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初心者歓迎 スレ立てる前に此処で質問を 871
Várjuk a kezdő! Mielőtt megalkotunk egy új szál, kérjük kérdezzek itt

青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész
Azonban, kivéve a korrekciót s a más, hogy úgy korrigáljuk, hogy egyesítse normal stílus "dearu である" s udvarias stílus "deszu です"

※レス回収基準値は「v.e.r. = 10」
Res felépülés Kritériuma van "v.e.r.=10"

※既出Q&Aの関連記述は,「追記」で処理.
Úgy kezeltem a Fentiekből Q&A-nak vonatkozó leírása, mint egy "egyszer írható".

※編集に手間取りそうなもの,または,調査が必要なもの等は,<保留>として後日回し.
Az res volt folyamatban és kerülták ki , hogy szánjonok időt szerkesztni vagy ki kellem vizsgálni.

目次


** 【質問】
 狩猟用エアライフルは,100メートル先にいる鴨の頭に弾を命中させる事が出来るそうですが,現用の自動小銃はこれを凌駕する精度を持っているのでしょうか ?

 【回答】
 弾着精度の単位として,1 MOA(minutes of angle)は100m射距離で直径3cm弱の円に相当しますから,1 MOAの精度なら鴨の頭はバッチリです.
 アサルトライフルの場合,精度が低い方のAK-47で3~5 MOA.
 ほどほどのM-16で2~3 MOA(ゴルゴ除く).
 良い弾薬と条件に恵まれれば,鴨の頭は撃てそう.

 ただし,これは一発目で当たるという意味ではなく,弾着補正などを行えば当てることが出来るという意味.

 ちなみに狙撃銃は1 MOA前後.

system ◆system65t. :軍事板,2016/12/02(金)
青文字:加筆改修部分

 要するに「狙って撃つ」対象が猟銃か人間かの違いだけで,軍用だからすごいとか民間用はしょぼいとかいうのはないから.
 人間よりも音や匂いに敏感な動物のほうが撃つのが難しい場合も多いので,射手の技量のほうが重要.
 第二次大戦の優秀なスナイパーは,シモ・ハユハを筆頭に狩猟経験者が多い.

軍事板,2016/12/02(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 仮に大和が砲力はそのままで,アイオワ並みの速度,加速度,旋回性能をもっていたら,戦術上,有効なアウトレンジ戦法を行いえたのでしょうか?

 【回答】
 ある戦術を可能にするかどうかは技術の問題となる.
 46センチ砲の最大射程でまともに照準ができるかというと,無理.
 当たらない.
 実戦で命中弾を期待するなら25キロ,できれば20キロの距離にならないと,光学照準では遠近を把握できない.
 レーダーを併用すると距離を正確に出せるが,スリガオ海峡で西村艦隊がボコにされたときの米軍の砲撃開始距離は1万3500メートルだった.

 さらには発射間隔の問題もある.
 装填装置で40秒だ30秒だと言ったところで,発射する砲弾の速度そのものが46センチ砲であることを理由に短縮されるわけではない.
 見つけて,諸元を計算して,撃って,のあと,着弾までの時間は3万メートルで50秒ほど.
 で,その着弾を見て,機械式の計算機でまたガチャガチャ計算してからやっと次の弾が撃てるのだから,遠距離では射撃間隔が伸びるだけ,なおさら当たらないことになる.

 46センチ砲の効能は,それに対応する防御を施した戦艦が無いというところにあり,それは12インチ,14インチ,15インチ,16インチと大口径化してきた破壊力への追求に基づく部分が大きく,それ以前の戦艦の射程延伸は,所詮は水平線よりこちらがわの「見える範囲」であったわけで,水平線の向こうに隠れていて,マストの先だけ見える相手に射撃するための技術的な解決策が何ら無い状態では,射程42キロでのアウトレンジなど,端から成立する余地などなく,その原因を速度に求めることも間違っている.

ふみ ◆Y.QUKJBduY :軍事板,2016/12/02(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 レオパルド2生産が始まっていた1980年代前半,西ドイツの装甲師団ではまだM48A2GA2が現役だったのは何故?

 【回答】
 レオパルド2の生産は
A0 1982年3月までに380両
A1 83年11月までに450両,84年11月までに300両
A3 85年12月までに300両
A4 87年3月までに370両,89年5月までに150両,90年4月までに100両,92年3月までに75両

 西ドイツはM47を約1500両,M48約1200両の供与を受けており,レオ1はM47の更新,レオ2がM48の更新とされた.
 Kpz.70がコケて,レオ2の配備になお時間がかかることから,650両のM48がM48A2GA2として1978年から80年にかけて改修されている.
 最終的には1342両が改修されたらしいが.

