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 【link】


 【質問 kérdés】
 R/1トランシーバって何?
Mi az R/1 adó-vevő?

 【回答 válasz】
R/1 adó-vevő 1936-ban rendszeresítették.
Az eszközt nagy titokban fejlesztették és gyártották.
Kisteljesítményű hordozható készülék, alegység szintű összeköttetésre alkalmazható.
(ábra száma : faq180509rd1-3)
 R/1トランシーバは1936年に制式採用.※1
 開発・製造は(テレフォンジャール社で行われたが,それらは)共に極秘裏.
 これは低消費電力ポータブル機器で,隷下部隊間の連絡に使用できた.
(図表番号:faq180509rd1-3)

Az adórész egy csöves, G407 ( honvédségi jelzése: 16 ) típusú triódával üzemel öngerjesztéssel, rácsmodulációval.
Az adócső vételnél a vevő egyik csöve is (nagyfrekvenciás erősítő).
A vevő négycsöves, ( ebből egyik az adócső), visszacsatolt audion.
 送信器は真空管,G407(軍での型式番号:16)型三極管によって,自己励起やグリッド変調が作動する.
 受信器の電力増幅管としては,もう一つ真空管がある(高周波増幅管).
 受信器は四球式(そのうちの1つは送信器)※2であり,音声をフィードバックする.

A többi vevőcső ( az audion és a két hf. erősítőcső ) típusa: KF 4 (honvédségi jelzése: 7).
Adóteljesítménye 1W. volt.
 他の受信用真空管(オーディオと2本のHF増幅管)には,KF 4(軍での型式番号:7)というタイプがある.
 送信電力1W.

Beszélő szerelvénye 1 db szénmikrofonból és 1 db egyes, és 1db 2-es fejhallgatóból állt.
 スピーカー部品は,カーボン・マイク1本とシングル・タイプのヘッドフォン1本,ダブル・タイプのヘッドホン1本で構成されている.

A készülék csak keretantennával működtethető.
A keretantenna egy acél szalag ív, melynek két végén csapok vannak.
 装置はループ・アンテナのみ使用できる.
 ループ・アンテナは鋼製の帯で,端の2か所に留め金がある.

Csak távbeszélő üzemmódra alkalmas, távíró jeleket csak venni tudunk rajta.
 電話モードとしてのみ使えるものだったが,電信信号は記録することだけはできた.

Adója és vevője egybeépített, sőt a legtöbb alkatrésze közös.
 送受信部は統合されており,殆どの部分が共有されていた.

Áramforrása egy egybeépített száraztelep, mely kb. 75 üzemórára elegendő ( a-v:1/4 ).
 電源は内蔵された乾電池で,可動時間は約75時間(送信:受信比1:4 )..

Kristály hitelesítés nincs, így közös hullámra nem állítható.
 水晶発振器は持たず,共通チャンネルの設定はできない.※3

Háton szállítva is üzemeltethető.
(ábra száma : faq190601tr12)
(ábra száma : faq190601tr13)
 背負って操作することもできる.
(図表番号:faq190601tr12)
(図表番号:faq190601tr13)

Telepítési, bontási ideje: 2′.
Kiszolgálása: 1 fő.
Hullámterjedelme:611-677 fsz. azaz 4980-7250 kHz.
Hatótávolsága:400-600 m.
Súlya: 10,9 kg. + tartozék 1kg.
設置/撤収時間:2分
オペレータ:1名
波長:611-677cm,4980〜7250kHz
範囲:400~600 m
重量:10.9kg +アクセサリー1kg

※1
 1928年,1929年としているページもあり.
 ※2
 「四球式」とありますが,送信に一個使ってるのが,受信時には増幅機能を果たすわけではないのと,送信時に受信機能を眠らせることはせず送信音のモニターとして使用しているようですね.
 左のG407型三極管は自励発振器とグリッド変調を兼ねています.
 送信時には+A電圧がかかって真空管が動作し,受信時には+A電圧と-A電圧の間にかかった可変抵抗器によって,(おそらく)0Vに調整された電圧に落とされて動作を停止します.

