なのか
2007/09/04/04:17


 民主党代表の小沢一郎氏の反米的な言動が注視を集めています.
 テロ特措法には,「アメリカの戦争への協力はダメだ」と述べて反対したり,
 アメリカの日本駐在大使を日本側マスコミにあえてさらして,反米的な態度を誇示してみたり,という言動です.

 「アメリカの戦争には一切,協力しない」となると,日米同盟自体の否定さえもにじんできます.
 なぜなら,アメリカは日本の戦争に,より厳密には日本の自衛のための戦争に,自動的に味方をしてくれることになっている唯一の同盟相手だからです.
 その同盟パートナーの戦争行動には,いかなる場合でも,一切まったく協力はしないと宣言すれば,では日米同盟はどうなのか,という疑問が必ず浮かんできます.

 小沢氏といえば,かつては日本の政治家のなかでも「最も親米的な政治家」として知られていました.それがいまでは180度,変わったかのような動きをみせるのです.

 小沢氏はかつて日本側の反米や嫌米の勢力を「アメリカへの甘え」として厳しく批判していました.
 私自身も小沢氏と対談をして,彼からそういう言辞を直接に聞いた記憶があります.1994年7月の産経新聞紙上での対談でした.
 その際は小沢氏は反米を「アメリカへの甘え」として酷評していました.
----------------------

 同ブログには,その記事も丸ごと転載されているので,その目で確認されたし.

 また古森は,以下のようにも述べている.

----------------------
小沢一郎氏の恐るべき変節ぶりーーー米国との安保協力について小沢氏はかつて何を主張したか.
2007/09/14/13:25


 〔略〕
 インド洋では日本の自衛隊がアメリカ,パキスタン,イギリス,フランス,オーストラリアなどの諸国の艦艇に対し給油活動をしています.
 これら諸国がアフガニスタン領内で進める国際テロ組織のアルカーイダやタリバンへの闘争を後方支援する活動です.

 ところが小沢氏は,この国際的な対テロ闘争を「米国の戦争」と呼び,米国が主導であるがゆえに反対だと表明しています.
 明らかな反米の姿勢です.

 小沢氏は9月11日の記者会見で次のように述べました.
「米軍の活動に対して自衛隊が支援するのは明白な集団的自衛権の行使だから反対だ」

 小沢氏はその以前には,次のようなことも述べていました.
「アフガニスタンでの闘争は米国主導の戦争だから反対であり,日本が支援すべきではない」

 以上の言辞が明白に示すのは反米の姿勢です.
 日本が単に「米国の戦争だから」とか「米軍の活動だから」という理由で支援を拒むならば,日米同盟の否定にも等しくなります.
 なぜならアメリカは「日本の戦争」を支援してくれることになっている唯一の同盟国だからです.


 日本は日米安保条約があっても,もちろんアメリカのすべての戦争を自動的に支援する必要はありません.
 しかしアメリカのいかなる戦争も支援しないーーそれが単にアメリカの戦争だからという理由でーーとなれば,日米同盟は空洞化します.

 日本の周辺で侵略戦争が起きて,アメリカが防衛のために軍事行動に入っても,日本は後方での支援もしない.
 中国が台湾を攻撃しても,北朝鮮が韓国を攻撃しても,アメリカがその侵略行為を抑えるために軍事行動をとった場合ても,日本は一切,我関せず,である.
 日本の国家安全保障がいかに脅かされても,日本はアメリカの行動を助けない.
 こんな状態となります.

 となると,日本が侵略され,戦争となり,米軍が支援をしようとしても,それは「米国の戦争」になるから,日本は支援しない,という奇妙な事態にもなってしまいます.

 小沢氏のいまの主張はだから日米同盟の根幹の否定に近くなっています.
 しかも小沢氏はシーファー駐日アメリカ大使を非礼に扱い,「アメリカなんか」という反米姿勢を誇示してきました.

