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初心者歓迎スレ立てる前に此処で質問を866(ワッチョイ)
Várjuk a kezdő! Mielőtt megalkotunk egy új szál, kérjük kérdezzek itt 866

青文字:加筆改修部分
 ただし,「である」「です」調の統一のため等の補正を除く.
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész
Azonban, kivéve a korrekciót s a más, hogy úgy korrigáljuk, hogy egyesítse normal stílus "dearu である" s udvarias stílus "deszu です"

※レス回収基準値は「v.e.r. = 8」
Res felépülés Kritériuma van "v.e.r.=8"

※既出Q&Aの関連記述は,「追記」で処理.
Úgy kezeltem a Fentiekből Q&A-nak vonatkozó leírása, mint egy "egyszer írható".

※編集に手間取りそうなもの,または,調査が必要なもの等は,<保留>として後日回し.
Az res volt folyamatban és kerülták ki , hogy szánjonok időt szerkesztni vagy ki kellem vizsgálni.

目次


** 【質問】
 戦略兵器と戦術兵器についてですが,
・大統領暗殺のために設置された自動照準器付きスナイパーライフル
・戦術核を持ってホワイトハウスに自爆を試みるロボット
は戦略兵器に該当しますか?

軍事板,2016/07/25(月)
青文字:加筆改修部分

 【回答】
 俺の知る限り,「戦略兵器」は多分に政治的用語であって軍事的用語ではない.
 英語で戦略兵器にあたる「strategic arms」は,核軍縮条約たるSALTやSTARTで使われてる.

 で,「戦術兵器」に至っては出所がよく分からない.
 何が戦略兵器で何が戦術兵器かは,ぶっちゃけ誰にも分からない.
 敵の首都を壊滅できる核弾頭を発射する能力を有する原潜が,通常弾頭しか搭載していない場合は?
 BC兵器を積んでいた場合は?

 個人的には実質的には核兵器,もっと言えばICBMのことを指すと言っちゃってもいいんじゃないかと(暴論

 もっとも,B-58みたいな核爆弾落とす専用爆撃機みたいなのもあるっちゃある.

 さてその上で,提示された兵器はどっちも斬首による敵継戦能力の喪失を狙う火器.
 なるほど目標は戦略級.
 ただ,結論から言うと,どっちも「戦略兵器」とは呼ばれないでしょう.

 狙撃銃の方は単に「戦略目標を狙うハイテク火器」でしかないので,明らかに戦略兵器ではない.

 カミカゼドローンの方は核弾頭を抱えてWHに突っ込む想定.
 なぜこれが戦略兵器でないかといえば,まず威力.
 戦術核は早い話がソ連のOMGによる突撃を破砕するもので,単体の威力はたかが知れてる.
 ましてロボが抱えられる大きさっていうと.
 それでも9.11以上の震撼攻撃にはなるだろうけど.

 それから何より,この兵器が怖くないこと.
 STARTやSOLTで禁止された兵器は本当にクレイジーで,MIRVなんてマジで国が一つ消し飛ぶ.
 そのうえ,発射するだけなのでとっても楽チン.
 だけどカミカゼドローンは,わざわざ核弾頭と一緒に敵地に上陸して,警察の目を掻い潜りながら設置して攻撃して,ようやくWHが吹き飛ぶ程度.
 テロ兵器としての威力は確かに凄いけど,多分実際に成功させるのは竹槍でB-29を撃墜するより難しいかなと.

軍事板,2016/07/25(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 空母ってどこの国でも使い道無くない?
 海外領土防衛の為にイギリスとか持ってるけど,ぶっちゃけ「イージス艦を置いとけばよいのでは?」と思う.
 アメリカのスーパーキャリアなんて,さらに意味が分からん.
 「世界中に基地があるんだから要らなくない?」と思うのだが.

 【回答】
 実例としては,太平洋戦争が理解し易いのではないでしょうか.
 大日本帝国は太平洋上の島嶼を不沈空母として整備する計画を持っていました.
 当初その予定は順調に消化されましたが,いざ敵勢力の火力に晒されると無力でした.
 しばしば爆撃のもと飛び立つこともできずに航空機が破壊されました.
 不沈空母は沈みませんが,移動することもできなかったためです.

 これが仮に空母であれば,空母自身が常に運動しますので,より柔軟に空軍勢力の運用ができたものと思います.
 もっとも,ご指摘の通り空母にもデメリットは大きいですし,大日本帝国海軍の場合,空母を自在に動かす燃料を確保できたかは疑問ですが.

 自衛隊が安易に尖閣諸島に戦力を配置しないのは,もちろん政治的な理由も大ですが,この反省によります.
 早い話が,あんまり意味がないという判断ですね.
 現在自衛隊は,仮に尖閣諸島が武装勢力により不当に占拠された場合,「いずも」等により戦力を展開し逆襲するというシナリオのもとに整備を進めています.

 逆に韓国が竹島に戦力を配置しているのは,完全に政治的な理由で,軍事的にはあの島の勢力にはあまり価値がありません.
 もっとも,自衛隊もまた政治的な理由により対地攻撃能力が低く,本気で彼らに逆襲するのは大仕事になってしまうのですが.

 米軍は確かに「世界中に基地があ」りますが,アメリカが「ここに爆弾を落としたい」という事態になった時,爆撃機を離発着させる基地のある国や,爆撃機の通りかかる国がみんな,アメリカのやる事に「いいよ」と言ってくれるとは限りません.
 逆に例えば,とある国で,周辺には脅威になるような敵の航空基地が無かったとします.
 あー,安心だと思ってたら,米空母打撃群が近海に迫ってまいりました!
 さあどうしましょう?
 空母があるってのは,こういう事です.