 西ドイツは12個師団を36個旅団で構成し,装甲旅団が2個,装甲擲弾兵旅団が1個の戦車大隊を持ったから,戦車大隊は49個見当となる.
 戦車300両以上を保有する装甲師団が6個あるのだから,80年代前半に「装甲師団の戦車がレオパルド2で統一」は,数量的に不可能.

ふみ ◆Y.QUKJBduY :軍事板,2016/12/04(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 日本の国産ミサイルは空対空,空対艦,地対空,その他どれも開発した時期で見ると,世界の最先端には2周半くらい遅れているのでは?

 【回答】
 自衛隊が手を付けるのはそれなりに早いし,欧米に比べれば予算削減による開発ペースの低下もまだ低いほう.
 XASM-3のように目立つと予算を削られるけど,既存品の改良だと邪魔されにくいし.

・空対空
 サイドワインダーは1955年に量産承認,58年に台湾海峡で実戦,同年自衛隊に導入決定,翌年から62年に600発導入.
 国産の69式の開発開始は61年.
 イスラエルのシャフリルが開発開始で1年先行しているが,シャフリル1の性能が不足で,そのままシャフリル2の開発に移行して配備が68年だそうだから,日本が2周半遅れているというなら,民族の滅亡に怯えるユダヤ人国家の兵器国産化政策の危機感も,その程度ということになる.
 時代が下ってAMRAAM以降の射程100キロ超のARHとなれば,西側は日本のAAM-4のみとなる.
 ほかは開発中か,ARHでも射程が短いので.

・空対艦
 ASMの先鞭をつけたのはソビエトだが,それは80年代にいたるまでドレもコレも大型機でなければ搭載できない,小さくて4トン,でかいと10トンを超えるような大型ミサイルばかりだった.
 1697年のエイラート号事件で対艦ミサイルの有用性が認識されたとはいえ,この時使用されたスティックスは哨戒艇用に小型化されてなお2トン超の重さがあった.
 重量600キロ程度で戦術戦闘機に搭載可能なサイズまで小型化した最初のミサイルは,1962年開発開始の西ドイツのコルモランで1967年に配備されたが,この射程は23キロで,超水平線の射程を持つコルモラン2の配備は,エグゾセ,ハープーン,ASM-1よりあとの1991年である.

・地対空
 RSD-58というスイス製の対空ミサイルがあった.
 スイス軍とイタリア軍が評価し,アメリカのニューメキシコに持ち込んでテストもしたが,これの開発は日本が依頼していた.
 結局,制式採用した国は無く,日本はシステム1個とパラシュート回収可能な訓練弾40発を1956年に買っているが,発注そのものは1952年にまで遡る.
 海自のFCSがオランダ製に起源を求めることができるのと同様,アメリカ以外のルートから国産となりうる防衛技術を引っ張ろうとした例でもある.
 射程10キロ以下,射高6000メートル以下の短距離地対空ミサイルというカテゴリーを見るなら,米英共同開発のモーラーがポシャったあと,69年にアメリカがチャパラル,71年にイギリスがレイピア,南アフリカがクロタルを配備.
 西ドイツとフランスが共同開発したローランドは77年.
 これらの更新,改良が5年10年で行われるのであれば,81式も周回遅れと言えるが,実際のところ21世紀にならないとまともな後継ミサイルが出てきていないのが実情である.

ふみ ◆Y.QUKJBduY :軍事板,2016/12/04(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 F4ファントムⅡですが,なぜここまで使われているのでしょうか?
 格闘性を考えるとベースとしてそれほどいい機体だとは思えませんし(それならF5,F8の方がいいような),パワーから来る大搭載量を考えても・・・・
 F-16がここまで広がる理由や,MiG-21の魔改造がここまで広がる理由は分かるのです.
 開発当時,なぜF4はあれほどまでに西側陣営に広がり,そして今でも生き残りがいるのか,不思議でなりません.
 詳しい方がいらっしゃいましたら当時の歴史背景も含め,教えていただけると嬉しいです.

 【回答】
 たぶんイメージの問題かと.
 イメージだけで語る人も出るくらいですし.

 F-4の総生産5195機のうち,海軍機は1264機,英海軍を入れても1368機でしかなく,残りは空軍型.
 輸出のために新造された空軍型というのは実は500機に満たない.
 あとの2900機近くが米空軍への納入機.
 輸出の500機のうち,1/3近い146機は偵察型のRF-4だったりする.