 ところがその同じ小沢一郎氏がかつてははっきり「親米」と呼べる態度を明快にしていたことはご存知でしょうか.
 アメリカの対外的な軍事行動への支援も熱心に訴えていたのです.
 そうした対米協力の奨め,親米の奨めの小沢氏の以前の言葉を以下に紹介します.
 すべて小沢氏の著書『日本改造計画』(1993年5月刊)からです.当時の小沢氏は自民党幹事長のポストを離れ,新生党の幹部となっていました.
 〔略〕
「どの国よりも世界の平和と繁栄に貢献しなければならない立場の日本が,安全保障を国際貢献の対象分野から除外することなど許されるわけがない.
 そのことを冷静に考え,安全保障の面でも自らの責任において自らにふさわしい貢献ができるよう,体制を整えねばならない.
 これは軍国主義化,軍事大国化などとはまったく別次元のことである」

「日本の周辺国が日本の単独行動を警戒し,最も関係を重視すべきアメリカが世界の平和維持に積極的であることを考えれば,日本がとるべき平和貢献の道は自ら明らかになる.
 アメリカとの共同歩調こそ,日本が世界平和に貢献するための最も合理的かつ効率的な方策なのである」

「日本は国防の基本方針の第一項に国連中心主義をうたってはいるものの,実質的には日米安保体制のもとに独立や平和を守ってきた.自由,基本的人権の尊重といった価値観も日米は共有している.
 この点から考えても,平和維持のための貢献はアメリカと緊密に協調して行うべきである」

「アメリカを絶対に孤立主義に追い込んではならない.
 もしアメリカが国際社会における負担に嫌気がさして自国の目先の利益だけで動くようになり,その結果,国連が弱体化したとすれば,それはまさに日本外交の破綻である.
 アメリカに次いで世界第二位の経済大国である日本こそ,アメリカに対して協力できる能力がある,
 まさにそうすべき立場でもあるからだ.
 日本は国連を中心としたアメリカの平和維持活動に積極的に協力しなければならない」

 引用は以上です.
 念のために繰り返しますが,小沢一郎氏はかつてこんな主張をしていたのです.
 それがいまはーーーこれほどの変わりぶりはやはりその人間の本質を映し出すような気がします.

----------------------

 何しろ小沢,安倍がインドから帰ってくるまで
「テロ特措法延長に協力する」
と,海外メディアには言っていたからなぁ(笑).
 他国メディアが
「小沢,御乱心か!?」
と書くのは当たり前だわ(笑)

ニュース極東板

 まあ,変節でも理にかなっているなら,まだ世間の許容範囲だろうが,政争のための変節では,ね…….

 【余談】
 さっきのTBSラジオで伊集院の話.

---------------------
 スパモニで小沢一郎をゲストに呼んだが,鳥越以外は質問するなとスタッフに言われて伊集院激怒.
 だったら,何で伊集院そこ突っ込まないとか視聴者に思われるから,同じ画面に映りたくないと激怒.
 んで,この放送の感想をほかでも一切しゃべらないでくださいと言われる,
 そんな権利お前らにあるのかよとまた激怒.
 でも結局伊集院おとなしくでる.

 番組が始まると,石丸弁護士はそんなこと一切無視して小沢に突っ込む,
 フロアデイレクターそのだびに×マークを出しとめようとする.
 しかし伊集院はそういったことを一切無視してまで,小沢に質問するという気力はないので黙っいる.
---------------------

 まぁ,日本のマスゴミの行動パターンを踏まえれば正常運転.
 だいたい小沢民代表が国会をおさぼりして地方行脚するのを賞賛するくらい,政治的に露骨なのが日本のマスゴミ.

ニュース極東板


 【質問】

--------------------------------------------
[/quote]

Japan's opposition to stall 'war on terror' bill (AFP)

Opposition leader Ichiro Ozawa countered that there should be "no worry at all" about not pleasing Bush
as the US president is deeply unpopular at home.
"President Bush has no support from the American people. You don't have to show regard for him," Ozawa
told the liberal Asahi Shimbun newspaper.

[/quote]
 全世界へ絶賛配信(笑)

 (ノ∀`) アチャー

--------------------------------------------

 本音では誰でもそう思ってることなのでは?

小沢信者 ◆gxRqfAIF.M

 【回答】
 それを公の場で公党の党首が公言する意味を理解しているかな?

 まして民主党が早期の解散・総選挙で政権奪取を狙うなら,政権をとる時期である2008年内は,ブッシュ政権の任期内になる.
 つまり小沢氏には,ブッシュ政権と並存する政権構想と,同盟国としての政権構想が必要になる.
 このような発言では恥の上塗りになるだけだ.