 また,現代戦では,現代における大規模な戦闘は,概ねミサイル攻撃から始まるとされています.
 これに対応する目として有用なのは,ご指摘の通りイージス艦です.
 他方,そのミサイルが最初に狙うべき目標には,空海軍の根拠地が含まれます.
 なぜならミサイル攻撃の次に始まるのが航空優勢の取り合いだからで,陸軍の進行や爆撃も全て航空優勢を原則として開始されるものです.

 防御面での空母の有用性はこの点にあります.
 敵勢力が侵略を企図する領域に,迅速かつ大規模に援軍を運動させられるわけです.
 万一空軍根拠地が失陥した場合でも,空母はそれ自身で空軍勢力の展開能力を持つことも大きいでしょう.

 さらに,空母とその護衛艦艇群って,他の空母と戦うためだけに存在してるわけではありません.
 冷戦時代にアメリカの空母部隊にとっての脅威は,ソ連の潜水艦と対艦ミサイル(を積んだ爆撃機).
 それを排除するためには,イージス艦や対潜ヘリを積んだ水上艦艇や原潜などを含めた空母打撃群は必要なのです.

 なお,勘違いしてほしくないのですが,決して陸上に設置する拠点が無意味なわけではありません.
 そもそも空海軍は根拠地がなくては行動できませんし,乱暴に言えば重要度はおっしゃる通り
基地>空母
です.

 あくまでほんの一例にすぎませんし,そもそも間違っているかもしれません.

 どうかご自身の目と想像力で調べてみてください.

軍事板,2016/07/31(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 第二次第大戦期,ドイツの吸着地雷について.
 発火時間:4.5秒(1943年5月以降の生産型では,7.5秒に改良とのことです.
 初期型の発火時間を僅か4.5秒に設定した理由は何でしょうか?
 いくらなんでも短すぎると思います.
 だからこそ,後期型では7.5秒に延長したのでしょうけど.
 これは,開発実験段階では問題に気付かなかった.実戦で使って初めて気付いたという事でしょうか?
 ただ,直感的に4.5秒は短すぎると開発実験段階で気付かなかったというのが不思議に思いました.

 【回答】
 吸着地雷に使われてるBZ信管は,手榴弾にも使われている汎用のもので,遅延時間は4.5秒.
http://steiner.web.fc2.com/uni/w/a009/a26/a-026.html
http://steiner.web.fc2.com/uni/w/a007/a10/a-010.html

 この映像だと,
匍匐で戦車近づく
→立ち上がって側面にとり付き磁石で吸着させる
→信管の紐を引いて着火し,素早く手近なくぼみに伏せる
→4.5秒後にドカン

https://www.youtube.com/watch?v=2B7cligsZFA

 なので,理想的な状況ではこれで十分で,新規に信管を作るまでもないと思われたんだろう.

 発煙手榴弾を併用して相手の視界を遮れば,さらにやり易くなる.
http://steiner.web.fc2.com/uni/w/a010/a37/a-037.html
遅延時間が長いとその間戦車のピストルポートやハッチから撃たれるリスクもあるだろうし.

…という見込み以上に実際の戦場はシビアだったというのは,よくあること.

 さて,謎これあり.
 そもそもBZ239は39年式の手榴弾とともに実戦投入されたものだが,この時すでに4.5秒/7秒両方が存在する.
 そしてドイツ版のwikipediaには,「Hafthohlladungは2種類生産された」としか書かれておらず,信管とともに43年に改良した形跡がない.

 この先は文献を当たるしかないので,断定は避ける.



81 : 名無し三等兵 (スフッ Sdb8-Y0VN)[sage] 投稿日:2016/08/01(月) 19:08:45.66 ID:13chld3od.net [1/1回]

 マニュアルを改定したってことだったりして.

軍事板,2016/08/01(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 無人戦闘機の開発は順調に進んでいると思うのですが,現在の無人機は人間が耐えられない,15Gとかかかるような加速や旋回ができるようになってきてるんですか?

 【回答】
 無人で制空戦闘を行う航空機はSF作品ではお馴染みであるが,現実には開発・実用化はおろか,計画すら実現していない.
 無人攻撃機の装備に空対空ミサイルが含まれる場合もあるが,あくまで自衛用武装に過ぎず,有人機の様な汎用性や空対空戦闘を行える運動性・機動性・エンジン出力はないため,有人戦闘機と遭遇した場合,ぼぼ被撃墜は確実.
 開発中の精密な空中自律行動能力と空対空戦闘機能を持つUCAVは,無人「戦闘」攻撃機と呼ばれる事もあるが,これも対地攻撃がメインの無人攻撃機.
 F-35のUAV化がメーカーから提案されたことがあるが,採用はされていない.
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%84%A1%E4%BA%BA%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F#.E7.84.A1.E4.BA.BA.E6.88.A6.E9.97.98.E6.A9.9F

軍事板,2016/08/06(土)
青文字:加筆改修部分

 その理由はなぜかと言えば…;

・Gの問題.
 AAMなんかなら50Gの機動でも出来るけど,ある程度滞空時間が必要な機体は,どうしても大きな翼が必要になり,円筒ミサイルより脆弱になるのでそうはいかない.
 それでも15Gは十分可能な範囲だろうけど,機外兵装を併用する場合は,その重量,パイロンの強度などでさらに制限がかかる.

・状況認識/判断能力の問題.
 プレデターならあらかじめ決められたルートでのんびり飛行し,センサーで見つけた地上目標に地上局からの指示でロックオンして,一方的にミサイルを撃つ事が出来る.