 格闘戦なんて,戦闘機の能力ではほんの片隅の能力でしかない.
 F-4は出現当時各種スピード記録を次々書き換えるほどの性能を誇ったが,速度や操縦性は対抗馬だったF8U-3の方が上だった.
 それにもかかわらずF-4(F4H)が採用になったのは,当時としては比類なきレーダー性能と,双発機にしてはコンパクトな割には大搭載が可能な機体設計の巧みさだ.
 全天候型パトロールインターセプターとしてドロップタンク+短距離ミサイル×4.レーダー誘導ミサイル×4を無理なく搭載できるのは絶対的な強みだった.
 次々に開発される搭載兵器に対しても,余裕のある機体は運用能力を受け入れる能力があった.
 F8Uは海軍が空軍の超音速戦闘機に対抗して,「空母運用の超音速戦闘機を」の意地で開発されたもので,飛行性能重視でスリムな無駄のない外観だがその分余裕がない.
 F-4と比べても全長はさほど変わらないほどそれ程コンパクトではない.
 汎用性には全く欠ける機体だ.
 ベトナム戦での初期の活躍はF8Uに有利な状況だったからで,過大評価してはいけない.
 そのあたりは最新の『世傑』を読んでみれば分かる.
 F-5は超音速機の各技術が確立した後で開発されたものだから,飛行性能は優れているが,有力国の主力戦闘機としては速度,戦闘行動範囲,レーダー能力,各種兵器運用能力などは低く適さない.

 米海軍は防空と核攻撃のみ念頭で開発されたが,空軍の戦術戦闘機としては当時の空軍のどの戦闘機よりも高性能で,搭載量も多かった.
 すなわち,最優秀だったので主力戦闘機として,ベトナム戦争交戦中だったので大量生産された.
 加えてクナマラの後押しで,機種を空軍海軍で機種を同じ(ローカライズされてはいるけど)のを採用.
 この米軍大量発注が価格を抑えることを可能にし,また,余剰機を友好国へ供与可能にした.

 次に採用国側の事情を見てみよう.
 F-4を採用した国は11カ国.
 うちスペイン,韓国は中古機の供与,オージーはF-111遅延に伴う中継ぎリース.
 ギリシアとイスラエルは資金援助が付いてて,ソビエトと対峙するトルコ,キャンプデービッド合意でソビエトの影響下を抜けたエジプトは,強力な有償軍事支援が必要で,イランは盛大に札びら切ってアメリカ製の戦闘機を求めた.
 その時期,アメリカが提供できる,空軍が使ってて生産も継続している戦闘機はファントム一択.
 他には,採用したはいいけど,値段で議会の突き上げ食らう中でトラブル克服中のF-15か,スパローを運用できない上に,カーターが輸出は許さんとしたエンジンを積んだF-16しかないので.
(F-4の輸出は,かなり早い時期からメーカー主体でプレゼンしたイギリスを別にすると,60年代の末から70年代にかけて案件が出てきていて,でもカーターがF-16の輸出を解禁したら,一斉にそっちに切り替わっている.
 エジプトもトルコも80年代初頭にはF-16に切り替えられたし,イランだって革命がなかったらF-16を買う予定があったという話だし.輸出商品の商材として扱われた期間は,10年ちょっとでしかない.)

 イギリスは手持ちの空母の艦載機の後継機の自前の開発を断念したとき,じゃあ誰が他に艦上戦闘機を作っているのよ?と言えば,これも事実上ファントムの一択で,空軍も後継機を必要とする飛行機は何よ?と言ったら,海軍の艦載機の元になった陸上機だったので,こっちもファントムに.
 国産エンジンであるスペイの使いみちがごにょごにょという事情もあったし.

 まともに選定して採用したのは日本と西ドイツくらい.
 西ドイツは,レーダー性能だの全天候だのミサイルを8発搭載だの乗員が2名だのなんてことに絶対的な強みをさらさら感じず,アメリカが選定した輸出戦闘機であるF-5の能力不足から,これの対抗馬としてMDが出したスパロー抜きF-4の単座案をコストから採用し,でも実際にやると開発費がかかるからとスパロー運用能力を抜いて,7番燃料タンクまで省略して軽量化した格闘戦を志向したF-4Fを作らせた.
 ま,10年かそこらで後のICEになるBVRAAM搭載改修を始めるあたり,F-4を格闘戦闘機として使うというアイデア自体が,最初から間違っていたとも言えるわけだが.