 ブッシュである以前に,共和党の大統領である以前に,相手は「アメリカ合衆国の国家元首」である……という認識がスッポリ抜け落ちてるのか?,あの「豪腕」の脳内からは('A`)

 質問者は,一般庶民の日常生活であってさえも
「あいつ嫌われ者じゃん,適当に扱ったって大丈夫だよ」
と公言するんですか?
 そのような行為をすれば,単なる一般人でも小学生でも,その社会では信用失墜を免れませんが.
 いわんやこの場合,何を引き起こすかぐらいは想像に難くない.

 ちなみに,なぜ何かを引き起こすかの証拠やソースを求めるのは無しね.

ニュース極東板

>引用記事

 こりゃ,ひどい(笑)

 〔翻訳すると〕

[quote]

 野党党首の小沢一郎氏は,ブッシュ大統領は国内で不人気であるので,彼をよろこばせなくてもまったく心配ない,と(テロ特措法延長に)反対した.

『ブッシュ大統領は,米国国民の支持がまったくありません』
『彼に対して,敬意を表す必要はありません.』とリベラル紙である朝日新聞に語った.

[/quote]

代表戸締役 ◆jJEom8Ii3E in ニュース極東板

 〔引用記事の〕元記事はこれだな.

「政治判断,今でも正しいと」 小沢代表インタビュー

[quote]

 ――日米関係を心配する向きがある.

 何の心配もない.
 ブッシュ大統領なんて米国民に支持されていないんだから,何で気兼ねするんだ.
 いま米国内でもブッシュ大統領の政策は批判の的だ.

[/quote]

ニュース極東板

 また古森義久は,小沢のアメリカ認識の粗雑さを指摘している.
 彼によれば,

(1) 日本が参加していたインド洋での国際安保活動,そしてそれと一体となったアフガニスタンでの対テロ闘争は,アメリカ国内で超党派の支持を得ている.
 例えば民主党のバラク・オバマ上院議員やトム・ラントス下院議員も,日本の参加に謝意を表明していました.

(2) ブッシュ大統領を支持する米国民は多数,存在しており,しかも,外国から非難された場合の自国の大統領への態度となると,アメリカ国民は伝統的にがっちり団結して,支持する.

という.

 詳しくは,『古森義久の「ステージ発風』」,2007/11/22/08:28付を参照されたし.


 【質問】
 民間警備会社活用案ってどうよ?

民主対案,外国の警備会社活用 文民警護,自衛隊を敬遠
2007年10月18日

 民主党が新テロ対策特別措置法案への対案として準備中のアフガニスタン支援策で,民生支援で派遣される文民の警護のため,自衛隊ではなく外国の民間警備会社の活用を想定していることが18日,分かった.

 民主党の対案は,教育や医療,インフラ整備などの民生支援が主体となるが,参加する文民の安全確保が課題となっている.
 党内には「他国に守ってもらうのでは国際的に評価されない」と陸上自衛隊の警護部隊派遣論もあったが, 「政治判断として実力部隊を出すことは考えられない」(直嶋正行政調会長)として否定された.
 このため,外国の民間警備会社に警護を委ね,会社が雇用する現地のアフガン人に守られる形を想定している.

 民主党幹部は,現地の文民や大使館も外国民間警備会社を利用していることや, 「武装した自衛隊を派遣すると,現地での日本人への良好なイメージが悪化する」ことから,民間警備会社の活用が合理的としているが,党内には「警護は必要だが,そこまで自衛隊を敬遠しなくてもいいのに」(中堅)との声もある.
 〔略〕
[/quote]

 【回答】
工工エエエエ(´Д`)エエエエ工工
 ていうか,
「「武装した自衛隊を派遣すると,現地での日本人への良好なイメージが悪化する」ことから,民間警備会社の活用が合理的としている」
 これが「合理的」という考えが謎…
 アフガニスタン人に守ってもらう,ということは戦闘になればアフガニスタン人が死ぬわけで…
 こっちの方が悪いんじゃ…?

葉月

 いやその・・・・そんなに自衛隊が嫌いですかい

CRS@空挺軍

 はぁ…,もう初めに設定した結論を死守するために,理屈を必死で継ぎはぎしてるようにしか見えない.

肥後守

 PMF を使う方が,よほど法的にはややこしいことになると思うんですけどねぇ.
 PMF を長いこと使っている米軍ですら,いまだにスッタモンダしているのに.