 しかし空戦の場合,全方向を常に監視する必要があり,電波妨害によって地上局と通信できない場合もある.
 戦闘の展開はごく速い.
 レーダーのレンジ・モード切替,発射ボタンを押す判断の数秒の遅れが勝敗を決する.
 7G対15Gの差が物を言うような状況では特に.自律的にリアルタイムにその判断を行える機上知能は当分登場しない.

・もちろん,機械に引き金をねて良いかという倫理的問題も発生する.

system ◆system65t. : 軍事板,2016/08/07(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 バグラチオン作戦時の北方軍集団について,師団レベルで戦闘序列が分かるサイトがありましたら教えてください
 また,バグラチオン作戦時の北方軍集団には,空軍降下猟兵は参加していましたか?

 【回答】
 バグラチオン時の北方軍集団に属していたのは第16軍,第18軍,ナルヴァ作戦集団の3つ
第16軍の編制(23枚目)
http://www.cgsc.edu/CARL/nafziger/939GXXO.PDF
第18軍の編制(26枚目)
http://www.cgsc.edu/CARL/nafziger/939GXXQ.PDF
ナルヴァ作戦集団の編制(15 juin 1944を参照)
https://fr.wikipedia.org/wiki/Armeegruppe_Narwa

 なお,18軍の編制内にあるLutwaffe Divisionは,降下猟兵師団ではなく空軍野戦師団のこと.

軍事板,2016/08/09(火)
青文字:加筆改修部分



** 【質問】
 おお!ありがとうございます.
 追加で質問なのですが,北方軍集団の第72歩兵師団ってコルスンポケットの後…バグラチオン作戦の辺りどこ行ってたか?分かる方いたら教えてください
 上記回答の戦闘序列に載ってなかったので.

 【回答】
 1944年3月に師団残余は,後方警戒部隊などからなるInfanterie-Division Generalgouvernement(ポーランド総督府師団)を吸収して再編成されている.
 1944年4月には北ウクライナ軍集団/第4装甲軍/第42軍団に所属していたのでバグラチオン時にはポーランド南部にいた.
http://www.axishistory.com/about-ahf/150-germany-heer/heer-divisionen/3785-72-infanterie-division
http://www.axishistory.com/about-ahf/150-germany-heer/heer-divisionen/3009-infanterie-division-generalgouvernement
http://www.lexikon-der-wehrmacht.de/Gliederungen/Infanteriedivisionen/72ID-R.htm
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/44/BagrationMap2.jpg

 このように,師団レベルの資料ならドイツ語や英語の方が詳しいので,「infanterie division 72」などでググれば,axis historyやlexikon der wehrmachtなどで目当ての情報を見つけられる.
 ドイツ語なら「ドイツ語→英語」で機械翻訳すれば読める.
(日本語への翻訳は,訳がひどいのでおすすめしない)

軍事板,2016/08/10(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 大破だろうが小破だろうが戦死することはあるよね?
 大破の時は直せるの?
 なんだか撃破と大破がよく区別つかん.
 なんとか修理できるのが大破だと勝手に思ってたけど,例えば戦車がミサイルでぶち抜かれて黒焦げになっても大破なの?

 【回答】
 大雑把に言えば,撃破という大きな括りの中で,その損傷程度によって大破・中破・小破に分かれる.

 軍艦の場合,沈没こそしなかったが,修理に何ヶ月もかかる,または諦めて廃艦にするレベルが大破.

 戦車の場合は普通,大破・中破・小破とは損傷具合を表現しない.
 「ひどく破壊された」という形容表現としてはどれでも使われるが,報告書に書く破壊の度合いの表現としては,艦船限定と言って良い.
 戦車の場合は,例えば「現地で修理可能」「工場で修理可能」「全損」とか.
 撃破された戦車で修理不能レベルのもの「全損」扱い.
 たとえば丸焼けレベルだと,装甲が焼きなまされ歪みも発生するので,これは全損.

 ただし,一隻作るのにも金も時間もかかる艦船なら「大破」でも修理する意味はあるけど,数千とか数万単位で生産される戦車なら,それに時間と労力をかけるなら新品と交換したほうが早いので,修理可能でも全損扱いということになることもある.
 WW2のアメリカ軍みたいに,後方からガンガン新品が送られてくるなら,修理しないで廃棄または部品取りに使う場合もある.
 戦車だと,徹甲弾で乗員全員死亡したが,修理は割と簡単に済んだもんで,新しいクルーに引き渡されたけど,内部に飛び散った肉片やら血やらを洗浄するのに使った薬品の臭いや死臭が残っていてうんざりしたなんて話もあるが.



 ところが厳密に考えると,すこぶるめんどくさい(というかめんどくさい国がある)

・WWⅡドイツ
 全損:敵の占領地区に残った戦車,または大修理が必要で本国に送られることになった車輌.
 部隊配備兵器から除外,これだけ.
(自領内の撃破された戦車は,全て回収されて後送ということなのだろうか)

 よってロシアやウクラナイナなど第三帝国の領土外の修理だと,長期修理に分類.
 部隊配備の兵器に集計.

 戦場で撃破もしくは機械的故障で,部隊内で修理が必要な戦車は短期修理(期間がなんと2~3週間)
 それ以上は長期修理(期間なし)

 修理が必要だが戦場から未回収の場合も,修理中の車輌.

 なお,毎日ではなく数日後や一週間後に報告が着いたりする.
 もう読んでも分かんねえな.

・ソ連
 戦闘可能車輌数,撃破車輌と原因(砲撃とか地雷とか)擱座,または水没車輌.
 機械的原因による故障車輌.
 全損車輌については独立項目があり,これらの報告は毎日.