 防空戦闘機としての能力を評価したのは,空自くらいなんじゃないですかね.
 F-104の採用のゴタゴタで懲りて,いかに政治的な意向を排除するかに腐心してたから.
 実際,アメリカの援助で採用機が左右される程の貧乏からは脱却してたし.
 F-15のときは,政治をシャットアウトするために調査にでかけたパイロット同士は,会ってしゃべるのもダメってくらいに徹底するようになったそうだから.

 英空軍も防空任務に就けたが,それはジャギュアが充足したあと.
 最初は戦闘爆撃機
だった.
 英海軍が艦載機として採用していなかったら,F-4MもF-4Jの採用もなかったろう.

 当時のイギリス空軍が(海軍から流れてきた奴以外の)F-4を戦闘攻撃機として採用したのって,防空用にはライトニングって世界水準の機体(航続距離とか気にしないように)があったのに対し,戦闘攻撃機は亜音速ジェットしか無くて,コレの更新が最優先課題だったから.
 しかも国産開発はポシャって早急に何とかせねば‥って状態.
 あの当時に機体価格の半分をイギリスに落とせる艦上戦闘機なんてのは,「アメリカ空軍での採用が決まる前で,とにかく売り込み先を探すのに必死で,いろいろ譲歩しまくった新興メーカーのマクダネル」のプレゼンするF-4しかなく,だから1962年に採用を決定した.
 つまり,F-4の性能云々とは別な話.
 アメリカ空軍はこの年のあたまになってやっと「F-4を空軍でテストします」とマクナマラの要求を呑んだところでしかなく,海軍から機体を借りてテストして何を最初に要求したかと言えば対地攻撃能力だ.

 現在まで生き残ってる理由としては,冷戦終結による予算削減で後継機の開発が遅れたり,購入するタイミングを逸したりしているせいで,それゆえ未だに飛んでいると言った方がいい.
 F-4にできる事と同じ事ができる戦闘機はそりゃあるし,更新のタイミング来ればF-4を退役させてる国も多い.
 だけど,空自みたいに改修で何となく間をもたせてたけど,F-22購入計画がポシャったので,F-35待ちでだましまだし飛ばしてるというケースもある.

 マイカーだって今乗ってるのより性能いいの出たからみんな買い換えるかと言えば,そういうわけじゃないのと理由は大して変わらんのよ.

ふみ ◆Y.QUKJBduY(黄文字部分)他 :軍事板,2016/12/07(水)
青文字:加筆改修部分



** 【質問】
 F-5,F-16が異常に売れたので印象薄いけど,「F-4は,F-84やF-104の後継」と思えば妥当な線

 【回答】
 輸出先の更新とタイミングが合ってないんだよね…

 F-104Gが1122機,RF-104Gが189機,TF-104Gが220機,F-104Fが20機.
 CF-104が複座と合わせて238機.
 日本が230機,イタリアが286機.
 台灣とかAだのBだのDだのの新造機を受け取ったとこもあるから,数としては余裕の2300機超え.

 F-84はG型で3000機造って,うち2000機弱がNATOへの軍事援助.
 NATO以外やE型も入れると輸出が3000機.

 F-5は米空軍と米海軍が新造で受け取ったのが131機とかで,それ以外の860機のライセンス生産を含む3000機弱が,輸出.

 アメリカ空軍で大量採用された割には売れなかったのは,F-104の後継になれなかったからでしょ.
 F-104の退役は80年代で,そんときにはF-16があったから.

ふみ ◆Y.QUKJBduY(黄文字部分)他 :軍事板,2016/12/07(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 レーシングカーのシートはドライバーの体格に合わせて作られますが,戦闘機のシートはそのあたりどうなっているのでしょうか?

 【回答】
 基本的に汎用の規格品.
 不特定多数のパイロットが乗るんで,いちいち調整なんかしません.
 乗れない奴は操縦不適で降ろされるだけです.
 ヘルメットやGスーツは個人向けに調整されたりはします.

軍事板,2016/12/07(水)
青文字:加筆改修部分

 空自だと158センチから190センチの範囲.
 F-15で使ってるACES II だと体重が46キロから110キロ.
 女性でも使えるように軽い体重に対応するような改良をやったらしい.

 これがMk10だと69キロから112キロの範囲だとか.

 ロシア製のK-36だと座高98センチに対応した型があるらしく,MiG29の体験搭乗を案内するサイトでは身長制限は205センチとしている.