井上@Kojii.net

 軍事も民間会社に外注するのが流行ですからね.
 民主党的には最新のトレンドを取り入れただけだと.
 斜め上を行く展開が板についてきました.

 Kojii.netさんが仰るとおり,イラクではPMF最大手のブラックウォーターがいろいろ問題を起こしていて,遂にマリキ首相がぶちきれて退去命令が出されました.

−−−
イラク,米警備会社の退去要請=CNN
2007年10月17日(水)06:46

 【ワシントン16日時事】イラクの首都バグダッドで9月半ば,米国務省に雇われている民間警備会社「ブラックウォーター」の武装要員の発砲でイラク市民少なくとも11人が死亡した事件で,CNNテレビは16日,マリキ・イラク首相が米政府に対し,同社要員全員の国外退去を要請したと報じた.
[時事通信社]

 まあ別に日本がブラックウォーターを雇う必要はないですけど,法的には余計に微妙ですよね.

バグってハニー

 イラクの場合,今はなき CPA が出した指令に基づく法的地位の下で,現在も PMF が活動を続けているというところが厄介なんです.
 これが正規軍の派遣だったら,双方の政府同士で地位協定を結んだ上で派遣することになるから,少なくとも法的な立場って明確なんですけれど.

 アメリカでは,議会で「海外で活動する PMF にも米国法典を適用する」って話になりましたけれど,法律は遡及適用できませんから,すでに起きた事件についてはどうにもならないですし.

井上@Kojii.net

以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より

 現地のアフガン人傭兵を雇う? タリバンの手先が浸透していたらどうする気なんです?
 その可能性は非常に高いんですよ,正規軍や警察にまで浸透しているくらいなんですから.

 また,その護衛は自らを盾として護衛対象を逃がすといった,そういった犠牲的精神を期待できるわけですか?
 イラクでの話ですが,ドイツ大使館員が襲われた時,護衛のドイツ国境警備隊GSG9隊員(政治的にイラクには正規軍を出せなかった)は,自らを盾にして大使館員を逃がし,全員戦死しました.
 現地のアフガン人傭兵にここまでの犠牲的精神は求める事は無理でしょう.

 民主党は戦闘区域での護衛を軽く見過ぎています.
 カンボジアで日本人文民警察官が殺された時だって,護衛のUNTAC部隊は何の役にも立たなかった.
 その先例を生かさずに,アフガンで文民警護を外部委託ですか.
 それは殉職者が出るか誘拐事件になるか,どちらかですよ.

「週刊オブイェクト」,2007年10月20日

 当然のことながら,kojii.netでも酷評.
 上述のような法的問題に加え,他国軍とのコミュニケーションの問題や,補給の問題も挙げている.
 以下引用.

――――――――
 自国に実戦部隊があるのに,それを出さずに外国の PMF に警備してもらう方が,よほどイメージダウンじゃないですか.
 「とにかく自衛隊の派遣だけは避けたい」という社会党崩れの主張を抑えられなかったんですか.
 それともこれは,自衛隊のイメージをダウンさせるための,民主党方式の深慮遠謀ですか.

 国家の組織として運用している軍隊であれば,指揮統制とか文民統制の体制はきちんとできていますけれど,PMF だとそこのところが曖昧なのが実情.
 アメリカでは,例のBlackwater USA の事件なんかがあったせいもあって,PMF に対する監督だとか,法的な立場の問題を明確にする動きが出てきていますけれど,民主党はそこまで考えてるんでしょうか?

 たとえば,民主党案に基づいて文民を派遣,それの警備を担当するのにどこかの PMF と契約したとしましょう.
 その PMF の関係者が発砲事件や暴行事件を起こしてさあ大変,なんてことになったときに,法的な問題をどう解決するのか,関係者の審判や処分は誰が担当するのか.
 民主党はそこまで考えた上で,この対案を作ったんでしょうか.

 根本的には,外交問題を政争の具にしてインド洋での給油任務をつぶそうとしている,民主党の自縄自縛.
 陸自の ISAF 派遣と比べたら,インド洋に海自を派遣して給油任務に就ける方が,日本にとっては得るものが多く,失うものは少ないんですよ (派遣任務に就いている海自の人はいろいろ大変だけど).
 実際,ISAF に陸自を送り込んだら間違いなく戦死者が出る,という主張があって,それはそれで首肯できます.