 つまり,報告書見れば明日使える車輌がすぐ分かるし,撃破原因も何が多いか,ちょっと調べればすぐ分かる.

 戦闘できるか否か,修理期間がどうかが重要であって,小破とか中破は文学的学的修辞でないかね.
 国によってはキッチリ定義分けしてある場合もあるのかもしれんけど.

軍事板,2016/08/10(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 1930年代のチェコスロバキアは軽戦車だけでなく中戦車も調達する予定だったのに,しなかったのはキャンセルされたから?

 【回答】
 キャンセル(国が)… (´・ω・`)

 チェコスロバキアは 1931 年頃から中戦車の開発をはじめていました.
 当初,チェコスロバキアの技術者は装輪走行可能な車輌を開発しようとしていましたが,1934 年にそれは断念したようです

 1936 年にチェコスロバキア軍は中戦車開発のコンペを発表し,ČKD社,タトラ社そしてシュコダ社が参加します.
 ČKD 社の試作中戦車,V-8-He は 1937年12月 に完成します.
 アレクセイ・スリン率いるチームが作ったこの車輌は,軽戦車 LT vz.34 および別のプロジェクト,SP-II-b を合わせたものでした.
 サスペンションや車体,砲塔のデザインは,軽戦車のものがそのまま利用されました.
 最初の試作車にはモックアップの砲塔しかありませんでしたが,1938 年には Skoda A-9 47 mm 砲を搭載した完全な試作車が完成します.
 正面装甲は 32 mm で機関銃や小口径の機関砲に耐えることができ,250 h.p. の Praha NR V型 エンジンのおかげで最大 40 km/h を出せました.
 全体的にきれいにまとまった車輌で,当時のドイツやソ連車輌と互角に戦えるデザインでした.

 1938年9月 にST vz. 39(V-8-H)として制式採用されますが,ドイツ軍の占領の前に量産体制に入ることはできず,ミュンヘン協定後に発注がキャンセルされました.
 同車は併合後もドイツ軍の指示で開発が進められ,車体に砲塔代わりのコンクリを載せて走行試験が行われました.
 しかしドイツではすでに3号戦車の生産が始まっていたため,LT vz.38と違ってドイツ軍はこの車輌に興味を示さず,ドイツ占領下での量産も行われませんでした.

 その後ČKD社は,最初ルーマニア売り込みましたが失敗.
 その後もスウェーデン,中国,ソ連,そしてトルコにセールスしましたが,受注できませんでした.
https://en.wikipedia.org/wiki/St_vz_39

 同時期にシュコダが開発していた中戦車 S-II-c(ドイツ軍呼称T-21)は,併合後にドイツがハンガリーにプロトタイプを供与し,ハンガリーはこれをベースにトゥラーン中戦車を開発しています.
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%B3_(%E6%88%A6%E8%BB%8A)

軍事板,2016/08/11(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 アメリカでは10年近く前に通常弾頭型トライデントの開発があったみたいですが,その開発した技術を日本が防衛に導入しないのはなぜでしょうか?
 非核三原則に影響されない通常弾ではなく,タングステン製のロッドを数千本落下させることによる破壊で,280平方メートルを更地に出来るみたいです.
 トライデントは固体燃料ロケットで液体のように発射するのに時間はかからず,維持も簡単です.
 弾頭のほうもタングステン製なのでそれに対してメンテナンスもそこまで必要はないです.
 日本国内の配備にとどまらず,そうりゅう型にも潜水艦発射弾道ミサイル・ハッチを4発分搭載するだけでも,通常動力型潜水艦で通常弾頭型トライデントを4発保有してるってのは,隣国にインパクトがあり,以降挑発的な行動は控えると思うのです.
 コスパも安い,安全面も高い導入しない理由が分からん・・.

 【回答】
 長距離弾道ミサイルは「核弾頭型を撃ったかも」って相手に思われるリスクが常にある.
 核兵器を保有してる国が,核兵器を保有してる国相手に長距離弾道ミサイルを発射した場合,「万が一に備えて」防衛的に核攻撃される(核ミサイルで撃ち返される)危険性がゼロにならない.
 なので核保有国にとっては,「核弾頭型ではない長距離弾道ミサイル」のメリットよりもデメリットの方が大きいので,積極的に保有する動機が持てなかった.

 じゃあ非核国にとっては,となると,「それで攻撃する相手はどこなんだ」ってことになる.
 核保有国(核弾頭付き弾道ミサイル保有国)を相手にするとなると,上記のような理由の他に,たとえこっちの使ったのが非核型だと分かっていても,
「我が国の本国を直接攻撃してくるような国には,断固とした対処をせねばならん」
で核攻撃される可能性がゼロじゃない.
 こっちは大した打撃を与えられないのに核報復されたんじゃ割に合わないし,相互安全保障が成立しないから,あんまり意味が無い.

 核保有国ではない相手を攻撃するにも非核弾頭の弾道ミサイル,特に長距離弾道ミサイルとなると,核弾頭じゃないとコスパがあまりにも悪すぎる.
 280平方メートルを完全破壊できる.
 それはたしかに大威力だが,高性能炸薬やクラスター弾頭に比べたら,高価な割に威力がイマイチだし,核弾頭に比べたらお話にならない程度の低威力でしかない.

 それなら巡航ミサイルでも発射したほうが,遥かに低コストで有用だろう.