 ちなみに,高価で動作が確実でないといけない射出座席の都合があるので.射出座席のお値段は単純に割ると2500万円くらい?
$39.7M for 172 Martin-Baker Ejection Seats
http://www.defenseindustrydaily.com/397m-for-172-martinbaker-ejection-seats-03345/

ふみ ◆Y.QUKJBduY :軍事板,2016/12/07(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 シナ事変においてアメリカ大統領ルーズベルトが承認したというJB355(日本爆撃計画)は,爆撃機を中国人パイロットが操縦する予定だったのでしょうか?
 それともアメリカ人の義勇兵パイロットが操縦する予定だったのでしょうか?

 【回答】
 普通にWikiに書いてある.
https://en.wikipedia.org/wiki/American_Volunteer_Group

 俗にフライング・タイガースと呼ばれるP-40を装備機とした義勇飛行隊(AVG)を第1AVGとし,爆撃機を装備する第2AVGを1941年の秋に編成,士官82名下士官兵359名を米陸軍から募集.
 装備機はイギリス向けのハドソンとA-20を33機づつ中国向けに振り替えるというもの.

------------
In a cable sent the last day of November, Chennault had a workaround in case CAMCO couldn't come up with enough bomber pilots:
'I planned using American pilot and co-pilot capable of bombing and navigating in one airplane thus eliminating special bombardier and navigator officers.
Can operate under this plan or can use Chinese co-pilots and American navigator bombardier.
http://www.warbirdforum.com/2ndavg.htm
------------

 ギャラや人材不足,1stAVGの戦闘機パイロットの消耗と月に10名は必要な補充といった問題から,シェンノートはアメリカ人機長,航法士と中国人の副操縦士を組み合わせようとかいろいろ画策はしていた模様.

 いずれにせよ,日米開戦と同時に2ndAVGは米陸軍に吸収され,中国軍の看板掲げて日本を爆撃なんて話は消し飛んでしまった.

ふみ ◆Y.QUKJBduY :軍事板,2016/12/09(金)
青文字:加筆改修部分

 ちなみに当時B-17はまだ新鋭機.

軍事板,2016/12/09(金)
青文字:加筆改修部分



** 【質問】
 ありがとうございます.

 すいません,最近こういったまとめ
http://togetter.com/li/505551
を読んだのですが,お答えいただいたフライング・タイガース (米軍退役将兵による中国派遣義勇軍)とJB355での爆撃機・戦闘機の対中援助は一緒 ということなのでしょうか?

 大統領の承認サイン入りのJB355計画文書の内容
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1,中国及びその周辺地域又は海域で作戦中の日本軍に有効な反撃を加えるため
  269機の戦闘機と66機の爆撃機を装備すること.
2,米国は中国人の飛行及び航空機整備の訓練のための手段を提供すること.
3,米国によって与えられた大量の兵器の適切な使用について助言を与えるため
米国は軍事使節団を中国に派遣すべきこと.
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ですが,上記まとめの
"JB355で援助される爆撃機と戦闘機の送り先は,フライング・タイガースではなく米軍の援助で再建される中国空軍です."
という部分(ツイート)が気になってしまってました.

 【回答】
 1stAVGに100機,2ndAVGに爆撃機,で,3rdAVGを新編して戦闘機部隊を強化しよう,という話はフライングタイガースの話で,中華民国空軍の支援育成については,
------------
The first American P-43A fighters were received by the 4th Air Group (21st - 24th Squadrons) in March 1942.
They retrained in Kunming, but for the new aircraft the pilots sequentially flew in small groups to India.

In all, from 1942 to 1945 420 training aircraft were sent from the USA to China through India, including 20 AT-6 , 8 AT-7 , 15 AT-17 , 150 PT-17 , 127 PT-19 , 70 PT-22 , and 30 BT-13 , and also 10 Beechcraft D-17 medical aircraft.
https://en.wikipedia.org/wiki/Development_of_Chinese_Nationalist_air_force_(1937%E2%80%9345)
------------
 中華民国空軍のパイロットがリパブリックP-43Aに機種転換したのが1942年3月.
 練習機の供与が1942年.
 第4航空隊が27機のP-40(最終的に108機)を受領したのが1943年初頭,P-51が1945年,P-47は戦後になってから,訓練はインドでやってからアメリカ送りらしいので,269機の戦闘機とか66機の爆撃機とかは当面のAVGへの供給分でしかないのでは?

 疑問点はご本人に聞いてみるのが確実でしょう.

ふみ ◆Y.QUKJBduY :軍事板,2016/12/09(金)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 マジノ線って,簡単にいうとこんな感じでしょうか?