 でも,それより先に,内陸部のアフガニスタンに陸自を派遣したときの補給はどうするのか,
 他国との相互運用性に問題はないのか,
 考え始めると課題はいろいろ.
 実際,ISAF では C4ISR の分野で相互運用性の問題が出ていて,関係者がその問題を fix しようとジタバタしているというのに.
 自衛隊と米軍なら,一緒に訓練や演習を何度もやっているからいいとしても,ヨーロッパ諸国の軍隊の中には,自衛隊と初顔合わせのところも多いでしょう.
 もしもそんな国と一緒にやっていくことになったら,指揮・統制・補給・通信など,さまざまな分野で相互運用性がらみの問題が出ないといいきれますか ?
 ましてや,(日本にとっては) 不慣れな海外の PMF を使うことになったら,もっといろいろと問題が出ますよ,きっと.
 どうも民主党の人,「結論先にありき」で,関連する諸問題への考え方がサッカリンのように大甘だとしか思えないんですけれど.

10/18/2007,kojii.net別館

――――――――
 そもそも本筋からいえば,日本が置かれている状況,現在の世界的な状況に照らして,日本がどういう形でコミットしていくのが最善か,という議論が必要なんです.
 もちろん,「なにもコミットしないで引きこもる」という選択肢もあります.
 ただしそれは,その結果として生起するであろう事態をちゃんと考慮して,それに対する覚悟を説いて,その上で賛同を求める必要がありますけれど.

 ところが現実にはどうかというと,そういう議論はそっちのけで,安全保障上の問題を政争の具にしてグダグダにしてしまっている.
 似たような事例というと,真っ先に連想するのがロンドン条約をめぐる統帥権干犯騒動なんですね.

 この件では,統帥権干犯だとかいって野党が与党を叩く道具にしてしまったことが原因で,話がどんどん大きくなってしまいました.
 特にタチが悪いのは,政党政治に携わる政党人が自ら,「軍の戦力策定に関する問題は統帥権に属することであり,内閣のような文民が手を出すのは間違い」とやっちゃったこと.
 その結果として,軍部の発言力強化と政党政治の弱体化につながり,ついでに海軍では艦隊派と条約派の対立が激化する原因をつくりました.
 そして,太平洋戦争につながる原因のひとつ (すべてではない) を作ったともいえるわけです.

 本来なら,政党人としては「軍が何でも好き勝手にやってはいけない.選挙で選ばれた国民の代表が集まる議会,あるいは政府がきちんとコントロールすべきだ」とやるべきなんですが,それをやると明治憲法そのものに手を入れないといけないし,それよりなにより,野党としては「与党を叩くのに格好のネタがある」という誘惑に勝てなかった.
 まったく,目先のことだけ考えて罪深いことをやったもんだと思います.

 今の民主党が,それと同じ轍を踏まないっていいきれますか ?

 なんていってたら,年金未納騒動について似たようなことを書いているサイトがあったので,リンクしておきます.
 給油問題も,年金未納問題も,政治資金をめぐる騒動も,事の良し悪しよりも単なる与党叩きの道具に堕している点では同じなんですよねぇ…

「kojii.net別館」,10/20/2007


 【質問】
 今日,仕事中にラジオを聴いていましたら,社民党の福島みずほ党首がこのようなことを言っていましたが,発言の信頼性は?

>(自衛隊は)イラクやアフガニスタンでの米軍支援を止めて
>(政府は)地雷除去や医療支援をしているNGOの資金援助をしたほうがよい.

 【回答】
 危険地域の地雷除去をするNGO及び企業は恐らく無いでしょう.
 一例をあげますが,日立重機という企業がカンボジアで地雷除去をしていますが,完全に戦闘が終結したあとの活動です.
 また,内戦状態の危険なところで医療支援をするNGOは,護衛の民間軍事会社の社員がいなければ,殺害されるか人質になる危険性が極めて高いのです.
 そうでなければ中村医師のようにタリバンの言いなりになるか…

 まさか福島氏は,税金を使って中村医師を支援しろと言いたいのですか?