軍事板,2016/08/11(木)
青文字:加筆改修部分



** 【質問】
 レスありがとうございます.
 非核保有国で弾道ミサイルを保有する意味は見いだせないかもしれませんが,アメリカの核の傘が確実なのかどうか次期アメリカ大統領によって大きく変わると思います.
 その結果日本が自国だけでの防衛となると,専守防衛のみの装備だけでは限界があるのでは?と思いました.
 かといって日本が核保有国になるのはご法度かと思います.
 それこそ過去の繰り返しになってしまう可能性がありますので.
 そしてロシアの近年の攻勢的な外交,中国も尖閣諸島含めて外洋進出など積極的動いてますね.
 では,日本が抑止力になれるものがない状態では,この二カ国が日本に対してさらなる圧力,そして北朝鮮の暴走の容認に繋がると思います.
 だからこそ核に頼らない通常弾頭型トライデントなら,抗議はあってもそれ以上はないと思いました.

 巡航ミサイルはコスパ的には良いかもしれません,そうりゅう型でも搭載可能ですしイージス艦にもTWSさえ搭載すればトマホークを搭載は可能です.
 ですが,威力が弱すぎます.

 【回答】
 そのまま質問として受け取ると
「アナタの希望を実現するためには核武装しかありません.」
という回答になる.
 要するに希望が無茶苦茶という事でもあるが.

軍事板,2016/08/11(木)
青文字:加筆改修部分

 長距離弾道弾,長距離爆撃機,攻撃型空母等の相手の国そのものを積極的に攻撃する兵器については保有できないという扱い.
 日本政府の自主規制みたいなものだから,どうとでもなるが,建前としてはそう.

 じゃあ本音としてはどうかというと,ぶっちゃけ,通常戦争やるだけなら,日本を攻撃する手段としての艦艇や航空機を沈めるなり撃墜することで戦力を破壊してしまえば,戦争は継続できない.
 普通はおいおいそんな簡単なわけないだろとなるけど,日本の場合は周りが全部海で,日本に戦争を吹っ掛けるには海軍と空軍が必須で,これはおっそろしく金がかかる上に,陸兵に比べると戦力単位としての数が圧倒的に少なくなるので,日本が先進国として軍隊の質の優位を保っていると戦争全体の優位を保てる.

 で,核を持ったから核爆発を防御できるわけでもないので,核の投射手段であるところの弾道弾を撃墜するMDをやっている.
 中国あたりがマジギレしているけど,弾道弾も空海軍同様におっそろしく金がかかるからで,MDが配備された状態から軍事能力的にこれを突破する能力の上積みしなきゃならないし,MDがある国への核恫喝の敷居が高くなる.
(MDなしなら核を撃つぞ,に全く対抗手段が無いが,MDがあると,じゃあ撃っても効くんですか?となって,結局は大枚をはたいた純軍事的な核戦力の向上をやるハメになる).
 ついでに言えば防御兵器だから(攻撃手段である戦略核を守るわけではないから)文句を言われる筋合いは無い.

 核武装に大きな期待を抱いているようだけど,核戦力が核抑止という戦略として機能するには,実戦力として「仮想敵を滅ぼす」能力が担保されないといけないが,どう見積もっても自衛隊を倍増するくらいじゃないと「日本の10倍の人口」を持つ国へのカウンターバリューなんて成立しない.
 100歩譲って核戦力を構築しても,それで戦争だの日本へのいやがらせだのを綺麗サッパリ諦めてくれる訳もない.

 あ,あと弾道弾には大量破壊兵器としての国際的な縛りもある.
 これがなかったら隣にあるアメリカの同盟国なんて,喜々として北と一緒になって日本向けの弾道弾を作りまくるだろうね.

ふみ ◆Y.QUKJBduY : 軍事板,2016/08/14(日)
青文字:加筆改修部分

 また,外国の領土を攻撃する(可能性がある)兵器は日本の国内政治上,持ち辛い.
 昔は航空爆弾すら「外国を爆撃する事が可能な兵器だ」として持てなかった時期もあったから,昔より改善されたとはいえ,現在でも根本的には変わってない.
 日本が持てる兵器は,
日本侵攻してくる部隊を攻撃する兵器
日本に上陸した部隊を攻撃する兵器
のどちらかしか基本的には持ちいのが現状.

 というかトマホークも持ってないのだから,トライデントは余計「無としか.
(そもそもトマホの輸出許可が下りるかが怪しいけど)

軍事板,2016/08/11(木)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 40mmグレネードランチャーも迫撃砲と同じような高射角間接射撃はできますか?

 【回答】
 可能です.

>https://en.wikipedia.org/wiki/M79_grenade_launcher#Design
>「Appendix A of U.S. Army field manual for the M203 includes instructions for attaching the M16 rifle grenade sight to the M79's stock and marking the sling for indirect fire at elevations greater than 40°」

 「Appendix A of U.S.Army field manual」のリンク先
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a5/FM-3-22.31-40mm-Grenade-Launcher-M203-February-2003-version-2.pdf
では,末尾のAppendixの部分「A-14. INDIRECT FIRE ROLE」の項(ページ番号A-19)に,40mmグレネードランチャーによる間接射撃の詳細が記載されています.

 動画;
http://www.military.com/video/guns/grenade-launchers/indirect-fire-sight-ifs-on-the-m203/1102844472001

system ◆system65t. : 軍事板,2016/08/17(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 中国の飛行艇ってどうなの?
 こういう質問が嫌われのは分かってはいるんだが,性能とか下馬評とか詳しく教えてください.

 【回答】
 何の任務に使うのかが分からない.
 どこの部隊が運用するのかが分からない.