敵国が進軍してきそうだな.よっしゃ新しい要塞作るで

新しい要塞作ったから敵国も来ないだろ(笑)

ファ!? なんでないところから入ってくるねん

 【回答】
 その説明だと単純化し過ぎて全然違う.
 まず政治的都合(同盟国を見捨てられない)から,ベルギー国境に要塞を作る事は元から困難.
 だからWW1のようにベルギー方面に迂回してくるだろうという事は当然織り込み済み.
 仏軍の誤算は,独軍主力が仏軍が決戦場になると考えていたベルギー・オランダ沿岸部ではなく,沿岸部とマジノ線の中間地点であるアルデンヌの森を抜けてきた事.

 マジノ線が建設された理由は
・フランス国境はアルザス・ロレーヌ返還により新たな防御線を築く必要がある
・主戦場がどこであれ,どちらにせよ国境には貼り付け兵力が必要であるので,それを節約する方法が必要である
・動員が完了するまでは,軍隊は攻撃力にしろ防衛力にしろ完全には発揮出来ないので,動員完了前の緒戦にて敵の攻勢に耐える手段が必要である
・ドイツに侵攻するにしろ,国境地帯に突撃発起地区としての軍事拠点が必要である
 ベルギーからの迂回は,第一次世界大戦で既にドイツ軍がしているので,次の戦争でもベルギーから迂回してくる可能性は十分考えられており,意外性は無い.

 次にフランス国境のみにマジノ線を限定した理由は
・ベルギー・オランダがフランスに見捨てられたと認識し,戦わずにドイツ側に味方する可能性がある
・ベルギー国境地帯は湿地帯であり,地下要塞の建設に向かない
・フランス国境で防衛するよりも,ベルギー・オランダまで進出して戦闘したほうが,フランスの国土が傷付かない
・進出すればベルギー・オランダ軍との共同戦線を展開できるので,ベルギー・オランダ軍もより長期間抗戦出来る

 ドイツ軍の電撃戦が成功した理由は
・フランス軍が最も危惧していたフランドル平原ではなく,軽歩兵の助攻程度を想定していたアルデンヌ高地から攻撃した
・オランダも攻撃対象に含めた為に,フランス軍はオランダに救援に行かなければ行けなくなった
・フランス・イギリス軍はベルギーに主力を突出させた為に,アルデンヌを突破された後に包囲された

 マジノ線をベルギー国境全体に引き伸ばさなくとも,セダンやシャルルヴィル=メジエール辺りまで延長できていたら,電撃戦は阻止されていたかもしれないが,どちらにせよマジノ線の位置や長さの問題というより,フランス軍の防衛計画の重点目標自体のミスと言うべきだろう.
 迂回された事自体が問題ではないからだ.

軍事板,2016/12/11(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 先日の「朝生」で森元防衛大臣が,いざ中国と戦争になったら,中国のミサイルの精度が良いから,在日米軍の基地の滑走路が全部破壊されて,空軍戦力は無力化されるって言ったけど,米軍に中国の基地の滑走路破壊する能力は無いのですか?
 空母とかの滑走路も破壊されて,空軍戦力も意味無くなって,中国と戦争始めたら,日米軍の制空権が無くなるって事で間違いない?

 【回答】
 森本ちゃんの軍事考察能力は,まぁ70年代初期にとどまっているんじゃなかろうか.

 滑走路破壊は第二次大戦から冷戦時代にかけて各国が重視していた戦術だったが,補修技術の発達と,戦術機が必要とする滑走路長の短縮で,あまり意味をなさなくなった.
 空母のダメコン能力は60年代以降,検証されていないので何とも言い難いが,地上基地の滑走路なら破壊されも早ければ30分,
 どんなに時間がかかったとしても攻撃終了後半日もあれば元の8割程度の能力は回復できるとされている.

ふみ ◆Y.QUKJBduY :軍事板,2016/12/13(火)
青文字:加筆改修部分

 まず,滑走路というのは長さは3000メートルでも幅は60メートルくらいしかない.
http://www.cab.mlit.go.jp/tcab/conditions/02.html

 日本を狙うとするならDF-21とその改良型になるが,DF21でCEPが300~400メートル,改良型のDF-21Aで100~300メートル.
 これを50メートルだのDF-21Cで10メートルだのという話をする人もいますが,弾道弾という兵器は「弾頭を分離したらあとは落ちるだけ」であることを鑑みるに,レーダー地形照合をしようがGPSを使おうが,「弾道を誘導する」仕掛けを組み込まないと,針路を修正できずに外れ,また十分な機動性がないと,航路情報を反映できずに外れることになります.

 10メートルとか,無理じゃん.