 左下の○と-が合わさった記号はマイクです.
 音声送信時にはマイクの下のスイッチが入りますが,モールス信号の送信の際にはTbのみを操作することで搬送波のみを送信できます.

白瀬伸一 in twitter
https://mobile.twitter.com/ChromeBranche/status/995470340745715712?p=v#
https://mobile.twitter.com/ChromeBranche/status/995817842376228864?p=v#
https://mobile.twitter.com/ChromeBranche/status/995820677390188544?p=p#

 ※3
 昔の無線機は,コイルとコンデンサによって周波数の可変を実現していたため,メモリーチャンネルのようにあらかじめ待ち受けをする周波数にすぐ移動したい場合は,水晶振動子をオーダーして組み込む必要がありました.
 この無線機は水晶振動子による発振器をもたないため,待ち受けなどに用いる固定チャンネルを決めておくことができなかったことになります.

白瀬伸一 in twitter
https://mobile.twitter.com/ChromeBranche/status/997870332412227584?p=p
https://mobile.twitter.com/ChromeBranche/status/997870758339596288?p=p

 【参考ページ Referencia Oldal】
https://live.warthunder.com/post/459975/en/ ※faq180509rd1-3引用元
http://oldradios1.com/?page_id=1832
http://telefongyar.hu/gyartmanyok/hadiipar/
http://www.radiomuseum.hu/index_telefongyar.html
https://t.co/H3xEogPNRd ※faq190601tr12-13引用元

 この項作成にあたり,TANK2ROW氏および白瀬伸一氏の御協力を賜りました.
 厚くお礼申し上げます.

mixi, 2018.5.26


 【質問 kérdés】
 R/1aトランシーバって何?
Mi az "R/1a adó-vevő"?

 【回答 válasz】
 1942年に完成した,R/1の改良型.
 R/2と並び,ハンガリー軍の中では最も小型のトランシーバだった.
 また,R/1aとR/2はテレフォンジャールにおいて,すべてをハンガリー人によって開発された通信機器だった.
 外観はR/1と似ているが,真空管を8本備え,受話器があり,また,電信機として使うこともできた.
 通信範囲,信頼性も大幅に向上.

 ハンガリー軍は全部で2840台を発注したが,テレフォンジャール社は月産20~30を約束した.
 よって,27~28か月後までに[すなわち戦争終結までに],総生産数900台を超えることは無かったはずである.

 【参考ページ Referencia Oldal】
https://togetter.com/li/1361288

A fényképen a Magyar Királyi Honvédség szinte teljesen restaurált R/1a készüléke látható.
写真は,ハンガリー王国軍のほぼ完全に復元されたR/1a

(図表番号 faq190603tr,こちらより引用)

ヘッドセットとコネクタ
(図表番号 faq190601tr6~8,こちらより引用)

mixi, 2019.6.22


 【質問 kérdés】
 R/2トランシーバって何?
Mi az "R/1a adó-vevő"?

 【回答 válasz】
 1937年に制式採用された,中隊~大隊間通信用の携帯用無線機.
 R/1と比較して設計はより進歩したものになり,より正確な調整,より広範囲の交信が可能となった
 周波数帯は 4980~7250 kHz.
 乾電池で100時間動作させることができ,交信範囲は600~1600m.
 電話と電信の両方のモードで送受信機として操作することができ,無線電信モードにもなれた.

 【参考ページ Referencia Oldal】
https://togetter.com/li/1361288

R/2トランシーバ
(図No. faq190606r2,こちらより引用)

mixi, 2019.6.26

ループ・アンテナ付きのR/2
(図No.faq220809r2)

Zsolt Dávid on twitter, 2022.8.2


 【質問 kérdés】
 R/3無線機とは?
Mi az R/3 rádiókészülék?

 【回答 válasz】
 スタンダード電気社製で,主として中隊~大隊間の連絡に使われた無線機.
 1934年採用.
 周波数帯は4980-7250 kHz.
 ループ・アンテナまたは屋根のアンテナで作動.
 トラックや馬車へ搭載,または馬等による牽引にて移動.
 乾電池なら100時間,蓄電池なら16時間作動可能.
 蓄電池は手回し式で充電することもできた.
 交信範囲は山地では3~7km,平地では7~15km.
 ただし3mの大型アンテナ装着時はそれぞれ6~15km,15~30kmだったという.