 ふつう,兵器でも道具でも目的があって,その目的のために使い方の訓練を受けた部署(部隊)が使うわけだが,そこのところがはっきりしない.
 対潜哨戒,救難,消防,遠隔地への強襲とかいろいろ言われているが,それらを仕事にしているところが
「よし,今よりいい仕事をするために,こういうふうに飛行艇を使おう」
という何らかの経緯ってものがない.
 掛け声だけの救難用途の輸出はあるけど,これってあちこちの国の注文を纏めないと,まともな生産数にならないからだし.

 なんというか,飛行艇を作ることそのものが目的なんじゃないか?
 US-1も,すごい乱暴な言い方をすると,C-130から贅肉そぎ落として飛行艇を作ったようなもの.
 中国のもY-8とかY-9の輸送機のエンジンと寸法と重量を横滑りさせたような感じだし.
 US-1やUS-2は,C-130と同クラスのエンジンを使ってなお小型化しようとしたけど,AG-600だっけ?あれは最大離陸重量を見ても50人乗れるって話からも,救難任務での離着陸性能よりも,輸送能力に振ってるみたいだし.

 使いでがあるから生産数が多い戦術輸送機でさえいいお値段なのに,そのいいお値段の原因のエンジンを積んだのに積載量も速度も落ちて,かつ救難任務に就くには荒天での離着水性能で微妙とか.
 日本をダシにして党に金を出させたところで,世界最大(とくに巨大ってわけではなく,中型輸送機ならそのくらい)を宣伝するメーカー以外は誰も得しないわけだし.
 マジで分かんね.

軍事板,2016/08/24(水)
青文字:加筆改修部分



 【反論】
 新型のTA-600について言えば,主要開発用途である消火と輸送のために可能な限り大きくする事が求められたため,あのサイズになった.
・森林火災の頻度増加,
・深刻な大気汚染から従来のように放置~自然消火とはいかないこと,
・北米等での航空機消火の有効性+SH-5で有効性を実証できたこと,特に内陸での広大な飛行場無しエリアの存在
などから,中国国内でまとまった需要が期待できるので,新型の大型飛行艇開発が図られることに.
 輸送も同様に,沿岸島嶼だけでなく内陸での運用も視野に入れてる.
 他方,対水上/水中戦能力は開発用途に盛り込まれておらず,戦闘能力は(現時点では)非常に限定的.
 遅いしデカいし,沿海にはそれ用の陸上基地+陸上機があるからねぇ‥

 【再反論】
 はい,ダウト.
 消防飛行艇が目的であれば,大きくする必要が無い.
 水の比重って知ってる?
 ボンバルディアの双発機は,あの小ささで6トンの水を運ぶが?
 水を運ぶのに「大きな容積」ってのは必要ない.
 北米での消防飛行艇の有効性云々というのであれば,まず小型化しないといけない.
 小さな湖,あるいは川,喫水の浅さがあっても取水できるようにするためで,実際,ボンバルディアは取水時に川に沿って蛇行しながら滑走できると言ってる.
http://www.bombardier.com/en/aerospace/amphibious-aircraft.html

 運用コストの問題もある.
 大雑把にボンバルディアは機体が3500万ドル,年間維持費が150万ドルとされている.
http://www.rand.org/blog/2013/12/investing-in-firefighting.html

 なんたら600の場合,戦術輸送機の主翼やエンジンを流用しているが,ボンバルディアと比較すると馬力で4倍くらいになる.
 燃費,エンジン単価,整備コストを値切り倒したところで,倍に収まるわけがない.
 そんなことが中国にできるなら,とっくに世界の旅客機を支配している.
 新明和に消防飛行艇の注文がなかったのと同じ理由で,なんたら600の消防飛行艇としての運用効率がボンバルディア以下ってことも否定できる.
 ぶっちゃけ,本当に消防飛行艇にしたら「バカ」だね.
 面子のために金を溝に捨てるようなものだから.

 主翼スパン38メートルってのは,主翼とエンジンを引っ張ってきた戦術輸送機が38メートルだからなんだが?
 アホみたいに高揚力装置つけて,BLCのために専用のエンジンまで乗せて,「5発機」と言われた本邦の救難飛行艇とは,専用設計の度合いが違う.
 中国でまとまった需要云々が事実であれば,まずそのソースでも出せばいいんじゃね?
 中国の飛行艇は,何の仕事をしているのかよく分からんSH-5が4機か5機あるのが全てであって,リプレースの需要なんてものはない.
 なんたら600を量産してもまずやらなきゃならないのは,部隊や運行会社の創設だ.
 本当に航空会社が旅客輸送するってんなら,時期的にはもう登記が済んでないとおかしいんじゃねーの?
 数十億円の戦術輸送機流用の旅客飛行艇を,ポンとキャッシュで何機も買えるようなアホな大富豪の趣味でもない限り,まずは銀行に事業計画持って行って融資を受けないといけないわけだから.
 普通の航空会社と違って,中古機もリースも不可能,発着する湖沼はこれから整備しなきゃいけないし.

 内陸の飛行場なしのエリア云々なんてのは,当人にしか理解できない印象を元にしたもの.
 そもそも飛行艇なんていうめんどくさい機材での旅客輸送がペイできるくらいなら,それこそ土地が有り余っているんだから滑走路を作ればいいだけの話.
 リージョナル機も国産しているってんだから,そっちのほうが余程儲かるだろ.
 ここまでは妄想と現実が食い違うってことで説明できる.
 【再々反論】
 TA-600は消防専用機なんて書いてないんだが‥何言ってんだ??
 汎用機・兼用機を消防用として用いる場合,搭載量は当然大きいほど良いし,カーゴスペースも大きい方が良いんだよ.
 中に独立式の水槽仕込まなきゃならんし,水積んだ時の重量対策も簡単になるからね.
 給油機や消火機の多くが,大型(開発当時はね)~中型機ベースでタンク搭載時にはカーゴベイがスッカスカ状態なのはこのためッスヨ~

 んで,まとまった国内需要ってのは軍と武装警察(消防)だよ.
 メーカーでは民需も海外も目論んでるが,開発発注が出たのは上記の需要から.