 また,滑走路に命中しても「離着陸に使えないくらいに細切れにする」必要があり,かつ「補修の速度を上回るペースで損害を与え続ける」必要もあります.
 となると,相当な数量を継続的に発射する必要があるわけですが,じゃあ中国がDF-21を何発持っているかというと,発射機(TEL)が80とか90基,弾道弾が同じくらいと言われています.
 毎年少しづつ増えてるようですが,ぶっちゃけ,全然数が足りません.

 じゃあなんでもっと作らないのか?というと,スカッドみたいな短距離弾道弾と比べると値段が跳ね上がるからで,そんな数でも役に立たせようとするなら弾頭には核を使わなきゃならず,そもそもこの種の弾道弾の目標はインドやロシアで,実際,中国西部に配備されていて,印露の核を抑止するのが仕事です.

 冷戦期,日本を狙ってたソビエトのミサイルと言えばSS20が知られてますが,射程5000キロのこれをソビエトは日本向けに100基ばかし作ってました.
 Df-21は100基にも満たないのに,日露印と振り分けているのですから,とてもじゃないですが通常弾頭で滑走路攻撃なんて贅沢はできません.

 どーしても在日米軍基地を潰したいなら核を使わざるを得ず,そのときはアメリカ相手の核戦争を覚悟完了する必要があります.

ふみ ◆Y.QUKJBduY :軍事板,2016/12/13(火)
青文字:加筆改修部分

 中国が先制攻撃で,在日米軍基地の滑走路破壊目的だけのために核を使用するとはちょっと考えにくい.
 また,米軍は本格戦争(こんな用語は存在しないが,非対称戦争の対立概念と受け取ってくれ)では,戦術核の使用を躊躇わないとされるので,中国がうっかりどっか1か所でも米軍を核攻撃したら,中国の軍事基地全てが米の核ミサイル攻撃の脅威に晒されることになる.
 俺が中国人なら,よほどの自殺願望にとらわれていない限り,核は使わないね.

軍事板,2016/12/13(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 米空母のカタパルトでキャデラックを飛ばすと,数キロ先まで飛んでいくという話をよく目にしますが,実際にやったことがあるのですか?
 それとも単なる机上の計算ですか?

 【回答】
 50mも飛んでないんじゃないかな.
http://9gag.com/gag/am8XG9d/testing-an-aircraft-carrier-s-catapult-system-with-trucks
https://www.youtube.com/watch?v=1cjKJP7eus8


 こっちは電磁カタパルト.
https://www.youtube.com/watch?v=J48cfZxCOoQ


 これがフォッシュからのシトロエン(とその回収
https://www.youtube.com/watch?v=3zzdzZxgbsE


 これもカタパルトで車を発射的な何か(イギリス人め
https://www.youtube.com/watch?v=hCdpevB0SFw

 試算してみますと.

 飛行甲板から海面まで約20m,つまり飛行時間は揚力なしと仮定して2秒.
 2秒で1km飛ぼうとすると500m/secで射出する必要がある(抵抗無視).

 航空機の射出速度は80m/sec程度.
 500m/secなら運動エネルギーが40倍必要だが,重量差を考えれば軽自動車ならなんとか同じぐらい.

 射出時の固定値は加速時間ではなくカタパルト長なので,車を1km飛ばすのに必要なマッハ1.5以上の射出速度を得るには,ニミッツの94mカタパルトを使っても1300G以上で加速する必要がある.
 衝撃波/空力抵抗で壊れる以前に,車は加速で潰れとる.
 カタパルトの各部品,接続部,摺合部にも同様の負荷がかかる.
 なので,カタパルトが壊れるの承知でリミッター解除しても,軽を1km飛ばすことも無理そう.

 てか,500m/secなら音速超えるじゃん.
 ぜってえ無理.

system ◆system65t. :軍事板,2016/12/14(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 WW2の話で,戦車は壊れ易い(戦闘で破壊されるより進撃中に故障で置いていかれる数のほうが多いとか)と聞きます.
 現代の戦車でも専用車輌に載せて輸送したりする写真を見るのですが,その辺はあまり変わらないのでしょうか?
 もしそうなら,何故そこまで機械的な信頼性が低いのでしょうか?
 戦車の進化という話で,装甲の材質とか主砲の口径,弾薬の形式などはよく聞くのですが,信頼性を高めるという点で現代の戦車に見られる大きな改善点がありましたら教えてください.