 なお,改良型R/3aも存在する.
 外観はR/3と同じ.
 詳細は不明.

 詳しくは
https://togetter.com/li/1361288
を参照されたし.

R/3外観
(図表番号 faq190614rd3~5)

R/3と操作班
(図表番号 faq190614rd3~5)

2019.7.2


 【質問 kérdés】
 R/6無線機について教えてください.
Kérem, mondja meg R/6 rádióról

 【回答 válasz】
 1936年制式.
 騎兵連隊と師団の[他の]大隊――騎兵,砲兵,対空監視,砲兵,自動車化化学戦――との連絡に用いられた.
フサール連隊の通信隊に2セット,
騎兵師団の信号隊に3セット,
フサール大隊の無線小隊に1セット,
砲兵大隊司令部に通常1~2セット,
対空監視小隊に4セット,
軽装備大隊[適訳不明,後方予備役部隊のことか?]の信号中隊に6セット,
軽歩兵師団の砲兵連隊に1セット,
砲兵の弾着観測中隊に1セット,
自動車化化学戦司令部に3セット
装備した.

 楕円形のループ・アンテナまたは高架アンテナを使用.
 ループ・アンテナ使用時では2110〜2640 kHzの範囲で,高架アンテナでは1120〜1560 kHzの範囲で動作.
 ループ・アンテナ使用時は車上で操作できるが,高架アンテナ使用時にはアンテナを展開する必要があった.

 車両,馬車,または馬の背に載せて運搬された.

 電信モードでは最大35km,送話モードでは最大25kmの範囲で交信可能.
 また,電信モードでは割り込みモードが可能だった.

 送受信部は統合されており,一部回路は共通.
 アノード電力を除く電源は,電源部に配置されている.
 バッテリーでは30時間,乾電池では300時間作動する.
 蓄電池は手回し式発電機で充電することができた.

 【参考ページ Referencia Oldal】
https://www.ha5kdr.hu/2018/11/magyar-harckocsiradiok-a-ii-vilaghaboruban
https://katonairadiok.wordpress.com/r-5-r-6-r-7-r-8-r-13/
http://telefongyar.hu/gyartmanyok/hadiipar/
https://live.warthunder.com/post/460854/en/

1枚目:R/6無線機 R/6 adó-vevő
2枚目:展開状態のR/6無線機 R/6 adó-vevő telepítve
R/6無線機構成部品イラスト R/6 rádiókészülék ábrás felszerelési jegyzéke
R/6回路図
R/6のアンテナの説明書 Az R/6 antennázási utasítása
(こちらより引用)

2019.12.21


 【質問 kérdés】
 R/7無線機について教えてください.
Kérem, mondja meg három sorban.
-róől

 【回答 válasz】
 KLERA無線機更新のために開発されたもので,1932年採用.
 R/7は軍団,師団,自転車大隊,防空監視班が使った.
 軍団には5台,師団には1台があった.

 周波数帯域 840-2270キロヘルツ (120-263 fsz.)
 動作モード:電信および振幅変調送話.
 ちなみに振幅変調(AM)は占有周波数帯域が狭いため,低い周波数で用いられている.

 戦間期のハンガリー軍の通信は,150キロヘルツから21000キロヘルツの間の周波数帯を使用したが,この装置の周波数帯は番号表記だった.
 換算表を使用して,現在値から正確な周波数に変換した.
 1941年までは番号のみだったが,1941年以降は周波数がキロヘルツで表示されている.
 このような表記は一連の機器で長年行われてきたため,多くの誤解が生じている.