軍事板,2016/08/24(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 中国の飛行艇開発は,
やはり戦後に飛行艇開発を続けていたソ連/ロシアの影響

 【回答】

 中ソ蜜月のころにレシプロ双発のBe-6の供与を受けているが,6機から多くて20機という話.
 ソビエトでも130機くらいしか作ってないからね.
 本家はターボプロップのBe-12を作って,これも140機くらいの生産だった.
 60年代初頭にソビエトはBe-10でジェット化へ進み,Be-12からあと,プロペラの大型飛行艇ってのは作っていない.

 で,1960年には中ソの対立が確定的となり,軍事援助もごっそり引き上げられた.
 当然,ソビエトのジェット飛行艇の情報も入ってこない.
 飛行場作らなくても運用できるのが良かったのか,中国はそれなりにBe-6を重宝していたようだ.
 ターボプロップにリエンジンして新たな型番を与えたりしている.
 それでも前述の導入機数だったわけだが.

 ソビエトは前述のとおりジェット飛行艇に目が向いていて,政治的に技術的な支援は受けるのは不可能.
 手元にあるのがレシプロ飛行艇だけの状態から大型飛行艇を作ろうとするならどうするか.ってか,どっかで聞いた話になる.
 のちのPS-1になる対潜飛行艇の開発決定が1960年,アルバトロス改造の実験機の初飛行が1962年,生産契約が1966年で初飛行が1967年.
 SH-5の開発が始まったのが1968年.初飛行1976年,部隊配備1986年.
 実験機やら水槽実験やらで苦労して開発した艇体や消波装置は,ほぼ丸コピだろうというのは新明和の技術者も言ってる.
 そこらへんはアイデアや形状の問題であって,製造に高度な技術が必要なわけではないから,とのこと.
 AG-600は言葉をどうひねろうが,PS-1をパクってSH-5を作ったのを,もう一回現代の技術やリソースでやり直しただけといえる.

 飛行艇として完成させるために日本のPS-1系列をパクっているのは今更だからどうでもいいが,問題はモデルにした日本の飛行艇開発とは,ASWを目的として機体を作っておきながら,その最初の任務を完全に否定してしまっていて,残ったドンガラに対してSARの任務を付与しているものの,これは200浬経済水域での救難体制の構築という国際公約による採算度外視であるという点か.
 儲かるどころかむしろ売れたら「いいんですか」と買い手に聞き返したくなるような,高額ニッチな日本製飛行艇のコピーを中国人が作ったとして,その商品のニッチさが無くなって爆売れするわけでもない.
 SH-5だって,総生産機数7機なわけだし.

軍事板,2016/08/24(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 軍用車輌,特にハンヴィーやジープ,トラックなんかもEMP対策はしているのだろうか?
 また,これは機密なのかもしれないが,自衛隊には民生用トラックや乗用車と殆ど見た目が変わらない(日野レンジャーとか地本のクルマとか)のがあるけど,それらもEMP対策をしているのだろうか?

 【回答】
 米が02年に行った実験では,50kv/mの電磁波に対してほぼ全ての市販車輌は無害~ウインカーが勝手に付く程度の影響しか出ず.
 その後も,車輌の電子化と共に電磁波耐性の強化も進展してるので,まず大丈夫だろうとのこと.
 レポート本文はコレ(らしい.中身読んでないんで‥)
www.empcommission.org/docs/A2473-EMP_Commission-7MB.pdf

 宇宙開発だと,EMP対策として古くて遅いCPUの使用は広く行われてるね.
 量産CPUとしては世界一高価なロシア製高空宇宙向けCPUは,中身はあえて80年代当時の設計製法とか.
 A4に5文字と5千文字書き込んだ手紙,インクぶちまけた後で読めるのはどっち‥みたいな話かな?

軍事板,2016/08/28(日)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
「10式戦車は自身の主砲で正面から撃たれた場合,500~800G(1Gは地球の重力)の強い衝撃が加わり,戦車は無事でも搭載機器は破壊され,乗員は死亡」
って本当なの?

------------
http://japan-indepth.jp/?p=29895
だが人間は自分の信じるものを信じる性癖がある.だから自分の信じたくないことは「でっち上げ」と決めつける.
例えば過去10式戦車は自身の主砲で正面から撃たれた場合,500~800G(1Gは地球の重力)の強い衝撃が加わり,戦車は無事でも搭載機器は破壊され,乗員は死亡するという話を書いた.
無論これは射撃距離にもよるし,他の戦車でも同じようなことは起こる.陸自は過去米軍供与のM4シャーマン戦車に豚を乗せて実験したが,豚は圧力で死んだ.

ところが自衛隊と10式戦車を偏愛するマニアは10式戦車に対する侮辱ととって,これを信じようとせずに,「でっち上げ」と決めつけて計算競争まで行って,喜々として筆者の報道を否定した.
だがこの情報元は10式開発の中核にいた,指導的な人物だ.名前を出せばマニア諸氏はぐうの音も出ない人物だ.その人物の名前を出せば簡単な話だ.だがそれができないのがこの仕事である.
------------

 【回答】
 書いたのキヨってだけで,眉唾.
 だって,車体にかかるGの計算が仮に合っていたとしても,衝撃が車内の人体にどう伝わるかの計算とかすっとばして結論つけてんだもん.