90式改 in FAQ BBS


 【珍説】
 こんな馬鹿げたことに大金使うなら,日本近海に大量に埋まるメタンハイドレートの研究にでも本腰入れたほうがはるかにマシ.

by じょじょ♪

 【事実】
 私は給油賛成派ですが,これには賛成です.
 ですが上にも書いたように日本人はそれほど賢くはないのです.
 中国と張り合う勇気が日本にはないからこれはできません,でもだからと言って義務を放棄していい理由にはなりませんよね?

by 迫撃砲弾
(転載許可取得済み)

 メタンハイドレートの開発は重要で,やるべきでしょうが.それでも給油は資源問題以外でも重要な意味があるわけですから,止めるかどうかの口実にはなりませんよ.

by OOM-7大佐
(転載許可取得済み)


 【珍説】
 そもそも自国のタンカー守るなら,自衛隊に直接守らせればいいだけだろ.
 なんでわざわざバカ高い経費払って,間接的にボディガードを頼む必要があるのか理解に苦しむ.

by じょじょ♪

 【事実】
 直接,艦隊で護衛する方が金がかかって仕方ないと思いますが.
 兵站の問題もあるし.大体,海自にそんなに船はありません.
 インド洋に艦隊派遣したら本土防衛に穴が空きます).

by OOM-7大佐
(転載許可取得済み)


 【珍説】
 その〔タンカーがテロ攻撃を受けることをさける〕ための一番簡単で有効な手段は,日本がアメリカの中東戦略から手を引くことだ.
 インド洋に軍隊を派遣したって,永遠に終わることのないマッチポンプでしかない.

 どうしてもやりたいなら,タダじゃないだから目的をはっきりさせるべき.

by じょじょ♪

 【事実】
 日本がアメリカに賛同しなくとも,アメリカが中東戦略を今のまま行い続ければ変わりありません.

 マッチポンプに関しては「そうですね.」としか言いようがありません.
 マッチも放っておけば大火事になります.
 いたちごっこだとわかっていても,対処できる時に対処しなければなりません.
 大火事になってから騒いでも遅いのです.

 これは外交における殆ど全てのことにも言えます.
 未来にいくつもの災難が待ち構えていて,今ある災難を乗り越えたあとの安泰が保障されなくても,できることをし続けなければなりません.

>どうしてもやりたいなら,タダじゃないだから目的をはっきりさせるべき.

 気持ちはよくわかります.
 ですが,そこまでの現実を受け入れられるほど日本人は賢くありません.
 未だにこれほど幼稚な政治をしている国なんですから.

by 迫撃砲弾
(転載許可取得済み)

>そのための一番簡単で有効な手段は,日本がアメリカの中東戦略から手を引くことだ.

 中東から石油買うなと?
 他の原油産出国から殿様商売価格で売りつけられたらどうするんですか?
 他国からも,日本政府は自国の国益を守らないと判断されて,そんな国には投資できないと外資が出て行きますが,それでもよろしいですか?

by OOM-7大佐
(転載許可取得済み)

 そもそも,アル・カーイダの標的にはすでに,日本(というか欧米の影響を受けた物事全て)も入っているのですが.

消印所沢


 【珍説】
 「対案は何?」という主張は,逃げのための論法.

 対案はテロ特別措置法,給油新法反対だ.
 それ以上でも以下でもない.

 【事実】
 ? 一体何を言っているんだ.

 貴方の意見たる「テロ特別措置法,給油新法反対」を本当に実現する為にはだ,まず
「日本及び周辺事情の現状認識」
「日本が取りえる基本戦略及び戦略目標」
「目標とする将来予想とあるべき姿」
のビジョンを提示し,
「日本の一億二千万人の国民の平穏な生活を維持し生存するに必須となる資源食料の現実的な獲得方法」
すなわち
「どのように日々の糧を得るのか」
提示し,それに合わせた方策を示すのが最大の説得材料となるのだ.

 何故なら,現在の日本が参画する既存の自由貿易体制と同盟関係,国際関係は,根本的には
「日本の一億二千万人の国民の平穏な生活を維持し,生存するに必須となる資源食料の現実的な獲得と生活の糧を得る」
ため,
「日本及び各国にとって都合の良い形で世界の安定を維持する」
ためのもの,いわば手段だからだ.
 日本のテロ特別措置法・給油新法に基くインド洋での活動は,これを現実に実行する為の道具のうちひとつに過ぎない.