 【回答】
 あまり変わらない.
http://www.thewheelsofsteel.com/wp-content/uploads/2016/01/pioneer-early-tank-transporter.jpg
http://www.materielsterrestres39-45.fr/fr/images/camions/usa/emsemblem19/25.jpg

 機械的な信頼性が低いのは,必要な大砲と装甲を無限軌道で動かせるようにしたらリソースが尽きて,担保できなくなった信頼性を整備中隊が補うから.
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/df/German_Panzer_DIV_1939.png

 改善点としてはパワーパックの採用.
 こんなんだった
http://www21.tok2.com/home/tokorozawa/faq/faq25n01b01c.jpg
http://weaponsman.com/wp-content/uploads/2015/04/tiger-2-transmission.jpg
のが,こうなった.
http://www.forte.jor.br/wp-content/uploads/2009/09/osorio-3d-800px.jpg
http://2.bp.blogspot.com/-jyJ3SMfD-dM/VSQGB4LyurI/AAAAAAAACiE/7RaF4nVFpz4/s1600/altay-tank-engine-assembly.jpg

 正面の一番装甲を厚くしたいところに不便を承知で重く複雑なトランスミッションを押しこむか,防御の不利を承知で装甲を取り外せるようにするかしかなかったのが,簡単に交換できるようになって整備の手間を減らした,と.
http://farm9.staticflickr.com/8380/8458932087_a8b0dd49f1_b.jpg
http://www.geocities.jp/aobamil/shasin/61MBT/60sikiShataiF0.jpg
http://www.fprado.com/armorsite/Leo2_Pics/Bueffel-02.jpg

ふみ ◆Y.QUKJBduY :軍事板,2016/12/15(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 9.11テロが起きた時代のペンタゴンの防空体制についての質問です.
 今日びスマホにもgpsが搭載されるくらいなのに,飛行禁止区域を間違って飛行することがさして珍しくないって不思議です.
 飛行機にはGPSと飛行禁止区域を描いたMAP位登載してるのかと思ってました.
 付いてても侵入してしまうのか.それとも農場のおっちゃんが操る小型機は,そんなもん装備してないのかな?

 【回答】
 物はあるけど積んでないのよ.

 飛行機の場合,
・ATCトランスポンダがあれば,最低でも管制から音声で警告~指示を受けられる.
 ビジネスジェット以上なら大抵積んでるかな
・航空用のポータブルナビなら,各種規制を表示可能.
 10万も出せば買えるんだけど,積んでなかったり作動させてなかったりがとっても多いのよ.
 日本でも,ETCもナビも無い自動車は沢山走ってるし,バイク(=軽飛行機)では積んでるのが極々少数派でしょ.
 あんな感じよ.

 9.11以降でもワシントンの飛行禁止区域に迷い込んでくる民間機は後を絶たない.
 何故なら空中には「風」というもんがあって,大型機でも気づかない間にどんどん意図しないところに流されちゃうから.
 パラグライダーのタンデム体験飛行でもしてみれば分かるだろう.
 操縦とは,そういう自然との闘いでもあるんだ.

 また,小型機は米でも目視飛行が原則で,計器飛行は補助的な役割に過ぎない.
 たとえ機器を搭載してても,ランドマークを見ながら地文航法で飛ぶ人がまだ多い――みたいな話も読んだ覚えが.
 そのため管制官から警告されても,自分の正確な位置がすぐに分からなくて対応できないそうだ.
 管制官の警告が理解できないとしたら,適切な指示を出せない管制官が能力不足なんだ.

(で,現代の航空管制で問題なのは,発達し過ぎた自動操縦にパイロットが頼り切りになる,そして航空会社も深い理解なしにそれを強要してることで,最近の大型機の事故の殆どは,自動操縦と操縦者の意図の齟齬が原因といってもいい.
 特にボーイングとエアバスは,自動操縦についての理念が根本的に違うので,ボーイング育ちのパイロットがエアバス機に乗ったり,またはその逆の場合に,重大事故が多発する傾向がある.
 だからこそ,機種別の免許制度なんだけどね)

 その上,管制以前に通信機の波長ちゃんとセットしてないとか壊れてるとか,戦闘機にスクランブルされてはじめて「うわ,かっこいい.え?オレ?」とかで,アメリカの民間機は本当に適当なんで管制側も困ってると思う.
 重大事故が一番多いのもちっちゃな民間機 .

 これを片っ端から落とすかというとそんなことできるはずもなく,戦闘機がスクランブルしては正体不明機を識別し,誘導している.
 で,全部ただの民間人だったわけで,無差別に落としてたら問題になったろうし,そんな実績が増えるとますます落とせなくなるわけで,事前情報でもない限り,迷い込んできたかもしれない民間機にMANPADS向けるのは困難なわけよ.

軍事板,2016/12/16(金)
青文字:加筆改修部分


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