 送信機器と受信機器は別々の箱に収納されている.
電源:トランスミッターは2X6V 105A / hアルカリ電池,または足漕ぎ式発電機と回転電流コンバーター.
 新型――今日ではR/7aとして知られる――無線機も,足漕ぎ式発電機から10ワットの電力を供給された.
 その発電機には2種のコイルがある.
 一つは真空管を加熱するための13ボルトのもの.
 もう一つはアノード電圧のための500ボルトのものである.
 足漕ぎ式発電機はテレフォンジャール社で生産された.

出力電力:20ワットないし10ワット.
送信用のアンテナ出力;7ワット.

 平坦な地形において,直立固定設置した場合,電信モードで60km, 通話モードでは30kmの範囲で通話可能.
 9mT字アンテナ使用時は電信モードで250km.
 通話モードではループアンテナ使用時,60km.
 山岳地帯では,Tアンテナ使用時の交信可能範囲は,電信の場合,60km,通話の場合,15~30kmだった.

 送信部は多段になっており,バッテリーまたはロータリーコンバーター(非公式な)からの電力は20ワットに達した.

 受信部は真空管5個のスーパーヘテロダイン・システム.
 ちなみにスーパーヘテロダイン(superheterodyne)とは,受信電波の周波数を中間周波数(ふつう455キロヘルツ)に変えてから増幅・検波する受信方式.
 ラジオ受信機などに用いられるという.

配置:共用にLD410型三極真空管1個,発振用にG405型三極真空管1個,アンプ用にG407三極真空管3個.

運搬:車輌または人員6名または馬4頭.

アンテナ:ループ・アンテナ 1930M 9m T字アンテナ.
T字アンテナの設置時間:6人がかりで20分.
 これはR/7無線機の「緊急用アンテナ」

 何種かあるアンテナの内で,30.M ハイアンテナは上方に9m伸び,T電磁波[適訳不明]の波長は30mだった――もっとも,それには30mのカウンターウェイトを,地面から1m離れたところに配置する必要があったが.
 30Mパラソルアンテナは9メートルの支柱と,その頂点から四方に張りだす15メートルの張線とで構成された.
 これはT電磁波モード,2個並立時のR/7用パラソルアンテナの図.
 さらに重しとして,長さ1メートルの絶縁体でできた基部1個,長さ15メートルの張線の釣り合いをとるための重り4個が含まれていた.
 このアンテナを50メートルの高地に設置するのに20分かかった.

 1943年のHTI本の備考欄に記載されているように,R/7の輸送はトラックだった.

 陸軍は1932年,生産のために1万ペンゲーをテーブル上に積み上げた.
 スタンダード電機社が生産を行ったが,1940年になってもまだ1台も引き渡せなかった.
 工場からの出荷台数は合計126台.

 一方,1937年から38年にかけ,戦争に備えてR/7は改良・近代化された.
 R/7aは1939年に採用.
 送信機の最大範囲は通話モードで130kmに改善した.
 1940年代の終わりには,同様な設計の,小型のトランスミッターも導入された.
 その一つはR/7b無線機で,より最新型であり,周波数帯も異なっていた.
 もう一つはR/7Lという航空用無線機であり,3750~8600キロヘルツの周波数帯で作動するものだった.

 戦後の1960年代,MHS,後のMHSZが,軍から放出された機器を引き取り,無線クラブがそれらを受け取った.
 これら無線機はアマチュア無線家が使うには適していなかったので,分解した後に部品として使われた.

 【参考ページ Referencia Oldal】
https://www.ha5kdr.hu/2018/11/magyar-harckocsiradiok-a-ii-vilaghaboruban
https://katonairadiok.wordpress.com/r-5-r-6-r-7-r-8-r-13/
http://telefongyar.hu/gyartmanyok/hadiipar/
https://www.nonstopsystems.com/radio/pdf-hell/article-HUN-milrad-history.pdf
https://live.warthunder.com/post/460854/en/

R/7無線機の外観および回路図
部品構成:送信部,受信部,コンバータ,9mアンテナキット,充電器6V×3と50V×2,ラックボックス1個,無線局用テント1個

A HTI könyve szerint ez egy R/7 gépjárműbe építve
HTIの本によれば,これは車輌に搭載されたR/7


(いずれも参考ページより引用)

2019.12.24


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