 今,インド洋上での海上阻止行動に参加する各国が,国連安保理決議に乗っかって行動しているのも,拡散に対する安全保障構想(PSI)体制に乗って大量破壊兵器拡散防止とテロリズムの封じ込めに躍起となっているのも,露骨に言ってしまえば,各国が各国なりの立場で自国の国益確保と国民の生存の維持に寄与する方策を採っているからに他ならない.

 従って,テロ特別措置法・給油新法を打ち切ることによるメリットとデメリットに加え,今のテロ特別措置法・給油新法と日本のインド洋における活動などの存在意義の根幹である,
「日本の一億二千万人の国民の平穏な生活を維持し,生存するに必須となる資源食料の現実的な獲得と生活の糧を得る」
別な術,また,各国のインド洋派遣を決断させた原因を除去するかインド洋派遣で得られるメリットを代替するに足る現実的かつ確実なビジョンがあれば,現在の国際関係及び日本の国益を維持するしつつ日本が別な手段を取るべく行動方針を変えるのは自明の理だろう.

 その提示が無いまま単に撤退した場合,日本及び各国,現地にとってリスクは看過し難いものとなる.

 これ故に,
「現在の国際関係及び日本の国益を維持するため,日本が取るべき方針として君が提示する対案は何かね? 」
と言う話につながる.

 これも提示せず,実質を得るための話を提示しないまま
「対案はテロ特別措置法,給油新法反対だ.それ以上でも以下でもない」
と言っている間は,貴方が本来話を聞いて考えて頂くべき相手である,聴衆たるROMってる名無しさんたちに
「単に日本のインド洋での活動への反対の為に反対する」
ドグマに嵌っていると見做され,スルーされるだけだ.

 そのようなかたくなな姿勢のままでは,貴方の話は真剣に取り合っては貰えないよ.

ゆりりん ◆tx8IiMF52M in ニュース極東板

▼ 【余談】
 まさかこんな珍説を,国の最高機関で言い出す奴はいるまいね,と思っていたら,似たようなことを言い出すアホが国会に出現.

 珍事が起きたのは2007年12月4日の外交防衛委員会.
 柳田稔(民主)が質疑を始めてから48分あたり.
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/library/consider.php

問題の部分抜粋ー.

[quote]

マッチー
「対案は具体的に法案という形で出してもらわなくては.思い付きで色々言われても困ります」

柳田
「対案を出せと仰いましたが,撤退したんだからいいんじゃないですか.それが対案ですよ.
 撤退したんだからそれでいいんですよ.
 イラクについても我々は撤退しなさいという法案を出しました.
 今回のインド洋における給油はやめなさい,というのが我々の考えですよ.
 それ以上に何があるんですか.
 それ以上に何もないと.私は思っております」

委員長
「官房長官に申し上げます.
 少なくとも内閣が責任を持って本院に法案を提出しております.
 その質疑の中で思いつきなにやらという発言は謹んで頂きたい」

マッチー
「あのぉ,今ですね.法案がもうなくなったんだからそれが対案だったという風に今仰った.
 衆議院では今,対案を纏めつつあります.
 近々お示しすることができると民主党の委員がそう仰ったんですよ.
 ですからそれがいつ出てくるのか,我々はお待ちしているんです」

柳田
「インド洋に給油艦を送ることには我々は反対です.ね?
 それに対して政府は給油艦をもう一回送って欲しいと.送らせて欲しいと仰っているんでしょ?
 それに対しては,我々は駄目だと言っているんです.
 何がおかしいんですか?
 官房長官の発言は相当おかしな事を仰いますけども.
 インド洋に給油艦を送るというのが今回の法案の本旨でしょぉ? 本旨でしょぅ?
 それに対して私達は送る必要はないと言っているのが対案じゃないですか.ね?
 但し,但し!
 アフガンの復興支援については我々も考えなきゃならない.復興ですよ?
 給油をしようと言っているんじゃない.
 復興については色々と党内で議論しています.
 それは給油へ対案と僕は思っていませんよ.
 それは我々のアフガンへの考えをまとめているだけです.
 そしたら聞きますよ?官房長官.官房長官.
 じゃあこの法案に給油以外に何が入ってるんですか?」

マッチー
「まぁ給油給水補給活動.これは自衛隊のオペレーションとして可能なテロ対策であります.
 同時に私共はこれは車の両輪だと言っております.
 これらが揃ってアフガン支援でありテロ対策です.
 我々は民生支援と補給活動をパッケージとしておりますが,民主党は別に自衛隊を使わなくとも結構です.
 どうぞ民主党のテロ対策への考え方をまとめて出して下さいと言っておるんです」

柳田
「今審議しているこの法案は給油以外にないんですから,給油法案への対案は送っちゃ駄目,で十分です」

野次
「えっ,何もしなくていいの?」

柳田
「我々も何かしなくちゃいけないとは考えているので,それについては議論中であります.
 もう時間がありませんのでこれまでとします」

[/quote]

 これについては,ふだん与党に批判的な毎日新聞も,呆れた御様子.