 衝撃は最後は地面と車体の摩擦力で減算し吸収される(弾頭が未貫通の場合)けど,基本的に衝撃は間に乗員を挟まずに全て車輌を通って抜けていく.
 乗員に圧力としてかかる場所がないんよ.
 例外が音波や空圧等の空気を介して届く分だけ.
 それだって,車体が無事って言ってんだから,人体に影響が出る圧力にはならない.

 そしてその最大500Gだかの力が,車体を何秒間で何ミリ動かすのか?
 その答えが無いから,車輌に固定された乗員が,ベルト等の拘束具によってどの程度負傷するかも分からない.
 極端な話,最大500Gが0.1秒で車体にかかっても,移動距離が1cmで済めば,乗員は揺さぶられただけで終わっちゃう.

 とまあ,ザル過ぎる話を持ってきて『本当?』って聞かれても,ザルな話をしたヤツに証明させるか,実際にテストするしか答えが出ないな.

 この種の人は,昔からよくいる.
「だってこの本にそう書いてあったもん!」(学研や啓文社の,今見るとギョッとする内容の本)
と同じレベルの大人版.
 だから,本当かどうか考えるだけ無駄.
 周りがいくら説明しても,
「だってこう書いてあったもん!」
から一歩も外に出る事無く,自分で何も考えない人の言う事,信じる?
 俺なら,
「あー,そんな事で簡単に信じちゃう人いるんだ.
 いい人なんだろうけど友達にはなりたくないな」
って思う.

軍事板,2016/08/31(水)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 F-22の最新の近代化改修はどんなものでしょう?
 9xと120Dは使える様になりましたか?
 ヘッドマウントディスプレイは搭載できたのでしょうか?

 【回答】
 最近のF-22のアップデートで得られた機能;
・Sidewinder 9-Xの運用
・地形回避システム

 AIM-120Dはその前から使えてたのでは?
http://www.raytheon.com/news/feature/airdominance.html

 得られなかった機能;
・HMD:F-22ではJHMCSのようにオフボアサイトで近距離ミサイルを発射する状況は生じないと考えられるから
(空軍は欲しがっているが,そんなわけで優先度が低く予算が回りま千円)

system ◆system65t. : 軍事板,2016/09/05(月)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
 ベトナム戦争ではジャングルに隠れるゲリラに悩まされたと言いますが,当然その戦訓を受けて戦術なども変化してきていると思います.
 今の米軍はどのような機械や戦術を使ってジャングルのゲリラと戦うのでしょうか?
 それが曖昧な質問であるならば,ベトナム戦争以降発達したジャングル戦の戦術や兵器を教えてください.

 【回答】
 ベトナム戦争以降,先進国による大規模な森林戦は発生しておらず,発生しそうにもなく,戦術や兵器は需要に応じて発達するものなので,新たに確立されたものはないと思います.

 ただ,冷戦当時に開発が始められた植生透過レーダー(foliage penetrating radar)やレーザー画像検出測距(LIDAR)は,森林戦における重装備捜索に当然応用できます.

 現代の小型化,安定化された赤外カメラをドローンに搭載すれば,対人目的に使用できる事は容易に想像できますし,現代の小型誘導兵器と組み合わせれば,ベトナム戦争当時よりずっと効率よく,継続した監視と攻撃を行う事が可能になるでしょう.

 参考までに1982年,つまりナム戦終了から7年後のタイムスタンプがある米軍フィールドマニュアルをご紹介しておきます.
https://fas.org/irp/doddir/army/fm90-5.pdf
 基本的にベトナム戦争当時の戦術,兵器をまとめ直したものであることがお解りと思います.

 それより新しいものとしては,GPSや暗視鏡を加えた,ジャングル夜戦についての1993年付けの論文ぐらいしか見つかりません.
http://www.dtic.mil/dtic/tr/fulltext/u2/a264506.pdf

 あるいは同様の,さらに新しい研究論文もあるのかもしれませんが,積極的に戦術,兵器を開発し,体系を確立しているという話は聞いたことがありません.

system ◆system65t. : 軍事板,2016/09/06(火)
青文字:加筆改修部分


** 【質問】
http://www.gizmodo.jp/2014/06/f-16f35.html
 この記事ではF-35をボロクソに叩いてますが,実際どうなんですか?
 ステルスが「意味ない」だとか,そんな事あるんですか?

 【回答】
 現代のレーダーでは,地上設置の比較的長波長の「対ステルス」レーダーであっても,ステルス機の存在とおよその位置を知るまでが限界であり,ミサイルを有効範囲まで誘導には分解能が足りません.
 ステルス性はミサイルのセンサーに対しても有効ですから,ステルス機の位置を精確に掴んで,通常よりずっと近い位置にミサイルを誘導してやらないと,有効な攻撃になりません.

 仮にF-16相手に空戦を行うとして,F-16得意の格闘戦に持ち込もうと思えば,まずF-35がどこにいるかを知る必要があります.
 機載の小型小出力レーダーでは,AESAであってもF-35の探知自体がまず困難であり,格闘する相手を見つける前に,F-35からのAAMを受ける事になります.
 演習や騎士の決闘ではない実戦の場合,F-35は自機の利点を押える理由はありませんから,F-16から探知される前にさっさとAMRAAM撃って話を終わらせるでしょう.

system ◆system65t. : 軍事板,2016/09/08(木)
青文字:加筆改修部分

 語ってるのがF-16の設計者だしね.
 ちなみにF-35は,模擬空戦の近接戦闘でF-16に敗北してる.

軍事板,2016/09/08(木)
青文字:加筆改修部分


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