[quote]

【新テロ法案 民主党の対案はどこにいった】
(略)
 4日の質疑では,民主党議員が「インド洋での給油をやめろというのが我々の対案だ」と発言し,政府側をあぜんとさせる場面があった.
 別の同党議員は,国会承認規定が政府案に加われば賛成できるという考えを強く示唆した.

 そもそも新テロ法案に対して民主党内の意見は一様ではない.
 臨時国会は15日に会期末を迎える.
 委員会の定例日は週2日しかないため,残りの審議日数は3日を残すのみだ.
 国会は再延長含みになる見通しだが,民主党はこのまま対案なき反対論を繰り返すのか.
 それは政権交代を 目指す党の態度ではない.

[/quote]

ニュース極東板


 【質問】
 「在クウェートの空自部隊の任務をイラク支援からアフガンISAF支援へと移す」案の問題点は?

 【回答】
 政府は,民主党の反対により延長が不可能になる可能性がある「テロ特措法」に関し,現在の「海自によるインド洋における後方支援」に加え,「在クウェートの空自部隊の任務をイラク支援からアフガンISAF支援へと移す」ことを検討しているとの噂が〔,2007年9月10日現在,〕出ています.

 ⇒イラク特措法を廃案にし,テロ特に空自任務を付加するということでしょうか?

 もしこの話が本当で,もし実現したとすれば,軍を動かす重大さを何も考えることなく,くだらぬ内政事情で,外地のわが軍[自衛隊]部隊の任務転移が行われることを意味します.
 国家指導部とその意思決定に関与する官僚に,軍を動かす意味の重大さへの理解が全く存在しないことを示す証左でもあります.

 議会勢力が変わったからその影響で外地の軍部隊を動かす.こんな政情不安な印象を他国に与えて,何のメリットがあるのでしょうか?

 これは,わが自衛隊と国民を辱しめる行為以外のなにものでもありません.

 最高指揮官の危機管理能力,意思決定を見守りたいと思います.

 そもそも,わが国は一体何のためにイラクとインド洋にわが自衛隊を派遣したのでしょうか?
 巷で言われているような日米同盟堅持は真の理由ではないでしょう.
 その前に「日本国はわが国益を体を張ってでも守る」という当たり前の姿勢を,世界に告知することがあるのではないですか?
 いってみればこれが本音で,日米同盟云々はその次にやってくる後付けの理屈,タテマエの話に過ぎません.

 派遣された陸海空各部隊は,なんのために戦死ではなく犬死する覚悟をしてまで,現地に出向いたのでしょうか?
 それは,祖国の国益にかなう作戦に参加できる誇り,そして,少なくとも部隊派遣中は,国家指導部が意思決定を曲げることはないとの確信ではないですか?

 最高指揮官の意思決定がふらふらするようでは,軍は安心して動けません.

 わが自衛隊を,永田町と霞ヶ関の権益争いの道具に利用するのだとしたら,国民有志はそれなりに考えるところがあるでしょう.

 こういうブサイクな話を公にすることはよくありません.
 他国に利用されるからです.
 それでもあえて申し上げるのは,明治以降現在にいたるまで何一つ変わっていない国家中枢の腐敗が,わが国防に深刻な悪影響を与えているからです.

 この噂は,日本弱体化工作に加担している勢力による情報工作と思われます.

 しかし,わが国家の中枢部はこれを自分の権益維持のために利用する意識しかないようです.
 逆利用してやろう,との意思も力もないのでしょう.

おきらく軍事研究会,平成19年(2007年)9月10日

 ただし,
>情報工作
云々については,具体的な論拠は何もないことに留意されたし.


目次へ戻る

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ戻る

軍事板FAQ
軍事FAQ
軍板FAQ
軍事初心者まとめ